JP6051982B2 - 二成分現像剤、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ - Google Patents

二成分現像剤、画像形成装置、及びプロセスカートリッジ Download PDF

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Description

本発明は、二成分現像剤、画像形成装置、及びプロセスカートリッジに関する。
近年、電子写真方式を用いた複写機やプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場が拡大する傾向にある。フルカラー電子写真法によるカラー画像形成では、静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したイエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はそれに黒色を加えた4色のカラートナーを現像してトナー像を形成させた後、このトナー像を記録媒体に転写して定着させることにより行っている。
このようなフルカラー電子写真方式による画像形成において、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、静電潜像担持体上のトナー量を静電潜像に忠実に保つ必要がある。これは、静電潜像担持体上のトナー量が変動すると、記録媒体上で画像濃度が変わったり、画像の色調が変わったりしてしまうからである。
静電潜像担持体上のトナー量が変動する原因としては、トナー帯電量の変動などの要因もあるが、特に、ハイブリッド現像方式においては、トナー担持体上のトナー量の差が、次の現像時の画像上に濃度差として現れる所謂履歴現象(ゴースト現象)によることが報告されている(特許文献1参照)。
ハイブリッド現像方式において、履歴現象を解消する方法としては、前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像した後にトナー担持体上の残トナーを一旦除去して、該トナー担持体の表面に新たなトナーを供給し、上述のようなトナー担持体上のトナー量の差を解消することが有効である。例えば、トナー担持体上の残トナーを現像後かつトナー再供給前にスクレーパーやトナー回収ロールにより掻きとることにより履歴現象を解消する方法が提案されている(特許文献2〜4参照)。また、コピーとコピーの間や紙間を利用して、トナー担持体上の残トナーを電位差により磁気ロールに回収し、トナー担持体上のトナー量を安定させるにより履歴現象を解消する方法が提案されている(特許文献5参照)。また、磁気ブラシを用いた履歴現象の対応策として、磁気ロールの磁束密度の半値幅領域を広く設定することにより、現像ロール上のトナーの回収と供給の安定化を図ることにより履歴現象を解消する提案がなされている(特許文献6参照)。更に、二成分現像剤用のキャリアとして非球形状のキャリアを使用して、磁気ブラシ先端のキャリアまで電荷注入し、現像剤担持体とトナー担持体との実質的な間隔を狭めて、トナー担持体への一回でのトナー供給量を増やし、トナー担持体上のトナー飽和量までトナーを供給することで、直前画像の履歴の影響を受けずに、トナー担持体上のトナー量を一定に保つことにより履歴現象を解消する方法が提案されている(特許文献7参照)。
上述した履歴現象は、ハイブリッド現像方式に特有の課題であるとされているが、二成分現像方式においても、現像剤を長期間使用すると、現像能力が低下して、画像濃度が減少する履歴現象が生じることが報告されている(特許文献8参照)。
前記二成分現像方式における履歴現象は、二成分現像剤の剥離が正常に行われないことに起因する。前記現像剤の剥離は、現像スリーブ内のマグネットを奇数個とし現像スリーブの回転軸よりも下側の位置に同極のマグネット対を設けて磁力が殆どゼロとなる剥離領域を作り、その領域で重力を用いて現像後の現像剤を自然落下させることにより行う。
しかし、直前画像でのトナー消費量時にキャリアにカウンターチャージが発生することで、キャリアと現像剤担持体との間に鏡像力が発生し、前記剥離領域において現像剤が正常に離れない。そのため、トナー消費によりトナー濃度の低下した現像剤が再度現像領域に搬送され、現像能力が低下する。即ち、スリーブ一周分は正常濃度であるのに対し、二周目以降は濃度が薄くなるという問題である。
二成分現像方式における履歴現象を解消する方法として、例えば、内部にマグネットを有した汲上ロールを現像スリーブ上の剥離領域付近に配置し、その磁力をもって現像後の現像剤の剥離を行うことが提案されている(特許文献8参照)。剥離された現像剤は、別の汲上ロールによって汲み上げられた後、スクリューを有した現像剤攪拌室に搬送され、トナー濃度の再調整とトナーの帯電が行われる。
しかしながら、前記提案によっても、長期間連続使用すると、履歴現象による影響を受けるため、安定したトナー量を静電潜像現像担持体に供給することできず、色再現性に優れ、鮮明な画像を得ることができないという問題がある。また、前記提案によっては、二成分現像方式に特有の課題である、トナースペントの堆積によるキャリア抵抗の変化が大きく、キャリアの帯電性の低下が大きいという問題がある。更に、前記問題を解決するためには、地肌汚れ、トナー飛散による機内汚染などを生じないというキャリアの諸特性は維持されている必要がある。したがって、このような問題を同時に解決することが強く望まれている。
一方、上述の画像形成装置における記録媒体へのトナーの定着は、一般的に、エネルギー効率に優れる点で、加熱ヒートローラ方式(加熱ローラを直接記録媒体上のトナー像に圧接して定着する方式)が広く用いられる。前記加熱ヒートローラ方式を用いたトナーの定着は、定着に多大な電力が必要となる。そのため、省エネルギー化を目的として、低温で記録媒体に定着できる低温定着性に優れるトナーが求められている。
前記低温定着性に優れるトナーとして、例えば、結着樹脂としてガラス転移温度の低い樹脂を用いるトナーが提案されている。しかし、前記ガラス転移温度の低い樹脂を用いたトナーは、軟化された樹脂を用いるため、現像攪拌による耐ストレス性に弱く、耐熱保存性に劣るという問題がある。
前記耐熱保存性の問題を解決するために、ガラス転移温度の低い樹脂を含む芯粒子と、該芯粒子の表面を被覆するように形成したガラス転移温度の高い樹脂を含むシェル層(外殻)とからなるコアシェル構造(カプセル構造)を有する耐熱保存性に優れるトナーが提案されている(特許文献9〜12参照)。しかし、前記コアシェル構造を有するトナーは、現像時のストレスには弱く、トナーが劣化しやすいため、トナーの記録媒体への転写性に劣るという問題がある。
前記転写性の問題を解決するために、トナー母体粒子の表面に粒径の異なる無機微粒子を外添剤として添加するトナーが提案されている(特許文献13〜16参照)。しかし、前記粒径の異なる無機微粒子を外添剤として添加するトナーは、前記トナー母体粒子への前記無機微粒子の付着力が粒子ごとに不均一であるため、前記トナー母体粒子から遊離された前記無機微粒子により、現像機内や感光体周辺が汚染されてフィルミングが発生するという問題がある。
前記フィルミング性の問題を解決するために、トナー母体粒子の表面に粒子同士を合一してなる不定形粒子を外添剤として添加するトナーが提案されている(特許文献17参照)。しかし、前記不定形粒子を外添剤として添加するトナーは、前記粒子の粒度分布が非常に幅広く、小粒子径や真球に近い粒子も多量に存在するため、長期間使用すると、これらの粒子が、前記トナー母体粒子へ埋没したり、前記トナー母体粒子から非常に離脱しやすい。そのため、これらの提案によっても、転写性、フィルミング性等が悪化するという問題がある。
したがって、長期に亘って直前画像のトナー消費履歴の影響を受けることなく、転写性、並びに、長期に亘ってトナースペントによる帯電性の低下、及びキャリア抵抗の変化が少ない耐久性に優れた二成分現像剤の提供が望まれている。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、長期に亘って直前画像のトナー消費履歴の影響を受けることなく、転写性、並びに、長期に亘ってトナースペントによる帯電性の低下、及びキャリア抵抗の変化が少なく耐久性に優れた二成分現像剤を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明の二成分現像剤は、着色剤、離型剤、及び結着樹脂を含有するトナー母体粒子と、外添剤とからなるトナーと、キャリアとを含む二成分現像剤であって、
前記キャリアが、芯材と、前記芯材を被覆する被覆層とを有し、
前記キャリアの算術平均表面粗さRa1が、0.50μm〜0.90μmであり、
前記被覆層が樹脂及び微粒子を含有し、前記被覆層の平均層厚差が、0.02μm〜3.0μmであり、
前記外添剤が、少なくとも合着粒子を含有し、前記合着粒子が、一次粒子同士が合着されてなる非球形の二次粒子であり、前記合着粒子の粒度分布指標が、下記式(1)で表されることを特徴とする。
ただし、前記式(1)中、Db50は、前記合着粒子の粒子径(nm)を横軸とし、前記合着粒子の累積値(個数%)を縦軸としたときの前記合着粒子の累積分布を小粒子側から描いたときに、前記累積値が50個数%となる前記合着粒子の粒子径を表し、Db10は、前記累積値が10個数%となる前記合着粒子の粒子径を表す。
本発明によると、前記従来における諸問題を解決でき、前記目的を達成することができ、長期に亘って直前画像のトナー消費履歴の影響を受けることなく、転写性、並びに、長期に亘ってトナースペントによる帯電性の低下、及びキャリア抵抗の変化が少なく耐久性に優れた二成分現像剤を提供することができる。
図1は、キャリアの電気抵抗率の測定に用いる抵抗測定セルの一例を表す斜視図である。 図2は、現像装置の一例を表す概略図である。 図3は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略図である。 図4は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略図である。 図5は、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す概略図である。 図6Aは、縦帯チャートにおける正常な画像の一例を示す図である。 図6Bは、縦帯チャートにおける異常画像の一例を示す図である。 図7は、本発明の二成分現像剤の帯電量の測定方法(ブローオフ法)の一例を示す図である。 図8Aは、キャリア表面の凹凸と、トナーの外添剤の凹凸の間に働く相互作用を説明するための模式図である。 図8Bは、キャリア表面の凹凸と、トナーの外添剤の凹凸の間に働く相互作用を説明するための模式図である。 図9Aは、キャリア表面の凹凸と、トナーとの関係を示す摸式図である。 図9Bは、キャリア表面の凹凸と、トナーとの関係を示す摸式図である。 図10は、キャリアとトナー間の付着力が低減してしまい、現像剤担持体上へのトナー付着が増加してしまう状態を示す摸式図である。 図11は、キャリアの芯材由来の凹凸によって、トナーと複数点接触することでのトナー保持ができなくなり、現像剤担持体上へのトナー付着量が増加してしまう状態を示す摸式図である。 図12Aは、キャリア被覆層中の粒子が少ない場合における、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されてトナーに負荷が与えられても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる状態を示す摸式図である。 図12Bは、キャリア被覆層中の粒子の粒径が小さい場合における、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されてトナーに負荷が与えられても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる状態を示す摸式図である。 図13A−1は、球形外添剤を用いた場合における、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されてトナーに負荷が与えられても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる状態を示す摸式図である。 図13A−2は、球形外添剤を用いた場合における、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されてトナーに負荷が与えられても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる状態を示す摸式図である。 図13B−1は、非球形外添剤(紡錘形)を用いた場合における、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されてトナーに負荷が与えられても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる状態を示す摸式図である。 図13B−2は、非球形外添剤(紡錘形)を用いた場合における、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されてトナーに負荷が与えられても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる状態を示す摸式図である。 図13C−1は、非球形外添剤(合着)を用いた場合における、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されてトナーに負荷が与えられても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる状態を示す摸式図である。 図13C−2は、非球形外添剤(合着)を用いた場合における、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されてトナーに負荷が与えられても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる状態を示す摸式図である。 図14は、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されてトナーに負荷が与えられても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる状態を示す摸式図である。 図15は、現像剤担持体との付着力に関して、外添剤の埋没、転動が抑制されることで、現像剤担持体との距離を保つことで、非静電的な付着力を低く保つことができる状態を示す摸式図である。 図16は、現像剤担持体との付着力に関して、外添剤の埋没、転動が抑制されることで、現像剤担持体との距離を保つことで、非静電的な付着力を低く保つことができる状態を示す摸式図である。 図17は、本発明で用いられるトナーにおける外添剤の一例を示す写真である。 図18は、本発明で用いられるトナーにおける外添剤の一例を示す写真である。 図19は、本発明で用いられるトナーにおける外添剤の一次粒子と二次粒子を示す写真である。 図20は、合着粒子の凝集力が強い場合(合着粒子1,000個中に占める一次粒子の割合が30%以下である場合)の一例を示す写真である。 図21は、合着粒子の凝集力が弱い場合(合着粒子1,000個中に占める一次粒子の割合が30%を超える場合)の一例を示す写真である。
(二成分現像剤)
本発明の二成分現像剤は、トナー母体粒子と、外添剤とからなるトナーと、キャリアとを含んでなる。
本発明の課題の一つである履歴現象は、前記履歴現象における発生メカニズムと異なる。
本発明におけるゴースト現象の発生メカニズムは、詳細については明らかではないが以下のように考えている。直前の画像履歴に応じ現像剤担持体上へトナーが付着し、現像剤担持体上に付着したトナーが持つ電位に応じ、次画像のトナー現像量が変動する。つまり、直前の画像履歴によって次画像のトナー現像量が変動することに起因すると考えている。
詳細には、非画像部では、静電潜像担持体から現像スリーブ方向へバイアスが掛かるため、トナー自体が現像剤担持体上へ付着(現像剤担持体上へのトナー付着)が発生する。
前記現像担持体上へ現像されたトナーは、電位を持つために、画像部の印刷時には現像剤担持体上のトナーの持つ電位分だけ現像電位が嵩上げされ、トナー現像量が増加してしまう。また、現像剤担持体上へ直接付着したトナーは、次回の現像時に消費されてしまうため、現像剤担持体上のトナー量は一定ではなく直前画像の履歴により変動する。即ち、直前に、非画像部や用紙と用紙の間隔部がある場合は、その領域を磁気ブラシが通過する際に、静電潜像担持体から現像スリーブ方向へバイアスが掛かるため、直後の画像部の印刷時には、上述の現像電位の嵩上げが起こり、よって、画像濃度は高くなる。一方、直前画像が画像面積の多い画像の場合には、現像剤担持体上に直接付着したトナーは、直前画像を現像した際に消費されるために少なくなり画像濃度は低くなる。
以上のように、本発明が課題の一つとする履歴現象は、直前画像の履歴を受け現像剤担持体上のトナー現像量が変動し、その変動の影響を受け、次画像の濃度変動が現れる現象である。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討した結果、トナーに添加する外添剤の表面凹凸による現像剤担持体上への付着抑制でき、現像電位の嵩上げを防止するとともにキャリア表面の凹凸形状及び被覆層の凹凸を規定の範囲とすることで、非画像時に現像剤担持体上でキャリアが転がりにくくなるために、現像担持体上へのトナー現像量が安定すること、更に、キャリア表面における凹凸が所定の値であることで、被覆後のキャリアは部分的に芯材抵抗に近い低抵抗部を作ることが可能であり、非画像時に現像剤担持体上へ現像されたトナーが、印刷時に消費されにくくなることを知見した。そして、長期間連続で使用しても、履歴現象の影響を受けることなく、安定したトナー量を供給することができ、画像の均一性が得られ、更に、キャリアの前記諸特性をより一層充分に満足し、長期間にわたりトナースペントを防止して帯電安定性に優れ、抵抗変化の少ないキャリアが得られることを知見した。
即ち、本発明の構成とすることにより、長期に亘って直前画像のトナー消費履歴の影響を受けず、安定したトナー量を現像し、色再現性に優れ、鮮明な画像を得ることができ、また、長期に亘ってトナースペントによる帯電性の低下及びキャリア抵抗の変化が少なく、かつ、地肌汚れ、トナー飛散による機内汚染などを生じないという諸特性を同時に満足するキャリアが得られることを知見した。
また、本発明は、キャリア表面における凹凸と、トナーの外添剤の凹凸の間に働く相互作用によって、非静電的な結びつきを強くすることで、キャリアのトナー保持力を上げることを目的としている。
前記キャリアの芯材303に由来するキャリア表面の凹凸によるトナーとの接点を増やすこと、更に、キャリア表面に被覆層306中に含まれる微粒子305による微細な凹凸を設けることで、トナーの外添剤302と接触することによってキャリアのトナー保持力を上げることを狙っている(図8A及び図8B参照)。図8A中、301はトナー母体粒子、304はキャリア被覆層の表面高低差を表す。
キャリアのトナー保持力を上げることで、非画像部において、静電潜像担持体から現像スリーブ方向へバイアスが掛かった際に、トナーが現像剤担持体へ付着してしまうこと(現像剤担持体へ現像されてしまうこと)を抑制し、画像履歴によるゴースト現象を抑制することを特徴とする。
<キャリア>
前記キャリアは、芯材と、前記芯材を被覆する被覆層とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
−キャリアの算術平均表面粗さRa1−
前記キャリアにおける算術平均表面粗さRa1としては、0.50μm〜0.90μmであり、0.60μm〜0.85μmが好ましい。
ここで、前記算術表面粗さRa1とは、キャリア表面における凹凸を表し、現像剤担持体上へのトナー付着量に寄与する。
前記算術平均表面粗さRa1が、0.50μm未満であると、現像剤担持体上でのキャリアが回転し易く、前記現像剤担持体の回転速度に対し、現像剤が追従しないため、現像担持体上で現像剤が滑ってしまうことがある。これにより、前記現像剤担持体と現像剤が速度差を持ち、現像剤担持体上への非画像時のトナー付着量が増えてしまうことがある。また、低抵抗部、即ち、被覆層が薄く芯材露出に近い部分が少ないために、非画像時に現像剤担持体上へ現像されたトナーが、印刷時に消費されてしまい、現像剤担持体上のトナーが大きく変動してしまうことがある。
一方、前記算術平均表面粗さRa1が、0.90μmを超えると、キャリア自体の凹凸が大きすぎ、キャリアの摩耗が凸部に偏ってしまうため、被覆層の摩耗が顕著となることがある。
更に、トナーとの関係においては、前記算術平均表面粗さRa1が、0.50μm未満であると、トナーとの接点が少なく、トナーを十分保持することができない。また、トナーとの関係においては、前記算術平均表面粗さRa1が、0.90μmを超えると、キャリア自体の凹凸が大きすぎるために、トナーに対するハザードが高くなってしまい、トナーの外添剤302のトナー母体粒子301への埋め込み、トナー母体粒子301の凹部への転がりを促進してしまい、トナーの外添剤302の機能が失われやすくなるため好ましくない(図9A及び図9B参照)。
前記算術平均表面粗さRa1の値は、例えば、以下の測定方法により求めることができる。LASERTEC社製のOPTELICS C130を用いて、対物レンズ倍率を50倍、Resolutionを0.20μmとして画像を取り込んだ後、キャリアの頂点部を中心にして観察エリアを10μm×10μmとし、キャリア100個を測定した値を用いた。
<芯材>
前記芯材としては、磁性体であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金、化合物等の磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子、などが挙げられる。これらの中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト、Mn−Mg−Caフェライトが好ましい。
−芯材の算術平均表面粗さRa2−
前記芯材の算術平均表面粗さRa2は、前記芯材の表面粗さを規定する。
前記芯材の算術平均表面粗さRa2としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm〜1.5μmが好ましく、0.6μm〜1.3μmがより好ましい。前記算術平均表面粗さRa2が、0.5μm未満であると、キャリア化した際に所望の前記キャリアの算術平均表面粗さRa1を得ることが難しくなることがあり、1.5μmを超えると、キャリア化した際にキャリアの算術平均表面粗さRa1が大きくなりすぎることがある。一方、前記算術平均表面粗さRa2が、前記好ましい範囲であると、キャリア化した際に、現像剤担持体上へのトナー付着量を制御できる点で有利である。
なお、前記算術平均表面粗さRa2の値は、前記算術平均表面粗さRa1の測定方法と同様の方法によって求めることができる。
前記キャリアの算術平均表面粗さRa1と前記芯材の算術平均表面粗さRa2との比Ra1/Ra2としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.60〜1.0が好ましく、0.70〜0.90がより好ましい。前記比Ra1/Ra2が、0.60未満であると、キャリアの芯材の凹凸をキャリア化する際に埋めてしまうことを意味しており、キャリアとトナー間の付着力が低減してしまい、現像剤担持体上へのトナー付着が増加する(図10参照)ことがあり、1.0に近くなるにつれ、芯材の凹凸とキャリアの凹凸が近いことを意味しており、キャリアの芯材由来の凹凸によって、トナーと複数点接触することでのトナー保持ができなくなり、現像剤担持体上へのトナー付着量が増加してしまう(図11参照)。また同時に、キャリアの被覆層中の耐久性を担う微粒子が十分に添加されていない、あるいは添加されていてもその粒径が小さいために、耐久性の効果が不十分であることを意味する。一方、前記比Ra1/Ra2が、前記好ましい範囲であると、現像剤担持体上へのトナー付着と、耐久性の両立の点で有利である。
<被覆層>
前記被覆層は、樹脂及び微粒子を含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記被覆層は、樹脂及び微粒子を含有する被覆層形成溶液を前記芯材の塗布することにより形成することができる。
前記被覆層としては、前記樹脂100質量部に対して、前記微粒子を50質量部〜500質量部の割合で含有する被覆層であれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂100質量部に対して、前記微粒子を100質量部〜300質量部の割合で含有する被覆層が好ましい。前記微粒子の含有量が、50質量部未満であると、前記被覆層が削れることがあり、500質量部を超えると、前記キャリアの表面に出てくる樹脂の割合が相対的に小さくなり、トナーがキャリア表面にスペントし易くなることがある。一方、前記含有量が、前記好ましい範囲であると、現像機で長期間使用した際に、被覆層が削れにくい点で有利である。
前記被覆層の厚みは、前記樹脂の前記芯材に対する含有量により制御することができる。前記樹脂の前記芯材に対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、被覆層の厚みにより局所的な低抵抗状態を形成することができる点で、0.5質量%〜3.0質量%が好ましい。
前記被覆層の平均厚みhとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2μm〜2μmが好ましい。前記平均厚みが、0.2μm未満であると、現像機内で現像剤を攪拌する際、容易に前記芯材が前記被覆層の表面に露出してしまい、抵抗値の変化が大きくなることがあり、2μmを超えると、前記芯材の凸部は露出せず、局所的な低抵抗状態を作ることが難しくなることがある。前記厚みが、前記好ましい範囲であると、局所的な低抵抗状態を有するキャリアを製造することができる点で有利である。
前記被覆層の平均厚みhは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、キャリア表面を覆う被覆層の樹脂部の厚みを測定し、その平均値から求めることができる。具体的には、前記キャリア断面から任意の50点について芯材表面から被覆層表面までの距離を測定し、測定値の平均を求めることができる。
−平均層厚差−
前記被覆層(キャリアの表面)は、平均層厚差が0.02μm〜3.0μmの凹凸を有する。
ここで、前記被覆層の平均層厚差は、前記被覆層に含有される微粒子によって生じる凹凸を表し、キャリアの抵抗調整、耐摩耗性、及びトナースペントの掻き取りに寄与している。
前記平均層厚差が、0.02μm未満であると、キャリア被覆層中の粒子が少ない場合、キャリア被覆層中の粒子の粒径が小さい場合があり、いずれもトナーの外添剤302との微小な接触による付着力が無いため、現像剤担持体上へトナーが移行し易くなってしまい、ゴースト画像の原因となってしまう(図12A及び図12B参照)。また、非画像時に現像剤担持体上へ現像されたトナーが印刷時に消費されてしまい、現像剤担持体上のトナーが大きく変動することがある。また、所謂フィラー効果が十分でないため、被覆層の耐摩耗性が悪化することがある。更に、キャリア表面に凹凸が殆どないため、トナースペント物の掻き取りが十分でなく、帯電の安定性も課題となる。
前記平均層厚差が、3.0μmより大きいと、樹脂が微粒子を拘束する力が十分でないために、微粒子の離脱、それに基づく樹脂の摩耗、またトナー保持力の低下による、現像剤担持体へのトナー移行が増加することによって、ゴースト画像が悪化することが課題となってしまう。
前記平均層厚差の測定は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、キャリア表面を覆う被覆層の樹脂部の厚みを測定することで求めることができる。具体的には、前記キャリア断面において、任意の50点について芯材表面から被覆層表面までの距離を測定し、得られた測定値の数値の大きい値から5点の平均値と数値の小さい値から5点の平均値との差とする。
<<樹脂>>
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が好ましい。
また、前記樹脂としては、シランカップリング剤及びシリコーン樹脂を含有する混合物の硬化物を含む樹脂も好適に用いることができる。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも下記一般式(A)で表されるA部分、及び下記一般式(B)で表されるB部分を含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成して縮合することにより得られる架橋物を含有する樹脂が好ましい。
ただし、前記一般式(A)中、Rは、水素原子、及びメチル基のいずれかを表し、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、mは、1〜8の整数を表し、Xは、前記共重合体におけるモル比を表し、10モル%〜90モル%を表す。
ただし、前記一般式(B)中、Rは、水素原子及びメチル基のいずれかを表し、Rは、炭素原子数1〜4のアルキル基を表し、Rは、炭素原子数1〜8のアルキル基及び炭素原子数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表し、mは、1〜8の整数を表し、Yは、前記共重合体におけるモル比を表し、10モル%〜90モル%を表す。
前記シランカップリング剤は、前記微粒子を安定に分散させる機能を有している。
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r−クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記シランカップリング剤は、適宜調製したものを用いてもよいし、市販品を用いてもよく、前記市販品としては、例えば、AY43−059、SR6020、SZ6023、SH6020、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43−310M、SZ6030、SH6040、AY43−026、AY43−031、sh6062、Z−6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z−6721、AY43−004、Z−6187、AY43−021、AY43−043、AY43−040、AY43−047、Z−6265、AY43−204M、AY43−048、Z−6403、AY43−206M、AY43−206E、Z6341、AY43−210MC、AY43−083、AY43−101、AY43−013、AY43−158E、Z−6920、Z−6940(以上、東レ・シリコーン株式会社製)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記シランカップリング剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂に対して、0.1質量%〜10質量%が好ましい。前記含有量が、0.1質量%未満であると、前記芯材乃至前記微粒子と前記樹脂との接着性が低下して、長期間の使用中に被覆層が脱落することがあり、10質量%を超えると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生することがある。
前記被覆層は、前記シラノール基及び前記加水分解性官能基の少なくともいずれかを有するシリコーン樹脂、重合触媒、必要に応じて、前記シラノール基及び前記加水分解性官能基の少なくともいずれかを有するシリコーン樹脂以外の樹脂、溶媒を含む被覆層用組成物を用いて形成することができる。
具体的には、前記被覆層用組成物で芯材を被覆しながら、シラノール基を縮合させることにより形成してもよいし、前記被覆層用組成物で芯材を被覆した後に、シラノール基を縮合させることにより形成してもよい。
前記被覆層用組成物で芯材を被覆しながら、シラノール基を縮合させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、熱、光等を付与しながら、被覆層用組成物で芯材を被覆する方法、などが挙げられる。
また、前記被覆層用組成物で芯材を被覆した後に、シラノール基を縮合させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被覆層用組成物で芯材を被覆した後に加熱する方法、などが挙げられる。
<<微粒子>>
前記微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルミナ、シリカ、チタン、バリウム、スズ、及びカーボンから選択される少なくともいずれかを含むことが好ましい。
前記微粒子としては、導電性微粒子及び非導電性微粒子のいずれも用いることができ、導電性微粒子と非導電性微粒子とを併用してもよい。
ここで、前記導電性微粒子とは、粉体比抵抗が100Ω・cm以下である微粒子を意味し、前記非導電性微粒子とは、粉体比抵抗が100Ω・cmを超える微粒子を意味する。
前記粉体比抵抗は、例えば、次のようにして測定することができる。内径1インチ(2.54cm)の円筒状の塩化ビニル管の中に、試料を5g入れ、その上下を電極で挟む。これら電極をプレス機により、10kg/cmの圧力を加える。続いて、この加圧した状態で、LCRメーター(4216A、横川ヒューレットパッカード株式会社製)を接続する。接続直後の抵抗r(Ω)を読み取り、ノギスで全長L(cm)を測定し、粉体比抵抗(Ω・cm)を算出することができる。計算式は、以下の式に示すものである。
粉体比抵抗(Ω・cm)={(2.54/2)×π}×r/(L−11.35)
ただし、前記式中、rは、接続直後の抵抗、Lは、試料を充填した場合の全長を表し、「11.35」は、試料を充填しない場合の全長を示す。
前記導電性微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム等の基体に二酸化スズ、酸化インジウム等を層として形成した導電性微粒子;カーボンブラックを用いて形成する導電性微粒子、などが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、二酸化チタン、又は硫酸バリウムの基体に二酸化スズ、又は酸化インジウムを層として形成した導電性微粒子が好ましい。
前記非導電性微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、硫酸バリウム、酸化ジルコニウム、などが挙げられる。
前記微粒子の粉体比抵抗としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、−3Log(Ω・cm)〜3Log(Ω・cm)が好ましい。前記粉体比抵抗が、−3Log(Ω・cm)未満であると、微粒子の抵抗が低すぎるため、トナーとの摩擦帯電の際に十分に帯電することができないことがあり、3Log(Ω・cm)を超えると、キャリア抵抗調整能力が十分でないため、エッジ効果及び画像の精細性が悪化することがある。
前記微粒子の体積平均粒径Dとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50nm〜500nmが好ましく、100nm〜400nmがより好ましい。前記数値範囲内の体積平均粒径Dを有することで、被覆層の表面から微粒子が出やすくなり、部分的な低抵抗を作りやすく、更にはキャリア表面のスペント物を掻き取り易く、耐摩耗性にも優れる。
前記微粒子の体積平均粒径Dは、例えば、超遠心式自動粒度分布測定装置(CAPA−700、株式会社堀場製作所製)を用いて測定することができる。具体的には、以下の手順で測定を行う。
まず、ジューサーミキサーにアミノシラン(SH6020、東レ・ダウコーニング株式会社製)30mLにトルエン溶液300mLを入れる。次に、試料を6.0gを加え、ミキサー回転速度をlowにセットし3分間分散する。1,000mLビーカーに予め用意されたトルエン溶液500mLの中に分散液を適量加えて希釈する。得られた希釈液はホモジナイザーにて常に攪拌を続ける。次に、超遠心式自動粒度分布測定装置(CAPA−700、株式会社堀場製作所製)にて体積平均粒径を測定する。
−測定条件−
測定条件回転速度:2,000rpm
最大粒度:2.0μm
最小粒度:0.1μm
粒度間隔:0.1μm
分散媒粘度:0.59mPa・s
分散媒密度:0.87g/cm
粒子密度:乾式自動嵩密度計(アキュピック1330、株式会社島津製作所製)を用いて測定した真比重値
前記被覆層における微粒子の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、結着樹脂100質量部に対して、50質量部〜500質量部が好ましく、100質量部〜300質量部がより好ましい。
前記含有量が、50質量部未満であると、被覆層の削れ及び剥れを防止する効果が減少することがあり、500質量部を超えると、キャリア表面に出てくる樹脂の割合が相対的に小さくなり、トナーがキャリア表面にスペントし易くなることがある。一方、前記含有量が前記好ましい範囲内であると、現像装置で長期間使用した際の被覆層の削れ及び剥れを抑制することが可能になる。
前記被覆層の平均厚みhに対する前記微粒子の体積平均粒径Dの比(D/h)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.01〜1.0が好ましく、0.1〜1.0がより好ましい。
前記D/hが、0.01未満であると、微粒子に起因する凹凸はほとんど見られず、被覆膜の表面が平らになり、トナーの固着による帯電性能の低下等が発生し、画像品質が低下することがあり、1.0を超えると、低画像面積でのランニングを行った場合に、被覆層の微粒子に起因する凸部が削れることにより抵抗の低下等が発生し、画像品質が低下することがある。一方、前記D/hが前記好ましい範囲内であると、耐久性が良好であり、キャリア付着を抑制することが可能である点で有利である。
前記微粒子の被覆層における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10質量%〜90質量%が好ましく、40質量%〜85質量%がより好ましく、50質量%〜80質量%が特に好ましい。
前記含有量が、10質量%未満であると、キャリアの表面における微粒子の割合が少ないため、結着樹脂への強い衝撃を伴う接触を緩和する効果が小さくなることがあり、90質量%を超えると、キャリアの表面における結着樹脂の割合が少ないため、帯電性能が低下すること、結着樹脂による微粒子の保持能力が不十分となることがある。
なお、前記微粒子の含有量は、下記式で表される。
微粒子の含有量(質量%)={微粒子/(微粒子+樹脂固形分総量)}
<キャリアの製造方法>
前記キャリアの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、流動床型コーティング装置を使用して、前記芯材の表面に、前記樹脂及び前記微粒子を含有する被覆層形成溶液を塗布することにより製造する方法が好ましい。なお、前記被覆層形成溶液を塗布する際に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよいし、前記被覆層形成溶液を塗布した後に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよい。前記樹脂の縮合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被覆層形成溶液に、熱、光等を付与して樹脂を縮合する方法などが挙げられる。
<<キャリアの体積固有抵抗>>
前記キャリアの体積固有抵抗としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1×10Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下が好ましく、1×10Ω・cm以上1×1012Ω・cm以下がより好ましい。前記体積固有抵抗が、1×10Ω・cm未満であると、非画像時に現像担持体上へ現像されるトナー量が増えてしまい、画像の均一性が得られないことがある。前記体積固有抵抗が、1×1017Ω・cmを超えると、印刷時に現像剤担持体上に現像されたトナーが消費されてしまい、画像の均一性が得られないことがある。なお、ハイレジスト計の測定可能下限を下回った場合には、実質的には体積固有抵抗値は得られず、ブレークダウンしたものとして扱うことにする。
前記体積固有抵抗は、例えば、以下の方法により測定することができる。
まず、電極間距離2mm、表面積2cm×4cmの電極、電極を収容したフッ素樹脂製容器からなるセルにキャリアを充填し、タッピングマシン(PTM−1型、三協パイオテク社製)を用いて、タッピングスピード30回/minにて1分間タッピング操作を行う。次いで、両極間に1,000Vの直流電圧を印加し、ハイレジスト計〔ハイレジスタンスメーター4329A(4329A+LJK5HVLVWDQFH 0HWHU、横川ヒューレットパッカード株式会社製)〕により直流抵抗を測定して電気抵抗率RΩ・cmを求め、LogRを算出することができる。
<<キャリアの重量平均粒径Dw>>
前記キャリアの重量平均粒径Dwは、レーザー回折・散乱法によって求めた前記芯材の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。
前記キャリアの重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20μm〜65μmが好ましい。前記重量平均粒径が、前記範囲内であることにより、キャリア付着や画質などに対する改善効果が顕著である。これは、前記重量平均粒径が、20μm未満であると、粒子の均一性が低下することと、マシン側で充分使いこなす技術が確立できていないことにより、キャリア付着などの問題が生じ好ましくない。一方、前記重量平均粒径が、65μmを超えると、画像細部の再現性が悪く精細な画像が得られないので好ましくない。
前記重量平均粒径Dwは、個数基準で測定された粒子の粒径分布(個数頻度と粒径との関係)に基づいて算出されたものである。
前記重量平均粒径Dwは、次式(1)で表される。
Dw = {1/Σ(nD)}×{Σ(nD)}・・・(1)
(ただし、前記式(1)中、Dは各チャネルに存在する粒子の代表粒径(μm)を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示す)
なお、チャネルとは、粒径分布図における粒径範囲を測定幅単位に分割するための長さを示すもので、本発明の場合には、2μmの等分長さ(粒径分布幅)を採用した。
また、各チャネルに存在する粒子の代表粒径としては、各チャネルに保存する粒子粒径の下限値を採用した。
また、前記個数平均粒径Dpは、個数基準で測定された粒子の粒径分布に基づいて算出されたものである。
前記個数平均粒径Dpは、以下の式(2)で表される。
Dp = (1/N)×(ΣnD) ・・・(2)
ただし、前記式(2)中、Nは計測した全粒子数を示し、nは各チャネルに存在する粒子の総数を示し、Dは各チャネル(2μm)に存在する粒子粒径の下限値を示す。
前記粒径分布を測定するための粒度分析計としては、例えば、マイクロトラック粒度分析計(モデルHRA9320−X100、Honewell社製)を用いた。その測定条件は以下の通りである。
−測定条件−
[1]粒径範囲:100nm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
<<キャリアの磁化>>
前記キャリアの磁化(磁気モーメント)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1kOeの磁場において、40Am/kg〜90Am/kgが好ましい。
前記磁化の測定には、例えば、高感度振動試料型磁力計(VSM−P7−15、東英工業株式会社製)を用いることができる。具体的な測定方法としては、キャリア約0.15gを秤量し、内径2.4mm、高さ8.5mmのセル(図1参照)に前記キャリアを充填し、1,000エルステット(Oe)の磁場下で測定する。図1中201aは電極、201bは電極、202はフッ素樹脂製容器、203はキャリアを表す。
<トナー>
前記トナーは、着色剤、離型剤、及び結着樹脂を含有するトナー母体粒子と、外添剤とからなる。
本発明のトナーは、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されるなどトナーに負荷が与えられた場合においても外添剤の埋没や転動が抑制されることで、経時でのキャリアとの接触による保持力を保つことができる(図13A−1〜図13C−1、及び図14参照)。
図13A−1及び図13A−2は、球形外添剤を用いた場合、図13B−1及び図13B−2は、非球形外添剤(紡錘形)を用いた場合、図13C−1及び図13C−2は、非球形外添剤(合着)を用いた場合をそれぞれ示す。
図14に示すように、球形外添剤を用いると、外添剤の埋没、転動によって、キャリア表層の凹凸とトナー外添剤の接触が十分に得られないことがある。
また、現像剤担持体との付着力に関しては、トナー外添剤の埋没、転動が抑制されることで、現像剤担持体との距離を長くすることで、現像剤担持体との付着力を低く保つことができる(図15参照)。
また、現像剤担持体との付着力に関しては、トナー外添剤の埋没、転動が抑制されることで、現像剤担持体との距離を保つことで、非静電的な付着力を低く保つことができる(図16参照)。
つまり、外添剤の埋没、転動を抑制することで、キャリアとの間の保持力(付着力)を大きく保ち、現像剤担持体との付着力は低く保つことで、非画像部において、静電潜像担持体から現像スリーブ方向へバイアスが掛かった際に、トナーが現像剤担持体へ直接付着してしまうこと(現像剤担持体へ現像されてしまうこと)を抑制し、画像履歴によるゴースト現象を抑制することに特徴を有する。
通常、電子写真式の画像形成装置において、小粒径トナーを用いた場合には、トナー粒子と静電潜像担持体、又はトナー粒子と中間転写体との非静電的付着力が増加するため、より転写効率が低下する。特に、高速機において小粒径トナーを使用した場合には、トナーの小粒径化により中間転写体との非静電的付着力が増加した上に、高速化に伴い転写のニップ部、特に二次転写のニップ部においてトナー粒子が転写電界を受ける時間が短くなるため、二次転写での転写効率の低下が顕著となることが知られている。
しかし、前記トナーにおいては、外添剤の母体が低減されることによりトナー粒子の非静電的付着力が低減され、高速機のように転写時間が短くなった場合においても、定着性を阻害することなく十分な転写効率を得ることができる。更に、高速機のように経時での機械的ストレスの大きい場合においても、外添剤自身が転がりにくいために外添剤が凹部に転がり、外添剤の機能が消失することが無くなり、長期的にも十分な転写効率を維持することが可能である。
<外添剤>
前記外添剤としては、少なくとも合着粒子を含有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<<合着粒子>>
前記合着粒子は、一次粒子同士が合着されてなる非球形の二次粒子である。
なお、前記外添剤は、少なくとも前記合着粒子(二次粒子)を含めばよく、前記合着粒子(二次粒子)の他に、前記合着粒子の一次粒子の状態のものを含有させてもよい。
−一次粒子−
前記一次粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の無機微粒子、有機微粒子、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリカが、トナー母体粒子への外添剤の埋没及び離脱を防ぐことができる点で好ましい。
前記一次粒子の体積平均粒子径(Da)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、20nm〜150nmが好ましく、35nm〜150nmがより好ましい。前記一次粒子が、20nm未満であると、スペーサー効果の機能を果たすことができず、外部ストレスによるトナー母体粒子への外添剤の埋没を抑制できないことがあり、150nmを超えると、トナーからの遊離が発生しやすく、感光体フィルミングを引き起こしやすくなることがある。
前記一次粒子の体積平均粒子径(Da)は、前記合着粒子中の一次粒子の粒子径(図17に示す全ての矢印の長さ)をもとに測定した。前記測定は、前記二次粒子を適切な溶剤(テトラヒドロフラン(THF)等)に分散させた後、基板上で溶剤を除去して乾固させたサンプルを、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM、加速電圧:5kV〜8kV、観察倍率:8,000倍〜10,000倍)にて視野中の一次粒子の粒子径を計測することにより行う。前記一次粒子の粒子径の測定は、凝集した各粒子の最長長さ(図17に示す全ての矢印の長さ)の平均値を計測(計測した粒子数:100個以上200個以下)することにより行う。
−−二次粒子−−
前記二次粒子とは、上述のとおり、即ち、合着粒子を指す。
前記二次粒子としては、例えば、前記一次粒子を後述する処理剤により化学結合させ、二次凝集させた粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゾルゲルシリカが好ましい。
前記二次粒子の体積平均粒子径(Db)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80nm〜200nmが好ましく、100nm〜180nmがより好ましく、100nm〜160nmが特に好ましい。前記体積平均粒子径が、80nm未満であると、スペーサー効果の機能を果たしにくく、外部ストレスによる埋没を抑制しにくく、200nmを超えると、トナーからの遊離が発生しやすく、感光体フィルミングを引き起こしやすくなる。
前記二次粒子の体積平均粒子径(Db)の測定は、例えば、前記二次粒子を適切な溶剤(テトラヒドロフラン(THF)等)に分散させた後、基板上で溶剤を除去して乾固させたサンプルを、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM、加速電圧:5kV〜8kV、観察倍率:8,000倍〜10,000倍)にて視野中の合着粒子の粒子径を計測することにより行う。前記二次粒子の粒子径の測定は、凝集した粒子の最長長さ(図18に示す矢印の長さ)を計測(計測した粒子数:100個以上200個以下)することにより行う。
−合着粒子の合着度−
前記合着度(G)は、前記合着粒子(二次粒子)の体積平均粒子径と、前記合着粒子に含まれる一次粒子の体積平均粒子径との比(二次粒子の体積平均粒子径/一次粒子の体積平均粒子径)で表され、各体積平均粒子径は、上述の方法により測定されて算出される。
前記合着粒子の合着度(G)(二次粒子の体積平均粒子径/一次粒子の体積平均粒子径)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5〜4.0が好ましく、2.0〜3.0がより好ましい。前記合着度(G)が、1.5未満であると、前記外添剤が前記トナー母体粒子表面の凹部へ転がり埋没しやすく、転写性に優れないことがあり、4.0を超えると、トナーから前記外添剤が剥がれやすく、キャリア汚染や感光体に対して傷付けたりするため、経時での劣化にやや弱い。
前記合着度が1.3未満である合着粒子のトナー中における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー中の合着粒子に対して、10個数%以下が好ましい。前記合着粒子は、製造上、分布を有しており、前記合着度が1.3未満の粒子は、合着が進行していない粒子であり、ほぼ球形に近い状態として存在している。そのため、埋没抑制のために特徴づけている異形添加剤としての機能を果たしにくい。前記合着度が1.3未満の前記合着粒子の含有量の測定は、上述の方法により、前記一次粒子及び前記二次粒子の体積平均粒子径を100個以上200個以下測定した後、得られた測定値から各合着粒子の合着度を算出し、前記合着度が1.3未満となる粒子の個数を測定個数で除して算出する。
−合着粒子の粒度分布指標−
前記合着粒子の粒度分布指標として、下記式(1)を満たす粒子を用いることにより、特に、トナーにおけるフィルミング性の問題を解決することができる。前記合着粒子として、下記式(1)で表されるように、粒度分布がシャープな粒子を用いることにより、特に、フィルミング性に優れるトナーとすることができる。
ただし、前記式(1)中、Db50は、前記合着粒子の粒子径(nm)を横軸とし、前記合着粒子の累積値(個数%)を縦軸としたときの前記合着粒子の累積分布を小粒子側から描いたときに、前記累積値が50個数%となる前記合着粒子の粒子径を表し、Db10は、前記累積値が10個数%となる前記合着粒子の粒子径を表す。
前記Db50は、例えば、前記合着粒子の粒子径(nm)を横軸とし、前記合着粒子の累積値(個数%)を縦軸としたときの前記合着粒子の累積分布により表され、計測した前記合着粒子の粒子数が200個であれば100個目、150個であれば75個目の前記合着粒子の粒子径をいう。
前記Db50の測定は、前記合着粒子を適切な溶剤(テトラヒドロフラン(THF)等)に分散させた後、基板上で溶剤を除去して乾固させたサンプルを、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM、加速電圧:5kV〜8kV、観察倍率:8,000倍〜10,000倍)にて視野中の合着粒子の粒子径を計測して、前記累積値が50%となる前記合着粒子の粒子径を測定することにより行う。前記合着粒子の粒子径は、凝集した粒子の最長長さ(図18に示す矢印の長さ)を計測(計測した粒子数:100個以上200個以下)することにより行う。
前記Db10は、例えば、前記合着粒子の粒子径(nm)を横軸とし、前記合着粒子の累積値(個数%)を縦軸としたときの前記合着粒子の累積分布により表され、計測した前記合着粒子の粒子数が200個であれば20個目、150個であれば15個目の前記合着粒子の粒子径をいう。
前記Db10の測定は、前記合着粒子を適切な溶剤(テトラヒドロフラン(THF)等)に分散させた後、基板上で溶剤を除去して乾固させたサンプルを、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM、加速電圧:5kV〜8kV、観察倍率:8,000倍〜10,000倍)にて視野中の合着粒子の粒子径を計測して、前記累積値が10%となる前記合着粒子の粒子径を測定することにより行う。前記合着粒子の粒子径は、凝集した粒子の最長長さ(図18に示す矢印の長さ)を計測(計測した粒子数:100個以上200個以下)することにより行う。
前記「Db50/Db10」としては、1.20以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.15以下が好ましい。前記「Db50/Db10」が1.20を超えると、合着粒子の粒度分布が幅広く、小粒径の粒子が多くなる。即ち、「小粒径の粒子A」(合着が進んでおらず、一次粒子の状態で存在している粒子)又は「小粒径の粒子B」(合着は進んでいるが、一次粒子自体が小粒径である粒子)の少なくともどちらか一方が多いことを意味する。前記「小粒径の粒子A」が多いと、非球形の外添剤としての機能が果たしきれず、耐埋没性に劣るため、異常画像が発生することがあり、前記「小粒径の粒子B」が多いと、スペーサー効果の機能を果たすことができず、外部ストレスによるトナー母体粒子への外添剤の埋没を抑制できないことがある。そのため、前記「小粒径の粒子A」及び前記「小粒径の粒子B」を低減させる必要がある。
前記「小粒径の粒子A」及び前記「小粒径の粒子B」を低減させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分級処理により、予め小粒径の粒子を除去する方法が好ましい。
−合着粒子の形状−
前記合着粒子の形状としては、粒子同士が合着されてなる非球形の形状を有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図17〜図18に示すように、粒子同士が2個以上合着されてなる非球形の形状などが挙げられる。前記合着粒子を用いることにより、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されるなどトナーに負荷が与えられた場合においても外添剤の埋没や転動が抑制されることで経時での高転写率を維持することが可能となる。また、前記合着粒子は、一定の攪拌条件下においても、粒子同士の凝集力(合着力)が維持されるため、トナーの耐久性が高い。
−−合着粒子のパラメータ−−
前記合着粒子は、下記式(2)を満たせば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、下記式(2−1)を満たすことが好ましい。
前記合着粒子は、一定の攪拌条件下においても、一次粒子同士の凝集力(合着力)が維持されるため、トナーの耐久性が高まる。
ただし、前記式(2)及び前記式(2−1)中、Nxは、前記外添剤の粒子1,000個中に占める一次粒子の個数を示す。なお、前記粒子1,000個中に占める一次粒子の個数は、50mLの瓶に入れた前記外添剤0.5g及びキャリア49.5gに対し、67Hz、10分間の条件で混合攪拌機にて攪拌した後、走査電子顕微鏡にて観察して計測する。
前記合着粒子の凝集力が強い場合(図20に示すように、前記合着粒子1,000個中に占める一次粒子(例えば、図20中、符号4で示される粒子)の割合が30%以下である場合)、トナー中の外添剤が現像器などの負荷によって割れ乃至崩壊をおこして一次粒子となる粒子数が少なくなり、外添剤の埋没や転動が抑制され、経時での高転写率を維持できる。
前記合着粒子の凝集力が弱い場合(図21に示すように、前記合着粒子1,000個中に占める一次粒子(例えば、図21中、符号4で示される粒子)の割合が30%を超える場合)、トナー中の外添剤が現像器などの負荷によって割れ乃至崩壊をおこして一次粒子となる粒子数が多くなり、球状の一次粒子の割合が増加し、外添剤の移動や埋没が起こりやすく、経時での高転写率を維持しにくくなる。
−−−式(2)条件−−−
前記式(2)中、前記一次粒子とは、前記混合攪拌機を用いて前記攪拌条件にて前記合着粒子を攪拌した後に割れ乃至崩壊が生じて一次粒子となった粒子、及び前記攪拌を行う前から前記一次粒子単独で存在していた粒子を含み、例えば、図19の符号2、図20〜図21の符号4で示される粒子のように、前記一次粒子同士が合着されていない粒子などが含まれる。なお、図19の符号1、図20〜図21の符号3で示される粒子は、二次粒子である。
前記式(2)中、前記一次粒子の形状としては、粒子同士が合着されていない形状であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図19の符号2、図20〜図21の符号4で示される粒子のように、略球状の状態で存在することが多い。
前記式(2)中、前記一次粒子が存在していることを確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、走査電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより、粒子単独で存在していることを確認する方法が好ましい。
前記一次粒子の体積平均粒子径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、走査電子顕微鏡(FE−SEM、加速電圧:5kV〜8kV、観察倍率:8,000倍〜10,000倍)にて視野中の前記一次粒子の粒子径の平均値を計測(計測した粒子数:100個以上)することにより行う。
前記式(2)中、前記粒子1,000個中に占める一次粒子の計測としては、前記攪拌した後、走査電子顕微鏡にて観察し、図19の符号2、図20〜図21の符号4で示される粒子のように、粒子単独で存在している粒子を、一次粒子1個として計測する。
前記式(2)中、前記粒子1,000個を計測する際、前記走査電子顕微鏡にて複数個の粒子が合着されてなる合着粒子が確認された場合、前記合着粒子は、粒子1個として計測する。
前記式(2)中、前記混合攪拌機としては、ロッキングミル(株式会社セイワ技研製)を使用する。
前記式(2)中、前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆層形成溶液を焼成フェライト粉表面に塗布乃至乾燥して得られる被覆フェライト粉を用いることが好ましい。
前記式(2)中、前記50mLの瓶としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販されているガラス瓶(日電理化硝子株式会社製)などが挙げられる。
−−合着粒子の特性−−
前記合着粒子の合着度(二次粒子の体積平均粒子径/一次粒子の体積平均粒子径)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5〜4.0が好ましい。前記合着度が、1.5未満であると、前記外添剤が前記トナー母体粒子の表面の凹部に転がりやすく、転写性に優れないことがあり、4.0を超えると、トナーから前記外添剤が剥がれやすく、キャリア汚染や感光体に対して傷付けたりするため、経時での画像欠陥となることがある。
前記合着粒子の一次粒子同士が合着されていることを確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、走査電子顕微鏡(SEM)にて観察することにより、一次粒子同士が合着されていることを確認する方法が好ましい。
前記合着粒子を用いることにより、トナーの高流動性を実現し、現像器内にて攪拌されるなどトナーに負荷が与えられた場合においても外添剤の埋没や転動が抑制されることで経時での高転写率を維持することが可能となる。
前記合着粒子の粒子同士が合着されていることを確認する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)にて観察することにより、確認する方法が好ましい。
−合着粒子の製造方法−
前記合着粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゾルゲル法により製造する方法が好ましく、具体的には、前記一次粒子と、下記に説明する処理剤とを混合乃至焼成することにより化学結合させて二次凝集させ、前記二次粒子(合着粒子)とすることにより製造する方法が好ましい。なお、前記ゾルゲル法により合成する際には、前記処理剤を共存させて、一段反応にて合着粒子を調製してもよい。
−−処理剤−−
前記処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シラン系処理剤、エポキシ系処理剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記一次粒子として、シリカを用いた場合には、前記シラン系処理剤が形成するSi−O−Si結合の方が、前記エポキシ系処理剤が形成するSi−O−C結合よりも、熱に対して安定である点で、シラン系処理剤が好ましい。また、必要に応じて、処理助剤(水、1質量%酢酸水溶液等)を使用してもよい。
−−−シラン系処理剤−−−
前記シラン系処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコキシシラン類(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等);シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン等);ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ジメチルトリメチルシリルアミン、ヘキサメチルジシラザン、サイクリックシラザンの混合物、などが挙げられる。
前記シラン系処理剤は、以下に示すように、前記一次粒子(例えば、シリカ一次粒子)を化学結合にさせて二次凝集を形成させる。
前記シラン系処理剤として、前記アルコキシシラン類、前記シラン系カップリング剤等を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、下記式(A)に示すように、前記シリカ一次粒子に結合するシラノール基とシラン系処理剤に結合するアルコキシ基が反応し、脱アルコールにより、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。
前記シラン系処理剤として、前記クロロシラン類を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、前記クロロシラン類のクロル基と、前記シリカ一次粒子に結合するシラノール基とが脱塩化水素反応により、新たなSi−O−Si結合するシラノール基が脱水反応により、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。また、前記シラン系処理剤として、前記クロロシラン類を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、系に水が共存する際には、まずクロロシラン類が水に加水分解してシラノール基を生成し、該シラノール基とシリカ一次粒子に結合するシラノール基が脱水反応により、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。
前記シラン系処理剤として、シラザン類を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、アミノ基とシリカ一次粒子に結合するシラノール基が脱アンモニアすることにより、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。
ただし、前記式(A)中、Rは、アルキル基を示す。
−−−エポキシ系処理剤−−−
前記エポキシ系処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、などが挙げられる。
前記エポキシ系処理剤は、下記式(B)に示すように、前記シリカ一次粒子を化学結合させて二次凝集を形成させる。前記エポキシ系処理剤を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、前記シリカ一次粒子に結合するシラノール基が、前記エポキシ系処理剤のエポキシ基酸素原子及びエポキシ基に結合する炭素原子を付加することにより、新たなSi−O−C結合を形成して二次凝集する。
前記処理剤と前記一次粒子との混合質量比(一次粒子:処理剤)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100:0.01〜100:50が好ましい。なお、前記処理剤の量が多いほど、合着度が高くなる傾向にある。
前記処理剤と前記一次粒子との混合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の混合機(スプレードライヤー等)により混合する方法などが挙げられる。なお、前記混合する際は、前記一次粒子を調製した後に前記処理剤を混合して調製してもよいし、前記一次粒子を調製する際に前記処理剤を共存させて、一段反応にて調製してもよい。
前記処理剤と前記一次粒子との焼成温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜2,500℃が好ましい。なお、前記焼成温度が高いほど、合着度が高くなる傾向にある。
前記処理剤と前記一次粒子との焼成時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5時間〜30時間が好ましい。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー母体粒子100質量部に対して、0.5質量部〜4.0質量部が好ましい。
<トナー母体粒子>
前記トナー母体粒子は、少なくとも着色剤、離型剤、及び結着樹脂を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
<<結着樹脂>>
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温定着性に優れ、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可撓性を有する点で、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂と前記他の結着樹脂とを組み合わせた樹脂が特に好ましい。
−ポリエステル樹脂−
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、未変性ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂が好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂及び前記変性ポリエステル樹脂は、低温定着性及び耐ホットオフセット性を向上する点で、少なくとも一部が相溶していることが好ましい。このため、変性ポリエステル樹脂及び未変性ポリエステル樹脂は、類似の組成であることが好ましい。
−−未変性ポリエステル樹脂−−
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、結晶性ポリエステル樹脂、非結晶性ポリエステル樹脂等の未変性のポリエステル樹脂、などが挙げられる。
前記未変性ポリエステル樹脂の酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1KOHmg/g〜50KOHmg/gが好ましく、5KOHmg/g〜30KOHmg/gがより好ましい。前記酸価が、50KOHmg/gを超えると、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が低下することがある。一方、前記酸価が好ましい範囲であると、帯電性安定性に優れ、紙への定着時に紙とトナーとの親和性が良くなり、低温定着性が向上する点で有利である。
前記未変性ポリエステル樹脂の水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5KOHmg/g以上が好ましい。なお、前記水酸基価の測定方法は、例えば、JIS K0070−1966に準拠した方法を用いて測定する方法、などが挙げられる。
前記測定方法について、具体的に説明する。まず、試料0.5gを100mLのメスフラスコに精秤し、これにアセチル化試薬5mLを加える。次に、100℃±5℃の温浴中で1時間〜2時間加熱した後、フラスコを温浴から取り出して放冷する。更に、水を加えて振り動かして無水酢酸を分解する。次に、無水酢酸を完全に分解させるために、再びフラスコを温浴中で10分間以上加熱して放冷した後、有機溶剤でフラスコの壁を十分に洗う。更に、電位差自動滴定装置(DL−53 Titrator、メトラー・トレド社製)及び電極DG113−SC(メトラー・トレド社製)を用いて、23℃で水酸基価を測定し、解析ソフト(LabX Light Version 1.00.000)を用いて解析する。前記装置の校正は、トルエン120mLとエタノール30mLの混合溶剤を用いる。前記水酸基価の測定条件は、表Aに記載の通りである。
−−−未変性ポリエステル樹脂の合成方法−−−
前記未変性ポリエステル樹脂の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表されるポリオールと、下記一般式(2)で表されるポリカルボン酸とをポリエステル化することにより合成する方法などが挙げられる。
ただし、前記一般式(1)中、Aは、炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有してもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基を表し、mは、2〜4の整数を表す。
ただし、前記一般式(2)中、Bは、炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有してもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基を表し、nは、2〜4の整数を表す。
−−−−ポリオール−−−−
前記一般式(1)で表されるポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメチルベンゼン、ビスフェノールA、ビスフェノールA酸化エチレン付加物、ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、水素化ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA酸化エチレン付加物、水素化ビスフェノールA酸化プロピレン付加物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−−−ポリカルボン酸−−−−
前記一般式(2)で表されるポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、マロン酸、n−ドデセニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸、イソドデシルコハク酸、n−オクテニルコハク酸、n−オクチルコハク酸、イソオクテニルコハク酸、イソオクチルコハク酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、エンポール三量体酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロヘキセンジカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ジフェニルスルホンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(トリメリット酸)、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
−−変性ポリエステル樹脂−−
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、「活性水素基含有化合物」及び「前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体」を、伸長反応乃至架橋反応して得られる樹脂などが挙げられる。
−−−活性水素基含有化合物−−−
前記「活性水素基含有化合物」は、水相中で、前記「活性水素基含有化合物と反応可能な重合体」が伸長反応乃至架橋反応する際の伸長剤、架橋剤等として作用する化合物であって、活性水素基を有する化合物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記「活性水素基含有化合物と反応可能な重合体」が後述するイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーである場合、高分子量化が可能となる点で、アミン類が好ましい。
前記活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基又はフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基、などが挙げられる。これらは、1種単独で含まれていてもよいし、2種以上が含まれていてもよい。
前記活性水素基含有化合物である前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミン類のアミノ基をブロックしたもの、などが挙げられる。前記ジアミンとしては、例えば、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン等);脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等);脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)、などが挙げられる。前記3価以上のポリアミンとしては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、などが挙げられる。前記アミノアルコールとしては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリなどが挙げられる。前記アミノメルカプタンとしては、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン、などが挙げられる。前記アミノ酸としては、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸、などが挙げられる。前記これらのアミン類のアミノ基をブロックしたものとしては、例えば、前記これらのアミン類(ジアミン、3価以上のポリアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸等)のいずれかとケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリゾン化合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のポリアミンとの混合物が好ましい。
−−−活性水素基含有化合物と反応可能な重合体−−−
前記「活性水素基含有化合物と反応可能な重合体」としては、前記「活性水素基含有化合物」と反応可能な基を少なくとも有する重合体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶融時の高流動性及び透明性に優れ、高分子成分の分子量を調節し易く、低温定着性及び離型性に優れる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が好ましく、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマー(以下、「ポリエステルプレポリマー」と称する)がより好ましい。
前記ポリエステルプレポリマーの1分子当たりに含まれるイソシアネート基の平均数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1以上が好ましく、1.2〜5がより好ましく、1.5〜4が特に好ましい。前記平均数が、1未満であると、ウレア結合生成基で変性されているポリエステル樹脂(RMPE)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ポリエステルプレポリマーの重量平均分子量Mwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、テトラヒドロフラン(THF)可溶分のGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)による分子量分布で、3,000〜40,000が好ましく、4,000〜30,000がより好ましい。前記重量平均分子量Mwが、3,000未満であると、耐熱保存性が悪化することがあり、40,000を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記重量平均分子量Mwの測定は、例えば、以下のようにして行うことができる。まず、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させ、この温度でカラム溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を毎分1mLの流速で流し、試料濃度を0.05質量%〜0.6質量%に調整した樹脂のテトラヒドロフラン試料溶液を50μL〜200μL注入して測定する。試料における分子量の測定は、試料の有する分子量分布を数種の単分散ポリスチレン標準試料により作成された検量線の対数値とカウント数との関係から算出する。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、及び4.48×10のポリスチレン試料(Pressure Chemical Co.又は東ソー株式会社製)を用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いることが好ましい。なお、検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いることができる。
前記ポリエステルプレポリマーの合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ポリオールとポリカルボン酸との重縮合物、及び活性水素基含有ポリエステル樹脂を、ポリイソシアネートと反応させて合成することができ、具体的には、前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを公知のエステル化触媒(チタンテトラブトキシド、ジブチルチンオキサイド等)の存在下、150℃〜280℃に加熱し、必要により適宜減圧しながら生成し、水を溜去して水酸基含有ポリエステルを得た後に、40℃〜140℃にて、前記水酸基含有ポリエステル樹脂に前記ポリイソシアネートを反応させることにより合成する方法などが挙げられる。
−−−−ポリオール−−−−
前記ポリオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)、前記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物、前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等のジオール;多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等)、3価以上のフェノール類(フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等の3価以上のポリオール;ジオールと3価以上のポリオールとの混合物;などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記ポリオールは、前記ジオール単独、前記ジオールと少量の前記3価以上のポリオールとの混合物が好ましい。前記ジオールとしては、炭素数2〜12のアルキレングリコール、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物(ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物等)が好ましい。
前記ポリオールのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、トナーの耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
−−−−ポリカルボン酸−−−−
前記ポリカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等);炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマル酸等);炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等);3価以上のポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等の炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸等)、ジカルボン酸と3価以上のポリカルボン酸との混合物、などが挙げられる。これらのポリカルボン酸から選択されるいずれかの酸無水物又は低級アルキルエステル物を用いてもよい。前記低級アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等が挙げられる。前記ジカルボン酸(DIC)と3価以上のポリカルボン酸(TC)との混合質量比(DIC:TC)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、100:0.01〜10が好ましく、100:0.01〜1がより好ましい。
前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを重縮合反応させる際の混合比としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ポリオールにおける水酸基[OH]と、ポリカルボン酸(PC)におけるカルボキシル基[COOH]との当量比([OH]/[COOH])は、2/1〜1/1が好ましく、1.5/1〜1/1がより好ましく、1.3/1〜1.02/1が特に好ましい。
−−−−ポリイソシアネート−−−−
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ポリイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネート等);脂環式ポリイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネート等);芳香族ジイソシアネート(トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、ジフェニレン−4,4'−ジイソシアネート、4,4'−ジイソシアナト−3,3'−ジメチルジフェニル、3−メチルジフェニルメタン−4,4'−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4'−ジイソシアネート等);芳香脂肪族ジイソシアネート(α,α,α',α'−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等);イソシアヌレート類(トリス−イソシアナトアルキル−イソシアヌレート、トリイソシアナトシクロアルキル−イソシアヌレート等);これらのフェノール誘導体;オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独でも使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリイソシアネートの前記ポリエステルプレポリマー中における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5質量%〜40質量%が好ましく、1質量%〜30質量%がより好ましく、2質量%〜20質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.5質量%未満であると、耐ホットオフセット性が悪化し、耐熱保存性と低温定着性との両立が困難となることがあり、40質量%を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネートのイソシアネート基[NCO]と前記活性水素基含有ポリエステル樹脂(水酸基含有ポリエステル樹脂の場合)の水酸基[OH]との当量比[NCO]/[OH]としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5/1〜1/1が好ましく、4/1〜1.2/1がより好ましく、3/1〜1.5/1が特に好ましい。前記当量比[NCO]/[OH]が、1/1未満であると、耐オフセット性が悪化することがあり、5/1を超えると、低温定着性が悪化することがある。
前記ポリイソシアネートと、前記水酸基含有ポリエステル樹脂とを反応させる場合、必要に応じて、有機溶剤を用いることができ、該有機溶剤としては、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等);エーテル類(テトラヒドロフラン等)等のイソシアネート基に対して不活性な溶剤などが挙げられる。
−−−変性ポリエステル樹脂の合成方法−−−
前記変性ポリエステル樹脂の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を含むトナー材料の溶解乃至分散液を、前記活性水素基含有化合物と共に、水系媒体(水相)中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより合成させてもよく、(2)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、予め前記活性水素基含有化合物を添加した水系媒体中に乳化乃至分散させ、油滴を形成し、該水系媒体中で両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより合成させてもよく、(3)前記トナー材料の溶解乃至分散液を、水系媒体中に添加混合させた後で、前記活性水素基含有化合物を添加し、油滴を形成し、該水系媒体中で粒子界面から両者を伸長反応乃至架橋反応させることにより合成させてもよい。なお、前記(3)の場合、生成するトナー表面に優先的に変性ポリエステル樹脂が生成され、該トナー粒子に濃度勾配を設けることが可能となる。前記伸長反応乃至架橋反応は、必要に応じて、反応停止剤(例えば、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、ケチミン化合物等のモノアミンをブロックしたものなど)により停止させてもよい。前記トナーは、前記架橋反応乃至伸長反応したポリエステル樹脂が共存しているので、従来のポリエステル系トナーと比較してガラス転移温度が低くても良好な耐熱保存性を示す。
前記変性ポリエステル樹脂の数平均分子量として、前記ウレア変性ポリエステル樹脂の場合、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜10,000が好ましく、1,500〜60,00がより好ましい。
前記変性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、30℃〜70℃が好ましく、40℃〜65℃がより好ましい。前記ガラス転移温度(Tg)が、30℃未満であると、トナーの耐熱保存性が悪化することがあり、70℃を超えると、低温定着性が十分でないことがある。
前記ガラス転移温度(Tg)は、例えば、TG−DSCシステムTAS−100(理学電機社製)を用いて、以下の方法により測定することができる。
まず、トナー約10mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、試料容器をホルダーユニットにのせ、電気炉中にセットする。室温から昇温速度10℃/minで150℃まで加熱した後、150℃で10min間放置し、室温まで試料を冷却して10min放置する。その後、窒素雰囲気下、150℃まで昇温速度10℃/minで加熱して示差走査熱量計(DSC)によりDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、TG−DSCシステムTAS−100システム中の解析システムを用いて、ガラス転移温度(Tg)近傍の吸熱カーブの接線とベースラインとの接点からガラス転移温度(Tg)を算出する。
前記変性ポリエステル樹脂としては、前記合成方法により得られる樹脂であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレア変性ポリエステル樹脂が好ましい。
−−−ウレア変性ポリエステル樹脂−−−
前記ウレア変性ポリエステル樹脂は、ウレア結合のほかに、ウレタン結合を含んでいてもよい。この場合、前記ウレア結合と該ウレタン結合との含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100/0〜10/90が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜30/70が特に好ましい。前記含有モル比(ウレア結合/ウレタン結合)におけるウレア結合が10未満であると、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(1)〜(10)に記載の樹脂、などが挙げられる。
(1)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
(2)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
(3)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
(4)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをイソホロンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
(5)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーを、ヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
(6)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
(7)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物をイソホロンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをエチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
(8)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
(9)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸/ドデセニルコハク酸無水物の重縮合物をジフェニルメタンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物/ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物及びテレフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
(10)ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物をトルエンジイソシアネートと反応させたポリエステルプレポリマーをヘキサメチレンジアミンでウレア化したものと、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物及びイソフタル酸の重縮合物との混合物を含む樹脂。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ワンショット法により製造することができ、具体的には、前記活性水素基含有化合物としてのアミン類と、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としてのイソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーとを水系媒体中で伸長反応乃至架橋反応させて製造する方法などが挙げられる。前記伸長反応乃至架橋反応としては、特に制限はなく、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体と前記活性水素基含有化合物との組み合わせに応じて適宜選択することができ、反応時間としては、10分間〜40時間が好ましく、2時間〜24時間がより好ましい。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の合成において、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーと、前記アミン類との混合比率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記ポリエステルプレポリマー中のイソシアネート基[NCO]と、前記アミン類中のアミノ基[NHx]との混合当量比[NCO]/[NHx]として、1/3〜3/1が好ましく、1/2〜2/1がより好ましく、1/1.5〜1.5/1が特に好ましい。前記混合当量比([NCO]/[NHx])が、1/3未満であると、低温定着性が低下することがあり、3/1を超えると、ウレア変性ポリエステル樹脂の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化することがある。
前記ウレア変性ポリエステル樹脂の合成において、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーと、前記アミン類とを反応させる場合、必要に応じて、有機溶剤を用いることができ、前記溶剤としては、例えば、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等);ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等);エステル類(酢酸エチル等);アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等);エーテル類(テトラヒドロフラン等)等のイソシアネート基に対して不活性な溶剤、などが挙げられる。
<<着色剤>>
前記着色剤としては、特に制限はなく、公知の染料、顔料等、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントレッド、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトポン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の前記トナーに対する含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1質量%〜15質量%が好ましく、3質量%〜10質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、トナーの着色力の低下が見られ、15質量%を超えると、トナー中での顔料の分散不良、着色力の低下、及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤としては、前記樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン又はその置換体の重合体(ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等)、スチレン系共重合体(スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレンービニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレンーアクリロニトリルーインデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記マスターバッチ用の樹脂、前記着色剤、及び有機溶剤等を高せん断力で混合乃至混練して製造する方法などが挙げられる。なお、前記有機溶剤は、前記着色剤と前記結着樹脂との相互作用を高めるために添加される。また、前記マスターバッチの他の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができ、乾燥させる必要がない点で、フラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを、前記結着樹脂及び有機溶剤とともに混合乃至混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去して製造する方法が好ましい。なお、前記混合乃至混練する際には、3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、植物系ワックス(カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等)、動物系ワックス(ミツロウ、ラノリン等)、鉱物系ワックス(オゾケライト、セルシン等)、石油ワックス(パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等)等のロウ類及びワックス類;合成炭化水素ワックス(フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等)、合成ワックス(エステル、ケトン、エーテル等)等の天然ワックス以外のもの;1,2−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子であるポリメタクリル酸n−ステアリル、ポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(アクリル酸n−ステアリル−メタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子;などが挙げられる。これらの中でも、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる点で、融点が50℃〜120℃のワックスが好ましい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃〜120℃が好ましく、60℃〜90℃がより好ましい。前記融点が、50℃未満であると、ワックスが保存性に悪影響を与えることがあり、120℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。なお、前記離型剤の融点は、示差走査熱量計(TG−DSCシステム、TAS−100、理学電機株式会社製)を用いて、最大吸熱ピークを測定することにより求められる。
前記離型剤の溶融粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、該ワックスの融点より20℃高い温度での測定値として、5cps〜1,000cpsが好ましく、10cps〜100cpsがより好ましい。前記溶融粘度が、5cps未満であると、離型性が低下することがあり、1,000cpsを超えると、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果が得られなくなることがある。
前記離型剤の前記トナーにおける含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、40質量%以下が好ましく、3質量%〜30質量%がより好ましい。前記含有量が、40質量%を超えると、トナーの流動性が悪化することがある。
前記離型剤は、前記トナー母体粒子中に分散した状態で存在することが好ましく、そのためには、前記離型剤と前記結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。前記離型剤が、前記トナー母体粒子中に微分散する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー製造時の混練の剪断力をかけて分散させる方法などが挙げられる。
前記離型剤の分散状態は、トナー粒子の薄膜切片を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより確認することができる。前記離型剤の分散径は、小さい方が好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。したがって、倍率1万倍で前記離型剤を確認することができれば、前記離型剤が分散した状態で存在していることになる。1万倍で前記離型剤が確認できない場合、微分散していたとしても、定着時の染み出しが不十分となる。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、層状無機鉱物、磁性材料、クリーニング性向上剤、流動性向上剤、帯電制御剤、などが挙げられる。
−層状無機鉱物−
前記変性層状無機鉱物としては、数nmの厚みの層が積層された無機鉱物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト、又はこれらの混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トナーを造粒する際に異形化でき、電荷調節機能を果たすと共に、低温定着に優れる点で、変性層状無機鉱物が好ましく、モンモリロナイト系の基本結晶構造を持つ層状無機鉱物を有機カチオンで変性させた変性層状無機鉱物がより好ましく、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができる点で、有機変性モンモリロナイト、ベントナイトが特に好ましい。
前記変性層状無機化合物は、前記層状無機鉱物を少なくとも一部を有機物イオンにより変性させることが好ましい。前記層状無機鉱物を少なくとも一部を有機物イオンで変性することにより、適度な疎水性を持ち、トナー組成物及び/又はトナー組成物前駆体を含む油相が非ニュ−トニアン粘性を持ち、トナーを異形化することができる。
前記変性層状無機鉱物の前記トナー母体粒子中における含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.05質量%〜5質量%が好ましい。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライト、などが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤としては、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するためにトナーに添加される剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子、などが挙げられる。前記ポリマー微粒子の体積平均粒子径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、0.01μm〜1μmがより好ましい。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤とは、表面処理を行って疎水性を上げ、高湿度下においても流動特性や帯電特性の悪化を防止する剤のことであり、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル、などが挙げられる。なお、前記流動性向上剤を、シリカ、酸化チタン等により表面処理してもよく、この場合、疎水性シリカ、疎水性酸化チタン等として使用することが好ましい。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系化合物などが挙げられる。
前記帯電制御剤の商品名としては、例えば、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージNEG VP2036、NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、LR−147(以上、日本カーリット株式会社製)などが挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記結着樹脂100質量部に対して、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.2質量部〜5質量部がより好ましい。前記含有量が、10質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。前記帯電制御剤は、マスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後、溶解分散させてもよく、前記有機溶剤に、直接溶解乃至分散する際に加えてもよく、トナー表面にトナー粒子を作製した後に固定化させてもよい。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粉砕法により製造する方法、重合法により製造する方法などが挙げられる。これらの中でも、トナーを小粒径化することができる点で、重合法により製造する方法が好ましい。
<<粉砕法>>
前記粉砕法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トナー材料を溶融乃至混練し、粉砕乃至分級することによりトナー母体粒子を製造する方法などが挙げられる。なお、前記トナーの平均円形度を0.97〜1.0にする目的で、得られたトナーの母体粒子に対し、機械的衝撃力を与えて形状を制御してもよい。この場合、該機械的衝撃力を与える方法としては、例えば、ハイブリタイザー、メカノフュージョンなどの装置を用いる方法などが挙げられる。また、このようにして製造されたトナー母体粒子に対し、外添剤で処理することにより、トナーが得られる。
<<重合法>>
前記重合法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、懸濁重合法、溶解懸濁重合法、乳化重合凝集法、などが挙げられる。これらの中でも、乳化重合凝集法が好ましく、溶解懸濁法がより好ましい。
−乳化重合凝集法−
前記乳化重合凝集法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、凝集工程、融合工程、洗浄乃至乾燥工程、及び外添処理工程を含むことが好ましく、具体的には、トナー組成物又はトナー組成物前駆体を含む油相を、水相(水系媒体)に分散乃至乳化して造粒することによりトナー母体粒子を製造する方法などが挙げられる。また、このようにして製造されたトナー母体粒子に対し、外添剤で処理することにより、本発明のトナーが得られる。
−−凝集工程−−
前記凝集工程は、乳化重合させて調製した樹脂粒子分散液、少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物、及び着色剤分散液、必要に応じて離型剤分散液を混合し、凝集粒子分散液を調製する工程である。前記凝集粒子分散液中の凝集粒子は、ヘテロ凝集により凝集されている。前記凝集粒子の安定化、及び粒径/粒度分布制御を目的として、前記凝集粒子とは極性が異なるイオン性界面活性剤や、金属塩等の一価以上の電荷を有する化合物を添加することができる。
前記凝集工程は、乳化剤の乳化力をpHで調整して凝集を発生させ、凝集粒子を調整することができる。同時に粒子の凝集を安定かつ迅速に、より狭い粒度分布を持つ凝集粒子を得る方法ために、凝集剤を添加してもよい。前記凝集剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、一価以上の電荷を有する化合物が好ましく、具体的には、ノニオン性界面活性剤等の水溶性界面活性剤類、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸等の酸類、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、硫酸アルミニウム、硫酸カルシウム、硫酸アンモニウム、硝酸アルミニウム、硝酸銀、硫酸銅、炭酸ナトリウム等の無機酸の金属塩、酢酸ナトリウム、蟻酸カリウム、シュウ酸ナトリウム、フタル酸ナトリウム、サリチル酸カリウム等の脂肪族酸、芳香族酸の金属塩、ナトリウムフェノレート等のフェノール類の金属塩、アミノ酸の金属塩、トリエタノールアミン塩酸塩、アニリン塩酸塩等の脂肪族、芳香族アミン類の無機酸塩類、などが挙げられる。これらの中でも、無機酸の金属塩が、前記凝集粒子の安定性、凝集剤の熱や経時に対する安定性、及び洗浄時の除去に優れる点で、好ましい。前記凝集剤の添加量としては、特に制限はなく、電荷の価数により異なるが、一価の場合は3質量%以下、二価の場合は1質量%以下、三価の場合は0.5質量%以下が好ましい。前記添加量としては、少ない方が好ましく、価数の多い化合物の方が添加量を少なくすることができる点で有利である。
−−融合工程−−
前記融合工程は、前記凝集粒子分散液を加熱融合して前記トナー母体粒子を形成する工程である。前記融合工程の前段で、凝集粒子分散液にその他の微粒子分散液を添加混合して凝集粒子の表面に微粒子を均一に付着して付着粒子を形成する付着工程を設けることができる。また、少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物の付着を強固なものにするために、少なくとも一部を有機物イオンで変性した層状無機鉱物を付着させ、その他の微粒子分散液を添加混合して凝集粒子の表面に微粒子を均一に付着して付着粒子を形成する付着工程を設けることができる。これらの付着粒子はヘテロ凝集等により形成される。この付着粒子分散液も前記と同様に樹脂粒子のガラス転移点以上の温度に加熱して融合し、融合粒子を形成する。前記融合粒子は、水系媒体中に着色融合粒子分散液として存在しており、これを洗浄工程において水系媒体から融合粒子を取り出すのと同時に、前記各工程において混入した不純物等を除去乃至乾燥し、粉体としてのトナーを得る。
−−洗浄工程−−
前記洗浄工程は、前記融合粒子に対して、酸性又は塩基性の水を数倍量加えて攪拌した後、ろ過して得られた固形分に対して、酸性又は塩基性の水を数倍量加えて攪拌した後、ろ過を行う。これを数回繰り返し、ろ液のpHが約7になるまで繰り返し、着色されたトナーを得る。
−−乾燥工程−−
前記乾燥工程は、前記洗浄工程で得たトナーをガラス転移点未満の温度で乾燥する。この時、必要に応じて乾燥空気を循環させてもよいし、真空条件下で加熱してもよい。
−溶解懸濁法−
前記溶解懸濁法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、水系造粒により製造する方法が好ましく、油相調製工程、水相調製工程、乳化乃至分散工程、溶剤除去工程、洗浄乃至乾燥工程、及び外添剤処理工程を含むことにより製造する方法がより好ましい。
前記溶解懸濁法の具体例としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも前記結着樹脂及び前記着色剤を有機溶媒中に溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を水相中に添加し乳化乃至分散させ、該乳化乃至分散液から前記有機溶媒を除去して得られるトナー母体粒子と、外添剤とを混合して、トナーを製造する方法が好ましい。
前記溶解懸濁法の中でも、エステル伸長法が好ましく、該エステル伸長法の具体例としては、少なくとも前記活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体、前記結着樹脂、及び前記着色剤を有機溶媒中に溶解乃至分散させ、該溶解乃至分散物を水相中に添加し乳化乃至分散させ、該乳化乃至分散液中で前記活性水素基含有化合物及び前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体を伸長乃至架橋反応させ、該乳化乃至分散液から前記有機溶媒を除去して得られるトナー母体粒子と、外添剤とを混合して、トナーを製造する方法が好ましい。
−−油相調製工程−−
前記油相調製工程は、少なくとも前記結着樹脂、及び前記着色剤などを含むトナー材料を、有機溶剤に溶解乃至分散させて油相(トナー材料の溶解乃至分散液)を調製する工程である。また、前記トナー材料における前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体以外の成分は、後述する水相の調製において、水系媒体中に添加混合してもよいし、トナー材料の溶解乃至分散液を水系媒体に添加する際に、溶解乃至分散液と共に水系媒体に添加してもよい。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶剤除去が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶剤が好ましい。前記沸点が150℃未満の有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルが特に好ましい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料100質量部に対し40質量部〜300質量部が好ましく、60質量部〜140質量部がより好ましく、80質量部〜120質量部が特に好ましい。
−−水相調製工程−−
前記水相調製工程は、水相(水系媒体)を調製する工程である。前記水相としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。前記混和可能な溶剤としては、例えば、アルコール(メタノール、イソプロパノール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ(登録商標)等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、などが挙げられる。
−−乳化乃至分散工程−−
前記乳化乃至分散工程は、前記油相を、前記水相中に分散させて乳化乃至分散物を得る工程である。前記トナー材料は、必ずしも、前記水相中で粒子を形成させる時に混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよく、例えば、前記着色剤を含まない粒子を形成させた後、公知の染着の方法で着色剤を添加することもできる。
前記トナー材料100質量部に対する水相の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量部〜2,000質量部が好ましく、100質量部〜1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50質量部未満であると、前記トナー材料の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られないことがあり、2,000質量部を超えると、経済的でないことがある。また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いたほうが、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
前記乳化乃至分散工程において使用される分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤、フルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤、フルオロアルキル基を有するカチオン界面活性剤、無機化合物(リン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等)、微粒子ポリマー(MMAポリマー微粒子1μm、MMAポリマー微粒子3μm、スチレン微粒子0.5μm、スチレン微粒子2μm、スチレン−アクリロニトリル微粒子ポリマー1μm等)などが挙げられる。これらの中でも、非常に少量でその効果をあげることができる点で、フルオロアルキル基を有する界面活性剤が好ましい。
前記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、樹脂微粒子分散液の場合、0.01質量%〜1質量%が好ましく、0.02質量%〜0.5質量%がより好ましく、0.1質量%〜0.2質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満の場合、乳化乃至分散物のpHが十分に塩基性でない状態で凝集が生じることがある。前記分散剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、着色剤分散液又は離型剤分散液の場合、0.01質量%〜10質量%が好ましく、0.1質量%〜5質量%がより好ましく、0.5質量%〜0.2質量%が特に好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満では、凝集時に各粒子間の安定性が異なるため、特定粒子の遊離が生じることがあり、10質量%を超えると、粒子の粒度分布が広くなったり、粒子径の制御が困難になることがある。
前記分散剤の商品名としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−l21(以上、旭硝子株式会社製)、フロラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−l29、FC−135(以上、住友3M株式会社製)、ユニダインDS−101、DS−l02、DS−202(以上、ダイキン工業株式会社製)、メガファックF−ll0、F−l20、F−113、F−150、F−191、F−812、F−824、F−833(以上、DIC株式会社製)、エクトップEF−102、l03、104、105、112、123A、123B、132、306A、501、201、204、(以上、株式会社トーケムプロダクツ製)、フタージェントF−100、F−300、F150(以上、株式会社ネオス製)、SGP、SGP−3G(以上、総研株式会社製)、PB−200H(花王株式会社製)、テクノポリマーSB(積水化成品工業株式会社製)、ミクロパール(積水ファインケミカル株式会社製)、などが挙げられる。
前記分散剤を使用した場合には、該分散剤がトナー粒子表面に残存したままとすることもできるが、トナーの帯電面の点で、反応後、洗浄除去することが好ましい。更に、粒度分布がシャープとなり、トナー材料の粘度を低くする点で、ポリエステルプレポリマーの反応後の変性ポリエステルを可溶する溶剤を使用することが好ましい。前記溶剤としては、除去が容易である点で、沸点が100℃未満の揮発性の溶剤が好ましく、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、メタノールなどの水混和性溶剤が挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。
前記分散剤を使用した場合には、分散安定剤を用いることが好ましい。前記分散安定剤として高分子系保護コロイドを用いた場合には、水に不溶な有機微粒子等により分散液滴を安定化させる物質であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸又は無水マレイン酸等の酸類;アクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロビル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等の水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のビニルアルコール又はビニルアルコールのエ一テル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルアルコールとカルボキシル基含有化合物とのエステル類;アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド又はこれらのメチロール化合物;アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類;ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子又はその複素環を有する化合物等のホモポリマー又は共重合体;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系;メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類;などが挙げられる。
前記分散安定剤として、リン酸カルシウム塩等の酸、アルカリに溶解可能な化合物などを用いた場合は、塩酸等の酸により、リン酸カルシウム塩を溶解した後、水洗するなどの方法によって、微粒子からリン酸カルシウム塩を除去することが好ましい。なお、前記リン酸カルシウム塩の除去は、その他酵素による分解などの操作によって行ってもよい。
前記乳化乃至分散工程において使用される分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機、などが挙げられる。これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2μm〜20μmに制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm〜30,000rpmが好ましく、5,000rpm〜20,000rpmがより好ましい。前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間〜5分間が好ましい。前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃〜150℃が好ましく、40℃〜98℃がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
−−溶剤除去工程−−
前記溶剤除去工程は、前記乳化乃至分散物(乳化スラリー等の分散液)から有機溶剤を除去する工程である。前記有機溶剤を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて油滴中の有機溶剤を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気(空気、窒素、炭酸ガス、燃焼ガス等を加熱した気体)中に噴霧(スプレードライヤー、ベルトドライヤー、ロータリーキルン等)して油滴中の有機溶剤を除去する方法などが挙げられる。この方法により短時間の処理で十分に目的とする品質が得られる。前記有機溶剤が除去されると、トナー母体粒子が形成される。
−−洗浄乃至乾燥工程−−
前記洗浄乃至乾燥工程は、前記トナー母体粒子を洗浄乃至乾燥する工程である。前記トナー母体粒子は、更に分級等を行ってもよい。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。なお、得られた不要の微粒子又は粗粒子は、再び微粒子の形成に用いることができる。その際、微粒子又は粗粒子は、ウェット状態でも構わない。
−−外添剤処理工程−−
前記外添剤処理工程は、乾燥後の前記トナー母体粒子と、本発明において規定する特定のパラメータを満たす前記合着粒子を含有する前記外添剤とを混合して処理する工程である。前記トナー母体粒子と、前記外添剤とを混合することにより、本発明のトナーが得られる。前記混合に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)が好ましい。なお、前記トナー母体粒子の表面から前記外添剤等の粒子が脱離することを抑制するために、機械的衝撃力を印加してもよい。前記機械的衝撃力を印加する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高速で回転する羽根を用いて混合物に衝撃力を印加する方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させて粒子同士又は粒子を適当な衝突板に衝突させる方法などが挙げられる。前記方法に用いる装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オングミル(ホソカワミクロン株式会社製)、I式ミル(日本ニューマチック株式会社製)を改造して粉砕エアー圧力を下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(株式会社奈良機械製作所製)、クリプトロンシステム(川崎重工業株式会社製)、自動乳鉢、などが挙げられる。
<<トナーの特性>>
前記トナーにおける重量平均粒径(Dw)と個数平均粒径(Dn)との比(Dw/Dn)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.30以下が好ましく、1.00〜1.30がより好ましい。前記比(Dw/Dn)が1.00未満であると、二成分現像剤では、現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力の低下やクリーニング性の悪化につながり易く、一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなることがある。前記比(Dw/Dn)が1.30を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなることがある。
前記トナーの平均円形度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.94〜0.99が好ましい。前記平均円形度が、0.94未満であると、現像時の画像均一性が悪化し、静電潜像担持体から中間転写体又は中間転写体から記録材へのトナー転写効率が低下し均一転写が得られなくなることがある。また、前記トナーは、水系媒体中で乳化処理をして作成されたものであり、特にカラートナーにおける小粒径化や、平均円形度が前記の範囲の形状を得るために効果的である。前記平均円形度の測定は、フロー式粒子像分析装置(FPIA−2000、シスメックス株式会社製)を用いて測定を行った。所定の容器に、予め不純固形物を除去した水100mL〜150mLを入れ、分散剤として界面活性剤0.1mL〜0.5mLを加え、更に、測定試料0.1g〜9.5g程度を加えた。試料を分散した懸濁液を超音波分散器で約1分間〜3分間、分散処理を行い、分散液濃度を3,000個/μL〜10,000個/μLにしてトナーの形状及び分布を測定した。
本発明の二成分現像剤で用いられるトナーの重量平均粒径は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3.0μm〜9.0μmが好ましく、3.0μm〜6.0μmがより好ましい。
なお、前記重量平均粒径は、例えば、コールターマルチサイザーII(コールターカウンター社製)を用いて測定することができる。
<現像剤の製造方法>
前記現像剤の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記キャリアと、前記トナーとを混合して、タービュラーミキサーにより攪拌することにより製造する方法などが挙げられる。
<補給用現像剤>
前記補給用現像剤は、前記キャリアと、前記トナーとを含む。また、前記補給用現像剤は、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に適用することができる。また、前記補給用現像剤を用いる現像装置は、極めて長期に渡って安定した画像品質が得ることができる。即ち、前記補給用現像剤を用いた画像形成装置は、現像装置内の劣化したキャリアと、補給用現像剤中の劣化していないキャリアを入れ替え、長期間に渡って帯電量を安定に保つことができるため、安定した画像を得ることができる。本方式は、特に高画像面積印字時に有効である。高画像面積印字時の劣化は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電能力低下が主なキャリアの劣化であるが、本方式を用いることで、高画像面積時には、キャリア補給量も多くなるため、劣化したキャリアが入れ替わる頻度が高くなる。
前記補給用現像剤中のキャリアの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3質量%以上30質量%未満が好ましい。
前記補給用現像剤の混合比率は、前記キャリア1質量部に対してトナーを2質量部〜50質量部が好ましく、5質量部〜12質量部がより好ましい。前記トナーが、2質量部未満の場合には、補給キャリア量が多すぎ、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、トナーの帯電量が増加しやすい。又、トナーの帯電量が上がることにより、現像能力が下がり画像濃度が低下してしまう。一方、前記トナーが、50質量部を超えると、補給用現像剤中のキャリア割合が少なくなるため、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなり、キャリア劣化に対する効果が期待できなくなることがある。
<現像装置>
前記現像装置は、本発明の前記二成分現像剤を備えてなり、必要に応じて適宜その他の構造を有してなる。前記現像剤が、形状が容易に変形する収納容器に充填されてなり、前記補給用現像剤を吸引ポンプで吸引して前記現像装置に供給する現像剤補給装置を有することが好ましい。
図2は、本発明における現像装置の一例を表す図である。静電潜像担持体である感光体20に対向して配設された現像装置40は、現像剤担持体としての現像スリーブ41、現像剤収容部材42、規制部材としてのドクターブレード43、支持ケース44等からなる。
感光体20側に開口を有する支持ケース44には、内部にトナー21を収容するトナー収容部としてのトナーホッパー45が接合されている。トナーホッパー45に隣接した、トナー21と、キャリア23からなる現像剤を収容する現像剤収容部46には、トナー21とキャリア23を撹拌し、トナー21に摩擦乃至剥離の電荷を付与するための、現像剤撹拌機構47が設けられている。トナーホッパー45の内部には、図示しない駆動手段によって回動されるトナー供給手段としてのトナーアジテータ48及びトナー補給機構49が配設されている。トナーアジテータ48及びトナー補給機構49は、トナーホッパー45内のトナー21を現像剤収容部46に向けて撹拌しながら送り出す。感光体20とトナーホッパー45との間の空間には、現像スリーブ41が配設されている。図示を省略している駆動手段で図の矢印方向に回転駆動される現像スリーブ41は、キャリア23による磁気ブラシを形成するために、その内部に現像装置40に対して相対位置不変に配設された、磁界発生手段としての図示しない磁石を有する。現像剤収容部材42の、支持ケース44に取り付けられた側と対向する側には、ドクターブレード43が一体的に取り付けられている。ドクターブレード43は、この例では、その先端と現像スリーブ41の外周面との間に一定の隙間を保った状態で配設されている。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有してなる。
前記現像剤が、本発明の前記二成分現像剤である。
本発明で用いられる画像形成方法は、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像工程と、前記可視像を記録媒体に転写する転写工程と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着工程とを含み、更に必要に応じてその他の工程を含んでなる。
前記現像剤が、本発明の前記二成分現像剤である。
前記画像形成装置は、二次転写手段におけるトナー像の記録媒体への転写の線速度、所謂印字速度は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、300mm/sec〜1,000mm/secが好ましい。前記二次転写手段のニップ部での転写時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5msec〜20msecであることが好ましい。
前記画像形成装置は、静電潜像担持体、帯電手段、露光手段、現像手段、一次転写手段、及びクリーニング手段のセットを複数有するタンデム型であることが好ましい。前記静電潜像担持体を複数個配備して、各々の回転時に1色ずつ現像するいわゆるタンデム型では、静電潜像形成工程と、現像工程と、転写工程とが各色毎に行われて各色のトナー像が形成されるため、単色の画像形成速度とフルカラーの画像形成速度との差が小さく、高速印字に対応できる利点を有している。しかし、各色のトナー像を別々の静電潜像担持体に形成し、各色トナー層の積層(色重ね)を行うことによりフルカラー画像を形成するため、各色のトナー粒子間での帯電性等が異なるなど、特性にばらつきがあると各色のトナー粒子による現像トナー量に差が生じ、色重ねによる二次色の色相の変化が大きくなり、色再現性が低下する。
タンデム型による画像形成装置に使用されるトナーにおいては、各色のバランスを制御するための現像トナー量を安定化すること(各色のトナー粒子間でばらつきがないこと)、各色のトナー粒子間で静電潜像担持体、及び記録媒体に対する付着性が均一であることが好ましい。
前記帯電手段は、少なくとも交番電圧を重畳した直流電圧を印加するのが好ましい。交番電圧を重畳した直流電圧を印加することにより、直流電圧のみを印加する場合に比べて静電潜像担持体の表面電圧を所望の値に安定化させることができるため、より均一帯電させることが可能となる。更に、前記帯電手段は、静電潜像担持体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加することによって帯電を行うのが好ましい。静電潜像担持体に帯電部材を接触させ、帯電部材に電圧を印加して帯電を行うことによって、特に交番電圧を重畳した直流電圧を印加することで得られる均一帯電性の効果を更に向上させることが可能となる。
前記定着手段は、磁性金属から構成されて電磁誘導により加熱される加熱ローラと、加熱ローラと平行に配置された定着ローラと、加熱ローラと定着ローラとに張り渡され、加熱ローラにより加熱されるとともにこれらのローラによって回転される無端帯状のトナー加熱媒体(加熱ベルト)と、加熱ベルトを介して定着ローラに圧接されるとともに、加熱ベルトに対して順方向に回転して定着ニップ部を形成する加圧ローラとを有することにより、定着ベルトの温度が短時間で上昇し、かつ安定した温度制御が可能となる。また、表面の粗い記録媒体を使用した場合にも、定着時にある程度転写紙の表面に応じた状態で定着ベルトが作用するため、十分な定着性が得られるようになる。
前記定着手段は、オイルレス又はオイル微量塗布タイプであることが好ましい。これを達成するために、トナー粒子中に離型剤(ワックス)を含有し、更にそれがトナー粒子中に微分散しているものを定着することが好ましい。前記離型剤がトナー粒子中に微量分散しているトナーにより、定着時に離型剤が染み出しやすく、オイルレス定着装置において、あるいは微量オイル塗布定着装置でオイル塗布効果が少なくなってきた場合においても、トナーのベルト側への転移を抑制することができる。前記離型剤がトナー粒子中に分散した状態で存在するためには、前記離型剤と結着樹脂とは相溶しないことが好ましい。また、前記離型剤がトナー粒子中に微分散するためには、例えば、トナー製造時の混練の剪断力を利用する方法がある。前記離型剤の分散状態は、トナー粒子の薄膜切片をTEMで観察することにより判断できる。前記離型剤の分散径は小さい方が好ましいが、小さすぎると定着時の染み出しが不十分な場合がある。従って、倍率1万倍で離型剤が確認できれば、離型剤が分散した状態で存在していると判断する。1万倍で離型剤が確認できない大きさでは、微分散していたとしても、定着時の染み出しが不十分な場合がある。
ここで、本発明の画像形成装置の一実施形態について、図3を用いて説明する。
図3に示すように、静電潜像担持体20が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置32により、静電潜像担持体20の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、露光装置33により静電潜像担持体20の周面が露光され、静電潜像が順次形成される。更に、静電潜像担持体20の周面に形成された静電潜像は、現像装置40により、キャリア及びトナーを含む本発明の前記二成分現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。次に、静電潜像担持体20の周面に形成されたトナー像は、静電潜像担持体20の回転と同期され、給紙部から静電潜像担持体20と転写装置50との間に給紙された転写紙に、順次転写される。更に、トナー像が転写された転写紙は、静電潜像担持体20の周面から分離されて定着装置に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。一方、トナー像が転写された後の静電潜像担持体20の表面は、クリーニング装置60により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置70により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
本発明の画像形成装置は、前記補給用現像剤を前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行うことが好ましい。また、前記補給用現像剤が、形状が容易に変形する収納容器に充填されてなり、前記補給用現像剤を吸引ポンプで吸引して前記現像装置に供給する現像剤補給装置を備えることが好ましい。
図4は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略図である。この図4では、感光体20は、導電性支持体上に少なくとも感光層が設けられている。前記感光体20は、駆動ローラ24a、24bにより駆動され、帯電装置32による帯電、露光装置33による像露光、現像装置40による現像、コロナ帯電器を有する転写装置50を用いる転写、クリーニング前露光光源26によるクリーニング前露光、ブラシ状クリーニング手段64、及びクリーニングブレード61によるクリーニング、除電装置70による除電が繰り返し行われる。なお、感光体20(勿論この場合は支持体が透光性である)に支持体側よりクリーニング前露光が行われる。
(プロセスカートリッジ)
本発明のプロセスカートリッジは、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像剤を用いて可視像化する現像手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じてその他の手段を有する。
前記現像剤が、本発明の前記二成分現像剤である。
前記プロセスカートリッジの実施形態について、図5を用いて説明する。
図5に示すプロセスカートリッジ10は、静電潜像担持体11、該静電潜像担持体を帯電する帯電装置12、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を本発明の二成分現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置13、及び該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、該静電潜像担持体上に残留したトナーを除去するクリーニング装置14を有し、複写機、プリンタ等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
前記プロセスカートリッジとしては、余剰の現像剤を排出し、新たに現像剤が補充されるものであることが好ましく、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上の静電潜像を可視像化する現像装置とが一体に支持されてなり、前記補給用現像剤を前記現像装置に補給するとともに、前記現像装置から現像剤を排出する画像形成装置本体に着脱可能に備えられることが好ましい。また、プロセスカートリッジ内の現像装置が、前記現像装置内現像剤を有することが好ましい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
なお、実施例及び比較例において測定されたキャリアの算術平均表面粗さRa1、芯材の算術平均表面粗さRa2、被覆層の平均層厚差、芯材の重量平均粒径、微粒子の平均粒径、トナーの平均粒径、合着粒子の粒度分布指標(Db50/Db10)、外添剤の粒子1000個中に占める一次粒子の個数(Nx)、被覆層の平均厚みhに対する微粒子の体積平均粒径Dの比D/h、などは、上述した測定方法により測定して得られた値である。
(外添剤の製造例1〜10)
−外添剤1〜10の製造−
外添剤1〜9の製造は、下記表1に記載した種々の体積平均粒子径を有する一次粒子と、処理剤とをスプレードライヤーにより混合して、表1に記載の条件にて焼成することにより、前記一次粒子同士を合着させて製造した。また、外添剤10は、表1に記載した体積平均粒子径を有する一次粒子に対して疎水化処理を施したのみで、前記処理剤による処理を行わずに製造した。
なお、前記処理剤は、メチルトリメトキシシラン1質量部に対して、処理助剤(水又は1質量%酢酸水溶液)を0.1質量部添加して調製した。前記一次粒子同士を合着させて製造された二次粒子の体積平均粒子径、形状等を表1に示す。
*一次粒子の割合(%)とは、外添剤の粒子1,000個中に占める一次粒子の個数Nxから、次式、(Nx/1000)×100で求めた割合である。
(トナーの製造例1)
<トナー母体粒子の製造>
−結晶性ポリエステル樹脂の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジオール2,300g、フマル酸2530g、無水トリメリット酸291g、及びハイドロキノン4.9gを入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、更に8.3kPaにて1時間反応させて、結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂1のDSCの吸熱ピーク温度120℃、数平均分子量Mn1,500、重量平均分子量Mw9,000、SP値は10.8であった。
−非結晶性ポリエステル(低分子ポリエステル)樹脂の合成−
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱伝対を装備した5リットルの四つ口フラスコに、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物229質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド3モル付加物529質量部、テレフタル酸208質量部、アジピン酸46質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で7時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で4時間反応した後、反応容器に無水トリメリット酸44質量部を入れ、常圧下、180℃で2時間反応し、[非結晶性ポリエステル1]を得た。
−ポリエステルプレポリマーの合成−
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682質量部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81質量部、テレフタル酸283質量部、無水トリメリット酸22質量部、及びジブチルチンオキサイド2質量部を入れ、常圧下、230℃で8時間反応し、更に10mmHg〜15mmHgの減圧で5時間反応した[中間体ポリエステル1]を得た。
得られた[中間体ポリエステル1]は、数平均分子量2,100、重量平均分子量9,500、ガラス転移温度Tgが55℃、酸価が0.5mgKOH/g、水酸基価が51mgKOH/gであった。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、[中間体ポリエステル1]410質量部、イソホロンジイソシアネート89質量部、及び酢酸エチル500質量部を入れ、100℃で5時間反応し、[プレポリマー1]を得た。前記[プレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.53%であった。
−ケチミンの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170質量部及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃で5時間反応を行い、[ケチミン化合物1]を得た。得られた[ケチミン化合物1]のアミン価は418であった。
−マスターバッチ(MB)の調製−
水1,200質量部、カーボンブラック(Printex35、デクサ社製)〔DBP吸油量=42mL/100mg、pH=9.5〕540質量部、及び前記[非結晶性ポリエステル1]1,200質量部を加え、ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)で混合し、混合物を2本ロールを用いて150℃で30分間混練後、圧延冷却し、パルペライザーで粉砕して、[マスターバッチ1]を得た。
−油相の作製−
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に、前記[非結晶性ポリエステル1]378質量部、カルナバワックス110質量部、帯電制御剤(CCA、サリチル酸金属錯体E−84、オリエント化学工業株式会社製)22質量部、及び酢酸エチル947質量部を仕込み、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却した。次いで、容器に[マスターバッチ1]500質量部、及び酢酸エチル500質量部を仕込み、1時間混合し、[原料溶解液1]を得た。
前記[原料溶解液1]1,324質量部を容器に移し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒間、直径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で、カーボンブラック、ワックスの分散を行った。次いで、[非結晶性ポリエステル1]の65質量%酢酸エチル溶液1,042.3質量部加え、前記条件のビーズミルで1パスし、[顔料及びワックス分散液1]を得た。得られた[顔料及びワックス分散液1]の固形分濃度(130℃、30分)は50質量%であった。
−結晶性ポリエステル分散液の調製−
金属製2L容器に、前記[結晶性ポリエステル樹脂1]を100g、酢酸エチル400gを入れ、75℃で加熱溶解させた後、氷水浴中で27℃/分間の速度で急冷した。これにガラスビーズ(直径3mm)500mLを加え、バッチ式サンドミル装置(カンペハピオ社製)で10時間粉砕を行い、[結晶性ポリエステル分散液1]を得た。
−有機微粒子エマルションの合成−
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器内に、水683質量部、メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン138質量部、メタクリル酸138質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で15分間撹拌したところ、白色の乳濁液が得られた。加熱して、系内温度75℃まで昇温し、5時間反応させた。更に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部加え、75℃で5時間熟成してビニル系樹脂(スチレン−メタクリル酸−メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の水性分散液[微粒子分散液1]を得た。
得られた[微粒子分散液1]を粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)で測定した体積平均粒径は、0.14μmであった。得られた[微粒子分散液1]の一部を乾燥して樹脂分を単離した。
−水相の調製−
水990質量部、前記[微粒子分散液1]83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の液体を得た。これを[水相1]とした。
−乳化及び脱溶剤−
前記[顔料及びワックス分散液1]664質量部、前記[プレポリマー1]を109.4質量部、[結晶性ポリエステル分散液1]を73.9質量部、及び[ケチミン化合物1]4.6質量部を容器に入れ、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)で5,000rpmで1分間混合した後、容器に前記[水相1]1,200質量部を加え、TKホモミキサーで、回転数13,000rpmで20分間混合し、[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機、及び温度計をセットした容器に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成を行い、[分散スラリー1]を得た。
−洗浄及び乾燥−
前記[分散スラリー1]100質量部を減圧濾過した後、以下のようにして、洗浄及び乾燥を行った。
(1):濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(2):(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで30分間)した後、減圧濾過した。
(3):(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過した。
(4):(3)の濾過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数12,000rpmで10分間)した後濾過する操作を2回行い[濾過ケーキ1]を得た。
前記[濾過ケーキ1]を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩いトナー母体粒子を得た。
−外添処理−
得られたトナー母体粒子を100質量部に対して、表1における外添剤1を2.0質量部、平均粒子径20nmのシリカ2.0質量部と、平均粒径20nmの酸化チタン0.6質量部をヘンシェルミキサーにて混合し、目開き500メッシュの篩を通過させ、トナー1を得た。
(トナーの製造例2〜10)
前記トナーの製造例1において、前記外添剤1を表1に示す外添剤2〜10に代えた以外は、前記トナーの製造例1と同様にして、トナー2〜10を作製した。
(芯材の製造例1)
MnCO、Mg(OH)、Fe、及びSrCOの粉体を秤量し、混合して混合粉を得た。
前記混合粉を、加熱炉により850℃で1時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、平均粒径3μm以下の粉体とした。
前記粉体に分散剤及び水を加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤーに供給して造粒し、平均粒径40μmの造粒物を得た。
得られた造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1,180℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径35μmの球形フェライト粒子(芯材1)を得た。
得られた芯材1の成分分析を行ったところ、MnO:40.0mol%、MgO:10.0mol%、Fe:50mol%、SrO:0.4mol%であった。また、算術平均表面粗さRa2は、0.63μmであった。
(芯材の製造例2)
前記芯材の製造例1と同様に、平均粒径約40μmの造粒物を得た。前記造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1,120℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径約35μmの球形フェライト粒子(芯材2)を得た。
得られた芯材2の成分分析を行ったところ、MnO:40.0mol%、MgO:10.0mol%、Fe:50mol%、SrO:0.4mol%であった。また、算術平均表面粗さRa2は、0.85μmであった。
(芯材の製造例3)
前記芯材の製造例1と同様にして平均粒径約40μmの造粒物を得た。前記造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1,080℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径約35μmの球形フェライト粒子(芯材3)を得た。
得られた芯材3の算術平均表面粗さRa2は、1.03μmであった。
(芯材の製造例4)
MnCO、Mg(OH)、Fe、及びCaCOの粉体を秤量し、混合して混合粉を得た。
前記混合粉を、加熱炉により850℃、1時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、平均粒径3μm以下の粉体とした。
前記粉体に分散剤及び水を加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤーに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
前記造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1,200℃、5時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径約35μmの球形フェライト粒子(芯材4)を得た。
得られた芯材4の成分分析を行ったところ、MnO:44.3mol%、MgO:0.7mol%、Fe:53mol%、CaO:2.0mol%であった。また、算術平均表面粗さRa2は、0.68μmであった。
(芯材の製造例5)
MnCO、Mg(OH)、及びFeを秤量し、混合して混合粉を得た。
前記混合粉を、加熱炉により900℃、3時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、平均粒径1μmの粉体とした。
前記粉体に分散剤及び水を加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤーに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。
前記造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1,250℃、5時間焼成した。
得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径約35μmの球形フェライト粒子(芯材5)を得た。
得られた芯材5の成分分析を行ったところ、MnO:46.2mol%、MgO:0.7mol%、Fe:53mol%であった。また、算術平均表面粗さRa2は、0.45μmであった。
(導電性微粒子の製造例1)
酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、AKP−30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫100g及び五酸化りん3gを2N塩酸1リットルに溶かした溶液と12質量%アンモニア水とを懸濁液のpHが7〜8になるように2時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次いで、この乾燥粉末を窒素気流中、500℃で1時間処理して導電性微粒子1を得た。
(導電性微粒子の製造例2)
BET表面積50m/gの酸化スズ微粉末(一次粒径50nm)を窒素雰囲気下、アセトンガスと接触させながら加熱し、300℃の温度下で2時間保持することによって表面改質処理を行い、導電性粒子3を得た。
酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、AKP−30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫10g及び五酸化りん0.30gを2N塩酸100mLに溶かした溶液と12質量%アンモニア水とを懸濁液のpHが7〜8になるように12分間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次いで、この乾燥粉末を窒素気流中で、500℃で1時間処理して導電性微粒子2を得た。
(導電性微粒子の製造例3)
導電性微粒子としてBlackPearls−2000(Cabot社製、粒径:12nm、比表面積1,500mm/g、アスペクト比3)、酸化アルミニウム(住友化学株式会社製、AKP−30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫150g、及び五酸化りん4.5gを2N塩酸1.5リットルに溶かした溶液と12質量%アンモニア水とを懸濁液のpHが7〜8になるように3時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次いで、この乾燥粉末を窒素気流中、500℃で1時間処理して導電性微粒子3を得た。
(キャリア被覆層樹脂の合成例1)
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いで、これに、次構造式:CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe(ただし、前記構造式中、Meはメチル基である)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200mmol、サイラプレーンTM−0701T、チッソ株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン39g(150mmol)、メタクリル酸メチル65.0g(650mmol)、及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3mmol)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、更に、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3mmol)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g、3.3mmol)、90℃〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体(被覆層樹脂1)を得た。
得られた被覆層樹脂1の重量平均分子量は、33,000であった。次いで、この樹脂1の不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた被覆層樹脂1溶液の粘度は、8.8mm/sであり、比重は、0.91であった。
(キャリア被覆層樹脂の合成例2)
前記キャリア被覆層樹脂の合成例1において、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン39gを、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン37.2g(150mmol)に代えた以外は、前記キャリア被覆層樹脂の合成例1と同様にして、ラジカル共重合させてメタクリル系共重合体(被覆層樹脂2)を得た。
得られた被覆層樹脂2の重量平均分子量は、34,000であった。次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた被覆層樹脂2溶液の粘度は、8.7mm/sであり、比重は、0.91であった。
(キャリア被覆層樹脂3の調製)
アクリル樹脂溶液(ヒタロイド3001、日立化成工業株式会社製、固形分50質量%)118.69質量部、グアナミン溶液(マイコート106、三井サイテック株式会社製、固形分70質量%)37.18質量部、酸性触媒(キャタリスト4040、三井サイテック株式会社製、固形分40質量%)0.68質量部を、トルエン400質量部、及びブチルセロソルブ400質量部をホモミキサーで10分間分散し、被覆層樹脂3溶液を調製した。
(実施例1)
<二成分現像剤の作製>
−キャリアの作製−
下記組成の被覆層形成溶液(固形分10質量%)をメディア分散2時間により調製した。得られた被覆層形成溶液を1,000質量部の前記芯材の製造例1の芯材1に塗布して乾燥させた。ここで、塗布乃至乾燥は、流動槽内の温度を各70℃に制御した流動床型コーティング装置を使用して行った。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃で2時間焼成し、キャリア1を得た。
得られた実施例1のキャリア1の特性を表2に示した。
〔被覆層形成溶液の組成〕
・被覆層樹脂(被覆層樹脂の合成例2の樹脂2、固形分75質量%)・・・30質量部
・導電性微粒子の製造例1の導電性微粒子1・・・56質量部
・触媒〔チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、オルガチックスTC−750、マツモトファインケミカル株式会社製〕・・・4質量部
・シランカップリング剤(SH6020、東レ・ダウコーニング株式会社製)・・・0.6質量部
・トルエン・・・残部
−現像剤の作製−
得られたキャリア1を930質量部と、前記トナーの製造例1で製造したトナー1を70質量部とを混合して、タービュラーミキサーを用いて81rpmで5分間攪拌し、二成分現像剤を作製した。
(実施例2〜75及び比較例1〜16)
実施例1において、芯材の種類、微粒子の種類、分散方法、製造方法、キャリア、トナーなどを表2、表3、及び表4に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、二成分現像剤を作製した。
なお、実施例74及び75では、補給用現像剤として、実施例74及び75でそれぞれで作製した二成分現像剤と同じものをトナーカートリッジに充填し、プレミックス率が5質量%及び10質量%となるように添加した。
次に、実施例及び比較例で得られた各二成分現像剤について、以下に示すようにして諸特性を評価した。結果を表2、表3、及び表4に示した。
<直前画像履歴による影響(ゴースト画像による影響)の評価>
作製した各現像剤及び各補給現像剤を、市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、RICOH Pro C901)にセットし、画像面積2%の文字チャート(1文字の大きさ:2mm×2mm程度)を100,000枚出力した。その後、図6A及び図6Bに示す正常画像及び異常画像の縦帯チャートを印刷し、スリーブ一周分(a)と一周後(b)の濃度差を測定することにより、直前画像履歴による影響を評価した。前記測定は、色彩測定器(X−Rite938、X−Rite社製)を用いた。前記スリーブのセンター、リア、及びフロントの3箇所について測定してその平均濃度差をΔIDとした。なお、評価基準は以下の通りとした。
〔評価基準〕
◎:ΔIDが0.01以下である
○:ΔIDが0.01超、0.03以下である
△:ΔIDが0.03超、0.06以下である
×:ΔIDが0.06超である
ここで、◎、○、△、及び×は、それぞれ、◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベルであり、◎、○及び△を合格とし、×を不合格とした。
<転写性>
画像面積率20%チャートを感光体から紙に転写後、クリーニングの直前における感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム株式会社製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計(RD514型、マクベス社製)で測定し、下記基準により評価した。
〔評価基準〕
◎:ブランクとの差が0.005未満である。
○:ブランクとの差が0.005〜0.010である。
△:ブランクとの差が0.011〜0.02である。
×:ブランクとの差が0.02を超える。
<耐久性の評価>
市販のデジタルフルカラープリンター(株式会社リコー製、IPSiO CX8200)(株式会社リコー製、RICOH Pro C901)を改造した改造機に前記各現像剤をセットし、単色による100,000枚のランニング評価を行った。このランニングを終えた後の帯電低下量、及び抵抗低下量を評価した。
<<帯電低下量の評価>>
前記帯電低下量は、ランニング前のキャリア93質量%に対しトナー7質量%の割合で混合し摩擦帯電させたサンプルを、一般的なブローオフ法(東芝ケミカル株式会社製、TB−200)にて測定した帯電量(Q1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置にて除去し得たキャリアを、前記方法と同様の方法で測定した帯電量(Q2)を差し引いた量とした。
前記帯電低下量は、10.0μc/g以内であれば、実使用上問題ないレベルである。また、帯電量の低下の原因は、キャリア表面へのトナースペントであるため、トナースペントを帯電低下量により評価することができる。
<<抵抗低下量の評価>>
前記抵抗低下量は、ランニング前のキャリアを抵抗計測平行電極(ギャップ2mm)の電極間に投入し、直流1,000Vを印加し、30秒間後の抵抗値をハイレジスト計(4329A+LJK 5HVLVWDQFH 0HWHU、横河ヒューレットパッカード株式会社製)で計測した値を体積抵抗率に変換した静抵抗値(R1)から、ランニング後の現像剤中のトナーを前記ブローオフ装置(図7参照)にて除去し得たキャリアを、前記抵抗測定方法と同様の方法で測定した値(R2)を差し引いた量とした。図7中3はキャリア、5はトナー、7はブローケージを示す。
前記静抵抗値(R1)は、8.0Log(Ω・cm)以上であれば、実使用上問題ないレベルである。
前記抵抗低下量は、絶対値で3.0Log(Ω・cm)以内であれば、実使用上問題ないレベルである。
また、抵抗変化の原因は、キャリアの被覆層の削れ、トナーのスペント、被覆層中の大きな粒径の微粒子脱離などであるため、静抵抗値及び抵抗低下量により、これらの発生を評価することができる。
〔耐久性の評価基準〕
○:静抵抗値が8.5Log(Ω・cm)以上、抵抗低下量が3.0Log(Ω・cm)以内、かつ帯電低下量が10μc/g以内
△:静抵抗値が8.0Log(Ω・cm)以上8.5Log(Ω・cm)未満、抵抗低下量が3.0Log(Ω・cm)以内、かつ帯電低下量が10μc/g以内
×:静抵抗値が8.0Log(Ω・cm)未満、抵抗低下量が3.0Log(Ω・cm)超、又は帯電低下量が10μc/g超
*表2−1中の「キャリアの被覆層厚み」は処方量からの計算で求めたものであり、「キャリアの実測被覆層厚み」は実際に被覆層の厚みを測定した値である。
*表2−2中、「比D/h」は、被覆層の平均厚みhに対する微粒子の体積平均粒径Dを表す。
*表2−2中、「微粒子の粒径」は、粒子単独での一次粒子径であり、「分散粒径」は、被覆層内での粒子径であり、粒子がいくつか重なった状態も含めた粒径である。
*表2−4中、「一次粒子の割合(%)」とは、外添剤の粒子1,000個中に占める一次粒子の個数Nxから、次式、(Nx/1000)×100で求めた割合である。
*表3−1中の「「キャリアの被覆層厚み」は処方量からの計算で求めたものであり、「キャリアの実測被覆層厚み」は実際に被覆層の厚みを測定した値である。
*表3−2中、「比D/h」は、被覆層の平均厚みhに対する微粒子の体積平均粒径Dを表す。
*表3−2中、「微粒子の粒径」は、粒子単独での一次粒子径であり、「分散粒径」は、被覆層内での粒子径であり、粒子がいくつか重なった状態も含めた粒径である。
*表3−4中、「一次粒子の割合(%)」とは、外添剤の粒子1,000個中に占める一次粒子の個数Nxから、次式、(Nx/1000)×100で求めた割合である。
*表4−1中の「キャリアの被覆層厚み」は処方量からの計算で求めたものであり、「キャリアの実測被覆層厚み」は実際に被覆層の厚みを測定した値である。
*表4−2中、「比D/h」は、被覆層の平均厚みhに対する微粒子の体積平均粒径Dを表す。
*表4−2中、「微粒子の粒径」は、粒子単独での一次粒子径であり、「分散粒径」は、被覆層内での粒子径であり、粒子がいくつか重なった状態も含めた粒径である。
*表4−4中、「一次粒子の割合(%)」とは、外添剤の粒子1,000個中に占める一次粒子の個数Nxから、次式、(Nx/1000)×100で求めた割合である。
以上の結果から、実施例1〜75の二成分現像剤を用いることにより、長期に亘って直前画像のトナー消費履歴の影響を受けることなく、転写性、並びに、長期に亘ってトナースペントによる帯電性の低下及びキャリア抵抗の変化が少なく耐久性が向上することがわかった
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 着色剤、離型剤、及び結着樹脂を含有するトナー母体粒子と、外添剤とからなるトナーと、キャリアとを含む二成分現像剤であって、
前記キャリアが、芯材と、前記芯材を被覆する被覆層とを有し、
前記キャリアの算術平均表面粗さRa1が、0.50μm〜0.90μmであり、
前記被覆層が樹脂及び微粒子を含有し、前記被覆層の平均層厚差が、0.02μm〜3.0μmであり、
前記外添剤が、少なくとも合着粒子を含有し、前記合着粒子が、一次粒子同士が合着されてなる非球形の二次粒子であり、前記合着粒子の粒度分布指標が、下記式(1)で表されることを特徴とする二成分現像剤である。
ただし、前記式(1)中、Db50は、前記合着粒子の粒子径(nm)を横軸とし、前記合着粒子の累積値(個数%)を縦軸としたときの前記合着粒子の累積分布を小粒子側から描いたときに、前記累積値が50個数%となる前記合着粒子の粒子径を表し、Db10は、前記累積値が10個数%となる前記合着粒子の粒子径を表す。
<2> 外添剤が、下記式(2)を満たす前記<1>に記載の二成分現像剤である。
ただし、前記式(2)中、Nxは、前記外添剤の粒子1,000個中に占める一次粒子の個数を示し、前記Nxは、50mLの瓶に入れた前記外添剤0.5g及びキャリア49.5gに対し、67Hz、10分間の条件で混合攪拌機にて攪拌した後、走査電子顕微鏡にて観察して計測する。
<3> 被覆層の平均厚みhに対する微粒子の体積平均粒径Dの比D/hが、0.01〜1.0である前記<1>から<2>のいずれかに記載の二成分現像剤である。
<4> 微粒子の被覆層における含有量が、40質量%〜85質量%である前記<1>から<3>のいずれかに記載の二成分現像剤である。
<5> キャリアの算術平均表面粗さRa1と芯材の算術平均表面粗さRa2との比Ra1/Ra2が、0.60〜1.0である前記<1>から<4>のいずれかに記載の二成分現像剤である。
<6> トナーとキャリアとを含む二成分現像剤が収容されている現像手段に対して、トナーとキャリアとを含む補給用現像剤を前記現像手段に補給するとともに、前記現像手段内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられる前記<1>から<5>のいずれかに記載の二成分現像剤である。
<7> 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記現像剤が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成装置である。
<8> 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像剤を用いて可視像化する現像手段とを少なくとも有してなり、
前記現像剤が、前記<1>から<6>のいずれかに記載の二成分現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
20 静電潜像担持体(感光体)
21 トナー
23 キャリア
24a、24b 駆動ローラ
26 クリーニング前露光光源
32 帯電装置
33 露光装置
40 現像装置
41 現像スリーブ
42 現像剤収容部材
43 ドクターブレード
44 支持ケース
45 トナーホッパー
46 現像剤収容部
47 現像剤撹拌機構
48 トナーアジテータ
49 トナー補給機構
50 転写装置
60 クリーニング装置
61 クリーニングブレード
64 ブラシ状クリーニング手段
70 除電装置
特開2007−25693号公報 特許第3356948号公報 特開2005−157002号公報 特開平11−231652号公報 特開平7−72733号公報 特開平7−128983号公報 特開平7−92813号公報 特開平11−65247号公報 特許第3030741号公報 特開2000−112174号公報 特開2001−201891号公報 特開2001−235894号公報 特開平3−100661号公報 特許第3328013号公報 特開平9−319134号公報 特許第3056122号公報 特開2010−224502号公報

Claims (8)

  1. 着色剤、離型剤、及び結着樹脂を含有するトナー母体粒子と、外添剤とからなるトナーと、キャリアとを含む二成分現像剤であって、
    前記キャリアが、芯材と、前記芯材を被覆する被覆層とを有し、
    前記キャリアの算術平均表面粗さRa1が、0.50μm〜0.90μmであり、
    前記被覆層が樹脂及び微粒子を含有し、前記被覆層の平均層厚差が、0.02μm〜3.0μmであり、
    前記外添剤が、少なくとも合着粒子を含有し、前記合着粒子が、一次粒子同士が合着されてなる非球形の二次粒子であり、前記合着粒子の粒度分布指標が、下記式(1)で表されることを特徴とする二成分現像剤。
    ただし、前記式(1)中、Db50は、前記合着粒子の粒子径(nm)を横軸とし、前記合着粒子の累積値(個数%)を縦軸としたときの前記合着粒子の累積分布を小粒子側から描いたときに、前記累積値が50個数%となる前記合着粒子の粒子径を表し、Db10は、前記累積値が10個数%となる前記合着粒子の粒子径を表す。
  2. 外添剤が、下記式(2)を満たす請求項1に記載の二成分現像剤。
    ただし、前記式(2)中、Nxは、前記外添剤の粒子1,000個中に占める一次粒子の個数を示し、前記Nxは、50mLの瓶に入れた前記外添剤0.5g及びキャリア49.5gに対し、67Hz、10分間の条件で混合攪拌機にて攪拌した後、走査電子顕微鏡にて観察して計測する。
  3. 被覆層の平均厚みhに対する微粒子の体積平均粒径Dの比D/hが、0.01〜1.0である請求項1から2のいずれかに記載の二成分現像剤。
  4. 微粒子の被覆層における含有量が、40質量%〜85質量%である請求項1から3のいずれかに記載の二成分現像剤。
  5. キャリアの算術平均表面粗さRa1と芯材の算術平均表面粗さRa2との比Ra1/Ra2が、0.60〜1.0である請求項1から4のいずれかに記載の二成分現像剤。
  6. トナーとキャリアとを含む二成分現像剤が収容されている現像手段に対して、トナーとキャリアとを含む補給用現像剤を前記現像手段に補給するとともに、前記現像手段内の余剰となった現像剤を排出しながら現像を行う画像形成装置に用いられる請求項1から5のいずれかに記載の二成分現像剤。
  7. 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
    前記現像剤が、請求項1から6のいずれかに記載の二成分現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
  8. 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上の静電潜像を現像剤を用いて可視像化する現像手段とを少なくとも有してなり、
    前記現像剤が、請求項1から6のいずれかに記載の二成分現像剤であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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