JP6044560B2 - 車両用ポップアップフード装置 - Google Patents
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Description
また、この発明では、補強部がフードインナパネルに固定されるので、フードインナパネルを補強部とは別に成形することができる。それにより、フードインナパネルの成形性を良好に確保することができる。
請求項2に記載の発明に係る車両用ポップアップフード装置は、フードインナパネルの前端部の車幅方向両端部にそれぞれ被支持部が設定されると共に、前記フードインナパネルの後端部の車幅方向両端部にそれぞれ持上げ部が設定されたフードと、作動することにより、各前記被支持部を持上げずに車体に支持させつつ各前記持上げ部を持上げて、前記フードの後部側を上昇させるフード持上げ装置と、前記フードのフードアウタパネルと前記フードインナパネルとの間に配置され、前記フードインナパネルの車幅方向両端部にそれぞれ固定され、前記持上げ部と前記被支持部との間にそれぞれ架け渡された左右一対の補強部と、を備え、前記補強部は、前記フードインナパネルに固定された下壁部と、前記下壁部の幅方向両端部から車両上方側へ延出された一対の縦壁部と、前記一対の縦壁部の上端からそれぞれ互いに反対側へ向けて延出された一対のフランジ部と、を有し、前記下壁部、前記一対の縦壁部及び前記一対のフランジ部が前記架け渡された方向に延在している。
請求項2に記載の発明では、例えば車両と歩行者との衝突が検知されると、フード持上げ装置が作動される。それにより、フードインナパネルの後端部の車幅方向両端部にそれぞれ設定された持上げ部が、フード持上げ装置によって持上げられる。この際には、フードインナパネルの前端部の車幅方向両端部にそれぞれ設定された被支持部が車体に支持された状態で、フードの後部側が上昇する。上記の持上げの際には、フードの前後方向中間部(前方の被支持部と後方の持上げ部との間)が慣性によって下方側へ撓み変形しようとするが、フードインナパネルの車幅方向両端部にそれぞれ設けられた左右一対の補強部によって、上記の撓み変形を防止又は抑制することができる。その結果、フードの前後方向中間部の持上げを速くすることができる。しかも、左右一対の補強部は、フードの全体を補強するものではないため、歩行者の頭部などがフードに衝突した際のフードの衝撃吸収性能が低下することを抑制できる。以上のことから、総合的な観点で、歩行者頭部保護性能の確保に寄与することができる。
また、この発明では、補強部がフードインナパネルに固定されるので、フードインナパネルを補強部とは別に成形することができる。それにより、フードインナパネルの成形性を良好に確保することができる。
さらに、この発明では、補強部がフードアウタパネルとフードインナパネルとの間に配置されるので、フードの下方のスペースが補強部の配置スペースによって不要に侵食されないようにすることができる。
また、この発明では、フードアウタパネルとフードインナパネルとの間に配置されてフードインナパネルに固定される補強部が、上記のように形成されているので、補強部の曲げ剛性を効率的に増加させることができる。それにより、フードを効率的に補強することができる。
本発明の第1実施形態に係る車両用ポップアップフード装置10について、図1〜図10に基づいて説明する。なお、各図に適宜記す矢印FR、矢印RH、矢印UPは、車両の前方向(進行方向)、右方向、上方向をそれぞれ示している。以下、単に前後、左右、上下の方向を用いて説明する場合は、特に断りのない限り、車両前後方向の前後、車両左右方向(車幅方向)の左右、車両上下方向の上下を示すものとする。
図1に示されるように、車両用ポップアップフード装置10は、車両(自動車)12の前部に設けられたフード14と、歩行者等の衝突体との衝突時にフード14を上昇させる(跳ね上げる)フード持上げ装置16を備えている。さらに、この車両用ポップアップフード装置10は、フード14を補強する左右一対のリインフォースメント(補強部材:補強部)18を備えている。以下、各構成要素について説明する。
フード14は、車両12の前部に設けられたエンジンルーム(パワーユニット室)20の上端開口を閉じる(閉止する)ためのものである。このフード14は、平面視で略矩形状に形成されており、左端縁部及び右端縁部が略車両前後方向に延びる一方、前端縁部及び後端縁部が車両前方側へ凸を成すように湾曲している。
フード持上げ装置16は、フード14の後端部を持上げるためのリヤ持上げ装置(リヤポップアップフード装置)34と、フード14の前端部を持上げるためのフロント持上げ装置(フロントポップアップフード装置)36と、を備えている。
図1に示されるように、リヤ持上げ装置34は、左右一対のポップアップ機構部40を主要部として構成されている。このポップアップ機構部40は、フード14の後端部における車幅方向両端部にそれぞれ配設されている。これらのポップアップ機構部40は、左右対称に構成されている以外は、同一の構成とされているため、以下の説明では車両右側に配置されたポップアップ機構部40について説明し、車両左側に配置されたポップアップ機構部40についても説明を省略する。
図1及び図4に示されるように、フロント持上げ装置36は、フードロック装置30と、歩行者等の衝突体との衝突時に作動する左右一対のフロントアクチュエータ(前側駆動源)74とを備えている。フードロック装置30は、フード14の前端部における車幅方向中央部に対して車両下方に設けられている。このフードロック装置30は、ラジエータサポート32のアッパメンバに固定されたロックベース76を備えている。このロックベース76には、フードロック本体78が車両前後方向に沿った軸線回りに回転可能に取り付けられている。
図1に示されるように、フード14の車幅方向両端部(左右両端部)には、それぞれリインフォースメント18が配設されている。これら左右一対のリインフォースメント18は、図5に示されるように、例えば金属板によって長尺状に形成されている。これらのリインフォースメント18は、図2、図3及び図6に示されるように、フード14の閉断面26内に配設されており、フード14の車幅方向両端部に沿って略車両前後方向に延びている。なお、左右のリインフォースメント18は、左右対称に形成される以外は同一の構成とされている。
次に、本第1実施形態の作用及び効果について説明する。
図11には、本発明の第2実施形態に係る車両用ポップアップフード装置のフード110及び厚肉部112Aの構成が模式的な平面図にて示されている。この実施形態では、前記第1実施形態に係る左右のリインフォースメント18が省略されており、その代わりに、フード110のフードインナパネル112における車幅方向両端部には、それぞれ補強部としての厚肉部112Aが一体又は一体的に設けられている。それ以外の構成は、前記第1実施形態と同様である。なお、図11においては、説明の都合上、厚肉部112Aが設けられた部位にハッチングを付している。
図12には、本発明の第3実施形態に係る車両用ポップアップフード装置のフード14及び補強部120の構成が模式的な平面図にて示されている。また、図13には、図12のF13−F13線に沿った切断面を拡大して示す拡大断面図が示されている。この実施形態では、左右のリインフォースメント122が、前記第1実施形態に係る左右のリインフォースメント18よりも短く形成されている。これらのリインフォースメント122は、例えば平板状に形成されており、各後端部が左右の後端持上げ部24Rよりも車両前方側に離間して配置されている。なお、図12及び図13において符号124が付された部材は、ヒンジアーム52と後端持上げ部24Rとの締結部を補強するためのヒンジリテーナである。
図14には、本発明の第4実施形態に係る車両用ポップアップフード装置の部分的な構成が模式的な平面図にて示されている。この実施形態では、左右のリインフォースメント18の後端部をフード14の後端部に沿って車幅方向に一体又は一体的に連結した後端連結部(後端補強部)130を備えている。この後端連結部130によってフードインナパネル24における左右の後端持上げ部24R間が補強されている。これにより、フード14の持上げ時における撓み変形をより効果的に抑制することができる。
図15には、本発明の第5実施形態に係る車両用ポップアップフード装置の部分的な構成が模式的な平面図にて示されている。この実施形態では、前記第4実施形態における後端連結部130に加えて、前端連結部(前端補強部)140が追加されている。この前端連結部140は、左右のリインフォースメント18の前端部をフード14の前端部に沿って車幅方向に一体又は一体的に連結している。この前端連結部140によってフードインナパネル24における左右の前端持上げ部24F間が補強されている。これにより、フード14の持上げ時における撓み変形をより一層効果的に抑制することができる。
図16には、本発明の第6実施形態に係る車両用ポップアップフード装置150の全体構成を示す平面図である。この実施形態では、前記第1実施形態に係る左右のフロントアクチュエータ74が省略されており、前記第1実施形態において左右のフロントアクチュエータ74が設けられた位置には、左右のフードストッパ152が設けられている。これらのフードストッパ152は、例えばゴムによって円柱状に形成されており、ラジエータサポート32のアッパメンバの上面に図示しないブラケットを介して固定されている。また、この実施形態では、フードインナパネル24の前端部における車幅方向両端部には、前記第1実施形態に係る左右の前端持上げ部24Fの代わりに、左右の被支持部24Sが設定されている。それ以外の構成は、前記第1実施形態と同様である。
12 車両
14 フード
16 フード持上げ装置
18 リインフォースメント(補強部材:補強部)
22 フードアウタパネル
24 フードインナパネル
24F 前端持上げ部(持上げ部)
24R 後端持上げ部(持上げ部)
24S 被支持部
42 フードヒンジ
52 ヒンジアーム
110 フード
112 フードインナパネル
112A 厚肉部(補強部)
120 補強部
150 車両用ポップアップフード装置
181 前後延在部
182 内側延出部
Claims (3)
- フードインナパネルの前端部及び後端部の車幅方向両端部にそれぞれ持上げ部が設定されたフードと、
作動することにより、各前記持上げ部を持上げて前記フードを上昇させるフード持上げ装置と、
前記フードのフードアウタパネルと前記フードインナパネルとの間に配置され、前記フードインナパネルの車幅方向両端部にそれぞれ固定され、各々が前後の前記持上げ部間に架け渡された左右一対の補強部と、
を備え、
前記補強部は、前記フードインナパネルに固定された下壁部と、前記下壁部の幅方向両端部から車両上方側へ延出された一対の縦壁部と、前記一対の縦壁部の上端からそれぞれ互いに反対側へ向けて延出された一対のフランジ部と、を有し、前記下壁部、前記一対の縦壁部及び前記一対のフランジ部が前記架け渡された方向に延在している車両用ポップアップフード装置。 - フードインナパネルの前端部の車幅方向両端部にそれぞれ被支持部が設定されると共に、前記フードインナパネルの後端部の車幅方向両端部にそれぞれ持上げ部が設定されたフードと、
作動することにより、各前記被支持部を持上げずに車体に支持させつつ各前記持上げ部を持上げて、前記フードを上昇させるフード持上げ装置と、
前記フードのフードアウタパネルと前記フードインナパネルとの間に配置され、前記フードインナパネルの車幅方向両端部にそれぞれ固定され、各々が前記持上げ部と前記被支持部との間に架け渡された左右一対の補強部と、
を備え、
前記補強部は、前記フードインナパネルに固定された下壁部と、前記下壁部の幅方向両端部から車両上方側へ延出された一対の縦壁部と、前記一対の縦壁部の上端からそれぞれ互いに反対側へ向けて延出された一対のフランジ部と、を有し、前記下壁部、前記一対の縦壁部及び前記一対のフランジ部が前記架け渡された方向に延在している車両用ポップアップフード装置。 - 前記補強部は、前記フードインナパネルの車幅方向端部に沿った前後延在部と、前後延在部の前端部から前記フードインナパネルの前端部に沿って車幅方向内側へ延出され、前記フードインナパネルの前端部に設定された前記持上げ部に至る内側延出部とを備えている請求項1又は請求項2に記載の車両用ポップアップフード装置。
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