JP4779460B2 - 車両の安全装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ボンネットフードの後部が持ち上げ装置により持ち上げ可能に構成された車両の安全装置に関し、車両の安全技術の分野に属する。
従来より、車両と歩行者との衝突発生時にボンネットフード上に跳ね上げられた歩行者が該ボンネットフード下方のエンジン等に該フードを介して間接的に衝突して衝撃を受けるのを防止するため、ボンネットフードの後部を車体に対して持ち上げ可能に構成する場合があり、例えば、その具体構造として、特許文献1には、ボンネットフードの後端部下方において上方に向けて開口する樋状のカウル部の前壁に、持ち上げ用のアクチュエータ(持ち上げ装置)を、取付部材(補強部材)を介してボルトにより固定した構造が開示されている。
特開平11−348716号公報
しかしながら、前記特許文献1に記載の取付構造では、以下のような問題がある。すなわち、該構造においては、カウル部の前壁にエンジンルーム側から締結工具を用いてボルト固定することとなるが、通例、エンジンや補機類は、アクチュエータ等を取り付ける前にエンジンルーム内に設置されているので、取付部材やアクチュエータ等の取付作業の際に締結工具や作業者の手がこれらの機器と干渉しやすく、作業性が悪い。特に、一旦取り付けた後に、アクチュエータ等の交換や調整が必要となった場合、前記補機等を一旦取り外す必要が生じることも考えられる。また、カウル部内には、ワイパーリンクの補機等も配設されることがあり、これらとの干渉にも配慮せねばならない。
そこで、本発明は、車体へのアクチュエータの取付性を改善可能な安全装置を提供することを課題とする。
すなわち、本発明は、次のように構成したことを特徴とする。
まず、本願の請求項1に記載の発明は、車両前部を形成するボンネットフードの下方に、該ボンネットフード後部を車体に対して持ち上げる持ち上げ装置を有する車両の安全装置であって、前記車体には、車両上方に開口を向けた樋状のカウル部が形成されていると共に、該カウル部の開口に跨って取付部材が上方から載置されて固定され、該取付部材に前記持ち上げ装置が取り付けられており、かつ、前記取付部材の車幅方向外側にカウルプレートアッパーが設けられ、該カウルプレートアッパーに、ボンネットフードを回動可能にかつその後部を車体に対して持ち上げ可能に支持するヒンジ手段が取り付けられていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記取付部材は、前記開口に跨って設けられたレインフォースメントと、該レインフォースメントに取り付けられたブラケットとを有し、該レインフォースメントの一端が、サスペンションを収めるサスペンションタワーの上部に載置されていることを特徴とする。
そして、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記ブラケットの一端が、サスペンションを収めるサスペンションタワーの上部に、前記レインフォースメントの一端に重なった状態で載置されていることを特徴とする。
さらに、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の発明において、前記カウルプレートアッパーは、前記取付部材の下方にまで延びていることを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項2または請求項3に記載の発明において、前記ブラケットの車外側側端部は、前記カウルプレートアッパーに載置されて固定されていると共に、前記ブラケットの車内側側端部には、下方に折曲するフランジが、前記カウルプレートアッパーの車内側側端部を覆いかつ近接した状態で設けられていることを特徴とする。
次に、本発明の効果について説明する。
まず、請求項1に記載の発明によれば、車体には、車両上方に開口を向けた樋状のカウル部が形成されていると共に、該カウル部の開口に跨って、ボンネットフードの後部を持ち上げる持ち上げ装置が取り付けられた取付部材が上方から載置されて固定されているから、該取付部材の取付、取り外し作業がカウル部の上方から行うことができるようになる。したがって、エンジンルーム側からの作業が不要となるだけでなく、例えば、取付部材の下方にワイパーリンク等の補機が配設されている場合であっても、前記取付、取り外し作業を問題なく行うことができるようになる。そして、前記取付部材の車幅方向外側にカウルプレートアッパーが設けられ、該カウルプレートアッパーにボンネットフードを回動可能に支持するヒンジ手段が取り付けられているから、前記持ち上げ装置とヒンジ手段とがそれぞれ異なる部材に取り付けられることになる。
また、請求項2に記載の発明によれば、前記取付部材は、前記開口に跨って設けられたレインフォースメントと、ブラケットとの2重構造とされているので、該取付部材の剛性が高まり、持ち上げ装置作動時の反力による上下方向へのたわみ等が抑制される。
また、該レインフォースメントの一端が、サスペンションを収めるサスペンションタワーの上部に載置されているから、持ち上げ装置作動時の反力をレインフォースメントを介してカウル部だけでなく剛性の高いサスペンションタワーにも分散することができる。そして、サスペンションタワーを介してタイヤや路面にも分散することができる。また、サスペンションタワーの剛性が向上することともなるので、サスペンションからの入力荷重を車体が確実に受け止めることができるようになり、車両の走行安定性をも向上させることができる。
そして、請求項3に記載の発明によれば、前記ブラケットの一端が、サスペンションを収めるサスペンションタワーの上部に、前記レインフォースメントの一端に重なった状態で載置されているから、持ち上げ装置作動時の反力を、ブラケットを介してサスペンションタワーにも分散することができると共に、サスペンションタワーを介してタイヤや路面にも分散することができる。また、サスペンションタワーの剛性が向上することともなるので、サスペンションからの入力荷重を車体が確実に受け止めることができるようになり、車両の走行安定性をも向上させることができる。
また、請求項4に記載の発明によれば、前記カウルプレートアッパーは、前記取付部材の下方にまで延びているから、持ち上げ装置作動時に、取付部材を介してカウルプレートアッパーが下方に付勢される。したがって、ボンネットフードの後部が車体に対して持ち上がる際に、該ボンネットフードに引きずられてヒンジ手段が変形しながら持ち上がってしまうのが抑制される。つまり、フードの後部を車体に対して確実に持ち上げることができる。

さらに、請求項5に記載の発明によれば、前記ブラケットの車外側側端部は、前記カウルプレートアッパーに載置されて固定されていると共に、前記ブラケットの車内側側端部には、下方に折曲するフランジが、前記カウルプレートアッパーの車内側側端部に近接した状態で設けられているから、ブラケットの剛性が向上すると共に、持ち上げ装置作動時に、その反力により仮にブラケットの車内側の部分が車外側側端部側を支点として下方にたわんだとしても、カウルプレートアッパーの車内側側端部に当接することとなって、それ以上にたわむのが防止されることとなる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1〜図3は、本実施の形態に係る車両1の前部を示す斜視図であり、これらの図に示すように、左右のフェンダ2,2の間には、エンジン3を収容するエンジンルーム4が設けられていると共に、一般的使用状態においては、図1に示すようにエンジンルーム4はボンネットフード5により覆われている。このボンネットフード5は、図2に示すように、ヒンジ機構10,10(後に別図を用いて詳述する)を介して後部を中心として回動可能に支持されており、これにより、前記エンジンルーム4内のメンテナンス等が可能なようになっている。また、図4に示すコントロールユニット20が、フロントバンパ6に設けられた衝突センサ21からの信号に基づいて衝突を検知すると、アクチュエータ30,30が作動され、図3に示すように、ボンネットフード5の後部が車体に対して持ち上げられるように構成されており、これにより、ボンネットフード5上に跳ね上げられた歩行者が該フード5を介してその下方のエンジン3等の物体に間接的に衝突するのが防止されるようになっている。
なお、前記衝突センサ21としては、例えば、圧力センサや加速度センサ等の一般的なセンサが利用可能である。また、衝突の発生が検知されたときでなく、衝突を予知したときにアクチュエータ30,30を作動させてもよい。
アクチュエータ30は、図5〜図8に示すように、上下方向にスライド可能に同心配置された複数の円筒体31…31を有すると共に、該円筒体31…31の内部に、火薬と、該火薬に点火する点火回路とを有し、前記コントロールユニット20から点火回路に通電されると、火薬が着火してガスを発生し、該ガスの圧力により、上記複数の円筒体31…31が上方に移動するようになっている(図11参照)。なお、各円筒体31…31の上端部には、内方の円筒体31…31が上方に抜けるのを防止すると共に、ガス漏れを防止するストッパが設けられている。
次に、前記ヒンジ機構10,10、及びアクチュエータ30,30等が設けられるエンジンルーム4の後部付近の構造について説明すると、図2、図5に示すように、左右のフェンダ2,2から、図示しないフロントサスペンションを収容するサスペンションタワー7,7が車幅方向内方に膨出して形成されている(なお、図5においては、一のフェンダ2側のみ図示しているが、他のフェンダ2側はこれとほぼ左右対称とされており、一方についてのみ説明する、なお、特に説明をする場合を除き、他の構成等についても以下同様とする)。
また、図5、図6に示すように、左右のフェンダ2,2間には、前記サスペンションタワー7,7の後方において、カウルフロントパネル41及びカウルリヤパネル42が車幅方向に延設されている。
これらのうち、カウルリヤパネル42は、図5〜図7に示すように、上方に開口する樋状とされ、前壁42aが前記サスペンションタワー7の側壁7aに固着されている。一方、カウルフロントパネル41は、カウルリヤパネル42に上方から載置され、上部が該カウルリヤパネル42の上部に固着され、下部が前記カウルリヤパネル42の底壁42bに固着されている。そして、前記サスペンションタワー7の側壁7aと、これらカウルフロントパネル41及びカウルリヤパネル42とにより、上方に向けて開口する樋状のカウル部43が形成されており、このカウル部43内に、図示しないワイパーリンクの補機等が収容固定されている。
また、図5、図6に示すように、左右のフェンダ2の後部におけるヒンジ機構10の取付位置には、フェンダ2と共に車体前側部を構成するカウルプレートアッパー44が設けられている。このカウルプレートアッパー44は、図6、図8に示すように、ヒンジ機構10が取り付けられる平面部44aと、該平面部44aの車外側側端から上方に延びる外側縦壁部44bと、車内側側端から下方に延びる内側縦壁部44cとを有し、車体へのヒンジ機構10の取付剛性が高まるように構成されている。
図5〜図8に示すように、アクチュエータ30を取り付ける取付部材45がカウル部43の開口に跨って設けられている。該取付部材45は、前記開口に跨って設けられたカウルレインフォースメント50と、該カウルレインフォースメント50に取り付けられたブラケット60とを有している。
カウルレインフォースメント50は、図5、図6に示すように、平面視略L字状の板状部材であり、図7にも併せて示すように、前端部が前記サスペンションタワー7の上部7bに載置され、後端部がカウルフロントパネル41の上壁41bに重ねて載置され、側端部がカウルプレートアッパー44に載置されている。
一方、ブラケット60は、図5〜図8に示すように、アクチュエータ30が取り付けられるほぼ水平な面を有する取付面部60aと、該取付面部60aの車内側側端部60iに設けられ、下方に折曲するフランジ60eと、該フランジ60eからさらに下方に延びる脚部60bとを有し、前記カウルレインフォースメント50の上方に配置されている。また、前記取付面部60aは、前記フェンダ2の内側においてその上部に隣接するように配置され、カウルレインフォースメント50を介してカウルプレートアッパー44上に載置されている。また、該取付面部60aの前端部は、サスペンションタワー7の上部7bにまで延び、カウルレインフォースメント50の前端部に重なった状態で載置されている。また、図7、図8に示すように、フランジ60eは、前記カウルレインフォースメント50の車内側側端部50iを覆った状態で近接して設けられている。
また、図5〜図8に示すように、ブラケット60及びカウルレインフォースメント50は、複数の取付部71〜75においてそれぞれボルト及びナットを用いて車体側等に固定されている。すなわち、取付部71において、ブラケット60の車外側側端部60oの後部が、前記カウルレインフォースメント50の車外側側端部50oの後部と共にカウルプレートアッパー44に固定され、取付部72において、ブラケット60の車外側側端部60oの前部が、前記カウルレインフォースメント50の車外側側端部50oの前部と共にサスペンションタワー7の上部7bに固定され、取付部73において、ブラケット60の前端部の車内側部分が、前記カウルレインフォースメント50の前端部ほぼ中央に固定され、取付部74において、ブラケット60の後端部が、前記カウルレインフォースメント50の後端部に固定され、取付部75(以後、内端側取付部75という)において、前記取付面部60aよりも下方に設けられた脚部60bの座部60cが、前記カウルリアパネル42の底壁42bに固定されている。
その場合に、図8に示すように、前記ブラケット60の取付面部60aとボンネットフード5のインナパネル5aとの間の上下方向距離Xは、該取付面部60aと前記内端側取付部75との間の上下方向距離Yよりも短くなるように設定されている。
次に、アクチュエータ30の、ブラケット60の取付面部60aへの取付について説明すると、該アクチュエータ30は、図7、図8に示すように、ブラケット60の取付面部60aに沿う形状とされた取付座30aを有し、該取付座30aを前記取付面部60aに上方から載置した状態で、これら取付座30a及び取付面部60aに設けられたボルト挿通孔に、取付面部60aの上方から複数のボルト32…32を挿通すると共に、これらのボルト32…32に取付面部60aの下方からナット33…33をそれぞれ螺合することにより該取付面部60aに固定されている。なお、これらのナット33…33の下方には、カウルレインフォースメント50が位置しており、ナット33…33を下方から覆っている。
また、図7、図8に示すように、ブラケット60の取付面部60aにおけるアクチュエータ30の下方には貫通孔60dが設けられており、該貫通孔60dにアクチュエータ30のコネクタ部30bが挿通されている。そして、カウルレインフォースメント50には、アクチュエータ30の配設位置よりも前方において、貫通孔50aが設けられており、コントロールユニット20からの電気信号をアクチュエータ30へ伝えるためのハーネス34が該貫通孔50aを通って前記コネクタ部30bに接続されている。
次に、ヒンジ機構10について説明する。すなわち、このヒンジ機構10は、図6〜図9に示すように、ボンネットフード5のインナパネル5aにボルト及びナットにより固定された断面コ字状のフード側ブラケット11と、カウルプレートアッパー44の平面部44aにボルト及びナットにより固定された車体側ブラケット12と、前端側がフード側ブラケット11の前部に連結ピン13を介して連結され、後端側が車体側ブラケット12の上部に支軸ピン14を介して連結されたリンク体15と、前記フード側ブラケット11の縦壁11aの後部とリンク体15の縦壁15aの後部との間に挿通され、所定以上の力が加わったときに破断可能なロックピン16とを有する。
その場合に、図7、図8に示すように、前記ヒンジ機構10を構成する部材であるボンネットフード側ブラケット11の縦壁11a、及びリンク体15の縦壁15aは、前記フェンダ2と前記アクチュエータ30との間に位置するように設けられている。また、これらの縦壁11a,15aは上下方向にオフセットして設けられていると共に、高さ方向中間部分が側方視で重畳するように配置されている。更に、アクチュエータ30下端(前記ブラケット60の取付面部60a)からヒンジ機構10の上端(前記ボンネットフード5のインナパネル5aの下面)までの距離X(前述の上下方向距離Xと同じ)は、アクチュエータ30下端からその上端までの距離Vと、ヒンジ機構10のリンク体15の下端(リンク体15の縦壁15aの下端)からヒンジ機構10の上端(前記ボンネットフード5のインナパネル5aの下面)までの距離Wを足し合わせた距離よりも短くなるように設定されている。
また、前記ヒンジ機構10におけるフェンダ2とアクチュエータ30との間に位置する上記縦壁11a,15aは、図6〜図8に示すように、フェンダ2の上端部及びボンネットフード5の側端部に沿って車体前後方向に設けられている。
そして、ブラケット45と車体側との複数の取付部71〜75のうち、取付部71,74,75は、前記ヒンジ機構10の上記縦壁11a,15aよりも車幅方向内側に配設されている。
次に、本実施の形態に係る車両1の安全装置の作用について説明する。
まず、本実施の形態に係るアクチュエータ30等の取付構造によれば、車両上方に向けて開口する樋状の開口に跨って、アクチュエータ30が取り付けられる取付部材45が上方から載置されて固定されているから、該取付部材45の取付、取り外し作業がカウル部43の上方から行うことができるようになる。したがって、エンジンルーム4側からの作業が不要となるだけでなく、例えば、カウル部43の内部にワイパーリンク等の補機が配設されている場合であっても、前記取付、取り外し作業を問題なく行うことができるようになる。また、カウル部43の剛性が高まることともなる。
次に、動作等について説明すると、まず、メンテナンス等に際して、車室内等に設けられた図示しないボンネットフード5の開閉操作レバー等を操作すると、図2に示すように、ボンネットフード5の前端部内面に設けられたストライカ8と、エンジンルーム4側に設けられたロック機構9との係合状態が解除される。そして、ボンネットフード5の前部を持ち上げると、ヒンジ機構10のフード側ブラケット11とリンク体15とがロックピン16によりロックされているので、図10に示すように、ボンネットフード5は支軸ピン14を中心としてすなわち該フード5の後部を中心として回動することとなる。
これに対し、車両走行中、該車両1への歩行者の衝突が発生すると、衝突センサ21からの信号に基づいてコントローラ20が衝突を検知し、アクチュエータ30の点火回路に電気信号が送出される。そうすると、アクチュエータ30内の火薬が爆発してガスが発生し、該ガスの圧力により円筒体31…31が上方にスライドしてアクチュエータ30が全体として上方に伸び、その先端(上端)の円筒体31がヒンジ機構10のリンク体15の受圧プレート15bに当接し、該受圧プレート15bが上方へ押圧されることとなる。その場合に、車両走行中においては、ボンネットフード5は、ストライカ8がロック機構9に係合しており、後部を中心として回動不可能な状態であるので、ロックピン16に切断力が加わることとなり、この切断力が所定力以上となったときに、ロックピン16が切断される。そして、その結果、図11に示すように、アクチュエータ30の円筒体31…31がさらに上方に延びて受圧プレート15bを上方へ押圧することとなり、この結果、リンク体15の前部が支軸ピン14を支点として上方へ回動し、連結ピン13及びフード側ブラケット11を介してボンネットフード5の後部が車体に対して持ち上がることとなる。そして、これにより、衝突した歩行者は、仮に車体前部へ跳ね上げられたとしても、ボンネットフード5の後部が持ち上がっているので、該ボンネットフード5下方のエンジン3等に間接的にも衝突するのが防止されることとなる。なお、本実施の形態によるヒンジ機構10のような構造の場合に、ボンネットフード5の後部が持ち上がると、その前端が車両後方側に若干移動することとなるが、これについては、ロック機構9を、ストライカ8の前後動を許容可能に構成しておくことにより吸収することができる。
その場合に、この図11に示すように、アクチュエータ30が取り付けられる取付部材45は、前記カウル部43の開口に跨って設けられたカウルレインフォースメント50と、ブラケット60との2重構造とされているので、該取付部材45の剛性が高まり、アクチュエータ30作動時の下方への反力によるたわみ等が抑制されることとなる。
また、カウルレインフォースメント50の前端部が、剛性の高いサスペンションタワー7の上部に載置されているから、アクチュエータ30作動時の反力をカウルレインフォースメント50を介してカウルフロントパネル41やカウルリヤパネル42だけでなく剛性の高いサスペンションタワー7にも分散することができる。そして、サスペンションタワー7を介してタイヤや路面にも分散することができる。また、サスペンションタワー7の剛性が向上することともなるので、サスペンションからの入力荷重を車体が確実に受け止めることができるようになり、車両1の走行安定性をも向上させることができる。
また、ブラケット60の前端部が、前記サスペンションタワー7の上部に、前記カウルレインフォースメント50の前端部に重なった状態で載置されているから、アクチュエータ30作動時の反力を、ブラケット60を介してサスペンションタワー7にも分散することができると共に、サスペンションタワー7を介してタイヤや路面にも分散することができる。また、サスペンションタワー7の剛性が向上することともなるので、サスペンションからの入力荷重を車体が確実に受け止めることができるようになり、車両1の走行安定性をも向上させることができる。
また、ヒンジ機構10は、図8に示すように、カウルプレートアッパー44に取り付けられていると共に、該カウルプレートアッパー44は取付部材45の下方にまで延びているから、アクチュエータ30作動時に、取付部材45を介してカウルプレートアッパー44が下方に付勢される。したがって、ボンネットフード5の後部が車体に対して持ち上がる際に、該ボンネットフード5に引きずられてヒンジ機構10が変形しながら持ち上がってしまうのが抑制され、ボンネットフード5の後部を車体に対して確実に持ち上げることができる。
さらに、前記ブラケット60の車内側側端部60iには、下方に折曲するフランジ60eが、前記カウルレインフォースメント50の車内側側端部50iに近接した状態で設けられているから、ブラケット60の剛性が向上すると共に、アクチュエータ30作動時に、その反力により仮にブラケット60の車内側の部分が、図8に仮想線で示すように、車外側側端部60o側を支点として下方に倒れ込んでたわんだとしても、カウルレインフォースメント50の車内側側端部50iに当接することとなって、それ以上にたわむのが防止されることとなる。加えて、アクチュエータ30下端(前記ブラケット60の取付面部60a)からヒンジ機構10の上端(前記ボンネットフード5のインナパネル5aの下面)までの距離X(前述の上下方向距離Xと同じ)は、アクチュエータ30下端からその上端までの距離Vと、ヒンジ機構10のリンク体15の下端(リンク体15の縦壁15aの下端)からヒンジ機構10の上端(前記ボンネットフード5のインナパネル5aの下面)までの距離Wを足し合わせた距離よりも短くなるように設定されているから、アクチュエータ30をヒンジ機構10の真下に配する場合であっても、車体側に影響を与えることなく、フード5が高くなることを抑えることができ、スタイリングと歩行者保護機能とを両立させることができる。
加えて、本実施の形態によれば、アクチュエータ30等の盗難が防止されることとなり、以下、その点について説明する。
すなわち、図8に示すように、ブラケット60の取付面部60aは、前記フェンダ2の内側上部に隣接するように配置されており、かつ、該ブラケット60をカウルリヤパネル42等の車体側部材にボルト締結する取付部71〜75のうち、内端側の取付部75が、フェンダ2から下方に遠く離れて設けられているから、フェンダ2の上端部とボンネットフード5の側端部との隙間Zに工具をねじ込んで、アクチュエータ30が取り付けられているブラケット60を取り外そうとしても、工具が内端側取付部75に届かない。したがって、ブラケット60ひいてはアクチュエータ30を取り外すことができず、該アクチュエータ30への悪戯や盗難が防止されることとなる。
また、前記ブラケット60の取付面部60aは略水平に設けられているから、フェンダ2とボンネットフード5との隙間Zから工具等を下方にねじ込もうとしても、該取付面部60aが障害となり、内端側取付部75に工具等が一層届きにくくなる。
そして、前記アクチュエータ30は、ブラケット60の取付面部60a上面に取り付けるための取付座30aを有し、該取付座30aの上方から取付座30a及び取付面部60aのボルト挿通孔を介して挿通されたボルト32…32に、取付面部60aの下方からナット33…33を螺合することにより該取付面部60aに固定されているから、該取付面部60aの上方から工具をねじ込んでも、取付面部60aの下面に位置するナット33…33にアクセスできず、アクチュエータ30を単体でブラケット60から取り外すことも困難となる。
さらに、図7、図8に示すように、アクチュエータ30を固定するナット33の下方には、カウルレインフォースメント50が位置しているから、該ナット33へ下方からアクセスしようとしても、カウルレインフォースメント50により阻まれることとなる。したがって、一層効果的にアクチュエータ30の盗難が防止されることとなる。
また、ブラケット60の取付面部60aとボンネットフード5のインナパネル5aとの間の上下方向距離Xは、該取付面部60aと内端側取付部75との間の上下方向距離Yよりも短くなるように設定されているから、フェンダ2とボンネットフード5との隙間に、工具類をさしこんでも内端側取付部75までのアクセスがしにくくなる共に、アクチュエータ30の作動ストロークを最大限生かすことができるようになる。
本発明は、ボンネットフードの持ち上げ装置を有する車両の安全装置に広く適用することができる。
本発明の実施の形態に係る安全装置が適用された車両の前部斜視図である。 同車両のボンネットフードを後部を中心として開いた状態における前部斜視図である。 同車両のボンネットフードの後部を車体に対して持ち上げた状態における前部斜視図である。 同車両の安全装置の制御構成図である。 アクチュエータ周辺の拡大斜視図である。 アクチュエータ周辺の平面図である。 図6のA−A断面図である。 図6のB−B断面図である。 ヒンジ機構の分解斜視図である。 ボンネットフードを後部を中心として開いた状態における図7相当の図である。 ボンネットフードの後部を車体に対して持ち上げた状態における図7相当の図である。
符号の説明
1 車両
2 フェンダ
3 エンジン
4 エンジンルーム
5 ボンネットフード
7 サスペンションタワー
7a 側壁
7b 上部
10 ヒンジ機構(ヒンジ手段)
11 ボンネットフード側ブラケット
11a ボンネットフード側ブラケットの縦壁
12 車体側ブラケット
13 連結ピン
14 支軸ピン
15 リンク体
15a リンク体の縦壁
16 ロックピン
20 コントロールユニット
21 衝突センサ
30 アクチュエータ(持ち上げ装置)
32 ボルト
33 ナット
41 カウルフロントパネル
42 カウルリヤパネル
42a 前壁
42b 底壁
43 カウル部
44 カウルフロントアッパー
45 取付部材
50 カウルレインフォースメント(レインフォースメント)
50i 車内側側端部
50o 車外側側端部
60 ブラケット
60a 取付面部
60b 脚部
60e フランジ
60i 車内側側端部
60o 車外側側端部
71〜74 取付部
75 内端側取付部
X ブラケットの水平面部とボンネットフードとの間の上下方向距離
Y ブラケットの水平面部と内端側取付部との間の上下方向距離
Z 隙間

Claims (5)

  1. 車両前部を形成するボンネットフードの下方に、該ボンネットフード後部を車体に対して持ち上げる持ち上げ装置を有する車両の安全装置であって、
    前記車体には、上方に向けて開口する樋状のカウル部が形成されていると共に、
    該カウル部の開口に跨って取付部材が上方から載置されて固定され、該取付部材に前記持ち上げ装置が取り付けられており、
    かつ、前記取付部材の車幅方向外側にカウルプレートアッパーが設けられ、該カウルプレートアッパーに、ボンネットフードを回動可能にかつその後部を車体に対して持ち上げ可能に支持するヒンジ手段が取り付けられていることを特徴とする車両の安全装置。
  2. 請求項1に記載の車両の安全装置であって、
    前記取付部材は、前記開口に跨って設けられたレインフォースメントと、該レインフォースメントに取り付けられたブラケットとを有し、
    該レインフォースメントの一端が、サスペンションを収めるサスペンションタワーの上部に載置されていることを特徴とする車両の安全装置。
  3. 請求項2に記載の車両の安全装置であって、
    前記ブラケットの一端が、サスペンションを収めるサスペンションタワーの上部に、前記レインフォースメントの一端に重なった状態で載置されていることを特徴とする車両の安全装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の車両の安全装置であって、
    前記カウルプレートアッパーは、前記取付部材の下方にまで延びていることを特徴とする車両の安全装置。
  5. 請求項2または請求項3に記載の車両の安全装置であって、
    前記ブラケットの車外側側端部は、前記カウルプレートアッパーに載置されて固定されていると共に、
    前記ブラケットの車内側側端部には、下方に折曲するフランジが、前記カウルプレートアッパーの車内側側端部を覆いかつ近接した状態で設けられていることを特徴とする車両の安全装置。
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