JP6044414B2 - クラッチの継合判定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の出力軸と手動変速機との間に設けられるクラッチの継合状態を判定する装置に関する。
手動変速機を備えた車両には、内燃機関の出力軸と手動変速機との間にクラッチが設けられており、車両の発進時には運転者によってクラッチが徐々に継合される。
こうした発進時のクラッチ継合に際して、内燃機関の出力トルクが不足すると、エンジンストールが発生するおそれがある。そこで、例えば特許文献1に記載されているように、クラッチ継合時における出力トルクの不足を自動的に補う制御装置などが提案されている。ここで、そうした出力トルクの補助は、クラッチが解放状態から継合状態(半クラッチ状態を含む継合状態)に変化してから行うことが好ましい。そこで、同文献1に記載の制御装置では、内燃機関の出力軸の回転速度である機関回転速度と手動変速機の入力軸回転速度との回転速度差が、予め定められた判定値以下のときに、クラッチが継合状態であると判定するようにしている。
特開2006−233911号公報
ところで、機関回転速度は、クラッチ継合以外の要因でも変動する。そのため、上記特許文献1に記載の装置では、クラッチ継合以外の要因で機関回転速度が変化したにもかかわらず、クラッチが継合状態であると誤判定するおそれがある。
本発明はこうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、クラッチ継合の判定精度を高めることのできる継合判定装置を提供することにある。
上記課題を解決するクラッチの継合判定装置は、内燃機関の出力軸と手動変速機との間に設けられるクラッチの継合状態を判定する装置であって、機関回転速度の変化量が継合判定値以下のときにクラッチが継合している旨判定するようにしている。
そして、本発明の一例においては、継合判定値は、内燃機関にて発生する出力トルクのうちで同機関の出力軸に接続されたクラッチに伝達されるトルクである軸トルクに基づいて設定する。
内燃機関の出力軸が回転するときの負荷は、クラッチが解放状態のときよりも継合状態のときの方が増大する。そのため、クラッチが継合状態のときには、解放状態のときと比較して、機関回転速度の変化量(より詳細には単位時間当たりの変化量)が小さくなる。そこで、同構成では、機関回転速度の変化量が、所定の継合判定値以下のときにクラッチが継合していると判定するようにしている。なお、同構成において、クラッチの継合とは、内燃機関の出力軸から手動変速機への動力伝達が可能なクラッチの状態のことであり、半クラッチ状態や完全継合状態のことをいう。
ところで、内燃機関にて発生する出力トルクのうちで内燃機関の出力軸に接続されたクラッチに伝達されるトルクを軸トルクと定義した場合に、つまり内燃機関にて発生する出力トルクから補機の駆動等による出力トルクの損失分を除いたトルクを軸トルクとした場
合に、この軸トルクが小さいときほど機関回転速度の変化量は小さくなる。そこで、同構成では、機関回転速度の変化量に影響する軸トルクが小さいときほど継合判定値を小さい値に設定するようにしており、これにより軸トルクの変化に合わせて継合判定値が適切に可変設定されるようになり、クラッチ継合の判定精度が高まるようになる。
また、同構成では、クラッチ継合による機関回転速度の変化に対して直接影響する上記軸トルクに基づき、継合判定値を可変設定するようにしている。そのため、機関回転速度がクラッチ継合以外の要因でも変化した場合でも、軸トルクに基づいて継合判定値は適切に可変設定される。例えば、補機の負荷増大によって機関回転速度が低下した場合には、補機の負荷増大によって軸トルクが小さくなる。そしてこうした補機の負荷増大による軸トルクの変化に合わせて継合判定値は適切に設定される。そのため、そうした補機の負荷増大による機関回転速度の低下を、クラッチの継合によるものであると誤判定する可能性が小さくなる。従って、こうした点でも、クラッチ継合の判定精度が高まるようになる。
ちなみに、上記特許文献1に記載の装置では、クラッチの継合状態を判定するために、手動変速機の入力軸回転速度を計測するセンサが必要になる。しかし、手動変速機は、自動変速機と異なり、一般的にはそうした入力軸回転速度を計測するセンサが設けられていない。そのため、クラッチの継合を判定するためには、そうした回転速度センサを追加で設ける必要があり、コストが増加してしまう。また、クラッチペダルのストローク量を計測するストロークセンサを設け、その計測されたストローク量に基づいてクラッチの継合を判定することも可能ではある。しかし、クラッチペダルには、一般的にそうしたストロークセンサが設けられていない。従って、この場合にも、クラッチの継合を判定するためには、ストロークセンサを追加で設ける必要があり、コストが増加してしまう。一方、上述した継合判定装置によれば、そうしたセンサを設けること無く、クラッチの継合状態を判定することができるようにもなる。
また、本発明の一例においては、内燃機関にて発生する出力トルクのうちで前記出力軸に接続されたクラッチに伝達されるトルクである軸トルクに基づいて前記継合判定値を設定し、内燃機関がアイドル運転状態のときには、前記継合判定値は一定値に設定される
また、本発明の一例においては、継合判定値を設定するときの軸トルクは、なまし処理を行った後の値であり、前記なまし処理による軸トルクのなまし度合は、アクセルペダルの非操作時に比して操作時の方が小さくされる。
機関回転速度の変化量に関する判定値である上記継合判定値は、軸トルクに基づいて設定されるが、軸トルクの変化が機関回転速度の変化として現れるまでには時間的な遅れが生じる。そこで、継合判定値を設定するときの軸トルクは、なまし処理を行った後の値とすることにより、そうした時間的な遅れを考慮した適切な継合判定値を設定することができるようになる。
ここで、アクセルペダルが操作されているときには、アクセルペダルが操作されていないときに比べて、内燃機関から発生する出力トルクが大きくなるため、軸トルクの変化が早くなる。そこで、同構成では、なまし処理による軸トルクのなまし度合は、アクセルペダルの非操作時に比して操作時の方が小さくなるようにしている。従って、なまし処理前の軸トルクに対するなまし処理後の軸トルクの応答性は、アクセルペダルの非操作時に比して操作時の方が高くなり、アクセルペダルの操作時には、非操作時に比べて軸トルクのなまし値が素早く変化するようになる。そのため、アクセルペダルの非操作時と操作時とで軸トルクのなまし度合を同一にする場合と比較して、軸トルクのなまし値の変化を実際の軸トルクの変化に近づけることができるようになる。
また、本発明の一例においては、内燃機関の潤滑油の粘度が高いときには、同粘度が低いときに比して継合判定値は小さい値に設定される。
内燃機関の出力軸が回転するときの回転抵抗は、内燃機関の潤滑油の粘度が高いときほど大きくなる。そのため、潤滑油の粘度が高いときほど、機関回転速度の変化量は大きくなる。そこで同構成では、潤滑油の粘度が高いときには、粘度が低いときに比して継合判定値を小さい値に設定するようにしている。従って、クラッチの継合を判定するに際して、潤滑油の粘度変化に起因する誤判定の発生を抑えることができるようになる。なお、潤滑油の粘度は、内燃機関の冷却水温や潤滑油の油温などと相関しているため、冷却水温や油温に応じて継合判定値を変更するようにしてもよい。
上記継合判定装置において、上記軸トルクを機関運転状態に基づいて推定するようにしてもよい。同構成によれば、軸トルクを検出するセンサ等を設けることなく、クラッチの継合判定を行うことができるようになる。なお、軸トルクの推定は、適宜行うことができる。例えば内燃機関にて発生する出力トルクを、吸入空気量、機関回転速度、点火時期等に基づいて算出する。そして、この出力トルクから、補機駆動による負荷トルクや、潤滑油の粘度に応じた負荷トルク、あるいは機関回転速度を目標アイドル回転速度に維持するために必要なトルクなどを減算することにより軸トルクを推定することができる。
クラッチの継合判定装置の一実施形態における構成を示す模式図。 同実施形態において、クラッチの継合を判定するための一連の処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において、エンジン軸トルクを算出する処理手順を示すフローチャート。 同実施形態において、継合判定値を設定する処理手順を示すフローチャート。 エンジン軸トルクと継合判定値との関係を示すグラフ。 同実施形態において、クラッチの継合判定を行う処理手順を示すフローチャート。
以下、クラッチの継合判定装置の一実施形態について、図1〜図6を参照して説明する。本実施形態の継合判定装置は、手動変速機付きの車両に搭載されるエンジンに適用される。
図1に示すように、エンジン10の出力軸であるクランクシャフト11は、クラッチ12を介して手動変速機14の入力軸である変速機入力軸15に接続されている。クラッチ12は、運転者のクラッチペダル13の踏み込み/踏み離しに応じて解放/継合されて、クランクシャフト11と変速機入力軸15との間の動力伝達を断接する。一方、手動変速機14は、運転者のシフトレバー16の操作に応じてギア位置を変更し、車両の駆動系の変速比を変更する。
クランクシャフト11には、空調用のコンプレッサ30やオルタネータ31などの補機が駆動連結されている。
エンジン10は、制御装置17によって制御されている。制御装置17には、車両の各部に設けられたセンサやスイッチ等の検出信号が入力されている。そうしたセンサ等としては、例えばエンジン10の吸入空気量GAを検出するエアフロメータ20、エンジン10の回転速度である機関回転速度NEを検出するクランク角センサ21、エンジン10の冷却水温THWを検出する水温センサ22、アクセルペダルの操作量であるアクセル操作量ACCPを検出するアクセルセンサ23がある。また、そうしたセンサ等としては、車両の車速SPを検出する車速センサ24、シフトレバー16の操作位置であるシフト位置SFTを検出するシフトセンサ25がある。また、スイッチ等としては、クラッチペダル13の非操作を検出することによりクラッチ12が完全継合していることを検出する第1クラッチスイッチ26U、クラッチペダル13の踏み込みを検出することによりクラッチ12が解放されていることを検出する第2クラッチスイッチ26Lなどがある。
制御装置17は、各種センサの検出信号等に基づいてエンジン10の燃料噴射制御や点火時期制御等、各種の機関制御を行う。
また、制御装置17は、車両発進時のクラッチ継合に際して、運転者のアクセル操作不足によるエンジン10の出力トルク不足に起因したエンジンストールの発生を抑えるために、車両発進時のクラッチ継合時には、出力トルクの不足を自動的に補う出力補助制御を行う。
ここで、そうした出力トルクの補助を、クラッチ12が解放状態のときから行ってしまうと、機関回転速度が吹け上がったり、クラッチ12が継合し始めたときにトルクショックが生じるおそれがある。そこで、出力トルクの補助は、解放状態にあったクラッチ12が継合し始めてから行うようにしており、そうしたクラッチ12の継合判定を以下のようにして行うようにしている。
すなわちクランクシャフト11が回転するときの負荷は、クラッチ12が解放状態のときよりも継合状態のときの方が増大する。そのため、クラッチ12が継合状態のときには、解放状態のときと比較して、機関回転速度NEの変化量(より詳細には機関回転速度NEの単位時間当たりの変化量、つまり機関回転速度NEの変化速度に相当する)が小さくなる。そこで、機関回転速度NEの単位時間当たりの変化量である速度変化量ΔNEを所定周期毎に算出し、その速度変化量ΔNEが、所定の継合判定値H以下のときにクラッチ12が継合していると判定するようにしている。なお、クラッチの継合とは、クランクシャフト11から手動変速機14への動力伝達が可能なクラッチ12の状態のことであり、半クラッチ状態や完全継合状態のことをいう。また、速度変化量ΔNEの算出に際しては、今回の算出周期で読み込んだ機関回転速度NEから前回の算出周期で読み込んだ機関回転速度NEを減じて速度変化量ΔNEを求める。従って、機関回転速度が増大しているときの速度変化量ΔNEは正の値(ΔNE>0)になる。例えば機関回転速度NEの今回値が「700(r/min)」、前回値が「500(r/min)」の場合には、速度変化量ΔNEは「200(rpm/min)」になる。一方、機関回転速度が低下しているときの速度変化量ΔNEは負の値(ΔNE<0)になる。例えば機関回転速度NEの今回値が「500(r/min)」、前回値が「700(r/min)」の場合には、速度変化量ΔNEは「−200(rpm/min)」になる。
図2に、クラッチ12の継合を判定するために行われる各処理工程の手順を示し、図3〜図6に、各処理工程での詳細な処理手順を示す。なお、図2に示す一連の処理手順は、制御装置17によって所定周期毎に繰り返し実行される。
図2に示すように、まずはじめに、制御装置17によって、エンジン軸トルクTEの算出処理が行われる(S100:処理内容の詳細は図3を参照)。このエンジン軸トルクTEは、エンジン10にて発生する出力トルクのうちでクランクシャフト11に接続されたクラッチ12に伝達されるトルクである軸トルク、つまりエンジン10の出力トルクから補機の駆動等による出力トルクの損失分を除いたトルクである軸トルクをなまし処理した値である。
エンジン軸トルクTEの算出処理が行われると、継合判定値Hの設定処理が行われる(S200:処理内容の詳細は図4及び図5を参照)。この継合判定値Hは、クラッチ12が継合しているか否かを判定するための値であって、エンジン軸トルクTE等に基づいて可変設定される。
継合判定値Hの設定処理が行われると、その設定された継合判定値Hを用いてクラッチ12の継合判定処理が行われる(S300:処理内容の詳細は図6を参照)。そして、この一連の処理工程は一旦終了される。
次に、各処理工程の詳細を説明する。
(エンジン軸トルクの算出処理)
図3に示すように、この算出処理が開始されると、まずはじめに、燃料カット中であるか否かが判定される(S110)。そして、燃料カット中ではないときには(S110:NO)、エンジン10にて発生している出力トルクTEsが機関運転状態に基づいて算出される(S120)。このステップS120では、吸入空気量GA及び機関回転速度NE等に基づいて出力トルクTEsのベース値が算出される。そして、点火時期による出力トルク変化を考慮するために、現在設定されている点火時期に応じて出力トルクTEsのベース値が補正され、その補正後のベース値が出力トルクTEsに設定される。
一方、ステップS110にて、燃料カット中であると判定されるときには(S110:YES)、エンジン10において混合気の燃焼が起きていないため、出力トルクTEsは「0」に設定される(S130)。
次に、基本軸トルクTEbの算出が行われる(S140)。この基本軸トルクTEbは、なまし処理を行う前のエンジン軸トルクTEであり、適宜の態様で算出することができる。例えば本実施形態では、次式(1)に基づいて算出される。

TEb=TEs−TEh−TEid …(1)
TEb:基本軸トルクTEb
TEs:出力トルク
TEh:負荷トルク
TEid:アイドル学習トルク

負荷トルクTEhは、エンジン10で発生した出力トルクTEsがクランクシャフト11に接続されたクラッチ12に伝達されるまでの間に低下するトルク分であり、例えばコンプレッサ30やオルタネータ31の駆動負荷トルクや、潤滑油の粘度に応じた負荷トルクなどである。なお、コンプレッサ30の駆動負荷トルクは、空調装置の冷媒圧力等に基づいて算出可能であり、オルタネータ31の駆動負荷トルクは、オルタネータ31の発電量に基づいて算出可能である。また、潤滑油の粘度に応じた負荷トルクは、冷却水温THWや潤滑油の油温などに基づいて算出可能である。
また、アイドル学習トルクTEidは、エンジン10の機関回転速度NEを目標アイドル回転速度に維持するために必要なトルクであり、このアイドル学習トルクTEidには、上記負荷トルクTEhの実際値がある値度反映される。例えば実際の負荷トルクTEhが高ければアイドル学習トルクTEidは比較的高くなり、実際の負荷トルクTEhが低ければアイドル学習トルクTEidは比較的に小さくなる。こうしたアイドル学習トルクTEidを加味することにより、推定トルクである上記負荷トルクTEhの推定誤差が基本軸トルクTEbの算出に与える影響を抑えることができる。
次に、アクセルペダルが「ON」であるか、つまりアクセルペダルが操作されているか否かがアクセル操作量ACCP等に基づいて判定される(S150)。そして、アクセルペダルが「ON」であるときには(S150:YES)、基本軸トルクTEbをなまし処理するときのなまし係数KNとして、第1係数KN1が設定される(S160)。
一方、アクセルペダルが「ON」ではなく、アクセルペダルが操作されていないときには(S150:NO)、基本軸トルクTEbをなまし処理するときのなまし係数KNとして、第2係数KN2が設定される(S170)。
第1係数KN1としては、なまし処理による基本軸トルクTEbのなまし度合が第2係数KN2と比較して小さくなるようにその値は設定されている。つまり、なまし処理前の基本軸トルクTEbに対するなまし処理後のエンジン軸トルクTEの応答性について、第2係数KN2によるなまし処理よりも第1係数KN1によるなまし処理の方が高くなるように、第1係数KN1及び第2係数KN2はそれぞれ設定されている。
こうしてなまし係数KNが設定されると、その設定されたなまし係数KNを用いて基本軸トルクTEbのなまし処理が行われて、なまし処理後の基本軸トルクTEbがエンジン軸トルクTEとして算出される(S180)。そして、このエンジン軸トルクTEの算出処理が終了すると、次に、継合判定値Hの設定処理が行われる。
(継合判定値の設定処理)
図4に示すように、この設定処理が開始されると、まずはじめに、アクセルペダルが「ON」であるか、つまりアクセルペダルが操作されているか否かがアクセル操作量ACCP等に基づいて判定される(S210)。そして、アクセルペダルが「ON」であるときには(S210:YES)、現在の冷却水温THWが低温判定値THW1よりも低いか否かが判定される(S220)。このステップ220では、冷却水温THWを利用してエンジン10の潤滑油の粘度状態が判定される。
そして、現在の冷却水温THWが低温判定値THW1以上のときには(S220:NO)、アクセルペダルの操作時に適した継合判定値Hが第1マップに基づいて設定される(S240)。
一方、ステップS220にて、現在の冷却水温THWが低温判定値THW1よりも低いと判定されるときには(S220:YES)、アクセルペダルの操作時であって潤滑油の高粘度時に適した継合判定値Hが第2マップに基づいて設定される(S250)。
また、上記ステップS210にて、アクセルペダルが「ON」ではないと判定されるときには(S210:NO)、現在の機関運転状態がアイドル状態であると判断され、次に、現在の冷却水温THWが上記低温判定値THW1よりも低いか否かが判定される(S230)。このステップ230でも、冷却水温THWを利用してエンジン10の潤滑油の粘度状態が判定される。
そして、現在の冷却水温THWが低温判定値THW1以上のときには(S230:NO)、アイドル運転時に適した継合判定値Hが第3マップに基づいて設定される(S260)。
一方、ステップS230にて、現在の冷却水温THWが低温判定値THW1よりも低いと判定されるときには(S230:YES)、アイドル運転時であって潤滑油の高粘度時に適した継合判定値Hが第4マップに基づいて設定される(S270)。
図5に、第1マップ、第2マップ、第3マップ、第4マップによる継合判定値Hの設定態様を示す。なお、図5に示す実線L1には、第1マップ(アクセル操作時)による継合判定値Hの設定態様を示し、実線L2には、第2マップ(アクセル操作時かつ高粘度時)による継合判定値Hの設定態様を示す。また、図5に示す一点鎖線L3には、第3マップ(アイドル運転時)による継合判定値Hの設定態様を示し、一点鎖線L4には、第4マップ(アイドル運転時かつ高粘度時)による継合判定値Hの設定態様を示す。ちなみに、上述したように、機関回転速度NEが増大しているときには、図5において、速度変化量ΔNEが正の値になる。一方、機関回転速度NEが低下しているときには、図5において、速度変化量ΔNEは負の値になる。
まずはじめに、継合判定値Hによる継合判定について説明する。先の図5に示すように、例えば第1マップに基づき、あるエンジン軸トルクTE1に対応した継合判定値H(H>0、例えばH=50)が設定された場合、そのときの速度変化量ΔNEの値が、継合判定値Hよりも大きい値の速度変化量ΔNE1(ΔNE1>0、例えばΔNE1=70)となっており、「ΔNE>継合判定値H」の状態になっているときには、クラッチ12は解放状態にあると判定される。一方、機関回転速度の増大時において、クラッチ12の継合が開始されることによりクランクシャフト11の回転に対する負荷が増大すると、機関回転速度NEの増加速度は低下する。そのため、速度変化量ΔNEの値が、継合判定値H(例えばH=50)以下の値である速度変化量ΔNE2(ΔNE2>0、例えばΔNE2=20)となっており「ΔNE≦継合判定値H」の状態が所定時間続いたときには、クラッチ12は継合状態にあると判定される。
なお、図5には図示しないが、速度変化量ΔNEが負の値になる領域では、あるエンジン軸トルクTE1に対応した継合判定値H(H<0、例えばH=−20)が設定された場合、そのときの速度変化量ΔNEの値が、継合判定値Hよりも大きい値の速度変化量ΔNE3(ΔNE3<0、例えばΔNE3=−10)となっており、「ΔNE>継合判定値H」の状態になっているときには、クラッチ12は解放状態にあると判定される。一方、機関回転速度の低下時において、クラッチ12の継合が開始されることによりクランクシャフト11の回転に対する負荷が増大すると、機関回転速度NEの低下速度は増大する。そのため、速度変化量ΔNEの値が、継合判定値H(例えばH=−20)以下の値である速度変化量ΔNE4(ΔNE<0、例えばΔNE4=−30)となっており「ΔNE≦継合判定値H」の状態が所定時間続いたときには、クラッチ12は継合状態にあると判定される。
ちなみに、速度変化量ΔNEが正の値であれ、負の値であれ、その絶対値が大きくなるほど、機関回転速度NEの変化量は大きいと言える。従って、図5においては、速度変化量ΔNEが「0」から離れてプラス側に大きくなるほど、あるいはマイナス側に大きくなるほど、機関回転速度NEの変化量は大きいと言える。しかし、本実施形態では、上述したように、「ΔNE≦継合判定値H」の状態が所定時間続いたときに、クラッチ12は継合状態にあると判定するようにしており、速度変化量ΔNEの値そのものと継合判定値Hの値そのものとを比較するようにしている。そのため、本実施形態では、そうした比較判定での大小関係を明らかにすべく、速度変化量ΔNEの値が負であってその絶対値が大きくなるほど速度変化量ΔNEの値自体は継合判定値Hの値よりも小さくなっていくことを鑑み、速度変化量ΔNEの値が負であってその絶対値が大きくなるほど速度変化量ΔNE(の値)は小さいという。また、速度変化量ΔNEの値が正であってその絶対値が大きくなるほど速度変化量ΔNEの値自体は継合判定値Hの値よりも大きくなっていくため、速度変化量ΔNEの値が正であってその絶対値が大きくなるほど速度変化量ΔNE(の値)は大きいという。
継合判定値Hは、エンジン軸トルクTEに基づいて可変設定される。すなわち、図5において、実線L1及び実線L2に示すように、アクセル操作時の継合判定値Hは、エンジン軸トルクTEが小さいときほど小さくなるように、同エンジン軸トルクTEに基づいて可変設定される。これは、軸トルクが小さいときほど機関回転速度NEの変化量が小さくなるためであり、エンジン軸トルクTEが小さいときほど継合判定値Hを小さくすることにより、軸トルクの変化に合わせて継合判定値Hが適切に可変設定されて、クラッチ継合の判定精度が高まるようになる。
また、エンジン10がアイドル運転状態のときには、アクセルペダルが操作されている場合と比較して上記軸トルクがそれほど大きく変化しない。そのため、エンジン軸トルクTEが、アイドル運転状態のときのエンジン軸トルクTEの取り得る範囲に相当する「TEa」から「TEb」の範囲にあるときの継合判定値Hは、一点鎖線L3及び一点鎖線L4に示すように、一定の速度変化量に設定される。なお、本実施形態では、エンジン軸トルクTEが「TEa」以下になると、一定値に設定されていた継合判定値Hは、エンジン軸トルクTEが小さくなるほど小さい値となるようにしているが、エンジン軸トルクTEが「TEa」以下においても継合判定値Hを一定値に維持するようにしてもよい。
また、クランクシャフト11が回転するときの回転抵抗は、エンジン10の潤滑油の粘度が高いときほど大きくなる。そのため、潤滑油の粘度が高いときほど、速度変化量ΔNEは大きくなる。そこで、冷却水温THWが低温判定値THW1よりも低く、潤滑油の粘度がある程度高くなっていると判断できるときには、粘度が低いときに比して継合判定値Hを小さい値に設定するようにしている。
つまり、先の図5に示すように、同一のエンジン軸トルクTEであっても、第2マップ(アクセル操作時かつ高粘度時)で設定される継合判定値H(実線L2)は、第1マップ(アクセル操作時)で設定される継合判定値H(実線L2)よりも小さくされる。同様に、同一のエンジン軸トルクTEであっても、第4マップ(アイドル運転時かつ高粘度時)で設定される継合判定値H(一点鎖線L3)は、第3マップ(アイドル運転時)で設定される継合判定値H(一点鎖線L4)よりも小さくされる。これによりクラッチ12の継合を判定するに際して、潤滑油の粘度変化に起因する誤判定の発生が抑えられる。
なお、本実施形態では、基本軸トルクTEbの算出に際して、潤滑油の粘度に応じた負荷トルクを考慮するようにしているが、潤滑油の粘度がある程度高くなると、その粘度変化が基本軸トルクTEbの算出精度に影響を与えるおそれがある。その基本軸トルクTEbの算出精度が低下すると、基本軸トルクTEbのなまし値であるエンジン軸トルクTEの算出精度も低下し、継合判定値Hが最適な値からずれてしまうため、クラッチ12が継合していないにもかかわらず、継合したと誤判定されてしまう可能性がある。しかし、本実施形態では、潤滑油の粘度がある程度高くなっていると判断できるときには、粘度が低いときに比して継合判定値Hを小さい値に設定するようにしているため、基本軸トルクTEbの算出精度が低下しやすいときには、クラッチ12が継合しているとの判定が行われにくくなる。従って、潤滑油の粘度変化による基本軸トルクTEbの算出精度低下に起因したクラッチ継合の誤判定も抑えることができる。
こうして第1マップから第4マップのいずれかを用いて継合判定値Hが設定されると、継合判定値の設定処理は終了され、次に、クラッチ12の継合判定処理が行われる。
(クラッチの継合判定処理)
図6に示すように、この継合判定処理が開始されると、まずはじめに、カウンタCのクリヤ条件が成立しているか否かが判定される(S310)。カウンタCは、基本的には、車両発進時においてクラッチペダル13が操作されることにより速度変化量ΔNEが継合判定値H以下となった継続時間を計測するための値である。そして、下記の条件(A)〜(L)のいずれか成立すると、カウンタCのクリヤ条件が成立したと判定される。なお、簡易的には、条件(A)のみをカウンタCのクリヤ条件としてもよい。また、条件(A)〜(L)のうちのいずれかを省略したり、別の条件を追加してもよい。
(A)「速度変化量ΔNE>継合判定値H」となっている。
(B)第1クラッチスイッチ26Uによってクラッチ12の完全継合が検出されている。
(C)第2クラッチスイッチ26Lによってクラッチ12の解放が検出されている。
(D)冷却水温THWが上記低温判定値THW1よりも低い値に設定された極低温判定値THW2よりも低くなっている。なお、この条件は、エンジン軸トルクTEと速度変化量ΔNEとの関係が成立しないほどに潤滑油の粘度が非常に高くなっており、継合判定値Hによるクラッチ12の継合判定を適切に行うことができないときには、クラッチ12の継合判定を禁止するために設けられている。
(E)完爆後からの経過時間が所定時間内である。なお、この条件は、完爆から所定時間が経過するまでの間は、エンジン10の実際の出力トルクが不安定であり、上記出力トルクTEsの算出精度が低下することにより継合判定値Hが誤った値に設定されることを防ぐために設けられている。
(F)クランクシャフト11を回転させるスタータモータが回転中である。
(G)エンジン10を始動するためのイグニッションスイッチが「OFF」であり、エンジン10が始動していない。
(J)エンジン10が加速状態であり、発進状態ではない。
(K)クラッチ継合の判定に関してその実行を禁止する異常判定がなされていない。
(L)シフトレバー16のシフト位置SFTが「ニュートラル位置」を示している。
そして、カウンタCのクリヤ条件が成立しているときには(S310:YES)、車両発進時でのクラッチ継合状態ではないと判断できるため、カウンタCが「0」にクリヤされる(S310)。
一方、カウンタCのクリヤ条件が成立していないとき、つまり条件(A)〜(L)の全てが成立しているときには(S310:NO)、車両発進時でのクラッチ継合状態であると判断できるため、カウンタCが計測される(S320)。
次に、現在のカウンタCが継続判定値C1を超えているか否かが判定される(S340)。この継続判定値C1には、カウンタCのクリヤ条件の不成立が継続的なものであり、現在、車両発進時であってクラッチ継合が行われていると判定できる程度の時間に相当する値が予め設定されている。
そして、現在のカウンタCが継続判定値C1を超えているときには(S340:YES)、クラッチ12が継合していると判定されて(S350)、この継合判定処理は終了される。こうしてクラッチ12が継合していると判定されると、先の図2に示した一連の処理は終了される。
一方、現在のカウンタCが継続判定値C1以下のときには(S340:NO)、クラッチ12が継合していると判定することなく、この継合判定処理は終了される。そして、所定の実行周期にて再び先の図2に示した一連の処理が行われる。
次に、本実施形態の作用を説明する。
上述したように、クランクシャフト11が回転するときの負荷は、クラッチ12が解放状態のときよりも継合状態のときの方が増大する。そこで、機関回転速度NEの単位時間当たりの変化量である速度変化量ΔNEを所定周期毎に算出し、その速度変化量ΔNEが、継合判定値H以下のときにクラッチ12が継合していると判定するようにしている。 ここで、軸トルク(エンジン10にて発生する出力トルクのうちでクランクシャフト11に接続されたクラッチ12に伝達されるトルク)が小さいときほど機関回転速度NEの変化量は小さくなる。そこで、機関回転速度NEの変化量に影響するエンジン軸トルクTEに基づいて継合判定値Hを設定するようにしている。より詳細には、エンジン軸トルクTEが小さいときほど継合判定値Hを小さくしている。これによりエンジン軸トルクTEの変化に合わせて継合判定値Hが適切に可変設定されるようになり、クラッチ継合の判定精度が高まるようになる。
また、上記軸トルクは、クラッチ継合による機関回転速度NEの変化に対して直接影響する。そこで、上述したように、エンジン軸トルクTEに基づいて継合判定値Hを可変設定するようにしている。そのため、機関回転速度NEがクラッチ継合以外の要因でも変化した場合でも、エンジン軸トルクTEに基づいて継合判定値Hは適切に可変設定される。例えば、補機等の負荷増大によって機関回転速度NEが低下した場合には、補機の負荷増大によってエンジン軸トルクTEが小さくなる。そして、こうした補機の負荷増大によるエンジン軸トルクTEの変化に合わせて継合判定値Hは小さくなるため、クラッチ12が継合しているとの判定がされにくくなる。そのため、そうした補機の負荷増大による機関回転速度NEの低下を、クラッチ12の継合によるものであると誤判定する可能性が小さくなる。従って、こうした点でも、クラッチ継合の判定精度が高まるようになる。
ちなみに、上記特許文献1に記載の装置では、クラッチの継合状態を判定するために、手動変速機の入力軸回転速度が必要であり、入力軸回転速度を計測するセンサが必要になる。しかし、手動変速機は、自動変速機と異なり、一般的にはそうした入力軸回転速度を計測するセンサが設けられていない。そのため、クラッチの継合を判定するためには、そうした回転速度センサを追加で設ける必要があり、コストが増加してしまう。また、クラッチペダルのストローク量を計測するストロークセンサを設け、その計測されたストローク量に基づいてクラッチの継合を判定することも可能ではある。しかし、クラッチペダルには、一般的にそうしたストロークセンサが設けられていない。従って、この場合にも、クラッチの継合を判定するためには、ストロークセンサを追加で設ける必要があり、コストが増加してしまう。一方、本実施形態によれば、そうしたセンサを設けること無く、クラッチ12の継合状態を判定することができるようにもなる。
上記継合判定装置において、継合判定値を設定するときの軸トルクは、なまし処理を行った後の値としてもよい。そして、なまし処理による軸トルクのなまし度合は、アクセルペダルの非操作時に比して操作時の方が小さくされることが好ましい。
また、速度変化量ΔNEに関する判定値である上記継合判定値Hは、軸トルクに基づいて設定されるが、軸トルクの変化が機関回転速度NEの変化として現れるまでには時間的な遅れが生じる。そこで、継合判定値Hを設定するときの軸トルクとして、なまし処理を行った後の値であるエンジン軸トルクTEを用いるようにしており、これによりそうした時間的な遅れを考慮した適切な継合判定値Hが設定されるようになる。
ここで、アクセルペダルが操作されているときには、アクセルペダルが操作されていないときに比べて、エンジン10から発生する出力トルクが大きくなるため、実際の軸トルクの変化が早くなる。そこで、なまし処理による基本軸トルクTEbのなまし度合は、アクセルペダルの非操作時に比して操作時の方が小さくなるようにしている。従って、なまし処理前の基本軸トルクTEbに対するなまし処理後のエンジン軸トルクTEの応答性は、アクセルペダルの非操作時に比して操作時の方が高くなり、アクセルペダルの操作時には、非操作時に比べて基本軸トルクTEbのなまし値であるエンジン軸トルクTEが素早く変化するようになる。そのため、アクセルペダルの非操作時と操作時とで基本軸トルクTEbのなまし度合を同一にする場合と比較して、基本軸トルクTEbのなまし値の変化は、実際の軸トルクの変化に近づくようになり、例えば速度変化量ΔNEに関する判定値である上記継合判定値Hの精度が高まるようになる。
また、潤滑油の粘度が高いときほど、機関回転速度NEの変化量は大きくなるため、クラッチ継合に関する誤判定を抑えるためには、潤滑油の粘度が高いときほど、継合判定値Hを小さくすることが望ましい。そこで冷却水温THWが低温判定値THW1よりも低く潤滑油の粘度が高いときには、冷却水温THWが低温判定値THW1以上であって潤滑油の粘度が低いときに比して継合判定値Hが小さい値となるように、上記継合判定値Hの設定マップを切り替えている。従って、クラッチ12の継合を判定するに際して、潤滑油の粘度変化に起因する誤判定の発生が抑えられるようになる。
また、基本軸トルクTEbを機関運転状態に基づいて推定するようにしているため、軸トルクを検出するセンサ等を設けることなく、クラッチ12の継合判定を行うことができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)クラッチ12が継合していると判定するための条件として、速度変化量ΔNEが継合判定値H以下であるという条件を設けている。そして、継合判定値Hをエンジン軸トルクTEに基づいて設定するようにしている。より詳細には、エンジン軸トルクTEが小さいときほど継合判定値Hが小さくなるように可変設定している。従って、エンジン軸トルクTEの変化に合わせて継合判定値Hが適切に可変設定されるようになり、クラッチ継合の判定精度が高まるようになる。
(2)また、クラッチ継合による機関回転相度NEの変化に対して直接影響するエンジン軸トルクTEに基づき、上記継合判定値Hを可変設定するようにしている。そのため、機関回転速度NEがクラッチ継合以外の要因でも変化した場合でも、エンジン軸トルクTEに基づいて継合判定値Hは適切に可変設定される。従って、こうした点でも、クラッチ継合の判定精度が高まるようになる。
(3)手動変速機の入力軸回転速度を計測するセンサや、クラッチペダルのストローク量を計測するストロークセンサを設けることなく、クラッチ12の継合状態を判定することができるようになる。
(4)軸トルクの変化が機関回転速度NEの変化として現れるまでには時間的な遅れが生じる。そこで、継合判定値Hを設定するときの軸トルクとして、なまし処理を行った後の値であるエンジン軸トルクTEを用いるようにしている。従って、そうした時間的な遅れを考慮した適切な継合判定値Hが設定されるようになる。
また、なまし処理による基本軸トルクTEbのなまし度合は、アクセルペダルの非操作時に比して操作時の方が小さくなるようにしている。従って、アクセルペダルの非操作時と操作時とで基本軸トルクTEbのなまし度合を同一にする場合と比較して、基本軸トルクTEbのなまし値の変化を、実際の軸トルクの変化に近づけることができるようになる。
(5)冷却水温THWが低温判定値THW1よりも低く潤滑油の粘度が高いときには、冷却水温THWが低温判定値THW1以上であって潤滑油の粘度が低いときに比して継合判定値Hが小さい値となるようにしている。従って、クラッチ12の継合を判定するに際
して、潤滑油の粘度変化に起因する誤判定の発生が抑えられるようになる。
(6)基本軸トルクTEbを機関運転状態に基づいて推定するようにしているため、軸トルクを検出するセンサ等を設けることなく、クラッチ12の継合判定を行うことができるようになる。
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することもできる。
・潤滑油の粘度は、冷却水温THWのみならず潤滑油の油温などにも相関しているため、継合判定値Hを設定する上記各マップを油温に応じて切り替えるようにしてもよい。 ・潤滑油の粘度が低いとき(冷却水温THW≧低温判定値THW1)と高いとき(冷却水温THW<低温判定値THW1)の2段階で継合判定値Hを替えるようにしたが、より細かく継合判定値Hを替えるようにしてもよい。例えば継合判定値Hを設定するマップを潤滑油の粘度変化に合わせてより多く用意しておくようにしてもよい。また、第1マップの継合判定値Hや第3マップの継合判定値Hを、潤滑油の粘度に相関する値(冷却水温や油温など)で補正するようにしてもよい。
・継合判定値Hを設定するマップを、潤滑油の粘度変化を考慮して切り替えるようにしたが、より簡易的には、そうした切替を省略してもよい。例えば、先の図4に示したステップS220及びステップS250の各処理と第2マップとを省略して、ステップS210にて肯定判定されるときには、ステップS240の処理を行うようにしてもよい。また、先の図4に示したステップS230及びステップS270の各処理と第4マップとを省略して、ステップS210にて否定判定されるときには、ステップS260の処理を行うようにしてもよい。この場合でも、上記(5)以外の効果を得ることができる。
・エンジン10が、所定条件の成立時に自動停止や自動始動を行うエンジンである場合には、上述したカウンタCのクリヤ条件として、「自動停止の条件が成立している」という条件を追加してもよい。この場合には、自動停止するにもかかわらずクラッチ12の継合判定を行うといった、不要な継合判定の実行を抑えることができる。
・基本軸トルクTEbに対してなまし処理を行うようにしたが、なまし処理を省略して基本軸トルクTEbをそのままエンジン軸トルクTEとしてもよい。この場合でも、上記(4)以外の効果を得ることができる。
・なまし処理による基本軸トルクTEbのなまし度合を、アクセルペダルの非操作時に比して操作時の方が小さくなるようにした。この他、より簡易的には、アクセルペダルの非操作時と操作時とで基本軸トルクTEbのなまし度合を同一にしてもよい。
・上記式(1)に基づいて基本軸トルクTEbを算出するようにしたが、その算出態様は一例であり、その他の態様にて基本軸トルクTEbを算出するようにしてもよい。
・基本軸トルクTEbを機関運転状態に基づいて推定するようにしたが、センサ等を用いて実際に検出するようにしてもよい。この場合でも、上記(6)以外の効果を得ることができる。
10…エンジン、11…クランクシャフト、12…クラッチ、13…クラッチペダル、14…手動変速機、15…変速機入力軸、16…シフトレバー、17…制御装置、20…エアフロメータ、21…クランク角センサ、22…水温センサ、23…アクセルセンサ、24…車速センサ、25…シフトセンサ、26U…第1クラッチスイッチ、26L…第2クラッチスイッチ、30…コンプレッサ、31…オルタネータ。

Claims (5)

  1. 内燃機関の出力軸と手動変速機との間に設けられるクラッチの継合状態を判定する装置であって、
    機関回転速度の変化量が継合判定値以下のときにクラッチが継合している旨判定するとともに、
    内燃機関にて発生する出力トルクのうちで前記出力軸に接続されたクラッチに伝達されるトルクである軸トルクが小さいときほど前記継合判定値を小さい値に設定する
    ことを特徴とするクラッチの継合判定装置。
  2. 内燃機関の出力軸と手動変速機との間に設けられるクラッチの継合状態を判定する装置であって、
    機関回転速度の変化量が継合判定値以下のときにクラッチが継合している旨判定するとともに、
    内燃機関にて発生する出力トルクのうちで前記出力軸に接続されたクラッチに伝達されるトルクである軸トルクに基づいて前記継合判定値を設定し、
    内燃機関がアイドル運転状態のときには、前記継合判定値は一定値に設定される
    ラッチの継合判定装置。
  3. 内燃機関の出力軸と手動変速機との間に設けられるクラッチの継合状態を判定する装置であって、
    機関回転速度の変化量が継合判定値以下のときにクラッチが継合している旨判定するとともに、
    内燃機関にて発生する出力トルクのうちで前記出力軸に接続されたクラッチに伝達されるトルクである軸トルクに基づいて前記継合判定値を設定し、
    前記継合判定値を設定するときの前記軸トルクは、なまし処理を行った後の値であり、前記なまし処理による前記軸トルクのなまし度合は、アクセルペダルの非操作時に比して操作時の方が小さくされる
    ラッチの継合判定装置。
  4. 内燃機関の出力軸と手動変速機との間に設けられるクラッチの継合状態を判定する装置であって、
    機関回転速度の変化量が継合判定値以下のときにクラッチが継合している旨判定するとともに、
    内燃機関にて発生する出力トルクのうちで前記出力軸に接続されたクラッチに伝達されるトルクである軸トルクに基づいて前記継合判定値を設定し、
    前記内燃機関の潤滑油の粘度が高いときには、同粘度が低いときに比して前記継合判定値は小さい値に設定される
    ラッチの継合判定装置。
  5. 機関運転状態に基づいて前記軸トルクを推定する
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のクラッチの継合判定装置。
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