JP2019094949A - 自動変速機制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構造で自動変速機を早期に暖機できること。【解決手段】CVT40は、車両10に設けられる。ECU50は、暖機モードの下で車両を制動させるとき、標準変速線図よりもローギヤ側の変速線図をCVT40の設定の制御のために選択し、トルクコンバータ30を構成するロックアップクラッチ36のロックアップを解除する。【選択図】図1
Description
この発明は、自動変速機制御装置に関し、特に、車両に設けられた自動変速機を制御する、自動変速機制御装置に関する。
この種の制御装置の一例が、特許文献1に開示されている。この文献によれば、熱交換器は、排気ガスとエンジン冷却水との間で熱交換を行う第1の熱交換部と、排気ガスとトランスミッションオイルとの間で熱交換を行う第2の熱交換部と、エンジン冷却水とトランスミッションオイルとの間で熱交換を行う第3の熱交換部とによって構成され、エンジンおよび自動変速機を排気ガスを用いて早期暖気する熱交換機能としての機能と、トランスミッションオイルの過熱を防止するオイルクーラとしての機能と、EGRガスクーラとしての機能とを一体に備える。これによって、トランスミッションの早期暖機ひいては燃費の向上が図られる。
しかし、特許文献1の技術では、冷却水,トランスミッションオイルおよび排気ガスの各々を循環させる配管と熱交換器とが必要となるため、コストや搭載スペースが増大するという問題がある。
それゆえに、この発明の主たる目的は、簡単な構造で自動変速機を早期に暖機できる、自動変速機制御装置を提供することである。
この発明に係る自動変速機制御装置は、車両に設けられた自動変速機の設定を制御する自動変速機制御装置であって、暖機モードの下で車両を制動させるとき標準変速線図よりもローギヤ側の変速線図を自動変速機の設定の制御のために選択する選択手段を備える。
好ましくは、ロックアップクラッチを有するトルクコンバータ、およびロックアップクラッチによるロックアップを選択手段の処理に関連して解除する解除手段がさらに備えられる。
暖機モードの下で車両を制動させるとき、自動変速機の設定は、ローギヤ側の変速線図を参照して制御される。これによって、自動変速機内のギアの回転数が上がり、トランスミッションオイルの温度上昇が促進される。この結果、自動変速機の早期暖機が図られ、ひいては冷機始動後(特に冬季の短距離運転時)の実用燃費が向上する。
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
図1を参照して、この実施例の車両10は、3つの気筒141〜143が形成された4ストローク型のエンジン(内燃機関)12を動力源として備える。
イグニッションキー(図示せず)によってIGオン操作が行われると、ECU50は、エンジン12を始動させるべくリレー22をオンする。バッテリ24の電力は、オン状態のリレー22を介してスタータ26に供給される。スタータ26は、クランクシャフト16の端部に取り付けられたドライブプレート28を回転させて、クランキングを実行する。
エンジン12はクランキングによって始動し、気筒141〜143の各々に設けられたピストン(図示せず)は、クランクシャフト16がアイドル回転数で回転できる速度で上下動する。クランクシャフト16の回転力は、ベルト18を介してオルタネータ20の回転軸20sに伝達され、バッテリ24は、オルタネータ20の発電力によって充電される。
なお、クランクシャフト16の回転数は、図示しないアクセルペダルの踏み込み量に応じて変化する。また、車両10の状態は、各種センサ46によって検知される。
ドライブプレート28とCVT40との間には、トルクコンバータ30が設けられる。トルクコンバータ30は、タービンランナ32,ポンプインペラ34およびロックアップクラッチ36を備える。このうち、ポンプインペラ34は、ドライブプレート28に近接する位置でクランクシャフト16に取り付けられ、クランクシャフト16の回転に伴って回転する。一方、タービンランナ32は、CVT40と結合されたインプットシャフト38の端部に取り付けられる。
なお、トルクコンバータ30およびCVT40にはトランスミッションオイルが注入される。
ロックアップクラッチ36が作動していない状態では、タービンランナ32はドライブプレート28から開放される。つまり、ロックアップが解除される。このとき、ドライブプレート28ひいてはポンプインペラ34の回転力は、トランスミッションオイルを介してタービンランナ32に伝達される。これによって、回転力の伝達ロスは発生するものの、ドライバビリティは向上する。
これに対して、ロックアップクラッチ36が作動すると、タービンランナ32はドライブプレート28と結合される。つまり、ロックアップが実行される。このとき、ドライブプレート28の回転力は、直接タービンランナ32に伝達される。タービンランナ32ひいてはインプットシャフト38は、ドライブプレート28の回転に伴って回転する。これによって、回転力の伝達ロスに起因する燃費の悪化が抑制される。
インプットシャフト38の回転力は、CVT40およびデファレンシャル機構42を介してドライブシャフト44に伝達される。CVT40の変速比は、ECU50によって調整されるところ、この調整にあたっては、メモリ50mmに記憶された図2に示す変速線図が参照される。
図2によれば、変速線図は、図示しないスロットルバルブの開度(=TTL)に応じて異なる変速線を描く。ECU50は、現時点のスロットルバルブの開度に対応する変速線を選択し、エンジン12の回転数に対応する車両10の走行速度を選択した変速線上で検出し、そして検出した走行速度が得られるように変速比を調整する。この結果、車両10は、CVT40に設定された変速比に従う速度で走行する。
この実施例では、T/M暖機モードがオフ状態であれば、ブレーキオン減速中であるなしに関わらず実線で示す標準変速線図が選択される。これに対して、T/M暖機モードがオンされると、ブレーキオン減速時に破線で示す1段階ローギヤ側の変速線図、または一点鎖線で示す2段階ローギヤ側の変速線図が選択される。このような制御のために、ECU50は、図3に示す猶予時間制御処理,図4に示すモード制御処理および図5に示すトランスミッション制御処理を並列的かつ繰り返し実行する。
なお、図3〜図5に示す処理を実行するとき、ECU50はCVT制御装置として機能する。また、これらのフロー図に対応する制御プログラムは、メモリ50mmに記憶される。さらに、タイマ50tmは、エンジン12が始動してからの経過時間を測定する。
図3を参照して、ステップS1では、エンジン12の暖機が完了したか否かを各種センサ46の出力に基づいて判別する。判別結果がNOであればそのまま今回の猶予時間制御処理を終了する一方、判別結果がYESであればステップS3〜S9の処理を経て今回の猶予時間制御処理を終了する。
ステップS3ではタイマ50tmの値を検出し、ステップS5では検出された値がエンジン暖機判定がなされるまでの時間の基準値である閾値TH(外気温、運転履歴に応じてマップの形でメモリ50mmに保持されている)以下であるか否かを判別する。判別結果がYESであれば、今回の始動が冷機始動ではないと判定し、ステップS7に進み、定数T1を猶予時間Tsとして設定する。一方、判別結果がNOであれば、今回の始動が冷機始動であると判定しステップS9に進み、定数T1よりも大きい定数T2を猶予時間Tsとして設定する。ここで、定数T1の値としては“0”もあり得る(読み込まれる定数T1、T2の値は閾値THとの乖離巾、外気温、運転履歴に応じてマップの形でメモリ50mmに保持されている)。
なお、猶予時間Tsが一旦設定されると、図3に示す猶予時間制御処理は、エンジン12が再始動されるまで継続的に中断される。
図4を参照して、ステップS11では、エンジン12の暖機が完了してから猶予時間Tsが経過したか否かを判別する。判別結果がNOであれば、ステップS13でT/M暖機モードをオンする。これに対して、判別結果がYESであれば、ステップS15でT/M暖機モードをオフする。今回のモード制御処理は、ステップS13またはS15の処理の後に終了する。
なお、T/M暖機モードを設けるようにした理由は、トランスミッションオイルの方がエンジン冷却水よりも温度上昇に時間がかかるからである。
図5を参照して、ステップS21では、T/M暖機モードがオン状態であるか否かを判別する。また、ステップS23では、ブレーキ操作によって車両10がブレーキオン減速中であるか否かを判別する。ステップS21の判別結果またはステップS23の判別結果がNOであれば、ステップS25に進んで標準変速線図を選択する。変速比は、選択された標準変速線図を参照して制御される。今回のトランスミッション制御は、ステップS25の処理の後に終了する。
ブレーキ操作による減速中だけでなく、T/M暖機モードがオフ状態のときにも標準変速線図を選択することで、エンジン回転数の不必要な上昇によってNV(Noise, Vibration)が悪化したり、制動力が変化したりする現象を回避することができる。
ステップS21の判別結果およびステップS23の判別結果のいずれもがYESであれば、エコスイッチ48がオン状態であるか否かをステップS27で判別する。ステップS27の判別結果がYESであればステップS29に進み、2段階ローギヤ側の変速線図を選択する。一方、ステップS27の判別結果がNOであればステップS31に進み、1段階ローギヤ側の変速線図を選択する。上述と同様、変速比は、選択された変速線図を参照して制御される。
ステップS29またはS31の処理が完了すると、ステップS33でロックアップを解除し、その後に今回のトランスミッション制御を終了する。
以上の説明から分かるように、CVT40は、車両10に設けられる。ECU50は、暖機モードの下で車両10を制動させるとき、標準変速線図よりもローギヤ側の変速線図をCVT40の設定の制御のために選択し(S29, S31)、トルクコンバータ30を構成するロックアップクラッチ36のロックアップを解除する(S33)。
ローギヤ側の変速線図を選択することで、CVT40内のギアの回転数が上がり、トランスミッションオイルの温度上昇が促進される。この結果、CVT40の早期暖機が図られ、ひいては冷機始動後(特に冬季の短距離運転時)の実用燃費が向上する。なお、トランスミッションオイルの温度上昇は、エコスイッチ48がオン状態のときに2段階ローギヤ側の変速線図を選択することで、さらに促進される。
また、ロックアップ解除によってトルクコンバータ30内ですべりが生じるため、トランスミッションオイルの撹拌によって、油温が上昇する。油温上昇は、CVT40の早期暖機ひいては冷機始動後の実用燃費の向上に貢献する。
なお、この実施例では、CVT40を車両10に搭載するようにしているが、CVT40に代えてATを搭載するようにしてもよい。この場合、ATを制御するECUは、図2に示す変速線図に代えて図6に示す変速線図を参照する。
図6において、実線で示す変速線図は標準変速線図に相当し、破線で示す変速線図は1段階ローギヤ側の変速線図に相当し、一点鎖線で示す変速線図は2段階ローギヤ側の変速線図に相当する。また、シフトダウン時の変速比は太線(実線,破線または一点鎖線)で示す変速線図に沿って調整され、シフトアップ時の変速比は細線(実線,破線または一点鎖線)で示す変速線図に沿って調整される。
また、この実施例では、エンジン12が始動してからエンジン12の暖機が完了するまでの時間長さに応じて猶予時間Tsの長さを変えるようにしている(ステップS1〜S9参照)。しかし、前回のエンジン12の停止から今回のエンジン12の始動までの時間長さに応じて猶予時間Tsの長さを変えるようにしてもよい。
さらに、この実施例では、エンジン12の暖機が完了してから猶予時間Tsが経過するまでの期間にT/M暖機モードをオンするようにしている。しかし、エンジン12の暖機が完了してから車両10が所定距離走行するまでの期間にT/M暖機モードをオンするようにしてもよい。
10 …車両
12 …エンジン
30 …トルクコンバータ
36 …ロックアップクラッチ
40 …CVT
44 …ドライブシャフト
48 …エコスイッチ
50 …ECU
12 …エンジン
30 …トルクコンバータ
36 …ロックアップクラッチ
40 …CVT
44 …ドライブシャフト
48 …エコスイッチ
50 …ECU
Claims (2)
- 車両に設けられた自動変速機の設定を制御する自動変速機制御装置であって、
暖機モードの下で前記車両を制動させるとき標準変速線図よりもローギヤ側の変速線図を前記自動変速機の設定の制御のために選択する選択手段を備える、自動変速機制御装置。 - ロックアップクラッチを有するトルクコンバータ、および
前記ロックアップクラッチによるロックアップを前記選択手段の処理に関連して解除する解除手段をさらに備える、請求項1記載の自動変速機制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017223236A JP2019094949A (ja) | 2017-11-21 | 2017-11-21 | 自動変速機制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2017223236A JP2019094949A (ja) | 2017-11-21 | 2017-11-21 | 自動変速機制御装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2019094949A true JP2019094949A (ja) | 2019-06-20 |
Family
ID=66971271
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2017223236A Pending JP2019094949A (ja) | 2017-11-21 | 2017-11-21 | 自動変速機制御装置 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2019094949A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2022015054A (ja) * | 2020-07-08 | 2022-01-21 | トヨタ自動車株式会社 | 電動式オイルポンプの制御装置 |
-
2017
- 2017-11-21 JP JP2017223236A patent/JP2019094949A/ja active Pending
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RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
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