JP6035312B2 - 給紙装置、およびこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

Description

本発明は、シートを給紙する給紙装置、およびこれを備えた画像形成装置に関する。

従来、シートを給紙する給紙装置として、画像形成装置に装着されたものが知られている。給紙装置は、画像形成装置の装置本体に対して着脱自在とされる給紙カセットと、装置本体に配置されたピックアップローラー、給紙ローラー、リタードローラーとから構成される。給紙カセットには、シートが収容される。そして、ピックアップローラーが回転されることで、シートがシート搬送方向に給送される。

ピックアップローラーによって給送されたシートは、給紙ローラーとリタードローラーとが形成する給紙ニップ部に搬入される。給紙ローラーの回転によって、更にシートがシート搬送方向下流側に搬送される。

特許文献１には、給紙カセットが所定の装着方向に向かって装置本体に装着される技術が開示されている。そして、給紙カセットは、装置本体に配置されたロック機構によってロックされる。この結果、給紙中に誤って給紙カセットが引き出されることが防止される。

特開２００３−１４９８９０号公報

特許文献１に記載された技術では、ロック機構が、給紙カセットの先端側であって、シート幅方向の一端側に配置されている。このため、給紙カセットが傾斜して装置本体に装着され、シートの斜め搬送が生じることがあった。

本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、給紙カセットに収容されたシートの斜め搬送を抑制した給紙装置、およびこれを備えた画像形成装置を提供することを目的とする。

本発明の一局面に係る給紙装置は、装置本体と、前記装置本体に対して所定の装着方向に向かって装着され、前記装着方向先端側に立設された壁部と、シートが収容されるシート収容部とを備えた給紙カセットと、前記装置本体において、前記シート収容部に収容された前記シートが、前記装着方向に沿ったシート搬送方向に搬送されるシート搬送路と、前記装置本体において、前記給紙カセットに対向して配置され、前記シートを前記シート搬送路へ向けてガイドするガイドユニットと、前記装置本体において、前記シート搬送路の入口側であって、前記シート搬送方向と交差するシート幅方向の中央部に配置され、前記シートを前記シート搬送方向に搬送する給紙ローラーと、前記ガイドユニットにおいて、前記給紙ローラーに対向して配置され、前記給紙ローラーとの間で前記シートが通過する給紙ニップ部を形成するリタードローラーと、前記ガイドユニットの一部を構成し、前記ガイドユニットに対して着脱可能とされ、前記リタードローラーを支持する支持ユニットと、前記給紙カセットの前記壁部に対向して前記支持ユニットに支持され、かつ、前記リタードローラーから見て前記シート幅方向の一端側および他端側に配置され、前記装置本体に装着された前記給紙カセットをロックし、前記給紙カセットの前記シート搬送方向における位置決めをする一対のロック機構と、前記壁部に配置された一対の第１係合部と、前記ガイドユニットにおいて、前記支持ユニットの前記シート幅方向の外側に配置された一対の第２係合部とを含み、前記一対の第１係合部と前記一対の第２係合部との係合によって前記給紙カセットの前記装置本体に対する上下及び前記シート幅方向の位置を規制する位置決め機構と、を有する。

本構成によれば、給紙カセットは、装置本体に対して所定の装着方向に向かって装着される。給紙カセットに収容されたシートは、装置本体側に配置された給紙ローラーおよびリタードローラーの間に形成された給紙ニップ部を通過しながら、シート搬送路を搬送される。給紙カセットの壁部が装置方向に対して傾いた状態で装置本体に装着されると、シートの斜め搬送が生じやすい。上記の構成によれば、装置本体には、給紙カセットの壁部に対向して支持ユニットに支持された一対のロック機構が配置される。このため、ロック機構とリタードローラーとの位置関係が精度よく維持される。この結果、給紙カセットのリタードローラーに対する位置精度が向上され、シートが安定して搬送される。更に、一対のロック機構は、リタードローラーに対してシート幅方向の一端側および他端側に配置される。このため、リタードローラーを挟むように、給紙カセットの装置本体に対するロック位置が形成される。したがって、給紙カセットの装置本体に対する傾斜が抑制され、シートの斜め搬送が抑制される。
また、リタードローラーおよびロック機構を支持する支持ユニットを、ガイドユニットから取り外すことができる。この結果、リタードローラーやロック機構のメンテナンスが容易とされる。また、リタードローラーとロック機構との位置調整を行うことが可能となる。
また、給紙カセットの装置本体に対する位置決め機構による位置決めおよびロック機構によるロックが、リタードローラーの周辺で集中して実現される。この結果、給紙カセットからシート搬送路に安定してシートを搬送させることが可能となる。

上記の構成において、前記リタードローラーを回転可能に支持し、かつ、前記支持ユニットに回動可能に支持されたホルダーを備え、前記リタードローラーは前記ホルダーを介して、前記支持ユニットに支持されていることが望ましい。

本構成によれば、ホルダーの回動によって、リタードローラーが給紙ローラーに対して接離することができる。

上記の構成において、前記支持ユニットは、前記シート搬送路の一部を画定し、前記シートを案内するガイド面を備えることが望ましい。

本構成によれば、ロック機構を支持する支持ユニットは、更に、ガイド面を備える。このため、給紙カセットのシート搬送路に対する位置精度が向上され、シートが更に安定して搬送される。

上記の構成において、前記一対のロック機構は、それぞれ前記支持ユニットに回動可能に支持された支点部と、前記支点部から前記給紙カセットの前記壁部に向かって突設されたロック片と、前記ロック片と前記支持ユニットとの間に圧縮して配置されたばね部材と、を備え、前記給紙カセットは、前記壁部から前記装着方向に向かって突設された一対の突起部を備え、前記給紙カセットの前記装置本体への装着に伴って、前記一対の突起部が前記一対のロック片と係合することで、前記給紙カセットがロックされることが望ましい。

本構成によれば、ロック片と突起部とが係合することによって、給紙カセットの装着動作に応じて、給紙カセットをロックすることができる。

上記の構成において、前記突起部は、前記装着方向に沿って先下がりに傾斜した第１当接面と、前記第１当接面の前記装着方向後端側に連結され、前記装着方向に沿って先上がりに傾斜した第１係合面と、を備え、前記ロック片は、前記突起部よりも上方に配置されるものであって、前記装着方向に沿って先上がりに傾斜した第２係合面と、前記第２係合面の前記装着方向後端側に連結され、前記装着方向に沿って先下がりに傾斜した第２当接面と、を備え、前記給紙カセットの前記装置本体への装着に伴って、前記第１当接面が第２当接面を上方に押し上げ、前記ロック片が前記ばね部材の付勢力に抗して前記支点部回りに上方に回動されることで、前記第１当接面が前記第２当接面を通過し、前記第２係合面が前記ばね部材の付勢力によって前記第１係合面に密着することで、前記突起部が前記ロック片と係合することが望ましい。

本構成によれば、突起部の第１当接面および第１係合面、ならびに、ロック片の第２当接片および第２係合面によって、突起部とロック片との係合がスムーズに実現される。

上記の構成において、前記一対の第１係合部は、前記シート幅方向において前記一対の突起部を挟むように、前記壁部から前記装着方向に突設された一対の位置決めピンであり、前記一対の第２係合部は、前記一対の位置決めピンが挿入可能に配置された一対の挿入孔である、ことが望ましい。

本構成によれば、給紙カセットの装置本体に対する位置決めおよびロックが、リタードローラーの周辺で集中して実現される。この結果、給紙カセットからシート搬送路に安定してシートを搬送させることが可能となる。

本発明の他の局面に係る画像形成装置は、上記の何れか１に記載の給紙装置と、前記給紙ローラーによって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、を有することを特徴とする。

上記の構成によれば、シートの斜め搬送が抑制され、シートに安定して画像を形成することができる。

本発明によれば、給紙カセットに収容されたシートの斜め搬送を抑制した給紙装置、およびこれを備えた画像形成装置が提供される。

本発明の一実施形態に係る給紙装置を備えた画像形成装置の内部構造を概略的に示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る給紙カセットの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る給紙装置の装置本体の一部および給紙カセットの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る給紙装置の支持ユニットの斜視図である。 本発明の一実施形態に係る給紙カセットが装置本体に装着された状態の断面図である。

以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。図１は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置１の内部構造を示す側断面図である。ここでは、画像形成装置１としてモノクロプリンターを例示するが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよく、またカラー画像を形成する画像形成装置であっても良い。

画像形成装置１は、略直方体形状の筐体構造を有する本体ハウジング１０（装置本体）と、この本体ハウジング１０内に収容される、給紙部２０（給紙装置）と、画像形成部３０と、定着部４０と、トナーコンテナ３６とを含む。

本体ハウジング１０の前面側には前カバー１１が、後面側には後カバー１２が各々備えられている。また、本体ハウジング１０の上面には、画像形成後のシートが排出される排紙部１３が備えられている。前カバー１１と、後カバー１２と、排紙部１３とによって画定される内部空間１０Ｓに、画像形成を実行するための各種装置が内装される。

画像形成部３０は、給紙部２０（後記の給紙ローラー１１３）から送り出されるシートＳにトナー画像を形成する画像形成処理を行う。画像形成部３０は、感光体ドラム３１と、この感光体ドラム３１の周囲に配置された、帯電装置３２、露光装置（図２には表れていない）、現像装置３３、転写ローラー３４及びクリーニング装置３５とを含む。

感光体ドラム３１には、静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー像が円筒面に担持される。帯電装置３２は、感光体ドラム３１の表面を均一に帯電する。クリーニング装置３５は、トナー像転写後の感光体ドラム３１の周面に付着したトナーを清掃するとともに、不図示の回収装置に該トナーを搬送する。

露光装置は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム３１の周面に、パーソナルコンピューター等の外部装置から与えられる画像データに基づいて変調された光を照射して、静電潜像を形成する。現像装置３３は、感光体ドラム３１上の前記静電潜像を現像してトナー像を形成するために、感光体ドラム３１の周面にトナーを供給する。転写ローラー３４は、感光体ドラム３１の周面に形成されたトナー像をシート上に転写させる。

定着部４０は、転写されたトナー像をシート上に定着する定着処理を行う。定着部４０は、加熱源を内部に備えた定着ローラー４１と、この定着ローラー４１に対して圧接され、定着ローラー４１との間に定着ニップ部を形成する加圧ローラー４２とを含む。トナー像が転写されたシートが前記定着ニップ部に通紙されると、トナー像は、定着ローラー４１による加熱および加圧ローラー４２による押圧により、シートＳ上に定着される。トナーコンテナ３６は、現像装置３３に補給する補給トナーを貯留する。

給紙部２０は、画像形成処理が施されるシートＳを収容する給紙カセット１１０を含む。シートＳは、給紙カセット１１０から本体ハウジング１０の内部に延設された主搬送路２２Ｆに搬入される。

本体ハウジング１０内には、シートＳを搬送するために、主搬送路２２Ｆ（シート搬送路）及び反転搬送路２２Ｂが備えられている。主搬送路２２Ｆは、給紙部２０のシート収容部１１０Ｓから画像形成部３０及び定着部４０を経由して、本体ハウジング１０上面の排紙部１３に対向して設けられている排紙口１４まで延びている。

また、主搬送路２２Ｆの、転写ニップ部よりも上流側には、レジストローラー対２３が配置されている。シートＳは、レジストローラー対２３にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、前記転写ニップ部に送り出される。主搬送路２２Ｆ及び反転搬送路２２Ｂの適所には、シートＳを搬送するための搬送ローラーが複数配置されており、例えば排紙口１４の近傍には排紙ローラー対２４が配置されている。

反転搬送路２２Ｂは、シートＳに対して両面印刷を行う場合に、片面印刷されたシートＳを主搬送路２２Ｆにおける画像形成部３０の上流側に戻すための搬送路である。反転搬送路２２Ｂは、反転ユニット２５の外側面と、本体ハウジング１０の後カバー１２の内面との間に形成されている。後カバー１２及び反転ユニット２５は、それらの下端に設けられたカバー支点部１２Ｓの軸回りに各々回動可能である。

＜給紙部について＞
次に、図１に加え、図２乃至図５を参照して、本実施形態に係る給紙部２０（給紙装置）について詳述する。図２は、本実施形態に係る給紙カセット１１０の斜視図である。図３は、給紙部２０の後記の案内壁部１００および給紙カセット１１０の斜視図である。図４は、本実施形態に係る給紙部２０の後記の中央ハウジング１００Ａ１の斜視図である。図５は給紙カセット１１０が本体ハウジング１０の案内壁部１００に装着された状態の断面図である。

給紙部２０は、給紙カセット１１０から画像形成部３０にシートＳを搬送する。給紙部２０は、前述の給紙カセット１１０に加え、ピックアップローラー１１２と、給紙ローラー１１３と、リタードローラー１１７と、案内壁部１００（ガイドユニット）と、を備える。

給紙カセット１１０は、本体ハウジング１０（装置本体）に対して着脱自在とされる。本実施形態では、給紙カセット１１０は、本体ハウジング１０に対して図１乃至図３、図５の矢印ＤＣ方向（所定の装着方向）に向かって装着される。給紙カセット１１０は、カセット底壁１１０Ａと、シート収容部１１０Ｓとを備える。シート収容部１１０ＳにはシートＳが収容される。また、シート収容部１１０Ｓに収容されたシートＳは、前述の主搬送路２２Ｆ（シート搬送路）を搬送される。シートＳは、主搬送路２２Ｆの入口側を、給紙カセット１１０の装着方向に沿ったシート搬送方向に向かって搬送される。給紙カセット１１０は、カセット底壁１１０Ａの前後左右から側壁が上方に立設される箱型形状からなる。換言すれば、給紙カセット１１０は、更に、カセット前壁１１０Ｂと、カセット後壁１１０Ｃ（壁部）と、カセット左壁１１０Ｄと、カセット右壁１１０Ｅとを備える。

カセット前壁１１０Ｂは、給紙カセット１１０の前側を画定し、本体ハウジング１０の前カバー１１と面一に配置される。カセット後壁１１０Ｃは、給紙カセット１１０の後側を画定する。換言すれば、カセット後壁１１０Ｃは、給紙カセット１１０が本体ハウジング１０に装着される装着方向の先端側に立設される壁部である。また、カセット左壁１１０Ｄは、給紙カセット１１０の左方において、カセット後壁１１０Ｃと交差して、前記装着方向に沿って配置される側壁である。カセット右壁１１０Ｅは、給紙カセット１１０の右方において、カセット左壁１１０Ｄと平行に配置される側壁である。

給紙カセット１１０は、更に、リフト板１１１を備える。リフト板１１１は、給紙カセット１１０のシート収容部１１０Ｓの底部側に配置される。リフト板１１１の上面にシートＳが載置される。リフト板１１１は、後端側が上方に移動されることで、シート収容部１１０Ｓに収容されるシートＳのシート搬送方向下流側の端部をピックアップローラー１１２に向かって移動させる。より詳しくは、リフト板１１１は、給紙カセット１１０のカセット底壁１１０Ａに沿った第１の位置と、前記第１の位置よりも上方であって、シート収容部１１０Ｓに収容されるシートＳのうち最も上方に位置するシートＳのシート搬送方向下流側の端部をピックアップローラー１１２に当接させる第２の位置との間で位置変更が可能とされる。リフト板１１１は、給紙カセット１１０が本体ハウジング１０に装着された後、不図示の昇降部によって上下に移動される。

更に、図２を参照して、給紙カセット１１０は、一対の突起部１１０Ｃ１と、一対の位置決めピン１１０Ｆとを備える。突起部１１０Ｃ１は、カセット後壁１１０Ｃから給紙カセット１１０の装着方向に向かって突設された板状の突起部である。一対の突起部１１０Ｃ１はシート幅方向に間隔をおいて、カセット後壁１１０Ｃの中央部に配置されている。図５を参照して、突起部１１０Ｃ１は、装着方向の先端部に突起当接部１１０Ｃ２を備える。突起当接部１１０Ｃ２は、シート幅方向と交差する断面視（図５）において、略三角形状を備える。詳しくは、突起当接部１１０Ｃ２は、第１当接面１１０Ｃ３と、第１係合面１１０Ｃ４とを備える。第１当接面１１０Ｃ３は、突起当接部１１０Ｃ２の山形をなす一対の斜面のうち、装着方向先端側に配置された斜面である。図５に示すように、第１当接面１１０Ｃ３は、装着方向に沿って先下がりに傾斜している。一方、第１係合面１１０Ｃ４は、第１当接面１１０Ｃ３の装着方向後端側に連結された突起当接部１１０Ｃ２の斜面である。第１係合面１１０Ｃ４は、装着方向に沿って先上がりに傾斜している。

位置決めピン１１０Ｆは、シート幅方向において一対の突起部１１０Ｃ１を挟むように、カセット後壁１１０Ｃから装着方向に突設された一対のピンである。本実施形態では、図２に示すように、位置決めピン１１０Ｆは、十字型形状の突起からなる。なお、他の実施形態において、位置決めピン１１０Ｆは、円柱形状のピンでもよい。位置決めピン１１０Ｆは、ボス孔である後述の位置決め部１００Ｂに嵌入されて、給紙カセット１１０が本体ハウジング１０に装着された際に、給紙カセット１１０の上下および左右方向の位置を規制する。

ピックアップローラー１１２（図１）は、主搬送路２２Ｆの入口側で、シート収容部１１０Ｓに対向して配置される。ピックアップローラー１１２は、シート収容部１１０Ｓの後側端部（シート搬送方向下流側端部）の上方に配置される。ピックアップローラー１１２は、本体ハウジング１０において、給紙カセット１１０の装着方向と交差するシート幅方向（左右方向）の中央部に配置される。前述のように、リフト板１１１が上昇されることによって、シートＳのシート搬送方向下流側の端部がピックアップローラー１１２に当接される。そして、不図示の駆動機構によってピックアップローラー１１２が回転されると、ピックアップローラー１１２はシートＳをシート搬送方向下流側に向かって搬送する。

給紙ローラー１１３は、主搬送路２２Ｆの入口側であって、ピックアップローラー１１２よりもシート搬送方向下流側に配置される。給紙ローラー１１３も、ピックアップローラー１１２と同様に、本体ハウジング１０において、シート幅方向の中央部に配置される。給紙ローラー１１３は不図示の駆動機構によって回転駆動されることで、ピックアップローラー１１２によって送り出されたシートＳをシート搬送方向下流側に向かって更に搬送する。

リタードローラー１１７は、給紙ローラー１１３の下方において、給紙ローラー１１３に対向して配置される。リタードローラー１１７は、本体ハウジング１０のうち後記の案内壁部１００に回転可能に支持されている。リタードローラー１１７は、給紙ローラー１１３との間でシートＳが進入および通過する給紙ニップ部を形成する。前述の主搬送路２２Ｆは、給紙カセット１１０のシート収容部１１０Ｓから給紙ニップ部を通過するように延設されている。リタードローラー１１７は、給紙ローラー１１３に従動して回転可能とされる。給紙ニップ部に複数枚のシートＳが進入された場合、最も上方に配置される１枚のシートＳだけが、給紙ローラー１１３によってシート搬送方向下流側に搬送される。その他のシートＳはリタードローラー１１７の周面に当接することで、給紙ニップ部において停止される。この際、リタードローラー１１７の回転は停止している。

図１および図３を参照して、案内壁部１００は、本体ハウジング１０の一部である。案内壁部１００は、本体ハウジング１０の内部において、給紙カセット１１０に対向して配置され、シートＳをガイドするユニットである。案内壁部１００は、シート案内面１００Ａ（ガイド面）を備える。シート案内面１００Ａは、案内壁部１００の上面部に配置された湾曲したガイド面である。シート案内面１００Ａは、主搬送路の一部を画定し、給紙カセット１１０から送り出されたシートＳをレジストローラー対２３（図１）に向かって案内する。

更に、案内壁部１００は、中央ハウジング１００Ａ１（支持ユニット）と、位置決め部１００Ｂ（挿入孔）と、を備える。中央ハウジング１００Ａ１は、案内壁部１００のシート幅方向の中央部に着脱可能なハウジングである。図４を参照して、中央ハウジング１００Ａ１は、ガイド部１００Ａ２と、開口部１００Ｈと、左プレート１００Ａ３と、右プレート１００Ａ４と、一対のロック機構５０と、ホルダー６０と、を備える。

ガイド部１００Ａ２は、中央ハウジング１００Ａ１のシート幅方向の中央部において、中央ハウジング１００Ａ１の上面部を形成する。また、ガイド部１００Ａ２は、シート案内面１００Ａ（図３）の一部を形成するガイド面を含む。開口部１００Ｈは、ガイド部１００Ａ２のシート搬送方向上流側部分に開口された開口部である。開口部１００Ｈにはホルダー６０が回動可能に収容されている。

左プレート１００Ａ３は、ガイド部１００Ａ２の左方に配置されたプレート部分であって、上下および左右方向に矩形形状をもって立設されている。同様に、右プレート１００Ａ４は、ガイド部１００Ａ２の右方に配置されたプレート部分であって、矩形形状をもって立設されている。なお、本実施形態では、ガイド部１００Ａ２と、左プレート１００Ａ３と、右プレート１００Ａ４とは、樹脂材料を用いた一体成型からなる。

一対のロック機構５０は、中央ハウジング１００Ａ１の左プレート１００Ａ３および右プレート１００Ａ４にそれぞれ支持されている。図３および図４を参照して、ロック機構５０は、本体ハウジング１０の内部において、給紙カセット１１０のカセット後壁１１０Ｃに対向して配置される。ロック機構５０は、本体ハウジング１０に装着された給紙カセット１１０をロックし、給紙カセット１１０のシート搬送方向における位置決めをする機能を備える。

図４および図５を参照して、ロック機構５０は、ロック支点部５１（支点部）と、ロック係合部５２（ロック片）と、ロック支持部５３と、付勢ばね７０（ばね部材）とを備える。ロック支点部５１は、中央ハウジング１００Ａ１の左プレート１００Ａ３および右プレート１００Ａ４に回動可能に支持された支点である。ロック係合部５２は、ロック支点部５１から給紙カセット１１０のカセット後壁１１０Ｃに向かって突設された突片である（図５）。ロック係合部５２は、給紙カセット１１０側の突起部１１０Ｃ１よりも僅かに上方に配置されている。ロック係合部５２の先端部（給紙カセット１１０の装着方向上流側の端部）は、図５に示すように、逆三角形状を備えている。

詳しくは、ロック係合部５２は、第２当接面５２Ａと、第２係合面５２Ｂとを備える。第２係合面５２Ｂは、ロック係合部５２の山形をなす一対の斜面のうち、給紙カセット１１０の装着方向先端側に配置された斜面である。図５に示すように、第２係合面５２Ｂは、装着方向に沿って先上がりに傾斜している。一方、第２当接面５２Ａは、第２係合面５２Ｂの装着方向後端側に連結されたロック係合部５２の斜面である。第２当接面５２Ａは、装着方向に沿って先下がりに傾斜している。ロック支持部５３は、ロック係合部５２の上面部から突設された突起であり、付勢ばね７０の下端部が固定されている。

付勢ばね７０は、ロック機構５０のロック支持部５３と、案内壁部１００に配置されたハウジング支持部１００Ｃ（図５）との間に圧縮して配置されたばねである。付勢ばね７０は、一対のロック機構５０にそれぞれ配置されている。また、付勢ばね７０は、ロック係合部５２を下方に向かって付勢している。なお、図５の状態において、ロック機構５０に備えられた不図示の規制部が、左プレート１００Ａ３または右プレート１００Ａ４に当接している。このため、図５に示す状態から、ロック係合部５２が更に下方に移動するように、ロック機構５０がロック支点部５１回りに回動することが規制されている。一方、図５に示す状態から、ロック係合部５２が上方に移動するように、ロック機構５０がロック支点部５１回りに回動することは可能である。この場合、付勢ばね７０が更に圧縮変形される。

位置決め部１００Ｂ（図３）は、一対のロック機構５０のシート幅方向の外側に配置された一対の円筒状の部材である。位置決め部１００Ｂは、前後方向に開口された穴部を備える。位置決め部１００Ｂの穴部には、給紙カセット１１０側の位置決めピン１１０Ｆが挿入可能とされる。この結果、位置決め部１００Ｂは、本体ハウジング１０に対する給紙カセット１１０の位置決めを行う。

ホルダー６０は、中央ハウジング１００Ａ１の開口部１００Ｈに回動可能に収容されている。ホルダー６０は、一対のホルダー支点部６１を備える。ホルダー支点部６１は、ガイド部１００Ａ２のシート搬送方向上流側にそれぞれ軸支されている。ホルダー支点部６１は、ホルダー６０の回動における支点部となる。そして、図４に示すように、ホルダー６０は、リタードローラー１１７を回転可能に支持し、かつ、中央ハウジング１００Ａ１に回動可能に支持されている。換言すれば、リタードローラー１１７は、ホルダー６０を介して、中央ハウジング１００Ａ１に支持されている。ホルダー６０は、図４に示す付勢コイルばね１１７Ｓによって、リタードローラー１１７が給紙ローラー１１３に当接するように、ホルダー支点部６１回りに付勢されている。リタードローラー１１７が給紙ローラー１１３に当接した状態で、給紙カセット１１０からシートＳが搬送される（給紙動作）。一方、給紙動作が終了し、給紙カセット１１０が本体ハウジング１０から引き出される際には、不図示の移動機構によって、ホルダー６０がホルダー支点部６１回りに下方に回動される。この結果、リタードローラー１１７が給紙ローラー１１３から下方に離間する。したがって、給紙カセット１１０の引き出し時に、給紙ニップ部に挟まれたシートＳが本体ハウジング１０内に残存することが防止される。

なお、図４に示すように、前述のロック機構５０は、ホルダー６０に支持されたリタードローラー１１７から見てシート幅方向（左右方向）の一端側および他端側に配置されている。

図３および図５を参照して、給紙カセット１１０の本体ハウジング１０への装着に伴って、給紙カセット１１０の位置決めピン１１０Ｆが案内壁部１００の位置決め部１００Ｂに挿入される。この際、突起部１１０Ｃ１の第１当接面１１０Ｃ３がロック機構５０の第２当接面５２Ａを上方に押し上げ、ロック係合部５２が付勢ばね７０の付勢力に抗してロック支点部５１回りに上方に回動される。そして、第１当接面１１０Ｃ３が第２当接面５２Ａを通過し、第２係合面５２Ｂが付勢ばね７０の付勢力によって第１係合面１１０Ｃ４に密着することで、突起部１１０Ｃ１がロック機構５０のロック係合部５２と係合する。このように、給紙カセット１１０が本体ハウジング１０に挿入されると、一対の突起部１１０Ｃ１が一対のロック係合部５２と係合することで、給紙カセット１１０が本体ハウジング１０内でロックされる。特に、突起部１１０Ｃ１の第１当接面１１０Ｃ３および第１係合面１１０Ｃ４、ならびに、ロック係合部５２の第２当接面５２Ａおよび第２係合面５２Ｂによって、突起部１１０Ｃ１とロック係合部５２との係合がスムーズに実現される。

本実施形態では、上記のように、本体ハウジング１０には、給紙カセット１１０のカセット後壁１１０Ｃに対向して一対のロック機構５０が配置される。そして、一対のロック機構５０は、リタードローラー１１７に対してシート幅方向の一端側および他端側に配置されている。このため、リタードローラー１１７を挟むように、給紙カセット１１０の本体ハウジング１０に対するロック位置が形成される。したがって、給紙カセット１１０の本体ハウジング１０に対する傾斜、詳しくは、給紙カセット１１０のカセット後壁１１０Ｃがリタードローラー１１７の回転における軸方向に対して傾斜した状態で、給紙カセット１１０が本体ハウジング１０に装着されることが抑制される。この結果、給紙カセット１１０から送り出されるシートＳの斜め搬送が抑制される。

更に、本実施形態では、ロック機構５０は、リタードローラー１１７を支持する中央ハウジング１００Ａ１に支持されている。このため、ロック機構５０とリタードローラー１１７との間に、多くの部品が介在することが抑止され、ロック機構５０とリタードローラー１１７との位置関係が精度よく維持される。この結果、給紙カセット１１０のリタードローラー１１７に対する位置精度が向上され、シートＳが安定して搬送される。

更に、本実施形態では、ロック機構５０が支持される中央ハウジング１００Ａ１は、ガイド部１００Ａ２を備えている。このため、ロック機構５０と主搬送路２２Ｆとの間に、多くの部品が介在することが抑止される。この結果、給紙カセット１１０の主搬送路２２Ｆに対する位置精度が向上され、シートＳが更に安定して搬送される。

また、本実施形態では、ロック機構５０および位置決め部１００Ｂが隣接して配置されている。このため、給紙カセット１１０の本体ハウジング１０に対する位置決めおよびロックが、リタードローラー１１７の周辺で集中して実現される。この結果、給紙カセット１１０から主搬送路２２Ｆに安定してシートＳを搬送させることが可能となる。

更に、中央ハウジング１００Ａ１は、案内壁部１００の一部を構成し、案内壁部１００に対して着脱可能とされている。この結果、リタードローラー１１７やロック機構５０のメンテナンスが容易とされる。また、リタードローラー１１７とロック機構５０との位置調整を行うことが可能となる。

以上、本発明の実施形態に係る給紙部２０およびこれを備えた画像形成装置１について説明した。本実施形態に係る画像形成装置１によれば、シートＳの斜め搬送が抑制され、シートＳに安定して画像を形成することができる。なお、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を取ることができる。

（１）上記の実施形態では、シート幅方向において、ロック機構５０が位置決め部１００Ｂの内側に配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。ロック機構５０は、シート幅方向において、位置決め部１００Ｂの外側に配置されてもよい。

（２）上記の実施形態では、位置決め部１００Ｂは、中央ハウジング１００Ａ１よりもシート幅方向の外側において、案内壁部１００に配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。位置決め部１００Ｂは、ロック機構５０と同様に、中央ハウジング１００Ａ１に備えられるものでもよい。なお、位置決め部１００Ｂが中央ハウジング１００Ａ１よりもシート幅方向の外側において、案内壁部１００に配置されることで、中央ハウジング１００Ａ１の案内壁部１００に対する装着位置が変動した場合であっても、給紙カセット１１０の本体ハウジング１０に対する位置決めを安定して行うことができる。換言すれば、給紙カセット１１０の装置本体１０に対する位置精度を低下することなく、リタードローラー１１７を回転可能、かつ、移動可能に支持するホルダー６０を、案内壁部１００に対して着脱可能とすることができる。

（３）また、上記の実施形態では、支持ユニットとしての中央ハウジング１００Ａ１が案内壁部１００に対して着脱可能とされる態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。案内壁部１００自体が本発明の支持ユニットとして機能する態様でもよい。

１ 画像形成装置
１０ 本体ハウジング（装置本体）
１００ 案内壁部（ガイドユニット）
１００Ａ シート案内面（ガイド面）
１００Ａ１ 中央ハウジング（支持ユニット）
１００Ａ２ ガイド部
１００Ａ３ 左プレート
１００Ａ４ 右プレート
１００Ｂ 位置決め部（挿入孔）
１００Ｃ ハウジング支持部
１００Ｈ 開口部
１１０ 給紙カセット
１１０Ａ カセット底壁
１１０Ｂ カセット前壁
１１０Ｃ カセット後壁（壁部）
１１０Ｃ１ 突起部
１１０Ｃ２ 突起当接部
１１０Ｃ３ 第１当接面
１１０Ｃ４ 第１係合面
１１０Ｄ カセット左壁
１１０Ｅ カセット右壁
１１０Ｆ 位置決めピン
１１０Ｓ シート収容部
１１１ リフト板
１１２ ピックアップローラー
１１３ 給紙ローラー
１１７ リタードローラー
２０ 給紙部（給紙装置）
２２Ｆ 主搬送路（シート搬送路）
３０ 画像形成部
５０ ロック機構
５１ ロック支点部（支点部）
５２ ロック係合部（ロック片）
５２Ａ 第２当接面
５２Ｂ 第２係合面
５３ ロック支持部
６０ ホルダー
６１ ホルダー支点部
７０ 付勢ばね（ばね部材）

Claims (7)

1. 装置本体と、
   前記装置本体に対して所定の装着方向に向かって装着され、前記装着方向先端側に立設された壁部と、シートが収容されるシート収容部とを備えた給紙カセットと、
   前記装置本体において、前記シート収容部に収容された前記シートが、前記装着方向に沿ったシート搬送方向に搬送されるシート搬送路と、
   前記装置本体において、前記給紙カセットに対向して配置され、前記シートを前記シート搬送路へ向けてガイドするガイドユニットと、
   前記装置本体において、前記シート搬送路の入口側であって、前記シート搬送方向と交差するシート幅方向の中央部に配置され、前記シートを前記シート搬送方向に搬送する給紙ローラーと、
   前記ガイドユニットにおいて、前記給紙ローラーに対向して配置され、前記給紙ローラーとの間で前記シートが通過する給紙ニップ部を形成するリタードローラーと、
   前記ガイドユニットの一部を構成し、前記ガイドユニットに対して着脱可能とされ、前記リタードローラーを支持する支持ユニットと、
   前記給紙カセットの前記壁部に対向して前記支持ユニットに支持され、かつ、前記リタードローラーから見て前記シート幅方向の一端側および他端側に配置され、前記装置本体に装着された前記給紙カセットをロックし、前記給紙カセットの前記シート搬送方向における位置決めをする一対のロック機構と、
   前記壁部に配置された一対の第１係合部と、前記ガイドユニットにおいて、前記支持ユニットの前記シート幅方向の外側に配置された一対の第２係合部とを含み、前記一対の第１係合部と前記一対の第２係合部との係合によって前記給紙カセットの前記装置本体に対する上下及び前記シート幅方向の位置を規制する位置決め機構と、
   を有する給紙装置。
2. 前記リタードローラーを回転可能に支持し、かつ、前記支持ユニットに回動可能に支持されたホルダーを備え、
   前記リタードローラーは前記ホルダーを介して、前記支持ユニットに支持されている請求項１に記載の給紙装置。
3. 前記支持ユニットは、前記シート搬送路の一部を画定し、前記シートを案内するガイド面を備える請求項１または２に記載の給紙装置。
4. 前記一対のロック機構は、それぞれ
   前記支持ユニットに回動可能に支持された支点部と、
   前記支点部から前記給紙カセットの前記壁部に向かって突設されたロック片と、
   前記ロック片と前記支持ユニットとの間に圧縮して配置されたばね部材と、
   を備え、
   前記給紙カセットは、前記壁部から前記装着方向に向かって突設された一対の突起部を備え、
   前記給紙カセットの前記装置本体への装着に伴って、前記一対の突起部が前記一対のロック片と係合することで、前記給紙カセットがロックされる請求項１乃至３の何れか１項に記載の給紙装置。
5. 前記突起部は、
   前記装着方向に沿って先下がりに傾斜した第１当接面と、
   前記第１当接面の前記装着方向後端側に連結され、前記装着方向に沿って先上がりに傾斜した第１係合面と、
   を備え、
   前記ロック片は、前記突起部よりも上方に配置されるものであって、
   前記装着方向に沿って先上がりに傾斜した第２係合面と、
   前記第２係合面の前記装着方向後端側に連結され、前記装着方向に沿って先下がりに傾斜した第２当接面と、
   を備え、
   前記給紙カセットの前記装置本体への装着に伴って、前記第１当接面が第２当接面を上方に押し上げ、前記ロック片が前記ばね部材の付勢力に抗して前記支点部回りに上方に回動されることで、前記第１当接面が前記第２当接面を通過し、前記第２係合面が前記ばね部材の付勢力によって前記第１係合面に密着することで、前記突起部が前記ロック片と係合する請求項４に記載の給紙装置。
6. 前記一対の第１係合部は、前記シート幅方向において前記一対の突起部を挟むように、前記壁部から前記装着方向に突設された一対の位置決めピンであり、
   前記一対の第２係合部は、前記一対の位置決めピンが挿入可能に配置された一対の挿入孔である、請求項４または５に記載の給紙装置。
7. 請求項１乃至６の何れか１項に記載の給紙装置と、
   前記給紙ローラーによって搬送されたシートに画像を形成する画像形成部と、
   を有する画像形成装置。