特に指定のない限り、本開示は以下の定義を使用する。
「置換された」とは、化学置換基又は部分と結合して用いられる場合(例えばアルキル基)、置換基又は部分の1つ以上の水素原子が原子価の要件を満たしており及び化学的に安定した化合物が前記置換から生ずるのであれば、1つ以上以上の水素以外の原子又は基に置換されたことを意味する。
「約」又は「おおよそ」とは、測定可能な数値変数とともに用いられる場合、変数の指示値、及び指示値の実験誤差以内又は指示値の±10パーセント以内にある変数の全ての値のどちらか大きい方を指す。
「アルキル」とは、一般的に特定の数の炭素原子を有する、直鎖及び分枝飽和炭化水素基を指す(例えばC1−3アルキルは、1〜3つ(すなわち、1、2又は3)の炭素原子を有するアルキル基、C1−6アルキルは1〜6つの炭素原子を有するアルキル基を指す、など)。アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、s−ブチル、i−ブチル、t−ブチル、ペンタ−1−イル、ペンタ−2−イル、ペンタ−3−イル、3−メチルブタ−1−イル、3−メチルブタ−2−イル、2−メチルブタ−2−イル,2,2,2−トリメチルエタ−1−イル、n−ヘキシルなどが挙げられる。
「アルケニル」とは、1つ以上以上の炭素−炭素二重結合を有し、及び一般的に特定の数の炭素原子を有する直鎖及び分枝炭化水素基を指す。アルケニル基としては、例えば、エテニル、1−プロペン−1−イル、1−プロペン−2−イル、2−プロペン−1−イル、1−ブテン−1−イル、1−ブテン−2−イル、3−ブテン−1−イル、3−ブテン−2−イル、2−ブテン−1−イル、2−ブテン−2−イル、2−メチル−1−プロペン−1−イル、2−メチル−2−プロペン−1−イル、1,3−ブタジエン−1−イル、1,3−ブタジエン−2−イルなどが挙げられる。
「アルキニル」とは、1つ以上以上の三重の炭素−炭素結合を有し、及び一般的に特定の数の炭素原子を有する直鎖及び分枝炭化水素基を指す。アルキニル基としては、例えば、エチニル、1−プロピン−1−イル、2−プロピン−1−イル、1−ブチン−1−イル、3−ブチン−1−イル、3−ブチン−2−イル、2−ブチン−1−イルなどが挙げられる。
「ハロ」、「ハロゲン」及び「ハロゲノ」は互換的に用いられ得、及びフルオロ、クロロ、ブロモ、及びヨードを指す。
「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」、及び「ハロアルキニル」とは、各々、1つ以上以上のハロゲン原子に置換されたアルキル、アルケニル、及びアルキニル基を指し、アルキル、アルケニル、及びアルキニルは上で定義され、及び一般的に特定の数の炭素原子を有する。ハロアルキル基としては、例えば、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチルなどが挙げられる。
「シクロアルキル」とは、飽和単環式及び二環式炭化水素基を指し、前記環を含む一般的に特定の数の炭素原子を有する(例えば、C3−8シクロアルキルは環員として、3〜8つの炭素原子を有するシクロアルキル基を指す)。二環式炭化水素基は孤立環(炭素原子を共有しない2つの環)、スピロ環(1つの環を共有する炭素原子2つの環)、縮合環(2つの炭素原子及び前記2つの共通の炭素原子の間に結合を共有する2つの環)、及び架橋環(2つの炭素原子を共有するが、共通の結合を共有しない2つの環)を含み得る。前記シクロアルキル基は、結合が原子価の要件を違反しない限り、いずれかの環原子で結合され得る。加えて、前記シクロアルキル基は、置換が原子価の要件を違反しない限り、1つ以上以上の水素原子以外の置換基を含み得る。
単環式シクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。縮合二環式シクロアルキル基としては、例えば、ビシクロ[2.1.0]ペンタニル(いわゆるビシクロ[2.1.0]ペンタン−1−イル、ビシクロ[2.1.0]ペンタン−2−イル、及びビシクロ[2.1.0]ペンタン−5−イル)、ビシクロ[3.1.0]ヘキサニル、ビシクロ[3.2.0]ヘプタニル、ビシクロ[4.1.0]ヘプタニル、ビシクロ[3.3.0]オクタニル、ビシクロ[4.2.0]オクタニル、ビシクロ[4.3.0]ノナニル、ビシクロ[4.4.0]デカニルなどが挙げられる。架橋シクロアルキル基としては、例えば、ビシクロ[2.1.1]ヘキサニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタニル、ビシクロ[3.1.1]ヘプタニル、ビシクロ[2.2.2]オクタニル、ビシクロ[3.2.1]オクタニル、ビシクロ[4.1.1]オクタニル、ビシクロ[3.3.1]ノナニル、ビシクロ[4.2.1]ノナニル、ビシクロ[3.3.2]デカニル、ビシクロ[4.2.2]デカニル、ビシクロ[4.3.1]デカニル、ビシクロ[3.3.3]ウンデカニル、ビシクロ[4.3.2]ウンデカニル、ビシクロ[4.3.3]ドデカニルなどが挙げられる。スピロシクロアルキル基としては、例えば、スピロ[3.3]ヘプタニル、スピロ[2.4]ヘプタニル、スピロ[3.4]オクタニル、スピロ[2.5]オクタニル、スピロ[3.5]ノナニルなどが挙げられる。孤立二環式シクロアルキル基としては、例えば、ビ(シクロブタン)、シクロブタネシクロペンタン、ビ(シクロペンタン)、シクロブタネシクロヘキサン、シクロペンタネシクロヘキサン、ビ(シクロヘキサン)などから由来するものが挙げられる。
「シクロアルキリデン」は、シクロアルキルが上記で定義され、基の単一炭素原子を介して結合する二価単環式シクロアルキル基を指し、前記環を含む一般的に特定の数の炭素原子を有する(例えば、C3−6シクロアルキリデンは、環員として3〜6つの炭素原子を有するシクロアルキリデン基を指す)。例としては、シクロプロピリデン、シクロブチリデン、シクロペンチリデン、及びシクロヘキシリデンが挙げられる。
「シクロアルケニル」とは、部分的に不飽和の単環式及び二環式炭化水素基を指し、前記環を含む一般的に特定の数の炭素原子を有する。シクロアルキル基と同様に、前記二環式シクロアルケニル基は孤立、スピロ、縮合又は架橋環を含み得る。同様に、いずれかの環原子で前記シクロアルケニル基は結合され得、及び、結合又は置換基が原子価の条件に反しない限り、1つ以上以上の水素以外の置換基を含み得る。シクロアルケニル基としては、例えば、シクロブテニル(いわゆるシクロブテン−1−イル及びシクロブテン−3−イル)、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エニルなどのような、上述のシクロアルキル基の部分的に不飽和の類似体が挙げられる。
「アリール」とは、環員(例えば、C6−14アリールは、環員として、6〜14個の炭素原子を有するアリール基を指す)を含む一般的に特定の数の炭素原子を有する、少なくとも1つの芳香族環で、単環式及び二環式の双方のアリール基を有する、十分に不飽和の単環式の芳香族の炭化水素、及び多環式炭化水素を指す。前記基は、いずれかの環原子で結合され得、及び、結合又は置換基が原子価の条件に反しない限り、1つ以上の水素以外の置換基を含み得る。アリール基としては、例えば、フェニル、ビフェニル、シクロブタベンゼニル、インデニル、ナフタレニル、ベンゾシクロヘプタニル、ビフェニレニル、フルオレニル、シクロヘプタトリエンカチオンから由来する基などが挙げられる。
「アリーレン」は、アリールが上記で定義される二価アリール基を指す。アリーレン基の例としては、フェニレン(すなわち、ベンゼン−1,2−ジイル)が挙げられる。
「ヘテロサイクル」及び「ヘテロシクリル」は互換的に用いられ得、及び窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される炭素原子及び1〜4つのヘテロ原子を含む環原子を有する、飽和又は部分的に不飽和の単環式又は二環式基を指す。単環式及び二環式基の双方は、一般的に、前記環の中に、特定の数の炭素原子を有する(例えば、C2−5ヘテロシクリルは、環員として2〜5つの炭素原子及び1〜4つのヘテロ原子を有するヘテロシクリル基を指す)。二環式シクロアルキル基と同様に、二環式ヘテロシクリル基は、孤立環、スピロ環、縮合環、及び架橋環を含み得る。前記ヘテロシクリル基は、いずれかの環原子で結合され得、及び、結合又は置換が原子価の要件を違反せず、又は不安定な化合物を生じない限り、1つ以上の水素以外の置換基を含み得る。単環式ヘテロシクリル基としては、例えば、オキシラニル、チアラニル、アジリジニル(例えばアジリジン−1−イル及びアジリジン−2−イル)、オキセタニル、チアタニル、アゼチジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチオフェンイル、ピロリジニル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、1,4−ジオキサニル、1,4−オキサチアニル、モルホリニル、1,4−ジチアニル、ピペラジニル、1,4−アザチアニル、オキセパニル、チエパニル、アゼパニル、1,4−ジオキセパニル、1,4−オキサチエパニル、1,4−オキサアゼパニル、1,4−ジチエパニル、1,4−チアゼパニル、1,4−ジアゼパニル、3,4−ジヒドロ−2H−ピラニル、5,6−ジヒドロ−2H−ピラニル、2H−ピラニル、1,2,3,4−テトラヒドロピリジニル、及び1,2,5,6−テトラヒドロピリジニルが挙げられる。
「複素環−ジイル」は、基の2つの環原子を介して結合し、ヘテロシクリルが上記で定義されるヘテロシクリル基を指す。これらは、一般的に特定の数の炭素原子をそれらの1又は複数の環中に有する(例えば、C3−5複素環−ジイルは、環員として3〜5つの炭素原子及び1〜4つのヘテロ原子を有する複素環−ジイル基を指す)。複素環−ジイル基の例としては、モルホリン−3,4−ジイル、ピロリジン−1,2−ジイル、1−ピロリジニル−2−イリデン、1−ピリジニル−2−イリデン、1−(4H)−ピラゾリル−5−イリデン、1−(3H)−イミダゾリル−2−イリデン、3−オキサゾリル−2−イリデン、1−ピペリジニル−2−イリデン、1−ピペラジニル−6−イリデンなどのような上記複素環基の多価類似体が挙げられる。
「複素環芳香族」及び「ヘテロアリール」は、互換的に用いられ得て、少なくとも1つの芳香族環を有する不飽和単環式芳香族基及び多環式基を指し、基の各々は、炭素原子並びに窒素、酸素、及び硫黄から独立して選択される1〜4つのヘテロ原子から構成される環原子を有する。単環式及び多環式基は両方とも、環員として一般的に特定の数の炭素原子を有し(例えば、C1−9ヘテロアリールは、環員として1〜9つの炭素原子及び1〜4つのヘテロ原子を有するヘテロアリール基を指す)、上に挙げた単環式複素環のいずれもがベンゼン環に縮合する、二環式基のいずれも含み得る。ヘテロアリール基は、いずれの環原子(又は縮合環についての環原子)で結合され得て、そのような結合又は置換が原子価の条件に反さず、化学的に不安定な化合物を生じない限り、1又は複数の水素以外の置換基を含み得る。ヘテロアリール基としては、例えば、ピロリル(例えば、ピロール−1−イル、ピロール−2−イル、及びピロール−3−イル)、フラニル、チオフェンイル、ピラゾリル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、チアゾリル、1,2,3−トリアゾリル、1,3,4−トリアゾリル、1−オキサ−2,3−ジアゾリル、1−オキサ−2,4−ジアゾリル、1−オキサ−2,5−ジアゾリル、1−オキサ−3,4−ジアゾリル、1−チア−2,3−ジアゾリル、1−チア−2,4−ジアゾリル、1−チア−2,5−ジアゾリル、1−チア−3,4−ジアゾリル、テトラゾリル、ピリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、及びピラジニルのような単環式基が挙げられる。
ヘテロアリール基としては、また、例えば、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチオフェンイル、ベンゾ[c]チオフェンイル、インドリル、3H−インドリル、イソインドリル、1H−イソインドリル、インドリニル、イソインドリニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、1H−ピロロ[2,3−b]ピリジニル、1H−ピロロ[2,3−c]ピリジニル、1H−ピロロ[3,2−c]ピリジニル、1H−ピロロ[3,2−b]ピリジニル、3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジニル、3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジニル、1H−ピラゾロ[4,3−b]ピリジニル、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジニル、1H−ピラゾロ[3,4−c]ピリジニル、1H−ピラゾロ[3,4−b]ピリジニル、7H−プリニル、インドリジニル、イミダゾ[1,2−a]ピリジニル、イミダゾ[1,5−a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5−a]ピリジニル、ピロロ[1,2−b]ピリダジニル、イミダゾ[1,2−c]ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、フタラジニル、1,6−ナフチリジニル、1,7−ナフチリジニル、1,8−ナフチリジニル、1,5−ナフチリジニル、2,6−ナフチリジニル、2,7−ナフチリジニル、ピリド[3,2−d]ピリミジニル、ピリド[4,3−d]ピリミジニル、ピリド[3,4−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−d]ピリミジニル、ピリド[2,3−b]ピラジニル、ピリド[3,4−b]ピラジニル、ピリミド[5,4−d]ピリミジニル、ピラジノ[2,3−b]ピラジニル、及びピリミド[4,5−d]ピリミジニルのような二環式基が挙げられる。
「ヘテロアリーレン」は、基の2つの環原子で結合する、ヘテロアリールが上記で定義されるヘテロアリール基を指す。これらは、一般的に特定の数の炭素原子をそれらの1又は複数の環中に有する(例えば、C3−5ヘテロアリーレンは、環員として3〜5つの炭素原子及び1〜4つのヘテロ原子を有するヘテロアリーレン基を指す)。ヘテロアリーレン基の例としては、ピリジン−2,3−ジイル、ピリジン−3,4−ジイル、ピラゾール−4,5−ジイル、ピラゾール−3,4−ジイルなどのような上記で定義されるヘテロアリール基の多価類似体が挙げられる。
「オキソ」とは二重結合酸素(=O)を指す。
「脱離基」とは、置換反応、脱離反応及び付加脱離反応を含むフラグメンテーションプロセス中に分子を脱離するいずれかの基を指す。脱離基は、前記基は事前に脱離基と分子の間で結合を為した一対の電子と共に脱離する離核性であり得、又は前記基は一対の電子を有さずに脱離する離電子性であり得る。離核性の脱離する能力は、塩基の強さに依存し、塩基が強ければ弱い脱離基となる。共通の離核性脱離基として、窒素(例えばジアゾニウム塩からの);アルキルスルホン酸類(例えばメシル酸)を含むスルホン酸、フルオロアルキルスルホン酸類(例えばトリフレート、ヘキサフレート、ノナフレート、及びトレシレート)、及びアリールスルホン酸類(例えばトシレート、ブロシレート、クロシレート及びノシレート)が挙げられる。他には、炭酸塩、ハロゲンイオン類、カルボン酸アニオン類、フェノレートイオン類、及びアルコキシド類が挙げられる。NH2 ̄及びOH ̄のようないくつかのより強い塩基は、酸で処理することにより、より良好な脱離基となる可能性がある。共通の離電子性脱離基として、陽子、CO2、及び金属が挙げられる。
「反対の鏡像異性体」とは、参照の分子の重ねることができない鏡像である分子を指し、参照の分子の全ての不斉中心を逆転することにより得ることができる。例えば、参照の分子がS絶対立体化学的配置を有するならば、そのとき、反対の鏡像異性体はR絶対立体化学的配置を有する。同様に、参照の分子がS,S絶対立体化学的配置を有するならば、そのとき、反対の鏡像異性体はR,R立体化学的配置などを有する。
一定の立体化学的配置での化合物の「立体異性体」又は「立体異性体」とは、前記化合物の反対の鏡像異性体、及び前記化合物の幾何異性体(Z/E)を含むすべてのジアステレオマーを指す。例えば、化合物がS,R,Z立体化学的配置を有するならば、その立体異性体はR,S,Z配置を有する反対の鏡像異性体、及びS,S,Z配置、R,R,Z配置、S,R,E配置、R,S,E配置、S,S,E配置及びR,R,E配置を有するジアステレオマーを含むだろう。化合物の立体化学的配置が特定されないならば、そのとき「立体異性体」は、化合物のあり得る立体化学的配置のいずれか1つを指す。
「実質的に純粋な立体異性体」及びその変異体は、特定の立体化学的配置を有する化合物を含むサンプルを指し、サンプルの少なくとも約95%を含む。
「純粋な立体異性体」及びその変異体は、特定の立体化学的配置を有する化合物を含むサンプルを指し、サンプルの少なくとも約99.5%を含む。
「対象」とはヒトを含む哺乳類を指す。
「薬剤的に許容し得る」物質とは、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などがなく、対象の細胞に接触して用いることに適した医学的判断と思われる範囲内にあり、理にかなった利益/リスク比に釣り合い、及び使用目的に対して効果のある物質のことを指す。
「治療すること」とは、このような用語が当てはまる障害、疾病又は病態の進行を逆戻りさせること、緩和すること、抑制すること、又は前記障害、疾病又は病態を予防すること、又は、このような障害、疾病、病態の1つ以上以上の症状の進行を逆戻りさせること、緩和すること、抑制すること、又は前記障害、疾病、病態の1つ以上以上の症状を予防することを指す。
「治療」とは直ぐ上で定義した「治療すること」の行為を指す。
「薬」、「原薬」、「医薬品原料」などとは、治療を必要とする対象を治療するために用いられ得る化合物(例えば、式1の化合物及び上で具体的に名付けられた化合物)を指す。
薬の「治療有効量」とは、対象を治療するために用いられ得る薬の量及びその中でも、対象の体重及び年齢及び投与の経路に依存し得る。
「賦形剤」とは、薬物のバイオアベイラビリティに影響を与える可能性があるが、一方、薬理学的に不活性である任意の物質を指す。
「医薬組成物」とは、1つ以上の薬剤物質及び1つ以上の賦形剤の組み合わせを指す。
「医薬品」、「医薬剤形」、「剤形」、「最終剤形」などとは、治療を必要とする対象に投与する医薬組成物を指し、及び一般的には、錠剤、カプセル、粉又は顆粒を含んでいる袋、液剤又は懸濁剤、パッチ、フィルムなどの形状であり得る。
本明細書全体にわたって以下の略語を使用する。
Ac(アセチル);ACN(アセトニトリル);AIBN(アゾ−ビス−イソブチロニトリル);API(活性医薬成分);aq(水溶液);Boc(tert−ブトキシカルボニル);BSA(ウシ血清アルブミン);Cbz(カルボベンジルオキシ);dba(ジベンジリデンアセトン);COD(1,5−シクロオクタジエン);DCC(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド);DCM(ジクロロメタン);DIPEA(N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ヒューニッヒ塩基);DMA(N,N−ジメチルアセトアミド);DMAP(4−ジメチルアミノピリジン);DMARD(疾患修飾性抗リウマチ薬);DME(1,2−ジメトキシエタン);DMF(N,N−ジメチルホルムアミド);DMSOジメチルスルホキシド);dppf(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン);DTT(ジチオスレイトール);EDAエトキシル化ドデシルアルコール、Brj(登録商標)35);EDCI(N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド);EDTA(エチレンジアミン四酢酸);ee(鏡像体過剰率);eq(当量);Et(エチル);Et3N(トリエチル−アミン); EtOAc(酢酸エチル);EtOH(エタノール);FAM(5−カルボキシフルオレセイン);HATU(2−(3H−[1,2,3]トリアゾロ[4,5−b]ピリジン−3−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(V));HEPES(4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸);HOAc(酢酸);HOBt(1H−ベンゾ[d][1,2,3]トリアゾール−1−オール);IC50(50%阻害濃度);IPA(イソプロパノール);IPAc(イソプロピルアセタート);IPE(イソプロピルエテル);LDA(リチウムジイソプロピルアミド);LiHMDS(リチウムビス(トリメチルシリル)アミド);mCPBA(m−クロロペルオキシ安息香酸);Me(メチル);MeOH(メタノール);MTBE(メチルtert−ブチル エーテル);MOI(感染多重度);mp(融点);NaOt−Bu(ナトリウム tert−ブトキシド);NBS(N−ブロモスクシンイミド);NCS(N−クロロスクシンイミド);NIS(N−ヨードスクシンイミド);PE(石油エーテル);Ph(フェニル);pIC50(−log10(IC50)、IC50がモル(M)単位で与えられたとき);Pr(プロピル);i−Pr(イソプロピル);PTFE(ポリテトラフルオロエチレン);RT(室温、おおよそ20℃〜25℃);SYK(脾臓チロシンキナーゼ);TCEP(トリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン);TFA(トリフルオロ酢酸);TFAA(2,2,2−トリフルオロ酢酸無水物);THF(テトラヒドロフラン);Ts(トシル);及びトリス緩衝液(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール バッファー)。
本開示は、式1の化合物に関するもので、具体的に上記に示した化合物、及びそれらの薬剤的に許容できる複合体、塩類、溶媒化合物類、並びに水和物類を含む。また、本開示は、式1の化合物の材料及び方法、それらを含む医薬品組成物、並びに障害、疾病、及び、関節リウマチ、血液悪性腫瘍、上皮癌を含む悪性腫瘍(すなわち癌)、及びSYKの阻害が必要を示す他の障害、疾患、及び症状を含む、免疫系と炎症に関する症状を治療するためのそれらの使用に関する。
また、式1の化合物は、式中、(a)R1が水素、及びR2はC1−3アルキル、特にメチル又はエチル;(b)R1及びR2が共にC1−3アルキル基、特にメチル;(c)R1及びR2がそれらが結合する炭素原子と共にシクロプロピル基を形成し;又は(d)R1及びR2が共に水素原子である化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(d)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(e)R5が水素、ハロ、C1−4アルキル、特にメチル又はエチル;(f)R5が水素又はハロ、又はさらに詳細には、クロロ若しくはフルオロ;又はR5がフルオロである化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(f)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(g)pが0である化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(g)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(h)R4が
から選択され;(i)R4が
;(j)R4が
;又は(k)
である化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(i)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(l)R4aが水素、ハロ、−CN、C1−4アルキル、特にメチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピル、又はC3−8シクロアルキル、特にシクロプロピル、及びR4bがハロ、−CN、C2−4アルキル、特にエチル、プロピル若しくはイソプロピル、又はC3−8シクロアルキル、特にシクロプロピル;(m)R4aが水素、ハロ、−CN、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル又はシクロプロピル、及びR4bがハロ、−CN、エチル、プロピル、イソプロピル又はシクロプロピル;(n)R4aがフルオロ、ブロモ、−CN、C2−4アルキル、特にエチル、プロピル若しくはイソプロピル、又はC3−8シクロアルキル、特にシクロプロピル、及びR4bが水素、ハロ、−CN、C1−4アルキル、特にメチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピル、又はC3−8シクロアルキル、特にシクロプロピル;(o)R4aがフルオロ、ブロモ、−CN、エチル、プロピル、イソプロピル又はシクロプロピル、及びR4bが水素、ハロ、−CN、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル又はシクロプロピルである化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(i)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(p)R4a及びR4bがそれらが結合する原子と共に、独立して、ハロ、オキソ、−CN、R6、及びR7から選択される1〜4つの置換基で、各々、随意に置換されるフェニレン又はC3−5ヘテロアリーレンを形成し、前記C3−5ヘテロアリーレン部分が5又は6つの環原子を有し、及び1又は2つはヘテロ原子であり、ヘテロ原子の各々がNである化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(h)及び(j)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(q)R4cが水素、ハロ、−CN、C1−4アルキル、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、又はC3−8シクロアルキル、特にシクロプロピルであり、但し、GがOである場合、R4cが非置換メチルでない化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(h)及び(k)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(r)R4d及びR4eが各々独立して、水素、ハロ、−CN、C1−4アルキル、特にメチル、エチル、プロピル若しくはイソプロピル、又はC3−8シクロアルキル、特にシクロプロピルである化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(h)及び(k)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(s)R4d及びR4eがそれらが結合する原子と共に、各々、5又は6つの環原子、Nである少なくとも1つのヘテロ原子、及び随意にN、O、及びSから独立して選択される1又は2つのさらなるヘテロ原子を有するC3−5複素環−ジイル又はC3−5ヘテロアリーレンを形成し、並びにC3−5複素環−ジイル又はC3−5ヘテロアリーレンがハロ、オキソ、−CN、R6、及びR7から独立して選択される1〜4つの置換基で随意に置換される化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(g)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(t)R4が
から選択される化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(t)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(u)GがCH2である化合物である。
さらに、又は前述した段落の実施形態(a)から(t)の1又は複数に代わるものとして、式1の化合物は、式中、(v)GがOである化合物である。
また、式1の化合物は、式中、(w)R3a、R4a、R4b、R4c、R4d、R4f、R4e、R5、R7、R8、及びR9置換基の1又は複数が随意の置換基を有さない、前述した実施形態のいずれかである。
式1の化合物は、式中、(x)式1Aにより挙げられる立体化学構造を有する化合物である:
式中、式1AのG、p、R1、R2、R3a、R4、及びR5は、式1に定義したものであり、又は前述した段落の実施形態(a)から(w)の1又は複数に定義したものである。
式1の化合物には、前述した段落に記載される実施形態(a)から(x)及び上記及び実施例で具体的に命名される化合物の全てが含まれ、一般的に式1の化合物の塩、複合体、溶媒和物、水和物、及び液晶の全てが含まれる。同様に、式1の化合物に対する言及には、式1の化合物の塩の複合体、溶媒和物、水和物、及び液晶の全てが含まれる。
式1の化合物は、具体的に上記に示した化合物を含み、薬剤的に許容できる複合体、塩類、溶媒和物類、及び水和物類を形成しても良い。これらの塩類には、酸付加塩類(二価酸を含む)及び塩基性塩類が含まれる。薬剤的に許容できる酸付加塩には、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、フッ化水素酸、及び亜燐酸などの無機酸に由来の非毒性塩類と同様に、脂肪族モノ及びジカルボン酸類、フェニル置換アルカン酸類、ヒドロキシアルカン酸類、アルカン二酸、芳香族酸、脂肪族及び芳香族スルホン酸などの有機酸に由来の非毒性塩類が含まれる。このような塩類には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、重炭酸塩、炭酸塩、重硫酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩、カンシラート、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシレートギ酸塩、フマル酸塩、グルセプテート、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロチン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、サッカリン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩及びキシノホ酸塩が挙げられる。
薬剤的に許容できる塩基性塩類には、塩基由来の非毒性塩類が含まれ、アルカリ金属カチオン又はアルカリ土類金属カチオンなどの金属カチオンと同様に、アミン類がある。適切な金属カチオンとしては、例えば、ナトリウム(Na+)、カリウム(K+)、マグネシウム(Mg2+)、カルシウム(Ca2+)、亜鉛(Zn2+)、及びアルミニウム(Al3+)が挙げられる。適切なアミン類としては、例えば、アルギニン、N、N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエチルアミン、ジエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、エチレンジアミン、グリシン、リジン、N−メチルグルカミン、オラミン、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−プロパン−1,3−ジオール、及びプロカインが挙げられる。有用な酸性付加塩類及び塩基性塩類の議論については、S. M. Bergeらの文献J. Pharm. Sci. (1977) 66:1−19を参照のこと;また、Stahl及びWermuthの薬理学的塩、特性及び利用のハンドブック(2002)を参照のこと。
薬剤的に許容できる塩は、様々な方法を用いて調製してもよい。例えば、式1の化合物を適切な酸又は塩基と反応させて、所望の塩を得てもよい。また、式1の化合物の前駆体を酸若しくは塩基と反応させて、酸若しくは塩基に不安定な保護基を除去するか、又は前駆体のラクトン若しくはラクタム基を開いてもよい。更に、式1の化合物の塩を、適切な酸若しくは塩基で処理を行い、又はイオン交換樹脂と接触させることで、別の塩に転換してもよい。次いで、反応後、溶液から沈殿する場合には、濾過により、又は蒸発させて塩を回収することにより、塩を単離してもよい。塩のイオン化の程度は、完全なイオン化からほぼ非イオン化まで様々であってよい。
式1の化合物は、完全に非結晶性から完全に結晶性に及ぶ固体の連続体で存在してもよい。用語「非結晶性」用語は、物質が分子レベルで長距離秩序を欠く状態を指し、温度に応じて、固体又は液体の物理的特性を示すことができる。一般的に、このような物質は特有のX線回折パターンを生じず、固体の特性を示すが、より正式には液体とみなされる。加熱すると、状態変化、一般的には二次(「ガラス転移」)を特徴とする、固体から液体特性への変化が起こる。用語「結晶」は、物質が分子レベルで規則正しい内部構造を有し、明確なピークを持つ特有のX線回折パターンを生じる固相を指す。また、このような物質も、十分に加熱すると液体の特性を示すが、固体から液体への変化は、相変化、一般的には一次(「融点」)を特徴とする。
また、式1の化合物は、非溶媒和及び溶媒和形態で存在することができる。用語「溶媒和物」は、本明細書において、本発明の化合物、及び、1又は複数の薬剤的に許容できる溶媒分子(例えばエタノール)を含む分子複合体について記述する。用語「水和物」は、溶媒が水である溶媒和物である。薬剤的に許容できる溶媒和物類には、溶剤を同位体的に置換することができるもの(例えば、D2O、アセトン−d6、DMSO−d6)が挙げられる。
有機化合物の溶媒和物類及び水和物類について現在認められている分類体系は、単離部位、チャネル、及び溶媒和物類及び水和物類を配位した金属イオンとを識別するものである。例えば、Polymorphism in Pharmaceutical Solids (1995)、K. R. Morris (H. G. Brittain ed.)著を参照のこと。単離部位の溶媒和物類及び水和物類は、有機化合物の分子を介在させることにより、溶媒(例えば、水分子)が互いの直接接触から単離されているものである。チャネル溶媒和物類では、溶媒分子は、格子チャネルに存在し、他の溶媒分子に隣接している。溶媒和物類を配位した金属イオンにおいて、溶媒分子は金属イオンに結合される。
溶媒又は水が密接に結合しているとき、複合体は湿度とは無関係に明確な化学量論を有するであろう。しかしながら、チャネル溶媒和物類及び吸湿性化合物のような、溶媒又は水の結合が弱いとき、水又は溶媒含有量は、湿度及び乾燥条件に依存することになる。このような場合、非化学量論が、一般的に認められるであろう。
また、式1の化合物は、多成分複合体(塩類及び溶媒和物類以外)として存在し、化合物(薬剤)及び少なくとも1つの他の成分が、化学量論的、又は非化学量論的な量で存在する。この種の複合体には、クラスレート(薬物−宿主包接複合体)及び共結晶が含まれる。後者は、非共有結合の相互作用を通じて供に結合された中性分子成分の結晶性の複合体として一般的に定義されるが、塩を備えた中性分子の複合体でも可能である。共結晶は、溶融結晶化によって、溶媒からの再結晶によって、又は成分と供に物理的に粉砕することによって作成してもよい。例えば、Chem. Commun. (2004) 17:1889−1896、O. Almarsson及びM. J. Zaworotko著を参照のこと。多成分複合体の一般的な総説については、J. Pharm. Sci. (1975) 64(8):1269−88、J. K. Haleblian著を参照のこと。
適切な条件下に置かれたとき、式1の化合物は、中間状態(中間相又は液晶)で存在してもよい。中間状態は、真の結晶の状態と真の液体状態(溶融体又は溶液のいずれか)との間にある。温度変化の結果として発生する液晶性は「サーモトロピック」とみなされ、水又は別の溶媒などの第二の成分の添加から生じる液晶性は「リオトロピック」とみなされる。リオトロピック中間相を形成する可能性を有する化合物は「両親媒性」とみなされ、極性のイオン部分(例えば、−COO−Na+、−COO−K+、−SO3 −Na+)、又は極性の非イオン部分(−N−N+(CH3)3など)を持つ分子を含む。例えば、Crystals and the Polarizing Microscope (4th ed, 1970)、N. H. Hartshorne及びA. Stuart著を参照のこと。
式1の化合物には、一般的にその多形及び晶癖、プロドラッグ、代謝物質、立体異性体、及び互変異性体の全て、並びにその同位体標識された化合物の全てが含まれる。
「プロドラッグ」とは、薬理活性がほとんどない、又はまったくない化合物を指し、生体内で代謝させるとき、所望の薬理活性を有する化合物に転換を起こす化合物を指す。プロドラッグは、例えば、Design of Prodrugs (1985)、H.Bundgaar著に記載されたとおり、「プロ成分」を持つ薬理的に活性な化合物に存在する適切な官能基の置換により調製してもよい。プロドラッグとしては、例えば、エステル、エーテル、又は、カルボン酸、水酸基、若しくはアミノ官能基をそれぞれ有する式1の化合物のアミド誘導体が挙げられる。プロドラッグに関する更なる議論については、例えば、“Pro drugs as Novel Delivery Systems” ACS Symposium Series 14 (1975)、T. Higuchi及びV. Stella著、並びにBioreversible Carriers in Drug Design (1987)、E. B. Rocheら著を参照のこと。
「代謝物質」とは、薬理的に活性な化合物の投与で生体内に形成された化合物を指す。例として、ヒドロキシメチル、水酸基、二級アミノ、一級アミノ、フェノール、並びにメチル基、アルコキシ基、三級アミノ基、二級アミノ基、フェニル基、及びアミド基をそれぞれ有する式1の化合物のカルボン酸誘導体が挙げられる。
本明細書に記載される特定の化合物は、立体異性体を有してもよい。これらの化合物は、単一の光学異性体(エナンチオピュアな化合物)、又は光学異性体の混合物(富化されたラセミ化合物の試料)として存在してもよく、試料中の別の光学異性体に対して、相対的に過剰な特定の1つの光学異性体に応じて、光学活性を示してもよい。このような立体異性体は、重ねることができない鏡像であるが、不斉軸、又は1つ若しくは複数の不斉中心(すなわちキラリティー)を有する。他の化合物は鏡像ではない立体異性体であってもよい。このような立体異性体は、ジアステレオ異性体として知られているが、キラル、又はアキラル(不斉中心を含まない)であってもよい。それらには、シス/トランス(又は、Z/E)立体異性体が可能なようなアルケニル、若しくは環式基を含有する分子、又は単一の立体中心の反転が、対応するジアステレオ異性体を生じる2つ以上の立体中心を含有する分子が含まれる。記述のない限り、又は明らかではない限り(例えば、立体結合、立体中心記述子などの使用を介して)、本発明の範囲、及び開示には、一般的に、それらが各々、純粋である(例えば、エナンチオピュアである)か、又は混合物である(例えば、鏡像異性的に富化された、又はラセミの)かにかかわらず、参照化合物、及びその立体異性体が含まれる。
幾何(シス/トランス)異性体は、クロマトグラフィー及び分別再結晶のような従来技術によって分離してもよい。
化合物の個々の光学異性体は、適切な光学的に純粋な前駆体からキラル合成によって作成してもよく、又は、例えば、キラルのHPLCを用いて、ラセミ化合物(又は塩、若しくは誘導体のラセミ化合物)の分割によって単離してもよい。或いは、ラセミ化合物(又はラセミ化合物の前駆体)は、適切な鏡像異性的に純粋な化合物(例えば、酸又は塩基)と反応させて、1組のジアステレオ異性体を得てもよく、それぞれ単一の光学異性体から構成され、例えば、分別再結晶又はクロマトグラフィーによって分離してもよい。所望の光学異性体は、その後、適切なジアステレオ異性体から再生される。しばしば、所望の光学異性体は、十分な量(例えば、一般的に少なくとも約85%ee、ある場合では、少なくとも約90%ee)で利用可能なとき、適切な溶媒中(例えば、ACN)で再結晶によって更に富化されてもよい。立体異性体を分離するための技術に関する更なる議論については、Stereochemistry of Organic Compounds (1994)、E. L. Eliel及びS. H. Wilen著を参照のこと。
「互変異性体」とは、低いエネルギー障壁によって相互転換できる構造異性体を指す。互変体の異性(互変異性)は、例えば、イミノ、ケト若しくはオキシム基を含有する化合物において陽子互変異性の形態、又は芳香族部分を含有する化合物において原子価互変異性の形態をとってもよい。
また、本明細書に記載された化合物には、少なくとも1つの原子が、同じ原子番号を有するが、通常自然界にある原子質量と異なる原子質量を有する原子によって置換される、薬剤的に許容できる全ての同位体変異が含まれる。式1の化合物に含有に適している同位体には、例えば、2Hと3Hなどの水素の同位体;11C、13C及び14Cなどの炭素の同位体;13N及び15Nなどの窒素の同位体;15O、17O及び18Oなどの酸素の同位体;35Sなどの硫黄の同位体;18Fなどのフッ素の同位体;36Clなどの塩素の同位体、並びに123I及び125Iなどのヨウ素の同位体が挙げられる。同位体変異(例えば、重水素、2H)の使用は代謝安定性の向上、例えば生体内での半減期の増加、又は必要投薬量の減少の結果として生じるいくつかの治療上の利点をもたらし得る。更に、開示された化合物のある同位体変異は、放射性同位体(例えば、トリチウム、3H、又は14C)を取り込むことができ、薬剤、及び/又は基質組織分布の研究に有用となり得る。11C、18F、15O、及び13Nなどの陽電子放出同位体を用いた置換は、基質受容体占有率を検査するための陽電子放出断層撮影(PET)研究において有用となり得る。同位体標識化合物は、非標識試薬の代わりに適切な同位体標識試薬を用いて、本開示の他の箇所に記載したプロセスと類似したプロセスによって作成することができる。
化学式1の化合物は、以下に記載する技術を使用して調製し得る。スキーム及び例の幾つかでは、例えば、酸化、還元などを含む一般の反応、分離技術(抽出、蒸発、沈殿、クロマトグラフィー、濾過、粉砕、結晶化など)、及び分析手順の詳細を省略し得る。それら詳細は、有機化学分野の当業者に公知である。そのような反応及び技術詳細は、例えば、Richard Larock, Comprehensive Organic Transformations (1999)、及びMichael B. Smith and others編の複数巻からなるシリーズ、Compendium of Organic Synthetic Methods (1974 et seq.)を含む、多くの論文に見出すことができる。出発物質及び試薬は、商業的な供給元からを入手するか、又は文献の方法を使って調製し得る。反応スキームの幾つかでは、化学変換によって生ずる微量の生成物(例えば、エステルの加水分解からのアルコール、二塩基酸の脱炭酸からのCO2など)を省略し得る。くわえて、幾つかの例では、反応中間体を、分離又は精製すること無しに(すなわち、そのままで)、それに続く工程で使用し得る。
出発物質及び試薬は、市販源から得ることができ、又は文献の方法を使用して調製することができる。有用な出発物質及び中間体の記載については、参照により本明細書に組み込まれる、2010年12月17日に両方とも出願された同時係属及び同一出願人による米国及びPCT公開特許出願の米国特許出願公開第2011−0152273A1号及び国際公開第2011/079051A1号参照。
以下の反応スキーム及び例の幾つかでは、特定の化合物を、保護基を使用して調製することができ、それらは、保護基を使用しなければ反応する部位での望ましくない化学反応を防止する。また、保護基を、溶解度を増すため、又は別の面では化合物の物理的性質を変更するために使用し得る。保護基戦略の考察、保護基を導入及び除去するための材料及び方法についての説明、並びに、例えばアミン基、カルボン酸基、アルコール基、ケトン基、アルデヒド基など、一般の官能基に対する有用な保護基について編集したものに関しては、T. W. Greene and P. G. Wuts, Protecting Groups in Organic Chemistry (1999) and P. Kocienski, Protective Groups (2000)を参照のこと。
一般に、本明細書全体にわたって記載された化学変換は、特定の反応では1つ以上の反応物質を過度に使用することから恩恵を受け得るが、反応物質の実質的な化学量論量を使用して実施してよい。くわえて、本明細書の全体にわたって開示された反応の多くは、大体、室温(RT)及び常圧で実施し得るが、反応速度論、収率などに依存して、幾つかの反応は、高圧で行なったり、より高い温度(例えば、還流条件)、又はより低い温度(例えば、−78℃〜0℃)を用いてよい。本開示中の、化学量論量の範囲、温度範囲、pH範囲などに対するいかなる参照は、「範囲」という語が明示的に使用されるか否かのいずれにせよ、その示された端点を含む。
また、化学変換の多くは、1つ以上の適合溶媒を用いてよく、それらは、反応速度及び収率に影響を与え得る。反応物質の特質に依存して、1つ以上の溶媒は、極性プロトン性溶媒(例えば、水)、極性非プロトン性溶媒、非極性溶媒、又は幾つかの組合せであり得る。代表的な溶媒としては、飽和脂肪族炭化水素(例えば、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−オクタン);芳香族炭化水素(例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン);ハロゲン化炭化水素(例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素);脂肪族アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパン−1−オール、プロパン−2−オール、ブタン−1−オール、2−メチル−プロパン−1−オール、ブタン−2−オール、2−メチル−プロパン−2−オール、ペンタン−1−オール、3−メチル−ブタン−1−オール、ヘキサン−1−オール、2−メトキシ−エタノール、2−エトキシ−エタノール、2−ブトキシ−エタノール、2−(2−メトキシ−エトキシ)−エタノール、2−(2−エトキシ−エトキシ)−エタノール、2−(2−ブトキシ−エトキシ)−エタノール);エーテル(例えば、ジエチルエーテル、ジ−イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、1,2−ジメトキシ−エタン、1,2−ジエトキシ−エタン、1−メエトキシ−2−(2−メトキシ−エトキシ)−エタン、1−エトキシ−2−(2−エトキシ−エトキシ)−エタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン);ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン);エステル(酢酸メチル、酢酸エチル);窒素含有溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、N−メチル−ピロリドン、ピリジン、キノリン、ニトロベンゼン);硫黄含有溶媒(例えば、二硫化炭素、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロ−チオフェン−1,1,−ジオキシド);及びリン含有溶媒(例えば、ヘキサメチルリン酸トリアミド)が挙げられる。
以下のスキームにおいて、置換基識別子(例えば、R1、R2、R3a、R4、R5、p、Gなど)は、式1について上記で定義したものである。しかしながら、前述のように、出発物質及び中間体の幾つかは、保護基を含み得て、それは、最終の生成物を得る前に除去される。そのような場合、置換基識別子とは、式1で定義される部分、及び適当な保護基をもつそれらの部分を指す。例えば、スキームにおける出発物質又は中間体は、潜在的に反応性のアミンを有する置換基識別子(例えば、R4)を含んでもよい。そのような場合、置換基識別子は、保護部分(例えば、例としてアミンに結合するBoc又はCbz基)及び非保護部分を含むことになる。
スキーム1は、化合物1−9を調製する方法を示す。出発物質1−0(2−クロロ−3−ヨードピリジン)は、−78℃でTHF中でLDAでの処理を介するオルト指向性リチオ化を受ける。ドライアイスによる急冷により、1−1を得て、続いてそれを室温でヨードメタン及び塩基(例えば、炭酸カリウム)を使用してエステル化する。中間体1−2のヨード基を、パラジウム触媒シアン化又は高温での適した溶媒(例えば、DMF、DMAなど)中でのシアノ銅若しくはシアン化亜鉛での処理を介してニトリル基に変換する。R4置換基を、鈴木反応を使用して1−3上に付加し、中間体1−4を得る。過酸化水素/尿素複合体での処理を介するピリジン部分のN酸化により、活性化した中間体1−5を得て、それを高温(例えば、90〜100℃)でオキシ塩化リンとの反応を介して塩素化する。適切に置換されるアミン1−7との反応を介する1−6のクロロ基の置換により、中間体1−8を得る。パラジウム触媒水素化及び環化を介する後続の反応により、化合物1−9を得る。ここで、以下のスキームにおいて、R3bは、アミン保護基である。保護基の性質に応じて、水素化は、R3bの除去をもたらし得る(例えば、R3bがCbz、ベンジルなどである場合)一方、他方では、別個の脱保護工程が必要であり得る(例えば、R3bがBoc基である場合、酸での処理)。
スキーム2は、化合物2−5の合成を示す。出発物質2−0(2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸)を、−78℃でのTHF中でLDAでの処理を介してリチオ化する。DMFによる急冷により、アルデヒド中間体2−1を得て、それはアミン(例えば、(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン)及び還元剤(例えば、NaBH(OAc)3)との反応を介する還元的アミノ化を受ける。得られたアミノ酸(図示せず)を、適したカップリング剤(例えば、EDCI、DCCなど)、触媒(HOBt、DMAPなど)、及び溶媒(例えば、DMF、DMSO、ACN、THF、DCMなど)を用いるアミドカップリングを介して環化する。上記スキームのように、化合物2−2のクロロ基を適切なアミン1−7により置換することにより、中間体2−3を得て、続いてそれをボロン酸又はホウ酸塩(例えば、R4−B(OR13)2、式中、各R13は、H又はC1−4アルキルである)と、パラジウム触媒(例えば、Pd(PPh3)4、(PPh3)2PdCl2など)、塩基(例えば、KF又はNa2CO3)、及び有機溶媒(例えば、ジオキサン、DMFなど)の存在下で高温(例えば、約90℃)で反応させ、2−4を得る。鈴木カップリング後、例えば、R3bがBoc基である場合、高温(例えば、40〜60℃)におけるTFAでの2−4の処理を介するアミン及びラクタム窒素の脱保護により、2−5を作り出す。
スキーム3は、化合物2−5の代替的な合成を示す。出発物質3−0(2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチノニトリル)を、高温(例えば、約65℃)における濃硫酸での処理により加水分解し、アミド3−1を得て、それを約0℃におけるLiHMDSでの処理又は−78℃におけるTHF中でのLDAとの反応を介してリチオ化する。DMFとの反応により、酸後処理(例えば、水性HClでの処理)時、アルデヒド(図示せず)を得て、それを環化し、中間体3−2を形成する。中間体3−2を、有機溶媒(例えば、DCM)中で還元剤(例えば、トリエチルシラン)及び酸(例えば、TFA)での処理によりラクタム3−3に還元する。ラクタム3−3上のBoc保護基の付加に続いて、適切なアミン1−7との反応を介する化合物3−4上のクロロ基の置換により中間体3−5を得る。続いて、中間体をボロン酸又はホウ酸塩(例えば、R4−B(OR13)2と、パラジウム触媒(例えば、Pd(PPh3)4、(PPh3)2PdCl2、Pd2(dba)3など)、随意のリガンド(例えば、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル)、塩基(例えば、KF又はNa2CO3)、及び有機溶媒(例えば、ジオキサン、DMFなど)の存在下で反応させて化合物3−6を得る。鈴木反応を、高温(例えば、90〜160℃)において、従来の加熱をするか、又はマイクロ波照射を介するかのいずれかで、実施する。代替的に、化合物3−5は、芳香族スズ試薬(例えば、R4−Sn(n−Bu)3)と、パラジウム触媒(例えば、Pd(PPh3)4)及び有機溶媒(例えば、トルエン)の存在下で、高温(例えば、約100℃)において反応させることができる。鈴木又はスティルカップリングに続いて、例えば、R3bがBoc基である場合、室温以上(例えば、20〜60℃)における酸(例えば、TFA又はHCl)での3−6の処理を介するアミン及びラクタム窒素の脱保護により、2−5を作り出す。
スキーム4は、中間体3−5の代替的な合成を示す。出発物質3−0(2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチノニトリル)を、無水DMSO中でフッ化カリウムと反応させ、ジフルオロ中間体4−1を得て、それをパラジウム(II)触媒(例えば、PdCl2)及びアセトアミドとTHF/水中で高温(例えば、約60℃)において反応させる。得られたアミド4−2を、約0℃におけるTHF中でのLiHMDSでの処理又は−78℃におけるTHF中でのLDAとの反応を介してリチオ化する。DMFとの反応に続く酸後処理により、中間体4−3を得て、それを、有機溶媒(例えば、DCM)中での還元剤(例えば、トリエチルシラン)及び酸(例えば、TFA)での処理によりラクタム4−4に還元する。ラクタム4−4上のBoc保護基の付加に続き、塩基(例えば、N−メチルモルホリン)の存在下での、及び高温(例えば、約60℃)における適切なアミン1−7との反応を介する化合物4−5上のフルオロ基の置換により、中間体3−5を得る。
スキーム5及び6は、化合物5−7を調製する方法を示す。スキーム2に従って調製することができる出発物質2−1を、室温でMeOH中で(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミンと反応させる。得られたイミン5−1を、−78℃でTHF中でオルガノリチウム試薬(R1−Li)と反応させる。後続の酸での処理によりラクタム5−2を得て、それを還元剤(例えば、トリエチルシラン)及び酸(例えば、TFA)と、還流条件において反応させ、化合物5−3を得る。ラクタム窒素上のBoc保護基の付加に続き、適切なアミン1−7との反応を介する中間体5−4上のクロロの置換により、中間体5−5を得る。続いて、中間体をボロン酸又はホウ酸塩(例えば、R4−B(OR13)2と、パラジウム触媒(例えば、Pd(PPh3)4、(PPh3)2PdCl2、Pd2(dba)3など)、随意のリガンド(例えば、2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル)、塩基(例えば、KF又はNa2CO3)、及び有機溶媒(例えば、ジオキサン、DMFなど)の存在下で反応させ、化合物5−6を得る。鈴木反応を、高温(例えば、90〜160℃)において、従来の加熱をするか、又はマイクロ波照射を介するかのいずれかで実施する。鈴木カップリングに続き、例えば、R3bがBoc基である場合、室温以上(例えば、20〜60℃)における酸(例えば、TFA又はHCl)での5−6の処理を介するアミン及びラクタム窒素の脱保護により、5−7を得る。
代替的に、中間体5−2を、スキーム6において示されるアミン1−7と反応させ、中間体6−1を得て、続いてそれをボロン酸又はホウ酸塩と鈴木条件下で反応させ、化合物6−2を得ることができる。脱保護により所望の化合物5−7を得る。
スキーム7は、化合物7−2、7−3、7−4、7−5、及び7−6を調製する方法を説明する。上記の方法を使用して調製し得る、出発物質7−0を、NBS又はNISと反応させ、ハロ−ピリジン中間体7−1(Y1はBr又はI)を得ることができることができる。中間体7−1のハロ基を、パラジウム触媒シアン化を介して、ニトリル基に変換し、7−2を得ることができる。続いて、化合物7−2を、グリニャール試薬(R7−MgBr)と反応し、イミン中間体(図示せず)を得て、それを酸加水分解し、化合物7−3を生じる。代替的に、ハロ−ピリジン中間体7−1を、パラジウム(II)触媒(例えば、PdCl2(dppf))、化学量論量の塩基(例えば、NaOt−Bu)、及び有機溶媒(例えば、ジオキサン、トルエンなど)の存在下で、高温(例えば、約100℃)にて、NHR8R9と反応させ得る。ブッフバルト−ハートウィッグカップリングにより、ヘテロアリールアミン7−4を得る。くわえて、7−1は、パラジウム(II)触媒(例えば、(PPh3)2PdCl2)、銅(I)助触媒(例えば、CuI)、及びアミン塩基(例えば、Et3N)の存在下において、室温にて、末端アルキン(HC≡R13、例えば、R13がH又はC1−4アルキル)と反応し得る。薗頭カップリングに続いて、アルキン部分の還元によって、例えば、C1−5アルキルであるR5をもつ化合物7−5を生ずる。出発物質7−1を、パラジウム触媒(例えば、Pd(PPh3)4、(PPh3)2PdCl2など)、塩基(例えば、KF又はNa2CO3)、及び有機溶媒(例えば、ジオキサン、DMFなど)の存在下において、ボロン酸又はホウ酸塩(例えば、R5−B(OR13)2、式中、R5は、C1−9ヘテロアリール、及びR13は、H又はC1−4アルキル)と反応させ得る。鈴木型カップリングを高温(例えば、約90℃)にて実施し、C1−9ヘテロアリールであるR5をもつ化合物7−5を得る。
スキーム7に示すように、代替的に、化合物7−0を、有機溶媒(例えば、DCM)又は有機溶媒の混合物(例えば、DCM及びMeOH)中で、SELECTFLUOR(登録商標)(1−(クロロメチル)−4−フルオロ−1,4−ジアゾニアビシクロ[2.2.2]オクタン ジテトラフルオロボラート)などのフッ素化剤で処理し、フルオロ−ピリジン誘導体7−6(Y2はF)を得ることができる。同様に、7−0を、非プロトン溶媒(例えば、DCM)中で、NCSなどの塩素化剤で処理し、クロロピリジン誘導体7−6(Y2はCl)を得ることができる。
スキーム1−7において示される方法は、所望により変えることができる。例えば、保護基を、経路における種々の工程において付加又は除去することができる。さらに、中間体は、例えば、アルキル化、アシル化、加水分解、酸化、還元、アミド化、スルホン化、アルキネーション(alkynation)、アルキエネーション(alkyenation)などを介してさらに生成し、所望の最終生成物を得ることができる。
上記で名前を挙げた化合物を含む、式1の化合物、及びそれらの薬剤的に許容できる複合体、塩、溶媒和物及び水和物は、それらのpH全域にわたる溶解度及び溶液安定性、浸透性などを含む生物薬学的性質について評価し、適切な剤形及び投与の経路を選択しなければならない。薬剤使用を意図する化合物は、結晶質又は非晶質生成物として投与することができ、例えば沈殿、結晶化、凍結乾燥、スプレー乾燥、蒸発乾燥、マイクロ波乾燥又は高周波乾燥などの方法によって、例えば固体プラグ剤(solid plugs)、粉末又はフィルムとして得ることができる。
式1の化合物は、単独で、又は互いに組み合わせて、若しくは化学式1の化合物と異なる薬理活性化合物の1つ以上と組合せて投与され得る。一般に、1つ以上のこれら化合物は、1つ以上の薬剤的に許容できる賦形剤を伴う医薬組成物(製剤)として投与される。賦形剤の選択は、とりわけ、特定の投与形態、溶解度及び安定性へのその賦形剤の影響、並びに剤形の特質に依存する。有用な医薬組成物及びそれらを調製する方法は、例えば、A. R. Gennaro (ed.), Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed., 2000)に見い出され得る。
式1の化合物は、経口的に投与され得る。経口投与は、嚥下を含み、その場合は、化合物は消化管を経て血流に入り得る。代替的に又はくわえて、経口投与は、化合物が口の粘膜を通して血流に入るように、粘膜投与(例えば、口腔、舌下、舌上投与)を含み得る。
経口投与に適した製剤としては、錠剤、多粒子若しくはナノ粒子、液体又は粉末を含有する軟又は硬カプセル剤、液体が充填され得るトローチ剤、咀嚼剤(chews)、ゲル剤、急速分散剤形、フィルム剤、オビュール剤(ovules)、スプレー剤、並びに口腔若しくは粘膜付着性貼付剤などの固体、半固体及び液体系が挙げられる。液体製剤としては、懸濁剤、液剤、シロップ剤、及びエリキシル剤が挙げられる。そのような製剤は、軟又は硬カプセル剤(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースから作られた)中の充填剤として用いられてよく、典型的には、担体(例えば、水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、又は好適な油)と、1つ以上の乳化剤、懸濁化剤又はその両方を含む。また、液体製剤は、(例えばサシェからの)固体の再構成によって調製され得る。
また、式1の化合物は、Liang and Chen, Expert Opinion in Therapeutic Patents (2001) 11(6):981−986に記載されているものなど、速溶性、速崩壊性の剤形でも使用し得る。
錠剤剤形では、投与量に応じて、医薬品有効成分(API)は剤形の約1重量%〜約80重量%、より典型的には剤形の約5重量%〜約60重量%を占め得る。APIにくわえて、錠剤は、1つ以上の崩壊剤、結合剤、希釈剤、界面活性剤、流動促進剤、滑沢剤、酸化防止剤、着色剤、香料、防腐剤、及び矯味剤を含み得る。崩壊剤の例としては、グリコール酸ナトリウムデンプン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルシウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、C1−6アルキル置換ヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、アルファ化でんぷん、及びアルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般に、崩壊剤は、剤形の約1重量%〜約25重量%、好ましくは約5重量%〜約20重量%を占めることになる。
結合剤は、一般に、錠剤製剤に粘着性の性質を付与するために使用される。好適な結合剤としては、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然及び合成ガム、ポリビニルピロリドン、アルファ化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース並びにヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。また、錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥した一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、デンプン及びリン酸水素カルシウム二水和物などの賦形剤も含有し得る。
錠剤はまた、ラウリル硫酸ナトリウム及びポリソルベート80などの表面活性剤、並びに二酸化ケイ素及びタルクなどの流動促進剤も含み得る。存在する場合、表面活性剤は錠剤の約0.2重量%〜約5重量%を占め、流動促進剤は錠剤の約0.2重量%〜約1重量%を占め得る。
また、錠剤は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、及びステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物などの滑沢剤も含有し得る。滑沢剤は、錠剤の約0.25重量%〜約10重量%、好ましくは約0.5重量%〜約3重量%を占め得る。
錠剤配合を、直接又はローラー圧縮によって固めて、錠剤を形成し得る。代替的に、錠剤配合又は配合の一部を、湿式造粒、乾式造粒、若しくは溶融造粒、溶解凝固又は押出した後、錠剤化し得る。望ましい場合は、配合前に、1つ以上の成分をスクリーニング又は製粉又はその両方によってある大きさに形成し得る。最終的な剤形は、1つ以上の層を含んでよく、コーティングされていても、コーティングされていなくても、又はカプセル化されてもよい。例示的な錠剤は、最大約80%のAPI、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤及び約0.25重量%〜約10重量%の滑沢剤を含有し得る。配合、造粒、製粉、スクリーニング、錠剤化、コーティングについての考察、及び、薬品を調製する代替的な技術の説明に関して、A. R. Gennaro (ed.), Remington: The Science and Practice of Pharmacy (20th ed., 2000); H. A. Lieberman et al. (ed.), Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets, Vol. 1−3 (2d ed., 1990); and D. K. Parikh & C. K. Parikh, Handbook of Pharmaceutical Granulation Technology, Vol. 81 (1997)を参照のこと。
ヒト又は動物に使用するための摂取可能な経口フィルムは、速やかに溶解し得るか、又は粘膜付着性であり得る、柔軟で、水溶性又は水膨潤性である薄いフィルム剤形である。APIにくわえて、典型的なフィルムは、1つ以上のフィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、保湿剤、可塑剤、安定剤又は乳化剤、粘度変性剤及び溶媒を含む。他のフィルム成分としては、酸化防止剤、着色剤、香味剤及び調味料、防腐剤、唾液刺激剤(salivary stimulating agents)、冷却剤、共溶媒(co−solvents)(例えば、油)、軟化剤、充てん剤、消泡剤、界面活性剤、及び矯味剤が挙げられ得る。製剤の幾つかの成分は、1つより多い機能を果たし得る。
投与量要件にくわえて、フィルム中のAPIの量は、その溶解度に依存し得る。水溶性の場合、典型的に、APIはフィルム中の非溶媒成分(溶質)の約1質量%〜約80質量%、フィルム中の溶質の約20質量%〜約50質量%を占めることになる。溶けにくいAPIは、より大きな割合の組成、典型的に、フィルム中の非溶媒成分の最大約88質量%まで含み得る。
フィルム形成ポリマーは、天然の多糖類、タンパク質又は合成親水コロイドから選択され、典型的に、フィルムの約0.01質量%〜約99質量%、又は約30〜約80質量%を占め得る。
フィルム剤形は、典型的に、剥離可能な基底支持体又は紙上にコーティングされた水性のフィルムを蒸発乾燥することによって製造され、それは、乾燥オーブン若しくはトンネル(例えば、典型的に組合わせたコーティング乾燥装置)中で、凍結乾燥又は真空オーブンによって行われ得る。
経口投与用の有用な固体製剤は、即時放出製剤及び改良された放出をする製剤を含み得る。改良された放出をする製剤としては、遅延放出、徐放、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム化された放出が挙げられる。好適な改良された放出をする製剤についての一般的な記載に関しては、米国特許第6,106,864号を参照のこと。高エネルギー分散、並びに浸透圧及びコーティング粒子などの他の有用な放出技術の詳細に関して、Verma et al, Pharmaceutical Technology On−line (2001) 25(2):1−14を参照のこと。
また、式1の化合物は、対象の血流、筋肉又は内臓に直接投与され得る。非経口投与に適した手法としては、静脈内、動脈内、腹腔内、クモ膜下腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内及び皮下が挙げられる。非経口投与に適した装置としては、極微針を含む針注射、無針注射及び注入装置が挙げられる。
非経口製剤は、典型的に、塩、炭水化物及び緩衝化剤(例えば、pH約3〜約9)などの賦形剤を含有し得る水溶液である。しかしながら、幾つかの適用に関して、式1の化合物は、滅菌非水溶液としてか、又は乾燥形態として、より好適に製剤化され、発熱物質を含まない滅菌水などの好適な媒剤とともに使用される。滅菌条件下における非経口製剤の調製(例えば、凍結乾燥による)は、標準製薬技術を使用して容易に達成され得る。
非経口溶液の調製に使用される化合物の溶解度は、溶解度増強剤の取り込みなどの適切な製剤技術を通して増大させてもよい。非経口投与用の製剤は、即時放出又は改良された放出をするように製剤化され得る。改良された放出をする製剤としては、遅延放出、徐放、パルス放出、制御放出、標的放出及びプログラム化された放出が挙げられる。よって、活性化合物の改良された放出を与える埋め込みデポ剤として投与するために、式1の化合物は、懸濁液、固体、半固体又はチキソトロープ液として製剤化され得る。そのような製剤の例として、薬物被覆ステント及びPGLAポリ(DL−乳酸−コグリコール)酸(PGLA)ミクロスフェアを含む懸濁液が挙げられる。
式1の化合物はまた、皮膚又は粘膜に、皮内又は経皮的に、局所投与され得る。この目的のための典型的な製剤としては、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散布剤、包帯、発泡体、フィルム剤、皮膚貼付剤、ウエハー、インプラント、スポンジ、繊維、帯具及びマイクロエマルジョンが挙げられる。リポソームもまた、使用され得る。典型的な担体としては、アルコール、水、鉱油、流動ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール及びプロピレングリコールが挙げられる。浸透促進剤もまた含まれ得る。例えば、Finnin and Morgan, J. Pharm. Sci. 88(10):955−958 (1999)を参照のこと。
局所投与の他の手段としては、エレクトロポレーション、イオントフォレシス、フォノフォレシス、ソノフォレシス及び極微針注射又は無針注射(例えば、Powderject(商標)、Bioject(商標)など)による送達が挙げられる。局所投与用の製剤は、上記のように即時放出又は改良された放出をするように製剤化され得る。
また、式1の化合物は、典型的には、乾燥粉末の形態、エアロゾルスプレー又は点鼻剤として、鼻腔内又は吸入によって投与され得る。吸入器を使用して、API単独か、APIとラクトースなどの希釈剤の粉末配合か、又はAPIとホスファチジルコリンなどのリン脂質を含む混合成分粒子を含む乾燥粉末を投与し得る。鼻腔内使用に関して、粉末は、生物接着剤(bioadhesive agent)、例えば、キトサン又はシクロデキストリンを含み得る。加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー又はネブライザーを使用して、API、APIの分散、可溶化又は放出延長するための1つ以上の薬剤(例えば、含水エタノール又は無水エタノール)、高圧ガスとしての役割をする1つ以上の溶媒(1,1,1,2−テトラフルオロエタン又は1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなど)、及びソルビタントリオレート、オレイン酸若しくはオリゴ乳酸のような有意の界面活性剤を含む溶液又は懸濁液から、エアロゾルスプレーを作り出し得る。電気流体力学を使用するアトマイザーを使用して、細かいミストを作り出し得る。
乾燥粉末又は懸濁製剤に使用する前に、通常、薬品は、吸入によって送達するのに適したサイズ(典型的に、体積にして、90%の粒子が、最大でも5マイクロメートル未満)に粉砕する。これは、スパイラルジェット製粉、流動床ジェット製粉、超臨界流体加工、高圧ホモジナイゼーション又は噴霧乾燥などの、任意の適切な粉砕方法によって達成され得る。
吸入器(inhaler)又は吸入器(insufflator)に使用するための、カプセル、ブリスター及びカートリッジ(例えば、ゼラチン又はヒドロキシプロピルメチルセルロースから作られる)は、活性化合物の粉末混合物、ラクトース又はデンプンなどの好適な粉末基剤及びL−ロイシン、マンニトール又は硫酸マグネシウムのような性能変性剤(performancemodifier)を含有するように製剤化され得る。ラクトースは、無水物であっても、一水和物であってもよい。他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース及びトレハロースが挙げられる。
微細ミストを作り出すための電気流体力学を使用するアトマイザーでの使用に適切な溶液製剤は、一作動あたり約1μg〜約20mgのAPIを含有し、作動体積は、約1μL〜約100μLで変わり得る。典型的な製剤は、1つ以上の式1の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール及び塩化ナトリウムを含み得る。プロピレングリコールの代わりに使用され得る代替的な溶媒としては、グリセロール及びポリエチレングリコールが挙げられる。
吸入投与、鼻腔内投与、又はその両方のための製剤は、例えば、PGLAを使用して即時放出又は改良された放出をするように製剤化され得る。メントール又はレボメントール(levomenthol)などの好適な香味剤、又はサッカリン又はサッカリンナトリウムのような甘味剤が、吸入/鼻腔内投与に意図された製剤に添加されてもよい。
乾燥粉末吸入器及びエアロゾルの場合、投薬単位は、定量を送達するバルブによって決められる。単位は、典型的に、APIの約10μg〜約1000μgを含有する定量又は「パフ(puff)」を投与するために用意される。一日総投与量は、典型的に、約100μg〜約10mgの範囲であり、この量は、単回投与又は、より通常は、1日を通しての分割投与で投与され得る。
活性化合物は、例えば、坐剤、ペッサリー又は浣腸の形態で、直腸又は経膣的に投与され得る。ココアバターが昔ながらの坐剤基剤であるが、さまざまな代替物が、必要に応じて使用され得る。直腸又は経膣投与用の製剤は、上記のように即時放出又は改良された放出をするように製剤化され得る。
式1の化合物はまた、等張性pH調節滅菌生理食塩水中で微細化された懸濁液又は溶液の点滴剤の形態で、眼又は耳に直接投与され得る。眼及び耳への投与に適した他の製剤としては、軟膏、ゲル、生物分解性インプラント(例えば、吸収性ゲルスポンジ、コラーゲン)、非生物分解性インプラント(例えば、シリコーン)、ウエハー、レンズ及び微粒子又はニオソーム若しくはリポソームのような小胞系が挙げられる。製剤は、1つ以上のポリマー、及び塩化ベンザルコニウムなどの防腐剤を含み得る。例示的なポリマーとしては、架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース性ポリマー(例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース)、及びヘテロ多糖類ポリマー(例えば、ジェランガム)が挙げられる。このような製剤はまた、イオントフォレシスによっても送達され得る。眼又は耳への投与のための製剤は、上記のように即時放出又は改良された放出をするように製剤化され得る。
それらの溶解度、溶解速度、矯味、生物学的利用能又は安定性を改善するために、式1の化合物を、シクロデキストリン及びその誘導体並びにポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性高分子実体と組み合わせてもよい。例えば、API−シクロデキストリン複合体は、一般的に、ほとんどの投薬形態及び投与の経路に有用である。包接複合体及び非包複合体の両方が使用され得る。APIとの直接複合体化に代わるものとして、シクロデキストリンを、補助添加剤、すなわち、担体、希釈剤又は可溶化剤として使用し得る。アルファ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン及びガンマ−シクロデキストリンがこれらの目的のために一般的に使用される。例えば、国際公開第91/11172号、同第94/02518号及び同第98/55148号を参照のこと。
上述したように、具体的に上記で名前を挙げた化合物を含む、式1の化合物、及びそれらの薬剤的に許容できる複合体、塩、溶媒和物及び水和物は、互いに組み合わされるか、1つ以上の他の活性薬理活性化合物と組合せて、さまざまな疾患、病態及び障害を治療し得る。そのような場合、上記の単回投与形態において組み合わされるか、組成物の同時投与に適したキットの形態で提供され得る。キットは、(1)2つ以上の別々の医薬組成物、そのうちの少なくとも1つが式1の化合物を含有し、及び(2)容器、分包ボトル又は分包ホイル小包などの2つ組成物を別々に保持するための道具を含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセルの包装に使用されるよく知られたブリスターパックである。キットは、異なったタイプの投薬形態(例えば、経口及び非経口)を投与したり、別々の投薬間隔で異なった組成物を投与したり、又は互いに反する異なった医薬組成物を漸増するのに適している。患者のコンプライアンスを支援するために、典型的に、キットは投与の説明書を含み、記憶を助けるものを提供し得る。
ヒト患者への投与には、特許請求及び開示された化合物の一日総投与量は、投与の経路に依存して、典型的に、約0.1mg〜約3000mgの範囲である。例えば、経口投与では、約1mg〜約3000mgの一日総投与量を必要とする一方、静脈内投与では、約0.1mg〜約300mgの一日総投与量のみを必要とし得る。一日総投与量は、単回投与又は分割投与で投与され得、医師の判断で、上記に与えられた典型的な範囲から外れてもよい。これらの投薬量は、約60〜約70kgの質量を有する平均的なヒト対象に基づいているが、医師は、その質量がこの体重範囲から外れる患者(例えば、乳幼児)に対して適切な投与量を決定することができるであろう。
上述したように、式1の化合物は、SYKの阻害がその治療に適応される障害、疾患及び病態を治療するために使用され得る。そのような障害、疾患及び病態は、一般に、SYKの阻害が治療的有用性をもたらす、対象における健康でない状態又は正常でない状態に関連する。より具体的に、そのような障害、疾患及び病態は、例えば、I型過敏症(アレルギー)反応(アレルギー性鼻炎、アレルギー性喘息、及びアトピー性皮膚炎);自己免疫疾患(関節リウマチ、多発性硬化症、全身エリテマトーデス、乾癬、及び免疫性血小板減少性紫斑病);肺の炎症(慢性閉塞性肺疾患)並びに血栓症を含む、免疫系及び炎症にかかわり得る。また、式1の化合物を使用して、例えば、急性脊髄性白血病、B細胞慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫(例えば、マントル細胞リンパ腫)、及びT細胞リンパ腫(例えば、末梢T細胞リンパ腫)などの血液悪性疾患、並びに肺癌(小細胞肺癌及び非小細胞肺癌)、膵癌、及び結腸癌などの上皮性癌(すなわち、上皮性悪性腫瘍)を含む異常な細胞増殖に関連する障害、疾患、及び病を治療し得る。
また、上記の血液悪性疾患及び上皮性癌にくわえて、式1の化合物を使用して、とりわけ、例えば、白血病(慢性骨髄性白血病及び慢性リンパ性白血病);乳癌、泌尿生殖器癌、皮膚癌、骨癌、前立腺癌、及び肝癌;脳腫瘍;喉頭、胆嚢、直腸、副甲状腺、甲状腺、副腎、神経組織、膀胱、頭、首、胃、気管支、及び腎臓の癌;基底細胞癌、扁平上皮癌、転移性皮膚癌、骨肉腫、ユーイング肉腫、細網肉腫(veticulum cell sarcoma)、及びカポジ肉腫;骨髄腫、巨細胞腫瘍、膵島細胞腫瘍、急性及び慢性リンパ球及び顆粒球腫瘍、有毛細胞腫瘍、腺腫、髄様癌、褐色細胞腫、粘膜神経腫、腸神経節神経腫、過形成性角膜神経腫瘍、マルファン体質腫瘍(marfanoid habitus tumor)、ウィルムス腫瘍、精上皮腫、卵巣腫瘍、平滑筋腫瘍(leiomyomater tumor)、頸部形成異常、神経芽細胞腫、網膜芽腫、骨髄異形成症候群、横紋筋肉腫、星状細胞腫、非ホジキンリンパ腫、悪性高カルシウム血症、真性赤血球増加症(polycythermia vera)、腺癌、多形神経膠芽腫、神経膠腫、リンパ腫、及び悪性黒色腫などの他のタイプの癌も治療し得る。
また、癌にくわえて、式1の化合物を使用して、とりわけ、例えば、非悪性増殖性疾患、良性前立腺肥大、再狭窄(restensosis)、過形成、滑膜増殖障害、網膜症又は他の目の新生血管障害などの異常な細胞増殖に関連するその他の疾患も治療し得る。
また、式1の化合物を使用して、上記に列挙したものにくわえて自己免疫障害も治療し得る。そのような障害、疾患、及び状態としては、とりわけ、クローン病、皮膚筋炎、1型糖尿病、グッドパスチャー症候群、グレーブス病、ギラン−バレー症候群、橋本病、混合性結合組織疾患、重症筋無力症、ナルコレプシー、尋常性天疱瘡、悪性貧血、多発性筋炎、原発性胆汁性肝硬変、シェーグレン症候群、側頭動脈炎、潰瘍性大腸炎、血管炎、及びウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。
さらに、式1の化合物を使用して、例えば、喘息、慢性炎症、慢性前立腺炎、糸球体腎炎、過敏症、炎症性腸疾患(クローン病にくわえて潰瘍性大腸炎)、骨盤内炎症性疾患、再潅流損傷、移植による拒否反応、移植片対宿主病、血管炎、及び全身性炎症反応症候群を含む炎症性の障害を治療し得る。
また、式1の化合物を使用して、例えば関節炎などの、上記の一般的な障害1つ以上に含まれる特異的疾患も治療し得る。小児及び青年における関節リウマチ、シェーグレン症候群、全身エリテマトーデス、SLEにくわえて、式1の化合物を使用して、とりわけ、例えば、強直性脊椎炎、無腐性壊死、ベーチェット病、滑液包炎、ピロリン酸カルシウム二水和物(dihyrate)結晶沈着症(偽痛風)、手根管症候群、エーラー・ダンロス症候群、線維筋痛、第5病、巨細胞腫瘍、痛風、若年性皮膚筋炎、若年性関節リウマチ、若年性脊椎関節症(spondyloarthopathy)、ライム病、マルファン症候群、筋炎、変形性関節症、骨形成不全症、骨粗鬆症、パジェット病、乾癬性関節炎、レイノー現象、反応性関節炎、反射交感神経ジストロフィー症候群、強皮症、脊髄の狭窄、スティル病、及び腱炎などの他の関節炎疾患も治療し得る。
特許請求及び開示された化合物を、免疫系、炎症、及び異常細胞増殖にかかわる障害、疾患及び病態を含む、SYKの阻害が治療に適応される障害、疾患及び病態の1つ以上を治療するための薬理活性組成物又は治療の1つ以上と組み合わせ得る。例えば、具体的に上記で名前を挙げた化合物を含む、式1の化合物、及びそれらの薬剤的に許容できる複合体、塩、溶媒和物及び水和物は、例えば、関節リウマチ及び変形性関節症を含む関節炎を治療するため、又は、例えば急性脊髄性白血病、B細胞慢性リンパ性白血病、B細胞リンパ腫などの血液悪性疾患、並びにT細胞リンパ腫、及び肺癌、膵癌、及び結腸癌などの上皮性悪性腫瘍を含む癌を治療するための化合物又は治療の1つ以上と組み合わせて、同時に、連続的に、又は別々に投与され得る。そのような組み合わせは、例えば、より少ない副作用、十分な治療を受けられていない患者集団を治療する能力の改善、又は相乗的な活性といった、著しい治療上の利点を提供し得る。
例えば、関節炎の治療に使用する場合、式1の化合物を、1つ以上の非ステロイド性の抗炎症(inflamatory)剤(NSAID)、鎮痛薬、コルチコステロイド、生物反応修飾物質、及びタンパク質A免疫吸着療法と組み合わせ得る。代替的に又はくわえて、関節リウマチを治療する場合、式1の化合物を、1つ以上の疾患修飾性抗リウマチ薬(DMARD)と組み合わせて、変形性関節症を治療する場合、式1の化合物を、1つ以上の骨粗鬆症剤と組み合わせ得る。
代表的なNSAIDとしては、アパゾン、アスピリン、セレコキシブ、ジクロフェナク(ミソプロストール含有及び非含有)、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸ナトリウム、メフェナム酸、メロキシカム、ナブメトン、ナプロキセン、オキサプロジン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、サリチル酸コリン及びサリチル酸マグネシウム、サルサレート、及びスリンダクが挙げられる。代表的な鎮痛薬としては、アセトアミノフェン及びモルヒネサルフェート、並びにコデイン、ヒドロコドン、オキシコドン、プロポキシフェン、及びトラマドール(すべて、アセトアミノフェン含有又は非含有)が挙げられる。代表的なコルチコステロイドとしては、ベタメタゾン、コーチゾンアセテート、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、及びプレドニゾンが挙げられる。代表的な生物反応修飾物質としては、アダリムマブ、エタネルセプト、及びインフリキシマブなどのTNF−α阻害剤;リツキシマブなどの選択的B細胞阻害剤;アナキンラなどのIL−1阻害剤、並びにアバタセプトなどの選択的な共刺激調節剤が挙げられる。
代表的なDMARDとしては、オーラノフィン(経口金製剤)、アザチオプリン、クロラムブシル、シクロホスファミド、シクロスポリン、金チオリンゴ酸ナトリウム(注射用金製剤)、ヒドロキシクロロキン、レフルノミド、メトトレキサート、ミノサイクリン、ミコフェノール酸モフェチル(myophenolatemofetil)、ペニシラミン、及びスルファサラジンが挙げられる。代表的な骨粗鬆症剤としては、アレンドロネート、イバンドロネート、リセドロネート、及びゾレドロン酸などのビスホスホネート;ドロロキシフェン、ラソフォキシフェン、及びラロキシフェンなどの選択的エストロゲン受容体調節剤;カルシトニン、エストロゲン、及び副甲状腺ホルモンなどのホルモン;並びにアザチオプリン、シクロスポリン、及びラパマイシンなどの免疫抑制剤が挙げられる。
関節リウマチを治療するための特に役立つ組合せとしては、式1の化合物及びメトトレキサート;式1の化合物並びにレフルノミド、エタネルセプト、アダリムマブ、及びインフリキシマブなどの1つ以上の生物反応修飾物質;又は式1の化合物、メトトレキサート、並びにレフルノミド、エタネルセプト、アダリムマブ、及びインフリキシマブなどの1つ以上の生物反応修飾物質が挙げられる。
血栓(thrombis)及び再狭窄(restensosis)の治療のために、式1の化合物を、カルシウムチャネル遮断剤、スタチン、フィブラート、ベータ遮断剤、ACE阻害剤、及び血小板凝集阻害剤などの心臓血管剤の1つ以上と組み合わせ得る。
また、式1の化合物を、癌を治療するための化合物又は治療の1つ以上と組み合わせ得る。これらのとしては、アルキル化剤、抗生物質、代謝拮抗剤、植物由来薬剤、及びトポイソメラーゼ阻害剤などの化学療法剤(すなわち、細胞毒性薬又は抗腫瘍薬)、並びに腫瘍の増殖及び進行にかかわる特定の分子に干渉することによって癌の増殖及び広がりを阻止する分子目標薬が挙げられる。分子目標薬としては、小分子及び生物製剤の両方が挙げられる。
代表的なアルキル化剤としては、ビスクロロエチルアミン(ナイトロジェンマスタード、例えば、クロラムブシル、シクロホスファミド、イホスファミド、メクロレタミン、メルファラン、及びウラシルマスタード);アジリジン(例えば、チオテパ);アルキルアルカン(alkone)スルホネート(例えば、ブスルファン);ニトロソウレア(例えば、カルムスチン、ロムスチン、及びストレプトゾシン);非古典的アルキル化剤(例えば、アルトレタミン、ダカルバジン、及びプロカルバジン);及び白金化合物(例えば、カルボプラチン、シスプラチン、アクプラ、エルプラット、サトラプラチン、及び四硝酸トリプラチン)が挙げられる。
代表的な抗生薬剤としては、アントラサイクリン(例えば、アクラルビシン、アムルビシン、ダウノマイシン、ドキソルビシン、エピルビシン、イダマイシン、ピラルビシン、バルルビシン、及びゾルビシン);アントラセンジオン(例えば、ノバントロン及びピキサントロン);並びにストレプトミセス(例えば、アクチノマイシン、ブレオマイシン、ダクチノマイシン、マイトマイシンC、及びミトラマイシン)が挙げられる。
代表的な代謝拮抗薬剤としては、ジヒドロ葉酸還元酵素阻害剤(例えば、アミノプテリン、メトトレキサート、及びアリムタ);チミジル酸(hymidylate)合成酵素阻害剤(例えば、ラルチトレキセド及びアリムタ);フォリン酸(例えば、ロイコボリン);アデノシンデアミナーゼ抑制剤(例えば、ペントスタチン);ハロゲン化された/リボヌクレオチド還元酵素阻害剤(例えば、クラドリビン、クロファラビン、及びフルダラビン);チオプリン(例えば、チオグアニン及びメルカプトプリン);チミジル酸シンターゼ阻害剤(例えば、フルオロウラシル、カペシタビン、テガフール、カルモフール、及びフロキシウリジン);DNAポリメラーゼ阻害剤(例えば、シタラビン);リボヌクレオチド還元酵素阻害剤(例えば、ゲムシタビン);低メチル化剤(例えば、アザシチジン及びデシタビン);並びにリボヌクレオチド還元酵素阻害剤(例えば、ヒドロキシ尿素);並びにアスパラギン枯渇剤(例えば、アスパラギナーゼ)が挙げられる。
代表的な植物由来薬剤としては、ビンカアルカロイド(例えば、ビンクリスチン、ビンブラスチン、ビンデシン、ビンゾリジン、及びビノレルビン)、ポドフィロトキシン(例えば、エトポシド及びテニポシド)、並びにタキサン(例えば、タキソテール、ラロタキセル、オルタタキセル、パクリタキセル、及びテセタキセル)が挙げられる。
代表的なI型トポイソメラーゼ阻害剤としては、ベロテカン、イリノテカン、ルビテカン、及びトポテカンなどのカンプトテシンが挙げられる。代表的なII型トポイソメラーゼ阻害剤としては、エピポドフィロトキシンの誘導体である、アムサクリン、エトポシド、エトポシドホスフェート、及びテニポシドが挙げられる。
分子標的治療としては、サイトカイン及び他の免疫調節剤などの生物製剤が挙げられる。有用なサイトカインとしては、インターロイキン−2(IL−2、アルデスロイキン)、インターロイキン−4(IL−4)、インターロイキン−12(IL−12)、及び23を超えるその関連したサブタイプを含む、インターフェロンが挙げられる。他のサイトカインとしては、顆粒球コロニー刺激因子(CSF)(フィルグラスチム)及び顆粒球マクロファージCSF(サルグラモスチム)が挙げられる。他の免疫調節剤としては、カルメット−ゲラン桿菌、レバミゾール、及びオクトレオチド;トラスツズマブ(trastruzumab)及びリツキシマブなどの腫瘍抗原に対するモノクローナル抗体;並びに腫瘍に対する免疫応答を誘導する癌ワクチンが挙げられる。
くわえて、腫瘍の増殖及び進行にかかわる特定の分子に干渉する分子標的薬としては、上皮成長因子(EGF)、トランスフォーミング増殖因子−アルファ(TGFα)、TGFβ、ヘレグリン、インスリン様成長因子(IGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、コロニー刺激因子(CSF)、エリスロポエチン(EPO)、インターロイキン−2(IL−2)、神経成長因子(NGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、肝細胞(hetaptocyte)増殖因子(HGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、アンギオポエチン、上皮成長因子受容体(EGFR)、上皮成長因子受容体2(HER2)、HER4、インスリン様成長因子1受容体(IGF1R)、IGF2R、線維芽細胞成長因子1受容体(FGF1R)、FGF2R、FGF3R、FGF4R、血管内皮成長因子受容体(VEGFR)、免疫グロブリン様及び上皮細胞成長因子様領域をもつチロシンキナーゼ2(Tie−2)、血小板由来成長因子受容体(PDGFR)、Abl、Bcr−Abl、Raf、FMS様チロシンキナーゼ3(FLT3)、c−Kit、Src、プロテインキナーゼC(PKC)、トロポミオシンレセプターキナーゼ(Trk)、Ret、哺乳類ラパマイシン標的タンパク質(mTOR)、オーロラキナーゼ、ポロ様キナーゼ(PLK)、***促進因子活性化タンパク質キナーゼ(MAPK)、間充織上皮転換因子(c−MET)、サイクリン依存キナーゼ(CDK)、Akt、細胞外シグナル調節キナーゼ(ERK)、ポリ(ADP)リボースポリメラーゼ(PARP)などの阻害剤が挙げられる。
特定の分子標的薬としては、タモキシフェン、トレミフェン、フルベストラント、及びラロキシフェンなどの選択的エストロゲンレセプター調節剤;ビカルタミド、ニルタミド、メゲストロール、及びフルタミドなどの抗アンドロゲン薬、;並びにアロマシン、アナストロゾール、及びレトロゾールなどのアロマターゼ阻害剤が挙げられる。他の特定の分子標的薬としては、イマチニブ、スプリセル、ニロチニブ、トラスツズマブ、イレッサ、エルロチニブ、セツキシマブ、タイケルブ、パニツムマブ、及びテムシロリムスなどのシグナル伝達を阻害する薬剤;ベルケイドなどのアポトーシスを誘導する薬剤;ベバシズマブ、ソラフェニブ、及びスニチニブなどの血管新生(angiogensis)を阻止する薬剤;リツキシマブ及びアレムツズマブなどの免疫系が癌(cancel)細胞を破壊するのを助ける薬剤;及びゲムツズマブ・オゾガミシン、トシツモマブ、131I−トシツモマブ(tositumoab)、及びイブリツモマブ・チウキセタンなどの癌細胞に有害分子を送達するモノクローナル抗体が挙げられる。
生物学的活性:SYK阻害
化合物のSYK活性を阻害する能力を、インビトロアッセイ及び生体内アッセイを含むさまざまな方法を使用して評価し得る。以下のインビトロアッセイは、SYKにより媒介される、FAMで標識したSYK特異的基質(5FAM−KKKKEEIYFFFG−NH2)のリン酸化を阻害する、試験化合物の能力を測定する。
SYKタンパク質を、ヒト脾臓チロシンキナーゼをコードするcDNAから調製し、バキュロウイルス発現ベクターを使用して昆虫細胞中で発現させる。cDNA(IMAGE:3542895)は、オープンバイオシステムズから購入する。SYKキナーゼ領域(残基356−635)をPCRを介して増幅し、プラスミドpFastBac1(インビトロジェン)のBamHI/XbaI部位にクローニングする。Met−Ala−Lys−SYK(356−635)−HHHHHHをコードする組換えプラスミドをシーケンシングして、大腸菌DH10Bac株に形質転換する。組換えバクミドDNAを単離し、Sf9昆虫細胞にトランスフェクションする。トランスフェクションの72時間後に、組換えウイルスを集める。約0.01の感染の多重度(MOI)でSf9細胞を感染することによって、高い力価のウィルスストックを調製する。Sf9細胞の懸濁液(10L)を組換えウイルス(MOI=5)で感染し、WaveBioreactor(GE−ヘルスケア)中で、48時間、インキュベーションする。細胞を集め、−80℃にて保存する。
発現したタンパク質を精製するために、凍結Sf9細胞(10L)を、小さな(<1cm)粒子に砕いて、20mM Tris(pH7.6)、0.25mM TCEP、100mM NaCl、5%グリセロール及びプロテアーゼ阻害剤を含有する溶解バッファー(300mL)に懸濁する。その懸濁液を、室温にて完全に溶けるまでかき回し、さらに2〜4分、回転刃ホモジナイザーで溶解する、次いで、4200gで1時間遠心分離する。遠心分離に続いて、上澄みをチーズクロスを通して注ぎ、10mM Tris(pH7.6)、0.25mM TCEP、300mM NaCl、5%グリセロール、及び20mM イミダゾールを含有する洗浄バッファー中で前平衡化したニッケルキレート樹脂(ProbondResin(商標)、インビトロジェン)と混ぜる。混合物を冷蔵室で3時間撹拌し、次いで、900gで10分間遠心分離する。樹脂を洗浄バッファー(50mL)に分散し、10分間900gで遠心分離し、少量の洗浄バッファー(5mL)に再分散して、その後、使い捨てPoly−Prepクロマトグラフィーカラムに注ぐ。クマシーバッファー(約120mLの洗浄バッファー)でタンパク質が観察されなくなるまで、洗浄バッファーを重力によってそのカラムを通す。10mM HEPES(pH7.4)、150mM NaCl、10%グリセロール、5mM DTT、及び400mM イミダゾールを含有する溶出バッファー(30mL)を使用して、樹脂からSYKタンパク質を溶出する。溶出液を濃縮し(5mL)、さらにSuperdex200カラム(1.2mL/分、160分間、10mM HEPES(pH7.4)、10mM NaCl、10mM MgCl、0.1mM EDTA、及び0.25mM TCEP)で精製する。クロマトグラフィーした画分を、SDS−PAGEに流し、必要な画分を溜めて、濃縮する。終送達バッファーは、10mM HEPES(pH7.4)、10mM Methione、150mM NaCl、10%グリセロール、5mM DTTである。
50mM HEPES、10mM NaCl、10mM MgCl2、0.2mM EDTA、0.01%EDA(Brij(登録商標)35)、1mM DTT、及び0.1mg/mLBSAを含有するpH7.3のバッファーで黒色の384ウエルプレート形式を使用して、SYK阻害を測定する。各試験化合物を、DMSO中で連続2倍希釈して、11個のデータ点について調製し、それに、バッファーを加え、各希釈液が3%のDMSO含有とする。各ウェルに、2μLの3μM 5FAM−KKKKEEIYFFFG−NH2(バッファー中)、2μLの希釈された試験化合物(バッファー中3%DMSO)並びに2μLの2.4nM SYK及び45μM ATP(バッファー中)を加える。反応混合物を室温にて60分間インキュベーションし、50mM Hepes、30mM EDTA、0.1%トリトンX−100(pH7.3)を加えることによって反応を止める。蛍光標識基質及び反応後の生成物を定量するために、試験プレートをCaliperLC−3000に載せ、マイクロ流体ベースの分離によって変換の割合を測定する。対応IC50値を、標準IC50方程式対して化合物濃度及び阻害の割合を非線形曲線に当てはめて算出し、pIC50、すなわち−log(IC50)として出す。ここで、IC50はモル濃度である。
以下の例は例示的であり限定されるものでなく、本発明の具体的な実施形態を示す。
1H核磁気共鳴(NMR)スペクトルは、以下の例の多くの化合物に示される。特徴的な化学シフト(δ)は、s(一重項)、d(二重項)、t(三重項)、q(四重項)、m(多重項)、spt(七重項)及びbr(ブロード)を含んで、メジャーピークを指定するために従来の略語を用いて、テトラメチルシランからppm低磁場の中で与えられる。質量スペクトル(m/z)は、エレクトロスプレー・イオン化(ESI)又は大気圧化学イオン化(APCI)のいずれかを用いて記録される。以下の略語は共通の溶媒のために用いられる:CDCl3(ジューテロクロロホルム),DMSO−d6(ジューテロジメチルスルホキシド)、CD3OD(ジューテロメタノール)、及びTHF−d8(ジューテロテトラヒドロフラン)。「アンモニア」とは、溶液比重0.88を有する水の中のアンモニアの濃縮溶液を指す。
指定される場合、特定の調製物及び実施例の生成物は、マストリガー高速液体クロマトグラフィー(HPLC)(例えば、ポンプ:Waters(商標)2525;MS:ZQ(商標);ソフトウェア:MassLynx(商標))、フラッシュクロマトグラフィー又は分取薄層クロマトグラフィー(TLC)により精製される。分取HPLCは、酸性又は塩基性の条件のいずれかを用いて実施される。酸性の条件は、典型的には溶媒A(0.05%のTFAで水)及び溶媒B(0.035%のTFAでアセトニトリル)内の勾配であり;塩基性の条件は、典型的には溶媒A(水の中に10mMのNH4HCO3)及び溶媒B[水/アセトニトリル(20/80)(v/v)中に10mMのNH4HCO3]内の勾配にある。 前記分取HPLC条件では、塩基性と指示がない限り、酸性の条件を用いる。分取薄層クロマトグラフィー(TLC)では、典型的には、シリカゲル60F254プレート上で行った. クロマトグラフィーによる単離後、前記溶媒を取り除き、及び遠心エバポレーター[例えばGeneVac(商標)]、ロータリーエバポレータ、真空フラスコ、凍結乾燥器などの中で乾燥させることにより、前記生成物を得る。不活性(例えば窒素)又は反応性(例えばH2)雰囲気内の反応を、典型的には、約1気圧(14.7psi)以上の圧力で実施した。
調製1:3−(ジフルオロメチル)−5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール
工程A:イソチアゾール−3−イルメタノール
THF(10mL)中のイソチアゾール−3−カルボン酸(500mg、3.87mmol)の撹拌懸濁液に、BH3を添加した。THF(15.49mL、15.49mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を70℃で1時間撹拌し、次いで0℃に冷却し、MeOHにより反応停止処理し、真空中で濃縮した。水を残渣に添加し、混合物をEtOAcで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage(商標)Flash60カラム)で精製し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、表題化合物を黄色油状物として得た(149.9mg、33.6%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 2.45 − 2.76 (m, 1 H), 4.86 (s, 2 H), 7.22 (d, J=4.64 Hz, 1 H), 8.67 (d, J=4.64 Hz, 1 H).
工程B:イソチアゾール−3−カルバルデヒド
EtOAc(5.0mL)中のイソチアゾール−3−イルメタノール(140mg、1.23mmol)の撹拌懸濁液に、二酸化マンガン(700mg、8.05mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌した。続いて、混合物をセライトに通して濾過し、濾液を真空中で濃縮した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Biotage(商標)Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(4:1)で溶出させ、表題化合物を無色油状物として得た(39.8mg、29%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 7.82 (d, J=4.64 Hz, 1 H), 8.74 (d, J=4.60 Hz, 1 H), 10.08 (s, 1 H).
工程C:3−(ジフルオロメチル)イソチアゾール
CH2Cl2(5.0mL)中のイソチアゾール−3−カルバルデヒド(77.6mg、0.686mmol)の撹拌溶液に、三フッ化N,N−ジエチルアミノ硫黄(0.272mL、2.06mmol)を0℃で滴加した。反応混合物を0℃で1時間撹拌し、飽和水性NaHCO3で反応停止処理し、EtOAcで抽出した。抽出物を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルのショートパッドに導通させ(EtOAcで溶出)、真空中で蒸発させて表題化合物を得て、それをさらに精製することなく用いた。
工程D:3−(ジフルオロメチル)−5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール
無水THF(2.0mL)中の3−(ジフルオロメチル)イソチアゾール(93mg、0.688mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(0.473mL、0.757mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。無水THF(0.5mL)中のトリブチルクロロスタンナン(0.223mL、0.826mmol)の溶液を添加し、反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。続いて、溶液を約1時間の時間にわたり室温に温めた。飽和水性NaHCO3を添加し、水相をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、シリカゲルのショートパッドに導通させ(EtOAcで溶出)、真空中で蒸発させて表題化合物を得て、それをさらに精製することなく用いた。
調製2:5−(トリブチルスタンニル)−3−ビニルイソチアゾール
工程A:3−ビニルイソチアゾール
トルエン(2mL)中の3−ブロモイソチアゾール(100mg、0.610mmol)、トリブチル(ビニル)スタンナン(580mg、1.829mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(352mg、0.305mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に45分間加熱した。反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出物をNa2SO上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(19:1)で溶出させ、表題化合物を無色油状物として得た(26.3mg、39%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 5.54 (d, J=10.25 Hz, 1 H), 5.98 (d, J=18.55 Hz, 1 H), 6.86 − 6.95 (m, 1 H), 7.37 (d, J=4.88 Hz, 1 H), 8.59 (d, J=4.90 Hz, 1 H).
工程B:5−(トリブチルスタンニル)−3−ビニルイソチアゾール
無水THF(6.0mL)中の3−ビニルイソチアゾール(300mg、2.70mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(1.855mL、2.97mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した後、無水THF(1.5mL)中のトリブチルクロロスタンナン(0.873mL、3.24mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで1時間の時間にわたり室温に温めた。飽和水性重炭酸ナトリウムを添加し、水相をEtOAcで抽出した。有機相を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(19:1)で溶出させ、表題化合物を薄黄色油状物として得た(472.8mg、44%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 0.90 (t, J=7.32 Hz, 9 H), 1.13 − 1.18 (m, 6 H), 1.34 (sextet, J=7.42 Hz, 6 H), 1.52 − 1.61 (m, 6 H), 5.50 (dd, J=11.23, 0.98 Hz, 1 H), 6.00 (dd, J=17.60, 0.98 Hz, 1 H), 6.96 (dd, J=17.57, 11.23 Hz, 1 H), 7.33 (s, 1 H).
調製3:5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール
無水THF(2.0mL)中のイソチアゾール(100mg、1.175mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(0.808mL、1.292mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。無水THF(0.5mL)中のトリブチルクロロスタンナン(0.380mL、1.410mmol)の溶液を添加し、反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。溶液を1時間の時間にわたり室温に温めた。飽和水性重炭酸ナトリウムを添加し、水相をEtOAcで抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(19:1)で溶出させ、表題化合物を薄黄色油状物として得た(139.3mg,32%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 0.90 (t, J=7.32 Hz, 9 H), 1.14 − 1.20 (m, 6 H), 1.28 − 1.39 (m, 6 H), 1.51 − 1.62 (m, 6 H), 7.27 − 7.32 (m, 1 H), 8.66 (d, J=1.46 Hz, 1 H).
調製4:3−シクロプロピル−5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール
工程A:3−シクロプロピル−5−ヨードイソチアゾール
水(1.4mL)及び氷(5.0cc)懸濁液に、3−シクロプロピルイソチアゾール−5−アミン(500mg、3.57mmol)、続いて濃硫酸(1.4mL)を添加した。水(5.0mL)中の亜硝酸ナトリウム(258mg、3.74mmol)の溶液を0℃で滴加し、混合物を0℃で1時間撹拌した。次に、水(3.5mL)中のヨウ化カリウム(622mg、3.74mmol)の溶液を0℃で滴加し、混合物を80℃で1時間加熱した。酢酸エチルを0℃で添加し、混合物を炭酸カリウムで中和した。有機層を分離し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(19:1)で溶出させ、表題化合物を緑色油状物として得た(356.5mg、40%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 0.92 − 0.98 (m, 2 H), 0.98 − 1.04 (m, 2 H), 2.13 − 2.20 (m, 1 H), 7.06 (s, 1 H).
工程B:3−シクロプロピル−5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール
無水THF(2.0mL)中の3−シクロプロピル−5−ヨードイソチアゾール(100mg、0.398mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(0.299mL、0.478mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。無水THF(2.0mL)トリブチルクロロスタンナン(0.129mL、0.478mmol)の溶液を反応混合物に添加し、それを−78℃で30分間撹拌し、続いて1時間の時間にわたり周囲温度に温めた。飽和水性重炭酸ナトリウムを反応混合物に添加した。水相をEtOAcで抽出し、合わせた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(19:1)で溶出させ、表題化合物を無色油状物として得た(142.8 mg、87%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 0.85 − 0.93 (m, 9 H), 0.95 − 1.05 (m, 4 H), 1.09 − 1.17 (m, 6 H), 1.28 − 1.38 (m, 6 H), 1.47 − 1.61 (m, 6 H), 2.20 − 2.29 (m, 1 H), 6.93 (s, 1 H).
調製5:3−メチル−5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール
無水THF(2.0mL)中の3−メチルイソチアゾール(100mg、1.0mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(0.693mL、1.1mmol)を滴加した。−78℃で60分間撹拌した後、無水THF(0.5mL)中のトリブチルクロロスタンナン(0.326mL、1.210mmol)の溶液を反応混合物に添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで2〜3時間の時間にわたり室温に温めた。飽和水性NaHCO3を添加し、水相をEtOAc(3x50mL)で抽出した。合わせた有機相を無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(9:1)で溶出させ、表題化合物を得た。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 0.86 − 0.94 (m, 9 H), 1.05 − 1.21 (m, 6 H), 1.26 − 1.38 (m, 6 H), 1.44 − 1.65 (m, 6 H), 2.56 (s, 3 H), 6.97 − 7.04 (m, 1 H).
調製6:3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソチアゾール
無水THF(300mL)中の5−ヨード−3−メチルイソチアゾール(59.5g、264mmol)及び2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(50.2g、270mmol)の低温(−25℃)溶液に、THF中の1.3Mイソプロピルマグネシウムリチウムクロリド(218mL、283mmol)を、−15℃〜−25℃の温度を維持する速度で滴加した。添加を完了させた後、反応混合物を−10℃で5分間撹拌した。HPLC分析は、出発物質が消費されたことを示した。THF(40mL)中の酢酸(16.19mL、283mmol)の溶液を反応溶液に0℃でゆっくりと添加した。続いて、ヘキサン(250mL)及びMTBE(150mL)を反応混合物に添加した。固体沈殿物を形成させ、それを、反応混合物をセライトのパッドに導通させることにより濾別した。濾液を回転蒸発で濃縮し、油状残渣を得て、それを激しい撹拌でMTBE(500mL)中で分散させた。さらなる沈殿物を形成させ、それをセライトのパッドを用いて濾別した。濾液を油状物に再度濃縮し、MTBE(200mL)を添加し、さらなる固体沈殿物を形成させ、それをセライトのパッドを用いて濾別した。このプロセスを、MTBEを油状残渣に添加したときに固体が形成されなくなるまで、さらに2回繰り返した。油状物をロータリーエバポレーター中で高真空下で20℃の浴温度で一晩乾燥させ、表題化合物を油状物として得た(49.55g、83%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.37 (s, 12H), 2.56 (s, 3H), 7.41 (s, 1H).
調製7:チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イルボロン酸
無水THF(50mL)中のチエノ[2,3−c]ピリジン(2.040g、15.09mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(6.64mL、16.60mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。トリイソプロピルボラート(4.16mL、18.11mmol)の溶液を添加し、反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。溶液を2時間の時間にわたり室温に温めた。TLCは、反応が完了したことを示した。水性HCl(1N、1000mL)及びDCM(500mL)を反応混合物に添加した。水層及び有機層を分離した。水層を500mLの容量に濃縮し、固体沈殿物を濾過し、乾燥させて表題化合物を淡白色の針形状結晶として得た(2.4g、74%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 8.24 (s, 1 H), 8.41 (d, J=4.80 Hz, 1 H), 8.66 (d, J=6.32 Hz, 1 H), 9.10 (br s, 2 H), 9.72 (br s, 1 H).
調製8:2−(トリブチルスタンニル)チエノ[2,3−c]ピリジン
無水THF(50mL)中のチエノ[2,3−c]ピリジン(524mg、3.88mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(2.66mL、4.26mmol)を滴加した。混合物を−78℃で60分間撹拌した。無水THF(10mL)中のトリブチルクロロスタンナン(1.254mL、4.65mmol)の溶液を添加し、反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。溶液を2〜3時間の時間にわたり室温に温めた。飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。水相をジエチルエーテル(3x200mL)で抽出した。合わせた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、10〜50%EtOAc及びヘキサンの勾配で60分間の時間にわたり溶出させた。所望の画分を回収して表題化合物を澄明油状物として得た(1.1g、67%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 0.86 (t, J=7.32 Hz, 9 H), 1.08 − 1.38 (m, 12 H), 1.45 − 1.71 (m, 6 H), 7.59 (s, 1 H), 7.76 − 7.93 (m, 1 H), 8.41 (s, 1 H), 9.23 (s, 1 H).
調製9:2−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
−78℃のTHF(3.5mL)中のチオフェン(252mg、2.99mmol)の溶液に、n−ブチルリチウム(2.5M、1.3mL、3.2mmol)を、−70℃未満の温度を保持するように滴加した。溶液を−78℃で40分間撹拌した。THF(5mL)中のN−フルオロベンゼンスルホンイミド(987mg、3.1mmol)の溶液を、20分間の時間にわたり添加した。混合物の温度を−10℃に上昇させ、続いて−78℃に冷却した。混合物に、THF(2mL)中のn−ブチルリチウム(2.5M、1.3mL、3.2mmol)及び2−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(580mg、3.1mmol)を添加した。反応を−78℃で30分間継続させ、次いで飽和水性塩化アンモニウム(10mL)で反応停止処理した。有機層を分離し、水相をEtOAc(3x15mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒を除去した後、残渣をフラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=20:1)により精製し、表題化合物を得た(143mg、21%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 1.32 (s, 12 H), 6.55 (d, J=3.6 Hz, 1 H), 7.27 (d, J=3.6 Hz, 1H).
調製10:2−(トリブチルスタンニル)チエノ[2,3−b]ピリジン
無水THF(50mL)中のチエノ[2,3−b]ピリジン(2.000g、14.79mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(10.17mL、16.27mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。無水THF(10mL)のトリブチルクロロスタンナン(4.79mL、17.75mmol)の溶液を添加し、反応混合物を−78℃で30分間撹拌した。溶液を2〜3時間の時間にわたり室温に温めた。飽和水性重炭酸ナトリウムを添加した。水相をエーテル(3x200mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、10〜50%EtOAc及びヘキサンの勾配で60分間の時間にわたり溶出させた。所望の画分を回収し、溶媒を真空中で除去し、表題化合物を得た(4.5g、72%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 0.87 (t, J=7.32 Hz, 9 H), 1.13 − 1.20 (m, 6 H), 1.32 (dq, J=14.64, 7.32 Hz, 6 H), 1.52 − 1.64 (m, 6 H), 7.34 − 7.42 (m, 1 H), 7.51 (s, 1 H), 8.25 (dd, J=7.81, 1.46 Hz, 1 H), 8.50 (dd, J=4.39, 1.46 Hz, 1 H).
調製11:2−(トリブチルスタンニル)チエノ[3,2−c]ピリジン
無水THF(50mL)中のチエノ[3,2−c]ピリジン(2.000g、14.79mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(10.17mL、16.27mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。無水THF(10mL)中のトリブチルクロロスタンナン(4.79mL、17.75mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、溶液を2〜3時間の時間にわたり室温に温めた。飽和水性NaHCO3を添加した。水相をエーテル(3x200mL)で抽出した。有機層を合わせ、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させた。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、10〜50%EtOAc及びヘキサンの勾配で60分間の時間にわたり溶出させた。所望の画分を回収し、表題化合物を澄明油状物として得た(4.2g、67%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 0.79 − 0.94 (m, 9 H), 1.10 − 1.24 (m, 6 H), 1.32 (sextet, J=7.32 Hz, 6 H), 1.51 − 1.66 (m, 6 H), 7.63 − 7.70 (m, 1 H), 8.04 (d, J=5.37 Hz, 1 H), 8.35 (d, J=5.86 Hz, 1 H), 9.16 (d, J=0.98 Hz, 1 H).
調製12:5−シアノベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸
無水THF(5mL)中のベンゾ[b]チオフェン−5−カルボニトリル(276mg、1.734mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(0.763mL、1.907mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。次に、トリイソプロピルボラート(0.478mL、2.080mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−78℃で30分間の撹拌で撹拌し、次いで2時間の時間にわたり室温に温めた。溶媒を除去し、表題化合物を得て、それをさらに精製も後処理もすることなく用いた。
調製13:4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸
工程A:4−フルオロベンゾ[b]チオフェン
DMA(1mL)中の4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−カルボン酸(200mg、1.019mmol)及び1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン(0.457mL、3.06mmol)の混合物を、200℃で1時間加熱した。反応混合物を放冷し、水(100mL)中に注いだ。生成物をヘキサン(2x20mL)で抽出し、1NHCl(100mL)及び1NNaOH(50mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、表題化合物を黄色油状物として得て、さらに精製することなく用いた。
工程B:4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸
無水THF(1mL)中の4−フルオロベンゾ[b]チオフェン(80.4mg、0.528mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(0.363mL、0.581mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。トリイソプロピルボラート(0.146mL、0.634mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで2時間の時間にわたり室温に温めた。TLCは反応の完了を示した。1NHCl(100mL)及びDCM(50mL)を反応混合物に添加した。水層及び有機層を分離した。水層を50mLに濃縮し、固体沈殿物を得て、それを濾過し、乾燥させ、表題化合物を淡白色の針形状結晶として得た。生成物をさらに精製することなく用いた。
調製14:チエノ[3,2−b]ピリジン−2−イルボロン酸塩酸塩
工程A:チエノ[3,2−b]ピリジン
酢酸(5mL)中の7−クロロチエノ[3,2−b]ピリジン(500mg、2.95mmol)及び亜鉛(193mg、2.95mmol)の溶液を室温で3日間撹拌し、続いて50℃で5時間撹拌した。溶媒を真空中で除去し、残渣をDCM(200mL)中で溶解させ、1NNaOH(500mL)で抽出した。水層をDCM(2x200mL)で再度洗浄した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、表題化合物を黄色油状物として得て、それをさらに精製することなく用いた。ESI−MS m/z[M+H]+C7H5NSにおける計算値136;実測値、136。
工程B:チエノ[3,2−b]ピリジン−2−イルボロン酸塩酸塩
無水THF(1mL)中のチエノ[3,2−b]ピリジン(404mg、2.99mmol)の低温(−78℃)溶液に、n−ブチルリチウム(2.055mL、3.29mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌し、その後、トリイソプロピルボラート(0.825mL、3.59mmol)の溶液を添加した。反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、次いで2時間にわたり室温に温めた。UPLCは、反応の完了を示した。溶媒を除去し、DCM(50mL)及び水性1NHCl(50mL)を残渣に添加した。有機層を分離し、水層を回収し、濃縮し、表題化合物のHCl塩を黄色固体として得て、さらに精製することなく用いた。
調製15:2−(4−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
工程A:3−フルオロチオフェン
キノリン(12mL)中に溶解させた3−フルオロチオフェン−2−カルボン酸(1.68g、11.50mmol)を含有する一口丸底フラスコに、亜クロム酸銅(1.789g、5.75mmol)を添加した。丸底フラスコを、温度計及び約0℃に維持された受けフラスコを付けた蒸留ユニットに接続した。反応混合物を最初に150℃で1時間加熱し、次いで185℃で加熱した。揮発物3−フルオロチオフェンは、受けフラスコ中に無色液体としてゆっくり蒸留し始めた。20分後、わずかな真空を適用し、3−フルオロチオフェンの完全な蒸留を確保した一方、キノリンを受けフラスコ中に蒸留させないことを確保するように留意した。蒸留を完了させたら、受けフラスコを密閉し、表題化合物を冷蔵庫中でそれを用いるまで貯蔵した(580mg、99%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 6.72 (dt, J=3.47, 1.29 Hz, 1 H), 6.81 − 6.92 (m, 1 H), 7.19 (dt, J=5.43, 3.35 Hz, 1 H).
工程B:2−(4−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン
[Ir(μ−OMe(COD)](50mg、0.015mmol、3mol%)及び4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(1.292g、9.79mmol)の混合物に、n−ヘキサン(3mL)中の4,4’−ジ−tert−ブチル−2,2’−ビピリジン(0.039g、0.147mmol)の溶液を添加した。反応混合物を1分間撹拌し、次いでヘキサン(3mL)中で溶解させた3−フルオロチオフェン(0.5g、4.90mmol)を含有する容器に添加した。混合物を室温で1時間反応させた。続いて、混合物を蒸発させ、さらに後処理することなく用いた。
調製16:1−メチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール
工程A:(E)−1−((3−ブロモチオフェン−2−イル)メチレン)−2−(ジフェニルメチレン)ヒドラジン
3−ブロモチオフェン−2−カルバルデヒド(8.0g、41.9mmol)及び(ジフェニルメチレン)ヒドラジン(9.45g、48.2mmol)をエタノール(60mL)中で溶解させ、溶液を80℃で一晩加熱した。反応混合物からの揮発物を回転蒸発で除去し、粗生成物を順相シリカゲルクロマトグラフィー(ISCO−Combiflash)により精製し、0〜30%ヘキサン及びEtOAcの勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、蒸発させ、表題化合物をシス/トランス異性体の混合物として得た(15.0g、97%)。ESI−MS m/z[M+H]+C18H13BrN2Sにおける計算値、370;実測値、370。
工程B:(E)−1−(ジフェニルメチレン)−2−((3−(2−(ジフェニルメチレン)ヒドラジニル)チオフェン−2−イル)メチレン)ヒドラジン
トルエン(125mL)中の(E)−1−((3−ブロモチオフェン−2−イル)メチレン)−2−(ジフェニルメチレン)ヒドラジン(15g、40.6mmol,そのZ異性体を含む)及び(ジフェニルメチレン)ヒドラジン(9.57g,48.7mmol)の混合物に、酢酸パラジウム(II)(0.120g、2.031mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(2.252 g、4.06mmol)及びCs2CO3(26.5g、81mmol)を添加した。反応混合物を85℃で14時間撹拌し、続いてトルエン(25mL)で希釈し、濾過し、未溶解固体を除去した。濾液をフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製した。純粋生成物画分を蒸発させ、表題化合物を得た(15.5g、79%)。ESI−MS m/z[M+H]+C31H24N4Sにおける計算値、485;実測値、485。
工程C:1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール
EtOH(125mL)中の(E)−1−(ジフェニルメチレン)−2−((3−(2−(ジフェニルメチレン)ヒドラジニル)チオフェン−2−イル)メチレン)ヒドラジン(15g、31.0mmol)の溶液に、濃HCl(50mL)を添加した。反応混合物を80℃で2時間加熱した。次いで、混合物を飽和水性NaHCO3(20mL)及び固体NaHCO3でpH8〜9に塩基性化し、水溶液をEtOAc(2x250mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、0〜20%ジクロロメタン及びメタノールの勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、蒸発させ、表題化合物を得た(2.8g、73%)。ESI−MS m/z[M+H]+C5H4N2Sにおける計算値、125;実測値、125。
工程D:(a)1−メチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール及び(b)2−メチル−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール
1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(2500mg、20.13mmol)をTHF(45mL)中で窒素下で溶解させ、氷浴中で0℃に冷却した。水素化ナトリウム(966mg、24.16mmol)をゆっくりと添加した。20分後、ヨードメタン(1.511mL、24.16mmol)を滴加し、混合物を室温で1時間反応させた。続いて、反応物を水(20mL)で反応停止処理し、EtOAc(2x60mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。得られたガム状液体をシリカゲルカラム(80g)クロマトグラフィーにより精製し、0〜100%ヘキサン及びEtOAcの勾配で溶出させ、2つの澄明な別個の生成物画分を得た。2つの生成物の一方に対応する画分を合わせ、溶媒を蒸発させ、表題化合物(a)を薄緑色液体として得た(1.45g,53%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 4.03 (s, 3 H), 6.90 (dd, J=5.31, 0.76 Hz, 1 H), 7.38 (d, J=5.31 Hz, 1 H), 7.65 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C6H6N2Sにおける計算値、139;実測値、139.2つの生成物の第2のものに対応する画分を合わせ、溶媒を蒸発させ、表題化合物(b)を薄緑色液体として得た(1.32g,47%)。ESI−MS m/z[M+H]+C6H6N2Sにおける計算値、139;実測値、139。
工程E:1−メチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール
THF(10mL)中の1−メチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(200mg、1.447mmol)の低温(−78℃)混合物に、n−ブチルリチウム(0.637mL、1.592mmol)を窒素雰囲気下で滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。トリブチルクロロスタンナン(0.471mL、1.737mmol)を添加し、反応混合物を−78℃で60分間撹拌し、次いで2時間の時間にわたり室温に温めた。反応物をブライン(20mL)で反応停止処理し、酢酸エチル(2x30mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィーを介して精製し、20%EtOAc及びヘキサンで溶出させ、表題化合物を澄明油状物として得た(420mg、68%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.76 − 0.99 (m, 9 H), 0.99 − 1.22 (m, 6 H), 1.22 − 1.51 (m, 6 H), 1.51 − 1.72 (m, 6 H), 4.02 (s, 3 H), 6.87 (d, J=0.51 Hz, 1 H), 7.58 (s, 1 H).
調製17:(a)1,3−ジメチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール及び(b)2,3−ジメチル−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール
工程A:(E)−1−(1−(3−ブロモチオフェン−2−イル)エチリデン)−2−(ジフェニルメチレン)ヒドラジン
1−(3−ブロモチオフェン−2−イル)エタノン(8.0g、39.0mmol)及び(ジフェニルメチレン)ヒドラジン(8.42g、42.9mmol)を、エタノール(75mL)中で溶解させた。反応混合物を油浴中で80℃で16時間加熱した。反応後、揮発物を蒸発させ、凝縮混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、0〜100%ヘキサン及びEtOAcの勾配で溶出させた。純粋画分を合わせ、蒸発させ、表題化合物を黄色固体として得た(12.5g、84%)。ESI−MS m/z[M+H]+C19H15BrN2Sにおける計算値、384;実測値、384。
工程B:(E)−1−(ジフェニルメチレン)−2−(1−(3−(2−(ジフェニルメチレン)ヒドラジニル)チオフェン−2−イル)エチリデン)ヒドラジン
トルエン(25mL)中の(E)−1−(1−(3−ブロモチオフェン−2−イル)エチリデン)−2−(ジフェニルメチレン)ヒドラジン(12.5g、32.6mmol、そのZ異性体を含む)及び(ジフェニルメチレン)ヒドラジン(7.68g、39.1mmol)の混合物に、酢酸パラジウム(II)(0.385g、6.52mmol)、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(1.808g、3.26mmol)及びCs2CO3(21.25g、65.2mmol)を添加した。反応混合物を、80℃で14時間加熱した。続いて、混合物をトルエン(25mL)で希釈し、濾過し、固体を除去した。濾液を蒸発させ、0〜100%ヘキサン及びEtOAcの勾配を用いてクロマトグラフィーにかけた。純粋生成物画分を合わせ、蒸発させ、表題化合物を得た(12.5g、77%)。ESI−MS m/z[M+H]+C32H26N4Sにおける計算値、499;実測値、499。
工程C:3−メチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール
EtOH(75mL)中の(E)−1−(ジフェニルメチレン)−2−(1−(3−(2−(ジフェニルメチレン)ヒドラジニル)チオフェン−2−イル)エチリデン)ヒドラジン(12.5g、25.07mmol)の混合物に、濃HCl(40mL)を添加した。反応混合物を80℃で2時間加熱し、次いで飽和水性NaHCO3(50mL)及び固体NaHCO3でpH8〜9に塩基性化した。反応混合物をEtOAc(2x250mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。得られた混合物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、0〜20%ジクロロメタン及びメタノールの勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、蒸発させ、表題化合物を黄褐色固体として得た(2.6g、75%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 2.42 − 2.57 (m, 3 H), 6.97 (d, J=5.05 Hz, 1 H), 7.40 (d, J=5.31 Hz, 1 H), 9.04 (br s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C6H6N2Sにおける計算値、139;実測値、139.
工程D:(a)1,3−ジメチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール及び(b)2,3−ジメチル−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール
3−メチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(2g、14.47mmol)をTHF(45mL)中で窒素下で溶解させ、氷浴中で0℃に冷却した。水素化ナトリウム(695mg,17.37mmol)をゆっくりと添加した。20分後、ヨードメタン(1.086mL、17.37mmol)を滴加した。混合物を室温で1時間反応させた。反応混合物を水(20mL)で反応停止処理し、EtOAc(2x60mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。得られたガム状液体をシリカゲルカラム(80g)クロマトグラフィーにより精製し、0〜100%ヘキサン及びEtOAcの勾配で溶出させ、2つの澄明な別個の生成物画分を得た。2つの生成物の一方に対応する画分を合わせ、溶媒を蒸発させ、表題化合物(a)を黒色液体として得た(1.0g、45%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 2.43 (s, 3 H), 3.95 (s, 3 H), 6.84 (d, J=5.31 Hz, 1 H), 7.34 (d, J=5.31 Hz, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C7H8N2Sにおける計算値、153;実測値、153.2つの生成物の第2のものに対応する画分を合わせ、溶媒を蒸発させ、表題化合物(b)を黒色液体として得た(1.354g、62%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 2.48 (s, 3 H), 3.97 (s, 3 H), 7.03 (d, J=5.31 Hz, 1 H), 7.28 (d, J=5.31 Hz, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C7H8N2Sにおける計算値、153;実測値、153.
調製18:1,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール
窒素雰囲気下の1,3−ジメチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(400mg、2.63mmol)及びTHF(15mL)の低温(−78℃)混合物に、n−ブチルリチウム(1.156mL、2.89mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。トリブチルクロロスタンナン(0.855mL、3.15mmol)を添加し、反応混合物を−78℃で60分間撹拌し、次いで1時間の時間にわたり撹拌しながら室温に温めた。反応混合物をブライン(15mL)で反応停止処理し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。得られた残渣を順相シリカゲルカラム(80g)クロマトグラフィーにより精製し、0〜100%ヘキサン及びEtOAcの勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、蒸発させ、表題化合物を澄明油状物として得た(1.060g、91%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.77 − 0.98 (m, 9 H), 1.04 − 1.20 (m, 6 H), 1.25 − 1.47 (m, 6 H), 1.49 − 1.70 (m, 6 H), 2.41 (s, 3 H), 3.94 (s, 3 H), 6.82 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H34N2SSnにおける計算値、443;実測値、443.
調製19:2,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール
窒素雰囲気下の2,3−ジメチル−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(400mg、2.63mmol)及びTHF(15mL)の低温(−78℃)混合物に、n−ブチルリチウム(1.156mL、2.89mmol)を滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌した。トリブチルクロロスタンナン(0.855mL、3.15mmol)を添加し、反応混合物を−78℃で60分間撹拌し、次いで1時間の時間にわたり撹拌しながら室温に温めた。反応混合物をブライン(15mL)で反応停止処理し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させた。得られた残渣をシリカゲルカラム(80g)クロマトグラフィーにより精製し、0〜100%ヘキサン及びEtOAcの勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、蒸発させ、表題化合物を灰色固体として得た(1.060g、2.402mmol、91%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 0.78 − 0.99 (m, 9 H), 1.06 − 1.22 (m, 6 H), 1.23 − 1.46 (m, 6 H), 1.48 − 1.70 (m, 6 H), 2.46 (s, 3 H), 3.96 (s, 3 H), 7.03 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H34N2SSnにおける計算値、443;実測値、443.
調製20:7−(トリブチルスタンニル)−3,4−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン
工程A:4−ヨード−1H−ピロール−2−カルバルデヒド
1H−ピロール−2−カルバルデヒド(7.0g、73.6mmol)及びTHF(50mL)の低温(−78℃)溶液に、1−ヨードピロリジン−2,5−ジオン(19.87g、88mmol)を20分間の時間にわたり分けて添加した。混合物の温度を−78℃に2時間維持した。続いて、反応物を水(20mL)及びヘキサン(100mL)で反応停止処理し、混合物を室温に温めた。有機層及び水層を分離した。水層をヘキサン(100mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、表題化合物を得た(14g、86%)。ESI−MS m/z[M+H]+C5H4INOにおける計算値、221;実測値、221。
工程B:1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヨード−1I−ピロール−2−カルバルデヒド
4−ヨード−1H−ピロール−2−カルバルデヒド(5g、22.62mmol)及びジオキサン(25mL)の溶液に、KOH(3.81g、67.9mmol)、続いて2−ブロモエタノール(3.31mL、45.2mmol)を添加した。混合物を60℃で16時間反応させ、次いで室温に冷却した。pHを酢酸の添加により約6に調整した。次いで、反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を得て、それを水及び酢酸エチル間で分配した。有機相を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で濃縮し、残渣を得た。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、ヘキサン及びEtOAcの0〜100%勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、蒸発させ、表題化合物を得た(3.4g、57%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 3.84 − 3.96 (m, 2 H), 4.39 − 4.54 (m, 2 H), 6.99 − 7.15 (m, 2 H), 9.38 − 9.53 (m, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C7H8INO2における計算値、266;実測値、266.
工程C:2−(2−ホルミル−4−ヨード−1H−ピロール−1−イル)エチル4−メチルベンゼンスルホナート
1−(2−ヒドロキシエチル)−4−ヨード−1H−ピロール−2−カルバルデヒド(3.4g、12.83mmol)及びジクロロメタン(25mL)の冷却(0℃)溶液に、Et3N(7.15mL、51.3mmol)を添加した。5分後、4−メチルベンゼン−1−スルホニルクロリド(2.81g、14.75mmol)を15分間の時間にわたり分けて添加し、反応混合物を室温に温めた。室温で一晩反応させた後、水を添加し、得られた層を分離した。水層をジクロロメタン(50mL)で抽出した。有機層を合わせ、飽和水性NaHCO3及びブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、褐色残渣を得た。残渣を石油エーテルで精製して表題化合物を褐色固体として得て、それをさらに精製することなく用いた(3.8g、71%)。ESI−MS m/z[M+H]+C14H14INO4Sにおける計算値、420;実測値、420。
工程D:2−(2−(ヒドロキシメチル)−4−ヨード−1H−ピロール−1−イル)エチル4−メチルベンゼンスルホナート
2−(2−ホルミル−4−ヨード−1H−ピロール−1−イル)エチル4−メチルベンゼンスルホナート(3.5g、8.35mmol)及びEtOH(25mL)の冷却(0℃)溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.164g、4.34mmol)をゆっくりと添加した。30分後、反応混合物を室温に温め、さらに1時間反応させた。反応混合物のpHを約6に調整した。溶媒を、ロータリーエバポレーターを使用して除去し、得られた残渣を水及びジクロロメタン間で分配した。有機相を水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮した。得られた残渣をエーテル及びヘキサンの混合物中で懸濁させ、次いで濾過し、表題化合物を淡白色固体として得た(2.75g、78%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 2.42 (s, 3 H), 4.05 − 4.21 (m, 2 H), 4.21 − 4.36 (m, 4 H), 5.00 (t, J=5.18 Hz, 1 H), 6.00 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 6.75 (d, J=1.77 Hz, 1 H), 7.43 (m, J=8.34 Hz, 2 H), 7.64 (m, J=8.34 Hz, 2 H). ESI−MS m/z [M+H]+C14H16INO4Sにおける計算値、422;実測値、404.
工程E:7−ヨード−3,4−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン
水素化ナトリウム(0.261g、6.53mmol)及びTHF(10mL)の撹拌混合物に、2−(2−(ヒドロキシメチル)−4−ヨード−1H−ピロール−1−イル)エチル4−メチルベンゼンスルホナート(2.75g、6.53mmol)及びTHF(25mL)の溶液をゆっくりと添加した。反応混合物を室温で30時間撹拌し、次いで水(20mL)で希釈し、EtOAc(2x60mL)で抽出した。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、シリカゲルカラム(80g)クロマトグラフィーを用いて精製し、0〜100%ヘキサン及びEtOAcの勾配で溶出させた。純粋化合物画分を合わせ、蒸発させ、表題化合物を黄褐色固体として得て、それは静置時に緑色に変化した(1.02g、63%)。ESI−MS m/z[M+H]+C7H8INOにおける計算値、250;実測値、250。
工程F:7−(トリブチルスタンニル)−3,4−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン
7−ヨード−3,4−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン(300mg、1.205mmol)及びTHF(10mL)の低温(−78℃)混合物に、n−ブチルリチウム(0.530mL、1.325mmol)を窒素雰囲気下で滴加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌し、その後、トリブチルクロロスタンナン(0.392mL、1.445mmol)を添加した。反応混合物を−78℃で60分間撹拌し、次いで室温に温め、1時間撹拌した。反応物をブライン(10mL)で反応停止処理し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。有機相を分離し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーを介して精製し、表題化合物を油状物として得て、それをさらに精製することなく用いた(300mg、60%)。
調製21:1,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール
工程A:1,3−ジメチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール
1,3−ジメチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−カルボン酸(2g、10.19mmol)、銅(1.943g、30.6mmol)及びキノリン(10mL、85mmol)の混合物を、Biotage Initiatorマイクロ波中で200℃に1時間加熱した。加熱に続き、混合物を酢酸エチル(3x100mL)及び3NHCl(200mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、10〜40%EtOAc及びヘキサンの勾配で溶出させ、表題化合物を澄明油状物として得た(1.07g、69%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 2.32 (s, 9H), 3.83 (s, 3H), 6.98 (d, J=5.40 Hz, 1H), 7.09 (d, J=4.90 Hz, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C7H8N2Sにおける計算値、153;実測値、153.
工程B:1,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール
1,3−ジメチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール(1.0g、6.57mmol)及びTHF(50mL)の低温(−78℃)混合物に、n−ブチルリチウム(4.52mL、7.23mmol)を滴加し、窒素雰囲気下に置いた。反応混合物を−78℃で1時間撹拌した。この溶液に、トリブチルクロロスタンナン(2.13mL、7.88mmol)を添加し、混合物を−78℃で1時間撹拌し、次いで2時間の時間にわたり室温に温めた。反応物をブライン(100mL)で反応停止処理し、酢酸エチル(2x100mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、20%EtOAc及びヘキサンで溶出させて表題化合物を澄明油状物として得た(1.60g、55%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 0.86 (t, J=7.33 Hz, 9H), 1.02−1.06 (m, 6H), 1.30 (dq, J=7.29, 14.75 Hz, 6H), 1.44−1.64 (m, 6H), 2.31 (s, 3H), 3.80 (s, 3H), 6.94 (s, 1H).
調製22:エチル2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドリジン−7−カルボキシラート
工程A:エチル2−ブロモインドリジン−7−カルボキシラート
DMF(20mL)中の4−ブロモ−1H−ピロール−2−カルバルデヒド(1.00g、5.75mmol)、(E)−エチル4−ブロモブト−2−エノアート(1.555mL、11.49mmol)、及び炭酸カリウム(1.74g、12.6mmol)の混合物を、窒素雰囲気下で室温で一晩撹拌した。反応に続き、溶液を酢酸エチル(2x100mL)及び水(100mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、10〜30%EtOAc及びヘキサンの勾配で溶出させ、溶媒の除去時、表題化合物を紫色固体として得た(350mg、23%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.32 (t, J=7.40 Hz, 3H), 4.31 (q, J=5.40 Hz, 2H), 6.92 (s, 1H), 7.02−7.03 (m, 1H), 7.93 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 8.28−8.29 (m, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C11H10BrNO2における計算値、268;実測値、268.
工程B:エチル2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドリジン−7−カルボキシラート
DMSO(3mL)中のエチル2−ブロモインドリジン−7−カルボキシラート(100mg、0.373mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(227mg、0.895mmol)、PdCl2(dppf)(13.65mg、0.019mmol)、及び酢酸カリウム(110mg、1.12mmol)の混合物を、油浴中で80℃に一晩加熱した。溶液をジエチルエーテル(2x20mL)及び水(30mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮し、表題化合物を得て、それをさらに精製することなく用いた(328mg)。ESI−MS m/z[M+H]+C17H22BNO4における計算値、316;実測値、316.
調製23:6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−オン
工程A:6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−オン
THF(20mL)の2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−オン(300mg、2.48mmol)の混合物を、ブライン浴中で−10℃に冷却した。THF(5mL)中のN−ブロモスクシンイミド(441mg、2.48mmol)を滴加し、反応混合物を−10℃で1時間撹拌した。続いて、反応物を水(100mL)で反応停止処理し、酢酸エチル(2x100mL)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥させ、表題化合物を得て、それをさらに精製することなく用いた(520mg)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 3.02−3.05 (m, 2H), 4.17−4.20 (m, 2H), 6.58 (d, J=4.40 Hz, 1H), 6.67 (d, J=3.90 Hz, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C7H6BrNOにおける計算値、200;実測値、200.
工程B:6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−オン
DMSO(12mL)中の6−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−オン(520mg、2.60mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(1584mg、6.24mmol)、PdCl2(dppf)(95mg、0.130mmol)、及び酢酸カリウム(765mg、7.80mmol)の混合物を、油浴中で80℃に一晩加熱した。溶液をエーテル(2x20mL)及び水(30mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウム上で乾燥させ、濃縮し、表題化合物を得て、それをさらに精製することなく用いた(1.56g)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.17 (s, 12H), 3.01−3.04 (m, 2H), 4.28−4.30 (m, 2H), 7.51 (s, 1H), 7.92 (s, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C13H18BNO3における計算値、248;実測値、248.
調製24:tert−ブチル(1S,2R)−2−アミノシクロヘキシルカルバマート、(S)−マンデル酸塩
工程A:A.シス−N−(2−アミノシクロヘキシル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
オーバーヘッドスターラー、J−KEM熱電対、及び添加漏斗を備えた12L4口円筒ジャケット容器に、EtOH(2.5L)中のシス−シクロヘキサン−1,2−ジアミン(500.0g、4.378モル)の溶液を窒素下で充填した。容器を−5℃に冷却した。エチルトリフルオロアセタート(521mL、1.00eq、Acrosロット#A0267844)を添加漏斗に充填し、1時間及び45分間の時間にわたり反応混合物に滴加し、EtOH中の表題化合物を得て、それを次の工程にそのまま用いた。
工程B:シス−tert−ブチル2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)シクロヘキシルカルバマート
EtOH(500mL)中のジ−tert−ブチルジカルボナート(1.00kg、4.597モル、1.05eq、Oakwoodロット#D08E)の溶液を調製し、工程AからのEtOH中のシス−N−(2−アミノシクロヘキシル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミドの溶液に35分間の時間にわたり滴加した。添加の間、反応温度を<15℃に維持した。添加が完了したら、溶液は、1時間後にスラリーに変化し、それを4時間撹拌し、EtOH中の表題化合物を得て、それを次に工程にそのまま用いた。
工程C:シス−tert−ブチル2−アミノシクロヘキシルカルバマート
工程BからのEtOH中のシス−tert−ブチル2−(2,2,2−トリフルオロアセトアミド)シクロヘキシルカルバマートの混合物に水(1.0L)中のNaOH(500.0gの50重量%水中溶液、1.42eq)の溶液を15分間の時間にわたり分けて添加した一方、反応温度を<15℃に維持した。添加が完了したら、反応温度を室温に上昇させておき、反応混合物を室温で一晩(16時間)撹拌した。バッチ(6L)を減圧下(約200mBar)で約3.4Lの容量に蒸留した。水(2.0L)を添加し、混合物の容量が約4.0Lになるまで蒸留を継続し(約200mBarで)、溶液は外観が乳状に変化した。バッチを25℃に冷却し、IPAc(3.5L)で希釈し、10分間撹拌した。相分離に続き、水相をIPAc(1.5L)で抽出し、相を分離した。合わせた有機抽出物を水(1.5L)で洗浄し、次いでNaCl(5重量%、1.5L)の水溶液で洗浄した。有機相(5.8L)を、混合物の容量が約2.0Lになるまで減圧下(約200mBar)で蒸留した。これにより、表題化合物をIPAc中の粗ラセミ生成物として得て、それを次の工程にそのまま用いた。プロトンNMR分析は、EtOH(2.3モル%)の存在を示し、KF分析は、水(0.58%)の存在を示した。
工程D:tert−ブチル(1S,2R)−2−アミノシクロヘキシルカルバマート、(S)−マンデル酸塩
工程CからのIPAc中のシス−tert−ブチル2−アミノシクロヘキシルカルバマートの混合物を80℃に加熱し、次いでIPAc(8.0L)中の(S)−マンデル酸(333.0g、2.189モル、0.5eq)の溶液を45分間の時間にわたり添加した一方、反応温度を70℃超に維持した。結晶化は最後の0.5Lのマンデル酸溶液の添加時に開始した(シードは添加しなかった)。添加が完了したら、バッチを82℃に加熱し、窒素下で13時間撹拌し、暗橙色上澄みを有するベージュ色スラリー(静置時に可視)を得た。バッチを25℃に冷却し、26cm直径のブフナー漏斗に通して真空下で2分未満の時間にわたり濾過した。ケーキ状濾過物を5分間調節し、次いでIPAc(1.5L)で洗浄し、それを用いて反応容器をすすいだ。さらに5分間調節した後、ケーキ状濾過物をIPAcすすぎ(1.5L)で再度洗浄した。ケーキ状濾過物を30分間調節し、次いでトレイを真空オーブン中で40〜50℃で5時間乾燥させ、表題化合物を得た(4工程にわたり550g、34%、4−メトキシベンジルクロリドでの誘導体化及び後処理後のキラルHPLC分析で99.1%ee)。
調製25:tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
工程A:tert−ブチル(1S,2R)−2−アミノシクロヘキシルカルバマート(遊離塩基)
磁気スターラーを備えた10Lのcarboyに、tert−ブチル(1S,2R)−2−アミノシクロヘキシルカルバマート、(S)−マンデル酸塩(570.56g、1.5580mol、1.25eq)を充填した。水(2.8L)及びMTBE(2.28L)を添加し、撹拌を開始した。得られた白色スラリーに、2NNaOH溶液(1.25L)を添加した。混合物を室温で30分間撹拌した。相を22L分液漏斗中で分離した。水層をMTBE(2.28L)で抽出し、有機抽出物を合わせ、水(2L)及びブライン(2L)で洗浄し、減圧蒸留装置を備えた5L4口RBFに移した。混合物を減圧下(240〜245torr)で約2Lの容量に約5時間の時間にわたり濃縮した。混合物を室温で一晩貯蔵した。イソプロパノール(2L)を混合物に添加し、それを230〜234torrの真空下で75分間蒸留し、次いで123〜125torrの真空下で2時間40分蒸留し、約2Lの容量を得た。第2回分のIPA(2L)を添加し、混合物を室温で一晩貯蔵した。続いて、混合物を112〜115torrの圧力で5時間蒸留した。イソプロパノール(800mL)を添加し、混合物を114〜116torrの真空下で3時間蒸留した。残渣を室温で一晩貯蔵し、その後、蒸留を114〜116torrの真空下で約2Lの物質が残留するまで4時間継続した。残渣のNMR分析は、MTBEが検出不能であったことを示した。
工程B:tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
tert−ブチル(1S,2R)−2−アミノシクロヘキシルカルバマート(工程A)を含有する5LのRBFに、tert−ブチル4,6−ジクロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(400.0g、1.246mol、1eq)を添加した。この混合物に、IPA(400mL)、DMSO(400mL)及びDIPEA(282mL、1.3eq)を添加した。得られた桃色スラリーを78℃まで加熱し、34時間撹拌した。次いで、混合物を室温に冷却し、週末にわたり撹拌した。HPLC分析は、1.6%の出発物質、4.63%のdes−Boc副生物、72.38%の所望生成物、及び11.23%の異性体の存在を示した。1HNMR分析は、IPA/DMSOの5.49の比を示した。イソプロパノール(200mL)を混合物に添加し、比を6に調整した。スラリーを78℃まで加熱した。水(1.6L)を、混合物の温度を64℃超に保持する速度で1時間の時間にわたり添加した。次いで、混合物を室温に冷却し、一晩撹拌した。翌朝、スラリーをフリットガラス漏斗に通して濾過した。ケーキ状濾過物をIPA/水/DMSO(800mL、6:4:1)及びIPA/水(2x800mL、3:2)で洗浄し、表題化合物を得て、それを一定重量が得られるまで高真空下で40〜45℃で乾燥させた(299.27g、48%収率、96.6%純度)。1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ ppm 1.80 - 1.30 (m, 26 H), 4.04 (m, 1 H), 4.21 (m, 1 H), 4.64 (d, J=0.9 Hz, 1 H), 4.85 (br, 1 H), 6.08 (br, 1 H).
調製26:tert−ブチル4−クロロ−6,7−ジフルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
工程A:2−クロロ−5,6−ジフルオロニコチノニトリル
2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチノニトリル(50g、262mmol)に、噴霧乾燥フッ化カリウム(30g、516mmol)を添加し、直後に無水DMSO(125mL)を添加した。反応混合物を20℃で16〜20時間撹拌した。反応の進行をHPLCにより厳密にモニタリングした。生成物濃度が最大(約79%)に達したとき、反応物を直ちに後処理した。酢酸エチル(1000mL)を反応混合物に添加し、続いて氷(50g)を添加した。次いで、水(500mL)を冷却しながらゆっくりと添加し、温度が25℃を超過しないことを確保した。有機相及び水相を分離した。有機相を水(400mL)で洗浄した。活性炭(12g、Darco G−60、100メッシュ)を添加し、混合物を2時間撹拌した。混合物をセライトのパッドに通して濾過した。濾液を水(400mL)で洗浄し、回転蒸発により約120mLの容量に濃縮した。濃縮物をヘプタン(150mL)で希釈し、得られた溶液を約150mLの容量に濃縮し、固体生成物の沈殿を得た。混合物を室温で30分間撹拌し、濾過した。ケーキ状濾過物をヘプタン(100mL)で洗浄し、乾燥させ、表題化合物を得た(29.5g、65%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 7.92−7.96 (m, 1 H).
工程B:2−クロロ−5,6−ジフルオロニコチンアミド
2−クロロ−5,6−ジフルオロニコチノニトリル(89.66g、514mmol)、アセトアミド(66.8g、1130mmol)、THF(337.5mL)、及び水(113mL)の混合物に、塩化パラジウム(II)(1.822g、10.27mmol)を撹拌しながら添加した。反応混合物を60℃で窒素雰囲気下で18時間撹拌した。続いて、反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(900mL)、ヘキサン(90mL)及び水(180mL)の撹拌混合物に添加した。相を分離し、水層を除去した。有機層を水(180mL)で洗浄し、ロータリーエバポレーター上で29℃で濃縮し、油状物を得て、それは凝固した。固体をヘキサン(270mL)中で懸濁させ、1時間後に濾過した。フラスコをヘキサン(50mL)ですすぎ、そのまま用いた。ケーキ状濾過物をさらなるヘキサン(20mL)で洗浄し、真空オーブン中で40℃で乾燥させ、表題化合物を薄黄褐色固体として得た(82.21g,83%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 7.93 (s br, 1H), 8.10 (s br, 1H), 8.32−8.37 (m 1H).
工程C:4−クロロ−6,7−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
磁気撹拌器を有する不活性250mLの3口丸底フラスコに、LiHMDS(THF中1M、57.3mL、57.3mmol)を添加した。溶液を氷/ブライン浴中で冷却して−4℃の内部温度を達成した。冷却したLiHMDS溶液に、2−メチルテトラヒドロフラン(22mL)及びN,N−ジメチルホルムアミド(8.87mL、115mmol)中に溶解させた2−クロロ−5,6−ジフルオロニコチンアミド(4.41g、22.9mmol)の溶液を滴加した一方、内部温度を+1℃〜−3℃に維持した。反応混合物を約0℃の温度で30分間撹拌した。反応物を、2M水性HCl(74.4mL、149mmol)及びIPAc(75mL)の冷却(0〜5℃)した撹拌混合物に滴加することにより反応停止処理した一方、内部温度を<10℃に維持した。移しが完了したら、二相溶液を分液漏斗に移し、下方水層を除去し、IPAc(75mL)で抽出した。有機層を合わせ、水(25mL)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、ロータリーエバポレーター上で濃縮した。得られた固体をヘプタン(20mL)中で懸濁させ、混合物を90分間撹拌し、濾過した。ケーキ状濾過物をヘプタン(20mL)で洗浄し、乾燥させ、表題化合物を淡白色固体として得た(4.442g、88%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 6.11−6.14 (m, 1H), 6.98 (d, J=8 Hz, 1H), 9.5 (s br, 1H).
工程D:4−クロロ−6,7−ジフルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
磁気撹拌器を有する不活性50mL丸底フラスコに、4−クロロ−6,7−ジフルオロ−1−ヒドロキシ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(4.39g、19.90mmol)及びトリフルオロ酢酸(18.40mL、239mmol)を添加した。固体を撹拌しながら懸濁させ、トリエチルアミン(7.95mL、49.8mmol)を添加した。反応混合物を60℃に加熱し、その温度で30分間撹拌した。続いて、反応混合物を室温に冷却し、MTBE(88mL)に滴加して白色沈殿物を生成した。懸濁液を5℃に45分間冷却した。固体を濾過し、MTBE(20mL)で洗浄し、フィルター上で風乾させ、表題化合物を得た(3.336g、82%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 4.58 (s, 2H), 9.13 (s br, 1H).
工程E:tert−ブチル4−クロロ−6,7−ジフルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
磁気撹拌器を有する50mLの3口丸底フラスコに、4−クロロ−6,7−ジフルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(3.25g、15.89mmol)及びDCM(23mL)を添加した。懸濁液を5℃に冷却し、Et3N(4.43mL、31.8mmol)を添加し、続いてDMAP(0.019g、0.159mmol)を添加した。DCM(6.5mL)中のジ−tert−ブチルジカルボナート(4.16g、19.07mmol)の溶液を2分間の時間にわたり滴加し、その間、反応混合物は暗赤色に変化した。反応混合物を撹拌し、4時間の時間にわたり14℃にゆっくりと温め、その後、HPLC分析は、11%の出発物質が残留したことを示した。さらなるDMAP(0.019g、0.159mmol)を添加し、1時間以内に出発物質の完全な消費を提供した。次いで、反応懸濁液をIPA(65mL)に添加した。赤色懸濁液を5℃に5分間冷却してから、固体を濾過し、IPA(10mL)で洗浄し、真空オーブン中で45℃で一晩乾燥させ、表題化合物を赤色がかった固体として得た(3.87g、80%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.53 (s, 9H), 4.94 (s, 2H).
調製27:tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
tert−ブチル4−クロロ−6,7−ジフルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(42.5g、139mmol)及びtert−ブチル(3R,4R)−4−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イルカルバマート(36.2g、167mmol)の混合物に、IPA(425mL)を添加し、続いて4−メチルモルホリン(18.40mL、167mmol)を添加した。反応混合物を60℃で窒素雰囲気下で20時間撹拌した。HPLC分析は、反応が完了したことを示した。続いて、反応混合物を室温に冷却し、水(890mL)をゆっくりと添加した。懸濁液を氷/水浴中で6℃に冷却し、1時間撹拌した。固体を濾過により回収し、水(30mL)で洗浄し、それを用い、反応容器をすすいだ。ケーキ状濾過物ををさらなる水(350mL)で洗浄し、フィルター上で乾燥させた。続いて、ケーキ状濾過物を真空オーブン中で60℃で週末にわたり乾燥させて表題化合物を得た(64.78g、93%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.36 (s, 9 H), 1.50 (s, 9 H), 1.59−1.61 (m, 1 H), 1.97−1.99 (m, 1 H), 1.97−1.99 (m, 1 H), 3.46−3.49 (m, 2 H), 3.80−3.83 (m, 3 H), 4.31−4.33 (m, 1 H), 4.73 (s, 1 H), 6.59 (d, J=7.30 Hz, 1 H), 7.43 (d, J=7.30 Hz, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C22H30ClFN4O6における計算値、501;実測値、501.
調製28:tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(3−メチルイソチアゾール−5−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
方法A:トルエン(10mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(100mg,0.200mmol)、3−メチル−5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール(117mg、0.301mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(116mg、0.100mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に45分間加熱した。反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(4:1)で溶出させ、表題化合物を黄色固体として得た(84.4mg、75%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 1.29 − 1.51 (m, 11 H), 1.53 − 1.70 (m, 11 H), 1.71 − 1.88 (m, 3 H), 2.03 − 2.17 (m, 1 H), 2.58 (s, 3 H), 4.07 − 4.21 (m, 2 H), 4.72 (s, 2 H), 4.89 (br s, 1 H), 6.36 (br s, 1 H), 8.74 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C27H36FN5O5Sにおける計算値、562;実測値、562.
方法B:DMA(110mL)中の3−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)イソチアゾール(24.39g、108mmol)の溶液に、フッ化セシウム(10.76g、70.1mmol)を添加した。CsF添加の間、反応混合物の温度は26℃に上昇した。反応混合物を22℃に冷却し、90分間撹拌した。反応混合物を、反応容器を連続的に排気及び窒素(3×)でパージすることにより脱気した。次いで、脱気したボロン酸塩溶液の一部(25mL)を、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(21.20g、42.5mmol)及びPd−118(Johnson−Matthey、1.448g、2.124mmol)の混合物に添加し、それをDMA(100mL)中で懸濁させ、窒素パージ(3×)により脱気した。反応混合物を80℃に15分間の時間にわたり加熱した。反応混合物の温度が約65℃に達したら、ボロン酸塩溶液の残部を60分間の時間にわたりゆっくりと添加した。次いで、反応混合物を77℃で14時間加熱し、続いて室温に冷却した。反応混合物をEtOAc(2x500mL)及び水(500mL)で抽出した。有機抽出物を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し、5〜20%EtOAc及びヘキサン/ジクロロメタン(1:1)の勾配で溶出させた。得られた褐色固体をEtOAc/ヘキサン(1:9、200mL)で粉砕し、真空濾過を介して回収して粗黄褐色固体として得た(約19g)。粗生成物を絶対エタノール(200mL)中で分散させた。混合物を60℃に1時間加熱し、室温に放冷した。混合物を氷浴中でさらに0℃に冷却した。沈殿物を回収し、乾燥させ、表題化合物を黄褐色固体として得た(13.86g、58%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) d ppm 1.06−1.08 (m, 2H), 1.34 (s, 9H), 1.34−1.36 (m, 2H), 1.53 (s, 9H), 1.55−1.57 (m, 2H), 1.61−1.63 (m, 2H), 2.49 (s, 3H), 3.93−3.94 (m, 1H), 4.10−4.11 (m, 1H), 4.79 (s, 2H), 6.70−6.71 (br s, 1H), 7.16−7.17 (br s, 1H), 8.52 (s, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C27H36FN5O5Sにおける計算値、562;実測値、562.
調製29:4,6−ジクロロ−7−フルオロ−1−ヒドロキシフロ[3,4−c]ピリジン−3(1H)−オン
THF(800mL)中のジイソプロピルアミン(96g、0.94mol)の溶液に、n−ブチルリチウム(379mL、0.95mol、2.5M)を−78℃でゆっくりと添加した。混合物を同一温度で30分間撹拌した。混合物に、THF(500mL)中の2,6−ジクロロ−5−フルオロニコチン酸(90g、0.43mol)を添加した。溶液をさらに2時間撹拌した。混合物に、DMF(154mL、1.94mol)を滴加した。混合物を1時間撹拌し、その後、2NHCl(1.54L)(pH<1)を導入した。続いて、混合物をEtOAcで抽出し、有機層を水性NaHCO3(pH>8)で塩基性化した。水層を分離し、2NHCl(1.2L)(pH<1)で酸性化し、EtOAcで抽出した。有機層を水及びブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させ、濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、得られた残渣をDCMで洗浄し、表題化合物を赤色がかった固体として得た(81.6g、80%)。1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ ppm 6.85 (s, 1H), 8.83 (s, 1H). [M+H]C7H2Cl2FNO3における計算値、238;実測値、238.
調製30:(E)−2,6−ジクロロ−4−(((2,4−ジメトキシベンジル)イミノ)メチル)−5−フルオロニコチン酸
MeOH(250mL)中の(2,4−ジメトキシフェニル)メタンアミン(40.5g、242.0mmol)の溶液に、4,6−ジクロロ−7−フルオロ−1−ヒドロキシフロ[3,4−c]ピリジン−3(1H)−オン(55.0g、231.0mmol)を添加した。混合物を0.5時間撹拌し、濾過し、石油エーテルで洗浄し、表題化合物を白色固体として得た(73.0g、82%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ ppm 3.75 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.93 (s, 2H), 6.30 (s, 1H), 6.40−6.42 (m, 2H), 7.12 (d, J=8.4 Hz, 1H). [M+H]C16H13Cl2FN2O4における計算値、387;実測値、387.
調製31:4,6−ジクロロ−2−(2,4−ジメトキシベンジル)−7−フルオロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
THF(700mL)中の(E)−2,6−ジクロロ−4−(((2,4−ジメトキシベンジル)イミノ)メチル)−5−フルオロニコチン酸(72.0g、186.5mmol)の混合物に、メチルリチウム(933.0mL、933.0mmol)を−78℃で滴加した。添加が完了した後、溶液をさらに2時間撹拌した。次いで、反応混合物1NHClでpH6に酸性化し、50℃に7時間加熱し、続いてEtOAcで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、無水Na2SO4上で乾燥させた。濃縮した粗製物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、表題化合物を白色固体として得た(14g、15%)。1H NMR (CDCl3, 400 MHz) δ ppm 1.58 (d, J=6.8 Hz, 3H), 3.79 (s, 3H), 3.84 (s, 3H), 4.35 (d, J=14.4 Hz, 1H), 4.52 (q, J=6.8 Hz, 1H), 5.07 (d, J=14.4 Hz, 1H), 6.43−6.45 (m, 2H), 7.28 (d, J=9.2 Hz, 1H). [M+H]C17H15Cl2FN2O3における計算値、385;実測値、385.
調製32:4,6−ジクロロ−7−フルオロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−1N3(2H)−オン
4,6−ジクロロ−2−(2,4−ジメトキシベンジル)−7−フルオロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(14.0g、36.4mmol)を、TFA(70mL)及びトリエチルシラン(5.1g、43.7mmol)中で溶解させた。混合物を加熱還流し、さらなるトリエチルシラン(1.3g、10.9mmol)を赤色溶液が澄明になるまで添加した。TFA及びトリエチルシランを減圧下で除去した。混合物を水性NaHCO3でpH7に塩基性化し、濾過し、表題化合物を得た(7.3g、85%)。1H NMR (DMSO−d6, 400 MHz) δ ppm 1.42 (d, J=6.8 Hz, 3H), 4.92 (q, J=6.8 Hz, 2H), 9.25 (s, 1H). [M+H]C8H5Cl2FN2Oにおける計算値、235;実測値、235.
調製33:tert−ブチル4,6−ジクロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
アセトニトリル(50mL)中の4,6−ジクロロ−7−フルオロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(7.3g、31.1mol)の混合物に、ジ−tert−ブチルジカルボナート(7.5g、34.2mol)を滴加した一方、混合物を氷浴中で撹拌した。添加が完了した後、混合物をさらに0.5時間撹拌した。得られた固体を濾過により回収し、アセトニトリル及び酢酸エチルで洗浄し、白色固体を得た(5.5g、53%)。1H NMR (DMSO−d6) δ ppm 1.53 (s, 9H), 1.61 (d, J=6.8 Hz, 3H), 5.30 (q, J=6.8 Hz, 2H). [M+H]C12H11Cl2FN2O3における計算値、321;実測値、321.
調製34:tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−1−メチル−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
2−プロパノール(7mL)中のtert−ブチル4,6−ジクロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(1g、2.98mmol)の混合物を含有するフラスコに、DMSO(1.2mL)中に溶解させたtert−ブチル((1S,2R)−2−アミノシクロヘキシル)カルバマート(767mg、3.58mmol)を添加し、続いてDIPEA(0.677mL、3.88mmol)を添加した。フラスコに凝縮器及び窒素ブランケットを備え、90℃の油浴中に下げ、反応混合物を16時間撹拌した。続いて、混合物を分取HPLCで精製し、表題化合物を白色固体として得た(490mg、32%)。[M+H]C19H26ClFN4O3における計算値、413;実測値、413。
調製35:tert−ブチル((3R,4R)−4−((4−クロロ−2−(2,4−ジメトキシベンジル)−7−フルオロ−1−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバマート
密閉管に、4,6−ジクロロ−2−(2,4−ジメトキシベンジル)−7−フルオロ−1−メチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン(430mg、1.12mol)、tert−ブチル((3R,4R)−4−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバマート(7.5g、34.2mol)、及びDIPEA(0.97mL、5.58mmol)を添加した。混合物を密閉管中で95℃で72時間加熱した。混合物を分取HPLCで精製し、表題化合物を黄色固体として得た(100mg、16%)。[M+H]C27H34ClFN4O6における計算値、565;実測値、565。
実施例1
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−(ジフルオロメチル)イソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−(ジフルオロメチル)イソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
トルエン(2.0mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(50mg、0.100mmol)、3−(ジフルオロメチル)−5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール(296mg、0.699mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(57.7mg、0.050mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に45分間加熱した。反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、表題化合物を副生物との混合物として得た。粗生成物をさらに精製することなく用いた。
工程B:6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−(ジフルオロメチル)イソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
EtOAc(2.0mL)及びMeOH(10mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−(ジフルオロメチル)イソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(59.8mg、0.100mmol)の撹拌溶液に、4NHCl/ジオキサン(10.0mL、40.0mmol)を添加した。反応混合物を60℃に1時間加熱し、次いで真空中で濃縮した。得られた粗物質をDMF中で再構成し、分取マストリガーLCMSで精製し、H2O(0.05%TFA)中の15〜40%ACN(0.035%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、溶媒を回転蒸発で除去し、表題化合物をTFA塩として得た(0.5mg、1%)。1H NMR (500 MHz, CD3OD) δ ppm 1.89 − 1.96 (m, 1 H), 2.08 − 2.22 (m, 1 H), 3.68 − 3.78 (m, 1 H), 3.87 − 3.96 (m, 1 H), 4.03 − 4.17 (m, 3 H), 4.40 − 4.59 (m, 3 H), 6.65 − 6.95 (m, 1 H), 9.15 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C16H16F3N5O2Sにおける計算値、400;実測値、400.
実施例2
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−エチルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(3−ビニルイソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
トルエン(4.0mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(75mg、0.150mmol)、5−(トリブチルスタンニル)−3−ビニルイソチアゾール(90mg、0.225mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(87mg、0.075mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に45分間加熱した。反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、表題化合物を黄色固体として得た(59.2mg、69%)。ESI−MS m/z[M+H]+C27H34FN5O6Sにおける計算値、576;実測値、576。
工程B:tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−エチルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
MeOH(1.0mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(3−ビニルイソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(58mg、0.101mmol)の撹拌溶液に、Pd/C(30mg、0.282mmol)をN2雰囲気下で添加した。混合物を室温でH2雰囲気下で一晩撹拌した。固体を濾過により除去し、濾液を真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、表題化合物を黄色固体として得た(54.9mg、94%)。1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ ppm 1.36 (t, J=7.57 Hz, 3 H), 1.48 (br s, 9 H), 1.61 (s, 9 H), 1.71 − 1.82 (m, 1 H), 2.20 − 2.33 (m, 1 H), 2.91 (q, J=7.60 Hz, 2 H), 3.64 (t, J=11.72 Hz, 1 H), 3.74 (d, J=11.72 Hz, 1 H), 3.91 − 3.99 (m, 1 H), 4.01 − 4.10 (m, 2 H), 4.23 − 4.34 (m, 1 H), 4.72 (s, 2 H), 5.37 (d, J=6.83 Hz, 1 H), 6.47 (br s, 1 H), 8.78 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C27H36FN5O6Sにおける計算値、578;実測値、578.
工程C:6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−エチルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
MeOH(10mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−エチルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(53mg、0.092mmol)の撹拌溶液に、4NHCl/ジオキサン(10.0mL、40.0mmol)を添加した。混合物を60℃に1時間加熱し、次いで真空中で濃縮した。残渣をEtOAcで粉砕し、濾過した。ケーキ状濾過物をEtOAcで洗浄し、黄色固体を得て、それをEtOH中に懸濁させた。混合物を80℃で30分間撹拌し、次いで室温に冷却した。得られた沈殿物を濾過により回収し、EtOHで洗浄し、表題化合物の塩酸塩を淡白色固体として得た(26.8mg,70%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.26 (t, J=7.57 Hz, 3 H), 1.74 − 1.83 (m, 1 H), 2.07 − 2.20 (m, 1 H), 2.81 (q, J=7.60 Hz, 2 H), 3.57 − 3.67 (m, 1 H), 3.73 − 3.84 (m, 2 H), 3.96 − 4.09 (m, 2 H), 4.28 − 4.36 (m, 1 H), 4.43 − 4.53 (m, 2 H), 7.46 (d, J=5.37 Hz, 1 H), 8.05 (br s, 3 H), 8.68 (s, 1 H), 8.80 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C17H20FN5O2Sにおける計算値、378;実測値、378.
実施例3
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−4−(3−エチルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(3−ビニルイソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
トルエン(4.0mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(80mg、0.160mmol)、5−(トリブチルスタンニル)−3−ビニルイソチアゾール(96mg、0.240mmol)、及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(93mg、0.080mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に45分間加熱した。続いて、反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、表題化合物を黄色固体として得て、それをさらに精製することなく用いた(81.3mg、88%)。ESI−MS m/z[M+H]+C28H36FN5O5Sにおける計算値、574;実測値、574。
工程B:tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(3−ビニルイソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
MeOH(1.0mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(3−ビニルイソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(80mg、0.139mmol)の撹拌溶液に、Pd/C(30mg、0.282mmol)をN2雰囲気下で添加した。混合物を室温でH2雰囲気下で一晩撹拌した。固体を濾過により回収し、濾液を真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、表題化合物を黄色固体として得た。ESI−MS m/z[M+H]+C28H38FN5O5Sにおける計算値、576;実測値、576。
工程C:6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−4−(3−エチルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
MeOH(1.0mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−(3−エチルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(80mg、0.139mmol)の撹拌溶液に、4NHCl/ジオキサン(1.0mL、4.00mmol)を添加した。混合物を60℃に1時間加熱し、続いて真空中で濃縮した。残渣をEtOAcで粉砕し、濾過した。ケーキ状濾過物をEtOAcで洗浄し、黄色固体を得て、それをEtOH中に懸濁させた。混合物を80℃で30分間撹拌し、次いで室温に冷却した。得られた沈殿物を濾過により回収し、EtOHで洗浄し、表題化合物の塩酸塩を淡白色固体として得た(20.6mg,36%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.26 (t, J=7.57 Hz, 3 H), 1.39 − 1.55 (m, 2 H), 1.56 − 1.83 (m, 4 H), 1.83 − 2.04 (m, 2 H), 2.81 (q, J=7.65 Hz, 2 H), 3.77 (br s, 1 H), 4.18 − 4.30 (m, 1 H), 4.41 − 4.53 (m, 2 H), 7.16 (d, J=5.86 Hz, 1 H), 7.82 (br s, 3 H), 8.66 (s, 1 H), 8.80 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C18H22FN5OSにおける計算値、376;実測値、376.
実施例4
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(イソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(イソチアゾール−5−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
トルエン(2.0mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(60mg、0.120mmol)、5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール(67.2mg、0.180mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(69.2mg、0.060mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に45分間加熱した。続いて、反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、表題化合物を黄色固体として得た。ESI−MS m/z[M+H]+C25H32FN5O6Sにおける計算値、550;実測値、550。
工程B:6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(イソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
MeOH(1.0mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(イソチアゾール−5−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(65.8mg、0.120mmol)の撹拌溶液に、4NHCl/ジオキサン(1.0mL、4.00mmol)を添加した。反応混合物を60℃に1時間加熱し、続いて真空中で濃縮した。残渣をEtOAcで粉砕し、濾過した。ケーキ状濾過物をEtOAcで洗浄し、黄色固体を得て、それをEtOH中に懸濁させた。混合物を80℃において30分間撹拌し、室温に冷却した。得られた沈殿物を濾過により回収し、EtOHで洗浄し、表題化合物の塩酸塩を淡白色固体として得た(26.5mg,57%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.74 − 1.85 (m, 1 H), 2.08 − 2.23 (m, 1 H), 3.56 − 3.68 (m, 1 H), 3.80 (d, J=11.23 Hz, 2 H), 3.96 − 4.11 (m, 2 H), 4.29 − 4.39 (m, 1 H), 4.42 − 4.55 (m, 2 H), 7.49 (d, J=5.37 Hz, 1 H), 8.08 (br s, 3 H), 8.63 (s, 1 H), 8.71 (s, 1 H), 8.96 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C15H16FN5O2Sにおける計算値、350;実測値、350.
実施例5
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(イソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(イソチアゾール−5−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
トルエン(2.0mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(60mg、0.120mmol)、5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール(67.5mg、0.180mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(69.5mg、0.060mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に45分間加熱した。続いて、反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、表題化合物を黄色固体として得た。ESI−MS m/z M+H]+C26H34FN5O5Sにおける計算値、548;実測値、548。
工程B:6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(イソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
MeOH(1.0mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(イソチアゾール−5−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(65.9mg、0.120mmol)の撹拌溶液に、4NHCl/ジオキサン(1.0mL、4.00mmol)を添加した。反応混合物を60℃に1時間加熱し、続いて真空中で濃縮した。残渣をEtOAcで粉砕し、濾過した。ケーキ状濾過物をEtOAcで洗浄し、黄色固体を得て、それをEtOH中に懸濁させた。混合物を80℃で30分間撹拌し、室温に冷却した。得られた沈殿物を濾過により回収し、EtOHで洗浄し、表題化合物の塩酸塩を淡白色固体として得た(18.6mg、40%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.36 − 1.55 (m, 2 H), 1.58 − 2.06 (m, 6 H), 3.77 (br s, 1 H), 4.17 − 4.33 (m, 1 H), 4.39 − 4.54 (m, 2 H), 7.19 (d, J=5.86 Hz, 1 H), 7.88 (br s, 3 H), 8.62 (d, J=1.95 Hz, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 8.97 (d, J=1.95 Hz, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C16H18FN5OSにおける計算値、348;実測値、348.
実施例6
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−シクロプロピルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−シクロプロピルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
トルエン(10mL)のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(50mg、0.100mmol)、3−シクロプロピル−5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール(62.0mg、0.150mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(34.6mg、0.030mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に45分間加熱した。反応混合物を水中に注ぎ、EtOAcで抽出した。抽出物をNa2SO4上で乾燥させ、真空中で濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(Flash60カラム)により精製し、ヘキサン/EtOAc(1:1)で溶出させ、表題化合物を黄色固体として得て、それをさらに精製することなく用いた(58.9mg、100%)。ESI−MS m/z[M+H]+C28H36FN5O6Sにおける計算値、590;実測値、590。
工程B:6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−シクロプロピルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
MeOH(2.0mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(3−シクロプロピルイソチアゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(58.9mg,0.100mmol)の撹拌溶液に、4NHCl/ジオキサン(2.0mL、8.00mmol)を添加した。反応混合物を60℃に1時間加熱し、次いで真空中で濃縮した。残渣をEtOAcで粉砕し、濾過した。ケーキ状濾過物をEtOAcで洗浄して黄色固体を得て、それをEtOH中に懸濁させた。混合物を80℃で30分間撹拌し、次いで室温に冷却した。得られた沈殿物を濾過により回収し、EtOHで洗浄し、表題化合物の塩酸塩を淡白色固体として得た(26.5mg、62%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 0.82 − 0.92 (m, 2 H), 0.95 − 1.06 (m, 2 H), 1.70 − 1.85 (m, 1 H), 2.07 − 2.17 (m, 1 H), 2.18 − 2.26 (m, 1 H), 3.56 − 3.66 (m, 1 H), 3.72 − 3.84 (m, 2 H), 3.95 − 4.08 (m, 2 H), 4.26 − 4.36 (m, 1 H), 4.41 − 4.53 (m, 2 H), 7.46 (d, J=4.88 Hz, 1 H), 8.02 (br s, 3 H), 8.68 (s, 1 H), 8.72 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C18H20FN5O2Sにおける計算値、390;実測値、390.
実施例7
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
トルエン(3mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(33mg、0.066mmol)、5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸(12.91mg、0.066mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(76mg、0.066mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に30分間加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び飽和水性NaHCO3(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA及びDCM(1:1,10mL)中で分散させた。混合物を室温で60分間撹拌し、次いで濃縮した。得られた粗物質をMeOH及びDCM(6.0mL)中で再構成し、分取HPLCを介して精製し、25〜30%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、溶媒を回転蒸発で除去して乾固し、表題化合物のTFA塩を得た(12mg、44%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.82 (d, J=9.76 Hz, 1 H), 2.15 (d, J=8.30 Hz, 1 H), 3.59 − 3.70 (m, 1 H), 3.82 (s, 1 H), 3.91 (br s, 1 H), 3.98 − 4.11 (m, 2 H), 4.38 (br s, 1 H), 4.43 − 4.55 (m, 2 H), 7.23 − 7.33 (m, 1 H), 7.42 (d, J=4.88 Hz, 1 H), 7.76 (dd, J=9.76, 2.44 Hz, 1 H), 7.93 − 8.03 (m, 3 H), 8.62 − 8.74 (m, 1 H), 9.41 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H18F2N4O2Sにおける計算値、417;実測値、417.
実施例8
5−(6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イル)チオフェン−2−カルボニトリル
ジオキサン(2mL)及びDMF(0.500mL)のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(30mg、0.060mmol)、5−シアノチオフェン−2−イルボロン酸(27.5mg、0.180mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(3.29mg、3.59μmol)及び2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)ビフェニル(1.259mg、3.59μmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して160℃に60分間加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び飽和水性NaHCO3(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で洗浄した。合わせた有機層をNa2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−(5−シアノチオフェン−2−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA及びDCM(10mL)中で分散させた。混合物を室温で60分間撹拌し、次いで濃縮した。得られた粗物質をMeOH及びDCM(10.0mL)中で再構成し、分取HPLCで精製し、20〜25%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、溶媒を回転蒸発で除去して乾固し、表題化合物のTFA塩を得た(3.3mg、15%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.78 (d, J=14.16 Hz, 1 H), 2.04 − 2.21 (m, 1 H), 3.57 − 3.67 (m, 1 H), 3.73 − 3.88 (m, 2 H), 4.01 (d, J=10.74 Hz, 2 H), 4.36 (d, J=11.23 Hz, 1 H), 4.48 (br s, 2 H), 7.47 (br s, 1 H), 7.91 − 8.02 (m, 3 H), 8.73 (br s, 1 H), 9.13 (br s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C17H16FN5O2Sにおける計算値、374;実測値、374.
実施例9
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
表題化合物のTFA塩を、5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸の代わりにチエノ[2,3−c]ピリジン−2−イルボロン酸を用いて実施例7と同様の方法で調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.74 − 1.91 (m, 1 H), 2.12 − 2.26 (m, 1 H), 3.59 − 3.69 (m, 1 H), 3.77 − 3.95 (m, 2 H), 4.00 − 4.13 (m, 2 H), 4.42 (d q, J=12.75, 4.37 Hz, 1 H), 4.53 (d, J=5.37 Hz, 2 H), 7.61 (br s, 1 H), 8.07 (br s, 2 H), 8.21 (br s, 1 H), 8.60 (d, J=5.86 Hz, 1 H), 8.82 (s, 1 H), 9.47 (br s, 1 H), 9.61 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H18FN5O2Sにおける計算値、400;実測値、400.
実施例10
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
トルエン(3mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(53mg、0.106mmol)、2−(トリブチルスタンニル)チエノ[2,3−c]ピリジン(44.9mg、0.106mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(122mg,0.106mmol)の溶液を、マイクロ波中で120℃に60分間加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び飽和水性NaHCO3(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去して中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA及びDCM(10mL)中で分散させた。混合物を室温で60分間撹拌し、次いで濃縮した。得られた粗物質をMeOH及びDCM(10.0mL)中で再構成し、分取HPLCで精製し、10〜25%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、EtOAc(50mL)及び飽和水性NaHCO3(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で抽出した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、表題化合物を得た(5.8mg、14%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.83 (d, J=8.79 Hz, 1 H), 2.10 − 2.27 (m, 1 H), 3.81 − 3.92 (m, 2 H), 3.98 − 4.16 (m, 3 H), 4.34 − 4.48 (m, 1 H), 4.52 (br s, 2 H), 7.55 (d, J=5.37 Hz, 1 H), 7.97 − 8.08 (m, 3 H), 8.53 (br s, 1 H), 8.75 (s, 1 H), 9.34 (br s, 1 H), 9.53 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H18FN5O2Sにおける計算値、400;実測値、400.
実施例11
5−(6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イル)チオフェン−2−カルボニトリル
5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸の代わりに5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)チオフェン−3−カルボニトリルを用いて、実施例7と同様の方法で表題化合物のTFA塩を調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.78 (d, J=12.69 Hz, 1 H), 2.03 − 2.22 (m, 2 H), 3.69 − 3.87 (m, 2 H), 4.01 (d, J=12.20 Hz, 2 H), 4.26 − 4.41 (m, 1 H), 4.43 − 4.53 (m, 2 H), 7.44 (d, J=5.37 Hz, 1 H), 7.96 (br s, 2 H), 8.63 − 8.68 (m, 1 H), 8.71 (s, 1 H), 9.29 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C17H16FN5O2Sにおける計算値、374;実測値、374.
実施例12
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸の代わりに2−(5−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランを用いて、実施例7と同様の方法で表題化合物のTFA塩を調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.72 − 1.81 (m, 1 H), 3.56 − 3.66 (m, 1 H), 3.77 (d, J=11.72 Hz, 2 H), 3.94 − 4.14 (m, 3 H), 4.25 − 4.33 (m, 1 H), 4.38 − 4.52 (m, 2 H), 6.74 − 6.81 (m, 1 H), 7.32 (s, 1 H), 7.92 (br s, 2 H), 8.55 (s, 1 H), 8.80 (t, J=4.15 Hz, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C16H16F2N4O2Sにおける計算値、367;実測値、367.
実施例13
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
2−(トリブチルスタンニル)チエノ[2,3−c]ピリジンの代わりに2−(トリブチルスタンニル)チエノ[2,3−b]ピリジンを用いて、実施例10と同様の方法で表題化合物を調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.82 (d, J=9.76 Hz, 1 H), 2.07 − 2.23 (m, 1 H), 3.62 − 3.70 (m, 1 H), 3.83 (d, J=11.23 Hz, 1 H), 3.92 (br s, 2 H), 4.00 − 4.10 (m, 2 H), 4.34 − 4.42 (m, 1 H), 4.49 (s, 2 H), 7.37 − 7.53 (m, 1 H), 7.99 (d, J=4.39 Hz, 2 H), 8.32 (dd, J=8.06, 1.71 Hz, 1 H), 8.51 − 8.61 (m, 1 H), 8.63 − 8.76 (m, 1 H), 9.43 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H18FN5O2Sにおける計算値、400;実測値、400.
実施例14
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
トルエン(3mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.401mmol)、2−(トリブチルスタンニル)チエノ[2,3−b]ピリジン(340mg、0.802mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(463mg、0.401mmol)の溶液を、102℃に一晩加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び飽和水性NaHCO3(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、5〜50%EtOAc及びヘキサンの勾配で120分間の時間にわたり溶出させた。画分を回収し、表題化合物を得た(85mg、35%)。ESI−MS m/z[M+H]+C30H36FN5O5Sにおける計算値、598;実測値、598.
工程B:6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
DCM(3mL)中のtert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(チエノ[2,3−b]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(85mg、142mmol)の溶液に、4MHCl(10mL)を添加した。反応混合物を60℃で1時間撹拌した。溶媒を除去した後、得られた粗物質をMeOH/DMF/DCM(10.0mL)中で再構成し、分取マストリガーLCMSで精製し、20〜25%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、溶媒を回転蒸発で除去して乾固し、表題化合物のTFA塩を得た(13mg、8%、2工程)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.39 − 2.08 (m, 8 H), 3.88 (br s, 1 H), 4.31 (d, J=3.91 Hz, 1 H), 4.44 − 4.56 (m, 2 H), 7.11 − 7.22 (m, 1 H), 7.38 − 7.46 (m, 1 H), 7.79 (br s, 2 H), 8.32 (dd, J=8.05, 1.71 Hz, 1 H), 8.57 (dd, J=4.64, 1.71 Hz, 1 H), 8.68 (s, 1 H), 9.43 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H20FN5OSにおける計算値、398;実測値、398.
実施例15
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
トルエン(3mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.401mmol)、2−(トリブチルスタンニル)チエノ[2,3−c]ピリジン(510mg、1.202mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(463mg、0.401mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に30分間加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び飽和水性NaHCO3(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、5〜50%EtOAc及びヘキサンの勾配で120分間の時間にわたり溶出させた。画分を回収し、表題化合物を得た(135mg、56%)。
工程B:6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
DCM(3mL)中のtert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(チエノ[2,3−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(135mg、226mmol)の溶液に、DCM中のTFA(1:1、10mL)を添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌した。溶媒を除去した後、得られた粗物質をMeOH/DMF/DCM(10.0mL)中で再構成し、分取マストリガーLCMSで精製し、10〜25%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、溶媒を回転蒸発で除去して乾固し、表題化合物のTFA塩を得た(76mg、48%、2工程)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.48 − 2.06 (m, 8 H), 3.83 (br s, 1 H), 4.34 (d, J=3.28 Hz, 1 H), 4.57 (s, 2 H), 7.35 (d, J=6.06 Hz, 1 H), 7.88 (br s, 2 H), 8.20 (d, J=5.81 Hz, 1 H), 8.58 (d, J=5.81 Hz, 1 H), 8.81 (s, 1 H), 9.47 (s, 1 H), 9.61 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H20FN5OSにおける計算値、398;実測値、398.
実施例16
6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
ジオキサン及び飽和水性NaHCO3(1:1、5mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(300mg、0.601mmol)、5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸(236mg、1.202mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(695mg、0.601mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に30分間加熱した。溶媒を除去した後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、10〜50%EtOAc及びヘキサンの勾配で60分間の時間にわたり溶出させた。画分を回収し、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体を最初にDCM(3mL)中で溶解させ、次いでTFA/DCM(1:1、10mL)中で溶解させ、混合物を60℃で1時間撹拌した。溶媒を除去した後、得られた粗物質をMeOH/DMF/DCM(30.0mL)中で再構成し、分取マストリガーLCMSで精製し、30〜40ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、ACNを回転蒸発で除去した。混合物を飽和水性NaHCO3で中和し、EtOAc(2x300mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過した。有機相を回転蒸発で除去して乾固し、表題化合物を得た(77mg、31%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.36 − 2.09 (m, 8 H), 3.82 (br s, 1 H), 4.31 (d, J=1.95 Hz, 1 H), 4.42 − 4.53 (m, 2 H), 7.13 (d, J=5.86 Hz, 1 H), 7.27 (td, J=8.91, 2.69 Hz, 1 H), 7.56 − 7.82 (m, 3 H), 7.94 − 8.04 (m, 1 H), 8.64 (s, 1 H), 9.41 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C21H20F2N4OSにおける計算値、415;実測値、415.
実施例17
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
2−(トリブチルスタンニル)チエノ[2,3−c]ピリジンの代わりに2−(トリブチルスタンニル)チエノ[3,2−c]ピリジンを用いて、実施例10と同様の方法で表題化合物を調製した。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.82 (d, J=9.35 Hz, 1 H), 2.09 − 2.27 (m, 1 H), 3.57 − 3.69 (m, 1 H), 3.80 − 3.93 (m, 2 H), 3.96 − 4.17 (m, 2 H), 4.40 (td, J=8.53, 4.42 Hz, 1 H), 4.52 (d, J=2.78 Hz, 2 H), 7.60 (d, J=5.31 Hz, 1 H), 8.09 (d, J=4.29 Hz, 2 H), 8.39 (d, J=5.31 Hz, 1 H), 8.58 (d, J=6.06 Hz, 1 H), 8.80 (s, 1 H), 9.46 (s, 1 H), 9.71 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H18FN5O2Sにおける計算値、400;実測値、400.
実施例18
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
トルエン(3mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.399mmol)、2−(トリブチルスタンニル)チエノ[3,2−c]ピリジン(339mg、0.798mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(461mg、0.399mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に30分間加熱した。溶媒を除去した後、粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、10〜50%EtOAc及びヘキサンの勾配で60分間の時間にわたり溶出させた。画分を回収し、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(チエノ[3,2−c]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体を最初にDCM(3mL)中で溶解させ、次いでTFA/DCM(1:1、10mL)中で60℃で1時間溶解させた。溶媒を除去した後、得られた粗物質をMeOH/DMF/DCM(30.0mL)中で再構成し、分取マストリガーLCMSで精製し、30〜40%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、ACNを回転蒸発で除去した。混合物を飽和水性NaHCO3で中和し、EtOAc(2x300mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過した。有機相を回転蒸発で除去して乾固し、表題化合物を得た(30mg、19%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.44 − 2.10 (m, 8 H), 3.82 (br s, 1 H), 4.33 (d, J=3.54 Hz, 1 H), 4.47 (s, 2 H), 7.30 (d, J=6.06 Hz, 1 H), 7.89 (br s, 2 H), 8.39 (d, J=5.05 Hz, 1 H), 8.57 (s, 1 H), 8.77 (s, 1 H), 9.44 (s, 1 H), 9.71 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H20FN5OSにおける計算値、398;実測値、398.
実施例19
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸の代わりに6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸を用いて、実施例7と同様の方法で表題化合物のTFA塩を調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.82 (d, J=9.28 Hz, 1 H), 2.15 (qd, J=12.86, 4.88 Hz, 1 H), 3.59 − 3.69 (m, 1 H), 3.78 − 3.94 (m, 2 H), 4.00 − 4.11 (m, 2 H), 4.34 − 4.42 (m, 1 H), 4.47 (s, 2 H), 7.20 − 7.30 (m, 1 H), 7.41 (d, J=4.88 Hz, 1 H), 7.81 − 7.90 (m, 1 H), 7.91 − 8.00 (m, 3 H), 8.62 − 8.69 (m, 1 H), 9.38 − 9.50 (m, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H18F2N4O2Sにおける計算値、417;実測値、417.
実施例20
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸の代わりに6−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸を用いて、実施例16と同様の方法で表題化合物のTFA塩を調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.42 − 2.07 (m, 8 H), 3.84 (br s, 1 H), 4.32 (d, J=3.42 Hz, 1 H), 4.48 (d, J=4.39 Hz, 2 H), 7.11 (br s, 1 H), 7.25 (td, J=9.03, 2.44 Hz, 1 H), 7.80 (br s, 2 H), 7.88 (dd, J=9.28, 2.44 Hz, 1 H), 7.94 (dd, J=8.79, 5.37 Hz, 1 H), 8.63 (s, 1 H), 9.43 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C21H20F2N4OSにおける計算値、415;実測値、415.
実施例21
2−(6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−5−カルボニトリル
ジオキサン及び飽和水性Na2CO3(3:5、6mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(100mg、0.200mmol)、5−シアノベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸(40.5mg、0.200mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(231mg、0.200mmol)の溶液を、マイクロ波中で120℃に30分間加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び飽和水性NaHCO3(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−(5−シアノベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA及びDCM(1:1、10mL)中で分散させ、混合物を室温で60分間撹拌した。混合物を濃縮し、MeOH及びDCM(10.0mL)中で再構成し、分取HPLCで精製し、10〜25%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、EtOAc(50mL)及び飽和水性NaHCO3(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、表題化合物を得た(26mg、31%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.78 (dd, J=13.42, 4.15 Hz, 1 H), 1.87 − 2.05 (m, 1 H), 3.17 − 3.25 (m, 1 H), 3.45 − 3.57 (m, 1 H), 3.67 (d, J=10.25 Hz, 1 H), 3.80 (br s, 1 H), 3.91 (d, J=11.23 Hz, 1 H), 4.26 (d, J=4.39 Hz, 1 H), 4.43 (s, 2 H), 7.00 (d, J=6.35 Hz, 1 H), 7.72 (dd, J=8.30, 1.46 Hz, 1 H), 8.20 (d, J=8.30 Hz, 1 H), 8.47 (d, J=1.46 Hz, 1 H), 8.61 (s, 1 H), 9.50 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C21H18FN5O2Sにおける計算値、424;実測値、424.
実施例22
2−(6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イル)ベンゾ[b]チオフェン−5−カルボニトリル
5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸の代わりに5−シアノベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸を用いて、実施例16と同様の方法で表題化合物のTFA塩を調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.38 − 2.07 (m, 8 H), 3.83 (br s, 1 H), 4.33 (d, J=3.42 Hz, 1 H), 4.47 − 4.56 (m, 2 H), 7.19 (d, J=5.86 Hz, 1 H), 7.72 − 7.77 (m, 1 H), 7.80 (d, J=4.39 Hz, 2 H), 8.21 (d, J=8.79 Hz, 1 H), 8.49 (d, J=0.98 Hz, 1 H), 8.69 (s, 1 H), 9.51 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C22H20FN5OSにおける計算値、422;実測値、422.
実施例23
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
5−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸の代わりに4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸を用いて、実施例7と同様の方式で表題化合物のTFA塩を調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.82 (d, J=9.76 Hz, 1 H), 2.08 − 2.24 (m, 1 H), 3.60 − 3.71 (m, 1 H), 3.81 − 3.88 (m, 1 H), 3.91 (br s, 1 H), 4.00 − 4.12 (m, 2 H), 4.34 − 4.43 (m, 1 H), 4.49 (s, 2 H), 7.17 − 7.26 (m, 1 H), 7.36 − 7.50 (m, 2 H), 7.80 (s, 1 H), 7.98 (br s, 2 H), 8.69 (s, 1 H), 9.52 − 9.63 (m, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H18F2N4O2Sにおける計算値、417;実測値、417.
実施例24
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
ジオキサン及び飽和水性NaHCO3(1:1、5mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(152mg、0.305mmol)、4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸(149mg、0.762mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(352mg、0.305mmol)の溶液を、マイクロ波照射を介して120℃に30分間加熱した。反応混合物をEtOAc(50mL)及び飽和水性NaHCO3(100mL)で希釈した。有機層を分離し、水層をEtOAc(50mL)で洗浄した。有機層を合わせ、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を真空中で除去し、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA及びDCM(1:1、10mL)中で分散させ、室温で60分間撹拌した。混合物を濃縮し、得られた粗物質をMeOH/DCM(10.0mL)中で再構成し、分取HPLCで精製し、30〜50%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。合わせた画分を飽和水性NaHCO3で中和し、EtOAc(2×200mL)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、濾過した。有機相を回転蒸発で除去して乾固し、表題化合物を得た(83mg、66%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.31 − 1.48 (m, 2 H), 1.55 − 1.85 (m, 6 H), 3.17 (s, 2 H), 4.10 (dd, J=6.35, 2.93 Hz, 2 H), 4.45 (s, 2 H), 6.79 (d, J=6.35 Hz, 1 H), 7.19 (dd, J=10.25, 7.81 Hz, 1 H), 7.40 (td, J=8.05, 5.37 Hz, 1 H), 7.82 (d, J=8.30 Hz, 1 H), 8.56 (s, 1 H), 9.56 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C21H20F2N4OSにおける計算値、415;実測値、415.
実施例25
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
5−シアノベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸の代わりにチエノ[3,2−b]ピリジン−2−イルボロン酸を用いて、実施例21と同様の方法で表題化合物を調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.62 − 2.06 (m, 4 H), 3.09 (d, J=1.95 Hz, 1 H), 3.43 − 3.53 (m, 1 H), 3.63 (dd, J=11.72, 1.95 Hz, 1 H), 3.76 (dd, J=11.72, 2.44 Hz, 1 H), 3.89 (dt, J=11.35, 3.60 Hz, 1 H), 4.20 − 4.29 (m, 1 H), 4.47 (s, 2 H), 6.89 (d, J=6.83 Hz, 1 H), 7.36 (dd, J=8.05, 4.64 Hz, 1 H), 8.39 − 8.49 (m, 1 H), 8.55 − 8.71 (m, 2 H), 9.58 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H18FN5O2Sにおける計算値、400;実測値、400.
実施例26
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(チエノ[3,2−b]ピリジン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
4−フルオロベンゾ[b]チオフェン−2−イルボロン酸の代わりにチエノ[3,2−b]ピリジン−2−イルボロン酸を用いて、実施例24と同様の方法で表題化合物を調製した。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.24 (s, 1 H), 1.40 (br s, 3 H), 1.55 − 1.87 (m, 7 H), 3.21 (d, J=2.93 Hz, 1 H), 4.08 (d, J=3.42 Hz, 1 H), 4.37 − 4.52 (m, 2 H), 6.75 (br s, 1 H), 7.25 − 7.38 (m, 1 H), 8.39 − 8.48 (m, 1 H), 8.58 (s, 1 H), 8.65 (dd, J=4.39, 1.46 Hz, 1 H), 9.54 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H20FN5OSにおける計算値、398;実測値、398.
実施例27
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(4−フルオロチオフェン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
DME及び水(4:1)中で溶解させたtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.399mmol)及び2−(4−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(137mg、0.599mmol)を含有する30mLの密閉キャップガラス容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(105mg、0.399mmol)及び第三リン酸カリウム(212mg、1mmol)を添加した。キャップを密閉し、反応混合物を85℃で1時間加熱し、次いで室温に冷却した。混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、溶媒を回転蒸発で除去し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−4−(4−フルオロチオフェン−2−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA(5mL)中で溶解させ、得られた混合物を室温で1時間撹拌し、粗生成物を得て、それを分取HPLCで精製し、15〜50%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を得た(86mg、59%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.78 (d, J=9.60 Hz, 1 H), 2.03 − 2.18 (m, 1 H), 3.53 − 3.68 (m, 1 H), 3.75 (d, J=11.62 Hz, 1 H), 3.85 (br s, 1 H), 4.01 (d, J=12.38 Hz, 2 H), 4.32 (td, J=8.53, 4.17 Hz, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 7.32 (t, J=1.64 Hz, 1 H), 7.40 (d, J=5.31 Hz, 1 H), 7.95 (br s, 3 H), 8.65 (s, 1 H), 8.98 (d, J=1.77 Hz, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C16H16F2N4O2Sにおける計算値、367;実測値、367.
実施例28
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(4−フルオロチオフェン−2−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
DME及び水(4:1)中で溶解させたtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.401mmol)及び2−(4−フルオロチオフェン−2−イル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(137mg、0.601mmol)を含有する30mLの密閉キャップガラス容器に、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(105mg、0.401mmol)及び第三リン酸カリウム(212mg、1mmol)を添加した。キャップを密閉し、反応混合物を85℃で4時間加熱し、次いで室温に冷却した。混合物を水で希釈し、EtOAc(2×25mL)で抽出した。有機層を合わせ、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(4−フルオロチオフェン−2−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA(5mL)中で溶解させ、室温で2時間撹拌した。混合物を蒸発させ、分取HPLCにより精製し、15〜50%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(112mg、77%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.29 − 1.54 (m, 2 H), 1.60 (d, J=12.88 Hz, 2 H), 1.66 − 1.81 (m, 2 H), 1.83 − 1.99 (m, 2 H), 3.81 (br s, 1 H), 4.24 (br s, 1 H), 4.45 (d, J=2.27 Hz, 2 H), 7.14 (d, J=5.31 Hz, 1 H), 7.31 (t, J=1.39 Hz, 1 H), 7.79 (br s, 3 H), 8.62 (s, 1 H), 8.97 (d, J=1.77 Hz, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C17H18F2N4OSにおける計算値、365;実測値、365.
実施例29
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラス容器中で、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(102mg、0.205mmol)、1−メチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(175mg、0.410mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(118mg、0.102mmol)を、トルエン(5mL)中で溶解させた。キャップを密閉し、反応混合物を油浴中で90℃で2時間加熱した。反応混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA(5mL)中で溶解させ、反応混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮し、DMSO(5mL)中で溶解させ、分取HPLCで精製し、15〜65%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(75mg、91%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.28 − 1.55 (m, 2 H), 1.60 (d, J=14.15 Hz, 1 H), 1.67 − 1.93 (m, 3 H), 1.98 (dd, J=13.64, 4.29 Hz, 2 H), 3.85 (br s, 1 H), 3.99 (s, 2 H), 4.24 (d, J=3.54 Hz, 1 H), 4.38 - 4.54 (m, 2 H), 7.14 (d, J=5.81 Hz, 1 H), 7.62 − 7.88 (m, 3 H), 8.62 (s, 1 H), 9.27 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H21FN6OSにおける計算値、401;実測値、401.
実施例30
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラス容器中で、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(119mg、0.238mmol)、1,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(210mg、0.476mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(137mg、0.119mmol)をトルエン(5mL)中で溶解させた。キャップを密閉し、反応混合物を油浴中で90℃で2時間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−4−(1−メチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA(5mL)中で溶解させ、反応混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮し、DMSO(5mL)中で溶解させ、分取HPLCで精製し、15〜50%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(65mg、68%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.79 (d, J=10.86 Hz, 1 H), 2.04 − 2.26 (m, 1 H), 3.55 − 3.68 (m, 2 H), 3.80 (d, J=11.62 Hz, 1 H), 3.89 (br s, 1 H), 3.99 (s, 3 H), 4.02 − 4.06 (m, 1 H), 4.33 (td, J=8.27, 4.67 Hz, 1 H), 4.45 (s, 2 H), 7.40 (d, J=5.05 Hz, 1 H), 7.74 (d, J=0.76 Hz, 1 H), 7.96 (d, J=4.55 Hz, 2 H), 8.65 (s, 1 H), 9.28 (d, J=0.76 Hz, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C18H19FN6O2Sにおける計算値、403;実測値、403.
実施例31
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−4−(1,3−ジメチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラス管中で、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.301mmol)、1,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(265mg、0.601mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(174mg、0.150mmol)をトルエン(5mL)中で溶解させた。キャップを密閉し、反応混合物を油浴中で90℃で2時間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−(1,3−ジメチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA(5mL)中で溶解させ、反応混合物を2時間撹拌した。混合物を濃縮し、DMSO(5mL)中で溶解させ、分取HPLCで精製し、15〜65%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(95mg、72%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.48 (br s, 2 H), 1.43 - 2.03 (m, 6 H), 2.33 (s, 3 H), 3.83 (br s, 1 H), 3.90 (s, 3 H), 4.28 (br s, 1 H), 4.39 − 4.51 (m, 2 H), 7.09 (d, J=5.81 Hz, 1 H), 7.79 (br s, 3 H), 8.61 (s, 1 H), 9.22 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H23FN6OSにおける計算値、415;実測値、415.
実施例32
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(1,3−ジメチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラス管中で、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(119mg、0.238mmol)、1,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(210mg、0.476mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(137mg、0.119mmol)をトルエン(5mL)中で溶解させた。キャップを密閉し、反応混合物を油浴中で90℃で2時間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−(1,3−ジメチル−1H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA(5mL)中で溶解させ、反応混合物を2時間撹拌した。混合物を濃縮し、DMSO(5mL)中で溶解させ、分取HPLCで精製し、15〜65%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(101mg、76%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.79 (d, J=9.60 Hz, 1 H), 2.02 − 2.22 (m, 1 H), 2.33 (br s, 3 H), 3.55 − 3.71 (m, 1 H), 3.82 (d, J=11.62 Hz, 1 H), 3.90 (br s, 3 H), 3.97 − 4.13 (m, 2 H), 4.27 − 4.40 (m, 1 H), 4.41 − 4.53 (m, 2 H), 7.24 − 7.44 (m, 1 H), 7.84 − 8.04 (m, 3 H), 8.63 (br s, 1 H), 9.22 (br s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H21FN6O2Sにおける計算値、417;実測値、417.
実施例33
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−4−(2,3−ジメチル−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラス管中で、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.301mmol)、2,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(265mg、0.601mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(174mg、0.150mmol)をトルエン(5mL)中で溶解させた。キャップを密閉し、反応混合物を油浴中で90℃で2時間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−(2,3−ジメチル−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA(5mL)中で溶解させ、反応混合物を90分間撹拌した。混合物を濃縮し、DMSO(5mL)中で溶解させ、分取HPLCで精製し、20〜30%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(108mg、68.0%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) ppm 1.49 − 2.04 (m, 8 H), 2.45 (s, 3 H), 3.84 (br s, 1 H), 3.92 (s, 3 H), 4.27 (br s, 1 H), 4.35 − 4.51 (m, 2 H), 7.08 (d, J=6.06 Hz, 1 H), 7.78 (br s, 3 H), 8.60 (s, 1 H), 9.25 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H23FN6OSにおける計算値、415;実測値、415.
実施例34
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(2,3−ジメチル−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラス管中で、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(100mg、0.200mmol)、2,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール(176mg、0.399mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(115mg、0.100mmol)をトルエン(5mL)中で溶解させた。キャップを密閉し、反応混合物を油浴中で90℃で2時間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−(2,3−ジメチル−2H−チエノ[3,2−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をTFA(5mL)中で溶解させ、反応混合物を2時間撹拌した。混合物を濃縮し、DMSO(5mL)中で溶解させ、分取HPLCで精製し、10〜60%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(65mg、61%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.80 (d, J=12.38 Hz, 1 H), 1.96 − 2.25 (m, 1 H), 2.46 (s, 3 H), 3.55 − 3.71 (m, 1 H), 3.82 (d, J=11.87 Hz, 1 H), 3.92 (s, 3 H), 4.05 (d, J=11.12 Hz, 3 H), 4.28 − 4.38 (m, 1 H), 4.40 − 4.51 (m, 2 H), 7.37 (d, J=4.80 Hz, 1 H), 7.96 (d, J=4.80 Hz, 3 H), 8.63 (s, 1 H), 9.26 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H21FN6O2Sにおける計算値、417;実測値、417.
実施例35
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−4−(3,4−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−7−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラス管中で、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.301mmol)、7−(トリブチルスタンニル)−3,4−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン(124mg、0.301mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(174mg、0.150mmol)をトルエン(5mL)中で溶解させた。キャップを密閉し、反応混合物を油浴中で90℃で2時間加熱した。後処理に続き、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−(3,4−ジヒドロ−1H−ピロロ[2,1−c][1,4]オキサジン−7−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを分取HPLCにより精製し、55〜95%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、溶媒を回転蒸発で除去し、固体中間体を得た。続いて、中間体をTFA(3mL)中で溶解させ、反応混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮し、DMSO(5mL)中で溶解させ、分取HPLCで精製し、20〜50%ACN(0.035%TFA)及びH2O(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋な画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を薄黄色固体として得た(7.3mg、6.3%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.44 (d, J=7.33 Hz, 2 H), 1.59 (br s, 1 H), 1.63 − 1.92 (m, 4 H), 3.98 (d, J=1.77 Hz, 3 H), 4.26 − 4.46 (m, 3 H), 4.74 (s, 2 H), 6.54 − 6.71 (m, 2 H), 7.74 (br s, 3 H), 8.17 − 8.36 (m, 2 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H24FN5O2における計算値、386;実測値、386.
実施例36
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−4−(1,3−ジメチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
トルエン(3mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(120mg、0.240mmol)、1,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール(212mg、0.481mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(139mg、0.120mmol)の混合物を、Biotage Initiatorマイクロ波中で120℃に30分間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−(1,3−ジメチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、続いてそれをDCM(5mL)及びTFA(5mL)中で溶解させた。得られた溶液を室温で20分間撹拌し、濃縮し、分取HPLCにより精製し、10〜40%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(89mg、89%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.48−1.73 (m, 5H), 1.83−1.97 (m, 3H), 2.35 (s, 3H), 3.78−3.79 (m, 1H), 3.86 (s, 3H), 4.26−4.27 (m, 1H), 4.43 (d, J=4.88 Hz, 2H), 7.02−7.04 (m, 1H), 7.81−7.82 (m, 2H), 8.51 (s, 1H), 9.16 (s, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H23FN6OSにおける計算値、415;実測値、415.
実施例37
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(1,3−ジメチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
トルエン(3mL)中のtert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.399mmol)、1,3−ジメチル−5−(トリブチルスタンニル)−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール(352mg、0.798mmol)及びテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(231mg、0.200mmol)の混合物を、Biotage Initiatorマイクロ波中で120℃に30分間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−(1,3−ジメチル−1H−チエノ[2,3−c]ピラゾール−5−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、続いてそれをDCM(5mL)及びTFA(5mL)中で溶解させた。得られた溶液を室温で20分間撹拌し、濃縮し、分取HPLCにより精製し、10〜30%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(85mg、51%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.79−1.81 (m, 1H), 2.13−2.14 (m, 1H), 2.53 (s, 3H), 3.61−3.63 (m, 1H), 3.85−3.87 (m, 2H), 3.87 (s, 3H), 4.01−4.07 (m, 2H), 4.33−4.35 (m, 1H), 4.44 (d, J=7.80 Hz, 2H), 7.33−47.34 (m, 1H), 8.01−8.02 (m, 2H), 8.53 (s, 1H), 9.16 (s, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H21FN6O2Sにおける計算値、417;実測値、417.
実施例38
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
ジオキサン(4mL)及び飽和水性NaHCO3(1mL)中のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(14.01mg、0.020mmol)、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.399mmol)、及び1−エチル−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(177mg、0.798mmol)の混合物を、Biotage Initiatorマイクロ波中で100℃に1時間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−(1−エチル−1H−ピラゾール−4−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、続いてそれをDCM(5mL)及びTFA(5mL)中で溶解させた。得られた溶液を室温で20分間撹拌し、濃縮し、分取HPLCにより精製し、10〜25%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(87mg、60%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.40 (t, J=7.3 Hz, 3H), 1.75−1.77 (m, 1H), 2.10−2.11 (m, 1H), 3.61−3.63 (m, 1H), 3.85−3.86 (m, 1H), 3.93−3.94 (m, 1H), 3.96−3.98 (m, 2H), 4.18 (q, J=7.32, 2H), 4.47−4.48 (m, 1H), 7.04−7.05 (m, 1H), 7.89−7.91 (m, 2H), 8.30 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 8.88 (s, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C17H21FN6O2における計算値、361;実測値、361.
実施例39
エチル2−(6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イル)インドリジン−7−カルボキシラート
ジオキサン(4mL)及び飽和水性NaHCO3(1mL)中のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(13.09mg、0.019mmol)、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(187mg、0.373mmol)、及びエチル2−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)インドリジン−7−カルボキシラート(118mg、0.373mmol)の混合物を、Biotage Initiatorマイクロ波中で100℃に1時間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−(7−(エトキシカルボニル)インドリジン−2−イル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、続いてそれをDCM(5mL)及びTFA(5mL)中で溶解させた。得られた溶液を室温で20分間撹拌し、濃縮し、分取HPLCにより精製し、10〜40%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、乾燥させ、表題化合物のTFA塩を黄褐色固体として得た。(31mg、18%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.34 (t, J=6.80 Hz, 3H), 1.78−1.81 (m, 1H), 2.11−2.12 (m, 1H), 3.62−3.65 (m, 1H), 3.89−3.91 (m, 1H), 3.94−4.28 (m, 3H), 4.31 (q, J=6.83 Hz, 2H), 4.43 (d, J=8.3 Hz, 2H), 4.53−4.54 (m, 1H), 6.96 (dd, J=1.46, 7.32 Hz, 1H), 7.15 (d, J=4.88 Hz, 1H), 7.71 (s, 1H), 7.92−7.93 (m, 2H), 8.21 (s, 1H), 8.36 (d, J=7.32 Hz, 1H), 8.48 (s, 1H), 9.03 (s, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C23H24FN5O4における計算値、454;実測値、454.
実施例40
2−(6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イル)インドリジン−7−カルボン酸
ジオキサン(3mL)及び1NNaOH(1mL)中のエチル2−(6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−4−イル)インドリジン−7−カルボキシラート(20mg、0.044mmol)の混合物を、Biotage Initiatorマイクロ波中で150℃に1時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、分取HPLCにより精製し、10〜30%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、乾燥させ、表題化合物のTFA塩を黄色固体として得た(8mg、43%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.79−1.81 (m, 1H), 2.11−2.12 (m, 1H), 3.65−3.67 (m, 1H), 3.93−4.04 (m, 4H), 4.43 (d, J=7.8 Hz, 2H), 4.52−4.53 (m, 1H), 6.95 (dd, J=1.46, 7.32 Hz, 1H), 7.14 (d, J=4.88 Hz, 1H), 7.67 (s, 1H), 7.92−7.93 (m, 2H), 8.16 (s, 1H), 8.34 (d, J=7.32 Hz, 1H), 8.47 (s, 1H), 9.00 (s, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C21H20FN5O4における計算値、426;実測値、426.
実施例41
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−6−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
ジオキサン(4mL)及び飽和水性NaHCO3(1mL)中のビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムクロリド(10.51mg、0.015mmol)、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.299mmol)、及び6−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−1−オン(148mg、0.599mmol)の混合物を、Biotage Initiatorマイクロ波中で100℃に1時間加熱した。混合物を濃縮し、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(1−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロリジン−6−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、続いてそれをDCM(5mL)及びTFA(5mL)中で溶解させた。得られた溶液を室温で20分間撹拌し、濃縮し、分取HPLCにより精製し、10〜40%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。回収した画分を合わせ、乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(7mg、6%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.75−1.78 (m, 1H), 2.10−2.11 (m, 1H), 3.01−3.04 (m, 2H), 3.34−3.34 (m, 1H), 3.66−3.67 (m, 1H), 3.76−3.78 (m, 1H), 3.84−3.86 (m, 1H), 3.95−3.97 (m, 1H), 4.37−4.39 (m, 4H), 4.50−4.51 (m, 1H), 7.05 (d, J=6.35 Hz, 1H), 7.60 (s, 1H), 7.90−7.92 (m, 2H), 8.43 (s, 1H), 8.56 (s, 1H). ESI−MS m/z [M+H]+C19H20FN5O3における計算値、386;実測値、386.
実施例42
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(3−メチルイソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
MeOH(2.0mL)中のtert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(3−メチルイソチアゾール−5−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(82mg、0.146mmol)の撹拌溶液に、4NHCl/ジオキサン(2.0mL、8.00mmol)を添加した。反応混合物を60℃に1時間加熱した。反応に続き、混合物を真空中で濃縮した。残渣をEtOAcで粉砕し、濾過した。ケーキ状濾過物をEtOAcで洗浄し、粗製の所望化合物を黄色固体として得た。粗生成物をMeOH−Et2Oから再結晶させ、表題化合物の塩酸塩を白色固体として得た。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) d ppm 1.37 − 1.56 (m, 2 H), 1.58 − 1.83 (m, 4 H), 1.84 − 2.04 (m, 2 H), 2.46 (s, 3 H), 3.73 (br. s., 1 H), 4.17 − 4.29 (m, 1 H), 4.47 (s, 2 H), 7.17 (d, J=5.37 Hz, 1 H), 7.84 (br. s., 3 H), 8.66 (s, 1 H), 8.76 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C17H20FN5OSにおける計算値、362;実測値、362.
実施例43
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(フェニルエチニル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLのガラスバイアル中で、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.301mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(フェニルエチニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(103mg、0.451mmol)及びPdCl2(PPh3)2(105mg、0.150mmol)をジオキサン(5mL)中で溶解させた。反応混合物に、2N炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を添加した。容器をキャップで密閉し、反応混合物を90℃で2時間加熱した。続いて、反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(2x50mL)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(フェニルエチニル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をジクロロメタン(3mL)中で溶解させ、TFA(3mL)を添加し、混合物を1時間撹拌した。続いて、揮発物を蒸発させ、残渣物質をDMSO(5mL)中で溶解させ、分取HPLCにより精製し、15〜50%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を薄黄色固体として得た(32mg、29%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.43 (br s, 3 H), 1.66 − 1.91 (m, 5 H), 3.63 (br s, 1 H), 4.34 − 4.52 (m, 3 H), 6.87 (d, J=7.07 Hz, 1 H), 7.41 − 7.52 (m, 3 H), 7.56 − 7.65 (m, 2 H), 7.74 (br s, 3 H), 8.48 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C21H21FN4Oにおける計算値、365;実測値、365.
実施例44
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(フェニルエチニル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLのガラスバイアル中で、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.299mmol)、4,4,5,5−テトラメチル−2−(フェニルエチニル)−1,3,2−ジオキサボロラン(75mg、0.329mmol)及びPdCl2(PPh3)2(105mg、0.150mmol)をジオキサン(5mL)中で溶解させた。反応混合物に、2N炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を添加した。容器をキャップで密閉し、反応混合物を油浴中で90℃で2時間加熱した。続いて、反応混合物を水(10mL)で希釈し、EtOAc(2x25mL)で抽出した。合わせた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−(フェニルエチニル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をジクロロメタン(3mL)中で溶解させ、TFA(3mL)を添加し、混合物を1時間撹拌した。続いて、揮発物を蒸発させ、残渣物質をDMSO(5mL)中で溶解させ、分取HPLCにより精製し、15〜50%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を薄黄色固体として得た(14.5mg、13%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.72 (m, 1 H), 2.05−2.12 (m, 1 H), 3.49 − 3.66 (m, 2 H), 3.76 (d, J=11.62 Hz, 1 H), 3.84 − 4.04 (m, 2 H), 4.31 − 4.51 (m, 3 H), 7.16 − 7.29 (m, 1 H), 7.42 − 7.53 (m, 3 H), 7.53 − 7.67 (m, 2 H), 7.92 (br s, 3 H), 8.50 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H19FN4O2における計算値、367;実測値、367.
実施例45
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−(4−フルオロスチリル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラスバイアル中で、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.301mmol)、(E)−4−フルオロスチリルボロン酸(49.9mg、0.301mmol)及びPdCl2(PPh3)2(42.2mg、0.060mmol)をジオキサン(5mL)中で溶解させた。反応混合物に、2N炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を添加した。キャップを密閉し、反応混合物を85℃で2時間加熱した。続いて、反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2x30mL)中に抽出した。合わせた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−((E)−4−フルオロスチリル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、それをTFA(4mL)で1.5時間処理し、保護基を除去した。続いて、TFAを反応混合物から蒸発させた。残渣物質をDMSO(8mL)中で溶解させ、分取HPLCにより精製し、10〜30%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を黄褐色固体として得た(58mg、50%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.42 - 1.92 (m, 8 H), 3.74 (br s, 1 H), 4.40 (d, J=2.53 Hz, 2 H), 4.51 (br s, 1 H), 6.86 (d, J=6.57 Hz, 1 H), 7.27 (t, J=8.84 Hz, 1 H), 7.56 − 7.73 (m, 3 H), 7.82 (br s, 3 H), 8.14 (d, J=15.92 Hz, 1 H), 8.49 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C21H22F2N4Oにおける計算値、385;実測値、385.
実施例46
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−7−フルオロ−4−(4−フルオロスチリル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラスバイアル中で、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.299mmol)、(E)−4−フルオロスチリルボロン酸(49.7mg、0.299mmol)及びPdCl2(PPh3)2(42.0mg、0.060mmol)をジオキサン(5mL)中で溶解させた。反応混合物に、2N炭酸ナトリウム水溶液(2.0mL)を添加した。キャップを密閉し、反応混合物を85℃で2時間加熱した。続いて、反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−4−((E)−4−フルオロスチリル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、それをTFA(4mL)で室温で1時間処理し、保護基を除去した。続いて、TFAを反応混合物から蒸発させた。残渣物質をDMSO(8mL)中で溶解させ、分取HPLCにより精製し、20〜50%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を薄黄色固体として得た(32mg、28%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.77 (d, J=16.17 Hz, 1 H), 2.00 − 2.21 (m, 1 H), 3.55 − 3.71 (m, 2 H), 3.79 − 3.93 (m, 2 H), 3.93 − 4.10 (m, 1 H), 4.33 − 4.46 (m, 2 H), 4.54 (d, J=8.84 Hz, 1 H), 7.15 (d, J=5.05 Hz, 1 H), 7.28 (t, J=8.84 Hz, 1 H), 7.58 − 7.74 (m, 3 H), 7.93 (br s, 3 H), 8.15 (d, J=15.92 Hz, 1 H), 8.51 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H20F2N4O2における計算値、387;実測値、387.
実施例47
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−フェネチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラスバイアル中で、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.301mmol)、カリウムトリフルオロ(フェネチル)ボラート(76mg、0.361mmol)及びPdCl2(PPh3)2(42.2mg、0.060mmol)をジオキサン(5mL)中で溶解させた。反応混合物に、2N炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を添加した。キャップを密閉し、反応混合物を85℃で2時間加熱した。続いて、反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2×30mL)で抽出した。合わせた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−フェネチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、それをTFA(4mL)で室温で1時間処理し、保護基を除去した。続いて、TFAを反応混合物から蒸発させた。残渣物質をDMSO(8mL)中で溶解させ、分取HPLCにより精製し、25〜40%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(21mg、19%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.41 (br s, 2 H), 1.65 (br s, 2 H), 1.68 − 1.81 (m, 2 H), 1.84 (br s, 2 H), 2.83 − 3.04 (m, 2 H), 3.14 − 3.41 (m, 2 H), 4.22 − 4.43 (m, 3 H), 6.65 (d, J=6.82 Hz, 1 H), 7.08 − 7.33 (m, 4 H), 7.37 (br s, 1 H), 7.54 (br s, 1 H), 7.70 (br s, 3 H), 8.31 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C21H25FN4Oにおける計算値、369;実測値、369.
実施例48
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−7−フルオロ−4−フェネチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラスバイアル中で、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.299mmol)、カリウムトリフルオロ(フェネチル)ボラート(76mg、0.359mmol)及びPdCl2(PPh3)2(42.0mg、0.060mmol)を、ジオキサン(5mL)中で溶解させた。反応混合物に、2N炭酸ナトリウム水溶液(2.0mL)を添加した。キャップを密閉し、反応混合物を85℃で3時間加熱した。続いて、反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−3−オキソ−4−フェネチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、それをTFA(4mL)で室温で1時間処理し、保護基を除去した。続いて、TFAを反応混合物から蒸発させた。残渣物質をDMSO(8mL)中で溶解させ、分取HPLCにより精製し、20〜55%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を薄黄色固体として得た(42mg、38%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.58 − 1.75 (m, 1 H), 1.95 − 2.17 (m, 1 H), 2.83 − 3.04 (m, 2 H), 3.16 − 3.32 (m, 1 H), 3.32 − 3.46 (m, 1 H), 3.47 − 3.61 (m, 1 H), 3.66 (d, J=11.37 Hz, 1 H), 3.83 − 4.03 (m, 2 H), 4.22 − 4.39 (m, 3 H), 6.99 (d, J=5.05 Hz, 1 H), 7.09 − 7.33 (m, 5 H), 7.93 (br s, 2 H), 8.32 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H23FN4O2における計算値、371;実測値、371.
実施例49
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(4−クロロフェネチル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラスバイアル中で、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.299mmol)、2−(4−クロロフェネチル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(88mg、0.329mmol)及びPdCl2(PPh3)2(63.1mg、0.090mmol)をジオキサン(5mL)中で溶解させた。反応混合物に、2N炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を添加した。キャップを密閉し、反応混合物を85℃で2時間加熱した。続いて、反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−(4−クロロフェネチル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をジクロロメタン(3mL)中で溶解させ、TFA(3mL)で室温で1時間処理し、保護基を除去した。続いて、揮発物を反応混合物から蒸発させ、残渣物質をDMSO(8mL)中で溶解させ、分取HPLCにより精製し、20〜65%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(43mg、36%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.68 (d, J=9.60 Hz, 1 H), 1.90 − 2.15 (m, 1 H), 2.86 − 3.02 (m, 2 H), 3.19 − 3.38 (m, 2 H), 3.47 − 3.61 (m, 1 H), 3.61 − 3.75 (m, 2 H), 3.81 − 4.03 (m, 2 H), 4.13 − 4.41 (m, 3 H), 6.99 (d, J=5.31 Hz, 1 H), 7.22 (m, J=8.34 Hz, 2 H), 7.32 (m, J=8.34 Hz, 2 H), 7.91 (br s, 3 H), 8.33 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H22ClFN4O2における計算値、405;実測値、405.
実施例50
6−((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシルアミノ)−4−(4−クロロスチリル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラスバイアル中で、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.301mmol)、(E)−4−クロロスチリルボロン酸(54.8mg、0.301mmol)及びPdCl2(PPh3)2(42.2mg、0.060mmol)をジオキサン(5mL)中で溶解させた。反応混合物に、2N炭酸ナトリウム水溶液(2.0mL)を添加した。キャップを密閉し、反応混合物を85℃で3時間加熱した。続いて、反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−(4−クロロフェネチル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得て、それをTFA(4mL)で室温で1時間処理し、保護基を除去した。続いて、TFAを反応物から蒸発させた。残渣物質をDMSO(8mL)中で溶解させ、分取HPLCにより精製し、10〜30%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を薄黄色固体として得た(31mg、26%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.48 (d, J=6.82 Hz, 2 H), 1.62 (d, J=7.58 Hz, 1 H), 1.66 − 1.80 (m, 3 H), 1.80 − 2.02 (m, 2 H), 3.74 (br s, 1 H), 4.41 (d, J=2.27 Hz, 1 H), 4.50 (br s, 1 H), 6.86 (d, J=5.56 Hz, 1 H), 7.50 (d, J=8.59 Hz, 1 H), 7.56 − 7.68 (m, 2 H), 7.69 (s, 1 H), 7.76 (br s, 3 H), 8.21 (d, J=15.92 Hz, 1 H), 8.51 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C21H22ClFN4Oにおける計算値、401;実測値、401.
実施例51
6−((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−(4−クロロスチリル)−7−フルオロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
30mLの密閉キャップガラスバイアル中で、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(150mg、0.299mmol)、(E)−4−クロロスチリルボロン酸(54.6mg、0.299mmol)及びPdCl2(PPh3)2(42.0mg、0.060mmol)をジオキサン(5mL)中で溶解させた。反応混合物に、2N炭酸ナトリウム水溶液(2mL)を添加した。キャップを密閉し、反応混合物を85℃で2時間加熱した。続いて、反応混合物を水(5mL)で希釈し、EtOAc(2x30mL)で抽出した。合わせた有機相を、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、蒸発させ、中間体tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−4−((E)−4−クロロスチリル)−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラートを得た。中間体をジクロロメタン(3.0mL)で希釈し、TFA(3mL)で1.5時間処理し、保護基を除去した。続いて、揮発物を反応混合物から蒸発させ、残渣物質をDMSO(8mL)中で溶解させ、分取HPLCにより精製し、20〜60%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)で溶出させた。純粋生成物画分を合わせ、最小容量に蒸発させ、凍結乾燥させ、表題化合物のTFA塩を薄黄色固体として得た(42mg、35%)。1H NMR (400 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.77 (d, J=15.66 Hz, 1 H), 1.98 − 2.22 (m, 1 H), 3.50 − 3.73 (m, 2 H), 3.79 − 4.08 (m, 3 H), 4.32 − 4.51 (m, 2 H), 4.55 (br s, 1 H), 7.17 (d, J=5.05 Hz, 1 H), 7.50 (d, J=8.59 Hz, 2 H), 7.55 − 7.73 (m, 2 H), 7.92 (d, J=4.55 Hz, 3 H), 8.22 (d, J=16.17 Hz, 1 H), 8.53 (s, 1 H). ESI−MS m/z [M+H]+C20H20ClFN4O2における計算値、403;実測値、403.
実施例52
(R)−6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−フルオロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
実施例53
(S)−6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−フルオロピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1−メチル−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
DMA(10mL)及び水(0.67mL)中のtert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−1−メチル−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.390mmol)、5−フルオロ−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(153mg、0.585mmol)、炭酸カリウム(108mg、0.780mmol)、Pd−118(10mg、0.016mmol)の混合物を、80℃で20時間撹拌した。溶液を後処理し、TFA(3mL)及びDCM(6mL)で室温で1時間処理し、続いて分取HPLCで精製し、表題化合物のTFA塩を黄褐色固体(40mg、25%)及び白色固体(35mg、22%)としてそれぞれ得た。
実施例52:1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.35 − 1.56 (m, 5 H), 1.67 − 1.80 (m, 2 H), 1.84 − 2.00 (m, 1 H), 3.74 (br s, 1H), 4.48 (br s, 1 H), 4.77 (q, J=6.65 Hz, 1 H), 6.87 (d, J=6.28 Hz, 1 H), 7.08 (td, J=7.31, 2.65 Hz, 1 H), 7.82 (br s, 2H), 8.06 (dd, J=9.92, 2.59 Hz, 1 H), 8.51 (s, 1 H), 8.88 (dd, J=7.44, 5.37 Hz, 1 H), 9.46 (s, 1 H). [M+H]C21H22F2N6Oにおける計算値、413;実測値、413.
実施例53:1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.36 − 1.60 (m, 4 H), 1.60 − 1.83 (m, 3 H), 1.90 − 2.06 (m, 1 H), 3.73 (br s, 1H), 4.46 (br s, 1 H), 4.76 (q, J=6.39 Hz, 1 H), 6.93 (d, J=6.35 Hz, 1 H), 7.02 − 7.15 (m, 1 H), 7.90 − 8.14 (m, 3 H), 8.51 (s, 1 H), 8.88 (dd, J=7.29, 5.46 Hz, 1 H), 9.47 (s, 1 H). [M+H]C21H22F2N6Oにおける計算値、413;実測値、413.
実施例54
(R)−6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−1−メチル−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
実施例55
(S)−6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−1−メチル−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
DMA(6mL)及び水(0.33mL)中のtert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−1−メチル−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(100mg、0.195mmol)、5−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(75mg、0.292mmol)、炭酸カリウム(54mg、0.390mmol)、Pd−118(5mg、0.008mmol)の混合物を、80℃で20時間撹拌した。溶液を後処理し、TFA(3mL)及びDCM(6mL)で室温で1時間処理した。混合物を分取HPLCで精製し、表題化合物のTFA塩を白色固体として得た(24mg、30%及び18mg、23%、それぞれ)。
実施例54:1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.34 − 1.53 (m, 5 H), 1.61 (d, J=12.39 Hz, 1 H), 1.66 − 1.84 (m, 3 H), 1.88 (d, J=9.58 Hz, 1 H), 1.96 (dd, J=13.64, 4.55 Hz, 1 H), 2.46 (s, 3 H), 3.76 (br s, 1 H), 4.16 − 4.29 (m, 1 H), 4.81 (q, J=6.39Hz, 1 H), 7.17 (d, J=5.74 Hz, 1 H), 7.81 (br s, 2 H), 8.71 − 8.80 (m, 2 H).[M+H]C22H25FN6Oにおける計算値、409;実測値、409.
実施例55:1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.17 − 1.32 (m, 3 H), 1.32 − 1.54 (m, 4 H), 1.61 − 1.82 (m, 3 H), 1.84 − 2.01 (m,1 H), 2.37 − 2.46 (m, 2 H), 3.67 − 3.82 (m, 1 H), 4.52 (br s, 1 H), 4.75 (q, J=6.61 Hz, 1 H), 6.80 (d, J=6.65 Hz, 1 H), 6.88 (dd, J=7.02, 1.77 Hz, 1 H), 7.68 − 7.85 (m, 2 H), 8.18 (s, 1 H), 8.46 (s, 1 H), 8.65 (d, J=7.02 Hz, 1 H), 9.30 (s, 1 H). [M+H]C22H25FN6Oにおける計算値、409;実測値、409.
実施例56
(R)−6−(((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−1−メチル−4−(3−メチルイソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
実施例57
(S)−6−(((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−1−メチル−4−(3−メチルイソチアゾール−5−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
トルエン(5mL)中のtert−ブチル((3R,4R)−4−((4−クロロ−2−(2,4−ジメトキシベンジル)−7−フルオロ−1−メチル−3−オキソ−2,3−ジヒドロ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−6−イル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−3−イル)カルバマート(75mg、0.133mmol)、3−メチル−5−(トリブチルスタンニル)イソチアゾール(77mg、0.199mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(31mg、0.027mmol)の混合物を、マイクロ波中で140℃で8時間加熱した。反応混合物をEtOAc(200mL)で希釈し、ブライン(200mL)で洗浄した。有機物を乾燥させ、濃縮した。得られた物質をTFA(5mL)中で溶解させ、60℃で3時間撹拌した。混合物を分取HPLCで精製し、表題化合物のTFA塩を得た(12mg、24%及び9mg、18%、それぞれ)。
実施例56:1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 0.88 (t, J=5.62 Hz, 2 H), 1.43 (d, J=10.0 Hz, 3H), 2.36 (m, 1H), 2.52 (m, 3H), 2.64 (m, 1H), 3.29 (m, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.78 (d, J=10 Hz, 1H), 4.00 (m, 1H), 4.43 (d, J=10.0 Hz, 1H), 6.52 (s, 1H), 5.62 (d, J=5.62 Hz, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.78 (s, 1H). [M+H]C17H20FN5O2Sにおける計算値、378;実測値、378.
実施例57:1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 0.88 (t, J=10.0 Hz, 2 H), 1.43 (d, J=10.0 Hz, 3H), 2.07 (m, 1H), 2.36 (m, 1H), 2.49 (m, 3H), 2.63 (m, 1H), 3.62 (m, 1H), 3.78 (m, 1H), 4.00 (m, 1H), 4.82 (d, J=10.0 Hz, 1H), 6.52 (s, 1H), 7.43 (d, J=5.0 Hz, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.79 (s, 1H). [M+H]C17H20FN5O2Sにおける計算値、378;実測値、378.
実施例58
6−(((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
磁気撹拌バー及び温度計を備えた25mLの反応フラスコに、tert−ブチル6−((3R,4R)−3−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.399mmol)及び5−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(124mg、0.479mmol)を添加し、続いて炭酸カリウム(325メッシュ粉末)(110mg、0.798mmol)、DMA(10mL)、及び水(0.667mL)を添加した。混合物を室温で3分間撹拌してから真空及びN2再充填(5x)で脱気した。得られた深紫色混合物に、Pd−118(10.89mg、0.016mmol)を添加した。反応混合物を真空及びN2再充填(5x)で再度脱気した。フラスコをプラスチックフィルムで気密的にラップし、油浴中に置き、反応混合物を80℃で18時間撹拌した。固体N−アセチルシステイン(65.2mg、0.399mmol)を添加し、混合物を70℃で2時間撹拌した。続いて、混合物を水で希釈し、EtOAc(200mL)で抽出した。有機層を乾燥させ、濃縮し、残渣を得て、それを分取HPLCにより精製し、45〜70%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。画分を回収し、塩基性後処理時、表題化合物を薄黄色固体として得た(50mg、21%)。
工程B:6−(((3R,4R)−3−アミノテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
65℃のイソプロパノール(5mL)中のtert−ブチル6−(((3R,4R)−3−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)テトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(45mg、0.075mmol)の溶液に、濃HCl(0.268mL、3.21mmol)を滴加した。反応混合物を65℃で一晩撹拌し、次いでゆっくりと冷却した。固体を濾過し、乾燥させ、表題化合物のHCl塩を薄黄色固体として得た(30mg、92%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.84 (d, J=9.88 Hz, 1 H), 2.08 − 2.22 (m, 1 H), 2.46 (s, 3 H), 3.55 − 3.67 (m, 2H), 3.94 − 4.09 (m, 2 H), 4.35 − 4.47 (m, 2 H), 6.88 (dd, J=7.08, 1.83 Hz, 1 H), 7.12 (d, J=5.98 Hz, 1 H), 8.03 (d, J=3.97Hz, 2 H), 8.15 (s, 1 H), 8.39 (s, 1 H), 8.66 (d, J=7.08 Hz, 1 H), 9.24 (s, 1 H). [M+H]C20H21FN6O2における計算値、397;実測値、397.
実施例59
6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
工程A:tert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート
磁気撹拌バー及び温度計を備えた25mLの反応フラスコに、tert−ブチル6−((1R,2S)−2−(tert−ブトキシカルボニルアミノ)シクロヘキシルアミノ)−4−クロロ−7−フルオロ−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(200mg、0.401mmol)及び5−メチル−3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピラゾロ[1,5−a]ピリジン(124mg、0.481mmol)を添加し、続いて炭酸カリウム(325メッシュ粉末)(111mg、0.802mmol)、DMA(6mL)、及び水(0.400mL)を添加した。混合物を室温で3分間撹拌してから真空及びN2再充填(5x)で脱気した。得られた深紫色混合物に、Pd−118(10.93mg、0.016mmol)を添加した。反応混合物を真空及びN2再充填(5x)で再度脱気した。フラスコをプラスチックフィルムで気密的にラップし、油浴中に置き、反応混合物を80℃で18時間撹拌した。固体N−アセチルシステイン(65.4mg、0.401mmol)を添加し、混合物を70℃で2時間撹拌した。続いて、混合物を水で希釈し、EtOAc(200mL)で抽出した。有機層を乾燥させ、濃縮し、残渣を得て、それを分取HPLCにより精製し、55〜80%ACN(0.035%TFA)及び水(0.05%TFA)の勾配で溶出させた。画分を回収し、塩基性後処理時、表題化合物を薄黄色固体として得た(110mg、46%)。
工程B:6−(((1R,2S)−2−アミノシクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−3(2H)−オン
65℃のイソプロパノール(10mL)中のtert−ブチル6−(((1R,2S)−2−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)シクロヘキシル)アミノ)−7−フルオロ−4−(5−メチルピラゾロ[1,5−a]ピリジン−3−イル)−3−オキソ−1H−ピロロ[3,4−c]ピリジン−2(3H)−カルボキシラート(110mg、0.185mmol)の溶液に、濃HCl(0.268mL、3.21mmol)を滴加した。反応混合物を65℃で一晩撹拌し、次いでゆっくりと冷却した。固体を濾過し、乾燥させ、表題化合物のHCl塩を薄黄色固体として得た(75mg、94%)。1H NMR (500 MHz, DMSO−d6) δ ppm 1.49 (br s, 1 H) 1.61 − 1.82 (m, 1 H) 1.96 (d, J=8.79 Hz, 1 H) 2.44 (s, 3 H), 4.33 − 4.45 (m, 2 H) 6.81 (d, J=6.35 Hz, 1 H) 6.88 (dd, J=7.02, 1.83 Hz, 1 H) 7.90 (br s, 2 H) 8.20 (s, 1 H) 8.37 (s,1 H) 8.66 (d, J=7.02 Hz, 1 H) 9.33 (s, 1 H). [M+H] C21H23FN6Oにおける計算値、395;実測値、395.
以下の表1は、実施例39(実施例60〜67)、実施例24(実施例68〜76)、実施例41(実施例77)、実施例29(実施例78〜84)、及び実施例35(実施例85〜91)と同様の方法で作製することができる化合物を列記する。
以下の表2は、実施例に記載された多くの化合物に対するSYK阻害データの表で、より大きいpIC50値は、より高い効力を表す。化合物は、明細書の47頁に記載された測定法に従って試験された。
本明細書及び添付の特許請求の範囲で使用する「a」、「an」、及び「the」などの単数形の冠詞は、文脈が他に明確に示していない限り、単一の対象又は複数の対象を指すことがあることに留意すべきである。従って、例えば、「a compound」を含有する組成物への言及は、単一の化合物又は2種以上の化合物であることがある。上述は、例示的であり限定的ではないことが意図されていることを理解すべきである。上述を読むと、多くの実施形態が当業者には明らかであろう。従って、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきであり、このような特許請求の範囲が権利を与えられることに相当する全範囲が含まれる。特許、特許出願及び刊行物を含む、全ての論文及び参考文献の開示は、全体として、及び全ての目的のために、参照により本明細書に組み込まれるものとする。