JP6007335B2 - アモルファス合金の射出圧縮成形 - Google Patents

アモルファス合金の射出圧縮成形 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2012年9月27日に出願された米国非仮特許出願第13/628,262号に対する優先権を主張するものであり、同出願の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本開示は概して、バルク凝固アモルファス合金から形成されたバルク金属ガラス(「BMG」)物品に関し、特にBMG物品の成形加工性の向上に関するものである。
今日使用されている金属合金の大部分は、少なくとも初期段階で、凝固鋳造によって加工処理されている。この金属合金は、融解され、金属製又はセラミック製の金型に流し込まれ、ここで凝固する。金型は外され、この鋳造金属片を、そのまま使用又は更なる加工処理に用いることができる。凝固及び冷却中に作り出される、殆どの材料の鋳放し構造は、冷却速度に依存する。その変異の性質に関しては、一般規則は存在しないが、大部分は、その構造は、冷却速度の変化と共に、徐々に変化するのみである。その一方で、バルク凝固アモルファス合金に関しては、比較的急速な冷却によって作り出されるアモルファス状態と、比較的緩徐な冷却によって作り出される結晶状態との間の変化は、程度ではなく種類の変化であり、それらの2つの状態は、はっきり異なる特性を有する。
バルク凝固アモルファス合金、すなわちバルク金属ガラス(「BMG」)は、最近開発された部類の金属材料である。このアモルファス状態は、特定用途に関して極めて有利なものとなり得る。もし、冷却速度が十分に高速ではない場合には、冷却の間に、その合金の内部で結晶が形成される恐れがあり、そのため、アモルファス状態の利益が一部又は完全に失われる。例えば、バルクアモルファス合金部品の作製に伴うリスクの1つは、冷却の遅さ、又は原材料中の不純物のいずれかによる、部分的結晶化である。
バルク凝固アモルファス合金は、様々な金属系で作製されている。それらの合金は、一般的には、融解温度を超える温度から周囲温度へと急冷することによって調製される。アモルファス構造を実現するには、一般に105℃/秒程度の高い冷却速度が必要とされる。バルク凝固合金が、結晶化を回避するよう冷却され、これによって冷却中にアモルファス構造を構築し、維持することができる最低速度は、その合金に関する「臨界冷却速度」と称される。この臨界冷却速度よりも高速の冷却速度を達成するためには、サンプルから熱を抜き取らなければならない。
BMG物品は、金型又はダイとの熱接触によって冷却された溶融した材料を射出成形及び/又はダイ鋳造することによって成形されることが多い。ただし、冷却された材料の収縮によって問題が生じる。収縮により、溶融した材料と金型の壁との間に空隙が生まれ、その間で熱接触が減少するために、溶融した材料の冷却速度が低下する。この冷却速度低下により、結晶が形成される可能性が高まる。加えて、溶融した材料と金型の壁との間に形成された空隙が原因で、成形された物品が所望されない表面仕上げになることがあり、かつ/又は欠肉部が生じ得る。更に、高アスペクト比又は小部位を有するBMG物品を成形することが困難である。なぜなら、溶融した材料が急速に冷却しすぎるために、型穴全体を満たす前に凝固するからである。
各種実施形態は、射出圧縮成形を組み込むことによって、例えば、(1)所望の冷却速度を維持して物品をアモルファス状態で形成するために、溶融した材料と金型の内面との間に伝熱を提供することができ、(2)同間に空隙を形成せずに、型穴の実質的に全体を溶融した材料で満たすことができ、かつ/又は(3)この成形されたBMG物品のアスペクト比を約10以上又は約0.1未満にして、小部位、又は例えば薄型湾曲体などの薄型構造を成形できるようにするなど、BMG物品の形成加工性を高めることに関するものである。加えて、所望の表面仕上げ及び構造的特徴部を有するBMG物品も成形することができる。
各種実施形態によれば、金型を使用してBMG物品を成形する方法が提供される。この金型は、型穴を形成するために対を成した静止金型部品と可動金型部品とを含み得る。型穴が形成されると、溶融した材料を注入して型穴を満たすことができる。型穴内の溶融した材料はその後、所望の冷却速度で冷却してバルク金属ガラス(BMG)物品にすることができる。溶融した材料を注入及び/又は冷却している間、可動金型部品の動きを制御して、溶融した材料と金型との間の熱接触を維持し、それによって冷却速度を維持することができる。
各種実施形態によれば、金型を使用してBMG物品を成形する方法が提供される。この金型は、型穴を形成するために対を成した静止金型部品と可動金型部品とを含み得る。型穴が形成されると、溶融した材料を注入して型穴を満たすことができる。型穴内の溶融した材料はその後、所望の冷却速度で冷却してバルク金属ガラス(BMG)物品にすることができる。溶融した材料を注入及び/又は冷却している間、成形されたBMG物品の少なくとも一部分のアスペクト比が10以上か、又は0.1未満となるように可動金型部品の動きを制御することができる。
各種実施形態によれば、金型を使用してBMG物品を成形する方法が提供される。この金型は、型穴を形成するために対を成した静止金型部品と可動金型部品とを含み得る。型穴が形成されると、溶融した材料を注入して型穴を満たすことができる。型穴内の溶融した材料はその後、所望の冷却速度で冷却してバルク金属ガラス(BMG)物品にすることができる。溶融した材料を注入及び/又は冷却している間、可動金型部品の動きを制御して、BMG物品における更なる構造的特徴部を加えることができる。
各種実施形態によれば、射出圧縮成形装置が提供される。この装置は、金型、射出ユニット、及び/又は機械ユニットを含み得る。この金型は、型穴を形成するために対を成した静止金型部品と可動金型部品とを含み得る。射出ユニットは、溶融した材料を型穴に注入して、溶融した材料をその型穴内で所望の冷却速度で冷却してBMG物品にするように構成することができる。機械ユニットは、溶融した材料が型穴に注入され、冷却されている間、可動金型部品の動きを制御するように構成することができる。
例示的なバルク凝固アモルファス合金の、温度−粘度図である。
例示的なバルク凝固アモルファス合金に関する、時間−温度−変態(TTT)図の概略図である。
本教示の様々な実施形態に係る、例示的な射出圧縮成形装置を示す概略図である。
本教示の様々な実施形態に係る、BMG物品を成形するための例示的方法を示すフロー図である。
本明細書に引用される全ての刊行物、特許、及び特許出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
冠詞「a」及び「an」は、本明細書では、1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)の、その冠詞の文法的対象語を指すために使用される。例として、「ポリマー樹脂(a polymer resin)」は、1つのポリマー樹脂又は2つ以上のポリマー樹脂を意味する。本明細書に記載されるいずれの範囲も、包括的である。本明細書の全体を通して使用される用語「実質的に」及び「約」は、小規模な変動を記述及び説明するために使用される。例えば、それらの用語は、±5%以下、例えば±2%以下、例えば±1%以下、例えば±0.5%以下、例えば±0.2%以下、例えば±0.1%以下、例えば±0.05%以下を指し得る。
バルク凝固アモルファス合金、すなわちバルク金属ガラス(「BMG」)は、最近開発された部類の金属材料である。これらの合金は、比較的穏やかな速度で、凝固及び冷却させることができ、それらは、アモルファスの、非晶質(すなわち、ガラス質)状態を、室温で保持する。アモルファス合金は、それらの結晶性の対応物よりも、多くの優れた特性を有する。しかしながら、冷却速度が十分に高速ではない場合には、冷却の間に、その合金の内部で結晶が形成される恐れがあり、そのため、アモルファス状態の利益が失われる恐れがある。例えば、バルクアモルファス合金部品の製造に伴う1つの重要な課題は、徐冷又は合金原料中の不純物のいずれかによる、それらの部品の部分的な結晶化である。BMG物品内では、高い程度のアモルファス化度(また反対に、低い程度の結晶化度)が望ましいため、制御された量のアモルファス化度を有するBMG物品を鋳造するための方法を開発する必要性がある。
図1(米国特許第7,575,040号より入手)は、Liquidmetal Technologyによって製造されたZr−Ti−Ni−Cu−BeファミリーのVIT−001シリーズからの、例示的なバルク凝固アモルファス合金の粘度−温度グラフを示す。アモルファス固体の形成の間、バルク凝固アモルファス金属に関しては、明確な液体/固体変態が存在しないことに留意するべきである。この溶融合金は、ガラス転移温度近傍で固体形態に近づくまで、過冷却の増大と共に、ますます粘稠になる。したがって、バルク凝固アモルファス合金に関する凝固前面の温度は、ガラス転移温度近傍とすることができ、その温度近傍で、この合金は、事実上、急冷アモルファスシート製品を引き抜く目的に関して、固体として作用する。
図2(米国特許第7,575,040号より入手)は、例示的なバルク凝固アモルファス合金の、時間−温度−変態(TTT)冷却曲線、すなわちTTT図を示す。バルク凝固アモルファス金属は、従来型金属と同様に、冷却時に液体/固体の結晶化変態を起こさない。その代わりに、高温で(「融解温度」Tm近傍で)見出される、高度に流体の、非晶質形態の金属は、温度が低下するにつれて(ガラス転移温度Tg近傍まで)、より粘稠になり、最終的に、従来型の固体の外面的な物理的特性を呈する。
バルク凝固アモルファス金属に関しては、液体/結晶化変態は存在しないにも関わらず、対応する結晶相の熱力学的液相温度として、「融解温度」Tmを定義することができる。この体系の下では、バルク凝固アモルファス合金の融解温度での粘度は、約0.1ポアズ〜約10,000ポアズの範囲に、更に場合によっては、0.01ポアズ未満にあることが可能である。この「融解温度」における粘度が低いと、BMG物品を成形するためのバルク凝固アモルファス金属をシェル/金型の複雑な部分に充填する速度が上がり、かつ完全に充填される。更には、BMG物品を成形するための溶融金属の冷却速度は、冷却中の時間−温度プロファイルが、図2のTTT図内の結晶化領域を境界付けるノーズ形状領域境界を横断しないようなものでなければならない。図2では、Tノーズは、結晶化が最も急速であり、かつ最短の時間スケールで生じる、臨界結晶化温度Txである。
過冷却液体領域、すなわちTg〜Txの温度領域は、バルク凝固合金の結晶化に対する極度の安定性を明示するものである。この温度領域内では、バルク凝固合金は、高粘度の液体として存在し得る。この過冷却液体領域内でのバルク凝固合金の粘度は、ガラス転移温度での1012Pa・sから、結晶化温度である過冷却液体領域の高温限界での10Pa・sに至るまでの間で変化し得る。そのような粘度を有する液体は、加圧力の下で、実質的な塑性歪みを経験し得る。本明細書の実施形態は、成形及び分離方法として、この過冷却液体領域内での、大きい塑性成形性を利用する。
Txについて明確にする必要がある。技術的には、TTT図に示されるノーズ形状の曲線は、Txを温度及び時間の関数として説明する。それゆえ、金属合金を加熱又は冷却する間に辿る軌跡とは関係なく、このTTT曲線に当る場合に、Txに到達している。図2では、Txは破線として示されるが、これは、Tmの近位からTgの近位まで、Txが変化し得るためである。
図2の概略的なTTT図は、時間−温度の軌跡(例示的軌跡として、(1)として示す)がTTT曲線に当ることがない、Tm以上〜Tg未満のダイキャストの加工処理方法を示す。ダイキャストの間、この成形は、軌跡がTTT曲線に当ることを回避するために、実質的に急速冷却と同時に行われる。時間−温度の軌跡(例示的軌跡として、(2)、(3)、及び(4)として示す)がTTT曲線に当ることがない、Tg以下からTm未満までの超塑性成形(SPF)に関する加工処理方法。SPFでは、アモルファスBMGは、過冷却液体領域内へと再加熱され、利用可能な加工処理ウインドウは、ダイキャストよりも遙かに大きく、より良好なプロセスの可制御性をもたらすことが可能である。SPFプロセスは、冷却の間の結晶化を回避するために、急速冷却を必要としない。また、例示的軌跡(2)、(3)、及び(4)によって示されるように、SPFの間の最高温度が、Tノーズ超又はTノーズ未満、最大約Tmとなる状態で、SPFを実施することができる。一個のアモルファス合金を昇温させるが、TTT曲線に当ることを回避するように管理する場合には、「Tg〜Tm」に加熱しても、Txには到達していない。
20℃/分の加熱速度で得られる、バルク凝固アモルファス合金の典型的な示差走査熱量計(DSC)加熱曲線は、大部分は、TTTデータを横切る具体的な軌跡を説明するものであり、特定温度のTgと、DSC加熱傾斜がTTT結晶化開始と交差する場合のTxと、最終的に、同じ軌跡が融解に関する温度範囲と交差する場合の融解ピークとが認められるであろう。図2の軌跡(2)、(3)、及び(4)の上り傾斜部分によって示されるような急速な加熱速度で、バルク凝固アモルファス合金を加熱する場合には、TTT曲線を完全に回避することが可能であり、DSCデータは、加熱の際、ガラス転移を示すが、Txは示さない。このことについての別の考察方法は、軌跡(2)、(3)、及び(4)は、結晶化曲線に当らない限り、TTT曲線のノーズ(及び更にその上方)〜Tg線の温度内の、いずれの場所にも収まることができる点である。そのことは、加工処理温度が上昇するにつれて、軌跡内の水平な平坦部が遙かに短くなり得ることを単に意味する。
本明細書での用語「相」は、熱力学状態図内で見出すことができるものを指し得る。相は、その全体にわたって、材料の全ての物理的特性が本質的に均一である、空間の領域(例えば、熱力学系)である。物理的特性の例としては、密度、屈折率、化学組成、及び格子周期性が挙げられる。相の単純な説明は、化学的に均一であり、物理的にまったく別であり、及び/又は機械的に分離可能な材料の領域である。例えば、ガラス瓶内の、氷及び水からなる系では、その角氷が1つの相であり、水が第2の相であり、その水の上の湿り空気が第3の相である。瓶のガラスは、別の分離相である。相は、金属間化合物などの、2成分、3成分、4成分以上の溶体又は化合物とすることができる、固溶体を指すことができる。別の例としては、アモルファス相は、結晶相とはまったく別である。
金属、遷移金属、及び非金属
用語「金属」は、電気陽性の化学元素を指す。本明細書での用語「元素」は、一般的には、周期表に見出すことができる元素を指す。物理的には、基底状態の金属原子は、占有状態に近い、空状態を有する部分的充満帯を含む。用語「遷移金属」とは、不完全な内部電子殻を有し、一連の元素内の、最も電気陽性のものと最も電気陽性ではないものとの間の遷移リンクとして役立つ、周期表の第3族〜第12族の範囲内の金属元素のうちのいずれかである。遷移金属は、複数の原子価、着色化合物、及び安定な錯イオンを形成する能力によって特徴付けられる。用語「非金属」は、電子を失って陽イオンを形成する能力を有さない化学元素を指す。
用途に応じて、任意の好適な非金属元素、又はそれらの組み合わせを使用することができる。合金(又は「合金組成物」)は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ以上の非金属元素などの複数の非金属元素を含み得る。非金属元素は、周期表内の第13族〜第17族内に見出される、いずれかの元素とすることができる。例えば、非金属元素は、F、Cl、Br、I、At、O、S、Se、Te、Po、N、P、As、Sb、Bi、C、Si、Ge、Sn、Pb、及びBのうちのいずれか1つとすることができる。場合により、非金属元素は、第13族〜第17族内の特定の半金属(例えば、B、Si、Ge、As、Sb、Te、及びPo)を指すこともできる。一実施形態では、非金属元素としては、B、Si、C、P、又はこれらの組み合わせを挙げることができる。したがって、例えば、その合金は、ホウ化物若しくは炭化物、又は双方を含み得る。
遷移金属元素は、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、イットリウム、ジルコニウム、ニオブ、モリブデン、テクネチウム、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、銀、カドミウム、ハフニウム、タンタル、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金、金、水銀、ラザホージウム、ドブニウム、シーボーギウム、ボーリウム、ハッシウム、マイトネリウム、ウンウンニリウム、ウンウンウニウム、及びウンウンビウムのうちのいずれかとすることができる。一実施形態では、遷移金属元素含有BMGは、Sc、Y、La、Ac、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Mn、Tc、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、及びHgのうちの少なくとも1つを有し得る。用途に応じて、任意の好適な遷移金属元素、又はそれらの組み合わせを使用することができる。合金組成物は、少なくとも2つ、少なくとも3つ、少なくとも4つ以上の遷移金属元素などの、複数の遷移金属元素を含み得る。
本明細書で説明される、合金又は合金「サンプル」又は「試料」合金は、任意の形状又はサイズを有し得る。例えば、合金は、球形、楕円、ワイヤ状、ロッド状、シート状、フレーク状、又は不規則形状などの形状を有し得る、微粒子の形状を有し得る。この微粒子は、任意のサイズを有し得る。例えば、その微粒子は、約5マイクロメートル〜約80マイクロメートルなど、約10マイクロメートル〜約60マイクロメートルなど、約15マイクロメートル〜約50マイクロメートルなど、約15マイクロメートル〜約45マイクロメートルなど、約20マイクロメートル〜約40マイクロメートルなど、約25マイクロメートル〜約35マイクロメートルなどの、約1マイクロメートル〜約100マイクロメートルの平均直径を有し得る。例えば、一実施形態では、微粒子の平均直径は、約25マイクロメートル〜約44マイクロメートルである。一部の実施形態では、ナノメートルの範囲のものなどの、より小さい微粒子、又は100マイクロメートルよりも大きいものなどの、より大型の微粒子を使用することができる。
合金のサンプル又は試料はまた、遙かに大きい寸法のものにすることもできる。例えば、インゴットなどのバルク構造構成要素、電子機器の筺体/ケーシング、又は更にミリメートル、センチメートル、又はメートルの範囲の寸法を有する構造的構成要素の一部分とすることができる。
固溶体
用語「固溶体」は、溶体の固体形態を指す。用語「溶体」は、固体、液体、気体、又はこれらの組み合わせとすることができる、2種以上の物質の混合物を指す。この混合物は、均質又は不均質とすることができる。用語「混合物」とは、互いに組み合わされ、一般的には分離することが可能である、2種以上の物質の組成物である。一般的には、それらの2種以上の物質は、互いに化合されない。
合金
一部の実施形態では、本明細書で説明される合金組成物は、完全に合金化することができる。一実施形態では、「合金」とは、一方の原子が他方の原子に置き換わるか、又は原子間の格子間位置を占有する、2種以上の金属の均質な混合物又は固溶体を指すものであり、例えば、黄銅は、亜鉛及び銅の合金である。合金とは、複合材料とは対照的に、金属マトリックス中の1種以上の化合物などの、金属マトリックス中の1種以上の元素の部分的又は完全な固溶体を指すことができる。本明細書での合金という用語は、単一の固相の微細構造を呈し得る全率固溶合金、及び2つ以上の相を呈し得る部分的溶体の双方を指すことができる。本明細書で説明される合金組成物は、合金を含むもの、又は合金含有複合材料を含むものを指すことができる。
それゆえ、完全に合金化した合金は、固溶体相であれ、化合物相であれ、又は双方であれ、その構成成分の均質な分布を有し得る。本明細書で使用される用語「完全に合金化された」は、許容誤差範囲内の僅かな変異を説明することができる。例えば、その用語は、少なくとも95%の合金化など、少なくとも99%の合金化など、少なくとも99.5%の合金化など、少なくとも99.9%の合金化などの、少なくとも90%の合金化を指すことができる。本明細書での百分率は、文脈に応じて、体積百分率又は重量百分率のいずれかを指すことができる。これらの百分率は、合金の部分ではない組成又は相の観点によるものとすることができる、不純物によって均衡させることができる。
アモルファス又は非晶質固体
「アモルファス」又は「非晶質固体」は、結晶に特徴的な格子周期性を欠く固体である。本明細書で使用するとき、「アモルファス固体」は、ガラス転移を通じて、加熱されると液体状の状態へと軟化及び変態するアモルファス固体である、「ガラス」を含む。一般的には、アモルファス材料は、結晶に特徴的な長距離秩序を欠くが、それらのアモルファス材料は、化学結合の性質による、原子の長さスケールでの何らかの短距離秩序を保有し得る。アモルファス固体と結晶性固体との区別は、X線回折及び透過型電子顕微鏡検査などの構造特性評価技術によって判定される、格子周期性に基づいて行うことができる。
用語「秩序」及び「無秩序」とは、多粒子系内での何らかの対称性又は相関性の有無を指示する。用語「長距離秩序」及び「短距離秩序」は、長さスケールに基づいて、材料内の秩序を区別する。
固体における秩序の最も厳密な形態は格子周期性であり、特定のパターン(単位格子内の原子配列)が何度も繰り返され、並進不変の、空間充填を形成する。この格子周期性は、結晶の定義特性である。可能な対称性は、14種のブラベー格子及び230種の空間群に分類されている。
格子周期性は、長距離秩序を示唆するものである。1つの単位格子のみが知られる場合には、その並進対称性によって、任意の距離での、全ての原子配置を正確に予測することが可能である。一般に逆も真であるが、ただし、例えば、完全に確定的な充填を有するが、格子周期性を保有しない、準結晶の場合は例外である。
長距離秩序は、同じサンプルの遠隔の部分が、相関する挙動を呈する、物理系を特徴付ける。この長距離秩序は、相関関数、すなわち次のスピン−スピン相関関数として表現することができる。
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上記の関数では、sはスピン量子数であり、xは特定の系内の距離関数である。この関数は、x=x’である場合、単位元に等しく、距離|x−x’|が増大するにつれて減少する。典型的には、この関数は、長距離で、指数関数的にゼロまで減衰し、その系は無秩序であると見なされる。しかしながら、この相関関数が大きい|x−x’|で一定値へと減衰する場合には、その系は長距離秩序を保有すると述べることができる。この関数が、距離の累乗でゼロまで減衰する場合には、準長距離秩序と呼ぶことができる。大きい値の|x−x’|を構成するものは、相対的であることに留意されたい。
系は、その挙動を定義する一部のパラメータが、経時的に進展しないランダム変数である(すなわち、それらが急冷又は凍結された)場合、急冷無秩序を提示すると言える(例えば、スピングラス)。この急冷無秩序は、ランダム変数自体が進展することが可能な、アニール性無秩序とは反対である。本明細書の実施形態は、急冷無秩序を含む系を包含する。
本明細書で説明される合金は、結晶性、部分結晶性、アモルファス、又は実質的アモルファスとすることができる。例えば、合金サンプル/試料は、少なくともある程度の結晶化度を含み得るものであり、ナノメートル及び/又はマイクロメートルの範囲のサイズを、結晶粒/結晶が有する。あるいは、合金は、十分にアモルファスであるなどの、実質的アモルファスとすることができる。一実施形態では、合金組成物は、実質的に結晶性であるなど、完全に結晶性であるなどの、少なくとも実質的にアモルファスではない。
一実施形態では、他のアモルファス合金中の1種の結晶又は複数種の結晶の存在は、その合金中の「結晶相」として解釈することができる。合金の結晶化度の程度(又は一部の実施形態では、略して「結晶化度」)とは、その合金中に存在する結晶相の量を指すことができる。その程度とは、例えば、合金中に存在する結晶の分率を指すことができる。この分率は、文脈に応じて、体積分率又は重量分率を指すことができる。アモルファス合金がどの程度「アモルファス」であるかの尺度を、アモルファス化度とすることができる。アモルファス化度は、結晶化度の程度の観点により測定することができる。例えば、一実施形態では、低い程度の結晶化度を有する合金は、高い程度のアモルファス化度を有すると述べることができる。一実施形態では、例えば、60体積%の結晶相を有する合金は、40体積%のアモルファス相を有し得る。
アモルファス合金又はアモルファス金属
「アモルファス合金」とは、50体積%超のアモルファス含有量、好ましくは90体積%超のアモルファス含有量、より好ましくは95体積%超のアモルファス含有量、最も好ましくは99体積%超〜ほぼ100体積%のアモルファス含有量を有する合金である。上述のように、アモルファス化度が高い合金は、結晶化度の程度が同等に低いことに留意されたい。「アモルファス金属」とは、無秩序な原子スケール構造を有するアモルファス金属材料である。結晶性であることにより、高度に秩序化した原子配置を有する、殆どの金属とは対照的に、アモルファス合金は非晶質である。そのような無秩序構造が、冷却の間に液体状態から直接作り出される材料は、「ガラス」と称される場合がある。したがって、アモルファス金属は、一般に「金属ガラス」又は「ガラス金属」と称される。一実施形態では、バルク金属ガラス(「BMG」)とは、その微細構造が少なくとも部分的にアモルファスである合金を、指すことができる。しかしながら、アモルファス金属を作り出すためには、極度な急速冷却の他にも、物理蒸着、固相反応、イオン照射、メルトスピニング、及び機械的合金化を含めた、幾つかの方法が存在する。アモルファス合金は、それらが調製される方法とは関係なく、単一の部類の材料とすることができる。
アモルファス金属は、様々な急冷法を通じて作り出すことができる。例えば、アモルファス金属は、回転する金属ディスク上に溶融金属をスパッタリングすることによって、作り出すことができる。1秒当り約数百万度の急冷は、結晶が形成するには過度に高速である得るため、その金属は、ガラス状態で「固定」される。また、アモルファス金属/合金は、厚い層のアモルファス構造、例えば、バルク金属ガラスの形成を可能にするための、十分に低速な臨界冷却速度で作り出すこともできる。
用語「バルク金属ガラス」(「BMG」)、バルクアモルファス合金(「BAA」)、及びバルク凝固アモルファス合金は、本明細書で互換的に使用される。それらの用語は、少なくともミリメートルの範囲の最小寸法を有する、アモルファス合金を指す。例えば、その寸法は、少なくとも約1mmなど、少なくとも約2mmなど、少なくとも約4mmなど、少なくとも約5mmなど、少なくとも約6mmなど、少なくとも約8mmなど、少なくとも約10mmなど、少なくとも約12mmなどの、少なくとも約0.5mmとすることができる。幾何学形状に応じて、その寸法は、直径、半径、厚さ、幅、長さなどを指すことができる。BMGはまた、少なくとも約1.0cmなど、少なくとも約2.0cmなど、少なくとも約5.0cmなど、少なくとも約10.0cmなどの、センチメートルの範囲の少なくとも1つの寸法を有する、金属ガラスとすることもできる。一部の実施形態では、BMGは、少なくともメートルの範囲の、少なくとも1つの寸法を有し得る。BMGは、金属ガラスに関して、上述の形状又は形態のうちの、いずれかを呈することができる。したがって、本明細書で説明されるBMGは、一部の実施形態では、重要な一態様での従来の堆積技術によって作製される薄膜とは異なるものとすることができ、前者のBMGは、後者の薄膜よりも遙かに大きい寸法のものとすることができる。
アモルファス金属は、純金属ではなく、合金とすることができる。この合金は、著しく異なるサイズの原子を含有し得ることにより、溶融状態で、低い自由体積がもたらされる(またそれゆえ、他の金属及び合金よりも、桁違いとなるまでの高い粘度を有する)。この粘度は、原子が、規則格子を形成するために十分に移動することを防ぐ。この材料構造は、冷却の間の低収縮性、及び塑性変形に対する抵抗性をもたらし得る。一部の場合には結晶性材料の弱点である、この結晶粒界の非存在は、例えば、磨耗及び腐食に対する、より良好な抵抗性をもたらし得る。一実施形態では、技術的にはガラスであるが、アモルファス金属はまた、酸化物ガラス及びセラミックよりも遙かに強靭であり、脆性ではないものにすることもできる。
アモルファス材料の熱伝導率は、それらの結晶性対応物の熱伝導率よりも低いものにすることができる。より緩徐な冷却の間でも、アモルファス構造の形成を達成するために、3種以上の構成成分で合金を作製して、より高いポテンシャルエネルギー、及びより低い形成の確率を有する、複合結晶単位をもたらすことができる。アモルファス合金の形成は、以下の幾つかの因子:合金の構成成分の組成と、構成成分の原子半径(好ましくは、高い充填密度及び低い自由体積を達成するために、12%超の有意差を有する)と、結晶核生成を阻止し、溶融金属が過冷却状態に留まる時間を延長する、構成成分の組み合わせの負の混合熱と、に応じて変化し得る。しかしながら、アモルファス合金の形成は、多種多様な変数に基づくものであるため、合金組成物がアモルファス合金を形成するか否かを事前に判定することは、困難な場合がある。
例えば、ホウ素、ケイ素、リン、及び他のガラス形成剤と、磁性金属(鉄、コバルト、ニッケル)とのアモルファス合金は、低い保磁力及び高い電気抵抗を有する、磁性のものとすることができる。この高い抵抗は、例えば、トランス用磁心として有用な特性である、交番磁界に晒された場合の渦電流による低損失をもたらす。
アモルファス合金は、潜在的に有用な様々な特性を有し得る。具体的には、アモルファス合金は、同様の化学組成の結晶性合金よりも強固である傾向にあり、それらは結晶性合金よりも大きい可逆性(「弾性」)変形に耐え得る。アモルファス金属は、それらの強度を、それらの非晶質構造から直接導き出すものであり、この非晶質構造は、結晶性合金の強度を制限する欠陥(転位などの)を全く有し得ない。例えば、Vitreloy(商標)として知られる、1つの最新のアモルファス金属は、高級チタンのほぼ2倍の引張り強さを有する。一部の実施形態では、室温での金属ガラスは延性ではなく、張力が負荷されると突然破損するが、このことは、差し迫った破壊が明白ではないため、信頼性が重要な用途での、その材料の適用性を制限する。それゆえ、この課題を克服するために、延性の結晶性金属の樹枝状の粒子又は繊維を含有する、金属ガラスマトリックスを有する、金属マトリックス複合材料を使用することができる。あるいは、脆化を引き起こす傾向がある元素(例えば、Ni)が少ないBMGを使用することができる。例えば、Niを含まないBMGを使用することにより、そのBMGの延性を改善することができる。
バルクアモルファス合金の別の有用な特性は、これらが真のガラスであり、換言すれば、加熱により軟化かつ流動し得ることである。このことは、ポリマーと殆ど同じ方法での、射出成形などによる、容易な加工処理を可能にする。結果として、アモルファス合金は、スポーツ用品、医療用装置、電子部品及び電子装備、並びに薄膜を作製するために使用することができる。アモルファス金属の薄膜は、高速酸素燃料技術を介して、保護コーティングとして堆積させることができる。
材料は、アモルファス相、結晶相、又は双方を有し得る。これらのアモルファス相及び結晶相は、同じ化学組成を有し、微細構造のみが異なる(すなわち、一方はアモルファスであり、他方は結晶質である)ものとすることができる。一実施形態での微細構造は、25X以上の倍率の顕微鏡によって明らかとなるような材料の構造を指す。あるいは、これらの2つの相は、異なる化学組成及び微細構造を有し得る。例えば、組成物は、部分的アモルファス、実質的アモルファス、又は完全アモルファスとすることができる。
上述のように、アモルファス化度の程度(また反対に結晶化度の程度)は、合金中に存在する結晶の分率によって測定することができる。その程度とは、合金中に存在する結晶相の体積分率又は重量分率を指すことができる。部分的アモルファス組成物とは、少なくとも約10体積%など、少なくとも約20体積%など、少なくとも約40体積%など、少なくとも約60体積%など、少なくとも約80体積%など、少なくとも約90体積%などの、少なくともその約5体積%がアモルファス相である組成物を指すことができる。用語「実質的に」及び「約」は、本明細書中の他の場所で定義されている。したがって、少なくとも実質的にアモルファスである組成物とは、少なくとも約95体積%など、少なくとも約98体積%など、少なくとも約99体積%など、少なくとも約99.5体積%など、少なくとも約99.8体積%など、少なくとも約99.9体積%などの、少なくともその約90体積%がアモルファスであるものを指すことができる。一実施形態では、実質的アモルファス組成物は、その中に存在する何らかの付随的な少量の結晶相を有し得る。
一実施形態では、アモルファス合金組成物は、アモルファス相に関して均質とすることができる。組成が均一である物質は均質である。このことは、不均質である物質とは対照的である。用語「組成」とは、物質中の化学組成及び/又は微細構造を指す。物質は、その物質の体積を半分に分割して、両半分が実質的に同じ組成を有する場合に、均質である。例えば、微粒子懸濁液は、その微粒子懸濁液の体積を半分に分割して、両半分が実質的に同じ体積の粒子を有する場合に、均質である。しかしながら、顕微鏡下で個々の粒子を視認することが可能な場合もある。均質な物質の別の例は、空気であり、その空気中の種々の成分は等しく浮遊するが、空気中の粒子、気体、及び液体は、個別に分析することができ、又は空気から分離することもできる。
アモルファス合金に関して均質である組成とは、その微細構造の全体にわたって実質的に均一に分布するアモルファス相を有するものを指すことができる。換言すれば、その組成物は、組成物の全体にわたって実質的に均一に分布するアモルファス合金を巨視的に含む。代替の実施形態では、この組成は、非アモルファス相をその中に有する、アモルファス相を有する複合材料のものとすることができる。この非アモルファス相は、1つの結晶又は複数の結晶とすることができる。それらの結晶は、球形、楕円、ワイヤ状、ロッド状、シート状、フレーク状、又は不規則形状などの、任意の形状の微粒子の形態とすることができる。一実施形態では、結晶は、樹枝状形態を有し得る。例えば、少なくとも部分的にアモルファスの複合組成物は、アモルファス相マトリックス中に分散する樹枝状結晶の形状の結晶相を有し得るものであり、この分散は、均一又は不均一なものとすることができ、アモルファス相と結晶相とは、同じ化学組成又は異なる化学組成を有し得る一実施形態では、それらの相は実質的に同じ化学組成を有し得る。別の実施形態では、結晶相は、BMG相よりも延性とすることができる。
本明細書で説明される方法は、任意のタイプのアモルファス合金に適用可能とすることができる。同様に、組成物又は物品の成分として、本明細書で説明されるアモルファス合金は、任意のタイプのものとすることができる。このアモルファス合金は、Zr、Hf、Ti、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe、Mg、Au、La、Ag、Al、Mo、Nb、Beの元素、又はこれらの組み合わせを含み得る。すなわち、この合金は、その化学式又は化学組成中に、これらの元素のいずれかの組み合わせを含み得る。それらの元素は、種々の重量百分率又は体積百分率で存在し得る。例えば、鉄「ベース」合金とは、その中に存在する無視することができない重量百分率の鉄を有する、合金を指すことができ、その重量百分率は、例えば、少なくとも約40重量%など、少なくとも約50重量%など、少なくとも約60重量%など、少なくとも約80重量%などの、少なくとも約20重量%などとすることができる。あるいは、一実施形態では、上述の百分率は、重量百分率の代わりに、体積百分率とすることができる。したがって、アモルファス合金は、ジルコニウムベース、チタンベース、白金ベース、パラジウムベース、金ベース、銀ベース、銅ベース、鉄ベース、ニッケルベース、アルミニウムベース、モリブデンベースなどとすることができる。この合金はまた、特定の目的に適合するように、上述の元素のうちのいずれかを含まない場合もある。例えば、一部の実施形態では、この合金、又はこの合金を含む組成物は、ニッケル、アルミニウム、チタン、ベリリウム、又はこれらの組み合わせを実質的に含まないものであり得る。一実施形態では、この合金又は複合材料は、ニッケル、アルミニウム、チタン、ベリリウム、又はこれらの組み合わせを、全く含まない。
例えば、このアモルファス合金は、式(Zr,Ti)(Ni,Cu,Fe)(Be,Al,Si,B)を有し得るものであり、式中、a、b、及びcはそれぞれ、重量百分率又は原子百分率を表す。一実施形態では、原子百分率で、aは30〜75の範囲であり、bは5〜60の範囲であり、cは0〜50の範囲である。あるいは、このアモルファス合金は、式(Zr,Ti)(Ni,Cu)(Be)を有し得るものであり、式中、a、b、及びcはそれぞれ、重量百分率又は原子百分率を表す。一実施形態では、原子百分率で、aは40〜75の範囲であり、bは5〜50の範囲であり、cは5〜50の範囲である。この合金はまた、式(Zr,Ti)(Ni,Cu)(Be)を有し得るものでもあり、式中、a、b、及びcはそれぞれ、重量百分率又は原子百分率を表す。一実施形態では、原子百分率で、aは45〜65の範囲であり、bは7.5〜35の範囲であり、cは10〜37.5の範囲である。代替として、この合金は式(Zr)(Nb,Ti)(Ni,Cu)(Al)を有し得るものであり、式中、a、b、c、及びdはそれぞれ、重量百分率又は原子百分率を表す。一実施形態では、原子百分率で、aは45〜65の範囲であり、bは0〜10の範囲であり、cは20〜40の範囲であり、dは7.5〜15の範囲である。上述の合金系の例示的一実施形態は、Liquidmetal Technologies(CA,USA)によって製作されるような、Vitreloy−1及びVitreloy−101などの、商品名Vitreloy(商標)の、Zr−Ti−Ni−Cu−Beベースのアモルファス合金である。種々の系のアモルファス合金の一部の実施例が、表1及び表2に記載される。
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その他の例示的な鉄系合金には、例えば米国特許出願公開第2007/0079907号及び同第2008/0305387号に開示されている組成物が挙げられる。これらの組成物には、Fe(Mn,Co,Ni,Cu)(C,Si,B,P,Al)系が含まれ、Fe含有量は60〜75原子パーセント、(Mn,Co,Ni,Cu)の合計は5〜25原子パーセントの範囲内、及び(C,Si,B,P,Al)の合計は8〜20原子パーセントの範囲内であり、例示的な組成はFe48Cr15Mo14Y2C15B6である。また、Fe−Cr−Mo−(Y,Ln)−C−B,Co−Cr−Mo−Ln−C−B、Fe−Mn−Cr−Mo−(Y,Ln)−C−B、(Fe,Cr,Co)−(Mo,Mn)−(C,B)−Y、Fe−(Co,Ni)−(Zr,Nb,Ta)−(Mo,W)−B,Fe−(Al,Ga)−(P,C,B,Si,Ge)、Fe−(Co,Cr,Mo,Ga,Sb)−P−B−C、(Fe,Co)−B−Si−Nb合金、及びFe−(Cr−Mo)−(C,B)−Tmにより記述される合金系が挙げられ、ここにおいてLnはランタニド元素、Tmは遷移金属元素を示す。更に、このアモルファス合金は、米国特許出願公開第2010/0300148号に記載されている例示的組成物Fe80P12.5C5B2.5、Fe80P11C5B2.5Si1.5、Fe74.5Mo5.5P12.5C5B2.5、Fe74.5Mo5.5P11C5B2.5Si1.5、Fe70Mo5Ni5P12.5C5B2.5、Fe70Mo5Ni5P11C5B2.5Si1.5、Fe68Mo5Ni5Cr2P12.5C5B2.5、及びFe68Mo5Ni5Cr2P11C5B2.5Si1.5のうちの1つであり得る。
これらのアモルファス合金はまた、(Fe,Ni,Co)ベース合金などの、鉄合金とすることもできる。かかる組成物の例は、米国特許第6,325,868号、同第5,288,344号、同第5,368,659号、同第5,618,359号、及び同第5,735,975号、InoueらのAppl.Phys.Lett.,Volume 71,p 464(1997)、ShenらのMater.Trans.,JIM,Volume 42,p 2136(2001)、並びに日本特許出願第200126277号(公開番号2001303218(A))で開示されている。1つの例示的な組成物は、Fe72AlGa11である。別の例は、Fe72AlZr10Mo15である。本明細書でのコーティングに使用することができる、別の鉄ベース合金系が、米国特許出願公開第2010/0084052号で開示されており、そのアモルファス金属は、例えば、括弧内に記される組成の範囲で、マンガン(1〜3原子%)、イットリウム(0.1〜10原子%)、及びケイ素(0.3〜3.1原子%)を含有し、また括弧内に記される組成の指定範囲で以下の元素:クロム(15〜20原子%)、モリブデン(2〜15原子%)、タングステン(1〜3原子%)、ホウ素(5〜16原子%)、炭素(3〜16原子%)、及び残部の鉄を含有する。
このアモルファス合金は、米国特許出願公開第2008/0135136号、同第2009/0162629号、及び同第2010/0230012号に記述されているPt又はPd系合金のうち1つであり得る。例示的な組成物には、Pd44.48Cu32.35Co4.05P19.11、Pd77.5Ag6Si9P7.5、及びPt74.7Cu1.5Ag0.3P18B4Si1.5が挙げられる。
上述のアモルファス合金系は、Nb、Cr、V、及びCoを含めた添加遷移金属元素などの、添加元素を更に含み得る。これらの添加元素は、約20重量%以下など、約10重量%以下など、約5重量%など、約30重量%以下で存在し得る。一実施形態では、この任意選択の添加元素は、コバルト、マンガン、ジルコニウム、タンタル、ニオビウム、タングステン、イットリウム、チタン、バナジウム、及びハフニウムのうちの少なくとも1つであり、炭化物を形成して、耐摩耗性及び耐食性を更に改善する。更なる任意選択の元素としては、融点を低下させるための、合計で最大約2%の、好ましくは1%未満の、リン、ゲルマニウム、及びヒ素を挙げることができる。他の少量の不純物は、約2%未満、好ましくは0.5%未満とするべきである。
一部の実施形態では、アモルファス合金を有する組成物は少量の不純物を含み得る。不純物元素を意図的に添加することにより、機械的特性(例えば、硬度、強度、破壊機構など)の改善、及び/又は耐食性の改善などの、その組成物の特性を修正することができる。あるいは、それらの不純物は、加工処理及び製造の副生成物として得られるもののような、不可避の付随的な不純物として存在し得る。この不純物は、約5重量%以下など、約2重量%以下など、約1重量%以下など、約0.5重量%以下など、約0.1重量%以下などの、約10重量%以下とすることができる。一部の実施形態では、これらの百分率は、重量百分率の代わりに、体積百分率とすることができる。一実施形態では、この合金サンプル/組成物は、アモルファス合金から本質的になる(少量の付随的不純物のみを有する)。別の実施形態では、この組成物はアモルファス合金を含む(観察可能な微量の不純物を全く有さない)。
一実施形態では、最終部品は、バルク凝固アモルファス合金の臨界鋳造厚さを超過するものであった。
本明細書の実施形態では、バルク凝固アモルファス合金が高粘度の液体として存在することができる、過冷却液体領域の存在により、超塑性成形が可能となる。大きな塑性変形を得ることができる。過冷却液体領域内で大きく塑性変形する能力は、成形プロセス及び/又は切断プロセスに使用される。固体とは対照的に、この液体のバルク凝固合金は、局所的に変形し、このことが、切断及び成形のために必要とされるエネルギーを、大幅に低下させる。切断及び成形の容易性は、合金、金型、及び切断工具の温度に応じて変化する。温度が高くなるにつれて、粘度が低下し、その結果として、切断及び成形が容易になる。
本明細書の実施形態は、例えば、Tg〜Txで実施される、アモルファス合金を使用する熱可塑性成形プロセスを利用することができる。本明細書では、Tx及びTgは、結晶化の開始の温度、及びガラス転移の開始の温度として、典型的な加熱速度(例えば、20℃/分)での標準的なDSC測定から決定される。
アモルファス合金構成要素は、臨界鋳造厚さを有し得るものであり、最終部品は、その臨界鋳造厚さよりも厚い厚さを有し得る。更には、加熱及び成形操作の時間並びに温度は、アモルファス合金の弾性歪み限界が、1.0%以上、好ましくは1.5%以上であることを実質的に維持し得るように選択される。本明細書の実施形態との関連では、ガラス転移近傍の温度とは、成形温度がガラス転移未満、ガラス転移温度若しくはガラス転位温度近傍、及びガラス転移温度超とすることができることを意味するが、結晶化温度Tより低い温度であることが好ましい。冷却工程は、加熱工程での加熱速度と同様の速度で、好ましくは、加熱工程での加熱速度を超える速度で実施される。冷却工程はまた、好ましくは、成形及び整形荷重が依然として維持されている間にも、達成される。
電子機器
本明細書の実施形態は、BMGを使用する電子機器の製作で有用であり得る。本明細書での電子機器とは、当該技術分野において既知の任意の電子機器を指すことができる。例えば、この電子機器は、携帯電話及び固定電話などの電話、あるいは、例えばiPhone(登録商標)を含めたスマートフォン、及び電子eメール送信/受信機器などの、任意の通信機器とすることができる。この電子機器は、デジタルディスプレイ、TVモニタ、電子ブックリーダ、携帯ウェブブラウザ(例えば、iPad(登録商標))、及びコンピュータモニタなどの、ディスプレイの一部とすることができる。この電子機器はまた、携帯DVDプレーヤ、従来型DVDプレーヤ、ブルーレイディスクプレーヤ、ビデオゲームコンソール、携帯音楽プレーヤ(例えば、iPod(登録商標))などの音楽プレーヤなどを含めた、娯楽機器とすることもできる。この電子機器はまた、画像、ビデオ、音声のストリーミングを制御することなどの、制御を提供する機器(例えば、Apple TV(商標))の一部とすることもでき、又は電子機器用の遠隔制御装置とすることができる。この電子機器は、コンピュータ、あるいはハードドライブタワーの筺体若しくはケーシング、ラップトップ筺体、ラップトップキーボード、ラップトップトラックパッド、デスクトップキーボード、マウス、及びスピーカーなどの、コンピュータ付属品の一部とすることができる。この物品はまた、腕時計又は時計などの機器にも適用することができる。
射出圧縮成形(コイニングとも呼ばれる)は、アモルファス合金を加工するのに利用される。このような成形プロセスは、ダイキャビティ内への溶融アモルファス合金の注入と、充填中及び凝固中に、厚さを減らしたり、又は合金に更なる特徴部を加えたりするために続いて行われるダイ内での更なる圧力印加と、を伴う。このプロセスにより、アモルファス合金の鋳造と関連付けられた完全充填及び高速冷却という同時要件ゆえに他の方法では不可能とされ得る、非常に薄い、又は高アスペクト比の構造を製造することできる。更に、このプロセスは、凝固合金からキャビティ壁への良好な伝熱を保つことにより、鋳造歩留を向上し、このプロセスを用いて、流れ不良やヒケなどを避けることにより、鋳造された物品の鋳放し表面仕上げを改善することもできる。
各種実施形態の利点は、充填中又は充填直後に金型ツーリングの分離部位が作動してキャビティの体積又は形状を変え、その部分の厚さ、表面仕上げ、及び充填度に影響を及ぼすということである。通常だと、鋳造中に冷却すると、その部品が収縮して、金型壁とその部品との間に空隙が生まれ、それによって伝熱が最少化される。本発明に係る方法により、冷却中に金型壁とその部品との間で一定の接触を保ち、そこでの急速な伝熱を維持し、それによってその部品をバルクアモルファス部品として成形することができる。
一実施形態は、BMG物品を成形する方法であって、型穴を形成するために対を成した静止金型部品と可動金型部品とを含む金型を提供することと、静止金型部品と可動金型部品との間に型穴を形成することと、溶融した材料を型穴に注入することと、溶融した材料を、バルク金属ガラス(BMG)物品を成形するために、ある冷却速度で型穴内で冷却することと、溶融した材料間での物理的接触が実質的に失われるのを防ぐために、注入及び/又は冷却中に可動金型部品を動かすことと、を含む方法に関するものである。
任意選択で、可動金型部品を動かすことは、可動金型部品に印加される圧力、圧力を印加するタイミング、可動金型部品の移動速度、型穴における溶融した材料の充填度、又はそれらの組み合わせを制御することを含む。任意選択で、可動金型部品を動かすことは、溶融した材料の注入及び/又は冷却中に可動金型部品に圧力を印加して、型穴内の溶融した材料の厚さを増減させることを含む。任意選択で、可動金型部品を動かすことは、溶融した材料の注入及び/又は冷却中に可動金型部品に圧力を印加して、BMG物品における更なる構造的特徴部を加えることを含む。任意選択で、BMG物品における更なる構造的特徴部は円特徴部を含む。任意選択で、可動金型部品を動かすことは、可動金型部品の表面に対して垂直方向に圧力を印加して、可動金型部品を静止金型部品に近づけることと遠ざけることとを含む。任意選択で、可動金型部品を動かすことは、可動金型部品の表面に対して平行方向に圧力を印加して、BMG物品に更なる特徴部を与えることを含む。任意選択で、型穴の内面と型穴内の溶融した材料との間には空隙が形成されない。任意選択で、型穴内の溶融した材料を冷却することは、冷却速度を制御するために、金型の材料、金型の温度、金型内の雰囲気、溶融した材料の温度、又はそれらの組み合わせを選択することを更に含む。任意選択で、冷却速度は、概ね臨界冷却速度以上に維持される。この臨界冷却速度は、0.1K/秒から1000K/秒の範囲で、500K/秒未満であるのが好適であり、100K/秒未満であれば更に好適であり、10K/秒未満であるのが最も好適である。任意選択で、溶融した材料は、Zrベース、Feベース、Tiベース、Ptベース、Pdベース、金ベース、銀ベース、銅ベース、Niベース、Alベース、Moベース、Coベースの合金、又はそれらの組み合わせを含む。任意選択で、BMG物品は、物品の縁部に欠肉部がない状態を維持して成形される。任意選択で、動かすことは、型穴の実質的に全体を溶融した材料で満たすことを含む。任意選択で、この方法は、BMG物品における更なる構造的特徴部を更に含む。
別の実施形態は、上述のプロセスによって作られたBMG物品に関するものである。この物品は、複数の副構造を含み得る。任意選択で、BMG物品の少なくとも一部分が、BMG物品のBMG合金の臨界鋳造厚さを上回る厚さを有する。任意選択で、BMG物品は、10より大きいアスペクト比を有する円筒状ロッドを含む。任意選択で、BMG物品は、全次元において少なくとも0.5mmの測定値を有し、更に好ましくは、全次元において少なくとも1.0mmの測定値を有する。任意選択で、BMG物品は、10以上のアスペクト比(一次元/二次元)を有する物体を含む。
別の実施形態は、型穴を形成するために対を成した静止金型部品及び可動金型部品と、ある冷却速度で冷却されてBMG物品になる溶融した材料を型穴内に注入するように構成された射出ユニットと、溶融した材料がその冷却速度で型穴に注入及び/又は冷却されている間、可動金型部品の動きを制御するように構成されたユニットと、を備える射出圧縮成形装置に関するものである。任意選択で、この装置は、BMG合金を含む物品を鋳造するように構成されている。
各種実施形態は、射出圧縮成形を組み込むことによって、例えば、(1)所望の冷却速度を維持して物品をアモルファス状態で形成するために、溶融した材料と金型の内面との間に伝熱を提供することができ、(2)同間に空隙を形成せずに、型穴の実質的に全体を溶融した材料で満たすことができ、かつ/又は(3)この成形されたBMG物品のアスペクト比を約10以上又は約0.1未満にして、小部位、又は例えば薄型湾曲体などの薄型構造を成形できるようにするなどして、BMG物品の形成加工性を高めることに関するものである。加えて、所望の表面仕上げ及び構造的特徴部を有するBMG物品も成形することができる。
各種実施形態によれば、金型を使用してBMG物品を成形する方法が提供される。この金型は、型穴を形成するために対を成した静止金型部品と可動金型部品とを含み得る。型穴が形成されると、溶融した材料を注入して型穴を満たすことができる。型穴内の溶融した材料はその後、所望の冷却速度で冷却してバルク金属ガラス(BMG)物品へと作り変えることができる。溶融した材料を注入及び/又は冷却している間、可動金型部品の動きを制御して、溶融した材料と金型との間の熱接触を維持し、それによって冷却速度を維持することができる。各種実施形態において、溶融した材料を注入及び/又は冷却している間、成形されたBMG物品の少なくとも一部分のアスペクト比が10以上か、又は0.1未満となるように可動金型部品の動きを制御することができる。各種実施形態においては、溶融した材料を注入及び/又は冷却している間、可動金型部品の動きを制御して、BMG物品における更なる構造的特徴部を加えることができる。
各種実施形態によれば、射出圧縮成形装置が提供される。この装置は、金型、射出ユニット、及び/又は機械ユニットを含み得る。この金型は、型穴を形成するために対を成した静止金型部品と可動金型部品とを含み得る。射出ユニットは、溶融した材料を型穴に注入して、溶融した材料をその型穴内で所望の冷却速度で冷却してBMG物品にするように構成することができる。機械ユニットは、溶融した材料が型穴に注入され、冷却されている間、可動金型部品の動きを制御するように構成することができる。
例示的実施形態においては、BMG物品を成形する方法が、型穴(例えば、ダイキャビティ)への溶融アモルファス合金の注入と、充填及び凝固中に、厚さを増減したり、及び/又は合金に更なる特徴部を加えたりするために続いて行われる金型(例えばダイ)内での更なる圧力印加と、を伴う。金型ツーリングの部位の分離が、充填中及び/又は充填直後に、型穴の体積又は形状を変えるよう作動し、物品又はそれらの部品の厚さ、表面仕上げ、及び/又は充填度に部分的又は全体的に影響を及ぼす。このプロセスにより、アモルファス合金の鋳造と関連付けられた実質的に完全な充填及び高速冷却という同時要件ゆえに他の方法では成形不能であり得る、非常に薄い、又は高アスペクト比の構造を製造することできる。更に、このプロセスは、凝固合金からキャビティ壁への望ましい伝熱を保つことにより、鋳造歩留りを向上し、このプロセスを用いて、流れ不良やヒケなどを排除することにより、鋳造された物品の鋳放し表面仕上げを改善することもできる。通常だと、鋳造中に冷却すると、物品又は物品の部品が収縮して、金型壁と部品との間に空隙が生まれ、それによって伝熱が最小化される。本明細書に開示のとおり、冷却中に金型壁とその部品との間で一定の接触を保つことができ、急速な伝熱を維持するため、それにより、溶融した材料をバルクアモルファス物品として成形することができる。
装置及び方法
本明細書に記述される装置、方法、技法、及び機器は、記述されている各種実施形態に限定することを意図したものではない。下記で更に述べられるように、この装置の部品は互いに一線上に配置される。いくつかの実施形態によれば、装置の部品(又は部品へのアクセス)は水平軸上に並べられているが、装置の部品は垂直軸上に並べることもできる。下記の実施形態は単に例示目的のためのものであり、限定することを意図するものではない。
図3は、本教示の様々な実施形態に係る、例示的な射出圧縮成形装置300を示す概略図である。図4は、本教示の様々な実施形態に係る、BMG物品を成形するための例示的方法を示すフロー図である。図4に描かれた方法は、図3に示す装置を参照して説明されているが、当該技術の当業者であれば、この方法及びこの装置が如何なる方法でも制限されないものと理解するであろう。
図示のとおり、図3の装置300は、例えば、射出ユニット340と、金型336と、機械ユニット350と、を含み得る。
射出ユニット340は、例えば、金属合金インゴット320など溶融した材料を型穴338に注入するように構成することができる。一実施形態において、真空状況下では、溶融した金属合金の1つ又は複数の投入物が、例えば、溶融チャンバ又はルツボから、装置300の移送スリーブ330へと移送され、少なくとも部分的に移送スリーブを満たし、その後型穴338に注入され得る。例えば、ルツボは、平行移動するように、かつ注ぎ軸を中心に回動するように装着され得る。そしてこのルツボは、このルツボから移送スリーブ330の注ぎ穴を通じて溶融した材料を注ぐ目的でこのルツボを回転させるためのモータに装着されており、移送スリーブ330には受口又は漏斗が連結されている場合あるいは連結されていない場合がある。他の実施形態においては、金属合金が溶融される溶融チャンバから、移送スリーブが位置する真空チャンバ内の位置への平行移動が行われ得る。移送スリーブ330(時に、当該技術分野及び本明細書においてショットスリーブ、コールドスリーブ又は注入スリーブと呼ばれる)は、溶融ゾーン(図示せず)と金型336との間に設置され得る。移送スリーブ330は、溶融した材料を受容し、その中を通して金型336へと移送するように構成されている開口部を有する。開口部は、水平軸(例えばX軸)に沿って水平方向に設けられてもよい。移送スリーブは、コールドチャンバである必要はない。
溶融した材料は、生成されるBMG物品の質に悪影響を及ぼし得る一切の反応、汚染、又は他の状況を防ぐために、例えば、非反応性環境などで金属合金を溶融することによって提供することができる。金属合金は、真空環境、又はアルゴンなどの不活性環境で溶融され得る。場合によっては、この溶融環境内のガスが溶融した材料に混入し、鋳造された物品が過剰な多孔状になることから、金属合金が真空環境で溶融されてもよい。例えば、溶融チャンバが真空源に連結され溶融チャンバ内で金属合金が溶融されてもよい。各種実施形態において、一度に単一又は複数の投入材料が溶融され得る。
金属合金の溶融は、例えば、インゴット(固体状態)、半固体状態、事前加熱されたスラリー、粉末、ペレットなどのいくつもの形状の開始材料を有し得る。各種実施形態において、溶融した金属合金は誘導溶融された金属合金であり得る。例えば、誘導スカル再溶融又は溶融(ISR)ユニットを使用して、あるいは真空誘導溶融(VIM)、電子ビーム溶融、抵抗式溶融、又はプラズマアークなど他の方法を用いて金属合金が溶融され得る。1つ又は複数の投入金属合金が真空環境で溶融されると、溶融した金属合金は次に、移送スリーブ330に移送されて型穴338に注入される。
一実施例おいては、例えば最大約25ポンドの鋳型形成用単一投入材料を高速できれいに溶融できるルツボなどで金属合金を溶融するのに、誘導スカル再溶融又は溶融(ISR)が使用される。ISRでは、互いに隣り合う位置で保持された複数の金属製(例えば銅製)フィンガによって画定されるルツボで材料が溶融される。このルツボは、電源に連結された誘導コイルによって囲まれている。フィンガは、フィンガの溶融を防ぐために冷却水が水源との間を循環するための管路を含む。コイルによって生成された磁界がルツボを通過し、ルツボにある金属合金材料を加熱して溶融する。この磁界は、溶融した金属合金を撹拌又はかき混ぜる役割も果たす。材料の薄層がルツボ壁で凝結してスカルを形成し、それにより、溶融した材料がルツボを侵食する能力を最小限に抑える。ルツボ及びコイル、並びにコイルに印加される電力レベル及び周波数を適切に選択することにより、溶融した材料をルツボから離し、溶融した材料を実効的に浮遊させることができる。
材料の溶融と溶融した材料の注入との間に必ず一定の時間が経過するので、材料は、注入されるまで少なくとも実質的に溶融した状態を保てる高さの温度でありながら、所望の冷却速度で凝固が起こり、BMG物品を成形できる低さの温度で溶融される。比較的低い温度が用いられる場合には、溶融金属の移送及び注入が、型穴内で金属が凝固する前に十分に高速である必要がある。
溶融した材料のインゴット320を注入する際に、プランジャロッド342又は同様の機器が移送スリーブ330及び液圧装置又は他の適切なアセンブリと協働して、プランジャロッド342を矢印344の方向に駆動及び移動し、溶融金属合金インゴット320を移送スリーブ330から型穴338内へと注入する。各種実施形態において、プランジャロッドは、毎秒約30インチ(ips)と500ipsとの間、又は約50ipsと175ipsとの間の速度を有するように制御され得る。プランジャロッドは、少なくとも約1000psi又は少なくとも1500psiの圧力で動かされ得る。各種実施形態において、インゴットは、鋳造された物品の孔を減らし、実質的に除去するために熱間等方加圧(HIP)され得る。
プランジャロッド342は自身のストロークの終端に近づいて型穴338を満たすと、プランジャロッド342は溶融合金320に圧力を移送し始める。孔を最小限に抑え、その後の冷却時における材料収縮を減らす、又は無くすために、強化も行われる。型穴が満たされると、溶融した金属合金の鋳造物が凝固するまで圧力が保たれ得る。
このプロセスの実行中に、移送スリーブ及び/又は関連機器が、溶融した金属合金の温度に応じて特定の温度で加熱され得る。代替として、熱を全く加えなくても良い。この場合には、溶融した金属合金の移送及び/又は注入を含むプロセスが、数秒以内で行われ得る。例えば、注入が3秒未満又は2秒未満で行われ得る。
一実施形態においては、少なくともプランジャロッド342及び溶融ゾーン310が一線上でかつ水平軸(例えば、X軸)上に提供され、これにより、プランジャロッド342は水平方向に(例えばX軸に沿って)動き、溶融した材料320を金型336へと移動させる。この金型は、射出ユニット340の溶融ゾーンに隣接して配置することができる。
金型336は、溶融した材料を中に通して受容するための入口を有する。金属又は合金などの材料を鋳造する目的で使用されるシステム又は装置300は、溶融した材料を金型又は型穴に押し込む際に真空を利用し得る。(例えば真空源による)減圧が、少なくとも、材料を溶融、移動若しくは移送、及び鋳造する目的で使用される装置300の部品に適用され得る。例えば、金型336、移送スリーブ330、及びプランジャロッド342は、全て減圧下にあり得、かつ/又は真空チャンバ内に密閉され得る。
金型336は、可動金型部品336aと静止金型部品336bとを含み得る。可動金型部品336a及び静止金型部品336bは対になり、協働して型穴338を画定し得る。可動金型部品336a及び静止金型部品336bは再利用可能であり得る。型穴338は、1つの物品(例えばBMG物品)を製造するための1つ以上のキャビティ形状を含み得る。各種実施形態において、1つより多くのBMG物品を同時に成形するために、装置300で1つより多くの型穴を構成することができる。
本明細書に開示されているとおり、可動金型部品336aは、静止金型部品336bに対して制御可能に移動可能であり得る。例えば、可動金型部品336aは、静止金型部品336bに対して制御可能に近づけたり遠ざけたりすることができる。
可動金型部品の動きを制御することは、例えば、可動金型部品に印加される圧力、圧力を印加するタイミング、可動金型部品の移動速度(ひいては、例えば、溶融した材料が型穴で充填及び拡延する速度)、型穴における充填度など、のうちの1つ以上を制御することを含み得る。圧力は、可動金型部品の表面に対して垂直方向(X軸)に印加して、可動金型部品を静止金型部品に対して近づけたり遠ざけたりさせることができ、かつ/又は可動金型部品の表面に対して平行方向(例えば、図3に記載されていないZ軸)に印加して、可動金型部品によって型穴内の材料に所望の特徴部を加えるようにすることができる。可動金型部品の動きを制御することは、射出ユニットが溶融した材料を型穴に注入している間、及び/又は型穴に注入された材料が冷却及び凝固している間に行うことができる。
各種実施形態においては、機械ユニット350を、可動金型部品の動きを制御する目的で使用することができる。機械ユニット350は、可動金型部品336a及び/又は静止金型部品336bと関連付けられた任意の機械的機構であり得る。例えば、機械ユニット350は、液圧装置、型締ユニット、圧縮機構、油圧アクチュエータなどのアクチュエータなどであり得る。作動時に、例えば金属合金など、溶融した材料が型穴を満たし、キャビティ壁に接触し、まだ柔らかいであろうときに、例えば、溶融した材料がキャビティ壁に当って冷却及び凝固する際の溶融材料の収縮を克服する目的で、力又は圧力が、機械ユニットにより、溶融した材料に、例えば連続的に印加され得る。
注入された溶融材料320は、型穴338の内面に当って凝固することができる。溶融金属合金320が凝固しBMG物品を成形するには、溶融した金属合金が冷却されてアモルファス状態のBMG(即ちバルク凝固アモルファス合金)物品が形成されることを確実にする冷却速度を伴い得る。この冷却速度は、例えば、材料の臨界冷却速度以上であり得る。一実施形態において、臨界冷却速度は約500K/秒程度、例えば、約5Kから約500K/秒又は約5K/秒から約400K/秒、又は約5K/秒から約300K/秒、又は約5K/秒から約200K/秒、又は10K/秒未満の範囲であり得る。
BMG物品を成形するための溶融した金属合金の冷却速度は、冷却中の時間−温度プロファイルが、図2のTTT図内の結晶化領域を境界付けるノーズ形状領域境界を横断しないようなものでなければならない。また、アモルファス金属/合金は、アモルファス材料を形成できるだけ十分に高く(速く)(例えば、臨界冷却速度よりも高く)、かつ、アモルファス構造を(例えば、バルク金属ガラス(BMG)用くらい)厚い層で形成できるだけ十分に低い、冷却速度で製造することができる。各種元素を含むZrベースの合金系は、103℃/秒未満という低い臨界冷却速度を有し得るため、それらの同等物よりもはるかに大きな臨界鋳造厚さを有する。各種実施形態において、臨界冷却速度よりも高速の冷却速度を達成するためには、サンプルから熱を抜き取る必要がある。
各種実施形態において、冷却速度は、例えば、金型部品336a及び336bの一方又は両方で使用される材料、型材料の温度、型穴内の雰囲気(例えば、Ar、He、などの不活性ガス)、型穴338内の溶融した材料320の温度によって制御される。
金型は種々の材料で形成できるが、良好な熱伝導率を有し、腐食耐性及び金属合金など溶融した材料の注入によるケミカルアタックに対する耐性が比較的高い必要がある。使用可能な材料を網羅したリストは非常に長く、金属、セラミックス、黒鉛及び金属基複合材料などの材料を含み得る。型材料の非制限的な例として、H13及びV57などの工具鋼、TZM及びアンビロイなどのモリブデン及びタングステン系材料、銅ベリリウム合金「モールドマックス」ハイハードなどの銅系材料、F75及びL605などのコバルト系合金、IN 100及びRene 95などのニッケル系合金、鉄系合金、及び1018などの軟炭素鋼が挙げられ得る。型材料の選択は、物品を経済的に製造する上で極めて重要であり、部材の現行コストだけでなく、鋳造される物品の複雑さ及び量にも依存する。それぞれの型材料は、各種用途において所望される属性を有する。低コストのダイ材料には、金型の機械加工及び製作が比較的容易であることを理由に、軟炭素鋼及び銅ベリリウム合金が使用され得る。高コスト、大量用途の場合には、高温での強度に優れているという理由で、タングステン及びモリブデン系材料などの高融点金属が使用され得る。コバルト系及びニッケル系合金、並びに合金化度の高い工具鋼は、この2つの材料群間の中間物を提供し得る。
型穴338は、コールドチャンバタイプの型穴であり得る。金型336は、冷却処理中に金型の温度を熱的に管理するために、水などのクーラント源、又は油などの熱源にも接続され得る。
材料の鋳造中は、金型部品336a及び金型部品336bの一方又は両方を、それらの間にある材料(例えばアモルファス合金)が、例えば、酸素、空気又は他の反応性ガスに実質的に暴露されないように構成することができる。各種実施形態においては、溶融した材料が型穴で冷却されてBMG材料になるように型穴内の溶融した材料の冷却速度を管理するために、例えばAr、Heなどの不活性ガスを金型336内で使用することができる。代替として、金型及び型穴の中から雰囲気が実質的に除去されるように、真空が適用され得る。真空金型の内側に対して、例えば真空源を使用して減圧が行われる。例えば、システムの減圧又は減圧レベルは、溶融及びその後の成形サイクル中において1×10−1〜1×10−4Torrに保持され得る。別の一実施形態において、この減圧レベルは、溶融及び成形サイクル中において、1×10−2〜約1×10−4Torrに保持される。もちろん、他の圧力レベル又は範囲、例えば、1×10−9Torr〜約1×10−3Torr、及び/又は1×10−3Torr〜約0.1Torrも使用することができる。
一実施形態においては、注入前又は注入中に、機械ユニット350によって可動金型部品336aを静止金型部品336bから制御可能に遠ざけて、溶融した材料320を受け取るための比較的大きなキャビティを作ることができる。溶融した材料320は、(例えば静止金型部品336bの)一方からプランジャロッド342によって型穴338に押し入れられるときに、(例えば可動金型部品336aの)反対側からも押され得る。
各種実施形態は、BMG物品を成形するための方法も含む。例えば、図4に記載するとおり、ブロック410で、静止金型部品336bと可動金型部品336aとを含む金型336が提供され得る。ブロック420で、静止金型部品336bと可動金型部品336aとの間に、所望に応じて型穴338が形成され得る。ブロック430で、溶融した材料320が型穴338に注入され得る。ブロック440で、溶融した材料が所望の冷却速度で冷却されてBMG物品となり得る。ブロック450で、注入及び/又は冷却中に、例えば、可動金型部品336aに対する圧力、可動金型部品336aに圧力を印加するタイミング、可動金型部品の速度などを制御することにより、可動金型部品336aの動きが、本明細書に開示されているように制御され得る。
例えば、機械ユニット350を使用して可動金型部品336aにおける圧力、圧力を印加するタイミング、速度などを調節するなど、可動金型部品336aの動きを制御することにより、溶融した材料320を格納するための型穴338の大きさを調節することができ、溶融した材料が、金属合金と型穴の内面との間に空隙を生むことなく、鋳造用のキャビティ全体を実質的に完全に満たすことができ、それにより、鋳造された物品は、キャビティに応じた所望の構造及び表面仕上げを有することができる。機械ユニット350を使用することにより、成形された物品の縁部を維持すること、即ち、成形された物品の欠肉部を回避し、先端加工に良好な構造的特徴部を与え、かつ/又は表面仕上げを改善することができる。例えば、射出圧縮成形により、成形された材料が、機械ユニット350による圧縮を行わない射出成形加工よりも研磨されたキャビティ表面を一貫して反映することができる。
溶融した材料320の冷却プロセスにおいては、凝固した溶融材料がある程度収縮して、(凝固した材料及び/又は溶融した材料を含み得る)成形された材料と型穴の内面との間で空隙が生まれ、それらの間での熱接触又は伝熱が低減し得る。このことが、成形された材料の冷却速度に影響し(例えば減じ)得る。成形された材料の冷却速度をアモルファス合金を成形するための所望の範囲に維持するために、機械ユニット350を使用して、可動金型部品336aにおける圧力、タイミング、速度などを調節し、それらの間での熱接触又は伝熱を維持することができる。成形された材料はその後、所望の冷却速度で急速に冷却され、型穴上に結晶基材を形成するのではなく、型穴の内面にアモルファス基材を形成し得る。
各種実施形態においては、薄型構造を有するキャビティを使用して、高アスペクト比、小部位、又は薄型構造を有するBMG物品を成形するのが望ましい。薄いキャビティが使用されるいくつかの場合においては、充填プロセスの開始時にそのキャビティが満たされるべきである。しかし、図3の装置300と図4の方法とを使用することにより、薄いキャビティを最初に満たす必要がなくなる。機械ユニット350は、キャビティの内面で溶融材料が凝固する前に、キャビティにおける溶融材料の充填を調節して溶融材料を延ばすことができる。例えば、成形されたBMG物品の1つ以上の部位/部分、又はBMG物品自体が、約10よりも大きいか、約100よりも大きいか、あるいは約1000よりも大きいアスペクト比を有する円筒状ロッドなどのロッドを含み得る。別の実施例においては、成形されたBMG物品の1つ以上の部位/部分、又はBMG物品自体が、約0.1未満、約0.01未満、あるいは約0.001未満のアスペクト比(高さ/直径)を有する円盤型物体などの物体を含み得る。
各種実施形態において、機械ユニット350は、成形された材料に特定の特徴部/表面特徴部を与え、それによって最終的なBMG物品に特定の特徴部/表面特徴部を与える目的で使用することができる。即ち、型穴を溶融合金で満たすため、及び型穴の表面特徴部を成形された材料に反映するためではなく、成形された材料に圧力を印加し、成形された材料、つまりBMG物品に、例えば円特徴部又は他の適切な特徴部などの特定の構造的特徴部を与えるために機械ユニット350を作動させても良い。
各種実施形態において、BMG物品の少なくとも1つの部位/部分が、臨界鋳造厚さを上回る厚さを有し得る。例えば、BMG物品は、全次元において少なくとも0.5mmの測定値を有し得る。
成形されたBMG物品は、弁、歯、展開可能歯、展開可能スパイク、可撓性スパイク、成形加工した歯、可撓性歯、アンカー、フィン、挿入可能又は拡張可能フィン、アンカー、ネジ、リッジ、鋸歯、板、ロッド、インゴット、円盤、球及び/又は他の同様の構造を含むがそれらに制限されない種々の所望の三次元(3D)構造を有し得る。
BMG物品の成形に使用される金属合金は、Zrベース、Feベース、Tiベース、Ptベース、Pdベース、金ベース、銀ベース、銅ベース、Niベース、Alベース、Moベース、Coベースの合金等、及びそれらの組み合わせであり得る。例えば、Zrベース合金は、Zrを含有する任意の合金(例えば、BMG合金又はバルク凝固アモルファス合金)を含み得る。Zrベース合金は、Zrを含有することに加え、例えば、自身の化学式又は化学組成に、Hf、Ti、Cu、Ni、Pt、Pd、Fe、Mg、Au、La、Ag、Al、Mo、Nb、Be、又はこれらの元素の任意の組み合わせから選択された1つ以上の元素を更に含み得る。それらの元素は、種々の重量百分率又は体積百分率で存在し得る。各種実施形態において、Zrベース合金は、特定の目的に適合するように、上述の元素のうちのいずれも含まない場合がある。例えば、いくつかの実施形態においては、Zrベースの金属合金、又はZrベースの金属合金を含む組成物が、ニッケル、アルミニウム、チタン、ベリリウム、及び/又はそれらの組み合わせを実質的に含まないものであり得る。一実施形態においては、Zrベースの金属合金、又はZrベースの金属合金を含む組成物が、ニッケル、アルミニウム、チタン、ベリリウム、及び/又はそれらの組み合わせを全く含まないものであり得る。
例示的なZrベースのBMG合金は、例えば、本出願の中で先に記載した式(Zr,Ti)a(Ni,Cu,Fe)b(Be,Al,Si,B)c、(Zr,Ti)a(Ni,Cu)b(Be)c、及び/又は(Zr)a(Nb,Ti)b(Ni,Cu)c(Al)dを有するZr−Ti−Ni−Cuベースのアモルファス合金であり得る。例示的なZrベースのBMG合金は、例えば、約60重量%又は体積%のジルコニウムと、約38重量%又は体積%の銅を有し、残りがアルミニウム及びニッケルであるZr−Alベースのアモルファス合金であり得る。いくつかの実施形態においては、ZrベースのBMG合金の例として、表2に列記された合金が挙げられ得る。
改めて図3から図4を参照すると、金属合金が確実に凝固し、1つ以上のBMG物品を成型するのに十分な時間が経過した後、BMG物品を金型336から取り出すことができる。取り出し機構(図示せず)が、成形されたBMG物品又は成形された部品を金型部品336aと336bとの間の型穴から取り出すように構成することができる。この取り出し機構は、(例えば、金型部品336a〜336bが、例えば、水平に移動して互いに相対的に遠ざかった後、関連する減圧が解除された後)にBMG物品を取り出すために作動するように構成されている作動機構(図示せず)と関連付けるか、又は接続することができる。各種実施形態においては、任意の数又は種類の金型が装置300及び方法400で用いられ得る。例えば、金型部品336aと336bの間及び/又は金型部品336a〜336bに隣接して任意の数の金型部品対が設けられ、金型を形成し得る。
本発明は、限られた数の実施形態との関連で、本明細書で説明及び例示されるが、本発明は、本発明の趣旨及び本質的特性から逸脱することなく、多くの形態で具体化することができる。それゆえ、本開示の要約書で説明されるものを含めた、例示及び説明される実施形態は、全ての点で、制限するものではなく、例示として見なされるべきである。本発明の範囲は、上述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって指示されるものであり、この特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内に含まれる全ての変更は、その特許請求の範囲内に包含されることが意図される。

Claims (18)

  1. BMG物品を成形する方法であって、
    型穴を形成するために静止金型部品と可動金型部品とを互いに相対的に位置決めすることと
    溶融した材料を前記型穴に注入することと、
    前記溶融した材料を、バルク金属ガラス(BMG)物品を成形するために、ある冷却速度で前記型穴内で冷却することと、
    前記溶融した材料と前記可動金型部品との間の物理的接触が冷却中に実質的に失われるのを防ぐために、前記注入及び前記冷却中に前記可動金型部品を動かすことと、
    を含む方法。
  2. 前記可動金型部品を前記動かすことが、
    前記可動金型部品に印加される圧力、前記圧力を印加するタイミング、前記可動金型部品の移動速度、前記型穴における前記溶融した材料の充填度、又はこれらの組み合わせを制御することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記可動金型部品を前記動かすことが、前記溶融した材料の注入及び/又は冷却中に前記可動金型部品に圧力を印加して、前記型穴内の前記溶融した材料の厚さを増減させることを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記可動金型部品を前記動かすことが、前記可動金型部品の表面に対して垂直方向に圧力を印加することを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記可動金型部品を前記動かすことが、前記可動金型部品の前記表面に対して平行方向に圧力を印加することをさらに含む、請求項に記載の方法。
  6. 前記型穴の内面と前記型穴内の前記溶融した材料との間に空隙が形成されない、請求項1に記載の方法。
  7. 前記型穴内の前記溶融した材料を前記冷却することが、前記冷却速度を制御するために、型材料、金型の温度、金型内の雰囲気、前記溶融した材料の温度、又はそれらの組み合わせを選択することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記冷却速度が概ね臨界冷却速度又はそれ以上に維持され、前記臨界冷却速度が約500K/秒以下である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記冷却速度が10K/秒未満に維持される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記溶融した材料が、Zrベース、Feベース、Tiベース、Ptベース、Pdベース、金ベース、銀ベース、銅ベース、Niベース、Alベース、Moベース、Coベースの合金、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記BMG物品が、前記物品の縁部に欠肉部がない状態を維持して成形される、請求項1に記載の方法。
  12. 型穴の第1部分を規定する静止金型部品と、
    型穴の第2部分を規定する可動金型部品と
    を含む金型と、
    融した材料を前記型穴内に注入するように構成された射出ユニットと、
    前記溶融した材料が注され及び前記型穴で冷却されている間、前記可動金型部品を動かすように構成されたアクチュエータユニットと、
    を備える射出圧縮成形装置。
  13. 前記アクチュエータユニットが、前記型穴の形を変えるように、金型の閉鎖軸とは異なる移動軸に沿って、前記静止金型部品に対して前記可動金型部品を動かすように構成されている、請求項12に記載の射出圧縮成形装置。
  14. 前記静止金型部品は金型の閉鎖軸と平行でない第1の表面を有し、
    前記可動金型部品は前記金型の閉鎖軸と平行でない第2の表面を有し、
    前記アクチュエータユニットは、前記第1及び第2の表面と前記型穴内の材料との間の熱的接触を、前記材料が前記型穴内で冷却されている間維持するように、前記金型の閉鎖軸と平行でない追加の軸に沿って前記可動金型部品を動かすように構成されている、
    請求項12に記載の射出圧縮成形装置。
  15. BMG物品を成形する方法であって、
    可動金型部品及び静止金型部品で型穴を規定することと、
    溶融した材料を前記型穴に注入することと、
    前記溶融した材料を前記型穴内で冷却することと、
    前記溶融した材料と金型との間の物理的接触を維持し、少なくとも部分的にアモルファスの微細構造を有する物品を生成するのに十分な、前記溶融した材料と前記金型との間の冷却速度を維持するように、前記溶融した材料を注入することと冷却することとの少なくとも一方を行っている間に前記可動金型部品を動かすことと、
    を含む方法。
  16. 前記可動金型部品に印加される圧力と、前記可動金型部品に前記圧力を印加するタイミングと、前記可動金型部品の速度と、前記型穴における前記溶融した材料の充填度と、のうち少なくとも1つを制御することをさらに含む、請求項15に記載の方法。
  17. 前記可動金型部品を動かす動作は、前記溶融した材料の注入と冷却との少なくとも一方を行っている間に、前記型穴内の前記溶融した材料の厚みを減らすように前記可動金型部品を動かすことを含む、請求項15に記載の方法。
  18. 前記可動金型部品を動かす動作は、前記静止金型部品に向けて前記可動金型部品を動かすことを含む、請求項15に記載の方法。
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