JP5996209B2 - エアバッグ装置 - Google Patents
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Description
このエアバッグ装置においては、前記2枚の金属プレートをかしめて金属プレートと取付部(取付片)を一体化し、その上で、取付部と金属プレートに設けた取付孔にボルトを挿通し、さらにボルトをインナパネル(車体側壁)に設けた固定孔及びインナパネルに溶着したナットに螺合させてエアバッグを固定している。
特許文献2に記載されたエアバッグ装置においても、折り返された爪が車体側壁によってプレート側に押されて耳部(取付片)を圧縮するので、耳部がクッションとなりボルトの底付き感が得られず、また、特許文献1に記載されたものと同様に経年変化によるトルクダウンが起こる虞もある。
このエアバッグでは、図6に示すように、取付ブラケット134Aを、内外側板部136A、135Aで構成し、内側板部136Aの取付孔136a周縁の部位を、外側板部135Aの車外側面と略面一になるように形成し、取付ボルト138を、取付片部132の挿通孔132aと、外側板部135Aの取付孔135aとを貫通して車外側に突出させ、インナパネル102に取り付けたナット102bに螺合させている。
しかし、このエアバッグ装置では、エアバッグの取付片部132をインナパネル102に固定するに当たり、取付片部132の表裏両面から内側板部136A、136Bと外側板部135A、135Bを別々に当てて位置合わせをしなければならない。また、取付片部132と外側・内側板部135A、135B・136A、136Bを予め一体化するには、外側・内側板部135A、135B・136A、136Bに変形予定部を形成し、その変形予定部をかしめて一体化するとされている。しかし、かしめただけでは運搬中などに外れる虞があり、また、エアバッグのインナパネルへの取り付けに際しては取付ボルトを取付片部132と外側・内側板部135A、135B・136A、136Bに挿入する必要があり、取付作業も繁雑にならざるを得ない。
図1は、エアバッグ10の取付位置を示す車体内部を示す断面図であり、図2は、非作動時つまり収納状態におけるエアバッグ装置1を示す側面図である。
エアバッグ装置1は、車両の衝突などの衝撃によりインフレータからのガスでエアバッグ10が膨張し、車体側壁から車両前後方向に沿って下方に向けてカーテン状に展開し、搭乗者の主に頭部を保護する。
このエアバッグ装置1では、エアバッグ(又はエアバッグ本体)10の上縁部に沿って取付片11が複数設けられている。これらの取付片11は、図1に示すように、車体の上方部で車体前後方向に沿って後述するブラケット26を介して、車体側壁、例えばルーフサイドレール部(図示せず)に取り付けられている。エアバッグ10は非作動時は、車両下方に膨張展開可能に折り畳まれてトリム内等の収納部に収納されている。
ガス導入部14は、エアバッグ10の上縁から基布を上方に突出させ、その縁部に沿ってエアバッグ10の外縁接合部と連続して接合することで、車両後方側が開口する筒状に形成されている。エアバッグ装置1は、このガス導入部14内に、例えばガスの案内部材や整流部材等を挟んで、筒状をなすシリンダタイプのインフレータ25の一端部(ガス噴出し口)を挿入し、それらをまとめてブラケット26で車体側壁(ルーフサイドレール部)に固定している。
即ち、エアバッグ10は、図示の状態で、車内の側方窓部を含む車体側壁に沿って、その全体を覆うようにして乗員と車体側壁等との間に膨張展開する。
なお、エアバッグ10は、車両前方側に向かって突出する略三角形状の突片を有し、その前端縁に、車両のフロントピラー部に取り付けられる前部取付杆13が設けられている。
図4は、本発明の第1の実施形態に係るエアバッグ装置における、取付ブラケット40によるエアバッグの取付構造を示し、図4Aはその分解斜視図、図4Bは車内側からみた前記取付構造の斜視図、図4Cは車外側からみた前記取付構造の斜視図、図4Dはその正面図、図4Eは車体側壁15に取り付ける前の取付ブラケットの仮止め状態を示す側面図、図4Fは図4DにおけるA−A線に沿った断面図、図4Gは取付ブラケット及びエアバッグを車体側壁15に取り付けた状態を示す断面図である。
これにより、締結状態では、取付片11のクッション作用を受けずに底付け感を得ることができる。また、ボルト50の締付トルクを調整することもできる。
なお、プレート41の挿通孔41a、及び環状部材44の内孔44aは、いずれもボルト50が挿通できる大きさであればよいが、複数の取付片11の挿通孔11aの間隔と、対応する車体側壁15に固定された複数のナット55の間隔に寸法誤差がある場合等を考慮して、取り付け易いように例えば長孔であってもよい。
歯付きワッシャ60は、平板状で内周部に歯62を備えた内歯型で円盤状をなし、プレート41に設けた環状部材44のプレート41の反対側端面に当接して、プレート11と共に取付片11を抜け止め規制できるよう環状部材44の外径よりも大径(外径)に構成されており、前記取付ブラケット40(の環状部材44)に前記取付片11を装着した状態で、その歯をボルト50のネジ溝に掛止して仮止めする。なお、歯付きワッシャ60は円形に限らず、楕円でも或いは矩形でもよく、形状は任意である。
取付ブラケット40とエアバッグ10の取付片11を仮止めするには、まず、プレート41の挿通孔41a及び環状部材44の内孔44aにボルト50を挿通し、次に、取付片11の挿通孔11aをプレート41の環状部材44に外嵌する。続いて、環状部材44の内孔44aから突出したボルト50の端部から歯付きワッシャ60を、環状部材44のプレート41の反対側端面に当接するまで嵌め込んで装着する(図4B〜F)。なお、この場合、ボルト50は、ボルト頭52のフランジ52aがプレート41に当接するまで挿入しておくことが好ましい。
なお、環状部材44がプレート41と別々に形成される場合、必ずしもプレート41と溶着などにより一体化しなくてもよい。この場合は、仮止めの方法は、プレート41の挿通孔41aにボルト50を挿入後、環状部材44の内孔44aにボルト50を通して環状部材44をプレート41の車外側面に装着してから、取付片11の挿通孔11aを環状部材44に外嵌することになり、一体化した場合に比べて操作が少し煩雑になるが、一体化しないことで、溶着などの手間を省くことができるとの利点もある。
また、ボルト50とプレート41とが溶着などにより一体化されていてもよい、この場合は、仮止めの方法は、プレート41に環状部材44が設けられている場合には、取付片11の挿通孔11aを環状部材44に外嵌するまでの手間を省くことができる。
まず、仮止めした取付ブラケット40、及び歯付きワッシャ60から外側に突出したボルト50を、車体側壁15の挿通孔15aに挿通し、車体側壁15の挿通孔15aの車外側に固定したナット55に整合させ、その状態でボルト50のボルト頭52を回転させることによって締結し、取付ブラケット40の車体側壁15への取り付けを完了する(図4G)。
図5は、本実施形態係るエアバッグ装置における、取付ブラケットによるエアバッグの取付構造を示す断面図である。
本取付構造は、第1の実施形態における取付構造におけるボルト50と環状部材44が一体に形成された構造であり、その他の点では第1の実施形態におけるものと同様である。
即ち、ボルト50(1)には、図5に示すように、ボルト頭52(1)に設けられたフランジ52a(1)よりも小径でボルト50(1)の軸部51(1)よりも大径の環状の段部53(1)がフランジ52a(1)のボルト50(1)先端側に一体に形成されている。
ボルト50(1)の段部53(1)は、第1の実施形態の環状部材44と同様に、ボルト50(1)を車体側壁15に固定したナット55に締結した状態で、取付片11の厚みによるクッション作用の影響を受けない所定の厚さ(ここではボルト50(1)の挿通方向長さを云う)に形成されている。また、前記歯付きワッシャ60は前記段部53(1)に外嵌する前記取付片11の抜け止め規制可能な外径寸法に形成されており、フランジ52a(1)自体は既に説明したフランジ52と同様である。
なお、段部53(1)は、取付片11の挿通孔11aに挿通可能な外径の円柱形状が望ましいが、これに限定されず、挿通孔11aに挿通された状態で取付片11に対して相対回転可能であれば楕円状、多角形状、さらには角柱状でもよい。
また、ボルト50(1)とプレート41とが溶着などにより一体化されていてもよい、この場合は、仮止めの方法は、ボルト50(1)の段部53(1)をプレート41の挿通孔41aに嵌装する手間を省くことができる。
即ち、歯付きワッシャ60で、ボルト50を挿通した状態で取付ブラケット40とエアバッグ10の取付片11とを仮止めできるため、一旦仮止めした取付ブラケット40とエアバッグ10は容易に外れることはない。そのため、前記仮止めと、エアバッグ10の車体側壁15への取り付け作業を分けて実施することができ、取付ブラケット40の車体側壁15への取り付けに先立って前記仮止め作業を行い、取付ブラケット40とエアバッグを仮止めした状態で保管しておくこともできる。
この場合、ボルトを手で数回転させて、抜け落ちない程度にナットに螺合させることで、取付ブラケット40を簡単に、車体側壁15へ仮止め状態とすることができる。これにより、複数の取付ブラケット40を順次仮止め状態としてから、エアバッグ10全体の取り付け状態を確認の後、工具にて本締めすることができ、作業効率を上げることができる。
先願発明は、エアバッグの車体への取付作業が容易で、エアバッグの取付片をボルトで締結したときの底付き感が得られ、しかも取付作業を容易に行えることを目的とするものであり、本発明はその先願発明の改良に係るものである。
本発明は、先願発明における取付ブラケットの一方の外プレートの機能を、ワッシャで代替させることで、外プレートを廃する構成とした。
これにより、本発明は、前記先願発明の作用効果に加え、さらに部品点数及び組み付け工数の削減、及びこれに伴うコストダウン及び軽量化が可能となった。
Claims (10)
- 車内の車体側壁の上方部に車両前後方向に沿って取り付けられるエアバッグ装置であって、
前記エアバッグ装置のエアバッグに設けられ挿通孔を形成した複数の取付片と、
挿通孔を備え取付片の車内側に配置されるプレートを有する取付ブラケットと、
内孔を備え、取付片の挿通孔の内側に配置され、取付片の厚みより大きい所定の厚さを有する環状部材と、
環状部材の内孔、プレートの挿通孔とを連通する軸部を有し、取付ブラケットを車体側壁に取り付けるボルト及びナットと、
取付ブラケットのプレートの挿通孔および環状部材の内孔を連通したボルトの軸部に、環状部材におけるプレートの反対側端面に当接した状態で装着される仮止め用の歯付きワッシャとを備え、
エアバッグ装置が車体側壁へ取り付けられた状態において、プレートと環状部材におけるプレートの反対側端面に当接された歯付きワッシャ間の間隔は前記所定の厚さに規制されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1に記載されたエアバッグ装置であって、
前記歯付きワッシャは前記環状部材に外嵌する前記取付片の抜け止め規制可能な外形寸法に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1又は2に記載されたエアバッグ装置であって、
前記環状部材の内孔及び前記プレートの挿通孔を長孔に形成したことを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし3のいずれかに記載されたエアバッグ装置であって、
前記環状部材は前記取付ブラケットと一体に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載されたエアバッグ装置であって、
前記ボルトは前記取付ブラケットと一体に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項1ないし5のいずれかに記載されたエアバッグ装置であって、
前記環状部材は円環部材であることを特徴とするエアバッグ装置。 - 車内の車体側壁の上方部に車両前後方向に沿って取り付けられるエアバッグ装置であって、
前記エアバッグ装置のエアバッグに設けられ挿通孔を形成した複数の取付片と、
挿通孔を備え取付片の車内側に配置されるプレートを有する取付ブラケットと、
プレートの挿通孔および取付片の挿通孔に連通する軸部と、軸部より大径で軸部に連続して形成されると共にプレートの挿通孔および取付片の挿通孔に挿通され、取付片の厚みより大きい所定の厚さを有する段部と、プレートの挿通孔に対し抜け止めとなるボルト頭部とを備えたボルトと、
ボルトとともに取付ブラケットを車体側壁に取り付けるナットと、
プレートの挿通孔および取付片の挿通孔に挿通したボルトの軸部に、段部の軸部側面に当接した状態で装着される仮止め用の歯付きワッシャと、を有し、
エアバッグ装置が車体側壁へ取り付けられた状態において、プレートと段部の軸部側面に当接された歯付きワッシャ間の間隔は前記所定の厚さに規制されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項7に記載されたエアバッグ装置であって、
前記歯付きワッシャは前記段部に外嵌する前記取付片の抜け止め規制可能な外径寸法に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項7又は8に記載されたエアバッグ装置であって、
前記ボルトは前記取付ブラケットと一体に形成されていることを特徴とするエアバッグ装置。 - 請求項7ないし9のいずれかに記載されたエアバッグ装置であって、
前記段部は円柱形状であることを特徴とするエアバッグ装置。
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