JP5990902B2 - クロロスルホン化ポリオレフィンおよびその製造方法 - Google Patents

クロロスルホン化ポリオレフィンおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、クロロスルホン化ポリオレフィンおよびその製造方法に関するものであり、より詳しくは、耐寒性および明色性に優れるクロロスルホン化ポリオレフィンおよびその製造法に関するものである。
クロロスルホン化ポリオレフィンは、ポリオレフィンを溶媒に溶解又は懸濁させ、塩素化及びクロロスルホン化することによって製造され、優れた耐熱性、耐侯性、耐オゾン性、耐薬品性及び明色性を有することから、各種ホースのカバー材、電線被覆材、パッキン、ガスケット、ロール及びエスカレーターの手摺等の各種用途に使用されている。またクロロスルホン化ポリオレフィンを溶媒または水に溶解または分散させ、接着剤、コーティング剤、塗料、プライマー等幅広い分野で使用されている。
ところが、クロロスルホン化ポリオレフィンの欠点の一つとして耐寒性に乏しいことがあげられる。
そこで、耐寒性改良のためこれまで芳香族化合物を溶剤として用いたクロロスルホン化ポリオレフィンの製造法(例えば、参考文献1参照)や、特定の構造を有するクロロスルホン化エチレンα―オレフィン共重合体組成物に少量の可塑剤及び/又は軟化剤を添加する方法(例えば、特許文献2参照)などが提案されている。
しかしながら、上記の手法では耐寒性向上に効果はあるものの、明色性が十分ではなかった。そのため、これらの特性の両立が望まれていた。
特開昭60−144306号公報 特開平9−179364号公報
本発明は、上記した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は耐寒性および明色性に優れるクロロスルホン化ポリオレフィンを提供するものである。
本発明者らは、上記した課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至ったものである。すなわち、本発明は、1,1,2−トリクロロエタンを0.001〜1.0重量%以下含有し、かつ、YI値が15以下であることを特徴とするクロロスルホン化ポリオレフィン、およびその製造方法である。
以下に、本発明について詳細に説明する。
本発明のクロロスルホン化ポリオレフィンは、1,1,2−トリクロロエタンを0.001〜1.0重量%含有する。1.0重量%を超えて含有すると、貯蔵安定性が低下し、0.001重量%未満になると耐寒性が低下してしまう。その中でも、良好な耐寒性を確保するため、0.003〜0.8重量%が好ましく、0.005〜0.5重量%がさらに好ましい。
本発明のクロロスルホン化ポリオレフィンは、YI値が15以下となるものである。YI値が15以下であると明色性に優れるものであり、YI値が15を超えると明色性に劣る。このYI値は、分光色差計(日本電色工業(株)製、SE−2000)を使用して、常温、反射モード、測定波長380〜780nm、C/2光源の条件で測定して行われるものである。
本発明のクロロスルホン化ポリオレフィンの塩素量は特に限定されないが、耐寒性や力学特性を考慮し、10.0〜50.0重量%が好ましく、20.0〜45.0重量%がさらに好ましい。また、本発明のクロロスルホン化ポリオレフィンの硫黄量は特に限定されないが、架橋性や機械物性を考慮し、0.3〜3.0重量%が好ましく、0.5〜2.0重量%がさらに好ましい。
本発明のクロロスルホン化ポリオレフィンは、原料であるポリオレフィンを塩素化及びクロロスルホン化して得られるクロロスルホン化ポリオレフィンであれば特に限定するものではなく、例えば、クロロスルホン化ポリエチレン、クロロスルホン化エチレン−α−オレフィン共重合体、クロロスルホン化α−オレフィン重合体、クロロスルホン化α−オレフィン共重合体、クロロスルホン化エチレン−酢酸ビニル共重合体等が挙げられる。α−オレフィンとしては、例えば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等が挙げられる。原料であるポリオレフィンには、例えば、高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)等が挙げられ、これらを単独または併用して用いることができる。その中でも耐寒性、明色性を両立させるためには、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)であることが好ましい。また、原料であるポリオレフィンは上記の成分の他に、他の重合可能な成分が共重合されていてもよい。他の重合可能な成分としては、例えば、1,4−ヘキサジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキサジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチル−1,6−オクタジエンなどの鎖状非共役ジエン、シクロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテトラヒドロインデン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネンなどの環状非共役ジエン等の非共役ジエン等が挙げられる。
原料であるポリオレフィンを塩素化及びクロロスルホン化を行なう際に使用する溶剤は、1,1,2−トリクロロエタンである。1,1,2−トリクロロエタンを使用しないと良好な耐寒性を得ることができない。なお、1,1,2−トリクロロエタンと他の溶剤を併用することもできる。他の溶剤としては、例えば、四塩化炭素、クロロホルム、ジクロルエタン、1,1,1−トリクロロエタン、テトラクロルエタン、モノクロルベンゼン、ジクロルベンゼン、フルオロベンゼン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン等の塩素化反応に対し不活性な溶媒が挙げられる。溶剤として使用する量は、特に限定するものではないが、原料であるポリオレフィンが5〜50重量%となる量が好ましい。
塩素化およびクロロスルホン化を行なう反応工程はラジカル開始剤を触媒として、塩素ガスと亜硫酸ガス、塩素ガスと塩化スルフリル、亜硫酸ガスと塩化スルフリル、塩化スルフリル単独、又は塩素ガスと亜硫酸ガスと塩化スルフリルを、溶剤に溶解又は懸濁したポリオレフィンと反応させる。塩化スルフリルを添加する場合には必要に応じて助触媒としてのピリジン、キノリン等のアミノ化合物が添加される。反応温度は塩素化反応及びクロロスルホン化反応が進行するものであれば特に限定するものではなく、例えば、40〜150℃であり、適度な塩素化反応が進行するために、好ましくは60〜130℃である。反応圧力は塩素化及びクロロスルホン化反応が進行すれば特に限定するものではなく、例えば、0〜1.0メガパスカルであり、適度な塩素化及びクロロスルホン化反応が進行するために好ましくは0〜0.7メガパスカルである。
使用されるラジカル開始剤は塩素化反応が進行するものであれば特に限定するものではなく、例えば、アゾ系化合物、有機化酸化物等が挙げられる。アゾ系化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられ、有機化酸化物としては、例えば、過酸化ベンゾイル、過酸化アセチル、過酸化t−ブチル、過安息香酸t−ブチル等が挙げられる。取り扱い上安定性が高いため、好ましくはアゾ化合物であり、適度な塩素化及びクロロスルホン化反応が進行するため、特に好ましくはα,α’−アゾビスイソブチロニトリルである。
本発明の塩素化およびクロロスルホン化を行う反応工程において、塩素化剤(塩素ガスと亜硫酸ガス、塩素ガスと塩化スルフリル、亜硫酸ガスと塩化スルフリル、塩化スルフリル単独、又は塩素ガスと亜硫酸ガスと塩化スルフリル)とラジカル開始剤を添加する際の添加方法はラジカル開始剤を加える前に塩素化剤を先に添加し、工程終了時にはラジカル開始剤添加を停止後、塩素化剤の添加を停止する。この添加順序を行わないと、明色性に劣る。
本発明における塩素化およびクロロスルホン化を行う反応工程の前または工程中に、酸化防止剤を添加してもよい。酸化防止剤としては特に限定するものではなく、例えば、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン系酸化防止剤等が挙げられる。フェノール系酸化防止剤としては、例えば、ポリ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリン、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等が挙げられ、アミン系酸化防止剤としては、例えば、N−イソプロピル−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−(1,3−ジメチルブチル)−N’−フェニル−p−フェニレンジアミン等が挙げられ、イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート等が挙げられ、リン系酸化防止剤としては、例えば、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等が挙げられる。これらの酸化防止剤の添加量は特に限定するものではないが、明色性と反応工程での影響を抑えるためにも原料ポリオレフィン100重量部に対して、0.005〜0.1重量部が好ましく、0.01〜0.05重量部がさらに好ましい。
塩素化及びクロロスルホン化反応終了後、反応溶液中に残存する塩化水素及び/又は亜硫酸ガスは窒素を導入することによって除かれる。また、減圧下において塩素水素及び/又は亜硫酸ガスの除去を行なっても何等問題ない。塩化水素及び/又は亜硫酸ガスの除去が終わった後、必要に応じて安定剤としてエポキシ化合物を添加しても良い。エポキシ化合物としては特に限定するものではないが、例えば、天然の不飽和基を有する植物油をエポキシ化したエポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油、オレイン酸、トール油脂肪酸、大豆油脂肪酸等の不飽和脂肪酸をエポキシ化したエポキシ化脂肪酸エステル類、シクロヘキセンオキサイド、α−ピネンオキサイド、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート等の脂環式エポキシ化合物、ビスフェノールAや多価アルコールとエピクロルヒドリンを縮合した、ビスフェノールAグリシジルエーテル、エチレングリコールグリシジルエーテル、プロピレングリコールグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル型エポキシ化合物、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、s−ブチルフェニルグリシジルエーテル、t−ブチルフェニルグリシジルエーテル、フェノールポリエチレンオキサイドグリシジルエーテル等のモノエポキシ化合物類等が例示され、これらを単独、又は2種類以上併用して使用することができる。
生成物ポリマーを溶剤と分離する方法には、水蒸気蒸留、ドラムドライヤー、ベント付き押出機が知られており、これらの方法により両者を分離させる。
本発明のクロロスルホン化ポリオレフィンは、従来のゴム又は樹脂と同様に配合剤を使用して配合と混練を行い、クロロスルホン化ポリオレフィン組成物の加硫物又は未加硫物で使用される。使用する配合剤としては特に限定するものではないが、従来のクロロスルホン化ポリオレフィンに使用されている受酸剤、可塑剤、充填剤、補強剤、老化防止剤、滑剤、加工助剤、加硫剤等を用いることができる。
最終用途には既存のクロロスルホン化ポリオレフィンと同様に、自動車用ホース、ガスホース、産業用ホース、エスカレーター手摺、電線、レジャーボート、ルーフィング、ポンドライナー、ロール、ベルト、ブーツ、パッキン、シート、引き布、接着剤、塗料、シーラント等が挙げられる。
本発明のクロロスルホン化ポリオレフィンは、耐寒性および明色性に優れる特性を有するものである。
次に実施例にもとづき本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により何等の制限を受けるものではない。
なお、これらの実施例で用いた値は以下の測定方法に準拠して得られたものである。
<塩素量、硫黄量>
クロロスルホン化ポリオレフィンの硫黄量はJIS K6233(1998年版)に準拠して、酸素燃焼フラスコ法にて測定した。塩素量は試料を燃焼フラスコにて燃焼させ、塩酸として純水に吸収させ、0.05mol/Lの硝酸銀水溶液を用いて、自動滴定装置にて塩素量を測定した。
<1,1,2−トリクロロエタンの量>
クロロスルホン化ポリオレフィン中の1,1,2−トリクロロエタンの量はガスクロマトグラフィー(カラム:アジレント株式会社製、DB−5)にて測定した。
<耐寒性評価>
クロロスルホン化ポリオレフィンの耐寒性は、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンを表1に示す配合にて配合、混練りした配合物を150℃×15分の条件にて加硫したクロロスルホン化ポリオレフィン組成物について、JIS K6261(2008年版)に準拠してゲーマン捩り試験にて測定した。T2,T10は23±2℃におけるモジュラスに対し、比モジュラスが2倍、10倍に相当する時の温度を示す。T2及びT10の値が大きいと耐寒性が悪いと判断できる。
Figure 0005990902
<色調評価>
クロロスルホン化ポリオレフィンの色調は、分光色差計(日本電色工業(株)製、SE−2000)にて測定し、得られたYI値にて評価した。YI値が15以下になると明色性に優れる。
実施例1
20リッターのグラスライニング製オートクレーブに1,1,2−トリクロロエタンを15kgと、MFRが6.63の低密度ポリエチレンを2.25kg、クロロスルホン化反応の助触媒としてピリジンを0.25g添加した後、反応器のジャケットに蒸気を通し、110℃でポリエチレンを均一に溶解した。またこの間、反応器に10リッター/分の流速で窒素ガスを導入し、反応器に混入した空気を除去した。ラジカル開始剤として8.0gのα,α’―アゾビスイソブチロニトリルを1,1,2−トリクロロエタン2.0kgに溶解した。この溶液を連続的に反応器へと添加しつつ、3.5kgの塩化スルフリルを別の投入口より反応器へ添加することにより反応を行う際、塩化スルフリルを22.0cc/分、α,α―アゾビスイソブチロニトリル溶液を5cc/分の流量で連続的に添加させるが、塩化スルフリルの添加をα,α’―アゾビスイソブチロニトリルの添加より2分先に添加させ、反応終了時はα,α’―アゾビスイソブチロニトリルの添加を中止した後、2分後に塩化スルフリルの添加を停止させた。この間約5時間を要したが、反応容器の圧力を0.2メガパスカルに保った。反応終了後、反応系の圧力を常圧まで低下させ、その後常圧下で窒素を吹き込むことによって溶液中に残存する塩化水素、亜硫酸ガスを系外に排出した。その後、ドラム乾燥機にて生成物を単離し、クロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンは30.6重量%の塩素と、1.65重量%の硫黄を含むことがわかった。また、1,1,2−トリクロロエタンの量は0.001重量%であった。得られたクロロスルホン化ポリオレフィンを用いて耐寒性評価、色調評価を行った。これらの結果を表2に示す。耐寒性及び色調に優れる結果であった。
Figure 0005990902
実施例2
酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]を0.45g仕込んだ以外は実施例1と同様にしてクロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンは31.5重量%の塩素と、1.69重量%の硫黄を含むことがわかった。また、1,1,2−トリクロロエタンの量は0.1重量%であった。得られたクロロスルホン化ポリオレフィンを用いて耐寒性評価、色調評価を行った。これらの結果を表2に合わせて示す。耐寒性及び色調に優れる結果であった。
実施例3
原料ポリエチレンをMFRが66.8の低密度ポリエチレンに、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールを0.3g仕込んだ以外は実施例1と同様にしてクロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンは31.9重量%の塩素と、1.74重量%の硫黄を含むことがわかった。また、1,1,2−トリクロロエタンの量は0.06重量%であった。得られたクロロスルホン化ポリオレフィンを用いて耐寒性評価、色調評価を行った。これらの結果を表2に合わせて示す。耐寒性及び色調に優れる結果であった。
実施例4
原料のポリオレフィンをMFRが3.8の高密度ポリエチレンに変更した以外は、実施例1と同様にしてクロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンは31.0重量%の塩素と、1.62重量%の硫黄を含むことがわかった。また、1,1,2−トリクロロエタンの量は0.05重量%であった。得られたクロロスルホン化ポリオレフィンを用いて耐寒性評価、色調評価を行った。これらの結果を表2に合わせて示す。耐寒性及び色調に優れる結果であった。
実施例5
20リッターのグラスライニング製オートクレーブに1,1,2−トリクロロエタンを15kgと、MFRが15.3の低密度ポリエチレンを2.25kg、クロロスルホン化反応の助触媒としてピリジンを0.25g添加した後、反応器のジャケットに蒸気を通し、110℃でポリエチレンを均一に溶解した。またこの間、反応器に10リッター/分の流速で窒素ガスを導入し、反応器に混入した空気を除去した。
塩素化反応においてまず塩素ガスを3L/minの速度で反応器内に導入し、10分後、ラジカル開始剤として8.0gのα,α’―アゾビスイソブチロニトリルを1,1,2−トリクロロエタン2.0kgに溶解した溶液を添加開始し、塩素化反応を3時間行い、α,α’―アゾビスイソブチロニトリルの溶液添加を中止した後10分後塩素ガスを停止させ、その後2.0kgの塩化スルフリルを別の投入口より反応器へ添加することによりクロロスルホン化反応を行う際、塩化スルフリルを22.0cc/分、α,α’―アゾビスイソブチロニトリル溶液を5cc/分の流量で連続的に添加させるが、塩化スルフリルの添加を10分先に添加させ、反応終了時はα,α’―アゾビスイソブチロニトリル溶液の添加を中止した後10分後に塩化スルフリルの添加を停止させた。反応終了後、反応系の圧力を常圧まで低下させ、その後常圧下で窒素を吹き込むことによって溶液中に残存する塩化水素、亜硫酸ガスを系外に排出した。その後、ドラム乾燥機にて生成物を単離し、クロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンは30.1重量%の塩素と、1.4重量%の硫黄を含むことがわかった。また、1,1,2−トリクロロエタンの量は0.03重量%であった。得られたクロロスルホン化ポリオレフィンを用いて耐寒性評価、色調評価を行った。これらの結果を表2に合わせて示す。耐寒性及び色調に優れる結果であった。
比較例1
溶剤を四塩化炭素に変更した以外は実施例1と同様にしてクロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンは32.1重量%の塩素と、1.72重量%の硫黄を含むことがわかった。また、1,1,2−トリクロロエタンの量は0.0重量部であった。得られたクロロスルホン化ポリオレフィンを用いて耐寒性評価、色差計測定を行った。これらの結果を表2に合わせて示す。色調には優れるが、耐寒性に劣る結果であった。
比較例2
溶剤を四塩化炭素に変更した以外は実施例4と同様にしてクロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンは31.5重量%の塩素と、1.60重量%の硫黄を含むことがわかった。また、1,1,2−トリクロロエタンの量は0.0重量部であった。得られたクロロスルホン化ポリオレフィンを用いて耐寒性評価、色差計測定を行った。これらの結果を表2に合わせて示す。色調には優れていたが、耐寒性が劣る結果であった。
比較例3
反応を行う際、α,α’―アゾビスイソブチロニトリル溶液を添加し5分後に塩化スルフリルを添加し、塩化スルフリル添加終了後5分後にα,α’―アゾビスイソブチロニトリルの添加を中止するよう変更した以外は実施例1と同様にしてクロロスルホン化ポリオレフィンを得た。
分析の結果、得られたクロロスルホン化ポリオレフィンは31.3重量%の塩素と、1.2重量%の硫黄を含むことがわかった。また、1,1,2−トリクロロエタンの量は0.01重量%であった。得られたクロロスルホン化ポリオレフィンを用いて耐寒性評価、色調評価を行った。これらの結果を表2に合わせて示す。色調に劣る結果であった。
本発明のクロロスルホン化ポリオレフィンは、良好な耐寒性を有し、明色性に優れるため、従来のゴム又は樹脂と同様に配合と混練を行い、加硫物又は未加硫物で使用され、広範な領域で使用される。

Claims (4)

  1. 1,1,2−トリクロロエタンを0.001〜1.0重量%含有し、かつ、YI値が15以下であることを特徴とするクロロスルホン化ポリオレフィン。
  2. 溶剤として1,1,2−トリクロロエタンを用いて、ポリオレフィンを塩素化及びクロロスルホン化するクロロスルホン化ポリオレフィンの製造方法であって、ラジカル開始剤の添加を塩素化剤の添加後から開始し、先に添加を終えることを特徴とする請求項1に記載のクロロスルホン化ポリオレフィンの製造方法。
  3. 塩素化及びクロロスルホン化する工程にて、酸化防止剤を添加することを特徴とする請求項2に記載のクロロスルホン化ポリオレフィンの製造方法。
  4. 原料として、低密度ポリエチレン(LDPE)、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び超低密度ポリエチレン(VLDPE)の群から選ばれる少なくとも一つを用いることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のクロロスルホン化ポリオレフィンの製造方法。
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