JP5982170B2 - 液体洗浄剤 - Google Patents
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Description
これに対して、被洗物が乾きやすくなる速乾性能を発現する柔軟剤又は仕上げ剤がこれまでに提案されている(たとえば特許文献1参照)。
洗浄剤を用いて洗濯を行う際、柔軟剤又は仕上げ剤を用いずに、被洗物の速乾性を高くするには、脱水後の被洗物の含水率を低くすることが考えられる。被洗物の含水率を低くするため、脱水を長時間行うと、被洗物が傷むおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、洗浄性能を維持しつつ速乾性能に優れた液体洗浄剤を提供することを課題とする。
即ち、本発明の液体洗浄剤は、下記一般式(a1)で表される化合物(A)とシリコーン(B)とを含有することを特徴とする。
本発明の液体洗浄剤は、一般式(a1)で表される化合物(A)とシリコーン(B)とを含有する。
本発明においては、これらの成分をそれぞれ(A)成分、(B)成分ともいう。
本発明の液体洗浄剤は、家庭用、商業用、工業用の用途として利用可能であり、なかでも家庭用として好適に利用可能であり、衣料用の液体洗浄剤として特に好適である。衣料用の濃縮タイプ(界面活性剤濃度の高い組成)の液体洗浄剤としても用いることができる。
被洗物の種類は、家庭における洗濯で洗浄対象とされているものと同様のものが挙げられ、たとえば衣類、布巾、タオル類、シーツ、カーテン等の繊維製品等が例示される。
本発明の液体洗浄剤において、(A)成分は、主として洗浄力を付与するために用いられる。
前記式(a1)中、R1は炭素数8〜22の炭化水素基である。
R1の炭素数は8〜22であり、10〜22が好ましく、12〜20がより好ましく、12〜18がさらに好ましく、12〜16が特に好ましい。
R1の炭素数が8以上であることにより、再汚染防止効果が高まり、洗浄力が向上する。一方、R1の炭素数が22以下であることにより、水への溶解性が向上する。R1の炭素数は12以上であることが特に再汚染防止効果の点から好ましく、20以下であることが水への溶解性の点から好ましい。
R1における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であることが好ましく、そのなかでも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルケニル基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基がより好ましい。
前記式(a1)中、pはA1Oの平均繰返し数、qはA2Oの平均繰返し数を表し、p及びqはそれぞれ独立に0以上の数である。p+qは10以上60未満の数である。p+qが10未満であると、洗浄効果が得られにくくなる。一方、p+qが60以上であると、(A)成分自体の分子量の増加に伴い、同じ配合量では組成物中の(A)成分のモル数が減少するために洗浄効果が低下しやすくなる。なかでも、p+qは、洗浄力と再汚染防止効果がより高まることから、好ましくは15以上40以下であり、より好ましくは15以上35以下である。
オキシエチレン基とオキシプロピレン基とが混在している構造の場合、オキシエチレン基とオキシプロピレン基とがランダム状に繰り返されていてもよく、ブロック状に繰り返されていてもよい。この場合、(A)成分中のオキシエチレン基の総量が(A)成分中の全オキシアルキレン基の総質量に対して60質量%以上であることが、水への溶解性の点から好ましい。
(A2O)qは、前記(A1O)pと同様である。
液体洗浄剤中、(A)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して10質量%以上が好ましく、より好ましくは10〜50質量%であり、さらに好ましくは15〜45質量%である。
(A)成分の含有量が10質量%以上であることにより、再汚染防止効果が高まり、洗浄力が向上する。一方、50質量%以下であることにより、液体洗浄剤の液外観(流動性、透明均一性)の安定化を図りやすい。
本発明の液体洗浄剤においては、(B)成分を(A)成分と組み合わせて用いることにより、洗浄効果に加えて、被洗物が乾きやすくなる速乾性付与効果が発現する。加えて、(B)成分を含有することにより、被洗物に対する柔軟性付与効果が得られる。特にアクリル繊維やポリエステル繊維等の化学繊維を含む被洗物に対する、速乾性付与効果及び柔軟性付与効果が高まる。
(B)成分としては、変性シリコーン又は未変性シリコーンのいずれも用いることができる。具体的には、未変性ジメチルシリコーン;アミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン又はこれらの複数種の変性が施されたシリコーン等の変性シリコーンが挙げられる。
なかでも、液体洗浄剤中での分散安定性の点から、変性シリコーンが好ましく、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンがより好ましい。被洗物に対して高吸着性を有する点では、アミノ変性シリコーンが特に好ましい。
ポリエーテル変性シリコーンのなかで好適なものとしては、下記一般式(b1)で表されるシリコーンが挙げられる。
R2におけるアルキレン基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。該アルキレン基の炭素数が前記範囲内にあれば、工業的に合成しやすい。
R3は、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基又は水素原子である。R3におけるアルキル基、アルケニル基は、それぞれ、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。該アルキル基の炭素数、該アルケニル基の炭素数がそれぞれ前記範囲内であれば、(B)成分の流動性が高まり、取り扱いが容易となる。
sは10〜10000の整数であり、50〜1000が好ましい。tは1〜1000の整数であり、2〜50が好ましい。s及びtが前記範囲内であれば、速乾性付与効果が向上する。
液体洗浄剤中、(B)成分の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜5質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜4質量%であり、さらに好ましくは0.1〜3質量%であり、特に好ましくは0.2〜2質量%である。
(B)成分の含有量が0.1質量%以上であることにより、速乾性付与効果が発現しやすくなる。また、被洗物(特に化学繊維)に対する柔軟性付与効果がより向上する。一方、5質量%を超えても、それに見合う速乾性の向上効果は見られず、経済的にも不利となる。一方、5質量%以下であれば、分散安定性がより向上する。加えて、洗浄力がより高まる。
本発明の液体洗浄剤中、(A)成分と(B)成分との混合比率(質量比)は、(A)成分/(B)成分で表される質量比で2以上であることが好ましい。この質量比が2以上であれば、速乾性付与効果と洗浄力がいずれもより高まる。さらに、この質量比は5〜500であることが好ましく、9〜200であることがより好ましく、10〜130であることがさらに好ましく、15〜50であることが特に好ましく、20〜30であることが最も好ましい。
該質量比が好ましい下限値以上であれば、洗浄力がより高まる。一方、該質量比が好ましい上限値以下であれば、速乾性付与効果がより高まる。
本発明の液体洗浄剤は、液体洗浄剤の調製しやすさ、使用する際の水への溶解性等の観点から、溶媒として水を含有することが好ましい。
液体洗浄剤中、水の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して20〜80質量%が好ましく、40〜75質量%がより好ましい。
水の含有量が好ましい下限値以上であると、経時に伴う液体洗浄剤の液安定性がより良好となり、一方、好ましい上限値以下であれば、液粘度が適度に低くなり、使用性の観点から良好である。
本発明の液体洗浄剤には、本発明の効果を損なわない範囲で必要に応じて、上述した(A)成分及び(B)成分以外のその他の成分を配合してもよい。
その他の成分としては、特に限定されず、衣料用などの液体洗浄剤に通常用いられる成分を配合することができ、具体的には以下に示すものが挙げられる。
該界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、(A)成分以外の非イオン界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。
(A)成分以外の界面活性剤を含有する場合、(A)成分以外の界面活性剤を、たとえば液体洗浄剤の総質量に対して、好ましくは40質量%以下、より好ましくは3〜20質量%含むことができる。
これらの塩の形態としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩、マグネシウムなどのアルカリ土類金属塩、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩等が挙げられる。
なかでも、脂肪酸アルキルエステル(好ましくは脂肪酸メチルエステル)、高級アルコールのアルキレンオキシド付加体が好ましい。該非イオン界面活性剤におけるアルキル基の炭素数は8〜20が好ましく、より好ましくは10〜14である。また、エチレンオキシド付加体であることが好ましく、繊維に対する浸透力が高く、洗浄力が高まることから、その平均付加モル数は3〜8であることがより好ましい。
(A)成分と(A)成分以外の非イオン界面活性剤との合計の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して10〜50質量%が好ましい。
該質量比が好ましい下限値以上であれば、特に皮脂汚れ等に対する洗浄力がより高まる。一方、該質量比が好ましい上限値以下であれば、速乾性付与効果が得られやすい。
非イオン界面活性剤と(B)成分との混合比率(質量比)は、非イオン界面活性剤/(B)成分で表される質量比が20以下であることが好ましく、1.5〜10であることがより好ましい。
該質量比が好ましい下限値以上であれば、特に皮脂汚れ等に対する洗浄力がより高まる。一方、該質量比が好ましい上限値以下であれば、速乾性付与効果が得られやすい。
ここで「非イオン界面活性剤/(A)成分で表される質量比」又は「非イオン界面活性剤/(B)成分で表される質量比」とは、液体洗浄剤中の(A)成分又は(B)成分の含有量に対する、非イオン界面活性剤の含有量の割合(質量比)をそれぞれ表す。
両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、イミダゾリン型、アルキルアミノスルホン型、アルキルアミノカルボン酸型、アルキルアミドカルボン酸型、アミドアミノ酸型又はリン酸型の両性界面活性剤等が挙げられる。
本発明において「水混和性有機溶媒」とは、25℃のイオン交換水1Lに50g以上溶解する有機溶媒をいう。
水混和性有機溶媒としては、水と混合した際に均一な溶液となるものであればよく、そのなかでも、炭素数2〜4の一価アルコール、炭素数2〜4の多価アルコール及び下記一般式(I)で表される化合物(グリコールエーテル系溶媒)からなる群から選択される少なくとも一種を用いることが好ましい。
炭素数2〜4の1価アルコールとしては、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール等が挙げられる。
炭素数2〜4の多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセリン等が挙げられる。
[式中、R4は炭素数1〜6のアルキル基又はフェニル基である。OR5は炭素数2〜4のオキシアルキレン基である。rはOR5の平均繰返し数を表し、1〜5である。]
前記式(I)中、rは1〜5であり、1〜3が好ましく、1又は2がより好ましい。
OR5は、前記式(a1)におけるA1O、A2Oと同様である。
前記式(I)で表されるグリコールエーテル系溶媒としては、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等が挙げられる。
液体洗浄剤中、水混和性有機溶媒の含有量は、液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜20質量%が好ましく、より好ましくは2〜15質量%であり、さらに好ましくは5〜10質量%である。
水混和性有機溶媒の含有量が好ましい下限値以上であると、液体洗浄剤の液外観(流動性、透明均一性)がより安定に維持されやすい。一方、好ましい上限値以下であれば、(A)成分と(B)成分との配合バランスをとりやすい。
また、マロン酸、コハク酸、リンゴ酸、ジグリコール酸、酒石酸、クエン酸等の金属イオン捕捉剤を、たとえば0.1〜20質量%含むことができる。
また、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム等の酸化防止剤を、たとえば0.01〜2質量%含むことができる。
また、ローム・アンド・ハース社製のケーソンCG(商品名)等の防腐剤を、たとえば液体洗浄剤の総質量に対して0.001〜1質量%含むことができる。
プロテアーゼの具体例としては、プロテアーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Savinase16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL,Everlase 16L TypeEX、Everlase Ultra 16L、Esperase 8L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L;ジェネンコア社から入手できる商品名Purafect L、Purafect OX、Properase L等が挙げられる。
アミラーゼの具体例としては、アミラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Termamyl 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl 300L、Stainzyme 12L、Stainzyme Plus 12L;ジェネンコア社から入手できる商品名Maxamyl、天野製薬社から入手できる商品名プルラナーゼアマノ、生化学工業社から入手できる商品名DB−250等が挙げられる。
リパーゼの具体例としては、リパーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Lipex 100L、Lipolase 100L等が挙げられる。
セルラーゼの具体例としては、セルラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Endolase 5000L、Celluzyme 0.4L、Carzyme 4500L等が挙げられる。
マンナナーゼの具体例としては、マンナナーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる商品名Mannaway 4L等が挙げられる。
これらの酵素は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。該酵素は、たとえば液体洗浄剤の総質量に対して0.1〜3質量%含むことができる。
着色剤としては、アシッドレッド138、Polar Red RLS、アシッドイエロー203、アシッドブルー9、青色1号、青色205号、緑色3号、ターコイズP−GR(いずれも商品名)等の汎用の色素や顔料を、たとえば液体洗浄剤の総質量に対して0.00005〜0.005質量%程度含むことができる。
乳濁化剤としては、ポリスチレンエマルション、ポリ酢酸ビニルエマルジョン等が挙げられる。乳濁化剤は、液体洗浄剤の総質量に対して通常、固形分30〜50質量%のエマルションが好適に用いられる。乳濁化剤の具体例としては、ポリスチレンエマルション(サイデン化学社製の商品名サイビノールRPX−196 PE−3、固形分40質量%)等を、液体洗浄剤の総質量に対して0.01〜0.5質量%含むことができる。
液体洗浄剤のpHは、pH調整剤により調整できる。pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸;多価カルボン酸類、ヒドロキシカルボン酸類等の有機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミン、アンモニア等が挙げられる。これらのなかでも、液体洗浄剤の経時安定性の面から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アルカノールアミンが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。
pH調整剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
液体洗浄剤のpHは、たとえば、一定量の硫酸、水酸化ナトリウム等を添加し、その後、pHの微調整用として無機酸(好ましくは塩酸、硫酸)又は水酸化カリウム等をさらに添加することにより調整できる。
本明細書において、液体洗浄剤(25℃に調温)のpHは、pHメータ(製品名:HM−30G、東亜ディーケーケー(株)製)により測定される値を示す。
本発明の液体洗浄剤は、衣料用液体洗浄剤の通常の使用方法と同様の方法で用いることができる。すなわち、液体洗浄剤を、洗濯時に洗濯物と一緒に水に投入する方法、液体洗浄剤を泥汚れや皮脂汚れ等の汚れ部位に直接塗布する方法、液体洗浄剤を予め水に溶かして衣類を浸漬する方法等が挙げられる。また、液体洗浄剤を洗濯物に塗布し、又は、液体洗浄剤の希釈液中に被洗物を浸漬して適宜放置した後、洗濯機により洗濯する方法等も挙げられる。
かかる液体洗浄剤は、前記の(A)成分と(B)成分とを含有する。
(A)成分は、少ない使用量(低濃度)でも高い洗浄効果を発揮する。加えて、他の非イオン界面活性剤(汎用のアルコールエトキシレート等)に比べて、被洗物に吸着しにくいという特性を有する。
本発明においては、(A)成分と(B)成分とを組み合わせることにより、被洗物に(A)成分が吸着しにくいことで、(B)成分が優先的に吸着しやすくなる。このため、(B)成分の吸着により柔軟性が高まることに加えて洗濯脱水後の含水率がより低減しやすくなって、被洗物が乾きやすくなる速乾性付与という特異な効果も発現すると推測される。
このような本発明の効果は、特にアクリル繊維やポリエステル繊維等の化学繊維を含む被洗物に対して顕著である。
上記のように、本発明の液体洗浄剤は、洗浄性能及び速乾性能のいずれにも優れる。また、高い柔軟性付与効果も奏する。加えて、本発明の液体洗浄剤は、液外観(流動性、透明均一性)も良好である。
さらに、本発明の液体洗浄剤は、被洗物が乾きやすくなることから、部屋干しを行う場合の洗濯等に用いる洗浄剤として好適である。加えて、洗濯機の脱水操作を好まない、おしゃれ着洗い用の洗浄剤としても好適である。
表中、各配合成分の含有量の単位は「質量%」であって純分換算量を示す。表中、空欄の配合成分がある場合、その配合成分は配合されていない。
また、表中、「(A)成分/(B)成分」は、液体洗浄剤中の(B)成分の含有量に対する、(A)成分の含有量の割合(質量比)を意味する。
本実施例において使用した原料は下記の通りである。
なお、実施例10〜19は参考例である。
a−1:ポリオキシエチレン(20)ヘキサデシルアミン(上記一般式(a1)中のR1=炭素数16のアルキル基、オキシエチレン基の平均繰返し数20、p+q=20に相当)合成品。なお、a−1は、以下のようにして合成した。
a−1の合成:
脂肪酸アミン(東京化成工業社製、n−ヘキサデシルアミン)をオートクレーブ(耐圧硝子工業社製)に仕込み、系内を窒素で置換した後、150℃に加熱し、エチレンオキシドを所定量に達するまで少量ずつ添加して、エチレンオキシド(EO)の平均付加モル数が2モルの3級アミンを合成した(一段階目)。
次に、得られた3級アミンと、アルカリ触媒(NaOH;該3級アミン100質量部に対して0.8質量部、40質量%NaOH水溶液を使用)とをオートクレーブに仕込み、系内を窒素で置換し、加温減圧による脱水を行った後、150℃に加熱し、エチレンオキシドを所定量に達するまで少量ずつ添加して、EOの平均付加モル数が20モルのa−1を得た(二段階目)。
反応後は、生成物を酢酸により中和処理した。また、アミン価測定により、分子量を算出したところ、1121であった。
対応する脂肪酸アミンを用い、所定量のEO及びプロピレンオキシド(PO)を付加させた以外は、a−1と同様にして合成し、a−5を得た。
a’−1:ポリオキシエチレン(5)ヘキサデシルアミン(上記一般式(a1)中のR1=炭素数16のアルキル基、オキシエチレン基の平均繰返し数5、p+q=5に相当)合成品。a−1と同様にして合成し、a’−1を得た。
b−1:ポリエーテル変性シリコーン、上記一般式(b1)中のs=210、t=9、R2=C3H6、Y=−(OC2H4)10−、R3=CH3であるシリコーン(合成品)を用いた。なお、b−1は以下のようにして合成した。
b−1の合成:
撹拌装置、凝縮機、温度計及び窒素挿入口を備えた1Lの4つ口フラスコに、下記化学式(b1−01)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサン(α=210、β=9)100gと、イソプロピルアルコール50gと、下記化学式(b1−02)で表されるポリオキシエチレン化合物(γ=10、Z=CH3)29gと、付加反応用白金系触媒0.2gと、2質量%酢酸ナトリウムのイソプロピルアルコール溶液0.3gとを投入し、これらを窒素雰囲気下、90℃で3時間反応させた。反応終了後、溶媒を減圧留去することによりb−1を得た。
b−3:ポリエーテル変性シリコーン、東レ・ダウコーニング(株)製の商品名「SH3775M」。
ノニオンa:アルコールエトキシレート、日本エマルジョン(株)製の商品名「EMALEX715」。
ノニオンb:アルコールエトキシレート、BASF社製の商品名「Lutenzol TO7」。
エタノール:日本アルコール販売(株)製の商品名「特定アルコール95度合成」。
安息香酸ナトリウム:東亜合成製の商品名「安息香酸ナトリウム」。
パラトルエンスルホン酸:協和発酵工業(株)製の商品名「PTS酸」。
水酸化ナトリウム:鶴見曹達(株)製、pH調整剤。
硫酸:東邦亜鉛(株)製、pH調整剤。
水:精製水。
各配合成分の含有量(質量%)は液体洗浄剤中の割合を示す。
エタノール 7.0質量%、安息香酸ナトリウム 0.5質量%、パラトルエンスルホン酸 2.0質量%、pH調整剤(水酸化ナトリウム又は硫酸)、水 バランス(液体洗浄剤全体の量を100質量部とするのに必要な量)。
各例の液体洗浄剤のpH(25℃)はいずれも、pH調整剤を添加してpH7.0となるように調整した。
表1、2に示す組成(配合成分、含有量)に従い、各例の液体洗浄剤を下記の手順で調製した。
1Lビーカーに、(A)成分と、エタノールと、ノニオンa及び/又はノニオンbと(実施例8、9、16、比較例3、6の場合)を入れ、マグネットスターラー(MITAMURA KOGYO INC.製)で充分に撹拌した。続いて、共通成分と(B)成分とを添加した後、全体量(100質量部とする)が98質量部となるように水を入れ、さらによく撹拌した。次いで、25℃でのpHが7.0になるようにpH調整剤を適量添加した。その後、全体量が100質量部になるように水を入れて液体洗浄剤を調製した。
評価布として、市販品シャツ(株式会社ユニクロ製のヒートテック。衣類表示組成:アクリル40%、ポリエステル33%、レーヨン21%、ポリウレタン6%)を用いた。
(1)評価布の前処理
全自動洗濯機(株式会社東芝製の製品名AW−80VC)に、60℃の水道水34Lを入れた。そこに、衣料用洗剤(ライオン株式会社製の商品名ブルーダイヤ)30gを添加し、続けて前記市販品シャツを入れた。次いで、前記全自動洗濯機の標準コースにより、洗浄15分間、すすぎ3回、脱水7分間を順次行う洗浄操作を2回繰り返して行った。次に、衣料用洗剤を入れずに、上記と同様の洗浄操作を3回繰り返して行った。その後、自然乾燥させ、評価布として用いた。
(2)速乾性試験
全自動洗濯機(株式会社東芝製の製品名AW−80VC)に、60℃の水道水34Lを入れた。そこに、前記評価布3枚と、Tシャツ(綿100%)及び綿タオル(綿100%)とを投入した(Tシャツ及び綿タオルの投入量を、評価布3枚とTシャツと綿タオルとの全質量が1.7kgとなるように調整した)。
そこに、各例の液体洗浄剤25gを添加し、前記全自動洗濯機の標準コースにより、洗浄10分間、すすぎ2回、脱水3分間を順次行う洗浄操作1回を行った。
そして、最後の脱水後の評価布の質量を測定し、これを初期質量とした。
次いで、該評価布を、温度25℃、相対湿度60%の恒温室(ESPEC CORP製のMODEL:TBR−2HAOPX)内で乾燥させた。このとき、該評価布の含水率を経時で追い、乾燥1時間後の含水率を測定した。
(3)速乾性能の評価
含水率(%)を下式に基づいて算出した。
含水率(%)=(評価布の初期質量(g)−乾燥1時間後の評価布の質量(g))/評価布の初期質量(g)×100
速乾性能の評価は、上式により算出される含水率(%)を用い、下記基準で○、◎であれば速乾性能が良好であると判断した。なお、含水率(%)は、評価布3枚の平均値を用いた。
◎:乾燥1時間後の含水率が1.5%未満。
○:乾燥1時間後の含水率が1.5%以上3.0%未満。
△:乾燥1時間後の含水率が3.0%以上5.0%未満。
×:乾燥1時間後の含水率が5.0%以上。
浴比20倍になるように、被洗物と洗濯液を準備した。
被洗物には、5cm角の人工汚垢布(洗濯科学協会製)10枚と、洗浄メリヤス布とを用いた。
洗濯液は、水温15℃の水900mLに対して液体洗浄剤300μgを加え、30秒間撹拌して調製した。
そして、Terg−O−Tometer(UNITED STATES TESTING社製)により、120rpmで10分間の洗浄操作を行った。
該洗浄操作の後、被洗物を、二槽式洗濯機(三菱電機(株)製、品番:CW−C30A1−H1)に移し、すすぎ3分間、脱水1分間を行い、風乾した。
その後、未汚垢布、人工汚垢布、該風乾後の人工汚垢布(以下「洗浄布」という)の反射率について、色差計分光式色差計(日本電色工業社製の製品名「SE2000」)にて測定し、洗浄率(%)を下式に基づいて算出した。
洗浄率(%)=(人工汚垢布のK/S−洗浄布のK/S)/(人工汚垢布のK/S−未汚垢布のK/S)×100
式中、K/Sは、(1−R/100)2/(2R/100)である(ただし、Rは未汚垢布、人工汚垢布、洗浄布の反射率(%)をそれぞれ示す)。
洗浄性能の評価は、上式により算出される洗浄率(%)を用い、下記基準で△、○、◎であれば洗浄力が良好であると判断した。なお、洗浄率(%)は、人工汚垢布10枚の平均値を用いた。
◎:洗浄率が70%以上、○:洗浄率が65%以上70%未満、△:洗浄率が60%以上65%未満、×:洗浄率が60%未満。
市販品シャツ(株式会社ユニクロ製のヒートテック。衣類表示組成:アクリル40%、ポリエステル33%、レーヨン21%、ポリウレタン6%)2枚を、
全自動洗濯機(株式会社東芝製の製品名AW−80VC)に投入した。
次いで、水道水30Lと、液体洗浄剤25mLとを添加し、前記全自動洗濯機の標準コースにより、洗浄10分間、脱水7分間、ためすすぎ5分間、脱水1分間を順次行う洗浄操作を行った。なお、水道水の温度を25℃になるように設定した。
その後、最後の脱水後の市販品シャツを前記全自動洗濯機から取り出し、室内吊り干しにより、24時間自然乾燥した布を評価布とした。
別途、非イオン界面活性剤(ラウリルアルコール1モル当たり平均15モルのエチレンオキシドを付加させたアルコールエトキシレート)の20質量%水溶液を用い、該20質量%水溶液を前記液体洗浄剤の代わりに用いた以外は、上述した洗浄操作及び自然乾燥を施した前記市販品シャツ(ヒートテック)を対照布として用いた。
5点:評価布の方が、対照布より非常に柔らかい。
4点:評価布の方が、対照布よりかなり柔らかい。
3点:評価布の方が、対照布よりやや柔らかい。
2点:評価布と対照布とは同程度に柔らかい(硬い)。
1点:評価布の方が、対照布より硬い。
柔軟性能の評価は、該5人の平均評価点を用い、下記基準で△、○、◎であれば、良好な柔軟性能を有すると判断した。
◎:平均評価点が4点以上、○:平均評価点が3.5点以上4点未満、△:平均評価点が3点以上3.5点未満、×:平均評価点が3点未満。
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