JP5981636B2 - 亜鉛系複合材料及びその利用 - Google Patents
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Description
(2)前記複合粒子は、錫粒子と亜鉛粒子とを備える、(1)に記載の複合材料。
(3)アルミニウム粒子と亜鉛粒子とを備え、その表面側に前記亜鉛粒子を優勢に保持する第1の複合粒子と、錫粒子と亜鉛粒子とを備え、その表面側に前記亜鉛粒子を優勢に保持する第2の複合粒子を含む、(1)又は(2)に記載の複合材料。
(4)前記複合材料は、全体として、平均粒径が約8μm以上約40μm以下の前記複合粒子を含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の複合材料。
(5)前記複合材料は、第1の平均粒径の亜鉛系粉末と前記第1の平均粒径よりも大きい第2の平均粒径のアルミニウム系粉末又は錫粉末とを、ミルを用いて湿式混合して前記亜鉛系粉末と前記アルミニウム系粉末又は錫粉末とをフレーク化及び複合化して得られる、(1)〜(4)のいずれかに記載の複合材料。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の複合材料の生産方法であって、
第1の平均粒径の亜鉛系粉末と前記第1の平均粒径よりも大きい第2の平均粒径の前記アルミニウム系粉末又前記錫粉末とを、ミルでボール又はビーズを用いて湿式混合してフレーク化及び複合化する工程、
を備える、方法。
(7)前記亜鉛系粉末は、蒸発法によって得られる粉末であり、前記アルミニウム系粉末又は前記錫粉末は、蒸発法又はアトマイズ法によって得られる粉末である、(6)に記載の方法。
(8)(1)〜(5)のいずれかに記載の複合材料を含有する、金属表面処理剤。
(9)(3)に記載の複合材料を含有する、(8)に記載の金属表面処理剤。
(10)(1)〜(5)のいずれかに記載の複合材料を含有する、防錆防食剤。
(11)(3)に記載の複合材料を含有する、(10)に記載の防錆防食剤。
(12)(1)〜(5)のいずれかに記載の複合材料を含有する、顔料。
(13)(3)に記載の複合材料を含有する、(12)に記載の顔料。
(14)(1)〜(5)のいずれかに記載の複合材料を含有する、塗料。
(15)(3)に記載の複合材料を含有する、(14)に記載の金属表面処理剤。
(16)金属表面処理加工体の製造方法であって、
被金属表面処理体の表面に(8)又は(9)に記載の金属表面処理剤を供給して被膜を形成する工程、
を備える、方法。
(17)防錆防食加工体の製造方法であって、
被防錆防食処理体の表面に(10)又は(11)に記載の防錆防食剤を供給して被膜を形成する工程、
を備える、方法。
(18)塗膜加工体の製造方法であって、
被塗工体の表面に(13)又は(14)に記載の塗料を供給して塗膜を形成する工程、
を備える、方法。
(20)(1)〜(5)のいずれかに記載の複合材料を含有する被膜を備える、被膜保持体。
アルミニウム/亜鉛複合材料において表面側に亜鉛粒子を優勢に備えるとは、亜鉛がアルミニウムの反応性を抑制できる程度に亜鉛粒子がアルミニウム粒子の表面側に優勢に存在していることを意味している。例えば、図1に示すように、コアとなるアルミニウム粒子に対してシェル状にアルミニウム粒子よりも小さい亜鉛粒子が保持されて形態あるいはこうした複合粒子が複数凝集している形態が挙げられる。なお、複合粒子内部にさらに亜鉛粒子が存在していてもよい。アルミニウム/亜鉛複合材料によれば、亜鉛粒子が優勢に複合粒子の表面側に複合化されていることで、アルミニウムの酸素や湿気に対する不安定性を抑制している。このため、複合材料は、アルミニウム系材料として固形であっても、自然発火、湿気や水等に対して安全に保存及び取り扱い可能となっている。
錫/亜鉛複合材料において、表面側に亜鉛粒子を優勢に備えるとは、亜鉛が錫の反応性を抑制できる程度に亜鉛粒子が錫粒子の表面側に優勢に存在していることを意味している。図1に示すように、例えば、コアとなる錫粒子に対してシェル状に錫粒子よりも小さい亜鉛粒子が保持されて形態あるいはこうした複合粒子が複数凝集している形態が挙げられる。なお、複合粒子内部にさらに亜鉛粒子が存在していてもよい。例えば、錫粒子が酸化や水酸化されないで維持されるため、錫はその本来の溶融温度付近で溶解して、周囲の材料を接着して強力なバインダ機能を発揮することができる。また、錫が溶融すると、錫と接触している亜鉛も溶融する。このため、錫/亜鉛複合材料においては、亜鉛もバインダとして機能できる。したがって、錫/亜鉛複合材料は、亜鉛に基づく防錆防食機能を有するとともに錫粒子に起因する優れたバインダ能及び被膜形成能を有している。このため、防錆防食材料に用いることができるほか、同時にバインダとして用いることができる。特に、錫/亜鉛複合材料は、低温でも密着性の良好な被膜を形成することができるとともに、塑性加工等を容易に行うことができる。
アルミニウム/錫/亜鉛複合材料は、既に説明したアルミニウム/亜鉛複合材料の複合粒子と、錫/亜鉛複合材料の複合粒子との双方を含んでおり、これらの複合材料を適宜混合することで取得できる。
(アルミニウム/亜鉛複合材料)
アルミニウム/亜鉛複合材料10は、アルミニウム粒子4の表面に亜鉛6を保持する複合粒子2を含んでいる。好ましくはこうした複合粒子を主体としている。例えば、図1に示すように、複合粒子2は、アルミニウム粒子4の表面に亜鉛粒子6が保持されて、アルミニウム粒子4の表面全体又はその一部が亜鉛粒子6により被覆される構造、あるいはこうした構造が連なったあるいは凝集した構造から構成されることができる。
複合粒子2におけるアルミニウム粒子4の粒子形態は特に限定しない。例えば、球状、涙様(あるいは滴様)形状、不定形状、針状、薄片(フレーク)状等とすることができ、これらの2種以上の混合物であってもよい。球状、涙様形状、不定形状あるいはこれらの混合粉末にあっては、アトマイズ法で製造されることが多い。従来用いられているアルミニウムフレークを代替する観点からは、フレーク状を用いることができる。なお、本明細書においてフレーク状というとき、各種平面形態の薄片状であることを意味している。フレーク状のアルミニウム粒子は、アトマイズ法等で製造された粒子をフレーク化することなどにより取得できる。
複合粒子2における亜鉛粒子6は、亜鉛を主体とし、好ましくは、亜鉛含有量が97%以上であることが好ましい。また、不純物としては、鉛が0.1%以下であることが好ましく、ガドミウムが0.05%以下であることが好ましく、鉄が0.02%以下であることが好ましい。
錫/亜鉛複合材料20は、錫粒子14の表面に亜鉛16を保持する複合粒子12を含んでいる。好ましくはこうした複合粒子12を主体としている。例えば、図1に示すように、複合粒子12は、錫粒子14の表面に亜鉛粒子16が保持されて、錫粒子14の表面を亜鉛粒子16により被覆される構造、あるいはこうした構造が連なったあるいは凝集した構造から構成されることができる。
複合粒子12における錫粒子14の粒子形態は特に限定しない。例えば、球状、不定形状、針状、涙様状、薄片(フレーク)状、あるいはこれらのうち2種以上の混合物等とすることができる。
複合粒子12における亜鉛粒子16は、アルミニウム/亜鉛複合材料10の複合粒子2における亜鉛粒子6と同様の形態などの構成を採ることができる。すなわち、複合粒子12における亜鉛粒子16は、その粒子形態が確認できる場合、粒子形態は球状、針状、不定系状、フレーク状等とすることができる。亜鉛粒子16は、錫粒子14の表面や錫粒子14間に介在されるが、複数個が連なって少なくとも部分的に複合粒子12の表面側において被膜状になっていてもよい。亜鉛粒子16が被膜状に連続して錫粒子14の表面を覆ったり錫粒子14間に介在したりするか否かは、錫と亜鉛との配合比等にもよる。配合比によっては、亜鉛粒子16は、もはや粒子形態を維持せず、錫粒子14の表面の多くの部分を覆う被膜形態となっていることもありうる。ここで説明したいずれの形態も、本明細書に開示される錫/亜鉛複合材料の亜鉛粒子16に含まれる。
こうした複合粒子2、12を含む複合材料10、20は、例えば、以下に示す製造方法によって得ることができる。一つの製造方法は、図2に示すように、第1の平均粒径の亜鉛粉末と第1の平均粒径よりも大きい第2の平均粒径のアルミニウム粉末又は錫粉末とを、ミルを用いて湿式混合して亜鉛系粉末と前記アルミニウム粉末又は錫粉末とを複合化する工程を備える。この製造方法によれば、両者ともに出発材料として粉末材料を用い、これらを液性媒体下で湿式混合することで、亜鉛系粉末とアルミニウム系粉末又は錫粉末とを共にフレーク化しつつ、あるいはそのまま複合化することができる。この結果、特性の良好な複合材料10、20を得ることができる。
ミルは、ビーズミル又はボールミルを用いることが好ましい。好ましくは、ビーズミルである。ビーズミルの種類は特に限定されない。ビーズミルは、例えば、完全密閉、水平型のマイクロビーズミルを用いることができる。水平型では、分散メディアが重力の影響をほとんど受けないため、シリンダー内で理想に近い均一な分布を得ることが可能である。また、分散メディアを80〜85%という高密度で充填することが可能である。
混合工程に用いる液性媒体は、有機溶剤を主体とすることが好ましい。より好ましくは、有機溶剤からなる。有機溶剤としては、好ましくは、沸点が約100℃以上、より好ましくは約150℃以上であって約250℃以下であることが好ましい。水と同じかそれ以上の沸点で259℃以下の沸点の有機溶剤を用いることで、引火を防止でき減圧下で蒸留が可能であり回収及び再生利用が可能であるからである。こうした有機溶剤としては、特に限定されないが、例えば、石油ベンジン、灯油、軽油、ケロシン、ミネラルスピリット、ミネラルターペント等が挙げられる。有機溶剤の量は、用いるミルの形態にもよるが、使用する亜鉛系粉末及びアルミニウム系粉末の総質量に対して1.2倍以上5倍以下であることが好ましい。より好ましくは、2倍以上5倍以下であり、さらに好ましくは3倍以上5倍以下である。
混合工程には、得られる複合材料10の使用目的に応じて異なる滑剤(「潤滑剤」)が用いられる。滑剤は、原料粉末をフレーク化するとともに、複合化を阻害することなく複合化を促進又は維持し、複合粒子2を保持分散できるものが好ましい。滑剤としては、潤滑性、耐水性を備えている。さらにまた、滑剤は、酸化等を防止するべく粉末粒子表面及びフレーク表面を覆う被覆性と、所定の温度以上になれば、原料粒子表面や複合粒子表面から飛散する飛散性と、を有することが好ましい。
(表面処理剤)
表面処理剤は、複合材料10及び/又は複合材料20を含んでいる。表面処理剤は、複合材料10及び/又は複合材料20を含み、他は金属系の表面処理剤として公知の材料を含むことができる。表面処理剤は、好ましくは、複合材料10及び複合材料20を含んでいる。
ケイ素含有樹脂としては、特に限定されないが、例えば、シリコンオイル、シリコングリース、シリコンワニスを含む公知のシリコン樹脂、及び公知のシリコン樹脂にアルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂等の公知の合成樹脂とのブレンドが挙げられる。また、ケイ素含有樹脂としては、こうした公知樹脂との各種形態の共重合体(変性シリコン樹脂);
水酸基、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアナート基、メチロール基等の官能基を有する合成樹脂とγ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等の官能基を有するシランカップリング剤との反応物;
γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシシラン塩酸塩、ビニルトリアセトキシシラン等の重合可能なビニル基を有するシランカップリング剤の単独重合体;
該シランカップリング剤とアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の共重合可能なビニル単量体との一種又は2種以上との共重合体;
等が挙げられる。
フッ素含有樹脂としては、公知のフッ素含有樹脂を用いることができる。特に限定されないが、例えば、四フッ化エチレン、四フッ化ビニリデン、四フッ素含有アクリルエステル、フッ素含有メタクリルエステル等のフッ素含有ビニル単量体の単独重合体;これらの単量体の共重合体、;これらのフッ素含有ビニル単量体の1種又は2種以上とアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の他の共重合可能なビニル単量体の1種又は2種以上の共重合体;等が挙げられる。
表面処理方法は、被表面処理体の表面に表面処理剤を供給して被膜を形成する工程を含んでいる。表面処理方法は、表面処理膜を有する表面処理体の製造方法でもある。被表面処理体の被表面処理面は、特に限定されないが、例えば、金属、プラスチック、木質材料、紙などのセルロース系材料、各種繊維材料が挙げられる。こうした被表面処理体の被表面処理面に対して表面処理剤が供給される。被表面処理面については、必要に応じて前処理が施される。前処理は、主として被表面処理面の不純物を除去する意図で行われることが多い。典型的には、ナトリウムメタシリケート、ナトリウムオルソシリケート、NaOH、四塩化炭素、トリクロロエチレン、界面活性剤等の公知の脱脂剤を用いて脱脂し、さらに、ピロリン酸ナトリウム等の洗浄剤にて洗浄し、あるいはフッ酸、塩酸、有機酸、ショットブラスト等でエッチングして被表面処理面の不純物を除去する。こうした前処理は、鉄鋼、鋳鉄、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム製品等の金属系の被表面処理体に好ましく適用される。
(防錆防食剤)
防錆防食剤は、複合材料10及び/又は複合材料20を含んでいる。防錆防食剤は、複合材料10及び/又は複合材料20を含むほか、防錆防食剤としての公知の材料を含むことができる。防錆防食剤は、複合材料10及び/又は複合材料20中の亜鉛に基づく自己犠牲型の防錆防食機能を発揮することができる。防錆防食剤は、好ましくは、複合材料10及び複合材料20を含んでいる。
防錆防食剤に用いる接着剤は、特に限定しないが、例えば、シランカップリング剤が挙げられる。シランカップリング剤としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)シラン、エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。処理液の安定性、接着力から見ると、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが最も好ましい。接着剤は、1種又は2種以上を用いることができる。その添加量は、防錆防食剤中、好ましくは約2〜25質量%であり、より好ましくは約3〜16質量%である。また、接着剤としては、既に説明したように錫粉末又は複合材料20を用いることもできる。錫粉末又は複合材料20を含むとき、表面処理剤中1質量%以上50質量%以下であることが好ましく、より好ましくは、2質量%以上45質量%以下である。
防錆防食剤に用いる界面活性剤は、媒体に複合材料10を分散させるための分散剤として用いられる。水性媒体に複合材料10を分散させる界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリオキシエチレンブチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル等のアルキルエーテル型非イオン活性剤;ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレエート、ポリオキシエチレンステアレート等のアルキルエステル型非イオン活性剤;ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールエーテルのようなエチレンオキシサイド・プロピレンオキシサイド・ブロック共重合型非イオン活性剤;等が挙げられる。界面活性剤としては、分子中に環境ホルモン汚染のおそれのある芳香族を含まないものが望ましく、またH.L.B.(Hydophile−Lipophile Balance)が7以上で18以下の非イオン活性剤は、本発明の界面活性剤として好ましい。更に好ましい界面活性剤のH.L.B.は約11〜約14の範囲である。界面活性剤は、1種又は2種以上を用いることができる。界面活性剤の添加量は、防錆防食剤中、好ましくは約0.05〜8質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。
防錆防食剤は、水性媒体中に、界面活性剤と相乗して複合材料10の分散を良好ならしめるため、更に水性溶剤が添加されていることが好ましい。水性溶剤としては、水と相溶性のある有機溶剤であれば特に限定されないが、例えば、1−プロパノール、2−プロパノール、一級ブタノール、二級ブタノール、三級ブタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、ジアセトンアルコール、1,5−ペンタンジオール等が挙げられる。更に好ましい水溶性有機溶剤としては、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールが挙げられる。水性溶剤は、1種又は2種以上を用いることができる。水性溶剤の添加量は、好ましくは約3〜約50質量%、より好ましくは約10〜約45質量%である。
防錆防食剤は、被表面処理面における防錆防食剤の供給層の厚みを確保するために、増粘剤が添加されていることが好ましい。増粘剤としては、公知の防錆防食剤に用いられる公知の増粘剤を特に限定しないで用いることができるが、例えば、メチルセルローズ、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルローズ、カルボキシエチルセルローズ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、澱粉、カラギーナン、ペクチン等の水溶性増粘剤が挙げられる。更に好ましい増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロースが挙げられる。増粘剤は、1種又は2種以上を用いることができる。増粘剤の添加量は、好ましくは約0.05〜約5質量%、より好ましくは約0.1〜約2質量%である。
防錆防食方法は、被防錆防食体の表面に防錆防食剤を供給して被膜を形成する工程を含んでいる。防錆防食方法は、防錆防食被膜を有する防錆防食体の製造方法でもある。被防錆防食体の被防錆防食面は、特に限定されないが、例えば、典型的には金属である。こうした被防錆防食体の被防錆防食面に対して防錆防食剤が供給される。被防錆防食面については、必要に応じて前処理が施される。前処理は、主として被防錆防食面の不純物を除去する意図で行われることが多い。典型的には、防錆防食剤を用いて、被防錆防食面をショットブラスト、サンドブラスト等によって研磨する。さらに、n−ヘキサン、キシレン、メチルエチルケトン、アセトン等の有機溶剤で洗浄乾燥する。こうした前処理は、鉄鋼、鋳鉄、亜鉛めっき鋼板、アルミニウム製品等の金属系の被防錆防食体に好ましく適用される。
以下に示す操作を行って、アルミニウム/亜鉛フレーク(複合材料)1〜4を製造した。
蒸発法で得られた亜鉛粒子(平均粒径4μm)800gと、アトマイズ法により得られたアルミニウム粒子(平均粒径:7μm)200gと、ミネラルスピリット4L、滑剤35gとを、シリンダー容積1.4Lのビーズミル(前段に容量10Lのホーデングタンクを備えている。)を使用して、液の流量10L/分、スリット幅0.2mm、シリンダー内の羽根の周速110m/分、液温14〜16℃、ジルコニア製ボール(直径0.8mm)を使用して粉砕、混合及びフレーク化を6時間行い、島津製作所製の粒度分布測定器による粒度測定の結果平均粒径が10.7μmとなったのでミルを止め、混合液をろ過した。その結果、高輝度の白銀色のアルミニウム/亜鉛複合粒子を含む複合材料(アルミニウム含量20%)を得た。
蒸発法で得られた亜鉛粒子(平均粒径4μm)870gと、アトマイズ法により得られたアルミニウム粒子(平均粒径:7μm)130gと、ミネラルスピリット4L、滑剤35gとを、シリンダー容積1.4Lのビーズミル(前段に容量10Lのホーデングタンクを備えている。)を使用して、液の流量10L/分、スリット幅0.2mm、シリンダー内の羽根の周速110m/分、液温14〜16℃、ジルコニア製ボール(直径0.5mm)を使用して粉砕、混合及びフレーク化を6時間行い、島津製作所製の粒度分布測定器による粒度測定の結果平均粒径が10.3μmとなったのでミルを止め、混合液をろ過した。その結果、高輝度の白銀色のアルミニウム/亜鉛複合粒子を含む複合材料(アルミニウム含量13%)を得た。
蒸発法で得られた亜鉛粒子(平均粒径4μm)870gと、アトマイズ法により得られたアルミニウム粒子(平均粒径:7μm)130gと、ミネラルスピリット4L、滑剤35gとを、シリンダー容積1.4Lのビーズミル(前段に容量10Lのホーデングタンクを備えている。)を使用して、液の流量10L/分、スリット幅0.2mm、シリンダー内の羽根の周速110m/分、液温14〜16℃、ジルコニア製ボール(直径0.5mm)を使用して粉砕、混合及びフレーク化を6時間行い、島津製作所製の粒度分布測定器による粒度測定の結果平均粒径が22.4μmとなったのでミルを止め、混合液をろ過した。その結果、高輝度の白銀色のアルミニウム/亜鉛複合粒子を含む複合材料(アルミニウム含量13%)を得た。
蒸発法で得られた亜鉛粒子(平均粒径4μm)800gと、アトマイズ法により得られたアルミニウム粒子(平均粒径:7μm)200gと、ミネラルスピリット4L、滑剤40gとを、シリンダー容積1.4Lのビーズミル(前段に容量10Lのホーデングタンクを備えている。)を使用して、液の流量10L/分、スリット幅0.2mm、シリンダー内の羽根の周速110m/分、液温14〜16℃、ジルコニア製ボール(直径0.8mm)を使用して粉砕、混合及びフレーク化を6時間行い、島津製作所製の粒度分布測定器(レーザ回折・光散乱法)による粒度測定の結果平均粒径が10.5μmとなったのでミルを止め、混合液を蒸留装置に移してミネラルスピリット等を回収した。その結果、高輝度の白銀色のアルミニウム/亜鉛フレークを複合粒子とする、複合材料(アルミニウム含量20%)を得た。
実施例1で製造した複合材料1、2を用いて以下に示す表面処理剤の原料を混合して、表面処理剤A、Bを調製した。なお、エポキシ変性シリコン樹脂は、以下の方法で調製した。すなわち、エピクロルヒドリンとビスフェノールAとの縮合物であるエポキシ樹脂30部と70%ポリシロキサンキシロール溶液(粘度0.2〜0.5ポイズ/25℃)25部とを混合し、パラトルエンスルホン酸0.5部及びジアセトンアルコール75部とを添加して、攪拌機、コンデンサー、温度計を付した反応器に投入し、還流温度で加熱撹拌して3時間反応させた。その後、反応により生成した水とともにキシロールを除去してエポキシ変性樹脂を得た。
複合材料1 18.0部
エポキシ変性シリコン樹脂 45.0部
ポリ四フッ化エチレン樹脂 3.9部
たれ止め剤 1.0部
ジアセトンアルコール 32.1部
(表面処理剤の粘度は岩田式フォードカップNK−2で40秒であった。)
複合材料2 16.5部
エポキシ変性シリコン樹脂 41.5部
ポリ四フッ化エチレン樹脂 3.5部
たれ止め剤 1.0部
ジアセトンアルコール 37.5部
(表面処理剤の粘度は岩田式フォードカップNK−2で40秒であった。)
(1)鋼板:SPCC−SB(JIS G 3141,150mm×70mm×0.8mm)を使用した。これをn−ヘキサンで洗浄し、乾燥後ショットブラストによって表面を研磨し、次いでn−ヘキサン、その後エーテルで洗浄し、乾燥した。
(2)ねじ:長さ75mm、径2mm、頭部8mm、ねじ部50mmのプラスねじを使用した。これをn−ヘキサンで洗浄し、乾燥後ショットブラストによって表面を研磨し、次いでn−ヘキサンで洗浄し、乾燥した。
(1)鋼板:上記鋼板に表面処理剤A,Bを加熱処理後に膜厚が25〜30μmとなるように塗布し、1〜2分間風乾後200℃の乾燥機に入れ10分間加熱乾燥し、冷却後、さらに、同じ表面処理剤の塗布乾燥を行い、膜厚を50μm前後とした。表面処理剤Aによる膜厚は48μmであり、表面処理剤Bによる膜厚は50μmであった。
(2)ねじ:上記ねじを上記処理液A,Bの各々に浸漬し、引上げた後、脱水機(カゴの径200mm、深さ200mm、回転速度330回/分)にて、正回転3秒、逆回転3秒で脱水処理を行ない、1〜2分間風乾後200℃で10分間加熱乾燥した。なお、表面処理剤A、Bによる膜厚はいずれも7μmであった。
(1)鋼板の塗膜の外観
塗膜の外観を目視観察した。結果は以下の通りであった。
表面処理剤A:光沢のある美しい銀白色であった。
表面処理剤B:ややネズミ色を帯びた光沢のある美しい銀白色であった。
鋼板上に碁盤目状に切り込みを100個のマス目を形成し、そのマス目内にテープを付着させ、そのテープを引きはがすことで密着性を調べた。結果は以下の通りであった。
表面処理剤A:100個のマス目中100個のマス目においてテープ剥離によって被膜は剥がれることはなかった。
表面処理剤B:100個のマス目中100個のマス目においてテープ剥離によって被膜は剥がれることはなかった。
鋼板及びネジについて、JIS−Z−23717に準じて塩水噴霧試験を行なった。鋼板の結果を表1に、ネジの結果を表2に示す。なお、鋼板はクロスに切れ目を入れた。また「ねじ」は5本1組とした。なお、鋼板については、通常の電気亜鉛めっきした実施例と同一の鋼板製の板状体とし、16μmのクロメート処理品を比較例とし、ネジについては、実施例と同一のネジの頭部を通常の電気亜鉛めっきされたものであって、13μmのクロメート処理品を、比較例とした。
複合材料3 25.0部
ポリオキシエチレンオクチルアルコールエーテル 0.3部
ジプロピレングリコール 11.7部
シランカップリング剤 13.0部
蒸留水 47.0部
ホウ酸 3.0部
ヒドロキシエチルセルロース 0.2部
(ろ過後の防錆防食剤の粘度は岩田式フォードカップNK−2で35秒であった。)
(1)鋼板:SS−41鋼板(150mm×70mm×2.3mm)を使用した。これをn−ヘキサンで洗浄し、乾燥後ショットブラストによって表面を研磨し、次いでn−ヘキサン、その後エーテルで洗浄し、乾燥した。
(2)ねじ:長さ75mm、径2mm、頭部8mm、ねじ部50mmのプラスねじを使用した。これをn−ヘキサンで洗浄し、乾燥後ショットブラストによって表面を研磨し、次いでn−ヘキサンで洗浄し、乾燥した。
(1)鋼板:上記鋼板に防錆防食剤を加熱処理後に膜厚が6〜8μmとなるように塗布し、1分間風乾後150℃の乾燥機に入れ10分間予備加熱乾燥し、その後、340℃〜350℃で15分間加熱処理を行った(これを1コート、1ベークとする。)さらに、同じ工程を行い、2コート、2ベークとし、全塗膜の厚みを16μmとした。
(2)ねじ:上記ねじを防錆防食剤に浸漬し、引上げた後、脱水機(カゴの径200mm、深さ200mm、回転速度330回/分)にて、正回転3秒、逆回転3秒で脱水処理を行ない、1分間風乾後150℃で10分間予備加熱乾燥し、その後、340℃〜350℃で15分間加熱処理を行った(これを1コート、1ベークとする。)さらに、同じ工程を行い、2コート、2ベークとし、全塗膜の厚みを15μmとした。
(1)鋼板の塗膜の外観
塗膜の外観を目視観察した。結果は以下の通りであった。
鋼板:ややネズミ色を帯びた光沢のある美しい銀白色をした滑らかな塗膜であった。
鋼板:鋼板上に碁盤目状に切り込みを100個のマス目を形成し、そのマス目内にテープを付着させ、そのテープを引きはがすことで密着性を調べた。
ネジ:ネジの頭部を指先で強く3回摩擦し、付着物があるかどうかを調べた。
結果は以下の通りであった。
鋼板:100個のマス目中100個のマス目においてテープ剥離によって被膜は剥がれることはなかった。
ねじ:指先に付着物はなかった。
鋼板及びネジについて、JIS−Z−23717に準じて塩水噴霧試験を行なった。鋼板の結果を表3に、ネジの結果を表4に示す。なお、鋼板はクロスに切れ目を入れた。また「ねじ」は5本1組とした。なお、鋼板については、通常の電気亜鉛めっきした実施例と同一の鋼板製の板状体とし、13μmのクロメート処理品を比較例とし、ネジについては、実施例と同一のネジの頭部を通常の電気亜鉛めっきされたものであって、12μmのクロメート処理品を、比較例とした。結果を表3及び表4に示す。
複合材料4 13.0部
ポリオキシエチレンオクチルアルコールエーテル 1.0部
グリセリン 2.0部
ジエチレングリコール 25.0部
クロム酸 4.8部
蒸留水 54.2部
ヒドロキシエチルセルロース 0.38部
(ろ過後の防錆防食剤の粘度は岩田式フォードカップNK−2で40秒であった。)
鋼板:SPCC−SB鋼板(JIS G 3141,150mm×70mm×0.8mm)を使用した。これをn−ヘキサンで洗浄し、乾燥後ショットブラストによって表面を研磨し、次いでn−ヘキサン、その後エーテルで洗浄し、乾燥した。
上記鋼板に防錆防食剤を加熱処理後に膜厚が6〜8μmとなるように塗布し、1〜2分間風乾後150℃〜160℃の0乾燥機に入れ10分間予備加熱乾燥し、その後、340℃〜350℃で15分間加熱処理を行った(これを1コート、1ベークとする。)さらに、同じ工程を行い、2コート、2ベークとし、全塗膜の厚みを15μmとした。
(1)鋼板の塗膜の外観
塗膜の外観を目視観察した。結果は以下の通りであった。
鋼板:ややネズミ色を帯びた光沢のある美しい銀白色をした滑らかな塗膜であった。
鋼板:鋼板上に碁盤目状に切り込みを100個のマス目を形成し、そのマス目内にテープを付着させ、そのテープを引きはがすことで密着性を調べた。
ネジ:ネジの頭部を指先で強く3回摩擦し、付着物があるかどうかを調べた。
結果は以下の通りであった。
鋼板:100個のマス目中100個のマス目においてテープ剥離によって被膜は剥がれることはなかった。
ネジ:指先に付着物はなかった。
鋼板について、JIS 2 23717に準じて塩水噴霧試験を行なった。鋼板の結果を表5に示す。なお、鋼板はクロスに切れ目を入れた。なお、鋼板については、通常の電気亜鉛めっきした実施例と同一の鋼板製の板状体とし、12μmのクロメート処理品を比較例とした。結果を表5に示す。
金属フレークB 26.0重量部
ステアリン酸 0.6重量部
分散剤 0.85重量部
ジプロピレングリコール 28.55重量部
蒸留水 10.0重量部
(分散剤はポリオキシエチレンオクチルアルコールエーテルでそのH.L.B.は12.7であった。)
鋼板:SPCC−SB鋼板(JIS G 3141,150mm×70mm×0.8mm)を使用した。これをn−ヘキサンで洗浄し、乾燥後ショットブラストによって表面を研磨し、次いでn−ヘキサン、その後エーテルで洗浄し、乾燥した。
上記鋼板にスラリーを膜厚が約30μmとなるように塗布し、1〜2分間室温で風乾後250℃で10分間加熱処理行った。塗膜厚みは28μmであった。これを試料イ(1コート1ベーク)とした。また、上記スラリーを加熱処理後に膜厚が約30μmとなるようにさらに塗布して、室温で放置後、250℃で10分間加熱処理した。塗膜の厚みは、合計約55μmとなった。これを試料ロ(2コート2ベーク)とした。
(1)鋼板の塗膜の外観
塗膜の外観を目視観察した。試料イ及びロは、いずれも、美しい銀白色の輝きを有する滑らかな塗膜であった。
鋼板上に碁盤目状に切り込みを100個のマス目を形成し、そのマス目内にテープを付着させ、そのテープを引きはがすことで密着性を調べた。その結果、試料イ及びロについて、100個のマス目中100個のマス目においてテープ剥離によって被膜は剥がれることはなかった。
鋼板について、JIS 2 23717に準じて塩水噴霧試験を行なった。鋼板の結果を表6に示す。なお、試料イ及びロにはクロスに切れ目を入れた。なお、比較例として、厚み2mm、幅10cm、長さ30cmの鋼板をアルミニウム含有量15%の溶融亜鉛めっきそうでメッキ(厚み560μm)としたものを用いた。
結果を表6に示す。
蒸発法で得られた亜鉛粒子(平均粒径:3.7±0.3μm)の800gと、アトマイズ法で得られたスズ粉末(純度:99.7%以上のβスズで平均粒径:35μm)の150gおよび80gのアルミニュウムペースト(65%のアルミニュウムペーストであるのでここに含まれるアルミニュウムフレークは52gである)とミネラルスピリット3L、滑剤20gとを、シリンダー容積1.4Lのビーズミルを使用して、液の流量10L/分、スリット幅0.2mm、シリンダー内の羽根の収周速110m/分、液温14〜16℃、ジルコニア製ボール(直径:0.8mm)を使用して、粉砕、混合、フレーク化を10時間行い、島津製作所製の粒度分布測定器による粒度測定の結果、平均粒径が8.3μとなったので、全量乾燥機(エバポレーターか処理液を攪拌しながら溶剤を蒸発回収する乾燥機、但し、処理液の液温は150℃以下で減圧下溶剤を回収し、複合材料を粉末状で得る)に移し、処理液の液温を150℃以下で減圧下溶剤を回収し、複合材料を粉末状で得られた。黄味を帯びた銀白色の粉末で、融点は199℃であった。
蒸発法で得られた亜鉛粒子(平均粒径:3.7±0.3μm)の850gとアトマイズ法で得られたアルミニュウム粒子(平均粒径:7μm)の150gとミネラルスピリット3L、滑剤20gとを、シリンダー容積1.4Lのビーズミルを使用して、液の流量10L/分、スリット幅0.2mm、シリンダー内の羽根の周速110m/分、液温14〜16℃、ジルコニア製ボール(直径:0.8mm)を使用して、粉砕、混合、フレーク化を5時間行い、島津製作所製の粒度分布測定器による測定結果が19.0μとなったので、処理液の全量を乾燥機に移し、減圧下、アルミニュウムフレーク付着亜鉛フレークの光輝のある銀白色の亜鉛系着色複合材料(2)を得た。
蒸発法で得られた亜鉛粒子(平均粒径:3.7±0.3μ)の800gとアトマイズ法で得られたアルミニュウム粒子(平均粒径:7μ)の60gとウルトラマリン青(平均粒径:0.3μ)の140gとミネラルスピリット4L、滑剤20gとを、シリンダー容積1.4Lのビーズミルを使用して、液の流量10L/分、スリット幅:0.2mm、シリンダー内の羽根の周速110m/分、液温15〜17℃、ジルコニア製ボール(直径:0.8mm)を使用して、粉砕、混合、フレーク化を5時間行い、島津製作所製の粒度分布測定器による測定結果が17.6μとなったので、処理液の全量を乾燥機に移し、減圧下で溶剤を回収し、青色に着色した亜鉛系複合着色材料を粉末状で得た。
蒸発法で得られた亜鉛粒子(平均粒径:3.7±0.3μ)の800gとアトマイズ法で得られたアルミニュウム粒子(平均粒径:7μ)の60gとベンガラ(平均粒径:0.2μ)の140gとミネラルスピリット4L、滑剤20gとを、シリンダー容積1.4Lのビーズミルを使用して、液の流量10L/分、スリット幅:0.2mm、シリンダー内の羽根の周速110m/分、液温16〜17℃、ジルコニア製ボール(直径:0.8mm)を使用して、粉砕、混合フレーク化を5時間行い、島津製作所製の粒度分布測定器による測定結果が18.3μとなったので、処理液の全量を乾燥機に移し、減圧下で溶剤を回収し、赤色に着色した亜鉛系複合材料を粉末状で得た。
複合材料(1) 15.0部
複合材料(2) 30.0部
プロピレングリコール 34.2部
ポリオキシエチレンオクチルアルコールエーテル 0.4部
蒸留水 19.6部
ステアリン酸 0.8部
複合材料(1) 13.5部
複合材料(3) 30.0部
プロピレングリコール 37.3部
ポリオキシエチレンオクチルアルコールエーテル 0.4部
蒸留水 18.0部
ステアリン酸 0.8部
上記の材料を充分に攪拌混合した。24時間以上混合攪拌した後、100メッシュの篩で濾過をし、更に混合攪拌した後使用する。複合材料が沈殿しないように常に攪拌をする。実施例2の処理液の粘度は岩田式フォードカップ(NK−2)で31秒であった。
(処理剤Bとする)
複合材料(1) 13.0部
複合材料(4) 30.0部
プロピレングリコール 40.8部
ポリオキシエチレンオクチルアルコールエーテル 0.4部
蒸留水 15.0部
ステアリン酸 0.8部
上記の材料を充分に攪拌混合した。24時間以上混合攪拌した後、100メッシュの篩で濾過をし、更に混合攪拌した後使用する。複合材料が沈殿しないように常に攪拌する。実施例3の処理液の粘度は岩田式フォードカップ(NK−2)で32秒であった。(処理剤Cとする)
複合材料(1) 15.0部
複合材料(2) 30.0部
プロピレングリコール 48.8部
ポリオキシオクチルアルコールエーテル 0.4部
蒸留水 5.0部
ステアリン酸 0.8部
上記材料を充分に攪拌混合した。5時間以上混合し、ペースト状(ゲル状)に気泡が無く、ペースト状になっている事を確認し、処理剤Dとした(処理液がペースト状である為金属フレークの沈降は起きにくい。)
鋼鈑:SPCC−SB(JIS G3141,150mm×70mm×0.8mm)を使用した。これをn−へキサンで洗浄し、乾燥後ショットブラストによって表面を研磨し、ついでn−へキサン、その後エーテルで洗浄し乾燥した。
上記鋼鈑の表面に処理液、A,B,C、Dを加熱処理後、膜厚が6〜8ミクロンになるように塗布し、予備乾燥として、140〜150℃で10分乾燥し、続いて250℃で5分本乾燥した。冷却後さらに、処理液A、B、C、Dで加熱乾燥後、トータルで膜厚が13〜15μになるように塗布し加熱乾燥した。
(1)鋼鈑の塗膜の外観
塗膜の外観を目視観察した。結果は以下の通りであった。
処理剤A:光沢のある美しい銀白色であった。
処理剤B:青色をした塗膜であった。
処理剤C:赤色をした美しい塗膜であった。
処理剤D:美しい銀白色であった。
鋼鈑上に碁盤目状に切り込みをして100個のマス目を形成し、そのマス目内にテープを付着させ、そのテープを引き剥がすことで密着性を調べた。結果は以下の通りであった。
処理剤A:100個のマス目中100個のマス目においてテープ剥離によって被膜は剥がれなかった。
処理剤B:100個のマス目中100個のマス目においてテープ剥離によって被膜は剥がれなかった。
処理剤C:100個のマス目中100個のマス目においてテープ剥離によって被膜は剥がれなかった。
処理剤D:100個のマス目中100個のマス目においてテープ剥離によって被膜は剥がれなかった。
JIS−Z−23717に準じて、処理液A〜Cで処理された試験片について、塩水噴霧試験を行った。比較対照として膜厚:16μのクロメート処理品(電気亜鉛めっき)を同時に試験した。
試験結果は電気亜鉛めっきされたクロメート処理品より、処理液A、B、Cで処理された処理被膜は良い結果を示していた。
試料(鋼鈑) 塩水噴霧試験 (時間)
120 240 970 1050
処理剤A(膜厚;14μm) a a a a
処理剤B(膜厚:12μm) a a a a
処理剤C(膜厚:14μm) a a a a
処理剤D(膜厚:15μm) a a a a
クロメート処理品(比較) b − − −
(a:変化なし、b:全面に赤錆が発生)
Claims (17)
- 錫粒子と、亜鉛粒子と、を備え、前記錫粒子の表面に前記亜鉛粒子を備える複合粒子を含む、複合材料であって、
前記亜鉛粒子の平均粒径である第1の平均粒径は、前記錫粒子の平均粒子である第2の平均粒径よりも小さく、前記第1の平均粒径は2μm以上10μm以下である、複合材料。 - 前記第1の平均粒径は5μm以下である、請求項1に記載の複合材料。
- 前記錫粒子の平均粒径である第2の平均粒径は8μm以上40μm以下である、請求項1又は2に記載の複合材料。
- 前記錫粒子の平均粒径である第2の平均粒径は10μm以上30μm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の複合材料。
- さらに、アルミニウム粒子と亜鉛粒子とを備え、前記アルミニウム粒子の表面に前記亜鉛粒子を備える第1の複合粒子と、錫粒子と亜鉛粒子とを備え、前記錫粒子の表面に前記亜鉛粒子を備える複合粒子を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料。
- 前記複合材料は、平均粒径が8μm以上40μm以下の前記複合粒子を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の複合材料。
- 前記複合材料は、平均粒径が10μm以上30μm以下の前記複合粒子を含む、請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料の生産方法であって、
第1の平均粒径の亜鉛系粉末と前記第1の平均粒径よりも大きい第2の平均粒径の前記錫粉末とを、ミルでボール又はビーズを用いて湿式混合してフレーク化及び複合化する工程、
を備える、方法。 - 前記亜鉛系粉末は、蒸発法によって得られる粉末であり、前記アルミニウム系粉末又は前記錫粉末は、蒸発法又はアトマイズ法によって得られる粉末である、請求項8に記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料を含有する、表面処理剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料を含有する、防錆防食剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料を含有する、顔料。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料を含有する、塗料。
- 金属表面処理加工体の製造方法であって、
被金属表面処理体の表面に請求項10に記載の表面処理剤を供給して被膜を形成する工程、
を備える、方法。 - 防錆防食加工体の製造方法であって、
被防錆防食処理体の表面に請求項11に記載の防錆防食剤を供給して被膜を形成する工程、
を備える、方法。 - 塗膜加工体の製造方法であって、
被塗工体の表面に請求項13に記載の塗料を供給して塗膜を形成する工程、
を備える、方法。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の複合材料を含有する被膜を備える、被膜保持体。
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