JP5977968B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、空気入りタイヤに関する。
従来からタイヤの軽量化を目的として、タイヤのベルトを構成する複数枚のベルト層に対し、特にスチール等の密度の大きい材料を配列したベルト層を中心として、それらの数を削減する検討が行われている。そして、この点に関する先行技術としては、タイヤ赤道面に対して所定の角度に傾けたコードを延在させた傾斜ベルト層、及びタイヤ赤道面に対してほぼ平行に延びるコードをスパイラル状に延在させた周方向ベルト層の2層からなる空気入りタイヤが知られている(例えば特許文献1)。
特開平4−78602号公報
上記のような構成となるタイヤにおいては、内圧を充填し荷重を負荷して転動させる際、タイヤの周方向に強い張力が作用するため、破壊強度を十分に確保するべく、この張力と同じ方向に延在するスパイラル状のコードは、高い強度と剛性を備えるものを使用している。
ところで、タイヤのベルトは、トレッド部のクラウンに沿って設けることが一般的であるため、その幅方向中央のセンター部と、幅方向外側の端部とでは、タイヤの周方向長さに差が生じている。これにより、タイヤが平坦な路面に接地して転動する際のベルトの端部の進行速度は、タイヤの路面に対する進行速度よりも遅くなるため、ベルトと路面との間で挟まれるトレッドゴムは、周方向に剪断力を受けることとなる。特に、スパイラル状のコードが高強度、高剛性となる場合には、このコードを含むベルト層はほとんど伸縮しないため、トレッドゴムにはより大きな剪断変形が生じることとなり、エネルギー損失が大きくなって転がり抵抗が増加する懸念があった。
これに対し、ベルトを、タイヤ幅方向断面にてフラット状になるように設けて、そのセンター部と端部とのタイヤ周方向長さの差を小さくすることによって、転がり抵抗の増加を抑制することが検討されている。
しかしながら一方で、タイヤは、より高い操縦安定性を得るために、キャンバーを付与して車両に装着されることがあるところ、上述したフラット状のベルトを備えるタイヤでは、タイヤの接地端に大きな接地圧がかかることになるため、この部位が早期に摩耗して偏摩耗性能が大きく損なわれるおそれがあった。
本発明の課題は、空気入りタイヤにつき、転がり抵抗を低減させるとともに、キャンバーを付与して車両に装着した際の偏摩耗性能にも優れた、新規な空気入りタイヤを提供することにある。
本発明の空気入りタイヤは、トレッド部からサイドウォール部を経てビード部まで延在するカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配置されるベルトとを備え、キャンバー角を付与して使用される空気入りタイヤにおいて、
前記ベルトは、タイヤ赤道面に対して15°〜75°の範囲の角度で延びる第1のコードを延在させた第1のベルト層と、当該第1のベルト層のタイヤ半径方向外側に配置され、タイヤ赤道面に対して0°〜5°の範囲の角度で延びる第2のコードを延在させた第2のベルト層とを備え、
前記第2のベルト層は、前記第2のコードの中間伸度が0.2%〜2.5%であり、
タイヤを適用リムに組み付けて規定の空気圧を充填するとともに無負荷の下でのタイヤの軸を含む断面において、タイヤの軸から第2のベルト層のタイヤ赤道面に至る半径方向長さをRsとし、タイヤの軸から該第2のベルト層の幅方向最外端に至る半径方向長さをReとし、該半径方向長さRsと該半径方向長さReとの差をδとする場合に、0.003<δ/Rs<0.02の関係を満たし、
同断面において、前記第1のベルト層及び第2のベルト層のうち、タイヤ半径方向外側に位置する第2のベルト層の、タイヤ赤道面におけるコードからトレッド表面に至るトレッドゴムゲージをGcとし、該第2のベルト層の、幅方向最外端におけるコードからトレッド表面に至るトレッドゴムゲージをGsとする場合に、トレッドゴムゲージGc及びGsは、0.5≦Gs/Gc≦0.9の関係を満たし、
トレッド表面における接地端をT0とし、該接地端からトレッド接地幅の2%分タイヤ幅方向内側に位置するトレッド表面上の点をT1とし、該接地端からトレッド接地幅の2%分タイヤ幅方向外側に位置するトレッド表面上の点をT2とし、T1、T0、及びT2の3点を通る円弧の半径をR0とする場合、20mm≦R0≦60mmの関係を満たすことを特徴とする。
ここで本明細書において、「第2のコードの中間伸度」とは、JIS L 1017に従って、室温(25℃±2℃)にて、コード1本につき66Nの荷重下で引っ張る際の伸度(%)をいう。
また、「適用リム」とは、タイヤのサイズに応じて下記の規格に規定されたリムを、「規定の空気圧」とは、下記の規格において、最大負荷能力に対応して規定される空気圧をいい、最大負荷能力とは、下記の規格で、タイヤに負荷することが許容される最大の質量をいう。なお、ここでいう空気は、窒素ガス等の不活性ガスその他に置換することも可能である。
そして規格とは、タイヤが生産又は使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであり、例えば、アメリカ合衆国では、“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“THE European Tyre and Rim Technical Organisation”の“STANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
また、「タイヤの軸」とは、タイヤの中心軸(回転軸)であって、具体的には、タイヤを適用リムに組み付けて規定の空気圧を充填するとともに無負荷の下での中心軸をいう。
ここで、本明細書における「接地端」とは、タイヤを適用リムに組み付けて規定の空気圧を充填するとともに、平板に対してキャンバー角0°で最大の質量を負荷した際の、平板との接触面における、タイヤ幅方向最外側の接地位置をいい、「トレッド接地幅」とは、接地端間のタイヤ幅方向直線距離をいう。
タイヤを適用リムに組み付けて規定の空気圧を充填するとともに無負荷の下でのタイヤの軸を含む断面において、タイヤの軸から第2のベルト層のタイヤ赤道面に至る半径方向長さをRsとし、タイヤの軸から該第2のベルト層の幅方向最外端に至る半径方向長さをReとし、該半径方向長さRsと該半径方向長さReとの差をδとする場合に、0.003<δ/Rs<0.02の関係を満たすようにすることで、中間伸度が0.2%〜2.5%である剛性の高い第2のベルト層は、その幅方向中央と幅方向外側との周長差が小さくなるので、トレッド部の剪断変形が抑えられ、転がり抵抗を低減することができる。
さらに、同断面において、前記第1のベルト層及び第2のベルト層のうち、タイヤ半径方向外側に位置する外側ベルト層の、タイヤ赤道面におけるコードからトレッド表面に至るトレッドゴムゲージをGcとし、該外側ベルト層の、幅方向最外端におけるコードからトレッド表面に至るトレッドゴムゲージをGsとする場合に、Gs<Gcの関係を満たすようにすることでトレッド部全体に丸みを持たせることができ、これにより、リム組みしたタイヤがキャンバーを付与して車両に装着される場合にも、偏摩耗性能が損なわれることがない。
トレッドゴムゲージGsが小さくなるにつれてショルダー部における厚みが薄くなってタイヤの他の性能(タイヤの寿命等)に影響を及ぼすことが考えられることから、トレッドゴムゲージGc及びGsの関係は、0.5≦Gs/Gcとすることが好ましく、特にGs/Gc≦0.9の範囲となる場合は、転がり抵抗の低減と偏摩耗性能の向上を、優れたものとすることができる。
そして、トレッド表面における接地端をT0とし、該接地端からトレッド接地幅の2%分タイヤ幅方向内側に位置するトレッド表面上の点をT1とし、該接地端からトレッド接地幅の2%分タイヤ幅方向外側に位置するトレッド表面上の点をT2とし、T1、T0、及びT2の3点を通る円弧の半径をR0としたところにおいて、R0が小さすぎる場合には、タイヤの接地端における接地圧を十分に抑制することができず、また、R0が大きすぎる場合には、接地端よりも幅方向外側に位置する部位が路面に接近することとなるので、車両に装着して使用される際に接地幅のばらつきが大きくなり、これによりタイヤの各種の性能も大きくばらついてしまう懸念がある。
一方、タイヤの接地端におけるトレッド表面の半径R0が、20mm<R0<60mmの関係を満たす場合は、その接地端の接地圧を抑えて偏摩耗性能を高めることが可能となり、併せてタイヤの接地幅のばらつきも抑制することができる。
本発明に従う空気入りタイヤの実施の形態につき、タイヤの軸を含む断面(タイヤ幅方向断面)を示した図である。 図1のX−X矢視図であって、一部を破断させてタイヤ内部の構造を示した図である。 本発明に従う空気入りタイヤの他の実施の形態を示す断面図である。 比較例1のタイヤによるフットプリントであって(タイヤの溝部は除いて示す)、(a)はキャンバー角0°で車両に装着する場合の図であり、(b)はキャンバー角2°で車両に装着する場合の図である。 適合例3のタイヤによるフットプリントであって(タイヤの溝部は除いて示す)、(a)はキャンバー角0°で車両に装着する場合の図であり、(b)はキャンバー角2°で車両に装着する場合の図である。 適合例8のタイヤによるフットプリントであって(タイヤの溝部は除いて示す)、(a)はキャンバー角0°で車両に装着する場合の図であり、(b)はキャンバー角2°で車両に装着する場合の図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。
図1における1は、タイヤの幅方向両外側に位置する一対のビード部であり、2は、これらビード部1からそれぞれタイヤのほぼ径方向外側に向かって延びる一対のサイドウォール部であり、3は、これらサイドウォール部2の延伸端に跨って繋がるトレッド部である。
4は、ビード部1に配置した一対のビードコアであり、このビードコア4はタイヤの周方向に延びていて、リング状になっている。
5は、一対のビードコア4間にトロイダルに延在するカーカスであり、このカーカス5は、それぞれのビードコア4の周りにその端部を内側から外側に向かって巻き返している。カーカス5は、少なくとも1枚のカーカスプライにて構成されるものであって、図1の例示においては1枚のカーカスプライ5aからなるものとして示している。カーカスプライ5aには、図2に示すようにコード5aが、タイヤ赤道面Sに対して直交する向きに延在している。ここでタイヤ赤道面Sに対して直交するとは、具体的にはタイヤ赤道面Sに対する角度が85°〜95°の範囲であることを意味するものであって、製造上の誤差を考慮したものである。また、コード5aは各種選択可能であり、例えばアラミド、ポリエチレン、ナイロン等の有機繊維、ガラス繊維、スチール等から採用される。
6は、カーカス5に対しタイヤの半径方向外側に配置されるベルトである。図1に示す例でベルト6は、第1のベルト層7の半径方向外側に第2のベルト層8を配置した、2層で構成されている。なお、タイヤの軽量化を図る点ではこれら2層で構成することが好ましいが、さらに別のベルト層を設けてもよい。また、第1のベルト層7と第2のベルト層8とを入れ替えて、第2のベルト層8の半径方向外側に第1のベルト層7を配置してもよい。
第1のベルト層7は、図2に示すように、タイヤ赤道面Sに対して角度yだけ傾斜させた、第1のコード7aを備えている。ここで本発明では、第1のコード7aの角度yの範囲を15°〜75°としたが、その理由は、タイヤ赤道面Sに対する角度が15°未満では第1のコード7aと後述する第2のコード8aが平行に近づいて、タイヤ半径方向の柔軟性を確保するために必要なパンタグラフ効果が得られにくくなるからであり、同様にタイヤ赤道面Sに対する角度が75°を超えると、第1のコード7aとコード5aが平行に近づいて、パンタグラフ効果が得られにくくなるからである。
第1のコード7aは、アラミド、ポリエチレン、ナイロン等の有機繊維、ガラス繊維、スチール等各種材料から選択することができる。
第2のベルト層8は、タイヤ赤道面Sと略平行に延びる、具体的には製造上の誤差を考慮して0°〜5°の範囲の角度で延びる、第2のコード8aを備えている。
第2のコード8aは、図2に示すように、アラミド、ポリエチレン、ナイロン等の有機繊維、ガラス繊維、スチール等各種材料から選択することができる。第2のベルト層8は、この第2のコード8aをタイヤ赤道面Sと平行に複数配置して構成してもよいし、螺旋状に巻き回したスパイラルコードとして構成してもよい。
ここで、第2のベルト層8を設けるに当たって、第2のコード8aを備える幅狭のゴムを、タイヤの周方向に沿ってスパイラル状に巻き回すことで設ける場合には、図3に示すように、幅方向の両外側に重なり部8bを設けることが好ましい。これにより第2のコード8aの巻き始め端、又は巻き終わり端を基点とするセパレーションの発生が防止される。
また、第2のベルト層8は、中間伸度が0.2%〜2.5%であるものであって、これにより、ベルト層の枚数を減らしてタイヤの軽量化を図る一方で、タイヤの周方向に沿う強度及び剛性を確保している。
そしてまた、第2のベルト層8は、タイヤを適用リムに組み付けて規定の空気圧を充填するとともに無負荷の下でのタイヤの軸を含む断面において、タイヤの軸から第2のベルト層8のタイヤ赤道面Sに至る半径方向長さをRsとし、タイヤの軸から第2のベルト層8の幅方向最外端に至る半径方向長さをReとし、半径方向長さRsと半径方向長さReとの差をδとする場合に、0.003<δ/Rs<0.02の関係を満たすものである。
ここで、図1に示すように半径方向長さRsとは、タイヤの軸(図示せず)から第2のベルト層8のタイヤ赤道面Sに位置する第2のコード8aの中心までの距離であり、タイヤ赤道面Sに第2のコード8aが位置していない場合は、この赤道面Sに最も近いコードを指しているものとする。また半径方向長さReとは、タイヤの軸から第2のベルト層8の幅方向最外側に位置する第2のコード8aの中心までの距離であり、図3に示す重なり部8bを有する場合には、この重なり部8bを除いて最も外側に位置するコードを指しているものとする。
さらに、図1に示すように、第1のベルト層7及び第2のベルト層8のうち、タイヤ半径方向外側に位置する外側ベルト層(図示の例では第2のベルト層8)のタイヤ赤道面Sにおけるコード(図示の例では第2のコード8a)からトレッド表面Hに至るトレッドゴムゲージをGcとし、外側ベルト層の幅方向最外端におけるコードからトレッド表面Hに至るトレッドゴムゲージをGsとする場合に、Gs<Gcの関係を満たすものである。
ここで、トレッドゴムケージGcとは、外側ベルト層のタイヤ赤道面Sに位置するコード(タイヤ赤道面S上にコードが位置していない場合は、この赤道面Sに最も近いコード)の外周面とトレッド表面との間に位置するゴムの最小厚みを意味し、また、トレッドゴムゲージGsとは、外側ベルト層の幅方向最外端におけるコード(図3に示す重なり部8bを有する場合には、この重なり部8bを除いて最も外側に位置するコード)の外周面とトレッド表面との間に位置するゴムの最小厚みを意味するものとする。
ここで、タイヤの周方向に沿う強度及び剛性を高めた第2のベルト層8において、δ/Rsの値が大きすぎる場合は、タイヤ赤道面Sにおける周方向長さと幅方向最外端における周方向長さとの差が大きくなるので、第2のベルト層8と路面との間に挟まれるトレッドゴムの剪断変形が大きくなって転がり抵抗が増加し、δ/Rsの値が小さすぎる場合は、第2のベルト層8の形状が平坦となって接地端における接地圧が高くなり、偏摩耗性能が損なわれる懸念がある。一方、0.003<δ/Rs<0.02の関係を満たす場合は、転がり抵抗を低減することができる上、偏摩耗性能が大きく損なわれることがない。
また、トレッドゴムゲージGc及びGsが、Gs<Gcの関係を満たすことによって、トレッド部3の端部に丸みを持たせることができるので、リム組みしたタイヤがキャンバーを付与して車両に装着される場合にも、偏摩耗性能が損なわれることがない。そして特に、トレッドゴムゲージGc及びGsの関係において、極端にGsが小さくなると、トレッド部の端部における溝深さが浅くなりすぎるので摩耗寿命が不足することとなり、また、GsがGcとほとんど等しくなると、偏摩耗性能の改善が期待できないが、0.5≦Gs/Gc≦0.9の範囲となる場合は、転がり抵抗の低減と偏摩耗性能の向上を、より有利なものとすることができる。
そして、トレッド表面における接地端をT0とし、この接地端T0からトレッド接地幅Wの2%分(図1中、符号uで示す)タイヤ幅方向内側に位置するトレッド表面上の点をT1とし、接地端T0からトレッド接地幅の2%分タイヤ幅方向外側に位置するトレッド表面上の点をT2とし、T1、T0、及びT2の3点を通る円弧の半径をR0としたところにおいて、半径R0が20mm<R0<60mmの範囲となる場合は、接地端の接地圧を抑えて偏摩耗性能を高めることが可能となり、併せてタイヤの接地幅のばらつきも抑制することができるので、この接地幅のばらつきに起因するタイヤの各種性能のばらつきも、有効に抑えることができる。
表1に示す第1のベルト層及び第2のベルト層を備え、図3の如き構造で、表1に示す諸元となる、サイズ255/35R18のタイヤを製造し、各タイヤにつき、転がり抵抗、偏摩耗性能、及び接地幅のばらつきについて調査を行った。その結果を表1に併せて示す。なお、各タイヤにおいて、カーカスは1枚のカーカスプライを使用し、カーカスプライのコードはポリエチレンの撚り線であり、このコードをタイヤ赤道面に対し90°の方向で延在させている。また、第1のベルト層には、タイヤ赤道面に対して角度30度で延在するスチールコードを使用し、第1のベルト層の半径方向外側に配置した第2のベルト層には、タイヤ赤道面に対して平行に延びるスチール製のスパイラルコードを使用した。
Figure 0005977968
第2のベルト層における第2のコードの中間伸度は、JIS L 1017に従い、室温(25℃±2℃)にて、コード1本につき66Nの荷重下で引っ張り、その際の伸度(%)を測定した。
タイヤの寸法(半径方向長さRs、差δ)は、それぞれのタイヤをJATMA規定の適用リムに組み付け、内圧180kPaを加え、室温で1日以上放置した後に測定を行った。
また、タイヤの接地端におけるトレッド表面の半径R0は、まずJATMA規定の適用リムに組み付け、内圧180kPaを加え、室温で1日以上放置した後、タイヤに墨を塗り、内圧180kpaに対応する最大負荷能力を負荷して厚紙に押しつけ(キャンバー角は0°)、紙に転写させた接地形状から、接地端T0の位置及び接地幅Wを求めた。図4(a)、図5(a)、図6(a)は、比較例1、適合例3、適合例8のそれぞれのタイヤについて、キャンバー角0°でのフットプリントの概略図を示す。そして、レーザー変位計によってトレッド表面の形状を測定し、その形状に対して、接地端T0から接地幅の2%分タイヤ幅方向内側及び外側に位置する点をそれぞれT1及びT2として、これらT1、T0及びT2を通る円弧の半径をR0とした。なお、比較例1、適合例3、適合例8のそれぞれのタイヤにつき、キャンバー角を2°とした場合のフットプリントの概略図(タイヤは、キャンバー角の付与によって、各図の右側がより強く厚紙に押しつけられている)を、図4(b)、図5(b)、図6(b)に示す。
トレッドゴムゲージGc及びGsは、タイヤを、その赤道面に対して垂直に切断し、トレッド表面から外側ベルト層である第2のベルト層のコードの中心に向けて垂直線を引き、その線上におけるトレッド表面とコードの外周面との最短距離によって求めた。
転がり抵抗試験は、それぞれのタイヤを前記リムに組み付けて内圧210kPaを加え、表面が鉄板となる直径1.7mのドラムを備えるドラム試験機を用いて、車軸の転がり抵抗力について調査を行った。このとき速度は80km/hであり、荷重は4.70kNであり、キャンバー角は0°とした。そして、比較例1を100として、それぞれの転がり抵抗力を指数にて評価した。その結果を表1に示す。数字が小さいほど性能が優れていることを示している。
偏摩耗性能は、それぞれのタイヤを前記リムに組み付けて内圧210kPaを加え、直径1.7mのドラムの表面を、摩耗を促すための被覆材で覆ったドラム試験機を用いて調査を行った。このとき速度は80km/hであった。タイヤへの入力は、キャンバー角を2°付与した状態で、フリーローリングを10分間行った後に制動方向に0.1Gを加えて10分間行い、これを繰り返し実施して5000km走行終了するまで継続した。そして、トレッド部の、タイヤ赤道面に位置する部位(センター部)と接地端から15mm内側に入った部位(ショルダー部)とで溝深さを測定し、走行前後での溝深さの差を摩耗量として各部位での摩耗量を算出した。なお、ショルダー部の摩耗量は、タイヤ幅方向の左右で大きい方の値を用いている。その結果を、「センター部の摩耗量/ショルダー部の摩耗量」の比として表1に示す。比が1に近いほど均一に摩耗しており、偏摩耗性能が優れていることを意味している。このとき摩耗量の比が1より大きい場合はセンター部の摩耗が早く、小さければショルダー部の摩耗が早く進んでいることを意味しているが、特に摩耗量の比が0.7以下、又は1.8以上であれば、著しく偏摩耗が進んでいるとみなす。
接地幅のばらつきは、上述した半径R0を算出する際に用いた接地幅Wの測定値につき、タイヤ10本の接地幅Wを測定し、その測定値から標準偏差を算出した。そして、比較例1の標準偏差を100として、指数にて評価を行った。その結果を表1に示す。数字が小さいほどばらつきが小さいことを示している。
その結果、δ/Rsが0.003以下又は0.02以上となるタイヤ(比較例3〜5)、及びGs/Gc=1となるタイヤ(比較例1〜3)は、転がり抵抗が大きくなる上、キャンバーを付与した状態での偏摩耗性能を十分に満足することができない。一方、δ/Rsを0.003より大きく0.02よりも小さくしたタイヤ(適合例2〜4、7、8及び参考例1、5、6、9)は、転がり抵抗を抑制することができ、さらに、Gs/Gc≦0.9となるタイヤ(適合例2〜4、7、8及び参考例5、6、9)は、キャンバーを付与した状態での偏摩耗性能にも優れていることが確認された。そして、R0が大きくなると、表1に示すように接地幅のばらつきが次第に大きくなる一方で、図4(b)、図5(b)、図6(b)に示すように、タイヤの路面との接地は、タイヤ全幅に亘ってより均一に近づけることができる結果、表1に示すように、偏摩耗性能を向上させることが可能となることが明らかとなった。そしてこの場合、20mm<R0<60mmであれば、接地幅がそれ程大きくばらつくことなく、転がり抵抗の削減及び偏摩耗性能の向上を図ることが確認された。
本発明によれば、転がり抵抗を低減させるとともに、キャンバーを付与して車両に装着した際の偏摩耗性能にも優れた、新規な空気入りタイヤを提供することができる。
1 ビード部
2 サイドウォール部
3 トレッド部
4 ビードコア
5 カーカス
5a カーカスプライ
6 ベルト
7 第1のベルト層
7a 第1のコード
8 第2のベルト層
8a 第2のコード
S タイヤ赤道面

Claims (1)

  1. トレッド部からサイドウォール部を経てビード部まで延在するカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に配置されるベルトとを備え、キャンバー角を付与して使用される空気入りタイヤにおいて、
    前記ベルトは、タイヤ赤道面に対して15°〜75°の範囲の角度で延びる第1のコードを延在させた第1のベルト層と、当該第1のベルト層のタイヤ半径方向外側に配置され、タイヤ赤道面に対して0°〜5°の範囲の角度で延びる第2のコードを延在させた第2のベルト層とを備え、
    前記第2のベルト層は、前記第2のコードの中間伸度が0.2%〜2.5%であり、
    タイヤを適用リムに組み付けて規定の空気圧を充填するとともに無負荷の下でのタイヤの軸を含む断面において、タイヤの軸から第2のベルト層のタイヤ赤道面に至る半径方向長さをRsとし、タイヤの軸から該第2のベルト層の幅方向最外端に至る半径方向長さをReとし、該半径方向長さRsと該半径方向長さReとの差をδとする場合に、0.003<δ/Rs<0.02の関係を満たし、
    同断面において、前記第1のベルト層及び第2のベルト層のうち、タイヤ半径方向外側に位置する第2のベルト層の、タイヤ赤道面におけるコードからトレッド表面に至るトレッドゴムゲージをGcとし、該第2のベルト層の、幅方向最外端におけるコードからトレッド表面に至るトレッドゴムゲージをGsとする場合に、前記トレッドゴムゲージGc及びGsは、0.5≦Gs/Gc≦0.9の関係を満たし、
    トレッド表面における接地端をT0とし、該接地端からトレッド接地幅の2%分タイヤ幅方向内側に位置するトレッド表面上の点をT1とし、該接地端からトレッド接地幅の2%分タイヤ幅方向外側に位置するトレッド表面上の点をT2とし、T1、T0、及びT2の3点を通る円弧の半径をR0とする場合、20mm≦R0≦60mmの関係を満たすことを特徴とする空気入りタイヤ。
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