JP5962988B2 - 通信システム、それに用いられる送信器と受信器、及び通信方法 - Google Patents

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本発明は、送信器から無線送信される信号を受信器により受信する通信システム、それに用いられる送信器と受信器、及び通信方法に関する。
一般的な無線通信は、送信器と受信器が互いに異なるクロックで動作しているため、非同期通信となる。そのため、受信器は、送信器からのベースバンド信号をいずれのタイミングで受信しても対応可能なように、受信したベースバンド信号を1シンボルにつき複数のタイミングでサンプリングするオーバサンプリングをし、シンボルを検出できるタイミングを抽出する。この抽出処理は、シンボル同期処理と称される。また、通信の基本単位であるフレームを認識するのに、フレーム中のヘッダ又はデータ等の始まりを識別する必要がある。この識別処理は、フレーム同期処理と称される。
従来のシンボル同期確立の手法としては、ゼロクロス検出方法が広く知られている。このゼロクロス検出方法においては、ベースバンド信号の先頭に、1と0とを交互に繰り返すプリアンブル(101010…と続く信号)が配置されている。受信器において、このベースバンド信号はオーバサンプリングされ、プリアンブルの符号反転タイミング、すなわち、ゼロクロスのタイミングが読み取られる。そして、その読み取られたゼロクロスのタイミングに基づいて、シンボルの正確な検出が可能なサンプリングタイミングが求められ、そのサンプリングタイミングがシンボル同期タイミングに設定される。例えば、ゼロクロスと次のゼロクロスの中間に最も近いサンプリングタイミングがシンボル同期タイミングに設定される。
次に、シンボル同期の取れたベースバンド信号について、従来のフレーム同期を確立する手法を図38に示す。元々、シンボル同期確立処理において、ベースバンド信号をオーバサンプリングして得た値、すなわち、ベースバンド信号のサンプル値は量子化されているとする。従来のフレーム同期を確立する手法では、シンボル同期タイミングに設定されたサンプリングタイミングのサンプル値列について、上記のように量子化された値が、2値化閾値を基準に弁別され、2値に置き換えられる(S101)。そして、そのサンプル値列と、同じく2値である既知のユニークワードとの相関値が算出される(S102)。そして、その算出された相関値が予め設定された相関閾値以上であれば(S103でYes)、上記サンプル値列とユニークワードとが一致したと判断され、それらが一致したタイミングがフレーム同期タイミングに設定される。そのようにしてフレーム同期が確立される(S104)。
ところで、無線通信システムにおいては、マルチパスフェージングに起因する受信信号のシンボル間干渉が課題の一つとして挙げられる。この干渉は、図39に示されるように、送信信号が、複数の異なる経路(マルチパス)を経て各々異なる遅延時間を持って受信アンテナに到来し、それらが受信アンテナで足し合わされることに因る。マルチパス環境では、送信アンテナから直接到来する直接波と障害物で反射された間接波とが受信アンテナに入力されたり、直接波が無く複数の経路を経た複数の間接波のみが受信アンテナに伝わったりする。
このような現象が生じた場合、受信信号波形が歪んでしまうことがある。受信信号波形は、信号の伝送速度が速いほど、歪み易い傾向にある。その理由について、図40を用いて説明する。同図に示されるように、信号の伝送速度が速いと、信号のシンボル長が短くなることから、シンボル長に対する上記遅延時間の相対的な比率は高くなる。そのため、例えば、異なる経路を経た2つ信号があり、一方の信号に対し、他方の信号がマルチパスフェージングに因り遅延し、信号のシンボル長が遅延時間に近い場合、一方の信号の1番目のシンボルと、他方の信号の0番目のシンボルとの重なり部分が長くなる。その結果、シンボル長に対する受信信号波形の歪みが相対的に大きくなってしまう。同図では、2つの信号だけを取り上げたが、実際には、遅延量の異なる多数のマルチパルス信号が足し合わされるので、上記の歪みはさらに大きくなり得る。このように歪みが大きくなると、上記のシンボル同期確立処理において、本来のゼロクロスのタイミングを検出できず、従って、安定したシンボル同期が得られないという問題が生じ、その結果、上述したフレーム同期確立処理の同期精度にも影響が及ぶことがある。
そこで、マルチパスフェージングの影響を解消する代表的な方策としては、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等のマルチキャリア伝送技術(例えば、特許文献1参照)がある。これは、伝送する情報を分割して複数のキャリア(サブキャリア)で並列に送信し各キャリアの伝送速度を落とすことにより、通信速度を維持しつつもマルチパスフェージングの影響を低減することを可能にした技術である。この技術では、各キャリアの伝送速度を遅くすることによりシンボル長が長くされ、図41に示されるように、マルチパスフェージングに起因するシンボルあたりの遅延がシンボル長よりも相対的に十分に短くされる。従って、マルチパスフェージングの影響を受けたとしても、シンボル長に対する受信信号波形の歪みが相対的に小さくなり、従って、シンボル同期が確立し易くなり、結果として、フレーム同期も安定して確立することができる。
特開2010−103900号公報
しかしながら、マルチキャリア伝送では、フーリエ逆変換及びフーリエ変換により周波数軸と時間軸とを変換して処理する複雑な構成が必要になる。そのため、マルチキャリア伝送技術を用いた通信システムでは、コストが高くなってしまい、また、回路規模が増大して回路の小型化が難しい、という欠点もある。
そこで、マルチキャリアの技術を用いずに、シングルキャリアによってマルチパスフェージングに因る波形歪みの影響を低減する方法として、プリアンブルの伝送速度を、通信対象であるデータの伝送速度よりも低くする技法が考えられる。しかしながら、この技法では、プリアンブルから、データのシンボルを正確に検出可能なサンプリングタイミングを求めることは困難である。従って、正確なシンボル同期は難しく、フレーム同期の精度は低下してしまう。
本発明は、この問題を解決するためになされたものである。本発明は、マルチパスフェージング環境下においても、低コストでかつ小規模の回路により同期を高精度に確立できる通信システム、それに用いられる送信器と受信器、及び通信方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の通信システムは、
送信対象のデータよりも伝送速度が低い第1の同期用ビット列を生成する低速ビット列生成部と
前記データと伝送速度が同じ第2の同期用ビット列を生成するビット列生成部と
前記第1の同期用ビット列、前記第2の同期用ビット列、及び前記データをフレーム化して変調することによりベースバンド信号を生成し、前記ベースバンド信号をアップコンバートしてRF信号に変換し、前記RF信号を無線送信する無線送信部と、
を有する送信器と、
前記無線送信部により無線送信されたRF信号を受信しダウンコンバートすることによりベースバンド信号を抽出する無線受信部と
前記無線受信部により抽出されたベースバンド信号を検波する検波部と
前記検波部により検波されたベースバンド信号中の前記第1の同期用ビット列を検出し、その検出結果に基づいて、前記ベースバンド信号中の前記第2の同期用ビット列が存在する範囲を予測する低速ビット列検出部と
前記低速ビット列検出部による予測範囲内の前記ベースバンド信号と予め記憶している既知の前記第2の同期用ビット列との相関値を算出し、その算出された相関値に基づいてシンボル同期とフレーム同期とを確立する同期確立部と、を有する前記受信器と
を備えことを特徴とする。
前記送信器は、前記送信器及び前記受信器の使用環境におけるマルチパスフェージングについての情報を入力するための使用環境入力部をさらに有し、前記無線送信部は、前記使用環境入力部により入力された情報に基づいて前記第1の同期用ビット列の伝送速度を切り替えることが可能な構成であることが好ましい。
前記第2の同期用ビット列は、疑似ランダム信号により構成され、前記無線送信部は、前記疑似ランダム信号を連続して繰り返し送信することが好ましい。
前記受信器は、前記検波部により検波されたベースバンド信号の中から前記第1の同期用ビット列を抽出する狭帯域フィルタをさらに備え、前記低速ビット列検出部は、前記狭帯域フィルタを通過した前記ベースバンド信号から前記第1の同期用ビット列を検出することが好ましい。
前記受信器は、前記低速ビット列検出部及び前記同期確立部に入力されるベースバンド信号のレベルを正規化する正規化部をさらに有していてもよい。
前記同期確立部は、前記同期確立部に入力されるベースバンド信号の移動平均値を算出する平均値算出部を有し、前記相関値が、前記平均値算出部により算出された移動平均値に基づいて設定された閾値以上であれば、その相関値のサンプリングタイミングをシンボル同期タイミングに設定し、該相関値が設定閾値以上となったタイミングをフレーム同期タイミングに設定してもよい。
前記無線送信部は、前記第1の同期用ビット列及び前記第2の同期用ビット列を含むフレームを定期的に送信し、前記低速ビット列検出部は、前記第2の同期用ビット列の検出時からの経過時間をカウントするカウンタを有し、前記カウンタによるカウント時間が、前記第2の同期用ビット列の検出時から次の前記第1の同期用ビット列が入力され始める時までの既知期間以内である間には、前記第1の同期用ビット列の再検出動作を停止してもよい。
前記無線送信部は、前記データの終わりを示すデータエンド信号を送信し、前記受信器は、前記検波部により検波されたベースバンド信号の中から前記データエンド信号を検出することにより前記データの終了タイミングを検知するデータエンド検出部をさらに有し、前記低速ビット列検出部は、前記第2の同期用ビット列の検出時から、前記データエンド検出部により検知された前記データの終了タイミングまで、前記第1の同期用ビット列の再検出動作を停止してもよい。
前記受信器は、前記通信システム内に、複数、設けられており、前記無線送信部は、前記複数の受信器に、受信器毎に異なる次の信号送信タイミングを示すポーリング信号を送信し、前記複数の受信器の各々は、前記無線送信部により送信され前記無線受信部により受信されるポーリング信号に基づき、次の信号受信タイミングを検出する受信タイミング検出部を有し、前記低速ビット列検出部は、前記無線受信部が前記ポーリング信号を受信し終えた時から、前記受信タイミング検出部により検出された次の信号受信タイミングまで、前記第1の同期用ビット列の再検出動作を停止してもよい。
前記受信器は、前記無線受信部により受信されたベースバンド信号をサンプリングするサンプリング部をさらに有し、前記検波部は、前記サンプリング部によりサンプリングされたベースバンド信号のサンプル値列を検波し、前記同期確立部は、前記相関値の算出処理において、前記検波部により検波されたサンプル値列と前記第2の同期用ビット列とについて、時系列順で互いに同じ順番のサンプル値とビットの値とを乗算し、それらの乗算結果を、1つのレジスタを用いて累積加算することが好ましい。
本発明の通信方法は、
送信対象のデータよりも伝送速度が低い前記第1の同期用ビット列を生成する低速ビット列生成ステップと、
前記データと伝送速度が同じ前記第2の同期用ビット列を生成するビット列生成ステップと、
前記第1の同期用ビット列、前記第2の同期用ビット列、及び前記データをフレーム化して変調することによりベースバンド信号を生成し、前記ベースバンド信号をアップコンバートしてRF信号に変換し、前記RF信号を無線送信する無線送信ステップと、
を有する送信ステップと、
前記無線送信ステップにより無線送信されたRF信号を受信してダウンコンバートすることによりベースバンド信号を抽出する無線受信ステップと、
前記無線受信ステップにより抽出されたベースバンド信号を検波する検波ステップと、
前記検波ステップにより検波されたベースバンド信号中の前記第1の同期用ビット列を検出し、その検出結果に基づいて、前記ベースバンド信号中の前記第2の同期用ビット列が存在する範囲を予測する低速ビット列検出ステップと、
前記低速ビット列検出ステップによる予測範囲内の前記ベースバンド信号と予め記憶している既知の前記第2の同期用ビット列との相関値を前記サンプリングタイミング毎に算出し、その算出された相関値に基づいてシンボル同期とフレーム同期とを確立する同期確立ステップと、
を有する受信ステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、マルチパスフェージングによるシンボル間干渉の影響を受け難い第1の同期用ビット列に基づいて第2の同期用ビット列の存在する範囲が予測されるので、第2の同期用ビット列の検出の正確さが増す。従って、その予測範囲内の信号に基づいて同期を確立しようとすることで同期確立精度を向上できる。また、同期確立精度の向上に必要な処理は、OFDM方式等のマルチキャリア技術と比べて簡単で済み、その結果、回路規模を小さくすることができ、また、回路の低コスト化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る通信システムのブロック図。 上記通信システムのベースバンド信号のフレーム構成図。 上記通信システムの受信器によるユニークワード及びデータへのサンプリングタイミングを示す図。 上記受信器による低速ユニークワード及びユニークワードへのサンプリングタイミングを示す図。 上記受信器の低速ユニークワード検出回路のブロック図。 上記受信器の同期確立回路のブロック図。 上記低速ユニークワード検出回路の相関値算出方法を示す図。 上記同期確立回路の相関値算出方法を示す図。 上記通信システムの送信器におけるベースバンド信号の送信処理のフローチャート。 上記受信器におけるベースバンド信号の受信処理のフローチャート。 上記同期確立回路におけるベースバンド信号への同期確立処理のフローチャート。 上記受信器における受信信号に対する相関値の変動を示す図。 (a)乃至(d)は上記同期確立回路の相関値算出手法について説明するための図。 (a)乃至(d)は上記同期確立回路の相関値算出手法について説明するための図。 上記実施形態の第1の変形例に係る通信システムのブロック図。 上記通信システムにおける受信器の低速ユニークワード検出回路のブロック図。 上記通信システムにおけるマルチパスフェージングの影響が小さい場合及び大きい場合のベースバンド信号のフレーム構成図。 上記実施形態の第2の変形例に係る通信システムの受信器における受信信号に対する相関値の変動を示す図。 本変形例の比較例に係る通信システムの受信器における受信信号に対する相関値の変動を示す図。 上記実施形態の第3の変形例に係る通信システムの受信器のブロック図。 上記実施形態の第4の変形例に係る通信システムの受信器のブロック図。 上記受信器におけるベースバンド信号の受信処理のフローチャート。 上記実施形態の第5の変形例に係る通信システムの同期確立回路のブロック図。 上記同期確立回路におけるベースバンド信号への同期確立処理のフローチャート。 上記実施形態の第6の変形例に係る通信システムの送信器による送信信号を示す図。 上記通信システムの受信器の同期回路のブロック図。 上記同期回路における低速ユニークワードの再検出停止処理のタイミングチャート。 上記同期回路における低速ユニークワードの再検出停止処理のフローチャート。 上記実施形態の第7の変形例に係る通信システムのブロック図。 上記通信システムの受信器の同期回路のブロック図。 上記同期回路における低速ユニークワードの再検出停止処理のタイミングチャート。 上記同期回路における低速ユニークワードの再検出停止処理のフローチャート。 上記実施形態の第8の変形例に係る通信システムのブロック図。 上記通信システムにおける送信器から各受信器への通信タイミングを示す図。 上記各受信器の同期回路のブロック図。 上記同期回路における低速ユニークワードの再検出停止処理のフローチャート。 上記実施形態の第9の変形例に係る通信システムの相関値算出方法を示す図。 従来のフレーム同期処理のフローチャート。 マルチパスフェージングが通信に与える影響について説明するための図。 伝送速度の速い信号がマルチパスに起因して遅延したときの受信器による受信信号を示す図。 伝送速度の遅い信号がマルチパスに起因して遅延したときの受信器による受信信号を示す図。
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムの構成を示す。その通信システム1は、無線方式で通信する送信器2と受信器3とにより構成される。送信器2は、送信対象のデータを変調してシンボル列を生成し、そのシンボル列で構成されるベースバンド信号をアップコンバートしてRF信号に変換し、そのRF信号を無線送信する。ベースバンド信号は、所定データ長のフレーム単位で伝送される。フレームのデータ長は、複数パターンあってもよい。受信器3は、送信器2から送信されたRF信号を受信し、その受信されたRF信号をダウンコンバートすることによりベースバンド信号を取得し、その取得したベースバンド信号を検波し、データを読み取る。
ところで、送信器2と受信器3との間の通信は無線式であることから、当初、受信器3は、送信器2から信号が送信されるタイミングを知得できておらず、非同期の状態にある。そのため、受信器3においてベースバンド信号からデータを読み取るためには、ベースバンド信号を検波するだけでなく、送信器2と受信器3との間でシンボル同期及びフレーム同期を確立する必要がある。
そこで、本実施形態では、図2に示されるように、フレームF1の先頭に同期確立用の低速ユニークワードU1(第1の同期用ビット列)及びユニークワードU2(第2の同期用ビット列)が付加されている。低速ユニークワードU1は、伝送速度がデータD1よりも低くなるように設定され、ユニークワードU2は、伝送速度がデータD1と略同じとなるように設定されている。低速ユニークワードU1は、ユニークワードU2と比べると、伝送速度が低く、シンボル長が長い。送信器2は、低速ユニークワードU1、ユニークワードU2及び送信対象のデータD1をフレーム化して変調し、ベースバンド信号とする。低速ユニークワードU1及びユニークワードU2は、図示のように0と1とを交互に繰り返す信号に限定されない。受信器3は、ベースバンド信号を検波し、その検波したベースバンド信号中の低速ユニークワードU1を検出し、その検出結果に基づいて、ベースバンド信号中のユニークワードU2が存在する範囲を予測する。そして、受信器3は、その予測した範囲内に存在するベースバンド信号と予め記憶している既知のユニークワードU2との相関値に基づいてシンボル同期とフレーム同期とを確立する。以下、単に同期と称する場合は、シンボル同期及びフレーム同期を総じて指すものとする。以下、図1の説明に戻るが、適宜、図2を再び参照する。
送信器2は、低速ユニークワードU1を生成する低速ユニークワード生成回路21(低速ビット列生成部)と、ユニークワードU2を生成するユニークワード生成回路22(ビット列生成部)と、送信回路23(無線送信部)とを有する。低速ユニークワード生成回路21は、低速ユニークワードU1の伝送速度をデータD1の伝送速度の1/n(n:1よりも大きい数)に設定する。この設定により、低速ユニークワードU1のシンボル周波数はデータD1のシンボル周波数の1/n倍とされ、低速ユニークワードU1のシンボル長はデータD1のシンボル長のn倍とされる。シンボル周波数は、1秒間に伝送されるシンボルの数のことである。すなわち、伝送速度が低く設定されることにより、シンボル周波数が低くなり、伝送速度が高く設定されることにより、シンボル周波数が高くなる。ユニークワード生成回路22は、ユニークワードU2の伝送速度をデータD1の伝送速度と略同じに設定するので、ユニークワードU2とデータD1との間でシンボル周波数及びシンボル長は互いに等しくなる。送信回路23は、低速ユニークワードU1、ユニークワードU2及びデータD1をフレーム化し、それらを変調することによりベースバンド信号を生成する。また、送信回路23は、そのベースバンド信号をアップコンバートしてRF信号に変換し、そのRF信号をアンテナ24から受信器3に無線送信する。
受信器3は、送信回路23により無線送信されたRF信号を受信アンテナ30を介して受信してダウンコンバートし、ベースバンド信号を取得する受信回路31(無線受信部)を備える。また、受信器3は、受信回路31により取得されたベースバンド信号をAD変換するADコンバータ32(サンプリング部)を備える。さらに、受信器3は、ADコンバータ32を通過したベースバンド信号への同期を確立する同期回路33と、同期回路33により同期が確立されたベースバンド信号を処理する信号処理回路34とを備える。
ADコンバータ32は、ベースバンド信号をAD変換する際、ユニークワードU2及びデータD1のシンボル周波数よりも高いサンプリング周波数で、ベースバンド信号をオーバサンプリングする。そして、ADコンバータ32は、そのオーバサンプリングにより得られるベースバンド信号のサンプル値を、M(M:2以上の整数)ビットで量子化する。
ここで、ADコンバータ32のサンプリング処理について図3を参照して説明する。同図には、サンプリング対象がユニークワードU2である場合と、サンプリング対象がデータD1である場合を示す。これら2つの場合のサンプリング処理は共通する。ADコンバータ32は、ユニークワードU2及びデータD1の1シンボルSbを複数のサンプリングタイミングでサンプリング可能なサンプリング周波数でもって、ベースバンド信号B1全体をサンプリングする。詳しくは、ADコンバータ32は、ベースバンド信号B1の信号値を、1シンボルSbにつき、例えば4つのサンプリングタイミング(0)〜(3)でサンプリングする(4倍サンプリング)。それらのサンプリングタイミング(0)〜(3)は時間的に等間隔にずれており、4倍サンプリングの場合、その間隔はシンボルSbの周期の1/4であり、すなわち、ベースバンド信号B1がシンボルSbの周波数の4倍の周波数でサンプリングされる。1シンボルSbに対するサンプリングタイミングの数は、上記4つに限定されず、複数であればよい。本実施形態では、サンプリングタイミング(0)〜(3)の中から、シンボルSbの値を正確に捉え得るサンプリングタイミングが検出され、そのサンプリングタイミングがシンボル同期タイミングに設定され、それにより、シンボル同期が確立される。
図4に示されるように、低速ユニークワードU1のシンボル長T1はデータD1及びユニークワードU2のシンボル長T2のn倍である。従って、上述した4倍サンプリング処理により、低速ユニークワードU1は、1シンボルにつき4×n個のサンプリングタイミングでサンプリングされる。なお、低速ユニークワードU1及びユニークワードU2は、図示されたビット数に限定されない。以下、図1の説明に戻る。
同期回路33は、受信回路31により受信されたベースバンド信号を検波する検波回路35(検波部)と、検波回路35により検波されたベースバンド信号中の低速ユニークワードU1を検出する低速ユニークワード検出回路36(低速ビット列検出部)とを有する。検波回路35は、ADコンバータ32により量子化されたベースバンド信号のサンプル値列を遅延検波等により検波(復号)する。低速ユニークワード検出回路36は、低速ユニークワードU1の検出結果に基づいて、ベースバンド信号におけるユニークワードU2が存在する範囲を予測する。また、同期回路33は、低速ユニークワード検出回路36により予測された範囲内に存在するベースバンド信号と予め記憶している既知のユニークワードU2との相関値を算出する同期確立回路37(同期確立部)を有する。同期確立回路37は、その算出された相関値に基づいてシンボル同期及びフレーム同期を確立する。
図5は、低速ユニークワード検出回路36の構成を示す。低速ユニークワード検出回路36は、ビット列抽出回路(以下、抽出回路という)36a、記憶回路36b、相関値算出回路(以下、算出回路という)36c、閾値設定回路36d、比較回路36e及び予測回路36fを有する。
抽出回路36aは、検波回路35により検波されたサンプル値列から、4×n個のサンプリングタイミングの各々のサンプル値列をサンプリングタイミング毎に抽出する。その抽出されるサンプル値列のサンプル値の数は、低速ユニークワードU1のビット数と同じ数に設定されている。記憶回路36bは、既知の低速ユニークワードU1を予め記憶している。
算出回路36cは、抽出回路36aにより抽出されたサンプル値列と、記憶回路36bに予め記憶されている低速ユニークワードU1との相関値をサンプリングタイミング毎に算出する。算出回路36cは、抽出回路36aにより抽出されたサンプル値列と、記憶回路36bに記憶されている低速ユニークワードU1とにおいて、時系列順で同じ順番のサンプル値とビット値とを乗算し、それらの乗算結果の総和を算出し相関値とする。このとき、実際の演算においては、サンプル値列と低速ユニークワードU1との乗算に相当する信号処理が実行される。算出回路36cにより算出される相関値は、抽出回路36aにより抽出されるサンプル値列が低速ユニークワードU1のビット列に近づくほど、高くなる。記憶回路36bに予め記憶されている低速ユニークワードU1の各ビットの値は、0又は1の2値で構成される理想値である。この2値の0と1とは、それぞれ、算出回路36cにおける所定の信号処理にて、絶対値が同じで正負の符号が異なる2値、例えば−1と+1と同じ扱いになるように変換される。この変換処理のなされた値がビットの値として算出回路36cによる相関値算出処理に用いられる。
閾値設定回路36dは、不図示の操作部又はインタフェース部からの入力に基づき、相関値の閾値を予め設定している。その設定された閾値(以下、第1設定閾値という)は、取り得る最大の相関値(理想相関値)の絶対値に1以下の係数、例えば0.7を乗じた値となるように信号処理で制御される。第1設定閾値をそのような値とする理由は、受信信号波形が歪んで相関値が小さくなったとしても、第1設定閾値は、低速ユニークワードU1の相関値とノイズの相関値との区別が可能なレベルであれば、理想相関値と完全に一致していなくてもよいからである。比較回路36eは、算出回路36cにより算出された相関値と第1設定閾値とをサンプリングタイミング毎に比較し、その算出された相関値が第1設定閾値以上であるか否かを判断する。比較回路36eにより、相関値が第1設定閾値以上であると判断されたとき、予測回路36fは、低速ユニークワードU1が検出されたと認識し、ベースバンド信号中のユニークワードU2が存在する範囲を予測する。
図6は、同期確立回路37の構成を示す。同期確立回路37は、ビット列抽出回路(以下、抽出回路という)37a、記憶回路37b、相関値算出回路(以下、算出回路という)37c、閾値設定回路37d、比較回路37e、同期検出回路37f及び同期設定回路37gを有する。
抽出回路37aは、検波回路35により検波されたサンプル値列から、各サンプリングタイミング(0)〜(3)(図3参照)のサンプル値列をサンプリングタイミング毎に抽出する。その抽出されるサンプル値列のサンプル値数は、ユニークワードU2のビット数と同じである。記憶回路37bは、既知のユニークワードU2を予め記憶している。
ところで、抽出回路37aにより抽出される各サンプリングタイミング(0)〜(3)のサンプル値列は、サンプリングタイミング毎に、ベースバンド信号を1シンボルにつき1回サンプリングして得たサンプル値列である。算出回路37cは、低速ユニークワードU1による予測範囲内のサンプル値列と、記憶回路37bに予め記憶されているユニークワードU2のビット列との相関値をサンプリングタイミング毎に算出する。この算出処理において、算出回路37cは、上記サンプル値列と上記ユニークワードU2とにおいて、時系列順で同じ順番のサンプル値とビット値とを乗算し、それらの乗算結果の総和を算出して相関値とする。このとき、実際の演算においては、上記サンプル値列と上記ユニークワードU2との乗算に相当する信号処理が実行される。算出回路37cにより算出される相関値は、上記サンプル値列が上記ユニークワードU2に近いほど、高くなる。記憶回路37bに予め記憶されているユニークワードU2の各ビットの値は、0又は1の2値で構成される理想値である。この2値の0と1とは、それぞれ、算出回路37cにおける所定の信号処理にて、絶対値が同じで正負の符号が異なる2値、例えば−1と+1と同じ扱いになるように変換される。この変換処理のなされた値がビットの値として算出回路37cによる相関値算出処理に用いられる。
閾値設定回路37dは、不図示の操作部又はインタフェース部からの入力に基づき、同期確立の判断基準となる相関値の閾値を予め設定している。その設定された閾値(以下、第2設定閾値)は、取り得る最大の相関値(理想相関値)の絶対値に1以下の係数、例えば0.7を乗じた値となるように信号処理で制御される。第2設定閾値をそのような値とする理由は、受信信号波形が歪んで相関値が小さくなったとしても、第2設定閾値は、ユニークワードU2の相関値とノイズの相関値との区別が可能なレベルであれば、理想相関値と完全に一致していなくてもよいからである。比較回路37eは、算出回路37cにより算出されたサンプリングタイミングでの相関値と第2設定閾値との相関値をサンプリングタイミング毎に比較し、算出された相関値が第2設定閾値以上であるか否かを判断する。
算出回路37cにより算出されたサンプリングタイミングの相関値のいずれかが、比較回路37eにより、第2設定閾値以上であると判断されたとする。同期検出回路37fは、その相関値のサンプリングタイミングをシンボル同期タイミングとして検出する。また、同期検出回路37fは、相関値が第2設定閾値以上と判断されたタイミングをフレーム同期タイミングとして検出する。同期設定回路37gは、同期検出回路37fによりシンボル同期タイミングとして検出されたサンプリングタイミングを、検波回路35により検波されたベースバンド信号のシンボル同期タイミングに設定する。また、同期設定回路37gは、同期検出回路37fによりフレーム同期タイミングとして検出されたタイミングを、検波回路35により検波されたベースバンド信号のフレーム同期タイミングに設定する。このようにして、同期設定回路37gは、算出回路37cにより算出された相関値に基づいてシンボル同期タイミング及びフレーム同期タイミングを設定し、同期を確立する。
同期設定回路37gは、同期確立後、シンボル同期タイミングの検波後の各サンプル値を、検波後のベースバンド信号の各シンボル値として抜き出し、出力する。例えば、サンプリングタイミング(0)〜(3)のうち、サンプリングタイミング(1)がシンボル同期タイミングに設定された場合、同期設定回路37gは、サンプリングタイミング(1)でサンプリングされる各サンプル値を、シンボル値として出力する。従って、同期設定回路37gから出力される信号は、検波後のベースバンド信号をシンボル周波数の1倍の周波数でサンプリングしたサンプル値列(ベースバンド信号を1倍サンプリングしたサンプル値列)となる。同期設定回路37gは、他のサンプリングタイミングのサンプル値列、すなわち、上記の例におけるサンプリングタイミング(0)、(2)、(3)のサンプル値列については出力しない。
図7は、算出回路36cによる相関値の算出手法を示す。算出回路36cは、抽出回路36aにより抽出されたサンプル値列について、Mビットで量子化されているサンプル値を−1又は1の2値に置き換え、サンプル値列と低速ユニークワードU1との相関値を算出する。この算出処理においては、検波後のサンプル値を2値化により硬判定した結果が用いられる。本実施形態においては、上記算出処理で、回路規模縮小化のため硬判定を実施しているが、検波後のサンプル値を2値化せずにそのままの値で用いる軟判定であってもよい。低速ユニークワードU1は、図示のビット数に限定されない。
図8は、算出回路37cによる相関値の算出手法を示す。算出回路37cは、抽出回路37aにより抽出されたサンプル値列について、Mビットで量子化されているサンプル値を−1又は1の2値に置き換えることなく、そのままの値で用いて、サンプル値列とユニークワードU2のビット列との相関値を算出する。この算出処理では、検波後のサンプル値を軟判定することにより量子化された検波後のサンプル値がそのまま用いられることから、そのサンプル値が2値のいずれであるかについての確かさがそのまま用いられる。ユニークワードU2は、図示のビット数に限定されない。
次に、通信システム1における通信処理について、図1及び図2に加えて、図9及び図10を参照して説明する。図9は、送信器2の各回路の連携による信号の送信ステップを示し、図10は、受信器3の各回路の連携による受信ステップを示す。
図9に示されるように、低速ユニークワード生成回路21は、低速ユニークワードU1を生成し(S11;低速ビット列生成ステップ)、ユニークワード生成回路22は、ユニークワードU2を生成する(S12;ビット列生成部)。その後、送信回路23は、低速ユニークワードU1、ユニークワードU2及びデータD1をフレーム化し、変調してベースバンド信号を生成する(S13;無線送信ステップ)。そして、送信回路23は、ベースバンド信号をアップコンバートしてRF信号に変換し、そのRF信号を無線送信する(S14;無線送信ステップ)。その無線送信の際、低速ユニークワードU1、ユニークワードU2及びデータD1は、この順に送信される。
図10に示されるように、受信回路31は、RF信号を受信し、その受信したRF信号をダウンコンバートして、ベースバンド信号を取得し(S21;無線受信ステップ)、ADコンバータ32は、その取得されたベースバンド信号をAD変換する(S22)。検波回路35は、そのAD変換後のベースバンド信号を検波する(S23;検波ステップ)。そして、低速ユニークワード検出回路36が、S23で検波されたベースバンド信号中の低速ユニークワードU1を検出したとする(S24でYes)。そのとき、低速ユニークワード検出回路36は、その検出結果に基づいて、ベースバンド信号におけるユニークワードU2が存在する範囲を予測する(S25;低速ビット列検出ステップ)。同期確立回路37は、S25による予測範囲内に存在するベースバンド信号とユニークワードU2のビット列との相関値を算出し、その算出された相関値に基づいてシンボル同期及びフレーム同期を確立する(S26;同期確立ステップ)。
次に、同期確立回路37の各回路の連携による同期確立処理について、図2、図3、図5及び図6に加えて、図11を参照して説明する。図11は、その同期確立処理の手順を示す。ここで、ユニークワードU2のビット数をNとする。
抽出回路37aは、検波回路35による検波後のベースバンド信号のサンプル値列から、各サンプリングタイミング(0)〜(3)につき、Nビットのサンプル値列を順次抽出する(S31)。算出回路37cは、S31で抽出されたサンプル値列と、記憶回路37bに予め記憶されているユニークワードU2のビット列との相関値を算出する(S32)。相関値の算出はサンプリングタイミング毎に実行される。
比較回路37eは、S32で算出された相関値と第2設定閾値とを比較し(S33)、その算出された相関値が第2設定閾値以上であるか否かをサンプリングタイミング毎に判断する。
S33で算出された相関値が第2設定閾値以上と判断されたとき(S34でYes)、同期検出回路37fは、その相関値のサンプリングタイミングをシンボル同期タイミングとして検出する。また同時に、同期検出回路37fは、相関値が第2設定閾値以上と判断されたタイミングをフレーム同期タイミングとして検出する(S35)。同期設定回路37gは、検波回路35による検波後のサンプル値列に対して、S35で検出された同期タイミングを設定する(S36;同期確立ステップ)。S32で算出された相関値が第2設定閾値未満と判断されたときには(S34でNo)、S31の処理に戻る。
本実施形態において、低速ユニークワードU1は、ユニークワードU2及びデータD1と比べて、伝送速度が遅く、シンボル長が長くなる。そのため、低速ユニークワードU1の受信信号波形がマルチパスフェージングに起因して歪んでしまったとしても、シンボル長に対する受信信号波形の歪みをユニークワードU2よりも相対的に小さくすることができる。従って、マルチパスフェージングによる低速ユニークワードU1への影響を少なくすることができる。その結果として、低速ユニークワードU1を正確に検出することができ、その検出に基づいて、ユニークワードU2が存在する範囲を予測することで、ユニークワードU2の検出の正確さが増す。従って、その予測範囲A1内のベースバンド信号と既知のユニークワードU2との相関値を算出して同期を確立しようとすることで、図12に示されるように、相関値が第2設定閾値CTH以上になる予測範囲A1外のタイミングで誤って同期することを防止できる。そのため、誤同期の確率を低減することができ、同期確立精度を向上させることができる。また、同期確立精度の向上に必要な処理は、OFDM方式等のマルチキャリア技術と比べて簡単で済み、その結果、回路規模を小さくすることができ、また、回路の低コスト化を図ることができる。なお、予測範囲A1は、ユニークワードU2全体が存在し得る範囲であるが、実際に相関値が最大となるは、ユニークワードU2を全て受信し終えたタイミングとなる。そのため、上記図12では、予測範囲A1を、ユニークワードU2の最後のシンボル付近に示す。
また、ユニークワードU2の存在が予測された予測範囲A1(図12参照)内には、その中のビット列とユニークワードU2のビット列との相関値が高くなるところがあり、そこでの相関値は第2設定閾以上になると想定される。従って、予測範囲A1内だけの相関値に基づいて同期を確立することにより、誤同期の可能性を減らすことができ、また、効率的な同期確立が可能になる。
また、サンプリングタイミング(0)〜(3)のうち、いずれかのサンプリングタイミングの相関値が第2設定閾値以上になれば、そのサンプリングタイミングがシンボル同期タイミングに設定される。そして、相関値が第2設定閾値以上になったタイミングがフレーム同期タイミングに設定される。従って、シンボル同期もフレーム同期も同時に確立することができ、それらの同期確立に必要な時間を短縮することができ、処理を高速化することができる。また、シンボル同期を確立するのに、ベースバンド信号の先頭に、1と0とを交互に繰り返す信号を配置してゼロクロスを検出する必要がなくなる。従って、1と0とを交互に繰り返す信号が不要になると共に、ゼロクロス検出回路を設けなくて済む。
また、検波後のベースバンド信号のサンプル値列において、サンプル値はMビットで量子化されており、算出回路37cにより、2値化されずにそのままの値で用いられ、相関値が算出される。従って、マルチパスフェージングに起因して受信ベースバンド信号波形が歪んだとしても、量子化されたサンプル値を2値に変換してから相関値を算出する場合と比べ、2値化時の丸め込みによる相関値の誤差が無くなる。従って、相関値に基づいてなされる同期確立の精度向上を図ることができる。また、同期確立の精度向上に必要な処理は、OFDM方式等のマルチキャリア技術と比べて簡単で済み、従って、回路規模を小さくすることができ、また、回路の低コスト化を図ることができる。
算出回路37cの算出手法による効果をさらに説明する。その算出手法の比較対象として、サンプル値を、閾値を0として1又は−1の2値に置き換え、いわゆる硬判定をしてから算出した相関値の例を2つ、図13(a)(b)に示す。これらの例において、ユニークワードU2のビット列は1、−1、1の3ビット構成とする。ユニークワードU2の各ビットの値及びビット数はこれに限定されない。以下、サンプル値を2値に置き換えて相関値を算出する方法を2値化算出手法と呼ぶこととする。
図13(a)は、抽出されたサンプル値列が、受信信号中のユニークワードU2のサンプル値列であって、例えば0.8、−0.3、−0.1である場合を示す。この例において、サンプル値−0.1は、理想値が1であり、理想値と比べて符号が反転しているが、閾値との差は0.1だけである。しかしながら、サンプル値−0.1は、0を閾値とした−1又は1への2値化により−1に丸め込まれて、閾値との差は1と見なされる。その結果、抽出されたサンプル値列の相関値は1.0になる。
一方、図13(b)は、抽出されたサンプル値列が、受信信号中のユニークワードU2ではない他の信号のサンプル値列であって、例えば0.8、−0.3、−0.7である場合を示す。この場合の相関値も1.0になる。
これらの結果に示されるように、2値化算出手法では、ユニークワードU2を受信したときの相関値と、他の信号を受信したときの相関値との差が小さくなることがあり、上記の例が示す通り、時には0になる。従って、受信信号においてユニークワードU2と他の信号とを識別し難いことがあり、誤同期の生じる虞がある。
これに対して、算出回路37cの算出手法では、図13(a)(b)と同じ条件であっても、図13(c)(d)に示されるように、相関値は、それぞれ、1.0、0.4となり、それぞれの場合の相関値の差が0.6になる。この結果に表されるように、本実施形態の演算手法では、ユニークワードU2を受信したときの相関値と、他の信号を受信したときの相関値との差が大きくなる。そのため、受信信号においてユニークワードU2と他の信号とを識別し易くなり、同期精度が高くなる。
ところで、2値化算出手法においては、図14(a)(b)に示されるように、サンプル値が例えば0.8、−0.3、0.1であっても、又は0.9、−0.9、0.9であっても、相関値は3.0になり、同じになる。相関値の設定閾値を例えば2.0とした場合、図14(a)(b)のサンプリングタイミングでは共に相関値が設定閾値以上となることから、いずれのサンプリングタイミングが良いかを判断できない。後者のサンプリングタイミングのサンプル値列の方がユニークワードU2に近いので、そのサンプル値列が抽出されたタイミングを同期タイミングに設定する方がより適切である。しかしながら、両者のサンプル値列の相関値が等しいので、それは難しい。
一方、本実施形態の演算手法においては、図14(c)(d)に示されるように、上記2例の場合の相関値はそれぞれ、1.2、2.7になり、いずれのサンプリングタイミングを選択すれば良いかを判断することができる。このように、本実施形態の演算手法では、サンプル値列に応じて、細かく相関値が算出されるので、その相関値に基づいて、より適切なタイミングを同期タイミングとして設定でき、従って、同期精度がさらに高くなる。
なお、上記の図14(a)(c)はそれぞれ、図13(a)(c)において−0.1のサンプル値が、代わりに、0.1であって、より理想値1に近かった場合を示している。図14(a)に示されるように、2値化算出手法の場合、サンプル値が0.2だけしか理想値に近づいていないにも係らず、相関値は、2.0(=3.0−1.0)も増える。一方、図14(c)に示されるように、本実施形態の演算手法の場合には、相関値が1.2になり、相関値の増加分は0.2(=1.2−1.0)にとどまる。
この2例を比べて分かるように、2値化算出手法では、サンプル値が閾値付近で少し変わるだけで、相関値が大幅に上昇することがあり、そのため、それほど適切でないタイミングが同期タイミングに設定されてしまい、同期精度が低下する虞がある。一方、本実施形態の演算手法では、サンプル値に応じて適正に相関値が算出されることから、より適切なタイミングを同期タイミングに設定することができ、同期精度がさらに向上する。
次に、上記実施形態の各変形例について図面を参照して説明する。上記実施形態と同一の構成には同一の符号を付し、その構成について説明する際は、適宜、図1乃至図6を再び参照する。以下、上記実施形態と相違する構成及び処理についてのみ説明する。
(第1の変形例)
ところで、送信器2及び受信器3の使用環境に、障害物、又は通信信号を反射する反射物等が多く存在すると、マルチパスフェージングの影響により、受信器3の受信信号波形の歪みが大きくなる可能性が高く、同期精度が低下する虞がある。そこで、そのような影響を低減するため、使用環境に関係なく、ベースバンド信号のシンボル長を長くし、シンボル長に対する受信信号波形の歪みを相対的に小さくすることが考えられる。しかしながら、ただシンボル長を長くするだけでは伝送速度が遅くなってしまう。第1の変形例はこの問題を解決する構成を有する。
図15は、第1の変形例に係る通信システム1の構成を示す。本変形例では、送信器2が、送信器2及び受信器3の使用環境におけるマルチパスフェージングについての情報(以下、フェージング情報という)を入力するための使用環境入力部25をさらに有する。送信回路23は、使用環境入力部25により入力されたフェージング情報に基づいて低速ユニークワードU1の伝送速度を切り替えることが可能な構成である。送信回路23は、低速ユニークワードU1の伝送速度をいずれに切り替えても、その伝送速度がデータD1の伝送速度の1/n倍となるように、低速ユニークワードU1の伝送速度を切り替える。すなわち、低速ユニークワードU1の伝送速度は、データD1の伝送速度の例えば1/2倍又は1/3倍等とされる。低速ユニークワードU1の伝送速度は、上記に限定されず、データD1の伝送速度よりも遅ければよい。受信器3も、フェージング情報を入力するための使用環境入力部38をさらに有する。使用環境入力部25、38は、マルチパスフェージングに因る通信への影響度を例えば2段階で表して入力することが可能とされている。この影響度を表す段数は、2段に限定されず、3段以上であってもよい。使用環境入力部25、38は、情報入力用の操作器、例えば、操作キー又はタッチパネル等により構成される。
図16は、同期確立回路37の構成を示す。抽出回路36aは、送信回路23において、入力されるフェージング情報に応じて切り替えられる低速ユニークワードU1の伝送速度の倍数1/nを、フェージング情報毎に予めメモリに記憶している。記憶回路37bは、このメモリとして兼用されていてもよい。
抽出回路36aは、使用環境入力部38によりフェージング情報が入力されたとき、上記メモリを参照し、送信回路23でそのフェージング情報に基づいて切り替えられる倍数1/nを認識する。そして、抽出回路36aは、検波回路35(図1参照)により検波されたサンプル値列から、4×n個のサンプリングタイミングの各々のサンプル値列をサンプリングタイミング毎に抽出する。
図17は、マルチパスフェージングの影響が大きい場合と小さい場合の低速ユニークワードU1の伝送速度を示す。マルチパスフェージングの影響が小さいことを示す情報が使用環境入力部25により入力されるとき、低速ユニークワードU1の伝送速度は高速(ただし、ユニークワードU2及びデータD1の伝送速度よりも低速)となるように切り替えられる。その結果、そのシンボル長T1は短くなり、シンボル長T1に低速ユニークワードU1のシンボル数を乗じた長さT3も短くなる。一方、マルチパスフェージングの影響が大きいことを示す情報が使用環境入力部25により入力されるとき、低速ユニークワードU1の伝送速度は低速となるように切り替えられ、そのシンボル長T1は長くなり、低速ユニークワードU1の長さT3も長くなる。
本変形例では、使用環境に応じて低速ユニークワードU1の伝送速度を切り替えることができる。そのため、例えば、マルチパスフェージングの影響が小さい環境で使用される場合、低速ユニークワードU1の伝送速度を上げることにより、そのシンボル長が短くなっても、シンボル長に対する受信信号波形の歪みが相対的に小さくて済む。従って、低速ユニークワードU1の検出精度を高いものに維持することができる。その結果、同期精度の低下を防ぎつつ、伝送速度を高くすることができる。一方、マルチパスフェージングの影響が大きい環境で使用する場合、低速ユニークワードU1の伝送速度が下がることにより、シンボル長が長くなる。従って、シンボル長に対する受信信号波形の歪みが相対的に小さくすることができ、同期精度の低下を防ぐことができる。その結果として、伝送速度と同期精度とのバランスを使用環境に適したものにすることができ、正確で効率的な通信が可能になる。
(第2の変形例)
図18は、第2の変形例に係る通信システムの受信器3による受信信号、及びその受信信号とユニークワードU2のビット列との相関値を示す。本変形例において、ユニークワードU2は、疑似ランダム信号、例えば15ビットのM系列により構成される。M系列のビット数はこれに限定されない。送信器2の送信回路23は、ユニークワードU2であるM系列を連続して繰り返し送信し、例えば3回続けて送信する。連続送信されるM系列は互いに同じ信号である。受信器3の受信回路31は、M系列を連続して3回受信する。受信器3の記憶回路37bは、送信回路23から送信されるM系列と同一のM系列全体又はその一部をユニークワードU2として予め記憶しており、算出回路37cは、そのM系列と、受信回路31による受信信号のサンプル値列との相関値を算出する。
M系列は、1と0の2値で構成されており、0の数が1の数よりも1つだけ多い。この2値の0と1とは、それぞれ、算出回路36cにおける所定の信号処理にて、絶対値が同じで正負の符号が異なる2値、例えば−1と+1と同じ扱いになるように変換される。その変換後のM系列の各ビットの総和を求めると、その総和は−1になる。そして、M系列と、そのM系列を巡回シフトさせたM系列とについては、互いに同じ順のビット同士を乗算すると、その乗算により得られるビット列が、元のM系列をさらに巡回シフトさせたものと同じになるという特性がある。そのため、そのビット列の各ビットの総和も−1になる。
予測回路36fは、低速ユニークワードU1の検出時に、ベースバンド信号中の2つ目のM系列が存在する範囲を予測する。ここで、その予測範囲をA2とする。その予測範囲A2内のベースバンド信号の受信中、ベースバンド信号内のM系列が理想的な値のままであれば、2つ目のM系列の受信時に、ベースバンド信号とユニークワードU2とが一致し、M系列の上記特性により、相関値は15になる。一方、その受信時の前後では、相関値は、M系列とそのM系列を巡回シフトさせたものとをビット毎に乗算して得たビット列の各ビットの総和になることから、その相関値は−1になる。なお、予測範囲A2は、2つ目のM系列全体が存在し得る範囲であるが、実際に相関値が最大となるのは、そのM系列を全て受信し終えたタイミングであるので、上記図18では、予測範囲A2を、2つ目のM系列の最後のシンボル付近に示す。
ここで、本変形例の比較例を図19に示す。図19に示されるように、送信器がM系列を1回だけ送信し、その前後にはその他の信号を送信した場合、受信器によるM系列の受信タイミングA3での相関値は15になる。しかしながら、その受信時の前後では相関値が乱れ、M系列の受信時以外でも相関値が大きくなってしまう可能性がある。
このような例と比べて、本変形例では、受信器3がユニークワードU2(M系列)を受信したときの相関値と、その他の信号を受信したときの相関値(一致度)との差が確実に大きくなる。特に、受信器3が3つのユニークワードU2を連続して受信する場合に、2つ目のユニークワードU2を受信したときの相関値と、その他の信号を受信したときの相関値との差が確実に大きくなる。従って、ユニークワードU2の存在を予測する範囲を、例えば2つ目のユニークワードU2が存在し得る範囲に限定することにより、マルチパスフェージング又は雑音等が同期に及ぼす影響を少なくすることができ、同期精度の向上を図ることができる。
(第3の変形例)
図20は、第3の変形例に係る通信システムの受信器3の構成を示す。その受信器3は、検波回路35により検波されたベースバンド信号の中から低速ユニークワードU1を抽出する狭帯域フィルタ39をさらに備える。低速ユニークワードU1は、ユニークワードU2及びデータD1に比べて、伝送速度が遅く、シンボル長が長いことから、周波数帯域幅が狭いので、狭帯域フィルタ39は、低速ユニークワードU1だけを抜き出せるように構成されている。詳しくは、狭帯域フィルタ39の通過帯域は、低速ユニークワードU1の周波数帯域幅以上の広さを持ち、ユニークワードU2及びデータD1が通過できるフィルタの通過帯域よりも狭い。低速ユニークワード検出回路36は、狭帯域フィルタ39を通過したベースバンド信号から低速ユニークワードU1を検出する。
本変形例においては、低速ユニークワード検出回路36による低速ユニークワードU1の検出精度の向上を図ることができる。
(第4の変形例)
図21は、第4の変形例に係る通信システムの受信器3の構成と、その受信器3中のベースバンド信号波形とを示す。その受信器3は、ADコンバータ32と同期回路33との間に挿入された正規化回路40(正規化部)をさらに有する。正規化回路40は、いわゆるノーマライザであって、ベースバンド信号の受信レベルを調整して正規化するものであり、低速ユニークワード検出回路36及び同期確立回路37に検波回路35を介して入力されるベースバンド信号を正規化する。正規化回路40は、正規化したベースバンド信号を同期確立回路37に送出し、それにより、同期確立回路37に入力されるベースバンド信号(以下、単に入力信号という)のレベルを一定化し、安定化させる。
図22は、本変形例の受信器3におけるベースバンド信号の受信処理の手順を示す。その受信処理は、上記実施形態の受信処理(図10参照)において、S22とS23との間にS41の処理を追加し、他の処理は同じとしたものである。本変形例の受信処理においては、正規化回路40が、S22の処理でサンプリングされたベースバンド信号を正規化する(S41)。
本変形例では、通信環境等の変化に起因して同期確立回路37への入力信号のレベルが激しく変動するときであっても、低速ユニークワードU1の検出及び同期確立の前に信号が正規化されて信号のレベル変動が抑制されるので、検出精度及び同期精度が高くなる。
(第5の変形例)
図23は、第5の変形例に係る通信システムの同期確立回路37の構成を示す。その同期確立回路37は、同期確立回路37への入力信号、詳しくは、検波回路35により検波され同期確立回路37に入力されるベースバンド信号のサンプル値の移動平均値を算出する平均値算出回路37h(平均値算出部)をさらに有する。平均値算出回路37hは、入力信号の複数シンボルの範囲の移動平均値を求める。
閾値設定回路37dは、平均値算出回路37hにより算出された移動平均値に基づいて第2設定閾値(相関値の閾値)を設定する。閾値設定回路37dは、例えば、算出された移動平均値が小さくなれば第2設定閾値を連続的又は段階的に下げ、移動平均値が上がれば第2設定閾値を連続的又は段階的に上げる。移動平均値が所定値よりも低くなったときには、誤同期をより起こり難くするため、閾値設定回路37dは、設定閾値を下げず、特定の値に維持してもよい。
図24は、同期確立回路37における同期処理の手順を示す。その同期処理は、上記実施形態の同期処理(図11参照)において、S32とS33の処理との間にS51、S52の処理を追加したものである。本変形例の同期処理においては、平均値算出回路37hが、ベースバンド信号のサンプル値の移動平均値を算出する(S51)。そして、閾値設定回路37dが、S51で算出された移動平均値に基づいて第2設定閾値を設定する(S52)。
本変形例においては、通信環境等の変化に起因して入力信号のレベルが激しく変動したとしても、入力信号の移動平均値に基づいて算出された設定閾値はその変動に連動する。従って、相関値と設定閾値との比較結果に基づくシンボル同期確立は通信環境変化等に対応したものになる。そのため、安定したシンボル同期、延いては安定したフレーム同期を確立することができる。しかも、入力信号のレベル変動の対応に必要な回路は、上記第4の変形例の正規化回路40のように複雑な構成の回路ではなく、検波されたベースバンド信号の移動平均値を算出する平均算出回路だけで済むので、上記第4の変形例と比べ、規模が小さくて済む。
なお、入力信号の移動平均値を用いて安定的な同期確立を可能とする方法として、上記変形例では、入力信号がそのままで、第2設定閾値が入力信号の移動平均値を基に設定される。これに対して、上記の方法として、第2設定閾値が固定され、入力信号の値がその移動平均値で除算されてもよい。
(第6の変形例)
図25は、第6の変形例に係る通信システムの送信器2から送信される信号を示す。送信器2は、フレームF1を定期的に送信する。各フレームF1には、低速ユニークワードU1及びユニークワードU2が含まれている。フレームF1のフレーム長は予め設定されている。
図26は、本変形例の低速ユニークワード検出回路36及び同期確立回路37の構成を示し、図27は、低速ユニークワードU1の再検出停止期間を示す。低速ユニークワード検出回路36は、ユニークワードU2の検出時からの経過時間をカウントするカウンタ36gと、カウンタ36gによりカウントされた時間に基づいて同期確立回路37内の他の回路のオンオフを制御する制御回路36hとを有する。制御回路36hは、カウンタ36gによりカウントされた時間が、ユニークワードU2の検出時から次の低速ユニークワードU1が入力され始める時までの既知期間以内である間、抽出回路36a、算出回路36c、比較回路36e及び予測回路36f等をオフする。このオフ制御により、制御回路36hは、それらの回路による低速ユニークワードU1の再検出動作を停止する。この再検出動作の停止は、誤同期を防ぐための処理である。以下、上記の既知期間を再検出停止期間と呼ぶこととする。この再検出停止期間は、ユニークワードU2の検出時から次の低速ユニークワードU1が入力され始める時までであり、低速ユニークワードU1の検出時からユニークワードU2の検出時までの期間に、低速ユニークワードU1の再検出は停止されない。その理由は、ユニークワードU2のビット列については予め設定できるので、そのビット列を、低速ユニークワードU1として誤検出され難いビット列に設定しておけば問題ないからである。
制御回路36hは、ユニークワードU2の検出を、その検出時に同期検出回路37fから送信される同期確立信号に基づいて把握する。同期検出回路37fは、シンボル同期タイミング及びフレーム同期タイミングを検出したとき、ユニークワードU2を検出したと認識して、制御回路36hに同期確立信号を送信する。制御回路36hは、同期検出回路37fから同期確立信号を受信したとき、カウンタ36gが発振子から発せられる一定周波数のクロック信号を用いて時間のカウントを開始するようにカウンタ36gを制御する。また、制御回路36hは、同期確立信号を受信したとき、抽出回路36a、算出回路36c、比較回路36e及び予測回路36f等に、オフを指示する再検出停止信号を送信し、それにより、それらの回路による低速ユニークワードU1の再検出動作を停止する。
再検出停止期間は、ユニークワードU2が入力され終えた時から次の低速ユニークワードU1の先頭が入力されるまでの期間と略等しい。再検出停止期間は、必ずしもその期間と一致している必要はなく、次の低速ユニークワードU1の先頭が入力されるまでに余裕を持って低速ユニークワードU1の検出処理を開始できるように上記期間よりも短く設定されていてもよい。ここで、再検出停止期間をカウンタ36gによりタイムカウントしたときのカウント値をAとする。制御回路36hは、カウンタ36gによるカウント値がA以内である間、再検出停止信号を送信し続ける。カウンタ36gによるカウント値がAになると(再検出停止期間が経過すると)、制御回路36hは、再検出停止信号の送信を停止し、抽出回路36a、算出回路36c、比較回路36e及び予測回路36f等の動作をオンさせ、上記カウント値をリセットする。
図28は、制御回路36hにおける低速ユニークワードU1の再検出停止処理を示す。制御回路36hは、同期検出回路37fから同期確立信号を受信すると(S61でYes)、カウンタ36gを用いてタイムカントを開始し(S62)、低速ユニークワードの再検出動作を停止する(S63)。カウンタ36gによるカウント値がA以上になると(S64でNo)、制御回路36hは、低速ユニークワードの再検出動作の再開し(S65)、カウンタ36gによるカウント値をリセットする(S66)。
低速ユニークワードU1の再検出動作を停止するための構成は、上記に限定されない。例えば、制御回路36hが、同期検出回路37fから同期確立信号を受信するとき、抽出回路36a、算出回路36c、比較回路36e及び予測回路36f等に再検出停止信号を1回だけ送ってもよい。その場合、カウンタ36gによるカウント値がAになると、制御回路36hは、抽出回路36a、算出回路36c、比較回路36e及び予測回路36f等に、動作をオンさせるための動作開始要求信号を送信する。
本変形例において、あるフレームF1のユニークワードU2の受信から次のフレームF1の低速ユニークワードU1の受信までの間に低速ユニークワードU1と一致し又は近似する波形の信号が偶発的に発生したとする。そのような場合であっても、その信号に基づいて低速ユニークワードU1が誤検出されることはなくなる。従って、誤同期を防ぐことができ、同期エラーの発生を抑制することができる。
(第7の変形例)
図29は、第7の変形例に係る通信システム1の構成を示す。本変形例において、送信器2は、フレームF1を定期的に送信する。各フレームF1には、低速ユニークワードU1及びユニークワードU2が含まれている。送信回路23は、データD1の終わりを示すデータエンド信号を、データD1に含めて送信する。データエンド信号は、例えば、データD1の末尾に配置される。
受信器3の信号処理回路34は、検波回路35により検波されたベースバンド信号の中からデータエンド信号を検出するデータエンド検出回路34a(データエンド検出部)をさらに有する。データエンド検出回路34aは、データエンド信号を検出することにより、データD1の終了タイミングを検知する。データエンド検出回路34aは、データD1の終了タイミングを検知したとき、その終了タイミングを示すデータエンド検出信号を低速ユニークワード検出回路36に送信する。
低速ユニークワード検出回路36は、ユニークワードU2の検出時から、データエンド検出回路34aにより検知されたデータD1の終了タイミングまで、低速ユニークワードU1の再検出動作を停止させる制御回路36hを有する。制御回路36hは、データエンド検出回路34aからのデータエンド検出信号により、上記終了タイミングを把握する。
図30は、本変形例の低速ユニークワード検出回路36及び同期確立回路37の構成を示し、図31は、低速ユニークワードU1の再検出停止期間を示す。制御回路36hは、ユニークワードU2の検出を、その検出時に同期検出回路37fから送信される同期確立信号に基づいて把握する。同期検出回路37fは、シンボル同期タイミング及びフレーム同期タイミングを検出したとき、ユニークワードU2を検出したと認識して、制御回路36hに同期確立信号を送信する。制御回路36hは、同期検出回路37fから同期確立信号を受信したとき、抽出回路36a、算出回路36c、比較回路36e及び予測回路36f等に、動作のオフを指示する再検出停止信号を送信する。その送信により、制御回路36hは、それらの回路をオフして、それらの回路による低速ユニークワードU1の再検出動作を停止する。
制御回路36hは、データエンド検出信号により示されるデータD1の終了タイミングまで再検出停止信号を送信し続け、その終了タイミングになると再検出停止信号の送信を停止する。この送信停止により、制御回路36hは、抽出回路36a、算出回路36c、比較回路36e及び予測回路36fをオンさせる。
図32は、本変形例の制御回路36hにおける低速ユニークワードU1の再検出停止処理を示す。その再検出停止処理は、上記第6の変形例の再検出停止処理(図28を参照)において、S62、S66の処理をなくし、S64をS71の処理に変更したものである。S71の処理で、制御回路36hは、低速ユニークワードの再検出動作を停止した後、データD1の終了タイミングになるまでは(S71でNo)、S63の処理に戻り、データD1の終了タイミングになると(S71でYes)、S65の処理に進む。
本変形例においては、上記第6の変形例と同様に、低速ユニークワードU1の誤検出防止効果が得られる。また、データD1のデータ長が変更になったとしても、データD1の終了タイミングまで、低速ユニークワードU1の誤検出を確実に防ぐことができる。
(第8の変形例)
図33は、第8の変形例に係る通信システム1の構成を示し、図34は、その通信システム1の各受信器3A、3Bにおける低速ユニークワードU1の再検出停止期間を示す。本変形例の通信システム1には、上記実施形態の受信器3の構成に受信タイミング検出回路34b(受信タイミング検出部)を追加した2台の受信器3A、3Bが設けられている。本変形例において、上記の構成の受信器は、2台に限定されず、複数、設けられていればよい。
送信器2の送信回路23は、受信器3A、3Bに、受信器毎に異なる次の信号送信タイミングを示すポーリング信号を送信する。ポーリング信号も、一般の信号と同様に、低速ユニークワードU1、ユニークワードU2及びデータD1で構成されており、データD1中に、次の信号送信タイミングを示す情報が含まれている。受信器3A、3Bへの信号送信タイミングは、互いに重ならないように設定されている。不図示であるが、送信回路23は、ポーリング信号を定期的に送信する。
各受信器3A、3Bは、送信回路23により送信され受信回路31により受信されるポーリング信号に基づき、次の信号受信タイミングを検出する受信タイミング検出回路34b(受信タイミング検出部)を信号処理回路34に有する。受信タイミング検出回路34bは、次の信号受信タイミングを検出したとき、その信号受信タイミングを通知する受信タイミング通知信号を低速ユニークワード検出回路36に送信する。
低速ユニークワード検出回路36は、受信回路31がポーリング信号を受信し終えた時から、受信タイミング検出回路34bにより検出された次の信号受信タイミングまで、低速ユニークワードU1の再検出動作を停止させる制御回路36hを有する。制御回路36hは、受信タイミング検出回路34bからの受信タイミング通知信号により、上記信号受信タイミングを把握する。制御回路36hは、上述した期間だけでなく、同期確立回路37がポーリング信号中のユニークワードU2に基づいて同期を確立したときから、受信回路31がポーリング信号を受信し終えるときまでの期間も、上記再検出動作を停止させる。
図35は、本変形例の低速ユニークワード検出回路36及び同期確立回路37の構成を示す。制御回路36hは、ユニークワードU2に基づく同期確立を、ユニークワードU2の検出時に同期検出回路37fから送信される同期確立信号に基づいて把握する。同期検出回路37fは、シンボル同期タイミング及びフレーム同期タイミングを検出したとき、ユニークワードU2を検出したと認識して、制御回路36hに同期確立信号を送信する。制御回路36hは、同期検出回路37fから同期確立信号を受信したとき、抽出回路36a、算出回路36c、比較回路36e及び予測回路36fに、動作のオフを指示する再検出停止信号を送信する。その送信により、制御回路36hは、それらの回路をオフして、それらの回路による低速ユニークワードU1の再検出動作を停止する。
制御回路36hは、受信タイミング通知信号により示される信号受信タイミングまで再検出停止信号を送信し続け、その信号受信タイミングになると再検出停止信号の送信を停止する。この送信停止により、制御回路36hは、抽出回路36a、算出回路36c、比較回路36e及び予測回路36fをオンさせる。
図36は、本変形例の制御回路36hにおける低速ユニークワードU1の再検出停止処理を示す。その再検出停止処理は、上記第7の変形例の再検出停止処理(図32を参照)において、S71をS81の処理に変更したものである。S81の処理で、制御回路36hは、低速ユニークワードの再検出動作を停止した後、次の信号受信タイミングになるまでは(S78でNo)、S63の処理に戻り、次の信号受信タイミングになると(S81でYes)、S65の処理に進む。
本変形例の各受信器3A、3Bでは、ポーリング信号を受信し終えた時から、ポーリング信号に基づいて検出した次の信号受信タイミングまでの期間に、低速ユニークワードU1の再検出動作が停止する。従って、その期間中に、送信器2が他の受信器に信号を送信したとき、その信号中に低速ユニークワードU1と同じか又はそれに近い波形の信号が偶発的に含まれていたとしても、その信号に基づいて低速ユニークワードU1が誤検出されることを防ぐことができる。そのため、上記信号に誤同期してしまうことを防止することができる。
また、各受信器3A、3Bでは、ポーリング信号中のユニークワードU2による同期確立後からポーリング信号を受信し終えるときまで、すなわち、ポーリング信号中のデータD1を受信している期間に、低速ユニークワードU1の再検出動作が停止する。従って、そのデータD1に、低速ユニークワードU1と同じか又はそれに近い信号波形の信号が偶発的に含まれていたとしても、そのような信号を基に低速ユニークワードU1が誤検出されることを回避できる。
(第9の変形例)
図37は、第9の変形例の通信システムにおける算出回路37cの相関値算出方法を示す。上記実施形態と同様に、算出回路37cは、検波回路35により検波されたサンプル値列とユニークワードU2とについて、時系列順で互いに同じ順番のサンプル値とビットの値とを乗算し、それらの乗算結果の総和を算出して相関値とする。ただし、算出回路37cは、その相関値の算出処理において、サンプル値とビットの値との乗算結果を、1つのレジスタを用いて累積加算する。具体的には、算出回路37cは、1番目同士の値の乗算結果を1つのレジスタに格納し、2番目同士の値の乗算結果については、それを、上記レジスタに格納された1番目の乗算結果に加算して、その加算結果を上記レジスタに格納する。算出回路37cは、このように、順に乗算結果を加算し、その加算結果を上記レジスタに格納する。ユニークワードU2は、図示されたビット数に限定されない。
通常であれば、サンプル値列とユニークワードU2のビット列との相関値算出に用いられるレジスタがユニークワードU2のビット数以上必要になるが、本変形例においては、ユニークワードU2のビット数に関係なく、そのレジスタが1つで済む。そのため、算出回路37cの回路規模を縮小でき、また、低コスト化を図ることができる。
なお、本発明は、上記実施形態及び各変形例の構成に限定されるものでなく、使用目的に応じ、様々な変形が可能である。例えば、上記各変形例のうちのいずれかの特徴的な構成を他のいずれかの構成と組み合わせてもよい。
また、ADコンバータ32と同期回路33との間に、ベースバンド信号の成分だけを通過させ、ノイズ成分を除去するフィルタが設けられていても構わない。また、算出回路36cは、検波回路35により検波されたサンプル値列と低速ユニークワードU1との相関値の算出処理において、時系列順で互いに同じ順番のサンプル値とビットの値とを乗算し、それらの乗算結果を、1つのレジスタを用いて累積加算してもよい。
また、同期設定回路37gは、ユニークワードU2の存在が予測される範囲内で相関値が最大となるサンプリングタイミングをシンボル同期タイミングに設定し、相関値が最大となったタイミングをフレーム同期タイミングに設定してもよい。また、同期設定回路37gは、上記範囲内で相関値が第2設定閾値以上となり、かつ最大となるサンプリングタイミングをシンボル同期タイミングに設定し、相関値が第2設定閾値以上となり、かつ最大となるタイミングをフレーム同期タイミングに設定してもよい。
1 通信システム
2 送信器
21 低速ビット列生成回路(低速ビット列生成部)
22 ビット列生成回路(ビット列生成部)
23 送信回路(無線送信部)
3 受信器
31 受信回路(無線受信部)
32 ADコンバータ(サンプリング部)
34a データエンド検出回路(データエンド検出部)
34b 受信タイミング検出回路(受信タイミング検出部)
35 検波回路(検波部)
36 低速ビット列検出回路(低速ビット列検出部)
36g カウンタ
37 同期確立回路(同期確立部)
37h 平均値算出回路(平均値算出部)
39 狭帯域フィルタ
40 正規化回路(正規化部)
A1、A2 予測範囲
B1 ベースバンド信号
F1 フレーム
D1 データ
U1 低速ユニークワード(第1の同期用ビット列)
U2 ユニークワード(第2の同期用ビット列)

Claims (11)

  1. 送信対象のデータよりも伝送速度が低い第1の同期用ビット列を生成する低速ビット列生成部と
    前記データと伝送速度が同じ第2の同期用ビット列を生成するビット列生成部と
    前記第1の同期用ビット列、前記第2の同期用ビット列、及び前記データをフレーム化して変調することによりベースバンド信号を生成し、前記ベースバンド信号をアップコンバートしてRF信号に変換し、前記RF信号を無線送信する無線送信部と、
    を有する送信器と、
    前記無線送信部により無線送信されたRF信号を受信しダウンコンバートすることによりベースバンド信号を抽出する無線受信部と
    前記無線受信部により抽出されたベースバンド信号を検波する検波部と
    前記検波部により検波されたベースバンド信号中の前記第1の同期用ビット列を検出し、その検出結果に基づいて、前記ベースバンド信号中の前記第2の同期用ビット列が存在する範囲を予測する低速ビット列検出部と
    前記低速ビット列検出部による予測範囲内の前記ベースバンド信号と予め記憶している既知の前記第2の同期用ビット列との相関値を算出し、その算出された相関値に基づいてシンボル同期とフレーム同期とを確立する同期確立部と、を有する前記受信器と、
    を備えことを特徴とする通信システム。
  2. 前記送信器は、前記送信器及び前記受信器の使用環境におけるマルチパスフェージングについての情報を入力するための使用環境入力部をさらに有し、
    前記無線送信部は、前記使用環境入力部により入力された情報に基づいて前記第1の同期用ビット列の伝送速度を切り替えることが可能な構成であることを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
  3. 前記第2の同期用ビット列は、疑似ランダム信号により構成され、
    前記無線送信部は、前記疑似ランダム信号を連続して繰り返し送信することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の通信システム。
  4. 前記受信器は、前記検波部により検波されたベースバンド信号の中から前記第1の同期用ビット列を抽出する狭帯域フィルタをさらに備え、
    前記低速ビット列検出部は、前記狭帯域フィルタを通過した前記ベースバンド信号から前記第1の同期用ビット列を検出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の通信システム。
  5. 前記受信器は、前記低速ビット列検出部及び前記同期確立部に入力されるベースバンド信号のレベルを正規化する正規化部をさらに有することを特徴とする請求項乃至請求項4のいずれか一項に記載の通信システム。
  6. 前記同期確立部は、前記同期確立部に入力されるベースバンド信号の移動平均値を算出する平均値算出部を有し、前記相関値が、前記平均値算出部により算出された移動平均値に基づいて設定された閾値以上であれば、その相関値のサンプリングタイミングをシンボル同期タイミングに設定し、該相関値が設定閾値以上となったタイミングをフレーム同期タイミングに設定することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の通信システム。
  7. 前記無線送信部は、前記第1の同期用ビット列及び前記第2の同期用ビット列を含むフレームを定期的に送信し、
    前記低速ビット列検出部は、前記第2の同期用ビット列の検出時からの経過時間をカウントするカウンタを有し、前記カウンタによるカウント時間が、前記第2の同期用ビット列の検出時から次の前記第1の同期用ビット列が入力され始める時までの既知期間以内である間には、前記第1の同期用ビット列の再検出動作を停止することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の通信システム。
  8. 前記無線送信部は、前記データの終わりを示すデータエンド信号を送信し、
    前記受信器は、前記検波部により検波されたベースバンド信号の中から前記データエンド信号を検出することにより前記データの終了タイミングを検知するデータエンド検出部をさらに有し、
    前記低速ビット列検出部は、前記第2の同期用ビット列の検出時から、前記データエンド検出部により検知された前記データの終了タイミングまで、前記第1の同期用ビット列の再検出動作を停止することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の通信システム。
  9. 前記受信器は、前記通信システム内に、複数、設けられており、
    前記無線送信部は、前記複数の受信器に、受信器毎に異なる次の信号送信タイミングを示すポーリング信号を送信し、
    前記複数の受信器の各々は、前記無線送信部により送信され前記無線受信部により受信されるポーリング信号に基づき、次の信号受信タイミングを検出する受信タイミング検出部を有し、
    前記低速ビット列検出部は、前記無線受信部が前記ポーリング信号を受信し終えた時から、前記受信タイミング検出部により検出された次の信号受信タイミングまで、前記第1の同期用ビット列の再検出動作を停止することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の通信システム。
  10. 前記受信器は、前記無線受信部により受信されたベースバンド信号をサンプリングするサンプリング部をさらに有し、
    前記検波部は、前記サンプリング部によりサンプリングされたベースバンド信号のサンプル値列を検波し、
    前記同期確立部は、前記相関値の算出処理において、前記検波部により検波されたサンプル値列と前記第2の同期用ビット列とについて、時系列順で互いに同じ順番のサンプル値とビットの値とを乗算し、それらの乗算結果を、1つのレジスタを用いて累積加算することを特徴とする請求項乃至請求項のいずれか一項に記載の通信システム。
  11. 送信対象のデータよりも伝送速度が低い前記第1の同期用ビット列を生成する低速ビット列生成ステップと、
    前記データと伝送速度が同じ前記第2の同期用ビット列を生成するビット列生成ステップと、
    前記第1の同期用ビット列、前記第2の同期用ビット列、及び前記データをフレーム化して変調することによりベースバンド信号を生成し、前記ベースバンド信号をアップコンバートしてRF信号に変換し、前記RF信号を無線送信する無線送信ステップと、
    を有する送信ステップと、
    前記無線送信ステップにより無線送信されたRF信号を受信してダウンコンバートすることによりベースバンド信号を抽出する無線受信ステップと、
    前記無線受信ステップにより抽出されたベースバンド信号を検波する検波ステップと、
    前記検波ステップにより検波されたベースバンド信号中の前記第1の同期用ビット列を検出し、その検出結果に基づいて、前記ベースバンド信号中の前記第2の同期用ビット列が存在する範囲を予測する低速ビット列検出ステップと、
    前記低速ビット列検出ステップによる予測範囲内の前記ベースバンド信号と予め記憶している既知の前記第2の同期用ビット列との相関値を前記サンプリングタイミング毎に算出し、その算出された相関値に基づいてシンボル同期とフレーム同期とを確立する同期確立ステップと、
    を有する受信ステップと、
    を含むことを特徴とする通信方法。
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