JP5949929B2 - モーター制御装置及びモーター制御方法 - Google Patents

モーター制御装置及びモーター制御方法 Download PDF

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Description

この発明は、車両に搭載される電動モーターを制御するモーター制御装置及びモーター制御方法に関する。
JP2001−197765Aには、モーターの回転数に応じて発生するトルクリプルを推定し、推定したトルクリプルからモーターのトルク指令値を補正する技術が開示されている。
しかしながら、前述した技術では、PWM信号のキャリア周波数が変更されると、モーターに流れる制御電流や、モーターのトルクに応じて変化する応答遅れの特性が変わるため、トルクリプルを抑える効果が十分に得られないという問題があった。
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされた。本発明の目的は、PWM信号のキャリア周波数の変更の有無にかかわらず、モーターに生じるトルクリプルを抑制することにある。
本発明のある態様によれば、モーター制御装置は、モーターを制御するスイッチング素子と、スイッチング素子を駆動するためのPWM信号を出力する電流制御部と、PWM信号のキャリア周波数を設定する設定部と、を含む。そしてモーター制御装置は、モータートルク指令値と、キャリア周波数と、モーターの回転状態とに基づいて、トルクリプル補償値を設定するトルクリプル補償部を含む。電流制御部は、モータートルク指令値とトルクリプル補償値とに基づいてPWM信号を出力することを特徴とする。
図1は、本発明の実施形態におけるモーター制御装置を示す図である。 図2は、電流制御遅れに起因するトルクリプルの位相のずれを示す図である。 図3は、本実施形態におけるトルクリプル補償部の詳細を示す構成図である。 図4Aは、トルク指令値とトルクリプルの振幅の補償係数との関係を示す図である。 図4Bは、トルク指令値とトルクリプルの位相の補償係数との関係を示す図である。 図5は、トルク指令値に応じたモーターの応答遅れ時間を示す図である。 図6は、トルクリプル補償値の補正方法を示すフローチャートである。 図7は、位相を補正したトルクリプル補償値を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の実施形態におけるモーター制御装置を示す構成図である。
モーター制御装置1は、本実施形態では車両に搭載される電動モーターを制御するものである。モーター制御装置1は、バッテリー2と、モーター20と、トルクリプル補償部30と、制御部100と、を備える。制御部100は、インバーター10と、演算器41と、電流制御部42と、を備える。
インバーター10は、モーター20を制御する装置である。インバーター10は、バッテリー2の直流電力を三相交流電力に変換する。また、インバーター10は、モーター20の回転力によって発生した回生電力(三相交流電力)を直流電力に変換してバッテリー2に供給する。
インバーター10は、複数のスイッチング素子によって構成される。スイッチング素子は、例えば、バッテリー2とモーター20との間を接続又は切断するトランジスタにより実現される。スイッチング素子によって、モーター20に供給される電力を調整することができる。
スイッチング素子は、スイッチング素子の制御端子で受けたPWM(パルス幅変調:pulse width modulation)信号に応じてバッテリー2とモーター20との接続状態を切り替える。例えば、スイッチング素子は、PWM信号がH(High)レベルのときにバッテリー2とモーター20の間を接続する。これにより、バッテリー2から制御電流がモーター20に供給される。一方、PWM信号がL(Low)レベルのときにバッテリー2とモーター20の接続を切断する。これにより、モーター20に供給される制御電流が停止される。
このように、インバーター10のスイッチング素子によって、バッテリー2からモーター20にPWM信号に応じた制御電流が供給される。
モーター20は、車両を駆動する電動モーターである。モーター20は、インバーター10で調整された制御電流によって回転する。モーター20には、モーターの回転状態を検出する検出センサー21が設けられている。
検出センサー21は、モーター20の電気角を検出する。検出センサー21は、例えばレゾルバーである。また、検出センサー21は、所定時間ごとに検出した電気角から電気角速度を算出する。そして検出センサー21は、所定時間ごとにモーター20の電気角と電気角速度とを示す回転状態情報を出力する。回転状態情報は、フィードバック信号線120を介してトルクリプル補償部30に入力される。
トルクリプル補償部30は、検出センサー21からの回転状態情報を用いてトルクリプル補償値を算出する。トルクリプル補償値は、モーター20で生じるトルクの脈動(リップル)を補償するために用いられる。トルクリプル補償部30は、算出したトルクリプル補償値を演算器41に出力する。
制御部100は、信号線110から入力されるトルク指令値に従って、インバーター10を制御してモーター20を駆動する。トルク指令値は、モーター20で発生すべきトルク値を示す。例えば、トルク指令値は、車両の走行状態を制御するコントローラー(不図示)から信号線110を介して送られてくる。
演算器41は、トルクリプル補償部30からのトルクリプル補償値をトルク指令値にフィードバックする。具体的には、演算器41は、トルク指令値からトルクリプル補償値を減算し、減算したトルク指令値を電流制御部42に出力する。
電流制御部42は、演算器41からのトルク指令値に応じてPWM信号を生成する。すなわち、電流制御部42は、トルク指令値とトルクリプル補償値とに基づいてPWM信号を生成し、そのPWM信号をインバーター10に出力する。電流制御部42は、PWM信号によってインバーター10のスイッチング素子を制御する。
具体的には、電流制御部42は、演算器41からトルク指令値が入力されると、トルク指令値に基づいてモーター20に供給する電力を決定する。そして電流制御部42は、決定された電力に応じてPWM信号のパルス幅を調整する。電流制御部42は、調整されたPWM信号をインバーター10内のスイッチング素子の制御端子に出力する。これにより、PWM信号に応じてスイッチング素子が高速に切替えられ、スイッチング素子で調整された制御電流がモーター20に流れる。
電流制御部42は、設定部421を含む。設定部421は、インバーター10のスイッチング素子の動作状態に基づいて、PWM信号の搬送波周波数(以下「キャリア周波数」と称する)を設定する。設定部421は、例えば、スイッチング素子の温度が許容上限値を超えたときに、PWM信号のキャリア周波数を、「基準キャリア」から、基準キャリアよりも低い周波数の「低周波キャリア」に切り替える。これにより、スイッチング素子の高速切替えに伴う発熱が原因で素子が損傷することを回避できる。
このようなモーター制御装置では、トルクリプル補償値によってトルク指令値が補正されるので、モーターに生じるトルクリプルを低減することができる。しかしながら、PWM信号のキャリア周波数が別の周波数に切り替えられると、モーターに流れる制御電流の特性や、トルク指令値に応じて変化する応答遅れの特性が変わってしまう。すなわち、モーターの制御時に生じる制御遅れ時間が変わってしまう。
図2は、モーターに対する制御遅れの変化に起因するトルクリプルを示す概念図である。図2には、点線によって、本来モーターに生じるはずのトルクリプルが示され、破線によって、PWM信号のキャリア周波数の変更に伴い位相ずれしたトルクリプル補償値が示されている。さらに図2には、実線によって、トルク指令値からトルクリプル補償値を減算した補償後のトルクリプルが示されている。また図2では、横軸が時間を示し、縦軸がトルクリプルの振幅を示す。
図2に示すように、PWM信号のキャリア周波数が変更されると、トルクリプル補償値の位相がずれてしまい、トルクリプルを抑える効果が十分に得られなくなるばかりではなく、かえってトルクリプルが大きくなってしまう。このため、トルクリプル補償値の位相のずれを十分に小さくすることが重要であることを発明者らは知見した。
そこで本実施形態では、PWM信号のキャリア周波数の切替えに応じてトルクリプル補償値の位相を補正する。なお、PWM信号のキャリア周波数は、以下「PWMキャリア周波数」とも呼ばれる。
以下、本実施形態の詳細について説明する。
設定部421は、PWM信号のキャリア周波数を設定すると、設定したキャリア周波数を、信号線130を介してトルクリプル補償部30に出力する。
トルクリプル補償部30には、フィードバック信号線120からの回転状態情報と、信号線130からのPWMキャリア周波数の他に、信号線110からトルク指令値が入力される。
トルクリプル補償部30は、トルク指令値と回転状態情報とPWMキャリア周波数とに基づいて、トルクリプル補償値を演算する。例えば、トルクリプル補償部30は、トルク指令値と回転状態情報とを用いて、モーター20に生じるトルクリプルを特定し、特定したトルクリプルの位相をPWMキャリア周波数に応じて補正する。トルクリプル補償部30は、補正したトルクリプルをトルクリプル補償値として演算器41にフィードバックする。
図3は、トルクリプル補償部30の詳細を示す構成図である。
トルクリプル補償部30は、トルクリプル推定部31と、位相補正係数算出部32と、補償値演算部33と、補償係数保持部311と、補正情報保持部321と、を備える。
補償係数保持部311は、トルク指令値に応じたトルクリプルの補償係数を保持する。本実施形態では、補償係数保持部311には、トルクリプルの次数ごとに補償係数マップ(MAP)が記録される。補償係数マップには、トルク指令値ごとに各次数n(nは正数)の振幅Kと位相θとが互いに対応付けられている。なお、補償係数マップの詳細については図4を参照して後述する。
トルクリプル推定部31は、信号線110からのトルク指令値に基づいて、モーター20で生じるトルクリプルの振幅と位相を予測する。トルクリプル推定部31は、トルク指令値を受けると、補償係数保持部311を参照し、トルクリプルの次数nごとに、トルク指令値に対応する振幅Kと位相θの係数を補償値演算部33に出力する。
補正情報保持部321は、PWMキャリア周波数ごとに、モーター20に対する制御遅れ時間tを保持する。本実施形態では、補正情報保持部321には、基準キャリアでの制御遅れ時間を示す基準キャリア情報と、低周波キャリアでの制御遅れ時間を示す低周波キャリア情報と、が記録される。
制御遅れ時間tは、サンプリングホールド回路による調整遅れ時間と、トルク指令値の演算遅れ時間と、電流制御による応答遅れ時間と、を積算した時間である。
サンプリングホールド回路による調整遅れ時間は、例えば、演算器41でトルク指令値にトルクリプル補償値をフィードバックするためのタイミング調整に必要な調整時間である。
トルク指令値の演算遅れ時間は、モーター20に供給される制御電流値をトルク指令値に基づいて決定する演算時間や、PWM信号のパルス幅を制御電流値に応じた値に設定するまでの遅れ時間等を含む。
電流制御による応答遅れ時間は、インバーター10の応答遅れ時間と、制御電流値によって定まるモーター20の応答遅れ時間と、を含む。なお、制御電流値ごとにモーター20に生じるインダクタンスは変わるため、モーター20の応答遅れ時間は、制御電流値に応じて変化する。このため、モーター20の応答遅れ時間とトルク指令値との関係を示すモーター応答遅れマップを補正情報保持部321に記憶するようにしてもよい。モーター応答遅れマップについては図5を参照して後述する。
位相補正係数算出部32は、信号線130からのPWMキャリア周波数に基づいて、補正情報保持部321を参照し、制御遅れ時間tを算出する。
位相補正係数算出部32は、例えば、「低周波キャリア」のPWMキャリア周波数を受けると、補正情報保持部321の低周波キャリア情報に示された制御遅れ時間tを取得する。位相補正係数算出部32は、取得した制御遅れ時間tを、トルクリプルの位相補正係数として補償値演算部33に出力する。
補償値演算部33は、位相補正係数算出部32からの位相補正係数tに応じて、トルクリプルの位相を補正したトルクリプル補償値を演算する。
補償値演算部33は、トルクリプル推定部31からの各次数nの振幅K及び位相θの補償係数と、位相補正係数算出部32からの位相補正係数tとを取得すると共に、フィードバック信号線120からモーター20の電気角θ及び電気角速度ωを取得する。
補償値演算部33は、各次数nの振幅K及び位相θの補償係数と、位相補係数tと、電気角θ及び電気角速度ωとを用いて、次式(1)のとおり、n次のトルクリプル成分Tを算出する。
Figure 0005949929
すなわち、補償値演算部33は、電気角速度ωに位相補正係数tを乗算し、乗算した値(ω・t)に電気角θを加算して位相補正値(ω・t+θ)を算出する。補償値演算部33は、位相補正値に次数nを乗算し、乗算した位相補正値{n・(ω・t+θ)}を位相θに加算して補正後のトルクリプルの位相{n・(ω・t+θ)+θ}を算出する。
そして補償値演算部33は、補正後の位相{n・(ω・t+θ)+θ}での正弦波の値に振幅Kを乗算してn次のトルクリプル成分Tを次数ごとに算出する。補償値演算部33は、全ての次数のトルクリプル成分Tの総和をトルクリプル補償値Tsとして演算器41に出力する。
このように、補償値演算部33は、モーター20に対する制御遅れ時間tに応じたトルクリプルの位相補正値{n・(ω・t+θ)}を算出することにより、トルクリプル補償値を補正する。したがって、トルクリプルの各成分に合わせて位相を補正しているため、制御遅れ時間tに起因するトルクリプル補償値の位相のずれを精度よく補正することができる。よって、設定部421によってPWM信号のキャリア周波数を変更しても、モーター20で生じるトルクリプルを抑制することができる。
図4A及び図4Bは、補償係数保持部311に保持される補償係数マップを示す図である。図4Aは、トルク指令値と振幅Kの補償係数との関係を示す図である。図4Bは、トルク指令値と位相θの補償係数との関係を示す図である。
図4Aに示すように、トルク指令値の絶対値が0(ゼロ)から制御範囲の中間よりも上限値寄りのところで、トルクリプルの振幅Kが最大となる。そこからさらにトルク指令値が大きくなると振幅Kは低下する。
図4Bに示すように、トルク指令値のゼロから上限値までの正側制御範囲内では、トルク指令値が大きくなるにつれて一旦下降した位相θは、途中からトルク指令値ゼロのときの値に戻る。また、トルク指令値のゼロから下限値までの負側制御範囲内でも、トルク指令値が小さくなるにつれて上昇した位相θは、途中からトルク指令値ゼロのときの値にまで戻る。
このように、トルク指令値に応じてトルクリプルの振幅K及び位相θは変化する。本実施形態では、予め実験結果等によって得られたトルクリプルの特性を補償係数保持部311に記録しておき、信号線110からのトルク指令値に応じて、補償係数マップに対応付けられた振幅K及びθを取得する。これにより、トルク指令値の入力があるたびにトルクリプルの解析に要する複雑な演算処理を削減できるので、トルクリプル推定部31の処理負荷を軽減することができる。
また、モーター20のトルクと回転速度とで特定される動作点によってインダクタンスが変わるため、トルク指令値に応じてモーター20の応答遅れ時間も変化する。そのため、トルク指令値と応答遅れ時間との関係を示すモーター応答遅れマップを補正情報保持部321に記録しておいてもよい。
図5は、モーター応答遅れ時間マップを示す図である。図5では、横軸がトルク指令値を示し、縦軸がモーター20の応答遅れ時間を示す。
図5に示すように、トルク指令値がゼロに近づくにつれて応答遅れ時間が大きくなる。このように、トルク指令値がゼロの近傍では、応答遅れ時間が指数関数的に大きくなるため、制御遅れ時間の誤差が大きくなり、トルクリプル補償値の精度が低下する。
このため、トルク指令値と応答遅れ時間とを互いに対応付けた補正マップを、PWMキャリア周波数ごとに補正情報保持部321に記憶しておくことが望ましい。
例えば、補正情報保持部321には、PWMキャリア周波数ごとに、制御遅れ時間tと共に補正マップを記憶しておく。そして位相補正係数算出部32は、信号線130からPWMキャリア周波数を受け付けると、補正情報保持部321を参照し、PWMキャリア周波数に対応する制御遅れ時間tと補正マップとをそれぞれ特定する。
そして位相補正係数算出部321は、特定した補正マップを参照し、信号線110からのトルク指令値に対応付けられた応答遅れ時間を取得し、その応答遅れ時間を用いて制御遅れ時間tを補正する。その後、位相補正係数算出部321は、補正後の制御遅れ時間を位相補正係数として補償値演算部33に出力する。これにより、トルクリプル補償値の位相のずれをより小さくすることができる。
次にモーター制御装置1の動作について詳細に説明する。
図6は、トルクリプル補償値の補正方法を示すフローチャートである。
まず、ステップS91において位相補正係数算出部32は、信号線130から入力されるPWMキャリア周波数が、基準キャリアの周波数であるか否かを判断する。
ステップS92において位相補正係数算出部32は、PWMキャリア周波数が基準キャリアの周波数と判断した場合には、位相補正係数tを基準キャリアでの制御遅れ時間に設定する。例えば、位相補正係数算出部32は、補正情報保持部321を参照し、基準キャリア情報に対応付けられた制御遅れ時間を算出する。
一方、ステップS93において位相補正係数算出部32は、PWMキャリア周波数が低周波キャリアの周波数と判断した場合には、位相補正係数tを低周波キャリアでの制御遅れ時間に設定する。例えば、位相補正係数算出部32は、補正情報保持部321を参照し、低周波キャリア情報に対応付けられた制御遅れ時間を算出する。
そしてステップS93において補償値演算部33は、式(1)に従って、位相補正係数tで補正したトルクリプル補償値を演算し、その演算結果をトルク指令値にフィードバックする。
図7は、補償値演算部33によって位相を補正したトルクリプル補償値を示す図である。図7には、点線によって、本来モーター20に生じるはずのトルクリプルが示され、破線によって、位相補正係数の適用による位相の合ったトルクリプル補償値が示され、実線によって、補償後のトルクリプルが示されている。横軸が時間を示し、縦軸がトルクリプルの振幅を示す。
図7に示すように、PWM信号のキャリア周波数の切替えに伴い、モーター20に対する制御遅れ時間が変化しても、位相補正係数を用いてトルクリプル補償値の位相を補正するので、トルクリプルを相殺することができる。
本発明の実施形態によれば、設定部421でPWM信号のキャリア周波数が低周波キャリアに切り替えられると、低周波キャリアのキャリア周波数に応じてトルクリプル補償値を補正する。
このため、PWM信号のキャリア周波数の変更の有無にかかわらず、トルクリプルを抑制することができる。
また、本実施形態では、トルクリプル推定部31が、トルク指令値に基づいてトルクリプルの次数ごとに振幅と位相を推定し、位相補正係数算出部32が、キャリア周波数に基づいてモーター20に対する制御遅れ時間を算出する。そして補償値演算部33が、式(1)に示すように、モーター20の回転状態と制御遅れ時間とに基づいて、トルクリプルの次数ごとに位相を補正したトルクリプル補償値を演算する。
これにより、PWMキャリア周波数の変更に伴うトルクリプル補償値の位相のずれを、トルクリプル成分Tの位相を次数ごとに補正することで、モーター20に生じるトルクリプルと一致させることができる。したがって、トルクリプル補償値の位相ずれの調整不良によって、図2に示したように、トルクリプルがかえって大きくなってしまうことを防ぐことができる。
また、本実施形態では、制御遅れ時間は、トルク指令値にトルクリプル補償値をフィードバックする処理時間と、トルク指令値からモーター20への制御電流値を演算する演算時間と、電流制御によるモーター20の応答遅れ時間と、を含む。
これにより、トルク指令値にトルクリプル補償値をフィードバックすることで生じるトルクリプルの位相のずれを防ぐことができる。そしてトルク指令値の演算遅れや、モーター20の応答遅れに起因する位相のずれを防止することもできる。さらに、PWM信号のキャリア周波数の切替えに伴う、モーター20の応答遅れ時間の差に起因する位相のずれを防ぐことができる。
また、本実施形態では、位相補正係数算出部32は、トルク指令値とモーター20の応答遅れ時間とが互いに対応付けられたマップを用いて制御遅れ時間tを算出する。
図5に示すように、トルク指令値のゼロ近傍ではモーター20の応答遅れ時間の誤差が大きくなる。このため、補正マップを用いてトルク指令値に応じて制御遅れ時間tの誤差を補正することによって、トルクリプル補償値の位相のずれを小さくすることができる。
また、本実施形態では、トルクリプル推定部31は、トルク指令値ごとに各次数の振幅と位相が対応付けられた推定マップを用いて、モーター20に生じるトルクリプルを推定する。
これにより、トルクリプルの推定のために複雑な解析をする必要がなくなるため、処理負荷を軽減しつつ、処理遅延によってトルクリプルが抑制されなくなることを回避できる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、トルクリプル補償部30に入力されるキャリア周波数は、設定部421からではなく、不図示のメインコントローラーから、キャリア周波数の切替え指令を設定部421に出力すると同時に、トルクリプル補償部30に出力するようにしてもよい。
なお、上記実施形態は、適宜組み合わせ可能である。
本願は、2012年9月18日に日本国特許庁に出願された特願2012−204633に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (6)

  1. モーターを制御するスイッチング素子と、
    スイッチング素子を駆動するためのPWM信号を出力する電流制御部と、
    PWM信号のキャリア周波数を設定する設定部と、
    モータートルク指令値に基づいてトルクリプルを算出し、当該トルクリプルの位相を、キャリア周波数とモーターの回転状態とに基づいて補正してトルクリプル補償値を設定するトルクリプル補償部と、
    を含み、
    電流制御部は、モータートルク指令値とトルクリプル補償値とに基づいてPWM信号を出力する、
    モーター制御装置。
  2. 請求項1に記載のモーター制御装置であって、
    前記トルクリプル補償部は、
    トルク指令値に基づいてトルクリプルの次数ごとに振幅と位相を推定する推定部と、
    キャリア周波数に基づいてモーターに対する制御遅れ時間を算出する算出部と、
    前記モーターの回転状態と制御遅れ時間とに基づいて、前記次数ごとに位相を補正したトルクリプル補償値を演算する補償値演算部と、
    を含む、
    モーター制御装置。
  3. 請求項2に記載のモーター制御装置であって、
    前記制御遅れ時間は、トルク指令値にトルクリプル補償値をフィードバックする処理時間と、トルク指令値からモーターへの制御電流値を演算する演算時間と、電流制御によるモーターの応答遅れ時間と、
    を含む、
    モーター制御装置。
  4. 請求項2又は請求項3に記載のモーター制御装置であって、
    前記算出部は、トルク指令値とモーターの応答遅れ時間とが互いに対応付けられた応答遅れマップを用いて、前記制御遅れ時間を算出する、
    モーター制御装置。
  5. 請求項2から請求項4のいずれか1項に記載のモーター制御装置であって、
    前記推定部は、トルク指令値ごとに各次数の振幅と位相が対応付けられた推定マップを用いて前記モーターに生じるトルクリプルを推定する、
    モーター制御装置。
  6. モーターのトルクリプルを補償するモーター制御方法であって、
    モーターを制御するスイッチング素子を駆動するためのPWM信号を出力する電流制御工程と、
    PWM信号のキャリア周波数を設定する設定工程と、
    モータートルク指令値に基づいてトルクリプルを算出し、当該トルクリプルの位相を、キャリア周波数とモーターの回転状態とに基づいて補正してトルクリプル補償値を設定するトルクリプル補償工程と、
    前記電流制御工程は、モータートルク指令値とトルクリプル補償値とに基づいてPWM信号を出力する、
    モーター制御方法。
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