JP6627702B2 - 電力変換器の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力変換器の制御装置に関する。
従来、インバータ等の電力変換器により交流電動機等の負荷に電力を供給する装置において、電力変換器の直流側に配置されるLCフィルタ回路に電気振動が発生し、結果電力変換器の電圧も振動してしまい負荷の制御が不安定化することが知られている。そこで、特許文献1の交流電動機の制御装置では、コンデンサ電圧の変動割合を算出し、その変動割合に応じてダンピング操作等によりベクトル制御部の電流指令、あるいはトルク指令を操作し、コンデンサの電圧変動に対して、変動を抑制する方向にインバータの電流が変化するように制御する手法が開示されている。
特許第4065901号公報
しかし、特許文献1の手法ではコンデンサの電圧変動に対して常に補償器が動作してしまい、電圧変動がそのままトルクリプルとなる問題がある。例えば自動車の電動パワーステアリングといった低トルクリプルが要求されるような交流電動機の制御装置に適用した場合には、運転者に不快感を与える。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、コンデンサの電圧変動に対し、交流電動機のトルクリプルを抑制できる制御装置を提供することにある。
本発明は、直流電源(2)側にインダクタンス成分(3)とコンデンサ(4)を有する電力変換器(44)の制御装置(100、200)に係る発明である。この電力変換器の制御装置は、出力電圧演算部(10、11)と、直流電圧検出部(50)と、電流検出部(51)と、電力演算部(20)と、出力補正部(23、24)と、基準電圧演算部(21)と、を備える。
出力電圧演算部は、電力変換器に出力する出力電圧指令値(Vd*、Vq*)を演算する。
直流電圧検出部は、コンデンサの両端電圧、つまり電力変換器入力電圧(Vinv)を検出する。
電流検出部は、電力変換器に流れる電流(Iinv)を検出する。
電力演算部は、電力変換器の入力電力(Pinv)を算出する。
出力補正部は、出力電圧指令値あるいは出力電圧演算部の演算過程において制御目標とされる指令値(ω*)の少なくとも一方の値を補正対象指令値として補正可能である。
基準電圧演算部(21)は、直流電源から電力変換器までの回路インピーダンス(−r)と電力変換器の入力電力とから基準電圧(Vref)を算出する。
出力補正部は、電力変換器入力電圧が基準電圧以下の場合、電力変換器入力電圧の変動を抑制する方向に電力変換器を流れる電流が変化するように補正対象指令値を補正する。また、電力変換器入力電圧が基準電圧よりも大きい場合、補正対象指令値を維持する。
電力変換器入力電圧が基準電圧以下の場合、その電圧変動は発散、発振していく方向にあり、その補正を行わない場合、電動機の制御も不安定化してしまう。逆に、電力変換器入力電圧が基準電圧よりも大きい場合は、電圧の変動は安定化する方向にある。
そのため、電力変換器入力電圧が基準電圧を下回る場合には、電力変換器入力電圧と基準電圧との偏差をもとに、変動が抑制される方向に電力変換器に流れる電流が変化するよう、出力補正部は出力電圧指定値、あるいは出力電圧演算部の演算過程において制御目標とされる指令値を補正する。
一方、電力変換器入力電圧が基準電圧を上回り、電圧の変動が安定化しているとき、出力補正部は補正を行わない。
これにより、電力変換器にかかる電圧の変動に対して常に補正を行う特許文献1の従来技術に比べ、交流電動機のトルクリプルを低減することができる。
第1実施形態による電力変換器制御装置の構成を示すブロック図である。 直流電源から電力変換器までの等価回路図である。 出力補正制御のフローチャートである。 従来技術及び第1実施形態における電力変換器制御装置の電力消費のシミュレーション結果である。 第2実施形態による電力変換器制御装置の構成を示すブロック図である。 電流制御系の閉ループ伝達関数の周波数特性図である。
以下、本発明の電力変換器の制御装置が交流電動機を制御する複数の実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
本実施形態の電力変換制御器の制御装置100を利用した、交流電動機の制御について、説明する。「電力変換器の制御装置」としてのインバータ制御装置100は、例えば、動力源としてエンジン及び交流電動機を備えるハイブリッド車両において、交流電動機の駆動を制御するものである。
図1に示すように、「電力変換器」としてのインバータ44は電源主回路1と接続している。
図2にモデル化した電源主回路1を示す。電源主回路1は直流電源2、外部からのノイズの流入を防止し、且つ、スイッチング動作による高調波電流が電源側に流出するのを抑制するために、インダクタンス成分3とコンデンサ4とからなるLCフィルタ回路を有している。直流電源2は電源内部抵抗5を有し、インダクタンス成分3は抵抗成分7を有している。図2のコンデンサ内構成図が示すように、コンデンサ4は容量成分9と等価直列抵抗成分(ESR)6とを有している。
容量成分9と等価直列抵抗成分(ESR)6とを含めたコンデンサ4の両端電圧、つまりインバータにかかる電圧Vinvがインバータ44の入力部にかかるインバータ入力電圧である。インバータ44から出力される交流電圧により、交流電動機55が駆動される。交流電動機55の制御はベクトル制御を用いた電流フィードバック制御方式により行われる。
次に、ベクトル制御について説明する。ベクトル制御とは交流電動機の二次磁束軸に一致した軸をd軸とし、前記d軸に直交する軸をq軸と定義されたdq軸回転座標系上で交流電動機の制御を行うものである。まず、本実施形態の主要部である、出力補正部23以外の部分について説明する。
出力電圧演算部10は、例えば図示しない上位の制御部で生成されるトルク指令に基づいて演算された電流指令値I*を入力とする。I*は電流dq軸換算部25にて、d軸電流指令値Id*とq軸電流指令値Iq*に変換される。減算器26において、フィードバックされるdq軸電流検出値Id、Iqをdq軸の電流指令値Id*、Iq*から減算してdq軸電流偏差を算出する。
電流制御器27は、dq軸電流検出値Id,Iqをそれぞれ電流指令値Id*、Iq*に追随させるように、PI制御等によって、dq軸電圧指令値Vd*、Vq*を生成する。
2相3相変換部41は、後述する出力補正部23によって補正された出力電圧指令値Vd**、Vq**を、三相電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に変換する。三相出力電圧指令値Vu*、Vv*、Vw*に基づくインバータ44のスイッチング状態の操作については、例えば周知のPWM制御による。
インバータ44がPWM制御により所望の三相交流電圧Vu,Vv、Vwを交流電動機に印加することによって、電流指令値I*に応じた出力がされるように、交流電動機の駆動が制御される。
3相2相変換部42には、インバータ44から交流電動機55へ接続される電力線に設けられた電流センサ52から相電流検出値が入力される。本実施形態ではV相、W相に設けられた電流センサからV相電流Iv、W相電流Iwの検出値が入力され、残るU相の電流Iuをキルヒホッフの法則に基づいて推定している。他の実施形態では三相の電流を検出してもよいし、あるいは一相の電流から他の二相の電流を推定する技術を採用してもよい。3相2相変換部42は、得られた三相電流検出値Iu,Iv,Iwをdq軸電流検出値Id,Iqにdq変換し、減算器26にフィードバックしている。これらが一般的なベクトル制御を用いた電流フィードバック制御方式による電動機の駆動方法である。
また、インバータ制御装置100は、電力演算部20、基準電圧演算部21、減算器22を含む。それらの構成及び作用は、次のフローチャートにおいて説明する。
次に、出力補正部23について説明する。出力補正部23が補正量を導出するまでの方法は、図3の出力補正フローチャートにしたがって説明する。以下、補正量導出の各ステップをSと略す。
S101において、電力演算部20は、インバータ44にかかるインバータ入力電圧Vinvとインバータ電流Iinvの取得を行う。インバータ入力電圧Vinvは直流電圧検出部50、インバータ電流Iinvは電流検出部51から求められる。
S102において、電力演算部20は、インバータ電流Iinvとインバータ入力電圧Vinvとを乗じてインバータ入力電力Pinvを算出する。
S103において、基準電圧演算部21は、回路インピーダンスとインバータ入力電圧Pinvより基準電圧Vrefを算出する。算出方法の詳細については後述する。
S104において、減算器22は基準電圧Vrefとインバータ入力電圧Vinvとの偏差を算出する。出力補正部23は偏差に定数Kを乗じて、補正電圧量を演算する。算出方法の詳細については後述する。
S105において、加算器28は、補正電圧を出力電圧指令値Vd*、Vq*に加算して、補正後の出力電圧指令値Vd**、Vq**を生成する。補正方法の詳細については後述する。
以上、出力補正フローチャートの概要について説明した。
次に、前述のS103における、基準電圧Vrefの詳細な導出方法について説明する。直流電源2からインバータ44までの等価回路1は図2に示す通りである。まず、等価回路1のインピーダンスと電力との関係を求める。インバータ44は定出力制御をするため、インバータ入力電圧Vinvとインバータ電流Iinvとインバータ入力電力Pinvとの関係は、式(1)にて表される。
Figure 0006627702
上式の両辺をIinvで微分すると、式(2)が得られる。
Figure 0006627702
ここで、「−r」は回路インピーダンスを表す。このように直流電源2の側から見てインバータ44はかけた電圧に対して見かけ上負となる抵抗特性を持っている。なお、この負性抵抗rは周波数依存性を持たないものとして扱う。
次に、入力をVb(s)、出力をVinv(s)とした等価回路1の伝達関数を求める。
キルヒホッフの電流、電圧則から、等価回路の電力バランスを時間tの関数で表した電源2の電源電圧Vb(t)と、等価直列抵抗6を除いた容量成分9のみにかかる電圧Vc(t)と、回路電流Ib(t)との関係は式(3)、式(4)、式(5)のように求められる。
Figure 0006627702
Rは電源内部抵抗5とリアクトル3の抵抗成分7を加えたものであり、R=Rb+Rwで表される、Vinv(t)は時刻tの時にインバータ44にかかる電圧、Lはリアクトル3のインダクタンスをそれぞれ表している。
Figure 0006627702
Cはコンデンサ容量成分9を表している。Rcはコンデンサの等価直列抵抗成分6である。
Figure 0006627702
式(3)、(4)、(5)をラプラス変換し、伝達関数G(s)を求めると、以下の式(6)が求められる。
式(6)の導出は、例えば、非特許文献1に参照される通りである。
[非特許文献1]
直流給電システムの発振条件・発振領域に関する解析 田中 徹、山崎 幹夫
信学技法 TECHNICAL REPORT OF IEICE 2004−07 P.23〜28
Figure 0006627702
フルビッツの安定判別法より、式(6)の伝達関数G(s)の伝達特性が安定であること、つまりVinvの変動が安定するには式(6)括弧内の分母多項式係数のすべてが正でなければならない。
このとき、推定インピーダンスZの値を式(7)のようにおく。
Figure 0006627702
式(6)の分母多項式全ての係数が正であるには、以下の式(8)または式(9)のいずれかで、それぞれ3つの不等式すべてを満足することが必要である。
Figure 0006627702
Figure 0006627702
式(9)が成立するためには、回路インピーダンス「−r」が、r>−Rb−Rw、r>−Rcとなる必要がある。しかし、供給電力最大の法則を適用すると、これは成立しない。したがって、式(8)が成立するときのみ、インバータ入力電圧Vinvの変動は安定状態にある。
ここで、式(1)と式(2)より、回路インピーダンス「−r」とインバータ入力電力Pinvとから基準電圧Vrefを以下のように求めることができる。
Figure 0006627702
回路インピーダンスには式(8)を満足するRc、Z、Rのうちで最大の値を採用する。このとき、VrefはVinvの変動が安定か、不安定かを判別するしきい電圧となる。Vinv<Vrefの場合、Vinvの変動は発振、発散する不安定領域にあり、Vinv>Vrefの場合、変動が収束するか、あるいは変動が拡大しない安定領域にある。
以上、基準電圧Vrefの算出に使用される回路インピーダンス「−r」の算出方法について説明した。
前述のS104における補正電圧の導出について説明する。補正電圧を算出する際、インバータ入力電圧Vinvが基準電圧Vref以下の場合、減算器22は、インバータ入力電圧Vinvから基準電圧Vrefを減算して偏差(Vinv―Vref)を導出したのち、出力補正部23はその偏差に定数Kを乗じて、電圧補正値を生成する。電圧補正値Vdc、Vqcは負の値であり、補正後の出力電圧指令値Vd**、Vq**は補正前のVd*、Vq*よりも小さくなる。
また、インバータ入力電圧Vinvが基準電圧Vrefより大きい場合、電圧変動は安定領域にあるため、出力補正部23は、出力補正を行わないため、出力電圧指令値Vd*、Vq*の値は維持される。
次にS105の補正方法について説明する。
式(2)に示すように、定出力動作における「dVinv/dIinv」は負性抵抗をしめしている。したがって、インバータ入力電圧Vinvが減少するとき、インバータ電流Iinvは増加している。ここで、インバータ電流Iinvを減少させることで、どのようにインバータ入力電圧Vinvが安定するかを説明する。2つの場合があるので、それぞれについて述べる。
(a)インバータ入力電圧Vinv、インバータ電流Iinvともに減少する場合
インバータ入力電圧Vinvの減少に伴い、インバータ電流Iinvが減少するので、「dVinv/dIinv」、すなわちr値は正となり、負性抵抗特性ではなくなる。そのため式(6)において右辺の各項は全て正となる。特性方程式の係数は全て同符号となり、安定条件は常に満たされるため、インバータ入力電圧Vinvの変動は安定する方向に向かう。
(b)インバータ入力電圧Vinvが減少し、インバータ電流Iinvが増加する場合
インバータ入力電圧Vinvの減少割合に対し、インバータ電流Iinvの増加割合が相対的に補正前より小さくなる場合、「dVinv/dIinv」の絶対値、すなわちrの絶対値は大きくなり、式(8)の安定条件を満たしやすくなる。
(a)、(b)のどちらの補正量でも、インバータ電流Iinvの増加は補正前よりも低下するため、インバータ入力電圧Vinvの変動はより安定な方向に向かう。
図4に本実施形態を実施したときと、しないときのインバータの入力電力変動のシミュレーション結果を示す。基準電圧Vrefはインバータにかかる電圧変動が安定化するか否かのしきい電圧であり、図4(a)は、Vinvが、基準電圧Vrefを中心として上下に変動した場合を示している。図4(b)に示す従来法ではインバータにかかる電圧の変動に対して常に出力補正が働いた結果、電源系が安定となる領域でも補正してしまい全体としてインバータ電力(≒交流電動機トルク)が大きくなっている。一方、図4(c)のように本実施形態を実施したときは、電源系が安定となる領域では出力補正を行わず、不安定となるハッチ部分の領域でのみ補正している。この為、従来法と比較してトルクリプルを半減する事ができている。
以上のように、Vinvの変動が不安定になっても出力補正を行うことで、インバータの出力を安定させて制御することが可能となる。出力補正はインバータ入力電圧Vinvが基準電圧Vrefよりも低い方向に変動した場合にのみ行うので、インバータ入力電圧Vinvの変動に対して常に補正を行う従来技術に比べ、トルクリプルを低減することができる。
出力補正部23により補正された出力電圧指令値Vd**、Vq**は補正前の出力電圧指令値Vd*、Vq*よりも小さくなっている。そのため交流電動機に流れる実電流値Id、Iqは電流指令値Id*、Iq*よりも小さくなる。ここで、電流フィードバック制御によって、電流指令値Id*、Iq*に実電流値Id,Iqを追従させようとすると、出力電圧指令値Vd*、Vq*は大きくなるように電流制御器27により増加補正される。Vd*、Vq*が増加補正されると、インバータ電流Iinvは増加する。したがって、「dVinv/dIinv」の値は小さくなり、rの絶対値も小さくなるため、式(8)を満たしにくくなり、Vinvの変動は安定化させることができない。
そのため出力補正部23は電流制御器27が電流フィードバック制御によって電圧を増加させる補正値よりも大きな負の電圧補正値を作成するように、定数Kの値等を設定するのが好ましい。これにより、インバータ電流Iinvを効果的に減少できるので、インバータ入力電圧Vinv変動の不安定化を解消できる。
一般的に電流制御系の制御可能周波数よりも、インバータ入力電圧Vinv変動のLC共振周波数の方が高い場合が多い。そのとき、本実施形態のように、出力電圧指令値Vd*、Vq*に対して行う補正ならば周波数依存性がなく、補正が容易である。
ここで、式(8)よりVinvの変動が安定化するため成立する必要のある3つの不等式のうち2番目のものに注目する。2番目の式は以下のように表される。
Figure 0006627702
電源電圧Vbが高い場合、一般的に等価回路1のコンデンサ容量成分Cは大きくなる。そのため式(11)の右辺第1項の絶対値が小さくなる。ゆえに、式(11)を満たすための回路インピーダンス「−r」は小さくてもよいことになる。言いかえれば、よりインバータ入力電圧Vinvの変動は安定化しやすくなる。
逆に電源電圧Vbが低いとインバータ入力電圧Vinvの変動は不安定化しやすくなる。そのため本制御装置は電源電圧が小さい電源系に採用するとより効果的である。たとえば、直流電源からインバータによってモータを駆動する自動車で直流電源が100V以下の低電圧の場合などに、本制御装置を採用することは好ましい。
(第2実施形態)
図5に第2の実施形態の電力変換制御器の制御装置200を利用した交流電動機55の制御方法について説明する。各部の動作について説明するが、第2実施形態において第1実施形態と実質的に同一の構成には、同一の符号を付して説明を省略する。
出力電圧演算部11は、例えば図示しない上位の制御部で生成される角速度指令値ω*を入力とする。
位置センサ53はたとえばレゾルバであり、交流電動機55のモータ位置θを取得する。微分器54はモータ位置θを微分して角速度実値ωに変換する。
速度指令補正部31は、後述する出力補正部24で算出された角速度補正量ωcと角速度指令値ω*と角速度実値ωより、新たな角速度指令値ω**を算出する。ω**から速度制御器32はトルク指令値T*を生成する。
*を元に、トルク電流変換器33はトルク電流マップ等を参照し電流指令値I*を生成する。
インバータ44がPWM制御により生成した三相交流電圧Vu,Vv、Vwを交流電動機55に印加することによって、角速度指令値ω*に応じた出力がされるように、交流電動機55の駆動が制御される
出力補正部24の動作について説明する。
図3のS103までで示す基準電圧Vrefを作成するまでの動作は、第1実施形態と同一である。その後、基準電圧Vrefとインバータ入力電圧Vinvとを比較し、Vrefが大きければ、出力補正部24はその偏差からVinvの変動に対して変動が抑制される方向、すなわちIinvが減少する方向に変化するよう、角速度補正量ωcを生成し、速度指令補正部31にて角速度指令値ω*を補正する。
上述したように、第2実施形態では、出力電圧指令値Vd*、Vq*そのものではなく、出力電圧指令値Vd*、Vq*の演算過程において制御目標とされる指令値である角速度指令値ω*に対して出力補正をしている。
このとき出力電圧演算部11の電流制御系の入力をdq軸電流指令値Id*、Iq*、出力をdq軸実電流値Id、Iqとした、閉ループの伝達関数は以下の式で求められる。
Figure 0006627702
この式の周波数特性は、図6のような一次遅れの応答になる。たとえばインバータ入力電圧Vinv変動のLC共振周波数が低い場合、つまり図6の1に相当する周波数領域では、実電流値Id、Iqは電流指令値Id*、Iq*に追随し、有効な出力補正ができる。一方、図6の2に相当するLC共振周波数が高い領域では、1の領域に対し、電流制御系の周波数特性のゲインが低下し、位相が遅れている。つまり、実電流値Id、Iqが電流指令値Id*、Iq*に追随しないことがわかる。
したがって、インバータ入力電圧Vinv変動のLC共振周波数が高いと、角速度指令値ω*に対する補正では、インバータ入力電圧Vinv変動に対して効果的に制御できない。たとえば、自動車の駆動用モータの場合、LC共振周波数は数kHz〜十数kHzであるが、電流制御系の応答をその周波数で精度よく行うことは難しい。
このようなときでも、あらかじめ周波数ごとのゲイン、位相を測定しておいて、そのマップデータから補正量を導く等の手法によって、補正は可能である。
(その他の実施形態)
(a)本実施形態では、出力電圧指令値Vd*、Vq*、角速度指令値ω*に出力補正を行う方式のみを開示したが、他にトルク指令値T*や電流指令値Id*、Iq*に対して出力補正を行うことも可能である。
(b)本実施形態では、電力変換器44は直流電力を交流電力に変換するインバータとして説明したが、電力変換器は、インバータに限らず、直流電力を直流電力に変換するDCコンバータであってもよい。
(c)本発明は、直流電源とコンデンサとの間に昇圧コンバータを含むシステムにも適用可能であるし、コンデンサ電圧がDCコンバータやエアコン等の他の電力源に供給されるシステムにも適用可能である。また、本実施形態の電力変換器は1つのみだが、複数の電力変換器が並列に接続されるシステムにも適用可能である。また、交流電動機以外の負荷にも適用可能である。
以上、本発明は上記実施形態にのみ限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において様々な形態で実施可能である。
3 リアクトル(インダクタンス成分) 4 コンデンサ
10、11 出力電圧演算部
20 電力演算部
21 基準電圧演算部
23、24 出力補正部
44 インバータ(電力変換器)
50 直流電圧検出部
51 電流検出部
100、200 インバータ制御装置(電力変換器の制御装置)

Claims (4)

  1. 直流電源(2)側にインダクタンス成分(3)とコンデンサ(4)を有する電力変換器(44)の制御装置(100、200)であって、
    前記電力変換器に出力する出力電圧指令値(Vd*、Vq*)を演算する出力電圧演算部(10、11)と、
    前記コンデンサの両端電圧である電力変換器入力電圧(Vinv)を検出する直流電圧検出部(50)と、
    前記電力変換器に流れる電流(Iinv)を検出する電流検出部(51)と、
    前記電力変換器の入力電力(Pinv)を算出する電力演算部(20)と、
    前記出力電圧指令値あるいは前記出力電圧演算部の演算過程において制御目標とされる指令値(ω*)の少なくとも一方の値を補正対象指令値として補正可能な出力補正部(23、24)と、
    前記直流電源から前記電力変換器までの回路インピーダンス(−r)と前記電力変換器の入力電力とから基準電圧(Vref)を算出する基準電圧演算部(21)と、
    を備え、
    前記出力補正部は、
    前記電力変換器入力電圧が前記基準電圧以下に変動した場合、前記電力変換器入力電圧の変動を抑制する方向に前記電力変換器を流れる電流が変化するように前記補正対象指令値を補正し、
    前記電力変換器入力電圧が前記基準電圧よりも大きく変動した場合、前記補正対象指令値を維持する電力変換器の制御装置。
  2. 前記出力補正部(23)は、前記出力電圧指令値を補正する請求項1に記載の電力変換器の制御装置。
  3. 前記出力電圧指令値の補正量は、
    前記出力電圧指令値と前記出力補正部の補正により低下した実値との偏差から演算される出力電圧の増加量よりも大きくなるように演算される請求項2に記載の電力変換器の制御装置。
  4. 前記基準電圧の算出に使用される前記回路インピーダンスは、
    前記直流電源から前記コンデンサまでの抵抗成分Rと、
    前記コンデンサの等価直列抵抗成分Rcと、
    前記直流電源から前記コンデンサまでの前記インダクタンス成分Lと抵抗成分Rとコンデンサ容量Cと前記コンデンサの前記等価直列抵抗成分Rcとから下式
    Figure 0006627702
    により算出される推定インピーダンスZと、
    のうちの最大値である請求項1〜3のいずれか1項に記載の電力変換器の制御装置。
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