JP6726390B2 - 永久磁石形同期電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁極位置検出器を持たない永久磁石形同期電動機の制御装置に関し、詳しくは、電動機の速度範囲に応じて各種の制御方式を切替える際のショックを低減して電動機をスムーズに加減速運転するための制御装置に関するものである。
永久磁石形同期電動機の制御装置をコストダウンするため、回転子の磁極位置を検出するための磁極位置検出器を使用しないで運転する、いわゆる、センサレスベクトル制御が実用化されている。
センサレスベクトル制御は、電動機の端子電圧や電流の情報から回転子の磁極位置と速度とを演算し、これらに基づいて電流制御を行うことでトルク制御や速度制御を実現するものである。なお、センサレスベクトル制御の具体的な方法は良く知られているため、ここでは詳述を省略する。
しかしながら、センサレスベクトル制御は、始動時を始めとする低速域における安定性に問題があることから、電動機の電流の振幅を一定とし、電流の角速度を速度指令値に制御することで、電動機の回転子を電流に引き込んで運転する技術が適用されることがある。このような運転方式を、以下では「電流引込制御」と呼ぶ。
ここで、例えば特許文献1には、電流引込制御とセンサレスベクトル制御との相互間で制御方式を切り替える際の電圧や電流の急変を防止してショックを低減するようにした永久磁石形同期電動機の制御装置が開示されている。特に、特許文献1の請求項6や明細書の段落[0083]〜[0093]、図6等には、運転中の電動機を減速して停止する場合に、センサレスベクトル制御から電流引込制御へショックレスにて切り替える技術が記載されている。
特許第5277724号公報(請求項6、段落[0083]〜[0093]、図6等)
上述した特許文献1では、センサレスベクトル制御から電流引込制御への切替前後で電動機の発生トルクが変化しないように、切替時におけるq軸電流指令値の初期値を数式23により演算すると共に、d軸電流指令値の初期値を、数式23により求めたq軸電流指令値の初期値と電流指令値振幅とを用いて数式24により演算している。
しかしながら、数式23はあくまで近似式であるため、その近似誤差に起因して電流指令値が適切な値にならず、結果として、電流引込制御への切替時に電動機の発生トルクにショックが発生する場合があった。
そこで、本発明の解決課題は、センサレスベクトル制御から電流引込制御への切替時における電流指令値の初期値を適切に演算することにより、ショックレスにて制御方式の切替を可能にした永久磁石形同期電動機の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に係る発明は、磁極位置検出器を持たない永久磁石形同期電動機を電力変換器により運転するための制御装置において、
前記電動機の電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
前記電動機の電流指令値の角速度を速度指令値に制御する第1の運転モードと、
前記電動機の電流及び端子電圧から演算した回転子の磁極位置推定値及び速度推定値を用いて前記電動機の速度を速度指令値に制御する第2の運転モードと、を有し、
前記第2の運転モードから前記第1の運転モードへ切替えるときに、
前記電動機のトルク指令値と前記電流指令値の振幅とから、前記電流指令値と回転子の磁極位置との角度差を演算する手段と、
前記角度差から電気角補正値を求める手段と、
前記電気角補正値を用いて前記電流指令値の角度を初期化する手段と、
前記電気角補正値を用いて、前記電動機の端子電圧が急変しないように前記電動機の端子電圧指令値を初期化する手段と、
前記速度指令値と前記速度推定値との偏差から求めた角速度補償値を用いて、前記電流指令値の角速度が急変しないように前記電流指令値の角速度を補正する手段と、
を備え
前記電流指令値と前記磁極位置との角度差を演算する手段は、
前記電流指令値の振幅から、トルクが前記角度差の増加関数となる、前記角度差の区間を演算する手段と、前記角度差の区間から、前記トルク指令値に前記電動機のトルクが一致するように前記角度差を演算する手段と、を有するものである。
本発明によれば、第2の運転モードであるセンサレスベクトル制御から第1の運転モードである電流引込制御へ切替える際のショックを従来よりも低減することができ、永久磁石形同期電動機をスムーズに運転可能であると共に、上述した制御切替時の演算を簡略化することができる。
本発明によれば、磁極位置検出器を持たない永久磁石形同期電動機の制御方式をセンサレスベクトル制御から電流引込制御へ切り替える際のショックを低減し、例えば減速時におけるスムーズな運転を実現することができる。
本発明の実施形態の構成を示すブロック図である。 γ,δ軸及びd,q軸の定義を示す図である。 センサレスベクトル制御から電流引込制御への切替処理の原理を示すベクトル図である。 図1における角速度補償器の動作原理を示す図である。 電流引込制御におけるd軸と電流ベクトルとの角度差δと、トルクτとの関係を示す図である。 角度差δの上限値δimaxの演算原理を説明するためのベクトル図である。 角度差δの下限値δiminの演算原理を説明するためのベクトル図である。
以下、図に沿って本発明の実施形態を説明する。
図1は、この実施形態に係る制御装置を主回路と共に示したブロック図であり、永久磁石形同期電動機の制御方式を、拡張誘起電圧を利用したセンサレスベクトル制御から電流引込制御へショックレスにて切替えるためのものである。
制御装置における演算は、図2に示すように角速度ωで回転するγ,δ軸からなる直交回転座標系により行う。なお、図2において、d軸は回転子の磁極方向の軸、q軸はd軸と直交する方向の軸、θerrは位置推定誤差である。
まず、この実施形態の電流引込制御時の動作を、制御装置の構成と共に説明する。
図1に戻って、切替スイッチ23の入力側を「S」に設定し、γ,δ軸の角速度ωを加算器124から出力される速度指令値ωに制御する。電気角演算器24は、角速度ωを積分してγ,δ軸の角度θを演算する。
一方、切替スイッチ21a,21bの入力側を「S」に設定する。第1の電流指令演算部41は、γ,δ軸電流指令値iγ ,iδ を数式1のように制御する。
[数1]
γ =Iapull
δ =0
ここで、
apull >0
ローパスフィルタ22a,22bは、γ,δ軸電流指令値iγ ,iδ の低周波成分iγf ,iδf をそれぞれ演算する。
電流座標変換器14は、u相電流検出器11u、w相電流検出器11wによりそれぞれ検出した相電流検出値i,iを、γ,δ軸の角度θに基づいてγ,δ軸電流検出値iγ,iδに座標変換する。この角度θは、回転子の位置推定値に相当する。
減算器19a,19bにより、γ軸電流指令値iγf とγ軸電流検出値iγとの偏差、及び、δ軸電流指令値iδf とδ軸電流検出値iδとの偏差をそれぞれ演算し、電流調節器20は、上記偏差をそれぞれゼロにするようにγ軸電圧指令値vγ 、δ軸電圧指令値vδ を演算する。
これらの電圧指令値vγ ,vδ は、電圧座標変換器15により、γ,δ軸の角度θに基づいて相電圧指令値v ,v ,v に変換される。
三相交流電源50の電圧は整流回路60により直流電圧に変換され、インバータ等の電力変換器70に供給される。PWM回路13は、相電圧指令値v ,v ,v 、及び、入力電圧検出回路12により検出した電力変換器70の直流入力電圧Edcから、電力変換器70の出力電圧を相電圧指令値v ,v ,v に制御するための駆動信号(ゲート信号)を生成する。
電力変換器70はこのゲート信号に基づいて内部のIGBT等の半導体スイッチング素子を制御することにより、永久磁石形同期電動機(PMSM)80の端子電圧を相電圧指令値v ,v ,v に制御する。
上述した一連の制御により、振幅がIapull 、角速度が速度指令値ωに等しい電流ベクトルが発生し、電動機80の回転子が電流ベクトルに引き込まれて回転子速度ωを速度指令値ωに制御することができる。
次に、センサレスベクトル制御時の動作について説明する。以下では、電流引込制御と異なる部分を中心に説明し、重複する部分については省略する。
速度指令値ωと速度推定値ωrestとの偏差を減算器16により演算し、この偏差がゼロになるように速度調節器17がトルク指令値τを演算する。
第2の電流指令演算部18は、トルク指令値τに基づき、トルク/電流が最大になる条件でd,q軸電流指令値i ,i を演算する。
切替スイッチ21a,21bの入力側を「S」に設定することにより、γ,δ軸電流指令値iγ ,iδ としてd,q軸電流指令値i ,i を設定する。
ローパスフィルタ22a,22b、減算器19a,19b、電流調節器20、電流座標変換器14、電圧座標変換器15の動作は、電流引込制御の場合と同じであり、これらの動作によって、γ,δ軸電流検出値iγ,iδが各指令値iγ ,iδ にそれぞれ一致するように相電圧指令値v ,v ,v が制御される。
また、拡張誘起電圧演算器31は、γ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ 、γ,δ軸電流検出値iγ,iδ、及び角速度ωを用いて、数式2により拡張誘起電圧を演算する。
Figure 0006726390
なお、数式2の演算は、γ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ の代わりに、図示されていない電圧検出回路を用いて電動機80の相電圧または線間電圧を測定し、これらの測定値及び角度(位置推定値)θから演算したγ軸電圧vγ、δ軸電圧vδを用いて行っても良い。
角度演算器32は、拡張誘起電圧の角度δeexestを数式3により演算する。
Figure 0006726390
拡張誘起電圧の角度δeexestは位置推定誤差θerrに等しくなるので、位置推定誤差演算値θerrestを数式4とする。
[数4]
θerrest=δeexest
速度推定器33は、位置推定誤差演算値θerrestを入力とするPI調節器によって構成されており、速度推定値ωrestを数式5により演算する。
Figure 0006726390
切替スイッチ23の入力側を「S」に設定することにより、γ,δ軸の角速度ωを速度推定値ωrestに制御する。
電気角演算器24は、電流引込制御の場合と同様に、角速度ωを積分して回転子の位置推定値に相当する角度θを演算する。
上述した拡張誘起電圧演算器31、角度演算器32、速度推定器33、電気角演算器24の動作により、γ,δ軸とd,q軸との角度差である位置推定誤差θerrを零に収束させることができ、回転子の速度及び磁極位置を正確に演算して電動機80のトルク及び速度を正確に制御することができる。
次に、センサレスベクトル制御から電流引込制御への切替処理の原理について、図3のベクトル図に基づいて説明する。
センサレスベクトル制御の場合、トルク/電流が最大になるように電流指令ベクトルiを制御するが、電流引込制御では、一般に、電流指令値を一定に制御し、電流指令ベクトルiの方向をγ軸と定義して制御演算を行う。
そこで、センサレスベクトル制御から電流引込制御へ切替えるときに、切替前後でトルクが変化しないように電流指令値を演算し、d軸(磁極位置)と電流指令ベクトルiとの角度差δを演算し、この角度差δを使ってγ,δ軸の角度θを初期化する。これと同時に、電圧指令ベクトルvとローパスフィルタ22a,22bの出力である電流指令ベクトルi とが切替前後で連続になるように初期化する。
次に、センサレスベクトル制御から電流引込制御に切替える場合の演算処理について説明する。
図1の電流指令初期値演算器121は、センサレスベクトル制御から電流引込制御への切替直後に、電動機80のトルクをセンサレスベクトル制御時のトルク指令値τに制御するための角度差δを演算する。なお、電流指令初期値演算器121による演算内容は、後に詳述する。
ここで、上記の角度差δから、電気角補正値δcompを数式6により演算する。
[数6]
δcomp=−δ
この電気角補正値δcompを用いて、電気角演算器24の出力である角度θを、数式7により初期化する。
[数7]
θ1(n)=θ1(n−1)−δcomp+ω
ここで、T:サンプル周期
なお、数式7において、添え字“n”はサンプル点を示し、“n”は今回値(切替後の値)、“n−1”は前回値(切替前の値)を示す。
数式7によってγ,δ軸の角度θをδcompだけ補正したことに伴い、ローパスフィルタ22a,22bの出力であるγ,δ軸電流指令値iγf ,iδf 、及び、電流調節器20の出力であるγ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ を、それぞれ数式8,数式9により初期化する。
Figure 0006726390
Figure 0006726390
数式8,9により、電動機80の電流と端子電圧とが急変しないように、γ,δ軸電流指令値iγf ,iδf 及びγ,δ軸電圧指令値vγ ,vδ を初期化することができる。
角速度補償器123は、γ,δ軸の角速度ωが切替え時に急変しないように、電流引込制御開始から角速度補償値ω1compを演算し、加算器124は速度指令値ωと角速度補償値ω1compとを加算してγ,δ軸の角速度ωを演算する。
図4は、角速度補償器123の動作原理を示す図である。角速度補償値ω1compの初期値は、切替え直前に図1の減算器122により演算したγ,δ軸の角速度ω(速度推定値に等しい)と速度指令値ωとの偏差(ω−ω)とし、この角速度補償値ω1compを所定の変化率で零まで低減する。
次に、電流指令初期値演算器121による演算内容について詳述する。
電流引込制御によって運転している場合、電動機80のトルクτと角度差δとの間には数式10の関係がある。
[数10]
τ=IaPULL Ψsinδ+IaPULL *2(L−L)sinδcosδ
ただし、Ψ:永久磁石磁束
角度差δは、上記のトルクτをトルク指令値τに置き換えた方程式の解から求める。数式10は非線形方程式であるため、角度差δは、ニュートンラプソン法や二分法などの数値計算によって求めれば良い。
一例として、角度差δを二分法により求める方法について説明する。二分法は、ニュートンラプソン法などの他の計算方式と比べて演算を簡素化できる特徴がある。
図5は、数式10に示した角度差δとトルクτとの関係を示している。図5において、トルクτをトルク指令値τとする角度差δの解をδ(τ)とする。
二分法を使って解を求める場合、解の区間を設定する必要がある。このため、角度差δの下限値及び上限値を、それぞれδimin,δimaxとする。電流引込制御を安定に行えるのは、トルクτが角度差δの増加関数となる場合である。そこで、角度差δの下限値δimin及び上限値δimaxは、角度差δiの区間[δimin,δimax]においてトルクτが増加関数になるように決める。
次に、角度差δの上限値δimaxの演算方法について説明する。図6は、角度差δの上限値δimaxの演算原理を説明するためのベクトル図である。
電流の振幅を電流指令値振幅IaPULL に制御し、角度差δが角度差上限値δimaxであるときの電流ベクトルを図6の電流ベクトル(2)とする。
ここで、電流の振幅Iとd,q軸電流i,iとの間には、数式11の関係がある。
[数11]
=i +i
数式11より、電流ベクトル(2)は、円軌跡I=IaPULL の上に制御される。
一方、電動機のトルクτとd,q軸電流i,iとの間には、数式12の関係がある。
[数12]
τ=Ψ+(L−L)i
数式12により、トルクτがトルク指令値τに等しい電流ベクトルは、放物線の軌跡τ=τである。トルクτがトルク指令値τよりも大きくなるための条件から、電流ベクトル(2)の動作点は、τ=τの放物線よりも上側にある必要がある。
更に、トルク/電流を最大とするd,q軸電流i,iは、数式13の関係にある。
Figure 0006726390
数式13より、トルク/電流が最大になる電流ベクトルの軌跡は、図6における原点を通る放物線の軌跡「トルク/電流最大条件」となる。トルクτが角度差δの増加関数となるための条件から、電流ベクトル(2)は、トルク/電流最大条件の放物線よりも左側にある必要がある。
角度差上限値δimaxは、以上の条件を満たすように、以下に述べる手順によって演算する。
まず、トルク/電流最大条件でトルクτをトルク指令値τに制御したときの電流ベクトルを、電流ベクトル(1)とする。この電流ベクトル(1)は、τ=τの放物線とトルク/電流最大条件の放物線の交点に達する。電流ベクトル(1)は、トルク/電流最大条件であるので、電流ベクトル(1)の振幅は、電流指令値振幅IaPULL よりも小さくなる。
次に、電流ベクトル(2)を、電流振幅が電流指令値振幅IaPULL に等しく、d軸電流が電流ベクトル(1)のd軸電流idMTPAに等しい動作点に選ぶ。具体的には、数式14により演算する。
Figure 0006726390
数式14におけるIdMTPAは、トルク指令値τからテーブルを用いて演算する。
角度差上限値δimaxは、d軸と電流ベクトル(2)との角度差から、数式15により演算する。
Figure 0006726390
電流ベクトル(2)の動作点は、τ=τの放物線よりも上側であるため、トルクτは、トルク指令値τよりも大きくなる。また、トルク/電流最大条件の放物線の左側であるので、トルクτは角度差δの増加関数となる。
これらのことから、d軸と電流ベクトル(2)との角度差から演算した角度差上限値δimaxは、必要とする条件を満たす。
次に、角度差δの下限値δiminの演算方法を説明する。図7は、角度差δの下限値δiminの演算原理を説明するためのベクトル図である。
数式12より、埋込磁石永久磁石形同期電動機(IPMSM)のように、d軸インダクタンスLがq軸インダクタンスLよりも小さい電動機の場合、d軸電流iが大きくなるとトルクτがq軸電流iの増加関数にならなくなる。トルクτがq軸電流iの増加関数であるためのd軸電流iの上限値をIdlimpとすると、Idlimpは数式16によって演算することができる。
Figure 0006726390
特に、d軸電流iがIdlimpである場合、トルクτはq軸電流iによらず、零になる。
以上のことから、電流引込制御の場合には、電流指令値振幅IaPULL が大きく、角度差δが小さい軽負荷時にd軸電流iが上限値Idlimよりも大きくなりやすい。そこで、角度差の下限値δiminは、このことを考慮して設計する。
まず、電流指令値振幅IaPULL がd軸電流iの上限値Idlimpより小さいときは、角度差δが小さいときも、トルクτは角度差δの増加関数になる。そこで、数式17に示すように、角度差の下限値δiminを0とする。
[数17]
δimin=0
一方、電流指令値振幅IaPULL がd軸電流iの上限値Idlimp以上の場合、トルクτを零とする電流ベクトルは、図7に示すように、振幅が電流指令値振幅IaPULL に等しく、d軸電流がその上限値Idlimpに等しい電流ベクトル(3)となる。この電流ベクトル(3)のd,q軸電流は、数式18となる。
Figure 0006726390
角度差の下限値δiminは、d軸と電流ベクトル(3)との角度差から、数式19により演算する。
Figure 0006726390
以上説明した演算により、トルクτが増加関数になり、かつ、トルク指令値τが存在する角度差δの区間[δimin,δimax]を演算することができる。この結果、数式10に示した角度差δとトルクτとの関係式、及び、角度差δの区間[δimin,δimax]から、トルクτをトルク指令値τに制御する角度差δi(τ*)を二分法によって演算することが可能である。
11u:u相電流検出回路
11w:w相電流検出回路
12:入力電圧検出回路
13:PWM回路
14:電流座標変換器
15:電圧座標変換器
16,19a,19b:減算器
17:速度調節器
18:電流指令演算部
20:電流調節器
21a,21b,23:切替スイッチ
22a,22b:ローパスフィルタ
24:電気角演算器
31:拡張誘起電圧演算器
32:角度演算器
33:速度推定器
41:電流指令演算部
50:三相交流電源
60:整流回路
70:電流変換器
80:永久磁石形同期電動機
121:電流指令初期値演算器
122:減算器
123:角速度補償器
124:加算器

Claims (1)

  1. 磁極位置検出器を持たない永久磁石形同期電動機を電力変換器により運転するための制御装置において、
    前記電動機の電流及び端子電圧をベクトルとしてとらえ、
    前記電動機の電流指令値の角速度を速度指令値に制御する第1の運転モードと、
    前記電動機の電流及び端子電圧から演算した回転子の磁極位置推定値及び速度推定値を用いて前記電動機の速度を速度指令値に制御する第2の運転モードと、を有し、
    前記第2の運転モードから前記第1の運転モードへ切替えるときに、
    前記電動機のトルク指令値と前記電流指令値の振幅とから、前記電流指令値と回転子の磁極位置との角度差を演算する手段と、
    前記角度差から電気角補正値を求める手段と、
    前記電気角補正値を用いて前記電流指令値の角度を初期化する手段と、
    前記電気角補正値を用いて、前記電動機の端子電圧が急変しないように前記電動機の端子電圧指令値を初期化する手段と、
    前記速度指令値と前記速度推定値との偏差から求めた角速度補償値を用いて、前記電流指令値の角速度が急変しないように前記電流指令値の角速度を補正する手段と、
    を備え
    前記電流指令値と前記磁極位置との角度差を演算する手段は、
    前記電流指令値の振幅から、トルクが前記角度差の増加関数となる、前記角度差の区間を演算する手段と、
    前記角度差の区間から、前記トルク指令値に前記電動機のトルクが一致するように前記角度差を演算する手段と、
    を有することを特徴とする永久磁石形同期電動機の制御装置。
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