JP5906749B2 - 表示装置、表示装置の製造方法および電子機器 - Google Patents

表示装置、表示装置の製造方法および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、表示装置、表示装置の製造方法および電子機器に関するものである。
例えば、電子ペーパーの画像表示部を構成するものとして、粒子の電気泳動を利用した電気泳動ディスプレイが知られている(例えば、特許文献1参照)。電気泳動ディスプレイは、優れた可搬性および省電力性を有しており、電子ペーパーの画像表示部として特に適している。
電気泳動ディスプレイは、対向配置された一対の電極と、これらの間に設けられた表示層とを有しており、表示層には、例えば正に帯電する白色粒子と、負に帯電する黒色粒子とを液相分散媒に分散してなる分散液が充填されている。このような電気泳動ディスプレイは、一対の電極間に電圧を印加し、白色粒子および黒色粒子を所望の方向へ泳動させることにより所望の画像を表示するように構成されている。
ところで、このような電気泳動ディスプレイを備えた表示装置を立てかけたとき、すなわち、表示面が鉛直方向と平行になるような姿勢にしたとき、白色粒子や黒色粒子が自重によって鉛直下方に移動するおそれがある。このように粒子が移動すると、表示されている画像が乱れてしまうこととなる。
また、このような表示装置には、白色粒子や黒色粒子の移動空間を画成する隔壁が設けられることが多い。しかしながら、隔壁の配置密度が下がると、相対的に表示装置の剛性が低下することとなる。このため、表示装置を湾曲させたとき等に、表示されている画像が乱されてしまうことが問題となっている。
特開2010−44114号公報
本発明の目的は、表示特性の低下を低減しつつ、機械的強度に優れた表示装置、この表示装置を効率よく製造可能な表示装置の製造方法、前記表示装置を備えた信頼性の高い電子機器を提供することにある。
上記目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の表示装置は、表示面側に設けられた第1の基板と、
前記第1の基板に対して対向配置された第2の基板と、
前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた表示層と、を有し、
前記表示層は、
前記第1の基板側に設けられ、繊維の集合体を含む第1の繊維層と、
正または負に帯電した少なくとも1種の粒子が分散媒に分散した分散液と、
気泡と、を有することを特徴とする。
これにより、表示特性の低下を低減しつつ、機械的強度に優れた表示装置が得られる。また、熱によって分散液の体積が膨張した場合であっても、気泡が緩衝材となって、体積膨張による表示装置に対する圧力を緩和することができる。
本発明の表示装置では、前記気泡の体積をA[cm]、前記分散液の体積をB[cm]としたとき、A/B≦1の関係を満足することが好ましい。
これにより、粒子の移動を妨げることなく、機械的強度をより優れたものとすることができる。
本発明の表示装置では、前記気泡は、不活性ガスで構成されていることが好ましい。
これにより、分散液に対して気泡に含まれる気体が与える影響を小さいものとすることができる。
本発明の表示装置では、前記気泡内の湿度は、10%RH以下であることが好ましい。
これにより、水分による帯電粒子の凝集を防ぎ、分散液に対する水分の影響をより小さいものとすることができる。
本発明の表示装置では、前記第1の繊維層は、その内部に前記粒子が進入可能な空間を含んでいることが好ましい。
これにより、粒子が表示面に十分近づくこととなり、粒子が呈する色を鮮明に表示することができる。
本発明の表示装置では、前記粒子は、前記第1の繊維層の前記空間に保持されることにより、前記粒子の自重による移動が規制されることが好ましい。
これにより、例えば表示装置を表示面が鉛直方向と平行になるような姿勢にした場合でも、表示装置に表示される画像等が乱れてしまうのを防止することができる。
本発明の表示装置では、前記繊維は、無機物繊維であることが好ましい。
これにより、繊維は比較的硬度の高いものとなり、第1の繊維層はその空疎な形状を維持し易くなる。その結果、粒子を保持するといった効果を長期にわたって確実に維持することができる。
本発明の表示装置では、前記繊維は、導電性を有するものであることが好ましい。
これにより、第1の繊維層の隅々まで電界が作用し、保持可能な粒子の量が多くなるため、粒子が呈する色が強調して表示されることとなり、高コントラストの表示が可能になる。また、電界が繊維に集中することにより、電界強度をより大きくすることができるので、粒子の泳動性(応答速度等)を高めることができる。
本発明の表示装置では、前記第1の繊維層は、前記繊維同士を有機バインダーで結着してなるものであることが好ましい。
これにより、繊維の集合体は有機バインダーを介して第1の基板に確実に固定される。また、有機バインダーによって第1の繊維層に柔軟性や伸縮性が付与されるので、繊維同士の固定が解除され難くなり、第1の繊維層としての形状を維持し易くなる。その結果、例えば表示装置を湾曲させた場合にも、第1の繊維層は形状追従性に富んだものとなる。
本発明の表示装置では、前記有機バインダーは、熱可塑性樹脂および熱架橋性樹脂の少なくとも一方を主成分とするものであることが好ましい。
これにより、有機バインダーは柔軟性に富んだものとなる。
本発明の表示装置では、前記表示層は、さらに、前記分散液を囲うよう設けられた隔壁を有しており、
前記第1の繊維層と前記隔壁とが固定されていることが好ましい。
これにより、表示装置の機械的強度をさらに高めることができる。
本発明の表示装置では、前記表示層は、さらに、前記第2の基板側に設けられ、繊維の集合体を含む第2の繊維層を有することが好ましい。
これにより、気泡が第1の基板および第2の基板の両方に触れることがないため、表示装置の表示特性のさらなる低下防止を図ることができる。また、表示装置の機械的強度をさらに優れたものとすることができる。
本発明の表示装置の製造方法は、本発明の表示装置を製造する製造方法であって、
前記第1の基板の一方の面上に、前記第1の繊維層を成膜する工程と、
前記第2の基板上に、前記分散液を供給する工程と、
前記第1の繊維層と前記分散液とが向かい合うように前記第1の基板と前記第2の基板とを重ね合わせて前記気泡を形成しつつ積層体を得る工程と、
前記積層体を加熱しつつ厚さ方向に加圧することにより、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する工程と、を有することを特徴とする。
これにより、表示特性の低下を低減しつつ、機械的強度に優れた表示装置を効率よく製造することができる。
本発明の電子機器は、本発明の表示装置を備えることを特徴とする。
これにより、信頼性に優れた電子機器が得られる。
本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図である。 図1に示す表示装置の平面図(上面図)である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明する断面図である。 図1に示す表示装置の製造方法を説明する断面図である。 本発明の表示装置の第2実施形態を示す断面図である。 本発明の表示装置の第3実施形態の壁部を示す平面図である。 本発明の表示装置の第3実施形態の壁部を示す平面図である。 本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。 本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。
以下、本発明の表示装置、表示装置の製造方法および電子機器を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
≪表示装置≫
まず、本発明の表示装置の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の表示装置の第1実施形態を示す断面図、図2は、図1に示す表示装置の平面図(上面図)、図3、4は、図1に示す表示装置の製造方法を説明する断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1、3、4中の上側を「上」、下側を「下」として説明を行う。また、図1に示すように、表示装置の平面視にて互いに直交する2方向を「X方向」および「Y方向」とする。また、図2では、説明の便宜上、基板11および第1の繊維層62の図示を省略している。
図1に示す表示装置(本発明の表示装置)20は、粒子の泳動を利用して所望の画像を表示する電気泳動表示装置である。この表示装置20は、表示シート(フロントプレーン)21と、回路基板(バックプレーン)22とを有している。
図1に示すように、表示シート21は、平板状の基部1と基部1の下面に設けられた第1の電極3とを備える基板(第1の基板)11と、基板11の下方に設けられた表示層400と、表示層400内を複数の区画に区分けする壁部(隔壁)92とを有している。このような表示シート21では、基板11の上面が表示面111を構成している。そして、表示層400は、基板11側に設けられ、繊維620の集合体を含む第1の繊維層62と、粒子BおよびWが分散媒7に分散した分散液100と、気泡8とを有している。
一方、回路基板22は、平板状の基部2と基部2の上面に設けられた複数の第2の電極4とを備える基板(第2の基板)12と、この基板12に設けられた図示しない回路とを有している。
回路は、例えば、マトリックス状に配列されたTFT(スイッチング素子)と、TFTに対応して形成されたゲート線およびデータ線と、ゲート線に所望の電圧を印加するゲートドライバーと、データ線に所望の電圧を印加するデータドライバーと、ゲートドライバーとデータドライバーの駆動を制御する制御部とを有している。
以下、各部の構成について順次説明する。
(基板)
基部1および基部2は、それぞれ、シート状(平板状)の部材で構成され、これらの間に配置される各部材を支持および保護する機能を有する。各基部1、2は、それぞれ可撓性を有するもの、硬質なもののいずれであってもよいが、可撓性を有するものであるのが好ましい。可撓性を有する基部1、2を用いることにより、可撓性を有する表示装置20、すなわち、例えば電子ペーパーを構築する上で有用な表示装置20を得ることができる。
基部1、2が可撓性を有するものとする場合、その構成材料としては、透明性の高いガラスまたは樹脂が挙げられる。前記樹脂としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)等のポリエステル、ポリエチレン等のポリオレフィン、変性ポリオレフィン、環状オレフィン(COP)、ポリアミド、熱可塑性ポリイミド、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリカーボネート(PC)、ポリウレタン系、塩素化ポリエチレン系等の各種熱可塑性エラストマー等、またはこれらを主とする共重合体、ブレンド体、ポリマーアロイ等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
基部1、2の平均厚さは、それぞれ構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、可撓性を有するものとする場合、20μm以上500μm以下程度であるのが好ましく、25μm以上250μm以下程度であるのがより好ましく、50μm以上200μm以下程度であるのがさらに好ましい。これにより、表示装置20の柔軟性と強度との調和を図りつつ、表示装置20の小型化(特に薄型化)を図ることができる。
これらの基部1、2の表示層400側の面、すなわち、基部1の下面および基部2の上面に、それぞれ膜状をなす第1の電極3および第2の電極4が設けられている。本実施形態では、第1の電極3が共通電極とされ、第2の電極4が、X方向およびY方向にマトリックス状に分割された個別電極(TFTに接続された画素電極)とされている。表示装置20では、後述する壁部92に囲まれた1つの領域に、1つの第2の電極4が配されており、1つの第2の電極4と第1の電極3とが重なり合う領域(壁部92に囲まれた領域)が1つの画素を構成している。このため、第2の電極4に印加される電圧を適宜制御することにより、各画素区画が発する色を制御し、表示面111から視認される画像を自在に生成することができる。
電極3、4の構成材料としては、それぞれ、実質的に導電性を有するものであれば特に限定されず、例えば、金、銀、銅、アルミニウムまたはこれらを含む合金等の金属材料、カーボンブラック、グラフェン、カーボンナノチューブ、フラーレン等の炭素系材料、ポリアセチレン、ポリフルオレン、ポリチオフェンまたはこれらの誘導体等の電子導電性高分子材料、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート等の高分子中に、NaCl、Cu(CFSO等のイオン性物質を分散させたイオン導電性高分子材料、インジウム酸化物(IO)、インジウムスズ酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、酸化亜鉛(ZnO)等の導電性酸化物材料のような各種導電性材料が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、電極3、4の平均厚さは、それぞれ、構成材料、用途等により適宜設定され、特に限定されないが、0.01μm以上10μm以下程度であるのが好ましく、0.02μm以上1μm以下程度であるのが、導電性と透明性のバランスの面からより好ましい。
ここで、各基部1、2および各電極3、4のうち、表示面111側に配置される基部および電極は、それぞれ光透過性を有するもの、すなわち、実質的に透明(無色透明、有色透明または半透明)とされる。本実施形態では、基板11の上面が表示面111を構成するため、少なくとも基部1および第1の電極3は、実質的に透明とされる。これにより、表示装置20に表示された画像を表示面111側から目視により容易に認識することができる。
(封止部)
基板11と基板12との間には、それらの縁部に沿って封止部(シール部)5が設けられている。この封止部5により、表示層400が気密的に封止されている。その結果、表示装置20内への水分の浸入を防止して、水分による粒子Aの凝集を防ぎ、表示装置20の表示性能の劣化をより確実に防止することができる。
封止部5の構成材料としては、特に限定されず、例えば、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、オレフィン系樹脂のような熱可塑性樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂のような熱硬化性樹脂等の各種樹脂材料等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、封止部5の高さは、特に限定されないが、5μm以上50μm以下程度であるのが好ましい。封止部5の高さを前記範囲内にすることにより、電界に応じて粒子Aが短時間で移動可能になるとともに、非表示状態において粒子Aが透けて見えるのを防止することができる。
(壁部)
図1および図2に示すように、表示層400内は、壁部92により複数の区画に区分けされており、各区画内には、後述するように分散液100および気泡8が含まれている。本実施形態では、壁部92は、図2に示すように、格子状をなしている。また、壁部92は、基部2に固着されている。
また、壁部92の表面には、炭化フッ素プラズマ処理等の各種撥水処理が施されているのが好ましい。これにより、後述するように、表示装置20の製造がより簡単となり、より優れた表示特および信頼性を発揮することができる表示装置20を得ることができる。
壁部92の構成材料としては、特に限定されず、例えば、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル(不飽和ポリエステル)、ポリイミド、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂等の各種熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を混合して用いることができる。
壁部92の高さは、特に限定されないが、5μm以上50μm以下程度であるのが好ましい。壁部92の高さを前記範囲内にすることにより、電界に応じて粒子B(または粒子W)が短時間で移動可能になるとともに、非表示状態において粒子Aが透けて見えるのを防止することができる。
また、壁部92の平均幅は、壁部92に要求される機械的強度等を考慮して適宜設定されるが、1μm以上5μm以下程度であるのが好ましい。そして、壁部92のアスペクト比(平均高さ/平均幅)は、1〜50程度であるのが好ましい。
なお、本実施形態では、壁部92の横断面形状が、幅が基板12から基板11側へ向けて漸減する逆テーパー状をなしている。これにより、画像の視認性を向上させるとともに、壁部92の先端が後述する第1の繊維層62に食い込み、基板11と壁部92との接着性を向上させることができる。なお、かかる形状に限定されず、例えば矩形(長方形)であってもよい。
また、壁部92の横断面形状は、全体にわたって一定でなくてもよく、一部異なる形状であってもよい。
(第1の繊維層)
表示層400内には、図1に示すように、その基板11側に第1の繊維層62が設けられている。第1の繊維層62は、繊維620の集合物を含むものである。具体的には、第1の繊維層62は、第1の繊維620同士を有機バインダーで結着してなるものである。このような第1の繊維層62には、内部に多くの空間が形成されており、その内部に浸透するように分散液100が充填されている。
また、第1の繊維層62は、表面積が大きいことから、その内部または表面に分散液100中の粒子Bおよび粒子Wが進入し、かつその位置で保持され易い。粒子Bおよび粒子Wが第1の繊維層62中に進入し、かつ保持されることにより、粒子Bおよび粒子Wは、表示面111に十分近づくこととなり、粒子Aが呈する色を鮮明に表示することができるとともに、粒子Bおよび粒子Wの自重による沈降が抑制され、粒子Bおよび粒子Wが不本意な位置に移動するのを抑制することができる。その結果、例えば表示面111が鉛直方向と平行になるような姿勢にした場合でも、表示装置20に表示される画像等が乱れてしまうのを防止することができる。
また、第1の繊維層62は、繊維620の集合物を主とするものであるため、透過光を阻害し難い。このため、後述する粒子Bおよび粒子Wによって形成される画像を第1の繊維層62越しに見たとき、その画像が乱され難くなる。よって、鮮明な表示が可能になる。
なお、上記理由から、繊維620が呈する色は、透明、淡色または白色であるのが好ましく、特に透明であるのがより好ましい。
また、第1の繊維層62は、上記のような機能に加え、気泡8に含まれる気体が基板11の下面に接近するまたは接して広がるのを防止する機能も有する。仮に、気泡8に含まれる気体が基板11に接近または接して広がってしまうと、粒子Bまたは粒子Wと第1の電極3の間に存在してしまい、第1の電極3へ粒子Bおよび粒子Wが十分接近できずに保持ができなくなってしまう。すなわち、気泡8が表示の欠陥となって、鮮明な表示ができずに画像が乱れてしまう。
なお、第1の繊維層62は、表面張力等の関係で、その内部に気泡8中の気体が浸入するのが防止されているが、第1の繊維層62を構成する繊維620および有機バインダーに対して、親液処理(例えば、Oプラズマ処理等)を施すことにより、分散液100の浸透性を向上させることができるとともに、気泡8中の気体が第1の繊維層62内に浸入するのをさらに効果的に防止することができる。
繊維620の平均の繊維長さは、特に限定されないが、0.1μm以上100μm以下程度であるのが好ましく、1μm以上80μm以下程度であるのがより好ましい。また、繊維620の平均の繊維径も、特に限定されないが、0.01μm以上10μm以下程度であるのが好ましく、0.1μm以上5μm以下程度であるのがより好ましい。繊維620の繊維長さおよび繊維径を前記範囲内とすることにより、粒子Bまたは粒子Wが出入りする十分な空間を確保しつつ、重力や外気の温度変化などで起こる分散液の対流による粒子Bまたは粒子Wの再剥離を防ぐことで保持性を確保しつつ、電界の作用により粒子BまたはWを円滑に電気泳動させることができる。
なお、繊維620の繊維長さおよび繊維径は、第1の繊維層62の断面の観察像上において、繊維620の投影像の最大長さおよび最大径であり、それぞれの平均値は100個の繊維620について測定された繊維長さおよび繊維径を平均したものとされる。
また、繊維径を特に可視光の波長の下限(例えば400nm)より短くすることにより、繊維620自体が透明でなくても、第1の繊維層62として透明性を確保することができる。
なお、第1の繊維層62の平均厚さは、特に限定されないが、0.1μm以上20μm以下程度であるのが好ましく、0.2μm以上10μm以下程度であるのがより好ましい。第1の繊維層62の平均厚さを前記範囲内とすることにより、第1の繊維層62の十分な機械的強度と粒子BまたはWの十分な保持性とを確保しつつ、第1の繊維層62に保持された粒子BまたはWに電界を作用させたとき粒子BまたはWを円滑に電気泳動させることができる。また、第1の繊維層62の十分な透明性も確保することができる。すなわち、機械的強度および粒子BまたはWの保持性と粒子BまたはWの泳動性および透明性とを高度に両立することができる。
また、第1の繊維層62は、無帯電すなわち実質的に帯電していないものである。このため、後述する粒子BまたはWとの間には電気的な作用(反発または吸着)が働かない。そのため、粒子BまたはWを分散媒7中で円滑に移動させることができ、優れた表示特性、特に優れた応答速度を発揮させることができる。
なお、第1の繊維層62は繊維620の集合体を含んでいるが、第1の繊維層62における繊維620の密度(占有率)は好ましくは50体積%以上99体積%以下、より好ましくは60体積%以上95体積%以下とされる。このような密度であれば、第1の繊維層62の機械的強度および粒子BまたはWの保持性と粒子BまたはWの泳動性および第1の繊維層62の透明性とを高度に両立することができる。
繊維620には、例えば、樹脂繊維のような有機物繊維、ガラス繊維、セラミックス繊維、カーボン繊維、金属繊維のような無機物繊維等が単独または複数種の混合物として用いられる。このうち、樹脂繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリエステル繊維、ビニロン繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維等が挙げられる。また、ガラス繊維としては、例えば、ホウケイ酸ガラス繊維、石英ガラス繊維等が挙げられる。また、セラミックス繊維としては、例えば、チタン酸カリウム繊維、酸化スズ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維等が挙げられる。また、カーボン繊維としては、PAN系炭素繊維、カーボンナノチューブ等が挙げられる。また、金属繊維としては、例えば、アルミニウムウィスカー、銀ウィスカー等が挙げられる。
なお、繊維620としては特に無機物繊維が好ましく用いられる。無機物繊維は比較的硬度が高いため、第1の繊維層62はその空疎な形状を維持し易くなる。そのため、前述した第1の繊維層62が奏する効果を長期にわたって確実に奏し得る表示装置20が得られる。
また、第1の繊維層62は、繊維620同士を単に寄せ集めたものでもよいが、繊維620同士が互いに固定されるよう有機バインダーで結着してなるものが好ましい。なお、有機バインダーは、繊維620の集合物を基板11および壁部92に固定する機能も有する。さらには、繊維620の構成材料が硬度の高い材料である場合には、第1の繊維層62に柔軟性や伸縮性を付与することができるので、繊維620同士の固定が解除され難く、第1の繊維層62としての形状を維持し易い。そして、表示装置20を湾曲させた場合にも、第1の繊維層62は形状追従性に富んだものとなる。
有機バインダーの構成材料としては、比較的軟化し易い材料が好ましく用いられ、例えば、ウレタン樹脂、尿素樹脂、エステル樹脂、エーテル樹脂、ポリエチレンやポリプロピレンのようなオレフィン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)やエチレンメタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、エチレン環状オレフィン共重合体(COC樹脂)のようなエチレン重合体、アクリル樹脂、ブタジエン系エラストマー等の熱可塑性樹脂、エポキシ樹脂、イソシアネート樹脂、シアノアクリレート樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂等の熱架橋性樹脂等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上の混合物を主成分としたものが用いられる。このような有機バインダーは、柔軟性に富んだものとなる。
なお、有機バインダーの副成分としては、例えば、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、分散剤等が必要に応じて添加される。
また、有機バインダーの25℃における弾性率は、0.01MPa以上1000MPa以下であるのが好ましく、0.1MPa以上500MPa以下であるのがより好ましい。これにより、第1の繊維層62に十分な柔軟性と伸縮性とを付与することができる。
また、繊維620は、導電性を有するものが好ましく用いられる。このような繊維620を用いることにより、第1の繊維層62の隅々まで電界が作用するため、第1の繊維層62全体において粒子BまたはWを確実に保持することができる。また、保持可能な粒子BまたはWの量も多くなるため、粒子BまたはWが呈する色が強調され易くなり、高コントラストの表示が可能になる。さらには、電界が繊維620に集中し、粒子BまたはWに作用させる電界強度をより大きくすることができるので、粒子BまたはWの泳動性(応答速度等)を高めることができる。
導電性を有する繊維620としては、繊維自体が導電性を有するものの他、繊維に導電性を有する被膜を形成したもの等が挙げられる。
繊維620(第1の繊維層62)は、隔壁92の上面に接着・固定されている。これにより、表示装置20の機械的強度をさらに高めることができる。
(分散液)
次に、分散液100について説明する。
表示装置20では、前述したように、表示層400内は、壁部92により複数の区画に区分けされており、各区画内は、分散液100で満たされている。
分散液100は、正に帯電し、黒色の色調を呈する粒子Bと、負に帯電し、白色の色調を呈する粒子Wとを分散媒7に分散してなるものである。白色の粒子Wを含むことにより、表示する画像のコントラストを向上させることができる。
なお、分散液100に分散される粒子は、上記色に限定されず、イエロー、マゼンダ、シアン等の粒子を用いることにより、カラー画像を表示することができる。また、モノクロ表示の場合は黒粒子のみを用いてもよく、また、カラー表示の場合は、黒色粒子に加えて、3色(イエロー、マゼンダ、シアン)の粒子を画素隔壁で区画された画素ごとに塗り分ける必要がある。また、黒とその他の色では、帯電を変える必要があり、例えば黒粒子が正帯電の場合は、その他のカラー粒子は負帯電にする。
粒子B、Wには、電荷を有するものであれば、いかなるものをも用いることができ、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化クロム、酸化ジルコニウム等の酸化物系粒子や、窒化ケイ素、窒化チタン等の窒化物系粒子、硫化亜鉛等の硫化物系粒子、硼化チタン等の硼化物系粒子、クロム酸ストロンチウム、アルミン酸コバルト、亜クロム銅、ウルトラマリン等の無機顔料粒子、アゾ系、キナクリドン系、アントラキノン系、ジオキサジン系、ペリレン系等の有機顔料粒子等を用いることができる。また、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、尿素系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリスチレン、ポリエステル等で構成された樹脂粒子の表面に顔料を塗布した複合粒子を用いることもできる。
また、粒子B、Wの平均粒子径は、特に限定されないが、好ましくは10nm以上1μm以下、より好ましくは10nm以上500nm以下、さらに好ましくは20nm以上300nm以下である。粒子B、Wの平均粒子径を前記範囲内に設定することにより、粒子B、Wによる十分な色度の表示と粒子B、Wの速やかな電気泳動とを両立することができる。その結果、高コントラストの表示と高い応答速度とを両立することができる。
なお、粒子B、Wの平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置(例えば、製品名:LB−500、(株)堀場製作所製)で測定した体積平均粒子径を意味する。
また、粒子B、Wの帯電や粒子間の凝集を防ぐために、粒子B、Wの表面にアミン化合物やアルミナ等の正帯電材料、カルボキシル基やスルホ基、酸化ケイ素等の負帯電材料、シランカップリング剤やチタンカップリング剤等のカップリング処理、界面活性剤表面処理等のコーティング処理等を施してもよい。
分散媒7としては、沸点が100℃以上に高く比較的高い絶縁性を有するものが好適に使用される。かかる分散媒7としては、例えば、各種水(例えば、蒸留水、純水等)、ブタノールやグリセリン等のアルコール類、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸ブチル等のエステル類、ジブチルケトン等のケトン類、ペンタン等の脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、キシレン等の芳香族炭化水素類、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素類、ピリジン等の芳香族複素環類、アセトニトリル等のニトリル類、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類、カルボン酸塩、シリコーンオイルまたはその他の各種油類等が挙げられ、これらを単独または混合物として用いることができる。
中でも、分散媒7としては、脂肪族炭化水素類(流動パラフィン)、またはシリコーンオイルを主成分とするものが好ましい。流動パラフィン、またはシリコーンオイルを主成分とする分散媒7は、粒子Aの凝集抑制効果が高いことから好ましい。これにより、表示装置20の表示性能が経時的に劣化するのをより確実に防止または抑制することができる。また、流動パラフィン、またはシリコーンオイルは、不飽和結合を有しないため耐候性に優れ、および安全性も高いという点からも好ましい。
(気泡)
次に、気泡8について説明する。
表示層400は、上述した第1の繊維層62および分散液100の他、気泡8を有している。
このような気泡8を備えることにより、熱によって分散液100の体積が膨張した場合であっても、気泡が緩衝材となって、体積膨張による表示装置20に対する圧力を緩和することができる。また、表示装置20に外圧がかかった場合であっても、気泡8によってその外圧を吸収することができ、機械的強度を特に優れたものとすることができる。また、気泡8と同時に第1の繊維層62を備えているので、気泡8が表示面111側に接近・接触することがなく、表示特性が低下するのが防止される。
気泡8に含まれる気体としては、例えば、空気や酸素、また、窒素やアルゴン等の不活性ガスを用いることができる。これらの中でも、不活性ガスを用いるのが好ましい。これにより、分散液100に対する気泡8中の気体が与える影響を小さいものとすることができる。
また、気泡8内の湿度は、10%RH以下であるのが好ましく、1%RH以下であるのがより好ましい。これにより、分散液100に対する気泡8中に含まれる水分を減らすことで、水分による帯電粒子の凝集を防ぎ、高精細な表示性能を発現することができる。
表示層400中における、気泡8の体積をA[cm]、分散液100の体積をB[cm]としたとき、A/B≦1の関係を満足するのが好ましい。これにより、粒子BまたはWの電気泳動による移動を妨げることなく、機械的強度をより優れたものすることができる。
以上、表示装置20の構成について説明したが、このような表示装置20は、例えば次のようにして駆動する。なお、以下の説明では、図1に示す複数の第2の電極4のうち、1つについて電圧を印加した場合について説明する。
第1の電極3と第2の電極4との間に、第1の電極3が負電位、第2の電極4が正電位となる電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界が表示層400中の粒子B、Wに作用する。すると、粒子Bが第1の電極3側に泳動して集まり、粒子Wが第2の電極4側に泳動して集まる。これにより、表示面111には粒子Bが呈する色、すなわち、黒色が表示される。
一方、第1の電極3が正電位、第2の電極4が負電位となる電圧を印加すると、当該電圧印加により発生した電界が表示層400中の粒子B、Wに作用する。すると、粒子Bが第2の電極4側に泳動して集まり、粒子Wが第1の電極3側に泳動して集まる。これにより、表示面111には粒子Wが呈する色、すなわち、白色が主に表示される。
以上のような粒子B、Wの駆動を画素ごとに行うことにより、表示面111には所望の画像を表示することができる。
≪表示装置の製造方法≫
次に、表示装置20の製造方法について説明する。
表示装置20の製造方法は、基板11の上面に第1の繊維層62を成膜する繊維層形成工程と、基板12の上面に壁部92を形成する隔壁形成工程と、壁部92で囲まれた領域に分散液100を供給する粒子供給工程と、第1の繊維層62と壁部92とが接するように基板11と基板12とを重ね合わせて、分散液100中に気泡8を形成しつつ積層体を得る積層体形成工程と、積層体を加熱しつつ厚さ方向に加圧することにより、第1の繊維層62と壁部92とを接合する接合工程と、を有している。以下、各工程について順次説明する。
[1]まず、図3(a)に示す基板11を用意する。次いで、図3(b)に示すように、基板11の第1の電極3上に第1の繊維層62を形成する。第1の繊維層62の形成方法には、例えば、繊維620と有機バインダーとを揮発性分散媒に分散して分散液を調製し、これを第1の電極3上に塗布し、その後塗布膜を乾燥させる方法が用いられる。塗布方法としては、例えば、グラビアコート、コンマコート、リップコート、ダイコート、スクリーン印刷、インクジェット塗布等の各種塗布方法が用いられる。なお、第1の繊維層62の形成には、繊維620を寄せ集めてなる不織体をあらかじめ形成しておき、これを載置する方法も用いられる。
また、乾燥後に熱ロール処理等を施すようにしてもよい。熱ロール処理を施すと、塗布膜が発泡し、第1の繊維層62の密度が低下するため、発泡量を調整することにより第1の繊維層62の密度を制御することができる。特に減圧雰囲気下で処理することにより、塗布膜表面の発泡量がより多くなり、塗布膜上部の密度を相対的に低くすることができる。このようにして形成された第1の繊維層62には、密度の勾配が形成されることとなり、粒子B、Wが第1の繊維層62内に進入したりあるいは第1の繊維層62内から脱出したりする移動がより円滑になる。さらには、第1の繊維層62の表面に繊維620が突出し易くなるため、第1の繊維層62と隔壁92との固着がより顕著になる。
[2]一方、基板12を用意し、その第2の電極4側の面に壁部92を形成する(図3(c)参照)。壁部92の形成方法には、例えば、スクリーン印刷等の印刷法、成形型で凹凸を形成するインプリント法、フォトリソグラフィー法等が用いられる。
[3]次に、図3(d)に示すように、壁部92で囲まれた領域(以下、単にセルともいう。)に、分散液100を供給する。この際、図3(d)に示すように、壁部92の頂部よりも分散液100の液面が下になるように、分散液100を供給する。これにより、後述する積層体形成工程において、気泡8が形成される。また、形成する気泡8の好適な体積にはある程度の幅があるので、壁部92の頂部ぎりぎりまで供給する場合と比較して、壁部92の頂部よりも分散液100の液面が下であれば、分散液100の供給量の増減についてある程度の幅を持たすことができる。その結果、分散液100の供給精度をある程度下げることができ、表示装置20の生産性を向上させることができる。また、分散液100を壁部92の頂部ぎりぎりまで供給する場合、分散液100が溢れてしまい、分散液100が損失してしまうことがあるが、上記方法によれば、分散液100が溢れるのを抑制することができ、分散液100の損失を防止することができる。また、カラー表示を行う場合には、隣り合うセル毎に異なる色に対応する分散液100を供給することとなるが、上述したように分散液100が溢れるのが抑制されているので、混色してしまうのを防止することができる。
分散液100の供給方法としては、特に限定されないが、液滴吐出法による供給、ディスペンサーを使用した供給等の方法が用いられる。
[4]次に、図4(e)に示すように、第1の繊維層62と壁部92とが接するように基板11と基板12とを重ね合わせて接合する。重ね合わせることにより、気泡8が形成されるとともに、積層体13が形成される。
この重ね合わせ作業は、気泡8中の気体雰囲気下で、例えばロールラミネート装置を用いて行われる。
次いで、積層体13を加熱しつつ、厚さ方向に加圧する。これにより、第1の繊維層62中に含まれる有機バインダーや壁部92中の熱可塑性樹脂等が溶融し、第1の繊維層62と壁部92とが接着される。その後、積層体13を冷却することにより、有機バインダーが固化し、両者の接着が完了する。また、加圧に伴って壁部92の先端が第1の繊維層62中に食い込む。その結果、アンカー効果に基づく両者の固着が完了する。すなわち、有機バインダーによる接着とアンカー効果に伴う固着とにより、第1の繊維層62と壁部92とは強固に固定される。
積層体13の加熱温度としては、特に限定されないが、25℃以上120℃以下程度であるのが好ましい。これにより、有機バインダーを溶融または軟化させ、接着機能を発現させるとともに、分散媒7の蒸発や壁部92の軟化等を防止することができる。
[5]次に、図4(f)に示すように、表示層400の周囲に封止部5を形成する。これにより、表示装置20が得られる。
封止部5の構成材料としては、熱可塑性または熱硬化性の樹脂材料が用いられることから、これらを軟化・溶融状態にしたものを塗布し、これを固化または硬化させることにより封止部5が形成される。塗布には、例えばシリンジディスペンサー等を用いることができる。
以上のような製造方法によれば、第1の繊維層62と気泡8との双方を備えており、表示特性と機械的強度とを両立した表示装置20を効率よく製造することができる。
<第2実施形態>
次に、本発明の表示装置の第2実施形態について説明する。
図5は、本発明の表示装置の第2実施形態を示す断面図である。
以下、第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
第2実施形態に係る表示装置20は、基板12の表示層400側の面に、第1の繊維層62とは別の第2の繊維層64を設けるようにした以外、第1実施形態に係る表示装置20と同様である。
第2の繊維層64は、基板12の上面に設けられており、必要に応じて有機バインダー等を介して接着、固定されている。第2の繊維層64の構成は、第1の繊維層62と同様である。
このような第2の繊維層64を設けたことにより、基板12側に集まった粒子B、Wについても第2の繊維層64内で保持することができ、粒子B、Wの自重による意図しない移動を抑制することができる。その結果、粒子B、Wの偏在を防止し、表示画像の乱れを抑制することができる。
また、気泡8が基板12(第2の電極4)と接触するのを防止することができる。これにより、気泡8に含まれる気体により、第2の電極4の可動が阻害されるのを防止または抑制することができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の表示装置の第3実施形態について説明する。
図6、7は、本発明の表示装置の第3実施形態の壁部を示す平面図である。
以下、第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、前述した実施形態と同様の構成には、同一の符号を付してある。
第3実施形態に係る表示装置20のうち、図6に示す壁部92は、その形状が異なる以外、第1実施形態と同様である。
図6(a)に示す壁部92は、平面視において格子状になっており、かつ、X方向に伸びる壁部92とY方向に伸びる壁部92との交差部において、壁部92が欠落するよう構成されている。このような欠落した箇所があることにより、この箇所から余分な分散液100や残留した気泡を外部に放出することができる。その結果、表示特性に優れた信頼性の高い表示装置20が得られる。
図6(b)に示す壁部92は、平面視において画素区画が六角形になるようハニカム状になっている。
図6(c)に示す壁部92は、Y方向に伸びるもののみで構成されている。
一方、第3実施形態に係る表示装置20のうち、図7に示す壁部92は、その形状が異なる以外、第5実施形態と同様である。
図7(a)に示す壁部92は、Y方向に往復しながらY方向に延在しており、このような壁部92が複数並列して設けられている。すなわち、各壁部92は、蛇行しながらX方向に延在している。また、1つの壁部92に隣接する壁部92は、互いに線対称の関係を満たしている。これにより、隣り合う壁部92間に設けられる画素空間は、略六角形をなすものとなる。
ここで、図7(a)に示す記号Y、M、Cは、それぞれ黄色(イエロー)、赤色(マゼンタ)、青色(シアン)の意味である。すなわち、記号Y、M、Cが示す各画素区画に、それぞれの色に対応する粒子Y、M、Cを含む分散液を充填することにより、いわゆるフルカラー表示が可能な表示装置20が得られる。
図7(b)に示す壁部92は、X方向に伸びるもののみで構成されており、一方、図7(c)に示す壁部92は、平面視において格子状をなしており、かつ、Y方向に伸びる壁部92のうち画素区画に臨む一部が欠落するよう構成されている。このような図7(b)および図7(c)に示す記号Y、M、Cも、それぞれ図7(a)の記号と同じ意味である。すなわち、図7(b)、(c)に示す壁部92を備えた表示装置20によっても、いわゆるフルカラー表示が可能になる。
≪電子機器≫
以上説明したような表示装置20は、それぞれ、各種電子機器に組み込むことができる。具体的な電子機器としては、例えば、電子ペーパー、電子ブック、テレビ、ビューファインダ型、モニタ直視型のビデオテープレコーダ、カーナビゲーション装置、ページャ、電子手帳、電卓、電子新聞、ワードプロセッサ、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、テレビ電話、POS端末、タッチパネルを備えた機器等を挙げることができる。
これらの電子機器のうちから、電子ペーパーを例に挙げ、具体的に説明する。
図8は、本発明の電子機器を電子ペーパーに適用した場合の実施形態を示す斜視図である。
図8に示す電子ペーパー600は、紙と同様の質感および柔軟性を有するリライタブルシートで構成される本体601と、表示ユニット602とを備えている。このような電子ペーパー600では、表示ユニット602が、前述したような表示装置20で構成されている。
次に、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態について説明する。
図9は、本発明の電子機器をディスプレイに適用した場合の実施形態を示す図である。このうち、図9中(a)は断面図、(b)は平面図である。
図9に示すディスプレイ(表示装置)800は、本体部801と、この本体部801に対して着脱自在に設けられた電子ペーパー600とを備えている。なお、この電子ペーパー600は、前述したような構成、すなわち、図15に示す構成と同様である。
本体部801は、その側部(図9(a)中、右側)に電子ペーパー600を挿入可能な挿入口805が形成され、また、内部に二組の搬送ローラ対802a、802bが設けられている。電子ペーパー600を、挿入口805を介して本体部801内に挿入すると、電子ペーパー600は、搬送ローラ対802a、802bにより挟持された状態で本体部801に設置される。
また、本体部801の表示面側(図9(b)中、紙面手前側)には、矩形状の孔部803が形成され、この孔部803には、透明ガラス板804が嵌め込まれている。これにより、本体部801の外部から、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を視認することができる。すなわち、このディスプレイ800では、本体部801に設置された状態の電子ペーパー600を、透明ガラス板804において視認させることで表示面を構成している。
また、電子ペーパー600の挿入方向先端部(図9(a)中、左側)には、端子部806が設けられており、本体部801の内部には、電子ペーパー600を本体部801に設置した状態で端子部806が接続されるソケット807が設けられている。このソケット807には、コントローラー808と操作部809とが電気的に接続されている。
このようなディスプレイ800では、電子ペーパー600は、本体部801に着脱自在に設置されており、本体部801から取り外した状態で携帯して使用することもできる。これにより、利便性が向上する。
以上、本発明の表示装置、表示装置の製造方法および電子機器を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。
1‥‥基部 2‥‥基部 3‥‥第1の電極 4‥‥第2の電極 5‥‥封止部 62‥‥第1の繊維層 64‥‥第2の繊維層 620、640‥‥繊維 7‥‥分散媒 8‥‥気泡 92‥‥壁部 100‥‥分散液 11‥‥第1の基板 12‥‥第2の基板 13‥‥積層体 111‥‥表示面 20‥‥表示装置 21‥‥表示シート 22‥‥回路基板 400‥‥表示層 600……電子ペーパー 601……本体 602……表示ユニット 800……ディスプレイ 801……本体部 802a、802b……搬送ローラ対 803……孔部 804……透明ガラス板 805……挿入口 806……端子部 807……ソケット 808……コントローラー 809……操作部 B、W、Y、M、C‥‥粒子

Claims (14)

  1. 表示面側に設けられた第1の基板と、
    前記第1の基板に対して対向配置された第2の基板と、
    前記第1の基板と前記第2の基板との間に設けられた表示層と、を有し、
    前記表示層は、
    前記第1の基板側に設けられ、繊維の集合体を含む第1の繊維層と、
    正または負に帯電した少なくとも1種の粒子が分散媒に分散した分散液と、
    気泡と、を有することを特徴とする表示装置。
  2. 前記気泡の体積をA[cm]、前記分散液の体積をB[cm]としたとき、A/B≦1の関係を満足する請求項1に記載の表示装置。
  3. 前記気泡は、不活性ガスで構成されている請求項1または2に記載の表示装置。
  4. 前記気泡内の湿度は、10%RH以下である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の表示装置。
  5. 前記第1の繊維層は、その内部に前記粒子が進入可能な空間を含んでいる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の表示装置。
  6. 前記粒子は、前記第1の繊維層の前記空間に保持されることにより、前記粒子の自重による移動が規制される請求項5に記載の表示装置。
  7. 前記繊維は、無機物繊維である請求項1ないし6のいずれか1項に記載の表示装置。
  8. 前記繊維は、導電性を有するものである請求項1ないし7のいずれか1項に記載の表示装置。
  9. 前記第1の繊維層は、前記繊維同士を有機バインダーで結着してなるものである請求項1ないし8のいずれか1項に記載の表示装置。
  10. 前記有機バインダーは、熱可塑性樹脂および熱架橋性樹脂の少なくとも一方を主成分とするものである請求項9に記載の表示装置。
  11. 前記表示層は、さらに、前記分散液を囲うよう設けられた隔壁を有しており、
    前記第1の繊維層と前記隔壁とが固定されている請求項1ないし10のいずれか1項に記載の表示装置。
  12. 前記表示層は、さらに、前記第2の基板側に設けられ、繊維の集合体を含む第2の繊維層を有する請求項1ないし11のいずれか1項に記載の表示装置。
  13. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の表示装置を製造する製造方法であって、
    前記第1の基板の一方の面上に、前記第1の繊維層を成膜する工程と、
    前記第2の基板上に、前記分散液を供給する工程と、
    前記第1の繊維層と前記分散液とが向かい合うように前記第1の基板と前記第2の基板とを重ね合わせて前記気泡を形成しつつ積層体を得る工程と、
    前記積層体を加熱しつつ厚さ方向に加圧することにより、前記第1の基板と前記第2の基板とを接合する工程と、を有することを特徴とする表示装置の製造方法。
  14. 請求項1ないし12のいずれか1項に記載の表示装置を備えることを特徴とする電子機器。
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