JP5861502B2 - 液晶表示装置 - Google Patents

液晶表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5861502B2
JP5861502B2 JP2012049267A JP2012049267A JP5861502B2 JP 5861502 B2 JP5861502 B2 JP 5861502B2 JP 2012049267 A JP2012049267 A JP 2012049267A JP 2012049267 A JP2012049267 A JP 2012049267A JP 5861502 B2 JP5861502 B2 JP 5861502B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polarizing plate
liquid crystal
protective film
plate protective
polarizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012049267A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013186180A (ja
Inventor
直輝 高橋
直輝 高橋
隆 建部
隆 建部
和樹 赤阪
和樹 赤阪
伸夫 久保
伸夫 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2012049267A priority Critical patent/JP5861502B2/ja
Publication of JP2013186180A publication Critical patent/JP2013186180A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5861502B2 publication Critical patent/JP5861502B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Liquid Crystal (AREA)
  • Polarising Elements (AREA)

Description

本発明は、偏光板の製造方法および液晶表示装置に関する。
液晶表示装置は、テレビやパソコンなどの液晶ディスプレイとして広く用いられている。液晶表示装置は、通常、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを有する。
液晶表示装置は、液晶セルと偏光板とを粘着剤によって貼り合わせて製造される。液晶セルと偏光板とを貼り合わせやすくするために、偏光板を、ある程度カールさせる方法が提案されている(例えば特許文献1)。
ところで、液晶表示装置のなかでも、IPS方式の液晶表示装置は、視野角が広いことなどから、大型テレビなどの液晶ディスプレイとして好ましく用いられている。しかしながら、IPS方式の液晶表示装置を高温多湿下で保存すると、表示画面の中央部に生じる円形状のムラ(Eggムラ)が発生することが知られている(例えば特許文献2)。
特開2011−95560号公報 国際公開第2008/016242号
液晶表示装置の使用環境の変化によって生じるEggムラは、以下のようにして生じると考えられる。即ち、液晶表示装置の使用環境(湿度や温度)の変化によって、偏光子が膨脹または収縮する。偏光子が膨脹または収縮する力が、液晶セルに加わって液晶セルに反りを生じることで、Eggムラを発生させる。さらに、偏光子が膨脹または収縮する力が、偏光板保護フィルムに加わって複屈折を生じさせることで、Eggムラが目立ちやすくなる。
従来は、液晶セルの反りを十分には抑制できなかった。そのため、Eggムラも十分には抑制できなかった。また、偏光板保護フィルムの複屈折は、偏光板保護フィルムの光弾性係数の絶対値を小さくすることで、ある程度低減されつつあるものの、未だ十分なものではなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、表示装置におけるEggムラを低減しうる偏光板の製造方法、それにより得られる偏光板および液晶表示装置を提供することを目的とする。
[1] 偏光子と、前記偏光子を挟持する一対の偏光板保護フィルムAおよびBと、を有する偏光板の製造方法であって、前記偏光板保護フィルムAおよびBの少なくとも一方の、下記式(I)で定義される測定波長589nmにおける面内方向のレターデーションR0が0〜5nmであり、かつ23℃55RH%下における光弾性係数が−10.0×10−12〜10.0×10−12/Nであり、ロールAによって搬送される前記偏光板保護フィルムAと、ロールBによって搬送される前記偏光板保護フィルムBとで、前記偏光子を、前記ロールAと前記ロールBとの隙間で挟みこみ、貼り合わせる工程を有し、前記ロールBの周速度Vbに対する前記ロールAの周速度Vaの比Va/Vbが1.01以上1.05以下である、偏光板の製造方法。
式(I):R0=(nx−ny)×d(nm)
(式(I)において、
nxは、偏光板保護フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;
nyは、偏光板保護フィルムの面内方向において前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;
d(nm)は、偏光板保護フィルムの厚みを表す)
[2] 前記偏光板は、前記偏光板保護フィルムAの前記偏光子側とは反対側の面に配置された粘着剤層をさらに有し、前記偏光板保護フィルムAの、前記式(I)で定義される測定波長589nmにおける面内方向のレターデーションR0が0〜5nmであり、かつ23℃55RH%下における光弾性係数が−10.0×10−12〜10.0×10−12/Nである、[1]に記載の偏光板の製造方法。
[3] 前記偏光板保護フィルムAの、23℃55RH%下における光弾性係数が、−3.0×10−12〜3.0×10−12/Nである、[2]に記載の偏光板の製造方法。
[4] 前記偏光板保護フィルムAが、(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとを含む、[2]または[3]に記載の偏光板の製造方法。
[5] 前記偏光板は、前記偏光子の吸収軸に対して+45°の方向と−45°の方向の両方にそれぞれ50MPaの引張応力が印加されたときの、以下の条件で測定される光漏れ量が0.005以下である、[1]〜[4]のいずれかに記載の偏光板の製造方法。
1)光源と、前記偏光板と、前記偏光板とは異なる他の偏光板と、ディテクターとをこの順に配置する。前記偏光板は、前記偏光板保護フィルムB側の面が、前記光源側となるように配置する。前記偏光板の吸収軸と前記他の偏光板の吸収軸とは直交するように配置する。
2)23℃55RH%下において、前記偏光板に、前記偏光子の吸収軸に対して+45°の方向と−45°の方向の両方にそれぞれ50MPaの引張応力を印加したときの、前記ディテクターから検出される光漏れ量を測定する。
[6] 第一の偏光板と、液晶セルと、第二の偏光板と、バックライトとを順に有する液晶表示装置であって、前記第二の偏光板は、[2]〜[5]のいずれかに記載の製造方法で得られた偏光板であって、第二の偏光子と、前記第二の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された偏光板保護フィルムAと、前記第二の偏光子の前記バックライト側の面に配置された偏光板保護フィルムBとを有する、液晶表示装置。
[7] 前記第二の偏光板を、23℃55RH%下に曝したときに前記偏光板保護フィルムA側の面が凸となるように反っており、前記第二の偏光板の反り量は、3〜60mmの範囲である、[6]に記載の液晶表示装置。
[8] 第一の偏光板と、液晶セルと、第二の偏光板と、バックライトとを順に有する液晶表示装置であって、前記第一の偏光板と前記第二の偏光板の両方が、[1]に記載の製造方法で得られた偏光板であって、前記第一の偏光板は、第一の偏光子と、前記第一の偏光子の視認側の面に配置された偏光板保護フィルムAと、前記第一の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された偏光板保護フィルムBとを有し、前記第二の偏光板は、第二の偏光子と、前記第二の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された偏光板保護フィルムAと、前記第二の偏光子の前記バックライト側の面に配置された偏光板保護フィルムBとを有し、前記第一の偏光板を、23℃55RH%下に曝したときに前記第一の偏光板の偏光板保護フィルムA側の面が凸となるように反っており、かつ前記第二の偏光板を、23℃55RH%下に曝したときに前記第二の偏光板の前記偏光板保護フィルムA側の面が凸となるように反っており、前記第一の偏光板と前記第二の偏光板の反り量は、ぞれぞれ3〜60mmの範囲である、液晶表示装置。
[9] 前記液晶セルは、画素電極と対向電極とを有する第一の基板と、前記第一の基板と対向する第二の基板と、前記第一の基板と第二の基板との間に配置され、液晶分子を含む液晶層とを有し、前記画素電極と前記対向電極との間に印加される電圧によって、前記液晶分子を前記第一の基板面に略平行な面内で回転させるものである、[6]〜[8]のいずれかに記載の液晶表示装置。
[10] 前記液晶表示装置の表示画面の大きさが、37インチ以上である、[6]〜[9]のいずれかに記載の液晶表示装置。
[11] 前記バックライトは、LEDバックライトである、[6]〜[10]のいずれかに記載の液晶表示装置。
本発明の製造方法によって得られる偏光板は、表示装置における偏光板保護フィルムの複屈折に起因する光漏れや、液晶セルの反りに起因するEggムラを抑制しうる。
液晶表示装置の一実施形態の基本構成を示す模式図である。 本発明の製造方法で得られる偏光板の反り状態を示す模式図である。 本発明に係る液晶表示装置の一実施形態の基本構成を示す模式図である。
1.偏光板の製造方法
本発明の偏光板の製造方法は、ロールAによって搬送される偏光板保護フィルムAと、ロールBによって搬送される偏光板保護フィルムBとで、偏光子を、ロールAとロールBとの隙間で、接着剤を介して挟みこみ、貼り合わせる工程を含み、必要に応じて接着剤を硬化させる工程などをさらに含んでもよい。それにより、偏光子と、その一方の面に貼り合わされた偏光板保護フィルムAと、他方の面に貼り合わされた偏光板保護フィルムBとを有する偏光板を得る。
図1は、偏光板の作製工程に用いることができる、貼り合わせ装置の一例を示す模式図である。図1に示されるように、貼り合わせ装置10は、偏光板保護フィルム12A(偏光板保護フィルムA)を搬送するロール14A(ロールA)と、ロール14Aと対向するように配置され、偏光板保護フィルム12B(偏光板保護フィルムB)を搬送するロール14B(ロールB)と、偏光板保護フィルム12Aの偏光子16との貼り合わせ面に接着剤を塗布する接着剤塗布手段18Aと、偏光板保護フィルム12Bの偏光子16との貼り合わせ面に接着剤を塗布する接着剤塗布手段18Bと、を有する。
ロール14Aおよび14Bの表面の材質は、ステンレス鋼、銅合金およびクロムメッキ処理品のような金属類;ポリウレタン、ポリフルオロエチレンおよびシリコーンなどのゴム類などでありうる。後述するように、ロール14Aおよび14Bの表面の材質は、偏光板保護フィルム12Aまたは12Bが、比較的剛性が低いフィルムである場合には、ゴム類とすることが好ましく;比較的剛性が高いフィルムである場合には、金属類とすることが好ましい。ロール14Aと14Bの周速度の差によって生じる応力を均一にフィルムに付与しやすくするためである。
接着剤塗布手段18Aおよび18Bは、必要量の接着剤を均一に塗布できるものであればよく、その例には、ドクターブレード、ワイヤーバー、ダイコーター、カンマコーター、グラビアコーターなどが含まれる。
そして、偏光子16を一定方向に搬送しながら、その一方の面に偏光板保護フィルム12Aをロール14Aによって重ね合わせ、他方の面に偏光板保護フィルム12Bをロール14Bによって重ね合わせる。
ロール14Aによって供給される偏光板保護フィルム12Aの偏光子16との貼り合わせ面には、接着剤塗布手段18Aによって接着剤を塗布されている。同様に、ロール14Bによって供給される偏光板保護フィルム12Bの偏光子16との貼り合わせ面には、接着剤塗布手段18Bによって接着剤が塗布されている。接着剤は、乾燥後または硬化後の厚みが1〜50μm、好ましくは1〜20μmとなるように塗布することが好ましい。
接着剤を塗布される前の偏光板保護フィルム12Aや12Bの偏光子16との貼り合わせ面には、接着剤との親和性を高めるために、必要に応じてアルカリケン化処理、コロナ放電処理、プラズマ処理などの表面活性化処理が施されていてもよい。
そして、対向するロール14Aとロール14Bとの隙間において、偏光板保護フィルム12Aと偏光板保護フィルム12Bとで、偏光子16を、接着剤を介して挟みこみ、貼り合わせる。
後述するように、偏光板保護フィルム12A側が凸となるように反った偏光板20を得るためには、ロール14Aの周速度Vaを、ロール14Bの周速度Vbよりも大きくすることが好ましい。具体的には、得られる偏光板20の反り量を一定以上とするためには、ロール14Bの周速度Vに対してロール14Aの周速度Vの比(ロール14Aの周速度Va/ロール14Bの周速度Vb)が、1.01以上であることが好ましく、1.015以上であることがより好ましい。一方、得られる偏光板20の反り量を大きくしすぎると、表示装置において液晶セルの反りを生じることがあることから、周速度の比(ロール14Aの周速度Va/ロール14Bの周速度Vb)は、1.05以下であることが好ましく、1.03以下であることがより好ましい。
ロール14Aとロール14Bとのニップ圧は、0.1MPa程度とすることが好ましい。貼り合わせの温度は、通常、常温(23〜25℃程度)としうる。
貼り合わせて得られた偏光板保護フィルム12A/偏光子16/偏光板保護フィルム12Bの積層物を乾燥させて、偏光板20を得る。貼り合わせに用いられる接着剤が硬化性接着剤である場合、本発明の偏光板の製造方法は、前述の積層物を乾燥させた後、接着剤を硬化させる工程をさらに含む。
接着剤を硬化させる工程は、偏光板保護フィルム12A/偏光子16/偏光板保護フィルム12Bの積層物に活性エネルギー線を照射して、接着剤を硬化させる。接着剤の硬化に用いられる活性エネルギー線は、硬化性が高いことなどから、好ましくは紫外線である。
紫外線の照射条件は、接着剤の種類によって決定されるが、例えば照射強度と照射時間の積で表される積算光量が10〜5000mJ/cm、好ましく50〜1000mJ/cmとすることが好ましい。積算光量が10mJ/cm未満であると、開始剤由来の活性種の発生が十分でなく、得られる接着剤層の硬化が不十分となりやすい。一方、積算光量が5000mJ/cm超であると、偏光子16を劣化させることがある。
偏光板保護フィルム12Aまたは12Bについて
偏光板保護フィルム12Aおよび12Bの少なくとも一方は、熱可塑性樹脂を含む。熱可塑性樹脂は、好ましくは(メタ)アクリル樹脂、セルロースエステルまたは環状オレフィン樹脂であり、より好ましくは(メタ)アクリル樹脂、セルロースエステルまたはそれらの混合物であり、さらに好ましくは(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルの混合物である。偏光板保護フィルム12Aまたは12Bに含まれる熱可塑性樹脂は、一種類であっても二種類以上の混合物であってもよい。
(メタ)アクリル樹脂
(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルの単独重合体、または(メタ)アクリル酸エステルと他の共重合モノマーとの共重合体でありうる。(メタ)アクリル酸エステルは、好ましくはメチルメタクリレートである。共重合体におけるメチルメタクリレート由来の構成単位の含有割合は50質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。
メチルメタクリレートと他の共重合体モノマーとの共重合体における共重合体モノマーの例には、アルキル部分の炭素数が2〜18のアルキルメタクリレート;アルキル部分の炭素数が1〜18のアルキルアクリレート;後述のラクトン環構造を形成しうる、水酸基を有するアルキル部分の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレート;アクリル酸、メタクリル酸などのα,β−不飽和酸;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などの不飽和基含有二価カルボン酸;スチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのα,β−不飽和ニトリル;無水マレイン酸、マレイミド、N−置換マレイミド、グルタル酸無水物など、アクリロイルモルホリン(ACMO)などのアクリルアミド誘導体;N−ビニルピロリドン(VP)などが含まれる。これらは、一種類で用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
なかでも、共重合体の耐熱分解性や流動性を高めるためには、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、s−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートなどのアルキルアクリレート;2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸メチル、2−(ヒドロキシメチル)アクリル酸エチルなどの水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートが好ましい。セルロースエステルとの相溶性を高めるためには、アクリロイルモルホリンなどが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂は、得られるフィルムの耐熱性を高めたり、光弾性係数を調整したりする観点などから、ラクトン環構造を含有することが好ましい。(メタ)アクリル樹脂に含まれるラクトン環構造は、好ましくは下記一般式(1)で表される。
Figure 0005861502
式(1)において、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜20の有機残基を示す。有機残基は、酸素原子を含んでいてもよい。有機残基の例には、直鎖もしくは分岐状のアルキル基、直鎖もしくは分岐状のアルキレン基、アリール基、−OAc基(Acはアセチル基)、−CN基などが含まれる。式(1)で示されるラクトン環構造は、後述するように、水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造である。
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂は、アルキル部分の炭素数が1〜18のアルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位をさらに含み、必要に応じて水酸基を含有するモノマー、不飽和カルボン酸、一般式(2)で表されるモノマーなどに由来する構成単位をさらに含んでいてもよい。一般式(2)におけるRは、水素原子またはメチル基を示す。Xは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、−OAc基(Ac:アセチル基)、−CN基、アシル基または−C−OR基(Rは水素原子または炭素数1〜20の有機残基)を示す。
Figure 0005861502
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂における、式(1)で表されるラクトン環構造の含有割合は、好ましくは5〜90質量%であり、より好ましくは10〜80質量%であり、さらに好ましくは15〜70質量%である。ラクトン環構造の含有割合が90質量%超であると、成形加工性が低く、得られるフィルムの可とう性も低くなりやすい。ラクトン環構造の含有割合が5質量%未満であると、必要な位相差を有するフィルムが得られにくく、耐熱性、耐溶剤性、表面硬度が十分でないことがある。
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂における、アルキル(メタ)アクリレートに由来する構成単位の含有割合は、好ましくは10〜95質量%であり、より好ましくは20〜90質量%であり、さらに好ましくは30〜85質量%である。
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂における、水酸基含有モノマー、不飽和カルボン酸または一般式(2)で表されるモノマーに由来する構成単位の含有割合は、それぞれ独立に好ましくは0〜30質量%であり、より好ましくは0〜20質量%であり、さらに好ましくは0〜10質量%である。
ラクトン環構造を含有する(メタ)アクリル樹脂は、少なくとも、水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレートと、それ以外のアルキル(メタ)アクリレートとを含むモノマー成分を重合反応させて、分子鎖中に水酸基とエステル基とを有する重合体を得るステップ;得られた重合体を加熱処理してラクトン環構造を導入するステップ、を経て製造されうる。
(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量Mwは、好ましくは8.0×10〜5.0×10の範囲内であり、より好ましくは9.0×10〜4.5×10の範囲内であり、さらに好ましくは1.0×10〜4.0×10の範囲内である。(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量Mwが8.0×10未満であると、得られるフィルムの脆性が高すぎることがあり、5.0×10超であると、溶融物の粘度が高すぎたり、得られるフィルムのヘイズが高かったりする。
(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定することができる。測定条件は以下の通りである。
溶媒: メチレンクロライド
カラム: Shodex K806、K805、K803G(昭和電工(株)製を3本接続して使用する)
カラム温度:25℃
試料濃度: 0.1質量%
検出器: RI Model 504(GLサイエンス社製)
ポンプ: L6000(日立製作所(株)製)
流量: 1.0ml/min
校正曲線: 標準ポリスチレンSTK standard ポリスチレン(東ソー(株)製)Mw=2800000〜500迄の13サンプルによる校正曲線を使用する。13サンプルは、ほぼ等間隔に用いることが好ましい。
(メタ)アクリル樹脂の市販品の例には、デルペット60N、80N(旭化成ケミカルズ(株)製)、ダイヤナールBR52、BR80、BR83、BR85、BR88(三菱レイヨン(株)製)、KT75(電気化学工業(株)製)などが含まれる。
(メタ)アクリル樹脂は、一種類であっても、二種類以上の混合物であってもよい。
セルロースエステル
セルロースエステルは、セルロースを、脂肪族カルボン酸または芳香族カルボン酸とエステル化反応させて得られる化合物である。セルロースエステルに含まれるアシル基は、脂肪族アシル基または芳香族アシル基であり、好ましくは脂肪族アシル基である。脂肪族アシル基は、直鎖であっても分岐していてもよく、さらに置換基を有してもよい。
セルロースエステルは、(メタ)アクリル樹脂との相溶性を高めたり、得られるフィルムの脆性を付与したりする観点から、アシル基の総置換度(Dall)が2.0〜3.0であることが好ましく、2.5〜3.0であることがより好ましい。セルロースエステルのアシル基の総置換度が2.0未満であると、セルロースエステルと(メタ)アクリル樹脂とを含むフィルムにおける、セルロースエステルと(メタ)アクリル樹脂との相溶性が低く、ヘイズが高いことがある。
このうち、炭素数3〜7のアシル基の置換度は、1.2〜3.0であることが好ましく、2.0〜3.0であることがより好ましい。炭素数3〜7のアシル基の置換度が1.2未満であると、例えば(メタ)アクリル樹脂との混合物としたときに、セルロースエステルと(メタ)アクリル樹脂を十分に相溶させにくく、得られるフィルムのヘイズが高いことがある。炭素数3〜7のアシル基の例には、プロピオニル基、ブチリル基などが含まれ、好ましくはプロピオニル基である。
アシル基の置換度は、ASTM−D817−96に規定の方法で測定することができる。
セルロースエステルの例には、セルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートベンゾエート、セルロースプロピオネート、セルロースブチレートなどが含まれ、好ましくはセルロースアセテートプロピオネート、セルロースプロピオネートである。
セルロースエステルの重量平均分子量Mwは、(メタ)アクリル樹脂との相溶性を高める観点から、7.5×10以上であることが好ましく、7.5×10〜3.0×10の範囲であることがより好ましく、1.0×10〜2.4×10の範囲であることがさらに好ましく、1.6×10〜2.4×10の範囲であることが特に好ましい。重量平均分子量Mwが7.5×10未満であると、得られるフィルムの可とう性が低く、耐熱性が十分でないことがある。一方、重量平均分子量Mwが2.4×10超であると、(メタ)アクリル樹脂との相溶性が低く、得られるフィルムのヘイズが高くなりやすい。
熱可塑性樹脂が、(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとの混合物である場合、(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルとの含有比率(質量比)は、(メタ)アクリル樹脂:セルロースエステル=95:5〜30:70であることが好ましく、90:10〜50:50であることがより好ましく、90:10〜60:40であることがさらに好ましい。
(メタ)アクリル樹脂の含有割合が、(メタ)アクリル樹脂とセルロースエステルの合計に対して95質量%超であると、セルロースエステルによる効果が十分に得られず、30質量%未満であると、得られるフィルムの耐熱湿性が十分であることがある。
シクロオレフィン樹脂
シクロオレフィン樹脂は、シクロオレフィンの単独重合体またはシクロオレフィンとそれと共重合可能なモノマーとの共重合体、あるいはそれらの水添物でありうる。シクロオレフィンの共重合体における、シクロオレフィン由来の構成単位の含有割合は、好ましくは50モル%以下であり、より好ましくは15〜50モル%である。シクロオレフィンの共重合体に含まれる共重合モノマーは、一種類であっても二種類以上であってもよい。
シクロオレフィンの例には、ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、エチルテトラシクロドデセン、エチリデンテトラシクロドデセンなどの多環構造の不飽和炭化水素;シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテン、シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンなどの単環構造の不飽和炭化水素などが含まれ、好ましくはノルボルネンである。シクロオレフィンは、置換基(極性基)をさらに有していてもよい。
シクロオレフィンが有する置換基(極性基)の例には、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物基などが含まれ、好ましくはエステル基、カルボキシル基またはカルボン酸無水物基である。
共重合体における共重合モノマーの例には、エチレンまたはプロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどの炭素数3〜20のα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエンなどのジエンなどが含まれる。
シクロオレフィン樹脂の例には、特開2010−78700号に記載のシクロオレフィン樹脂が含まれる。シクロオレフィン樹脂の市販品の例には、ゼオノア(ZEONOR)(日本ゼオン(株)製)、ゼオネックス(ZEONEX)(日本ゼオン(株)製)、APEL(三井化学(株)製)などが好ましく用いられる。
偏光板保護フィルム12Aまたは12Bは、必要に応じて酸化防止剤、熱劣化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤、微粒子(マット剤)などの添加剤をさらに含有していてもよい。
酸化防止剤
後述する溶融押出法によるフィルムの製造工程では、高温下で樹脂組成物を溶融混練するため、樹脂組成物に含まれる樹脂などが熱や酸素によって分解されやすい。そのような、樹脂などの熱や酸素による分解を抑制するために、偏光板保護フィルム12Aまたは12Bは、安定化剤として酸化防止剤をさらに含んでいてもよい。
酸化防止剤の例には、イオウ系化合物、フェノール系化合物、ヒンダードアミン系化合物、リン系化合物、不飽和二重結合を含有する化合物などが含まれる。
イオウ系化合物の例には、住友化学社製Sumilizer TPL−R、Sumilizer TP−Dなどが含まれる。
フェノール系化合物の例には、2,6−ジアルキルフェノールの構造を有する化合物(例えば2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾールなど)が含まれる。フェノール系化合物の市販品の例には、BASFジャパン株式会社製Irganox1076、Irganox1010などが含まれる。
リン系化合物の例には、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジホスファイト等が含まれる。リン系化合物の市販品の例には、住友化学株式会社製SumilizerGP、株式会社ADEKA製ADK STAB PEP−24G、ADK STAB PEP−36およびADK STAB 3010、BASFジャパン株式会社製IRGAFOS P−EPQ、堺化学工業株式会社製GSY−P101などが含まれる。
ヒンダードアミン系化合物の例には、BASFジャパン株式会社製Tinuvin144およびTinuvin770、株式会社ADEKA製ADK STAB LA−52などが含まれる。
不飽和二重結合を含有する化合物の例には、住友化学株式会社製Sumilizer GM、およびSumilizer GSなどが含まれる。
酸化防止剤は、一種類のみであっても二種類以上の混合物であってもよいが、好ましくは二種類以上の混合物であることが好ましい。例えば、リン系化合物、フェノール系化合物および不飽和二重結合を含有する化合物を併用することが好ましい。
酸化防止剤の含有量は、前述の熱可塑性樹脂の合計に対して0.05〜5質量%であることが好ましく、0.05〜2質量%であることがより好ましい。
紫外線吸収剤
紫外線吸収剤は、波長400nm以下の紫外線を吸収する化合物であり、好ましくは波長370nmでの透過率が10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である化合物である。
紫外線吸収剤の光線透過率は、紫外線吸収剤を溶媒(例えばジクロロメタン、トルエンなど)に溶解した溶液を、常法により、分光光度計により測定することができる。分光光度計は、例えば、島津製作所社製の分光光度計UVIDFC−610、日立製作所社製の330型自記分光光度計、U−3210型自記分光光度計、U−3410型自記分光光度計、U−4000型自記分光光度計等を用いることができる。
紫外線吸収剤は、オキシベンゾフェノン系化合物、ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンゾフェノン系化合物、シアノアクリレート系化合物、トリアジン系化合物、ニッケル錯塩系化合物、無機粉体および高分子紫外線吸収剤などであってよく、得られるフィルムの透明性を損なわないためには、好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤およびベンゾフェノン系紫外線吸収剤であり、さらに好ましくはベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤がより好ましい。紫外線吸収剤は、一種類であってもよいし、二種以上の混合物であってもよい。
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の例には、5-クロロ-2-(3,5-ジ-sec-ブチル-2-ヒドロキシルフェニル)-2H-ベンゾトリアゾール、(2-2H-ベンゾトリアゾール-2-イル)-6-(直鎖および側鎖ドデシル)-4-メチルフェノールなどが含まれる。ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤の市販品の例には、チヌビン109、チヌビン171、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328(BASFジャパン株式会社製)などのチヌビン類が含まれる。ベンゾフェノン系紫外線吸収剤の例には、2-ヒドロキシ-4-ベンジルオキシベンゾフェノン、2,4-ベンジルオキシベンゾフェノンなどが含まれる。
紫外線吸収剤の含有量は、紫外線吸収剤の種類にもよるが、フィルム全体に対して0.5〜4質量%であることが好ましく、0.6〜3.5質量%であることがより好ましい。
微粒子(マット剤)
偏光板保護フィルム12Aまたは12Bは、得られる熱可塑性樹脂フィルムの表面の滑り性を高めるためなどから、微粒子(マット剤)をさらに含有してもよい。
微粒子は、無機微粒子であっても有機微粒子であってもよい。無機微粒子の例には、二酸化珪素(シリカ)、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウムおよびリン酸カルシウムなどが含まれる。なかでも、二酸化珪素や酸化ジルコニウムが好ましく、得られるフィルムのヘイズの増大を少なくするためには、より好ましくは二酸化珪素である。
二酸化珪素の微粒子の例には、アエロジルR972、R972V、R974、R812、200、200V、300、R202、OX50、TT600、NAX50(以上日本アエロジル(株)製)、シーホスターKE−P10、KE−P30、KE−P50、KE−P100(以上日本触媒(株)製)などが含まれる。なかでも、アエロジルR972V、NAX50、シーホスターKE−P30などが、得られるフィルムの濁度を低く保ちつつ、摩擦係数を低減させうるため好ましい。
微粒子は、分散性を高め、得られるフィルムのヘイズの増大を少なくするためには、表面処理されていることが好ましい。表面処理剤の例には、ハロシラン類、アルコキシシラン類、シラザン、シロキサンなどが含まれる。
微粒子の一次粒子径は、5〜50nmであることが好ましく、7〜20nmであることがより好ましい。一次粒子径が大きいほうが、得られるフィルムの滑り性を高める効果は大きいが、透明性が低下しやすい。そのため、微粒子は、粒子径0.05〜0.3μmの二次凝集体として含有されていてもよい。微粒子の一次粒子またはその二次凝集体の大きさは、透過型電子顕微鏡にて倍率50万〜200万倍で一次粒子または二次凝集体を観察し、一次粒子または二次凝集体100個の粒子径の平均値として求めることができる。
微粒子の含有量は、前述の熱可塑性樹脂の合計に対して0.05〜1.0質量%であることが好ましく、0.1〜0.8質量%であることがより好ましい。
偏光板保護フィルム12Aまたは12Bの厚みは、10〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、20〜80μmであることがさらに好ましい。フィルムの厚みが小さすぎると、所望のレターデーションが得られにくい。一方、フィルムの厚みが大きすぎると、湿度などの影響によるレターデーションの変動が大きくなりやすい。
偏光板保護フィルム12Aまたは12BのレターデーションR0およびRthは、求められる光学的機能に応じて設定される。例えば、IPS方式の液晶表示装置において、液晶セル側に配置される偏光板保護フィルム12Aまたは12B(後述の図3における偏光板保護フィルムF2またはF3)の、23℃55%RHの環境下での、測定波長589nmにおける面内方向のレターデーションR0は、好ましくは0nm〜5nmの範囲であり、より好ましくは0nm〜3nmの範囲であり、さらに好ましくは0〜2nmの範囲である。厚み方向のレターデーションRthも、R0と同様としうる。R0やRthは、例えば偏光板保護フィルム12Aまたは12Bの組成や延伸条件などによって調整されうる。
レターデーションR0およびRthは、それぞれ以下の式で表される。
式(I) R0=(nx−ny)×d
式(II) Rth={(nx+ny)/2−nz}×d
(nx:フィルム面内の屈折率が最大となる方向xの屈折率、ny:フィルム面内において、方向xと直交する方向の屈折率、nz:厚み方向におけるフィルムの屈折率、d:フィルムの厚み(nm))
レターデーションR0およびRthは、例えば以下の方法によって求めることができる。
1)フィルムの平均屈折率を屈折計により測定する。
2)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向からの波長589nmの光を入射させたときの面内方向のレターデーションR0を測定する。
3)王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、フィルム法線方向に対してθの角度(入射角(θ))から波長589nmの光を入射させたときのレターデーション値R(θ)を測定する。θは0°よりも大きく、好ましくは30°〜50°である。
4)測定されたR0およびR(θ)と、前述の平均屈折率と膜厚とから、王子計測機器社製KOBRA−21ADHにより、nx、nyおよびnzを算出し、Rthを算出する。レターデーションの測定は、23℃55%RH条件下で行うことができる。
後述する表示装置におけるEggムラを抑制するためには、偏光板保護フィルム12Aまたは12Bに、偏光子の膨脹または収縮する力(一定以上の引張応力)が加わっても、応力複屈折(nx−ny)を0近傍に維持できることが好ましい。そのためには、偏光板保護フィルム12Aまたは12Bの光弾性係数cをできるだけ小さくすることが好ましい。
具体的には、23℃55RH%下で測定される偏光板保護フィルム12Aまたは12Bの光弾性係数cが、−10.0×10−12〜10.0×10−12/Nであることが好ましく、−3.0×10−12〜3.0×10−12/Nであることがより好ましい。偏光板保護フィルム12Aまたは12Bの光弾性係数cは、光弾性係数cが負である(メタ)アクリル樹脂と、光弾性係数cが正であるセルロースエステルとの混合比や、セルロースエステルにおける炭素数3〜7のアシル基置換度などによって調整することができる。
偏光板保護フィルムの光弾性係数cの測定は、以下の手順で行うことができる。
1)偏光板保護フィルムを、23℃55%RHの環境下で、24時間保存する。その後、23℃55%RHの環境下で、フィルムの最大延伸方向(延伸倍率が最大となる方向)に引張り荷重を加えた状態で、フィルムの、波長589nmにおける面内レターデーションR0を、KOBURA31PR(王子計測機器社製)により測定する。
2)偏光板保護フィルムに加える引張り荷重を段階的に大きくしながら、各引張り荷重での、フィルムの面内レターデーションR0を測定する。
3)各引張り荷重での面内レターデーションR0をフィルム厚みdで割って、Δn(=nx−ny)を算出する。
4)横軸を、引張り荷重とし;縦軸を、Δn(=nx−ny)とし、引張り荷重−Δn曲線を得る。得られる曲線を直線に近似したときの、直線の傾きを光弾性係数とする。
偏光板保護フィルム12Aまたは12Bは、フィルム面内の屈折率が最大となる方向の、幅方向(TD方向)とのなす角θ1は、好ましくは−5°以上+5°以下、より好ましくは−1°以上+1°以下としうる。
なす角θ1は、自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器)により測定することができる。
偏光板保護フィルム12Aまたは12Bは、好ましくは溶液流延法または溶融流延法で製造されうる。
溶液流延法
偏光板保護フィルムを溶液流延法で製造する方法は、1)少なくとも前述のセルロースエステルなどを溶剤に溶解させてドープを調製する工程、2)ドープを無端の金属支持体上に流延する工程、3)流延したドープから溶媒を蒸発させてウェブとする工程、4)ウェブを金属支持体から剥離する工程、5)ウェブを乾燥後、延伸してフィルムを得る工程、を含む。
1)ドープ調製工程
溶解釜において、熱可塑性樹脂と、必要に応じて添加剤とを溶剤に溶解させてドープを調製する。ドープの調製に用いられる溶剤は、セルロースエステルなどの熱可塑性樹脂を溶解するものであれば、特に制限されない。そのような溶剤の例には、塩化メチレンなどの塩素系有機溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸アミル、アセトン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、ギ酸エチル、2,2,2−トリフルオロエタノール、2,2,3,3−ヘキサフルオロ−1−プロパノール、1,3−ジフルオロ−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−メチル−2−プロパノール、1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロ−2−プロパノール、2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1−プロパノール、ニトロエタン、乳酸エチル、乳酸、ジアセトンアルコールなどの非塩素系有機溶媒などが含まれ、好ましくは塩化メチレン、酢酸メチル、酢酸エチル、アセトン、乳酸エチルである。
ドープの調製に用いられる溶剤は、前述した以外の他の溶剤をさらに含有してもよい。そのような他の溶剤の例には、炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖状の脂肪族アルコールが含まれる。炭素原子数1〜4の直鎖または分岐鎖状の脂肪族アルコールの例には、メタノール、エタノール、n−プロパノール、iso−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノールなどが含まれ、沸点が比較的低く、乾燥しやすいことなどから、好ましくはエタノールである。
他の溶剤の含有量は、溶剤全体に対して1〜40質量%としうる。他の溶剤の含有割合を高めにすると、得られるウェブがゲル化しやすいため、金属支持体から剥離しやすい。一方、ドープ中の他の溶剤の含有割合を低めにすると、溶剤が非塩素系有機溶媒である場合に、熱可塑性樹脂を溶解させやすい。
溶剤として、メチレンクロライドと、炭素数1〜4の直鎖または分岐鎖状の脂肪族アルコールとを含有するドープ中の熱可塑性樹脂の含有量は、10〜45質量%であることが好ましい。
熱可塑性樹脂の溶解は、常圧で行う方法、主溶媒の沸点以下で行う方法、主溶媒の沸点以上かつ加圧下で行う方法などであってよく、特に主溶媒の沸点以上かつ加圧下で行う方法が好ましい。
2)流延工程
ドープを、送液ポンプ(例えば、加圧型定量ギヤポンプ)を通して加圧ダイに送液し、無端状の金属支持体(例えばステンレスベルト、あるいは回転する金属ドラム等)上に、加圧ダイのスリットから流延させる。
ダイは、口金部分のスリット形状を調整でき、膜厚を均一に調整しやすい加圧ダイが好ましい。加圧ダイの例には、コートハンガーダイ、T−ダイなどが含まれる。金属ベルトの表面は、鏡面加工されていることが好ましい。
3)溶媒蒸発工程
流延したドープ膜を、金属支持体上で、残留溶媒量が一定以下となるまで乾燥させる。乾燥方法の例には、ドープ膜の表面に風を当てる方法、ドープ膜を赤外線ヒータや金属支持体の裏面から加熱する方法などが含まれる。
ドープ膜を乾燥させるときの雰囲気温度は、40〜100℃であることが好ましい。剥離時のドープ膜の残留溶媒量は、得られる偏光板保護フィルムの平面性を高めるためには、好ましくは50〜120質量%とし、より好ましくは70〜120質量%としうる。
4)剥離工程
金属支持体上で溶媒が蒸発したウェブを、剥離位置で剥離する。金属支持体上の剥離位置における温度は、好ましくは10〜40℃であり、さらに好ましくは11〜30℃である。
金属支持体上の剥離位置で剥離する際のウェブの残留溶媒量は、乾燥条件や金属支持体の長さなどにもよるが、50〜120質量%とすることが好ましい。残留溶媒量が多いウェブは、柔らか過ぎて平面性を損ないやすく、剥離張力によるツレや縦スジが発生し易い。そのようなツレや縦スジを抑制できるように、剥離位置でのウェブの残留溶媒量が設定されうる。
ウェブの残留溶媒量は、下記式で定義される。
残留溶媒量(%)=(ウェブの加熱処理前質量−ウェブの加熱処理後質量)/(ウェブの加熱処理後質量)×100
なお、残留溶媒量を測定する際の加熱処理とは、115℃で1時間の加熱処理を意味する。
金属支持体からウェブを剥離する際の剥離張力は、通常、196〜245N/mであるが、剥離の際に皺が入り易い場合には190N/m以下とすることが好ましく、166.6N/m以下とすることがより好ましく、137.2N/m以下とすることがより好ましく、100N/m以下とすることがさらに好ましい。
剥離位置におけるウェブの温度は、−50〜40℃であることが好ましく、10〜40℃であることがより好ましく、15〜30℃であることがさらに好ましい。
5)乾燥および延伸工程
金属支持体から剥離して得られたウェブを乾燥させた後、延伸する。ウェブの乾燥は、ウェブを、上下に配置した多数のロールにより搬送しながら乾燥させてもよいし、ウェブの両端部をクリップで固定して搬送しながら乾燥させてもよい。
ウェブの乾燥方法は、熱風、赤外線、加熱ロールおよびマイクロ波等で乾燥する方法であってよく、簡便であることから熱風で乾燥する方法が好ましい。ウェブの乾燥温度は、40〜250℃、好ましくは40〜160℃である。高温での乾燥は、ウェブの残留溶媒量が8質量%以下で行うことが好ましい。
ウェブの延伸により、所望のレターデーションを有する偏光板保護フィルムを得る。偏光板保護フィルムのレターデーションは、ウェブに掛かる張力の大きさを、少なくともウェブの幅方向に調整することによって制御することができる。
ウェブの延伸は、幅方向(TD方向)、ドープの流延方向(MD方向)、または斜め方向の延伸であり、少なくとも幅方向(TD方向)に延伸することが好ましい。ウェブの延伸は、一軸延伸であっても、二軸延伸であってもよい。二軸延伸は、好ましくはドープの流延方向(MD方向)と幅方向(TD方向)への延伸である。二軸延伸は、逐次二軸延伸であっても同時二軸延伸であってもよい。
逐次二軸延伸には、延伸方向の異なる延伸を順次行う方法や、同一方向の延伸を多段階に分けて行う方法などが含まれる。逐次二軸延伸の例には、以下のような延伸ステップが含まれる。
流延方向(MD方向)に延伸−幅方向(TD方向)に延伸−流延方向(MD方向)に延伸−流延方向(MD方向)に延伸
幅方向(TD方向)に延伸−幅方向に延伸(TD方向)−流延方向(MD方向)に延伸−流延方向(MD方向)に延伸
同時二軸延伸には、一方向に延伸し、もう一方の方向の張力を緩和して収縮させる態様も含まれる。
延伸倍率は、得られる偏光板保護フィルムの膜厚や、求められるレターデーション値にもよるが、各方向に1.01〜1.5倍程度としうる。
ウェブの延伸方法は、特に制限されず、複数のロールに周速差をつけ、その間でロール周速差を利用してウェブの搬送方向に延伸する方法(ロール延伸法)、ウェブの両端をクリップやピンで固定し、クリップやピンの間隔をウェブの搬送方向に向かって広げて搬送方向に延伸したり、幅方向に広げて幅方向に延伸したり、幅方向と搬送方向とに同時に延伸する方法など(テンター延伸法)などが挙げられる。これらの延伸方法は、組み合わされてもよい。
テンター延伸開始時のウェブの残留溶媒量は、20〜100質量%であることが好ましい。また、テンター延伸後のウェブの残留溶媒量は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
ウェブの延伸温度は、30〜160℃であることが好ましく、50〜150℃であることがより好ましく、70〜140℃であることがさらに好ましい。
得られる偏光板保護フィルムの残留溶媒量は、好ましくは2質量%以下であり、寸法安定性を高めるためには、より好ましくは0.4質量%以下であり、さらに好ましくは0.10質量%以下である。
溶融流延法
偏光板保護フィルムを溶融流延法で製造する方法は、1)溶融ペレットを製造する工程)、2)溶融ペレットを溶融混練した後、押し出す工程、3)溶融樹脂を冷却固化してウェブを得る工程、4)ウェブを延伸する工程、を含む。
1)ペレット化工程
偏光板保護フィルムを構成する熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物は、あらかじめ混練してペレット化しておくことが好ましい。ペレット化は、公知の方法で行うことができ、例えば前述の熱可塑性樹脂と、必要に応じて可塑剤などの添加剤とを含む樹脂組成物を、押出し機にて溶融混錬した後、ダイからストランド状に押し出す。ストランド状に押し出された溶融樹脂を、水冷または空冷した後、カッティングしてペレットを得ることができる。
ペレットの原材料は、分解を防止するために、押出し機に供給する前に乾燥しておくことが好ましい。例えば、熱可塑性樹脂としてのセルロースエステルは吸湿しやすいため、70〜140℃で3時間以上乾燥させて、水分率を200ppm以下、好ましくは100ppm以下にしておくことが好ましい。
押出し機では、樹脂の劣化(分子量の低下、着色およびゲルの生成など)が生じないように、低いせん断力または低い温度で混練することが好ましい。例えば、二軸押出し機で混練する場合、深溝タイプのスクリューを用いて、2つのスクリューの回転方向を同方向にすることが好ましい。
熱可塑性樹脂を含む樹脂組成物をペレット化せずに、溶融混練していない熱可塑性樹脂をそのまま原料として押出し機にて溶融混練して偏光板保護フィルムを製造してもよい。
2)溶融押出し工程
得られた溶融ペレットと、必要に応じて他の添加剤とを、ホッパーから押出し機に供給する。ペレットの供給は、ペレットの酸化分解を防止するためなどから、真空下、減圧下または不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。そして、押出し機にて、溶融ペレットと、必要に応じて他の添加剤と(フィルム材料)を溶融混練する。
押出し機内のフィルム材料の溶融温度は、フィルム材料の種類にもよるが、フィルムのガラス転移温度をTg℃としたときに、好ましくはTg℃〜(Tg+100)℃の範囲であり、より好ましくは(Tg+10)℃〜(Tg+90)℃の範囲である。押出し機でのフィルム材料の滞留時間は、5分以下とすることが好ましい。滞留時間は、スクリューの回転数や溝の深さ、シリンダの内径(D)に対するシリンダの長さ(L)の比であるL/Dなどによって調整することができる。
押出し機から押し出された溶融樹脂を、必要に応じてリーフディスクフィルタなどでろ過した後、スタチックミキサなどでさらに混合して、ダイからフィルム状に押し出す。ダイの出口部分における樹脂の溶融温度Tmは200〜300℃程度としうる。
ダイの内壁面に、傷や可塑剤の凝結物などの異物が付着すると、押し出される溶融樹脂の表面にスジ状の欠陥(ダイライン)が生じることがある。ダイラインなどの表面欠陥を低減するためには、押出し機からダイの先端までの内壁面には、樹脂の滞留部が付着しにくい構造にすること;例えば押出し機からダイの先端までの内壁面には、傷などがないことが好ましい。
3)冷却固化工程
ダイから押し出された樹脂を、冷却ロールと弾性タッチロールとでニップして、フィルム状の溶融樹脂を所定の厚みにする。そして、フィルム状の溶融樹脂を、複数の冷却ロールで段階的に冷却して固化させる。
冷却ロールの表面温度Tr1は、得られるフィルムのガラス転移温度をTg(℃)としたとき、Tg(℃)以下としうる。複数の冷却ロールの表面温度は異なっていてもよい。弾性タッチロール側のフィルム表面温度Ttは、(Tr1−50)℃≦Tt≦(Tr1−5)℃としうる。
冷却ロールは、高剛性の金属ロールであり、内部に温度制御可能な媒体を流通できる構造を有する。冷却ロールの表面の材質は、ステンレス、アルミニウム、チタンなどでありうる。冷却ロールの表面には、樹脂を剥離しやすくしたりするためなどから、ハードクロムメッキなどの表面処理を施してもよい。冷却ロールの表面の粗さRaは、フィルムのヘイズを低く維持するために、0.1μm以下とすることが好ましく、0.05μm以下とすることがより好ましい。
弾性タッチロールは、特開平03−124425号、特開平08−224772号、特開平07−100960号などに記載のものが用いられる。
冷却ロールから固化したフィルム状の溶融樹脂を剥離ロールなどで剥離してウェブを得る。フィルム状の溶融樹脂を剥離する際は、得られるウェブの変形を防止するために、張力を調整することが好ましい。
4)延伸工程
得られたウェブを、延伸機にて延伸してフィルムを得る。延伸は、少なくとも一方向に延伸すればよく、ウェブの幅方向(TD方向)とウェブの搬送方向(MD方向)の両方に延伸することが好ましい。
ウェブの幅方向(TD方向)とウェブの搬送方向(MD方向)の両方に延伸する場合、ウェブの幅方向(TD方向)の延伸とウェブの搬送方向(MD方向)の延伸とは、逐次的に行ってもよいし、同時に行ってもよい。
延伸倍率は、各方向に1.01〜3.0倍程度としうる。ウェブの幅方向(TD方向)とウェブの搬送方向(MD方向)の両方に延伸する場合、各方向に最終的に1.01〜2.5倍とすることが好ましい。
延伸温度は、Tg〜(Tg+50)℃で行うことが好ましい。延伸温度は、ウェブの幅方向(TD方向)または搬送方向(MD方向)に均一であることが好ましい。
ウェブの延伸は、ロール延伸機やテンター延伸機などを用いることができる。ウェブの延伸は、ウェブの幅方向(TD方向)に行うことが好ましい。
偏光板保護フィルム12Aおよび12Bの一方は、前述のフィルム以外の透明保護フィルムであってもよい。透明保護フィルムの例には、市販のセルロースエステルフィルム(例えば、コニカミノルタタック KC6UY、KC8UX、KC4UX、KC5UX、KC8UY、KC4UY、KC12UR、KC8UCR−3、KC8UCR−4、KC8UCR−5、KC8UE、KC4UE、KC4FR−3、KC4FR−4、KC4HR−1、KC8UY−HA、KC8UX−RHA、以上コニカミノルタオプト(株)製)等が好ましく用いられる。
透明保護フィルムの厚みは、10〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましく、20〜80μmであることがさらに好ましい。
偏光子16について
偏光子は、一定方向の偏波面の光のみを通過させる素子である。偏光子の代表的な例は、ポリビニルアルコール系偏光フィルムであり、ポリビニルアルコール系フィルムにヨウ素を染色させたものと、二色性染料を染色させたものと、がある。
偏光子は、ポリビニルアルコール系フィルムを一軸延伸した後、ヨウ素または二色性染料で染色して得られるフィルムであってもよいし、ポリビニルアルコール系フィルムをヨウ素または二色性染料で染色した後、一軸延伸したフィルム(好ましくはさらにホウ素化合物で耐久性処理を施したフィルム)であってもよい。一軸延伸における延伸倍率は、4〜8倍程度とすることができる。
ポリビニルアルコール系フィルムは、ポリビニルアルコール水溶液を製膜したものであってもよい。ポリビニルアルコール系フィルムは、偏光性能および耐久性能に優れ、色斑が少ないなどことから、エチレン変性ポリビニルアルコールフィルムが好ましい。エチレン変性ポリビニルアルコールフィルムの例には、特開2003−248123号、特開2003−342322号等に記載されたエチレン単位の含有量1〜4モル%、重合度2000〜4000、けん化度99.0〜99.99モル%のフィルムが含まれる。
二色性色素の例には、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素およびアントラキノン系色素などが含まれる。
偏光子の厚さは、5〜30μmであることが好ましく、10〜25μmであることがより好ましい。
接着剤について
偏光子16と偏光板保護フィルム12Aまたは12Bとの貼り合わせに用いられる接着剤は、特に制限されないが、完全鹸化型ポリビニルアルコール水溶液;ウレタン系粘着剤、エポキシ系粘着剤、水性高分子−イソシアネート系粘着剤、熱硬化型アクリル粘着剤などの硬化型粘着剤が含まれる。
2.偏光板
前述の製造方法で得られる偏光板20は、偏光子16と、それを挟持する一対の偏光板保護フィルム12Aおよび12Bとを有する。そして、偏光板20は、偏光板保護フィルム12A側の面が凸(偏光板保護フィルム12B側の面が凹)となるように反っていることを特徴とする。
図2は、本発明の製造方法で得られる偏光板の反り状態を示す模式図である。図2に示されるように、偏光板20は、偏光板保護フィルム12A側の面が凸(偏光板保護フィルム12B側の面が凹)となるように反っている。具体的には、偏光子の吸収軸と平行方向の切断面において、偏光板保護フィルム12A側の面が凸(偏光板保護フィルム12B側の面が凹)となるように反っている。
偏光板20の反り量は、表示装置のEggムラを抑制するためには、バックライトを一定時間点灯させた後に液晶セルを平坦にすることができる程度に設定されることが好ましい。具体的には、偏光板20を、23℃55%RH下に30分以上曝したときの、偏光板20の反り量は、3〜60mmの範囲であることが好ましく、3〜30mmの範囲であることがより好ましい。偏光板20の反り量が3mm未満であると、それを含む表示装置における、液晶セルの反りを十分には抑制しきれず、Eggムラを十分には抑制できないことがある。一方、偏光板20の反り量が60mm超であると、液晶セルの反りをなくすために必要な量を超えたり、偏光板20を液晶セルに貼り付けにくくなったりする。
偏光板20の反り量は、以下の手順で測定することができる。
1)30cm×30cmの大きさの偏光板を準備する。この偏光板を、23℃55RH%下で30分間曝す。
2)前述の雰囲気に曝された偏光板を、偏光板の凸側の面が下(基準面)に向くようにステージ面22に配置する(図2参照)。偏光板の4つ角(A1、B1、C1およびD1)の、ステージ面22の対応する位置(A、B、CおよびD)からの高さHをそれぞれ測定し、それらの値の平均値を反り量とする。
偏光板20の反り量は、前述の偏光板の製造方法において、ロール14Aとロール14Bの周速度の比によって調整することができる。例えば、偏光板20の反り量を大きくするには、ロール14Bに対するロール14Aの周速度の比を大きくすればよい。
偏光板20を、その反り方向が液晶セルの反り方向と逆になるように配置し、かつ偏光板20の反り量を所定の範囲とすることで、表示装置において、バックライトを一定時間点灯させた後の液晶セルに反りを生じさせることなく、平坦にすることができる。それにより、Eggムラの発生を抑制しうる。
さらに、偏光子の収縮する力が偏光板保護フィルムに加わることにより生じる、偏光板保護フィルムの複屈折を抑制するためには、偏光子16の吸収軸に対して+45°の方向と−45°の方向の両方に50MPaの引張応力が印加されたときの、以下の条件で測定される偏光板の光漏れ量が0.005以下であることが好ましく、0.003以下であることがより好ましい。
1)光源と、本発明の製造方法で得られた偏光板20と、当該偏光板20に対してクロスニコルとなるように配置された他の偏光板と、ディテクターとをこの順に配置する。偏光板20は、偏光板保護フィルム12B側が光源側となるように配置する。偏光板20の吸収軸と、他の偏光板の吸収軸とが直交するように配置する。ディテクターの感度は、偏光板20の吸収軸と他の偏光板の吸収軸とが直交している状態を0、平行である状態を100となるように調整する。
2)23℃55RH%の条件において、本発明の製造方法で得られた偏光板20に、当該偏光子の吸収軸に対して+45°の方向と−45°の方向の両方に50MPaの引張応力を印加したときに、ディテクターから検出される光漏れ量を測定する。
偏光子の収縮する力は、表示装置において、バックライトを一定時間以上点灯させた際に生じやすい。偏光板保護フィルムに加わる、偏光子の収縮する力は、偏光子の吸収軸に対して+45°方向の引張応力と−45°方向の引張応力の合計として模擬されうる。
偏光板の光漏れ量を一定以下とするためには、例えば液晶表示装置の液晶セル側に配置される偏光板保護フィルム(偏光板保護フィルム12Aまたは12B);好ましくは第二の偏光板における偏光板保護フィルム12Aの光弾性係数cを小さくすればよい。それにより、Eggムラを目立ちにくくすることができる。
本発明の偏光板20は、後述するように、液晶表示装置において、少なくとも液晶セルのバックライト側の偏光板(後述する第二の偏光板)に用いられることが好ましく;液晶セルのバックライト側の偏光板(後述する第二の偏光板)と視認側の偏光板(後述する第一の偏光板)の両方に用いられてもよい。
バックライト側の偏光板(後述する第二の偏光板)として用いられる偏光板20は、偏光板保護フィルム12Aが液晶セル側となるように配置される。その場合、偏光板20は、偏光板保護フィルム12Aの偏光子側とは反対側の面に、液晶セルに貼り付けるための粘着剤層をさらに有することが好ましい。同様に、視認側の偏光板(後述する第一の偏光板)として用いられる偏光板20は、偏光板保護フィルム12Bが液晶セル側となるように配置される。その場合、偏光板20は、偏光板保護フィルム12Bの偏光子側とは反対側の面に、液晶セルに貼り付けるための粘着剤層をさらに有することが好ましい。
粘着剤層は、特に制限されないが、アクリル系ポリマーを含む粘着剤組成物で構成されうる。粘着剤層は、さらに保護フィルムで覆われていてもよい。保護フィルムは、樹脂フィルムであればよく、好ましくは離型処理された樹脂フィルム(例えばポリエチレンテレフタレートフィルム)などでありうる。
粘着剤層とそれを保護する保護フィルムは、偏光板20の偏光板保護フィルム12Aまたは12Bの、偏光子側とは反対側の面に配置されうる。粘着剤層とそれを保護する保護フィルムは、偏光板保護フィルム12Aまたは12Bと、偏光子とを貼り合わせた後に形成してもよいし;偏光板保護フィルム12Aまたは12Bと、偏光子とを貼り合わせる前の偏光板保護フィルム12Aまたは偏光板保護フィルム12Bに予め形成しておいてもよい。
3.液晶表示装置
本発明の液晶表示装置は、液晶セルと、それを挟持する一対の偏光板とを有する。そして、一対の偏光板のうち少なくとも一方を、前述の製造方法で得られる偏光板とする。
図3は、本発明に係る液晶表示装置の一実施形態の基本構成を示す模式図である。図3に示されるように、液晶表示装置30は、液晶セル40と、それを挟持する第一の偏光板50および第二の偏光板60と、バックライト70と、を有する。
液晶セル40の表示方式は、特に制限されず、TN(Twisted Nematic)方式、STN(Super Twisted Nematic)方式、IPS(In−Plane Switching)方式(FFS方式も含む)、OCB(Optically Compensated Birefringence)方式、VA(Vertical Alignment)方式(MVA;Multi−domain Vertical AlignmentやPVA;Patterned Vertical Alignmentも含む)、HAN(Hybrid Aligned Nematic)方式等がある。なかでも、視野角が比較的広いなどの観点からは、IPS方式などが好ましい。
IPS方式の液晶セル40は、通常、一対の透明基板と、それらの間に配置される液晶層とを含む。
一対の透明基板のうち一方の透明基板には、液晶に電圧を印加するための画素電極と対向電極が配置されている。液晶層は、正の誘電率異方性(Δε>0)または負の誘電率異方性(Δε>0)を有する液晶分子を含む。液晶分子は、電圧無印加時には基板面に対して水平に配向している。
このように構成された液晶セルでは、一方の基板に設けられた画素電極と対向電極との間に、基板面に対して水平方向の電界を生じさせる。それにより、基板面に対して水平配向している液晶分子を、基板面と水平な面内で回転させる。それにより、液晶分子を駆動し、各副画素の透過率および反射率を変化させて画像表示を行う。
第一の偏光板50および第二の偏光板60について
第一の偏光板50は、液晶セル40の視認側に(粘着剤を介して)配置され、第一の偏光子52と、それを挟持する偏光板保護フィルム54A(F1)および54B(F2)とを有する。一方、第二の偏光板60は、液晶セル40のバックライト70側に(粘着剤を介して)配置され、第二の偏光子62と、それを挟持する偏光板保護フィルム64A(F3)および64B(F4)とを有する。偏光板保護フィルム54A(F1)、54B(F2)、64A(F3)および64B(F4)は、視認側からこの順に配置されている。
液晶表示装置30において、バックライト70を一定時間点灯させると、バックライト70の発熱などにより、偏光子(特に第二の偏光子62)が収縮しやすい。第二の偏光子62の収縮する力は、バックライトが特にLEDバックライトである場合に、バックライトの熱が偏光子に伝わりやすいため、生じやすい。
第二の偏光子62の収縮する力は、液晶セル40に加わって液晶セル40に反りを生じ、Eggムラを発生させる。さらに、第二の偏光子62の収縮する力は、偏光板保護フィルム54Bや64Aに加わって複屈折を生じさせ、Eggムラを目立ちやすくする。
Eggムラは、特にIPS方式の液晶表示装置において目立ちやすい。即ち、IPS方式の液晶表示装置における偏光板保護フィルム54B(F2)や64A(F3)は、通常、面内方向のレターデーションR0がゼロ近傍に設定される。面内方向のレターデーションR0がゼロ付近である偏光板保護フィルム54B(F2)や64A(F3)に複屈折が少しでも生じると、ムラが目立ちやすい。
1)の偏光板保護フィルム54Bや64Aに生じる複屈折を低減するためには、偏光板保護フィルム54B(F2)や64A(F3)の光弾性係数を一定以下とすることが好ましい。
2)の液晶セルの反りは、通常、バックライト70側に凸となるように生じる。また、液晶セル40の反りは、表示画面が大きい;具体的には、30インチ(型)以上、好ましくは37インチ(型)以上である場合に一層生じやすい。そこで、2)の液晶セルの反りを少なくするためには、好ましくは第二の偏光板60;より好ましくは第一の偏光板50と第二の偏光板60の両方を、前述の製造方法で得られた偏光板とすることが好ましい。そして、バックライト70を一定時間以上点灯させた後に液晶セル30の反りが生じないように、第一の偏光板50と第二の偏光板60の少なくとも一方を、それらの偏光板の反り方向と液晶セルの反り方向とが逆になるように配置する。
例えば、前述の製造方法で得られた第二の偏光板60は、第二の偏光子62の液晶セル40側の面に、偏光板保護フィルム64A(偏光板保護フィルムA)が位置し;第二の偏光子62のバックライト70側の面に、偏光板保護フィルム64B(偏光板保護フィルムB)が位置するように配置される。つまり、第二の偏光板60は、偏光板保護フィルム64A(F3)側の面が凸となるように配置される。そして、第二の偏光板60の反り量は、前述と同様に、3〜60mmの範囲であることが好ましい。
前述の製造方法で得られた第一の偏光板50も、前述と同様に、第一の偏光子52の視認側の面に、偏光板保護フィルム54A(偏光板保護フィルムA)が位置し;第一の偏光子52の液晶セル側の面に、偏光板保護フィルム54B(偏光板保護フィルムB)が位置するように、配置される。つまり、第一の偏光板50は、偏光板保護フィルム54A(F1)側の面が凸となるように配置される。そして、第一の偏光板50の反り量は、前述と同様に、3〜60mmの範囲であることが好ましい。
前述の製造方法で得られる第一の偏光板50または第二の偏光板60は、23℃55RH%下では反っている。そのため、第一の偏光板50または第二の偏光板60を、それらの偏光板の反り方向が、(特に50℃80%RH下で)バックライトを一定時間点灯させた後に液晶セル40が反る方向と逆方向となるように配置することで、液晶セル40を平坦にすることができる。
このように、バックライトを一定時間点灯させたときの、液晶セル40の反りをなくすことができる。それにより、Eggムラの発生を抑制できる。また、バックライトを一定時間点灯させたときの、偏光板保護フィルム54Bや64Aに生じる複屈折を低減することができる。それにより、Eggムラが目立たせなくすることができる。
以下において、実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。これらの実施例によって、本発明の範囲は限定して解釈されない。
1.樹脂の準備
1)(メタ)アクリル樹脂
A1:PMMA(ポリメチルメタクリレート)
A2:MMA(メチルメタクリレート)/ACMO(アクリロイルモルホリン)共重合体(MMA/ACMO=85/15)
A3:MMA/ラクトン環共重合体(MMA/ラクトン環=80/20)
2)セルロースエステル
CE:セルロースアセテートプロピオネート(アセチル基置換度0.20、プロピオニル基置換度2.55、アシル基総置換度2.75、Mw=20万)
3)環状オレフィン樹脂
CO:ノルボルネン樹脂(JSR(株)社製アートンR5000)
2.偏光板保護フィルムの作製
(製造例1)
溶液製膜法(キャスト法)による偏光板保護フィルムの作製
下記成分を加熱しながら十分に溶解して、ドープ液を得た。
〔ドープ液の組成〕
(メタ)アクリル樹脂A1(PMMA):70質量部
セルロースエステルCE:30質量部
メチレンクロライド:300質量部
エタノール:40質量部
得られたドープ液を、無端ベルト流延装置のステンレスベルト支持体上に、温度22℃、幅2000mmで均一に流延させた。ステンレスベルト支持体で、ドープ膜の残留溶媒量が100%になるまで溶媒を蒸発させた後、温度35℃、剥離張力162N/mで、ステンレスベルト支持体からドープ膜を剥離した。剥離して得られたウェブを1.5m幅にスリットした。
得られたウェブを、テンターを用いて、140℃で幅方向に1.05倍に延伸した。延伸開始時のウェブの残留溶媒量は10質量%であった。テンターで延伸後のウェブを130℃で5分間緩和させた後、多数のロールで搬送させながら、120℃で乾燥させた。その後、得られたフィルムの両端部を裁ち落として、厚さ40μmの偏光板保護フィルム1を得た。
(製造例2〜4)
ドープに含まれる樹脂の組成を、表1に示されるように変更した以外は製造例1と同様にして偏光板保護フィルム2〜4を得た。
(製造例5)
溶融製膜法(メルト法)による偏光板保護フィルムの作製
(メタ)アクリル樹脂A2(MMA/ACMO共重合体)とセルロースエステルCEとを、除湿熱風乾燥機にて90℃で6時間以上乾燥させて、水分率を80ppm以下とした。乾燥させたこれらの樹脂と、下記添加剤とをホッパーで混合し、樹脂組成物とした。
(樹脂組成物の組成)
(メタ)アクリル樹脂A2(MMA/ACMO共重合体):70質量部
セルロースエステルCE:30質量部
GSY−P101(堺化学工業(株)製):0.25質量部
Irganox1010(BASFジャパン(株)製):0.5質量部
SumilizerGS(住友化学(株)製):0.24質量部
R972V(アエロジル社製):0.15質量部
得られた樹脂組成物を、二軸押し出し機に投入して溶融混練した。ダイスの直前に設けられた目開き100μmの金属メッシュ(フィルタ部)にて、溶融樹脂をろ過した後、240℃で、ダイスの円形の口径からストランド状に押し出した。押し出された溶融樹脂を水冷した後、ストランドカッターで長径5mm、断面直径が2.5mmの円筒形にカットし、ペレットを得た。
得られたペレットを、減圧下、90℃、6時間乾燥させた後、単軸押し出し機に投入し、窒素雰囲気下、240℃で溶融混練した。その後、ダイから、表面温度が90℃である冷却ロール上に押し出した。そして、冷却ロール上に押し出された樹脂を、弾性タッチロールで押圧して成形した。
ダイのスリットのギャップは、フィルム幅方向の端部から30mm以内では0.7mm、それ以外の箇所では1mmとした。弾性タッチロールの表面温度は80℃とした。弾性タッチロールの冷却ロールに対する線圧は14.7N/cmとした。
ダイから押し出された樹脂を、複数の冷却ロールで冷却固化した後、剥離ロールで剥離して、厚さ80μm、幅1000mm、長さ1500mのウェブを得た。得られたウェブの両端部10cmをスリットし、ロール延伸装置にてウェブの搬送方向(MD方向)に、140℃で2.0倍に延伸した。
搬送方向(MD方向)に延伸後のフィルムは、両端部が収縮しているため、さらにフィルムの両端部を20cmスリットした。得られたフィルムの両端部を、テンター延伸機のクリップで把持して、予熱ゾーンで120℃に予熱した後、延伸ゾーンでフィルムの幅方向(TD方向)に140℃で2.0倍に延伸した。得られたフィルムを、幅方向に3%緩和させながら30℃まで冷却させた後、クリップを外して、フィルム両端部のクリップで把持されていた部分20cmを裁ち落として、膜厚40μmの偏光板保護フィルム5を得た。
(製造例6)
樹脂組成物に含まれる樹脂の組成を表1に示されるように変更した以外は製造例5と同様にして偏光板保護フィルム6を得た。
(製造例7)
ノルボルネン樹脂COを、除湿熱風乾燥機にて90℃で6時間以上乾燥させて、水分率を80ppm以下とした。乾燥させたノルボルネン樹脂COを、二軸押し出し機に投入して溶融混練した。得られた溶融樹脂を、ダイスの直前に設けられた目開き100μmの金属メッシュ(フィルタ部)にてろ過した後、240℃で、ダイスの円形の口径からストランド状に押し出した。押し出された溶融樹脂を水冷した後、ストランドカッターで長径5mm、断面直径が2.5mmの円筒形にカットし、ペレットを得た。
得られたペレットを、減圧下、90℃、6時間乾燥させた後、単軸押し出し機に投入し、窒素雰囲気下、240℃で溶融混練した。その後、ダイから、表面温度が90℃である冷却ロール上に押し出した。そして、冷却ロール上に押し出された樹脂を、弾性タッチロールで押圧して成形した。
ダイのスリットのギャップは、フィルム幅方向の端部から30mm以内では0.7mm、それ以外の箇所では1mmとした。弾性タッチロールの表面温度は80℃とした。弾性タッチロールの冷却ロールに対する線圧は14.7N/cmとした。
ダイから押し出された樹脂を、複数の冷却ロールで冷却固化した後、剥離ロールで剥離して、厚さ80μm、幅1000mm、長さ1500mのウェブを得た。得られたウェブの両端部10cmをスリットした。得られたウェブを搬送方向(MD方向)に160℃、200%で延伸した。延伸後に得られるフィルムは、両端部が収縮していたため、さらにフィルムの両端部を20cmスリットし、膜厚40μmの偏光板保護フィルム7を得た。
製造例1〜7で得られた偏光板保護フィルム1〜7の、面内レターデーションR0と、光弾性係数とを、以下の方法で測定した。
[面内レターデーションR0]
自動複屈折計KOBRA−21ADH(王子計測機器(株)製)を用いて、23℃、55%RHの環境下で24時間放置したフィルムの、同環境下、波長589nmにおけるフィルムのレターデーションR0(589)を測定した。
[光弾性係数]
1)得られた偏光板保護フィルムを、23℃55%RHの環境下で、24時間保存した。その後、23℃55%RHの環境下で、フィルムの最大延伸方向(延伸倍率が最大となる方向)に引張り荷重を加えた状態で、フィルムの、波長589nmにおける面内レターデーションR0を、KOBURA31PR(王子計測機器社製)により測定した。
2)偏光板保護フィルムに加える引張り荷重を段階的に大きくしながら、各引張り荷重での、フィルムの面内レターデーションR0を測定した。
3)各引張り荷重での面内レターデーションR0をフィルム厚みdで割って、Δn(=nx−ny)を算出した。
4)横軸を、引張り荷重とし;縦軸を、Δn(=nx−ny)とし、引張り荷重−Δn曲線を得た。得られた曲線を直線に近似したときの、直線の傾きを光弾性係数とした。
製造例1〜7で得られた偏光板保護フィルム1〜7の物性を表1に示す。
Figure 0005861502
2.偏光板の製造
(実施例1−1)
偏光子の作製
厚さ120μmの長尺ロールポリビニルアルコールフィルムを沃素1質量部、ホウ酸4質量部を含む水溶液100質量部に浸漬し、50℃で、搬送方向の延伸倍率6倍に延伸して、厚み35μmの偏光子を得た。
偏光板の作製
以下に示されるように、得られた偏光板保護フィルムAとして偏光板保護フィルム1をアルカリケン化処理した後、水洗、中和および水洗した。
ケン化工程 2M−NaOH 50℃ 90秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
中和工程 10質量%HCl 30℃ 45秒
水洗工程 水 30℃ 45秒
その後、得られた偏光板保護フィルム1を80℃で乾燥させた。同様にして、コニカミノルタオプト社製KC6UY(トリアセチルセルロース;偏光板保護フィルムB)もアルカリケン化処理した。
次いで、前述の図1に示されるように、アルカリケン化処理した偏光板保護フィルム1(偏光板保護フィルム12A)の偏光子との貼り合わせ面と、アルカリケン化処理したKC6UY(偏光板保護フィルム12B)の偏光子との貼り合わせ面とに、それぞれ接着剤として完全ケン化型ポリビニルアルコール5%水溶液を塗布した。そして、偏光子の一方の面と偏光板保護フィルム1の偏光子との貼り合わせ面とが対向し;かつ偏光子の他方の面とKC6UYの偏光子との貼り合わせ面とが対向するように配置し、対向する一対のロール14Aとロール14Bでこれらを挟みながら貼り合わせて、積層物を得た。貼り合わせは、23℃55%RH下で行った。また、ロール14Aとロール14Bによるニップ圧を0.1MPaとした。
ロール14Aの搬送方向と、偏光子の吸収軸の方向とを一致させた。また、偏光子と偏光板保護フィルム1との貼り合わせは、偏光子の吸収軸と偏光板保護フィルム1(偏光板保護フィルム12A)の面内の最大屈折率方向とが直交するように行った。ロール14Aを、偏光板保護フィルム1(偏光板保護フィルム12A)の外側の面に配置し、ロール14Bを、KC6UY(偏光板保護フィルム12B)の外側面に配置した。そして、ロール14Bの周速に対するロール14Aの周速の比を1.01とした。得られた積層物を乾燥させて偏光板1を得た。得られた偏光板1は、偏光子の吸収軸と平行方向に切断したときの切断面において、偏光板保護フィルム1(偏光板保護フィルム12A)側が凸となるように反っていた。
(実施例1−2〜1−10)
偏光板保護フィルムAまたはロール周速比を、表2に示されるように変更した以外は実施例1−1と同様にして偏光板2〜10を得た。なお、偏光板保護フィルム6および7の偏光子との貼り合わせ面には、アルカリケン化処理に代えて、コロナ放電処理を施した。コロナ放電処理条件は、電子照射量77W/m/minとした。また、実施例1−4では、コニカミノルタオプト(株)製KC6UYに代えて、コニカミノルタオプト社製KC4UY(トリアセチルセルロース)を用いた。
(比較例1−1〜1−2)
偏光板保護フィルムAおよびロール周速比を、表2に示されるように変更した以外は実施例1−1と同様にして偏光板11〜12を得た。
得られた偏光板1〜12の反り量と光漏れ量を、以下の方法で測定した。
[反り量]
得られた偏光板を、30cm×30cmの大きさに切り出して、偏光板試料を得た。得られた偏光板試料を、23℃55%RH下に30分間曝した後、偏光板試料の凸側の面がステージ面(図2参照)に向くように配置した。偏光板試料の4つ角の、ステージ面からの高さをそれぞれ測定し、それらの平均値を反り量とした。
[光漏れ量]
光源と、前述で得られた偏光板X(偏光板1〜12のいずれか)と、偏光板Xとクロスニコルに配置された他の偏光板Yと、ディテクターとをこの順に配置した。
偏光板Xは、偏光板保護フィルムB側が光源側となるように配置した。偏光板Yは、偏光板Xの吸収軸と、偏光板Yの吸収軸とが直交するように配置した。ディテクターの感度は、偏光板Xの吸収軸と偏光板Yの吸収軸とが直交している状態を0、平行である状態を100となるように調整した。また、偏光板Xの吸収軸に対して+45°の角度をなす方向の偏光板Xの2つの端部と、−45°の角度をなす方向の偏光板Xの2つの端部の計4つの端部をそれぞれクリップで挟み、当該クリップに張力計を接続してロードセルとした。
そして、23℃55%RH下で、偏光板Xの吸収軸に対して+45°の方向と−45°の方向とにそれぞれ50MPaの引張応力を加えた状態でディテクターの値を計測し、光漏れ量とした。
実施例1−1〜1−10および比較例1−1〜1−2で得られた偏光板の評価結果を表2に示す。
Figure 0005861502
ロール周速比が1.01〜1.05の範囲である実施例1−1〜1−10の偏光板は、いずれも反り量が3〜60mmであることがわかる。一方、ロール周速比が1.01未満である比較例1−1の偏光板は、反り量が2mmと少なく;ロール周速比が1.05超である比較例1−2の偏光板は、反り量が80mmと多いことがわかる。
また、面内方向のレターデーションR0と光弾性係数がいずれも低い実施例1−1の偏光板は、面内方向のレターデーションR0と光弾性係数がいずれも大きい実施例1−6〜1−8の偏光板よりも、応力印加時の光漏れ量が少ないことがわかる。
3.液晶表示装置の作製
(実施例2−1)
第一の偏光板N(平坦な偏光板)の作製
実施例1−1の偏光板の作製工程において、偏光板保護フィルムAをKC6UYとし;偏光板保護フィルムBを表1の偏光板保護フィルム1とした。さらに、ロールAによってKC6UYを搬送し、ロールBによって偏光板保護フィルム1を搬送し、ロールAの周速VaとロールBの周速Vbとを同じにした以外は同様にして第一の偏光板Nを得た。得られた第一の偏光板Nは、23℃55%RH下に一定時間曝しても反りは生じなかった。
第二の偏光板(反った偏光板)の作製
実施例1−1で作製した偏光板1を、第二の偏光板1とした。
粘着剤組成物の作製
n−ブチルアクリレート(n−BA)75質量部、メチルアクリレート(MA)20質量部、2−ヒドロキシアクリレート(2−HEA)5質量部、酢酸エチル100質量部およびアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)0.2質量部を反応容器に入れ、反応容器内の空気を窒素ガスで置換した。その後、これらの成分を撹拌しながら、窒素雰囲気下で反応容器内の温度を60℃に昇温し、4時間反応させた。4時間後、トルエン100質量部、α−メチルスチレンダイマー5質量部およびAIBN2質量部を加えて、90℃に昇温し、さらに4時間反応させた。反応後、酢酸エチルで希釈し、固形分20質量%のアクリルポリマー溶液を得た。ポリマー溶液の固形分100質量部にイソシアネート系架橋剤(商品名:コロネートL、日本ポリウレタン(株)製)1.0質量部を添加し、よく撹拌して粘着剤組成物を得た。
得られた粘着剤組成物を、剥離処理されたフィルム上に乾燥厚みが25μmとなるように塗布して粘着剤層を形成し、粘着シートを得た。粘着シートの粘着剤層を、前述の第一の偏光板Nの偏光板保護フィルム1側の面に貼り付けて、粘着剤付き第一の偏光板Nを得た。また、粘着シートの粘着剤層を、前述の第二の偏光板1の偏光板保護フィルム1(偏光板保護フィルムA)側の面に貼り付けて、粘着剤付き第二の偏光板1を得た。
まず、横電解モード型液晶表示装置である日立製液晶テレビWooo W32−L7000を準備した。この液晶表示装置の液晶セルの両面に予め貼られていた2枚の偏光板を剥がし取った。得られた液晶セルのバックライト側の面に粘着剤付き第二の偏光板1を;液晶セルの視認側の面に粘着剤付き第一の偏光板Nをそれぞれ貼りつけて、液晶表示装置を得た。偏光板は、その吸収軸と、予め貼られていた偏光板の吸収軸とが同一方向となるように行った。
(実施例2−2〜2−10)
粘着剤付き第二の偏光板1を、表3に示されるように変更した以外は実施例2−1と同様にして液晶表示装置を得た。
(比較例2−1〜2−2)
粘着剤付き第二の偏光板1を、表3に示されるように変更した以外は実施例2−1と同様にして液晶表示装置を得た。
得られた液晶表示装置のEggムラを、以下の方法で測定した。
[Eggムラ]
得られた液晶表示装置を、50℃80%RHのチャンバ内で72時間放置した。その後、チャンバから液晶表示装置を取り出して、常温で液晶表示装置を黒表示させた状態で、表示画面の4頂点付近の輝度と表示画面中央付近の輝度との差(画像ムラ)を目視観察した。Eggムラの評価は、以下の基準に基づいて行った。
◎:画像ムラが全くない
○:非常に細かく注意すると僅かに画像ムラが認められる
△:4頂点のうち1カ所で画像ムラが認められる
×:4頂点のうち2カ所以上で画像ムラが認められる
実施例2−1〜2−10と比較例2−1〜2−2で得られた液晶表示装置の評価結果を表3に示す。
Figure 0005861502
表3に示されるように、第二の偏光板を、本発明の製造方法で得られた偏光板とし、かつ当該偏光板を偏光板保護フィルムAが液晶セル側となるように配置した実施例2−1〜2−10の表示装置は、いずれもEggムラが抑制されたことがわかる。一方、本発明の製造方法で得られた偏光板を含まない比較例2−1〜2−2の表示装置は、いずれもEggムラが抑制されないことがわかる。
本発明の製造方法で得られる偏光板は、偏光板保護フィルムに生じる複屈折だけでなく、表示装置としたときの液晶セルの反りを抑制しうる。そのような偏光板を含む液晶表示装置は、Eggムラが抑制されうる。
10 貼り合わせ装置
12A、12B 偏光板保護フィルム
14A、14B ロール
16 偏光子
18A、18B 接着剤塗布手段
20 偏光板
22 ステージ面
30 液晶表示装置
40 液晶セル
50 第一の偏光板
52 第一の偏光子
54A 偏光板保護フィルム(F1)
54B 偏光板保護フィルム(F2)
60 第二の偏光板
62 第二の偏光子
64A 偏光板保護フィルム(F3)
64B 偏光板保護フィルム(F4)
70 バックライト

Claims (4)

  1. 第一の偏光板と、液晶セルと、第二の偏光板と、バックライトとを順に有する液晶表示装置であって、
    前記第一の偏光板は、第一の偏光子と、前記第一の偏光子の視認側の面に配置された偏光板保護フィルムAと、前記第一の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された偏光板保護フィルムBとを有し、か
    前記第二の偏光板は、第二の偏光子と、前記第二の偏光子の前記液晶セル側の面に配置された偏光板保護フィルムAと、前記第二の偏光子の前記バックライト側の面に配置された偏光板保護フィルムBとを有し、か
    前記第一の偏光板の前記偏光板保護フィルムAおよびBの少なくとも一方、および前記第二の偏光板の前記偏光板保護フィルムAおよびBの少なくとも一方の、下記式(I)で定義される測定波長589nmにおける面内方向のレターデーションR0が0〜5nmであり、かつ23℃55RH%下における光弾性係数が−10.0×10−12〜10.0×10−12/Nであり、
    式(I):R0=(nx−ny)×d(nm)
    (式(I)において、
    nxは、偏光板保護フィルムの面内方向において屈折率が最大になる方向xにおける屈折率を表し;
    nyは、偏光板保護フィルムの面内方向において前記方向xと直交する方向yにおける屈折率を表し;
    d(nm)は、偏光板保護フィルムの厚みを表す)
    前記第一の偏光板を、23℃55RH%下に曝したときに前記第一の偏光板の偏光板保護フィルムA側の面が凸となるように反っており、かつ
    前記第二の偏光板を、23℃55RH%下に曝したときに前記第二の偏光板の前記偏光板保護フィルムA側の面が凸となるように反っており、
    前記第一の偏光板と前記第二の偏光板の反り量は、ぞれぞれ3〜60mmの範囲である、液晶表示装置。
  2. 前記液晶セルは、画素電極と対向電極とを有する第一の基板と、前記第一の基板と対向する第二の基板と、前記第一の基板と第二の基板との間に配置され、液晶分子を含む液晶層とを有し、
    前記画素電極と前記対向電極との間に印加される電圧によって、前記液晶分子を前記第一の基板面に略平行な面内で回転させるものである、請求項1に記載の液晶表示装置。
  3. 前記液晶表示装置の表示画面の大きさが、37インチ以上である、請求項1または2に記載の液晶表示装置。
  4. 前記バックライトは、LEDバックライトである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液晶表示装置。
JP2012049267A 2012-03-06 2012-03-06 液晶表示装置 Active JP5861502B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049267A JP5861502B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 液晶表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012049267A JP5861502B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 液晶表示装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013186180A JP2013186180A (ja) 2013-09-19
JP5861502B2 true JP5861502B2 (ja) 2016-02-16

Family

ID=49387682

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012049267A Active JP5861502B2 (ja) 2012-03-06 2012-03-06 液晶表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5861502B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108121030A (zh) * 2017-12-13 2018-06-05 昆山之奇美材料科技有限公司 一种调节偏光片翘曲的方法

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5976969B1 (ja) * 2015-06-19 2016-08-24 住友化学株式会社 プロテクトフィルム付偏光板の製造方法
JPWO2017006938A1 (ja) * 2015-07-06 2017-12-14 富士フイルム株式会社 偏光板及び液晶表示装置

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009103818A (ja) * 2007-10-22 2009-05-14 Citizen Holdings Co Ltd 液晶表示装置
CN101925640B (zh) * 2008-01-30 2013-06-12 柯尼卡美能达精密光学株式会社 含有丙烯酸类树脂的膜、使用该含有丙烯酸类树脂的膜的偏振片及液晶显示装置
JP5070331B2 (ja) * 2008-03-07 2012-11-14 シャープ株式会社 照明装置およびこれを備えた表示装置
JP5407527B2 (ja) * 2009-04-28 2014-02-05 住友化学株式会社 光学表示パネルの製造方法
WO2011055603A1 (ja) * 2009-11-09 2011-05-12 コニカミノルタオプト株式会社 光学フィルム、偏光板および液晶表示装置
JP5446933B2 (ja) * 2010-01-28 2014-03-19 住友化学株式会社 偏光板の製造方法
JP5451516B2 (ja) * 2010-05-07 2014-03-26 株式会社ジャパンディスプレイ 液晶パネルおよび液晶表示装置
JP2012037682A (ja) * 2010-08-06 2012-02-23 Sumitomo Chemical Co Ltd ロール状偏光板及びその製造方法並びに偏光板チップ及びこれを備えた液晶表示装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108121030A (zh) * 2017-12-13 2018-06-05 昆山之奇美材料科技有限公司 一种调节偏光片翘曲的方法
CN108121030B (zh) * 2017-12-13 2021-07-27 恒美光电股份有限公司 一种调节偏光片翘曲的方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013186180A (ja) 2013-09-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101437703B1 (ko) 편광판 보호 필름, 편광판, 액정 표시 장치
KR101497752B1 (ko) 아크릴 수지 함유 필름, 그것을 사용한 편광판 및 액정 표시 장치
KR101677777B1 (ko) 편광판의 제조 방법, 그 제조 방법으로 제조한 편광판 및 그 편광판을 사용한 액정 표시 장치
WO2014175040A1 (ja) 偏光板、その製造方法及び液晶表示装置
WO2013080847A1 (ja) アクリル樹脂含有フィルムの製造方法
JP5838835B2 (ja) 液晶表示装置
JP2017097111A (ja) 異形打抜きに優れた光学フィルム、偏光板及び液晶表示装置
KR20150115890A (ko) 광학 필름, 및 이를 포함하는 편광판 및 va형 액정 표시 장치
JP5251857B2 (ja) 光学フィルム
KR101709419B1 (ko) 광학 필름 및 광학 필름의 제조 방법, 편광판 및 액정 표시 장치
TW201702653A (zh) 偏光板及偏光板之製造方法
JP5861502B2 (ja) 液晶表示装置
JP5888040B2 (ja) 偏光板保護フィルムおよびその製造方法、並びにそれを用いた偏光板および表示装置
JP2013119200A (ja) 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP5948870B2 (ja) 液晶表示装置
JP6264373B2 (ja) 光学フィルムの製造方法
WO2013035289A1 (ja) 光学フィルムの製造方法
JP2009126899A (ja) セルロースエステルフィルム及び光学フィルム
KR101530797B1 (ko) 수직 배향형 액정 표시 장치와 그의 제조 방법
JP2013119201A (ja) 熱可塑性樹脂フィルムの製造方法
JP2013235150A (ja) 液晶表示装置
JP2011248094A (ja) 光学フィルム
JP5783181B2 (ja) 光学フィルムの製造方法
JP6720706B2 (ja) 偏光板保護フィルム、偏光板及び液晶表示装置
JP2013120278A (ja) 偏光板保護フィルムの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140807

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150512

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150710

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150818

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151019

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151124

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5861502

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150