JP5843652B2 - 内燃機関のノック制御装置 - Google Patents

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Description

この発明は、検出した内燃機関のノック信号に基づいてバックグランドレベルを算出し、バックグランドレベルの変化量とノック判定値とを比較してノック判定を行うノック制御部を備えた内燃機関のノック制御装置に関するものである。
ガソリンを燃料とするエンジン等では、燃焼行程において、点火プラグからの火花でシリンダ内の混合気を着火させて燃焼させるが、着火後の火炎伝播の途中でシリンダ内の圧力が異常に高くなった場合には、火炎伝播が終了する前に混合気の未燃焼部分が自己着火するノックが発生することがある。そして、このノックが発生すると、乗員に違和感を与える振動が発生する、最悪の場合は、ピストン上面が溶損しエンジンが故障する、などの問題がある。
そこで、従来から、ノック発生時には、点火プラグの点火時期を遅角(リタード)させることでノックを解消し、最適なトルクや燃費を実現するノック制御が提案されている。
このノック制御では、ノックの発生を検出するために、シリンダブロックにノックセンサと呼ばれる振動検出センサが取り付けられており、このノックセンサで検出したエンジンの振動波形を解析することでノック発生の有無を判定している。
具体的には、もしノックが発生すれば振動波形が得られる点火後の所定のクランク角度範囲を、ノック判定期間とし、このノック判定期間内において、ノックセンサからの出力信号をA/D変換し、ピーク値をこのノック判定期間でのピークホールド値とする。そして、ピークホールド値をなまし処理することにより、バックグランドレベルを算出する。また、このバックグランドレベルを所定倍(例えば2倍)するなどしてノック判定値を設定する。
そして、このノック判定値とピークホールド値とを比較し、ピークホールド値がノック判定値を超えている場合にはノッキングが発生していると判定して、点火プラグの点火時期を遅角させる等のノックの解消動作を行うようにしている。
特許文献1では、バックグランドレベルの更新量に上限値を設けることで安定化を図りつつ、時間あたりの燃料噴射量の変化量やスロットル開度の変化量が大きくなる程、更新量上限値を大きくして、バックグランドレベルがピークホールド値へ早く収束するようにしている。
この目的は、エンジンの負荷が上がると、ノックが発生していない場合もピークホールド値が大きくなるが、なまし処理や更新量制限処理により安定化を続けていては、バックグランドレベルがすぐには上昇せず、結果、ノック判定値が過小となり、ノックを誤判定してしまう、という事象に対する対策である。
一方で、エンジンの負荷が上がったとき、ノックが発生する場合もあり、また、場合によっては、非常に強いノックが連続して発生する場合がある。このような状態(以下、ノック多発状態と呼ぶことにする。)になった場合、すみやかに点火時期を遅角し、ノックを解消する必要がある。
特許文献1においては、図1に示すように、負荷変化時にバックグランドレベルを早く追従させてしまうため、ノック判定値も早く上昇してしまい、結果、非常に強いノック信
号であっても、これをノックと判定できない。すると、上記のようなノック多発状態から離脱できず、ノックが発生し続け、エンジンに重篤な影響が発生してしまう。
また、上記を解決するため、図2に示すように、更新量上限値を適切に調整して、バックグランドレベルの追従を適正化することで、負荷変化時の追従性とノック多発状態の検出を両立させる方法もある。しかし、バックグランドレベルの変化が更新量上限値を下回るようにエンジンの負荷が徐々に上昇した場合は、図3に示すように、ノックを検出できず、ノック多発状態から離脱できない。
つまり、ピークホールド値をもとにノック判定値を生成し、ピークホールド値と比較してノックを検出する方法は、負荷が変化する過渡時には有効であるが、この方法だけでは、ノック多発状態の検出に漏れが生じる。従って、ピークホールド値に依存しないノック判定値を用いたノック検出方法が必要となる。これを、上記のピークホールド値に依存する方法に対比させて、定常時のノック検出方法と呼ぶことにすると、このような定常時のノック検出技術として、従来より下記の特許文献2〜特許文献4が提案されている。
特許文献2は、包絡線検波により、ノック信号の包絡線の傾きを取り出し、ノック時とそれ以外の傾きの違いを利用して、ノック検出を行っている。
特許文献3は、ノック信号が基準値以上、平均勾配が基準値以上、を条件とするノック検出を行っている。
特許文献4は、ノックが発生しえない点火前の所定期間中のピークホールド値と、回転数及び負荷で定める係数の積をノック判定値とし、ノック検出を行っている。
特許第4312164号公報 特開昭58−80539号公報 特許第1624678号公報 特開昭58−108434号公報
上記のように、定常時に適用できるノック検出方法として、特許文献2から特許文献4までの方法が提案されているが、いずれも、以前のノック検出システムが対象であったため、近年の仕様である、バックグランドレベルがノック信号の1次フィルタ演算結果として定義されるノック検出システムに適用するとき、それぞれ、次のような問題が生じる。
特許文献2では、包絡線検波を行い、包絡線の勾配によりノック検出を行う技術が提案されているが、本願の技術の適用対象となる、バックグランドレベルがノック信号の1次フィルタ演算結果として定義されているノック検出システムに適用するためには、包絡線検波回路が新規に必要となる、又は、ノックセンサからの出力信号をA/D変換後、ソフトウエア的に包絡線検波と等価な処理を行う必要があり、検波回路のコスト、包絡線検波と等価なソフトウエア処理によるCPU負荷増、が問題となる。
特許文献3では、平均勾配や、継続時間によるノック検出を行う技術が提案されているが、これらの判定値の具体的な設定方法が提示されていない。このため、ノック多発状態はノック検出し、単発ノックなどノック多発状態以外は検出しない、という定数設定方法が不明である。また、ソフトウエア的に平均勾配や継続時間を演算する必要があるため、
CPU負荷増の問題もある。
特許文献4では、ピークホールド値と係数の積であるノック判定値は、実際にノックが発生している時のピークホールド値の最小値となるように、係数が設定される。
つまり、実際にノックが発生している時のピークホールド値の最小値がノック判定値である。ところが、このような値を実際のエンジンで計測することは困難である。なぜなら、定常時のノック多発状態の検出に適用するためには、ノック多発状態という連続した強いノック状態を継続しながらデータ計測を行い、かつ、これを様々な内燃機関の運転状態、負荷にて計測し、最小値を設定する必要がある。このような評価を行うと、エンジンを損傷させるため、損傷が進行する中で取得されたデータは、計測開始からどこまでが信頼できるデータなのか、という信頼性の問題も生じる。さらには、損傷したエンジンを修理したり、複数のエンジンで評価を行うこととなり、コスト上にも問題が生じる。
この発明は、上記のような従来技術の問題点を解決するためになされたもので、この発明を適用するための新たなデータの取得が不要で、設定工数が増加せず、また追加される処理が少なく、CPU負荷も増加させることのない、低コストで、正確なノック検出が可能な内燃機関のノック制御装置を提供することを目的とする。
この発明に係る内燃機関のノック制御装置は、内燃機関の振動に基づく振動波形信号を出力するノックセンサと、このノックセンサからの出力信号に基づいてバックグランドレベルを更新し、前記バックグランドレベルの変化量とノック判定値とを比較することによりノックの発生を検出する制御部とを備えた内燃機関のノック制御装置であって、前記制御部において、前記バックグランドレベルは、前記ノックセンサからの出力信号の一次フィルタ演算により算出され、これを、
今回バックグランドレベル=フィルタ係数×前回バックグランドレベル+(1−フィルタ係数)×ノックセンサからの出力信と表記する場合、
(1−フィルタ係数)/(1+フィルタ係数)×ノックが発生していない場合のノックセンサからの出力信号の変化量の最大値、を、前記ノック判定値とするようにしたものである。
この発明の内燃機関のノック制御装置によれば、ノックセンサからの出力信号の変化量の最大値Lは、ノックが発生していない場合のデータから設定するため、ノックが発生していない場合のピークホールド値の変化量という、通常のノック適合時に測定するデータから設定できる。従って、本発明を適用するための新たなデータ取得が不要で、設定工数が増大しない。
また、ノックが発生していない内燃機関の運転状態で測定するため、内燃機関を損傷させたり、データの信憑性が不明、という問題も生じない。
さらに、追加される処理は少なく、CPU負荷も増加することはなく、また、包絡線検波回路のような、回路の追加も不要であり、従って、低コストで、正確なノック検出が可能な内燃機関のノック制御装置を得ることができる。
上述した、またその他の、この発明の目的、特徴、効果は、以下の実施の形態における詳細な説明および図面の記載からより明らかとなるであろう。
ノック検出を説明するタイミングチャートであって、ノック多発状態をノックと判定できない場合の例を示す図である。 ノック検出を説明するタイミングチャートであって、ノック多発状態をノックと判定する場合の例を示す図である。 ノック検出を説明するタイミングチャートであって、ノック多発状態をノックと判定できない場合の例を示す図である。 ノック検出を説明するタイミングチャートであって、ピークホールド値の変化量が最も大きな場合を示す図である。 この発明の実施の形態1における、ピークホールド値の変化量の最大値Lの適合方法を示す図である。 この発明の実施の形態2における、ピークホールド値の変化量の最大値Lの適合方法を示す図である。 この発明の実施の形態1による内燃機関のノック制御装置を適用した内燃機関を概略的に示す構成図である。 この発明の実施の形態1における、内燃機関のノック制御装置の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1における、内燃機関のノック制御装置のノック制御部の構成を示すブロック図である。 この発明の実施の形態1における内燃機関のノック制御装置のノック制御部のフローチャートである。 この発明の実施の形態2における、ピークホールド値の変化量の最大値Lを定義する適合値の一例を示す図である。 この発明の実施の形態2における、ピークホールド値の変化量の最大値L算出するステップのフローチャートである。 この発明の実施の形態3における、連続ノック時の定常ノック判定の動作を説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態3における、非連続ノック時の定常ノック判定の動作を説明するタイミングチャートである。 この発明の実施の形態3における、内燃機関のノック制御装置のノック制御部のフローチャートである。 この発明の実施の形態3における、内燃機関のノック制御装置のノック制御部の初期化のフローチャートである。
実施の形態1.
最初にこの発明の基本的な概念を説明し、その後、図面を参照してこの発明の実施の形態1による内燃機関のノック制御装置について具体的に詳述する。
この発明のノック制御装置においては、バックグランドレベルはノックセンサからの出力信号の1次フィルタ演算結果として定義されるため、以下の式(1)で定義されるものとする。

VBGL(n)=K×VBGL(n−1)+(1−K)×VP(n)・・・式(1)

但し、VBGL(n):バックグランドレベル
VP(n):ピークホールド値
K:フィルタ係数
n:処理タイミング(離散時間)
なお、ノックセンサからの出力信号を、ノックセンサからのピークホールド値として以下説明を行うが、ノックセンサの出力信号のピークホールド値は、ノックセンサの出力信号の積分値(振動中心より高電位側の面積)でもよい。要はノックセンサの出力信号に応
じた値であればよく、本発明を適用する対象のノック制御装置が定義する信号のままでよい。また、フィルタ係数Kは、定数、あるいは、内燃機関の回転数に依存する値、など、本発明を適用する対象のノック制御装置が定義するフィルタ係数Kのままでよい。
このとき、ノックの発生していない、内燃機関の様々な運転状態や負荷における、ピークホールド値のデータを測定し、その変化量の最大値Lを得ておく。そして、バックグランドレベルの変化量ΔVBGL(n)を、以下の式(1−1)と定義し、
ΔVBGL(n)=VBGL(n)−VBGL(n−1)・・・・式(1−1)

ノック判定値VTHを、以下の式(1−2)と定義する。
VTH=(1−K)/(1+K)×L・・・・・式(1−2)
また、ノック強度VK(n)を、以下の式(1−3)と定義し、
VK(n)=ΔVBGL(n)−VTH・・・・式(1−3)

VK(n)>0であれば、ノック発生ありと判定し、それ以外をノック発生なし、とする。
ここで、上記式(1−1)のバックグランドレベルの変化量ΔVBGL(n)の定義
ΔVBGL(n)=VBGL(n)−VBGL(n−1)
に、式(1)を適用すると、
ΔVBGL(n)=K(n)×VBGL(n−1)+(1−K(n))×VP(n)
−K(n−1)×VBGL(n−2)−(1−K(n−1))
×VP(n−1)
となる。
なお、フィルタ係数Kは、本発明の適用対象にて定義されているため、処理タイミングに依存する場合があり、K(n)と表記している。
フィルタ係数K(n)が、仮に、内燃機関の運転状態や負荷に応じて設定されていたとしても、本発明で検討するのは定常状態であるから、
K(n)=K(n−1)
と仮定する。また、K(n)の処理タイミングがnのみとなったので、Kと表記する。
すると、上式は、
ΔVBGL(n)=K×ΔVBGL(n−1)+(1−K)×ΔVP(n)
となる。但し、
ΔVP(n)=VP(n)−VP(n−1)
である。
ここで、ピークホールド値の変動は、その変化速度が最も早い場合、すなわち、変動周期が2処理タイミングである図4のような場合を考えると、
ΔVBGL(n)=−ΔVBGL(n−1)
の関係が成立するから、上式は、
ΔVBGL(n)=(1−K)/(1+K)×ΔVP(n)・・・・・式(2)
となる。
ここで、ΔVP(n)の代わりに、ノックが発生していない場合のピークホールド値の変化量ΔVP(n)の最大値をLと設定すれば、各処理タイミングnにおいて、ノックが発生しない場合は、以下の式(2−1)が成立する。

ΔVBGL(n)≦(1−K)/(1+K)×L・・・・式(2−1)

すなわち、(1−K)/(1+K)×Lは、ノックが発生していない場合のバックグランドレベルの変化量の最大値となる。
ここで、Lの設定方法は、前述のように、ノックの発生していない、様々な内燃機関の運転状態や負荷における、ピークホールド値の変化量データを取得し、その最大値をLとするのであるが、具体的には、図5を用いて説明する。
図5は、様々な内燃機関の運転状態や負荷におけるピークホールド値の変化量(増加側、すなわち+側、のみを表示)の測定結果から、ノックの発生がなかった場合、ノック多発状態だった場合、の2つを抽出し、それぞれについて、内燃機関の回転数neでさらに分類し、それぞれの場合における、ピークホールド値の変化量の最大値をグラフ化した模式図である。
ピークホールド値の変化量の最大値Lは、ノックの発生がなかった場合のピークホールド値の変化量の最大値であるから、図5内のPのデータにより定められる。
すなわち、全ての運転状態や負荷において、ノックが発生しなければ、ピークホールド値の変化量は、常にL以下の値となる。
よって、式(2)において、ΔVP(n)の代わりに、ピークホールド値の変化量の最大値Lをおけば、ノックが発生していない場合のバックグランドレベルの変化量ΔVBGL(n)の最大値として、(1−K)/(1+K)×Lが得られることになる。
以上のことから、バックグランドレベルの変化量ΔVBGL(n)に対する判定値として、(1−K)/(1+K)×Lを設定すれば、ノックではない場合は、判定値はバックグランドレベルの変化量ΔVBGL(n)より常に大きいため、ノックと判定することはない。逆に、バックグランドレベルの変化量ΔVBGL(n)が判定値より大きければ、ノックであると判定できる。
一方、ノックが発生しているとき、必ずしもΔVBGL(n)が判定値(1−K)/(1+K)×Lより大きいとは言えないが、Lの設定方法から、ノック発生中のあるタイミングでは、ΔVBGL(n)は判定値より大きくなり、ノックと検出できることが期待される。特に、ノック多発状態は、ピークホールド値の変化量が大きいため、ΔVBGL(n)は判定値より大きくなり、ノックと判定することができる。
次に、以上の基本的概念を具体化したこの発明の実施の形態1による内燃機関のノック制御装置について、図面を参照して、詳細に説明する。
図7は、この発明の実施の形態1による内燃機関のノック制御装置を適用した内燃機関を概略的に示す構成図である。なお、自動車等車両用の内燃機関は、通常、複数のシリンダ及びピストンを備えているが、図7では説明の便宜上、一つのシリンダ及びピストンのみを示している。
図7において、内燃機関1の吸気系100には、上流側から、吸入空気流量を測定しその測定値に対応した吸入空気流量信号を出力するエアフローセンサ2、電子的に開度が制御されて吸気系100の吸入空気流量を調整する電子制御式スロットルバルブ3、サージタンクに設けられたインテークマニホールド圧力センサ4(以下、インマニ圧センサと称する)、が設けられ、インテークマニホールド5を介して内燃機関1の複数のシリンダに連結されている。
スロットル開度センサ6は、電子制御式スロットルバルブ3の開度を測定し、その測定
値に対応したスロットルバルブ開度信号を出力する。なお、電子制御式スロットルバルブ3の代わりに、図示しないアクセルペダルに直接ワイヤで繋がれた機械式スロットルバルブを用いてもよい。
インマニ圧センサ4は、インテークマニホールド5内の吸気圧を測定し、その測定値に対応するインテークマニホールド圧力信号(以下、インマニ圧信号と称す)を出力する。なお、この実施の形態1では、エアフローセンサ2とインマニ圧センサ4との両方を設けているが、何れか一方のみを設けるようにしても良い。
インテークマニホールド5の吸気ポートには、燃料を噴射するインジェクタ7が設けられている。なお、インジェクタ7は内燃機関1のシリンダ内に直接噴射できるように設けられてもよい。
内燃機関1のシリンダヘッドには、シリンダ内の混合気に点火するための点火コイル8と、この点火コイル8と接続された点火プラグ9が設けられている。又、内燃機関1のクランク軸には、周面に定められた間隔で設置された複数のエッジを備えたプレート10が設けられている。クランク角センサ11は、プレート10のエッジに対向して設けられ、クランク軸と共に回転するプレート10のエッジを検出し、夫々のエッジの設置間隔に同期したパルス信号を出力する。内燃機関1に設けられたノックセンサ12は、内燃機関1の振動に基づく振動波形信号を出力する。
内燃機関1の排気系101には、排気ガス中の酸素濃度を測定する酸素濃度センサ13、排気ガスを浄化する触媒装置14が設けられている。
図8は、この発明の実施の形態1による内燃機関のノック制御装置の構成を示すブロック図である。図8において、内燃機関1の電子制御ユニット15(以下、ECUと称する)は、マイクロコンピュータ等の演算装置により構成され、エアフローセンサ2から出力された吸入空気流量信号と、インマニ圧センサ4から出力されたインマニ圧信号と、スロットル開度センサ6から出力されたスロットルバルブ開度信号と、クランク角センサ11から出力されたプレート10のエッジの設置間隔に同期したパルス信号と、ノックセンサ12から出力された内燃機関1の振動波形信号と、酸素濃度センサ13から出力された排気ガス中の酸素濃度信号が、夫々入力される。
又、ECU15には、前述の各信号以外の図示していない他の各種センサからも夫々の測定値に対応した信号が入力され、更に、例えば、自動変速機制御システム、ブレーキ制御システム、トラクション制御システム等の他のコントローラからの信号も入力される。
ECU15は、図示しないアクセル開度や内燃機関1の運転状態等を基にして目標スロットル開度を算出し、その算出した目標スロットル開度に基づいて電子制御式スロットルバルブ3の開度を制御する。又、ECU15は、内燃機関1の運転状態に応じて、目標空燃比を達成するようにインジェクタ7を駆動して燃料噴射量を制御し、更に、目標点火時期を達成するように点火コイル8への通電を制御して点火時期を制御する。
又、ECU15は、後述のようにして内燃機関1のノックを検出した場合には、目標点火時期を遅角側に設定することでノックの発生を抑制する制御も行う。更に、前述以外の各種アクチュエータを制御するための指示値を算出し、その指示値に基づいて各種アクチュエータを制御する。
次に、ECU15内に構成されているノック制御部の構成、及びその動作について説明する。図9は、この発明の実施の形態1による内燃機関のノック制御装置における、ノッ
ク制御部の構成を示すブロック図である。
図9において、ECU15内に構成されたノック制御部は、I/F回路とマイクロコンピュータ16から構成されている。I/F回路は、ノックセンサ12から出力された内燃機関1の振動波形信号を受け、その振動波形信号から高周波成分を除去するローパスフィルタ(以下、LPFと称する)17により構成されている。
マイクロコンピュータ16は、全体としては、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器と、制御プログラムや制御定数を記憶しておくROM領域と、プログラムを実行した際の変数を記憶しておくRAM領域等から構成されているが、ノック制御部の構成としては、A/D変換部18と、DFT処理部19と、ピークホールド部20と、21のフィルタ係数Kと、1次フィルタ演算部22と、過渡判定値演算部23と、過渡比較演算部24と、25のピークホールド値の変化量の最大値Lと、定常判定値演算部26と、定常比較演算部27と、ノック補正量演算部28とを備える。
このうち、25のピークホールド値の変化量の最大値Lと、定常判定値演算部26と、定常比較演算部27が、本発明による新規部分で、ノック補正量演算部28は本発明の適用元となる制御に変更を加える部分、それ以外は、本発明の適用元となる制御の部分となる。
LPF17は、前述のように、ノックセンサ12から出力された内燃機関1の振動波形信号を受け、その振動波形信号から高周波成分を除去するが、A/D変換部18にて全振動成分を取り込むために、例えば、2.5Vのバイアスを加えることにより、振動成分の中心を2.5Vにしておき、2.5Vを中心として、0V〜5Vの範囲に振動成分が収まるように構成されている。なお、LPF17には、ノックセンサ12からの振動波形信号の振動成分が小さい場合には、2.5Vを中心に増幅し、大きい場合には2.5Vを中心に減少させるゲイン変換機能も含まれている。
A/D変換部18は、I/F回路により高調波成分が除去されたノックセンサからの振動波形信号をデジタル信号に変換する。このA/D変換部18によるA/D変換は、一定の時間間隔、例えば、10μsや20μs毎に実行される。
なお、A/D変換部18は、LPF17からのアナログ信号に対して常時A/D変換を行い、内燃機関1にノックが発生する期間、例えば、ピストンの上死点(Top Death Center以下、TDCと称する)から上死点後(After Top Death Center以下、ATDCと称する)50°CAに設定されたノック検出期間のデータのみをDFT処理部19へ送るようにしても良く、あるいは、例えばTDCからATDC50°CAに設定されたノック検出期間のみA/D変換を行い、そのデータをDFT処理部19へ送るようにしても良い。
DFT処理部19は、A/D変換部18からのデジタル信号に対して、時間−周波数解析を行う。具体的には、例えば、離散フーリエ変換(DFT)若しくは短時間フーリエ変換(STFT)の処理により、所定時間毎のノック固有周波数成分のスペクトル列を算出する。なお、DFT処理部19によるデジタル信号処理としては、無限インパルス応答(IIR)フィルタや有限インパルス応答(FIR)フィルタを用いてノック固有周波数成分を抽出するようにしてもよい。
DFT処理部19は、A/D変換部18による前述のノック検出期間におけるA/D変換の完了後に処理を開始し、後述するピークホールド部20からノック補正量演算部28による処理を実施するクランク角同期の割り込み処理、例えば、上死点前(Before Top Death Center以下、BTDCと称する)75°CAでの割込み処理までに処理を終了する
ピークホールド部20では、DFT処理部19にて算出したスペクトル列のピークホールド値を算出する。21のフィルタ係数Kは、1次フィルタ演算部22と定常判定値演算部26へKの値を出力する。フィルタ係数Kは、前述のように、本発明を適用する対象のノック制御装置が定義するフィルタ係数Kのままでよい。例えば、定数であれば0.9とする。
1次フィルタ演算部22は、ピークホールド部20により算出されたピークホールド値に対する1次フィルタ演算を、21のフィルタ係数Kを用いて、前述の式(1)に従い行う。この値をバックグランドレベルとする。
過渡判定値演算部23は、次に示す式(3)により、過渡ノック判別値を算出する。

VTHt(n)=VBGL(n)×Kth+Vofs・・・・・式(3)

但し、VTHt(n):過渡ノック判定値
Kth:判定値係数
Vofs:判定値オフセット

判定値係数Kth、及び、判定値オフセットVofsは、ノックが発生しない場合は、過渡ノック判定値VTHt(n)がピークホールド値VP(n)より大きく、ノックが発生した場合は、過渡ノック判定値VTHt(n)がピークホールド値VP(n)より小さくなるよう、あらかじめ適合された値である。これらも、本発明を適用する対象のノック制御装置が定義する値のままでよい。例えば、判定値係数Kth=2、判定値オフセットVofs=0、である。
過渡比較演算部24は、ピークホールド部20により算出されたピークホールド値VP(n)と、過渡判定値演算部23により演算された過渡ノック判定値VTHt(n)とを比較し、次に示す式(4)により、過渡ノック強度VKt(n)を算出する。

VKt(n)=VP(n)−VTHt(n)・・・・・式(4)
但し、VKt(n):過渡ノック強度
25のピークホールド値の変化量の最大値Lは、図5で説明したように、あらかじめ適合された所定値であり、定常判定値演算部26へ出力する。
定常判定値演算部26は、21のフィルタ係数Kと25のピークホールド値の変化量の最大値Lとを用いて、次に示す式(5)により、定常ノック判定値VTHsを算出する。

VTHs=(1−K)/(1+K)×L・・・・・式(5)
但し、VTHs:定常ノック判定値
定常比較演算部27は、1次フィルタ演算部22にて算出されたバックグランドレベルVBGL(n)の変化量と、定常判定値演算部26にて算出された定常ノック判定値VTHsを比較し、次に示す式(6)により、定常ノック強度VKs(n)を算出する。

VKs(n)=VBGL(n)−VBGL(n−1)−VTHs・・・・式(6)
但し、VKs(n):定常ノック強度
ノック補正量演算部28は、過渡比較演算部24にて算出した過渡ノック強度VKt(n)と、定常比較演算部27にて算出した定常ノック強度VKs(n)とを用いて、ノック補正量θR(n)を更新する。
具体的には、まず、過渡ノック強度VKt(n)>0であれば、過渡ノック発生ありと判定し、更新量θchg=−θrtdとする。VKt(n)≦0であれば、過渡ノック発生なしと判定し、更新量θchg=θadvとする。
次に、定常ノック強度VKs(n)>0であれば、定常ノック発生ありと判定し、更新量θchg=更新量θchg−θrtdsとする。そして、次に示す式(7)により、ノック補正量θR(n)を更新する。

θR(n)=min(max(θR(n−1)+θchg、θmin)、θmax)
・・・・・・式(7)
但し、θR(n):ノック補正量
θchg:更新量
θmin:ノック補正量の下限値
θmax:ノック補正量の上限値
min(A、B):AとBの小さい方を選択
max(A、B):AとBの大きい方を選択
θmin、θmax、θrtd、θadvは、本発明を適用する対象のノック制御装置が定義するままでよい。
θrtdsは、ノック多発状態を解消するために必要な遅角量などを、あらかじめ適合により得た、所定値、あるいは、VKs(n)などに依存して定められる値、である。
例えば、3°CAなど、比較的大きな値とし、すみやかに点火時期を遅角する。
ECU15におけるマイクロコンピュータ16は、前述のようにして演算されたノック補正量θR(n)を用いて、次に示す式(8)により、最終点火時期θIG(n)を算出する。

θIG(n)=θB(n)+θR(n)・・・・・・・・・・式(8)

但し、θIG(n):最終点火時期
θB(n):基本点火時期

θB(n)についても、あらかじめ適合により定められた所定値であり、本発明を適用する対象のノック制御装置が定義するままでよい。なお、ノック補正量θR(n)、基本点火時期θB(n)、最終点火時期θIG(n)の何れも、進角側を正、遅角側を負としている。
以上、ECU15内に構成されているノック制御部の構成について説明した。次に、図10を用いて、ノック制御部の動作を示す。
図10は、この発明の実施の形態1による内燃機関のノック制御装置における、ノック制御部のフローチャートである。図10に示す処理は、前述の通りクランク角同期の割り込み処理、例えば、BTDC75°CAでの割込み処理、により実施される。
ステップS1では、ピークホールド値VP(n)を算出する。このピークホールド値VP(n)は、前述のように、DFT処理部19にて算出したスペクトル列の最大値を、ピークホールド部20にて出力する値である。
ステップS2では、フィルタ係数Kを算出する。フィルタ係数Kは、あらかじめ適合さ
れた定数、あるいは、内燃機関の回転数に依存する値、などである。
ステップS3では、ピークホールド値の変化量の最大値Lを算出する。実施の形態1においては、ピークホールド値の変化量の最大値Lは、図5で説明したように、あらかじめ適合された所定値である。
ステップS4では、バックグランドレベルVBGL(n)を算出する。
バックグランドレベルVBGL(n)は、1次フィルタ演算部22にて、前述の式(1)にて演算される。
ステップS5では、過渡ノック判定値VTHt(n)、定常ノック判定値VTHs、を算出する。過渡ノック判定値VTHt(n)は、過渡判定値演算部23にて、前述の式(3)にて演算される。定常ノック判定値VTHsは、定常判定値演算部26にて、前述の式(5)にて演算される。
ステップS6では、過渡ノック強度VKt(n)、定常ノック強度VKs(n)、を算出する。過渡ノック強度VKt(n)は、過渡比較演算部24にて、前述の式(4)にて演算される。定常ノック強度VKs(n)は、定常比較演算部27にて、前述の式(6)にて演算される。
ステップS7は、前記ステップS6で演算された過渡ノック強度VKt(n)を0と比較する。0より大きい場合はステップS8へ、それ以外はステップS9へ進む。このステップS7からステップS19までは、ノック補正量演算部28に含まれる。
ステップS8は、過渡ノック発生ありの時であるから、更新量θchg=−θrtdとする。ステップS9は、過渡ノック発生なしの時であるから、更新量θchg=θadvとする。
ステップS10は、前記ステップS6で演算された定常ノック強度VKs(n)を0と比較する。0より大きい場合はステップS14へ、それ以外はステップS19へ進む。
ステップS14は、定常ノック発生ありの時であるから、更新量θchg=θchg−θrtdsとする。
ステップS19は、更新量θchgをノック補正量θR(n)に反映すべく、前述の式(7)にてθR(n)を更新する。
ステップS20は、最終点火時期θIG(n)を算出する。最終点火時期θIG(n)は、前述の式(8)にて算出される。そして、θIG(n)に従い点火が実行される。すなわち、ノック判定結果に依存して、進角や遅角した点火時期を実現できる。
以上のように、この発明の実施の形態1の内燃機関のノック制御装置によれば、ノックセンサからの出力信号の変化量の最大値Lは、ノックが発生していない場合のデータから設定するため、ノックが発生していない場合のピークホールド値の変化量という、通常のノック適合時に測定するデータから設定できる。従って、本発明を適用するための新たなデータ取得が不要で、設定工数が増大しない。また、ノックが発生していない内燃機関の運転状態で測定するため、内燃機関を損傷させたり、データの信憑性が不明、という問題も生じない。
また、追加される処理は少なく、CPU負荷も増加することはない。また、包絡線検波
回路のような、回路の追加も不要であり、従って、低コストで、正確なノック検出が可能な内燃機関のノック制御装置を得ることができる効果がある。
実施の形態2.
この発明の実施の形態2による内燃機関のノック制御装置について説明する。
実施の形態2が実施の形態1と異なるのは、ピークホールド値の変化量の最大値Lの算出方法についてだけであるため、この部分のみ説明する。
ピークホールド値の変化量の最大値Lは、内燃機関の回転数neに依存して定義される。Lの設定方法は、実施の形態1と同様、ノックの発生していない、様々な内燃機関の運転状態や負荷における、ピークホールド値のデータを取得し、その変化量の最大値を、内燃機関の回転数neで分類し、テーブルデータとして設定する。これは、図6のLのことであり、例えば、図11のように設定される。
図9の25のピークホールド値の変化量の最大値Lにおいて、回転数neで図11のテーブルを補間し、その結果を、定常判定値演算部26における、上記式(5)のLとして用いる。
図10のステップS3において、ピークホールド値の変化量の最大値Lを算出するが、実施の形態2においては、図12に従い演算する。図12は、この発明の実施の形態2による内燃機関のノック制御装置における、ノック制御部のピークホールド値の変化量の最大値Lを算出するステップのフローチャートである。
図10のステップS2の次に、図12のステップS21に進む。ステップS21では、内燃機関の回転数neを用いて、図11のテーブルを補間し、ピークホールド値の変化量の最大値Lを算出する。そして、図10のステップS4へ進み、以下は、実施の形態1と同様に演算を行う。
図6は、図5におけるLを、内燃機関の回転数neに応じて設定する場合である。回転数neが小さい領域では、図6のLは、図5のLよりも小さくなる(図6のQ部分)。
このため、判定値(1−K)/(1+K)×Lの値も小さくなり、ノック多発状態のバックグランドレベルの変化量が判定値をより超えやすくなる。つまり、ノック検出がより正確になる。
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、ノックが発生していない場合のノックセンサからのピークホールド値の変化量の最大値Lを、内燃機関の回転数に応じて設定できるため、回転数によってはLをより小さな値に設定できる。このため、より確実に、ノック多発状態にノックを検出することができる。
実施の形態3.
この発明の実施の形態3による内燃機関のノック制御装置について説明する。
実施の形態3が実施の形態1と異なるのは、図9でのノック補正量演算部28の部分、図10では、定常ノック有無を判定するステップS10からノック補正量θR(n)を算出するステップS19までの部分、だけであるため、この変更部分についてのみ説明する。
この実施の形態3においては、図9のノック補正量演算部28の部分は、定常ノックありの時、「定常ノックあり」の判定を所定処理タイミングT1間保留し、その保留時間内に次の定常ノックありの判定が成立する、という繰り替えし回数が所定回T2となった場合を、実施の形態1での定常ノック判定あり、とする。この保留時間をカウントする保留カウンタと、繰り替えし回数をカウントする発生カウンタとを設ける。
具体的には、図13を用いて説明する。図13は、この発明の実施の形態3による内燃機関のノック制御装置における、定常ノック判定の動作を説明するタイミングチャートである。バックグランドレベル、保留カウンタ、発生カウンタ、定常ノック判定、それぞれの動作を、処理タイミングの時系列で示している。処理タイミングNの時、バックグランドレベルの変化量が定常ノック判定値を超えたタイミングとする。すなわち、
VKs(n)>0が成立したタイミングである。また、T1=3、T2=3、とする。
保留カウンタは、VKs(n)>0の場合にT1にセットされ、それ以外はカウントダウンする。処理タイミングN以降、2処理タイミングごとに、バックグランドレベルが定常ノック判定値を超えるため、保留カウンタは、T1とT1−1とを交互に繰り返す動きとなる。
発生カウンタは、VKs(n)>0の場合にカウントダウンし、保留カウンタ=0の場合にT2にセットされ、前記以外はその値を保持する。処理タイミングN以降、保留カウンタ>0であり、かつ、バックグランドレベルが2処理タイミングごとに定常ノック判定値を超えるため、発生カウンタは2処理タイミングごとにカウントダウンする。
T1=3、T2=3、としているため、N+4の処理タイミングの時点で、発生カウンタ=0となり、そのとき、実施の形態1での定常ノック判定あり、となる。この後も、保留カウンタ>0、かつ、VKs(n)>0、であるから、発生カウンタ=0が継続し、すなわち、定常ノック判定ありも継続される。
一方、図14は、この発明の実施の形態3による内燃機関のノック制御装置における、定常ノック判定の動作を説明するタイミングチャートであり、かつ、保留カウンタ>0の期間内にVKs(n)>0が成立しなかった場合の例である。項目などは図13と同一である。
図13と同様、処理タイミングNの時、バックグランドレベルの変化量が定常ノック判定値を超えたタイミングとする。このとき、保留カウンタ=T1、発生カウンタ=T2−1、となる。N+3の時点で、再びVKs(n)>0が成立し保留期間が延長されるが、その後、VKs(n)≦0が継続し、N+6の時点で、保留カウンタ=0となり、発生カウンタ=T2にセットされ、Nの時点から始まった定常ノック判定がやり直しとなる。
上記から、最初のVKs(n)>0成立から定常ノック判定の成立まで、最長でT1×(T2−1)の処理タイミングが必要となる。そこで、様々なエンジン運転状態でのノック多発状態において、ノックが発生してからノックを解消しなければならない最短の時間が分かっていれば、T1×(T2−1)はその時間よりも短く設定しなければならない。つまり、このようにT1とT2を設定すれば、定常ノック判定で検出するノックであれば、様々なエンジン運転状態において、ノックを解消しなければならない時間までに、必ずノックを検出し解消できる。
図15は、この発明の実施の形態3による内燃機関のノック制御装置における、ノック制御部のフローチャートである。これは、実施の形態1における図10に対応している。図15と図10で同じステップ番号は、同一の処理を示している。処理に違いのある、ステップ10から説明する。
ステップS10は、前記ステップS6で演算された定常ノック強度VKs(n)を0と比較する。0より大きい場合はステップS11へ、それ以外はステップS16へ進む。
ステップS11は、保留カウンタにT1をセットする。そして、続くステップS12は
、発生カウンタから1減算する。負にならないよう0で下限制限する。(以下、明記しないが、カウンタの減算処理は0で下限制限を行う。)
ステップS13は、発生カウンタが0か否かを判定し、0であればステップS14へ、0以外はステップS19へ進む。ステップS19は、図10と同じ処理である。
ステップS14は、更新量θchg=θchg−θrtdsとする。図10のステップS14と同じ処理であり、次のステップS19以降も図10と同じである。
ステップS10からステップS16へ進むと、ここで保留カウンタから1減算する。
ステップS17は、保留カウンタが0か否かを判定し、0であればステップS18へ、0以外はステップS19へ進む。
ステップS18は発生カウンタにT2をセットする。そして、ステップS19へ進む。
図16は、この発明の実施の形態3による内燃機関のノック制御装置における、内燃機関のノック制御装置のノック制御部の初期化のフローチャートである。マイクロコンピュータ16に電源が投入された初回時のみ、この処理を実施する。ステップS22は、2つのカウンタの初期値を設定する、すなわち、保留カウンタに0を、発生カウンタにT2をセットし、終了する。
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、1回の比較ではなく、複数回の比較によりノック検出を行うため、単発のノックでは遅角されず、ノック多発状態のような連続的にノックが発生する場合のみに遅角することができる。すなわち、ノック誤判定の可能性を下げることができる。また、ノック検出に必要となる期間は、内燃機関が連続ノック発生を許容できる期間の最小値より小さいため、連続してノック発生していたとしても、内燃機関に損傷を与える前にノック検出し遅角が可能である。
なお、上記の説明においては、説明の簡略のため、ピークホールド値の変化量の最大値Lは、図5に示すPの値そのままであるように説明したが、通常は、適当なマージンを設けてPの値より若干大きな値とするのが普通である。
1 内燃機関
12 ノックセンサ
15 ECU
16 マイクロコンピュータ
20 ピークホールド部
22 1次フィルタ演算部
23 過渡判定値演算部
24 過渡比較演算部
26 定常判定値演算部
27 定常比較演算部
28 ノック補正量演算部

Claims (4)

  1. 内燃機関の振動に基づく振動波形信号を出力するノックセンサと、このノックセンサからの出力信号に基づいてバックグランドレベルを更新し、前記バックグランドレベルの変化量とノック判定値とを比較することによりノックの発生を検出する制御部を備えた内燃機関のノック制御装置であって、前記制御部において、
    前記バックグランドレベルは、前記ノックセンサからの出力信号の一次フィルタ演算により算出され、これが、
    今回バックグランドレベル=フィルタ係数×前回バックグランドレベル+(1−フィルタ係数)×ノックセンサからの出力信号
    で演算される場合、
    (1−フィルタ係数)/(1+フィルタ係数)×ノックが発生していない場合の前記ノックセンサからの出力信号の変化量の最大値、
    を前記ノック判定値とすることを特徴とする内燃機関のノック制御装置。
  2. 前記ノックが発生していない場合のノックセンサからの出力信号の変化量の最大値は、内燃機関の回転数に依存して設定されることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関のノック制御装置。
  3. 前記制御部は、前記バックグランドレベルの変化量と前記ノック判定値との比較におけるノック発生の検出が、所定時間内に所定回成立する場合を、ノックの発生を検出、であるとし、かつ、前記所定時間は、連続したノック発生を許容できる時間の最小値以下、とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の内燃機関のノック制御装置。
  4. 前記ノックセンサからの出力信号は、前記ノックセンサの出力信号のピークホールド値であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の内燃機関のノック制御装置。
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