JP5840080B2 - ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
このような容器の充填工程において、高温の内容液が充填されたり、洗浄や冷却のために様々な温度のシャワー水をかけられたりして、キャップ内外に大きな温度差が生じ、内外気圧差が大きくなる場合がある。
例えば、高温充填時や高温シャワー時には、キャップ内部の空気が暖められて膨張し、内圧が高まって上蓋を押し上げ、不用意に開蓋してしまう「上蓋開き」という問題が生じることがある。
また、冷却のためのシャワーや低温シャワーでは、キャップ内部の空気が冷えて収縮し、内圧が低下して負圧状態が強まり、外気とともにシャワー水を吸い込んでしまう「水吸い込み」の問題が生じることもある。
図6に示すように、キャップ本体Aの蓋係合部118上面の平坦な蓋係合面125に当接する上蓋Bの係合部133の上内面133aに空気溝134を設け、注出筒106の内周面にリブからなる内圧逃がし部145が設けられている。
このヒンジキャップを打栓時に上部から押圧すると、上蓋Bが押しつぶされて、外筒壁131の下端が外方に広がるように変形し、上蓋Bの係合凸部135とキャップ本体Aの膨出部127とのシールが解除されるとともに、上蓋Bの内筒132が注出筒106の内圧逃がし部145に乗り上げ変形することにより、注出筒106と内筒132のシールが解除される。
その結果、注出筒106内側の空気室bが注出筒106の外側の空気室aと連通し、空気室aと外気が連通されて、キャップ内の空気が排出される。
従来例は、このようにキャップ内が負圧状態になることによって、高温シャワー等でキャップの温度が高くなっても内圧の上昇を抑えることができるので、開蓋を防止する上で大きな効果を発揮する。
しかしながら、「上蓋開き」を確実に防止するためにキャップ内の負圧を大きくすると、外気とともにシャワー水や外部に付着した水を吸い込んでしまう、前記「水吸い込み」の問題を生じることがあった。
そのため、係合凸部135と膨出部127とのシール圧を高めて確実にシールしようとすると、上蓋Bの外筒壁131等のキャップ強度を高めなければならず、コストが高くなる。また、キャップ強度を高めると、打栓時の押圧力で外筒壁131を十分に変形させることができずにシールの解除が不十分になることがあり、打栓後に十分な負圧を実現できず、結局、キャップの内圧が上昇して「上蓋開き」が発生してしまうことがあった。
また、上蓋の外筒壁内周面の上部シール面の上方に、内方に突出する垂下リブが形成されているから、打栓時には、頂部突出筒の外周面が垂下リブに乗り上げ、第2シール部のシールが解除されるとともに、頂部突出筒からの反力により外筒壁の外方への変形が促され、第1シール部も解除されて、キャップ内外が連通しキャップ内の空気が確実に排出される。
そのため、本発明のヒンジキャップは、打栓時にキャップ内圧を十分に負圧にすることができるとともに、確実にキャップ内外をシールすることができるので、「上蓋開き」と「水吸い込み」とを確実に防止することができる。
さらに、外筒壁の内周面上部に、注出筒の上端外周面に当接する支持周面を設けた実施形態では、閉蓋して密封筒が注出筒に嵌挿されているとき、注出筒上部の外方への変形を抑止して第3シール部のシール圧を高め、内容物の漏出を確実に防止することができるとともに、注出筒の内側に形成される空気室の圧力を維持することができる。
容器本体Dの口部1には、外周に環状に突出した係合突条2が設けられている。
底壁5には、使用時に注出口を開口するための薄肉の弱化部8が、注出筒6の内周側に設けられており、底壁5の上面には、弱化部8によって画成された除去部9を引上げて切断除去するプルリング10が支柱11を介して設けられている。
本実施例では、2本並列した縦リブ13をヒンジC側から約90°離れた円周上の2個所に設けているが、縦リブ13は1本だけからなるものでもよく、円周上の位置も適宜決定できる。
外筒17の内周下部には、容器本体Dの口部1の係合突条2と係合する係止部20が突出して設けられており、係合筒部7は、打栓することにより環状嵌合部19に容器本体Dの口部1を嵌合し、係合突条2と係止部20とが係合して、キャップ本体Aが容器本体Dの口部1に装着される。
すなわち、外筒17を、内周側筒部とヒンジに連結する外周側筒部の二重筒構造とし、両筒部をヒンジCの反対側に設けられた肉厚の連結片と、ヒンジC側に間隔をおいて複数配設された破断可能な弱化片とを介して連設することによって、上蓋Bを引っ張り上げて弱化片を破断させ、容器本体Dの口部1からキャップを容易に分離することができる。
環状膨出部22の下面は、後述する上蓋Bの下部シール面36と第1シール部S1を形成し、頂部突出筒24の上部は、後述する上蓋Bの上部シール面39と第2シール部S2を形成するようになっている。
なお、図3において、図2(a)のX−X断面における縦リブ13を想像線(2点鎖線)で示している。
凸面部25は、キャップ本体Aの上壁15の側ではなく、上蓋Bの外筒壁31の下端面側に設けてもよい。
図3に示すように、凸面部25によって、閉蓋時に上壁15と上蓋Bの下端面との間にわずかな隙間が空くようになっており、上壁15の上面に残留した内容液等が、閉蓋時に飛散することを防止することができるようになっている。
なお、本実施例では、凸面部25は、ヒンジCの近傍部位を除いた7個所に設けられているが、その数や配置については適宜決定しうる。また、凸面部25はなくてもよく、打栓時において上蓋Bの下端面と上壁15の上面との間に隙間が生じるようになっていればよい。
密封筒32の先端には、注出筒6の内周面に接して第3シール部S3を形成する端部シール面33が、わずかに外周に突出して設けられている。
外筒壁31は、下端外周の所定箇所でヒンジCを介してキャップ本体Aと連設し、ヒンジCの反対側には摘み部34を具えている。
係止上面37には、半径方向に延びるエアー溝38が円周上複数個所に設けられている。
本実施例では、エアー溝38は、ヒンジ側を含めて円周上4個所に設けられているが、円周上の位置は適宜決定されてよく、4個所に限らず必要に応じて適宜個所設けられてよい。
本実施例では、上部シール面39は、外筒壁31の内周面と面一であるが、必ずしも面一である必要はない。
また、垂下リブ40は、摘み部34の内側付近に1個所だけ設けられているが、1個所だけでなく円周上の複数個所に設けられてもよい。
まず、上蓋Bを閉じてキャップを閉蓋する。
上蓋Bをキャップ本体Aに対して閉じていくと、図1および図3(a)に示すように、密封筒32がキャップ本体Aの注出筒6に嵌挿され、端部シール面33が注出筒6の内周面に当接して第3シール部S3が形成されるようになる。
同時に、上蓋Bの係止凹部35がキャップ本体Aの蓋係合部18に係合し、環状膨出部22に嵌合して、係止凹部35の下部シール面36が環状膨出部22の下面に圧接し第1シール部S1が形成されるとともに、係止凹部35より上方の内周面に形成された上部シール面39が蓋係合部18の頂部突出筒24上部の外周面に圧接して第2シール部S2が形成される。
完全に閉蓋されたキャップ内は、第1シール部S1、第2シール部S2の2個所のシール部により外気から密封され、第3シール部S3により、注出筒6の外側に空気室aが形成され、内側に空気室bが形成される。
図3(b)に示すように、打栓時には、上蓋Bの頂壁30の上部より強い押圧力がかかり、係止凹部35の係止上面37が、蓋係合部18の頂部平面23に圧接しながら外方に摺動し、外筒壁31は、下端面が凸面部25および支持部26に圧接して摺動しながら、わずかに外方に押し開かれるように撓み、上蓋Bが押しつぶされるとともに下降する。
そのため、外筒壁31の下部は外側に広がるように変形し、係止凹部35が蓋係合部18から離隔して、環状膨出部22と下部シール面36の間の第1シール部S1が解除されるとともに、凸面部25および支持部26により、外筒壁31の下面と上壁15との間に空気流通路となるわずかな隙間が確保される。
そして、係止上面37に設けられたエアー溝38を介して、キャップ内の空気室aが外気と連通する。
係止上面37に設けたエアー溝38のかわりに、蓋係合部18の頂部平面23側にエアー溝が設けられてもよい。
このため、キャップ内の空気室aと空気室bとの間にも空気の流通路が形成され、キャップ内外は、空気室bから空気室a、さらに外気へと完全に連通され、上蓋Bの下降によって圧縮された空気は、解除された第3シール部S3、解除された第2シール部S2、エアー溝38、解除された第1シール部S1を通って、外部に排出される。
上蓋Bが元の位置・形状に復帰する過程で、垂下リブ40および縦リブ13が、それぞれ頂部突出筒24の上部および密封筒32の端部シール面33から離れて、第2シール部、第3シール部が復活するが、上蓋Bはさらに完全に復帰するまで上昇を続けるので、キャップ内は負圧となる。
さらに、外筒壁31の係止凹部35が蓋係合部18の環状膨出部22が嵌合するようになって第1シール部S1も速やかに復活し、外筒壁31と蓋係合部18との間が第1シール部S1、第2シール部S2の2個所のシール部によって密封されるので、個々のシール圧を格別高くすることなく、キャップ内外のより大きな差圧に耐えることができ、キャップ内外を確実に密封して開蓋を防止するに十分な負圧を維持することができるとともに、シャワー水などの吸い込みを確実に防止することができる。
以下、第1実施例と同一の構成部分には同一の符号を付し、相違点を中心に説明する
支持周面41には、エアー縦溝42が湾曲部12と接する位置より上方に設けられ、上下方向に延びている。
支持周面41より下方の外筒壁31内周面には、垂下リブ40aが上部シール面39近くまで内方に突出して垂下している。
垂下リブ40aは、実施例1の垂下リブ40と同様に、摘み部34の内側付近に1個所だけ設けられているが、1個所だけでなく円周上の複数個所に設けられていてもよい。
このように、第3シール部による密封を確実にすると、プルリング10を引き、底壁5の除去部9を除去して開封した後、容器本体Dの内容物の漏洩を確実に防止することができるとともに、空気室aと空気室bの内圧を独立して制御したい場合などに好適である。
このとき、注出筒6の湾曲部12の外周面は、支持周面41のエアー縦溝42が延びる範囲に接し、上蓋Bの下降によって圧縮された空気室bの空気を逃がすことができるようにしている。
なお、支持周面41は必ずしもシール面である必要はないので、エアー縦溝42は設けなくてもよく、また、エアー縦溝42を湾曲部12と接する位置より下方まで延ばして、支持周面41の下端まで設けてもよい。
B 上蓋
C ヒンジ
D 容器本体
S1 第1シール部
S2 第2シール部
S3 第3シール部
a、b 空気室
1 口部
2 係合突条
5 底壁
6 注出筒
7 係合筒部
8 弱化部
9 除去部
10 プルリング
11 支柱
12 湾曲部
13 縦リブ
15 上壁
16 内筒
17 外筒
18 蓋係合部
19 環状嵌合部
20 係止部
22 環状膨出部
23 頂部平面
24 頂部突出筒
25 凸面部
30 頂壁
31 外筒壁
32 密封筒
33 端部シール面
34 摘み部
35 係止凹部
36 下部シール面
37 係止上面
38 エアー溝
39 上部シール面
40 40a 垂下リブ
41 支持周面
42 エアー縦溝
106 注出筒
118 蓋係合部
125 蓋係合面
127 膨出部
131 外筒壁
132 内筒
133 係合部
133a 上内面
134 空気溝
135 係合凸部
145 内圧逃がし部
Claims (4)
- 容器の口部に取着されるキャップ本体と、キャップ本体にヒンジを介して連設された上蓋とからなるヒンジキャップにおいて、
キャップ本体には、容器の口部が嵌合する係合筒部の上部に蓋係合部が立設され、
蓋係合部の上部には、外周面に突出した環状膨出部と、環状膨出部から続く頂部平面と、頂部平面の内周側に立設された頂部突出筒とが設けられ、
上蓋は、頂壁と、頂壁外周から垂下し所定部位でヒンジに連設する外筒壁とを備え、
外筒壁の内周面下部には、蓋係合部の環状膨出部に嵌合して、環状膨出部と第1シール部を形成する下部シール面と、その内周側に蓋係合部の頂部平面に当接する係止上面とを具えた係止凹部が設けられており、
外筒壁の係止凹部より上方の内周面には、頂部突出筒の外周面と第2シール部を形成する上部シール面と、上部シール面の上方に垂下して内方に突出する垂下リブとが設けられ、
係止上面または頂部平面には、半径方向にエアー溝が形成されていることを特徴とするヒンジキャップ。 - キャップ本体の蓋係合部より内周側に立設された注出筒は、内周面が上蓋の頂壁から垂設された密封筒の外周面と接して第3シール部を形成するとともに、第3シール部より下方の内周面に突出する縦リブが設けられていることを特徴とする請求項1記載のヒンジキャップ。
- 上蓋の外筒壁の垂下リブより上方の内周面上部には、キャップ本体の注出筒の上端外周面に当接する支持周面を設けたことを特徴とする請求項1または2記載のヒンジキャップ。
- キャップ本体の蓋係合部より外周側の上壁上面または上蓋の外筒壁の下端面に、円周上複数個所にわずかに突出する凸面部を形成していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のヒンジキャップ。
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