JP4186178B2 - シャワー吸込防止ヒンジキャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、容器の口部に打栓装着されるヒンジキャップに関するもので、特に、打栓後シャワ−洗浄される容器に装着される、シャワー吸込防止ヒンジキャップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒンジキャップは、内容物の流通を阻止する遮断壁と、該遮断壁外周縁から垂下する側壁と、該側壁と同心状に形成される注出筒と、容器の口部に圧接嵌合される側壁内周面の下部側に設けられた環状突条及び係合筒を有する本体と、これと一体にヒンジを介して連結され閉蓋時には上記係合筒に係着し、前記側壁を覆うスカートを有する上蓋と、を備えている。
このヒンジキャップは、麺つゆ等の内容物を充填した、容器の口部に打栓装着されるが、打栓時に該容器の外表面が汚れることがある。
そこで、打栓後、該容器を温水シャワーで洗浄し、その外表面をきれいにしている。ところが、この洗浄の際、温水シャワーがキャップ本体の側壁と上蓋のスカートとの間から吸い込まれ、上蓋の内部に溜まることがある。
そこで、従来、前記スカートの内周面に、閉蓋時、前記側壁の外周面と圧接する環状押圧シール突起を設け、両者間をシールすることにより温水シャワーの吸込を防止している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来例では、環状押圧シール突起を側壁下部外周面に対応する位置に設けているので、該キャップを容器口部に打栓した時に、側壁の内周面の環状突条が容器口部に押されて外方に膨らみ、該環状突条の近傍の外周面、即ち、側壁の下部外周面の径が設計値より大きくなる。
そうすると、上蓋のスカート内周面は、設計値より大きな力で押圧されることになるので、開蓋時のキャップオープン強度が高くなりすぎ、蓋の開閉が困難となる。又、開蓋時には、環状押圧シール突起は、側壁外周面を擦りながら摺動するが、その摺動長さは、側壁外周面の下端部から上端にまで及んでいる。そのため、開蓋時において、長い間摩擦抵抗を受けることになるので、円滑な開蓋を困難にしている。なお、閉蓋時においても、前記と同様の問題が起きる。
【0004】
この発明は、上記事情に鑑み、蓋の開閉を円滑に行えるようにすることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、側壁の内周面の下部側に、環状突条を設けたキャップ本体と、該キャップ本体にヒンジを介して連結され、前記側壁に被着されるスカートを有する上蓋と、該スカートの内周面と前記側壁の上部外周面との間をシールするシール手段と、を備えていることを特徴とする。
【0006】
この発明のシール手段は、スカートの内周面に設けられ、閉蓋時、側壁の上部外周面に圧接する環状押圧シール突起、又は、側壁の上部外周面に設けられ、閉蓋時、スカートの内周面に圧接する環状押圧シール突起である。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明者は、前記従来例の問題は、打栓時大きく変形する部分に環状押圧シール突起が配設されていることに原因があるものと考え、該環状押圧シール突起を前記変形の少ない部分、又は、変形しない部分に配置することにした。
この環状押圧シール突起は、スカートの内周面の、閉蓋時、側壁の上部外周面に対応する部分、又は、側壁の上部外周面に設けられる。この環状押圧シール突起の位置は、例えば、少なくとも側壁の、スカートと対向する外周面の長さの1/2以上の上部側、より望ましくは、1/3以上の上部側が選ばれる。
【0008】
【実施例】
この発明の第1実施例を図1、図2により説明する。
シャワー吸込防止ヒンジキャップHCは、キャップ本体1と、該キャップ本体1にヒンジ20を介して連結された上蓋25と、を備えている。
【0009】
キャップ本体1の頂壁2の上面には、注出筒3が設けられ、その外側には、係合部4aを有する係合筒4が設けられている。前記注出筒3の開口部は、遮断壁5により閉じられている。この遮断壁5の上面にはプルリング6が設けられ、その下面には、裂溝8が設けられている。
【0010】
頂壁2の外周端は、側壁10に連続している。この側壁10の外周面は、段状に形成され、垂直シール面10aと水平当接面10bとを備えている。
【0011】
側壁10の下部内周面には、環状突条11が設けられ、該環状突条11は、インナリング12に対向している。側壁10の下端は、弱化部を介してシール筒部15に連続している。
【0012】
ヒンジ20は、側壁10の外周縁部に連続しており、薄肉ヒンジ21と、該薄肉ヒンジ21の両側に配置された弾性バンド22と、から構成されている。
【0013】
上蓋25は、天板25aと、該天板25aに連続するスカート25bとを備えている。この天板25aの内面には、閉蓋時、注出筒3に当接するシールリング26が設けられている。スカート25bの外周面には、摘み片27が設けられているが、この摘み片27はヒンジ20と反対側に設けられている。
【0014】
スカート25bの内周面は、段状に形成され、摘み片27側、即ち、下部側の内周面25Cの径はシールリング26側、即ち、上部側の内周面25dの径より大きくなっている。
【0015】
上部側の内周面25dには、閉蓋時係合筒4の係合部4aに係止する係止部28が設けられ、下端部の内周面25cには、環状押圧シール突起30が設けられている。
【0016】
この環状押圧シール突起30は、下部側の内周面25cの上部側、即ち、閉蓋時、側壁10の垂直シール面10aの上部側に対応する位置、に設けられ、例えば、この位置として、垂直シール面10aの長さLの半分(L/2)以上の上部側、望ましくは、L/3以上の上部側が選択される。この位置は、打栓による変形の影響をほとんど受けない部分である。摘み片27の下面には、滑り止め突起27sが設けられている。
【0017】
次に、本実施例の作動について説明する。
容器35内に麺つゆを充填した後、図示しない打栓装置により、該容器の口部35aにヒンジキャップHCを被せ、打栓装着する。
【0018】
この時、容器35の口部35aは、側壁10の内周面25cを外方に押圧するが、環状突条11は内方に突出しているので、特に強く押圧される。そのため、該垂直シール面10aの下部は、変形し拡径する。
【0019】
しかし、該垂直シール面10aの上部は、環状突起11から大きく離れているので、ほとんど打栓による変形は発生しない。そのため、前記上部の径はほとんど変形しないので、シール部Sの環状押圧シール突起30の押圧力は、設計値を維持することができる。
【0020】
開蓋の際には、摘み片27に指をかけて上方に押し上げる。そうすると、環状押圧シール突起30は、側壁の垂直シール面10aに当接しながらその上端10tまで摺動した後、該垂直シール面10aから離れる。シール部Sの前記環状押圧シール突起30の押圧力は、設計値に維持されているので、円滑に開蓋することができる。 環状押圧シール突起30は、垂直シール面10aの上部側にのみ当接しながら摺動するので、その当接摺動長さは、従来例に比べ、大幅に短くなっているため、円滑に開蓋することができる。
又、逆に、閉蓋の際には、上蓋25を回動させて天板25aを押圧し、環状押圧シール突起30を垂直シール面10aに圧接する。
この時、シール部Sの前記環状押圧シール突起30の押圧力は、設計値に維持されているので、円滑に閉蓋することができる。又、環状押圧シール突起30は、垂直シール面10aの上部側にのみ当接しながら摺動するので、その当接摺動長さは、従来例に比べ、大幅に短くなっているため、円滑に閉蓋することができる。
なお、スカート25bの内周面25cは、垂直シール面10aから離間しており、又、該スカート25bの下部側の下端面27bは、水平当接面10bに密着する。
【0021】
この発明の第2実施例を図3により説明するが、図1、図2と同一図面符号は、その名称も機能も同一である。
この実施例と第1実施例との相違点は、環状押圧シール突起30aを側壁10の垂直シール面10aの上部に設けたことである。
この環状押圧シール突起30aの位置は、例えば、垂直シール面10aの長さLの半分(L/2)以上の上部側、望ましくは、L/3以上の上部側が選択される。この位置は、打栓による変形の影響をほとんど受けない部分である。
【0022】
【発明の効果】
この発明は、スカートの内周面と側壁の上部外周面との間をシールするシール手段を設けたので、シール部は打栓による変形の影響をほとんど受けない。そのため、蓋の開閉を円滑に行うことができる。
この発明のシール手段は、スカートの内周面に設けられ、閉蓋時、側壁の上部外周面に圧接する環状押圧シール突起、又は、側壁の上部内周面に設けられ、閉蓋時、スカートの内周面に圧接する環状押圧シール突起、であるので、シール部は打栓による変形の影響をほとんど受けることがない。そのため、蓋の開閉を円滑に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図で、閉蓋時の要部拡大断面図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す要部拡大断面図で、図1に対応する図である。
【符号の説明】
1 キャップ本体
3 注出筒
10 側壁
10a 垂直シール面
11 環状突条
25 上蓋
25b スカート
25c 内周面
30 環状押圧シール突起
Claims (4)
- 頂壁外周縁から垂下する側壁と、容器の口部に圧接嵌合される側壁内周面の下部側に設けられた環状突条と、及び前記頂壁の上面に設けられた係合筒とを有する本体と、これと一体にヒンジを介して連結され、閉蓋時には前記係合筒に係着し、前記側壁を覆うスカートを有する上蓋と、を備えた合成樹脂製のヒンジキャップにおいて、該スカートの内周面と前記側壁の上部外周面との間をシールするシール手段を設けたことを特徴とするシャワー吸込防止ヒンジキャップ。
- 内容物の流通を阻止する遮断壁と、該遮断壁外周縁から垂下する側壁と、該側壁と同心状に形成される注出筒と、容器の口部に圧接嵌合される側壁内周面の下部側に設けられた環状突条と、及び前記注出筒の外側に設けられた係合筒とを有する本体と、これと一体にヒンジを介して連結され閉蓋時には前記係合筒に係着し、前記側壁を覆うスカートを有する上蓋と、を備えた合成樹脂製のヒンジキャップにおいて、該スカートの内周面と前記側壁の上部外周面との間をシールするシール手段を設けたことを特徴とするシャワー吸込防止ヒンジキャップ。
- シール手段が、スカートの内周面に設けられ、閉蓋時、側壁の上部外周面に圧接する環状押圧シール突起であることを特徴とする請求項1,又は、2記載のシャワー吸込防止ヒンジキャップ。
- シール手段が、側壁の上部外周面に設けられ、閉蓋時、スカートの内周面に圧接する環状押圧シール突起であることを特徴とする請求項1、又は、2記載のシャワー吸込防止ヒンジキャップ。
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