以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本実施形態の車両用空調装置100は、エンジン(内燃機関)および走行用電動モータから車両走行用の駆動力を得る、いわゆるハイブリッド車両に搭載されている。
このハイブリッド車両は、車両の走行負荷等に応じてエンジンを作動あるいは停止させて、エンジンおよび走行用電動モータの双方から駆動力を得て走行する走行状態や、エンジンを停止させて走行用電動モータのみから駆動力を得て走行する走行状態等を切り替えることができる。これにより、ハイブリッド車両では、車両走行用の駆動力をエンジンのみから得る通常の車両に対して、車両燃費を向上させることができる。
具体的には、本実施形態の車両用空調装置100は、図1の全体構成図に示すように、室内空調ユニット1、冷凍サイクル10、空調制御装置30等を備えている。まず、室内空調ユニット1は、車室内最前部の計器盤(インストルメントパネル)の内側に配置されて、その外殻を形成するケーシング2内に送風機8、蒸発器9、ヒータコア15等を収容したものである。
ケーシング2は、車室内に送風される送風空気の空気通路を形成しており、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されている。
ケーシング2内の送風空気流れ最上流側には、ケーシング2内へ導入する車室外空気(外気)、および車室内空気(内気)の導入割合を変更する内外気切替手段を構成する内外気切替装置5が配置されている。
内外気切替装置5は、ケーシング2内へ内気を導入させるための内気導入口3、および外気を導入させるための外気導入口4が形成されている。そして、内外気切替装置5の内部には、内気導入口3および外気導入口4の開口面積を連続的に調整して、ケーシング2内へ導入させる内気の風量と外気の風量との風量割合(導入割合)を変化させる内外気切替ドア6が配置されている。
内外気切替ドア6は、ケーシング2内への内気および外気の導入割合を変化させて吸込口モードを切り替える吸込口モード切替手段として機能する。なお、内外気切替ドア6は、サーボモータ7によって駆動され、このサーボモータ7は、後述する空調制御装置30から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
ここで、吸込口モードとしては、内気導入口3を全開とするとともに外気導入口4を全閉としてケーシング2内へ内気を導入する内気モード、内気導入口3を全閉とするとともに外気導入口4を全開としてケーシング2内へ外気を導入する外気モード、さらに、内気導入口3および外気導入口4を同時に開く内外気混入モードがある。
内外気切替装置5の空気流れ下流側には、内外気切替装置5を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する送風手段である送風機8が配置されている。この送風機8は、遠心多翼ファン(シロッコファン)8aを電動モータ8bにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置30から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。従って、この電動モータ8bは、送風機8の送風能力変更手段を構成している。
送風機8の空気流れ下流側には、蒸発器9が配置されている。蒸発器9は、その内部を流通する冷媒と送風機8から車室内へ向けて送風される送風空気とを熱交換させて、送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。具体的には、蒸発器9は、圧縮機11、凝縮器12、受液器13、および膨張弁14等と共に、蒸気圧縮式の冷凍サイクル10を構成している。
ここで、冷凍サイクル10について説明する。圧縮機11は、エンジンルーム内に配置され、冷凍サイクル10において冷媒を吸入し、圧縮して吐出するものであり、吐出容量が固定された固定容量型圧縮機構11aを電動モータ11bにて駆動する電動圧縮機として構成されている。電動モータ11bは、インバータ40から出力される交流電流によって、その作動(回転数)が制御される交流モータである。
インバータ40は、空調制御装置30から出力される制御信号に応じた周波数の交流電流を圧縮機11の電動モータ11bに出力する。つまり、インバータ40の周波数制御によって圧縮機11の回転数が制御され、圧縮機11の冷媒吐出能力が変更されることとなる。
凝縮器12は、エンジンルーム内に配置されて、内部を流通する冷媒と、室外送風機としての冷却ファン12aから送風された外気とを熱交換させることにより、圧縮機11吐出冷媒を凝縮させるものである。
冷却ファン12aは、軸流ファン12bを電動モータ12cにて駆動する電動送風機であって、空調制御装置30から出力される制御電圧によって稼働率、すなわち、回転数(送風量)が制御される。従って、この電動モータ12cは、冷却ファン12aの送風能力変更手段を構成している。
受液器13は、凝縮器12にて凝縮された冷媒を気液分離して余剰冷媒を蓄えるとともに、液相冷媒のみを下流側に流す気液分離器である。膨張弁14は、受液器13から流出した液相冷媒を減圧膨張させる減圧手段である。この膨張弁14は、温度式膨張弁で構成されており、蒸発器9出口側冷媒の過熱度が予め定めた範囲となるように下流側に流出させる冷媒流量を調整する。
このような温度式膨張弁としては、蒸発器9出口側の冷媒通路に配置された感温部を有し、蒸発器9出口側冷媒の温度と圧力とに基づいて蒸発器9出口側冷媒の過熱度を検知し、蒸発器9出口側冷媒の過熱度が予め設定された所定値となるように機械的機構により弁開度(冷媒流量)を調整するものを採用できる。
蒸発器9は、膨張弁14にて減圧膨張された冷媒を蒸発させて、冷媒に吸熱作用を発揮させるものである。これにより、蒸発器9は、送風空気を冷却する空気冷却手段として機能する。
ここで、蒸発器9における送風空気の冷却温度Teは、蒸発器9における冷媒蒸発温度(冷媒蒸発圧力)によって決定される。さらに、本実施形態の如く、減圧手段として機械的機構により弁開度を調整する温度式膨張弁を採用する構成では、蒸発器9における冷媒蒸発圧力は、圧縮機11の回転数(冷媒吐出能力)によって決定することができる。従って、本実施形態の圧縮機11は、蒸発器9における送風空気の冷却温度Teを調整する冷却温度調整手段として機能する。
また、ケーシング2内において、蒸発器9の空気流れ下流側にはケーシング2内を流れる空気を加熱するヒータコア15が配置されている。このヒータコア15はエンジンを冷却するためのエンジン冷却水を熱源として、蒸発器9通過後の空気(冷風)を加熱する加熱用熱交換器である。
さらに、ヒータコア15の側方には、蒸発器9通過後の冷風を、ヒータコア15を通過させることなく下流側に流すバイパス通路16が形成されている。従って、ヒータコア15およびバイパス通路16の空気流れ下流側で混合される送風空気の温度は、ヒータコア15およびバイパス通路16を通過する送風空気の風量割合によって変化する。
そこで、本実施形態では、蒸発器9の空気流れ下流側であって、ヒータコア15およびバイパス通路16の上流側に、ヒータコア15およびバイパス通路16へ流入させる送風空気の風量割合を連続的に変化させるエアミックスドア17を配置している。従って、エアミックスドア17は、ヒータコア15およびバイパス通路16の空気流れ下流側で混合される送風空気の温度を調整する温度調整手段を構成している。
なお、エアミックスドア17は、エアミックスドア17用のサーボモータ18によって駆動され、このサーボモータ18は、空調制御装置30から出力される制御信号によってその作動が制御される。
ケーシング2の送風空気流れ最下流部には、空調対象空間である車室内へ温度調整された送風空気を吹き出す吹出口19〜21が設けられている。この吹出口19〜21としては、具体的に、車両窓ガラスWの内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口19、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口20、および乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口21が設けられている。
また、デフロスタ吹出口19、フェイス吹出口20、およびフット吹出口21の空気流れ上流側には、それぞれ、デフロスタ吹出口19の開口面積を調整するデフロスタドア22、フェイス吹出口20の開口面積を調整するフェイスドア23、およびフット吹出口21の開口面積を調整するフットドア24が配置されている。
これらのデフロスタドア22、フェイスドア23、フットドア24、は、吹出口モードを切り替える吹出口モード切替手段を構成するものであって、図示しないリンク機構を介して、吹出口モードドア駆動用のサーボモータ25に連結されて連動して回転操作される。なお、このサーボモータ25も、空調制御装置30から出力される制御信号によってその作動が制御される。
また、吹出口モードとしては、フェイス吹出口20を全開してフェイス吹出口20から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモード、フェイス吹出口20とフット吹出口21の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口21を全開するとともにデフロスタ吹出口19を小開度だけ開口して、フット吹出口21から主に空気を吹き出すフットモード、およびフット吹出口21およびデフロスタ吹出口19を同程度開口して、フット吹出口21およびデフロスタ吹出口19の双方から空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。
さらに、乗員が後述する操作パネル50のスイッチをマニュアル操作することによって、デフロスタ吹出口19を全開にしてデフロスタ吹出口19から車両フロント窓ガラス内面に空気を吹き出すデフロスタモードとすることもできる。
次に、本実施形態の電気制御部について説明する。空調制御装置30は、CPU、記憶手段を構成するROM、RAM、EEPROM等を含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成され、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、出力側に接続された各種機器の作動を制御する。
空調制御装置30の出力側には、各種サーボモータ7、18、25、送風機8の電動モータ8b、圧縮機11のインバータ40、冷却ファン12aの電動モータ12c等が接続されている。
一方、空調制御装置30の入力側には、外気温Tamを検出する外気センサ31、車室内温度Trを検出する内気センサ32、車室内の日射量Tsを検出する日射センサ33、蒸発器9にて冷却された送風空気の冷却温度Teを検出する蒸発器温度センサ(冷却温度検出手段)34、エンジンから流出した冷却水の冷却水温度Twを検出する冷却水温度センサ35、蒸発器9にて冷却される前の送風空気(冷却前空気)の温度Tinおよび湿度RHiを検出する温湿度検出部36等の種々の空調制御用のセンサ群が接続されている。
なお、本実施形態の蒸発器温度センサ34は、具体的に蒸発器9の熱交換フィン温度を送風空気の冷却温度Teとして検出している。勿論、蒸発器温度センサ34として、蒸発器9のその他の部位の温度を検出する温度検出手段を採用してもよいし、蒸発器9を流通する冷媒自体の温度を直接検出する温度検出手段を採用してもよい。さらに、蒸発器9から流出した直後の送風空気の温度を検出する温度検出手段を採用してもよい。
また、本実施形態の温湿度検出部36は、蒸発器9にて冷却される前の冷却前空気の温度Tinを検出する温度センサ36a、および蒸発器9にて冷却される前の冷却前空気の相対湿度RHiを検出する湿度センサ36bを一体的に構成した温湿度検出手段を採用している。勿論、温湿度検出部36としては、温度センサ36a、および湿度センサ36bを別体で構成した温湿度検出手段を採用することもできる。
さらに、空調制御装置30の入力側には、車室内前部の計器盤付近に配置された操作パネル50が接続されており、この操作パネル50に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。
操作パネル50に設けられた各種空調操作スイッチとしては、具体的に、圧縮機11の作動指令信号を出すエアコンスイッチ51、車室内の設定温度Tsetを設定する温度設定手段をなす温度設定スイッチ52、吹出口モードドア22〜24により切り替わる吹出モードをマニュアル設定する吹出口モードスイッチ53、内外気切替ドア6による内気モードと外気モードをマニュアル設定する内外気切替スイッチ54、送風機8の風量切替をマニュアル設定する送風機作動スイッチ55、車両用空調装置100の自動制御を設定あるいは解除するオートスイッチ56等が設けられている。
また、空調制御装置30は、上述した各種空調制御機器を制御する制御手段が一体に構成されたものである。本実施形態では、特に、冷却温度調整手段として機能する圧縮機11(具体的には、インバータ40)の作動を制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を冷却温度制御手段30aとする。また、内外気切替手段として機能する内外気切替装置5の内外気切替ドア6用のサーボモータ7の制御する構成(ハードウェアおよびソフトウェア)を内外気切替制御手段30bとする。
次に、車両用空調装置100の作動を図2〜図4に示すフローチャートを用いて説明する。図2〜図4中の各制御ステップは、空調制御装置30が有する各種の機能実現手段を構成するものである。なお、図2に示す制御処理は、操作パネル50のエアコンスイッチ51が投入(ON)された状態でオートスイッチ56が投入(ON)されると開始する。
まず、ステップS1ではフラグ、タイマ等の初期化(イニシャライズ)がなされる。このイニシャライズでは、フラグや各種演算値のうち、前回の車両用空調装置100の作動終了時に記憶手段に記憶された値が維持されるものもある。
次のステップS2では、操作パネル50の操作信号を読み込み、続くステップS3では、車両環境状態の信号、すなわち、センサ群31〜36等により検出された検出信号を読み込む。
次のステップS4では、車室内吹出空気の目標吹出温度TAOを算出する。具体的には、目標吹出温度TAOは、下記数式F1により算出される。
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C…(F1)
ここで、Tsetは温度設定スイッチ52によって設定された車室内設定温度、Trは内気センサ32によって検出された車室内温度(内気温)、Tamは外気センサ31によって検出された外気温(車室外気温)、Tsは日射センサ33によって検出された日射量である。Kset、Kr、Kam、Ksは制御ゲインであり、Cは補正用の定数である。なお、目標吹出温度TAOは、車室内の空調熱負荷に相当している。
続くステップS5〜S10では、空調制御装置30に接続された各種機器の制御状態が決定される。まず、ステップS5では、エアミックスドア17の目標開度SW(具体的には、エアミックスドア17用のサーボモータ18に出力する制御信号)を、目標吹出温度TAO、蒸発器温度センサ34によって検出された冷却温度Te、および冷却水温度センサ35によって検出された冷却水温度Twに基づいて、下記数式F2により算出する。
SW=〔(TAO−Te)/(Tw−Te)〕×100(%)…(F2)
なお、SW=0(%)は、エアミックスドア17の最大冷房位置であり、バイパス通路16を全開し、ヒータコア15側の通風路を全閉する。これに対し、SW=100(%)は、エアミックスドア17の最大暖房位置であり、バイパス通路16を全閉し、ヒータコア15側の通風路を全開する。
次に、ステップS6にて、送風機8により送風される送風空気量(具体的には、電動モータ8bに出力する制御電圧)を決定する。この制御電圧については、目標吹出温度TAOに基づいて予め空調制御装置30に記憶された制御マップを参照して、目標吹出温度TAOが高温時および低温時に中間温度時よりも高くなるように決定される。
次に、ステップS7にて、吹出口モードを決定する。この吹出モードも、目標吹出温度TAOに基づいて、予め空調制御装置30に記憶された制御マップを参照して決定する。本実施形態では、TAOが低温域から高温域へと上昇するにつれて吹出モードをフェイスモード→バイレベル(B/L)モード→フットモードへと順次切り替える。
次に、ステップS8では、吸込口モード、すなわち内外気切替装置5の切替状態を決定する。この吸込口モードもTAOに基づいて、予め空調制御装置30に記憶された制御マップを参照して決定する。本実施形態では、基本的に外気を導入する外気モードが優先されるが、TAOが極低温域となって高い冷房性能を得たい場合等に内気を導入する内気モードが選択される。なお、本実施形態では、ステップS8にて、内外気切替装置5の切替状態が内気モードに決定されると、内気モードであることを示す内気フラグがオンに設定される。この内気フラグは、ステップS8における吸込口モードの決定結果を示すものであり、吸込口モードが内気モードとなる際にオンに設定され、外気モードとなる際にオフに設定される。
次に、ステップS9にて、蒸発器9から吹き出される送風空気の目標値である目標冷却温度TEOを決定する。このステップS9の詳細については、図3のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS91にて、蒸発器9にて冷却された送風空気の露点温度Tdewを算出する。具体的には、温湿度検出部36の検出値(温度Tinおよび相対湿度RHi)と露点温度Tdewとを関連付けた制御マップ(湿り空気線図)を空調制御装置30の記憶手段に記憶しておき、当該制御マップ、およびステップS3にて読み込まれた温湿度検出部36の検出値から露点温度Tdewを算出することができる。
続いて、ステップS92にて、車室内に送風する送風空気に悪臭が発生することを抑制するための第1目標温度TEODを算出する。具体的には、ステップS91にて算出した露点温度Tdewから予め定めた基準温度αを減算した値を第1目標温度TEOD(=Tdew−α)として算出する。なお、基準温度αは、露点温度Tdewの算出誤差の余裕代であり、例えば2℃に設定される。
続いて、ステップS93にて、車室内の空調熱負荷(冷房要求)に応じた第2目標温度TEOTを算出する。具体的には、車室内の空調熱負荷に相当する目標吹出温度TAO(ステップS4で算出)に基づいて、予め空調制御装置30の記憶手段に記憶された制御マップを参照して第2目標温度TEOTを算出する。この制御マップには、目標吹出温度TAOの低下に伴い第2目標温度TEOTが低下するように、目標吹出温度TAOと第2目標温度TEOTとが関連付けられている。
続いて、ステップS94にて、車室内の絶対湿度である車室内湿度Xrを算出する。このステップS94の詳細については、図4のフローチャートを用いて説明する。
まず、ステップS941にて、ステップS8にて決定した吸込口モードが内気モードであるか否かを判定する。具体的には、ステップS8にて設定される内気フラグのオンオフ状態に基づいて判定する。
ステップS941の判定処理にて、ステップS8にて決定した吸込口モードが内気モードであると判定された場合(内気フラグがオン)には、ステップS942に移行して、車室内湿度Xrを算出する。
ここで、吸込口モードが内気モードに設定されている場合、ケーシング2内に配置された温湿度検出部36の各センサ36a、36bが、内気に晒された状態となるため、温湿度検出部36の各センサ36a、36bにて、車室内の空気の温度および相対湿度を検出することができる。
このため、ステップS942では、ステップS3にて読み込んだ温湿度検出部36の検出値に基づいて、車室内湿度Xrを算出する。具体的には、ステップS942では、温湿度検出部36の検出値(温度Tinおよび相対湿度RHi)と絶対湿度とを関連付けた制御マップ(湿り空気線図)を空調制御装置30の記憶手段に記憶しておき、当該制御マップ、およびステップS3にて読み込まれた温湿度検出部36の検出値から車室内湿度Xrを算出する。なお、ステップS942にて算出された車室内湿度Xrは、空調制御装置30の記憶手段に記憶される。
ステップS942にて、車室内湿度Xrが算出されると、車室内湿度Xrを算出したことを示す湿度算出フラグをオンに設定して、ステップS95に移行する。なお、湿度算出フラグは、車両の運転停止や、車両用空調装置100のシステム停止に伴ってオフに初期化される。
一方、ステップS941の判定処理にて、ステップS8にて決定した吸込口モードが内気モードでないと判定された場合(内気フラグがオフ)、つまり、吸込口モードが外気モードとなっている場合には、ステップS943に移行して、車室内湿度算出要求の有無を判定する。
この判定では、車両の起動後、または車両用空調装置100の作動後、一度も車室内湿度Xrの算出が行われていない場合に車室内湿度算出要求が「有」とし、車室内湿度Xrの算出が行われた場合に車室内湿度算出要求が「無」とする。具体的には、ステップS941の判定処理では、湿度算出フラグのオンオフ状態に基づいて判定する。
ステップS943の判定処理にて、車室内湿度算出要求が「有」と判定された場合には、ステップS944に移行して、ステップS8における吸込口モードの決定内容に関わらず、吸込口モードを内気モードに決定する。なお、内気フラグは、あくまでもステップS8における吸込口モードの決定結果を示すものであり、ステップS944では、内気フラグの設定を変更しない。
続いて、ステップS945にて、ステップS944にて吸込口モードを内気モードに決定した後、予め定めた基準時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判定する。この結果、基準時間を経過したと判定された場合には、ステップS946にて車室内湿度Xrを算出し、基準時間を経過していないと判定された場合には、ステップS946およびS947の処理をスキップして、ステップS95に移行する。
ステップS946では、ステップS942と同様に、温湿度検出部36の検出値と絶対湿度とを関連付けた制御マップ(湿り空気線図)、および温湿度検出部36の検出値から車室内湿度Xrを算出する。
そして、ステップS946にて、車室内湿度Xrの算出が完了すると、ステップS947にて、吸込口モードを外気モードに再設定して、ステップS95に移行する。なお、ステップS946にて算出された車室内湿度Xrは、空調制御装置30の記憶手段に記憶されると共に、湿度算出フラグがオンに設定される。
ここで、ステップS945の処理は、温湿度検出部36の各センサ36a、36bの応答遅れを考慮して、温湿度検出部36のセンサ出力が安定する時間を確保するための処理である。このように、吸込口モードを内気モードに切り替え、温湿度検出部36のセンサ出力が安定した後に車室内湿度Xrを算出することで、車室内湿度Xrの算出精度の向上を図ることが可能となる。
なお、本実施形態では、ステップS943〜S947の制御処理が、外気モード時において、一時的にケーシング2内へ内気が導入されるように内外気切替装置100の作動を制御する内気導入制御に対応している。
図3に戻り、ステップS94にて車室内湿度Xrの算出が完了すると、ステップS95に移行して、車両窓ガラスの窓曇りを抑制するための第3目標温度TEOWを算出する。
ここで、車両窓ガラスWの曇りは、車両窓ガラスW周囲の空気中に含まれる水分が凝縮することにより発生するが、このような現象は、車両窓ガラスWの温度が低下するほど、または、車室内湿度Xrが上昇するほど生じ易い傾向がある。
そこで、本実施形態では、車両窓ガラスWの温度、および車室内湿度Xrに基づいて、目標温度TEOWを決定する。具体的には、本実施形態では、車両窓ガラスWの温度、車室内湿度Xr、および目標温度TEOWを関連付けた制御マップを空調制御装置30の記憶手段に記憶しておき、当該制御マップ、ステップS94にて算出した車室内湿度Xr、車両窓ガラスWの温度から目標温度TEOWを算出するようにしている。この制御マップには、車両窓ガラスWの温度が低下するほど、または、車室内湿度Xrが上昇するほど、目標温度TEOWが低下するように、車両窓ガラスWの温度、車室内湿度Xr、および目標温度TEOWが関連付けられている。
なお、車両窓ガラスWの温度に関しては、専用の温度センサにて検出してもよいが、車両用空調装置100の複雑化を避ける観点から、車速および内気センサ32の検出値を用いて推定することが望ましい。
次に、ステップS96にて、車室内湿度Xrを快適湿度範囲(例えば、室温25℃の環境において、相対湿度50〜70%の範囲)にするための第4目標温度TEOCを車室内湿度Xrに基づいて算出する。具体的には、本実施形態では、車室内湿度Xrと第4目標温度TEOCを関連付けた制御マップを空調制御装置30の記憶手段に記憶しておき、当該制御マップ、ステップS94にて算出した車室内湿度Xrから第4目標温度TEOCを算出するようにしている。この制御マップには、車室内湿度Xrの増加に応じて第4目標温度TEOCが低下するように、車室内湿度Xrと第4目標温度TEOCとが関連付けられている。
ここで、前述のステップS95およびS96の処理は、ステップS94にて車室内湿度Xrが算出されることを前提としており、ステップS94にて車室内湿度Xrを算出していない場合には、ステップS92、S93にて算出した各目標温度TEOD、TEOTより高い温度を目標温度TEOC、TEOWに決定する。
次に、ステップS97にて、ステップS92、S93、S95、S96にて算出した各目標温度TEOD、TEOT、TEOW、TEOCのうち、最も低い目標温度を今回の目標冷却温度TEOに決定する。なお、目標冷却温度TEOは、蒸発器9の着霜を防止するために下限値(0℃以上)が設定されており、ステップS97にて決定した目標冷却温度TEOが下限値を下回る場合には、目標冷却温度TEOを下限値に設定する。
ここで、本実施形態では、制御ステップS91が温湿度検出部36の検出値から露点温度Tdewを算出する露点温度算出手段を構成すると共に、制御ステップS92、S94が車室内湿度Xrを算出する車室内湿度算出手段を構成し、さらに、制御ステップS97が、少なくとも露点温度Tdew、車室内湿度Xrに基づいて、目標冷却温度TEOを決定する目標冷却温度決定手段を構成している。
続いて、図2に戻り、ステップS10にて、圧縮機11の回転数、すなわち冷媒吐出能力(具体的には、インバータ40から圧縮機11の電動モータ11bに出力される制御電流)を決定する。このステップS10では、蒸発器9における送風空気の冷却温度TeとステップS9で決定された目標冷却温度TEOとの偏差En(Te−TEO)を算出し、この偏差Enに基づいて、冷却温度Teが目標冷却温度TEOに近づくようにフィードバック制御(例えば、比例積分制御)によって、インバータ40から出力される制御電流を決定する。
つまり、本実施形態の車両用空調装置100では、空調制御装置30の冷却温度制御手段30aが、蒸発器9における送風空気の冷却温度Teを目標冷却温度TEOに近づけるように、圧縮機11の作動を制御する。
次に、ステップS11は、上述のステップS5〜S10で決定された制御状態が得られるように、空調制御装置30より各種空調制御機器7、8b、12a、18、25、40に対して制御信号等が出力される。続くステップS12では、操作パネル50から車両用空調装置100のシステム停止信号が出力されているか否かを判定する。
そして、ステップS12にて、システム停止信号が出力されていると判定された場合(S12:YES)には、システムを停止させ、システム停止信号が出力されていないと判定された場合(S12:NO)には、制御周期τ(具体的には、250ms程度)の間待機し、制御周期τの経過を判定するとステップS2に戻るようになっている。
本実施形態の車両用空調装置100は、以上の如く作動するので、送風機8から送風された送風空気が、蒸発器9にて冷媒が蒸発する際に吸熱されて冷却される。そして、蒸発器9にて冷却された冷風は、エアミックスドア17の開度に応じて、ヒータコア15側およびバイパス通路16側へ流入する。
ヒータコア15側へ流入した冷風はヒータコア15にて再加熱され、バイパス通路16を通過した冷風と混合されて温度調整される。そして、温度調整された空調風が各吹出口19〜21を介して車室内に吹き出される。これにより、車室内の内気温Trが外気温Tamより低く冷やされる場合には、車室内の冷房が実現され、一方、内気温Trが外気温Tamより高く加熱される場合には、車室内の暖房が実現されることになる。
この際、本実施形態では、蒸発器9に内気が送風される際に、蒸発器9にて冷却される前の冷却前空気の露点温度Tdewを算出するための温湿度検出部36の検出値に基づいて、車室内湿度Xrを算出する構成としている。このため、車室内湿度Xrを検出する専用のセンサを設けることなく車室内湿度Xrを算出することができる。
従って、本実施形態の車両用空調装置100によれば、簡素な構成で、蒸発器9にて冷却される前の冷却前空気の露点温度Tdewに加えて、車室内湿度Xrを算出することができる。
ここで、車室内湿度Xrを算出する方法として、車室内へ導入される空気の絶対湿度、および車室内における乗員の発汗や吐息による加湿量から車室内湿度Xrを推定することが考えられる。
しかし、車室内湿度Xrのうち乗員の加湿量は、車室内の乗員数や乗員の衣服や皮膚の湿潤状態等により大きく変化することから、車室内湿度Xrの推定値と実際の車室内湿度Xrが大きく乖離してしまうことがある。それ故、このような方法により算出した車室内湿度Xrの推定値を用いて目標冷却温度TEOを決定することは、圧縮機11の不必要な作動を誘引する要因となりかねず、車両用空調装置100の消費動力の増加が懸念される。
これに対して、本実施形態では、温湿度検出部36の検出値に基づいて車室内湿度Xrを算出する構成としているので、前述の車室内湿度Xrの推定値を用いる場合に比べて、車室内湿度Xrを精度よく算出することができる。これにより、圧縮機11の不必要な作動が抑制されるので、車両用空調装置100の省動力化を図ることが可能となる。
また、ケーシング2内に外気だけを導入する外気モード時には、空調制御装置30にて一時的にケーシング2内に内気を導入する内気導入制御(ステップS943〜S947の制御処理)を実行し、当該内気導入制御の実行中に温湿度検出部36の検出値に基づいて車室内湿度Xrを算出する構成としている。このため、外気モード時においても、車室内湿度Xrを算出することができる。
さらに、本実施形態では、外気モード時における内気導入制御の実行時に、吸込口モードをケーシング2内に内気だけを導入する内気モードとしているので、温湿度検出部36にて直接的に内気の温度および湿度を検出することができ、車室内湿度Xrを精度よく算出することができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、外気モード時において内気導入制御を実行する際に、吸込口モードをケーシング2内に外気および内気の双方を導入する内外気混入モードとする例について説明する。
本実施形態における室内空調ユニット1の構成は、第1実施形態と同様であり、空調制御装置30における車室内湿度Xrの算出処理の内容が第1実施形態と相違している。なお、第1実施形態と同様または均等な部分についての説明を省略、または簡略化して説明する。
図5は、本実施形態の空調制御装置30が実行する車室内湿度Xrの算出処理(制御ステップS94)の流れを示すフローチャートである。図5に示すように、ステップS941にて吸込口モードが内気モードでないと判定され、かつ、ステップS943にて車室内湿度算出要求が「有」と判定された場合には、ステップS948に移行する。
そして、ステップS948にて、温湿度検出部36の検出値から車室外空気の絶対湿度である車室外湿度Xoを算出し、算出した車室外湿度Xoを空調制御装置30の記憶手段に記憶する。なお、ステップS948では、ステップS942と同様に、温湿度検出部36の検出値と絶対湿度とを関連付けた制御マップ(湿り空気線図)、および温湿度検出部36の検出値から車室外湿度Xoを算出する。
続いて、ステップS949にて、ステップS8における吸込口モードの決定内容に関わらず、吸込口モードを内外気混入モードに決定する。なお、本実施形態の内外気混入モードは、ケーシング2内に外気および内気が均等となる割合(外気の導入量:内気の導入量=1:1)で導入されるように内外気切替ドア6を制御するものとする。
続いて、ステップS945にて、吸込口モードを内外気混入モードに決定した後、予め定めた基準時間(例えば、30秒)が経過したか否かを判定する。この結果、基準時間を経過していないと判定された場合には、ステップS950、S946、およびS947の処理をスキップして、ステップS95に移行する。
一方、ステップS945にて、基準時間を経過したと判定された場合には、ステップS950にて蒸発器9にて冷却される前の冷却前空気の絶対湿度Xhを算出する。このステップS950では、ステップS942と同様に、予め温湿度検出部36の検出値と絶対湿度とを関連付けた制御マップ(湿り空気線図)、および温湿度検出部36の検出値から冷却前空気の絶対湿度Xhを算出する。
ここで、ステップS950で算出した冷却前空気の絶対湿度Xhは、ケーシング2内に外気および内気を均等に導入した際の絶対湿度であり、下記数式F3で示す関係で規定することができる。Xh=(1/2)Xo+(1/2)Xr…(F3)
続いて、ステップS946にて、車室内に導入される内気および外気の導入割合、ステップS948にて算出した車室外絶対湿度Xo、およびステップS950にて算出した冷却前空気の絶対湿度Xhに基づいて、車室内絶対湿度Xrを算出する。具体的には、車室内絶対湿度Xrは、前述の数式F3を変形した下記数式F4により算出される。
Xr=2Xh−Xo…(F4)
そして、ステップS946にて、車室内絶対湿度Xrの算出が完了すると、ステップS947にて、再び吸込口モードを外気モードに決定して、ステップS95に移行する。なお、ステップS946にて算出された車室内絶対湿度Xrは、空調制御装置30の記憶手段に記憶される。
なお、本実施形態では、ステップS943、S946〜S950の制御処理が、外気モード時において、一時的にケーシング2内へ内気が導入されるように内外気切替装置100の作動を制御する内気導入制御に対応している。
以上説明した本実施形態によれば、温湿度検出部36の検出値に基づいて、車室内湿度Xrを算出することができるので、第1実施形態と同様に、簡素な構成で、蒸発器9にて冷却される前の冷却前空気の露点温度Tdewに加えて、車室内湿度Xrを算出することができる。
また、本実施形態では、外気モード時における内気導入制御の実行時に、ケーシング内へ外気および内気の双方を導入するようにしているので、外気モード時に内気が導入されることにより生ずる乗員の違和感を軽減することができる。
なお、本実施形態では、外気モード時における内気導入制御の実行時に、吸込口モードを外気と内気とを均等に導入する内外気混入モードに決定する例を説明したが、これに限定されない。
例えば、外気モード時における内気導入制御の実行時に、吸込口モードを外気と内気との導入割合が不均等となるように内外気切替ドア6を制御する内外気混入モードに決定するようにしてもよい(外気の導入量:内気の導入量=β:γ)。
この場合、ステップS950で算出する冷却前空気の絶対湿度Xhは、下記数式F4で示す関係で規定することができ、ステップS946にて、数式F4を変形した下記数式F5により車室内湿度Xrを算出することができる。
Xh={β/(β+γ)}Xo+{γ/(β+γ)}Xr…(F4)
Xr={(β+γ)/γ}Xh−(β/γ)Xo…(F5)
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない範囲で適宜変更することができる。例えば、以下のように種々変更可能である。
(1)上述の各実施形態では、車両の起動後、または車両用空調装置100の作動後、一度も車室内湿度Xrの算出処理が行われていない場合に、外気モード時における内気導入制御を実行する例を説明したが、これに限らず、例えば、車両の起動後や車両用空調装置100の作動後に、外気モード時における内気導入制御を周期的(例えば、30分毎)に実行するようにしてもよい。
この場合、車室内湿度Xrが前回の算出時から変化したとしても、その変化に対応して適切に車室内湿度Xrを算出して、目標冷却温度TEOを決定することができる。この結果、圧縮機11の不必要な作動が抑制されるので、車両用空調装置100の省動力化を図ることが可能となる。
なお、前回の算出時から車室内湿度Xrが変化する場面としては、例えば、雨天時に衣服等が濡れている乗員の乗車が考えられる。このような場面では、乗員の乗車後、濡れた衣服が蒸発して一時的に車室内湿度Xrが上昇するものの、時間が経過するにつれて衣服が乾燥して車室内湿度Xrが低下していく傾向がある。
また、車室内湿度Xrに基づいて算出する第3、第4目標温度TEOW、TEOCが目標冷却温度TEOとして採用される可能性が高い場合に、内気導入制御を実行してもよい。この場合、例えば、第3、第4目標温度TEOW、TEOCのいずれか一方が、第1、第2目標温度TEOD、TEOT以下となった際に、外気モード時における内気導入制御を実行することとなる。
(2)上述の各実施形態の如く、車室内湿度Xrの算出処理を外気モード時に内気導入制御を実行する際に行うことが望ましいが、これに限らず、例えば、車室内湿度Xrの算出処理を内気モード時にだけ行うようにしてもよい。
(3)上述の各実施形態では、第1〜第4目標温度TEOD、TEOT、TEOW、TEOCといった4つの目標温度のいずれかを目標冷却温度TEOに決定する構成としているが、これに限定されない。少なくとも露点温度Tdewに基づいて算出した第1目標温度TEOD、車室内湿度Xrに基づいて算出した第3、第4目標温度TEOW、TEOCのいずれかを目標温度TEOに決定する構成であれば、例えば、第1目標温度TEOD、および第3目標温度TEOWの一方を目標冷却温度TEOに決定してもよいし、第1目標温度TEOD、および第4目標温度TEOWの一方を目標冷却温度TEOに決定してもよい。さらに、上述した各目標温度TEOD、TEOT、TEOW、TEOC以外の目標温度を加えた複数の目標温度のいずれかを目標冷却温度TEOに決定する構成としてもよい。
(4)上述の各実施形態では、外気モード時における内気導入制御において、内気モードまたは内外気混入モードに決定した後、基準時間経過した後に車室内湿度Xrを算出する例を説明したが、これに限定されない。例えば、外気モード時における内気導入制御において、内気モード等に決定した後、温湿度検出部36のセンサ出力が予め定めた基準範囲内に収束した後に、車室内湿度Xrを算出するようにしてもよい。
(5)上述の各実施形態では、冷凍サイクル10の蒸発器9を空気冷却手段として採用する例を説明したが、これに限らず、例えば、吸着式冷凍機等の冷媒を蒸発させる蒸発器や、ペルチェ素子を用いた冷却モジュールを空気冷却手段として採用してもよい。
(6)上述の各実施形態では、本発明の車両用空調装置100をハイブリッド車両に適用する例について説明したが、これに限定されず、例えば、エンジンのみから駆動力を得て走行する自動車や、走行用電動モータのみから駆動力を得て走行する電気自動車に適用することができる。