JP3201125B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP3201125B2
JP3201125B2 JP02805294A JP2805294A JP3201125B2 JP 3201125 B2 JP3201125 B2 JP 3201125B2 JP 02805294 A JP02805294 A JP 02805294A JP 2805294 A JP2805294 A JP 2805294A JP 3201125 B2 JP3201125 B2 JP 3201125B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窓ガラスの曇りを除去
する曇り除去手段を備えた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両用空調装置では、窓ガラ
スの曇りを防止するための防曇制御が行なわれている。
この防曇制御は、車室内の相対湿度を検出する湿度セン
サの検出値に基づいて窓ガラスが曇るか曇らないかの判
定(防曇判定)を行い、「曇る」と判定された場合は、
冷凍サイクルの冷媒圧縮機を作動させて車室内を除湿す
ることにより窓ガラスの曇りを防止するものである。こ
の防曇制御では、湿度センサの応答遅れが問題となり、
特に車室内湿度が大きく変化する様な場合には、正確な
防曇判定を行なうことができない。
【0003】この湿度センサの応答遅れに対しては、防
曇判定の判定値を低く補正することで対応しているが、
判定値の下げ幅が大きくなると、必要以上に冷媒圧縮機
の運転時間が長くなり、省動力効果が低下することにな
る。従って、判定値の下げ幅は窓ガラスが曇らない範囲
でなるべく小さくした方が良い。そこで、実公平5−4
2696号公報では、相対湿度の変化割合が大きい時に
は下げ幅を大きくし、相対湿度の変化割合が小さい時に
は下げ幅を小さくして防曇制御を行なう技術が開示され
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、実際に窓ガ
ラスが曇るか曇らないかの判定は、車室内の絶対湿度
(ガラス近傍)と窓ガラスの温度によって決まる。従っ
て、上記のように、相対湿度を検出する湿度センサの検
出値に基づいて防曇判定を行なう場合には、絶対湿度が
変化していないにも係わらず、相対湿度が変化すること
によって防曇制御が行なわれる場合が生じる。例えば、
冬期の室温定常時(25〜28℃)に乗員が設定温度を
下げた時のことを考えてみると、絶対湿度は変化しない
が、相対湿度は室温の低下とともに上昇する。この時、
相対湿度の上昇割合が大きいと、判定値の下げ幅が大き
くなって防曇制御が実行される。つまり不要に冷媒圧縮
機がオンされるために、省動力効果が低下することにな
る。
【0005】また、実際に湿度センサの応答遅れによっ
て判定値の下げ幅を大きくする必要がある場合は、車室
内湿度が急激に上昇して窓ガラスが曇る様な時である。
具体的には、冷媒圧縮機をオンからオフに切り替えた直
後(冷媒蒸発器で結露した水分が再蒸発するため)、あ
るいは乗員が乗り込んだ時等である。
【0006】逆に、冷媒圧縮機をオフからオンに切り替
えた時の湿度変化に伴って判定値の下げ幅を大きくする
と、実際は車室内が除湿されて窓ガラスの曇りが除去さ
れていても、湿度センサの検出値が低下して補正後の判
定値に達するまでは防曇制御が継続される。つまり冷媒
圧縮機のオン時間が長くなる。従って、この様に冷媒圧
縮機をオフからオンに切り替えて車室内の絶対湿度が低
下する様な時は、判定値を高く補正した方が冷媒圧縮機
のオン時間が短くなって省動力となる。
【0007】但し、湿度センサの取付け位置が窓ガラス
より離れている場合は、湿度センサ近傍の湿度が低下し
ていても、窓ガラス内面の湿度が同じように低下してい
るとは限らない。このため、相対湿度の低下が大きいか
らと言って判定値の上げ幅を大きくすると、実際は未だ
窓ガラスの曇りが除去されていないにも係わらず、冷媒
圧縮機がオフされる場合が生じる。従って、冷媒圧縮機
をオフからオンに切り替えた時は、車室内の湿度分布を
考慮して、判定値の上げ幅を小さく、あるいは下げ幅を
小さく(冷媒圧縮機をオンからオフに切り替える時の判
定値の下げ幅より小さい)した方が良い。
【0008】本発明は、上記事情に基づいて成されたも
ので、その目的は、窓ガラスの曇りを防止するための防
曇制御を行なう上で、省動力効果の低下を小さくするこ
とのできる車両用空調装置の提供にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、各請求項毎に以下の技術的手段を採用す
る。請求項1では、図15に示すように、車室内の絶対
湿度を検出する絶対湿度検出手段100と、冷媒圧縮機
の作動に伴って窓ガラスの曇りを除去する曇り除去手段
110と、前記窓ガラスが曇るか曇らないかを判定する
ための防曇判定値を算出する判定値算出手段120と、
前記冷媒圧縮機の運転状態を判定する圧縮機判定手段1
30と、前記絶対湿度検出手段100の検出値の変化率
を算出する湿度変化率算出手段140と、この湿度変化
率算出手段140で算出された変化率に応じて、前記判
定値算出手段120で算出された防曇判定値を補正する
ための第1補正値を算出する第1補正値算出手段150
と、前記圧縮機判定手段130で前記冷媒圧縮機がオフ
状態であると判定された場合に、前記第1補正値算出手
段150で算出された第1補正値だけ前記防曇判定値を
下げるように補正する第1判定値補正手段160と、前
記圧縮機判定手段130で前記冷媒圧縮機がオフ状態で
あると判定された場合に、前記絶対湿度検出手段100
の検出値と前記第1判定値補正手段160で補正された
防曇判定値との比較に基づいて、前記窓ガラスが曇るか
曇らないかを判定する防曇判定手段170と、この防曇
判定手段170の判定結果に基づいて前記曇り除去手段
110の作動を制御する制御手段180とを備えてい
る。
【0010】請求項2では、請求項1記載の車両用空調
装置において、図16に示すように、前記湿度変化率算
出手段140で算出された変化率に応じて、前記判定値
算出手段120で算出された防曇判定値を補正するため
の第2補正値を算出し、その第2補正値が前記第1補正
値算出手段150で算出される第1補正値より小さく設
定された第2補正値算出手段190と、前記圧縮機判定
手段130で前記冷媒圧縮機がオン状態であると判定さ
れた場合に、前記第2補正値算出手段190で算出され
た第2補正値だけ前記防曇判定値を下げるように、また
は上げるように補正する第2判定値補正手段200とを
備え、前記防曇判定手段170は、前記圧縮機判定手段
130で前記冷媒圧縮機がオン状態であると判定された
場合は、前記絶対湿度検出手段100の検出値と前記第
2判定値補正手段200で補正された防曇判定値との比
較に基づいて前記窓ガラスが曇るか曇らないかを判定す
る。
【0011】請求項3では、請求項1または2記載の何
れかの車両用空調装置において、前記車室内の相対湿度
を検出する相対湿度検出手段と、前記車室内の温度を検
出する内気温検出手段とを備え、前記絶対湿度検出手段
は、前記相対湿度検出手段の検出値と前記内気温検出手
段の検出値に基づいて前記車室内の絶対湿度を求める。
【0012】
【作用】上記構成より成る本発明の車両用空調装置は、
車室内の絶対湿度を検出する絶対湿度検出手段の検出値
と防曇判定値との比較に基づいて、窓ガラスが曇るか曇
らないかを判定し、その判定結果に基づいて曇り除去手
段の作動が制御される。防曇判定値は、冷媒圧縮機がオ
フ状態であると判定された場合に、第1補正値算出手段
で算出された第1補正値だけ下げられる。また、冷媒圧
縮機がオン状態であると判定された場合に、第2補正値
算出手段で算出された第2補正値(但し第1補正値より
小さい)だけ補正される。
【0013】
【実施例】次に、本発明の車両用空調装置の一実施例を
図1〜図14に基づいて説明する。図1は車両用空調装
置の全体模式図である。本実施例の車両用空調装置(以
下エアコンと言う)1は、車室内に空調空気を導くダク
ト2、このダクト2内に空気を導入して車室内へ送る送
風機3、冷房手段を構成する冷凍サイクル4、暖房手段
を構成する温水回路5、およびエアコン制御装置6(図
2参照)を備える。
【0014】ダクト2は、その下流端に分岐ダクト2a
〜2cが接続されて、各分岐ダクト2a〜2cの先端が
車室内に開口する吹出口7〜9に連通されている。吹出
口7〜9は、車両の窓ガラス10に向けて空気を吹き出
すデフロスタ吹出口7、乗員の上半身に向けて空気を吹
き出すフェイス吹出口8、乗員の足元に向けて空気を吹
き出すフット吹出口9が設けられている。この各吹出口
7〜9は、分岐ダクト2a〜2cの上流開口部に設けら
れた吹出口切替ダンパ11、12によって選択的に開閉
される。各吹出口切替ダンパ11、12は、図示しない
リンク機構を介してサーボモータ13(図2参照)によ
り駆動される。
【0015】送風機3は、ブロワケース3a、遠心式フ
ァン3b、ブロワモータ3cより成り、このブロワモー
タ3cへの印加電圧(ブロワ電圧)に応じて送風量(ブ
ロワモータ3cの回転数)が決定される。ブロワケース
3aには、車室内空気(内気)を導入する内気導入口1
4と車室外空気(外気)を導入する外気導入口15とが
形成されるとともに、内気導入口14と外気導入口15
とを選択的に開閉する内外気切替ダンパ16が設けられ
ている。この内外気切替ダンパ16は、図示しないリン
ク機構を介してサーボモータ17(図2参照)により駆
動される。
【0016】冷凍サイクル4は、本発明の曇り除去手段
を成すもので、冷媒圧縮機18、冷媒凝縮器19、レシ
ーバ20、減圧装置21、冷媒蒸発器22の各機能部品
より構成されて、冷媒配管23によって環状に接続され
ている(図1参照)。冷媒圧縮機18は、電磁クラッチ
24を介して車両の走行用エンジン25によって駆動さ
れ、吸引したガス冷媒を高温高圧に圧縮して吐出する。
冷媒凝縮器19は、クーリングファン26の送風を受け
て、冷媒圧縮機18より吐出された高温高圧の冷媒を凝
縮液化する。
【0017】レシーバ20は、冷媒凝縮器19より送ら
れた冷媒を気液分離して、液冷媒のみを流出する。減圧
装置21は、レシーバ20より導かれた液冷媒を減圧膨
脹して冷媒蒸発器22に送るもので、冷媒蒸発器22の
出口配管を流れる冷媒の過熱度が一定となるように、通
過する冷媒流量を調節する温度作動式膨脹弁である。冷
媒蒸発器22は、ダクト2内に配されて、送風機3より
送られる空気との熱交換によって減圧装置21で減圧さ
れた低温低圧の冷媒を蒸発させる。
【0018】温水回路5は、ダクト2内で冷媒蒸発器2
2の風下に配されて、エンジン25の冷却水を熱源とし
てダクト2内を流れる空気を加熱するヒータコア27
と、このヒータコア27をエンジン25の冷却水回路
(図示しない)と環状に接続する温水配管28とを備え
る。
【0019】ヒータコア27は、ダクト2内で、冷媒蒸
発器22を通過した空気がヒータコア27を迂回して流
れるバイパス路29を形成するように配されている。ヒ
ータコア27を通過する空気量とバイパス路29を通過
する空気量との割合は、ヒータコア27の風上側に配さ
れたエアミックスダンパ30によって調節される。この
エアミックスダンパ30は、図示しないリンク機構を介
してサーボモータ31(図2参照)により駆動される。
【0020】エアコン制御装置6は、空調制御に係わる
制御プログラムや各種演算式等が記憶されたマイクロコ
ンピュータ(図示しない)を内蔵するもので、図2に示
すように、エアコン操作パネル32(図3参照)より出
力される操作信号、および各種センサ(後述する)から
の検出信号に基づいて、上述の各サーボモータ13、1
7、31、ブロワモータ3cを駆動するためのモータ駆
動回路33、電磁クラッチ24を駆動するためのクラッ
チ駆動回路34へ制御信号を出力する。
【0021】上記の各種センサは、車室内温度(内気温
Tr)を検出する内気温センサ35(本発明の内気温検
出手段)、車室外温度(外気温Tam)を検出する外気温
センサ36、日射量(日射量Ts)を検出する日射セン
サ37、冷媒蒸発器22の通過直後の空気温度(エバ後
温度Te)を検出するエバ後温度センサ38、エンジン
冷却水の温度(冷却水温Tw)を検出する水温センサ3
9、および車室内の相対湿度(湿度Rh)を検出する湿
度センサ40(本発明の相対湿度検出手段)等である。
【0022】エアコン操作パネル32は、車室内のイン
ストルメントパネル(図示しない)に配されて、図3に
示すように、乗員が希望する室内温度を設定する温度設
定スイッチ41、この温度設定スイッチ41で設定され
た温度をデジタル表示する設定温度表示部42、エアコ
ン1の自動制御指令を出力するオートスイッチ43、エ
アコン1の作動停止指令を出力するオフスイッチ44、
吸込口モードを選択する内外気切替スイッチ45、吹出
口モードを選択する吹出口切替スイッチ46、送風機3
の風量レベルを選択する風量設定スイッチ47、電磁ク
ラッチ24のON/OFFを選択するエアコンスイッチ
48が設けられている。
【0023】次に、本実施例の作動を説明する。図4は
エアコン制御装置6の処理手順を示すフローチャートで
ある。まず、各種カウンタやフラグ等の初期化、および
定数の設定を行なう(ステップS1)。続いて、温度設
定スイッチ41の設定温度信号Tset 、および各センサ
35〜40の検出信号(Tr、Tam、Ts、Te、T
w、Rh)を読み込む(ステップS2、S3)。
【0024】続いて、下記の数式に従って車室内への目
標吹出温度(以下TAOと言う)を算出する(ステップ
S4)。
【数1】TAO=Kset ・Tset −Kr・Tr−Kam・
Tam−Ks・Ts+C なお、Kset :温度設定ゲイン、Kr:内気温度ゲイ
ン、Kam:外気温度ゲイン、Ks:日射ゲイン、C:補
正定数である。
【0025】続いて、ステップS4で算出されたTAO
に基づいて、ブロワ電圧、吸込口モード、吹出口モード
をそれぞれ図5〜図7に示す特性図より決定する(ステ
ップS5〜S7)。なお、図5〜図7の特性図に示す関
係は、予めエアコン制御装置6のマイクロコンピュータ
に記憶されている。
【0026】続いて、車室内への実際の吹出空気温度
が、ステップS4で算出されたTAOとなるように、エ
アミックスダンパ30の目標開度SWを下記の数式に従
って算出する(ステップS8)。
【数2】SW=〔(TAO−Te)/(Tw−Te)〕
×100(%)
【0027】続いて、冷媒圧縮機18の作動判定を行な
う(ステップS9)。この冷媒圧縮機18の作動判定
は、車室内空調のために必要な能力確保、湿度に対する
快適性、および湿度による防曇性の各判定条件に基づい
て行なわれる。以下に、冷媒圧縮機18の作動判定を、
図8および図9に示すフローチャートに基づいて説明す
る。
【0028】まず、車室内空調を行なう時の制御目標値
となる目標エバ後温度(以下TEOK と言う)を決定す
る。初めに、下記の数式に基づいて冷媒圧縮機18をO
Nする必要があるか否かを判定する(ステップ90
1)。
【数3】TAO−α≧Tin なお、Tin:吸込空気温度(ダクト2内に導入される導
入空気の温度)、α:吸込空気温度のダクト2内での上
昇分である。吸込空気温度Tinは、センサを用いて検出
しても良いし、吸込口モード、吹出口モード、外気温、
内気温等より推定しても良い。
【0029】このステップ901の判定結果がNOの場
合、つまりTAOが吸込空気温度Tinと温度上昇分αと
の合計値より小さい時は、冷媒圧縮機18をONする必
要があるため、下記の数式に基づいてTEOK を算出す
る(ステップ902)。
【数4】TEOK =TAO−α
【0030】続いて、ステップ902で算出されたTE
OK の最低値T1 および最高値T2を設定する(ステッ
プ903・図10参照)。最低値T1 は、冷媒蒸発器2
2でのフロストを防止するために設定されたもので、算
出されたTEOK が最低値T1 以下となる場合は、TE
OK =最低値T1 となる。また、最高値T2 は、冷媒蒸
発器22から異臭が発生するのを防止するために設定さ
れたもので、算出されたTEOK が最高値T2 以上とな
る場合は、TEOK =最高値T2 となる。通常、最低値
T1 は0〜3℃、最高値T2 は10〜15℃に選択され
る。
【0031】ステップ901の判定結果がYESの場
合、つまりTAOが吸込空気温度Tinより十分大きけれ
ば、冷媒圧縮機18をONする必要がないため、TEO
K に仮の値‘100’を入力する(ステップ904)。
【0032】続いて、湿度に対する車室内の快適性を判
定するための制御目標値を求める。ここで、人間の快適
湿度範囲は、一般に相対湿度20〜60%(乗員雰囲気
温度25℃)であると言われている。但し、相対湿度
は、環境温度の変化によって変動する。例えば、環境温
度が下がると飽和水蒸気量が減少するため、人間の快適
湿度範囲は高湿度側へシフトすることになる。従って、
湿度に対する快適性は、温度変化の影響を受けない絶対
湿度で決まることになる。
【0033】そこで、まず、湿度センサ40で検出され
る車室内の相対湿度Rhと内気温センサ35で検出され
る内気温Trより車室内の絶対湿度RHzを算出する
(ステップ905・本発明の絶対湿度検出手段)。この
絶対湿度RHzは、図11に示す湿り空気線図(予めエ
アコン制御装置6のマイクロコンピュータに記憶されて
いる)に基づいて求めることができる。
【0034】続いて、図12に示す特性図に基づいて、
ステップ905で算出された絶対湿度RHzより、制御
目標値となる目標エバ後温度(以下TEOL と言う)を
求める(ステップ906)。図12に示す特性図で横軸
に設定したR2 は、25℃での相対湿度60%を絶対湿
度に換算したものである。また、R1 、R3 は、R2に
対して安全率(通常±5%程度)を設けた値である。
【0035】なお、湿度に対する快適性は、個人個人で
感じ方が違うため、厳密に相対湿度20〜60%に制御
する必要はない。従って、湿度センサ40の応答遅れに
対して安全率を設定しなくても良い。
【0036】続いて、窓ガラス10の曇りを防止するた
めの防曇制御を実行する。まず、下記の数式に基づい
て、ステップ905で算出された絶対湿度RHzの変化
率(時間変化ΔRHz)を求める(ステップ907・本
発明の湿度変化率算出手段)。
【数5】ΔRHz=RHzn −RHzn-1
【0037】続いて、窓ガラス10が曇るか曇らないか
を判定するための防曇判定値として、図13に示す湿り
空気線図(予めエアコン制御装置6のマイクロコンピュ
ータに記憶されている)を用いて、窓ガラス10の内面
温度より現在の環境における曇り湿度RHwを算出する
(ステップ908・本発明の判定値算出手段)。なお、
窓ガラス10の内面温度は、内気温Tr、外気温Tam、
車速Vの関数(数6)で表されるが、ここでは、簡易的
に外気温Tamとする。
【数6】RHw=f(Tr、Tam、V)
【0038】続いて、冷媒圧縮機18の運転状態を判定
し(ステップ909・本発明の圧縮機判定手段)、判定
された運転状態(ON状態、OFF状態)に応じて、そ
れぞれステップ908で算出された曇り湿度RHwを補
正するための補正値(β、γ)を算出する(ステップ9
10・本発明の第1補正値算出手段、ステップ911・
本発明の第2補正値算出手段)。
【0039】この補正値(β、γ)は、湿度センサ40
の応答遅れに対して設けるもので、絶対湿度RHzの時
間変化ΔRHzが大きい時ほど大きくなるように設定さ
れている。また、冷媒圧縮機18がON状態(ステップ
909でYESの判定)の時の補正値γは、冷媒圧縮機
18がOFF状態(ステップ909でNOの判定)の時
の補正値βより小さく設定されている。
【0040】続いて、算出された補正値(β、γ)によ
って、それぞれ曇り湿度RHwを補正する(ステップ9
12・本発明の第1判定値補正手段、ステップ913・
本発明の第2判定値補正手段)。但し、本実施例では、
ステップ909で冷媒圧縮機18がON状態であると判
定された場合は、曇り湿度RHwより補正値βを減算し
て曇り湿度RHwを低く補正するが、冷媒圧縮機18が
ON状態であると判定された場合は、曇り湿度をRHw
に補正値γを加算して曇り湿度RHwを高く補正するも
のである。
【0041】続いて、ステップ905で算出される現在
の絶対湿度RHzとステップ912またはステップ91
3で補正された曇り湿度RHwとを比較し(ステップ9
14・本発明の防曇判定手段)、その比較結果に対し
て、それぞれ防曇制御の制御目標値である目標エバ後温
度(以下TEOM と言う)を決定する。
【0042】ステップ914の判定で、絶対湿度RHz
が曇り湿度RHw以上の場合(YESの判定)、つまり
窓ガラス10が曇ると判定された場合は、TEOM を最
低値T1 (図10参照)とする(ステップ915)。ま
た、ステップ914の判定で、絶対湿度RHzが曇り湿
度RHwより小さい場合(NOの判定)、つまり窓ガラ
ス10が曇らないと判定された場合は、TEOM に‘1
00’を代入する(ステップ916)。
【0043】続いて、ステップ902またはステップ9
04で求めたTEOK 、ステップ906で求めたTEO
L 、ステップ915またはステップ916で求めたTE
OMの中で最小値を算出して、その算出値を最終的な目
標エバ後温度(以下TEOと言う)とする(ステップ9
17)。これにより、空調能力、快適性、防曇性の各条
件を満足するTEOが決定されることになる。なお、こ
こまでは、説明を簡略化するためにTEOK 、TEOL
、TEOM に対してヒステリシスを設けていないが、
通常はすべてヒステリシスが設定される。
【0044】続いて、ステップ917で求めたTEO値
によって冷媒圧縮機18をONするかOFFするかを判
定する(ステップ918)。この判定で、TEO=10
0(YESの判定)の場合は、冷媒圧縮機18をOFF
するためのOFFモードが設定され(ステップ91
9)、TEO≠100(NOの判定)の場合は、エバ後
温度センサ38で検出されるエバ後温度TeがTEOと
なるように、冷媒圧縮機18をON/OFF制御(図1
4参照)するためのON/OFFモードが設定される
(ステップ920)。
【0045】続いて、各制御目標値が得られるように、
各サーボモータ13、17、31、モータ駆動回路3
3、クラッチ駆動回路34へ制御信号を出力して、吹出
口切替ダンパ11、12、内外気切替ダンパ16、エア
ミックスダンパ30、ブロワモータ3c、および電磁ク
ラッチ24を制御する(ステップS10・本発明の制御
手段)。続いて、所定の制御周期τが経過しかた否かを
判定し(ステップS11)、経過した場合(YESの判
定)は、ステップS2以下の処理を繰り返し、経過して
いない場合(NOの判定)は、所定の制御周期τが経過
するまでステップS11を繰り返す。
【0046】本実施例では、上記の作動により、空調能
力の確保、湿度に対する快適性、湿度による防曇性の両
立が可能となる。そして、防曇制御においては、冷媒圧
縮機がOFF状態の時よりON状態の時の方が防曇判定
値(曇り湿度RHw)が高くなるように補正される(但
し、防曇判定値の補正値は、冷媒圧縮機18のOFF時
よりON時の方が小さくなるように設定されている)た
め、冷媒圧縮機18がOFFからONに切り替わって車
室内の絶対湿度が低下するような時は、冷媒圧縮機18
を不要に運転する時間が短くなって、省動力効果の低下
を小さくすることができる。
【0047】また、湿度による快適性を判定する制御目
標値(目標エバ後温度TEOL )に対しては、湿度セン
サ40の応答遅れに対する補正値を設定していないた
め、省動力性が損なわれることはない。
【0048】〔変形例〕本実施例では、防曇制御におい
て、冷媒圧縮機がON状態であると判定された時は、ス
テップ911で算出された補正値γを曇り湿度RHwに
加算して、防曇判定値が高くなるように補正したが、安
全性を高めるために、補正値γを曇り湿度RHwより減
算して防曇判定値が低くなるように補正しても良い。
【0049】本発明をエアミックス式の空調装置1に適
用したが、ヒータコア27へ供給される冷却水量を温水
回路5に設けた流量制御弁の弁開度に応じて制御するリ
ーヒート式の空調装置に適用しても良い。流量制御弁
は、例えばデューティー比制御によって弁開度を調節す
ることができる。本実施例では、電磁クラッチ24を介
して冷媒圧縮機18をON/OFF制御する冷凍サイク
ル4を用いたが、冷媒蒸発器22と冷媒圧縮機18との
間に蒸発圧力調整弁を設置したEPR式冷凍サイクル、
可変容量型の冷媒圧縮機を備える可変容量式冷凍サイク
ル等を採用しても良い。
【0050】本実施例では、防曇制御において、冷凍サ
イクル4の作動(冷媒圧縮機18のON)による除湿の
みを行なっているが、吹出口モードをデフロスタモード
に切り替える、あるいは吸込口モードを外気モードに切
り替える等のデミスト制御と組み合わせても良い。
【0051】
【発明の効果】本発明の車両用空調装置は、湿度センサ
の応答遅れに対して設定された補正値が、冷媒圧縮機の
オフ時よりオン時の方が小さくなるように設けたことに
より、冷媒圧縮機がオフからオンに切り替わって車室内
の絶対湿度が低下するような時には、冷媒圧縮機の不要
な運転時間が短縮されて、省動力効果の低下を小さくす
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】車両用空調装置の全体模式図である。
【図2】本実施例の制御系に係わるブロック図である。
【図3】エアコン操作パネルの正面図である。
【図4】本実施例の作動を示すフローチャートである。
【図5】送風機の制御特性図である。
【図6】吸込口モードの制御特性図である。
【図7】吹出口モードの制御特性図である。
【図8】冷媒圧縮機の作動判定を示すフローチャートで
ある。
【図9】冷媒圧縮機の作動判定を示すフローチャートで
ある。
【図10】空調制御に係わる制御目標値を決定するグラ
フである。
【図11】絶対湿度を求めるための湿り空気線図であ
る。
【図12】湿度による快適性を判定するための制御目標
値を決定するグラフである。
【図13】防曇判定値を決定するための湿り空気線図で
ある。
【図14】冷媒圧縮機の制御特性図である。
【図15】本発明の請求項1の構成を示すブロック図で
ある。
【図16】本発明の請求項2の構成を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
1 車両用空調装置 4 冷凍サイクル(曇り除去手段) 6 エアコン制御装置 10 窓ガラス 18 冷媒圧縮機 35 内気温センサ(内気温検出手段) 40 湿度センサ(相対湿度検出手段) 100 絶対湿度検出手段(ステップ905) 120 判定値算出手段(ステップ908) 130 圧縮機判定手段(ステップ909) 140 湿度変化率算出手段(ステップ907) 150 第1補正値算出手段(ステップ910) 160 第1判定値補正手段(ステップ912) 170 防曇判定手段(ステップ914) 190 第2補正値算出手段(ステップ911) 200 第2判定値補正手段(ステップ913)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川島 誠文 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本 電装株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−338436(JP,A) 特開 昭61−193923(JP,A) 特開 昭61−91706(JP,A) 実開 平3−22960(JP,U) 実開 昭59−140913(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 3/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)車室内の絶対湿度を検出する絶対湿度
    検出手段と、 b)冷媒圧縮機の作動に伴って窓ガラスの曇りを除去す
    る曇り除去手段と、 c)前記窓ガラスが曇るか曇らないかを判定するための
    防曇判定値を算出する判定値算出手段と、 d)前記冷媒圧縮機の運転状態を判定する圧縮機判定手
    段と、 e)前記絶対湿度検出手段の検出値の変化率を算出する
    湿度変化率算出手段と、 f)この湿度変化率算出手段で算出された変化率に応じ
    て、前記判定値算出手段で算出された防曇判定値を補正
    するための第1補正値を算出する第1補正値算出手段
    と、 g)前記圧縮機判定手段で前記冷媒圧縮機がオフ状態で
    あると判定された場合に、前記第1補正値算出手段で算
    出された第1補正値だけ前記防曇判定値を下げるように
    補正する第1判定値補正手段と、 h)前記圧縮機判定手段で前記冷媒圧縮機がオフ状態で
    あると判定された場合に、前記絶対湿度検出手段の検出
    値と前記第1判定値補正手段で補正された防曇判定値と
    の比較に基づいて、前記窓ガラスが曇るか曇らないかを
    判定する防曇判定手段と、 i)この防曇判定手段の判定結果に基づいて前記曇り除
    去手段の作動を制御する制御手段とを備えた車両用空調
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の車両用空調装置において、 前記湿度変化率算出手段で算出された変化率に応じて、
    前記判定値算出手段で算出された防曇判定値を補正する
    ための第2補正値を算出し、その第2補正値が前記第1
    補正値算出手段で算出される第1補正値より小さく設定
    された第2補正値算出手段と、 前記圧縮機判定手段で前記冷媒圧縮機がオン状態である
    と判定された場合に、前記第2補正値算出手段で算出さ
    れた第2補正値だけ前記防曇判定値を下げるように、ま
    たは上げるように補正する第2判定値補正手段とを備
    え、 前記防曇判定手段は、前記圧縮機判定手段で前記冷媒圧
    縮機がオン状態であると判定された場合は、前記絶対湿
    度検出手段の検出値と前記第2判定値補正手段で補正さ
    れた防曇判定値との比較に基づいて前記窓ガラスが曇る
    か曇らないかを判定することを特徴とする。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の何れかの車両用空
    調装置において、 前記車室内の相対湿度を検出する相対湿度検出手段と、 前記車室内の温度を検出する内気温検出手段とを備え、 前記絶対湿度検出手段は、前記相対湿度検出手段の検出
    値と前記内気温検出手段の検出値に基づいて前記車室内
    の絶対湿度を求めることを特徴とする。
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