JP2014061801A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】暖房運転時に臭気による乗員の不快感を低減することができる車両用空調装置を提供する。
【解決手段】車両用空調装置のエアコンECU50は、蒸発器7で空気を冷却する冷房運転と、凝縮器3で空気を加熱する冷房運転と、蒸発器7で空気を冷却し当該冷却された空気を凝縮器3で加熱する除湿暖房運転とを制御して、車室内へ送風される空気を空調する。エアコンECU50は、前回の運転が冷房運転または除湿暖房運転である場合に、今回の暖房運転中に、車室内に開口するセンターフェイス吹出口から空調風を吹き出さない吹出禁止期間を設定する。
【選択図】図3

Description

本発明は、冷房運転及び暖房運転の両方において、車室内へ送風される空気が蒸発器を通過する空気通路を備える車両用空調装置に関する。
特許文献1の車両用空調装置には、車室内へ送風される空調空気が流れる通風路の途中であって蒸発器よりも下流側に、当該通風路から分岐し車外に通じる流体排出通路を備え、車外の新鮮な空気を当該通風路に導入するための流体吸入通路を備えることが開示されている。
具体的には、特許文献1の車両用空調装置は、始動時に、流体排出通路を第1のダンパによって開放するとともに、流体吸入通路を第2のダンパによって開放する。通風路に滞留されていた異臭を含んだ空気は、始動時に流体排出通路から車外に排出され、一方、流体吸入通路を介して車外の新鮮な空気は車室内に供給される。
特開平5−69741号公報
しかしながら、特許文献1に記載の装置は、始動時に乗員に与えうる不快感を解消するために、車外と連通する専用の流体排出通路を通風路の途中に分岐するように設け、この流体排出通路を開放及び閉鎖するダンパを備える必要がある。したがって、臭気を車室内へ導入しないために、専用の臭気排出用通路及び外気吸入通路とこれらの各通路を開閉する構造とが必要であり、部品点数が増加するという問題や、装置の大型化、装置構成の複雑化という問題がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、臭気を外部に排出するための別途の構成要素を必要とすることなく、暖房運転時に臭気による乗員の不快感を低減することができる車両用空調装置を提供することである。
本発明は上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。すなわち、本願の車両用空調装置に係る発明は、車室内に空気を送風するための送風手段(21)と、送風手段により送風される空気が通る空気通路を形成する空調ユニットケース(20)と、空調ユニットケース内に設けられ、ヒートポンプサイクル(1)を流れる冷媒によって空気通路を流れる空気を冷却する冷却用熱交換器(7)と、空調ユニットケース内に設けられ、ヒートポンプサイクル(1)を流れる冷媒によって冷却用熱交換器を通過した空気を加熱する加熱用熱交換器(3)と、
冷却用熱交換器で空気を冷却する冷房運転と、加熱用熱交換器で空気を加熱する暖房運転と、冷却用熱交換器で空気を冷却し当該冷却された空気を加熱用熱交換器で加熱する除湿暖房運転とを制御して、車室内へ送風される空気を空調する制御装置(50)と、を備え、
制御装置は、前回の運転が冷房運転または除湿暖房運転である場合に、今回の暖房運転中に、車室内に開口するセンターフェイス吹出口(31)からの空調風の吹き出しを許可しない吹出禁止期間を設定することを特徴とする。
前回、冷房運転または除湿暖房運転であった場合、その際に濡れた冷却用熱交換器が今回の暖房運転で乾かされることにより発生しやすい異臭成分が空調風にのって車室内に供給されてしまうことがある。本願発明によれば、当該センターフェイス吹出口からの空調風の吹出しを禁止する時間を暖房運転中に設定する。すなわち、今回の暖房運転においてフェイス吹出口から空調風が吹き出される吹出しモードが作動した場合であっても、あえてセンターフェイス吹出口からの吹出しについては吹出禁止期間の間、禁止する吹出し制御を実施する。これにより、今回の暖房運転で車室内に臭気が漏れたとしても、その臭気は乗員の嗅覚部分に直接向けられていない車室内吹出口から吹き出されるため、臭気を含んだ空調風が乗員の上半身に向けて吹き出されることを抑止することができる。したがって、臭気を車室外に排出するための別途の構成要素を必要とすることなく、暖房運転時に臭気による乗員の不快感を低減する車両用空調装置を提供できる。
なお、特許請求の範囲及び上記各手段に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明の第1実施形態に係る車両用空調装置の構成図である。 車両用空調装置に係る制御構成を示すブロック図である。 車両用空調装置による第1実施形態の空調制御の流れを示すフローチャートである。 第1実施形態の臭気防止制御を説明するためのタイムチャートである。 前回運転後の蒸発器の保水量を算出するために用いる第1の制御マップである。 前回運転後の蒸発器の保水量を算出するために用いる第2の制御マップである。 蒸発器の保水量に関する減算量を算出するために用いる第1の制御マップである。 蒸発器の保水量に関する減算量を算出するために用いる第2の制御マップである。 車両用空調装置による第2実施形態の空調制御の流れを示すフローチャートである。 第2実施形態の臭気防止制御を説明するためのタイムチャートである。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
(第1実施形態)
以下、本願発明の第1実施形態について図1〜図9を用いて説明する。本願発明に係る車両用空調装置は、冷媒サイクルの一例であって、車室内への送風空気の温度を調整する蒸気圧縮式のヒートポンプサイクル1、ヒートポンプサイクル1によって温度調整された送風空気を車室内へ吹き出すための空調ユニット20、及び車両用空調装置の各種構成機器の作動を制御する制御装置としてのエアコンECU50等を備えている。
ヒートポンプサイクル1は、送風空気を冷却して車室内を冷房する冷房モード(冷房運転)の冷媒回路と、送風空気を加熱して車室を暖房する暖房モード(暖房運転)の冷媒回路と、さらに、冷却用熱交換器で送風空気を冷却し、さらに送風空気を加熱用熱交換器で加熱する除湿暖房モード(除湿暖房運転)の冷媒回路とを切替え可能に構成されている。なお、図1では、冷房モードにおける冷媒の流れを破線矢印で示し、暖房モードにおける冷媒の流れを実線矢印で示し、さらに、除湿暖房モードにおける冷媒の流れを白抜き矢印で示している。
ヒートポンプサイクル1は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機2、送風空気を加熱する加熱用熱交換器としての凝縮器3、送風空気を冷却する冷却用熱交換器としての蒸発器7、冷媒を減圧膨張させる暖房用固定絞り4及び冷房用固定絞り6、並びに、冷媒回路切替手段としての電磁弁10及び電磁弁11等を備えている。ヒートポンプサイクル1では、例えば、冷媒としてHFC系冷媒(具体的には、R134a)を採用しており、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない蒸気圧縮式の亜臨界冷凍サイクルを構成している。
圧縮機2は、車室外となる車両のボンネット内に配置され、ヒートポンプサイクル1において冷媒を吸入し、圧縮して吐出し、吐出容量が固定された固定容量型の圧縮機構を電動モータにて駆動する電動圧縮機として構成されている。固定容量型の圧縮機構としては、具体的に、スクロール型圧縮機構、ベーン型圧縮機構等の各種圧縮機構を採用することができる。電動モータは、例えばインバータから出力される交流電圧によって、その回転数が制御される交流モータである。インバータは、エアコンECU50から出力される制御信号に応じた周波数の交流電圧を出力する。この周波数または回転数制御によって、圧縮機2の冷媒吐出能力が変更される。
圧縮機2の吐出口側には、凝縮器3の冷媒入口側が接続されている。凝縮器3は、空調ユニット20において車室内へ送風される送風空気の空気通路を形成する空調ユニットケース内に配置されて、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させることで送風空気を加熱する加熱用熱交換器である。
凝縮器3の冷媒出口側には、暖房モード時に冷媒を減圧させる暖房用固定絞り4を介して室外熱交換器5の冷媒入口側が接続されている。暖房用固定絞り4としては、オリフィス、キャピラリチューブ等を採用することができる。また、暖房用固定絞り4は、暖房モード時に冷媒を減圧させる機能を発揮できれば、固定絞りに限定されることなく全開機能付き電気式膨張弁等の可変絞り機構であってもよい。
さらに凝縮器3の冷媒出口側には、暖房用固定絞り4と並列関係にある電磁弁10が設けられている。電磁弁10は、冷房モードにおける冷媒回路、暖房モードにおける冷媒回路、及び除湿暖房モードにおける冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段を構成し、エアコンECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される開閉弁である。具体的には、電磁弁10は、暖房モード時及び除湿暖房モード時に閉じられ、冷房モード時に開放される。
なお、電磁弁10が開いた状態で冷媒が電磁弁10を通過する際に生じる圧力損失は、電磁弁10が閉じた状態で冷媒が暖房用固定絞り4を通過する際に生じる圧力損失に対して極めて小さい。したがって、電磁弁10が開いた状態では、凝縮器3から流出した冷媒のほぼ全流量が電磁弁10を通過して室外熱交換器5側へ流れる。
室外熱交換器5は、ボンネット内に配置されて、内部を流通する冷媒と室外ファン5aから送風された車室外の空気(外気)とを熱交換させる。室外ファン5aは、エアコンECU50から出力される制御電圧によって回転数(送風能力)が制御される電動式送風機である。室外熱交換器5の冷媒出口側には、冷房モード時に冷媒を減圧させる冷房用固定絞り6を介して蒸発器7の冷媒入口側が接続されている。冷房用固定絞り6としては、暖房用固定絞り4と同様に、オリフィス、キャピラリチューブ等を採用することができる。また、冷房用固定絞り6は、冷房モード時に冷媒を減圧させる機能を発揮できれば、固定絞りに限定されることなく全開機能付き電気式膨張弁等の可変絞り機構であってもよい。
さらに室外熱交換器5の冷媒出口側には、冷房用固定絞り6及び蒸発器7をバイパスする通路に電磁弁11が設けられている。電磁弁11は、冷房モードにおける冷媒回路、暖房モードにおける冷媒回路、及び除湿暖房モードにおける冷媒回路を切り替える冷媒回路切替手段を構成し、エアコンECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される開閉弁である。具体的には、電磁弁11は、冷房モード時及び除湿暖房モード時に閉じられ、暖房モード時に開放される。
なお、電磁弁11が開いた状態で冷媒が電磁弁11を通過する際に生じる圧力損失は、電磁弁11が閉じた状態で冷媒が冷房用固定絞り6を通過する際に生じる圧力損失に対して極めて小さい。したがって、電磁弁11が開いた状態では、室外熱交換器5から流出した冷媒のほぼ全流量が電磁弁11を通過してアキュムレータ8側へ流れる。
蒸発器7は、空調ユニットケース内のうち、凝縮器3の送風空気流れの上流側に配置されて、その内部を流通する冷媒と送風空気とを熱交換させて送風空気を冷却する冷却用熱交換器である。蒸発器7の冷媒出口側には、アキュムレータ8の入口側が接続されている。アキュムレータ8は、内部に流入した冷媒の気液を分離して、サイクル内の余剰冷媒を蓄える気液分離器である。さらに、アキュムレータ8の気相冷媒出口には、圧縮機2の吸入口側が接続されている。
次に、空調ユニット20について説明する。空調ユニット20は、車室内最前部のインストルメントパネルの内側に配置され、その外殻を形成する空調ユニットケース内に室内用ブロワ21、蒸発器7、凝縮器3、エアミックスドア24等を収容する。空調ユニットケースは、ある程度の弾性を有し、強度的にも優れた樹脂(例えば、ポリプロピレン)にて成形されており、その内部に車室内へ送風される送風空気の空気通路を形成している。空調ユニットケースの送風空気流れ最上流側には、ケース内へ車室内の空気(内気)と外気とを切替導入する内外気切替装置30が配置されている。
内外気切替装置30は、空調ユニットケース内へ内気を導入させる内気導入口及び外気を導入させる外気導入口の開口面積を、内外気切替ドアによって連続的に調整して、内気の風量と外気の風量との風量割合を連続的に変化させる。内外気切替ドアは、内外気切替ドア用の電動アクチュエータ40によって駆動される。電動アクチュエータ40は、エアコンECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
内外気切替装置30の空気流れ下流側には、内外気切替装置30を介して吸入した空気を車室内へ向けて送風する室内用ブロワ21が配置されている。送風手段である室内用ブロワ21は、遠心多翼ファンを電動モータにて駆動する電動送風機であって、エアコンECU50から出力される制御電圧によって回転数(送風量)が制御される。
室内用ブロワ21の空気流れ下流側には、蒸発器7及び凝縮器3が、送風空気の流れに対して、蒸発器7、凝縮器3の順に配置されている。空調ユニットケース内には、蒸発器7を通過後の送風空気のうち、凝縮器3を通過させる風量と凝縮器3を通過させない風量との風量割合を調整するエアミックスドア24が配置されている。エアミックスドア24は、エアミックスドア駆動用の電動アクチュエータ41によって駆動される。電動アクチュエータ41は、エアコンECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
第1実施形態では、暖房モード時及び除湿暖房モード時には図1の実線で示すように、蒸発器7を通過後の送風空気の全風量を凝縮器3へ流入させる暖房位置に、エアミックスドア24を変位させる。したがって、蒸発器7を通過後の送風空気は、凝縮器3を通過し温風通路23を流れ、複数の吹出用の開口部の上流側に形成されたエアミックス部25に至る。冷房モード時には図1の破線で示すように、蒸発器7を通過後の送風空気の全風量を凝縮器3を迂回させる冷房位置に、エアミックスドア24を変位させる。したがって、蒸発器7を通過後の送風空気は、冷風通路22を流れ、複数の吹出用の開口部の上流側に形成されたエアミックス部25に至る。
空調ユニットケースの空気流れ最下流部には、凝縮器3を通過した送風空気あるいは凝縮器3を迂回した送風空気を、空調対象空間である車室内へ吹き出すための開口が設けられている。この開口としては、車両前面窓ガラス内側面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ開口部32、車室内の乗員の上半身に向けて空調風を吹き出すフェイス開口部31、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット開口部33が設けられている。これらの開口部の空気流れ下流側は、それぞれ空気通路を形成するダクトを介して、車室内に設けられたセンターフェイス吹出口、サイドフェイス吹出口等からなるフェイス吹出口、フット吹出口及びデフロスタ吹出口(図示せず)に接続されている。
したがって、冷房モード時に、エアミックスドア24の開度を調整して、蒸発器7にて冷却された送風空気の一部を凝縮器3で再加熱することで、フェイス吹出口、フット吹出口及びデフロスタ吹出口から車室内へ吹き出される送風空気の温度を調整するようにしてもよい。また、デフロスタ開口部32、フェイス開口部31及びフット開口部33の空気流れ上流側には、それぞれ、デフロスタ開口部32の開口面積を調整するデフロスタドア27、フェイス開口部31の開口面積を調整するフェイスドア26、フット開口部33の開口面積を調整するフットドア28が配置されている。
フェイスドア26、デフロスタドア27及びフットドア28は、吹出口モードを切替える吹出口モード切替手段を構成するものであって、リンク機構等を介して、吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータ42に連結されて連動して回転操作される。なお、電動アクチュエータ42も、エアコンECU50から出力される制御信号によって、その作動が制御される。
また、吹出口モード切替手段によって切り替えられる吹出口モードとしては、センターフェイス吹出口等から車室内乗員の上半身に向けて空気を吹き出すフェイスモード、センターフェイス吹出口とフット吹出口の両方を開口して車室内乗員の上半身と足元に向けて空気を吹き出すバイレベルモード、フット吹出口を全開するとともにデフロスタ吹出口を小開度だけ開口して、フット吹出口から主に空気を吹き出すフットモード、及びフット吹出口及びデフロスタ吹出口を同程度開口して、フット吹出口及びデフロスタ吹出口の双方から空気を吹き出すフットデフロスタモードがある。さらに、乗員が操作パネル60に設けられた吹出モード切替スイッチをマニュアル操作することによって、デフロスタ吹出口を全開してデフロスタ吹出口からフロント窓ガラス内面に空気を吹き出すデフロスタモードとすることもできる。
次に、電気制御部について説明する。エアコンECU50は、CPU、ROM及びRAM等を周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。そして、そのROM内に記憶された空調制御プログラムに基づいて各種演算、処理を行い、その出力側に接続された圧縮機2用のインバータ、電磁弁10及び電磁弁11、室外ファン5a、室内用ブロワ21、各種電動アクチュエータ40〜42の作動を制御する。
エアコンECU50の入力側には、吐出温度センサ51、吐出圧力センサ52、蒸発器前温度センサ53、蒸発器後温度センサ54等の空調制御用のセンサ群の検出信号が入力される。吐出温度センサ51は、圧縮機2の吐出冷媒の吐出冷媒温度Tdを検出する。吐出圧力センサ52は、圧縮機2の吐出冷媒の吐出冷媒圧力Pdを検出する。蒸発器前温度センサ53は、蒸発器7を通過する前の吸込み空気温度を検出する。蒸発器後温度センサ54は、蒸発器7を通過直後の空気温度を検出し、当該温度は蒸発器の温度として用いることができる。
なお、吐出冷媒圧力Pdは、冷房モードでは、圧縮機2の冷媒吐出口側から冷房用固定絞り6の入口へ至るサイクルの高圧側冷媒圧力となり、暖房モードでは、圧縮機2の冷媒吐出口側から暖房用固定絞り4の入口へ至るサイクルの高圧側冷媒圧力となる。また、蒸発器後温度センサ54は、例えば、蒸発器7の熱交換フィン温度を検出するようにしてもよい。
さらに、エアコンECU50の入力側には、車室内前部の計器盤付近の操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチからの操作信号が入力される。操作パネル60に設けられた各種空調操作スイッチとしては、例えば、車両用空調装置の作動スイッチ、車両用空調装置の自動制御を設定あるいは解除するオートスイッチ、運転モードを切り替える運転モード切替スイッチ、吹出口モードを切り替える吹出モード切替スイッチ、室内用ブロワ21の風量設定スイッチ、車室内の目標温度Tsetを設定する車室内温度設定スイッチ等がある。
エアコンECU50は、その出力側に接続された各種空調用構成機器を制御する制御手段が一体に構成された制御装置である。エアコンECU50は、蒸発器7で送風空気を冷却する冷房運転と、凝縮器3で送風空気を加熱する暖房運転と、蒸発器7で送風空気を冷却し当該冷却された空気を凝縮器3で加熱する除湿暖房運転とを制御することができる。
次に、エアコンECU50による基本的な通常の空調制御について説明する。通常の空調制御は、後述する図3に示すフローチャートのステップ10において行われる処理である。つまり。通常の空調制御は、今回、冷房運転または除湿暖房運転である場合や、今回、暖房運転であっても、前回の運転が冷房運転または除湿暖房運転でない場合に実行されることになる。
通常の空調制御では、初期化処理、スイッチ信号の読み込み処理、センサ信号の読み込み処理、目標吹出温度TAO算出処理、室内用ブロワ21の電圧決定処理、吸込みモード(外気導入、内気循環)の決定処理、吹出口モードの決定処理、エアミックスドア24の位置決定処理、室外ファン5aの出力決定処理、冷媒回路切替手段(電磁弁10,11)の作動決定処理、圧縮機2の回転数決定処理、各部への制御信号出力の処理を順に実行していく。これら一連の処理は、所定の制御周期間隔で繰り返し実行されることになる。
次に、本願の特徴的な臭気抑制に係る制御について図3を用いて説明する。図3に示すフローチャートは、エアコンECU50に電力が供給されており、かつ自動空調運転が設定されている場合またはマニュアル操作によって空調運転が設定された場合に開始される。なお、図3のフローチャートに示す各処理は、主にエアコンECU50によって実行されるものである。
まずステップ1では、今回、設定された運転が「暖房運転」であるか否かを判定する。ステップ1で今回の運転が暖房運転でないと判定すると、ステップ10に進み、上述した「通常の空調制御」を実行した後、ステップ1に戻り上記判定を実行する。
一方、ステップ1で今回の運転が暖房運転であると判定すると、ステップ2で前回運転後の蒸発器7の保水量を読み込む。エアコンECU50は、前回の空調運転終了後に、蒸発器7の表面に凝縮した保水量をRAM等の記憶手段に書き込むようにしている。ステップ2は記憶手段からこれを読み出す処理である。当該保水量は、実機等を使用した実験結果、経験則から得られたデータに基づいて予めROM等に記憶された所定値であってもよいし、前回運転時に得られた各種のパラメータを用いて算出された算出値であってもよい。何れの方法による保水量であっても、エアコンECU50は、前回の空調運転終了後に、保水量を記憶手段に記憶させる処理を実行する。
エアコンECU50は、前回の冷房運転等の終了後に蒸発器7の保水量を以下の方法で算出する。図5の制御マップは、70%、80%、90%、100%の各吸込み空気湿度の条件について、蒸発器7の吸込み温度[℃]と水分量W1[g/時間]との関係を表したデータである。エアコンECU50は、当該制御マップをROM等の記憶手段に記憶している。蒸発器7の吸込み温度は、蒸発器前温度センサ53によって検出された蒸発器7を通過する前の吸込み空気温度である。吸込み空気湿度は、当該吸込み空気温度等のデータを用いて算出してもよいし、装備する湿度センサによって検出した値を採用してもよい。そして、エアコンECU50は、図5の制御マップ、蒸発器7の吸込み空気湿度及び吸込み温度等を用いて、水分量W1[g/時間]を求める。
図6の制御マップは、蒸発器7の温度TEO[℃]と水分量W2[g/時間]との関係を表したデータである。エアコンECU50は、当該制御マップをROM等の記憶手段に記憶している。蒸発器7の温度には、蒸発器後温度センサ54によって検出された蒸発器7を通過直後の空気温度を採用する。そして、エアコンECU50は、図6の制御マップ、蒸発器7の温度等を用いて、水分量W2[g/時間]を求める。さらに、エアコンECU50は、W1−W2の値に前回の運転時間を乗じた計算値と、実機等を使用した実験結果、経験則等に基づいて予めROM等に記憶された最大保水量の値とを比較し、小さい方の値を前回運転後の保水量として決定する。このように決定された保水量は、前回の冷房運転等の終了後に、RAM等の記憶手段に記憶されることになる。
次にステップ3では、前回の運転が冷房運転か除湿暖房運転のいずれかであるか否かを判定する。前回が冷房運転、除湿暖房運転のいずれでもない場合は、ステップ10に進み上述した通常の空調制御を行う。前回が冷房運転または除湿暖房運転である場合は、ステップ4で吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータ42を制御してセンターフェイス吹出口に通じる通路を閉鎖する処理を実行するとともに、ステップ5で暖房運転を開始する。これにより、センターフェイス吹出口からは空調風が吹き出されない暖房運転が開始されることになる。
次にステップ6で、今回の暖房運転開始後の保水量の減算量を算出する。この減算量は、ステップ2で読み込まれた保水量が今回の暖房運転の間に減少していく速度に相当し、換言すれば、蒸発器7からの蒸発速度ともいえる。
エアコンECU50は、保水量の減算量を以下の方法で算出する。図7の制御マップは、室内用ブロワ21による送風風量と第1の減算量S1との関係を表したデータである。エアコンECU50は、当該制御マップをROM等の記憶手段に記憶している。室内用ブロワ21による送風風量は、室内用ブロワ21の回転数と所定の関係式とから求めることができる。そして、エアコンECU50は、図7の制御マップ、室内用ブロワ21の送風風量等を用いて第1の減算量S1を求め、この第1の減算量S1をステップ6の減算量として決定してもよい。
さらに、エアコンECU50は、第1の減算量S1と第2の減算量S2とを用いてステップ6の減算量を決定するようにしてもよい。この場合、図8の制御マップを用いて、第2の減算量S2を求めることになる。図8の制御マップは、50%、60%、70%、80%の各吸込み空気湿度の条件について、蒸発器7の吸込み温度[℃]と第2の減算量S2との関係を表したデータである。エアコンECU50は、当該制御マップをROM等の記憶手段に記憶している。蒸発器7の吸込み温度は、蒸発器前温度センサ53によって検出された蒸発器7を通過する前の吸込み空気温度である。吸込み空気湿度は、当該吸込み空気温度等のデータを用いて算出してもよいし、装備する湿度センサによって検出した値を採用してもよい。そして、エアコンECU50は、図8の制御マップ、蒸発器7の吸込み空気湿度及び吸込み温度等を用いて、第2の減算量S2を求める。
さらに、エアコンECU50は、第1の減算量S1と第2の減算量S2とを乗じて得られる計算値を、実機等を使用した実験結果、経験則等に基づいて予めROM等に記憶された最大保水量の値とを比較し、小さい方の値をステップ6の減算量として決定する。また、エアコンECU50は、第2の減算量S2をステップ6の減算量として決定してもよい。
次にステップ7では、ステップ2で読み込んだ保水量が、ステップ6で求めた減算量によってゼロになる時間を推定し、当該推定時間に到達したか否かを判定する。つまり、ステップ7では、記憶済みの保水量と算出した減算量とから求めた現在の保水量がゼロになったか否かを判定する。
ステップ7で、保水量がゼロになったと判定すると、ステップ8で保水量がゼロであると判定した時点から所定時間TAが経過したか否かを判定する。この所定時間TAは、暖房運転当初に濡れていた蒸発器7が乾いた状態になる前後で、大量の異臭成分が発生することに鑑み、臭気が空調風にのって車室内に供給されることを防止するために、設定する時間である。所定時間TAは、実機等を使用した実験結果、経験則等から、センターフェイス吹出口から空調風を吹き出しても乗員が臭気を感じない時間に設定される。
ステップ8で所定時間TAが経過したと判定するまで、センターフェイス吹出口からの吹出し禁止は維持される。所定時間TAが経過したと判定すると、ステップ9でセンターフェイス吹出口に通じる通路の閉鎖を解除し、その後、センターフェイス吹出口からの吹出しを許可する通常の暖房運転が実施されることになる。以上より、図4のタイムチャートに図示するように、センターフェイス吹出口の吹出禁止期間は、暖房運転開始時から始まり、保水量ゼロを判定後、さらに所定時間TAが経過するまで継続されるのである。
第1実施形態の車両用空調装置がもたらす効果を以下に述べる。車両用空調装置のエアコンECU50は、蒸発器7で空気を冷却する冷房運転と、凝縮器3で空気を加熱する冷房運転と、蒸発器7で空気を冷却し当該冷却された空気を凝縮器3で加熱する除湿暖房運転とを制御して、車室内へ送風される空気を空調する。通常、冷房運転または除湿暖房運転を行った場合、蒸発器7に凝縮水が付着して蒸発器7の表面が濡れた状態が続くことがある。一般に蒸発器7の表面が濡れているときは、蒸発器7に付着している異臭成分は、水によって閉じ込められ、空気中に拡散しないが、蒸発器7を濡らしている水の蒸発が進むと、異臭成分が空気中に拡散しやすい状態になっていく。
そこで、エアコンECU50は、前回の運転が冷房運転または除湿暖房運転である場合に、今回の暖房運転中に、車室内に開口するセンターフェイス吹出口からの空調風の吹出しを禁止する吹出禁止期間を設定する。
この制御によれば、冷房運転または除湿暖房運転の後の暖房運転中に、あえてセンターフェイス吹出口からの吹出しを吹出禁止期間の間、禁止する臭気抑制のための吹出制御を実施する。これにより、吹出禁止期間中は、センターフェイス吹出口から乗員の上半身に向けた空調風は吹き出されないため、臭気を含む空調風が乗員の上半身に向けて吹き出されることを抑止することができる。したがって、今回の暖房運転において、吹出禁止期間を適切に設定することにより、蒸発器7から発生しうる臭気に対して、乗員の不快感を抑えることができる。
例えば、暖房運転の開始時に蒸発器7の乾き度合いが高い場合には、運転開始直後から臭気が空調風とともに車室内に供給されやすい状況にある。そこで、エアコンECU50は、吹出禁止期間を今回の暖房運転の開始時から開始するように設定する。この制御によれば、冷房運転または除湿暖房運転の後の暖房運転の開始時に蒸発器7から臭気が発生した場合に、臭気を含む空調風が乗員の上半身に向けて吹き出されることを抑止することができる。
また、エアコンECU50は、前回の冷房運転または除湿暖房運転の終了後に蒸発器7の表面に凝縮した保水量を算出し、吹出禁止期間を当該算出した保水量に応じて決定する。この制御によれば、前回の冷房運転または除湿暖房運転に係る保水量を算出することにより、前回の運転条件に適合した精度の高い保水量を求めることができる。そして、精度の高い保水量に応じて吹出禁止期間を決定するので、蒸発器7の乾き度合いを十分に考慮した正確な吹出禁止期間を設定できる。したがって、臭気を含む空調風が乗員の上半身に向けて吹き出されることを効果的に抑止することができる。
また、エアコンECU50は、蒸発器7で冷却される前の空気の温度を用いて保水量を算出することが好ましい。これによれば、蒸発器7の表面の凝縮促進度合いを考慮した保水量の算出が可能になる。例えば、蒸発器7の吸込み空気温度に関係する保水量の実績データを活用して、正確な保水量を算出することができる。したがって、無駄な吹出禁止期間を低減することができる。
また、エアコンECU50は、さらに蒸発器7で冷却される前の空気の湿度を用いて保水量を算出することが好ましい。これによれば、蒸発器7の吸込み空気湿度に関係する保水量の実績データを活用して、より精度の高い保水量を算出することができる。したがって、無駄な吹出禁止期間を低減することができる。
また、エアコンECU50は、前回の冷房運転または除湿暖房運転の終了後に蒸発器7の表面に凝縮した保水量が今回の暖房運転の間に減少していく速度に相当する減算量を、室内用ブロワ21によって車室内に送風される空気の風量を用いて算出することが好ましい。これによれば、蒸発器7の表面からの蒸発促進度合いを考慮した保水量の減算量を算出することができる。例えば、蒸発器7を通過する空気風量と蒸発器7の表面の蒸発量とに関係する実績データを活用して、正確な減算量を算出することができる。したがって、正確な吹出禁止期間を決定でき、無駄な吹出禁止期間を低減することができる。
また、エアコンECU50は、前回の冷房運転または除湿暖房運転の終了後に蒸発器7の表面に凝縮した保水量が今回の暖房運転の間に減少していく速度に相当する減算量を、室内用ブロワ21によって車室内に送風される空気の風量、蒸発器7で冷却される前の空気の温度、及び蒸発器7で冷却される前の空気の湿度を用いて算出することが好ましい。これによれば、減算量に関する複数のデータを活用して、正確な減算量を算出することができる。したがって、正確な吹出禁止期間を決定でき、無駄な吹出禁止期間を低減することができる。
さらに、エアコンECU50は、室内用ブロワ21によって車室内に送風される空気の風量を吹出禁止期間に小さく設定することが好ましい。すなわち、今回の暖房運転において、吹出禁止期間における室内用ブロワ21による送風風量を、吹出禁止期間以外の期間における室内用ブロワ21による送風風量よりも小風量となるように設定する。これによれば、吹出禁止期間にセンターフェイス吹出口以外の吹出口から車室内に向けて吹き出される風量が小さくなり、空調風に含まれる臭気の強度を抑制することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態では、第1実施形態で説明した臭気抑制に係る制御の他の形態を図9及び図10を参照して説明する。
第2実施形態で説明する処理のフローは、第1実施形態で図3を参照して説明したフローチャートに対して、ステップ6a及びステップ6bの処理を実行する点が異なっている。図3のステップと同一ステップ番号を付したその他のステップは、第1実施形態と同様である。また、その他の各構成部品及びこれらの作動、他の制御処理手順については、第1実施形態と同様である。以下に、第1実施形態と異なる処理について説明する。
図9に示すように、エアコンECU50は、ステップ5で暖房運転を開始した後、暖房運転開始後の保水量の減算量算出処理(ステップ6)を経て、ステップ2で読み込んだ保水量がステップ6で求めた減算量によって予め定めた所定値以下になったか否かを判定する(ステップ6a)。つまり、ステップ6aでは、記憶済みの保水量と算出した減算量とから求めた現在の保水量が所定値以下になったか否かを判定する。この所定値は、保水量がゼロになる前にセンターフェイス吹出口からの吹出しを禁止するために設定される値であり、確実に蒸発器7が乾ききって臭気を含んだ空調風が発生する前に吹出禁止期間を開始できる値に設定される。
ステップ6aで保水量が所定値以下になったと判定すると、ステップ6bで吹出口モードドア駆動用の電動アクチュエータ42を制御してセンターフェイス吹出口に通じる通路を閉鎖する処理を実行する。この処理により、ステップ5での暖房運転開始後、これまでセンターフェイス吹出口からの吹出しが禁止されていなかったが、ステップ6bを境に、吹出禁止期間が開始され、保水量ゼロになると推定される少し前から、空調風がセンターフェイス吹出口から吹き出されない運転が始まることになる。以降、ステップ9のセンターフェイス吹出口に通じる通路の閉鎖解除処理まで、第1実施形態の制御と同様の処理が行われる。
以上より、図10のタイムチャートに図示するように、第2実施形態ではセンターフェイス吹出口の吹出禁止期間は、暖房運転開始時から始まるのではなく、保水量ゼロが所定値以下になってゼロに近づいたときに開始され、保水量ゼロになったことを判定後、さらに所定時間TAが経過するまで継続される。つまり、センターフェイス吹出口の吹出禁止期間は、推定される保水量ゼロ状態の前後にわたって設定される閉鎖時間となる。
第2実施形態の車両用空調装置がもたらす効果を以下に述べる。車両用空調装置のエアコンECU50は、前回の運転が冷房運転または除湿暖房運転である場合に、今回の暖房運転において、センターフェイス吹出口の吹出禁止期間を、算出値または所定値によって決定された保水量がなくなったと判定した時点の前後にわたって設定する。
この制御によれば、濡れている蒸発器7が暖房運転によって乾ききる前後で発生しやすい異臭成分がセンターフェイス吹出口から乗員の嗅覚器に向けて吹き出されてしまう事態を防止することができる。したがって、今回の暖房運転において、蒸発器7が乾ききる前後等で発生しうる臭気に対して、乗員の不快感を抑えることができる。さらに、このように設定した吹出禁止期間以外は、センターフェイス吹出口からの吹出しを特に禁止しないため、乗員に対して臭気による不快感を抑制するとともに暖房感を与えることができる。したがって、車両用空調装置は、異臭による嫌悪感の低減と温熱感提供の両方を効果的に実現できる。
また、エアコンECU50は、当該保水量が暖房運転の間に減少していく速度に相当する減算量を推定し、当該推定された減算量を用いて保水量がなくなったことを判定する。この制御によれば、暖房運転中に保水量がなくなった時期を減算量の推定値を用いて判定するため、蒸発器7が乾ききる時期を推定する精度を高めることができる。これにより、臭気抑制のための効果的な吹出禁止期間を設定することができる。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。上記実施形態の構造は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの記載の範囲に限定されるものではない。本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものである。
本発明に係る車両用空調装置は、前回の運転が冷房運転または除湿暖房運転である場合に、今回の暖房運転中に、センターフェイス吹出口からの空調風の吹出しを許可しない吹出禁止期間を設定するものである。センターフェイス吹出口以外の車室内吹出口からの空調風の吹き出しは、設定される吹出口モードにしたがって行われることになる。すなわち、設定された吹出口モードにしたがえば、通常はセンターフェイス吹出口からの吹出しが行われる場合でも、あえてセンターフェイス吹出口からの吹出しを禁止する。この場合、少なくともセンターフェイス吹出口に関して吹出禁止期間を設定すればよく、車室内の両側部等に配置されるサイドフェイス吹出口からの吹出しについては、禁止、許可のいずれであってもよい。換言すれば、設定された吹出禁止期間には、センターフェイス吹出口のみ吹出しを禁止してもよいし、センターフェイス吹出口と他の車室内の吹出口の両方について吹出しを禁止するようにしてもよい。
また、上記実施形態の車両用空調装置において、さらに、冷房運転または除湿暖房運転を実施した後に、室内用ブロワ21を所定時間運転し、蒸発器7を乾燥させる処理を行うようにしてもよい。
また、上記実施形態の車両用空調装置において、センターフェイス吹出口からの吹出し禁止中に車両のIGスイッチ(イグニッションスイッチ)をOFFした場合、または操作パネル60により空調をOFFして室内用ブロア21から風が出ない状態にした場合に、次回の空調運転時に保水量がゼロでも所定時間TAが経過していなければ、保持しておいたその状態から運転を開始するようにしてもよい。
上記の第1実施形態で説明した図3のフローチャートにおいて、保水量の減算量として予め定めた所定値を用いる場合には、記憶済みの保水量から所定の減算量にしたがって保水量が減少していくと推定して、ステップ7の保水量ゼロか否かの判定を行うことができる。この場合には、図3のフローチャートにおいて「保水量の減算量演算処理(ステップ6)」は行われない。
1…ヒートポンプサイクル
3…凝縮器(加熱用熱交換器)
7…蒸発器(冷却用熱交換器)
20…空調ユニット(空調ユニットケース)
21…室内用ブロワ(送風手段)
31…フェイス開口部(センターフェイス吹出口)
50…エアコンECU(制御装置)

Claims (10)

  1. 車室内に空気を送風するための送風手段(21)と、
    前記送風手段により送風される空気が通る空気通路を形成する空調ユニットケース(20)と、
    前記空調ユニットケース内に設けられ、ヒートポンプサイクル(1)を流れる冷媒によって前記空気通路を流れる空気を冷却する冷却用熱交換器(7)と、
    前記空調ユニットケース内に設けられ、前記ヒートポンプサイクル(1)を流れる冷媒によって前記冷却用熱交換器を通過した空気を加熱する加熱用熱交換器(3)と、
    前記冷却用熱交換器で前記空気を冷却する冷房運転と、前記加熱用熱交換器で前記空気を加熱する暖房運転と、前記冷却用熱交換器で前記空気を冷却し当該冷却された空気を前記加熱用熱交換器で加熱する除湿暖房運転とを制御して、車室内へ送風される空気を空調する制御装置(50)と、を備え、
    前記制御装置は、前回の運転が前記冷房運転または前記除湿暖房運転である場合に、今回の前記暖房運転中に、車室内に開口するセンターフェイス吹出口(31)からの空調風の吹出しを禁止する吹出禁止期間を設定することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 前記制御装置は、前記吹出禁止期間を今回の前記暖房運転の開始時から開始するように設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  3. 前記制御装置は、前回の前記冷房運転または前記除湿暖房運転の終了後に前記冷却用熱交換器の表面に凝縮した保水量を算出し、前記吹出禁止期間を前記算出した保水量に応じて決定することを特徴とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 前記制御装置は、前記冷却用熱交換器で冷却される前の空気の温度を用いて前記保水量を算出することを特徴とする請求項3に記載の車両用空調装置。
  5. 前記制御装置は、さらに前記冷却用熱交換器で冷却される前の空気の湿度を用いて前記保水量を算出することを特徴とする請求項4に記載の車両用空調装置。
  6. 前記制御装置は、前回の前記冷房運転または前記除湿暖房運転の終了後に前記冷却用熱交換器の表面に凝縮した保水量を、算出した算出値または所定値に決定し、
    前記制御装置は、前記吹出禁止期間を、前記決定した保水量がなくなったと判定した時点の前後にわたって設定することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  7. 前記制御装置は、前記決定された保水量が今回の暖房運転の間に減少していく速度に相当する減算量を推定し、当該推定された減算量を用いて前記保水量がなくなったことを判定することを特徴とする請求項6に記載の車両用空調装置。
  8. 前記制御装置は、
    前回の前記冷房運転または前記除湿暖房運転の終了後に前記冷却用熱交換器の表面に凝縮した保水量を、算出した算出値または所定値に決定し、
    当該決定された保水量が今回の暖房運転の間に減少していく速度に相当する減算量を、前記送風手段によって前記車室内に送風される空気の風量を用いて算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  9. 前記制御装置は、
    前回の前記冷房運転または前記除湿暖房運転の終了後に前記冷却用熱交換器の表面に凝縮した保水量を、算出した算出値または所定値に決定し、
    当該決定された保水量が今回の暖房運転の間に減少していく速度に相当する減算量を、前記送風手段によって前記車室内に送風される空気の風量、前記冷却用熱交換器で冷却される前の空気の温度、及び前記冷却用熱交換器で冷却される前の空気の湿度を用いて算出することを特徴とする請求項1に記載の車両用空調装置。
  10. 前記制御装置は、前記送風手段によって前記車室内に送風される空気の風量を前記吹出禁止期間に小さく設定することを特徴とする請求項1ないし9のいずれか一項に記載の車両用空調装置。
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