JP5831322B2 - 車両用空調システム - Google Patents

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Description

本発明は、圧縮機を用いて蒸発器に冷媒を送り、車室内を空調すると共に、冷媒によってバッテリを冷却する車両用空調システムに関するものである。
従来、特許文献1に記載のバッテリ温度制御装置が知られている。特許文献1のバッテリ温度制御装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車等の電動車両に搭載されたバッテリの温度を制御するものである。バッテリ用冷媒流路には、強電系部品であるDC/DCコンバータと充電器とが配置されている。そして、DC/DCコンバータと充電器とからの排熱を利用してバッテリに供給される冷媒を加熱し、バッテリを加温することで、バッテリの加温に要するヒータの電力量を低減するようにしている。バッテリを加温するにあたっては、冷媒をバッテリ用冷媒流路と、ヒータおよびヒータコアを備える空調用冷媒流路の両者に流す場合がある。
また、バッテリを冷却する場合には、バッテリ用冷媒流路内において、DC/DCコンバータ、充電器、およびバッテリに冷媒を循環させる、あるいは、バッテリとバイパス流路における水冷式エバポレータとの間で冷媒が循環するようにして、バッテリが適温となるようにしている。
特開2010−272289号公報
上記特許文献1では、バッテリの冷却にあたって、バッテリ用冷媒流路の冷媒を用いているが、空調用の冷媒を用いてバッテリ冷却と蒸発器冷却とを同時に行う場合であると、バッテリの質量が大きいと、蒸発器温度の上昇により吹出温度が上昇してしまい、乗員が不快に感じる可能性がある。あるいは、空調負荷が高いときは、バッテリ冷却が充分にできない可能性がある。
本発明の目的は、上記問題に鑑み、空調用の冷媒を用いて車室内の冷却とバッテリの冷却とを同時に行っても、乗員の快適性低下の軽減、およびバッテリ冷却の強化を可能とする車両空調システムを提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。
すなわち、請求項1に記載の発明では、車室内に吹出す空調風を冷媒により冷却する空調装置(1)と、冷媒によってバッテリ(101)を冷却するバッテリ冷却装置(1A)とを有する車両用空調システムにおいて、
冷媒を用いてバッテリ(101)を冷却するときのバッテリ冷却負荷が高いか低いかを判定する判定手段(S1202)と、
判定手段(S1202)が、バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、バッテリ冷却負荷が低いと判定した場合に比べて、空調風の風量を少なくする風量減少手段(S1203)とを備えると共に、
空調装置(1)には、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(2)と、内部を流れる冷媒によって空調風を冷却する蒸発器(8)とが設けられており、
バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、バッテリ(101)の温度が高い程、圧縮機(2)の吐出流量を大きくし、かつ、蒸発器(8)の温度が低い程、圧縮機(2)の吐出流量の上限を低くすることを特徴としている。
この発明によれば、バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合に風量減少手段(S1203)によって空調風量を低下させることにより、空調装置(1)における空調風冷却の効率を上げることができ、バッテリ冷却負荷が高くなっても吹出温度を低下させることができるので、乗員の快適性低下を軽減できる。また、空調風量を低下させることで空調負荷を下げることができるので、バッテリ(101)の冷却作用を強化することができる。
また、請求項2に記載の発明では、車室内に吹出す空調風を冷媒により冷却する空調装置(1)と、冷媒によってバッテリ(101)を冷却するバッテリ冷却装置(1A)とを有する車両用空調システムにおいて、
冷媒を用いてバッテリ(101)を冷却するときのバッテリ冷却負荷が高いか低いかを判定する判定手段(S12B1)と、
判定手段(S12B1)が、バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、バッテリ冷却負荷が低いと判定した場合に比べて、車両外気あるいは車両内気のうち、車両外気の導入率を少なくする外気導入率低下手段(S12B2)とを備えると共に、
空調装置(1)には、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(2)と、内部を流れる冷媒によって空調風を冷却する蒸発器(8)とが設けられており、
バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、バッテリ(101)の温度が高い程、圧縮機(2)の吐出流量を大きくし、かつ、蒸発器(8)の温度が低い程、圧縮機(2)の吐出流量の上限を低くすることを特徴としている。
この発明によれば、バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合に外気導入率低下手段(S12B2)によって車両外気の導入率を低下させることにより、空調負荷を低下させることができ、バッテリ冷却負荷が高くなっても吹出温度を低下させることができるので、乗員の快適性低下を軽減できる。また、空調負荷の低下に伴いバッテリ(101)の冷却作用を強化することができる。
なお、特許請求の範囲および上記各手段に記載の括弧内の符号ないし説明は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を分かり易く示す一例であり、発明の内容を限定するものではない。
第1実施形態における車両用空調システムのCOOLサイクル運転時の冷媒の流れを説明する模式図である。 第1実施形態におけるHOTサイクル運転時の冷媒の流れを説明する模式図である。 第1実施形態におけるDRY EVAサイクル運転時の冷媒の流れを説明する模式図である。 第1実施形態におけるDRY ALLサイクル運転時の冷媒の流れを説明する模式図である。 第1実施形態における各サイクルを切替える三方弁および各電磁弁の動作状態を示す図表である。 第1実施形態における車両用空調システムの電気的構成を示す模式図である。 第1実施形態におけるエアコンECUによる基本的な制御処理を示すフローチャートである。 図7の目標蒸発器温度を算出するための特性図である。 図7のサイクル・PTC選択処理を示すフローチャートである。 図7の圧縮機回転数等決定処理を示すフローチャートである。 図10に示す圧縮機回転数変化量決定処理の詳細を示す一部フローチャートである。 図7のPTC作動本数決定処理を示すフローチャートである。 図7の送風機作動決定処理を示すフローチャートである。 第2実施形態におけるエアコンECUによる基本的な制御処理を示すフローチャートである。 図14の吸込口モード決定処理を示すフローチャートである。 その他の実施形態において蒸発器用電磁弁を省略した場合のCOOLサイクル運転時の冷媒の流れを説明する模式図である。
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組合せが可能であることを明示している部分同士の組合せばかりではなく、特に組合せに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について図1〜図13を用いて詳細に説明する。第1実施形態は、ハイブリッド車両用の空調装置としてのヒートポンプサイクル1と、バッテリ冷却装置1Aとを備える車両用空調システム100に適用したものである。
ハイブリッド車両は、ガソリン等の液体燃料を爆発燃焼させて動力を発生させる走行用内燃機関をなすエンジン30(図1)、走行補助用電動機機能および発電機機能を備える図示しない走行補助用の電動発電機、エンジン30への燃料供給量や点火時期等を制御するエンジン用電子制御装置(以下、エンジンECU)60(図6)、電動発電機やエンジンECU60等に電力を供給するバッテリ101、および電動発電機の制御および無断変速機等の制御を行うと共にエンジンECU60に制御信号を出力するハイブリッド電子制御装置(以下、ハイブリッドECU)70(図6)等を備えている。
従って、ハイブリッド車両は、走行するための駆動源としてエンジン30と電動発電機とを有する。ハイブリッドECU70は、電動発電機およびエンジン30のいずれの駆動力を駆動輪に伝達するかの駆動切替えを制御する機能、およびバッテリ101の充放電を制御する機能を備えている。
バッテリ101は、車載用蓄電装置であって、車室内空調、走行等によって消費した電力を充電するための充電装置を備えており、例えばニッケル水素蓄電池、リチウムイオン電池等が用いられる。この充電装置は、電力供給源としての電気スタンドや商業用電源(家庭用電源)に接続されるコンセントを備えており、このコンセントに電源供給源を接続することにより、バッテリの充電を行うこともできる。
車両用空調システム100は、車室内に配設されて、送風空気(空調風)の温度調節をする空調ユニット(空調ケース20、室内用ブロワ21、エアミックスドア22、ヒータコア23、PTCヒータ24、内外気切替ドア25、吹出口切替ドア26等)と、主に車両のエンジンルーム内に配設されるヒートポンプサイクル1(アキュムレータ式冷凍サイクル)と、バッテリ冷却装置1Aと、エンジンECU60に接続されたエアコン電子制御装置(以下、エアコンECU)50等を備えている。
尚、車両用空調システム100は、乗員の乗車前に行われる車室内空調運転(以下、プレ空調運転)が実施可能な空調システムである。車両の乗員が、プレ空調運転を行いたいときに、自身が携帯する携帯機52(図6)を操作すると、エアコンECU50は、携帯機52から送信されるプレ空調運転の命令信号を受信し、所定のプログラムによる演算を行ってプレ空調運転を実行する。
乗員は、車両に乗車しようとする前に、車室内の空調環境を快適にしておくため、携帯機52を操作して、車両用空調システム100に対してプレ空調運転の指令を送信する。このプレ空調運転は、原則として、車両のイグニッションスイッチがOFF状態であること、あるいはエアコンECU50に対して乗員が乗車している信号が送信されていないことが許容条件となる。
図1から図4に示す各サイクルにおいて、各電磁弁11〜14および三方弁4の動作状態を図5の図表に示している。また、図1から図4において、各サイクルにおける冷媒が流れる経路は太実線で示し、冷媒が流れない経路は破線で示している。
空調ユニットの構成
送風機21は、ブロワケース(図示せず)、ファン、およびブロワモータよりなり、空調ケース20内の上流側に配設されている。ブロワモータへの印加電圧に応じて、ブロワモータの回転速度が決定される。ブロワモータへの印加電圧は、上記エアコンECU50からの制御信号に基づいている。この結果、送風量がエアコンECU50により制御される。
送風機21のブロワケースの一方側には、空気(導入用空気)を取り入れる空気取入口として、車室内空気(車両内気であり、以下内気)を導入する内気導入口(図示せず)と、車室外空気(車両外気であり、以下外気)を導入する外気導入口(図示せず)とが形成されるとともに、内気導入口と外気導入口との開口割合を調節する内外気切替手段を成す内外気切替ドア25(図6)が設けられている。
送風機21よりも送風空気の下流側における空調ケース20内の通風路には、上流側から下流側に進むにしたがい、順に、図1の蒸発器8(冷却用熱交換器)、エアミックスドア22、ヒータコア23、凝縮器3(加熱用熱交換器)、およびPTCヒータ24(電気式補助熱源)が配置されている。
空調ケース20の他方側の下流端(図1の上方)は、車両のフロントウィンドウ(窓ガラス)の内表面に向かって送風空気を吐出するデフロスタ吹出口(図示せず)、乗員の上半身に向かって送風空気を吐出すフェイス吹出口(図示せず)、および乗員足元に向かって送風空気を吐出すフット吹出口(図示せず)に接続されている。各吹出口には、各吹出口の開口割合を調節する吹出口切替ドア26(図6)が設けられている。
蒸発器8は、送風機21直後の通路(通風路)全体を横断するように配置されており、送風機21から吹き出された空気の全部が通過するようになっている。蒸発器8は、COOLサイクル運転時や除湿サイクル運転時において、内部を流れる冷媒の吸熱作用によって、送風空気を除湿したり冷却したりする冷却用熱交換器として機能する。
ヒータコア23は、少なくともその伝熱部分が空調ケース20内の温風側通路のみに位置するように蒸発器8よりも送風空気の下流側に配置されている。ヒータコア23は、HOTサイクル運転時において、内部を流れるエンジン30の冷却水の熱(水温)を利用して、周囲の空気を加熱する加熱用熱交換器として機能する。尚、エンジン冷却水が循環する回路には、ウォータポンプ31が設けられており、このウォータポンプ31によって、エンジン冷却水(温水)がヒータコア23に供給される。
凝縮器3は、少なくともその伝熱部分が、空調ケース20内の温風側通路のみに位置し、ヒータコア23よりもさらに送風空気の下流側に配置されている。凝縮器3は、HOT(暖房)サイクル運転時、除湿サイクル運転時およびCOOLサイクル運転時において、内部を流れる冷媒の放熱作用によって、温風側通路を流れる送風空気を加熱する熱交換器として機能する。
PTC(positive temperature coefficient)ヒータ24は、少なくともその伝熱部分が温風側通路のみに位置し、凝縮器3よりもさらに送風空気の下流側に配置されている。PTCヒータ24は、HOTサイクル運転(ヒートポンプ運転)時やCOOLサイクル運転(クーラ運転)時において、温風側通路を流れる送風空気を加熱する補助的な加熱手段である。PTCヒータ24は、複数本の通電発熱素子部を備え、スイッチまたはリレーにて任意の本数の通電発熱素子部に通電されることによって発熱し、周囲の空気を暖める。スイッチまたはリレーの切替えは、エアコンECU50により制御される。
この通電発熱素子部は、耐熱性を有する樹脂材料(例えば、PA66やポリブタジエンテレフタレート等)で成形された樹脂枠の中に、PTC素子を嵌め込むことにより構成されている。また、PTCヒータ24は、更に、通電発熱素子部からの発熱を伝達する熱交換フィン部を有してもよい。この熱交換フィン部は、アルミニウムの薄板を波形状に成形したコルゲートフィンと、このコルゲートフィンを一定の形状に保つとともにPTC素子や電極板との接触面積を確保するアルミニウムプレートとを有している。コルゲートフィンとアルミニウムプレートとは、ろう付により接合されている。
蒸発器8よりも下流側であってヒータコア23よりも上流側の通風路には、蒸発器8を通過した空気を、ヒータコア23等を通る空気(温風側通路を通る空気)と、ヒータコア23等を迂回する空気(冷風側通路を通る空気)とに分けたり、切り替えたりして、これらの空気の風量比を調整できるエアミックスドア22が設けられている。
エアミックスドア22は、アクチュエータ等によりそのドア本***置が変化されることで、空調ケース20内の二分された通路である温風側通路および冷風側通路のそれぞれの一部または全部を塞ぐことができる。そして、エアミックスドア22による温風側通路の開度は、温風側通路の横断方向の開口が開放される割合のことであり、0%から100%の範囲で調整可能である。また、エアミックスドア22による冷風側通路の開度は、冷風側通路の横断方向の開口が開放される割合のことであり、温風側通路の開度0%〜100%に対して、100%から0%の範囲で調整可能である。エアミックスドア22のアクチュエータは、エアコンECU50により制御される。
ヒートポンプサイクル1の構成
ヒートポンプサイクル1は、電動圧縮機(以下、圧縮機)2、凝縮器3、三方弁4、室外熱交換器5、第1膨張弁10、第2膨張弁7、蒸発器8、アキュムレータ9、各電磁弁11〜14、蒸発器用電磁弁107、および各センサ40、41等を備える。このヒートポンプサイクル1は、冷凍サイクル内を流れる冷媒(例えば、R134a、CO2等)の状態変化を利用することにより、冷房用の蒸発器8と暖房用の凝縮器3とによって冷房、暖房および除湿を行うことができる。また、蒸発器8と凝縮器3とは、室外熱交換器5に対して、室内熱交換器を構成する。
圧縮機2は、内蔵された電動機2aによって駆動され、回転数制御が可能であり、回転数に応じて冷媒吐出流量が可変される。圧縮機2は、インバータ90(図6)により周波数が調整された交流電圧が印加されて、その電動機2aの回転速度が制御される。インバータ90は、車載のバッテリ101から直流電源の供給を受け、エアコンECU50により制御される。
凝縮器3は、上記のように送風空気を加熱する加熱用熱交換器であり、空調ケース20内で蒸発器8の下流(風下)に配設されて、圧縮機2で圧縮された高温高圧の冷媒と空気との間で熱交換を行うことにより、コア部を通過する送風空気を加熱する。
三方弁4は、凝縮器3から流出される冷媒を室外熱交換器5、あるいは第1膨張弁10のいずれかに流出させるように流路を切替える流路切替手段である。三方弁4の流路切替えは、エアコンECU50によって制御される。
室外熱交換器5は、例えばエンジンルーム内の前方に配置されて、外気と冷媒との間で熱交換を行うもので、室外ファン6から強制的に送風を受けて後述するCOOLサイクル運転時には凝縮器として機能し、後述するHOTサイクル運転時には蒸発器として機能する。
第1膨張弁10は、固定絞り等の固定式膨張弁(例えばキャピラリチューブ)、定圧式膨張弁、機械式膨張弁等で構成される。第1膨張弁10は、凝縮器3(三方弁4)から流出される冷媒を減圧膨脹させる。
第2膨張弁7は、感温筒を備え、蒸発器8出口における冷媒の蒸発状態が適度な過熱度を保つように出口冷媒温度をフィードバックし、適切な弁開度によって冷媒流量を制御する温度作動方式を採用している。
蒸発器8は、送風空気を冷却する冷却用熱交換器であり、後述するCOOLサイクル運転時に、送風空気を冷却する。この蒸発器8は、第2膨張弁7で減圧膨脹された低温低圧の冷媒と空気との間で熱交換を行うことにより、コア部を通過する送風空気を冷却する。
アキュムレータ9は、ヒートポンプサイクル1内の過剰冷媒を一時蓄えると共に、蒸発器8、あるいは電磁弁12から流出される冷媒の気液を分離する容器体であり、分離された気相冷媒を圧縮機2に吸入させる。
各電磁弁11〜14は、それぞれが配置された流路を開閉する弁であり、各流路における冷媒流れを制御する(冷媒を流す、あるいは冷媒の流れを止める)冷媒流れ制御手段である。各電磁弁11〜14の開閉切替えは、エアコンECU50によって行われる。電磁弁11は常開型の弁、電磁弁12は常閉型の弁、電磁弁13は常閉型の弁、電磁弁14は常開型の弁である。各電磁弁11〜14の動作状態は図5に示すとおりである。
蒸発器用電磁弁107は、第2膨張弁7の上流側の流路を開閉する弁であり、この流路における冷媒流れを制御する(冷媒を流す、あるいは冷媒の流れを止める)冷媒流れ制御手段である。蒸発器用電磁弁107の開閉切替えは、エアコンECU50によって行われる。
冷媒圧力センサ40は、ヒートポンプサイクル1の高圧側の流路に設けられ、凝縮器3よりも上流の冷媒の高圧圧力、すなわち圧縮機2の吐出圧力Pre(図6)を検出する。また、冷媒吸入温度センサ41は、室外熱交換器5の冷媒流れの下流側に設けられ、圧縮機2が吸入する冷媒の吸入温度を検出する。
ヒートポンプサイクル1の各運転パターン
ヒートポンプサイクル1は、COOLサイクル運転、HOTサイクル運転、第1の除湿(DRY EVA)サイクル運転、および第2の除湿(DRY ALL)サイクル運転を可能としている。
COOLサイクル運転時の冷媒は、図1の太実線の経路を白抜き矢印の向きに流れる。このCOOLサイクルは、除湿能力を大きくとることができるサイクルとなっている。図1に示すように、COOLサイクルは、圧縮機2と、凝縮器3と、凝縮器3から流出された冷媒を室外熱交換器5に向かわせる三方弁4と、三方弁4から流出される冷媒と空気(外気)との間で熱交換して放熱する室外熱交換器5と、室外熱交換器5から流出される冷媒流れを制御する電磁弁11と、電磁弁11から流出される冷媒流れを制御する蒸発器用電磁弁107と、蒸発器用電磁弁107から流出される冷媒を減圧する第2膨張弁7とを備えている。
更に、COOLサイクルは、第2膨張弁7で減圧された冷媒を蒸発させて送風空気を冷却する蒸発器8と、蒸発器から流出された冷媒を気液分離するアキュムレータ9とを備え、これらが配管により環状に接続されて形成されている。尚、電磁弁11と蒸発器用電磁弁107との間の通路には、逆流防止用の逆止弁15が設けられている。
以上より、COOLサイクル運転経路は、圧縮機2→凝縮器3→三方弁4→室外熱交換器5→電磁弁11→逆止弁15→蒸発器用電磁弁107→第2膨張弁7→蒸発器8→アキュムレータ9→圧縮機2となる。
このようにCOOLサイクル運転経路は、三方弁4を室外熱交換器5側の流路と連通するように切り替えることによって、COOLサイクル運転時に、凝縮器3で送風空気と熱交換して冷却された冷媒が、第1膨張弁10を通らないで室外熱交換器5に流入し、更に電磁弁11および蒸発器用電磁弁107によって開放された流路を通り、第2膨張弁7で減圧された後、蒸発器8に流入し、アキュムレータ9を経由して圧縮機2に吸入される。
COOLサイクル運転では、凝縮器として機能する室外熱交換器5から、冷媒の熱が室外に放出され、蒸発器8を流通する冷媒に送風空気の熱が吸収される。このとき、凝縮器3も放熱しているが、エアミックスドア22の位置制御(温風側通路を閉じる側に制御すること)によって、送風空気との熱交換量を少なくすることができる。
次に、HOTサイクル運転時の冷媒は、図2の太実線の経路を黒塗り矢印の向きに流れる。このHOTサイクルは、暖房性能を大きくとることができるが、除湿能力を持たないサイクルとなっている。図2に示すように、HOTサイクルは、圧縮機2と、凝縮器3と、凝縮器3から流出された冷媒を第1膨張弁10に向かわせる三方弁4と、三方弁4から流出される冷媒を減圧する減圧装置としての第1膨張弁10と、第1膨張弁10から室外熱交換器5への冷媒流れを制御する電磁弁14と、電磁弁14から流出される冷媒を蒸発させる室外熱交換器5と、室外熱交換器5からアキュムレータ9への冷媒流れを制御するように設けられた電磁弁12と、アキュムレータ9とが配管により環状に接続されて形成されている。尚、電磁弁12とアキュムレータ9との間の通路には、逆流防止用の逆止弁16が設けられている。
以上より、HOTサイクル運転経路は、圧縮機2→凝縮器3→三方弁4→第1膨張弁10→電磁弁14→室外熱交換器5→電磁弁12→逆止弁16→アキュムレータ9→圧縮機2となる。
尚、外気が極めて低いときは、HOTサイクルによる暖房は効率が悪いので、COOLサイクル運転を行い、エンジン30を稼動させ、エンジン冷却水(温水)の温度を上げて、ヒータコア23の熱で車室内が暖房される。また、図2のホットサイクルによる暖房時は、バッテリ用電磁弁104は閉じており、バッテリ冷却水ポンプ103は停止されている。
次に、第1の除湿(DRY EVA)サイクル運転時の冷媒は、図3の太実線の経路を斜線矢印の向きに流れる。この第1の除湿サイクルは、暖房性能が小さくとられ、除湿能力が中レベルとなるサイクルとなっている。例えば、乗員による操作パネル51(図6)の操作等により、暖房能力が小レベルで車室内の除湿を行うときに選択操作されて実行される。
第1の除湿サイクルは、図3に示すように、圧縮機2と、凝縮器3と、三方弁4と、第1膨張弁10と、第1膨張弁10から蒸発器8への冷媒流れを制御するように設けられた電磁弁13と、蒸発器用電磁弁107と、第2膨張弁7と、蒸発器8と、アキュムレータ9とが配管により環状に接続されて形成されている。
以上より、第1の除湿サイクル運転経路は、圧縮機2→凝縮器3→三方弁4→第1膨張弁10→電磁弁13→蒸発器用電磁弁107→第2膨張弁7→蒸発器8→アキュムレータ9→圧縮機2となる。この第1の除湿サイクル運転経路は、第1膨張弁10で減圧された冷媒が、室外熱交換器5に流入しないで蒸発器8に流入して送風空気を冷却した後、アキュムレータ9を経由して圧縮機2に吸入される経路である。
次に、第2の除湿(DRY ALL)サイクル運転時の冷媒は、図4の太実線の経路を斜線矢印の向きに流れる。この第2の除湿サイクルは、暖房性能が中レベル、除湿能力が小レベルとなるサイクルとなっている。例えば、乗員による操作パネル51の操作等により、暖房能力が中レベルで車室内の除湿を行うときに選択されて実行される。
第2の除湿サイクルは、図4に示すように、第1の除湿サイクル運転経路に加え、第1膨張弁10と電磁弁13との間で分岐した冷媒経路を有する。この分岐した冷媒経路は、第1膨張弁10と電磁弁13との間から電磁弁14、室外熱交換器5および電磁弁12を通り、蒸発器8とアキュムレータ9との間に合流するようになっている。
これにより、第2の除湿サイクル運転経路は、圧縮機2→凝縮器3→三方弁4→第1膨張弁10→電磁弁13→蒸発器用電磁弁107→第2膨張弁7→蒸発器8→アキュムレータ9→圧縮機2の経路と、第1膨張弁10→電磁弁14→室外熱交換器5→電磁弁12→逆止弁16→アキュムレータ9の経路とで構成される。
この第2の除湿サイクル運転経路は、第1膨張弁10で減圧された冷媒が、室外熱交換器5に流入しないで蒸発器8に流入して送風空気を冷却した後、アキュムレータ9を経由して圧縮機2に吸入される経路と、第1膨張弁10から室外熱交換器5に流入して空気から吸熱した後、アキュムレータ9を経由して圧縮機2に吸入される経路とを有している。
バッテリ冷却装置1Aの構成
バッテリ冷却装置1Aは、バッテリ101、バッテリ用熱交換器102、バッテリ冷却水ポンプ103、およびバッテリ用電磁弁104等を備えている。バッテリ101は、バッテリ用熱交換器102によって冷却されるバッテリ冷却水(ブライン)によって冷却される。バッテリ冷却水は、バッテリ冷却水ポンプ103によってバッテリ101と、チラーとして機能するバッテリ用熱交換器102とを循環する。バッテリ用熱交換器102は、蒸発器8に対して並列に接続されており、バッテリ用熱交換器102への冷媒の流入は、バッテリ用電磁弁104によって制御される。更に、バッテリ用電磁弁104の弁の開閉切替えは、エアコンECU50によって行われる。
バッテリ101の温度は、バッテリ101内を流れるバッテリ冷却水の温度を検出するバッテリ温度センサ46(図6)からのセンサ信号によって把握される。バッテリ101が所定温度(例えば50℃)以上であり高温と判定された場合は、エアコンECU50が、バッテリ用電磁弁104を開きバッテリ冷却水ポンプ103を回転させて、バッテリ冷却中の状態とする。
このように、バッテリ101を冷却するバッテリ用熱交換器102は、蒸発器8とは並列に接続された冷媒回路に設けられているため、バッテリ101の冷却中は、冷媒流量が、バッテリ101側に取られるために、蒸発器8による空調風の冷却作用が低下し、空調風の温度が上昇する。
エアコンECU50の構成
エアコンECU50(図6)は、車室内の空調運転を制御する制御手段であり、入力回路、出力回路、およびマイクロコンピュータを備えている。入力回路は、車室内前面に設けられた操作パネル51上の各種スイッチからの信号、内気温度を検出する内気センサ42、外気温度を検出する外気センサ43、日射量を検出する日射センサ44、水温センサ45、バッテリ温度センサ46、冷媒圧力センサ40、冷媒吸入温度センサ41、携帯機52、各種ECU60、70、80等からのセンサ信号等の入力を行う。また、出力回路は、送風機21、エアミックスドア22、インバータ90、室外ファン6、三方弁4、各電磁弁11〜14、104、107、内外気切替ドア25、吹出口切替ドア26、PTCヒータ24等に出力信号を送る。
また、マイクロコンピュータは、ROM(読み込み専用記憶装置)、RAM(読み込み書き込み可能記憶装置)等のメモリおよびCPU(中央演算装置)等から構成されており、操作パネル51等から送信された運転命令に基づいた演算に使用される各種プログラムを保有している。
また、エアコンECU50は、上記の各サイクル運転時に、エアコン環境情報、エアコン運転条件情報および車両環境情報等を受信して、これらの情報を演算し、圧縮機2の設定容量を算出する。そして、エアコンECU50は、演算結果に基づいて、インバータ90に対して制御信号を出力する。そして、インバータ90によって圧縮機2の出力電力量が制御される。
次に、上記構成に基づく車両用空調システム100の作動について、図7〜図13を加えて説明する。
乗員による操作パネル51または携帯機52の操作によって、車両用空調システム100の運転・停止等の操作信号および設定温度等がエアコンECU50に入力されて、更に各種センサの検出信号が入力されると、エアコンECU50は、エンジンECU60、ハイブリッドECU70、ナビゲーションECU80等と通信し、各種の演算結果に基づいて、送風機21、エアミックスドア22、インバータ90、室外ファン6、三方弁4、各電磁弁11〜14、104、107、内外気切替ドア25、吹出口切替ドア26、PTCヒータ24等の各機器の運転を制御する。ナビゲーションECU80は、たとえば自車の位置情報等をエアコンECU50に送信する。
図7において、イグニッションスイッチが投入されて、エアコンECU50に電源が供給されると、図7の制御がスタートされる。以降の各ステップに係る処理は、エアコンECU50によって実行されるものである。
S1.プレ空調判定
エアコンECU50は、上記の各種センサからの信号、操作パネル51に設けられた各種操作部材からの信号、または遠隔操作可能な操作手段である携帯機52からの信号等に基づいて、車室内を空調するように構成されている。車両が継続的に停止して、乗員が搭乗していないときには、エアコンECU50は、上記携帯機52からのプレ空調要求の有無、または予め設定されたプレ空調運転指令を監視している。
図7のステップS1では、携帯機52からプレ空調要求があった場合、または予め送信入力された空調要求時刻に基づいてプレ空調を開始するタイミングとなった場合には、車両が停止状態であるか否かを判断するとともに、電源電力がプレ空調作動時の要求電力に対し大きいか否か判断する。車両が停止状態であり、電源電力がプレ空調要求電力より大きいことを確認したら、プレ空調の実施を許可するためにプレ空調フラグを立てる。
S2〜S4.初期化、信号の読み込み
次に、ステップS2で、図6のエアコンECU50内のRAM等に記憶されている各パラメータ等を初期化(イニシャライズ)する。次に、ステップS3で、操作パネル51等からのスイッチ信号等を読み込む。次に、ステップS4で上記の各種センサからの信号を読み込む。
S5.TAO算出・TEO演算
次に、ステップS5で、ROMに記憶された下記の数式1を用いて、車室内に吹き出す空気の目標吹出温度TAOを算出する。
(数1)
TAO=Kset×Tset−Kr×Tr−Kam×Tam−Ks×Ts+C
ここで、Tsetは、温度設定スイッチにて設定された設定温度、Trは内気センサ42にて検出された内気温度、Tamは外気センサ43にて検出された外気温度、Tsは日射センサ44にて検出された日射量である。また、Kset、Kr、KamおよびKsは各ゲインであり、Cは全体にかかる補正用の定数である。
そして、この目標吹出温度TAO、および上記各種センサからの信号により、エアミックスドア22のアクチュエータの制御値、およびウォータポンプ31の回転数の制御値等を算出する。また、このステップS5では、目標吹出温度TAOに応じて、目標蒸発器温度TEOを、目標吹出温度TAOと目標蒸発器温度TEOとの関係を規定したマップ(図8)を用いて決定する。例えば、目標吹出温度TAOが4℃以上(12℃以下)になると、それまで一定であった目標蒸発器温度TEOが目標吹出温度TAOに比例して大きくなるように設定される。
S6.サイクル・PTC選択
次に、ステップS6で、サイクルとPTCヒータ24の選択処理を行う。図9は、図7のサイクル・PTC選択処理を示すフローチャート(ステップS601〜ステップS611)である。図9において、ステップS601にて、プレ空調の要求が有るか否かを判定する。プレ空調要求有りの場合は、ステップS602にて外気温が−3℃より低いか否かを判定する。
外気温が−3℃より低い場合は、ヒートポンプの効率が悪くなり、かつ、着霜しやすくなるので、ステップS603にてPTCヒータ24に通電することによるプレ空調を行う。外気温が−3℃より低くない場合は、ステップS604にて、自動選択されている吹出口モードがフェイス(FACE)か否かを判定する。
自動選択されている吹出口モードがフェイスの場合は、HOTサイクルによる暖房の必要が無いと判断して、ステップS605にてCOOLサイクルでのプレ空調を行う。吹出口モードがフェイスでない場合は、ステップS606にて、HOTサイクルでのプレ空調を行う。
一方、ステップS601において、プレ空調の要求が有るか否かを判定して、プレ空調の要求がないと判定された場合は、ステップS607にて、外気温が−3℃より低いか否かを判定する。−3℃より低い場合は、ヒートポンプの効率が悪くなり、かつ着霜しやすくなるので、ステップS608にて、COOLサイクルによる空調を行い、エンジン30を稼動(エンジンON)させる。
ステップS607にて、外気温が−3℃より低いか否かを判定した結果、外気温が−3℃より低くない場合は、ステップS609にて、吹出口モードがフェイスか否かを判定する。フェイスの場合は、HOTサイクルの必要が無いと判断して、ステップS610にてCOOLサイクルの空調を行う。ステップS609にて、吹出口モードがフェイスか否かを判定した結果、フェイスでない場合は、ステップS611にて、HOTサイクルの空調を行う。
以上のように、たとえばプレ空調フラグが立っており、外気温が−3℃より低い場合は、ヒートポンプによる暖房の効率が悪くなり、かつ室外熱交換器5に着霜しやすくなるため、PTCヒータ24によるプレ空調を実施することとして、PTCヒータ24に通電する。また、外気温が−3℃以上の場合は、自動運転での吹出口モードがフェイスモードの場合には、ヒートポンプによる暖房の必要なしと判断して、COOLサイクルによるプレ空調を実施する。外気温が−3℃以上であり、フェイスモード以外の場合には、HOTサイクルによる暖房のプレ空調を実施する。
一方、プレ空調フラグが立っておらず、プレ空調でなく、外気温が−3℃より低い場合は、ヒートポンプによる暖房の効率が悪くなり、かつ、室外熱交換器5に着霜しやすくなるため、COOLサイクルによる空調を実施する。尚、このときは、エンジン30を稼動させて、温水およびヒータコア23の温度を上昇させるようにする。尚、図1〜図4に示した各サイクルの選定は、操作パネル51を介して、マニュアル操作でも行うことができる。
S7.吸込口モード決定
次に、図7のステップS7で、ROMに記憶されたマップから、目標吹出温度TAOに対応する吸込口モードを決定する。具体的には、周知のように、目標吹出温度TAOが低きときには内気循環モードを選択し、目標吹出温度TAOの増加に伴って内外気導入モード、更には外気導入モードの順に選択する。
S8.吹出口モード決定
次に、ステップS8で、ROMに記憶されたマップから、目標吹出温度TAOに対応する吹出口モードを周知のように決定する。目標吹出温度TAOが低いときには、フェイスモード(FACE)を選択し、目標吹出温度TAOの増加に伴ってバイレベルモード(B/L)、更にはフットモード(FOOT)を選択する。
S9.圧縮機回転数等決定
次に、ステップS9で圧縮機回転数等の決定処理を実行する。ステップS9は、具体的には図10、図11に基づいて圧縮機回転数を決定する。図10のステップS9は、図11のステップS901、S902となっている。まず、ステップS901で、特開2000−318435号公報等に開示されたファジィ制御により、クーラ運転時にフロストを防止するための圧縮機回転数変化量を演算する。次に、ステップS902で、ヒートポンプ時に異常高圧を防止するための圧縮機回転数変化量を演算する。
エアコンECU50のROMには、温度偏差Eと偏差変化量EDOTとの関係を示すマップが予め記憶されている。尚、この温度偏差E、および偏差変化量EDOTにおける圧縮機回転数変化量ΔfCは、ROMに記憶された所定のメンバーシップ関数およびルールに基づいて、上記ファジィ制御にて求められる。
ステップS901において、COOLサイクル時にフロストを防止するための圧縮機回転数変化量ΔfCを演算する。まず、エアコンECU50は、ステップS901において、各種センサの検出信号を用いて算出した目標蒸発器温度TEOと、実際の蒸発器温度TE(図示しない蒸発器温度センサによって検出された温度)との温度偏差Eを以下の数式2を用いて演算する。なお、目標蒸発器温度TEOは、図8に示すマップに従って、目標吹出温度TAOから求められる。この図8から判明するように、目標蒸発器温度TEOは2℃から10℃の範囲で選ばれる。
(数2)
=TEO−TE
更に、以下の数式3を用いて偏差変化量EDOTを演算する。
(数3)
EDOT=E−En−1
ここで、Eは、1秒に1回更新されるため、En−1は、Eに対して1秒前の値となる。
更に、エアコンECU50は、算出したEとEDOTとから、ステップS901に示すマップを用いて、1秒前の電動機2aのCOOLサイクル時の圧縮機回転数変化量ΔfCを算出する。このCOOLサイクル時の圧縮機回転数変化量ΔfCは、COOLサイクル時の熱交換器のフロスト防止に貢献する値である。
次に、ステップS902において、同様に、HOTサイクル時に異常高圧を防止するための圧縮機回転数変化量ΔfHを演算する。このステップS902では、目標圧力PDO、高圧圧力Pre(Preは冷媒圧力センサ40(図1、図6)にて検出された高圧圧力)、偏差P、および偏差変化量PDOTを用いて、圧縮機2の圧縮機回転数変化量ΔfHを以下のように求める。
ヒートポンプによるHOTサイクル運転時において、ステップS902において、先に求められた目標吹出温度TAOを、冷凍サイクルの高圧側を流れる冷媒の目標圧力PDOに変換する。この変換は、周知の方法を用いればよく、目標吹出温度TAOを変換用マップで目標圧力PDOに変換してもよい。
また、目標吹出温度TAOと、送風機21の風量Vによって異なる温度効率φと、凝縮器3の吸入側空気温度とから飽和冷媒温度Tcを求め、この飽和冷媒温度Tcと飽和圧力Pc(凝縮器3の凝縮圧力)との関係に基づいて、上記飽和冷媒温度Tcに対応する飽和圧力Pcを求めて、この飽和圧力Pcを目標圧力PDOとしてもよい。次に、目標圧力PDOと、冷媒圧力センサ40にて検出された高圧圧力Preとの圧力偏差Pを以下の数式4によって算出する。
(数4)
=PDO−Pre
また、偏差変化量PDOTを以下の数式5によって算出する。
(数5)
PDOT=P−Pn−1
尚、Pn−1は、偏差Pの先回の値である。また、nは自然数である。
エアコンECU50のROMには、圧力偏差Pと、偏差変化量PDOTと、圧縮機回転数変化量ΔfHとの関係を示すマップが予め記憶されている。この圧力偏差Pと偏差変化率PDOTとからマップを用いて、1秒前の圧縮機回転数fn−1に対して増減する圧縮機回転数変化量ΔfHを求める。尚、この圧力偏差Pおよび偏差変化量PDOTにおける圧縮機回転数変化量ΔfHは、ROMに記憶された所定のメンバーシップ関数及び所定のルールに基づいて、ファジィ制御にて求める。
更に、図10の車速判定手段をなすステップS903において、車速が30km/hを超えているか否かを判定する。車速が30km/h以下の低速の場合は、第1最高回転数決定手段をなすステップS904にて、ブロワ電圧に応じた最高回転数IVOmax(rpm)を演算する。車速が30km/h以上の高速走行で騒音や振動が気にならない場合は、第2最高回転数決定手段をなすステップS905にて、圧縮機最高回転数IVOmax=7000(rpm)を設定する。
次に、ステップS906にて、クーラ(つまりCOOLサイクル)か否かを判定する。クーラの場合は、ステップS907にてΔfとしてΔfCを選択することで、フロスト防止できる。ヒートポンプサイクル(つまりHOTサイクル)の場合は、ステップS908にて、ΔfとしてΔfHを選択することで、異常高圧防止を図ることができる。
更に、ステップS909にて、前回の圧縮機回転数にΔfを加えた値と、ステップS904、S905で設定されたIVOmaxとのうち、いずれか小さいほうを仮の圧縮機回転数IVOdとする。
次に、ステップS910において、バッテリ冷却中か否かを判定する。バッテリ冷却中か否かは、図1のバッテリ用電磁弁104が開放されて冷媒がバッテリ用熱交換器102に流入しており、かつバッテリ冷却水ポンプ103が回転してバッテリ用熱交換器102で冷却された冷却水がバッテリ101に流れ込んでいる場合をバッテリ冷却中と判定し、そうでない場合をバッテリ冷却中でないと判定する。
ステップS910において、バッテリ冷却中でない場合、目標回転数決定手段をなすステップS911にて、今回の圧縮機の目標回転数を、ステップS909で求めた圧縮機回転数IVOdに設定する。バッテリ冷却用の冷却水の温度が例えば50℃を超え、バッテリ冷却中の場合は、ステップS912にて、バッテリ温度に応じた圧縮機目標回転数f(BAT)を決定する。更に、ステップS913では、蒸発器8のフィン温度(エバフィン温度)に応じた圧縮機最高回転数IVOmax2を決定する。
最後に、ステップS914で、今回の圧縮機目標回転数を、ステップS912の圧縮機目標回転数f(BAT)と、ステップS913の圧縮機最高回転数IVOmax2とのうち、いずれか小さい方の値として決定する。
この図10に示した制御においては、走行性能を確保するためにバッテリ冷却を行うが、空調負荷が少ないと、バッテリ101(図1)の冷媒回路に対して並列の冷媒回路で冷やしている蒸発器温度TEが下がりすぎてフロストを起こす可能性がある。そのため、基本的には、バッテリ101の温度に応じて圧縮機回転数を決めるが、蒸発器温度TEが下がりすぎたときには、蒸発器温度TEの低下に応じて圧縮機回転数を制限することにより、フロストを防止しつつ、圧縮機消費電流を少なくできる、これにより、圧縮機2の電動機2aに供給されるバッテリ101の出力電流が減少するため、バッテリ101の温度上昇が軽減される。
S10.PTC作動本数決定
次に、ステップS10で、PTCヒータ24(通電発熱素子部)の作動本数の決定処理を実施する。このPTC作動本数決定処理は、図12に示すフローチャート(ステップS1001〜ステップS1003)に基づいて実施されるようにしている。
まず、ステップS1001にて、ブロワスイッチ(送風機21の風量切替スイッチ)がオンになっているか否か、即ち、オフ以外のオート、Lo、Me、Hiのいずれかに設定されているか否かを判定する。ブロワスイッチオンの場合、ステップS1002にて、予めエアコンECU50のROMに記憶されたマップに基づいて、水温センサ45から得られる冷却水温度TWに対応するPTCヒータ24の作動本数を決定する。ここでは、冷却水温度TWが低い温度から高い温度にかけて、PTCヒータ24の作動本数を減少させる(3本〜1本に減少させる)ように決定する。
尚、ステップS1001の判定において、ブロワスイッチ(風量切替スイッチ)がオンになっていない場合(オフの場合)、ステップS1003において、PTCヒータ24をオフにする。
このようにして、PTCヒータ24の作動本数を決定し、この決定本数に対応して、PTCヒータ24の作動を制御する。これにより、PTCヒータ24の作動本数に対応して、ヒータコア23の通過温風に付与する熱量が変わることになる。
S11.各弁ON/OFF決定
次に、図7のステップS11において、サイクル中の三方弁4および電磁弁11〜14等のオンまたはオフ作動について決定する。この制御では、図5に示した各サイクルに対応する各弁の動作状態となるように、各弁の作動をオン、オフする出力信号を決定する。
尚、図1等の蒸発器用電磁弁107とバッテリ用電磁弁104とを設けて、それら電磁弁104、107の作動を組み合わせることにより、蒸発器8のみの冷却、バッテリ101のみの冷却、蒸発器8およびバッテリ101の両方の冷却を選択できるが、通常時は、蒸発器用電磁弁107は開状態に保たれている。そして、明らかに車室内の冷房が不要でありバッテリ101のみを冷却したい場合に、蒸発器用電磁弁107が遮断される。例えば、冬場の冷房が不要なとき、または、バッテリ101の残存電力容量が少なく残存電力容量のみで極力走行距離を延ばしたいときに、蒸発器用電磁弁107が遮断される。尚、蒸発器用電磁弁107を常閉型(ノーマルクローズ)としても良い。このようにすれば、蒸発器用電磁弁107遮断時の電力を消費しない。
S12.送風機作動決定
次に、ステップS12で、送風機作動決定処理を行う。この送風機作動決定処理は、具体的には、図13に示すフローチャート(ステップS1201〜ステップS1203)に基づいて送風機21に印加する電圧を設定する。
まず、ステップS1201で、基本の送風機電圧を決定する。エアコンECU50のROMには、目標吹出温度TAOと、基本の送風機電圧との関係を予め定めたマップが記憶されており、ステップS5で算出した目標吹出温度TAOに対応する基本の送風機電圧を決定する。基本の送風機電圧は、例えば、目標吹出温度TAOが低いと(TAO=−10以下)、最大の12Vに設定され、目標吹出温度TAOが高くなるほど(TAO=−10〜10)、順次低くなるように設定され、更に目標吹出温度TAOが高くなっていくと(TAO=40〜80)、10Vを最大として順次高くなっていくように設定される。つまり、目標吹出温度TAOが低い場合は、冷房の要求が強い場合であり、基本の送風機電圧を上げて急速冷房(クールダウン)対応し、また、目標吹出温度TAOが高い場合は、暖房の要求が強い場合であり、同様に基本送風機電圧を上げて暖房対応する訳である。
次に、ステップS1202で、バッテリ101の温度(以下、バッテリ温度)に対する最高送風機電圧を決定する。エアコンECU50のROMには、バッテリ温度と、最高送風機電圧との関係を予め定めたマップが記憶されており、バッテリ温度センサ46から得られるバッテリ温度に対応する最高送風機電圧を決定する。最高送風機電圧は、例えば、バッテリ温度が50℃以上となると、最大12Vから順次低くなるように設定され、バッテリ温度が70℃以上で7Vに設定される。
ここで、バッテリ101の冷却のために、バッテリ用電磁弁104が開かれて、ヒートポンプサイクル1の冷媒が蒸発器8およびバッテリ用熱交換器102の両者に流れる場合に、バッテリ温度が上昇していくと、バッテリ冷却装置1Aにとっては、バッテリ用熱交換器102での吸熱量が増加し、バッテリ101の冷却のためのバッテリ冷却負荷が増加する。よって、バッテリ冷却負荷と、蒸発器8での吸熱量、つまり空調負荷とを含むヒートポンプサイクル1のトータルのサイクル負荷としては増加することになる。ステップS1202では、このようにバッテリ温度をもとにバッテリ冷却負荷を捉えて、バッテリ冷却負荷が高くなるほど、バッテリ冷却負荷が低いときよりも最高送風機電圧を低く設定するようにしている。ステップS1202は、本発明の判定手段に対応する。
そして、ステップS1203で、最終の送風機電圧を決定する。ここでは、最終の送風機電圧を、ステップS1201の基本の送風機電圧と、ステップS1202の最高送風機電圧とのうち、いずれか小さいほうの値として決定する。上記ステップS1202での最高送風機電圧の設定値が低くなるほど、この電圧値が最終の送風機電圧として選択されることになる。ステップS1203は、本発明の風量減少手段に対応する。
S13、S14.制御信号出力
次に、図7のステップS13において、上記各ステップS1〜S12で算出または決定した各制御状態が得られるように、エンジンECU60、ハイブリッドECU70、ナビゲーションECU80、送風機21、インバータ90、室外ファン6、PTCヒータ24、各種ドア22、25、26のアクチュエータ、三方弁4および電磁弁11〜14、104、107等に対して制御信号を出力する。
そして、ステップS14において所定時間の経過を待って、ステップS3に戻り、継続して各ステップを実行する。
以上のように、本実施形態では、ヒートポンプサイクル1の冷媒を用いてバッテリ101を冷却するときのバッテリ冷却負荷が高いか低いかを判定する判定手段S1202と、判定手段S1202が、バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、バッテリ冷却負荷が低いと判定した場合に比べて、空調風の風量を少なくする風量減少手段S1203とを備えている。
つまり、バッテリ温度を用いてバッテリ冷却負荷を把握し、バッテリ温度が高くなるほどバッテリ冷却負荷が高いと判定し、最終の送風機電圧が低くなるように設定して、空調風量を低下させるようにしている。このように空調風量を低下させることによって、ヒートポンプサイクル1の蒸発器8における送風空気冷却の効率を上げることができ、バッテリ冷却負荷が高くなっても吹出温度を低下させることができるので、乗員の快適性低下を軽減できる。また、空調風量を低下させることで蒸発器8における空調負荷を下げることができるので、バッテリ101の冷却作用を強化することができる。
(第2実施形態)
第2実施形態の制御フローチャートを図14、図15に示す。第2実施形態は、上記第1実施形態に対して、車両用空調システム100の構成は同一としつつも、バッテリ冷却負荷が高くなったときの制御内容を変更したものとしている。
基本的な全体の制御フローチャートは、図14に示すように、第1実施形態で説明した図7のフローチャートに対して、ステップS7を廃止し、ステップS12をステップ12A、およびステップS12Bに変更している。以下、フローチャートの変更部を中心にして説明する。
まず、ステップS12Aでは、送風機作動決定処理を行う。ここでは、上記第1実施形態のステップS12におけるステップS1201(図13)と同様に、基本の送風機電圧を決定する。基本の送風機電圧は、目標吹出温度TAOに基づいて決定される。
次に、ステップS12Bで、吸込口モード決定処理を行う。この吸込口モード決定処理は、具体的には、図15に示すフローチャート(ステップS12B1〜ステップS12B5)に基づいて外気導入口から取り入れる外気の導入率(外気導入率)を設定する。
まず、ステップS12B1で、バッテリ温度が50℃より高いか否かを判定する。バッテリ温度は、上記第1実施形態で説明したように、バッテリ冷却装置1Aのバッテリ冷却負荷を示すものであり、バッテリ温度が高いほどバッテリ冷却負荷が高い状態にある。ステップS12B1は、本発明の判定手段に対応する。
ステップS12B1でバッテリ温度が50℃より高い、つまり、バッテリ冷却負荷が高いと判定すると、ステップS12B2で、外気導入口からの外気導入率を減少させる。ここでは、外気導入率を0%とし、内気導入口から内気の導入率(内気導入率)を100%として、内気循環モード(REC)にする。ステップS12B2は、本発明の外気導入率低下手段に対応する。
一方、ステップS12B1で、バッテリ温度は50℃以下である、つまり、バッテリ冷却負荷が低いと判定すると、ステップS12B3で、内外気切替ドア25の位置制御がエアコンECU50によるオート制御か否かを判定する。
ステップS12B3で否、つまり乗員の手動操作によるマニュアル制御であると判定すると、ステップS12B4で、手動操作による設定が内気循環モード(REC)であれば、外気導入率を0%とし、また、手動操作による設定が外気導入モード(FRS)であれば、外気導入率を100%とする。
また、ステップS12B3で、オート制御であると判定すると、ステップS12B5で、目標吹出温度TAOに基づいて、吸込口モードを決定する。つまり、目標吹出温度TAOが低い側から高い側へ向かうにつれて、内気循環モード(REC)、内外気導入モード(REC/FRC)、外気導入モード(FRC)の順に設定する。
以上のように、本実施形態では、ヒートポンプサイクル1の冷媒を用いてバッテリ101を冷却するときのバッテリ冷却負荷が高いか低いかを判定する判定手段S12B1と、判定手段S12B1が、バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、バッテリ冷却負荷が低いと判定した場合に比べて、車両外気あるいは車両内気のうち、車両外気の導入率を少なくする外気導入率低下手段S12B2とを備えている。
つまり、バッテリ温度を用いてバッテリ冷却負荷を把握し、バッテリ温度が高くなるほどバッテリ冷却負荷が高いと判定し、外気導入率を少なくするようにしている。このように外気導入率を少なくすることによって、空調負荷を低下させることができ、バッテリ冷却負荷が高くなっても吹出温度を低下させることができるので、乗員の快適性低下を軽減できる。また、空調負荷の低下に伴いバッテリ101の冷却作用を強化することができる。
(その他の実施形態)
本発明は、上記第1、第2実施形態にのみ限定されるものではなく、以下のように変形または拡張することができる。
即ち、上記各実施形態では、バッテリ冷却装置1Aのバッテリ冷却負荷を把握するために、バッテリ温度を使用したが、これに限らず、蒸発器温度TEを用いるようにしても良い。その他にも、ヒートポンプサイクル1の高圧側の圧力(冷媒高圧センサ40の検出信号)あるいは温度、更には、低圧側の圧力あるいは温度(冷媒吸入温度センサ41の検出信号)等を用いるようにしても良い。
また、上記各実施形態では、ハイブリッド自動車に本発明を適用したものとしているが、ハイブリッド自動車に限定されるものではなく、エンジン30を備えない電気自動車(EV)であってもよい。更に、上記各実施形態では、電気式補助熱源としてPTCヒータ24を採用しているが、これに限定されるものではない。電気式補助熱源は、通電されることにより、発熱体等から発熱して周囲の空気や物体を加熱できれば他の装置でもよいし、PTCヒータ24を省略しても良い。
また、ヒートポンプサイクル1を備える車両用空調システム100を上記各実施形態にて示したが、本発明は、クーラサイクル(エアコンサイクルとも呼ばれる)を使用した車両用空調システムにも適用できる。尚、クーラサイクルとは、ヒータコアでエンジン冷却水温を使用して暖房を行い、かつ高圧の液相冷媒を車内にある膨張弁で減圧して気化を開始させた状態で空調ケース内の蒸発器へ導き、蒸発器で気化した冷媒を電動圧縮機で圧縮して、空調ケース外部のコンデンサへ送るサイクルである。
また、上記各実施形態では、バッテリ101側の冷媒流路に設けたバッテリ用電磁弁104だけでなく、蒸発器8側にも蒸発器用電磁弁107を設けたが、この蒸発器用電磁弁107が省略されても良い。図16は、この蒸発器用電磁弁107が省略された場合のCOOLサイクル時の冷媒の流れ、および機器の配置を説明している。
1 ヒートポンプサイクル(空調装置)
1A バッテリ冷却装置
101 バッテリ
S1202 判定手段
S1203 風量減少手段
S12B1 判定手段
S12B2 外気導入率低下手段

Claims (2)

  1. 車室内に吹出す空調風を冷媒により冷却する空調装置(1)と、前記冷媒によってバッテリ(101)を冷却するバッテリ冷却装置(1A)とを有する車両用空調システムにおいて、
    前記冷媒を用いて前記バッテリ(101)を冷却するときのバッテリ冷却負荷が高いか低いかを判定する判定手段(S1202)と、
    前記判定手段(S1202)が、前記バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、前記バッテリ冷却負荷が低いと判定した場合に比べて、前記空調風の風量を少なくする風量減少手段(S1203)とを備えると共に、
    前記空調装置(1)には、前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(2)と、内部を流れる前記冷媒によって前記空調風を冷却する蒸発器(8)とが設けられており、
    前記バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、前記バッテリ(101)の温度が高い程、前記圧縮機(2)の吐出流量を大きくし、かつ、前記蒸発器(8)の温度が低い程、前記圧縮機(2)の吐出流量の上限を低くすることを特徴とする車両用空調システム。
  2. 車室内に吹出す空調風を冷媒により冷却する空調装置(1)と、前記冷媒によってバッテリ(101)を冷却するバッテリ冷却装置(1A)とを有する車両用空調システムにおいて、
    前記冷媒を用いて前記バッテリ(101)を冷却するときのバッテリ冷却負荷が高いか低いかを判定する判定手段(S12B1)と、
    前記判定手段(S12B1)が、前記バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、前記バッテリ冷却負荷が低いと判定した場合に比べて、車両外気あるいは車両内気のうち、前記車両外気の導入率を少なくする外気導入率低下手段(S12B2)とを備えると共に、
    前記空調装置(1)には、前記冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(2)と、内部を流れる前記冷媒によって前記空調風を冷却する蒸発器(8)とが設けられており、
    前記バッテリ冷却負荷が高いと判定した場合は、前記バッテリ(101)の温度が高い程、前記圧縮機(2)の吐出流量を大きくし、かつ、前記蒸発器(8)の温度が低い程、前記圧縮機(2)の吐出流量の上限を低くすることを特徴とする車両用空調システム。
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