JP2019219107A - 冷却設備及び冷却設備システム - Google Patents
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Abstract
【課題】専用車両でなくても、充電時に電池の温度が過剰に上昇することを抑制できる冷却設備及び冷却設備システムを提供する。【解決手段】駐車面Gには、駐車領域Gpに駐車された車両60に向けて冷却空気を送り出す冷却設備71が設置されている。冷却設備71は、空気を冷却する車外冷却システム73と、車外冷却システム73により冷却された冷却空気を車両60に向けて送り出す冷風管77〜79とを有している。埋設冷風管77は、車両60の電池パック10に向けて冷却空気を吹き出すケース用吹出口81と、車両60のコンデンサ32に向けて冷却空気を吹き出すコンデンサ用吹出口82とを有している。上方冷風管79は、車両60の上方から屋根63やフロントガラス65a、リアガラス65bといった車両ボディ61に向けて冷却空気を吹き出す上方吹出口84を有している。【選択図】図2
Description
この明細書における開示は、冷却設備及び冷却設備システムに関する。
車両の充電時に車載の電池を冷却する冷却設備として、特許文献1には、電池を冷却するための冷媒を車両の内部に供給する冷却設備が開示されている。この冷却設備は、車両に冷媒を供給するための冷媒供給用プラグを有しており、この冷媒供給用プラグが車載の冷媒導入部に装着されることで冷却設備から車両の内部に冷媒が供給される。
しかしながら、上記特許文献1の構成では、冷却設備から冷媒を供給して車載の電池を冷却できる車両が、冷媒導入部を搭載した専用車両に限られてしまう。このため、冷媒導入部を搭載しない車両については、電池を冷却することができず、充電時に電池の温度が過剰に上昇することが懸念される。
本開示の主な目的は、専用車両でなくても、充電時に電池の温度が過剰に上昇することを抑制できる冷却設備及び冷却設備システムを提供することである。
この明細書に開示された複数の態様は、それぞれの目的を達成するために、互いに異なる技術的手段を採用する。また、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、1つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例であって、技術的範囲を限定するものではない。
開示された第1の態様は、
複数の電池(11)をパックケース(12)に収容した電池パック(10)と、車両ボディ(61)により区画された車室内の冷房及び電池の冷却の両方に用いられる冷凍サイクルの冷媒の熱を周囲の空気との熱交換によって放出する放熱部(32)と、をいずれも外気に触れる状態で搭載した車両(60)が駐車面(G)の上に駐車された状態で電池の充電が行われる場合に、車両の冷却を行う冷却設備(71)であって、
空気を冷却する冷却部(73)と、
冷却部により冷却された冷却空気を車両に向けて送り出す送風通路(77a,78a,79a)と、
を備え、
送風通路は、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を電池パックに向けて吹き出すパック用吹出口(81,83)と、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を放熱部に向けて吹き出す放熱用吹出口(82)と、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を車両ボディの外側から車室に向けて吹き出すボディ用吹出口(84)と、
の少なくとも1つを有している、冷却設備である。
複数の電池(11)をパックケース(12)に収容した電池パック(10)と、車両ボディ(61)により区画された車室内の冷房及び電池の冷却の両方に用いられる冷凍サイクルの冷媒の熱を周囲の空気との熱交換によって放出する放熱部(32)と、をいずれも外気に触れる状態で搭載した車両(60)が駐車面(G)の上に駐車された状態で電池の充電が行われる場合に、車両の冷却を行う冷却設備(71)であって、
空気を冷却する冷却部(73)と、
冷却部により冷却された冷却空気を車両に向けて送り出す送風通路(77a,78a,79a)と、
を備え、
送風通路は、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を電池パックに向けて吹き出すパック用吹出口(81,83)と、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を放熱部に向けて吹き出す放熱用吹出口(82)と、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を車両ボディの外側から車室に向けて吹き出すボディ用吹出口(84)と、
の少なくとも1つを有している、冷却設備である。
第1の態様によれば、送風通路から冷却空気が車両に向けて送り出されるため、この冷却空気により車載の放熱部や電池パック、車室を冷却することができる。これにより、充電時に電池の温度が過剰に上昇することを抑制できる。
具体的には、パック用吹出口から吹き出される冷却空気が車載の電池パックに当たっている場合は、この冷却空気によりパックケースを冷却することで電池も冷却することができる。
放熱用吹出口から吹き出される冷却空気が車載の放熱部に当たっている場合は、車載の冷凍サイクルにおいて放熱部での冷媒の放熱が冷却空気により促進されるため、この冷媒による電池の冷却効果を高めることができる。また、この場合は、放熱部にて冷却された冷媒の温度が低下しやすくなるため、車載の冷凍サイクルにおいて車室の冷房に用いる冷媒の量を減少させ、その分だけ電池の冷却に用いる冷媒の量を増加させることができる。これにより、車載の冷凍サイクルによる電池の冷却効果を高めることができる。
ボディ用吹出口から吹き出される冷却空気が車両ボディに当たっている場合は、この冷却空気により車両ボディを冷却することで車室を冷却することができる。この場合、ボディ用吹出口からの冷却空気により車室の冷房効果が促進されるため、車載の冷凍サイクルにおいて車室の冷房に用いる冷媒の量を減少させ、その分だけ電池の冷却に用いる冷媒の量を増加させることができる。これにより、車載の冷凍サイクルによる電池の冷却効果を高めることができる。
第2の態様は、
複数の電池(11)をパックケース(12)に収容した電池パック(10)と、電池の冷却及び車両ボディ(61)により区画された車室内の冷房の両方に用いられる冷凍サイクルの冷媒の熱を周囲の空気との熱交換によって放出する放熱部(32)と、をいずれも外気に触れる状態で搭載した車両(60)が駐車面(G)の上に駐車された状態で電池の充電が行われる場合に、車両の冷却を行う冷却設備システム(70)であって、
空気を冷却する冷却部(73)と、
冷却部により冷却された冷却空気を車両に向けて送り出す送風通路(77a,78a,79a)と、
送風通路からの冷却空気の吹き出しを制御する制御部(72)と、
を備え、
送風通路は、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を電池パックに向けて吹き出すパック用吹出口(81,83)と、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を放熱部に向けて吹き出す放熱用吹出口(82)と、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を車両ボディの外側から車室に向けて吹き出すボディ用吹出口(84)と、
の少なくとも1つを有している、冷却設備システムである。
複数の電池(11)をパックケース(12)に収容した電池パック(10)と、電池の冷却及び車両ボディ(61)により区画された車室内の冷房の両方に用いられる冷凍サイクルの冷媒の熱を周囲の空気との熱交換によって放出する放熱部(32)と、をいずれも外気に触れる状態で搭載した車両(60)が駐車面(G)の上に駐車された状態で電池の充電が行われる場合に、車両の冷却を行う冷却設備システム(70)であって、
空気を冷却する冷却部(73)と、
冷却部により冷却された冷却空気を車両に向けて送り出す送風通路(77a,78a,79a)と、
送風通路からの冷却空気の吹き出しを制御する制御部(72)と、
を備え、
送風通路は、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を電池パックに向けて吹き出すパック用吹出口(81,83)と、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を放熱部に向けて吹き出す放熱用吹出口(82)と、
車両が駐車面に駐車されている場合に、冷却空気を車両ボディの外側から車室に向けて吹き出すボディ用吹出口(84)と、
の少なくとも1つを有している、冷却設備システムである。
第2の態様によれば、上記第1の態様と同様の効果を奏することができる。
以下に、図面を参照しながら本開示を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
図1に示す電池パック10は、ハイブリッド自動車等の車両60(図2参照)に搭載されている。この車両60には、走行駆動源としてモータ及び内燃機関の両方が搭載されており、電池パック10はモータに電力を供給する。電池パック10は、電力を蓄える電池セル11と、電池セル11を収容したパックケース12とを有している。電池セル11は、ニッケル水素2次電池や、リチウムイオン2次電池、有機ラジカル電池等の2次電池である。電池パック10は電池セル11を複数有しており、これら電池セル11は互いに電気的に接続されている。電池パック10においては、複数の電池セル11を有する組電池がパックケース12の内部に複数設置されている。なお、電池セル11が電池に相当し、パックケース12がケース体に相当する。
図1に示す電池パック10は、ハイブリッド自動車等の車両60(図2参照)に搭載されている。この車両60には、走行駆動源としてモータ及び内燃機関の両方が搭載されており、電池パック10はモータに電力を供給する。電池パック10は、電力を蓄える電池セル11と、電池セル11を収容したパックケース12とを有している。電池セル11は、ニッケル水素2次電池や、リチウムイオン2次電池、有機ラジカル電池等の2次電池である。電池パック10は電池セル11を複数有しており、これら電池セル11は互いに電気的に接続されている。電池パック10においては、複数の電池セル11を有する組電池がパックケース12の内部に複数設置されている。なお、電池セル11が電池に相当し、パックケース12がケース体に相当する。
電池パック10は、電池セル11の温度を検出する電池温度センサ13を有している。電池温度センサ13は、複数の電池セル11のうち少なくとも1つの電池セル11に取り付けられている。なお、電池温度センサ13は、パックケース12に取り付けられていてもよい。この場合、電池温度センサ13は、パックケース12の内部温度を電池セル11の温度として検出することが可能になっている。
車両60には、冷凍サイクルの冷媒を用いて空気の温度を調整する車載冷却システム20が搭載されている。車載冷却システム20は、車室内の空調として冷房を行うことや、パックケース12内の空気を冷やして電池パック10の冷却を行うことが可能になっている。車載冷却システム20は、車室内の空気を冷やす車室用回路21と、パックケース12内の空気を冷やすパック用回路22と、これら車室用回路21及びパック用回路22の両方に接続された共通回路23とを有している。なお、車載冷却システム20を冷却回路と称することもできる。
車載冷却システム20は、コンプレッサ31、コンデンサ32、電磁弁33a,33b、エキスパンションバルブ34a,34b、エバポレータ35a,35bを有している。
コンプレッサ31は、冷媒を圧縮することで冷媒の圧力及び温度を上昇させる電動式の圧縮機である。コンデンサ32は、冷媒の熱を放出することで冷媒を凝縮する凝縮器である。エバポレータ35a,35bは、液相の冷媒を膨張させることで蒸発させる蒸発器である。冷媒は、コンプレッサ31において気相から液相に相変化し、エバポレータ35aにおいて液相から気相に相変化する。エバポレータ35a,35bは、熱交換によって周囲の空気を冷却する冷却用の熱交換部であり、コンデンサ32は、エバポレータ35a,35bで吸熱した冷媒の熱を外部に放出するための放熱用の熱交換部であり、放熱部に相当する。
電磁弁33a,33bは、コンデンサ32とエバポレータ35a,35bとの間に設けられた高圧の遮断弁であり、エバポレータ35a,35bへの冷媒の供給を停止することが可能になっている。エキスパンションバルブ34a,34bは、電磁弁33a,33bとエバポレータ35a,35bとの間に設けられ、エバポレータ35a,35bに流れ込む冷媒を膨張させる膨張弁である。
また、車載冷却システム20は、レシーバ36及び圧力センサ37を有している。レシーバ36は、コンデンサ32に対して設けられ、コンデンサ32からエバポレータ35a,35bに供給される冷媒を一時的に貯留することが可能になっている。圧力センサ37は、コンデンサ32からエバポレータ35a,35bに供給される冷媒の圧力を検出する。
車室用回路21は、車室用電磁弁33a、車室用エキスパンションバルブ34a、及び車室用エバポレータ35aを含んで構成されている。パック用回路22は、パック用電磁弁33b、パック用エキスパンションバルブ34b、及びパック用エバポレータ35bを含んで構成されている。車室用回路21とパック用回路22とは、共通回路23に対して並列に接続されている。この構成では、電磁弁33a,33bの開閉動作により、コンデンサ32からの冷媒の供給先として車室用エバポレータ35a及びパック用エバポレータ35bの少なくとも一方が選択される。
電池パック10のパックケース12には、パック用回路22のうち、パック用エキスパンションバルブ34b及びパック用エバポレータ35bが設置されている。この場合、電池パック10がパック用エキスパンションバルブ34b及びパック用エバポレータ35bを有していることになる。電池パック10は、パックケース12に設置されたパック用送風部38bを有している。パック用送風部38bは、電動式のモータ及びファンを有しており、パックケース12の内部において空気を循環させることが可能になっている。パック用送風部38bが駆動している場合、パック用エバポレータ35bにて冷却された空気により電池セル11が冷却されやすくなる。
車両60には、車室の空調を行う空調装置が搭載されており、この空調装置は、車室用回路21のうち車室用エキスパンションバルブ34a及び車室用エバポレータ35aを含んで構成された空調ユニット40を有している。空調ユニット40は、例えばHVAC(Heating, Ventilation, and Air Conditioning)であり、車両60に搭載されたインストルメントパネルの内部に設けられている。空調ユニット40は、車室用エキスパンションバルブ34aや車室用エバポレータ35aを収容するユニットケース41と、このユニットケース41に設置された車室用送風部38aと、車室用エバポレータ35aの温度を検出するエバポ温度センサ39とを有している。車室用送風部38aは、パック用送風部38bと同様に電動式のモータ及びファンを有しており、車室用エバポレータ35aにより冷却された空気を冷風として車室内に送り出すことが可能になっている。
車載の空調装置は、車室内の暖房を行う暖房回路50を有している。暖房回路50は、エンジン冷却水により冷媒を加熱するヒータコア51や、ヒータコア51により加熱される冷媒を更に加熱するヒータ部、暖房回路50において冷媒を循環させる循環ポンプを有している。暖房回路50のうちヒータコア51は空調ユニット40のユニットケース41内に設置されている。
図2に示すように、車両60においては、車体としての車両ボディ61により車室が区画されており、車室の前方にエンジンルームが形成されている。コンデンサ32は、エンジンルームにおいて外気に触れる状態でフロントグリルの後方に設けられている。電池パック10は、前輪62aと後輪62bとの間において、車両ボディ61の下方に露出した状態で車両ボディ61に対して取り付けられている。電池パック10においては、パックケース12の少なくとも下面が外気に触れる状態になっている。パックケース12は、上下に薄い扁平状の箱体であり、平面視で矩形状になっている。パックケース12は、樹脂材料等により形成されており、熱伝導性を有している。
車両ボディ61には、屋根63や複数のドア64が含まれている。ドア64としては、サイドドアやバックドアがある。車両ボディ61には、フロントガラス65aやリアガラス65b、ドアガラス65cが取り付けられている。ドアガラス65cはドア64に取り付けられている。車両60は、商用電力等の外部電力が供給される受電部としてのインレット部67を有している。インレット部67は、車両ボディ61の後端寄りの位置に設けられており、インレット部67を介して電池セル11に供給された電力により電池セル11の充電が行われる。
車両60には、電池パック10の充電状態の管理や空調ユニット40による空調状態の制御を行う制御装置としてECU(Electronic Control Unit)66を有している。ECU66は、少なくとも1つのプロセッサ、記憶装置、入出力インターフェースを含む電子回路である。プロセッサは、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行する演算回路である。記憶装置は、例えば半導体メモリ等によって提供され、プロセッサによって読み取り可能なコンピュータプログラム及びデータを非一時的に格納するための非遷移的実体的記憶媒体である。ECU66は、電池セル11や車室を冷却する車載冷却処理を行うことが可能になっている。
電池セル11の充電が行われている場合、電池セル11等にて熱が発生して電池セル11や電池パック10の温度が過剰に上昇することがある。これに対して、図2に示す冷却設備システム70は、電池セル11の充電が行われる場合に車両60の冷却を行うことが可能になっている。冷却設備システム70は、屋外や屋内に設置された冷却設備71と、冷却設備71の動作制御を行う制御部としてのコントローラ72とを有している。冷却設備システム70は、地面や床面等の駐車面Gのうち所定の駐車領域Gpに駐車された車両60を対象として冷却処理を行うことが可能になっている。
冷却設備71は、空気を冷却する車外冷却システム73と、車外冷却システム73を収容した冷却ケース74と、車外冷却システム73により冷却された冷却空気を送る設備用送風部75と、冷却空気を車両60に向けて吹き出す冷風管77〜79を有する。
車外冷却システム73は、車載冷却システム20と同様に、冷凍サイクルの冷媒を用いて空気を冷却する冷却システムである。車外冷却システム73は、コンプレッサ等の圧縮機と、コンデンサ等の凝縮器と、電磁弁等の遮断弁と、エキスパンションバルブ等の膨張弁と、エバポレータ等の膨張器とを有している。なお、車外冷却システム73が冷却部に相当する。
冷却ケース74は、直方体状の箱体であり、駐車面Gに対して設置されている。設備用送風部75は、電動式のモータ及びファンを有しており、駆動に伴って冷却空気を冷風管77〜79から車両60に向けて強制的に送り出すことが可能になっている。冷風管77〜79は、いずれも配管やダクト等により形成されており、冷却ケース74から延びている。冷風管77〜79の一部は冷却ケース74の内部に設けられており、車外冷却システム73にて生成された冷却空気が冷風管77〜79に取り込まれるようになっている。冷却ケース74は、駐車領域Gpの奥側に配置されており、図2に示すように車両60が駐車領域Gpに後向き駐車された場合はこの車両60の後方に存在することになる。なお、設備ケースは冷却ケースに相当する。
冷風管77〜79のうち埋設冷風管77は、駐車面Gに埋設されている。埋設冷風管77は、冷却ケース74から下方に向けて延びた部分と、駐車領域Gpに向けて駐車面Gに平行に延びた部分とを有しており、駐車面Gから上方に露出しない状態で地中や床に埋設されている。埋設冷風管77の内部空間は冷却空気が通る埋設通路77aを形成している。埋設通路77aは、電池パック10に向けて上方に冷却空気を吹き出すケース用吹出口81と、コンデンサ32に向けて上方に冷却空気を吹き出すコンデンサ用吹出口82とを有している。
コンデンサ用吹出口82は、駐車領域Gpに駐車された車両60よりも手前側に配置されるように埋設通路77aの先端側に設けられており、ケース用吹出口81側に向けて斜め上方に冷却空気を吹き出す。コンデンサ用吹出口82から吹き出される冷却空気は、車両60が駐車領域Gpに後向きに駐車された場合にその車両60のコンデンサ32に当たりやすくなっている。ケース用吹出口81は、駐車領域Gpに駐車された車両60の真下に配置されるようにコンデンサ用吹出口82と冷却ケース74との間に設けられており、真上に向けて冷却空気を吹き出す。ケース用吹出口81から吹き出される冷却空気は、電池パック10に当たりやすくなっている。コンデンサ用吹出口82は、駐車領域Gpでの車両60の駐車向きに関係なく車両60の真下に配置されるようになっている。
埋設通路77aには、吹出口81,82を開閉する吹出弁81a,82aが設けられている。吹出弁81a,82aは、電動式の開閉体であり、開状態と閉状態とに移行可能になっている。吹出弁81a,82aのうちケース用吹出弁81aが開状態にある場合、ケース用吹出口81が冷却空気を吹き出し可能になる。コンデンサ用吹出弁82aが開状態にある場合、コンデンサ用吹出口82が冷却空気を吹き出し可能になる。埋設冷風管77には、吹出口や吹出弁を有する吹出装置が取り付けられている。この吹出装置として、ケース用吹出口81及びケース用吹出弁81aを形成するパック用吹出装置と、コンデンサ用吹出口82及びコンデンサ用吹出弁82aが埋設冷風管77に取り付けられている。
図2、図3に示すように、駐車面Gには、上方に向けて開放された凹部91,92が形成されている。凹部91,92は、駐車領域Gpに設けられており、埋設通路77aの一部をそれぞれ収容している。凹部91,92のうちパック用凹部91にはケース用吹出口81が収容されており、コンデンサ用凹部92にはコンデンサ用吹出口82が収容されている。凹部91,92には、その開口部を通風可能に覆うグレーチング等のカバー体91a,92aが取り付けられている。埋設冷風管77や吹出口81,82は、カバー体91a,92aから下方に離間した位置に設けられており、カバー体91a,92aに車両60の前輪62aや後輪62bが載っても、埋設冷風管77や吹出口81,82の変形や破損が生じにくくなっている。なお、図3ではカバー体91a,92aの図示を省略している。
図2に示すように、奥側冷風管78は、駐車領域Gpの奥側に設けられている。奥側冷風管78は、駐車面Gの上側に露出した状態で冷却ケース74に取り付けられている。奥側冷風管78の内部空間は冷却空気が通る奥側通路78aを形成している。奥側通路78aは、電池パック10に向けて側方に冷却空気を吹き出す奥側吹出口83を有している。奥側吹出口83は、駐車領域Gpの奥側から手前側に向けて冷却空気を吹き出す。奥側吹出口83から吹き出される冷却空気は、車両60が駐車領域Gpに後向きに駐車された場合にその車両60の車両ボディ61と駐車面Gとの隙間を通って電池パック10に当たりやすくなっている。
奥側通路78aには、奥側吹出口83を開閉する奥側吹出弁83aが設けられている。奥側吹出弁83aは、ケース用吹出弁81aと同様に、電動式の開閉体であり、開状態と閉状態とに移行可能になっている。奥側吹出弁83aが開状態にある場合、奥側吹出口83が冷却空気を吹き出し可能になる。奥側冷風管78には、吹出装置として、奥側吹出口83や奥側吹出弁83aを有するケース吹出装置が取り付けられている。
上方冷風管79は、駐車面Gから上方に離間した位置に設けられている。上方冷風管79は、冷却ケース74の上端部から駐車領域Gpに向けて駐車面Gに平行に延びた部分を有している。上方冷風管79の内部空間は冷却空気が通る上方通路79aを形成している。上方通路79aは、車両60の上方から車両ボディ61に向けて冷却空気を吹き出す上方吹出口84を有している。上方吹出口84から吹き出される冷却空気は、駐車領域Gpに駐車された車両60の屋根63やフロントガラス65a、リアガラス65bに当たりやすくなっている。上方吹出口84は、駐車領域Gpに駐車される車両60の駐車向きに関係なく車両60の真上に配置されるようになっている。
上方通路79aには、上方吹出口84を開閉する上方吹出弁84aが設けられている。上方吹出弁84aは、ケース用吹出弁81aと同様に、電動式の開閉体であり、開状態と閉状態とに移行可能になっている。上方吹出弁84aが開状態にある場合、上方吹出口84が冷却空気を吹き出し可能になる。上方冷風管79には、吹出装置として、上方吹出口84や上方吹出弁84aを有する上方吹出装置が取り付けられている。
本実施形態では、冷却空気を車両に向けて送り出す送風通路が埋設通路77a、奥側通路78a及び上方通路79aにより構成されている。ケース用吹出口81及び奥側吹出口83がパック用吹出口に相当し、コンデンサ用吹出口82が放熱用吹出口に相当し、上方吹出口84がボディ用吹出口に相当する。埋設通路77aが放熱用通路及びパック用通路を構成し、埋設冷風管77が放熱用通路部材及びパック用通路部材を構成している。
コントローラ72は、少なくとも1つのプロセッサ、記憶装置、入出力インターフェースを含む電子回路である。プロセッサは、記憶装置に記憶されているコンピュータプログラムを実行する演算回路である。記憶装置は、例えば半導体メモリ等によって提供され、プロセッサによって読み取り可能なコンピュータプログラム及びデータを非一時的に格納するための非遷移的実体的記憶媒体である。
コントローラ72は、車外冷却システム73、設備用送風部75、ケース用吹出弁81a、コンデンサ用吹出弁82a、奥側吹出弁83a及び上方吹出弁84aといったアクチュエータに電気的に接続されている。コントローラ72は、指令信号を出力することで冷却設備71の各アクチュエータを動作制御する。コントローラ72は、吹出口81〜84から冷却空気を吹き出すことで車両60を冷却する車外冷却処理を行うことが可能になっている。コントローラ72は、冷却ケース74に取り付けられている。
駐車領域Gpに対しては、冷却設備71に加えて、車両60に電力を供給することで電池セル11の充電を行う充電設備100が設置されている。充電設備100は、外部電力を車両60に供給することが可能な給電部101と、車両60のインレット部67に装着される給電プラグ102と、給電部101から給電プラグ102に電力を供給する給電ケーブル103とを有している。なお、給電ケーブル103が充電ケーブルに相当する。
充電設備100は、給電部101が冷却ケース74に取り付けられているなどして、冷却設備71に一体的に設けられている。充電設備100においては、ユーザにより操作可能な操作パネル等の操作部が給電部101や冷却ケース74に設けられている。給電部101は、給電プラグ102がインレット部67に装着されることで車両60の電池セル11に電気的に接続された状態になり、電池セル11への供給が可能になる。コントローラ72は、給電部101に電気的に接続されており、操作部に対するユーザの操作内容等に応じて指令信号を出力することで給電部101の動作制御を行う。
次に、コントローラ72が実行する車外冷却処理について図4を参照しつつ説明する。コントローラ72は、この車外冷却処理を所定間隔で繰り返し実行する。
図4において、ステップS101では、車両60の充電を開始するか否かを判定する。ここでは、給電プラグ102が車両60のインレット部67に装着されたか否かの判定と、車両60への給電を許可する操作が操作部に対して行われたか否かの判定とを行い、これら判定が肯定された場合に充電を開始すると判断する。充電を開始する場合、ステップS102に進み、給電部101による電池セル11の充電を開始する。また、充電開始に伴って、操作部に対するユーザの操作内容等に応じて、電池セル11の充電を行う場合の充電モードとして通常充電モード又は急速充電モードを選択する。急速充電モードを選択した場合、通常充電モードを選択した場合に比べて、給電部101からの給電に伴って電池セル11に流れる電流が大きく、電池セル11の充電に要する時間が短縮される。なお、通常充電モードが第1充電モードに相当し、急速充電モードが第2充電モードに相当する。
ステップS103では、充電モードが急速充電モードであるか否かを判定する。急速充電モードである場合、ステップS104に進み、冷却設備71の冷却モードを強風モードに設定する。急速充電モードでない場合、ステップS105に進み、冷却モードを通常送風モードに設定する。ステップS104にて冷却モードを強風モードに設定した場合は、ステップS105にて冷却モードを通常送風モードに設定した場合に比べて、設備用送風部75の風量を大きい値に設定する。例えば、ステップS105にて通常送風モードでの風量を第1量に設定する構成では、ステップS104にて強風モードでの風量を第1量よりも大きい第2量に設定する。この場合、急速充電時には、通常充電時に比べて、設備用送風部75が有する電動ファンの可動率を上げることになる。
ステップS106では、外気温度Taがあらかじめ定められた所定の第3閾値Ta3より高いか否かの判定を行う。ここでは、冷却ケース74に設けられた外気温センサの検出信号や、通信装置を介して取得した天気情報及び車両情報などに基づいて、車室外の温度を外気温として取得する。そして、電池セル11の充電効率が低下する外気温の値を試験等により取得して記憶装置に記憶しておき、この値を第3閾値Ta3として記憶装置から読み込んで温度判定を行う。なお、第3閾値Ta3が基準温度に相当する。
外気温度Taが第3閾値Ta3より高い場合、ステップS107にて、外気温度Taが所定の第1閾値Ta1より高いか否かを判定し、ステップS108にて、外気温度Taが所定の第2閾値Ta2より高いか否かを判定する。第2閾値Ta2は第3閾値Ta3より大きい値に設定されており、第1閾値Ta1は第2閾値Ta2より大きい値に設定されている。
外気温度Taが第1閾値Ta1より高い場合、ステップS109に進み、コンデンサ32の冷却を優先して行う第1冷却処理を行う。この第1冷却処理では、車外冷却システム73及び設備用送風部75を駆動し、吹出口81〜84のうちコンデンサ用吹出口82だけから冷却空気を吹き出させる。この場合、車外冷却システム73が生成した冷却空気の全てによりコンデンサ32での放熱が促進される。
外気温度Taが第2閾値Ta2より高く且つ第1閾値Ta1より高くない場合、ステップS110に進み、コンデンサ32及び電池パック10の冷却を優先して行う第2冷却処理を行う。この第2冷却処理では、吹出口81〜84のうちケース用吹出口81、コンデンサ用吹出口82及び奥側吹出口83だけから冷却空気を吹き出させる。この場合、車外冷却システム73が生成した冷却空気により、コンデンサ32での放熱とパックケース12を介した電池セル11の冷却とがそれぞれ促進される。
外気温度Taが第2閾値Ta2より高く且つ第3閾値Ta3より高くない場合、ステップS111に進み、コンデンサ32、電池パック10及び車両ボディ61の冷却を行う第3冷却処理を行う。この第3冷却処理では、吹出口81〜84の全てから冷却空気を吹き出させる。この場合、車外冷却システム73が生成した冷却空気により、コンデンサ32での放熱とパックケース12を介した電池セル11の冷却と車両ボディ61を介した車室の冷却とがそれぞれ促進される。
コントローラ72は、車外冷却処理の各ステップを実行する機能を有している。ステップS104の処理を実行する機能が第2設定部に相当し、ステップS105の処理を実行する機能が第1設定部に相当する。ステップS109の処理を実行する機能が第1実行部に相当し、ステップS111の処理を実行する機能が第2実行部に相当する。
続いて、ECU66が実行する車載冷却処理について図5を参照しつつ説明する。
図5において、ステップS201では、電池セル11の充電が開始されたか否かを判定する。ここでは、インレット部67に給電プラグ102が装着されたか否かの判定と、電池セル11の蓄電量が増加し始めたか否かの判定とを行い、これら判定が肯定された場合に電池セル11の充電が開始されたと判断する。ステップS202では、車載冷却システム20及び車室用送風部38aにより車室の冷房が行われているか否かを判定する。
充電が開始され且つ車室冷房が行われている場合、ステップS203に進み、電池温度センサ13の検出信号に基づいて電池セル11の温度である電池温度Tbを算出し、この電池温度Tbがあらかじめ定められた第4閾値Tb1より高いか否かの判定を行う。電池温度Tbが第4閾値Tb1より高い場合、ステップS204に進み、車載冷却システム20及びパック用送風部38bによる電池セル11の冷却を行う。一方、電池温度Tbが第4閾値Tb1より高くない場合、ステップS205に進み、車載冷却システム20及びパック用送風部38bによる電池セル11の冷却を行わない。
ステップS206では、電池セル11の充電が終了したか否かを判定する。ここでは、充電設備100から電池セル11への給電が停止したか否かを判定し、給電が停止した場合に充電が終了したと判断する。電池セル11の充電が終了していない場合、ステップS203に戻り、ステップS203〜S206の処理を再び行う。このため、電池セル11の充電が行われている場合は、S203〜S206の処理を繰り返し行うことになる。
ここまで説明した本実施形態によれば、駐車領域Gpに駐車された車両60に対して吹出口81〜84から冷却空気が噴出されることで、車両60のコンデンサ32や電池パック10、車室を冷却することができる。これにより、充電時に電池セル11の温度が過剰に上昇することを抑制できる。
具体的には、ケース用吹出口81や奥側吹出口83からの冷却空気が車両60のパックケース12に当たっている場合、この冷却空気によりパックケース12が冷却される。そして、パックケース12の熱伝導によってパックケース12内の空気や電池セル11が冷却されやすくなる。
コンデンサ用吹出口82からの冷却空気が車両60のコンデンサ32に当たっている場合、この冷却空気によりコンデンサ32での冷媒からの放熱が促進されるため、この冷媒を用いたパック用回路22による電池セル11の冷却効果を高めることができる。すなわち、元々車載されていた冷却機器である車載冷却システム20の冷却能力を向上させることができる。また、この場合、車載冷却システム20においては、コンデンサ32での放熱効果が高められて冷媒の温度が低下すると、パック用回路22を循環する冷媒によるパックケース12内の空気を冷却効果が高められる。このため、車載の冷凍サイクルによる電池セル11の冷却効果を高めることができる。
また、上方吹出口84からの冷却空気が車両ボディ61に当たっている場合、この冷却空気により車両ボディ61を介して車室が冷却されやすくなるため、車載冷却システム20及び車室用送風部38aによる車室冷房が効きやすくなる。この場合、車載冷却システム20においては、車室冷房が効きやすくなった分だけ車室用回路21に循環させる冷媒の量を減少させ、パック用回路22に循環させる冷媒の量を増加させることができる。このように、車室冷房に使う冷媒を減らし、電池セル11の冷却に振り向けることで、パック用回路22を循環する冷媒による電池セル11の冷却効果を高めることができる。また、車室冷房に使う冷媒を減らしても車室の冷房効果が低下しにくいため、充電終了後に車室冷房で消費する電力を節約することになる。したがって、充電によって電池パック10に蓄えた電力により走行可能な距離を増加させることができる。
本実施形態によれば、コンデンサ用吹出口82が駐車面Gに埋設されている。この構成では、駐車領域Gpに車両60が駐車される際にコンデンサ用吹出口82が障害物になってしまうことを回避できる。しかも、コンデンサ用吹出口82がケース用吹出口81側の斜め上方を向いているため、駐車領域Gpに駐車された車両60の前方からコンデンサ32に冷却空気を当てることができる。これにより、コンデンサ32の冷却効果を確保した上で、コンデンサ用吹出口82が車両60の駐車操作の困難性を高めてしまうということを回避できる。
本実施形態によれば、ケース用吹出口81やコンデンサ用吹出口82を形成する埋設冷風管77が駐車面Gに埋設されている。この構成では、埋設冷風管77に直射日光が当たりにくいことや、埋設冷風管77が外気に触れにくいことに起因して、埋設冷風管77を通る冷却空気の温度が上昇しにくくなっている。例えば、駐車領域Gpの周囲が高温環境になっていても、埋設冷風管77が高温になりにくくなっている。このため、冷却設備71において、車外冷却システム73にて生成されてからケース用吹出口81やコンデンサ用吹出口82から吹き出されるまでに冷却空気の冷却効果が低下してしまうということを回避できる。
本実施形態によれば、ケース用吹出口81が駐車面Gに埋設されている。この構成では、駐車領域Gpに車両60が駐車される際にケース用吹出口81が障害物になってしまうことを回避できる。しかも、ケース用吹出口81が電池パック10の真下から冷却空気を吹き出すため、この冷却空気によるパックケース12や電池セル11の冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、上方吹出口84は、駐車領域Gpに駐車された車両60の上方から冷却空気を車両ボディ61に向けて下方に吹き出すことが可能になっている。この構成では、駐車領域Gpに車両60が駐車される際に上方吹出口84が障害物になってしまうことを回避できる。しかも、上方吹出口84から吹き出された冷却空気は、車両ボディ61のうち屋根63やフロントガラス65a、リアガラス65bといった断熱性能が比較的低い部分に当たりやすいため、車両ボディ61での熱伝導に伴って車室を冷却しやすくなっている。
本実施形態によれば、冷却ケース74に充電設備100が設けられている。この構成では、冷却設備システム70のコントローラ72と充電設備100とが互いの物理的な距離が小さい状態で設置されている。このため、コントローラ72が充電設備100の動作状態に応じて冷却設備システム70の各アクチュエータを動作制御するという構成の構築を容易化できる。
本実施形態によれば、充電設備100が通常充電モードである場合に比べて急速充電モードである場合の方が、設備用送風部75の風量が大きい値に設定されている。この構成では、急速充電モードについては、冷却設備システム70の冷却能力を高めることで、充電に伴って電池セル11の温度が過剰に上昇することを抑制する一方で、通常充電モードについては、冷却設備システム70での省エネルギ化を実現できる。
本実施形態によれば、外気温度Taが第3閾値Ta3より高い場合に、冷却空気を吹き出す吹出口がコンデンサ用吹出口82だけに制限される。この構成では、冷却設備71が有する冷却能力をコンデンサ32での冷媒の冷却だけに集中することで、車載冷却システム20において車室の冷房効果と電池セル11の冷却効果との両方を高めることができる。
本実施形態によれば、駐車領域Gpの奥側に奥側吹出口83が設けられている。この構成では、車両60が駐車領域Gpに前向きに駐車された場合に、コンデンサ用吹出口82ではなく奥側吹出口83が車両60の前方に存在することになる。この場合、奥側吹出口83から吹き出された冷却空気が車両60のコンデンサ32に当たりやすくなり、この冷却空気によりコンデンサ32が冷却される。これにより、車載冷却システム20による電池セル11の冷却効果を冷却空気により高めることができる。
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、コンデンサ用吹出口82が駐車面Gに埋設されていたが、第2実施形態では、コンデンサ用吹出口82が駐車面Gの上方に露出した状態になっている。第2実施形態において、第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。
上記第1実施形態では、コンデンサ用吹出口82が駐車面Gに埋設されていたが、第2実施形態では、コンデンサ用吹出口82が駐車面Gの上方に露出した状態になっている。第2実施形態において、第1実施形態に係る図面と同一符号を付した構成部品及び説明しない構成は、第1実施形態と同様であり、同様の作用効果を奏するものである。第2実施形態では、第1実施形態と異なる部分について説明する。
図6に示すように、冷却設備71は、コンデンサ用吹出口82を水平方向及び鉛直方向の両方に移動可能に支持する可動冷風管111を有している。可動冷風管111は、コンデンサ用凹部92において埋設冷風管77に接続されており、埋設冷風管77からコンデンサ用凹部92の開口部を通じて駐車面Gよりも上方に突出している。可動冷風管111は、水平方向において埋設冷風管77に対して相対的に移動可能になっており、且つ鉛直方向に伸縮可能になっている。可動冷風管111が可動支持部に相当する。可動冷風管111の内部空間は冷却空気が通る可動通路111aを形成している。可動通路111aは、埋設通路77aから上方に向けて延びており、埋設通路77aと共に放熱用通路を構成している。
コンデンサ用吹出口82は、可動冷風管111の動作に伴って最も低い位置に移動した場合でも、駐車面Gから上方に離間した位置に配置されている。また、コンデンサ用吹出口82は、駐車領域Gpの奥側に向けて冷却空気を吹き出す向きで設置されており、可動冷風管111の動作に伴って変位した場合でも、冷却空気を吹き出す向きが変化しないようになっている。
可動冷風管111は、手動式であり、ユーザが可動冷風管111に力を加えることで水平方向に移動したり鉛直方向に伸縮したりする。ユーザは、可動冷風管111を鉛直方向に延ばすことでコンデンサ用吹出口82を上方に移動させることができ、鉛直方向に縮めることでコンデンサ用吹出口82を下方に移動させることができる。
本実施形態によれば、コンデンサ用吹出口82が駐車面Gの上方に設置されている。この構成では、駐車領域Gpに後向きで車両60が駐車されている場合に、コンデンサ用吹出口82は、車両60の前方からコンデンサ32に向けて冷却空気を吹き出すことになる。この場合、冷却空気がコンデンサ32に当たりやすく、冷却空気によるコンデンサ32での冷媒の冷却効果を高めることができる。
本実施形態によれば、可動冷風管111がコンデンサ用吹出口82を移動可能に支持している。この構成では、駐車領域Gpに駐車された車両60の形状や大きさに応じてコンデンサ32の位置が異なっていても、それぞれの車両60の車幅や車高などに合わせて冷却空気によるコンデンサ32の冷却効果が高い位置にコンデンサ用吹出口82を配置できる。このため、コンデンサ32での冷媒の冷却効果を冷却空気により更に高めることができる。
(他の実施形態)
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
この明細書の開示は、例示された実施形態に制限されない。開示は、例示された実施形態と、それらに基づく当業者による変形態様を包含する。例えば、開示は、実施形態において示された部品、要素の組み合わせに限定されず、種々変形して実施することが可能である。開示は、多様な組み合わせによって実施可能である。開示は、実施形態に追加可能な追加的な部分をもつことができる。開示は、実施形態の部品、要素が省略されたものを包含する。開示は、1つの実施形態と他の実施形態との間における部品、要素の置き換え、または組み合わせを包含する。開示される技術的範囲は、実施形態の記載に限定されない。開示される技術的範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内での全ての変更を含むものと解されるべきである。
変形例1として、ケース用吹出口81やコンデンサ用吹出口82は駐車面Gに形成されていてもよい。この場合、埋設冷風管77においてケース用吹出口81やコンデンサ用吹出口82を形成する部分が駐車面Gを形成することになる。また、ケース用吹出口81やコンデンサ用吹出口82は、駐車面Gの上方位置に配置されていてもよい。
変形例2として、ケース用吹出口81やコンデンサ用吹出口82を形成する冷風管は、駐車面Gから上方に露出した状態で設置されていてもよい。また、ケース用吹出口81とコンデンサ用吹出口82とは、互いに独立した冷風管により形成されていてもよい。
変形例3として、冷却設備システム70は、吹出口81〜84からの冷却空気の吹き出し方向を変更可能な電動式のルーバを有していてもよい。例えば、上記第1実施形態において、電動式のルーバがコンデンサ用吹出口82に対して設けられた構成とする。この構成では、冷却設備システム70が車両60の駐車位置や種類を検出するセンサを有しており、コントローラ72は、このセンサの検出信号に応じてルーバの角度を設定する。これにより、コンデンサ用吹出口82から吹き出された冷却空気をコンデンサ32に当たりやすくできる。
変形例4として、冷却設備システム70は、吹出口81〜84を移動させることが可能な電動式の移動装置を有していてもよい。例えば、上記第1実施形態において、コンデンサ用吹出口82が駐車面Gよりも上方の位置に移動可能な構成とする。また、上記第2実施形態において、コンデンサ用吹出口82を移動させることが可能な電動式の移動装置が可動冷風管111に取り付けられた構成とする。この構成では、コントローラ72が、車両60の駐車位置や種類に応じてコンデンサ用吹出口82を移動させる。これにより、ユーザがコンデンサ用吹出口82を移動させるという作業を手動で行わなくても、冷却空気によるコンデンサ32の冷却効果を高めることができる。
変形例5として、上方吹出口84等のボディ用吹出口は、車両ボディ61の側面に向けて冷却空気を吹き出してもよい。例えば、ボディ用吹出口が、駐車面Gの上方位置であって、駐車領域Gpの幅方向においてケース用吹出口81の側方位置や奥側位置に設けられた構成とする。この構成では、ボディ用吹出口から吹き出された冷却空気が車両ボディ61のドア64やドアガラス65cに当たりやすくなる。したがって、この構成でも冷却空気により車室を冷却することができる。
変形例6として、冷却設備71は、ケース用吹出口81や奥側吹出口83等のパック用吹出口と、コンデンサ用吹出口82等の放熱用吹出口と、上方吹出口84等のボディ用吹出口とのうち少なくとも1つを有していればよい。例えば、冷却設備71がパック用吹出口を有し、放熱用吹出口及びボディ用吹出口を有していない構成とする。
変形例7として、1つの冷風管がパック用吹出口、放熱用吹出口及びボディ用吹出口の少なくとも1つを形成していてもよい。この場合は、この冷風管が送風通路を形成している。また、パック用吹出口、放熱用吹出口及びボディ用吹出口が互いに独立した少なくとも3つの冷風管により形成されていてもよい。この場合は、少なくとも3つの冷風管が送風通路を形成している。例えば、埋設冷風管77がケース用吹出口81及びコンデンサ用吹出口82の両方を形成するのではなく、互いに独立した2つの冷風管のうち一方がケース用吹出口81を形成し、他方がコンデンサ用吹出口82を形成した構成とする。この場合、ケース用吹出口81を形成した方の冷風管がパック用通路部材に相当し、この冷風管がパック用通路を形成している。また、コンデンサ用吹出口82を形成した方の冷風管が放熱用通路部材に相当し、この冷風管が放熱用通路を形成している。
変形例8として、冷却設備71において冷却空気を生成する車外冷却システム73等の冷却部は、空気から吸熱してこの空気を冷却することで冷却空気を生成することができれば、冷凍サイクルを有していなくてもよい。
変形例9として、充電設備100は冷却設備71とは別体で設けられていてもよい。例えば、充電設備100の給電部101が充電ケースに収容され、この充電ケースが冷却ケース74から独立して駐車面Gに対して設置された構成とする。
変形例10として、コントローラ72によって実現されていた機能は、ハードウェア及びソフトウェア、又はこれらの組み合わせによって実現してもよい。コントローラ72は、たとえば他の制御装置、たとえば車載のECU66と通信し、他の制御装置が処理の一部又は全部を実行してもよい。コントローラ72は、電子回路によって実現される場合、多数の論理回路を含むデジタル回路、又はアナログ回路によって実現することができる。
変形例11として、車載冷却システム20において車室用回路21とパック用回路22とは共通回路23に対して直列に接続されていてもよい。
変形例12として、駐車領域Gpに駐車される車両60は、電池セル11に充電された電力により駆動されるモータを走行駆動源として有する電気自動車や、走行用モータへの電力供給源として燃料電池を有する燃料電池自動車であってもよい。
10…電池パック、11…電池としての電池セル、12…パックケース、32…放熱部としてのコンデンサ、60…車両、61…車両ボディ、70…冷却設備システム、71…冷却設備、72…制御部としてのコントローラ、73…冷却部としての冷却システム、74…冷却ケース、75…送風部、77…放熱用通路部材及びパック用通路部材としての埋設冷風管、77a…送風通路、放熱用通路及びパック用通路としての埋設通路、78a…送風通路としての奥側通路、79a…送風通路としての上方通路、81…パック用吹出口としてのケース用吹出口、82…放熱用吹出口としてのコンデンサ用吹出口、83…パック用吹出口としての奥側吹出口、84…ボディ用吹出口としての上方吹出口、100…充電設備、103…充電ケーブル、111…可動支持部としての可動冷風管、G…駐車面、S104…第2設定部、S105…第1設定部、S109…第1実行部、S111…第2実行部、Ta…外気温度、Ta3…基準温度としての第3閾値。
Claims (12)
- 複数の電池(11)をパックケース(12)に収容した電池パック(10)と、車両ボディ(61)により区画された車室内の冷房及び前記電池の冷却の両方に用いられる冷凍サイクルの冷媒の熱を周囲の空気との熱交換によって放出する放熱部(32)と、をいずれも外気に触れる状態で搭載した車両(60)が駐車面(G)の上に駐車された状態で前記電池の充電が行われる場合に、前記車両の冷却を行う冷却設備(71)であって、
空気を冷却する冷却部(73)と、
前記冷却部により冷却された冷却空気を前記車両に向けて送り出す送風通路(77a,78a,79a)と、
を備え、
前記送風通路は、
前記車両が前記駐車面に駐車されている場合に、前記冷却空気を前記電池パックに向けて吹き出すパック用吹出口(81,83)と、
前記車両が前記駐車面に駐車されている場合に、前記冷却空気を前記放熱部に向けて吹き出す放熱用吹出口(82)と、
前記車両が前記駐車面に駐車されている場合に、前記冷却空気を前記車両ボディの外側から前記車室に向けて吹き出すボディ用吹出口(84)と、
の少なくとも1つを有している、冷却設備。 - 前記送風通路は前記放熱用吹出口を有しており、
前記放熱用吹出口は、上方を向いた状態で前記駐車面に埋設されている、請求項1に記載の冷却設備。 - 前記送風通路は前記放熱用吹出口を有しており、
前記放熱用吹出口は、側方を向いた状態で前記駐車面の上方に設置されている、請求項1に記載の冷却設備。 - 前記放熱用吹出口を水平方向及び鉛直方向の少なくとも一方に移動可能に支持している可動支持部(111)を備えている、請求項2又は3に記載の冷却設備。
- 前記送風通路として、前記放熱用吹出口を有する放熱用通路(77a)を備え、
前記放熱用通路を形成する放熱用通路部材(77)は前記駐車面に埋設されている、請求項2〜4のいずれか1つに記載の冷却設備。 - 前記送風通路は前記パック用吹出口を有しており、
前記パック用吹出口は、上方を向いた状態で前記駐車面に埋設されている、請求項1〜5のいずれか1つに記載の冷却設備。 - 前記送風通路として、前記パック用吹出口を有するパック用通路(77a)を備え、
前記パック用通路を形成するパック用通路部材(77)は前記駐車面に埋設されている、請求項6に記載の冷却設備。 - 前記送風通路は前記ボディ用吹出口を有しており、
前記ボディ用吹出口は、
下方を向いた状態で前記駐車面から上方に離間した位置に設けられ、上方から前記車両ボディに向けて前記冷却空気を吹き出す、請求項1〜7のいずれか1つに記載の冷却設備。 - 前記冷却部を収容した冷却ケース(74)を備え、
前記冷却ケースには、充電ケーブル(103)を介して前記電池に電気的に接続された状態で前記電池への充電を行う充電設備(100)が設けられている、請求項1〜8のいずれか1つに記載の冷却設備。 - 複数の電池(11)をパックケース(12)に収容した電池パック(10)と、前記電池の冷却及び車両ボディ(61)により区画された車室内の冷房の両方に用いられる冷凍サイクルの冷媒の熱を周囲の空気との熱交換によって放出する放熱部(32)と、をいずれも外気に触れる状態で搭載した車両(60)が駐車面(G)の上に駐車された状態で前記電池の充電が行われる場合に、前記車両の冷却を行う冷却設備システム(70)であって、
空気を冷却する冷却部(73)と、
前記冷却部により冷却された冷却空気を前記車両に向けて送り出す送風通路(77a,78a,79a)と、
前記送風通路からの前記冷却空気の吹き出しを制御する制御部(72)と、
を備え、
前記送風通路は、
前記車両が前記駐車面に駐車されている場合に、前記冷却空気を前記電池パックに向けて吹き出すパック用吹出口(81,83)と、
前記車両が前記駐車面に駐車されている場合に、前記冷却空気を前記放熱部に向けて吹き出す放熱用吹出口(82)と、
前記車両が前記駐車面に駐車されている場合に、前記冷却空気を前記車両ボディの外側から前記車室に向けて吹き出すボディ用吹出口(84)と、
の少なくとも1つを有している、冷却設備システム。 - 駆動することで前記送風通路から前記冷却空気を送り出す送風部(75)を備え、
前記制御部は、
前記電池の充電が第1充電モードで行われている場合に、前記送風部の風量を第1量に設定する第1設定部(S105)と、
充電に伴う前記電池の発熱量が前記第1充電モードに比べて大きくなる第2充電モードで前記電池の充電が行われている場合に、前記送風部の風量を前記第1量に比べて大きい第2量に設定する第2設定部(S104)と、
を有している、請求項10に記載の冷却設備システム。 - 前記送風通路は、前記放熱用吹出口、前記パック用吹出口及び前記ボディ用吹出口を有しており、
前記制御部は、
外気温度(Ta)があらかじめ定められた基準温度(Ta3)に比べて高い場合に、前記パック用吹出口及び前記ボディ用吹出口からの前記冷却空気の吹き出しを実行せずに、前記放熱用吹出口から前記冷却空気の吹き出しを実行する第1実行部(S109)と、
前記外気温度が前記基準温度に比べて高くない場合に、前記放熱用吹出口、前記パック用吹出口及び前記ボディ用吹出口のそれぞれから前記冷却空気の吹き出しを実行する第2実行部(S111)と、
を有している、請求項10又は11に記載の冷却設備システム。
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