JP5126173B2 - 車両用空調装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両駐車中に車外からの操作によって空調運転が指示されることにより、蓄電池から供給される電力を用いて車室内のプレ空調を行う車両用空調装置に関するものである。
従来、この種の車両用空調装置として、プレ空調時に車室内温度と目標車室内温度との差が大きい場合、圧縮機回転数と送風機風量とを低下させることで消費電力を抑制する装置が知られている(例えば、下記の特許文献1参照)。
特開2006−298262号公報
しかしながら、上記の従来技術では、駐車中などで車両が停車しているときは圧縮機の最高回転数が低く抑えられるために最大冷房能力が得られず、乗員から冷え不足を指摘されるおそれがある。本発明は、このような従来の技術に存在する問題点に着目して成されたものであり、その目的は、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることのできる車両用空調装置を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために、下記の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1に記載の発明では、車両駐車中に車外からの操作によって空調運転が指示されることにより、蓄電池(4)から供給される電力を用いて車室内のプレ空調が可能な車両用空調装置であり、車室内へ向かう空気の空気通路を形成するダクト(9)と、ダクト(9)内において車室内へ送風する送風機(26)と、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(20)、ダクト(9)内に配置されて圧縮機(20)より吐出された冷媒を凝縮させてその凝縮熱によりダクト(9)内の空気を加熱する第1室内熱交換器(61)、第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を減圧させる減圧手段(22、24)、ダクト(9)外に配置されて第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒をダクト(9)外の空気と熱交換させて蒸発させる室外熱交換器(23)、ダクト(9)内において第1室内熱交換器(61)よりも空気上流側に配置されて第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を蒸発させてその蒸発熱によりダクト(9)内の空気を冷却する第2室内熱交換器(62)、および第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を室外熱交換器(23)に流す流路または第2室内熱交換器(62)に流す流路に切り替える切替手段(31〜33)を備え、切替手段(31〜33)で流路を切り替えることによって冷房サイクルまたは暖房サイクルで運転可能な冷凍サイクル(100)と、ダクト(9)内において第1室内熱交換器(61)よりも空気下流側に配置されて蓄電池(4)から供給される電力を用いてダクト(9)内の空気を加熱する電気式ヒータ(52)と少なくとも送風機(26)の稼働率、圧縮機(20)、切替手段(31〜33)、電気式ヒータ(52)の作動を制御する制御手段(8)とを備えた車両用空調装置において、
室外熱交換器(23)に外気を通風させる電動ファン(29)を備え、
制御手段(8)は、プレ空調時に空調で使用可能な電力に制限がある場合、空調熱源として冷房サイクル、暖房サイクルおよび電気式ヒータ(52)のいずれを用いるかに応じて、送風機(26)を予め定めたそれぞれの稼働率で運転し、
さらに制御手段(8)は、送風機(26)の空調熱源に応じて予め定めたそれぞれの稼働率に対応する消費電力をそれぞれの最低電力とし、空調で使用可能な電力から圧縮機(20)の消費電力と電動ファン(29)の消費電力とを差し引いた電力値と最低電力とを比べて大きい方の電力値で送風機(26)を運転することを特徴としている。
この請求項1に記載の発明によれば、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。また、圧縮機電力が下がった場合、下がった分はブロワ電力にまわすことにより、車室内へ供給する熱量が増加し、プレ空調の効果をより高めることができるため、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、請求項2に記載の発明では、車両駐車中に車外からの操作によって空調運転が指示されることにより、プレ空調が可能な車両用空調装置であり、(a)車室内へ向かう空気の空気通路を形成するダクト(9)と、(b)ダクト(9)内において車室内へ送風する送風機(26)と、(c)冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(20)、ダクト(9)内に配置されて圧縮機(20)より吐出された冷媒を凝縮させてその凝縮熱によりダクト(9)内の空気を加熱する第1室内熱交換器(61)、第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を減圧させる減圧手段(22、24)、ダクト(9)外に配置されて第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒をダクト(9)外の空気と熱交換させて蒸発させる室外熱交換器(23)、ダクト(9)内において第1室内熱交換器(61)よりも空気上流側に配置されて第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を蒸発させてその蒸発熱によりダクト(9)内の空気を冷却する第2室内熱交換器(62)、および第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を室外熱交換器(23)に流す流路または第2室内熱交換器(62)に流す流路に切り替える切替手段(31〜33)を備え、
前記切替手段(31〜33)で流路を切り替えることによって冷房サイクルまたは暖房サイクルで運転可能な冷凍サイクル(100)と、(d)ダクト(9)内において第1室内熱交換器(61)よりも空気下流側に配置されて蓄電池(4)から供給される電力を用いてダクト(9)内の空気を加熱する電気式ヒータ(52)と、(e)少なくとも送風機(26)の稼働率、圧縮機(20)、切替手段(31〜33)、電気式ヒータ(52)の作動を制御する制御手段(8)とを備えた車両用空調装置において、
制御手段(8)は、プレ空調時に空調で使用可能な電力に制限がある場合、空調熱源として冷房サイクル、暖房サイクルおよび電気式ヒータ(52)のいずれを用いるかに応じて、送風機(26)を予め定めたそれぞれの稼働率で運転し、
制御手段(8)は、空調で使用可能な電力を超過しないよう電力制限しながら電気式ヒータ(52)と送風機(26)とを用いてプレ暖房を行う場合、電気式ヒータ(52)の起動から所定時間の間は電気式ヒータ(52)で使用可能な電力を空調で使用可能な電力とすることを特徴としている。
この請求項2に記載の発明によれば、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。また、電気式ヒータ(52)を起動するときに発生する突入電流によるオンオフハンチングが防止できるとともに、所定時間経過後はプレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、請求項3に記載の発明では、請求項1または2に記載の車両用空調装置において、送風機(26)の空調熱源に応じて予め定めたそれぞれの稼働率は、冷房サイクル時の稼働率に比べて暖房サイクル時の稼働率を大きくしていることを特徴としている。この請求項3に記載の発明によれば、冷房サイクル時よりも圧力損失の大きい暖房サイクル時においても充分な熱量を供給することができる。
また、請求項4に記載の発明では、請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用空調装置において、車室内の空気温度を検出する内気温検出手段(111)を備え、
制御手段(8)は、プレ空調開始時に、内気温検出手段(111)で検出される車室内温度と算出した目標吹出温度(TAO)との差が所定値未満であって空調負荷が小さい場合、目標吹出温度(TAO)を空調感が強くなる側に補正してプレ空調を実施することを特徴としている。
空調は通常、空調負荷が小さいときには弱い空調しか行わないため、空調負荷がそれほど高くないときにプレ空調を行っても、乗員が乗車したときにプレ空調を実施したことが分かり難くなってしまう。そこで、この請求項4に記載の発明によれば、空調負荷が小さいときには通常の乗車中の空調に比べてプレ空調での目標吹出温度(TAO)を空調感が強くなる側に補正することで、乗員が乗車したときにプレ空調のうれしさを実感し易くすることができる。
また、請求項5に記載の発明では、請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用空調装置において、車室外の空気温度を検出する外気温検出手段(112)、または車室内に照射される日射量を検出する日射量検出手段(113)を備え、
制御手段(8)は、プレ空調で冷房運転を行う場合、外気温検出手段(112)で検出される外気温が高い程、または日射量検出手段(113)で検出される日射量が多い程、目標吹出温度(TAO)を低くなる側に補正してプレ空調を実施することを特徴としている。
この請求項5に記載の発明によれば、空調負荷が小さくても外気温が高い状況、または日射量が多い状況の場合、通常の乗車中の冷房運転に比べてプレ空調での目標吹出温度(TAO)を低くなる側に補正することで、乗員が乗車したときにプレ空調のうれしさを実感し易くすることができる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれかに記載の車両用空調装置において、ダクト(9)は、空気下流端に少なくとも、車両前面窓ガラスの内面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口(11)、乗員の頭胸部に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口(12)、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口(13)と、吹出口(11〜13)の開閉を切り替える吹出口切替手段(14〜16)とを備え、吹出口切替手段(14〜16)の制御によって複数の吹出口モードが選択可能であり、
制御手段(8)は、プレ空調を行う場合、吹出口切替手段(14〜16)を制御して、デフロスタ吹出口(11)を開かない吹出口モードとしてフェイスモード、バイレベルモード、フットモードのいずれかにすることを特徴としている。
この請求項に記載の発明によれば、車両前面窓ガラスからの放熱量を抑えることにより、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1ないしのいずれかに記載の車両用空調装置において、ダクト(9)の空気上流端に配置されてダクト(9)内に導入する内気と外気との比率を調整する内外気調整手段(19)を備え、制御手段(8)は、プレ空調で暖房運転を行う場合、内外気調整手段(19)を制御して、内機循環モードにすることを特徴としている。
この請求項に記載の発明によれば、内気循環で暖房運転を行うと窓曇りの可能性が高くなるが、駐車中で乗員が乗車していない状況で実施されるプレ空調においては、内気循環とすることにより、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、請求項に記載の発明では、請求項1、3、6、7のいずれかに記載の車両用空調装置において、少なくとも、送風機(26)による車室内への送風量を手動で切り替えるための風量切替手段、吹出口モードを手動で切り替えるための吹出口切替手段、吸込口モードを手動で切り替えるための吸込口切替手段のいずれかを備え、
制御手段(8)は、プレ空調を行う場合、送風機(26)の運転制御、吹出口切替手段(14〜16)の制御、内外気調整手段(19)の制御のいずれも、風量切替手段、吹出口切替手段、吸込口切替手段での設定に優先して実行されることを特徴としている。
この請求項に記載の発明によれば、駐車中で乗員が乗車していない状況で実施されるプレ空調においては、マニュアル設定に優先して制御を実施することにより、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、請求項に記載の発明では、車両駐車中に車外からの操作によって空調運転が指示されることにより、蓄電池(4)から供給される電力を用いて車室内のプレ空調が可能な車両用空調装置であり、車室内へ向かう空気の空気通路を形成するダクト(9)と、ダクト(9)内において車室内へ送風する送風機(26)と、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(20)、ダクト(9)内に配置されて圧縮機(20)より吐出された冷媒を凝縮させてその凝縮熱によりダクト(9)内の空気を加熱する第1室内熱交換器(61)、第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を減圧させる減圧手段(22、24)、ダクト(9)外に配置されて第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒をダクト(9)外の空気と熱交換させて蒸発させる室外熱交換器(23)、ダクト(9)内において第1室内熱交換器(61)よりも空気上流側に配置されて第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を蒸発させてその蒸発熱によりダクト(9)内の空気を冷却する第2室内熱交換器(62)、室外熱交換器(23)に外気を通風させる電動ファン(29)、および第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を室外熱交換器(23)に流す流路または第2室内熱交換器(62)に流す流路に切り替える切替手段(31〜33)を備え、切替手段(31〜33)で流路を切り替えることによって冷房サイクルまたは暖房サイクルで運転可能な冷凍サイクル(100)と、ダクト(9)内において第1室内熱交換器(61)よりも空気下流側に配置されて蓄電池(4)から供給される電力を用いてダクト(9)内の空気を加熱する電気式ヒータ(52)と、少なくとも送風機(26)の稼働率、圧縮機(20)、電動ファン(29)、切替手段(31〜33)、電気式ヒータ(52)の作動を制御する制御手段(8)とを備えた車両用空調装置において、
制御手段(8)は、プレ空調時に空調で使用可能な電力に制限がある場合、空調熱源として冷房サイクル、暖房サイクルおよび電気式ヒータ(52)のいずれを用いるかに応じて、送風機(26)を予め定めたそれぞれの稼働率で運転する場合の消費電力をそれぞれの最低電力とし、空調で使用可能な電力から圧縮機(20)の消費電力と電動ファン(29)の消費電力とを差し引いた電力値と最低電力とを比べて大きい方の電力値で送風機(26)を運転することを特徴としている。
この請求項に記載の発明によれば、圧縮機電力が下がった場合、下がった分はブロワ電力にまわすことにより、車室内へ供給する熱量が増加し、プレ空調の効果をより高めることができるため、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、請求項10に記載の発明では、車両駐車中に車外からの操作によって空調運転が指示されることにより、蓄電池(4)から供給される電力を用いて車室内のプレ空調が可能な車両用空調装置であり、車室内へ向かう空気の空気通路を形成するダクト(9)と、ダクト(9)内において車室内へ送風する送風機(26)と、ダクト(9)内に配置されて蓄電池(4)から供給される電力を用いてダクト(9)内の空気を加熱する電気式ヒータ(52)と、少なくとも送風機(26)、電気式ヒータ(52)の作動を制御する制御手段(8)とを備えた車両用空調装置において、
制御手段(8)は、プレ空調時に空調で使用可能な電力に制限があり、その電力を超過しないよう電力制限しながら電気式ヒータ(52)と送風機(26)とを用いてプレ暖房を行う場合、電気式ヒータ(52)の起動から所定時間の間は電気式ヒータ(52)で使用可能な電力を空調で使用可能な電力とすることを特徴としている。
この請求項10に記載の発明によれば、電気式ヒータ(52)を起動するときに発生する突入電流によるオンオフハンチングが防止できるとともに、所定時間経過後はプレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
本発明の全ての実施形態におけるハイブリッド自動車の制御システムを示すブロック図である。 全ての実施形態における車両用空調装置10の概略構成を示す全体模式図である。 全ての実施形態における車両用空調装置10の制御システムを示すブロック図である。 全ての実施形態におけるエアコンECU8のメインルーチンを示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態におけるTAO算出の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態における空調熱源選択の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態におけるブロワ電圧決定の処理手順を示すフローチャートである。 空調熱源に応じたブロワ電圧の決定を説明する図であり、(a)は冷房サイクル、(b)は暖房サイクル、(c)は電気式ヒータの例である。 本発明の第1実施形態における吸込口モード決定の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態における吹出口モード決定の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第1実施形態における電気式ヒータ作動数決定の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第2実施形態におけるTAO算出の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態におけるブロワ電圧決定の処理手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には、同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。また、各形態において構成の一部だけを説明している場合、構成の他の部分については先行して説明した形態と同様とする。なお、実施の各形態で具体的に説明している部分の組み合せばかりではなく、特に組み合せに支障が生じなければ、実施の形態同士を部分的に組み合せることも可能である。
(第1実施形態)
本発明の一実施形態である第1実施形態の車両用空調装置を、図1〜図11に従って説明する。まず、図1は、ハイブリッド自動車の制御システムを示すブロック図であり、図2は、車両用空調装置10の概略構成を示す全体模式図である。また、図3は、車両用空調装置10の制御システムを示すブロック図であり、図4は、エアコンECU(制御手段)8のメインルーチンを示すフローチャートである。なお、これらの図1〜図4に示す内容は、本実施形態だけでなく、後述の第2、第3実施形態にも適用するものである。
本車両用空調装置10は、ハイブリッド自動車に搭載されている。ハイブリッド自動車は、図1に示すように、ガソリンなどの液体燃料を爆発、燃焼させて動力を発生する走行用のエンジン1と、走行補助用の電動機機能および発電機機能を有する電動発電機2と、エンジン1の燃料供給量や始動時期などを制御するエンジンECU3と、車室内の空調を制御するエアコンECU8と、電動発電機2、エンジンECU3、室内ユニットの各部および冷凍サイクル100(図2参照)の構成部品に電力を供給するバッテリ(蓄電池)4と、電動発電機2、無段変速機(図示しない)、電磁クラッチ7などの制御を行うとともにエンジンECU3に制御信号を出力するハイブリッドECU6とを備えている。
ハイブリッドECU6は、エンジン1と電動発電機2とのいずれの駆動力を駆動輪に伝えるかの切り替えを制御する機能と、バッテリ4の充電、放電を制御する機能とを有している。ハイブリッドECU6は、具体的に以下のような制御を行う。減速時を除く車両走行中は、エンジン1の駆動力を駆動輪に伝え、減速時はエンジン1を停止して電動発電機2で発電してバッテリ4に充電する。そして、発進時、加速時などの走行負荷が大きいときは、エンジン1による駆動力に加えて電動発電機2による駆動力を駆動輪に伝達させる。
さらに、エンジン1作動時にバッテリ4の充電量が充電開始目標値以下になった場合には、エンジン1の動力を電動発電機2に伝達し、電動発電機2によって発電された電力をインバータ5を介してバッテリ4に充電する。また、車両停止時にバッテリ4の充電量が充電開始目標値以下である場合には、エンジンECU3に対してエンジン1を始動する命令を送り、エンジン1の動力を電動発電機2に伝達する。
バッテリ4は、車室内空調や走行などによって消費した電力を充電するための充電装置を備えており、例えばニッケル水素蓄電池などが用いられる。この充電装置は、電力供給源としての電気スタンドや商業用電源に接続されるコンセントを備えており、このコンセントに電源供給源を接続することによってバッテリ4の充電が行われる。
本車両用空調装置10は、いわゆるオートエアコンとして利用されるものであり、図2、に示すように、車室内へ空気を送るためのダクト9、このダクト9内において空気流を発生させる遠心式のブロワ(送風機)26、蒸気圧縮式の冷凍サイクル100、およびバッテリ4の電力を受けて作動し、各空調機器の作動を自動制御する空調制御装置としてのエアコンECU8などから構成されている。
ダクト9は、ハイブリッド自動車の車室内の前方側に配置されている。そのダクト9の最も上流側(風上側)は、内外気切替箱を構成する部分であり、車室内の空気(以下、内気と言う)を取り入れる内気吸込口17、および車室外の空気(以下、外気と言う)を取り入れる外気吸込口18を有している。さらに、内気吸込口17および外気吸込口18の内側には、内外気切替ドア(内外気調整手段)19が回転自在に支持されている。この内外気切替ドア19は、サーボモータなどのアクチュエータ(図示せず)により駆動されて、吸込口モードを内気循環モード、外気導入モード、内外気導入モードに切り替える。
なお、内気循環モードは、内気吸込口17を全開し外気吸込口18を全閉する吸込口モードであり、外気導入モードは内気吸込口17を全閉し外気吸込口18を全開する吸込口モードであり、内外気導入モードは内気吸込口17を半開し外気吸込口18を半開する吸込口モードである。内外気切替ドア19は、内外気切替箱およびアクチュエータとともに、本発明で言う内外気調整手段を構成している。
また、ダクト9の最も下流側(風下側)は、吹出口切替箱を構成する部分であり、ハイブリッド自動車の前面窓ガラスの内面に向かって主に温風を吹き出すデフロスタ吹出口11、乗員の頭胸部に向かって主に冷風を吹き出すフェイス吹出口12、および乗員の足元に向かって主に温風を吹き出すフット吹出口13を有している。
さらに、各吹出口11〜13の内側には、モード切替ドアとして、本実施形態ではデフロスタドア14、フェイスドア15、フットドア16が回転自在に支持されている。これらのモード切替ドア14〜16は、サーボモータなどのアクチュエータ(図示せず)により駆動されて、吹出口モードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、デフロスタモードに切り替える。
なお、フェイスモードはフェイス吹出口12だけを開口させる吹出口モードであり、バイレベルモードはフェイス吹出口12とフット吹出口13とを開口させる吹出口モードであり、フットモードはフット吹出口13だけを開口させる吹出口モードである。また、フットデフロスタモードはデフロスタ吹出口11とフット吹出口13とを開口させる吹出口モードであり、デフロスタモードはデフロスタ吹出口11だけを開口させる吹出口モードである。モード切替ドア14〜16は、各吹出口11〜13およびアクチュエータとともに、本発明で言う吹出口切替手段を構成している。
ブロワ26は、ダクト9と一体的に構成されたスクロールケースに回転自在に収容された遠心式多翼ファン27、およびこの遠心式多翼ファン27を駆動するブロワモータ28を有し、モータ駆動回路(図示せず)を介して印加されるブロワモータ28の端子電圧(ブロワ電圧)に基づいて風量(ブロワモータ28の回転速度)が制御される。
冷凍サイクル100は、冷房サイクルまたは暖房サイクルに切り替え可能なものあり、冷媒の圧縮機20、第1室内熱交換器61、第1減圧器(減圧手段)22、室外熱交換器23、第2減圧器(減圧手段)24、第2室内熱交換器(室内熱交換器)62、アキュームレータ25、後述する冷媒流路の切替手段、およびこれらを環状に接続する冷媒配管などから構成されており、空調モードに基づいて冷媒の流れ方向が変わる。なお、本実施形態における空調モードとしては、冷房運転を行う冷房モード(冷房サイクル)、暖房運転を行う暖房モード(暖房サイクル)、除湿運転を行う除湿モード(除湿サイクル)などが設定されている。
圧縮機20は、電動式の圧縮機であって、吸入口より内部に吸入したガス冷媒を圧縮して高温高圧のガス冷媒を吐出口より吐出する圧縮部(コンプレッサ部)と、この圧縮部を駆動する駆動部としての電動モータ(図示せず)とからなる。この圧縮機20は、エアコンECU8の出力信号に基づいて圧縮機20の回転速度を制御する回転速度制御手段としてのエアコン用インバータ30を備えている。
そして、電動モータは、エアコン用インバータ30によってバッテリ4から印加される電力が連続的あるいは段階的に可変制御される。従って、圧縮機20は、印加電力の変化による電動モータの回転速度の変化によって、冷媒吐出容量を変化させて冷凍サイクル100内を循環する冷媒の流量を調節することにより、第1室内熱交換器61の加熱能力や第2室内熱交換器62の冷房能力を制御する。
第1室内熱交換器61は、常に冷媒凝縮器として運転され、第2室内熱交換器62は常に冷媒蒸発器として運転される。室外熱交換器23は、冷房モード時および冷房気味除湿モード時には冷媒凝縮器として運転され、暖房モードおよび暖房気味除湿モード時には冷媒蒸発器として運転される。
第1減圧器22は、本発明の減圧手段であり、暖房モード時および除霜暖房モード時に第1室内熱交換器61より流入した冷媒を減圧するキャピラリチューブである。なお、第1減圧器22として、温度式や電動式の膨張弁、もしくはオリフィスなどの減圧手段を用いても良いが、安価で、故障のないキャピラリチューブやオリフィスなどの固定絞りを用いることが望ましい。
室外熱交換器23は、車室外(例えば、走行風を受け易い場所)に設置されて、内部を流れる冷媒と電動ファン29によって送風される外気とを熱交換する。なお、室外熱交換器23は、暖房モード時および除湿モード時には、第1減圧器22で減圧された低温低圧の冷媒を外気との熱交換により蒸発気化させる冷媒蒸発器として働き、冷房モード時には、第1室内熱交換器61より流入した冷媒を外気との熱交換により凝縮液化させる冷媒凝縮器として働く。
第2減圧器24は、本発明の減圧手段であり、冷房モード時に室外熱交換器23より流入した冷媒を減圧するキャピラリチューブである。なお、第2減圧器24として、温度式や電動式の膨張弁、もしくはオリフィスなどの減圧手段を用いても良いが、安価で、故障のないキャピラリチューブやオリフィスなどの固定絞りを用いることが望ましい。
第2室内熱交換器62は、ダクト9内に配置され、冷房モード時および除湿モード時に第2減圧器24および第1減圧器22で減圧された低温低圧の冷媒を、ダクト9内の空気との熱交換により蒸発気化させる冷媒蒸発器として働く。これにより、第2室内熱交換器62の内部を流れる冷媒が第2室内熱交換器62を通過する空気から蒸発潜熱を奪って(吸熱して)蒸発することで、第2室内熱交換器62を通過する空気が冷却除湿される。
アキュームレータ25は、内部に流入した冷媒を液冷媒とガス冷媒とに気液分離し、液冷媒を貯留してガス冷媒だけを圧縮機20へ供給する気液分離器として働く。なお、気液分離器として、レシーバ(受液器)を使用しても良い。このレシーバの接続箇所は、第1室内熱交換器61と第1減圧器22との間に接続するか、もしくは室外熱交換器23と第2減圧器24との間に接続する。
本実施形態では、四方弁を使用しないで、第1室内熱交換器61の放熱を防ぐために、第1室内熱交換器61の空気入口部にエアミックスドア63を回転自在に取り付けている。このエアミックスドア63は、冷房モード時に第1室内熱交換器61を閉じ、暖房モード時および除湿モード時に第1室内熱交換器61を開いて冷媒凝縮器として第1室内熱交換器61を働かせる。このエアミックスドア63は、ステッピングモータやサーボモータなどのアクチュエータ(図示せず)により駆動され、その開度がエアコンECU8によって制御される。
また、本実施形態では、ダクト9内の第1室内熱交換器61とエアミックスドア63との間に、走行用のエンジン1を冷却する冷却水を熱源としてダクト9内の空気を加熱する温水式ヒータ51を備え、エンジン1と温水式ヒータ51との間の温水回路には、冷却水を温水式ヒータ51に循環させる電動ポンプ(図示せず)が配置されている。この電動ポンプは、エアコンECU8の出力信号に基づいて運転、停止、およびポンプの回転速度(冷却水の循環量)が制御される。
また、本実施形態では、ダクト9内の第1室内熱交換器61と吹出口切替箱との間に、バッテリ4から供給される電力を用いてダクト9内の空気を加熱する電気式ヒータ52を備えている。この電気式ヒータ52は、複数本で構成されており、エアコンECU8の出力信号に基づいてヒータ駆動回路(図示せず)を介して通電される電気式ヒータ52の数が制御される。
冷媒流路の切替手段は、冷凍サイクル100を循環する冷媒の流れ方向を冷房運転経路(図2において矢印Cの経路)、暖房運転経路(図2において矢印Hの経路)、除湿運転経路(図2において矢印Dの経路)、除湿暖房運転経路(図2において矢印D・Hの経路)、除湿冷房運転経路(図2において矢印D・Cの経路)および除霜運転経路(図示せず)などのいずれかに切り替えるものであり、通電(オン)されると開弁し、通電が停止(オフ)されると閉弁する3個の第1〜第3電磁弁(電磁式開閉弁)31〜33から構成されている。
第1電磁弁31は、暖房モード時および暖房気味除湿モード時に第1室内熱交換器61より流出した冷媒を第1減圧器22→室外熱交換器23→アキュームレータ25に順に流す第1冷媒流路Xの開閉を行う開閉弁である。具体的に第1電磁弁31は、室外熱交換器23の下流側の分岐部とアキュームレータ25の上流側の合流部とを結ぶ暖房用冷媒流路41に設置されている。
第2電磁弁32は、冷房気味除湿モード時に第1室内熱交換器61を流出した冷媒を第1減圧器22→第2室内熱交換器62→アキュームレータ25に順に流す第2冷媒流路Yの開閉を行う開閉弁である。具体的に第2電磁弁32は、第2減圧器24の上流側の分岐部と第2減圧器24の下流側の合流部とを第2減圧器24を迂回して結ぶ除湿冷房用冷媒流路(バイパス路)42に設置されている。
第3電磁弁33は、冷房モードおよび冷房気味除湿モード時に第1室内熱交換器61を流出した冷媒を室外熱交換器23→第2減圧器24→第2室内熱交換器62→アキュームレータ25に順に流す第3冷媒流路Zの開閉を行う開閉弁である。具体的に第3電磁弁33は、第1室内熱交換器61の下流側と室外熱交換器23の上流側とを第1減圧器22を迂回して結ぶ冷房用冷媒流路(バイパス路)43に設置されている。
ここで、第1冷媒流路Xは、暖房気味除湿モード時に、第1減圧器22の下流側の分岐部45とアキュームレータ25の上流側の合流部46とを結び、冷媒蒸発器として働く室外熱交換器23に冷媒を流す流路である。また、第2冷媒流路Yは、冷房気味除湿モード時に、第1減圧器22の下流側の分岐部45とアキュームレータ25の上流側の合流部46とを結び、第2減圧器24を迂回して冷媒蒸発器として働く第2室内熱交換器62に冷媒を流す流路である。
さらに、第3冷媒流路Zは、冷房モードおよび冷房気味除湿モード時に、第1減圧器22を迂回して冷媒凝縮器として働く室外熱交換器23に冷媒を流し、第2減圧器24を介して冷媒蒸発器として働く第2室内熱交換器62に冷媒を流す流路である。
次に、主に図3を用いて車両用空調装置10の制御システムについて説明する。エアコンECU8は、マイクロコンピュータ8aと、車室内前面に設けられたコントロールパネル40上の各種スイッチからの信号、各種センサ111〜116からのセンサ信号および後述する携帯端末50から送信されるプレ空調運転命令信号などが入力される入力回路8bと、各種アクチュエータM1〜M6に出力信号を送る出力回路8cとを備えている。
マイクロコンピュータ8aは、ROM(読み込み専用記憶装置)、RAM(読み込み書き込み可能記憶装置)などのメモリおよびCPU(中央演算装置)などから構成されており、コントロールパネル40などから送信された運転命令に基づいた演算に使用される各種プログラムを有している。
コントロールパネル40には、圧縮機20の起動および停止を命令するためのエアコンスイッチ、吸込口モードを切り替えるための吸込口切替スイッチ、車室内温度を設定するための温度設定スイッチ、ブロワ26による車室内への送風量を切り替えるための風量切替スイッチ、吹出口モードを切り替えるための吹出口切替スイッチなどが設けられている。
各種センサは、車室内の空気温度を検出する内気温センサ(内気温検出手段)111、車室外の外気温度を検出する外気温センサ(外気温検出手段)112、車室内に照射される日射量を検出する日射センサ(日射量検出手段)113、冷凍サイクル100の冷媒蒸発器を構成する第2室内熱交換器62を通過した直後の空気温度を検出する蒸発器吹出空気温度センサ114、温水式ヒータ51へ供給する冷却水温度を検出する水温センサ115、乗員が座席に着座しているか否かを検出することができる着座センサ116などである。
マイクロコンピュータ8aから出力された信号は、出力回路8cによってD/A変換や増幅などがされた後に、吹出口モード切替ドア14〜16、内外気切替ドア19、エアミックスドア63、ブロワ26、圧縮機20、電気式ヒータ52のそれぞれを駆動する各種アクチュエータM1〜M6に駆動信号として出力される。
また、乗員乗車前の車室内の空調運転(プレ空調)を行いたいときに乗員が操作する携帯端末50を備えており、エアコンECU8は、携帯端末50から送信されるプレ空調の命令信号を受信すると、所定のプログラムによる演算を行ってプレ空調運転を実行することができる。乗員は、車両に乗車しようとする前に、車室内の空調環境を快適にしておくために、携帯端末50を操作して、通信局であるセンタを通じて車両の空調装置に対してプレ空調実施の指令を送信する。
次に、エアコンECU8による空調制御処理について、図4ないし図11を用いて説明する。まず、エアコンECU8は、携帯端末50から送信されるプレ空調の命令信号を受信するか、車両のイグニッションスイッチがオンされると、図4に示すメインルーチンに従って空調制御処理の実行を開始する。まず、ステップS1では、ROMやRAMなどのメモリに記憶された制御プログラムがスタートして、RAMに記憶されるデータなどを初期化する。
次に、ステップS2では、実施する空調がプレ空調なのか否か(つまり、通常の乗車中空調なのか)の判定を行う。プレ空調は、原則として、車両のイグニッションスイッチがオフ状態であること、あるいはエアコンECU8に対して乗員が乗車している信号が送信されていないことが許容条件となる。よってステップS2の判定は、イグニッションスイッチがオフ状態であるか否か、または、着座センサ116により乗員が座席に着座していることが検出されるか否かによって行われる。
イグニッションスイッチがオンされている、または着座センサ116によって乗員の着座が検出された場合には、エアコンECU8は乗車中空調であると判断する。一方、イグニッションスイッチがオンされていない、または着座センサ116によって乗員の着座が検出されていない場合には、乗車前のプレ空調であると判断する。
次に、ステップS3では、コントロールパネル40の各種スイッチの信号を読み込み、ステップS4で内気温センサ111、外気温センサ112、日射センサ113、蒸発器吹出空気温度センサ114、および水温センサ115などからの信号を読み込む。
次のステップS5では、目標吹出温度TAOの算出として、図5に示すプログラムが実行される。図5は、本発明の第1実施形態におけるTAO算出の処理手順を示すフローチャートである。まず、ステップS21では、ROMに記憶された数式1を用いて車室内に吹き出す空気のベースとなる目標吹出温度TAOを算出する。
(数式1)
TAO=Kset×Tset−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C
ここで、Tsetは設定された設定温度、TRは内気温センサ111によって検出された内気温度、TAMは外気温センサ112によって検出された外気温度、TSは日射センサ113によって検出された日射量である。また、Ksetは設定温度ゲイン、KRは内気温ゲイン、KAMは外気温度ゲイン、KSは日射ゲインであり、Cは全体に掛かる補正定数である。
次のステップS22では、ステップS2で行われた判定結果がプレ空調であるか否かを判定する。この判定結果がNOで通常の乗車中空調である場合には、ステップS23へ進む。ステップS23では、ステップS21で算出したベースのTAO値をそのまま目標吹出温度として以降の空調制御を進めることとなる。また、ステップS22での判定結果がYESでプレ空調を行う場合には、ステップS24へ進む。
ステップS24では、内気温センサ111によって検出された内気温度とステップS21で算出された目標吹出温度TAOとの差が所定値(本実施形態では5℃)未満であるか否か、つまり空調負荷の大小を判定する。この判定結果がNOで、内気温度と目標吹出温度TAOとの差が所定値以上であり、空調負荷が小さくないと判定される場合にはステップS23へ進む。ステップS23では、ステップS21で算出したベースのTAO値をそのまま目標吹出温度として以降の空調制御を進めることとなる。
しかし、ステップS24での判定結果がYESで、内気温度と目標吹出温度TAOとの差が所定値未満であり、空調負荷が小さいと判定される場合にはステップS25へ進む。ステップS25では、目標吹出温度TAOを空調感が強くなる側に補正するための補正量を算出する。本実施形態では、目標吹出温度TAOから設定温度を差し引いた値の3倍を補正量としている。
そして、次のステップS26では、ステップS21で算出したベースのTAO値にステップS25で算出した補正量を加えた値と1℃とを比較して、大きい方の値を目標吹出温度として以降の空調制御を進めるものである。なお、1℃と比較して大きい方の値を取るのは、冷房を行う場合に、補正した目標吹出温度TAOが低くなり過ぎて、エバポレータとして働く第2室内熱交換器62が凍結してしまうのを防止するためである。
つまり、冷房か暖房かのいずれかのプレ空調を行うにしても、内気温度と目標吹出温度TAOとの差が小さくて空調負荷が小さい場合、通常では弱い空調となってしまい、プレ空調を行っても、乗員が乗車したときにプレ空調を実施したことが分かり難くなってしまう。
そこで、空調負荷が小さいときには通常の乗車中空調に比べてプレ空調での目標吹出温度TAOを空調感が強くなる側に補正することで、乗員が乗車したときにプレ空調のうれしさを実感し易くすることができる。また、プラグインによってこの空調感が強くなる側に補正してのプレ空調を行った場合、走行中の空調消費電力を減らすことができるので、バッテリ4による走行距離を伸ばすことができる。
続いてエアコンECU8は、図4に示すメインルーチンのステップS6において、空調熱源の選択として、図6に示すプログラムが実行される。図6は、本発明の第1実施形態における空調熱源選択の処理手順を示すフローチャートである。エアコンECU8は、ステップS31において、外気温センサ112で検出される外気温が所定温度(本実施形態では−3℃)より低いか否かで、強暖房が必要か否かを判定する。この判定結果がYESで、外気温が−3℃より低く強暖房が必要な場合はステップS32へ進む。
ステップS32では、ステップS2で行われた判定結果がプレ空調であるか否かを判定する。この判定結果がYESでプレ空調である場合にはステップS33に進んで、バッテリ4の電力を用いる電気式ヒータ52を用いての暖房が選択される。また、ステップS32での判定結果がNOで通常の乗車中空調である場合にはステップS34に進み、エンジン1を稼働させたうえでその冷却水を熱源とした温水式ヒータ51を用いての暖房が選択される。これは例えば、ヒートポンプサイクルを用いた暖房では効率が悪くなるうえ、室外熱交換器23が着霜し易くなってヒートポンプ暖房が継続できなくなる場合があるためである。
一方、ステップS31の判定結果がNOで、外気温が−3℃より高い場合はステップS35へ進み、オート(自動)モードにしたときの吹出口モードをステップS35中に示す特性図を用いて算出する。この特性図は、通常のオート空調制御に用いられるものであり、先のステップS21で算出されたベースの目標吹出温度TAOと吹出口モードとの関係を表しており、この特性図によって目標吹出温度TAOに対する吹出口モードを決定することができる。具体的に、エアコンECU8は、目標吹出温度TAOが低い温度から高い温度にかけて、フェイスモード、バイレベルモードおよびフットモードを順次自動で選択するようになっている。
次のステップS36においては、ステップS36で算出されたオート時の吹出口モードがフェイスモードであるか否かで、冷房が必要か否かを判定する。この判定結果がYESで、オート時にはフェイスモードが選択される条件の場合はステップS37へ進み、暖房サイクルとする必要がないと判断して冷房サイクルを用いての冷房運転が選択される。また、ステップS36での判定結果がNOで、オート時にはフェイスモード以外のフットモードやバイレベルモードが選択される条件の場合はステップS38へ進み、暖房サイクルを用いての暖房運転や除湿運転が選択されるようになっている。
続いてエアコンECU8は、図4に示すメインルーチンのステップS7において、ブロワ電圧の決定として、図7に示すプログラムが実行される。図7は、本発明の第1実施形態におけるブロワ電圧決定の処理手順を示すフローチャートである。エアコンECU8は、ステップS41において、ステップS2で行われた判定結果がプレ空調であるか否かを判定する。この判定結果がNOで通常の乗車中空調である場合にはステップS42に進む。
ステップS42では、ブロワ26の作動モードがオート(自動)モードであるか否か(つまり、マニュアルモードであるか)を判定する。この判定は、コントロールパネル40のオート空調スイッチ(図示せず)がオンされているか否かによって行われる。この判定結果がNOで、オート空調スイッチがオンされていない場合はステップS43へ進み、エアコンECU8はマニュアルモードでの作動として、コントロールパネル40の風量切替スイッチ(図示せず)で設定されている送風レベル(本実施形態ではOFF,Lo,M1,M2,M3,Hiの6段階)に対応させて予め設定されているブロワ電圧(本実施形態では0V,4V,6V,8V,10V,12V)で決定される。
また、ステップS42の判定結果がYESで、オート空調スイッチがオンされている場合はステップS44へ進み、エアコンECU8はオートモードでの作動として、空調負荷に応じたブロワ電圧をステップS44中に示す特性図を用いて算出する。この特性図は、通常のオート空調制御に用いられるものであり、ステップS5で算出された目標吹出温度TAOとブロワ電圧との関係を表しており、この特性図によって目標吹出温度TAOに対するブロワ電圧を決定することができる。
一方、ステップS41の判定結果がYESでプレ空調である場合にはステップS45に進む。ステップS45では、先のステップS6で選択された空調熱源が冷房サイクルであるか否かを判定する。その判定結果がYESで冷房サイクルが選択されている場合にはステップS46に進む。そして、ステップS46では、空調熱源として冷房サイクルを用いることに応じたブロワ26の稼働率として、ブロワ電圧8Vで運転することが決定される。
また、ステップS45での判定結果がNOで冷房サイクル以外が選択されている場合にはステップS47に進む。ステップS47では、先のステップS6で選択された空調熱源が暖房サイクルであるか否かを判定する。その判定結果がYESで暖房サイクルが選択されている場合にはステップS48に進む。そして、ステップS48では、空調熱源として暖房サイクルを用いることに応じたブロワ26の稼働率として、ブロワ電圧10Vで運転することが決定される。
また、ステップS47での判定結果がNOで暖房サイクル以外が選択されている場合にはステップS49に進む。そして、ステップS49では、空調熱源として電気式ヒータ52が選択されていることとなり、電気式ヒータ52を用いることに応じたブロワ26の稼働率として、ブロワ電圧12Vで運転することが決定される。
なお、このようなプレ空調時の空調熱源に応じてブロワ26を予め定めた稼働率(ブロワ電圧)での運転は、コントロールパネル40での設定(オート空調スイッチのオン、オフや風量切替スイッチでのマニュアル設定値)に関係なく実行されるとともに、乗車中空調に切り替わったときには、新たに通常の空調制御プログラムに従った運転が成される。
図8は、このような空調熱源に応じたブロワ電圧の決定を説明する図であり、(a)は冷房サイクル、(b)は暖房サイクル、(c)は電気式ヒータの例である。プレ空調は、バッテリ4または図示しない家庭用電源から供給される電力を用いて行うため、プレ空調時に空調で使用可能な電力には制限がある。一方、空調時の使用電力は、大きくは圧縮機電力+ブロワ電力、または電気式ヒータ電力+ブロワ電力が主なところとなる。このため、ブロワ電力が減る程、圧縮機電力または電気式ヒータ電力で使える電力が増える関係となる。
冷房サイクルを用いて車室内温度を下げる場合には、風量が多くて吹出温度が低いと短時間で車室内温度を下げられる。しかし、図8(a)に示す冷房サイクルの例では、ブロワ電力を減らす(=風量が少ない)と、圧縮機電力が増える(=吹出温度が下がる)関係となり、吹出温度が低くても風量が少ないと車室内を冷やす能力が低くなるため、車室内温度が下がり難くなってしまう。
また逆に、ブロワ電力を増やす(=風量が多い)と、圧縮機電力が減る(=吹出温度が上がる)関係となり、風量が多くても吹出温度が高いと同様に車室内温度が下がり難くなってしまう。これらの関係により、空調での使用許可電力が決まっている場合には、冷房サイクルを用いて最も室温が下がるブロワ電圧を実験により求めることができる。
暖房サイクルを用いて車室内温度を上げる場合も同様であり、風量が多くて吹出温度が高いと短時間で車室内温度を上げられる。しかし、図8(b)に示す暖房サイクルの例では、ブロワ電力を減らす(=風量が少ない)と、圧縮機電力が増える(=吹出温度が上がる)関係となり、吹出温度が高くても風量が少ないと車室内を温める能力が低くなるため、車室内温度が上がり難くなってしまう。
また逆に、ブロワ電力を増やす(=風量が多い)と、圧縮機電力が減る(=吹出温度が下がる)関係となり、風量が多くても吹出温度が低いと同様に車室内温度が上がり難くなってしまう。これらの関係により、空調での使用許可電力が決まっている場合には、暖房サイクルを用いて最も室温が上がるブロワ電圧を実験により求めることができる。
なお、電気式ヒータの場合は、その消費電力を連続的に制御することが困難なため、消費電力が一定となる。このため、図8(c)に示す電気式ヒータの例では、風量が高いほど車室内を温める能力が上がるため、上述の冷房サイクルや暖房サイクルよりも最適なブロワ電圧が高くなる。
また、冷房サイクルを用いた冷房は、通常フェイス吹出口12を用いるフェイス吹出モードとなり、暖房や電気式ヒータを用いた暖房は、通常フット吹出口13を用いるフット吹出モードとなる。しかし、フェイス吹き出しはフット吹き出しよりも圧力損失が低く、同じブロワ電力でも多い風量が出せるため、上述の最適なブロワ電圧は、少なくとも冷房サイクルの方が暖房サイクルよりも低くなる。
以上の理由により、プレ空調時の限られた使用許可電力の中での最適なブロワ電力は、冷房サイクル<暖房サイクル<電気式ヒータの関係で制御することにより、どの空調モードにおいても効率の良い最適な空調が実現できる。つまり、プレ空調時の限られた電力内で、冷房サイクル、暖房サイクル、電気式ヒータの各々で異なるブロワ電圧で制御することにより、プレ空調開始〜乗り込みまでの想定時間内でより早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
続いてエアコンECU8は、図4に示すメインルーチンのステップS8において、吸込口モードの決定として、図9に示すプログラムが実行される。図9は、本発明の第1実施形態における吸込口モード決定の処理手順を示すフローチャートである。エアコンECU8は、ステップS51において、ステップS2で行われた判定結果がプレ空調であるか否かを判定する。この判定結果がYESでプレ空調である場合にはステップS52へと進む。
ステップS52では、実施する空調モードが暖房運転であるか否かを判定する。その判定結果がYESで暖房運転を行う場合はステップS53へ進む。ステップS53でエアコンECU8は内外気切替ドア19を操作して吸込口モードを内気循環モードにする。これは、通常の乗車中空調では、内気循環で暖房運転を行うと窓曇りの可能性が高くなる。
しかし、駐車中で乗員が乗車していない状況で実施されるプレ空調においては、内気循環とすることにより、換気ロスを低減し、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができ、省燃費効果も得られる。なお、ステップS52での判定結果がNOで暖房運転以外を行う場合はそのときのままの吸込口モードとして、特段の内外気切替ドア19の操作は行わないものとしている。
一方、ステップS51の判定結果がNOで、通常の乗車中空調である場合にはステップS54に進む。ステップS54では、内外気切替ドア19の作動モードがオート(自動)モードであるか否か(つまり、マニュアルモードであるか)を判定する。この判定は、コントロールパネル40のオート空調スイッチ(図示せず)がオンされているか否かによって行われる。
この判定結果がNOで、オート空調スイッチがオンされていない場合はステップS55へ進み、エアコンECU8はマニュアルモードでの作動として、コントロールパネル40の吸込口切替スイッチ(図示せず)で設定されている吸込口モードに対応させて内気循環モードまたは外気導入モードのいずれかに決定される。
また、ステップS54の判定結果がYESで、オート空調スイッチがオンされている場合はステップS56へ進み、エアコンECU8はオートモードでの作動として、空調負荷に応じた吸込口モードをステップS56中に示す特性図を用いて算出する。この特性図は、通常のオート空調制御に用いられるものであり、ステップS5で算出された目標吹出温度TAOと吸込口モードとの関係を表しており、この特性図によって目標吹出温度TAOに対する吸込口モードを、内気循環モード、内外気導入モード、および外気導入モードのいずれかから決定することができる。
このように、プレ空調時に暖房運転ならば吸込口モードを内気循環モードにすることは、コントロールパネル40での設定(オート空調スイッチのオン、オフや吸込口切替スイッチでのマニュアル設定値)に関係なく実行されるとともに、乗車中空調に切り替わったときには、新たに通常の空調制御プログラムに従った運転が成される。
続いてエアコンECU8は、図4に示すメインルーチンのステップS9において、吹出口モードの決定として、図10に示すプログラムが実行される。図10は、本発明の第1実施形態における吹出口モード決定の処理手順を示すフローチャートである。エアコンECU8は、ステップS61において、ステップS2で行われた判定結果がプレ空調であるか否かを判定する。この判定結果がYESでプレ空調である場合にはステップS62へと進む。
ステップS62でエアコンECU8はモード切替ドア14〜16を操作して、吹出口モードをフェイスモード、バイレベルモード、およびフットモードのいずれかとする。これは、通常の乗車中空調では、デフロスタ吹出口11を開かない吹出モードとすることにより、暖房運転中などでは窓曇りする可能性もある。しかし、駐車中で乗員が乗車していない状況で実施されるプレ空調においては、吹出口モードとしてデフロスタ吹出口11を開かないモードとして車両前面窓ガラスからの放熱量を抑えることにより、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
一方、ステップS61の判定結果がNOで、通常の乗車中空調である場合にはステップS63に進む。ステップS63では、モード切替ドア14〜16の作動モードがオート(自動)モードであるか否か(つまり、マニュアルモードであるか)を判定する。この判定は、コントロールパネル40のオート空調スイッチ(図示せず)がオンされているか否かによって行われる。
この判定結果がNOで、オート空調スイッチがオンされていない場合はステップS64へ進み、エアコンECU8はマニュアルモードでの作動として、コントロールパネル40の吹出口切替スイッチ(図示せず)で設定されている吹出口モードに対応させてフェイスモード、バイレベルモード、フットモード、フットデフロスタモード、デフロスタモードのいずれかに決定される。
また、ステップS63の判定結果がYESで、オート空調スイッチがオンされている場合はステップS65へ進み、エアコンECU8はオートモードでの作動として、空調負荷に応じた吹出口モードをステップS65中に示す特性図を用いて算出する。この特性図は、通常のオート空調制御に用いられるものであり、ステップS5で算出された目標吹出温度TAOと吹出口モードとの関係を表しており、この特性図によって目標吹出温度TAOに対する吹出口モードを、フェイスモード、バイレベルモード、フットモードのいずれかから決定することができる。
エアコンECU8は、目標吹出温度TAOが上昇するにつれて、空調ゾーンの吹出ロモードをフェイスモード、バイレベルモード、フットモードの順番に自動的に切り替えるように制御する。なお、フェイスモードとは、フェイス吹出口12だけから空調風を吹き出すモードであり、バレベルモードとは、フェイス吹出口12およびフット吹出口13から空調風を吹き出すモードであり、フットモードとは、フット吹出口13だけから空調風を吹き出すモードである。
なお、プレ空調時にデフロスタ吹出口11を開かない吹出モードとすることは、コントロールパネル40での設定(オート空調スイッチのオン、オフや吹出口切替スイッチでのマニュアル設定値)に関係なく実行されるとともに、乗車中空調に切り替わったときには、新たに通常の空調制御プログラムに従った運転が成される。
続いてエアコンECU8は、図4に示すメインルーチンのステップS10において、エアミックスドア63の目標開度を算出する。但し、プレ空調時は、冷房運転ならば第1室内熱交換器61および電気式ヒータ52を通過する空気通路を全閉とし、暖房運転ならば第1室内熱交換器61および電気式ヒータ52を通過する空気通路を全開とするようエアミックスドア63を制御する。
また、乗車中空調時のエアミックスドア63の開度は、ステップS5で算出された目標吹出温度TAO、蒸発器吹出空気温度センサ114によって検出された蒸発器後の空気温度、水温センサ115によって検出された冷却水温を、ROMに記憶された数式2で演算することによって算出される。
(数式2)
開度=((TAO−TE)/(TW−TE))×100(%)
ここで、TEは蒸発器後の空気温度、TWは冷却水温である。
続いてエアコンECU8は、図4に示すメインルーチンのステップS11において、ROM、RAMなどに記憶されているフローチャート(図示せず)に基づいて圧縮機20の回転数を決定し、続くステップS12において、電気式ヒータの作動数決定として、図11に示すプログラムが実行される。図11は、本発明の第1実施形態における電気式ヒータ作動数決定の処理手順を示すフローチャートである。
エアコンECU8は、ステップS71において、ステップS2で行われた判定結果がプレ空調であるか否かを判定する。この判定結果がNOで通常の乗車中空調である場合にはステップS72へと進む。ステップS72では、乗車中空調での作動として、空調負荷に応じた電気式ヒータ52の作動数(本実施形態では最大3つ)をステップS72中に示す特性図を用いて算出する。
この特性図は、通常のオート空調制御に用いられるものであり、外気温センサ112で検出される外気温と電気式ヒータ52の作動数との関係を表しており、この特性図によって電気式ヒータ52の作動数を決定することができる。エアコンECU8は、外気温が低くなるにつれて電気式ヒータ52の作動数が増えるよう自動的に切り替えるように制御する。
一方、ステップS71の判定結果がYESで、プレ空調である場合にはステップS73に進む。ステップS73では、プレ空調として電気式ヒータ52を作動させるか否かを判定する。その判定結果がNOで、電気式ヒータ52を作動させる必要が無ければ、このステップS12のプログラムを終了する。しかし、ステップS73の判定結果がYESで、電気式ヒータ52を作動させる場合はステップS74へ進む。
ステップS74では、まず最大のヒータ作動数(本実施形態では3つ)と、ステップS7(図7のフローチャート)で決定したブロワ電圧12Vとを設定する。そして、次のステップS75では、低常時のヒータ電力とブロワ電力とを足し合わせた電力が、プレ空調時に空調で使用可能な電力(以下、使用可能電力とする)以下であるか否かを判定する。この判定結果がNOで、低常時のヒータ電力とブロワ電力とを足し合わせた電力が、使用可能電力を上回る場合はステップS76に進む。
ステップS76では、ヒータ作動数を現在(その時点の)作動数から1つ減らして、再度ステップS75の判定を行うようになっている。そして、ステップS75の判定結果がYESで、低常時のヒータ電力とブロワ電力とを足し合わせた電力が、使用可能電力以下になったらステップS77へ進む。そのステップS77では、実際のヒータ電力とブロワ電力とその他の電力とを足し合わせた実使用電力が、使用可能電力以下であるか否かを判定する。
その判定結果がYESで実際のヒータ電力とブロワ電力とその他の電力とを足し合わせた実使用電力が、使用可能電力以下である場合にはステップS78に進む。そして、ステップS78では、電気式ヒータ52に供給するヒータ電力を、使用可能電力からブロワ電力を差し引いた電力とする。このように、使用可能電力からブロワ電力を差し引いた電力を全て電気式ヒータ52に供給することにより、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、ステップS77での判定結果がNOで、実使用電力が使用可能電力を超えている場合にはステップS79に進む。ステップS79では、電気式ヒータ52をオンさせてから所定時間内(例えば、30秒)であるか否かを判定する。その判定結果がYESで電気式ヒータ52をオンさせてから所定時間内である場合にはステップS80に進む。そして、ステップS80では、電気式ヒータ52に供給するヒータ電力を、使用可能電力の全てとするものである。
これは、電気式ヒータ52をオンさせたときに突入電流が発生し、定常のヒータ電力に安定するまでに所定時間掛かるためであり、この所定時間の間だけヒータ電力=使用可能電力とすることにより、電気式ヒータ52を起動させたときのオンオフハンチングを防止することができる。
また、ステップS79での判定結果がNO、つまり、電気式ヒータ起動後の所定時間に関係なく実使用電力が使用可能電力を超えている場合にはステップS81に進む。そして、ステップS81では、使用可能電力内で電気式ヒータ52を用いた暖房運転ができないものとして電気式ヒータ52とブロワ26との作動を停止させるものである。
続いてエアコンECU8は、図4に示すメインルーチンのステップS13において、各ステップS5〜S12で算出または決定された各制御状態が得られるように、アクチュエータM1〜M6およびハイブリッドECU6に対して制御信号を出力する。エアコンECU8は、この後ステップS14において所定時間が経過すると、ステップS2の処理に戻り、上述の制御処理(ステップS2〜S14)を繰り返す。このような処理の繰り返しによって空調ゾーンの空調は、快適性の高いものとなる。
次に、本実施形態の特徴と、その効果について述べる。まず、エアコンECU8は、プレ空調時に空調で使用可能な電力に制限がある場合、空調熱源として冷房サイクル、暖房サイクルおよび電気式ヒータ52のいずれを用いるかに応じて、ブロワ26を予め定めたそれぞれの稼働率(ブロワ電圧)で運転するようにしている。これによれば、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、ブロワ26の空調熱源に応じて予め定めたそれぞれの稼働率(ブロワ電圧)は、冷房サイクル時の稼働率(ブロワ電圧)に比べて暖房サイクル時の稼働率(ブロワ電圧)を大きくしている。これによれば、冷房サイクル時よりも圧力損失の大きい暖房サイクル時においても充分な熱量を供給することができる。
また、車室内の空気温度を検出する内気温センサ111を備え、エアコンECU8は、プレ空調開始時に、内気温センサ111で検出される車室内温度と算出した目標吹出温度TAOとの差が所定値未満であって空調負荷が小さい場合、目標吹出温度TAOを空調感が強くなる側に補正してプレ空調を実施するようにしている。
空調は通常、空調負荷が小さいときには弱い空調しか行わないため、空調負荷がそれほど高くないときにプレ空調を行っても、乗員が乗車したときにプレ空調を実施したことが分かり難くなってしまう。そこで、これによれば、空調負荷が小さいときには通常の乗車中の空調に比べてプレ空調での目標吹出温度TAOを空調感が強くなる側に補正することで、乗員が乗車したときにプレ空調のうれしさを実感し易くすることができる。
また、エアコンECU8は、空調で使用可能な電力を超過しないよう電力制限しながら電気式ヒータ52とブロワ26とを用いてプレ暖房を行う場合、記電気式ヒータ52の起動から所定時間の間は電気式ヒータ52で使用可能な電力を空調で使用可能な電力とするようにしている。これによれば、電気式ヒータ52を起動するときに発生する突入電流によるオンオフハンチングが防止できるとともに、所定時間経過後はプレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、エアコンECU8は、プレ空調を行う場合、モード切替ドア14〜16を制御して、デフロスタ吹出口11を開かない吹出口モードとしてフェイスモード、バイレベルモード、フットモードのいずれかにするようにしている。これによれば、車両前面窓ガラスからの放熱量を抑えることにより、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、エアコンECU8は、プレ空調で暖房運転を行う場合、内外気切替ドア19を制御して、内機循環モードにするようにしている。これによれば、内気循環で暖房運転を行うと窓曇りの可能性が高くなるが、駐車中で乗員が乗車していない状況で実施されるプレ空調においては、内気循環とすることにより、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
また、エアコンECU8は、プレ空調を行う場合、ブロワ26の運転制御、モード切替ドア14〜16の制御、内外気切替ドア19の制御のいずれも、風量切替スイッチ、吹出口切替スイッチ、吸込口切替スイッチでの設定に優先して実行されるようにしている。これによれば、駐車中で乗員が乗車していない状況で実施されるプレ空調においては、マニュアル設定に優先して制御を実施することにより、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。プレ空調を行ううえで、内気温度と目標吹出温度TAOとの差が小さくて空調負荷が小さい場合、通常では弱い空調となってしまい、プレ空調を行っても、乗員が乗車したときにプレ空調を実施したことが分かり難くなってしまうという課題がある。
図12は、本発明の第2実施形態におけるTAO算出の処理手順を示すフローチャートである。なお、上述した第1実施形態のステップS5における図5のフローチャートの変形例となる。まず、ステップS21では、ROMに記憶された数式1を用いて車室内に吹き出す空気のベースとなる目標吹出温度TAOを算出する。
(数式1)
TAO=Kset×Tset−KR×TR−KAM×TAM−KS×TS+C
ここで、Tsetは設定された設定温度、TRは内気温センサ111によって検出された内気温度、TAMは外気温センサ112によって検出された外気温度、TSは日射センサ113によって検出された日射量である。また、Ksetは設定温度ゲイン、KRは内気温ゲイン、KAMは外気温度ゲイン、KSは日射ゲインであり、Cは全体に掛かる補正定数である。
次のステップS221では、ステップS2で行われた判定結果が冷房運転でのプレ空調(以下、プレ冷房)であるか否かを判定する。この判定結果がNOで通常の乗車中空調である場合、または暖房運転でのプレ空調である場合には、ステップS23へ進む。そして、ステップS23では、ステップS21で算出したベースのTAO値をそのまま目標吹出温度として以降の空調制御を進めることとなる。また、ステップS221での判定結果がYESでプレ冷房を行う場合には、ステップS24へ進む。
ステップS24では、内気温センサ111によって検出された内気温度とステップS21で算出された目標吹出温度TAOとの差が所定値(本実施形態では5℃)未満であるか否か、つまり空調負荷の大小を判定する。この判定結果がNOで、内気温度と目標吹出温度TAOとの差が所定値以上であり、空調負荷が小さくないと判定される場合には先のステップS23へと進み、ステップS21で算出したベースのTAO値をそのまま目標吹出温度として以降の空調制御を進めることとなる。
しかし、ステップS24での判定結果がYESで、内気温度と目標吹出温度TAOとの差が所定値未満であり、空調負荷が小さいと判定される場合にはステップS251へ進む。そして、ステップS251では、目標吹出温度TAOを空調感が強くなる側に補正するための補正量を算出する。本実施形態では、外気温センサ112によって検出された外気温度から目標吹出温度TAOを差し引いた値の3倍を補正量1としている。また、日射センサ113によって検出された日射量をゲイン補正したうえ3倍した値を補正量2としている。
そして、次のステップS261では、ステップS21で算出したベースのTAO値にステップS251で算出した補正量1および2を加えた値と1℃とを比較して、大きい方の値を目標吹出温度として以降の空調制御を進めるものである。なお、1℃と比較して大きい方の値を取るのは、冷房を行ううえで、補正した目標吹出温度TAOが低くなり過ぎて、エバポレータとして働く第2室内熱交換器62が凍結してしまうのを防止するためである。
エアコンECU8は、プレ冷房を行う場合、外気温センサ112で検出される外気温が高い程、または日射センサ113で検出される日射量が多い程、目標吹出温度TAOを低くなる側に補正してプレ空調を実施するようにしている。これによれば、空調負荷が小さくても外気温が高い状況、または日射量が多い状況の場合、通常の乗車中の冷房運転に比べてプレ冷房での目標吹出温度TAOを低くなる側に補正することで、乗員が乗車したときにプレ冷房のうれしさを実感し易くすることができる。
また、プラグインによってこの空調感が強くなる側に補正してのプレ冷房を行った場合、走行中の空調消費電力を減らすことができるので、バッテリ4による走行距離を伸ばすことができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図13は、本発明の第3実施形態におけるブロワ電圧決定の処理手順を示すフローチャートである。なお、上述した第1実施形態のステップS7における図7のフローチャートの変形例となる。まず、ステップS41において、ステップS2で行われた判定結果がプレ空調であるか否かを判定する。この判定結果がNOで通常の乗車中空調である場合にはステップS42に進む。
ステップS42では、ブロワ26の作動モードがオート(自動)モードであるか否か(つまり、マニュアルモードであるか)を判定する。この判定は、コントロールパネル40のオート空調スイッチ(図示せず)がオンされているか否かによって行われる。この判定結果がNOで、オート空調スイッチがオンされていない場合はステップS43へ進み、エアコンECU8はマニュアルモードでの作動として、コントロールパネル40の風量切替スイッチ(図示せず)で設定されている送風レベル(本実施形態ではOFF,Lo,M1,M2,M3,Hiの6段階)に対応させて予め設定されているブロワ電圧(本実施形態では0V,4V,6V,8V,10V,12V)で決定される。
また、ステップS42の判定結果がYESで、オート空調スイッチがオンされている場合はステップS44へ進み、エアコンECU8はオートモードでの作動として、空調負荷に応じたブロワ電圧をステップS44中に示す特性図を用いて算出する。この特性図は、通常のオート空調制御に用いられるものであり、ステップS5で算出された目標吹出温度TAOとブロワ電圧との関係を表しており、この特性図によって目標吹出温度TAOに対するブロワ電圧を決定することができる。
一方、ステップS41の判定結果がYESでプレ空調である場合にはステップS45に進む。ステップS45では、先のステップS6で選択された空調熱源が冷房サイクルであるか否かを判定する。その判定結果がYESで冷房サイクルが選択されている場合にはステップS461に進む。そして、ステップS461では、空調熱源として冷房サイクルを用いることに応じたブロワ26の稼働率(ブロワ電圧)に対応する消費電力を最低電力とし、ブロワ電圧8V→最低電力140Wで運転することが決定される。
また、ステップS45での判定結果がNOで冷房サイクル以外が選択されている場合にはステップS47に進む。ステップS47では、先のステップS6で選択された空調熱源が暖房サイクルであるか否かを判定する。その判定結果がYESで暖房サイクルが選択されている場合にはステップS481に進む。そして、ステップS481では、空調熱源として暖房サイクルを用いることに応じたブロワ26の稼働率(ブロワ電圧)に対応する消費電力を最低電力とし、ブロワ電圧10V→最低電力220Wで運転することが決定される。
また、ステップS47での判定結果がNOで暖房サイクル以外が選択されている場合にはステップS491に進む。そして、ステップS491では、空調熱源として電気式ヒータ52が選択されていることとなり、電気式ヒータ52を用いることに応じたブロワ26の稼働率(ブロワ電圧)に対応する消費電力を最低電力とし、ブロワ電圧12V→最低電力300Wで運転することが決定される。
そして、次のステップS50では、プレ空調時に空調で使用可能な電力(以下、使用可能電力とする)から圧縮機20の電力と電動ファン29の電力とを差し引いた電力値と、ステップS461,ステップS481,ステップS491のいずれかで決定されたブロワ26の最低電力とを比較して、大きい方の電力値をブロワ電力として以降の空調制御を進めるものである。つまり、ステップS50により、圧縮機電力が下がった場合、下がった分はブロワ電力にまわすことにより、車室内へ供給する熱量が増加し、プレ空調の効果をより高めることができる。
図8は、このような空調熱源に応じたブロワ電圧の決定を説明する図であり、(a)は冷房サイクル、(b)は暖房サイクル、(c)は電気式ヒータの例である。プレ空調は、バッテリ4または図示しない家庭用電源から供給される電力を用いて行うため、プレ空調時に空調で使用可能な電力には制限がある。一方、空調時の使用電力は、大きくは圧縮機電力+ブロワ電力、または電気式ヒータ電力+ブロワ電力が主なところとなる。このため、ブロワ電力が減る程、圧縮機電力または電気式ヒータ電力で使える電力が増える関係となる。
冷房サイクルを用いて車室内温度を下げる場合には、風量が多くて吹出温度が低いと短時間で車室内温度を下げられる。しかし、図8(a)に示す冷房サイクルの例では、ブロワ電力を減らす(=風量が少ない)と、圧縮機電力が増える(=吹出温度が下がる)関係となり、吹出温度が低くても風量が少ないと車室内を冷やす能力が低くなるため、車室内温度が下がり難くなってしまう。
また逆に、ブロワ電力を増やす(=風量が多い)と、圧縮機電力が減る(=吹出温度が上がる)関係となり、風量が多くても吹出温度が高いと同様に車室内温度が下がり難くなってしまう。これらの関係により、空調での使用許可電力が決まっている場合には、冷房サイクルを用いて最も室温が下がるブロワ電圧を実験により求めることができる。
暖房サイクルを用いて車室内温度を上げる場合も同様であり、風量が多くて吹出温度が高いと短時間で車室内温度を上げられる。しかし、図8(b)に示す暖房サイクルの例では、ブロワ電力を減らす(=風量が少ない)と、圧縮機電力が増える(=吹出温度が上がる)関係となり、吹出温度が高くても風量が少ないと車室内を温める能力が低くなるため、車室内温度が上がり難くなってしまう。
また逆に、ブロワ電力を増やす(=風量が多い)と、圧縮機電力が減る(=吹出温度が下がる)関係となり、風量が多くても吹出温度が低いと同様に車室内温度が上がり難くなってしまう。これらの関係により、空調での使用許可電力が決まっている場合には、暖房サイクルを用いて最も室温が上がるブロワ電圧を実験により求めることができる。
なお、電気式ヒータの場合は、その消費電力を連続的に制御することが困難なため、消費電力が一定となる。このため、図8(c)に示す電気式ヒータの例では、風量が高いほど車室内を温める能力が上がるため、上述の冷房サイクルや暖房サイクルよりも最適なブロワ電圧が高くなる。
また、冷房サイクルを用いた冷房は、通常フェイス吹出口12を用いるフェイス吹出モードとなり、暖房サイクルや電気式ヒータを用いた暖房は、通常フット吹出口13を用いるフット吹出モードとなる。しかし、フェイス吹き出しはフット吹き出しよりも圧力損失が低く、同じブロワ電力でも多い風量が出せるため、上述の最適なブロワ電圧は、少なくとも冷房サイクルの方が暖房サイクルよりも低くなる。
以上の理由により、プレ空調時の限られた使用許可電力の中での最適なブロワ電力は、冷房サイクル<暖房サイクル<電気式ヒータの関係で制御することにより、どの空調モードにおいても効率の良い最適な空調が実現できる。なお、このようなプレ空調時の空調熱源に応じてブロワ電力を決めての運転は、コントロールパネル40での設定(オート空調スイッチのオン、オフや風量切替スイッチでのマニュアル設定値)に関係なく実行されるとともに、乗車中空調に切り替わったときには、新たに通常の空調制御プログラムに従った運転が成される。
このように、エアコンECU8は、ブロワ26の空調熱源に応じて予め定めたそれぞれの稼働率に対応する消費電力をそれぞれの最低電力とし、空調で使用可能な電力から圧縮機20の消費電力と電動ファン29の消費電力とを差し引いた電力値と最低電力とを比べて大きい方の電力値でブロワ26を運転するようにしている。
これによれば、圧縮機電力が下がった場合、下がった分はブロワ電力にまわすことにより、車室内へ供給する熱量が増加し、プレ空調の効果をより高めることができるため、プレ空調時の限られた電力内で、より早く目標吹出温度として目標車室内温度に近づけることができる。
4…バッテリ(蓄電池)
8…エアコンECU(制御手段)
9…ダクト
11…デフロスタ吹出口
12…フェイス吹出口
13…フット吹出口
14…デフロスタドア(吹出口切替手段)
15…フェイスドア(吹出口切替手段)
16…フットドア(吹出口切替手段)
19…内外気切替ドア(内外気調整手段)
20…圧縮機
22…第1減圧器(減圧手段)
23…室外熱交換器
24…第2減圧器(減圧手段)
26…ブロワ(送風機)
29…電動ファン
31…第1電磁弁(切替手段)
32…第2電磁弁(切替手段)
33…第3電磁弁(切替手段)
52…電気式ヒータ
61…第1室内熱交換器
62…第2室内熱交換器(室内熱交換器)
100…冷凍サイクル
111…内気温センサ(内気温検出手段)
112…外気温センサ(外気温検出手段)
113…日射センサ(日射量検出手段)
TAO…目標吹出温度

Claims (10)

  1. 車両駐車中に車外からの操作によって空調運転が指示されることにより、プレ空調が可能な車両用空調装置であり、
    (a)車室内へ向かう空気の空気通路を形成するダクト(9)と、
    (b)前記ダクト(9)内において車室内へ送風する送風機(26)と、
    (c)冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(20)、
    前記ダクト(9)内に配置されて前記圧縮機(20)より吐出された冷媒を凝縮させてその凝縮熱により前記ダクト(9)内の空気を加熱する第1室内熱交換器(61)、
    前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を減圧させる減圧手段(22、24)、
    前記ダクト(9)外に配置されて前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を前記ダクト(9)外の空気と熱交換させて蒸発させる室外熱交換器(23)、
    前記ダクト(9)内において前記第1室内熱交換器(61)よりも空気上流側に配置されて前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を蒸発させてその蒸発熱により前記ダクト(9)内の空気を冷却する第2室内熱交換器(62)、
    および前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を前記室外熱交換器(23)に流す流路または前記第2室内熱交換器(62)に流す流路に切り替える切替手段(31〜33)を備え、
    前記切替手段(31〜33)で流路を切り替えることによって冷房サイクルまたは暖房サイクルで運転可能な冷凍サイクル(100)と、
    (d)前記ダクト(9)内において前記第1室内熱交換器(61)よりも空気下流側に配置されて前記蓄電池(4)から供給される電力を用いて前記ダクト(9)内の空気を加熱する電気式ヒータ(52)と、
    (e)少なくとも前記送風機(26)の稼働率、前記圧縮機(20)、前記切替手段(31〜33)、前記電気式ヒータ(52)の作動を制御する制御手段(8)とを備えた車両用空調装置において、
    前記室外熱交換器(23)に外気を通風させる電動ファン(29)を備え、
    前記制御手段(8)は、プレ空調時に空調で使用可能な電力に制限がある場合、空調熱源として冷房サイクル、暖房サイクルおよび前記電気式ヒータ(52)のいずれを用いるかに応じて、前記送風機(26)を予め定めたそれぞれの稼働率で運転し、
    さらに前記制御手段(8)は、前記送風機(26)の空調熱源に応じて予め定めたそれぞれの稼働率に対応する消費電力をそれぞれの最低電力とし、前記空調で使用可能な電力から前記圧縮機(20)の消費電力と前記電動ファン(29)の消費電力とを差し引いた電力値と前記最低電力とを比べて大きい方の電力値で前記送風機(26)を運転することを特徴とする車両用空気調和装置。
  2. 車両駐車中に車外からの操作によって空調運転が指示されることにより、プレ空調が可能な車両用空調装置であり、
    (a)車室内へ向かう空気の空気通路を形成するダクト(9)と、
    (b)前記ダクト(9)内において車室内へ送風する送風機(26)と、
    (c)冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(20)、
    前記ダクト(9)内に配置されて前記圧縮機(20)より吐出された冷媒を凝縮させてその凝縮熱により前記ダクト(9)内の空気を加熱する第1室内熱交換器(61)、
    前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を減圧させる減圧手段(22、24)、
    前記ダクト(9)外に配置されて前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を前記ダクト(9)外の空気と熱交換させて蒸発させる室外熱交換器(23)、
    前記ダクト(9)内において前記第1室内熱交換器(61)よりも空気上流側に配置されて前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を蒸発させてその蒸発熱により前記ダクト(9)内の空気を冷却する第2室内熱交換器(62)、
    および前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を前記室外熱交換器(23)に流す流路または前記第2室内熱交換器(62)に流す流路に切り替える切替手段(31〜33)を備え、
    前記切替手段(31〜33)で流路を切り替えることによって冷房サイクルまたは暖房サイクルで運転可能な冷凍サイクル(100)と、
    (d)前記ダクト(9)内において前記第1室内熱交換器(61)よりも空気下流側に配置されて前記蓄電池(4)から供給される電力を用いて前記ダクト(9)内の空気を加熱する電気式ヒータ(52)と、
    (e)少なくとも前記送風機(26)の稼働率、前記圧縮機(20)、前記切替手段(31〜33)、前記電気式ヒータ(52)の作動を制御する制御手段(8)とを備えた車両用空調装置において、
    前記制御手段(8)は、プレ空調時に空調で使用可能な電力に制限がある場合、空調熱源として冷房サイクル、暖房サイクルおよび前記電気式ヒータ(52)のいずれを用いるかに応じて、前記送風機(26)を予め定めたそれぞれの稼働率で運転し、
    前記制御手段(8)は、前記空調で使用可能な電力を超過しないよう電力制限しながら前記電気式ヒータ(52)と前記送風機(26)とを用いてプレ暖房を行う場合、前記電気式ヒータ(52)の起動から所定時間の間は前記電気式ヒータ(52)で使用可能な電力を前記空調で使用可能な電力とすることを特徴とする車両用空調装置。
  3. 前記送風機(26)の空調熱源に応じて予め定めたそれぞれの稼働率は、冷房サイクル時の稼働率に比べて暖房サイクル時の稼働率を大きくしていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 車室内の空気温度を検出する内気温検出手段(111)を備え、
    前記制御手段(8)は、プレ空調開始時に、前記内気温検出手段(111)で検出される車室内温度と算出した目標吹出温度(TAO)との差が所定値未満であって空調負荷が小さい場合、前記目標吹出温度(TAO)を空調感が強くなる側に補正してプレ空調を実施することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用空調装置。
  5. 車室外の空気温度を検出する外気温検出手段(112)、または車室内に照射される日射量を検出する日射量検出手段(113)を備え、
    前記制御手段(8)は、プレ空調で冷房運転を行う場合、前記外気温検出手段(112)で検出される外気温が高い程、または前記日射量検出手段(113)で検出される日射量が多い程、前記目標吹出温度(TAO)を低くする側に補正してプレ空調を実施することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の車両用空調装置。
  6. 前記ダクト(9)は、空気下流端に少なくとも、車両前面窓ガラスの内面に向けて空調風を吹き出すデフロスタ吹出口(11)、乗員の頭胸部に向けて空調風を吹き出すフェイス吹出口(12)、乗員の足元に向けて空調風を吹き出すフット吹出口(13)と、前記吹出口(11〜13)の開閉を切り替える吹出口切替手段(14〜16)とを備え、前記吹出口切替手段(14〜16)の制御によって複数の吹出口モードが選択可能であり、
    前記制御手段(8)は、プレ空調を行う場合、前記吹出口切替手段(14〜16)を制御して、前記デフロスタ吹出口(11)を開かない吹出口モードとしてフェイスモード、バイレベルモード、フットモードのいずれかにすることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の車両用空調装置。
  7. 前記ダクト(9)の空気上流端に配置されて前記ダクト(9)内に導入する内気と外気との比率を調整する内外気調整手段(19)を備え、
    前記制御手段(8)は、プレ空調で暖房運転を行う場合、前記内外気調整手段(19)を制御して、内機循環モードにすることを特徴とする請求項1ないしのいずれかに記載の車両用空調装置。
  8. 少なくとも、前記送風機(26)による車室内への送風量を手動で切り替えるための風量切替手段、吹出口モードを手動で切り替えるための吹出口切替手段、吸込口モードを手動で切り替えるための吸込口切替手段のいずれかを備え、
    前記制御手段(8)は、プレ空調を行う場合、前記送風機(26)の運転制御、前記吹出口切替手段(14〜16)の制御、前記内外気調整手段(19)の制御のいずれも、前記風量切替手段、前記吹出口切替手段、前記吸込口切替手段での設定に優先して実行されることを特徴とする請求項1、3、6、7のいずれかに記載の車両用空調装置。
  9. 車両駐車中に車外からの操作によって空調運転が指示されることにより、車室内のプレ空調が可能な車両用空調装置であり、
    (a)車室内へ向かう空気の空気通路を形成するダクト(9)と、
    (b)前記ダクト(9)内において車室内へ送風する送風機(26)と、
    (c)冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(20)、
    前記ダクト(9)内に配置されて前記圧縮機(20)より吐出された冷媒を凝縮させてその凝縮熱により前記ダクト(9)内の空気を加熱する第1室内熱交換器(61)、
    前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を減圧させる減圧手段(22、24)、
    前記ダクト(9)外に配置されて前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を前記ダクト(9)外の空気と熱交換させて蒸発させる室外熱交換器(23)、
    前記ダクト(9)内において前記第1室内熱交換器(61)よりも空気上流側に配置されて前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を蒸発させてその蒸発熱により前記ダクト(9)内の空気を冷却する第2室内熱交換器(62)、
    前記室外熱交換器(23)に外気を通風させる電動ファン(29)、
    および前記第1室内熱交換器(61)より流出した冷媒を前記室外熱交換器(23)に流す流路または前記第2室内熱交換器(62)に流す流路に切り替える切替手段(31〜33)を備え、
    前記切替手段(31〜33)で流路を切り替えることによって冷房サイクルまたは暖房サイクルで運転可能な冷凍サイクル(100)と、
    (d)前記ダクト(9)内において前記第1室内熱交換器(61)よりも空気下流側に配置されて前記蓄電池(4)から供給される電力を用いて前記ダクト(9)内の空気を加熱する電気式ヒータ(52)と、
    (e)少なくとも前記送風機(26)の稼働率、前記圧縮機(20)、前記電動ファン(29)、前記切替手段(31〜33)、前記電気式ヒータ(52)の作動を制御する制御手段(8)とを備えた車両用空調装置において、
    前記制御手段(8)は、プレ空調時に空調で使用可能な電力に制限がある場合、空調熱源として冷房サイクル、暖房サイクルおよび前記電気式ヒータ(52)のいずれを用いるかに応じて、前記送風機(26)を予め定めたそれぞれの稼働率で運転する場合の消費電力をそれぞれの最低電力とし、前記空調で使用可能な電力から前記圧縮機(20)の消費電力と前記電動ファン(29)の消費電力とを差し引いた電力値と前記最低電力とを比べて大きい方の電力値で前記送風機(26)を運転することを特徴とする車両用空気調和装置。
  10. 車両駐車中に車外からの操作によって空調運転が指示されることにより、車室内のプレ空調が可能な車両用空調装置であり、
    (a)車室内へ向かう空気の空気通路を形成するダクト(9)と、
    (b)前記ダクト(9)内において車室内へ送風する送風機(26)と、
    (c)前記ダクト(9)内に配置されて前記蓄電池(4)から供給される電力を用いて前記ダクト(9)内の空気を加熱する電気式ヒータ(52)と、
    (d)少なくとも前記送風機(26)、前記電気式ヒータ(52)の作動を制御する制御手段(8)とを備えた車両用空調装置において、
    前記制御手段(8)は、プレ空調時に空調で使用可能な電力に制限があり、その電力を超過しないよう電力制限しながら前記電気式ヒータ(52)と前記送風機(26)とを用いてプレ暖房を行う場合、前記電気式ヒータ(52)の起動から所定時間の間は前記電気式ヒータ(52)で使用可能な電力を前記空調で使用可能な電力とすることを特徴とする車両用空気調和装置。
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