JP5828864B2 - 乾式塗装設備 - Google Patents
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Description
また、本発明によれば、作業者は開閉扉を開けることでフィルタ装置のフィルタの保守点検を排気室内から実施できる。また、フィルタ装置のフィルタを保守点検する際にフィルタから落下する物質が排気室内に流入するが、作業者がこの物質をフィルタ装置に通じる開口から排出したり、乾式塗装設備の運転再開に伴いこの物質をエアの流れに乗って排気室内からフィルタ装置に除去したりできる。よって、フィルタ装置のフィルタの保守点検時に作業者による清掃作業などに手間が掛からず、作業者は保守点検に要する時間を節約できる。
本発明によれば、洗浄機が廃液を排気室内にミスト状に噴射する噴霧器を有する。噴霧器から噴射された廃液ミストは、浮遊塗料ミストと同様な組成を有するため、浮遊塗料ミストと同様にエアに含まれて排気室内から開口を通過してフィルタ装置に案内され、フィルタ装置を用いてエアから廃液ミストが除去される。これにより、洗浄機からの廃液を排出するための廃液管が削減でき、設備コストが低減できる。
図1〜図5を参照して、第1実施形態に係る乾式塗装設備1について説明する。
図1は、本実施形態に係る乾式塗装設備1を示す正面断面図である。図2は、本実施形態に係る乾式塗装設備1を示す側面断面図である。図3は、本実施形態に係る乾式塗装設備1のフィルタ装置30を示す断面図である。図4は、本実施形態に係る乾式塗装設備1のエア循環を示す説明図である。
ここで、塗装される被塗装物Pは、自動車のバンパーなどの部品が適用される。また、被塗装物Pは、自動車ボディなどの大型の物であってもよい。
乾式塗装設備1は、各ブースにおいて、塗装室10内で被塗装物Pを塗装し、浮遊塗料ミストを含むエアを塗装室10の下方に塗装室10に沿って設けられた排気室20内に案内し、続いて排気室20内からフィルタ装置30に案内し、フィルタ装置30を用いてエアから浮遊塗料ミストを除去する。
搬送装置11は、被塗装物Pを保持し一定の速度で移動するコンベヤなどである。搬送装置11は、プライマリブース101、ベースブース102およびクリヤブース103に連続している。
壁掛式塗装ロボット13は、多軸の関節で繋がったアーム13aと、アーム13aの先端に取り付けられた塗装ガン13bと、を有する。塗装ガン13bは、壁掛式塗装ロボット13に供給された塗料を塗料ミスト状にして被塗装物Pに噴射する。壁掛式塗装ロボット13は、アーム13aの塗装ガン13bが取り付けられた先端と反対側の基端に繋がった基台13cを側壁の上部に固定される。壁掛式塗装ロボット13は、側壁12の外側に設けられた金属製の支柱15に支持される。
洗浄機14は、壁掛式塗装ロボット13の下方に形成される下部S1において、壁掛式塗装ロボット13の塗装ガン13bが差し込める壁掛式塗装ロボット13のアーム13aの稼働範囲内に配置される。洗浄機14は、洗浄ケース内に貯留された洗浄液を用いて壁掛式塗装ロボット13の塗装ガン13bの外表面および塗装ガン13b内の塗料を洗浄する。
給気チャンバ40は、給気チャンバ40の側壁の外側に隣接するダクト60内に通じる開閉扉42を有する。
バグフィルタ31は、フィルタ装置30の装置ケース37に並列して内装される。バグフィルタ31は、装置ケース37の天面からろ布の円筒状の袋を吊り下げた垂下姿勢に形成される。垂下姿勢のバグフィルタ31は、排気室20の側壁21に形成された開口22よりも高い位置(上部)に配置される。バグフィルタ31は、エアに含まれた浮遊塗料ミストが吸着された粒状の炭酸カルシウムをダクト60に設けられたファン61(図4参照)の作用によって生じる吸引力でその外表面に付着させる。
炭酸カルシウム噴射ノズル32は、図示しないポンプによって粒状の炭酸カルシウムを噴射する。
撹拌エアノズル33は、図示しない高圧エアを送り出すポンプによって撹拌エアを噴射する。撹拌エアノズル33によって噴射されたエアは、粒状の炭酸カルシウムを装置ケース37内で舞い上がらせる。また、撹拌エアノズル33は、塗料ミストと炭酸カルシウム噴射ノズル32から噴射される粒状の炭酸カルシウムとを撹拌する気流を発生させて塗料ミストを粒状の炭酸カルシウムに付着させる働きをする。
ホッパー34は、バグフィルタ31の下方に配置され、下方へ向かうに連れて縮径する円錐状のじょうご型の貯蔵部である。ホッパー34は、バグフィルタ31から落下した粒状の炭酸カルシウムを捕集する。
ロータリーバルブ35は、電磁駆動される開閉弁であり、ホッパー34の最も縮径した最下部に取り付けられる。ロータリーバルブ35が開弁することで、ホッパー34に捕集された粒状の炭酸カルシウムをフィルタ装置30から排出する。フィルタ装置30から排出された粒状の炭酸カルシウムは、回収ホッパー38に回収される(図4参照)。
逆洗エア装置36は、バグフィルタ31の上部に配置され、定期的にバグフィルタ31の内部にダクト60内のエアである逆洗エアを噴射する。逆洗エア装置36が逆洗エアを噴射することで、バグフィルタ31に付着した粒状の炭酸カルシウムが定期的にホッパー34に落下する。
また、排気室20内にフィルタ装置30の保守点検用の開閉扉24が設けられ、作業者は開閉扉24を開き排気室20からフィルタ装置30の保守点検が行われる(図5参照)。
ダクト60の途中には、エアを送出させるファン61が設けられる。ファン61は、羽根車を回転駆動することでダクト60内のエアを給気チャンバ40に送出する。ファン61がダクト60内のエアを給気チャンバ40に送出させることで、乾式塗装設備1のエアは、給気チャンバ40から塗装室10内、排気室20内およびフィルタ装置30を経由してダクト60内に至って循環する。このエアの循環に伴い、フィルタ装置30のバグフィルタ31は、ファン61の作用によってフィルタ装置30のエアを引き込み、その外表面に炭酸カルシウムを付着可能な吸引力を発生させる。
乾式塗装設備1は、塗装室10内で壁掛式塗装ロボット13によって塗装ガン13bから塗料を塗料ミスト状に噴射することで、搬送装置11によって搬送される被塗装物Pを塗装する。
塗装時に発生した塗装室10内を浮遊する浮遊塗料ミストを含むエアは、給気チャンバ40によって塗装室10内に上方から供給された換気用エアと入れ換えて下方に流され、スノコ部71に集まって排気室20内に案内される。塗装室10内において、仕切り部70の端部72が小さくスノコ部71が幅広いことと、壁掛式塗装ロボット13が壁掛けられて下方に下部S1の空間を有することとから、フィルタ装置30に向かう浮遊塗料ミストを含むエアの流れが塗装室10内の壁掛式塗装ロボット13および被塗装物Pにより阻害され難く、被塗装物Pより下方を流れるエアの流れをスムーズにしている。排気室20内に案内された浮遊塗料ミストを含むエアは、スノコ部71から上方の幅方向中央部を始点として下方に山の稜線状に拡散して両側壁21それぞれの開口22に流れる。開口22に流れた浮遊塗料ミストを含むエアは、フィルタ装置30に流入する。
フィルタ装置30では、粒状の炭酸カルシウムが炭酸カルシウム噴射ノズル32から噴射されると共に撹拌エアが撹拌エアノズル33から噴射され、粒状の炭酸カルシウムが舞い上がっており、開口22から流入したエアに含まれる浮遊塗料ミストを、粒状の炭酸カルシウムおよび撹拌エアと撹拌して舞い上がっている粒状の炭酸カルシウムに吸着させる。浮遊塗料ミストを吸着させた粒状の炭酸カルシウムは、ダクト60の途中に配置されたファン61の作用によって吸引力を発揮している垂下姿勢のバグフィルタ31の外表面に付着する。これにより、浮遊塗料ミストは、炭酸カルシウムに吸着され、この炭酸カルシウムをバグフィルタ31に付着させることでダクト60内に流入するエアから除去される。バグフィルタ31に付着した粒状の炭酸カルシウムは、逆洗エア装置36が定期的に逆洗エアをバグフィルタ31の内部に噴射することでバグフィルタ31から落下させられ、ホッパー34に捕集される。ホッパー34に捕集された粒状の炭酸カルシウムは、ロータリーバルブ35を開弁することでフィルタ装置30から排出され、回収ホッパー38に回収される。
ここで、新規な粒状の炭酸カルシウムは、プライマリブース101およびベースブース102において炭酸カルシウム噴射ノズル32に供給されて使用される。そして、プライマリブース101およびベースブース102においてフィルタ装置30から排出された粒状の炭酸カルシウムは、ふるいにかけられて再利用される。再利用される粒状の炭酸カルシウムは、クリヤブース103において炭酸カルシウム噴射ノズル32に供給されて使用される。クリヤブース103においてフィルタ装置30から排出された粒状の炭酸カルシウムは、ふるいにかけられて除去された粒状の炭酸カルシウムと一緒に廃棄される。
一方、ダクト60内に流入したエアは、ダクト60を経由して給気チャンバ40に換気用エアとして供給される。換気用エアは、給気チャンバ40において、バグフィルタ41およびフィルタ51によって清浄され、温度および湿度を管理されつつ塗装室10内に供給される。
図5に示すように、作業者は、図示しないドアから排気室20内に入り、開閉扉24を開放することでフィルタ装置30内にアクセスできる。ここで、フィルタ装置30のバグフィルタ31は、排気室20の側壁21に形成された開口22よりも高い位置に配置されている。また、開閉扉24は、排気室20の側壁21に形成された開口22の直上に設けられている。このため、作業者は、開閉扉24を開放するだけで、排気室20内の開閉扉24を開いた正面にバグフィルタ31を露出でき、バグフィルタ31の保守点検を排気室20内から容易に実施できる。
また、フィルタ装置30のバグフィルタ31を保守点検する際にバグフィルタ31から落下する炭酸カルシウムが排気室20内に流入する。排気室20内に流入した炭酸カルシウムは、排気室20内に開口している開口22を利用して排出させられる。さらに、炭酸カルシウムは、乾式塗装設備1の運転再開に伴いエアの流れに乗って開口22に流入して排気室20内からフィルタ装置30に除去される。よって、フィルタ装置30のバグフィルタ31の保守点検時に作業者による清掃作業などに手間を掛けず、作業者は保守点検に要する時間を節約できる。
第2実施形態では、排気室20の底面23aおよびその下方の構成が第1実施形態と異なるが他の部分は同様であるため、その特徴部分を説明し、同様の構成については説明を省略する。
図6は、本実施形態に係る乾式塗装設備1Aを示す正面断面図である。図7は、本実施形態に係る乾式塗装設備1Aを示す側面断面図である。
乾式塗装設備1Aは、各ブースにおいて、塗装室10内で被塗装物Pを塗装し、塗料ミストを含むエアを塗装室10の下方に塗装室10に沿って設けられた排気室20内に案内し、続いて排気室20内からフィルタ装置30に案内し、フィルタ装置30を用いてエアから浮遊塗料ミストを除去する。
ここで、排気室20内に案内された浮遊塗料ミストを含むエアは、天面のスノコ部71から上方の幅方向中央部を始点として下方に山の稜線状に拡散して両側壁21それぞれの開口22に流れる。本実施形態では、排気室20の底面23aは、幅方向中央部を上方に突出させた凸部23bが形成されるため、上記のような排気室20内のエアの流れを阻害せず、開口22に容易に流れるように案内する。
塗料調合室90は、塗料供給タンク91と、塗料供給ポンプ92と、補給ドラム缶93と、を有する。
塗料供給タンク91は、塗装室10内の壁掛式塗装ロボット13に供給される塗料が貯留される。
塗料供給ポンプ92は、塗料配管25を介して塗料供給タンク91に貯留された塗料を塗装室10内の壁掛式塗装ロボット13に汲み上げる。
補給ドラム缶93は、塗料供給タンク91に補給される塗料を格納したドラム缶である。
ここで、塗料配管25aは、排気室20内を経由して、塗料調合室90内の塗料供給ポンプ92および塗装室10内の壁掛式塗装ロボット13にまっすぐ接続される。このため、塗料供給ポンプ92から壁掛式塗装ロボット13までの距離が短く、塗料配管25aの長さが短縮される。
図8に示すように、作業者は、図示しないドアから排気室20内に入り、図示するように開閉扉24a,24bを左右に開放することでフィルタ装置30内にアクセスできる。ここで、フィルタ装置30のバグフィルタ31は、排気室20の側壁21に形成された開口22よりも高い位置に配置されている。また、開閉扉24a,24bは、排気室20の側壁21に形成された開口22の直上に設けられている。このため、作業者は、開閉扉24a,24bを開放するだけで、排気室20内の開閉扉24a,24bを開いた正面にバグフィルタ31を露出でき、バグフィルタ31の保守点検を排気室20内から容易に実施できる。
また、フィルタ装置30のバグフィルタ31を保守点検する際にバグフィルタ31から落下する炭酸カルシウムが排気室20内に流入する。このとき、排気室20内に流入した炭酸カルシウムは、排気室20の底面23aを幅方向中央部に上方に突出させた凸部23bを有するため、底面23aを最も低くした一対の平面23a3それぞれに集合して拡散しない。一対の平面23a3それぞれに集合した炭酸カルシウムは、排気室20内に開口している開口22を利用して排出させられる。さらに、炭酸カルシウムは、乾式塗装設備1Aの運転再開に伴いエアの流れに乗って側壁21に形成された開口22に流入して排気室20内からフィルタ装置30に除去される。よって、フィルタ装置30のバグフィルタ31の保守点検時に作業者の清掃作業などに手間を掛けず、作業者は保守点検に要する時間を節約できる。
また、作業者は、塗料を調合するために塗料調合室90内に入る。このとき、塗料調合室90は、排気室20の幅方向中央部に凸部23bを有する底面23aの凸部23bの直下の空間を利用し、天面を上方に突出させた幅方向中央部に高さ方向に広い空間を有する。このため、作業者は、排気室20の底面23aの頂面23a1部分の下部で安楽な姿勢で作業を実施でき、作業効率がよい。
第3実施形態では、塗装室10の洗浄機14aの構成が第2実施形態と異なるが他の部分は同様であるため、その特徴部分を説明し、同様の構成については説明を省略する。
図9は、本実施形態に係る乾式塗装設備1Bを示す正面断面図である。
乾式塗装設備1Bは、各ブースにおいて、塗装室10内で被塗装物Pを塗装し、塗料ミストを含むエアを塗装室10の下方に塗装室10に沿って設けられた排気室20内に案内し、続いて排気室20内からフィルタ装置30に案内し、フィルタ装置30を用いてエアから浮遊塗料ミストを除去する。
洗浄機14aは、壁掛式塗装ロボット13の下方に形成される下部S1において、壁掛式塗装ロボット13の塗装ガン13bが差し込める壁掛式塗装ロボット13のアーム13aの稼働範囲内に配置される。洗浄機14aは、洗浄液の供給管26から供給される洗浄液を用いて壁掛式塗装ロボット13の塗装ガン13bの外表面および塗装ガン13b内の塗料を洗浄する。
洗浄液の供給管26は、排気室20の隅部S2において排気室20の延設方向に延び、プライマリブース101、ベースブース102およびクリヤブース103を横切って洗浄機14aと図示しない洗浄液供給室とを接続する。
また、洗浄機14aは、壁掛式塗装ロボット13を洗浄した廃液を排気室20内にミスト状に噴射する噴霧器14bを有する。噴霧器14bは、塗装室10内の洗浄機14aから排気室20内に延設された廃液管14b1と、排気室20内の廃液管の先端で廃液をミスト状に噴射するヘッド14b2と、を有する。噴霧器14bから噴射された廃液ミストは、浮遊塗料ミストとほぼ同様な組成を有するため、浮遊塗料ミストと同様にエアに含まれて排気室20内から開口22を通過してフィルタ装置30に案内され、フィルタ装置30で粒状の炭酸カルシウムに吸着される。
上記実施形態では、塗装室内の両側壁に一対の壁掛式塗装ロボットを設け、排気室の下方に左右一対の開口を設け、一対の開口それぞれから通じる一対のフィルタ装置を設けていた。しかし、本発明はこのような実施形態に限定されない。例えば、壁掛式塗装ロボット、開口およびフィルタ装置などは、片側のみに1箇所設けられてもよい。
10…塗装室
13…壁掛式塗装ロボット
14,14a…洗浄機
14b…噴霧器
20…排気室
21…側壁
22…開口
23a…底面
23b…凸部
24,24a,24b…開閉扉
25…塗料配管
70…仕切り部
71…スノコ部
72…端部
90…塗料調合室
92…塗料供給ポンプ
S1…下部
S2…隅部
Claims (2)
- 室内に塗装手段を有する塗装室と、
前記塗装室の下方に前記塗装室に沿って設けられ、塗料ミストを含むエアから塗料ミストを除去するフィルタ装置を両側壁の外側に有する排気室と、を備える乾式塗装設備であって、
前記塗装室と前記排気室とを仕切る仕切り部には、前記塗料ミストを含むエアを通過可能とするスノコ部が形成され、
前記塗装手段は、前記塗装室の側壁に設けられた壁掛式の塗装機であり、前記塗装機の下方に形成される空間の下部に前記仕切り部の端部が位置し、
前記排気室の側壁の下部には、前記フィルタ装置に通じる開口が形成され、前記排気室の前記側壁には、前記開口の上部に位置する開閉可能な開閉扉が設けられ、
前記仕切り部の前記端部の下方で、前記排気室の前記側壁の前記開閉扉より上方の上部が位置した隅部の空間には、前記塗装手段に塗料を供給する塗料配管が設けられ、
前記塗装室内の前記塗装機の下方に形成される空間には、前記塗装手段を洗浄する洗浄機が設けられ、前記洗浄機の配管が前記隅部の空間に設けられることを特徴とする乾式塗装設備。 - 前記洗浄機は、廃液を前記排気室内にミスト状に噴射する噴霧器を有することを特徴とする請求項1に記載の乾式塗装設備。
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