JP5799050B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5799050B2
JP5799050B2 JP2013075197A JP2013075197A JP5799050B2 JP 5799050 B2 JP5799050 B2 JP 5799050B2 JP 2013075197 A JP2013075197 A JP 2013075197A JP 2013075197 A JP2013075197 A JP 2013075197A JP 5799050 B2 JP5799050 B2 JP 5799050B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
general formula
ring
sensitive
alkyl group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013075197A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014199358A (ja
Inventor
夏海 横川
夏海 横川
滝沢 裕雄
裕雄 滝沢
修史 平野
修史 平野
英明 椿
英明 椿
亘 二橋
亘 二橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2013075197A priority Critical patent/JP5799050B2/ja
Priority to TW103111148A priority patent/TWI659264B/zh
Publication of JP2014199358A publication Critical patent/JP2014199358A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5799050B2 publication Critical patent/JP5799050B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Photosensitive Polymer And Photoresist Processing (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスに関する。より詳細には、本発明は、超LSI及び高容量マイクロチップの製造プロセス、ナノインプリント用モールド作成プロセス並びに高密度情報記録媒体の製造プロセス等に適用可能な超マイクロリソグラフィプロセス、並びにその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスに関する。
従来、ICやLSIなどの半導体デバイスの製造プロセスにおいては、フォトレジスト組成物を用いたリソグラフィーによる微細加工が行われている。近年、集積回路の高集積化に伴い、サブミクロン領域やクオーターミクロン領域の超微細パターン形成が要求されるようになってきている。それに伴い、露光波長もg線からi線に、更にKrFエキシマレーザー光に、というように短波長化の傾向が見られる。さらには、現在では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線、又はEUV光を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。
このようなリソグラフィー技術の開発において、例えば、フォトレジスト組成物に用いられる光酸発生剤についても種々の提案がなされている(例えば、特許文献1、2参照)。
例えば、特許文献1には、ベンゼンスルホン酸系の光酸発生剤が記載されている。特許文献2には、酸によって切断される結合を有するフッ化アルキルスルホン酸系の光酸発生剤が記載されている。特に電子線リソグラフィーは、次世代若しくは次々世代のパターン形成技術として位置付けられ、高感度、高解像性のポジ型レジストが望まれている。特にウェハー処理時間の短縮化のために高感度化は重要な課題であるが、電子線用ポジ型レジストにおいては、高感度化を追求しようとすると、解像力の低下が起こりやすいという問題が生じる。
このように、高感度と、高解像力、更には、良好なパターン形状はトレードオフの関係にあり、これを如何にして同時に満足させるかが重要である。
また、X線やEUV光を用いるリソグラフィーにおいても同様に高感度、高解像力、良好なパターン形状を同時に満足させることが重要な課題となっている。
しかしながら、ポジ型の画像形成方法では、孤立のラインやドットパターンは良好に形成できるが、孤立のスペースや微細なホールパターンを形成した場合には、パターンの形状が劣化しやすい。
また近年では、有機溶剤を含んだ現像液(有機系現像液)を用いたパターン形成方法も開発されつつある。この方法によると、高精度な微細パターンを安定的に形成することが可能になるとされている。例えば、特許文献3には、ブリッジ前寸法の解像力等の観点から酸の作用により分解する基を有する光酸発生剤が記載されている。
しかしながら、有機溶剤を含んだ現像液を用いた、スペース幅の狭い微細パターン形成における露光ラチチュード(EL)、パターン形状、孤立スペースパターン形成の解像力について更なる性能改良が求められているのが実状である。
特開2005−97254号公報 特開2007−199692号公報 特開2012−27436号公報
本発明の目的は、スペース幅の狭い微細パターン(例えば、数十nmオーダー)の形成において露光ラチチュード(EL)及びパターン形状に優れ、特に、アルカリ現像においては形成が困難な微細な孤立スペースパターンを高解像力で形成することができる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスを提供することにある。
すなわち本発明は以下の通りである。
<1>
下記一般式(X)で表される化合物を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。


上記一般式中、
Arは、(m+1)価の芳香族基を表し、前記Arは、上記一般式(X)中のスルホン酸アニオン及びm個の(P−L)基以外の置換基を更に有していてもよい。
は有機カチオンを表す。
mは、1以上の整数を表す。
Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lが複数存在するとき、複数のLは同一であっても異なっていてもよい。
Pは下記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を表す。Pが複数存在するとき、複数のPは同一であっても異なっていてもよい。
ただし、Pが下記一般式(I)で表される基であるとき、Lは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、エーテル結合、エステル結合、又はこれらの2種以上を組み合わせてなる2価の連結基である。


上記一般式(I)中、
11 は水素原子又はアルキル基を表す。
12 は水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
13 はエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
11 及びR 12 は互いに結合して環を形成していても良い。
12 及びR 13 は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(II)中、
21 及びR 22 は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
23 及びR 24 は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
25 は水素原子又はアルキル基を表す。
23 〜R 25 のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成しても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(III)中、
は3価の連結基を表す。
31 及びR 34 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
32 及びR 35 は、各々独立に、水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
33 及びR 36 は、各々独立に、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
31 及びR 32 は互いに結合して環を形成していても良い。
34 及びR 35 は互いに結合して環を形成していても良い。
32 及びR 33 は互いに結合して環を形成していても良い。
35 及びR 36 は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(IV)中、
は3価の連結基を表す。
41 及びR 42 は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R 41 及びR 42 は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
<2>
前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)で表される基であり、かつLについてのアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基が置換基を有するとき、前記置換基が、ハロゲン原子を有する基、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基である、<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<3>
前記一般式(X)におけるLがフェニレン基を有する2価の連結基である、<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<4>
前記一般式(X)におけるLが単結合である、<1>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<5>
下記一般式(X)で表される化合物を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。


上記一般式中、
Arは、(m+1)価の芳香族基を表し、前記Arは、上記一般式(X)中のスルホン酸アニオン及びm個の(P−L)基以外の置換基を更に有していてもよい。
は有機カチオンを表す。
mは、1以上の整数を表す。
Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lが複数存在するとき、複数のLは同一であっても異なっていてもよい。
Pは下記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を表す。Pが複数存在するとき、複数のPは同一であっても異なっていてもよい。


上記一般式(I)中、
11 は水素原子又はアルキル基を表す。
12 は、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
13 はエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
11 及びR 12 は互いに結合して環を形成していても良い。
12 及びR 13 は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(II)中、
21 及びR 22 は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
23 及びR 24 は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
25 は水素原子又はアルキル基を表す。
23 〜R 25 のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成しても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(III)中、
は3価の連結基を表す。
31 及びR 34 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
32 及びR 35 は、各々独立に、水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
33 及びR 36 は、各々独立に、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
31 及びR 32 は互いに結合して環を形成していても良い。
34 及びR 35 は互いに結合して環を形成していても良い。
32 及びR 33 は互いに結合して環を形成していても良い。
35 及びR 36 は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(IV)中、
は3価の連結基を表す。
41 及びR 42 は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R 41 及びR 42 は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
<6>
12 が炭素数1〜15のアルキル基である、<5>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<7>
12 が第3級炭素原子を有する分岐状アルキル基である、<5>又は<6>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<8>
Pが前記一般式(II)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基である、<1>〜<7>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<9>
前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)で表される基であるとき、Lが単結合又は−L −COO−である(L は単結合又は2価の連結基を表す。)、<1>又は<5>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<10>
前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)又は(II)で表される基であり、前記一般式(I)のとき、Lが−L −COO−である(L は単結合又は2価の連結基を表す。)、<1>又は<5>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<11>
前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)で表される基であり、Lが−L −COO−である(L は単結合又は2価の連結基を表す。)、<10>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<12>
前記一般式(X)におけるPが前記一般式(II)で表される基であり、Lが2価の連結基である、<1>又は<5>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<13>
前記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有する繰り返し単位を含有する樹脂を更に含有する、<1>又は<5>に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<14>
酸の作用により分解してカルボキシル基を発生し得る前記一般式(I)で表される基を有する繰り返し単位又は前記一般式(II)で表される基を有する繰り返し単位を含有する樹脂を更に含有する、<1>、<5>及び<13>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<15>
極紫外線又は電子線により露光される<1>〜<14>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
<16>
<1>〜<15>のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されるレジスト膜。
<17>
<16>に記載のレジスト膜を露光する工程、及び前記露光した膜を現像する工程を有するパターン形成方法。
<18>
前記露光が、極紫外線又は電子線により行われる<17>に記載のパターン形成方法。
<19>
前記現像が、有機溶剤を含む現像液を用いて行われる<17>又は<18>に記載のパターン形成方法。
<20>
<17>〜<19>のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、半導体デバイスの製造方法。
本発明は、上記<1>〜<20>に係る発明であるが、以下、それ以外の事項(例えば、下記〔1〕〜〔20〕)についても記載している。
〔1〕
下記一般式(X)で表される化合物を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
上記一般式中、
Arは、(m+1)価の芳香族基を表し、前記Arは、上記一般式(X)中のスルホン酸アニオン(SO )及びm個の(P−L)基以外の置換基を更に有していてもよい。
は有機カチオンを表す。
mは、1以上の整数を表す。
Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lが複数存在するとき、複数のLは同一であっても異なっていてもよい。
Pは下記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を表す。Pが複数存在するとき、複数のPは同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(I)中、
11は水素原子又はアルキル基を表す。
12は水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
13はエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
11及びR12は互いに結合して環を形成していても良い。
12及びR13は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(II)中、
21及びR22は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
23及びR24は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
25は水素原子又はアルキル基を表す。
23〜R25のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成しても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(III)中、
は3価の連結基を表す。
31及びR34は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
32及びR35は、各々独立に、水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
33及びR36は、各々独立に、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
31及びR32は互いに結合して環を形成していても良い。
34及びR35は互いに結合して環を形成していても良い。
32及びR33は互いに結合して環を形成していても良い。
35及びR36は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(IV)中、
は3価の連結基を表す。
41及びR42は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R41及びR42は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
〔2〕
前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)で表される基であるとき、Lが単結合又は−L−COO−である(Lは単結合又は2価の連結基を表す。)、〔1〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔3〕
前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)又は(II)で表される基であり、前記一般式(I)のとき、Lが−L−COO−である(Lは単結合又は2価の連結基を表す。)、〔1〕又は〔2〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔4〕
前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)で表される基であり、Lが−L−COO−である(Lは単結合又は2価の連結基を表す。)、〔3〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔5〕
前記一般式(X)におけるPが前記一般式(II)で表される基であり、Lが2価の連結基である、〔1〕に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔6〕
前記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有する繰り返し単位を含有する樹脂を更に含有する、〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔7〕
酸の作用により分解してカルボキシル基を発生し得る前記一般式(I)で表される基を有する繰り返し単位又は前記一般式(II)で表される基を有する繰り返し単位を含有する樹脂を更に含有する、〔1〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔8〕
極紫外線又は電子線により露光される〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔9〕
〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されるレジスト膜。
〔10〕
〔9〕に記載のレジスト膜を露光する工程、及び前記露光した膜を現像する工程を有するパターン形成方法。
〔11〕
前記露光が、極紫外線又は電子線により行われる〔10〕に記載のパターン形成方法。
〔12〕
前記現像が、有機溶剤を含む現像液を用いて行われる〔10〕又は〔11〕に記載のパターン形成方法。
〔13〕
〔10〕〜〔12〕のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、半導体デバイスの製造方法。
〔14〕
〔13〕に記載の半導体デバイスの製造方法により製造された半導体デバイス。
本発明は、更に、下記構成であることが好ましい。
〔15〕
前記一般式(X)で表される化合物。
〔16〕
前記Arが上記一般式(X)中のスルホン酸アニオン(SO )及びm個の(P−L)基以外に有する置換基がフッ素原子である、上記〔1〕〜〔8〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔17〕
有機カチオンAがスルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンである、上記〔1〕〜〔8〕及び〔16〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔18〕
上記一般式(II)におけるR21及びR22が互いに結合して環を形成することがなく、R23〜R25と結合して環を形成することがない、上記〔1〕〜〔8〕、〔16〕及び〔17〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔19〕
更に、塩基性化合物を含有する、上記〔1〕〜〔8〕及び〔16〕〜〔18〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
〔20〕
更に、界面活性剤を含有する、上記〔1〕〜〔8〕及び〔16〕〜〔19〕のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
本発明によれば、スペース幅の狭い微細パターン(例えば、数十nmオーダー)の形成においてEL及びパターン形状に優れ、特に、アルカリ現像においては形成が困難な微細な孤立スペースパターンを高解像力で形成することができる感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び電子デバイスを提供することができる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記において、置換又は無置換を明示していない表記は、置換基を有していないものと置換基を有しているものとの双方が含まれることとする。例えば、置換又は無置換を明示していない「アルキル基」は、置換基を有していないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有しているアルキル基(置換アルキル基)をも包含することとする。
本明細書における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外(EUV)線、X線又は電子線(EB)を意味している。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味している。
また、本発明における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線及びEUV光等による露光のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、下記一般式(X)で表される化合物を含有する。
上記一般式中、
Arは、(m+1)価の芳香族基を表し、前記Arは、上記一般式(X)中のスルホン酸アニオン(SO )及びm個の(P−L)基以外の置換基を更に有していてもよい。
は有機カチオンを表す。
mは、1以上の整数を表す。
Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lが複数存在するとき、複数のLは同一であっても異なっていてもよい。
Pは下記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を表す。Pが複数存在するとき、複数のPは同一であっても異なっていてもよい。
上記一般式(I)中、
11は水素原子又はアルキル基を表す。
12は水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
13はエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
11及びR12は互いに結合して環を形成していても良い。
12及びR13は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(II)中、
21及びR22は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
23及びR24は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
25は水素原子又はアルキル基を表す。
23〜R25のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成しても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(III)中、
は3価の連結基を表す。
31及びR34は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
32及びR35は、各々独立に、水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
33及びR36は、各々独立に、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
31及びR32は互いに結合して環を形成していても良い。
34及びR35は互いに結合して環を形成していても良い。
32及びR33は互いに結合して環を形成していても良い。
35及びR36は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
上記一般式(IV)中、
は3価の連結基を表す。
41及びR42は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R41及びR42は互いに結合して環を形成していても良い。
*は結合手を表す。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、スペース幅の狭い微細パターン(例えば、数十nmオーダー)の形成においてEL及びパターン形状に優れ、特に、アルカリ現像においては形成が困難なパターン(例えば、孤立スペースパターンなど)を高解像力で形成することができる。その理由は定かではないが、以下のように推定される。
前記一般式(X)における前記一般式(I)〜(IV)で表される基はいずれも、活性化エネルギー(Ea)が小さく、酸の作用による分解反応の反応性が高い。これによりレジスト膜における露光部と非露光部と間で前記一般式(X)における上記分解反応の進行度合いのディスクリミネーション(コントラスト)が明確になるものと考えられる。
特に、微細なパターン形成においては光酸発生剤のレジスト膜中の含有割合が比較的多量で要求され得る。このような場合、前記一般式(X)における上記分解反応の進行度合いのコントラストはレジスト膜の現像液に対する溶解ディスクリミネーション(以下、溶解コントラストともいう)に影響し得る。
以上のように、前記一般式(X)で表される化合物を使用することで、それを含有するレジスト膜の現像液に対する溶解ディスクリミネーションが向上し、EL、パターン形状が向上し、特に、アルカリ現像においては形成が困難なパターン(例えば、孤立スペースパターンなど)を高解像力で形成することができるものと推定される。
また、前記一般式(X)で表される化合物が、(m+1)価の芳香族基Arを有することにより、特許文献2に記載のフッ化アルキルスルホン酸のような超強酸を用いた場合と比べて、未露光部の酸をクエンチする効果が適切に働き、パターン形状を向上させるものと推定される。
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、ネガ型の現像(露光部がパターンとして残り、未露光部が除去される現像)に用いてもよく、ポジ型の現像(露光部が除去され、未露光部がパターンとして残る現像)に用いてもよい。即ち、本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、有機溶剤を含む現像液を用いた現像に用いられる有機溶剤現像用の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であってもよく、アルカリ現像液を用いた現像に用いられるアルカリ現像用の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物であってもよい。ここで、有機溶剤現像用とは、少なくとも、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味し、アルカリ現像用とは、少なくとも、アルカリ現像液を用いて現像する工程に供される用途を意味する。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、典型的にはレジスト組成物であり、ネガ型のレジスト組成物(即ち、有機溶剤現像用のレジスト組成物)であることが、特に高い効果を得ることができることから好ましい。また本発明に係る組成物は、典型的には化学増幅型のレジスト組成物である。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物が露光され得る好ましい活性光線又は放射線としては、例えば、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線、X線及び極紫外線(EUV光)が挙げられる。電子線、X線又はEUV光により露光されることが好ましく、特に微細なパターンを形成する観点からEUV光又は電子線により露光されることがより好ましい。
[1]前記一般式(X)で表される化合物
以下、前記一般式(X)で表される化合物について説明する。
(m+1)価の芳香族基Arとしては、上記一般式(X)中のスルホン酸アニオン(SO )及びm個の(P−L)基以外の置換基を有していても良く、炭素数3〜35の芳香族基であることが好ましく、炭素数6〜35の芳香族基であることがより好ましい。mが1である場合における2価の芳香族基は、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、2価のジフェニル基、2価のジフェニルエーテル基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香族基が好ましい例として挙げられ、フェニレン基、ナフチレン基であることが好ましい。
mが2以上の整数である場合における(m+1)価の芳香族基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(m−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
(m+1)価の芳香族基は、上記一般式(X)中のスルホン酸アニオン(SO )及びm個の(P−L)基以外の置換基を有していても良く、前記置換基としては、例えば、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)を有する基、ハロゲン原子(フッ素原子等)、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、発生酸の酸強度を向上させる観点から、フッ素原子を有する基(例えば、フッ素原子を有する、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基等)又はフッ素原子であることが好ましい。
また、後述するように、発生酸の拡散性を制御させパターンの形状、解像力及びELを向上させる観点からは、前記置換基は嵩高い置換基であることが好ましく、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基であることがより好ましい。
mは、1以上の整数を表し、1〜6の整数であることが好ましく、1〜3の整数であることがより好ましく、1であることが更に好ましい。
Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lが複数存在するとき、複数のLは同一であっても異なっていてもよい。
Lについての2価の連結基としては、炭素数30以下の2価の連結基であることが好ましく、アルキレン基(直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、炭素数1〜10のアルキレン基であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることがより好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基など)、シクロアルキレン基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基など)、アリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)、エーテル結合、チオエーテル結合、カルボニル基、エステル結合、スルホキシド結合、スルホン結合、スルホン酸エステル結合、及びこれらの2種以上を組み合わせてなる2価の連結基等が挙げられる。
Lとしては、単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基(好ましくは、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基)、アリーレン基(好ましくは、フェニレン基)、エーテル結合、エステル結合、又はこれらの2種以上を組み合わせてなる2価の連結基であることが好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基、シクロヘキシレン基又はフェニレン基の少なくとも1つと、エーテル結合又はエステル結合の少なくとも1つとを組み合わせてなる2価の連結基であることがより好ましい。
Lについてのアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基は置換基を有していてもよく、前記置換基の具体例及び好ましい例としては、(m+1)価の芳香族基Arが有し得る置換基について前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
また、(m+1)価の芳香族基Ar、Lについてのアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基は発生酸の拡散性を制御させパターンの形状、解像力及びELを向上させる観点から、嵩高い(例えば、炭素数3〜15)、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を置換基として有することが好ましい。上記観点から、上記置換基としてアルキル基は、炭素数3〜15の第2級ないしは第3級炭素原子を有する分岐状アルキル基であることがより好ましく、炭素数3〜10の第2級ないしは第3級炭素原子を有する分岐状アルキル基であることが更に好ましい。
上記一般式(X)におけるPは前記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を表す。ただし、溶解コントラストを向上させ、パターンの形状、解像力及びELを向上させる観点から、前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)で表される基であるとき、Lは単結合又は−L−COO−であることが好ましい。ここで、Lは単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基であることが好ましい。Lについての2価の連結基の具体例としては、Lについての2価の連結基と同様のものが挙げられる。
同様に、溶解コントラストを向上させ、パターンの形状、解像力及びELを向上させる観点から、Pが前記一般式(II)で表される基であるとき、隣接するLは2価の連結基であることが好ましい。
Pについての前記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群の中でも、有機系現像液に対しては化合物の溶解抑止性が高く、アルカリ現像液に対しては化合物の溶解促進性が高いカルボン酸基を発生する観点から、Lが−L−COO−である場合の前記一般式(I)で表される基又は前記一般式(II)で表される基であることが好ましい。
特に反応性が高く、上述の有機系現像液に対する溶解抑止性が高く、アルカリ現像液に対する溶解促進性が高いカルボン酸基を発生する観点から、Lが−L−COO−である場合の前記一般式(I−1)で表される基であることが特に好ましい。
上記一般式(I)で表される基について説明する。
上記一般式(I)におけるR11についてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、炭素数1〜5のアルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基等が挙げられる。
11は水素原子であることが好ましい。
12は水素原子、エーテル結合(−O−)又はカルボニル基(−CO−)を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
12としてのアルキル基は、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよく、直鎖状であっても分岐であってもよく、置換基を有していてもよく、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を挙げることができる。
12としてのシクロアルキル基は、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよく、置換基を有していてもよく、炭素数3〜15個のシクロアルキル基であることが好ましく、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
12としてのアリール基は、置換基を有していてもよく、例えば炭素数6〜15個のアリール基であることが好ましく、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基等を挙げることができる。
12としてのアラルキル基としては、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
12としては、水素原子もしくは炭素数1〜15のアルキル基であることが好ましく、水素原子もしくは炭素数1〜11のアルキル基であることがより好ましく、いずれも性能は良いが、熱安定性に鑑みると、水素原子もしくは第3級炭素原子を有する分岐状アルキル基が好ましい。
13はエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
13としてのアルキル基はエーテル結合を含んでいてもよく、直鎖状であっても分岐であってもよく、置換基を有していてもよく、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜15のアルキル基であることがより好ましい。
13としてのシクロアルキル基はエーテル結合を含んでいてもよく、炭素数3〜15個のシクロアルキル基であることが好ましい。
13としてのアリール基及びアラルキル基としては、R12のアリール基、アラルキル基として前述したアリール基及びアラルキル基と同様のものが挙げられる。
11及びR12が互いに結合して形成し得る環としては、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよく、置換基を有していてもよく、5又は6員環であることが好ましい。
12及びR13が互いに結合して形成し得る環としては、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよく、置換基を有していてもよく、5又は6員環であることが好ましい。
上述した各基、環が有し得る置換基の具体例及び好ましい例としては、(m+1)価の芳香族基Arが有し得る置換基について前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
特に、R13についてのエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基は、置換基としてフッ素原子を有していることが好ましい。
上記一般式(I)で表される基の具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記一般式(II)で表される基について説明する。
21及びR22は酸分解反応の反応性低下を防ぐ観点から、互いに結合して、もしくはR23〜R25と結合して環を形成することがないことが好ましい。
上記R21〜R25としてのアルキル基は、置換基を有していてもよく、炭素数1〜15のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基及びドデシル基などが挙げられる。
21及びR22としてのアルキル基としては炭素数1〜4のアルキル基であることがより好ましく、メチル基又はエチル基であることが更に好ましく、エチル基であることが特に好ましい。
21〜R24としてのアラルキル基としては、R12のアラルキル基として前述したアラルキル基と同様のものが挙げられる。
23〜R25が環を形成しない場合、R25としては水素原子もしくはメチル基であることが好ましい。
23〜R25のうちの少なくとも2つが、互いに結合して形成する環は、置換基を有していてもよく、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等を挙げることができる。なお、シクロアルキル構造中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
上述した各基、環が有し得る置換基の具体例及び好ましい例としては、(m+1)価の芳香族基Arが有し得る置換基について前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
上記一般式(II)で表される基の具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記一般式(III)で表される基について説明する。
31及びR34は、各々独立に、上記一般式(I)におけるR11と同義であり、具体例、好ましい例も同様である。
32及びR35は、各々独立に、上記一般式(I)におけるR12と同義であり、具体例、好ましい例も同様である。
33及びR36は、各々独立に、上記一般式(I)におけるR13と同義であり、具体例、好ましい例も同様である。
31及びR32が互いに結合して形成し得る環の具体例、好ましい例としては、上記一般式(I)におけるR11及びR12が互いに結合して形成し得る環の具体例、好ましい例と同様のものが挙げられる。
34及びR35が互いに結合して形成し得る環の具体例、好ましい例としては、上記一般式(I)におけるR11及びR12が互いに結合して形成し得る環の具体例、好ましい例と同様のものが挙げられる。
32及びR33が互いに結合して形成し得る環の具体例、好ましい例としては、上記一般式(I)におけるR12及びR13が互いに結合して形成し得る環の具体例、好ましい例と同様のものが挙げられる。
35及びR36が互いに結合して形成し得る環の具体例、好ましい例としては、上記一般式(I)におけるR12及びR13が互いに結合して形成し得る環の具体例、好ましい例と同様のものが挙げられる。
3価の連結基Lとしては、置換基を有していてもよく、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はそれらを組み合わせてなる構造から任意の2個の水素原子を除したものが挙げられる。
上記アルキル基としては、炭素数1〜15のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜10のアルキル基であることがより好ましく、炭素数3〜10のアルキル基であることが更に好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を挙げることができる。
上記シクロアルキル基としては、炭素数3〜15個のシクロアルキル基であることが好ましく、炭素数3〜10個のシクロアルキル基であることがより好ましく、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
上記アリール基としては、炭素数6〜15個のアリール基であることが好ましく、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基等を挙げることができる。
3価の連結基Lとしては、アルキル基、シクロアルキル基、又はそれらを組み合わせてなる構造から任意の2個の水素原子を除したものであることが好ましい。
上述した各基、環が有し得る置換基の具体例及び好ましい例としては、(m+1)価の芳香族基Arが有し得る置換基について前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
3価の連結基Lの具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記一般式(III)で表される基の具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記一般式(IV)で表される基について説明する。
41及びR42についてのアルキル基としては、直鎖状であっても分岐であってもよく、置換基を有していてもよく、炭素数1〜20のアルキル基であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を挙げることができる。
41及びR42についてのシクロアルキル基としては、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよく、置換基を有していてもよく、炭素数3〜15個のシクロアルキル基であることが好ましく、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等を挙げることができる。
41及びR42が互いに結合して形成し得る環としては、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよく、置換基を有していてもよく、5又は6員環であることが好ましい。
3価の連結基Lは上記一般式(III)におけるLと同義であり、具体例、好ましい例についてもLと同様である。
上述した各基、環が有し得る置換基の具体例及び好ましい例としては、(m+1)価の芳香族基Arが有し得る置換基について前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
3価の連結基Lの特に好ましい例の具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。*は結合手を表す。
上記一般式(IV)で表される基の具体例を以下に例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、一般式(X)で表される化合物のスルホン酸アニオン(SO )を有するアニオン部分構造の具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記一般式(X)における有機カチオンAについて説明する。
上記一般式(X)において、有機カチオンAは、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンであることが好ましい。
本発明の一態様において、Aは、下記一般式(ZA−1)又は(ZA−2)により表される構造が好ましい。
一般式(ZA−1)において、R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造(縮合環を含む)を形成してもよく、環内に式中の硫黄原子以外に更に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、一般式(ZA−1)により表される基の好ましい基として以下に説明する(ZA−1−1)、(ZA−1−2)、(ZA−1−3)により表される基における対応する基を挙げることができる。特に好ましくは、(ZA−1−1)、(ZA−1−3)により表される基における対応する基である。
まず、(ZA−1−1)基について説明する。
(ZA−1−1)基は、上記一般式(ZA−1)におけるR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウムをカチオンとする基である。
201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基でもよい。
例えば、トリアリールスルホニウム、ジアリールアルキルスルホニウム、アリールジアルキルスルホニウム、ジアリールシクロアルキルスルホニウム、アリールジシクロアルキルスルホニウムに相当する基を挙げることができる。
アリールスルホニウムにおけるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましい。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の構造が挙げられる。
アリールスルホニウムが2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムが必要に応じて有しているアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15の1価の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。1価の脂肪族炭化水素環基は、シクロアルキル基であることが好ましい。
201〜R203のアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、1価の脂肪族炭化水素環基(例えば炭素数3〜15であり、好ましくは炭素数3〜15のシクロアルキル基)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12の1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくは炭素数3〜12のシクロアルキル基)、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
(ZA−1−1)により表されるより好ましい基としては、トリアリールスルホニウム、下記一般式(ZA−1−1A)、(ZA−1−1B)により表される構造が挙げられる。
一般式(ZA−1−1A)中、
1a〜R13aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、R1a〜R13aのうち少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基であることが好ましい。
Zaは、単結合又は2価の連結基である。
本発明におけるアルコール性水酸基とは、鎖状又は環状アルキル基の炭素原子に結合した水酸基を表す。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含む置換基である場合、R1a〜R13aは、−W−Yにより表される。ただし、Yは、水酸基で置換された鎖状又は環状アルキル基であり、Wは、単結合又は2価の連結基である。
Yの鎖状又は環状アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができ、好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基であり、更に好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基である。Yは、特に好ましくは−CHCHOH構造を含有する。
Wとして好ましくは単結合、もしくは、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基であり、更に好ましくは単結合、もしくは、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含む置換基である場合、含まれる炭素数は好ましくは2〜10個であり、更に好ましくは2〜6個であり、特に好ましくは2〜4個である。
1a〜R13aとしてのアルコール性水酸基を含む置換基は、アルコール性水酸基を2つ以上有してもよい。R1a〜R13aとしてのアルコール性水酸基を含む置換基の有するアルコール性水酸基の数としては1個から6個であり、好ましくは1個から3個であり、更に好ましくは1個である。
一般式(ZA−1−1A)により表されるカチオンに含まれるアルコール性水酸基の数は、R1a〜R13aすべてあわせて好ましくは1個から10個であり、より好ましくは1個から6個であり、更に好ましくは1個から3個である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくはシクロアルキル基)、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基、ウレイド基である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、更に好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくはシクロアルキル基)、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基である。
更に、R1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、特に好ましくは水素原子又はアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくはシクロアルキル基)、ハロゲン原子、アルコキシ基である。
また、R1a〜R13aのうちの隣接する2つが、共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、更に組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
一般式(ZA−1−1A)中、R1a〜R13aのうち少なくとも1つはアルコール性水酸基を含み、好ましくは、R9a〜R13aのうち少なくとも1つがアルコール性水酸基を含む。
Zaは、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基としては例えば、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミド基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ジスルフィド基、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基等であり、これらの基は置換基を有してもよい。これらの置換基としては上のR1a〜R13aに示した置換基と同様である。Zaとして好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基など電子求引性を持たない置換基であり、更に好ましくは単結合、エーテル基、チオエーテル基であり、特に好ましくは単結合である。
次に、一般式(ZA−1−1B)について説明する。
一般式(ZA−1−1B)において、R15は各々独立して、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくはシクロアルキル基)、又はアリール基を表す。2個のR15は互いに結合して環を形成してもよい。
は−CR21=CR22−、−NR23−、−S−、−O−のいずれかを示す。ここで、R21及びR22は各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくはシクロアルキル基)、又はアリール基を示す。R23は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくはシクロアルキル基)、アリール基又はアシル基を示す。
Rは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。Rの置換基としては、例えば、一般式(ZA−1−1B)の好ましい態様として以下に説明する一般式(ZI−1)〜(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
nは0〜3の整数を示す。
n1は0〜11の整数を示す。
15、R21〜R23におけるアルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜20の直鎖及び分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。
なお、置換基を有するアルキル基として、特に直鎖又は分岐アルキル基に1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくはシクロアルキル基)が置換した基(例えば、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、カンファー残基など)を挙げることができる。
15、R21〜R23における1価の脂肪族炭化水素環基は、置換基を有していてもよく、好ましくはシクロアルキル基であり、より好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、環内に酸素原子を有していてもよい。
15、R21〜R23におけるアリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14のアリール基である。
23におけるアシル基中のアルキル基としては、上記したアルキル基における具体例及び好ましい範囲と同様である。
これらの各基が有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくは炭素数3〜10であり、より好ましくは炭素数3〜10のシクロアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜14)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アミノアシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜10)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜14)、などが挙げられる。アリール基、1価の脂肪族炭化水素環基などにおける環状構造、及びアミノアシル基については、置換基としては更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を有していてもよい。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環としては、式(ZA−1−1B)に示された−Sと共に形成する環構造であり、硫黄原子を1個含む5員環、又はそれを含む縮環が好ましい。縮環の場合、硫黄原子を1個と炭素原子を18個以下含むものが好ましく、より好ましくは下記一般式(IV−1)〜(IV−3)により表される環構造である。
式中、*は結合手を表す。Rは任意の置換基を表し、例えばR15、R21〜R23における各基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。nは0〜4の整数を表す。nは0〜3の整数を示す。

一般式(ZA−1−1B)により表されるカチオンのうち、好ましいカチオン構造としては以下のカチオン構造(ZI−1)〜(ZI−3)が挙げられる。
カチオン構造(ZI−1)とは、以下の一般式(ZI−1)により表される構造である。
一般式(ZI−1)中、
13は水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
14は複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、水酸基、又は単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
15は各々独立して、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、又はアリール基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成してもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
一般式(ZI−1)において、R13、R14及びR15のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等がより好ましい。
13、R14及びR15の1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環でも多環でもよく、炭素数3〜12のものが好ましく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ビシクロヘプチル(ノルボルニル)、アダマンチル等があげられ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルがより好ましい。1価の脂肪族炭化水素環基は、シクロアルキル基であることが好ましい。
15のアリール基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基であり、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。
13及びR14のアルコキシ基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等を挙げることができる。これらのアルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が好ましい。
13のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数2〜11のものが好ましく、例えばR13、R14及びR15におけるアルキル基がカルボニル基に置換したものが挙げられ、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらのアルコキシカルボニル基のうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等がより好ましい。
13及びR14の単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基としては、例えば、単環もしくは多環のシクロアルキルオキシ基、及び、単環もしくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキルオキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有することが好ましい。総炭素数7以上の単環のシクロアルキルオキシ基とは、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロヘプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロドデカニルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基に、任意にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシルオキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する単環のシクロアルキルオキシ基であって、該シクロアルキル基上の任意の置換基と合わせた総炭素数が7以上のものを表す。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキルオキシ基としては、ノルボルニルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロデカニルオキシ基、アダマンチルオキシ基等が挙げられる。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基であることが好ましい。総炭素数7以上の、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、iso−アミルオキシ等のアルコキシ基に上述の置換基を有していてもよい単環シクロアルキル基が置換したものであり、置換基も含めた総炭素数が7以上のものを表す。たとえば、シクロヘキシルメトキシ基、シクロペンチルエトキシ基、シクロヘキシルエトキシ基等が挙げられ、シクロヘキシルメトキシ基が好ましい。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基、トリシクロデカニルメトキシ基、トリシクロデカニルエトキシ基、テトラシクロデカニルメトキシ基、テトラシクロデカニルエトキシ基、アダマンチルメトキシ基、アダマンチルエトキシ基等が挙げられ、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基等が好ましい。
14のアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐状、環状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えばR13、R14及びR15におけるアルキル基がスルホニル基に置換したものが挙げられ、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等を挙げることができる。これらのアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基のうちメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等がより好ましい。
lとしては、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
rとしては、0〜2が好ましい。
前記R13、R14及びR15の各基は、更に置換基を有していてもよく、有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基(単環でも多環でもよく、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数5〜8のもの)、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシルオキシ基、カルボキシ基等の置換基を挙げることができる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2個のR15が結合して形成される2価の基が、一般式(ZI−1)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられ、該環はアリール基又は脂肪族炭化水素環基(好ましくはシクロアルキル基)と縮環していてもよい。この2価の基は置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
一般式(ZI−1)におけるR15としては、メチル基、エチル基、ナフチル基、2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する場合の2価の基等が好ましい。
13のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、R14のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基は、上記のように置換されていてもよく、置換基としては、水酸基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)が好ましい。
以下に、一般式(ZI−1)により表されるカチオン構造の好ましい具体例を示す。
カチオン構造(ZI−2)とは、以下の一般式(ZI−2)により表される構造である。
一般式(ZI−2)中、
I−2は、酸素原子、硫黄原子、又は−NRa−基を表し、Raは、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアシル基を表す。
Ra及びRaは、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルケニル基又はアリール基を表す。Ra及びRaは、互いに結合して環を形成してもよい。
Raは、複数個ある場合には各々独立に、1価の基を表す。
mは、0〜3の整数を表す。
Ra〜Raのアルキル基は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
Ra〜Raの1価の脂肪族炭化水素環基は、炭素数3〜20の1価の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピナニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。1価の脂肪族炭化水素環基は、シクロアルキル基であることが好ましい。
Ra〜Raのアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
Raのアシル基は、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
Ra及びRaのアルケニル基としては、炭素数2〜15のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
Ra及びRaが互いに結合して形成してもよい環構造としては、一般式(ZI−2)中の硫黄原子と共に5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(例えばテトラヒドロチオフェン環)を形成する基が好ましく、酸素原子を含んでいてもよく、具体的には一般式(ZI−1)中のR15同士が連結して形成しても良い環と同様のものが挙げられる。
Raの1価の基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくは炭素数3〜20であり、より好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜20)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基等を挙げることができる。
Raとしてはアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。
Ra、Raは互いに連結して5〜6員環を構成していることがより好ましい。
Ra〜Raにおける各基は更に置換基を有していてもよく、有していても良い更なる置換基としては、一般式(ZI−1)におけるR13〜R15の各基が有していても良い更なる置換基と同様のものが挙げられる。
以下に、カチオン構造(ZI−2)の好ましい具体例を示す。
カチオン構造(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)により表される構造である。
一般式(ZI−3)中、R41〜R43はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基又はヒドロキシアルキル基である。
41〜R43としてのアルキル基、アルコキシ基は、式(ZI−1)中、R13〜R15と同様のものが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基の一又は複数の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
n1は0〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
n2は0〜3の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n3は0〜2の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
41〜R43における各基は更に置換基を有していてもよく、有していても良い更なる置換基としては、一般式(ZI−1)におけるR13〜R15の各基が有していても良い更なる置換基と同様のものが挙げられる。
以下に、カチオン構造(ZI−3)の好ましい具体例を示す。
一般式(ZI−1)〜(ZI−3)により表されるカチオン構造のうち、好ましい構造は(ZI−1)及び(ZI−2)であり、更に好ましくは(ZI−1)が挙げられる。
次に、(ZA−1−2)について説明する。
(ZA−1−2)は、一般式(ZA−1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す基である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソ脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソ脂肪族炭化水素環基である。
201〜R203のアルキル基及び脂肪族炭化水素環基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の脂肪族炭化水素環基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。脂肪族炭化水素環基として、より好ましくは、2−オキソ脂肪族炭化水素環基を挙げることができる。脂肪族炭化水素環基は、シクロアルキル基であることが好ましい。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソ脂肪族炭化水素環基は、好ましくは、上記の脂肪族炭化水素環基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。2−オキソ脂肪族炭化水素環基は、2−オキソシクロアルキル基であることが好ましい。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
次に、(ZA−1−3)について説明する。
(ZA−1−3)とは、以下の一般式により表される基であり、フェナシルスルフォニウムカチオン構造を有する基である。
一般式(ZA−1−3)に於いて、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、フェニルチオ基、又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。
及びRは、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRとRが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
また、R1c〜R7cとしての1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型又は多環型のいずれであってもよく、例えば炭素数3〜8個の1価の脂肪族炭化水素環基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。1価の脂肪族炭化水素環基は、シクロアルキル基であることが好ましい。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
及びRとしてのアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基は、R1c〜R7cにおけると同様のアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソ脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソ脂肪族炭化水素環基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及び脂肪族炭化水素環基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cにおけると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
及びRは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基である。
また、R及びRが互いに結合して形成してもよい環構造としては、2価のR及びR(例えば、メチレン基、エチレンキ基、プロピレン基等)が一般式(ZA−1−3)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられる。
次に、一般式(ZA−2)について説明する。
一般式(ZA−2)において、R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。
204及びR205のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204及びR205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
204及びR205におけるアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の1価の脂肪族炭化水素環基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。1価の脂肪族炭化水素環基は、シクロアルキル基であることが好ましい。
204及びR205のアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。R204及びR205のアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、1価の脂肪族炭化水素環基(例えば炭素数3〜15であり、好ましくは炭素数3〜15のシクロアルキル基)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
有機カチオンAは後述する樹脂(P)中に存在するカチオンであってもよい。
より具体的には、一般式(X)で表される化合物が、活性光線又は放射線の照射により分解する有機カチオンAを側鎖に(主鎖から単結合又は連結基を介して)有する樹脂であってもよい。一般式(X)で表される化合物が、有機カチオンAを有する樹脂のとき、該樹脂が有しうる繰り返し単位は、樹脂(P)が有しうる繰り返し単位と同様の繰り返し単位が挙げられ、該樹脂の平均重量分子量、分散度の好ましい範囲に関しても樹脂(P)の平均重量分子量、分散度の好ましい範囲と同様である。
この場合、一般式(X)で表される化合物が、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に有機カチオンAを発生させる構造部位を有する繰り返し単位を有する樹脂であることが好ましい。
このような繰り返し単位の後述の樹脂(P)中の含有量としては、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、1〜40モル%の範囲が好ましい。
有機カチオンAの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明における前記一般式(X)で表される化合物は、上述したスルホン酸アニオン(SO )を有するアニオン部分と、上述した有機カチオンAとを組合わせて形成することができる。
本発明における前記一般式(X)で表される化合物の具体例c−1〜c−134を下記表に上述したスルホン酸アニオン(SO )を有するアニオン部分Z−1〜Z−42と、上述した有機カチオンA−1〜A−81との組み合わせとして例示するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
前記一般式(X)で表される化合物は、1種類単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
また、前記一般式(X)で表される化合物の含有量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.5〜45質量%であり、更に好ましくは1〜40質量%である。
また、一般式(X)で表される化合物が、活性光線又は放射線の照射により分解する有機カチオンAを側鎖に(主鎖から単結合又は連結基を介して)有する樹脂のとき、側鎖の有機カチオンA部分と、下記式で表されるアニオン部分との合計が、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.1〜50質量%であり、より好ましくは0.5〜45質量%であり、更に好ましくは1〜40質量%である。
[2](B’)併用酸発生剤
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、化合物(B)の以外に、更に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(B’)(以下、「併用酸発生剤(B’)」ともいう)を含有してもよい。
以下に、化合物(B)以外の併用酸発生剤(B’)について説明する。
併用酸発生剤(B’)としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
併用酸発生剤の内で好ましい化合物として、公知のものであれば特に限定されないが、好ましくは下記一般式(ZI’)、(ZII’)又は(ZIII’)で表される化合物を挙げることができる。
上記一般式(ZI’)において、R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
201、R202及びR203により表される有機基としては、例えば、後述する化合物(ZI’−1)における対応する基を挙げることができる。
なお、一般式(ZI’)で表される構造を複数有する化合物であってもよい。例えば、一般式(ZI’)で表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI’)で表されるもうひとつの化合物のR201〜R203の少なくとも一つと、単結合又は連結基を介して結合した構造を有する化合物であってもよい。
は、非求核性アニオン(求核反応を起こす能力が著しく低いアニオン)を表す。
としては、例えば、スルホン酸アニオン(脂肪族スルホン酸アニオン、芳香族スルホン酸アニオン、カンファースルホン酸アニオンなど)、カルボン酸アニオン(脂肪族カルボン酸アニオン、芳香族カルボン酸アニオン、アラルキルカルボン酸アニオンなど)、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン等を挙げられる。
脂肪族スルホン酸アニオン及び脂肪族カルボン酸アニオンにおける脂肪族部位は、アルキル基であってもシクロアルキル基であってもよく、好ましくは炭素数1〜30の直鎖又は分岐のアルキル基及び炭素数3〜30のシクロアルキル基が挙げられる。
芳香族スルホン酸アニオン及び芳香族カルボン酸アニオンにおける芳香族基としては、好ましくは炭素数6〜14のアリール基、例えば、フェニル基、トリル基、ナフチル基等を挙げることができる。
上記で挙げたアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換基を有していてもよい。この具体例としては、ニトロ基、フッ素原子などのハロゲン原子、カルボキシル基、水酸基、アミノ基、シアノ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜15)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜15)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜7)、アシル基(好ましくは炭素数2〜12)、アルコキシカルボニルオキシ基(好ましくは炭素数2〜7)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルスルホニル基(好ましくは炭素数1〜15)、アルキルイミノスルホニル基(好ましくは炭素数2〜15)、アリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数6〜20)、アルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数7〜20)、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基(好ましくは炭素数10〜20)、アルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数5〜20)、シクロアルキルアルキルオキシアルキルオキシ基(好ましくは炭素数8〜20)等を挙げることができる。各基が有するアリール基及び環構造については、置換基として更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜15)を挙げることができる。
アラルキルカルボン酸アニオンにおけるアラルキル基としては、好ましくは炭素数7〜12のアラルキル基、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基、ナフチルブチル基等を挙げることができる。
スルホニルイミドアニオンとしては、例えば、サッカリンアニオンを挙げることができる。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンにおけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましい。
ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおける2つのアルキル基が互いに連結してアルキレン基(好ましくは炭素数2〜4)を成し、イミド基及び2つのスルホニル基とともに環を形成していてもよい。
これらのアルキル基及びビス(アルキルスルホニル)イミドアニオンにおける2つのアルキル基が互いに連結して成すアルキレン基が有し得る置換基としてはハロゲン原子、ハロゲン原子で置換されているアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキルオキシスルホニル基、アリールオキシスルホニル基、シクロアルキルアリールオキシスルホニル基等を挙げることができ、フッ素原子又はフッ素原子で置換されているアルキル基が好ましい。
その他のZとしては、例えば、弗素化燐(例えば、PF )、弗素化硼素(例えば、BF )、弗素化アンチモン(例えば、SbF )等を挙げることができる。
としては、スルホン酸の少なくともα位がフッ素原子で置換されている脂肪族スルホン酸アニオン、フッ素原子又はフッ素原子を有する基で置換されている芳香族スルホン酸アニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されているビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、アルキル基がフッ素原子で置換されているトリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンが好ましい。非求核性アニオンとして、より好ましくはパーフロロ脂肪族スルホン酸アニオン(更に好ましくは炭素数4〜8)、フッ素原子を有するベンゼンスルホン酸アニオン、更により好ましくはノナフロロブタンスルホン酸アニオン、パーフロロオクタンスルホン酸アニオン、ペンタフロロベンゼンスルホン酸アニオン、3,5−ビス(トリフロロメチル)ベンゼンスルホン酸アニオンである。
酸強度の観点からは、発生酸のpKaが−1以下であることが、感度向上のために好ましい。
更に好ましい(ZI’)成分として、以下に説明する化合物(ZI’−1)を挙げることができる。
化合物(ZI’−1)は、上記一般式(ZI’)のR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウム化合物、即ち、アリールスルホニウムをカチオンとする化合物である。
アリールスルホニウム化合物は、R201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよいが、R201〜R203の全てがアリール基であることが好ましい。
アリールスルホニウム化合物としては、例えば、トリアリールスルホニウム化合物、ジアリールアルキルスルホニウム化合物、アリールジアルキルスルホニウム化合物、ジアリールシクロアルキルスルホニウム化合物、アリールジシクロアルキルスルホニウム化合物を挙げることができ、トリアリールスルホニウム化合物であることが好ましい。
アリールスルホニウム化合物のアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール残基、フラン残基、チオフェン残基、インドール残基、ベンゾフラン残基、ベンゾチオフェン残基等が挙げられる。アリールスルホニウム化合物が2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウム化合物が必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に一般式(ZII’)、(ZIII’)について説明する。
一般式(ZII’)、(ZIII’)中、
204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基としては、前述の化合物(ZI’−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI’−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
は、非求核性アニオンを表し、一般式(ZI’)に於けるZの非求核性アニオンと同様のものを挙げることができる。
本発明における酸発生剤と併用し得る酸発生剤(B’)として、更に、下記一般式(ZIV’)、(ZV’)、(ZVI’)で表される化合物も挙げられる。
一般式(ZIV’)〜(ZVI’)中、
Ar及びArは、各々独立に、アリール基を表す。
208、R209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。
Ar、Ar、R208、R209及びR210のアリール基の具体例としては、上記一般式(ZI’−1)におけるR201、R202及びR203としてのアリール基の具体例と同様のものを挙げることができる。
208、R209及びR210のアルキル基及びシクロアルキル基の具体例としては、それぞれ、上記一般式(ZI’−1)におけるR201、R202及びR203としてのアルキル基及びシクロアルキル基の具体例と同様のものを挙げることができる。
Aのアルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基など)を、Aのアルケニレン基としては、炭素数2〜12のアルケニレン基(例えば、エテニレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)を、Aのアリーレン基としては、炭素数6〜10のアリーレン基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)を、それぞれ挙げることができる。
本発明の酸発生剤と併用し得る併用酸発生剤(B’)の中で、特に好ましい例を以下に挙げる。
併用酸発生剤(B’)は、公知の方法で合成することができ、例えば、特開2007−161707号公報に記載の方法に準じて合成することができる。
併用酸発生剤(B’)は、1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、併用酸発生剤(B’)を含有しても、含有しなくてもよいが、含有する場合、併用酸発生剤(B’)の組成物中の含有量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.05〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは1〜6質量%である。
[3]樹脂(P)
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は樹脂(P)を含有することが好ましい。樹脂(P)は、酸の作用により現像液に対する溶解度が変化する樹脂であることが好ましい。
樹脂(P)は、有機溶剤を含む現像液を用いたネガ型の現像を行う場合には、酸の作用により極性が増大して、有機溶剤を含む現像液に対する溶解度が減少する樹脂であり、また、樹脂(P)は、アルカリ現像液を用いたポジ型の現像を行う場合には、酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解度が増大する樹脂でもある。なお、極性基としてのカルボキシル基は、アルカリ現像液を用いたポジ型の現像を行う場合には、アルカリ可溶性基として機能する。
樹脂(P)は、酸分解性繰り返し単位(以下、単に繰り返し単位(a)ともいう)を有していることがより好ましい。酸分解性繰り返し単位とは、例えば、樹脂の主鎖又は側鎖、あるいは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解して極性基を生じる基(以下、「酸分解性基」ともいう)を有する繰り返し単位である。
極性基の定義は後述する極性基を有する繰り返し単位の項で説明する定義と同義であるが、酸分解性基が分解して生じる極性基の例としては、アルコール性水酸基、アミノ基、酸性基などが挙げられる。
酸分解性基が分解して生じる極性基は、酸性基であることが好ましい。
酸性基としては、有機溶剤を含む現像液中で不溶化する基であれば特に限定されないが、好ましくは、フェノール性ヒドロキシル基、カルボン酸基、スルホン酸基、フッ素化アルコール基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基であり、より好ましくは、カルボン酸基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、フェノール性ヒドロキシル基、スルホン酸基等の酸性基(従来レジストの現像液として用いられている、2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中で解離する基)が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらの基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基とを組み合わせた基、又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基とを組み合わせた基、又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
樹脂(P)が有し得る酸分解性基としては、本発明の効果をより確実に達成し得る観点から、上述した一般式(X)で表される化合物が有する上記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基であることが好ましく、下記一般式(I−1)、(I−2)及び上記一般式(II)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基であることがより好ましい。

上記一般式(I−1)及び(I−2)中、
11、R12及びR13は、各々独立に、上記一般式(I)におけるR11、R12及びR13と同義であり、具体例、好ましい例も同様である。
11及びR12は互いに結合して環を形成していても良い。
12及びR13は互いに結合して環を形成していても良い。
Ar’は2価の芳香族基を表す。
*は結合手を表す。
2価の芳香族基Ar’の具体例、好ましい例としては、上記一般式(X)で表される化合物におけるArの2価の芳香族基について前述した具体例、好ましい例と同様のものが挙げられる。
2価の芳香族基Ar’は、更に置換基を有していても良い。
2価の芳香族基Ar’が有し得る置換基としては、上記一般式(X)で表される化合物における(m+1)価の芳香族基Arが有し得る置換基について前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
また、樹脂(P)は、繰り返し単位(a)として、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
一般式(VI)中、
61、R62及びR63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R62はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR62は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表す。R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R62と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
は、n≧2の場合には各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
一般式(VI)について更に詳細に説明する。
一般式(VI)におけるR61〜R63のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R61〜R63におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
シクロアルキル基としては、単環型でも多環型でもよく、好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個の単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
62がアルキレン基を表す場合、アルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
により表わされる−CONR64−(R64は、水素原子、アルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、R61〜R63のアルキル基と同様のものが挙げられる。
としては、単結合、−COO−、−CONH−が好ましく、単結合、−COO−がより好ましい。
におけるアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。R62とLとが結合して形成する環は、5又は6員環であることが特に好ましい。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、置換基を有していても良く、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
nが2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していても良い。
上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基及び(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
nは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、n個中の少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
酸の作用により脱離する基Yとしては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−CH(R36)(Ar)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基とを組み合わせた基、又はアルケニル基を表す。
Arは、1価の芳香環基を表す。
36〜R39、R01及びR02のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のシクロアルキル基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。なお、シクロアルキル基中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02及びArの1価の芳香環基は、炭素数6〜10の1価の芳香環基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルキレン基と1価の芳香環基とを組み合わせた基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
36とR37とが、互いに結合して形成する環は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8のシクロアルキル構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20のシクロアルキル構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等を挙げることができる。なお、シクロアルキル構造中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02、及びArとしての上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、上記一般式(X)で表される化合物における(m+1)価の芳香族基Arが有し得る置換基について前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
以下に繰り返し単位(a)の好ましい具体例として、上記一般式(I)〜(IV)で表される酸分解性基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
以下に繰り返し単位(a)の好ましい具体例として、一般式(I−2)で表される酸分解性基を有する繰り返し単位又は一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
樹脂(P)は、上記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有することが好ましく、上記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有する繰り返し単位を含有することがより好ましく、上記一般式(I)及び(II)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有する繰り返し単位を含有することが更に好ましく、酸の作用により分解してカルボキシル基を発生し得る上記一般式(I)で表される基を有する繰り返し単位又は前記一般式(II)で表される基を有する繰り返し単位を含有することが特に好ましい。
繰り返し単位(a)としては、下記一般式(V)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
一般式(V)中、
51、R52、及びR53は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基、又はアルコキシカルボニル基を表す。R52はLと結合して環を形成していてもよく、その場合のR52はアルキレン基を表す。
は、単結合又は2価の連結基を表し、R52と環を形成する場合には3価の連結基を表す。
54はアルキル基を表し、R55及びR56は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、1価の芳香環基、又はアラルキル基を表す。R55及びR56は互いに結合して環を形成してもよい。但し、R55とR56とが同時に水素原子であることはない。
一般式(V)について、更に詳細に説明する。
一般式(V)におけるR51〜R53のアルキル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子としては、一般式(VI)におけるR61〜R63のアルキル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子と、それぞれ、同義であり、具体例、好ましい例についても、それぞれ同様である。
上記各基における好ましい置換基としては、上記一般式(VI)で表される繰り返し単位におけるアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基及び(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基について前述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
またR52がアルキレン基でありLと環を形成する場合、アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられる。R52とLとが結合して形成する環は、5又は6員環であることが特に好ましい。
式(V)におけるR51及びR53としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF)、ヒドロキシメチル基(−CH−OH)、クロロメチル基(−CH−Cl)、フッ素原子(−F)が特に好ましい。R52としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルキレン基(Lと環を形成)がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF)、ヒドロキシメチル基(−CH−OH)、クロロメチル基(−CH−Cl)、フッ素原子(−F)、メチレン基(Lと環を形成)、エチレン基(Lと環を形成)が特に好ましい。
で表される2価の連結基としては、アルキレン基、2価の芳香環基、−COO−L−、−O−L−、これらの2つ以上を組み合わせて形成される基等が挙げられる。ここで、Lはアルキレン基、シクロアルキレン基、2価の芳香環基、アルキレン基と2価の芳香環基を組み合わせた基を表す。
は、単結合、−COO−L−で表される基又は2価の芳香環基が好ましい。Lは炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン、プロピレン基がより好ましい。2価の芳香環基としては、1,4−フェニレン基、1,3−フェニレン基、1,2−フェニレン基、1,4−ナフチレン基が好ましく、1,4−フェニレン基がより好ましい。
がR52と結合して環を形成する場合における、Lで表される3価の連結基としては、Lで表される2価の連結基の上記した具体例から1個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
54〜R56のアルキル基としては炭素数1〜20のものが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜4のものが特に好ましい。
55及びR56で表されるシクロアルキル基としては、炭素数3〜20のものが好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環性のものであってもよいし、ノルボニル基、アダマンチル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等の多環性のものであってもよい。
また、R55及びR56が互いに結合して形成される環としては、炭素数3〜20のものが好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環性のものであってもよいし、ノルボニル基、アダマンチル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等の多環性のものであってもよい。R55及びR56が互いに結合して環を形成する場合、R54は炭素数1〜3のアルキル基が好ましい。
55及びR56で表される1価の芳香環基としては、炭素数6〜20のものが好ましく、単環でも多環でもよく、置換基を有しても良い。例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、4−メチルフェニル基、4―メトキシフェニル基等が挙げられる。
55及びR56のどちらか一方が水素原子の場合、他方は1価の芳香環基であることが好ましい。
55及びR56で表されるアラルキル基としては、単環でも多環でもよく、置換基を有しても良い。好ましくは炭素数7〜21であり、ベンジル基、1−ナフチルメチル基等が挙げられる。
一般式(V)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの合成方法としては、一般的な重合性基含有エステルの合成法を適用することが可能であり、特に限定されることはない。
以下に、一般式(V)で表される繰り返し単位(a)の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
具体例中、Rx、Xaは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。Rxa、Rxbは、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、又は、炭素数7〜19のアラルキル基を表す。Zは、置換基を表す。pは0又は正の整数を表し、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。Zが複数存在する場合、互いに同じでも異なっていてもよい。Zとしては、酸分解前後での有機溶剤を含有する現像液に対する溶解コントラストを増大させる観点から、水素原子及び炭素原子のみからなる基が好適に挙げられ、例えば、直鎖又は分岐のアルキル基、シクロアルキル基であることが好ましい。

また、樹脂(P)は、繰り返し単位(a)として、下記一般式(BZ)で表される繰り返し単位を含んでいてもよい。
一般式(BZ)中、ARは、アリール基を表す。Rnは、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。RnとARとは互いに結合して非芳香族環を形成してもよい。
は、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
ARのアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、又は、フルオレン基等の炭素数6〜20のものが好ましい。
ARがナフチル基、アントリル基又はフルオレン基である場合、Rnが結合している炭素原子とARとの結合位置には、特に制限はない。例えば、ARがナフチル基である場合、この炭素原子は、ナフチル基のα位に結合していてもよく、β位に結合していてもよい。或いは、ARがアントリル基である場合、この炭素原子は、アントリル基の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよく、9位に結合していてもよい。
ARとしてのアリール基は、それぞれ、1以上の置換基を有していてもよい。このような置換基の具体例としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基及びドデシル基等の炭素数が1〜20の直鎖又は分岐鎖アルキル基、これらアルキル基部分を含んだアルコキシ基、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等のシクロアルキル基、これらシクロアルキル基部分を含んだシクロアルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、アリール基、シアノ基、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、及びピロリドン残基等のヘテロ環残基が挙げられる。この置換基としては、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、これらアルキル基部分を含んだアルコキシ基が好ましく、パラメチル基又はパラメトキシ基がより好ましい。
ARとしてのアリール基が、複数の置換基を有する場合、複数の置換基のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成しても良い。環は、5〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。また、この環は、環員に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含むヘテロ環であってもよい。
更に、この環は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、Rnが有していてもよい更なる置換基について後述するものと同様のものが挙げられる。
また、一般式(BZ)により表される繰り返し単位(a)は、ラフネス性能の観点から、2個以上の芳香環を含有ことが好ましい。この繰り返し単位が有する芳香環の個数は、通常、5個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましい。
また、一般式(BZ)により表される繰り返し単位(a)において、ラフネス性能の観点から、ARは2個以上の芳香環を含有することがより好ましく、ARがナフチル基又はビフェニル基であることが更に好ましい。ARが有する芳香環の個数は、通常、5個以下であることが好ましく、3個以下であることがより好ましい。
Rnは、上述したように、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表す。
Rnのアルキル基は、直鎖アルキル基であってもよく、分岐鎖アルキル基であってもよい。このアルキル基としては、好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基及びドデシル基等の炭素数が1〜20のものが挙げられる。Rnのアルキル基は、炭素数1〜5のものが好ましく、炭素数1〜3のものがより好ましい。
Rnのシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基及びシクロヘキシル基等の炭素数が3〜15のものが挙げられる。
Rnのアリール基としては、例えば、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基、ナフチル基及びアントリル基等の炭素数が6〜14のものが好ましい。
Rnとしてのアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基の各々は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アラルキルチオ基、チオフェンカルボニルオキシ基、チオフェンメチルカルボニルオキシ基、及びピロリドン残基等のヘテロ環残基が挙げられる。中でも、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基及びスルホニルアミノ基が特に好ましい。
は、上述したように、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルキルオキシカルボニル基を表す。
のアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、先にRnについて説明したのと同様のものが挙げられる。これらアルキル基及びシクロアルキル基の各々は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、先にRnについて説明したのと同様のものが挙げられる。
が置換基を有するアルキル基又はシクロアルキル基である場合、特に好ましいRとしては、例えば、トリフルオロメチル基、アルキルオキシカルボニルメチル基、アルキルカルボニルオキシメチル基、ヒドロキシメチル基、及びアルコキシメチル基が挙げられる。
のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。中でも、フッ素原子が特に好ましい。
のアルキルオキシカルボニル基に含まれるアルキル基部分としては、例えば、先にRのアルキル基として挙げた構成を採用することができる。
RnとARとが互いに結合して非芳香族環を形成することが好ましく、これにより、特に、ラフネス性能をより向上させることができる。
RnとARとは互いに結合して形成しても良い非芳香族環としては、5〜8員環であることが好ましく、5又は6員環であることがより好ましい。
非芳香族環は、脂肪族環であっても、環員として酸素原子、窒素原子、硫黄原子等のヘテロ原子を含むヘテロ環であってもよい。
非芳香族環は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、Rnが有していてもよい更なる置換基について先に説明したのと同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(BZ)により表される繰り返し単位(a)の具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
また、上記で例示された繰り返し単位とは異なる酸分解性基を有する繰り返し単位の態様として、酸の作用により分解し、アルコール性水酸基を生じる繰り返し単位の態様であってもよい。この場合、下記一般式(I−1)〜(I−10)のいずれかにより表されることが好ましい。この繰り返し単位は、下記一般式(I−1)〜(I−3)のいずれかにより表されることがより好ましく、下記一般式(I−1)により表されることが更に好ましい。
式中、
Raは、各々独立に、水素原子、アルキル基又は−CH−O−Raにより表される基を表す。ここで、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
は、(n+1)価の有機基を表す。
は、m≧2の場合は各々独立に、単結合又は(n+1)価の有機基を表す。
OPは、各々独立に、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる前記基を表す。n≧2及び/又はm≧2の場合、2以上のOPが互いに結合して、環を形成していてもよい。
Wは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。
n及びmは、1以上の整数を表す。なお、一般式(I−2)、(I−3)又は(I−8)においてRが単結合を表す場合、nは1である。
lは、0以上の整数を表す。
は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−O−、−Ar−、−SO−又は−SONH−により表される連結基を表す。ここで、Arは、2価の芳香環基を表す。
Rは、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
は、水素原子又は有機基を表す。
は、(m+2)価の連結基を表す。
は、m≧2の場合は各々独立に、(n+1)価の連結基を表す。
は、p≧2の場合は各々独立に、置換基を表す。p≧2の場合、複数のRは、互いに結合して環を形成していてもよい。
pは、0〜3の整数を表す。
Raは、水素原子、アルキル基又は−CH−O−Raにより表される基を表す。Raは、水素原子又は炭素数が1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
Wは、メチレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。Wは、メチレン基又は酸素原子であることが好ましい。
は、(n+1)価の有機基を表す。Rは、好ましくは、非芳香族性の炭化水素基である。この場合、Rは、鎖状炭化水素基であってもよく、脂環状炭化水素基であってもよい。Rは、より好ましくは、脂環状炭化水素基である。
は、単結合又は(n+1)価の有機基を表す。Rは、好ましくは、単結合又は非芳香族性の炭化水素基である。この場合、Rは、鎖状炭化水素基であってもよく、脂環状炭化水素基であってもよい。
及び/又はRが鎖状炭化水素基である場合、この鎖状炭化水素基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。また、この鎖状炭化水素基の炭素数は、1〜8であることが好ましい。例えば、R及び/又はRがアルキレン基である場合、R及び/又はRは、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基又はsec−ブチレン基であることが好ましい。
及び/又はRが脂環状炭化水素基である場合、この脂環状炭化水素基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。この脂環状炭化水素基は、例えば、モノシクロ、ビシクロ、トリシクロ又はテトラシクロ構造を備えている。この脂環状炭化水素基の炭素数は、通常は5以上であり、6〜30であることが好ましく、7〜25であることがより好ましい。
この脂環状炭化水素基としては、例えば、以下に列挙する部分構造を備えたものが挙げられる。これら部分構造の各々は、置換基を有していてもよい。また、これら部分構造の各々において、メチレン基(−CH−)は、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、カルボニル基〔−C(=O)−〕、スルホニル基〔−S(=O)−〕、スルフィニル基〔−S(=O)−〕、又はイミノ基〔−N(R)−〕(Rは水素原子若しくはアルキル基)によって置換されていてもよい。
例えば、R及び/又はRがシクロアルキレン基である場合、R及び/又はRは、アダマンチレン基、ノルアダマンチレン基、デカヒドロナフチレン基、トリシクロデカニレン基、テトラシクロドデカニレン基、ノルボルニレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロヘプチレン基、シクロオクチレン基、シクロデカニレン基、又はシクロドデカニレン基であることが好ましく、アダマンチレン基、ノルボルニレン基、シクロヘキシレン基、シクロペンチレン基、テトラシクロドデカニレン基又はトリシクロデカニレン基であることがより好ましい。
及び/又はRの非芳香族性の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、炭素数1〜4のアルコキシ基、カルボキシ基、及び炭素数2〜6のアルコキシカルボニル基が挙げられる。上記のアルキル基、アルコキシ基及びアルコキシカルボニル基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、及びアルコキシ基が挙げられる。
は、−COO−、−OCO−、−CONH−、−O−、−Ar−、−SO−又は−SONH−により表される連結基を表す。ここで、Arは、2価の芳香環基を表す。
は、好ましくは−COO−、−CONH−又は−Ar−により表される連結基であり、より好ましくは−COO−又は−CONH−により表される連結基である。
Rは、水素原子又はアルキル基を表す。アルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は、好ましくは1〜6であり、より好ましくは1〜3である。Rは、好ましくは水素原子又はメチル基であり、より好ましくは水素原子である。
は、水素原子又は有機基を表す。有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルキニル基、及びアルケニル基が挙げられる。Rは、好ましくは、水素原子又はアルキル基であり、より好ましくは、水素原子又はメチル基である。
は、(m+2)価の連結基を表す。即ち、Lは、3価以上の連結基を表す。このような連結基としては、例えば、後掲の具体例における対応した基が挙げられる。
は、(n+1)価の連結基を表す。即ち、Rは、2価以上の連結基を表す。このような連結基としては、例えば、アルキレン基、シクロアルキレン基及び後掲の具体例における対応した基が挙げられる。Rは、互いに結合して又は下記Rと結合して、環構造を形成していてもよい。
は、置換基を表す。この置換基としては、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、及びハロゲン原子が挙げられる。
nは、1以上の整数である。nは、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。また、nを2以上とすると、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストを更に向上させることが可能となる。従って、こうすると、限界解像力及びラフネス特性を更に向上させることができる。
mは、1以上の整数である。mは、1〜3の整数であることが好ましく、1又は2であることがより好ましい。
lは、0以上の整数である。lは、0又は1であることが好ましい。
pは、0〜3の整数である。
以下に、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を備えた繰り返し単位の具体例を示す。なお、具体例中、Ra及びOPは、一般式(I−1)〜(I−3)における各々と同義である。また、複数のOPが互いに結合して環を形成している場合、対応する環構造は、便宜上「O−P−O」と表記している。
酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基は、下記一般式(II−1)〜(II−4)のいずれかにより表されることが好ましい。
式中、
Rxは、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。Rxは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
Rxは、各々独立に、1価の有機基を表す。Rxは、互いに結合して、環を形成していてもよい。RxとRxとは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
Rxは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。少なくとも2つのRxは、互いに結合して、環を形成していてもよい。但し、3つの前記Rxのうち1つ又は2つが水素原子である場合は、残りの前記Rxのうち少なくとも1つは、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。
酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基は、下記一般式(II−5)〜(II−9)のいずれかつにより表されることも好ましい。
式中、
Rxは、一般式(II−1)〜(II−3)におけるものと同義である。
Rxは、各々独立に、水素原子又は1価の有機基を表す。Rxは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基は、一般式(II−1)〜(II−3)のいずれかにより表されることがより好ましく、一般式(II−1)又は(II−3)により表されることが更に好ましく、一般式(II−1)により表されることが特に好ましい。
Rxは、上述した通り、水素原子又は1価の有機基を表す。Rxは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましい。
Rxのアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。Rxのアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましい。Rxのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、及びn−ブチル基が挙げられる。
Rxのシクロアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。Rxのシクロアルキル基の炭素数は、3〜10であることが好ましい。Rxのシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、及びアダマンチル基が挙げられる。
また、一般式(II−1)において、Rxの少なくとも一方は、1価の有機基であることが好ましい。このような構成を採用すると、特に高い感度を達成することができる。
Rxは、1価の有機基を表す。Rxは、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、アルキル基であることがより好ましい。これらアルキル基及びシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
Rxのアルキル基は、置換基を有していないか、又は、1つ以上のアリール基及び/又は1つ以上のシリル基を置換基として有していることが好ましい。無置換アルキル基の炭素数は、1〜20であることが好ましい。1つ以上のアリール基により置換されたアルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は、1〜25であることが好ましい。1つ以上のシリル基により置換されたアルキル基におけるアルキル基部分の炭素数は、1〜30であることが好ましい。また、Rxのシクロアルキル基が置換基を有していない場合、その炭素数は、3〜20であることが好ましい。
Rxは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。但し、3つのRxのうち1つ又は2つが水素原子である場合は、残りのRxのうち少なくとも1つは、アリール基、アルケニル基、又はアルキニル基を表す。Rxは、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。アルキル基は、置換基を有していてもよく、置換基を有していなくてもよい。アルキル基が置換基を有していない場合、その炭素数は、1〜6であることが好ましく、1〜3であることが好ましい。
Rxは、上述した通り、水素原子又は1価の有機基を表す。Rxは、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基であることが好ましく、水素原子又はアルキル基であることがより好ましく、水素原子又は置換基を有していないアルキル基であることが更に好ましい。Rxは、水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1〜10でありかつ置換基を有していないアルキル基であることが更に好ましい。
なお、Rx、Rx及びRxのアルキル基及びシクロアルキル基としては、例えば、先にRxについて説明したのと同様のものが挙げられる。
以下に、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基の具体例を示す。
以下に酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を備えた繰り返し単位の具体例を示す。下記具体例中、Xaは、水素原子、CH、CF、又はCHOHを表す。
上記酸分解性基を有する繰り返し単位は、1種類であってもよいし、2種以上を併用してもよい。
樹脂(P)における酸分解性基を有する繰り返し単位の含有量(複数種類含有する場合はその合計)は、前記樹脂(P)中の全繰り返し単位に対して5モル%以上90モル%以下であることが好ましく、5モル%以上80モル%以下であることがより好ましく、10モル%以上75モル%以下であることが更に好ましい。
樹脂(P)は、特に、電子線又は極紫外線露光によりパターンを形成する場合には、フェノール性水酸基を有する非酸分解の繰り返し単位(b)を有することが好ましい。この場合の繰り返し単位(b)としては、下記一般式(I)で表される構造がより好ましい。
式中、
41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。但し、R42はArと結合して環を形成していてもよく、その場合のR42は単結合又はアルキレン基を表す。
は、単結合、−COO−、又は−CONR64−を表し、R64は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、単結合又はアルキレン基を表す。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表し、R42と結合して環を形成する場合には(n+2)価の芳香環基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
式(I)におけるR41、R42、R43のアルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、及びこれらの基が有し得る置換基の具体例としては、上記一般式(V)におけるR51、R52、及びR53により表される各基について説明した具体例と同様である。
Arは、(n+1)価の芳香環基を表す。nが1である場合における2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
nが2以上の整数である場合における(n+1)価の芳香環基の具体例としては、2価の芳香環基の上記した具体例から、(n−1)個の任意の水素原子を除してなる基を好適に挙げることができる。
(n+1)価の芳香環基は、更に置換基を有していても良い。
上述したアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基及び(n+1)価の芳香環基が有し得る置換基としては、一般式(V)におけるR51〜R53で挙げたアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
により表わされる−CONR64−(R64は、水素原子、アルキル基を表す)におけるR64のアルキル基としては、R61〜R63のアルキル基と同様のものが挙げられる。
としては、単結合、−COO−、−CONH−が好ましく、単結合、−COO−がより好ましい。
におけるアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
Arとしては、置換基を有していても良い炭素数6〜18の芳香環基がより好ましく、ベンゼン環基、ナフタレン環基、ビフェニレン環基が特に好ましい。
繰り返し単位(b)は、ヒドロキシスチレン構造を備えていることが好ましい。即ち、Arは、ベンゼン環基であることが好ましい。
以下に、一般式(I)で表される繰り返し単位(b)の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。式中、aは1又は2の整数を表す。
樹脂(P)は、一般式(I)で表される繰り返し単位を2種類以上含んでいてもよい。
樹脂(P)におけるフェノール性水酸基を有する非酸分解の繰り返し単位(b)の含有量は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、5〜90モル%の範囲が好ましく、10〜80モル%の範囲がより好ましく、10〜70モル%の範囲が特に好ましい。
樹脂(P)は、その他の繰り返し単位として、下記のような繰り返し単位を更に有することも好ましい。
(極性基を有する繰り返し単位)
樹脂(P)は、前述したフェノール性水酸基を有する非酸分解の繰り返し単位(b)とは異なる、極性基を有する繰り返し単位を含んでいてもよい。
極性基を有する繰り返し単位を含むことにより、例えば、樹脂を含んだ組成物の感度を向上させることができる。極性基を有する繰り返し単位は、非酸分解性の繰り返し単位であること(すなわち、酸分解性基を有さないこと)が好ましい。
極性基を有する繰り返し単位が含み得る「極性基」としては、例えば、以下の(1)〜(4)が挙げられる。なお、以下において、「電気陰性度」とは、Paulingによる値を意味している。
(1)酸素原子と、酸素原子との電気陰性度の差が1.1以上である原子とが、単結合により結合した構造を含む官能基
このような極性基としては、例えば、ヒドロキシ基などのO−Hにより表される構造を含んだ基が挙げられる。
(2)窒素原子と、窒素原子との電気陰性度の差が0.6以上である原子とが、単結合により結合した構造を含む官能基
このような極性基としては、例えば、アミノ基などのN−Hにより表される構造を含んだ基が挙げられる。
(3)電気陰性度が0.5以上異なる2つの原子が二重結合又は三重結合により結合した構造を含む官能基
このような極性基としては、例えば、C≡N、C=O、N=O、S=O又はC=Nにより表される構造を含んだ基が挙げられる。
(4)イオン性部位を有する官能基
このような極性基としては、例えば、N又はSにより表される部位を有する基が挙げられる。
以下に、「極性基」が含み得る部分構造の具体例を挙げる。
極性基を有する繰り返し単位が含み得る「極性基」は、例えば、(I)ヒドロキシ基、(II)シアノ基、(III)ラクトン基、(IV)カルボン酸基又はスルホン酸基、(V)アミド基、スルホンアミド基又はこれらの誘導体に対応した基、(VI)アンモニウム基又はスルホニウム基、及び、これらの2以上を組み合わせてなる基からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
この極性基は、ヒドロキシル基、シアノ基、ラクトン基、カルボン酸基、スルホン酸基、アミド基、スルホンアミド基、アンモニウム基、スルホニウム基及びこれらの2つ以上を組み合わせてなる基より選択されることが好ましく、アルコール性ヒドロキシ基、シアノ基、ラクトン基、又は、シアノラクトン構造を含んだ基であることが特に好ましい。
樹脂にアルコール性ヒドロキシ基を備えた繰り返し単位を更に含有させると、樹脂を含んだ組成物の露光ラチチュード(EL)を更に向上させることができる。
樹脂にシアノ基を備えた繰り返し単位を更に含有させると、樹脂を含んだ組成物の感度を更に向上させることができる。
樹脂にラクトン基を備えた繰り返し単位を更に含有させると、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストを更に向上させることができる。また、こうすると、樹脂を含んだ組成物のドライエッチング耐性、塗布性、及び基板との密着性を更に向上させることも可能となる。
樹脂にシアノ基を有するラクトン構造を含んだ基を備えた繰り返し単位を更に含有させると、有機溶剤を含んだ現像液に対する溶解コントラストを更に向上させることができる。また、こうすると、樹脂を含んだ組成物の感度、ドライエッチング耐性、塗布性、及び基板との密着性を更に向上させることも可能となる。加えて、こうすると、シアノ基及びラクトン基のそれぞれに起因した機能を単一の繰り返し単位に担わせることが可能となり、樹脂の設計の自由度を更に増大させることも可能となる。
極性基を有する繰り返し単位が有する極性基がアルコール性ヒドロキシ基である場合、下記一般式(I−1H)〜(I−10H)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることが好ましい。特には、下記一般式(I−1H)〜(I−3H)からなる群より選択される少なくとも1つにより表されることがより好ましく、下記一般式(I−1H)により表されることが更に好ましい。
式中、Ra、R、R、W、n、m、l、L、R、R、L、R、R及びpは、一般式(I−1)〜(I−10)における各々と同義である。
酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基を備えた繰り返し単位と、上記一般式(I−1H)〜(I−10H)からなる群より選択される少なくとも1つにより表される繰り返し単位とを併用すると、例えば、アルコール性ヒドロキシ基による酸拡散の抑制と、酸の作用により分解してアルコール性ヒドロキシ基を生じる基による感度の増大とにより、他の性能を劣化させることなしに、露光ラチチュード(EL)を改良することが可能となる。
アルコール性ヒドロキシ基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、1〜60mol%が好ましく、より好ましくは3〜50mol%、更に好ましくは5〜40mol%である。
以下に、一般式(I−1H)〜(I−10H)の何れかにより表される繰り返し単位の具体例を示す。なお、具体例中、Raは、一般式(I−1H)〜(I−10H)におけるものと同義である。
極性基を有する繰り返し単位が有する極性基がアルコール性ヒドロキシ基又はシアノ基である場合、好ましい繰り返し単位の一つの態様として、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが挙げられる。このとき、酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。好ましい水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIIc)で表される部分構造が好ましい。これにより基板密着性、及び現像液親和性が向上する。
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、
c〜Rcは、各々独立に、水素原子又は水酸基又はシアノ基を表す。ただし、Rc〜Rcの内の少なくとも1つは、水酸基を表す。好ましくは、Rc〜Rcの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、Rc〜Rcの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIIc)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIIc)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
一般式(AIIa)〜(AIIc)に於いて、
cは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
c〜Rcは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、Rc〜Rcと同義である。
樹脂(P)は水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を含有していても含有していなくてもよいが、含有する場合、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、1〜60モル%が好ましく、より好ましくは3〜50モル%、更に好ましくは5〜40モル%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
極性基を有する繰り返し単位は、極性基としてラクトン構造を有する繰り返し単位であってもよい。
ラクトン構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AII)で表される繰り返し単位がより好ましい。
一般式(AII)中、
Rbは、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
Rbのアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rbのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rbとして、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環又は多環のシクロアルキル構造を有する2価の連結基、エーテル結合、エステル結合、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。Abは、好ましくは、単結合、−Ab−CO−で表される2価の連結基である。
Abは、直鎖又は分岐アルキレン基、単環又は多環のシクロアルキレン基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、ラクトン構造を有する基を表す。
ラクトン構造を有する基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。また、ラクトン構造が主鎖に直接結合していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−8)、(LC1−13)、(LC1−14)である。
ラクトン構造部分は、置換基(Rb)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7の1価のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数2〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90%以上のものが好ましく、より好ましくは95%以上である。
樹脂(P)はラクトン構造を有する繰り返し単位を含有しても含有しなくてもよいが、ラクトン構造を有する繰り返し単位を含有する場合、樹脂(P)中の前記繰り返し単位の含有量は、全繰り返し単位に対して、1〜70モル%の範囲が好ましく、より好ましくは3〜65モル%の範囲であり、更に好ましくは5〜60モル%の範囲である。
以下に、樹脂(P)中のラクトン構造を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。式中、Rxは、H,CH,CHOH,又はCFを表す。
また、極性基を有する繰り返し単位が有しうる極性基が酸性基であることも特に好ましい態様の一つである。好ましい酸性基としてはフェノール性ヒドロキシル基、カルボン酸基、スルホン酸基、フッ素化アルコール基(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基が挙げられる。なかでも繰り返し単位(b)はカルボキシル基を有する繰り返し単位であることがより好ましい。酸性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。酸性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接酸性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖に酸性基が結合している繰り返し単位、更には酸性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入のいずれも好ましい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
極性基を有する繰り返し単位が有しうる酸性基は、芳香環を含んでいてもいなくてもよいが、芳香環を有する場合はフェノール性水酸基以外の酸性基から選ばれることが好ましい。極性基を有する繰り返し単位が酸性基を有する場合、酸性基を有する繰り返し単位の含有量は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、30モル%以下であることが好ましく、20モル%以下であることがより好ましい。樹脂(P)が酸性基を有する繰り返し単位を含有する場合、樹脂(P)における酸性基を有する繰り返し単位の含有量は、通常、1モル%以上である。
酸性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH、CH、CHOH又はCFを表す。

樹脂(P)は、下記一般式(4)により表される繰り返し単位を更に含んでも良い。
41は、水素原子又はメチル基を表す。L41は、単結合又は2価の連結基を表す。L42は、2価の連結基を表す。Sは、活性光線又は放射線の照射により分解して側鎖に酸を発生させる構造部位を表す。
以下に、一般式(4)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明がこれに限定されるものではない。
樹脂(P)における一般式(4)で表される繰り返し単位の含有量は、樹脂(P)の全繰り返し単位に対して、1〜40モル%の範囲が好ましく、2〜30モル%の範囲がより好ましく、5〜25モル%の範囲が特に好ましい。
(複数の芳香環を有する繰り返し単位)
樹脂(P)は下記一般式(c1)で表される複数の芳香環を有する繰り返し単位を有していても良い。
一般式(c1)中、
は、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を表し;
Yは、単結合又は2価の連結基を表し;
Zは、単結合又は2価の連結基を表し;
Arは、芳香環基を表し;
pは1以上の整数を表す。
としてのアルキル基は、直鎖状、分岐状のいずれでもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デカニル基、i−ブチル基が挙げられ、更に置換基を有していても良く、好ましい置換基としては、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基等があげられ、中でも置換基を有するアルキル基としては、CF基、アルキルオキシカルボニルメチル基、アルキルカルボニルオキシメチル基、ヒドロキシメチル基、アルコキシメチル基等が好ましい。
としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
Yは、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基としては、例えば、エーテル基(酸素原子)、チオエーテル基(硫黄原子)、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルフィド基、スルホン基、−COO−、−CONH−、−SONH−、−CF−、−CFCF−、−OCFO−、−CFOCF−、−SS−、−CHSOCH−、−CHCOCH−、−COCFCO−、−COCO−、−OCOO−、−OSOO−、アミノ基(窒素原子)、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、若しくはこれらの組み合わせからなる基があげられる。Yは、炭素数15以下が好ましく、炭素数10以下がより好ましい。
Yは、好ましくは単結合、−COO−基、−COS−基、−CONH−基、より好ましくは−COO−基、−CONH−基であり、特に好ましくは−COO−基である。
Zは、単結合又は2価の連結基を表し、2価の連結基としては、例えば、エーテル基(酸素原子)、チオエーテル基(硫黄原子)、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルフィド基、スルホン基、−COO−、−CONH−、−SONH−、アミノ基(窒素原子)、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、若しくはこれらの組み合わせからなる基があげられる。
Zは、好ましくは単結合、エーテル基、カルボニル基、−COO−であり、更に好ましくは単結合、エーテル基であり、特に好ましくは単結合である。
Arは、芳香環基を表し、具体的には、フェニル基、ナフチル基、アントラセニル基、フェナントレニル基、キノリニル基、フラニル基、チオフェニル基、フルオレニル−9−オン−イル基、アントラキノニル基、フェナントラキノニル基、ピロール基等が挙げられ、フェニル基であることが好ましい。これらの芳香環基は更に置換基を有していてもよく、好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子、ニトロ基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、スルホニルアミノ基、フェニル基等のアリール基、アリールオキシ基、アリールカルボニル基、ヘテロ環残基などが挙げられ、これらの中でも、フェニル基が、アウトバンド光に起因した露光ラチチュードやパターン形状の悪化を抑制する観点から好ましい。
pは、1以上の整数であり、1〜3の整数であることが好ましい。
複数の芳香環を有する繰り返し単位として更に好ましいのは以下の式(c2)で表される繰り返し単位である。
一般式(c2)中、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。Rとしてのアルキル基として好ましいものは、一般式(c1)と同様である。
ここで、極紫外線(EUV光)露光に関しては、波長100〜400nmの紫外線領域に発生する漏れ光(アウトオブバンド光)が表面ラフネスを悪化させ、結果、パターン間におけるブリッジや、パターンの断線によって、解像性及びLWR性能が低下する傾向となる。
しかしながら、複数の芳香環を有する繰り返し単位における芳香環は、上記アウトオブバンド光を吸収可能な内部フィルターとして機能する。よって、高解像及び低LWRの観点から、樹脂(P)は、複数の芳香環を有する繰り返し単位を含有することが好ましい。
ここで、複数の芳香環を有する繰り返し単位は、高解像性を得る観点から、フェノール性水酸基(芳香環上に直接結合した水酸基)を有さないことが好ましい。
複数の芳香環を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。

樹脂(P)は、複数の芳香環を有する繰り返し単位を含有してもしなくても良いが、含有する場合、複数の芳香環を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(P)全繰り返し単位に対して、1〜30モル%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜20モル%の範囲であり、更に好ましくは1〜15モル%の範囲である。樹脂(P)に含まれる複数の芳香環を有する繰り返し単位は2種類以上を組み合わせて含んでもよい。
本発明における樹脂(P)は、前記繰り返し単位以外の繰り返し単位を適宜有していてもよい。そのような繰り返し単位の一例として、更に極性基(例えば、前記酸基、水酸基、シアノ基)を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。これにより、有機溶剤を含む現像液を用いた現像の際に樹脂の溶解性を適切に調整することができる。このような繰り返し単位としては、一般式(IV)で表される繰り返し単位が挙げられる。
一般式(IV)中、Rは少なくとも1つの環状構造を有し、極性基を有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH−O−Ra基を表す。式中、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
が有する環状構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3〜12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3〜12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3〜7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシル基、水素原子が置換されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、水素原子が置換されたヒドロキシル基、水素原子が置換されたアミノ基を挙げることができる。
上記水素原子の置換基としては、たとえばアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
樹脂(P)は、極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、この繰り返し単位の含有量は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、1〜20モル%が好ましく、より好ましくは5〜15モル%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
また、樹脂(P)は、Tgの向上やドライエッジング耐性の向上、先述のアウトオブバンド光の内部フィルター等の効果を鑑み、下記のモノマー成分を含んでも良い。
本発明の組成物に用いられる樹脂(P)において、各繰り返し構造単位の含有モル比は、レジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明の樹脂(P)の形態としては、ランダム型、ブロック型、クシ型、スター型のいずれの形態でもよい。
樹脂(P)は、例えば、各構造に対応する不飽和モノマーのラジカル、カチオン、又はアニオン重合により合成することができる。また各構造の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより目的とする樹脂を得ることも可能である。
例えば、一般的合成方法としては、不飽和モノマー及び重合開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤に不飽和モノマーと重合開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
重合に使用される溶媒としては、例えば、後述の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製する際に使用することができる溶剤等を挙げることができ、より好ましくは本発明の組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。必要に応じて連鎖移動剤(例えば、アルキルメルカプタンなど)の存在下で重合を行ってもよい。
反応の濃度は5〜70質量%であり、好ましくは10〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは40〜100℃である。
反応時間は、通常1〜48時間であり、好ましくは1〜24時間、更に好ましくは1〜12時間である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。例えば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)又は水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、更に好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。
本発明に係わる樹脂(P)の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量が1000〜100000の範囲であることが好ましく、1500〜60000の範囲であることがより好ましく、2000〜30000の範囲であることが特に好ましい。重量平均分子量を1000〜100000の範囲とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(キャリア:THFあるいはN−メチル−2−ピロリドン(NMP))によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
また分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.00〜5.00、より好ましくは1.03〜3.50であり、更に好ましくは、1.05〜2.50である。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の樹脂(P)は、1種類単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂(P)の含有率は、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物中の全固形分を基準にして、20〜99質量%が好ましく、30〜89質量%がより好ましく、40〜79質量%が特に好ましい。
[4]酸の作用により分解して酸を発生する化合物
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、更に、酸の作用により分解して酸を発生する化合物を1種又は2種以上含んでいてもよい。上記酸の作用により分解して酸を発生する化合物が発生する酸は、スルホン酸、メチド酸又はイミド酸であることが好ましい。
以下に本発明に用いることができる酸の作用により分解して酸を発生する化合物の例を示すが、これらに限定されるものではない。

前記酸の作用により分解して酸を発生する化合物は、1種単独で又は2種以上を組合せて使用することができる。
なお、酸の作用により分解して酸を発生する化合物の含有量は、前記感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分を基準として、0.1〜40質量%であることが好ましく、0.5〜30質量%であることがより好ましく、1.0〜20質量%であることが更に好ましい。
[5]レジスト溶剤(塗布溶媒)
組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;別名1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)など)、アルキレングリコールモノアルキルエーテル(プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;1−メトキシ−2−プロパノール)など)、乳酸アルキルエステル(乳酸エチル、乳酸メチルなど)、環状ラクトン(γ−ブチロラクトンなど、好ましくは炭素数4〜10)、鎖状又は環状のケトン(2−ヘプタノン、シクロヘキサノンなど、好ましくは炭素数4〜10)、アルキレンカーボネート(エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど)、カルボン酸アルキル(酢酸ブチルなどの酢酸アルキルが好ましい)、アルコキシ酢酸アルキル(エトキシプロピオン酸エチル)などが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
上記のうち、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート及びアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましい。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。
水酸基を有する溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、水酸基を有しない溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましい。
[6]塩基性化合物
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性組成物は、塩基性化合物を更に含んでいてもよい。塩基性化合物は、好ましくは、フェノールと比較して塩基性がより強い化合物である。また、この塩基性化合物は、有機塩基性化合物であることが好ましく、含窒素塩基性化合物であることが更に好ましい。
使用可能な含窒素塩基性化合物は特に限定されないが、例えば、以下の(1)〜(7)に分類される化合物を用いることができる。
(1)一般式(BS−1)により表される化合物
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子又は有機基を表す。但し、3つのRのうち少なくとも1つは有機基である。この有機基は、直鎖若しくは分岐鎖のアルキル基、単環若しくは多環のシクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基である。
Rとしてのアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常1〜20であり、好ましくは1〜12である。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常3〜20であり、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は、特に限定されないが、通常6〜20であり、好ましくは6〜10である。具体的には、フェニル基及びナフチル基等が挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は、特に限定されないが、通常7〜20であり、好ましくは7〜11である。具体的には、ベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、ヒドロキシ基、カルボキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基及びアルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
なお、一般式(BS−1)により表される化合物では、Rのうち少なくとも2つが有機基であることが好ましい。
一般式(BS−1)により表される化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、及び2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリンが挙げられる。
また、一般式(BS−1)により表される好ましい塩基性化合物として、少なくとも1つのRがヒドロキシ基で置換されたアルキル基であるものが挙げられる。具体的には、例えば、トリエタノールアミン及びN,N−ジヒドロキシエチルアニリンが挙げられる。
なお、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に酸素原子を有していてもよい。即ち、オキシアルキレン鎖が形成されていてもよい。オキシアルキレン鎖としては、−CHCHO−が好ましい。具体的には、例えば、トリス(メトキシエトキシエチル)アミン、及び、US6040112号明細書のカラム3の60行目以降に例示されている化合物が挙げられる。
一般式(BS−1)で表される塩基性化合物としては、例えば、以下のものが挙げられる。
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
この含窒素複素環は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよい。更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、例えば、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物〔N−ヒドロキシエチルピペリジン及びビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど〕、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、並びにアンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン及びヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には、例えば、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン及び1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンが挙げられる。
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物が含んでいるアルキル基のN原子と反対側の末端にフェノキシ基を備えた化合物である。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシ基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基及びアリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
この化合物は、より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有している。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CHCHO−が特に好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミン、及び、US2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)が挙げられる。
フェノキシ基を有するアミン化合物は、例えば、フェノキシ基を有する1級又は2級アミンとハロアルキルエーテルとを加熱して反応させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びテトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル及びクロロホルム等の有機溶剤で抽出することにより得られる。また、フェノキシ基を有するアミン化合物は、1級又は2級アミンと、末端にフェノキシ基を有するハロアルキルエーテルとを加熱して反応させ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びテトラアルキルアンモニウム等の強塩基の水溶液を添加した後、酢酸エチル及びクロロホルム等の有機溶剤で抽出することによって得ることもできる。
(4)アンモニウム塩
塩基性化合物として、アンモニウム塩も適宜用いることができる。アンモニウム塩のアニオンとしては、例えば、ハライド、スルホネート、ボレート及びフォスフェートが挙げられる。これらのうち、ハライド及びスルホネートが特に好ましい。
ハライドとしては、クロライド、ブロマイド及びアイオダイドが特に好ましい。
スルホネートとしては、炭素数1〜20の有機スルホネートが特に好ましい。有機スルホネートとしては、例えば、炭素数1〜20のアルキルスルホネート及びアリールスルホネートが挙げられる。
アルキルスルホネートに含まれるアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、アルコキシ基、アシル基及びアリール基が挙げられる。アルキルスルホネートとして、具体的には、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ブタンスルホネート、ヘキサンスルホネート、オクタンスルホネート、ベンジルスルホネート、トリフルオロメタンスルホネート、ペンタフルオロエタンスルホネート及びノナフルオロブタンスルホネートが挙げられる。
アリールスルホネートに含まれるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基及びアントリル基が挙げられる。これらアリール基は、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基及び炭素数3〜6のシクロアルキル基が好ましい。他の置換基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ、ニトロ、アシル基及びアシロキシ基が挙げられる。
このアンモニウム塩は、ヒドロキシド又はカルボキシレートであってもよい。この場合、このアンモニウム塩は、炭素数1〜8のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシド(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド及びテトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ−(n−ブチル)アンモニウムヒドロキシド等のテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドであることが特に好ましい。
好ましい塩基性化合物としては、例えば、グアニジン、アミノピリジン、アミノアルキルピリジン、アミノピロリジン、インダゾール、イミダゾール、ピラゾール、ピラジン、ピリミジン、プリン、イミダゾリン、ピラゾリン、ピペラジン、アミノモルフォリン及びアミノアルキルモルフォリンが挙げられる。これらは、置換基を更に有していてもよい。
好ましい置換基としては、例えば、アミノ基、アミノアルキル基、アルキルアミノ基、アミノアリール基、アリールアミノ基、アルキル基、アルコキシ基、アシル基、アシロキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ニトロ基、水酸基及びシアノ基が挙げられる。
特に好ましい塩基性化合物としては、例えば、グアニジン、1,1−ジメチルグアニジン、1,1,3,3,−テトラメチルグアニジン、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、4−メチルイミダゾール、N−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4,5−ジフェニルイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾール、2−アミノピリジン、3−アミノピリジン、4−アミノピリジン、2−ジメチルアミノピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2−ジエチルアミノピリジン、2−(アミノメチル)ピリジン、2−アミノ−3−メチルピリジン、2−アミノ−4−メチルピリジン、2−アミノ5−メチルピリジン、2−アミノ−6−メチルピリジン、3−アミノエチルピリジン、4−アミノエチルピリジン、3−アミノピロリジン、ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチル)ピペリジン、4−アミノ−2,2,6,6テトラメチルピペリジン、4−ピペリジノピペリジン、2−イミノピペリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、ピラゾール、3−アミノ−5−メチルピラゾール、5−アミノ−3−メチル−1−p−トリルピラゾール、ピラジン、2−(アミノメチル)−5メチルピラジン、ピリミジン、2,4−ジアミノピリミジン、4,6−ジヒドロキシピリミジン、2−ピラゾリン、3−ピラゾリン、N−アミノモルフォリン及びN−(2−アミノエチル)モルフォリンが挙げられる。
(5)プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA)
本発明に係る組成物は、塩基性化合物として、プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA)を更に含んでいてもよい。
プロトンアクセプター性官能基を有し、かつ、活性光線又は放射線の照射により分解してプロトンアクセプター性が低下、消失、又はプロトンアクセプター性から酸性に変化した化合物を発生する化合物(PA)、及びその使用量等としては、特開2012−32762号公報段落0379〜0425(対応する米国特許出願公開第2012/0003590号明細書の[0386]〜[0435])の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(6)グアニジン化合物
本発明の組成物は、グアニジン化合物を更に含有していてもよい。
グアニジン化合物としては、特開2012−32762号公報段落0374〜0378(対応する米国特許出願公開第2012/0003590号明細書の[0382]〜[0385])の記載を参酌でき、これらの内容は本願明細書に組み込まれる。
(7) 窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物
本発明の組成物は、窒素原子を有し、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(以下において、「低分子化合物(D)」又は「化合物(D)」ともいう)を含有することができる。低分子化合物(D)は、酸の作用により脱離する基が脱離した後は、塩基性を有することが好ましい。
酸の作用により脱離する基としては特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(D)の分子量は、100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
化合物(D)としては、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
化合物(D)は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有しても良い。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
一般式(d−1)において、
R’は、それぞれ独立に、水素原子、直鎖状又は分岐状アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。R’は相互に結合して環を形成していても良い。
R’として好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基、アリール基である。より好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、シクロアルキル基である。
このような基の具体的な構造を以下に示す。
化合物(D)は、塩基性化合物と一般式(d−1)で表される構造を任意に組み合わせることで構成することも出来る。
化合物(D)は、下記一般式(A)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
なお、化合物(D)は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物であるかぎり、前記の塩基性化合物に相当するものであってもよい。
一般式(A)において、Raは、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に結合して、2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)若しくはその誘導体を形成していてもよい。
Rbは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシアルキル基を示す。但し、−C(Rb)(Rb)(Rb)において、1つ以上のRbが水素原子のとき、残りのRbの少なくとも1つはシクロプロピル基、1−アルコキシアルキル基又はアリール基である。
少なくとも2つのRbが結合して脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数を表し、n+m=3である。
一般式(A)において、Ra及びRbが示すアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラルキル基は、ヒドロキシル基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。Rbが示すアルコキシアルキル基についても同様である。
前記Ra及び/又はRbのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基は、上記官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)としては、特開2012−27436号公報段落0399に記載の各基等が挙げられる。
また、前記Raが相互に結合して、形成する2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20)若しくはその誘導体としては、特開2012−27436号公報段落0400に記載の各基若しくはその誘導体等が挙げられる。
本発明における特に好ましい化合物(D)を具体的に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
一般式(A)で表される化合物は、特開2007−298569号公報、特開2009−199021号公報などに基づき合成することができる。
本発明において、低分子化合物(D)は、一種単独でも又は2種以上を混合しても使用することができる。
本発明の組成物は、低分子化合物(D)を含有してもしなくてもよいが、含有する場合、化合物(D)の含有量は、上述した塩基性化合物と合わせた組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
また、本発明の組成物が酸発生剤を含有する場合、酸発生剤と化合物(D)の組成物中の使用割合は、酸発生剤/[化合物(D)+下記塩基性化合物](モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/[化合物(D)+上記塩基性化合物](モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
その他、本発明に係る組成物に使用可能なものとして、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物、及び特開2007−298569号公報の段落0108に記載の化合物等が挙げられる。
塩基性化合物として、感光性の塩基性化合物を用いてもよい。感光性の塩基性化合物としては、例えば、特表2003−524799号公報、及び、J.Photopolym.Sci&Tech.Vol.8,P.543−553(1995)等に記載の化合物を用いることができる。
塩基性化合物の分子量は、通常は100〜1500であり、好ましくは150〜1300であり、より好ましくは200〜1000である。
これらの塩基性化合物は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に係る組成物が塩基性化合物を含んでいる場合、その含有量は、組成物の全固形分を基準として、0.01〜8.0質量%であることが好ましく、0.1〜5.0質量%であることがより好ましく、0.2〜4.0質量%であることが特に好ましい。
塩基性化合物の光酸発生剤に対するモル比は、好ましくは0.01〜10とし、より好ましくは0.05〜5とし、更に好ましくは0.1〜3とする。このモル比を過度に大きくすると、感度及び/又は解像度が低下する場合がある。このモル比を過度に小さくすると、露光と加熱(ポストベーク)との間において、パターンの細りを生ずる可能性がある。より好ましくは0.05〜5、更に好ましくは0.1〜3である。なお、上記モル比における光酸発生剤とは、上記樹脂の繰り返し単位(B)と上記樹脂が更に含んでいてもよい光酸発生剤との合計の量を基準とするものである。
[7]疎水性樹脂(HR)
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記樹脂(P)とは別に疎水性樹脂(HR)を有していてもよい。
上記疎水性樹脂(HR)は、膜表面に偏在するために、フッ素原子を有する基、珪素原子を有する基、又は炭素数5以上の炭化水素基を含有することが好ましい。これらの基は樹脂の主鎖中に有していても、側鎖に置換していてもよい。以下に疎水性樹脂(HR)の具体例を示す。
なお、疎水性樹脂としてはこの他にも特開2011−248019号公報、特開2010−175859号公報、特開2012−032544号公報に記載のものも好ましく用いることができる。
疎水性樹脂(HR)の標準ポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000で、より好ましくは1,000〜50,000、更により好ましくは2,000〜20,000である。
また、疎水性樹脂(HR)は、1種で使用してもよいし、複数併用してもよい。
疎水性樹脂(HR)の組成物中の含有量は、組成物中の全固形分に対し、0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜15質量%がより好ましく、0.1〜10質量%が更に好ましい。
また、感度、解像力、ラフネスなどの点から、分子量分布(Mw/Mn、分散度ともいう)は、1〜5の範囲が好ましく、より好ましくは1〜3、更に好ましくは1〜2の範囲である。
[8]界面活性剤
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性組成物は、界面活性剤を更に含んでいてもよい。この界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が特に好ましい。
フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤としては、例えば、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176及びメガファックR08、OMNOVA社製のPF656及びPF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、並びに、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341が挙げられる。
フッ素系及び/又はシリコン系以外の界面活性剤を使用してもよい。この界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類及びポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類等のノニオン系界面活性剤が挙げられる。
その他、公知の界面活性剤を適宜使用することができる。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は、1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明に係る組成物が界面活性剤を更に含んでいる場合、その使用量は、組成物の全固形分を基準として、好ましくは0.0001〜2質量%とし、より好ましくは0.001〜1質量%とする。
一方、界面活性剤の添加量を、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物全量(溶剤を除く)に対して、10ppm以下とすることで、疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。
[9]その他の添加剤
本発明の組成物は、上記に説明した成分以外にも、カルボン酸、カルボン酸オニウム塩、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)等に記載の分子量3000以下の溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤、酸化防止剤などを適宜含有することができる。
特にカルボン酸は、性能向上のために好適に用いられる。カルボン酸としては、安息香酸、ナフトエ酸などの、芳香族カルボン酸が好ましい。
カルボン酸の含有量は、組成物の全固形分濃度中、0.01〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜5質量%、更に好ましくは0.01〜3質量%である。
本発明における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、解像力向上の観点から、膜厚10〜250nmで使用されることが好ましく、より好ましくは、膜厚20〜200nmで使用されることが好ましく、更に好ましくは30〜100nmで使用されることが好ましい。組成物中の固形分濃度を適切な範囲に設定して適度な粘度をもたせ、塗布性、製膜性を向上させることにより、このような膜厚とすることができる。
本発明における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の固形分濃度は、通常1.0〜10質量%であり、好ましくは、2.0〜5.7質量%、更に好ましくは2.0〜5.3質量%である。固形分濃度を前記範囲とすることで、レジスト溶液を基板上に均一に塗布することができ、更にはラインウィズスラフネスに優れたレジストパターンを形成することが可能になる。その理由は明らかではないが、恐らく、固形分濃度を10質量%以下、好ましくは5.7質量%以下とすることで、レジスト溶液中での素材、特には光酸発生剤の凝集が抑制され、その結果として、均一なレジスト膜が形成できたものと考えられる。
固形分濃度とは、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の総重量に対する、溶剤を除く他のレジスト成分の重量の重量百分率である。
本発明における感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、上記の成分を所定の有機溶剤、好ましくは前記混合溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、所定の支持体(基板)上に塗布して用いる。フィルター濾過に用いるフィルターのポアサイズは0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。フィルター濾過においては、例えば特開2002−62667号公報のように、循環的な濾過を行ったり、複数種類のフィルターを直列又は並列に接続して濾過を行ったりしてもよい。また、組成物を複数回濾過してもよい。更に、フィルター濾過の前後で、組成物に対して脱気処理などを行ってもよい。
[10] パターン形成方法
本発明は、上記した本発明の組成物を用いて形成された感活性光線性又は感放射線性膜(以下、レジスト膜ともいう)に関する。
また、本発明のパターン形成方法は、
(ア)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により膜(レジスト膜)を形成する工程、
(イ)該膜を露光する工程、及び
(ウ)現像液を用いて現像する工程、
を少なくとも有する。
上記工程(ウ)における現像液は、有機溶剤を含む現像液であっても良く、アルカリ現像液であっても良いが、本発明の効果がより顕著に奏されることから有機溶剤を含む現像液であることが好ましい。
具体的には、本発明のパターン形成方法は、
(ア)感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物により膜(レジスト膜)を形成する工程、
(イ)該膜を露光する工程、及び
(ウ’)該露光された膜を、有機溶剤を含む現像液を用いて現像してネガ型のパターンを形成する工程
を少なくとも有することが好ましい。
また上記工程(イ)における露光が、液浸露光であってもよい。
本発明のパターン形成方法は、(イ)露光工程の後に、(エ)加熱工程を有することが好ましい。
本発明のパターン形成方法は、上記工程(ウ)における現像液が、有機溶剤を含む現像液である場合には、(オ)アルカリ現像液を用いて現像する工程を更に有していてもよく、一方、上記工程(ウ)における現像液が、アルカリ現像液である場合には、(オ)有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程を更に有していてもよい。
本発明のパターン形成方法は、(イ)露光工程を、複数回有することができる。
本発明のパターン形成方法は、(オ)加熱工程を、複数回有することができる。
レジスト膜は、上記した本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物から形成されるものであり、より具体的には、基板上に形成されることが好ましい。本発明のパターン形成方法に於いて、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物による膜を基板上に形成する工程、膜を露光する工程、及び現像工程は、一般的に知られている方法により行うことができる。
この組成物は、例えば、精密集積回路素子やインプリント用モールドなどの製造等に使用される基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆、窒化シリコン及びクロム蒸着された石英基板など)上に、スピナー及びコーター等を用いて塗布される。その後、これを乾燥させて、感活性光線性又は感放射線性の膜を形成することができる。
レジスト膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。
反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
製膜後、露光工程の前に、前加熱工程(PB;Prebake)を含むことも好ましい。
また、露光工程の後かつ現像工程の前に、露光後加熱工程(PEB;Post Exposure Bake)を含むことも好ましい。
加熱温度はPB、PEB共に70〜120℃で行うことが好ましく、80〜110℃で行うことがより好ましい。
加熱時間は30〜300秒が好ましく、30〜180秒がより好ましく、30〜90秒が更に好ましい。
加熱は通常の露光・現像機に備わっている手段で行うことができ、ホットプレート等を用いて行っても良い。
ベークにより露光部の反応が促進され、感度やパターンプロファイルが改善する。
またリンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。
活性光線又は放射線としては、例えば、赤外光、可視光、紫外光、遠紫外光、X線、及び電子線が挙げられる。これら活性光線又は放射線としては、例えば250nm以下、特には220nm以下の波長を有したものがより好ましい。このような活性光線又は放射線としては、例えば、KrFエキシマレーザー(248nm)、ArFエキシマレーザー(193nm)、Fエキシマレーザー(157nm)、X線、及び電子線が挙げられる。好ましい活性光線又は放射線としては、例えば、KrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、電子線、X線及びEUV光が挙げられる。電子線、X線又はEUV光であることがより好ましく、電子線又はEUV光であることが更に好ましい。
また、本発明の露光を行う工程においては特開2012−27436号公報段落0421〜0425に記載の液浸露光方法を適用することができる。
液浸液として用いる水の電気抵抗は、18.3MΩcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(DO)を用いてもよい。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウェハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウェハ上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
本発明の組成物を用いて形成した膜と液浸液との間には、膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適性、放射線、特に193nmの波長を有した放射線に対する透明性、及び液浸液難溶性が挙げられる。トップコートは、レジストと混合せず、更にレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nmにおける透明性という観点からは、芳香族を含有しないポリマーが好ましい。
具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、及びフッ素含有ポリマーなどが挙げられる。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズが汚染されるため、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性であることが好ましいが、膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がないか又は小さいことが好ましい。この場合、解像力を向上させることが可能となる。露光光源がArFエキシマレーザー(波長:193nm)の場合には、液浸液として水を用いることが好ましいため、ArF液浸露光用トップコートは、水の屈折率(1.44)に近いことが好ましい。また、透明性及び屈折率の観点から、トップコートは薄膜であることが好ましい。
トップコートは、膜と混合せず、更に液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。更に、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
本発明において膜を形成する基板は特に限定されるものではなく、特開2012−27436号公報段落0426に記載の基板を用いることができる。
本発明のパターン形成方法が、アルカリ現像液を用いて現像する工程を有する場合、アルカリ現像液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア水等の無機アルカリ類、エチルアミン、n−プロピルアミン等の第一アミン類、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン等の第二アミン類、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の第三アミン類、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の第四級アンモニウム塩、ピロール、ピヘリジン等の環状アミン類等のアルカリ性水溶液を使用することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの2.38質量%の水溶液が望ましい。
アルカリ現像の後に行うリンス処理におけるリンス液としては、純水を使用し、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
また、現像処理又はリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液又はリンス液を超臨界流体により除去する処理を行うことができる。
本発明のパターン形成方法が、有機溶剤を含有する現像液を用いて現像する工程を有する場合、該工程における当該現像液(以下、有機系現像液とも言う)としては、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
ケトン系溶剤としては、例えば、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、アセトン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、1−ヘキサノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン、イオノン、ジアセトニルアルコール、アセチルカービノール、アセトフェノン、メチルナフチルケトン、イソホロン、プロピレンカーボネート等を挙げることができる。
エステル系溶剤としては、例えば、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸メチル、蟻酸エチル、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等を挙げることができる。
アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコールや、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤等を挙げることができる。
エーテル系溶剤としては、例えば、上記グリコールエーテル系溶剤の他、ジオキサン、テトラヒドロフラン等が挙げられる。
アミド系溶剤としては、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が使用できる。
炭化水素系溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、ペンタン、ヘキサン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
上記の溶剤は、複数混合してもよいし、上記以外の溶剤や水と混合し使用してもよい。
但し、本発明の効果を十二分に奏するためには、現像液全体としての含水率が10質量%未満であることが好ましく、実質的に水分を含有しないことがより好ましい。
すなわち、有機系現像液に対する有機溶剤の使用量は、現像液の全量に対して、90質量%以上100質量%以下であることが好ましく、95質量%以上100質量%以下であることが好ましい。
特に、有機系現像液は、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有する現像液であるのが好ましい。
有機系現像液の蒸気圧は、20℃に於いて、5kPa以下が好ましく、3kPa以下が更に好ましく、2kPa以下が特に好ましい。有機系現像液の蒸気圧を5kPa以下にすることにより、現像液の基板上あるいは現像カップ内での蒸発が抑制され、ウェハ面内の温度均一性が向上し、結果としてウェハ面内の寸法均一性が良化する。
5kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、2−ヘプタノン(メチルアミルケトン)、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、蟻酸ブチル、蟻酸プロピル、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
特に好ましい範囲である2kPa以下の蒸気圧を有する具体的な例としては、1−オクタノン、2−オクタノン、1−ノナノン、2−ノナノン、4−ヘプタノン、2−ヘキサノン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、フェニルアセトン等のケトン系溶剤、酢酸ブチル、酢酸アミル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸エチル、乳酸ブチル、乳酸プロピル等のエステル系溶剤、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−ヘプチルアルコール、n−オクチルアルコール、n−デカノール等のアルコール系溶剤、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のグリコール系溶剤や、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、メトキシメチルブタノール等のグリコールエーテル系溶剤、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミドのアミド系溶剤、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶剤が挙げられる。
有機系現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。
界面活性剤としては特に限定されないが、例えば、イオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。これらのフッ素及び/又はシリコン系界面活性剤として、例えば特開昭62−36663号公報、特開昭61−226746号公報、特開昭61−226745号公報、特開昭62−170950号公報、特開昭63−34540号公報、特開平7−230165号公報、特開平8−62834号公報、特開平9−54432号公報、特開平9−5988号公報、米国特許第5405720号明細書、同5360692号明細書、同5529881号明細書、同5296330号明細書、同5436098号明細書、同5576143号明細書、同5294511号明細書、同5824451号明細書記載の界面活性剤を挙げることができ、好ましくは、非イオン性の界面活性剤である。非イオン性の界面活性剤としては特に限定されないが、フッ素系界面活性剤又はシリコン系界面活性剤を用いることが更に好ましい。
界面活性剤の使用量は現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%、好ましくは0.005〜2質量%、更に好ましくは0.01〜0.5質量%である。
また、有機系現像液は、必要に応じて塩基性化合物を適当量含有していてもよい。塩基性化合物の例としては、[6]塩基性化合物の項で前述したものを挙げることができる。
現像方法としては、たとえば、現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液吐出ノズルをスキャンしながら現像液を吐出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)などを適用することができる。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液をレジスト膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm以下、更に好ましくは1mL/sec/mm以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液がレジスト膜に与える圧力が小さくなり、レジスト膜・レジストパターンが不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
現像液の吐出圧を調整する方法としては、例えば、ポンプなどで吐出圧を調整する方法や、加圧タンクからの供給で圧力を調整することで変える方法などを挙げることができる。
また、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、他の溶媒に置換しながら、現像を停止する工程を実施してもよい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後には、リンス液を用いて洗浄する工程を含んでいてもよいが、スループット(生産性)、リンス液使用量等の観点から、リンス液を用いて洗浄する工程を含まないことが好ましい。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後のリンス工程に用いるリンス液としては、レジストパターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。前記リンス液としては、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤の具体例としては、有機溶剤を含む現像液において説明したものと同様のものを挙げることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に、より好ましくは、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤からなる群より選択される少なくとも1種類の有機溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、更に好ましくは、アルコール系溶剤又はエステル系溶剤を含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、特に好ましくは、1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行い、最も好ましくは、炭素数5以上の1価アルコールを含有するリンス液を用いて洗浄する工程を行う。
ここで、リンス工程で用いられる1価アルコールとしては、直鎖状、分岐状、環状の1価アルコールが挙げられ、具体的には、1−ブタノール、2−ブタノール、3−メチル−1−ブタノール、tert―ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−ヘキサノール、シクロペンタノール、2−ヘプタノール、2−オクタノール、3−ヘキサノール、3−ヘプタノール、3−オクタノール、4−オクタノールなどを用いることができ、特に好ましい炭素数5以上の1価アルコールとしては、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノールなどを用いることができる。
前記各成分は、複数混合してもよいし、上記以外の有機溶剤と混合し使用してもよい。
リンス液中の含水率は、10質量%以下が好ましく、より好ましくは5質量%以下、特に好ましくは3質量%以下である。含水率を10質量%以下にすることで、良好な現像特性を得ることができる。
有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程の後に用いるリンス液の蒸気圧は、20℃に於いて0.05kPa以上、5kPa以下が好ましく、0.1kPa以上、5kPa以下が更に好ましく、0.12kPa以上、3kPa以下が最も好ましい。リンス液の蒸気圧を0.05kPa以上、5kPa以下にすることにより、ウェハ面内の温度均一性が向上し、更にはリンス液の浸透に起因した膨潤が抑制され、ウェハ面内の寸法均一性が良化する。
リンス液には、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
リンス工程においては、有機溶剤を含む現像液を用いる現像を行ったウェハを前記の有機溶剤を含むリンス液を用いて洗浄処理する。洗浄処理の方法は特に限定されないが、たとえば、一定速度で回転している基板上にリンス液を吐出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)、などを適用することができ、この中でも回転塗布方法で洗浄処理を行い、洗浄後に基板を2000rpm〜4000rpmの回転数で回転させ、リンス液を基板上から除去することが好ましい。また、リンス工程の後に加熱工程(Post Bake)を含むことも好ましい。ベークによりパターン間及びパターン内部に残留した現像液及びリンス液が除去される。リンス工程の後の加熱工程は、通常40〜160℃、好ましくは70〜95℃で、通常10秒〜3分、好ましくは30秒から90秒間行う。
本発明のパターン形成方法においては、有機溶剤を含む現像液を用いて現像する工程(有機溶剤現像工程)と、アルカリ水溶液を用いて現像を行う工程(アルカリ現像工程)を組み合わせても使用してもよい。これにより、より微細なパターンを形成することができる。
本発明において、有機溶剤現像工程によって露光強度の弱い部分が除去されるが、更にアルカリ現像工程を行うことによって露光強度の強い部分も除去される。このように現像を複数回行う多重現像プロセスにより、中間的な露光強度の領域のみを溶解させずにパターン形成が行えるので、通常より微細なパターンを形成できる(特開2008−292975号公報 [0077]と同様のメカニズム)。
本発明のパターン形成方法においては、アルカリ現像工程及び有機溶剤現像工程の順序は特に限定されないが、アルカリ現像を、有機溶剤現像工程の前に行うことがより好ましい。
なお、本発明に係る組成物を用いてインプリント用モールドを作製してもよく、その詳細については、例えば、特許第4109085号公報、特開2008−162101号公報、及び「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦(フロンティア出版)」を参照されたい。
また、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法を含む、電子デバイスの製造方法、及び、この製造方法により製造された電子デバイスにも関する。
本発明の電子デバイスは、電気電子機器(家電、OA・メディア関連機器、光学用機器及び通信機器等)に、好適に、搭載されるものである。
以下、本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<合成例1:化合物c−1の合成>
下記合成スキームに従って行った。
化合物(c−1−1)97g、炭酸カリウム100g、アセトン500mLを攪拌したところに、化合物(c−1−2)150gを25℃にて1時間かけて滴下した。塩化アンモニウム水溶液250mLを加えた後、アセトンをエバポレーターで留去し、得られた水相を酢酸エチル300mLで3回抽出した。得られた有機相をあわせて水250mLで2回洗浄し、得られた有機相をエバポレーターで溶媒留去したところ、化合物(c−1−3)157g(収率86%)が得られた。
化合物(c−1−4)157gにテトラブチルアンモニウムブロミド29g、1N水酸化ナトリウム水溶液500mL、ジクロロエタン500mLを加え0℃に冷却した。そこへ化合物(c−1−3)157gを酢酸エチル150gで希釈したものを1時間かけて滴下した。水相を除去し、更に1N水酸化ナトリウム水溶液150mLで3回洗浄し、有機相の溶媒を留去した。留去した残留物へヨウ化ナトリウム70gとアセトニトリル500mLを加え、攪拌した後、ろ過し、アセトニトリル300mLでかけ洗いを行ったところ、化合物(c−1−5)が227g(収率86% 白色固体)得られた。
化合物(c−1−5)227g、トリフェニルスルホニウムブロミド 160g、メタノール500mLを加え攪拌した。メタノールをエバポレーターで留去したのち、水250mLを加え、クロロホルム250mLで4回抽出し、えられた有機相をエバポレーターで溶媒留去したところ、化合物(c−1)が293g(収率95% 白色固体)得られた。
H−NMR(400MHz in CDCl):(ppm)=7.81−7.70(m,15H),6.88(s,2H),4.62(s,2H),3.10(m,2H),2.31(hep,1H),2.92−1.72(m,4H),1.28(d,12H),0.91−0.79(m,12H)
<化合物c−2〜c−137の合成>
合成例1と同様の方法で化合物c−2〜c−137のうち、以降の実施例で使用する下記化合物を合成した。以下に実施例で使用する化合物を示す。ただし、c−132については後記する。
<合成例2:樹脂P−2の合成>
窒素気流下、シクロヘキサノン23gを3つ口フラスコに入れ(溶剤1)、これを85℃に加熱した。M−I−1 40質量%シクロヘキサノン溶液 6.5g、M−II−1 10.8gをシクロヘキサノン60gに溶解した。更に開始剤V−601(和光純薬工業製)0.65gを溶解させた溶液を、(溶剤1)に対して4時間かけて滴下した。滴下終了後、更に85℃で2時間反応させた。反応液を放冷後、ヘキサン1200mLに滴下し、析出した粉体をろ取、乾燥すると、樹脂P−2が5.1g得られた。
得られた樹脂P−2につき、13C−NMR測定により、樹脂P−2の組成比(モル比)を算出した。また、GPC(溶媒:N−メチルピロリドン(NMP))測定により、樹脂P−2の重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)、数平均分子量(Mn:ポリスチレン換算)及び分散度(Mw/Mn、以下「PDI」ともいう)を算出した。これらの結果を、以下の化学式中に示す。
<樹脂(P−1)、(P−3)〜(P−11)及び化合物c−132の合成>
使用する重合性化合物(モノマー)を適宜変更した以外は、合成例2と同様の方法で樹脂(P−1)、(P−3)〜(P−11)及び化合物c−132を合成した。
以下、樹脂(P−1)〜(P−11)及び化合物c−132のポリマー構造、重量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)(PDI)を示す。また、下記ポリマー構造の各繰り返し単位の組成比をモル比で示した。
〔光酸発生剤〕
光酸発生剤としては、本発明の化合物として前掲の化合物(c−1)、(c−7)〜(c−12)、(c−62)、(c−82)、(c−85)、(c−92)、(c−93)、(c−96)、(c−103)、(c−104)、(c−115)、(c−125)〜(c−128)、(c−135)を使用するか(ただし、(c−132)については上記の通りである。)、下記式により表される化合物PAG−1、2を用いるか、又は比較例用として下記式により表される化合物r−1〜r−3を用いた。

〔塩基性化合物〕
塩基性化合物としては、下記化合物(N−1)〜(N−10)の何れかを用いた。
なお、上記化合物(N−7)は、上述した化合物(PA)に該当するものであり、特開2006−330098号公報の[0354]の記載に基づいて合成した。
〔界面活性剤及び溶剤〕
界面活性剤としては、下記W−1〜W−3を用いた。
W−1:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製;フッ素及びシリコン系)
W−2:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製;シリコン系)
W−3:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製;フッ素系)
溶剤としては、下記S1〜S4を適宜混合して用いた。
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;b.p.=146℃)
S2:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;b.p.=120℃)
S3:乳酸メチル(b.p.=145℃)
S4:シクロヘキサノン(b.p.=157℃)
<現像液>
現像液としては、以下のものを用いた。
SG−1:2−ノナノン
SG−2:メチルアミルケトン
SG−3:酢酸ブチル
<リンス液>
リンス液として、以下のものを用いた。
SR−1:4−メチル−2−ペンタノール
SR−2:1−ヘキサノール
SR−3:メチルイソブチルカルビノール
〔実施例1−1〜1−21、比較例1−1〜1−3(極紫外線(EUV)露光)〕
(1)感活性光線性又は感放射性樹脂組成物の塗液調製及び塗設
下表に示した組成を有する固形分濃度1.5質量%の塗液組成物を0.05μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、感活性光線性又は感放射性樹脂組成物(レジスト組成物)溶液を得た。
この感活性光線性又は感放射性樹脂組成物溶液を、予めヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した6インチSiウェハ上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、100℃、60秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚50nmのレジスト膜を得た。
(2)EUV露光及び現像
上記(1)で得られたレジスト膜の塗布されたウェハを、EUV露光装置(Exitech社製 Micro Exposure Tool、NA0.3、Quadrupole、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を使用して、パターン露光を行った。照射後、ホットプレート上で、110℃で60秒間加熱した後、下表に記載の有機系現像液をパドルして30秒間現像し、下表に記載のリンス液を用いてリンスした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させた後、90℃で60秒間ベークを行なうことにより、線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンのレジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9380II)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、孤立スペース解像力、露光ラチチュード(EL)、パターン形状について評価した。結果を下表に示す。
(3−1)孤立スペース解像力(EUV)
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像する時の照射エネルギーを感度(Eop)とした。
上記の感度を示す照射量における孤立パターン(ライン:スペース=5:1)の限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小のスペース幅)を求めた。そして、この値を「孤立スペース解像力(nm)」とした。
(3−2)EL評価(EUV露光)
線幅50nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが50nm±20%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
(3−3)パターン形状評価(EUV露光)
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡(日立社製S4800)を使用して観察し、レジストパターン最下部の長さL1と最上部の長さL2の比(L2/L1)で表した。L2/L1が1に近いほど良好な形状であるといえる。
上記表に示した結果から明らかなように、光酸発生剤が一般式(X)で表される化合物ではない比較例1−1〜1−3はパターン形成のELも小さく、形成されるパターンの形状も劣ることが分かる。また、孤立スペースは解像しなかったことが分かる。
一方、一般式(X)で表される化合物を使用した実施例1−1〜1−21はいずれもELが大きく、パターンの形状も矩形ないしは矩形に近いことが分かり、孤立スペースにおける解像力も優れていることが分かる。
〔実施例2−1〜2−19、比較例2−1〜2−3(電子線(EB)露光)〕
(1)感活性光線性又は感放射性樹脂組成物の塗液調製及び塗設
下表に示した組成を有する固形分濃度2.5質量%の塗液組成物を0.1μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、感活性光線性又は感放射性樹脂組成物(レジスト組成物)溶液を得た。
この感活性光線性又は感放射性樹脂組成物溶液を、予めヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した6インチSiウェハ上に東京エレクトロン製スピンコーターMark8を用いて塗布し、100℃、60秒間ホットプレート上で乾燥して、膜厚50nmのレジスト膜を得た。
(2)EB露光及び現像
上記(1)で得られたレジスト膜が塗布されたウェハを、電子線描画装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50KeV)を用いて、パターン照射を行った。この際、1:1のラインアンドスペースが形成されるように描画を行った。電子線描画後、ホットプレート上で、110℃で60秒間加熱した後、下表に記載の有機系現像液をパドルして30秒間現像し、下表に記載のリンス液を用いてリンスをした後、4000rpmの回転数で30秒間ウェハを回転させた後、90℃で60秒間加熱を行うことにより、線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンのレジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、孤立スペース解像力、露光ラチチュード(EL)、パターン形状について評価した。結果を下表に示す。
(3−1)孤立スペース解像力(EB)
線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像する時の照射エネルギーを感度(Eop)とした。
上記の感度を示す照射量における孤立パターン(ライン:スペース=100:1)の限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小のスペース幅)を求めた。そして、この値を「孤立スペース解像力(nm)」とした。
(3−2)EL評価(EB露光)
線幅100nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが100nm±20%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
(3−3)パターン形状評価(EB露光)
線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡(日立社製S4800)を使用して観察し、レジストパターン最下部の長さL1と最上部の長さL2の比(L2/L1)で表した。L2/L1が1に近いほど良好な形状であるといえる。
上記表に示した結果から明らかなように、光酸発生剤が一般式(X)で表される化合物ではない比較例2−1はパターン形成のELも小さく、形成されるパターンの形状も劣り、また、孤立スペースは解像するものの解像力に劣ることが分かる。光酸発生剤が一般式(X)で表される化合物ではない比較例2−2、2−3はパターン形成のELも小さく、形成されるパターンの形状も劣ることが分かる。また、孤立スペースには解像しなかったことが分かる。
一方、一般式(X)で表される化合物を使用した実施例2−1〜2−19はいずれもELが大きく、パターンの形状も矩形ないしは矩形に近いことが分かり、孤立スペースにおける解像力も優れていることが分かる。
〔実施例3−1〜3−5、比較例3−1(ArF露光)〕
(1)感活性光線性又は感放射性樹脂組成物の塗液調製
下表に示した組成を有する固形分濃度3.8質量%の塗液組成物を0.03μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、感活性光線性又は感放射性樹脂組成物(レジスト組成物)溶液を調製した。
(2)露光条件:ArF液浸露光
12インチのシリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚75nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。これにArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 XT1700i、NA1.20、C−Quad、アウターシグマ0.981、インナーシグマ0.895、XY偏向)を用い、マスクを通して露光した。液浸液としては超純水を用いた。その後100℃で、60秒間加熱した後、下記表に記載の有機溶剤系現像液で30秒間現像し、1000rpmの回転数でウェハを回転させながら、下記表に記載のリンス液で30秒間リンスした後、スピン乾燥して、線幅80nmの1:1のラインアンドスペースのレジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9380II)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、孤立スペース解像力、EL、パターン形状について評価した。結果を下表に示す。
(3−1)孤立スペース解像力(ArF)
線幅80nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像する時の照射エネルギーを感度(Eop)とした。
上記の感度を示す照射量における孤立パターン(ライン:スペース=10:1)の限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小のスペース幅)を求めた。そして、この値を「孤立スペース解像力(nm)」とした。
(3−2)EL評価(ArF露光)
線幅80nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが80nm±20%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
(3−3)パターン形状評価(ArF露光)
線幅80nmの1:1ラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡(日立社製S4800)を使用して観察し、レジストパターン最下部の長さL1と最上部の長さL2の比(L2/L1)で表した。L2/L1が1に近いほど良好な形状であるといえる。
上記表に示した結果から明らかなように、光酸発生剤が一般式(X)で表される化合物ではない比較例3−1はパターン形成のELも小さく、形成されるパターンの形状も劣ることが分かる。また、孤立スペースは解像しなかったことが分かる。
一方、一般式(X)で表される化合物を使用した実施例3−1〜3−5はいずれもELが大きく、パターンの形状も矩形ないしは矩形に近いことが分かり、孤立スペースにおける解像力も優れていることが分かる。
〔実施例4−1〜4−18、比較例4−1〜4−3(EUV(極紫外線)露光)〕
(1)感活性光線性又は感放射性樹脂組成物の塗液調製及び塗設
下記表に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度4質量%の溶液を調製し、これを0.10μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターで濾過して感活性光線性又は感放射性樹脂組成物(レジスト組成物)を調製した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を下記の方法で評価し、結果を下記表に示した。
下表における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
(2)EUV露光及び現像
調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、膜厚100nmの感活性光線性又は感放射線性膜(レジスト膜)を形成させた。このレジスト膜の塗布されたウェハをEUV露光装置(Exitech社製 Micro Exposure Tool、NA0.3、Quadrupole、アウターシグマ0.68、インナーシグマ0.36)を用い、露光マスク(ライン/スペース=1/1)を使用して、パターン露光を行った。露光後直ぐに110℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、孤立スペース解像力、EL、パターン形状について評価した。結果を下表に示す。
(3−1)孤立スペース解像力(EUV)
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像する時の照射エネルギーを感度(Eop)とした。
上記の感度を示す照射量における孤立パターン(ライン:スペース=5:1)の限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小のスペース幅)を求めた。そして、この値を「孤立スペース解像力(nm)」とした。
(3−2)EL評価(EUV露光)
線幅50nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが50nm±20%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
(3−3)パターン形状評価(EUV露光)
線幅50nmの1:1ラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡(日立社製S4800)を使用して観察し、レジストパターン最下部の長さL1と最上部の長さL2の比(L2/L1)で表した。L2/L1が1に近いほど良好な形状であるといえる。
上記表に示した結果から明らかなように、光酸発生剤が一般式(X)で表される化合物ではない比較例4−1はパターン形成のELも小さく、形成されるパターンの形状も劣り、また、孤立スペースは解像するものの解像力に劣ることが分かる。光酸発生剤が一般式(X)で表される化合物ではない比較例4−2、4−3はパターン形成のELも小さく、形成されるパターンの形状も劣ることが分かる。また、孤立スペースには解像しなかったことが分かる。
一方、一般式(X)で表される化合物を使用した実施例4−1〜4−18はいずれもELが大きく、パターンの形状も矩形ないしは矩形に近いことが分かり、孤立スペースにおける解像力も優れていることが分かる。
〔実施例5−1〜5−9、比較例5−1〜5−3(電子線(EB)露光)〕
(1)感活性光線性又は感放射性樹脂組成物の塗液調製及び塗設
下記表に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度4質量%の溶液を調製し、これを0.10μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターで濾過して感活性光線性又は感放射性樹脂組成物(レジスト組成物)を調製した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を下記の方法で評価し、結果を下記表に示した。
下表における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
(2)EB露光及び現像
調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、120℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、膜厚100nmの感活性光線性又は感放射線性膜(レジスト膜)を形成させた。この感活性光線性又は感放射線性膜を、電子線照射装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50keV)を用いて電子線照射を行った。照射後直ぐに110℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、孤立スペース解像力、EL、パターン形状について評価した。結果を下表に示す。
(3−1)孤立スペース解像力(EB)
線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像する時の照射エネルギーを感度(Eop)とした。
上記の感度を示す照射量における孤立パターン(ライン:スペース=100:1)の限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小のスペース幅)を求めた。そして、この値を「孤立スペース解像力(nm)」とした。
(3−2)EL評価(EB露光)
線幅100nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが100nm±20%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
(3−3)パターン形状評価(EB露光)
線幅100nmの1:1ラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡(日立社製S4800)を使用して観察し、レジストパターン最下部の長さL1と最上部の長さL2の比(L2/L1)で表した。L2/L1が1に近いほど良好な形状であるといえる。
上記表に示した結果から明らかなように、光酸発生剤が一般式(X)で表される化合物ではない比較例5−1はパターン形成のELも小さく、形成されるパターンの形状も劣り、また、孤立スペースは解像するものの解像力に劣ることが分かる。光酸発生剤が一般式(X)で表される化合物ではない比較例5−2、5−3はパターン形成のELも小さく、形成されるパターンの形状も劣ることが分かる。また、孤立スペースには解像しなかったことが分かる。
一方、一般式(X)で表される化合物を使用した実施例5−1〜5−9はいずれもELが大きく、パターンの形状も矩形ないしは矩形に近いことが分かり、孤立スペースにおける解像力も優れていることが分かる。
〔実施例6−1〜6−5、比較例6−1(ArF露光)〕
(1)感活性光線性又は感放射性樹脂組成物の塗液調製
下表に示した組成を有する固形分濃度3.8質量%の塗液組成物を0.03μm孔径のメンブレンフィルターで精密ろ過して、感活性光線性又は感放射性樹脂組成物(レジスト組成物)溶液を調製した。
(2)露光条件:ArF液浸露光
12インチのシリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚75nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を塗布し、130℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。これにArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製;XT1700i、NA1.20、C−Quad、アウターシグマ0.981、インナーシグマ0.895、XY偏向)を用い、マスクを通して露光した。液浸液としては超純水を用いた。その後100℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(3)レジストパターンの評価
走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて、得られたレジストパターンを下記の方法で、孤立スペース解像力、EL、パターン形状について評価した。結果を下表に示す。
(3−1)孤立スペース解像力(ArF)
線幅80nmの1:1ラインアンドスペースパターンを解像する時の照射エネルギーを感度(Eop)とした。
上記の感度を示す照射量における孤立パターン(ライン:スペース=10:1)の限界解像力(ラインとスペースが分離解像する最小のスペース幅)を求めた。そして、この値を「孤立スペース解像力(nm)」とした。
(3−2)EL評価(ArF露光)
線幅80nmのラインアンドスペースパターン(ライン:スペース=1:1)を再現する露光量を最適露光量とし、露光量を変化させた際にパターンサイズが80nm±20%を許容する露光量幅を求め、この値を最適露光量で割って百分率表示した。値が大きいほど露光量変化による性能変化が小さく、露光ラチチュードが良好である。
(3−3)パターン形状評価(ArF露光)
線幅80nmの1:1ラインアンドスペースパターンを走査型電子顕微鏡(日立社製S4800)を使用して観察し、レジストパターン最下部の長さL1と最上部の長さL2の比(L2/L1)で表した。L2/L1が1に近いほど良好な形状であるといえる。
上記表に示した結果から明らかなように、光酸発生剤が一般式(X)で表される化合物ではない比較例6−1はパターン形成のELも小さく、形成されるパターンの形状も劣ることが分かる。また、孤立スペースは解像しなかったことが分かる。
一方、一般式(X)で表される化合物を使用した実施例6−1〜6−5はいずれもELが大きく、パターンの形状も矩形ないしは矩形に近いことが分かり、孤立スペースにおける解像力も優れていることが分かる。

Claims (20)

  1. 下記一般式(X)で表される化合物を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。


    上記一般式中、
    Arは、(m+1)価の芳香族基を表し、前記Arは、上記一般式(X)中のスルホン酸アニオン及びm個の(P−L)基以外の置換基を更に有していてもよい。
    は有機カチオンを表す。
    mは、1以上の整数を表す。
    Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lが複数存在するとき、複数のLは同一であっても異なっていてもよい。
    Pは下記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を表す。Pが複数存在するとき、複数のPは同一であっても異なっていてもよい。
    ただし、Pが下記一般式(I)で表される基であるとき、Lは単結合、アルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基、エーテル結合、エステル結合、又はこれらの2種以上を組み合わせてなる2価の連結基である。


    上記一般式(I)中、
    11は水素原子又はアルキル基を表す。
    12は水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
    13はエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
    11及びR12は互いに結合して環を形成していても良い。
    12及びR13は互いに結合して環を形成していても良い。
    *は結合手を表す。
    上記一般式(II)中、
    21及びR22は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
    23及びR24は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
    25は水素原子又はアルキル基を表す。
    23〜R25のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成しても良い。
    *は結合手を表す。
    上記一般式(III)中、
    は3価の連結基を表す。
    31及びR34は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
    32及びR35は、各々独立に、水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
    33及びR36は、各々独立に、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
    31及びR32は互いに結合して環を形成していても良い。
    34及びR35は互いに結合して環を形成していても良い。
    32及びR33は互いに結合して環を形成していても良い。
    35及びR36は互いに結合して環を形成していても良い。
    *は結合手を表す。
    上記一般式(IV)中、
    は3価の連結基を表す。
    41及びR42は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R41及びR42は互いに結合して環を形成していても良い。
    *は結合手を表す。
  2. 前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)で表される基であり、かつLについてのアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基が置換基を有するとき、前記置換基が、ハロゲン原子を有する基、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基又はニトロ基である、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  3. 前記一般式(X)におけるLがフェニレン基を有する2価の連結基である、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  4. 前記一般式(X)におけるLが単結合である、請求項1に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  5. 下記一般式(X)で表される化合物を含有する感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。


    上記一般式中、
    Arは、(m+1)価の芳香族基を表し、前記Arは、上記一般式(X)中のスルホン酸アニオン及びm個の(P−L)基以外の置換基を更に有していてもよい。
    は有機カチオンを表す。
    mは、1以上の整数を表す。
    Lは単結合又は2価の連結基を表す。Lが複数存在するとき、複数のLは同一であっても異なっていてもよい。
    Pは下記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を表す。Pが複数存在するとき、複数のPは同一であっても異なっていてもよい。


    上記一般式(I)中、
    11 は水素原子又はアルキル基を表す。
    12 は、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
    13 はエーテル結合を含んでいてもよいアルキル基若しくはシクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
    11 及びR 12 は互いに結合して環を形成していても良い。
    12 及びR 13 は互いに結合して環を形成していても良い。
    *は結合手を表す。
    上記一般式(II)中、
    21 及びR 22 は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
    23 及びR 24 は、各々独立に、アルキル基又はアラルキル基を表す。
    25 は水素原子又はアルキル基を表す。
    23 〜R 25 のうちの少なくとも2つが互いに結合して環を形成しても良い。
    *は結合手を表す。
    上記一般式(III)中、
    は3価の連結基を表す。
    31 及びR 34 は、各々独立に、水素原子又はアルキル基を表す。
    32 及びR 35 は、各々独立に、水素原子、エーテル結合又はカルボニル基を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
    33 及びR 36 は、各々独立に、エーテル結合を含んでいてもよいアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、又はアラルキル基を表す。
    31 及びR 32 は互いに結合して環を形成していても良い。
    34 及びR 35 は互いに結合して環を形成していても良い。
    32 及びR 33 は互いに結合して環を形成していても良い。
    35 及びR 36 は互いに結合して環を形成していても良い。
    *は結合手を表す。
    上記一般式(IV)中、
    は3価の連結基を表す。
    41 及びR 42 は、各々独立に、水素原子、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。R 41 及びR 42 は互いに結合して環を形成していても良い。
    *は結合手を表す。
  6. 12 が炭素数1〜15のアルキル基である、請求項5に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  7. 12 が第3級炭素原子を有する分岐状アルキル基である、請求項5又は6に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  8. Pが前記一般式(II)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  9. 前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)で表される基であるとき、Lが単結合又は−L−COO−である(Lは単結合又は2価の連結基を表す。)、請求項1又は5に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  10. 前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)又は(II)で表される基であり、前記一般式(I)のとき、Lが−L−COO−である(Lは単結合又は2価の連結基を表す。)、請求項1又はに記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  11. 前記一般式(X)におけるPが前記一般式(I)で表される基であり、Lが−L−COO−である(Lは単結合又は2価の連結基を表す。)、請求項10に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  12. 前記一般式(X)におけるPが前記一般式(II)で表される基であり、Lが2価の連結基である、請求項1又は5に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  13. 前記一般式(I)〜(IV)で表される基よりなる群から選択される少なくとも1種の基を有する繰り返し単位を含有する樹脂を更に含有する、請求項1又は5に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  14. 酸の作用により分解してカルボキシル基を発生し得る前記一般式(I)で表される基を有する繰り返し単位又は前記一般式(II)で表される基を有する繰り返し単位を含有する樹脂を更に含有する、請求項1、5及び13のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  15. 極紫外線又は電子線により露光される請求項1〜14のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を用いて形成されるレジスト膜。
  17. 請求項16に記載のレジスト膜を露光する工程、及び前記露光した膜を現像する工程を有するパターン形成方法。
  18. 前記露光が、極紫外線又は電子線により行われる請求項1に記載のパターン形成方法。
  19. 前記現像が、有機溶剤を含む現像液を用いて行われる請求項1又は1に記載のパターン形成方法。
  20. 請求項1〜1のいずれか1項に記載のパターン形成方法を含む、半導体デバイスの製造方法
JP2013075197A 2013-03-29 2013-03-29 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法 Active JP5799050B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075197A JP5799050B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法
TW103111148A TWI659264B (zh) 2013-03-29 2014-03-26 感光化射線性或感放射線性樹脂組成物、使用其的抗蝕劑膜、圖案形成方法、電子元件的製造方法及電子元件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013075197A JP5799050B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014199358A JP2014199358A (ja) 2014-10-23
JP5799050B2 true JP5799050B2 (ja) 2015-10-21

Family

ID=52356298

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013075197A Active JP5799050B2 (ja) 2013-03-29 2013-03-29 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP5799050B2 (ja)
TW (1) TWI659264B (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101920235B1 (ko) * 2015-01-27 2018-11-20 후지필름 가부시키가이샤 감방사선성 또는 감활성광선성 조성물과, 그것을 이용한 막, 마스크 블랭크, 레지스트 패턴 형성 방법, 및 전자 디바이스의 제조 방법
JP7109178B2 (ja) * 2016-11-29 2022-07-29 東京応化工業株式会社 レジスト組成物及びレジストパターン形成方法、並びに、化合物及び酸発生剤
JP7183756B2 (ja) * 2017-12-22 2022-12-06 住友化学株式会社 塩、酸発生剤、レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法
JP7200267B2 (ja) * 2019-01-28 2023-01-06 富士フイルム株式会社 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、電子デバイスの製造方法
KR20230158040A (ko) * 2021-04-16 2023-11-17 후지필름 가부시키가이샤 감활성광선성 또는 감방사선성 수지 조성물, 레지스트막, 패턴 형성 방법, 전자 디바이스의 제조 방법, 및 화합물
CN113801042B (zh) * 2021-08-25 2022-09-27 上海新阳半导体材料股份有限公司 一种ArF光源干法光刻用多鎓盐型光产酸剂
CN113816885B (zh) * 2021-08-25 2022-12-30 上海新阳半导体材料股份有限公司 一种ArF光源干法光刻用多鎓盐型光产酸剂的制备方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3810309B2 (ja) * 2001-12-03 2006-08-16 Necエレクトロニクス株式会社 半導体装置の製造方法
JP5544098B2 (ja) * 2008-09-26 2014-07-09 富士フイルム株式会社 感活性光線性または感放射線性樹脂組成物、及び該感光性組成物を用いたパターン形成方法
JP5542043B2 (ja) * 2010-06-25 2014-07-09 富士フイルム株式会社 パターン形成方法、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及びレジスト膜
JP5732306B2 (ja) * 2011-04-20 2015-06-10 東京応化工業株式会社 化合物、高分子化合物、酸発生剤、レジスト組成物、レジストパターン形成方法

Also Published As

Publication number Publication date
TWI659264B (zh) 2019-05-11
JP2014199358A (ja) 2014-10-23
TW201447482A (zh) 2014-12-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6163438B2 (ja) パターン形成方法、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイス、並びに、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、及び、レジスト膜
JP5873826B2 (ja) パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法
JP5850873B2 (ja) 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法
JP5965855B2 (ja) 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法、並びに樹脂
JP5292377B2 (ja) 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、並びに、それを用いた感活性光線性又は感放射線性膜及びパターン形成方法
JP5894953B2 (ja) 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法
JP6185874B2 (ja) パターン形成方法、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイス
JP6027934B2 (ja) 化合物、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、パターン形成方法、及び、これらを用いた電子デバイスの製造方法
JP5799050B2 (ja) 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、それを用いたレジスト膜、パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法
JP6209344B2 (ja) パターン形成方法、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、これらを用いた電子デバイスの製造方法
JP2013076991A (ja) パターン形成方法、感電子線性又は感極紫外線性樹脂組成物、及び、レジスト膜、並びに、これらを用いた電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイス
JP6410926B2 (ja) パターン形成方法、及び電子デバイスの製造方法
JP6271150B2 (ja) パターン形成方法、組成物キット、及び電子デバイスの製造方法
JP2013167825A (ja) パターン形成方法、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びレジスト膜、並びにこれらを用いた電子デバイスの製造方法及び電子デバイス
TWI677753B (zh) 圖案形成方法、電子元件的製造方法及電子元件
JP6476276B2 (ja) パターン形成方法、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、及び電子デバイスの製造方法
WO2016136481A1 (ja) パターン形成方法、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、感活性光線性又は感放射線性膜、これらを用いた電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイス
JP6118586B2 (ja) パターン形成方法、及び、電子デバイスの製造方法
WO2014141807A1 (ja) パターン形成方法、組成物キット、及びレジスト膜、並びにこれらを用いた電子デバイスの製造方法、及び電子デバイス
JP6195523B2 (ja) 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物、レジスト膜、及び、パターン形成方法、並びに、これらを用いた電子デバイスの製造方法、及び、電子デバイス
JP2018124297A (ja) 反転パターン形成方法、画像反転用組成物及び電子デバイスの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20150209

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150303

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150501

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150728

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150824

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5799050

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250