JP5772010B2 - 熱転写シート - Google Patents
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Description
1.熱転写シートの構成
1−1.基材シート110
1−2.染料層120
1−3.検知マーク層140、転写保護層150、転写受容層160等
1−4.耐熱滑性層130
2.熱転写シートの製造方法
まず、図1〜図5を参照しながら、本発明の好適な実施形態に係る熱転写シートの構成について説明する。図1は、本発明の好適な実施形態に係る熱転写シートの構成例を概略的に示す断面図である。図2は、本実施形態に係る熱転写シートの構成例を概略的に示す平面図である。図3は、本実施形態において、各染料層の間に検知マーク層を設けた熱転写シートの構成例を概略的に示す平面図である。図4は、本実施形態において、転写保護層を設けた熱転写シートの構成例を概略的に示す平面図である。図5は、本実施形態において、転写受容層を設けた熱転写シートの構成例を概略的に示す平面図である。
基材シート110には、ある程度の耐熱性と強度を有する任意の各種基材を用いることができる。具体的には、基材シート110としては、例えば、ポリエステルフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、アラミドフィルム等を使用することができる。この基材シート110の厚みは、任意の厚みとしてよいが、例えば1〜30μm、好ましくは2〜10μmである。
熱転写染料層120は、上記基材シート110の印画紙と対向する側の面に形成される。この熱転写染料層120は、単色画像に対応させる場合には、基材シート110の全面に連続層として形成される。また、フルカラー画像に対応させる場合には、図2に示すように、基材シート110上に、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の染料層120Y、120M、120Cが分離して順次繰り返して形成されるのが一般的である。なお、イエロー、マゼンタ、シアンの各色の染料層120Y、120M、120Cの形成順序は、必ずしも図2に示した通りでなくてもよい。また、フルカラー画像に対応させる場合、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(B)の4色の染料層120を繰り返し形成してもよい。
熱転写染料層120に含有される染料としては、熱により、溶融、拡散もしくは昇華移行する染料であれば任意の材料を使用することができる。例えば、イエロー染料としては、アゾ系、ジスアゾ系、メチン系、ピリドンアゾ系等の染料、及びこれらの染料の混合系を使用できる。マゼンタ染料としては、アゾ系、アントラキノン系、スチリル系、複素環系アゾ色素等の染料、及びこれら染料の混合系を使用できる。シアン染料としては、インドアニリン系、アントラキノン系、ナフトキノン系、複素環系アゾ色素の染料、及びこれらの混合系を使用できる。熱転写染料層120に添加される染料は、これらの染料の色相、印画濃度、耐光性、保存性、バインダへの溶解度等の特性を考慮して決定される。
熱転写染料層120の形成に用いるバインダとしては、任意の材料を使用することができる。具体的には、熱転写染料層120用のバインダとしては、例えば、セルロース系、アクリル酸系、デンプン系等の水溶性樹脂、アクリル樹脂、ポリフェニレンオキサイド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、アセチルセルロース等の有機溶剤あるいは水に可溶性の樹脂等が挙げられる。これらのうち、記録感度及び転写体の保存安定性の点から言えば、熱変形温度(JIS K7191)が70〜150℃のものがバインダとして優れている。したがって、熱転写染料層120用のバインダとしては、ポリスチレン、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、メタクリル樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン等が好ましい。
また、本実施形態に係る熱転写シート100においては、基材シート110の熱転写染料層120が形成される側の面に、さらに、検知マーク層140、転写保護層150、転写受容層160等が設けられていてもよい。
検知マーク層140は、熱転写を行うプリンタが、染料層120、転写保護層150、転写受容層160等の位置を検知するために設けられる層である。この検知マーク層140は、例えば、図2に示すように、イエロー色染料層120Y、マゼンタ色染料層120M、シアン色染料層120Cを1組の染料層群とした場合に、各染料層群の間に設けられていてもよい。すなわち、この場合、基材シート110の一方の面には、検知マーク層140、イエロー色染料層120Y、マゼンタ色染料層120M、シアン色染料層120Cの順に、これらが繰り返し形成される。また、検知マーク層140は、例えば、図3に示すように、各色の染料層120の間に設けられていてもよい。
転写保護層150は、印画後の印画面に転写され、印画物の耐光性、耐擦過性、耐薬品性等が不十分な場合に、印画面を保護する層である。この転写保護層150は、印画面を保護することが可能な公知の材料、例えば、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂等の有機ポリマー等で形成される。また、転写保護層150は、各色の染料が転写されて印画紙に印画された後に印画面を保護するため、例えば、図4に示すように、イエロー色染料層120Y、マゼンタ色染料層120M、シアン色染料層120Cの1組の染料層群の後(後に印画紙と接触する側)に設けられる。
転写受容層160は、被転写材が普通紙等のように染料層120を直接転写できない媒体の場合に設けられ、各熱転写染料層120よりも先に被転写材に転写される。この転写受容層160は、染料を熱転写可能な公知の材料で形成されるが、その中でも染料が染着しやすい材料を使用することが好ましい。また、転写受容層160は、熱転写染料層120の転写に先だって普通紙等の被転写材表面に受容層を形成するために、例えば、図5に示すように、イエロー色染料層120Y、マゼンタ色染料層120M、シアン色染料層120Cの1組の染料層群の前(先に被転写材と接触する側)に設けられる。
その他、基材シート110の印画紙と対向する側の面には、上述した染料層120、検知マーク層140、転写保護層150及び転写受容層160と、基材シート110との接着力を強化するためのプライマー層(図示せず。)を、上記各層と基材シート110との間に設けてもよい。さらには、プライマー層の形成に代えて、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理等の公知の接着処理を実施してもよい。
耐熱滑性層130は、基材シート110の熱転写染料層120が形成される(印画紙と対向する)側と反対側の面に形成される。熱転写染料層120の転写時には、基材シート110の印画紙と対向する側と反対側の面がサーマルヘッド等の加熱手段と接触しながら、転写シート100が走行する。したがって、耐熱滑性層130は、基材シート110に潤滑性を付与することにより、熱転写シート100と加熱手段との間の摩擦を低下させ、接触走行の走行性を向上させるために設けられる。
耐熱滑性層130の形成に用いるバインダとしては、ポリビニルアセトアセタール樹脂とアクリルシリコーン樹脂とを混合したバインダを用いる。樹脂同士の相溶性や耐熱滑性層の性能面を考慮すると、ポリビニルアセトアセタール樹脂とアクリルシリコーン樹脂の組み合わせが好ましい。例えば、相溶性の悪い樹脂同士を混合すると、均一な塗布層を得ることが難しくなり、さらに摩擦が上昇しやすいことから、熱転写シートの走行性に悪影響を及ぼすこととなる。
また、本実施形態に係る耐熱滑性層130は、イソシアネートを用いてバインダ樹脂を架橋することが必要である。イソシアネートを使用しなければエージング処理、すなわち、耐熱滑性層130形成用の塗料を塗布後に加熱して膜を硬化させる熱硬化処理が不要となる。しかし、イソシアネートを用いることにより染料の耐熱滑性層130への転写を防止することができ、これは他の材料にはないイソシアネートの好適な特徴であることから、本実施形態では、イソシアネートを使用している。
耐熱滑性層130の形成に用いる潤滑剤としては、例えば、ポリグリセリン脂肪酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、脂肪酸アマイド等を挙げることができる。これらの潤滑剤の中でも、リン酸エステル等が好ましく用いられ、特に、酸性リン酸エステルが好ましく用いられる。これは、酸性リン酸エステルを用いることにより、後述するイソシアネートによる架橋反応が促進されるからである。また、潤滑剤としては、融点が50℃以上のもの、特に、融点が50℃以上のリン酸エステルを含む潤滑剤を用いる。潤滑剤の融点が低いと、耐熱滑性層130の膜硬さが不十分となり、染料層120と接触した際に、染料や潤滑剤が移行し、色ずれの原因になるほか、染料層120とのブロッキングを招く要因となるおそれがある。潤滑剤の好ましい添加量としては、特に限定されるものではなく、バインダの摩擦に応じて適宜調整することが可能である。
耐熱滑性層130に使用できるフィラーとしては、球状粒子のフィラーを用いることができる。このような球状粒子のフィラーとしては、例えば、シリカ、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボン等の無機充填剤や、シリコーン樹脂、テフロン(登録商標)樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等からなる有機充填剤が使用可能である。これらの球状粒子のフィラーの中で最も好ましいのは、ポリメチルシルセスキオキサンからなるシリコーン樹脂である。シリコーン樹脂等の球状粒子の平均粒径としては、0.5μm以上5.0μm以下が好ましい。球状粒子の粒径が小さすぎると、耐熱滑性層130の表面から突出させることが難しく、滑り性を付与することが難しくなる。一方、球状粒子の粒径が大きすぎると、印画時にサーマルヘッド等の加熱手段の熱を伝達することが難しくなる。また、上記範囲の粒径の球状粒子を用いて耐熱滑性層130の表面に凹凸を形成させると、熱転写シート100を巻回して保存した際に、熱転写染料層120と耐熱滑性層130との接触面が少なくなり、染料の移行を防止するとともに滑りを良くすることができる。なお、ここでの平均粒径とは、粒度分布計で測定した際の1次粒子の数平均粒径を指す。
以上、本発明の好適な実施形態に係る熱転写シートの構成について詳細に説明したが、続いて、本発明の好適な実施形態に係る熱転写シートの製造方法について説明する。
まず、上述したバインダ、潤滑剤、フィラー及びイソシアネート等の添加剤を所定の溶剤に溶解又は分散させることで、耐熱滑性層130形成用の塗料を調製する。この際、バインダとしては、ポリビニルアセトアセタール樹脂に、常温で粉末状固体の質量平均分子量100,000以上であるアクリルシリコーン樹脂を混合したバインダを使用する。また、アクリルシリコーン樹脂の添加量は、耐熱滑性層130の形成(硬化)後において、耐熱滑性層130中に、ポリビニルアセトアセタール樹脂100質量部に対して10質量部以下の割合で含まれるような量とする。また、イソシアネートの添加量は、耐熱滑性層130の形成(硬化)後において、耐熱滑性層130中に、ポリビニルアセトアセタール樹脂100質量部に対して10質量部以上30質量部以下の割合で含まれるような量とする。なお、溶剤の種類や、添加剤と溶剤との質量比は、添加剤が溶剤に十分に溶解又は分散するように適宜決定すればよい。
次に、染料、バインダ、及び必要に応じて加えるその他の添加剤を所定の溶剤に添加し、各成分を溶解または分散させることで、熱転写染料層120形成用の塗料を調製する。なお、溶剤の種類や、染料、バインダ及び添加剤と溶剤との質量比は、添加剤が溶剤に十分に溶解又は分散するように適宜決定すればよい。
以下の実施例及び比較例では、バインダとして以下の化合物1〜6を用い、潤滑剤として以下の化合物7〜9を用い、イソシアネート(熱架橋剤)として化合物10を用い、フィラーとして以下の化合物11,12を用いた。なお、化合物9は、アルキル鎖の炭素数C18のモノエステルとジエステルが、モノエステル:ジエステル=1.7:1(質量比)で含まれるSC有機化学工業社製の「Phoslex A−18」から、モノエステルを分離抽出したものである。
化合物1 ポリビニルアセトアセタール樹脂
(積水化学工業社製 商品名:KS−3Z Tg110℃)
化合物2 ポリビニルアセトアセタール樹脂
(積水化学工業社製 商品名:KS−1 Tg107℃)
化合物3
(積水化学工業社製 商品名:BX−1 Tg90℃)
化合物4
(日信化学工業社製 商品名:R−170 固体状
Mw250,000〜300,000、揮発分(不純物)5質量%以下、
酸価0.06mgKOH/g、水酸基価0.1mgKOH/g)
化合物5
(東亜合成社製 商品名:サイマックUS−270 30質量%MEK−TOL溶液
Mw100,000未満、酸価26mgKOH/g、水酸基価0mgKOH/g)
化合物6
(東亜合成社製 商品名:サイマックUS−380 30質量%MEK−TOL溶液
Mw100,000未満、酸価0mgKOH/g、水酸基価65mgKOH/g)
化合物7
(東邦化学工業社製 商品名:GF-199 融点44℃)
化合物8
(東邦化学工業社製 商品名:RL-210 融点55℃)
化合物9 リン酸モノオクタデシル
(純度94.2%、融点82℃)
化合物10
(日本ポリウレタン社製 商品名:コロネートL 45質量%酢酸エチル溶液)
化合物11 ポリメチルシルセスキオキサンの球状粒子
(東芝シリコーン社製 商品名:XC−99 平均粒径0.7μm)
化合物12 タルク
(日本タルク社製 商品名:SG−95 平均粒径2.5μm)
(耐熱滑性層の形成)
上記化合物を用いて、以下の手法により熱転写シートを作成した。まず、厚さ6μmのポリエステルフィルム(東レ社製、商品名ルミラー)を基材シートとして使用した。耐熱滑性層用のバインダ、潤滑剤及びフィラーとしては、表1に示した種類の化合物を、形成後の耐熱滑性層中に含まれる量が表1に示した量となるような添加量で用いた。上記のバインダ、潤滑剤及びフィラーをメチルエチルケトンとトルエンとの混合比が1:2(メチルエチルケトン:トルエン=1:2)の混合溶媒1900質量部に溶解させ、耐熱滑性層用の塗料を調製した。次いで、この塗料を上記の基材シートの一方の面に乾燥後の厚さが0.5μmとなるように塗布した後に乾燥させて、下記の表1に記載の実施例1〜実施例8及び比較例1〜比較例8の耐熱滑性層を得た。
次に、上記のようにして実施例1〜8及び比較例1〜8の耐熱滑性層を形成してすぐに、耐熱滑性層が形成された各基材シートの反対側の面に、下記の組成からなる3色の熱転写染料層を乾燥後の厚さ1μmとなるように塗布した後に乾燥させて熱転写染料層を得た。以上のようにして、基材シートの一方の面に熱転写染料層を有し、他方の面に耐熱滑性層を有する実施例1〜8及び比較例1〜8の熱転写シートを製造した。なお、耐熱滑性層及び熱転写染料層の形成の際、乾燥温度は105℃とし、乾燥時間は耐熱滑性層塗布時の乾燥時間も含めて合計で30秒とした。
フォロンイエロー(サンドス社製) 5.0質量部
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、商品名BX−1) 5.0質量部
メチルエチルケトン 45.0質量部
トルエン 45.0質量部
フォロンレッド 2.5質量部
アントラキノン系染料(住友化学社製、商品名ESC451) 2.5質量部
ポリビニルブチラール樹脂(積水化学社製、商品名BX−1) 5.0質量部
メチルエチルケトン 45.0質量部
トルエン 45.0質量部
フォロンブルー(サンドス社製) 2.5質量部
インドアニリン染料(構造は、下記構造式1を参照) 2.5質量部
ポリビニラール樹脂(積水化学社製、商品名BX−1) 5.0質量部
メチルエチルケトン 45.0質量部
トルエン 45.0質量部
上記のようにして作成した実施例1〜8及び比較例1〜8の熱転写シートについて、摩擦係数、走行性、スティッキング、染料保存性、及びサーマルヘッド汚染性を評価した。
摩擦係数は、図6に示す摩擦測定機10を用いて測定した。この摩擦測定機10は、熱転写シート100及び印画紙Rをサーマルヘッド11及びプラテンロール12で挟み込み、テンションゲージ13で熱転写シート100及び印画紙Rを引き上げ、テンションを測定するものである。測定条件は下記の通りである。
熱転写シートの送りスピード:450mm/分
信号設定
印字パターン:2(Stair Step)
原稿:3(48/672ライン、14ステップ)
ストローブ分割:1
ストローブパルス幅:20.0m秒
印字スピード:22.0m秒/1ライン
クロック:3(4MHz)
ヘッド電圧:18.0V
また、走行性及びサーマルヘッド汚染性は、以下に示す方法を用いて評価した。すなわち、上記で得られた熱転写シートをソニー株式会社製フルカラープリンタ(商品名UP−DR150)に装着し、印画紙(ソニー株式会社製、商品名UPC―R154H)に階調印画(16階調)し、走行性(印画ムラ、しわ発生、印画ずれ、走行音等の有無)及びサーマルヘッド汚染性を調べた。
さらに、染料保存性については、上記で得られた熱転写シートを各2枚用意し、これらの2枚の熱転写シート(20cm×20cm)の熱転写染料層と耐熱滑性層とを重ね合わせ、2枚のガラス板に挟み、上から5kgの重りで荷重をかけ、50℃のオーブンに入れて1週間保存した。保存前と保存後の熱転写シートについて、ソニー株式会社製フルカラープリンタ(商品名UP−DR150)に装着して印画紙(ソニー株式会社製、商品名UPC―R154H)に階調印画(16階調)し、各階調の色差をマクベス分光色測計(商品名SpectroEye)によるL*a*b*表色系における色度で測定した。次に、測定された色度から色相ΔEabを算出し、染料保存性を色ずれとして評価した。具体的には、色ずれについては、ΔEab≦4.5であったものを○、ΔEab>4.5であったものを×とした。また、得られた熱転写シートを50℃のオーブンに入れて1週間保存した後の耐熱滑性層の摩擦係数を測定し、高温保存した後の摩擦係数を確認した。
(A)バインダとして、ポリビニルアセトアセタール樹脂に、該ポリビニルアセトアセタール樹脂100質量部に対して10質量部以下の割合で、常温で粉末状固体の質量平均分子量100,000以上であるアクリルシリコーン樹脂を混合したバインダを含有する。
(B)ポリビニルアセトアセタール樹脂100質量部に対して10質量部以上30質量部以下のイソシアネートを含有する。
110 基材シート
120 熱転写染料層
130 耐熱滑性層
140 検知マーク層
150 転写保護層
160 転写受容層
Claims (2)
- 基材シートの一方の面に形成され、染料を含有する熱転写染料層と、
前記基材シートの他方の面に形成され、バインダ、潤滑剤及びフィラーを含有する耐熱滑性層と、
を有し、
前記耐熱滑性層は、前記バインダとして、ポリビニルアセトアセタール樹脂に、該ポリビニルアセトアセタール樹脂100質量部に対して10質量部以下の割合で、ポリシロキサン基含有ビニルモノマーとアクリル酸エステルモノマーとの共重合反応、又はアクリル樹脂と反応性シリコーンとの反応により合成され、常温で粉末状固体の質量平均分子量100,000以上であるアクリルシリコーン樹脂を混合したバインダを含有し、
前記耐熱滑性層はさらに、前記ポリビニルアセトアセタール樹脂100質量部に対して10質量部以上30質量部以下のイソシアネートを含有し、かつ、前記潤滑剤として融点が50℃以上のリン酸エステルを含む、熱転写シート。 - 前記耐熱滑性層のフィラーが、ポリメチルシルセスキオキサンからなる球状粒子、または、ポリメチルシルセスキオキサンからなる球状粒子と平板状粒子であるタルクとの混合物からなる、請求項1に記載の熱転写シート。
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