JP6354266B2 - 熱転写シート、マゼンタ色材層用塗工液、熱転写シートの製造方法、画像形成方法 - Google Patents

熱転写シート、マゼンタ色材層用塗工液、熱転写シートの製造方法、画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、熱転写シート、マゼンタ色材層用塗工液、熱転写シートの製造方法、及び画像形成方法に関する。
簡便な印刷方法として、種々の熱転写記録方法が広く使用されている。各熱転写記録方法では、連続した基材上に、例えば、イエロー、マゼンダ及びシアン(必要に応じてブラック)の色材層を面順次に繰り返し多数設けた熱転写シートが主に使用されている。熱転写記録方法は、加熱によって色材層が溶融軟化し、熱転写受像シート上に移行して画像を形成する熱溶融型記録方法と、加熱によって色材層中の染料を被転写体上に移行して画像を形成する昇華型記録方法に大別される。中でも、昇華型記録方法は、昇華性染料を色材としているため中間調の再現性や階調性に優れており、原稿通りのフルカラー画像を受像シート上に鮮明に表現することができるので、デジタルカメラ、ビデオ、コンピューター等のカラー画像形成に応用されている。その画像は、銀塩写真に匹敵する高品質なものである。
上記熱転写シートは、一般的に巻き取られた状態で保管・使用されるところ、色材層に含まれる色材がブリード等により色材層の表面に局在化した状態で存在している場合には、当該昇華性染料が、熱転写シートの耐熱滑性層側に移行(所謂キック)しやすくなる。そして、当該耐熱滑性層側に移行した昇華性染料が、再び、色材層側に再移行(所謂バック)した場合、特に、色相が異なる各色の色材層が面順次に設けられた熱転写シートにおいて、耐熱滑性層側に移行した昇華性染料が、当該昇華性染料とは色相が異なる他の色材層に移行した場合には、当該他の色材層を用いた画像形成時に発色特性の低下を引き起こす。
また、上記熱転写シートには、耐光性の高い画像の形成が可能であることが求められている。つまり、熱転写シートにおいては、キックの発生を防止しつつも、耐光性の高い画像の形成が可能である色材層を備えていることが求められている。
このような状況下、特許文献1には、基材の上にマゼンタ染料層が設けられてなる熱転写シートにおいて、当該マゼンタ染料層に、所定の染料(特許文献3における式(1)の染料と、式(2)〜式(5)の中から選ばれた少なくとも一種の染料)を含有せしめた熱転写シートが提案されている。この熱転写シートによれば、印画後の耐光性が良好であるとされている。
特開平7−81252号公報
しかしながら、特許文献1に提案がされている熱転写シートでは、マゼンタ染料層が含有している染料が、当該染料層の表面に局在化しやすい状況にあると考えられ、キックの発生の抑制を十分に行うことができない。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、キックの発生を抑制することができ、かつ耐光性の高い画像の形成が可能な熱転写シートを提供すること、及びこの熱転写シートのマゼンタ色材層を形成するためのマゼンタ色材層用塗工液を提供すること、並びにこの熱転写シートの製造方法を提供すること、さらには、この熱転写シートを用いた画像形成方法を提供することを主たる課題とする。
上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面にマゼンタ色材層が設けられた熱転写シートであって、前記マゼンタ色材層は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
また、前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であってもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、熱転写シートのマゼンタ色材層を形成するためのマゼンタ色材層用塗工液であって、前記マゼンタ色材層用塗工液は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
また、前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であってもよい。
また、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記マゼンタ色材層用塗工液中に50nm以上300nm以下の粒径で分散されていてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、熱転写シートの製造方法であって、基材の一方の面上にマゼンタ色材層用塗工液を塗工してマゼンタ色材層を形成するマゼンタ色材層形成工程を含み、前記マゼンタ色材層形成工程で用いられる前記マゼンタ色材層用塗工液は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
また、前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であってもよい。
また、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記マゼンタ色材層用塗工液中に50nm以上300nm以下の粒径で分散されていてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、基材の一方の面にマゼンタ色材層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、前記熱転写シートの前記マゼンタ色材層は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、前記マゼンタ色材層が含有している前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする。
(特定方法)
所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
また、前記マゼンタ色材層が含有している前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であってもよい。
本発明の熱転写シートによれば、キックの発生を抑制することができ、かつ耐光性の高い画像の形成を行うことができる。また、本発明のマゼンタ色材層用塗工液によれば、上記効果を奏する熱転写シートのマゼンタ色材層を形成することができる。また、本発明の熱転写シートの製造方法によれば、上記効果を奏する熱転写シートを製造することができる。また、本発明の画像形成方法によれば、耐光性の高い画像を形成することができる。
本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 本発明の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 比較の熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 変形例1のマゼンタ色材層を備える熱転写シートの一例を示す概略断面図である。 変形例2のマゼンタ色材層を備える熱転写シートの一例を示す概略断面図である。
<<熱転写シート>>
以下、本発明の熱転写シートについて説明する。図1に示すように、本発明の一実施形態の熱転写シート100は、基材1と、当該基材1の一方の面に設けられたマゼンタ色材層3を備える。基材1、マゼンタ色材層3は、本発明の熱転写シート100における必須の構成である。なお、図1に示す形態では、基材1とマゼンタ色材層3との間に、プライマー層4が設けられ、基材1の他方の面に背面層5が設けられているが、プライマー層4、背面層5は、本発明の熱転写シート100における任意の構成である。以下、熱転写シート100を構成する各層について具体的に説明する。
(基材)
基材1について特に限定はなく、従来公知の材料を適宜選択して用いることができ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、1,4−ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリフェニレンサルフィドフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリサルホンフィルム、アラミドフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、セロハン、酢酸セルロース等のセルロース誘導体、ポリエチレンフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム、ナイロンフィルム、ポリイミドフィルム、アイオノマーフィルム等の樹脂フィルム;コンデンサー紙、パラフィン紙、合成紙等の紙類;不織布;紙や不織布と樹脂との複合体等を挙げることができる。
基材1の厚みについて特に限定はないが、通常0.5μm〜50μm程度であり、好ましくは約3μm〜10μmである。また、基材1は、必要に応じ、その一方の面又は両面に接着処理を施していてもよい。接着処理としては、コロナ放電処理、火炎処理、オゾン処理、紫外線処理、放射線処理、粗面化処理、化学薬品処理、プラズマ処理、低温プラズマ処理、プライマー処理、グラフト化処理等、公知の樹脂表面改質技術をそのまま適用して、易接着処理することができる。また、それらの処理を2種以上併用することもできる。プライマー処理は、プラスチックフィルムを延伸処理して製造する場合、未延伸フィルムにプライマー液を塗布し、その後に延伸処理して行うこともできる。
(プライマー層)
基材1の接着処理として、基材1上にプライマー層4を設けてもよい。プライマー層4は、本発明の熱転写シート100における任意の構成であり、例えば、以下の有機材料及び無機材料から形成することができる。有機材料としては、ポリエステル系樹脂、ポリアクリル酸エステル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、スチレンアクリレート系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂やポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン及びその変性体等のビニル系樹脂、ポリビニルアセトアセタールやポリビニルブチラール等のポリビニルアセタール系樹脂等が挙げられる。無機材料としては、シリカ(コロイダルシリカ)、アルミナあるいはアルミナ水和物(アルミナゾル、コロイダルアルミナ、カチオン性アルミニウム酸化物又はその水和物、擬ベークマイト等)、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン等のコロイド状無機顔料超微粒子等が挙げられる。これ以外にも、有機チタネート、例えば、テトラキス(2−エチルヘキシル)チタネート、ビス(エチル−3−オキソブタノレート−01、03)ビス(2−プロパノレート)チタン、又はイソプロピルトリイソステアロイルチタネートから形成され;或いは、チタンアルコキシド、例えば、チタンテトライソプロポキシド、又はチタンテトラ−n−ブトキシドから形成される無機主鎖をもつポリマーをプライマー層の材料として用いることもできる。
基材1のマゼンタ色材層3が形成される面に接着処理を施す、或いは、基材1とマゼンタ色材層3との間にプライマー層4を設けることで、基材1とマゼンタ色材層3との密着性を向上させ、画像形成時にマゼンタ色材層3が異常転写されることを防止することができる。また、染料染着性の低い材料をプライマー層として使用することにより、プライマー層がないときと比べて印画濃度を向上させることができる。
プライマー層4は、上述に例示される材料の中から選択される単独または複数の材料を、有機溶剤等の適当な溶剤に溶解または分散させてプライマー層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、基材1上に塗工、乾燥して形成することができる。プライマー層用塗工液の塗工量は特に限定はないが、通常、固形分で0.02g/m2〜10g/m2程度である。
(マゼンタ色材層)
図1に示すように、基材1の一方の面上には、直接的、或いは任意のプライマー層4等を介して間接的にマゼンタ色材層3が設けられている。マゼンタ色材層3は、マゼンタ色材、当該マゼンタ色材を分散可能な溶媒、分散剤、及びバインダー樹脂を含有している。そして、本発明の一実施形態の熱転写シート100は、マゼンタ色材層3が含有しているマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴としている。以下、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材を総称して、「特定のマゼンタ色材」と言う場合がある。また、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な溶媒のことを「分散溶媒」と言う場合がある。
上記特徴のマゼンタ色材層3を備える本発明の一実施形態の熱転写シート100によれば、当該熱転写シート100を用いて形成される画像に高い耐光性を付与することができ、かつ、熱転写シート100の保存時等に生じ得るキックの発生を抑制することができる。
以下、基材の一方の面上に、バインダー樹脂、所定の溶媒、当該所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料10yを含有している色材層3Cが設けられた比較の熱転写シート100Xを例に挙げ、本発明の熱転写シート100の優位性を説明する。比較の熱転写シート100Xにおける色材層3Cは、バインダー樹脂を含有し、所定の溶媒に昇華性染料10yを溶解してなる色材層用塗工液を用いて形成された色材層である。なお、図3は、比較の熱転写シート100Xの概略断面図であり、色材層3C中における上記所定の溶媒に溶解可能な昇華性染料10yの状態を模式的に示している。
溶媒に溶解可能な昇華性染料10yは、通常、分子量が低く、また単分子であることから、図3に示すように、当該昇華性染料10yは、色材層3Cの界面に局在化した状態で存在している。熱転写シートは、一般的に小巻状態で保管され、当該小巻状態においては、色材層3Cと背面層とは直接に接触する。したがって、色材層3C中において昇華性染料10yが、図3に示すように界面に局在化した状態で存在している場合には、熱転写シート100Xを小巻状態で保管した際等に、昇華性染料10yは、基材1の背面層側に移行しやすくなる。つまり、単純に、基材1上に、所定の溶媒中に昇華性染料10yを溶解してなる色材層用塗工液を用いて形成された色材層3Cを設けた場合には、キックの発生を抑制することができない。
一方で、分子量が高い昇華性染料を用いることにより、界面への局在化を低減できたとしても、分子量の高い昇華性染料と、バインダーとの親和性が不十分であると、キックの発生を抑制することが困難となる。
そこで、本発明の熱転写シート100は、図2に示すように、基材1の一方の面上に設けられるマゼンタ色材層3が、バインダー樹脂、分散剤、「特定のマゼンタ色材」10x、及び当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」を含有していることを特徴とする。換言すれば、基材1の一方の面上に、バインダー樹脂、分散剤、及び「分散溶媒」を含有し、「特定のマゼンタ色材」10xを分散してなるマゼンタ色材層用塗工液を用いて形成されたマゼンタ色材層3が設けられていることを特徴とする。マゼンタ色材層用塗工液の詳細については後述する。
「特定のマゼンタ色材」10x、及び上記「分散溶媒」を含有するマゼンタ色材層3によれば、図2に示すように、当該マゼンタ色材層3中に、「特定のマゼンタ色材」10xを分散した状態で存在させることができ、キックの発生を抑制することができる。換言すれば、マゼンタ色材層3の界面にマゼンタ色材が局在化することを抑制することで、キックの発生を抑制することができる。また、マゼンタ色材層3は、「特定のマゼンタ色材」10xとともに、分散剤を含有していることから、「特定のマゼンタ色材」10xを、マゼンタ色材層3中に均一に分散した状態で存在させることができ、キックの発生をより効果的に抑制することが可能となる。なお、図2は、マゼンタ色材層3が含有している「特定のマゼンタ色材」10xの状態を模式的に示す熱転写シート100の部分概略断面図である。
「特定のマゼンタ色材」であるキナクリドン系マゼンタ色材や、ジケトピロロピロール系マゼンタ色材は、耐光性に極めて優れる色材である。したがって、図2に示すように、耐光性に優れる「特定のマゼンタ色材」10xを、マゼンタ色材層3中に均一に分散させることで、当該マゼンタ色材層3を備える熱転写シート100において、キックの発生を抑止しつつも、耐光性の高い画像の形成が可能となる。なお、マゼンタ色材層が、上記「特定のマゼンタ色材」をしている場合であっても、当該マゼンタ色材層が、「特定のマゼンタ色材」とともに、当該「特定のマゼンタ色材」を溶解可能な溶媒を含有している場合、換言すれば、基材の一方の面上に設けられるマゼンタ色材層が、「特定のマゼンタ色材」を溶媒中に溶解してなるマゼンタ色材層用塗工液を用いて形成されたマゼンタ色材層である場合には、キックの発生を抑制することができない。また、マゼンタ色材層が、マゼンタ色材、当該マゼンタ色材を分散可能な溶媒、バインダー樹脂、及び分散剤を含有している場合であっても、このマゼンタ色材が、「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材である場合には、耐光性を十分に満足させることができない。
キナクリドン系マゼンタ色材は、キナクリドン骨格を有するマゼンタ色材であり、例えば、下式(1)で示される色材を挙げることができる。
Figure 0006354266
(式(1)中、X1、X2は、各々独立して、水素原子、置換基を有しても良いアルキル基、ハロゲン原子を表す。水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜6のアルキル基、ハロゲン原子であることがより好ましく、水素原子、炭素数1〜6の直鎖のアルキル基、ハロゲン原子であることがさらに好ましい。)
上式(1)のキナクリドン系マゼンタ色材の具体的な例としては、下式(1−1)で示されるC.I.Pigment Red 122、下式(1−2)で示されるC.I.Pigment Violet 19、下式(1−3)で示されるC.I.Pigment Red 202等を挙げることができる。
Figure 0006354266
Figure 0006354266
Figure 0006354266
ジケトピロロピロール系マゼンタ色材は、ジケトピロロピロール骨格を有するマゼンタ色材であり、例えば、下式(2)で示される色材を挙げることができる。
Figure 0006354266
(式(2)中、Ar及びAr'は、それぞれ、独立してフェニル基、ナフチル基、又はヘテロアリール基であり、これらの基は、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシル基、アミノ基、−NHCOR、−COR及び−COOR(但し、Rは、炭素数1〜12のアルキル基、アリール基又はヘテロアリール基である。)の1種以上を置換基として有してもよい。Ar及びAr'は、それぞれ、独立して上記の置換基を有するフェニル基であることがより好ましく、ハロゲン置換のフェニル基であることがさらに好ましい。
上式(2)のジケトピロロピロール系マゼンタ色材の具体的な例としては、下式(2−1)で示されるC.I.Pigment Red 254等を挙げることができる。
Figure 0006354266
マゼンタ色材層3は、「特定のマゼンタ色材」として、キナクリドン系マゼンタ色材、又はジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方を含有していてもよく、双方を含有していてもよい。
また、マゼンタ色材層3は、「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材を含有していてもよい。「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材としては、例えば、ピラゾロトリアゾールアゾメチン骨格を有するマゼンタ色材や、イミダゾールアゾ骨格を有するマゼンタ色材、アントラキノン骨格を有するマゼンタ色材、ベンゼンアゾ骨格を有するマゼンタ色材等を挙げることができる。
ピラゾロトリアゾールアゾメチン骨格を有するマゼンタ色材の具体的な例としては、下式(3)で示される色材等を挙げることができる。イミダゾールアゾ骨格を有するマゼンタ色材の具体的な例としては、特許第1767449号、特許第3218738号、特許第2623241号に記載の化合物等を挙げることができる。アントラキノン骨格を有するマゼンタ色材の具体的な例としては、Pigment Red 168や、Pigment Red 177、Disperse RED 60、Disperse Violet 26等を挙げることができる。ベンゼンアゾ骨格を有するマゼンタ色材の具体的な例としては、Disperse RED 343等を挙げることができる。
Figure 0006354266
上記「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材は、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」に、溶解可能なマゼンタ色材であってもよく、分散可能なマゼンタ色材であってもよい。マゼンタ色材層3が、「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材を含有しており、当該「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材が、上記「分散溶媒」に溶解可能なマゼンタ色材である形態(後述する「他のマゼンタ色材」となる形態)については、変形例1のマゼンタ色材層3において後述する。
また、マゼンタ色材層3が、「特定のマゼンタ色材」とともに、「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材を含有している場合には、当該異なるマゼンタ色材が、上記「分散溶媒」、或いはマゼンタ色材層3に任意で含有される「分散溶媒」以外の他の溶媒に溶解可能であるか否かにかかわらず、マゼンタ色材層3は、マゼンタ色材層3が含有している全てのマゼンタ色材の固形分総量に対し、「特定のマゼンタ色材」を50質量%以上含有していることが好ましい。「特定のマゼンタ色材」の含有量が、50質量%未満である場合には、耐光性が低下していく傾向にある。
「バインダー樹脂」
マゼンタ色材層3は、バインダー樹脂を含有している。バインダー樹脂は、「特定のマゼンタ色材」及び、任意で含有されるマゼンタ色材を担持するものである。バインダー樹脂としては、例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、ニトロセルロース等のセルロース系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセタール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド等のビニル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、フェノキシ樹脂等が挙げられる。
バインダー樹脂としては、更に、離型性グラフトコポリマーも挙げられる。離型性グラフトコポリマーは、離型剤として、上記バインダー樹脂とともに配合することもできる。上記離型性グラフトコポリマーは、ポリシロキサンセグメント、フッ化炭素セグメント、フッ化炭化水素セグメント及び長鎖アルキルセグメントから選択された少なくとも1種の離型性セグメントを、上述のバインダー樹脂を構成するポリマー主鎖にグラフト重合させたものである。上記離型性グラフトコポリマーとしては、中でも、ポリビニルアセタールからなる主鎖にポリシロキサンセグメントをグラフトさせて得られるグラフトコポリマーが好ましい。更に、離型性向上を目的に離型剤として、シリコーンオイル、リン酸エステル、脂肪酸エステル等を添加しても良い。
「分散溶媒」
マゼンタ色材層3は、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」を含有している。「分散溶媒」とは、「特定のマゼンタ色材」を分散させることができる溶媒、換言すれば、「特定のマゼンタ色材」を溶解不能な溶媒を意味する。「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」について特に限定はなく、例えば、メチルエチルケトン、トルエン、キシレン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、イソプロピルアルコール、エタノール等の有機溶剤や、水等を挙げることができる。「分散溶媒」は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いることもできる。なお、マゼンタ色材層3が、2種以上の溶媒を含有している場合には、2種以上の溶媒のうちの少なくとも1つの溶媒が、「分散溶媒」であり、かつ、マゼンタ色材層3が含有している混合溶媒が、「特定のマゼンタ色材」を溶解不能な溶媒であることを条件とする。
なお、本発明の熱転写シート100では、マゼンタ色材層3が、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」を含有していることを必須の条件としているが、これは、マゼンタ色材層3に、「分散溶媒」を積極的に含有させることを趣旨とするものではなく、マゼンタ色材層3が含有している「分散溶媒」は、マゼンタ色材層3中に含まれる残留溶媒を意味する。マゼンタ色材層3中に含まれる残留溶媒の特定方法については後述する。
「分散剤」
マゼンタ色材層3は、分散剤を含有している。「特定のマゼンタ色材」、「分散溶媒」、バインダー樹脂に加え、分散剤を含有しているマゼンタ色材層3によれば、当該マゼンタ色材層3中に、「特定のマゼンタ色材」を均一に分散させた状態で存在させることができ、キックの発生をより効果的に抑制することができる。また、分散剤の働きにより、マゼンタ色材層を形成するためのマゼンタ色材層用塗工液中に、「特定のマゼンタ色材」を小さな粒径で存在させることができ、基材1とマゼンタ色材層3との密着性や、本発明の熱転写シートを用いて形成される画像の濃度を向上させることができる。
分散剤について特に限定はなく、従来公知の分散剤を適宜選択して用いることができる。従来公知の分散剤としては、例えば、ポリエーテル系分散剤、グラフト型ポリマー分散剤、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤、ウレタン系ポリマー分散剤、アゾ系分散剤等を挙げることができる。好ましい形態のマゼンタ色材層3は、「特定のマゼンタ色材」、「分散溶媒」、バインダー樹脂とともに、分散剤としてのアクリル系ブロック型ポリマー分散剤を含有している。換言すれば、好ましい一例のマゼンタ色材層3は、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤、バインダー樹脂、「分散溶媒」を含有し、「特定のマゼンタ色材」が分散してなるマゼンタ色材層用塗工液を用いて形成されるマゼンタ色材層である。このマゼンタ色材層用塗工液によれば、当該色材層用塗工液中に、「特定のマゼンタ色材」を400nm以下の粒径で分散させることができる。当該マゼンタ色材層用塗工液を用いて形成されたマゼンタ色材層3を備える熱転写シート100によれば、キックの発生の抑制でき、かつ高い耐光性を付与することができるとともに、濃度の高い画像形成が可能となる。また、基材1とマゼンタ色材層3との密着性を向上させることができる。
また、分散剤として、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤以外の分散剤を用いて、基材との密着性が良好であり、かつ濃度の高い画像形成が可能なマゼンタ色材層3とすることもできる。具体的には、後述する「特定のマゼンタ色材層用塗工液の調製方法」によって調製されたマゼンタ色材層用塗工液を用いることで、基材1との密着性や、濃度の高い画像形成が可能なマゼンタ色材層3とすることもできる。「特定のマゼンタ色材層用塗工液の調製方法」は、バインダー樹脂が存在していない、或いはバインダー樹脂が微小に存在している条件下で、分散剤を用いて、「分散溶媒」に「特定のマゼンタ色材」を分散してなる分散液を調製し、当該分散液に、バインダー樹脂を後添加してマゼンタ色材層用塗工液を調製する方法である。この調製方法により調製されたマゼンタ色材層用塗工液によれば、バインダー樹脂の存在下で分散剤を用いて「分散溶媒」に「特定のマゼンタ色材」を分散させてなるマゼンタ色材層用塗工液と比較して、マゼンタ色材層用塗工液中に、「特定のマゼンタ色材」を小さな粒径で存在させることができる。「特定のマゼンタ色材層用塗工液の調製方法」については、本発明のマゼンタ色材層用塗工液において具体的に説明する。
「溶媒に対するマゼンタ色材の分散性の特定方法」
「特定のマゼンタ色材」、或いは「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材が、溶媒に分散可能であるか否かは、以下の方法により判断することができる。所定の溶媒に、マゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、マゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、マゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、マゼンタ色材は、所定の溶媒に対し溶解可能であると判断することができる。一方、マゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、析出の確認ができたマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解不能、換言すれば分散可能であると判断することができる。
「マゼンタ色材、残留溶媒の特定方法」
対象とする熱転写シート(以下、対象熱転写シートという)が、本発明の熱転写シートの発明特定事項を充足するものであるか否かは、例えば、以下の方法により判別可能である。まず、対象熱転写シートのマゼンタ色材層を分析して当該マゼンタ色材層に含まれている色材成分を特定する。色材成分の特定方法としては、核磁気共鳴分光法、IRスペクトル法等の従来公知の分析方法を用いて特定することができる。
次いで、当該マゼンタ色材層に残留している溶媒の種別を特定する。溶媒の種別の特定方法としては、例えば、ガスクロマトグラフィー法を用いて特定することができる。ガスクロマトグラフィー法による溶媒の種別の特定には、例えば、島津製作所製のガスクロマトグラフィー GC14−A等を使用することができる。なお、対象熱転写シートの基材や、背面層、或いは任意の層中に含有されている溶媒を排除すべく、溶媒の種別の特定においては、対象熱転写シートのマゼンタ色材層に対応する層についての特定を行う必要がある。具体的には、ガスクロマトグラフィー法を用いて溶媒の種別の特定を行う場合には、対象熱転写シートのマゼンタ色材層に対応する層の一部分のみを採取して分析を行うことが重要である。
そして上記で特定された色材成分の少なくとも1種が、「特定のマゼンタ色材」であり、特定された溶媒が、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」であり、バインダー、及び分散剤が含有されている場合には、対象熱転写シートは、本発明の熱転写シートの発明特定事項を充足しているものと判別できる。特定された色材成分が、特定された溶媒に溶解可能、或いは分散可能なものであるかは、上記「溶媒に対するマゼンタ色材の分散性の特定方法」を用いて特定することができる。
また、色材層3は、「特定のマゼンタ色材」、「分散溶媒」、バインダー樹脂、分散剤とともに、他の任意の成分、例えば、熱転写受像シートの受容層との離型性を向上させるための離型剤、帯電防止剤、受容層との滑性を制御するための有機または無機フィラー等を含有していてもよい。また、「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材を含有していてもよい。
離型剤としては、シリコーンオイル、ポリエチレンワックス、アミドワックス、テフロン(登録商標)、弗素系やリン酸エステル系の界面活性剤等を挙げることができる。離型剤の含有量について特に限定はないが、マゼンタ色材層3が含有しているバインダー樹脂の固形分総量に対し、0.1質量%以上10質量%以下の範囲内であることが好ましい。この範囲内で離型剤を含有させることで、受容層が離型剤を含有していない場合であっても、マゼンタ色材層3と受容層との離型性を十分に満足させることができる。
マゼンタ色材層3の形成方法について特に限定はないが、例えば、「特定のマゼンタ色材」、当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、分散剤、必要に応じて添加される任意の成分を用い、「分散溶媒」中に「特定のマゼンタ色材」を分散してなるマゼンタ色材層用塗工液を調製し、これをグラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の手段により、塗工、乾燥して形成することができる。マゼンタ色材層用塗工液の塗工量は特に限定はないが、通常、固形分で0.2g/m2〜10g/m2程度である。
(背面層)
図1に示すように、本発明の熱転写シート100は、基材1の他方の面上に、サーマルヘッドの熱によるスティッキングやシワなどの悪影響を防止し、熱転写プリンター等での滑り性をもたせ、搬送性を高めるための背面層5を設けることができる。背面層5を形成する樹脂について特に限定はなく、例えば、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセトアセタール樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエーテル樹脂、ポリブタジエン樹脂、スチレンブタジエン共重合体、アクリルポリオール、ポリウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンまたはエポキシのプレポリマー、ニトロセルロース樹脂、セルロースナイトレート樹脂、セルロースアセトプロピオネート樹脂、セルロースアセテートブチレート樹脂、セルロースアセテートヒドロジエンフタレート樹脂、酢酸セルロース樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる背面層に添加、あるいは上塗りする滑り性付与剤としては、リン酸エステル、シリコーンオイル、グラファイトパウダー、シリコーン系グラフトポリマー、フッ素系グラフトポリマー、アクリルシリコーングラフトポリマー、アクリルシロキサン、アリールシロキサン等のシリコーン重合体が挙げられるが、好ましくは、ポリオール、例えば、ポリアルコール高分子化合物とポリイソシアネート化合物及びリン酸エステル系化合物からなる層であり、更に充填剤を添加することがより好ましい。
背面層は、上記に記載した樹脂、滑り性付与剤、更に充填剤を、適当な溶剤により、溶解又は分散させて、背面層用塗工液を調製し、これを、基材1の他方の面上に、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースコーティング法等の形成手段により塗工し、乾燥することで形成することができる。背面層用塗工液の塗工量は、融着防止や滑性等が果たせられる程度であればよく、固形分で通常0.1g/m2〜3g/m2程度である。
(背面プライマー層)
また、基材1と背面層5との間に背面プライマー層(図示しない)を設けることもできる。背面プライマー層は、基材1と、背面層5との密着性を向上させるために設けられる層であり、任意の層である。背面プライマー層としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルピロリドン樹脂等が挙げられる。また、適宜導電性を付与するための導電材を含有させてもよい。例えば、スルホン化ポリアニリン、カーボン粒子、銀粒子、金粒子等が挙げられる。
以上、本発明の一実施形態の熱転写シートについて説明を行ったが、本発明の熱転写シートは、本発明の趣旨を妨げない範囲で各種の変形形態をとることができる。例えば、上記で説明したマゼンタ色材層3にかえて、以下で説明する変形例1のマゼンタ色材層や、変形例2のマゼンタ色材層を基材1上に設けることもできる。また、図1に示す構成において、基材1の同一面上に色材層3と、図示しない転写性保護層を面順次に設けた一体型の熱転写シートとしてもよい。また、基材1の同一面上に色相の異なる色材層が面順次に設けられていてもよい。例えば、基材1上に、イエロー色材層、マゼンタ色材層、シアン色材層が面順次に設けられていてもよい。
<変形例1のマゼンタ色材層>
変形例1のマゼンタ色材層3は、図4に示すように、「特定のマゼンタ色材」10x、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、分散剤とともに、マゼンタ色材層3が含有している「分散溶媒」、或いはマゼンタ色材層3が含有している任意の溶媒に溶解可能な、他のマゼンタ色材10yを含有している。以下、上記「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材であって、マゼンタ色材層3が含有している「分散溶媒」、或いはマゼンタ色材層3が含有している任意の溶媒に溶解可能なマゼンタ色材のことを他のマゼンタ色材と言う。換言すれば、変形例1のマゼンタ色材層3は、バインダー樹脂、「分散溶媒」、及び分散剤を含有し、「特定のマゼンタ色材」10xが分散され、他のマゼンタ色材10yが溶解されてなるマゼンタ色材層用塗工液を用いて形成されたマゼンタ色材層3である。変形例1のマゼンタ色材層は、上記で説明したマゼンタ色材層3において、「分散溶媒」、或いはマゼンタ色材層3が含有している任意の溶媒に溶解可能な他のマゼンタ色材10yを含有している点でのみ上記で説明したマゼンタ色材層3と相違している。なお、図4は、マゼンタ色材層3が含有している、「特定のマゼンタ色材」10x、他のマゼンタ色材10yの状態を模式的に示す熱転写シート1の部分概略断面図である。
変形例1のマゼンタ色材層3は、「分散溶媒」、或いはマゼンタ色材層3が含有している任意の溶媒に溶解可能な他のマゼンタ色材10yを含有している。したがって、従来であれば、図3に示すように、他のマゼンタ色材10yは、自由界面に向かって局在化しキックの発生要因となる。しかしながら、変形例1のマゼンタ色材層3は、他のマゼンタ色材10yとともに、上記「特定のマゼンタ色材」10xを含有しており、「特定のマゼンタ色材」10xの働きにより、他のマゼンタ色材10yの界面への局在化を抑制することができる。これにより、他のマゼンタ色材が界面へ局在化することに起因するキックの発生を抑制することができる。
「特定のマゼンタ色材」と、他のマゼンタ色材を併用することで、他のマゼンタ色材10yが界面へ局在化することを抑制できる詳細なメカニズムは現在のところ必ずしも明らかとはなっていないが、「特定のマゼンタ色材」と、他のマゼンタ色材10yとの親和性によるものと推察される。具体的には、「特定のマゼンタ色材」10xが分散され、他のマゼンタ色材層10yが溶解されてなるマゼンタ色材層用塗工液を用いて形成される変形例1のマゼンタ色材層では、「特定のマゼンタ色材」10xと、他のマゼンタ色材10yとの親和性によって、図4に示すように、他のマゼンタ色材10yを、分散状態で存在している「特定のマゼンタ色材」10xの周辺に存在させることができているものと推察される。
また、変形例1のマゼンタ色材層3によれば、マゼンタ色材層3中に、他のマゼンタ色材を分子レベルで存在させることができ、キックの発生を防止しつつも、濃度の高い画像の形成が可能となる。
他のマゼンタ色材10yは、変形例1のマゼンタ色材層が含有している「分散溶媒」、或いは任意の溶媒との関係において適宜選択することができ、例えば、上記で例示した「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材として説明したものの中から、マゼンタ色材層3が含有する溶媒に溶解可能なものを適宜選択して用いればよい。
変形例1のマゼンタ色材層3が含有している溶媒は、1種であってもよく2種以上であってもよいが、変形例1のマゼンタ色材層3が、2種以上の溶媒、例えば、溶媒A、溶媒Bを含有し、当該溶媒Aが他のマゼンタ色材を溶解可能な溶媒である場合、溶媒Aと溶媒Bの混合溶媒は、「特定のマゼンタ色材」10xを溶解不能な溶媒であることを条件とする。溶媒Bは、他のマゼンタ色材を溶解可能な溶媒であってもよく、溶解不能な溶媒であってもよいが、溶媒A、溶媒Bの何れか一方の溶媒が、「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」となる。また、変形例1の染料層には、上記溶媒A、溶媒B以外の溶媒がさらに含まれていてもよいが、マゼンタ色材層3が含有している混合溶媒は、「特定のマゼンタ色材」を、溶解不能な溶媒であることを条件とする。
<変形例2のマゼンタ色材層>
変形例2のマゼンタ色材層3は、図5に示すように、基材1側から、第1のマゼンタ色材層3A、第2のマゼンタ色材層3Bがこの順で積層されてなる積層構成を呈しており、第1のマゼンタ色材層3Aが、マゼンタ色材10y、当該マゼンタ色材を溶解可能な溶媒、バインダー樹脂を含有している。また、第2のマゼンタ色材層3Bが、「特定のマゼンタ色材」、当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤を含有している。つまり、第1のマゼンタ色材層3Aは、上記で説明したマゼンタ色材層3Cと同じ構成をとり、第2のマゼンタ色材層3Bは、上記で説明したマゼンタ色材層3、或いは変形例1のマゼンタ色材層3と同じ構成をとる。なお、図5は、第1のマゼンタ色材層3Aが含有しているマゼンタ色材10y、及び第2のマゼンタ色材層3Bが含有している「特定のマゼンタ色材」10xの状態を模式的に示す熱転写シート1の部分概略断面図である。
変形例2のマゼンタ色材層によれば、第1のマゼンタ色材層3A上に設けられる第2のマゼンタ色材層3Bが、第1のマゼンタ色材層3Aの界面に局在化したマゼンタ色材10yを塞ぐ蓋としての役割を果たし、これにより、キックの発生を抑制することができる。また、第2のマゼンタ色材層3Bが含有している「特定のマゼンタ色材」により、耐光性の高い画像の形成が可能となる。
上記変形例2の色材層3において、第1のマゼンタ色材層3Aが含有している溶媒と、第2のマゼンタ色材層3Bが含有している「分散溶媒」は、共通する溶媒であってもよい。この場合、第1のマゼンタ色材層3Aは、「分散溶媒」に溶解可能なマゼンタ色材を1種以上含有している。また、第1のマゼンタ色材層3Aが含有しているマゼンタ色材10yは、「特定のマゼンタ色材」であってもよい。この場合、第1のマゼンタ色材層3Aは、「特定のマゼンタ色材」を溶解可能な溶媒を含有している。第1のマゼンタ色材層3Aが含有しているバインダー樹脂と、第2のマゼンタ色材層3Bが含有しているバインダー樹脂は、同一のバインダー樹脂であってもよく、異なるものであってもよい。また、第1のマゼンタ色材層3A、第2のマゼンタ色材層3Bは、任意の成分を含有していてもよい。
第1のマゼンタ色材層3Aの形成方法について特に限定はないが、バインダー樹脂、溶媒、マゼンタ色材10yを含有し、当該溶媒中にマゼンタ色材10yを溶解してなる第1塗工液を調製し、当該第1塗工液を、グラビア印刷法、スクリーン印刷法、グラビア版を用いたリバースロールコーティング法等の公知の手段を用い基材1上に塗工・乾燥することで形成することができる。第1塗工液の塗工量についても特に限定はないが、固形分で0.1g/m2〜5g/m2程度であることが好ましい。
第2のマゼンタ色材層3Bは、上記で説明したマゼンタ色材層3、或いは上記で説明した変形例1のマゼンタ色材層3をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
<<マゼンタ色材層用塗工液>>
次に、本発明のマゼンタ色材層用塗工液について説明する。本発明のマゼンタ色材層用塗工液は、上記で説明した熱転写シートのマゼンタ色材層を形成するための塗工液であって、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方である「特定のマゼンタ色材」、当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤を含有していることを特徴としている。換言すれば、本発明のマゼンタ色材層用塗工液は、バインダー樹脂、分散剤、「分散溶媒」を含有しており、当該マゼンタ色材層用塗工液中に「特定のマゼンタ色材」が分散された状態で存在している。本発明のマゼンタ色材層用塗工液によれば、キックの発生を抑制することができ、かつ耐光性の高い画像を形成することができるマゼンタ色材層を得ることができる。「特定のマゼンタ色材」、「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤は、上記本発明の熱転写シートで説明したものをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
また、一実施形態のマゼンタ色材層用塗工液は、当該色材層用塗工液中に、「特定のマゼンタ色材」が50nm以上300nm以下の粒径で分散されている。このマゼンタ色材層用塗工液によれば、さらに、濃度の高い画像を形成できるマゼンタ色材層を得ることができる。
また、マゼンタ色材層用塗工液が含有する分散剤として、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤を用いることで、当該塗工液中において、「特定のマゼンタ色材」を400nm以下の粒径で分散させることができる。この点で、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤は、本発明のマゼンタ色材層用塗工液が含有している分散剤として、好ましい分散剤であるといえる。また、マゼンタ色材層用塗工液の調製時における分散時間等を適宜調整することで、上記好ましい粒径で「特定のマゼンタ色材」が分散されたマゼンタ色材層用塗工液とすることができる。
ここで言う「特定のマゼンタ色材」の粒径とは、マゼンタ色材層用塗工液中の平均分散粒径を意味する。具体的には、マゼンタ色材層用塗工液の分散媒体中に分散している「特定のマゼンタ色材」の分散粒径であって、レーザー光散乱粒度分布計により測定されるものである。このレーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定としては、「分散溶媒」を用いて、マゼンタ色材層用塗工液をレーザー光散乱粒度分布計で測定可能な濃度に適宜希釈(例えば、1000倍など)し、レーザー光散乱粒度分布計(例えば、日機装社製ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150)を用いて動的光散乱法により23℃にて測定することができる。ここでの平均分散粒径は、体積平均粒径である。
また、マゼンタ色材層用塗工液中に「特定のマゼンタ色材」が分散されているとは、マゼンタ色材層用塗工液を20〜25℃の温度下に120時間(5日間)静置後、「特定のマゼンタ色材」粒子の沈降を目視で確認できない状態であることを意味する。一実施形態のマゼンタ色材層用塗工液では、当該マゼンタ色材層用塗工液中に、「特定のマゼンタ色材」が50nm以上300nm以下の粒径で分散されているが、これは、当該分散されている「特定のマゼンタ色材」の粒径が50nm未満である場合、バインダー樹脂との相互作用でゲル化しやすく、また色材が溶解している状態と同じ性質を有してしまい、その結果、印画時に地肌汚れ(非印画部に汚れが生じる)などが生じやすいことによる。また一方で、分散されている「特定のマゼンタ色材」の粒径が300nmより大きい場合には、マゼンタ色材層用塗工液の経時変化により、「特定のマゼンタ色材」の沈降が生じやすく、また転写感度が不足し、所望の印画濃度が得られないことによる。
マゼンタ色材層用塗工液において、「特定のマゼンタ色材」は、バインダー樹脂100質量部に対して、50質量部〜400質量部であることが好ましく、85質量部〜350質量部であることがより好ましい。また、マゼンタ色材層用塗工液の総質量に対する、「特定のマゼンタ色材」の含有量は、0.5質量%〜20質量%であることが好ましい。さらに、マゼンタ色材層用塗工液の総質量に対する、「特定のマゼンタ色材」、バインダー樹脂、分散剤との合計質量は質量基準で2質量%〜40質量%であることが好ましく、5質量%〜25質量%であることがより好ましい。
また、本発明のマゼンタ色材層用塗工液は、上記必須の成分に加え、各種添加剤を任意で含有していてもよい。任意の添加剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、シランカップリング剤、有機微粒子、無機微粒子等が挙げられる。
また、上記変形例2のマゼンタ色材層3で説明したように、マゼンタ色材層用塗工液は、当該マゼンタ色材層用塗工液が含有している「分散溶媒」、或いはマゼンタ色材層用塗工液中に任意で含有される溶媒に溶解可能な他のマゼンタ色材を含有していてもよい。また、マゼンタ色材層用塗工液は、上記「特定のマゼンタ色材」とは異なるマゼンタ色材であって、当該マゼンタ色材層用塗工液が含有している「分散溶媒」に分散可能なマゼンタ色材をさらに含有していてもよい。
「マゼンタ色材層用塗工液の第1の調製方法」
マゼンタ色材層用塗工液は、例えば、ペイントシェーカー、プロペラ型攪拌機、ディゾルバー、ホモミキサー、ボールミル、ビーズミル、サンドミル、2本ロールミル、3本ロールミル、超音波分散機、ニーダー、ラインミキサー、2軸押出機等を用いる従来公知の製造方法により製造することが出来る。マゼンタ色材層用塗工液を製造する1つの手法として、ビーズミル、ボールミルを用いる場合、用いるビーズ、ボールとしては、ガラス、セラミック、スチール、ジルコニア等が挙げられ、なかでもジルコニアビーズは特に硬度、耐磨耗性及び粒径の点から好適である。ビーズ径としては0.05〜2.0mmのものが好ましく、特に色材の初期粒径に応じてビーズ径を選定すればよい。
「マゼンタ色材層用塗工液の第2の調製方法」
また、マゼンタ色材層用塗工液を製造する他の手法として、高シェアレートで、「特定のマゼンタ色材」、分散剤、バインダー樹脂の塊を混練し、それに、「分散溶媒」を加え、ペイントシェーカーにて「特定のマゼンタ色材」を分散させる手法がある。例えば、アイメックス(株)製 ウルトラビスコミル UVM−2を用いてジルコニアビーズ(平均直径0.3mm)、回転数1000rpmで10時間分散処理したインキと、関西ロール(株)製 2本ロールミルを用いてロール温度20℃、ロール回転数を前ロール20rpm、後ロール24rpmの条件にて、「特定のマゼンタ色材」、分散剤、バインダー樹脂を混練し、それに「分散溶媒」を加えペイントシェーカーにて分散させることにより調製できる。上記2つの手法で作製したマゼンタ色材層用塗工液における「特定のマゼンタ色材」の粒度分布は、両者とも前記粒度分布測定において、粒径が50nm〜300nmであることが確認できている。
「特定のマゼンタ色材層用塗工液の調製方法(マゼンタ色材層用塗工液の第3の調製方法)」
上記2つの手法では、バインダー樹脂の存在下において、塗工液中に「特定のマゼンタ色材」を分散させているが、マゼンタ色材層用塗工液に含有されるバインダー樹脂の種別によっては、当該バインダー樹脂が、分散剤による「特定のマゼンタ色材」の分散性を阻害する場合がある。そこで、「特定のマゼンタ色材層用塗工液の調製方法」は、分散剤による「特定のマゼンタ色材」の分散性を十分に発揮させるべく、バインダー樹脂が存在しない、或いは、バインダー樹脂が微小に存在する条件下で、分散剤を用いて、「分散溶媒」を含む溶媒中に、「特定のマゼンタ色材」を分散してなる分散液を調製する。次いで、当該分散液に、バインダー樹脂、或いはバインダー樹脂を含む液を後添加することで、バインダー樹脂、「分散溶媒」を含む溶媒、分散剤を含有し、塗工液中に「特定のマゼンタ色材」が分散されてなるマゼンタ色材層用塗工液が調製される。この調製方法によれば、分散剤による「特定のマゼンタ色材」の分散性を阻害する要因となるバインダー樹脂の影響を受けない、或いは影響が小さい状態で、塗工液中に「特定のマゼンタ色材」を分散させることができ、上記2つの手法と比較して、最終的に調製されるマゼンタ色材層用塗工液中に、「特定のマゼンタ色材」を小さな粒径で存在させることができる。このマゼンタ色材層用塗工液の調製方法は、バインダー樹脂が存在しない、或いは微小に存在する条件下で色材の分散を行う点、「特定のマゼンタ色材」を分散させた後にバインダー樹脂を後添加する点以外は、上記2つの手法等を適宜選択して用いることができる。
<<熱転写シートの製造方法>>
次に、本発明の熱転写シートの製造方法について説明する。本発明の熱転写シートの製造方法は、基材の一方の面上にマゼンタ色材層用塗工液を塗工してマゼンタ色材層を形成するマゼンタ色材層形成工程を含み、マゼンタ色材層形成工程で用いられるマゼンタ色材層用塗工液が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方である上記「特定のマゼンタ色材」、当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤を含有していることを特徴としている。
(マゼンタ色材層形成工程)
マゼンタ色材層形成工程で用いられるマゼンタ色材層用塗工液は、上記で説明した本発明のマゼンタ色材層用塗工液をそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
マゼンタ色材層用塗工液の塗工方法についても特に限定はなく、グラビア印刷法、スクリーン印刷法またはグラビア版を用いたリバースコーティング法等の従来公知の塗工方法を適宜選択して用いることができる。マゼンタ色材層用塗工液の塗工量について特に限定はないが、通常、固形分で0.2g/m2〜10g/m2程度である。
また、本発明の熱転写シートの製造方法は、上記マゼンタ色材層形成工程以外の任意の工程を含んでいてもよい。例えば、基材の他方の面上に背面層を形成する背面層形成工程、基材と背面層との間に背面プライマー層を形成する工程等を含んでいてもよい。また、上記で説明した変形例2のマゼンタ色材層とすべく、基材と、マゼンタ色材層形成工程により形成されるマゼンタ色材層との間に、マゼンタ色材、当該マゼンタ色材を溶解可能な溶媒、バインダー樹脂を含有する塗工液、換言すれば、溶媒、バインダー樹脂を含有し、マゼンタ色材が溶解されてなる塗工液を用いて、上記第1のマゼンタ色材層3Aを形成する工程を含んでいてもよい。
<<画像形成方法>>
次に、本発明の画像形成方法について説明する。本発明の画像形成方法は、基材の一方の面にマゼンタ色材層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、熱転写シートのマゼンタ色材層が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方である上記「特定のマゼンタ色材」、当該「特定のマゼンタ色材」を分散可能な「分散溶媒」、バインダー樹脂、及び分散剤を含有していることを特徴とする。
(熱転写シート)
本発明の画像形成方法で用いられる熱転写シートは、上記で説明した本発明の熱転写シートをそのまま用いることができ、ここでの詳細な説明は省略する。
(熱転写受像シート)
上記熱転写シートと組合せて用いられる熱転写受像シートは、他の基材と、当該他の基材上に設けられる受容層を必須の構成としている。熱転写受像シートは、この構成を備えるものであれば、いかなる限定もされることはなく、従来公知のあらゆる熱転写受像シートを適宜選択して用いることができる。
(画像の形成)
熱転写シートの色材層と、熱転写受像シートの受容層とを重ね合わせ、サーマルヘッド等の加熱手段により熱転写シートの背面側から熱を印加して、色材層に含まれる色材を受容層側に移行させることで画像を形成することができる。
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。以下、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。また、特に断りがない限り、「部」及び「%」は固形分の値を示している。
以下に記載する手順により、マゼンタ色材層用塗工液、熱転写シートを作製した。なお、各マゼンタ色材層用塗工液に含まれるマゼンタ色材がトルエン/メチルエチルケトン混合溶媒に溶解可能、或いは分散可能であるかは、予め以下の方法により判断した。
トルエン/メチルエチルケトン=1/1混合溶媒を用い、色材の濃度が2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌した。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、マゼンタ色材の析出の有無を目視で確認した。確認の結果、マゼンタ色材の析出がない場合は、トルエン/メチルエチルケトンの混合溶媒に溶解可能なマゼンタ色材と判断し、析出が見られた場合はトルエン/メチルエチルケトンの混合溶媒分散可能な色材と判断した。
上記の判断により、各マゼンタ色材層用塗工液に含まれる「Pigment Violed 19」、及び「Pigment Red 254」は、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒に分散可能な色材であると判断された。一方、上式3で示されるピラゾロトリアゾール系色材は、トルエン/メチルエチルケトン混合溶媒に、溶解可能な色材であると判断された。
(実施例1)
(マゼンタ色材層用塗工液1の作製)
下記組成のとおり、マゼンタ色材、分散剤、溶剤、及び粒径2.0mmジルコニアビーズ250質量部をガラス瓶に入れ密閉し、予備解砕としてペイントシェーカー(浅田鉄工社製)にて1時間振とうし、次いで前記ジルコニアビーズを取り除いてから粒径0.1mmのジルコニアビーズ250質量部をガラス瓶に入れ、同様に本解砕としてペイントシェーカーにて3時間分散を行うことで分散液(1)を作製した。次いで、作製した分散液(1)100部に対し、下記組成のバインダー液を50部添加することで、マゼンタ色材層用塗工液1を作製した。
<分散液(1)>
・Pigment Violed 19(上式(1−2)で示される色材) 7.0部
・アクリル系ブロック型ポリマー分散剤 7.5部(固形分3.0部)
(BYK−LPN21116、重量平均分子量8000、固形分 40%、ビックケミー社製)
・メチルエチルケトン 42.75部
・トルエン 42.75部
<バインダー液>
・ポリビニルアセタール樹脂 2.0部
(KS−5、積水化学工業社製)
・メチルエチルケトン 24.0部
・トルエン 24.0部
(熱転写シートの作製)
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上に、下記組成のプライマー層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が0.05g/m2になるように塗布、乾燥してプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、上記マゼンタ色材層用塗工液1をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が0.8g/m2になるように塗布、80℃2分乾燥して色材層を形成し、実施例1の熱転写シートを作製した。なお、上記基材の他方の面には、下記組成の背面層用塗工液をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が1.0g/m2になるように塗布、乾燥して、背面層を予め形成しておいた。
<プライマー層用塗工液>
・アルミナゾル(平均1次粒子径10×100nm(固形分10%)) 30部
(アルミナゾル200 日産化学工業(株))
・ポリビニルピロリドン樹脂) 3部
(K−90 ISP社)
・水 50部
・イソプロピルアルコール 17部
<背面層用塗工液>
・ポリビニルブチラール樹脂 4.55部
(エスレックBX−1、積水化学工業(株)製)
・ポリイソシアネート 21.0部
(バーノックD750−45、固形分45質量%、大日本インキ化学工業(株)製)
・リン酸エステル系界面活性剤 3.0部
(プライサーフA208N、第一工業製薬(株)製)
・タルク 0.7部
(ミクロエースP−3、日本タルク工業(株)製)
・メチルエチルケトン 100部
・トルエン 100部
(実施例2)
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて、下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液2を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例2の熱転写シートを作製した。
(マゼンタ色材層用塗工液2の作製)
上記マゼンタ色材層用塗工液1の作製に用いた分散液(1)にかえて、当該分散液(1)におけるPigment Violed 19 7.0部を、上式(2−1)で示されるPigment Red 254 7.0部に変更した分散液(2)を使用した以外は、全てマゼンタ色材層用塗工液1と同様の作製方法にて、マゼンタ色材層用塗工液2を作製した。
(実施例3)
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて、下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液3を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例3の熱転写シートを作製した。
(マゼンタ色材層用塗工液3の作製)
上記マゼンタ色材層用塗工液1の作製に用いた分散液(1)にかえて、当該分散液(1)におけるアクリル系ブロック型ポリマー分散剤(BYK−LPN21116、重量平均分子量8000、固形分 40%、ビックケミー社製)7.5部(固形分3.0部)を、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤(BYK−LPN6919、重量平均分子量9000、固形分 60%、ビックケミー社製)5.0部(固形分3.0部)に変更した分散液(3)を使用した以外は、全てマゼンタ色材層用塗工液1と同様の作製方法にて、マゼンタ色材層用塗工液3を作製した。
(実施例4)
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて、下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液4を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例4の熱転写シートを作製した。
(マゼンタ色材層用塗工液4の作製)
上記マゼンタ色材層用塗工液1の作製に用いた分散液(1)にかえて、当該分散液(1)におけるPigment Violed 19 7.0部を、上式(2−1)で示されるPigment Red 254 7.0部に変更し、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤(BYK−LPN21116、重量平均分子量8000、固形分 40%、ビックケミー社製)7.5部(固形分3.0部)を、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤(BYK−LPN6919、重量平均分子量9000、固形分 60%、ビックケミー社製)5.0部(固形分3.0部)に変更した分散液(4)を使用した以外は、全てマゼンタ色材層用塗工液1と同様の作製方法にて、マゼンタ色材層用塗工液4を作製した。
(実施例5)
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液5を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例5の熱転写シートを作製した。
(マゼンタ色材層用塗工液5の作製)
分散時間を3時間から1時間に変更した以外は、全て分散液(1)の作製と同じ方法で分散液(1−1)を作製した。次いで、作製した分散液(1−1)100部に対し、上記組成のバインダー液を50部添加することで、マゼンタ色材層用塗工液5を作製した。
(実施例6)
下記の方法で作製したマゼンタ色材層用塗工液6を使用した以外は、全て実施例1と同様にして、実施例6の熱転写シートを作製した。
(マゼンタ色材層用塗工液6の作製)
上記マゼンタ色材層用塗工液1の作製に用いた分散液(1)にかえて、下記組成の分散液(5)を使用した以外は、全てマゼンタ色材層用塗工液1の作製と同様にしてマゼンタ色材層用塗工液6を作製した。
<分散液(5)>
・Pigment Violed 19(上式(1−2)で示される色材) 3.5部
・上式(3)で示されるピラゾロトリアゾール系マゼンタ色材 3.5部
・アクリル系ブロック型ポリマー分散剤 7.5部(固形分3.0部)
(BYK−LPN21116、重量平均分子量8000、固形分 40%、ビックケミー社製)
・メチルエチルケトン 42.75部
・トルエン 42.75部
(比較例1)
マゼンタ色材層用塗工液1にかえて、下記組成のマゼンタ色材層用塗工液Aを使用した以外は、全て実施例1と同様にして、比較例1の熱転写シートを作製した。
<マゼンタ色材層用塗工液A>
・ピラゾロトリアゾール系色材(上式(3)で示される色材) 1.5部
・ポリビニルアセタール樹脂 1.5部
(KS−5、積水化学工業社製)
・メチルエチルケトン 48.5部
・トルエン 48.5部
(色材の体積平均粒径)
上記で作製した各実施例、及び比較例の熱転写シートを形成するためのマゼンタ色材層用塗工液について、色材の体積平均粒径(nm)を、上記で説明したレーザー光散乱粒度分布計による粒径の測定方法で測定した。粒径の測定結果を表1に示す。
(塗工液の状態)
上記で作製した各実施例、及び比較例の熱転写シートを形成するためのマゼンタ色材層用塗工液について、上記の色材分散条件にて調製したマゼンタ色材層用塗工液の初期の時と、常温で120時間放置した後で、沈殿物の有無を目視で観察し、以下の基準で塗工液の状態を評価した。評価結果を表1に示す。
1;全く沈殿物が無い。
2;ほぼ沈殿物が無い。
3;少し沈殿物が有る。
4;多くの沈殿物が有る。
(汚染性評価)
熱転写シートの保存性を判断するために背面層への汚染性を評価した。汚染性の評価は、各実施例、及び比較例の熱転写シートのマゼンタ色材層面と、以下の背面層付基材の背面層面とを重ね合わせて20kg/cm2の荷重を加え40℃90%RHの環境に98時間保存し、背面層面への色材の移行性を評価した。移行性の評価は、保存前後の背面層面を、分光測定器(グレタグマクベス社製、spectrolino)により測定し、下記式で色差(ΔE*ab)を求めることにより行なった。測定結果を表1に併せて示す。背面層付基材は、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上に、上記熱転写シートの作製で使用した上記組成の背面層用塗工液1をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が1.0g/m2になるように塗工、乾燥して背面層を形成することで得たものである。
色差ΔE*ab=((Δa*2+(Δb*21/2
CIE1976 La**表色系(JIS Z8729(1980))参照
Δa*=a*(保存後)−a*(保存前)
Δb*=b*(保存後)−b*(保存前)
なお、a*及びb*は、CIE1976L***表色系に基づくものであり、a*及びb*は、知覚明度指数を表す。
また、ΔE*abの値が小さいほど、汚染性が少ない、換言すれば、キックの度合が少ないことを示す。
「評価基準」
○・・・ΔE*abが10未満である。
△・・・ΔE*abが10以上である。
(耐光性評価)
各熱転写シートのマゼンタ色材層と、下記の条件で作製した熱転写受像シートの受容層面とを対向させて重ね合わせ、熱転写シートの裏面からテストプリンターを用いて下記の印画条件1で印画を行い、0/255〜255/255(濃度Max)の階調パターン18stepのマゼンタ印画パターンを形成した。さらに、下記条件で作製した保護層転写シートを用い、下記印画条件2にて、マゼンタ印画パターン上に転写性保護層を転写することで最終印画物を得た。
(熱転写受像シートの作製)
多孔質ポリエチレンフィルム(トヨパール−SS P4255 東洋紡績(株)製 厚さ35μm)からなる多孔質フィルム層上に、下記組成の中間層用塗工液、受容層用塗工液をグラビアリバースコート方式で、順次塗布、乾燥して、中間層、受容層を形成した。その中間層、受容層の設けられた面と反対面の多孔質ポリエチレンフィルムに、下記組成の接着層用塗工液を用いて、グラビアリバースロールコート方式で塗布、乾燥して、接着層を形成し、RC原紙(155g/m2、厚さ151μm)(三菱製紙(株))と貼り合わせ熱転写受像シートを作製した。上記の各々の塗工量は、全て固形分で、中間層は1.5g/m2、受容層は5.0g/m2、接着層は5.0g/m2であった。
<中間層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 50部
(ポリエスターWR−905 日本合成化学工業(株)製)
・酸化チタン 20部
(TCA888 (株)トーケムプロダクツ製)
・蛍光増白剤 1.2部
(ユビテックスBAC チバ・スペシャリティーケミカルズ(株)製)
・水/イソプロピルアルコール=1/1 28.8部
<受容層用塗工液>
・塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 60部
(ソルバインC,日信化学工業(株)製)
・エポキシ変性シリコーン 1.2部
(X−22−3000T、信越化学工業(株)製)
・メチルスチル変性シリコーン 0.6部
(X−24−510,信越化学工業(株)製)
・メチルエチルケトン/トルエン(質量比1/1) 5部
(保護層転写シートの作製)
基材として、厚さ4.5μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)を用い、当該基材の一方の面上に、下記組成の剥離層用塗工液1をワイヤーコーターバーにて固形分塗工量1.0g/m2となるように塗工し、110℃のオーブンにて1分間乾燥させることで剥離層を形成した。次いで、剥離層上に、上記熱転写シートの作製で使用した上記プライマー層用塗工液をワイヤーコーターバーにて固形分塗工量が0.2g/m2となるように塗工し、110℃のオーブンにて1分間乾燥させることでプライマー層を形成した。次いで、プライマー層上に、下記組成の接着層用塗工液を、ワイヤーコーターバーにて固形分塗工量1.0g/m2となるように塗工し、110℃のオーブンにて1分間乾燥させることで接着層を形成した。なお、上記基材の他方の面に、上記熱転写シートの作製で使用した上記組成の背面層用塗工液1をワイヤーバーコーティングにより、固形分の塗工量が1.0g/m2になるように塗工、乾燥して、背面層を予め形成しておいた。これにより、基材の一方の面上に、転写性保護層を構成する剥離層、プライマー層、接着層がこの順で設けられ、基材の他方の面上に背面層が設けられた保護層転写シートを得た。
<剥離層用塗工液>
・ポリメチルメタクリル酸(PMMA) 20部
(ダイヤナールBR−87 三菱レイヨン(株))
・トルエン 40部
・メチルエチルケトン 40部
<接着層用塗工液>
・ポリエステル樹脂 23.5部
(バイロン700 東洋紡績(株))
・UVA化合物 6部
(チヌビン900 チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株))
・シリカフィラー 0.5部
(サイリシア310P 富士シリシア(株))
・トルエン 35部
・メチルエチルケトン 35部
(印画条件1)
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子株式会社製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印画電力:0.12(W/dot)
・1ライン周期:2(msec.)
・パルスDuty:85%
・印画開始温度:35.5(℃)
(印画条件2)
・サーマルヘッド:F3598(東芝ホクト電子株式会社製)
・発熱体平均抵抗値:5176(Ω)
・主走査方向印字密度:300dpi
・副走査方向印字密度:300dpi
・印画電力:0.096(W/dot)
・1ライン周期:2(msec.)
・パルスDuty:85%
・印画開始温度:35.5(℃)
上記で得られた最終印画物のマゼンタ印画パターン上に下記条件にて光照射した。
(照射条件)
・照射試験器:アトラス社製Ci35
・光源:キセノンランプ
・フィルタ:内側=IRフィルタ、外側=ソーダライムガラス
・ブラックパネル温度:45℃
・照射強度:1.2W/m2 −420nmでの測定値
・照射エネルギー:700kJ/m2 −420nmでの積算値
上記照射条件による照射前後の画像の色差を、分光測定器(グレタグマクベス社製、spectrolino)により測定した。測定結果を表1に示す。測定に際しては照射前のYe(マゼンタ印画部)のODが1.0付近で測定を行なった。
色差ΔE*ab=((Δa*2+(Δb*21/2
CIE1976 La**表色系(JIS Z8729(1980))参照
Δa*=a*(照射後)−a*(照射前)
Δb*=b*(照射後)−b*(照射前)
なお、a*及びb*は、CIE1976L***表色系に基づくものであり、a*及びb*は、知覚明度指数を表す。
また、ΔE*abの値が小さいほど、耐光性が良好であることを示す。
「評価基準」
○・・・ΔE*abが10未満である。
△・・・ΔE*abが10以上である。
Figure 0006354266
(印画適性評価)
テストプリンターを用いて、各実施例の各熱転写シートと、上記で作製した熱転写受像シートを組み合わせて、上記印画条件1で、マゼンタ階調パターンを印画して、異常転写の有無を調べた。異常転写の評価は、以下の基準である。
「評価基準」
1;異常転写が認められない。
2;実用上、問題ないレベルであるが、熱転写シートの熱転写受像シートとの印画後の剥離性で少し抵抗が強いレベルである。
3;異常転写が認められる。
(密着性)
各実施例の熱転写シートにおいて、セロハンテープをマゼンタ色材層表面に親指で、1往復擦って、貼り付け後、すぐに180度剥離にて、手で剥がし取ってマゼンタ色材層の基材との密着性を調べた。評価は剥がし取ったセロハンテープへのマゼンタ色材層の転移の状態を目視で調べて行なった。評価の基準は以下の通りである。密着性の評価結果を表2に示す。
「評価基準」
1;セロハンテープへのマゼンタ色材層の転移は認められない。
2;セロハンテープへマゼンタ色材層の転移が、ごくわずか認められるが、実用上問題ない。
3;セロハンテープへマゼンタ色材層の転移が少し認められるが、実用上問題ない。
4;セロハンテープへマゼンタ色材層の転移が認められる。
Figure 0006354266
1・・・基材
3・・・マゼンタ色材層
5・・・背面層
10x・・・「分散溶媒」に分散可能な「特定のマゼンタ色材」
10y・・・溶媒に溶解可能マゼンタ色材
100・・・熱転写シート

Claims (10)

  1. 基材の一方の面にマゼンタ色材層が設けられた熱転写シートであって、
    前記マゼンタ色材層は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、
    前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、
    前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする熱転写シート。
    (特定方法)
    所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
  2. 前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であることを特徴とする請求項1に記載の熱転写シート。
  3. 熱転写シートのマゼンタ色材層を形成するためのマゼンタ色材層用塗工液であって、
    前記マゼンタ色材層用塗工液は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、
    前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、
    前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とするマゼンタ色材層用塗工液。
    (特定方法)
    所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
  4. 前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であることを特徴とする請求項3に記載のマゼンタ色材層用塗工液。
  5. 前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記マゼンタ色材層用塗工液中に50nm以上300nm以下の粒径で分散されていることを特徴とする請求項3又は4に記載のマゼンタ色材層用塗工液。
  6. 熱転写シートの製造方法であって、
    基材の一方の面上にマゼンタ色材層用塗工液を塗工してマゼンタ色材層を形成するマゼンタ色材層形成工程を含み、
    前記マゼンタ色材層形成工程で用いられる前記マゼンタ色材層用塗工液は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、
    前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、
    前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする熱転写シートの製造方法。
    (特定方法)
    所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
  7. 前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であることを特徴とする請求項6に記載の熱転写シートの製造方法。
  8. 前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記マゼンタ色材層用塗工液中に50nm以上300nm以下の粒径で分散されていることを特徴とする請求項6又は7に記載の熱転写シートの製造方法。
  9. 基材の一方の面にマゼンタ色材層が設けられた熱転写シートと、他の基材の一方の面に受容層が設けられた熱転写受像シートとを組合せて使用して熱転写受像シート上に画像を形成する画像形成方法であって、
    前記熱転写シートの前記マゼンタ色材層は、所定の溶媒、下記の特定方法により当該所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材、下記の特定方法により当該所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材、バインダー樹脂、及び分散剤を含有しており、
    前記所定の溶媒には、1つ、又は複数の溶媒が含まれ、前記所定の溶媒が複数である場合、前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の全てに対し分散可能であると特定されるマゼンタ色材であり、一方で、前記所定の溶媒に溶解可能であると特定されるマゼンタ色材は、前記複数の溶媒の少なくとも1つに対し溶解可能であると特定されるマゼンタ色材であり、
    前記マゼンタ色材層が含有している前記所定の溶媒に分散可能であると特定されるマゼンタ色材が、キナクリドン系マゼンタ色材、及びジケトピロロピロール系マゼンタ色材の何れか一方、又は双方であることを特徴とする画像形成方法。
    (特定方法)
    所定の溶媒に、目的とするマゼンタ色材を2w/v%の量となるように添加し、50℃にて1時間加熱撹拌する。次いで、得られた液を25℃にて60時間放置した後に、目的とするマゼンタ色材の析出の有無を目視で確認する。このときに、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できなかった場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に溶解可能な色材であると特定する。一方、目的とするマゼンタ色材の析出を目視で確認できた場合には、目的とするマゼンタ色材は、所定の溶媒に分散可能なマゼンタ色材であると特定する。所定の溶媒が複数である場合、それぞれについて行う。
  10. 前記マゼンタ色材層が含有している前記分散剤が、アクリル系ブロック型ポリマー分散剤であることを特徴とする請求項9に記載の画像形成方法。
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