JP5765872B2 - 拭取り用シート製品 - Google Patents

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Description

本発明は、不織布、織布、紙などのシート状の繊維集合基材に抗菌剤を含有する薬液を含浸させてなる、ウェットティッシュ、清掃用シート、おしりふきなどの拭取り用シートに関するものである。
一般に、このような拭取り用シートは、開閉蓋により密閉可能とされたシート取出口を有する密閉容器や袋等の包装手段内に収容されて販売されており、使用者は取出口を開けてそこから内部のシートを引き出して使用するといった使用形態が採用されている。
そして、このような拭取り用シートにおいては、従来、保管・使用中における防腐や拭取り対象の除菌等、種々の目的で薬液中に抗菌剤を含有させることが提案されている(特許文献1〜4参照)。
抗菌剤としては、実績等の観点からパラベン類が使用されていることが多い。しかし、パラベン類を薬液中に含有させたとしても、薬液中の水分が蒸発して容器等の内部に結露したときには、結露内にパラベン類が含まれず、容器内面において菌が繁殖し易くなるという問題点がある。また、パラベン類は皮膚に付着すると肌荒れやかぶれ等の肌トラブルをもたらすおそれがあるため、特に身体拭取り製品ではパラベンフリー(パラベン不使用)で防腐を図ることが望まれている。さらに、パラベン類は水に難溶であり、他の成分の溶媒として水を使用する場合はパラベン溶媒の共存が必要となるため、配合成分の増加によるコストアップ、成分表記の増加、成分同士の反応による析出のおそれがある。また、薬液のpHによっては特有の臭気が発生したり、効果が乏しくなったりするといった問題点もある。
パラベン同様に防腐目的ではエタノールやイソプロパノールも使用されることがあるが、いずれも皮膚への刺激が強く、特異な臭気をもつことから、特に身体拭取り製品ではアルコールフリー(アルコール不使用)で防腐を図ることが望まれている。
第四級アンモニウム塩も抗菌剤として広範な用途で使用されているが、パラベン同様に、結露中に含まれることは無いため、容器内面において菌が繁殖し易くなるという問題点がある。また、第四級アンモニウム塩は、NH4+基とセルロース系繊維のOH-基との結合、他の配合成分の影響による塩形成、及び析出により、薬液中の四級アンモニウム塩濃度が低下し易いため、配合量を増やす必要があるが、溶解度や発泡、法規制の問題により配合量が限られるという問題点もある。
特開2002−038363号公報 特開2004−188091号公報 特開2006−181334号公報 特開2006−340949号公報
そこで本発明の主たる課題は、結露における抗菌を含む総合的な抗菌効果を改善することにある。
上記課題を解決した本発明は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
35〜60重量%のセルロース系繊維と、40〜65重量%の疎水性繊維とからなり、目付け量10〜100g/m2かつ厚み0.1〜5.0mmのシート状の繊維集合基材に対して、抗菌剤を含有する薬液を含浸させてなる拭取り用シートを、開閉蓋により密閉可能とされたシート取出口を有する密閉包装手段内に収容してなる、拭取り用シート製品において、
前記薬液の含有重量が、前記繊維集合基材の乾燥重量の2.5〜4.5倍であり、
前記薬液は、90重量%以上の水と、前記抗菌剤として、0.025〜1.000重量%のフェノキシエタノールまたは/及びフェノキシイソプロパノールと、0.02〜1.50重量%の四級アンモニウム塩と、0.2〜4.0重量%のポリオールと、0.02〜0.40重量%の安息香酸塩とをそれぞれ含有し、且つパラベン類、エタノール、イソプロパノールを含有しない、
ことを特徴とする拭取り用シート製品。
(作用効果)
本発明者は、上記課題を解決する手法として水溶性且つ揮発性の抗菌剤の使用を着想したが、溶解や蒸発抑制の調整が困難であることや、そのために別の溶媒成分の併用が必要となり、その溶媒成分が滑り感やべたつき感をもたらすおそれがあること、安全性の観点から使用できる物質の種類及び濃度が限られること、拭取り対象の表面(皮脂や塗装)を溶かし、肌のかさつきや塗装表面の曇りを発生させるおそれがあること、臭気が強い場合には鼻の周りを拭くのに使用し難くなること、皮膚への刺激が強く、粘膜周辺の拭取りに使用し難いこと等、新たな問題の解決が必要となることが判明した。
本発明は、これらの問題の解決をも考慮したものであり、上記特徴的な配合により結露における抗菌を含む総合的な抗菌効果を改善できるものである。すなわち、揮発性抗菌剤であるフェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノールが結露中に含有されるようになり、結露における抗菌効果が発揮されるようになる。しかも、ポリオールを組み合わせて用いることにより、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノールの蒸発が抑制され、薬液・基材・拭取り対象における抗菌効果の持続性が向上する。さらに、ポリオールの抗菌作用により薬液の抗菌効果が確保されるとともに、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノールの抗菌スペクトルが補填され、より多くの抗菌対象に対して効果が発揮されるようになる。また、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノールとポリオールとの組み合わせだけであると、抗菌スペクトルの補填が不十分となり、基材における抗菌効果も不足するが、本発明では、セルロース系繊維を含む基材と、セルロース系繊維に結合し易く蒸発し難い四級アンモニウム塩とを組み合わせて採用するため、より多くの抗菌対象に対して効果が発揮されるようになるとともに、基材における抗菌効果も向上するようになる。また、薬液中の四級アンモニウム塩含有量が多いとヌルツキの原因となるが、セルロース系繊維に基材に結合することによりヌルツキが無い又は少ないものとなる。
また、薬液の抗菌成分として、安息香酸塩を加えると、抗菌スペクトルを更に補填することができるため好ましい。
また、本発明では、このような構成、目付け量、厚みの繊維基材を用いる場合に特に好適である。特に本発明では、薬液に含有されるポリオールの作用により薬液の疎水性繊維に対する親和性が高くなるため、基材への薬液浸透速度及び浸透率がポリオールを含有しない場合と比べて向上し、シート全体における抗菌効果が向上するという利点もある。
また、薬液を含有する拭取り用シートが、開閉蓋により密閉可能とされたシート取出口を有する密閉包装手段内に収容されており、使用に際して必要量の拭取り用シートを包装手段内から取り出して使用する製品形態においては、全量のシートを使い切るまでにある程度の期間を要するため、結露に起因する菌の繁殖が発生し易い。よって、このような製品形態において上述の本発明に係る拭取り用シートを採用するのは特に好ましい。
以上詳説のとおり本発明によれば、結露における抗菌を含む総合的な抗菌効果が改善する等、種々の利点がもたらされるようになる。
以下、本発明の実施の形態について詳述する。
本発明に係る拭取り用シートは、セルロース系繊維を含むシート状の繊維集合基材、例えば不織布等に対して、精製水に各種成分を添加した薬液を含有させることにより製造されるものである。拭取り用シートは、製品形態では、開閉蓋により密閉可能とされたシート取出口を有する密閉容器(例えば、特開2008−105746号公報、特開2007−176546号公報、特開2007−176545号公報、特開2007−176544号公報、特開2006−341905号公報)や袋(例えば特開2005−088970号公報)等の包装手段内に収容することができる。使用に際しては、拭取り用シートを容器又は袋内に直に入れたものから、或いは拭取り用シートを直に入れた袋を容器内に入れたものから、使用者が取出口を開けて内部のシートを引き出して使用する。
なお、拭取り用シートの表面には、0.3〜0.8mmの凹凸を形成するのが好適である。拭取り用シートの表面に凹凸部を形成した場合、薬液の保持性能が向上し、積層される拭取り用シートの接触面積を低減できることから、拭取り用シートを容易に密閉容器から取り出すことできる。
拭取り用シートにおける薬液の含有量は、繊維集合基材の乾燥重量の2.5〜4.5倍の範囲で適宜定めることができるが、特に2.5〜4倍の範囲内とするのが好ましい。薬液含有量が少な過ぎると液分が十分に浸透せずに含浸ムラができ、クロマトグラフィのように溶液内の成分が偏在するという問題があり、多過ぎると基材が液を保持できずに重力に従って下に溜まり、下側だけ過剰に濡れた状態になるという問題がある。
本発明のシート状の繊維集合基材としては、セルロース系繊維を含むものであれば特に限定されず、紙、不織布の他、織布等を用いることができ、また、水解性を有していないものの他、水解性を有しているものも用いることができる。
セルロース系繊維としては、綿、麻、パルプ等の天然繊維、レーヨン、キュプラ、リヨセル等の再生繊維、アセテート繊維(トリアセテート、ジアセテート)等の半合成繊維を用いることができる。これらの繊維の中でも特にはレーヨンが好適である。レーヨンは、吸水性に富み、取り扱いが容易であると共に、一定長の繊維を安価に入手することができる。セルロース系繊維は、基材中に35〜60重量%の割合で配合する。セルロース系繊維の含有量が少なすぎると、十分な保水性及び柔軟性を与えることが出来ず、多過ぎると湿潤時強度が低すぎて破れなどが生じ易く嵩が保てなくなるとともに、容器からポップアップ式で取り出す際に伸びが生じ過ぎるようになる。
本発明の繊維集合基材には、化繊等の疎水性繊維(撥水含む)を含有させる。繊維基材中の疎水性繊維の含有量は40〜65重量%とする。
例えば、疎水性繊維として熱融着性繊維を配合し、繊維相互を融着結合することができる。熱融着性繊維としては、加熱によって溶融し相互に接着性を発現する任意の繊維を用いることができる。この熱融着性繊維は、単一繊維からなる物でもよいし、2種以上の合成樹脂を組み合わせた複合繊維等であってもよい。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリビニルアルコール等のポリオレフィン系単一繊維や、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリプロピレン/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート−エチレン・プロピレン共重合体、低融点ポリエステル−ポリエステルなどからなる鞘部分が相対的に低融点とされる芯鞘型複合繊維または偏心芯鞘型複合繊維、またはポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン、ポロプロピレン/ポリエチレンからなる各成分の一部が表面に露出している分割型複合繊維、あるいはポリエチレンテレフタレート/エチレン−プロピレン共重合体からなる一方の成分の熱収縮により分割する熱分割型複合繊維などを用いることができる。この場合、生産性および寸法安定性を重視する場合は芯鞘型複合繊維が好ましく、ボリューム感を重視するならば偏心型複合繊維が好ましい。また、柔軟性を重視するならば、分割型複合繊維や熱分割型複合繊維を用いると、高圧水流処理によって各成分が容易に分割して極細繊維化されるようになる。
また、本発明の繊維集合基材においては、上記熱融着性繊維の他、熱可塑性合成繊維を混合することができる。熱可塑性繊維としては、種々の合成繊維が存在するが、中でもポリエステル繊維が好適である。ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維は、高圧水流処理した際の交絡性が悪いとともに、毛羽立ちや湿潤強度に劣るようになる。
熱融着性繊維及び熱可塑性繊維を用いる場合、基材中の熱融着性繊維の含有量は10〜30重量%、熱可塑性繊維の含有量は40重量%以下とするのが望ましい。熱融着性繊維が少な過ぎると湿潤時強度が確保し得ないとともに、容器からポップアップ式で取り出す際に伸びが大きくなり過ぎるようになる。また、多すぎると風合いが硬くなり、手触り感がざらついた感触となる。熱可塑性繊維の含有量が40重量%を超えると、保水性が損なわれ、ウェット性能が著しく低下するようになる。熱可塑性繊維を混入することにより、湿潤時のコシが向上し、嵩のある不織布を得ることができる。また、一部が不織布表面に露出することで、疎水性により湿潤時においてもべた付き感を緩和し、さらりとした感触が付与される。
熱可塑性繊維は、熱捲縮性を有することが望ましい。熱捲縮性を与えるためには、熱可塑性繊維に対して熱収縮温度の異なる合成樹脂を貼り合わせたサイド・バイ・サイド型複合繊維の形態を採るようにする。例えば、ポリエステル繊維の融点は、ポリエチレンテレフタレートが255℃、ポリブチレンテレフタレートが215℃であり、これに貼り合わせる低融点樹脂としては、前述の熱融着性繊維の融点温度とほぼ同様の樹脂を用いるようにするのがよい。
本発明のシート状の繊維集合基材の場合、繊維目付けは10〜100g/m2、特に30〜80g/m2程度であるのが好ましく、厚みは0.1〜5.0mm、特に0.2〜3.0mm程度であるのが好ましい。繊維目付けが少なすぎるか又は厚みが厚すぎるとシートの強度が不十分となり、繊維目付けが多すぎ且つ厚みが薄すぎると柔軟性が乏しくなる。
他方、シート状基材に含浸される薬液には、少なくともフェノキシエタノールまたは/及びフェノキシイソプロパノール、四級アンモニウム塩及びポリオールという三種類の抗菌剤と、溶媒としての水とが含有され、且つパラベン類は含有されない。
薬液に含有されるフェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノールは、グリコールエーテルの一種であり、水酸基およびエーテル基を有し、微かな芳香を有する無色透明で僅かに粘稠な弱揮発性液体であり、各種有機物の溶媒となるものである。また、グラム陰性菌などに対し殺菌作用を有する。薬液中の含有量は、0.025〜1.000重量%である。含有量が少な過ぎると特に結露内での抗菌効果が不足するという問題点があり、多すぎると臭いがきつく、蒸散しやすいため容器内の結露が増加し、シートの含浸率が下がるという問題点がある。フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノールが揮発性を有するため、薬液中の水分が蒸発して容器等の内部に結露したとしても、その結露中にフェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノールが含有されるようになるため、結露における抗菌効果が発揮されるようになる。
薬液に含有されるポリオールは、幅広い抗菌スペクトルを有するものであり、抗菌効果のみならず保湿性も有しており、また疎水繊維への親和性も有する物質である。例としては、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル1−フェニル1,3−プロパンジオール、1,2−オクタンジオール、カプリリルグリコール、エチレンヘキシルグリセリン、εポリリジン、ジプロピレングリコール等を挙げることができる。ポリオールの薬液中の含有量は0.2〜4.0重量%である。ポリオールの含有量が少な過ぎると抗菌効果が不足したり、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノールの蒸発を抑制できずシートの含浸率が下がったりするという問題点があり、多すぎるとぬめり・べたつきなどが出て使用感を損なうという問題点がある。ポリオールを組み合わせて用いると、その保湿性によりフェノキシエタノールの蒸発が抑制され、薬液・基材・拭取り対象における抗菌効果の持続性が向上する。さらに、ポリオールの抗菌作用により薬液の抗菌効果が確保されるとともに、フェノキシエタノールの抗菌スペクトルが補填され、より多くの抗菌対象に対して効果が発揮されるようになる。
薬液に含有される四級アンモニウム塩は、陽イオン界面活性剤であり、NH4+基により繊維集合基材のセルロース系繊維のOH-基と結合し易い性質を有するものであり、グラム陽性菌、グラム陰性菌、真菌の一部、エンベロープを有するウイルスの一部に対し殺菌作用を有する。例としては、塩化ベンザルコニウム、アルキルピリジニウム塩(塩化セチルピリジニウム等)、塩酸ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、塩化ベンゼトニウム、ポリアルコキシ四級アンモニウム塩(ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン等)を挙げることができる。四級アンモニウム塩の薬液中の含有量は、0.02〜1.50重量%である。四級アンモニウム塩の含有量が少な過ぎると抗菌効果が不足したり、セルロースのOH基とイオン結合して効力が低下し液層での抗菌効果が保たれないという問題点があり、多すぎると温度が下がった時に溶解しきれずに析出したり、他の成分と塩を作って白濁したり、界面活性による発泡やぬめりが出るという問題点がある。フェノキシエタノールとポリオールとの組み合わせだけであると、抗菌スペクトルの補填が不十分となり、基材における抗菌効果も不足するが、本発明では、セルロース系繊維を含む基材と、セルロース系繊維に結合し易く蒸発し難い四級アンモニウム塩とを組み合わせて採用するため、より多くの抗菌対象に対して効果が発揮されるようになるとともに、基材における抗菌効果も向上するようになる。また、薬液中の四級アンモニウム塩含有量が多いと滑りの原因となるが、セルロース系繊維に基材に結合することにより滑り感も無い又は少ないものとなる。
これら三種類の抗菌剤だけでも十分な抗菌効果が発揮されるが、さらに抗菌スペクトルを補填するために、他の抗菌剤を添加することもできる。この場合における抗菌剤としては、安息香酸塩が好適である。安息香酸塩としては安息香酸ナトリウムが好適である。安息香酸塩の薬液中の含有量は、0.02〜0.40重量%である。安息香酸塩の含有量が少な過ぎると抗菌効果が不足するという問題点があり、多すぎると肌に刺激があるという問題点がある。
本発明の薬液は、基本的な溶媒として水を用いるものである。薬液中の水分含有量は90重量%以上とされる。水含有量が少な過ぎると十分に含有成分が溶解しない、水と同様の感触を得られずベタツキ・ヌルツキ等の不快感や刺激や特異臭がある、抗菌成分濃度が相対的に上がるが抗菌効果に大きな変化がなく費用対効果が悪化する等の問題があり、多すぎると抗菌剤の相対濃度が薄くなり、十分な防腐効果を保持できないという問題点がある。
また、本発明の効果を損ねない範囲で、上記以外の成分を添加することができる。
以下、実施例を示して本発明の効果を明らかにする。
本実施例においては、セルロース系繊維としてレーヨン繊維(60重量%)、疎水性繊維としてPET繊維(20重量%)とPE/PP繊維(20重量%)からなる繊維集合基材に表1に示す各薬液を含浸させ、結露時の抗菌効果、抗菌スペクトルの補填性について測定した結果である。
菌液は、菌数が106〜107個/mlになるように生理食塩水に浮遊させた液を用いた。
シート部の抗菌性は、5cm角の試料を4枚重ねて滅菌合成樹脂性容器に入れ、菌液を0.05ml滴下し、蓋を閉めて25±1℃で保存し7日後に生菌数を測定した。
結露部分の抗菌効果は、結露成分0.1mlに菌液0.05mlを滴下し、25±1℃で保存し7日後に生菌数を測定した。
判定は菌数が10個以下(検出限界)の場合には「○」、10〜102個以下の場合には「△」、102個以上の場合には、「×」とした。
以上、表1に示したとおり、本発明においては、結露における抗菌を含む総合的な抗菌
効果が優れる拭取り用シートを得ることができる。
本発明は、ウェットティッシュ、清掃用シート、乳幼児若しくは大人用の身体またはお尻拭き、その他の拭取りシートとして利用できるものである。
Figure 0005765872

Claims (1)

  1. 35〜60重量%のセルロース系繊維と、40〜65重量%の疎水性繊維とからなり、目付け量10〜100g/m2かつ厚み0.1〜5.0mmのシート状の繊維集合基材に対して、抗菌剤を含有する薬液を含浸させてなる拭取り用シートを、開閉蓋により密閉可能とされたシート取出口を有する密閉包装手段内に収容してなる、拭取り用シート製品において、
    前記薬液の含有重量が、前記繊維集合基材の乾燥重量の2.5〜4.5倍であり、
    前記薬液は、90重量%以上の水と、前記抗菌剤として、0.025〜1.000重量%のフェノキシエタノールまたは/及びフェノキシイソプロパノールと、0.02〜1.50重量%の四級アンモニウム塩と、0.2〜4.0重量%のポリオールと、0.02〜0.40重量%の安息香酸塩とをそれぞれ含有し、且つパラベン類、エタノール、イソプロパノールを含有しない、
    ことを特徴とする拭取り用シート製品。
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