JP5742537B2 - 自動車のシート位置調整装置 - Google Patents

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Description

この発明は、車室内に、運転席と、該運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領域(バックウィンド下縁またはオープンカーにおけるトランクリッド上面参照)とが設けられているような自動車のシート位置調整装置に関する。
従来、図25に示すように、車室100内に、運転席としてのドライバーズシート101と、このドライバーズシート101よりも後方のリヤシート102と、さらにその後方の後方視界開放領域としてのバックウィンド103の下端とが設けられた自動車がある。
上述のリヤシート102は、シートクッション102Cとシートバック102Bとを有し、後席乗員の座り心地向上を図るためにシートバック102Bを前低後高状に傾斜させているのが一般的である。
このように、シートバック102Bを傾斜させると、荷室104の車両前後方向の長さがシートバック102Bの傾斜上部により短くなるため、荷物の積載スペースが狭くなる。
荷物の積載スペースを使いやすい形状に拡大するには、シートバック102Bを図25に実線で示す後傾状態から同図に仮想線βで示す直立状態に立上げるとよい。このように、シートバック102Bを直立状態に成すと、後席乗員の着座性は若干犠牲になるものの、シートバック102Bの後傾状態から直立状態への移動により荷室104が拡大し、荷物の積載スペース拡充を図ることができる。
しかしながら、シートバック102Bを直立状態に立上げると、シートバック102Bの上端位置が高くなり、このシートバック102Bの上端部で、ルームミラー105と後方視界開放領域(バックウィンド103の下端参照)とを結ぶ線X2が遮られるので、後方視界が悪化する問題点があった。
ところで、特許文献1には、シートクッションとシートバックとを備えたリヤシートにおいて、シートバックが後傾した状態と直立した状態とを確保することができると共に、シートバックの後傾位置およびシートバックの直立位置の何れの位置からでもワンアクションでシートバックをシートクッション上に折り畳むことができる車両用格納シートが開示されている。
しかしながら、この特許文献1に開示された従来構造においても、シートバックを直立状態に立上げると、シートバックの上端位置が高くなるため、後方視界の悪化を招く問題点があった。
また、特許文献2には、シートバックをシートクッションに対して上下調整することができる構成が開示されている。すなわち、体格が小さい乗員がシートクッションをリフトアップすると、シートバックは、その高さ位置が相対的に低くなり、乗員の体格に応じたシートの状態を形成することができるものである。
この特許文献2に開示された従来構造は、乗員の体格に対応するように、シートクッションの高さに応じてシートバックの高さを変更するものであって、シートバックの直立状態において該シートバックの高さを低くするものではない。
特開2009−61834号公報 特開平7−25274号公報
そこで、この発明は、リヤシートのシートバックを略直立状態と成した時、シートバックの下端をシートバック後傾時に対して下方へ変位させ、この位置でシートバックを略直立状態に保持することで、シートバック直立時において該シートバックの高さを抑制して、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大と、後方視界確保との両立を図ることができる自動車のシート位置調整装置の提供を目的とする。
この発明による自動車のシート位置調整装置は、車室内に、運転席と、ルームミラーと、上記運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領とが設けられた自動車において、上記リヤシートは、車体側部材に支持されたシートクッションとシートバックとを有し、該シートバックを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバックを後傾した第1位置と、略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、上記第1、第2の各位置で上記シートバックを保持する保持機構とを有すると共に、上記角度調整機構は、上記シートバックが上記第1、第2の両位置において、上記ルームミラーと上記後方視界開放領域とを結ぶ範囲よりも下方となるように、該シートバックの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるものである。
上述の後方視界開放領域は、バックウィンド下縁部またはオープンカーにおけるトランクリッド上面よりも上方に設定してもよい。
また、上述の車体側部材には、フロアパネル、ボディ側壁、クロスメンバ、または、これらに取付けられたブラケットなどに設定してもよい。
上記構成によれば、シートバックを後傾した第1位置に成すと、後席乗員が座り心地のよい傾斜モードを確保することができる。またシートバックを略直立の第2位置に成すと、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大を図ることができる。
しかも、上述の角度調整機構により、リヤシートのシートバックを略直立と成した時、シートバックの下端をシートバック後傾時に対して下方に変位させ、かつ、上述の保持機構によりシートバックを第2位置で略直立状に保持することができるので、シートバック直立時において該シートバックの高さをルームミラーを介した後方視界よりも下方とすることから、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大を図る直立モードの確保と、ルームミラーを介した後方視界確保との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記シートバックが前方倒伏した位置において、第2位置よりもその下部が上方に位置するものである。
上述のシートバックの前方倒伏位置は、シートバックをシートクッション上に倒伏させた位置を意味する。
上記構成によれば、シートクッションを下方に下げることなくシートバックの背面が水平に近い状態となるので、シートクッションは固定構造でもよく、シートクッションを下方に下げるリンクなどの機構を縮小または省略することができる。
この発明による自動車のシート位置調整装置は、また、車室内に、運転席と、該運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領域とが設けられている自動車において、上記リヤシートは、車体側部材に支持されたシートクッションとシートバックとを有し、該シートバックを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバックを後傾した第1位置と、略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、上記第1、第2の各位置で上記シートバックを保持する保持機構とを有すると共に、上記角度調整機構は、上記シートバックの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるよう構成され、上記シートバックが前方倒伏した位置において、第2位置よりもその下部が上方に位置するものである。
上記構成によれば、シートバックを後傾した第1位置に成すと、後席乗員が座り心地のよい傾斜モードを確保することができる。また、シートバックを略直立の第2位置に成すと、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大を図ることができる。
しかも、上述の角度調整機構により、リヤシートのシートバックを略直立と成した時、シートバックの下端をシートバック後傾時に対して下方に変位させ、かつ、上述の保持機構によりシートバックを第2位置で略直立状に保持することができるので、シートバック直立時において該シートバックの高さを抑制し、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大と、後方視界確保との両立を図ることができる。
また、リヤシートのさらに後方に他のシートが存在する場合には、当該他のシートの乗員の居住スペースの拡大と、良好な乗降性の確保との両立を図ることができる。
さらに、シートクッションを下方に下げることなくシートバックの背面が水平に近い状態となるので、シートクッションは固定構造でもよく、シートクッションを下方に下げるリンクなどの機構を縮小または省略することができる。
この発明の一実施態様においては、上記支持手段は、上記角度調整機構として、上記シートバックと車体側とに連結される2つのリンク機構を有するものである。
上記構成によれば、角度調整機構として2つのリンク機構(いわゆる2リンク機構)を採用したので、シートバックの所定の軌跡を容易に設定することができ、シートバックの揺動位置、昇降位置および下部の前後位置を同時に、かつ簡単に調整しやすくなる。
この発明による自動車のシート位置調整装置は、さらに、車室内に、運転席と、該運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領域とが設けられている自動車において、上記リヤシートは、車体側部材に支持されたシートクッションとシートバックとを有し、該シートバックを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバックを後傾した第1位置と、略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、上記第1、第2の各位置で上記シートバックを保持する保持機構とを有すると共に、上記角度調整機構は、上記シートバックの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるよう構成され、上記支持手段は、上記角度調整機構として、上記シートバックと車体側とに連結される2つのリンク機構を有するものである。
上記構成によれば、シートバックを後傾した第1位置に成すと、後席乗員が座り心地のよい傾斜モードを確保することができる。また、シートバックを略直立の第2位置に成すと、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大を図ることができる。
しかも、上述の角度調整機構により、リヤシートのシートバックを略直立と成した時、シートバックの下端をシートバック後傾時に対して下方に変位させ、かつ、上述の保持機構によりシートバックを第2位置で略直立状に保持することができるので、シートバック直立時において該シートバックの高さをルームミラーを介した後方視界よりも下方とすることから、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大を図る直立モードの確保と、ルームミラーを介した後方視界確保との両立を図ることができる。
また、リヤシートのさらに後方に他のシートが存在する場合には、当該他のシートの乗員の居住スペースの拡大と、良好な乗降性の確保との両立を図ることができる。
さらに、角度調整機構として2つのリンク機構(いわゆる2リンク機構)を採用したので、シートバックの所定の軌跡を容易に設定することができ、シートバックの揺動位置、昇降位置および下部の前後位置を同時に、かつ簡単に調整しやすくなる。
この発明の一実施態様においては、上記支持手段は、上記シートバック下部に連結されると共に、該シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に揺動支点軸が設けられた支持アームからなる角度調整機構を有しており、上記揺動支点軸は、第1、第2の各位置において、シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に設けられたものである。
上記構成によれば、揺動支点軸を、シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に設けたので、該揺動支点軸を中心としてシートバックが後傾の第1位置から略直立の第2位置へ変位すると、シートバックの下端は下方へ自動的に変位し、シートバックの上端の高さ位置を抑制することができる。
この発明による自動車のシート位置調整装置はさらにまた、車室内に、運転席と、該運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領域とが設けられている自動車において、上記リヤシートは、車体側部材に支持されたシートクッションとシートバックとを有し、該シートバックを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバックを後傾した第1位置と、略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、上記第1、第2の各位置で上記シートバックを保持する保持機構とを有すると共に、上記角度調整機構は、上記シートバックの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるよう構成され、上記支持手段は、上記シートバック下部に連結されると共に、該シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に揺動支点軸が設けられた支持アームからなる角度調整機構を有しており、上記揺動支点軸は、第1、第2の各位置において、シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に設けられたものである。
上記構成によれば、シートバックを後傾した第1位置に成すと、後席乗員が座り心地のよい傾斜モードを確保することができる。また、シートバックを略直立の第2位置に成すと、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大を図ることができる。
しかも、上述の角度調整機構により、リヤシートのシートバックを略直立と成した時、シートバックの下端をシートバック後傾時に対して下方に変位させ、かつ、上述の保持機構によりシートバックを第2位置で略直立状に保持することができるので、シートバック直立時において該シートバックの高さをルームミラーを介した後方視界よりも下方とすることから、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大を図る直立モードの確保と、ルームミラーを介した後方視界確保との両立を図ることができる。
また、リヤシートのさらに後方に他のシートが存在する場合には、当該他のシートの乗員の居住スペースの拡大と、良好な乗降性の確保との両立を図ることができる。
さらに、揺動支点軸を、シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に設けたので、該揺動支点軸を中心としてシートバックが後傾の第1位置から略直立の第2位置へ変位すると、シートバックの下端は下方へ自動的に変位し、シートバックの上端の高さ位置を抑制することができる。
この発明によれば、リヤシートのシートバックを略直立状態と成した時、シートバックの下端をシートバック後傾時に対して下方へ変位させ、この位置でシートバックを略直立状態に保持することで、シートバック直立時において該シートバックの高さを抑制して、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大と、後方視界確保との両立を図ることができる効果がある。
本発明のシート位置調整装置を備えた自動車の側面図 図1の平面図 図1の要部拡大側面図 シート位置調整装置を示す側面図 シートバックの直立モードを示す側面図 シートバックの前倒モードを示す側面図 保持機構を示す図5の要部拡大図 (a)はシート位置調整装置の他の実施例における後傾モードの側面図、(b)は直立モードの側面図、(c)は前倒モードの側面図 図8の(b)の矢A方向から見たリンクの配置構造を示す背面図 シート位置調整装置のさらに他の実施例における後傾モードの側面図 直立モードの側面図 保持機構を示す図11の要部拡大図 (a)はシート位置調整装置のさらに他の実施例における後傾モードの側面図、(b)は直立モードの側面図、(c)は前倒モードの側面図 シート位置調整装置のさらに他の実施例における後傾モードの側面図 直立モードの側面図 前倒モードの側面図 シート位置調整装置のさらに他の実施例における後傾モードの側面図 直立モードの側面図 前倒中途モードの側面図 前倒モードの側面図 シート位置調整装置のさらに他の実施例における後傾モードの側面図 直立モードの側面図 前倒中途モードの側面図 前倒モードの側面図 従来の自動車のシート位置調整装置を示す側面図
リヤシートのシートバックを略直立状態と成した時、シートバックの下端をシートバック後傾時に対して下方へ変位させ、この位置でシートバックを略直立状態に保持することで、シートバック直立時において該シートバックの高さを抑制して、リヤシート後方の荷室の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大と、後方視界確保との両立を図るという目的を、車室内に、運転席と、ルームミラーと、上記運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領とが設けられた自動車において、上記リヤシートは、車体側部材に支持されたシートクッションとシートバックとを有し、該シートバックを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバックを後傾した第1位置と、略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、上記第1、第2の各位置で上記シートバックを保持する保持機構とを有すると共に、上記角度調整機構は、上記シートバックが上記第1、第2の両位置において、上記ルームミラーと上記後方視界開放領域とを結ぶ範囲よりも下方となるように、該シートバックの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は自動車のシート位置調整装置を示すが、まず、図1を参照して車体構造について説明する。
図1において、エンジンルーム1と車室2とを前後方向に仕切るダッシュロアパネル(ダッシュパネル)3を設け、このダッシュロアパネル3の下端には、後方に向けて略水平に延びるフロアパネル4を一体または一体的に連設している。
上述のフロアパネル4の後部には、上方に立上がるキックアップ部5を介してリヤフロア6(フロアパネルの一部)を連設し、このリヤフロア6にはリヤシートパン7と、スペアタイヤパン8とを連設すると共に、スペアタイヤパン8の後端には、上方に延びるリヤエンドパネル9を一体または一体的に形成している。
上述のリヤエンドパネル9の後部にはリヤエンドクロスメンバ10を接合固定し、リヤエンドパネル9とリヤエンドクロスメンバ10との間には、車幅方向に延びるリヤエンド閉断面11を形成し、上述のリヤエンドクロスメンバ10のさらに後方にはリヤバンパ12を配設している。
一方、上述のエンジンルーム1内にはエンジン13(またはパワートレイン)を配置し、エンジンルーム1の左右両サイドにおいて車両の前後方向に延びるフロントサイドフレーム14を設けている。このフロントサイドフレーム14の後部はダッシュロアパネル3の車外側に沿って後方かつ下方に延びると共に、フロントサイドフレーム14の後端には、フロアフレーム15が車両の前後方向に連続するように設けられている。
上述のエンジンルーム1の上方はボンネット16で開閉可能に覆われており、また、車室2の上部はルーフパネル17で覆われている。
さらに、ルーフパネル17の前端とボンネット16後端近傍との間にはフロントウィンドガラス18(フロントウィンド部材)を配設する一方、ルーフパネル17の前端下部にはフロントヘッダ19を接合固定し、ルーフパネル17の後端下部にはリヤヘッダ20を接合固定して、ルーフ強度を確保すべく構成している。
また、図1,図2に示すように、上述の車室2内には運転席としてのドライバーズシート21と、助手席としてのパッセンジャーズシート21´と、これらフロントシート21,21´よりも後方に位置するリヤシート22とを配置している。
ドライバーズシート21は、シートクッション21Cと、シートバック21Bと、ヘッドレスト21Hとを備えており、また、パッセンジャーズシート21´は、シートクッション21C´と、シートバック21B´と、ヘッドレスト21H´とを備えており、同様に、リヤシート22も、後席乗員が着座するシートクッション22Cと、後席乗員の背もたれ面となるシートバック22Bと、後席乗員の頭部を保持するヘッドレスト21Hとを備えている。
リヤシート22の後部には荷室23が形成されており、この荷室23はリフトゲート24(リヤゲートまたは後面ドアと同意)で開閉可能に覆われている。このリフトゲート24はインナパネル25と、アウタパネル26と、バックウィンド27とを有しており、ルーフパネル17の後端部に設けたリフトゲートヒンジ(図示せず)を支点として開閉可能に構成されている。
ところで、リヤシートパン7の車外側には燃料タンク28を配設し、スペアタイヤパン8にはスペアタイヤ29を搭載している。また、フロントウィンドガラス18の上部車室側にはルームミラー30を取付けている。
なお、図1,図2において、31はステアリングホイール、図1において32は前輪、33は後輪、34は前席乗員用のドア開口部、35は後席乗員用のドア開口部である。
また、図2に示すように、この実施例では右ハンドル車両を例示したが、これに限定されるものではなく、左ハンドル車両であってもよい。
さらに、図1に示すように、ドライバーズシート21と、ルームミラー30と、該ドライバーズシート21よりも後方のリヤシート22と、その後方の後方視認可能領域としてのバックウィンド27下縁部とが設けられており、同図に仮想線で示すように、ルームミラー30と後方視認可能領域とを結ぶ線X1が設定されている。
図3は図1の要部拡大側面図、図4はシート位置調整装置を示す側面図であって、図3,図4に示すように、スペアタイヤパン8に搭載したスペアタイヤ29上部には、工具などの小物を収納できるトレイ66およびフロアボード36を配設して、このフロアボード36で荷室23の底面を構成している。
図3,図4に示すように、シートバック22Bを車体側部材としての例えばボディ側壁に支持する支持手段は、シートバック22Bを後傾した第1位置(図3,図4参照)と、シートバック22Bが略直立の第2位置(図5参照)との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、第1位置(図3,図4参照)および第2位置(図5参照)の各位置で上述のシートバック22Bを保持する保持機構とを有すると共に、上記角度調整機構は、シートバック22Bの下端を、図5に示す第2位置において図3,図4に示す第1位置よりも下方に変位させるように構成しているので、以下、その具体的構造について説明する。
上述の保持機構は、図4に示すように、後傾した第1位置のシートバック22B上部と対応するようにボディ側壁に設けられたピンP1と、図5に示すように、略直立の第2位置のシートバック22B上部と対応するようにボディ側壁に設けられたピンP2と、何れか一方のピンが係入されるシートバック22B側部の係入穴とを備え、上述のピンP1,P2は操作レバー37の操作時に車幅方向に突没可能に形成されている。
この実施例では、操作レバー37のプル操作時に、ピンP1,P2が車幅方向外方に没入動作して、シートバック22B側の係入穴に対するロックを解除するように構成している。
また、図4,図5に示すように、シートバック22Bの下部には支軸38を中心に回転する円板39を設け、シートバック22Bの第2位置(図5参照)に対応して該円板39には凹部39a(図7参照)を形成する一方、円板39の後方かつ下方の支軸40を中心に常時円板39外周に付勢されたフック41を設け、シートバック22Bが図5に示す略直立の第2位置に起立した時、フック41先端を円板39の凹部39aに係入して、該第2位置を保持すべく構成している。
つまり、上述の円板39およびフック41も保持機構を構成するものであって、このフック41も上述の操作レバー37のプル操作時に、円板39の凹部39aに対するロックを解除するように構成している。
さらに、上述の支持手段は、角度調整機構として、上記シートバック22Bと車体側とに連結される2つのリンク機構を有している。
すなわち、図4に示すように、シートバック22Bの片側の側部に対して2つのリンクL1,L2を設けている。これら2つのリンクL1,L2は単一のシートバック22Bの左右に一組設けられるもので、図2に示すように、リヤシート22が左右のセパレートシートで構成される場合には、左側のリヤシート22の左側と右側、右側のリヤシート22の左側と右側とに合計4組、計8本のリンクが設けられることになる。
また、上述のリンクL1,L2のうち、図2に平面図で示す車幅方向外側のリンクL1,L2(左シートの左側、右シートの右側のリンク)はボディ側壁、フロアパネル、クロスメンバまたは、これらに取付けられたブラケットなどの車体側部材と、シートバックフレームとの間にわたって設けられ、図2に平面図で示す車幅方向内側のリンクL1,L2(左シートの右側、右シートの左側のリンク)はリヤシートパン7から立設したブラケット42と、シートバックフレームとの間にわたって設けられるものである。
上述のリンクL1,L2から成る2リンク機構は、一方が他方に対してシートバック連結部との上下方向の変位量と前後方向の変位量とが異なる機構である。
この実施例においては、図4に示す後傾モード時に、上側のリンクL1はその前部のボディ側支点からリンク遊端側が後ろ向きになり、下側のリンクL2はその後部の円板39側支点からリンク遊端側が前向きになるように配置されており、これら各リンクL1,L2は上側のリンクL1のリンク長が大で、下側のリンクL2のリンク長が小となる不等長リンクにて構成されている。ここで、上述のリンクL2は円板39と一体回転または同期回転するものである。
また、図5に仮想線で示す第1位置に対して、同図に実線で示す第2位置において、シートバック22Bの下部前面がシートクッション22Cから相対的に後方に位置するように構成している。
さらに、図6に示すように、シートバック22Bが前方倒伏した位置(図6の実線参照)において、同図に仮想線で示す第2位置よりもその下部が上方に位置するように構成している。
しかも、上述の角度調整機構を構成するリンクL1,L2は、シートバック22Bが図4に示す第1位置と、図5に実線で示す第2位置との両位置において、ルームミラー30と上述の後方視認可能領域(バックウィンド27下縁参照)とを結ぶ線X1(図1参照)の範囲よりも下方となるように、該シートバック22Bの下端を第2位置(図5参照)において第1位置(図4参照)よりも下方に変位させるように構成したものである。
図示実施例は上記の如く構成するものにして、以下作用を説明する。
図4に示すシートバック22Bの後傾モード時には、該シートバック22Bが前低後高状に傾斜しているので、後席乗員の座り心地向上を図ることができる。
図4に示す後傾モードのシートバック22Bを図5に示すように略直立の第2位置に成すには、まず、操作レバー37をプル操作して、ピンP1によるシートバック22Bのロックを解除する。
次に、シートバック22Bの上部を前方へ移動させると、リンクL1のシートバックフレーム連結部が下方へ移動し、リンクL2のシートバックフレーム連結部が後方かつ下方へ移動し、これら各リンクL1,L2の前後方向の動きにより、シートバック22Bの傾斜が後傾状から略直立に変化し、各リンクL1,L2の下方への動きにより、シートバック22Bの高さが抑制され、シートバック22Bは図4に示す第1位置から図5に実線で示す第2位置となる。
この第2位置(図5の実線参照)では、シートバック22Bの下端は同図に仮想線で示す第1位置のそれよりも下方に変位する。また、この第2位置では、シートバック22Bの下部前面は第1位置のそれよりもシートクッション22Cから相対的に後方に位置する。
つまり、シートバック22Bを図5に実線で示すように直立モードに起立させると、シートバック22Bの下端が下方に下がるので、シートバック22Bの高さを抑制することができ、また、シートバック22Bの下部前面が後方に移動するので、後席乗員の腰部のサポート位置が下がり、足部の姿勢が楽になる。
このシートバック22Bの第2位置は、ピンP2をシートバック側の係入穴に係入することと、フック41を円板39の凹部39a(図7参照)に係入することで、ロックすることができ、図5,図7に示すように、第2位置のロック時には、リンクL2が真下に向いており、かつ円板39の凹部39aが該円板39の最下部に位置しており、この凹部39aをフック41で係止する構造であるから、シートバック22Bの重量を安定して支持することができる。
図5に示すシートバック22Bの第2位置から該シートバック22Bをシートクッション22C上に前倒して倒伏させるには、まず、操作レバー37をプル操作して、ピンP2によるシートバック22Bのロックを解除すると共に、フック41による円板39のロックを解除する。
次に、シートバック22Bの上部を前方かつ下方へ移動させると、リンクL1のシートバックフレーム連結部が前方へ移動し、リンクL2のシートバックフレーム連結部が上方へ移動して、シートバック22Bは図6に実線で示すように、シートクッション22C上部に倒伏して、前倒モードとなる。
このシートバック22Bの前倒モード時には、該シートバック22Bの下部が第2位置(図6の仮想線参照)のそれよりも上方に位置するので、シートクッション22Cを下方に動かすリンクなどの別機構が不要になると共に、前倒モード時のシートバック22B背面は略水平状態となる。
このように、図1〜図7で示した実施例1の自動車のシート位置調整装置は、車室2内に、ドライバーズシート21と、該ドライバーズシート21よりも後方のリヤシート22と、その後方の後方視界開放領域(バックウィンド27下縁参照)とが設けられている自動車において、上記リヤシート22は、車体側部材に支持されたシートクッション22Cとシートバック22Bとを有し、該シートバック22Bを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバック22Bを後傾した第1位置(図4参照)と、略直立の第2位置(図5参照)との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構(リンクL1,L2参照)と、上記第1、第2の各位置で上記シートバック22Bを保持する保持機構(ピンP1,P2、円版39、フック41参照)とを有すると共に、上記角度調整機構(リンクL1,L2参照)は、上記シートバック22Bの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるものである(図1,図4,図5参照)。
この構成によれば、シートバック22Bを後傾した第1位置(図4参照)に成すと、後席乗員が座り心地のよい傾斜モードを確保することができる。またシートバック22Bを略直立の第2位置(図5参照)に成すと、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大を図ることができる。
つまり、図3に示すように、シートバック22Bの後傾時には荷室23の前後方向の長さがY1であったものを、シートバック22Bの略直立時において、その前後方向の長さをY2に拡大することができるので、荷物23の積載スペース拡大を図ることができるものである。
しかも、上述の角度調整機構(リンクL1,L2参照)により、リヤシート22のシートバック22Bを略直立と成した時(図5参照)、シートバック22Bの下端をシートバック22B後傾時に対して下方に変位させ、かつ、上述の保持機構によりシートバック22Bを第2位置で略直立状に保持することができるので、シートバック22B直立時において該シートバック22Bの高さを抑制し、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大と、後方視界確保との両立を図ることができる。
すなわち、シートバック22Bを略直立の第2位置において、後傾させた第1位置に対しシートバック22B全体(特に、その重心)としては、前方かつ下方に変位させることになるため、上述の荷室スペース拡大と後方視界の確保との両立を図ることができるのである。
さらに、図1〜図4に示すように、シートバック22Bの背面とフロアボード36の前端の間の隙間が、シートバック22Bを後傾した第1位置、略直立した第2位置、および前倒時において、略一定となるように2つのリンクL1,L2の位置や長さを設定すれば、シートバック22Bの背面とフロアボード36の前端との間の隙間を覆う部材を縮小または省略することができる。
また、リヤシート22のさらに後方に、シートが存在する場合には、当該シート乗員の居住スペースの拡大と、良好な乗降性の確保との両立を図ることができる。
実施例1の自動車のシート位置調整装置は、また、車室2内に、ドライバーズシート21と、ルームミラー30と、上記ドライバーズシート21よりも後方のリヤシート22と、その後方の後方視界開放領(バックウィンド27下縁参照)とが設けられた自動車において、上記リヤシート22は、車体側部材に支持されたシートクッション22Cとシートバック22Bとを有し、該シートバック22Bを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバック22Bを後傾した第1位置(図4参照)と、略直立の第2位置(図5参照)との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構(リンクL1,L2参照)と、上記第1、第2の各位置で上記シートバック22Bを保持する保持機構(ピンP1,P2、円版39、フック41参照)とを有すると共に、上記角度調整機構(リンクL1,L2参照)は、上記シートバック22Bが上記第1、第2の両位置において、上記ルームミラー30と上記後方視界開放領域とを結ぶ範囲(図1の線X1参照)よりも下方となるように、該シートバック22Bの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるものである(図1,図4,図5参照)。
この構成によれば、シートバック22Bを後傾した第1位置(図4参照)に成すと、後席乗員が座り心地のよい傾斜モードを確保することができる。またシートバック22Bを略直立の第2位置(図5参照)に成すと、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大を図ることができる。
しかも、上述の角度調整機構(リンクL1,L2参照)により、リヤシート22のシートバック22Bを略直立と成した時(図5参照)、シートバック22Bの下端をシートバック22B後傾時に対して下方に変位させ、かつ、上述の保持機構によりシートバック22Bを第2位置で略直立状に保持することができるので、シートバック22B直立時において該シートバック22Bの高さをルームミラー30を介した後方視界よりも下方とすることから、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大を図る直立モードの確保と、ルームミラー30を介した後方視界確保との両立を図ることができる。
さらに、上記シートバック22Bの下部前面が、第1位置(図4参照)に対して第2位置(図5参照)において、上記シートクッション22Cから相対的に後方に位置するものである(図4,図5参照)。
この構成によれば、シートバック22Bが後傾した第1位置(図4参照)に対して、シートバック22Bが略直立の第2位置(図5参照)では、該シートバック22Bの下部前面が相対的に後方に位置するので、シートクッション22Cの座面の前後方向のスペースが大きくなり、後席乗員の窮屈さを緩和することができる。
加えて、上記シートバック22Bが前方倒伏した位置(図6参照)において、第2位置(図5参照)よりもその下部が上方に位置するものである(図5,図6参照)。
上述のシートバック22Bの前方倒伏位置は、シートバック22Bをシートクッション22C上に倒伏させた位置を意味する。
この構成によれば、シートクッション22Cを下方に下げることなくシートバック22Bの背面が水平に近い状態となるので、シートクッション22Cは固定構造でよく、シートクッション22Cを下方に下げる機構を省略することができる。
さらにまた、上記支持手段は、上記角度調整機構として、上記シートバック22Bと車体側とに連結される2つのリンク機構(リンクL1,L2参照)を有するものである。
この構成によれば、角度調整機構として2つのリンク機構、いわゆる2リンク機構(リンクL1,L2参照)を採用したので、シートバック22Bの所定の軌跡を容易に設定することができ、シートバック22Bの揺動位置、昇降位置および下部の前後位置を同時に、かつ簡単に調整しやすくなる。
図8,図9は自動車のシート位置調整装置の他の実施例を示し、図8の(a)は後傾モード時の側面図、図8の(b)は略直立モード時の側面図、図8の(c)は前倒モード時の側面図、図9は図8の(b)の矢印A方向から見た状態のリンク配置構造を示す背面図である。
この実施例2においては、後傾状態のシートバック22B上部の後方に支軸43を設け、この支軸43にブラケット44とアーム45とを取付け、これらブラケット44およびアーム45にはそれぞれI型のストライカ46,47を設けている。ここで、上述の支軸43、ブラケット44、およびI型のストライカ46はボディ側壁に固定されており、アーム45は支軸43を支点として回動可能に構成されている。
また、シートバック22Bの上部にはラッチ48を設け、ラッチ48とストライカ46とを係合することで、図8の(a)に示すようにシートバック22Bを後傾した第1位置に保持し、ラッチ48とストライカ47とを係合することで、図8の(b)に示すようにシートバック22Bを略直立の第2位置に保持するように構成している。
つまり、上述のラッチ48とストライカ46,47とで保持機構を構成したものである。
また、角度調整機構としての2つのリンクL3,L4(シートバック22Bの片側の側部につき2つのリンク)を設け、これら各リンクL3,L4の車体側の支点a,bは共に、第1位置のシートバック22Bの後方に位置している。
図9に背面図で示すように、上述の各支点a,bはリンクピン49,50で構成され、これらの各リンクピン49,50は車体側部材としてのブラケット51に枢着されている。
さらに、上述のリンクL3,L4の遊端部は、図9に示すように、リンクピン52,53を用いてシートバック22B内のシートバックフレームに枢着されている。
上述の角度調整機構を構成する2つのリンクL3,L4は、シートバック22Bの下端を図8の(b)に示す第2位置において図8の(a)に示す第1位置よりも下方に変位させるものである。
図8の(a)に示すように、この実施例2の2つのリンクL3,L4は上側のリンクL3のリンク長が大で、下側のリンクL4のリンク長が小となるように不等長リンクが用いられている。
また、この実施例2においても先の実施例1と同様に、シートバック22Bの下部前面が後傾モードの第1位置に対して略直立の第2位置において、シートクッション22Cから相対的に後方に位置するように構成されると共に、図8の(c)に示すように、シートバック22Bがシートクッション22C上部に前方倒伏した位置において、第2位置よりもそのシートバック22Bの下部が上方に位置するように構成されている。
このように構成した実施例2の作用について説明する。
図8の(a)に示す後傾モードの第1位置から図8の(b)に示す略直立の第2位置に成すには、まず、ラッチ48とストライカ46との係合を解除し、次に、シートバック22Bの上部を車両前方に移動させると、各リンクL3,L4は共に図示の反時計方向に回動し、各リンクL3,L4の遊端部はそれぞれ下方に移動する。
但し、リンクL4は直下に指向する一方で、リンクL3は直下位置までには回動しない。これら各リンクL3,L4の回動時の前後方向の差により、シートバック22Bの角度が変更され、該シートバック22Bは図8の(b)に示す略直立の第2位置となる。
この第2位置においては、ラッチ48でアーム45遊端部のストライカ47を係合することにより、略直立モードを保持することができる。上述の直立モードにおいては、シートバック22Bの下端が下方に移動するので、シートバック22Bの高さが抑制できて、後方視界を確保することができる。
また、アーム45の遊端部に設けたストライカ47をラッチ48に係合させることによりシートバック22Bの第2位置を保持するので、この第2位置におけるシートバック22Bが側面視においてドア開口部35と部分的にオーバラップしても、上記保持機構によりシートバック22Bを保持することができる。
図8の(b)に示す略直立モードの第2位置から図8の(c)に示す前倒モードと成すには、まず、ラッチ48とストライカ47との係合を解除し、次に、シートバック22Bの上部を前方かつ下方へ移動させると、リンクL3は動かない一方で、リンクL4は支点bを中心としてその遊端側が上方に移動するように回動するので、シートバック22Bがシートクッション22C上に倒伏し、図8の(c)に示すように、シートバック22Bがシートクッション22C上部に前方倒伏した位置において、図8の(b)に示す第2位置よりもその下部が上方に位置することになる。
図8,図9で示した実施例2においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例1とほぼ同様であるから、図8,図9において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図10〜図12は自動車のシート位置調整装置のさらに他の実施例を示し、図10は後傾モード時の側面図、図11は略直立モード時の側面図、図12は図11の要部拡大側面図である。
この実施例3においては、シートバック22Bの下部に連結された角度調整機構としての支持アーム54を設け、この支持アーム54の揺動支点軸55を、シートバック22B下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に設けたものである。
上述の支持アーム54は、図10に示すシートバック後傾時において、揺動支点軸55から斜め上方に指向するように取付けられている。
また、上述の支持アーム54は取付け部材としての複数のボルト56,56を用いて、シートバックフレームに取付けられている。さらに、上述の揺動支点軸55にはギヤ57が設けられており、このギヤ57をシートクッションフレーム58後部のブラケット59に枢支させたフック60で適宜ロックするように構成している。
この実施例では、上述のフック60は常時ギヤ57の外歯に噛合するようにバネ付勢されており、図示しない操作レバーのプル操作時に、フック60をギヤ57の外歯から外して、ロックを解除するように構成している。
つまり、上述のギヤ57とフック60とで保持機構を構成し、この保持機構でシートバック22Bを図10に示す後傾状態の第1位置と、図11に示す略直立の第2位置とに保持するものである。
このように構成した実施例3の作用について説明する。
図10に示す後傾モードの第1位置から図11に示す略直立の第2位置に成すには、まず、図示しない操作レバーをプル操作し、フック60によるギヤ57の外歯のロックを解除し、次に、シートバック22Bの上部を車両前方へ移動させると、揺動支点軸55を中心として回動する支持アーム54は下方へ移動するので、シートバック22Bが図11に示す略直立の第2位置となると共に、下方に移動する支持アーム54でシートバック22Bの下端が下方に下げられるので、シートバック22Bの高さが抑制できて、後方視界を確保することができる。
図11の第2位置において図示しない操作レバーのプル操作を中止すると、フック60はバネ付勢によりギヤ57の外歯に噛合するので、これらフック60およびギヤ57から成る保持機構でシートバック22Bを略直立状態(第2位置)に保持することができる。
このように、図10〜図12で示した実施例3においては、上記支持手段は、上記角度調整機構(支持アーム54参照)として、上記シートバック22B下部に連結され、該シートバック22B下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に揺動支点軸55が設けられたものである(図10〜図12参照)。
この構成によれば、揺動支点軸55を、シートバック22B下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に設けたので、該揺動支点軸55を中心としてシートバック22Bが後傾の第1位置(図10参照)から略直立の第2位置(図11参照)へ変位すると、シートバック22Bの下端は下方へ自動的に変位し、シートバック22Bの上端の高さ位置を抑制することができる。この実施例3は、シートバック22Bの前後方向の厚みが大きいグレードの高いリヤシートに対して特に有効である。
図10,図11,図12で示した実施例3においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例とほぼ同様であるから、図10〜図12において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図13は自動車のシート位置調整装置のさらに他の実施例を示し、図13の(a)は後傾の第1位置を示す側面図、図13の(b)は略直立の第2位置を示す側面図、図13の(c)はシートバック22Bをシートクッション22C上部に前倒させた状態を示す側面図である。
この実施例4においては、支持アーム54の揺動支点軸55を、シートバック22Bの前後の厚みの中心線よりも後方で、かつ、第1、第2の各位置のシートバック22Bの下端よりも上方に設け、この揺動支点軸55から斜め下方かつ前方に指向するように支持アーム54を設けると共に、この支持アーム54の遊端部をボルト56等の取付け部材を用いて、シートバックフレームに固定したものである。
このように構成すると、図13の(a)に示す後傾の第1位置から図13の(b)に示す略直立の第2位置に成す時、支持アーム54の遊端部(ボルト56の位置参照)は下方かつ後方へ移動するので、略直立モード時において、シートバック22Bの下端が下がると共に、シートバック22Bの下部前面が後退するものである。
このように、シートバック22Bの第2位置において該シートバック22Bの下端が下方に下がることにより、シートバック22Bの高さが抑制され、後方視界を確保することができる。
また、シートバック22Bの下部前面が後方に後退することで、シートクッション22Cの座面の前後方向のスペースが大きくなり、後席乗員の窮屈さを緩和することができる。
加えて、図13の(b)に示す略直立の第2位置から図13の(c)に示す前倒モードと成すには、起立したシートバック22Bの上部を前方かつ下方へ移動すると、支持アーム54の遊端部が後方に移動して、シートバック22Bをシートクッション22C上部に倒伏させることができる。
図13で示した実施例4においても、その他の構成、作用、効果については、先の実施例3とほぼ同様であるから、図13において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略するが、実施例4において保持機構は、実施例1〜3で示した保持機構の何れかを適宜選択して採用することができる。
図14〜16は自動車のシート位置調整装置のさらに他の実施例を示し、図14は後傾した第1位置を示す側面図、図15は略直立の第2位置を示す側面図、図16は前倒モードを示す側面図である。
この実施例5においては、シートバック22Bの下部側面と対向する車体側に横向きT字状のスリットS1を形成する一方、シートバック22Bのシートバックフレームには上述のスリットS1内に位置するようにピンP3を突出固定している。
また、車体側には上記ピンP3の移動をアンロック可能にロックするストッパ61を設けている。このストッパ61はホルダ62内に突没可能に配設され、ホルダ62内の圧縮バネ63により常時ロック方向にバネ付勢されると共に、操作レバー37のプル操作時にストッパ61をホルダ62内に没入させて、該ストッパ61によるロックを解除すべく構成している。
さらに、上述のスリットS1乃至ホルダ62の下方には、車体側とシートバック22B下部におけるシートバックフレームとを連結するリンクL5を設けている。
この実施例5においては、スリットS1とピンP3とリンクL5とで角度調整機構を構成しており、この角度調整機構は、シートバック22Bを図14に示す後傾した第1位置と、図15に示す略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容すると共に、シートバック22Bの下端を第2位置(図15参照)において第1位置(図14参照)よりも下方に変位させるように構成している。
さらに、上述のストッパ61で保持機構を構成し、このストッパ61により、上述の第1、第2の各位置でシートバック22Bを保持するように構成している。
また、シートバック22Bの下部前面が、第1位置(図14参照)に対して第2位置(図15参照)において、シートクッション22Cから相対的に後方に位置するように構成されている。
さらに、図16に示すように、シートバック22Bが前方倒伏した位置において、第2位置(図15参照)よりもその下部が上方に位置するように構成されている。
このように構成した実施例5の作用について以下に説明する。
図14に示す後傾した第1位置においては、ピンP3はスリットS1の上下溝部(縦溝部)の上部に位置しており、このピンP3はストッパ61でその動きが規制されている。つまり、シートバック22Bの第1位置が保持機構としてのストッパ61で保持されている。
図14に示す第1位置のシートバック22Bを、図15に示す略直立の第2位置と成す場合には、まず、操作レバー37をプル操作して、ストッパ61によるピンP3のロックを解除する。
次に、シートバック22Bの上部を前方へ移動させると、ピンP3はスリットS1に沿って下方へ移動すると共に、リンクL5が下方かつ後方に回動するので、図15に示すように、シートバック22Bを略直立に起立させることができる。
この時、シートバック22Bの下部は下方に移動するので、シートバック22Bの高さが抑制されて、後方視界を確保することができる。シートバック22Bの第2位置において操作レバー37のプル操作を中止すると、スリットS1の上下溝部の下部に位置するピンP3の上部をストッパ61で規制するので、シートバック22Bを第2位置に保持することができる。
図15に示す第2位置のシートバック22Bを、図16に示す前倒モードと成す場合には、まず、操作レバー37をプル操作して、ストッパ61によるピンP3のロックを解除する。
次に、シートバック22Bの上部を前方かつ下方へ移動させると、ピンP3はスリットS1の横溝部に沿って前方へ移動すると共に、リンクL5が上方へ回動するので、図16に示すように、シートバック22Bをシートクッション22C上に倒伏させて、前倒モードと成すことができる。
このように、図14〜図16で示した実施例5の自動車のシート位置調整装置は、車室2内に、ドライバーズシート21(図1参照)と、該ドライバーズシート21よりも後方のリヤシート22と、その後方の後方視界開放領域(バックウィンド27下縁参照)とが設けられている自動車において、上記リヤシート22は、車体側部材に支持されたシートクッション22Cとシートバック22Bとを有し、該シートバック22Bを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバック22Bを後傾した第1位置(図14参照)と、略直立の第2位置(図15参照)との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構(ピンP3、スリットS1、リンクL5参照)と、上記第1、第2の各位置で上記シートバック22Bを保持する保持機構(ストッパ61参照)とを有すると共に、上記角度調整機構は、上記シートバック22Bの下端を第2位置(図15参照)において第1位置(図14参照)よりも下方に変位させるものである(図14,15参照)。
この構成によれば、シートバック22Bを後傾した第1位置(図14参照)に成すと、後席乗員が座り心地のよい傾斜モードを確保することができる。またシートバック22Bを略直立の第2位置(図15参照)に成すと、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大を図ることができる。
しかも、上述の角度調整機構により、リヤシート22のシートバック22Bを略直立と成した時、シートバック22Bの下端をシートバック22B後傾時に対して下方に変位させ、かつ、上述の保持機構(ストッパ61参照)によりシートバック22Bを第2位置で略直立状に保持することができるので、シートバック22B直立時において該シートバック22Bの高さを抑制し、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大と、後方視界確保との両立を図ることができる。
図14〜16で示した実施例5においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図14〜図16において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図17〜20は自動車のシート位置調整装置のさらに他の実施例を示し、図17は後傾した第1位置を示す側面図、図18は略直立の第2位置を示す側面図、図19は前倒中途モードの側面図、図20は前倒モードの側面図である。
この実施例6においては、シートバック22Bの下端部側面と対向する車体側に、側面視L字状のスリットS2を形成する一方、シートバック22Bのシートバックフレームには上述のスリットS2内に位置するようにピンP4を突出固定している。
また、車体側には上記ピンP4の移動をアンロック可能にロックする前後一組の可動ストッパ64,65を前後方向に離間させて設けている。これらの各可動ストッパ64,65はホルダ内に突没可能に配設され、ホルダ内の圧縮バネにより常時ロック方向にバネ付勢されると共に、操作レバー37のプル操作時に2つの可動ストッパ64,65を同時にホルダ内に没入させて、該可動ストッパ64,65によるロックを解除すべく構成している。
ここで、前後一組の可動ストッパ64,65のうち前側に位置する可動ストッパ64は、図17に示すように後傾の第1位置におけるピンP4の下動を阻止する位置に設けられており、前後一組の可動ストッパ64,65のうち後側に位置する可動ストッパ65は、図18に示すように略直立の第2位置におけるピンP4の後方移動を阻止する位置に設けられている。
但し、上述の可動ストッパ65の先端部は、前高後低状のテーパ面に形成されており、シートバック22Bが図19から図18に起立する時のピンP4の前後移動を許容するように構成している。
さらに、上述のスリットS2の上方には、車体側とシートバック22B下部におけるシートバックフレームとを連結するリンクL6を設けている。
この実施例6においては、スリットS2とピンP4とリンクL6とで角度調整機構を構成しており、この角度調整機構は、シートバック22Bを図17に示す後傾した第1位置と、図18に示す略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容すると共に、シートバック22Bの下端を第2位置(図18参照)において第1位置(図17参照)よりも下方に変位させるように構成している。
さらに、上述の可動ストッパ64,65で保持機構を構成し、この可動ストッパ64,65により、上述の第1、第2の各位置でシートバック22Bを保持するように構成している。
また、シートバック22Bの下部前面が第1位置(図17参照)に対して第2位置(図18参照)において、シートクッション22Cから相対的に後方に位置するように構成されている。
このように構成した実施例6の作用について以下に説明する。
図17に示す後傾した第1位置においては、ピンP4はスリットS2の前端部に位置しており、このピンP4は可動ストッパ64でその動きが規制されている。つまり、シートバック22Bの第1位置が保持機構としての可動ストッパ64で保持されている。
図17に示す第1位置のシートバック22Bを、図18に示す略直立の第2位置と成す場合には、まず、操作レバー37をプル操作して、可動ストッパ64によるピンP4のロックを解除する。なお、操作レバー37のプル操作時には、各可動ストッパ64,65が同時にアンロック方向へ下動する。
次に、シートバック22Bの上部を前方へ移動させると、ピンP4はスリットS2に沿って下方へ移動すると共に、リンクL6が下方に回動するので、図18に示すように、シートバック22Bを略直立に起立させることができる。
この時、シートバック22Bの下部は、下方に移動するので、シートバック22Bの高さが抑制されて、後方視界を確保することができる。シートバック22Bの第2位置において操作レバー37のプル操作を中止すると、スリットS2の前後方向中間に位置するピンP4を可動ストッパ64,65で前後両方向から規制し、シートバック22Bを第2位置に保持することができる。
図18に示す第2位置のシートバック22Bを、図19の前倒中途モードを介して、図20の前倒モードに成す場合には、まず、操作レバー37をプル操作して、可動ストッパ64,65によるピンP4のロックを解除する。
次に、シートバック22Bの上部を前方かつ下方へ移動させると、ピンP4はスリットS2に沿って図19の位置から図20に示すように該スリットS2の後端部へ移動すると共に、リンクL6が図19の位置から図20に示すように下方へ回動するので、シートバック22Bをシートクッション22C上に倒伏させて、図20に示す前倒モードと成すことができる。
このように、図17〜図20で示した実施例6の自動車のシート位置調整装置は、車室2内に、ドライバーズシート21(図1参照)と、該ドライバーズシート21よりも後方のリヤシート22と、その後方の後方視界開放領域(バックウィンド27下縁参照)とが設けられている自動車において、上記リヤシート22は、車体側部材に支持されたシートクッション22Cとシートバック22Bとを有し、該シートバック22Bを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバック22Bを後傾した第1位置(図17参照)と、略直立の第2位置(図18参照)との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構(スリットS2、ピンP4、リンクL6参照)と、上記第1、第2の各位置で上記シートバック22Bを保持する保持機構(可動ストッパ64,65参照)とを有すると共に、上記角度調整機構は、上記シートバック22Bの下端を第2位置(図18参照)において第1位置(図17参照)よりも下方に変位させるものである(図1,図17,18参照)。
この構成によれば、シートバック22Bを後傾した第1位置(図17参照)に成すと、後席乗員が座り心地のよい傾斜モードを確保することができる。またシートバック22Bを略直立の第2位置(図18参照)に成すと、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大を図ることができる。
しかも、上述の角度調整機構により、リヤシート22のシートバック22Bを略直立と成した時(図18参照)、シートバック22Bの下端をシートバック22B後傾時に対して下方に変位させ、かつ、上述の保持機構によりシートバック22Bを第2位置(図18参照)で略直立状に保持することができるので、シートバック22B直立時において該シートバック22Bの高さを抑制し、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大と、後方視界確保との両立を図ることができる。
また、リヤシート22のさらに後方に、シートが存在する場合には、当該シート乗員の居住スペースの拡大と、良好な乗降性の確保との両立を図ることができる。
図17〜図20で示した実施例6においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図17〜20において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
図21〜24は自動車のシート位置調整装置のさらに他の実施例を示し、図21は後傾した第1位置を示す側面図、図22は略直立の第2位置を示す側面図、図23は前倒中途モードの側面図、図24は前倒モードの側面図である。
なお、この実施例7において各要素37,64,65,S2,P4については先の実施例6とほぼ同様であるから、同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
この実施例7においては実施例6のリンクL6に代えて、車体側のスリットS3と、シートバック22B側のピンP5とを用いている。
上述のスリットS3はシートバック22Bの下部側面と対向して車体側に設けられた側面視円弧状のものであり、また、上述ピンP5は該スリットS3内に位置するようにシートバック22Bのシートバックフレームから突出させたものであり、このピンP5はシートバックフレームに固定されている。
この実施例7においては、スリットS2,S3とピンP4,P5とで角度調整機構を構成しており、この角度調整機構は、シートバック22Bを図21に示す後傾した第1位置と、図22に示す略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容すると共に、シートバック22Bの下端を第2位置(図22参照)において第1位置(図21参照)よりも下方に変位させるように構成している。
さらに、上述のストッパ64,65で保持機構を構成し、この可動ストッパ64,65により、上述の第1、第2の各位置でシートバック22Bを保持するように構成している。
また、シートバック22Bの下部前面が第1位置(図21参照)に対して第2位置(図22参照)において、シートクッション22Cから相対的に後方に位置するように構成されている。
このように構成した実施例7の作用について以下に説明する。
図21に示す後傾した第1位置においては、ピンP5はスリットS3の上端部に位置しており、また、ピンP4はスリットS2の前端部に位置しており、このピンP4は可動ストッパ64でその動きが規制されている。つまり、シートバック22Bの第1位置が保持機構としての可動ストッパ64で保持されている。
図21に示す第1位置のシートバック22Bを、図22に示す略直立の第2位置と成す場合には、まず、操作レバー37をプル操作して、可動ストッパ64によるピンP4のロックを解除する。なお、操作レバー37のプル操作時には、各可動ストッパ64,65が同時にアンロック方向へ下動する。
次に、シートバック22Bの上部を前方へ移動させると、ピンP5はスリットS3に沿ってその上下方向中間部に移動し、また、ピンP4はスリットS2に沿って下方へ移動するので、図22に示すように、シートバック22Bを略直立に起立させることができる。
この時、シートバック22Bの下部は、下方に移動するので、シートバック22Bの高さが抑制されて、後方視界を確保することができる。シートバック22Bの第2位置において操作レバー37のプル操作を中止すると、スリットS2の前後方向中間に位置するピンP4を可動ストッパ64,65で前後両方向から規制し、シートバック22Bを第2位置に保持することができる。
図22に示す第2位置のシートバック22Bを、図23の前倒中途モードを介して、図24の前倒モードに成す場合には、まず、操作レバー37をプル操作して、可動ストッパ64,65によるピンP4のロックを解除する。
次に、シートバック22Bの上部を前方かつ下方へ移動させると、ピンP5はスリットS3に沿って図23の位置から図24に示すように該スリットS3の下端部に移動すると共に、ピンP4はスリットS2に沿って図23の位置から図24に示すように該スリットS2の後端部へ移動するので、シートバック22Bをシートクッション22C上に倒伏させて、図24に示す前倒モードと成すことができる。
このように、図21〜図24で示した実施例7の自動車のシート位置調整装置は、車室2内に、ドライバーズシート21と、該ドライバーズシート21よりも後方のリヤシート22と、その後方の後方視界開放領域(バックウィンド27下縁参照)とが設けられている自動車において、上記リヤシート22は、車体側部材に支持されたシートクッション22Cとシートバック22Bとを有し、該シートバック22Bを車体側部材に支持する支持手段は、上記シートバック22Bを後傾した第1位置(図21参照)と、略直立の第2位置(図22参照)との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構(スリットS2,S3、ピンP4,P5参照)と、上記第1、第2の各位置で上記シートバック22Bを保持する保持機構(可動ストッパ64,65参照)とを有すると共に、上記角度調整機構は、上記シートバック22Bの下端を第2位置(図22参照)において第1位置(図21参照)よりも下方に変位させるものである(図1,図21,22参照)。
この構成によれば、シートバック22Bを後傾した第1位置(図21参照)に成すと、後席乗員が座り心地のよい傾斜モードを確保することができる。またシートバック22Bを略直立の第2位置(図22参照)に成すと、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大を図ることができる。
しかも、上述の角度調整機構(スリットS2,S3、ピンP4,P5参照)により、リヤシート22のシートバック22Bを略直立と成した時(図22参照)、シートバック22Bの下端をシートバック22B後傾時に対して下方に変位させ、かつ、上述の保持機構(可動ストッパ64,65参照)によりシートバック22Bを第2位置で略直立状に保持することができるので、シートバック22B直立時において該シートバック22Bの高さを抑制し、リヤシート22後方の荷室23の積載スペース拡大および後席乗員の足元スペース拡大と、後方視界確保との両立を図ることができる。
また、リヤシート22のさらに後方に、シートが存在する場合には、当該シート乗員の居住スペースの拡大と、良好な乗降性の確保との両立を図ることができる。
図21〜図24で示した実施例7においても、その他の構成、作用、効果については先の実施例とほぼ同様であるから、図21〜図24において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明の運転席は、実施例のドライバーズシート21に対応し、
以下同様に、
支持手段は、角度調整機構と保持機構に対応し、
角度調整機構は、実施例1のリンクL1,L2、実施例2のリンクL3,L4、実施例3,4の支持アーム54、実施例5のスリットS1、ピンP3、リンクL5、実施例6のスリットS2、ピンP4、リンクL6、実施例7のスリットS2,S3、ピンP4,P5に対応し、
保持機構は、実施例1のピンP1,P2、円板39、フック41、実施例2のストライカ46,47、ラッチ48、実施例3のギヤ57、フック60、実施例5のストッパ61、実施例6,7の可動ストッパ64,65に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
例えば、上記構成のシート位置調整装置をオープンカーに適用する場合には、後方視界開放領域は、そのトランクリッド上面よりも上方に設定すればよい。
また、実施例1にてシートバックの背面とフロアボード前端の間の隙間を、シートバックの後傾した第1位置、略直立した第2位置、および、前倒時において、略一定となるように2つのリンクの位置や長さを設定したが、リンクの一方、あるいは、両方をスリットにした他の実施例においても同様にリンクやスリットの位置や形状を設定してもよい。
2…車室
21…ドライバーズシート(運転席)
22…リヤシート
22B…シートバック
22C…シートクッション
30…ルームミラー
39…円板(保持機構)
41…フック(保持機構)
46,47…ストライカ(保持機構)
48…ラッチ(保持機構)
54…支持アーム(角度調整機構)
55…揺動支点軸
57…ギヤ(保持機構)
60…フック(保持機構)
61…ストッパ(保持機構)
64,65…可動ストッパ(保持機構)
L1,L2,L3,L4,L5,L6…リンク(角度調整機構)
P1,P2…ピン(保持機構)
P3,P4,P5…ピン(角度調整機構)
S1,S2,S3…スリット(角度調整機構)

Claims (7)

  1. 車室内に、運転席と、ルームミラーと、上記運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領域とが設けられた自動車において、
    上記リヤシートは、車体側部材に支持されたシートクッションとシートバックとを有し、
    該シートバックを車体側部材に支持する支持手段は、
    上記シートバックを後傾した第1位置と、略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、
    上記第1、第2の各位置で上記シートバックを保持する保持機構とを有すると共に、
    上記角度調整機構は、上記シートバックが上記第1、第2の両位置において、上記ルームミラーと上記後方視界開放領域とを結ぶ範囲よりも下方となるように、該シートバックの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させることを特徴とする
    自動車のシート位置調整装置。
  2. 上記シートバックが前方倒伏した位置において、第2位置よりもその下部が上方に位置する
    請求項1に記載の自動車のシート位置調整装置。
  3. 車室内に、運転席と、該運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領域とが設けられている自動車において、
    上記リヤシートは、車体側部材に支持されたシートクッションとシートバックとを有し、
    該シートバックを車体側部材に支持する支持手段は、
    上記シートバックを後傾した第1位置と、略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、
    上記第1、第2の各位置で上記シートバックを保持する保持機構とを有すると共に、
    上記角度調整機構は、上記シートバックの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるよう構成され、
    上記シートバックが前方倒伏した位置において、第2位置よりもその下部が上方に位置する
    自動車のシート位置調整装置。
  4. 上記支持手段は、上記角度調整機構として、上記シートバックと車体側とに連結される2つのリンク機構を有する
    請求項1〜3の何れか項に記載の自動車のシート位置調整装置。
  5. 車室内に、運転席と、該運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領域とが設けられている自動車において、
    上記リヤシートは、車体側部材に支持されたシートクッションとシートバックとを有し、
    該シートバックを車体側部材に支持する支持手段は、
    上記シートバックを後傾した第1位置と、略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、
    上記第1、第2の各位置で上記シートバックを保持する保持機構とを有すると共に、
    上記角度調整機構は、上記シートバックの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるよう構成され、
    上記支持手段は、上記角度調整機構として、上記シートバックと車体側とに連結される2つのリンク機構を有する
    自動車のシート位置調整装置。
  6. 上記支持手段は、上記シートバック下部に連結されると共に、該シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に揺動支点軸が設けられた支持アームからなる角度調整機構を有しており、
    上記揺動支点軸は、第1、第2の各位置において、シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に設けられた
    請求項記載の自動車のシート位置調整装置。
  7. 車室内に、運転席と、該運転席よりも後方のリヤシートと、その後方の後方視界開放領域とが設けられている自動車において、
    上記リヤシートは、車体側部材に支持されたシートクッションとシートバックとを有し、
    該シートバックを車体側部材に支持する支持手段は、
    上記シートバックを後傾した第1位置と、略直立の第2位置との間で傾斜角度変化を許容する角度調整機構と、
    上記第1、第2の各位置で上記シートバックを保持する保持機構とを有すると共に、
    上記角度調整機構は、上記シートバックの下端を第2位置において第1位置よりも下方に変位させるよう構成され、
    上記支持手段は、上記シートバック下部に連結されると共に、該シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に揺動支点軸が設けられた支持アームからなる角度調整機構を有しており、
    上記揺動支点軸は、第1、第2の各位置において、シートバック下部の前後方向の厚みの中心よりも後方に設けられた
    自動車のシート位置調整装置。
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