JP2007302145A - 車両の後部荷室構造 - Google Patents

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和英 住田
Minoru Toyoda
稔 豊田
Akira Ito
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Abstract

【課題】荷室ボードの上方向への移動に連動して、シートバックを折畳んで、段差のない広い荷室を確保することができ、また荷室ボード側からのシート連動操作が可能となって、荷物の積載時の操作性が向上し、さらに、許容機構により荷室ボード単独の動作が許容されるので、シートバックの起伏の状態の如何にかかわらず、荷室ボードを単独で上下方向に移動させることができる車両の後部荷室構造を提供する。
【解決手段】シート33後方の荷室5に、上下方向に移動可能に支持された荷室ボード36を設け、荷室ボード36の上方向への移動とシートバック33Bの折畳み動作とを連動させる連動機構54を設け、連動機構54は、荷室ボード36の動作に対してシートバック33Bの動作を連動させる一方、所定動作時に荷室ボード36単独の動作を許容する許容機構を備えたものである。
【選択図】図3

Description

この発明は、車体のフロアパネル上にシートクッションとシートバックとを有するシートを配設し、このシートの後方に荷室が形成されたような車両の後部荷室構造に関する。
従来、シートクッションとシートバックとを備えたシート(リヤシート)において、シートクッションをシートバックと独立して、一対のリンクを介して車両前方に移動可能に構成すると共に、この前方に移動したシートクッションの座面上に、リクライニング軸を支点としてシートバックを略水平に前倒しすべく構成し、シートバックを倒伏させた時、リヤシート後方の後部荷室と客室とを連通させて、荷室スペースの拡大を図るように構成したものがある(特許文献1参照)。
一方、リヤシートの後部に、車幅方向に延びるケースを介してトノカバーを設けると共に、リヤシート背面のフックと上記ケースとの間にシート状部材を設け、シートバックの起立状態下においては上述のシート状部材をU字状に撓ませると共に、シートバックの前倒し時には、倒伏したシートバックとケースとの間にシート状部材を張設して、該シート状部材で荷室(後部荷室)を上下に仕切る構造が開示されている(特許文献2参照)。
この特許文献2に開示されたものは、シート状部材がシートと連動してリヤ荷室を仕切る構造であるが、上述のシート状部材の上部に荷物が搭載できるものではない。
つまり、上記各特許文献1,2の何れにおいても、荷物の搭載が可能な荷室ボードの上方向への動作と連動して、シートバックを折畳み方向に連動させる技術思想については開示されていない。
また、リヤシートのシートバックをシートクッション上に倒伏させた時、フラットな荷室を形成することが要請されるが、荷室フロアと前倒しされたシートバックの上面との間には段差が形成されるのが一般的であり、シートバック倒伏時の該シートバックの段差を解消しつつ、荷室の使い勝手を向上させることは困難であった。
特開2004−359158号公報 特開平6−270745号公報
そこで、この発明は、シート後方の荷室に設けられた荷室ボードの上方向への移動とシートバックの折畳み動作とを連動させる連動機構を設け、この連動機構が、荷室ボードの動作に対してシートバックの動作を連動させる一方、所定動作時に荷室ボード単独の動作を許容する許容機構を備えることにより、荷室ボードの上方向への移動に連動して、シートバックを折畳むことができ、段差のない広い荷室を確保することができ、また荷室ボード側からのシート連動操作が可能となって、荷物の積載時の操作性が向上し、さらに、許容機構により荷室ボード単独の動作が許容されるので、シートバックの起伏の状態の如何にかかわらず、荷室ボードを単独で上下方向に移動させることができる車両の後部荷室構造の提供を目的とする。
この発明による車両の後部荷室構造は、車体のフロアパネル上にシートクッションとシートバックとを備えたシートを配設し、上記シートの後方に荷室が形成された車両の後部荷室構造であって、上記シートはシートバックがシートクッション上に倒伏動作を行ない折畳み状態を形成可能に構成され、上記荷室には少なくとも上下方向に移動可能に支持された荷室ボードが設けられると共に、上記荷室ボードの上方向への移動とシートバックの折畳み動作とを連動させる連動機構を設け、上記連動機構は、荷室ボードの動作に対してシートバックの動作を連動させる一方、所定動作時に荷室ボード単独の動作を許容する許容機構を備えたものである。
上述のシートは、リヤシートに設定してもよく、またシートを配設する車体のフロアパネルはキックアップフロア部に設定してもよい。さらに荷室ボードは荷物の上載が可能な所定の剛性を有するボードで形成されることが望ましい。
上記構成によれば、上述の連動機構を設けたので、荷室ボードの上方向への移動に連動して、シートバックをシートクッション上に折畳むことができ、段差のない広い荷室を確保することができる。また、荷室ボード側からのシート連動操作が可能となって、荷物の積載時の操作性が向上し、特に、大型荷物積載時に有効となる。
さらに、上述の許容機構により、荷室ボード単独の動作が許容されるので、シートバックの起伏の状態の如何にかかわらず、荷室ボードを単独で上下方向に移動させることができ、荷室の使い勝手が向上する。
この発明の一実施態様においては、折畳み状態の上記シートバック裏面と、上方に移動した荷室ボード上面とが連続した荷室面を形成可能に構成されたものである。
上記構成によれば、折畳まれたシートバック裏面と、上方に移動した荷室ボードの上面とが連続するので、前後方向に連続したフラットな荷室面が形成でき、段差の解消と、荷室の使い勝手との両立を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記許容機構は、荷室ボードの上方向への移動に対してシートバックの折畳み方向への動作を許容すると共に、荷室ボードの下方向への移動動作をシートバックの動作と関係なく許容するものである。
上記構成によれば、荷室ボードの下方向への移動動作をシートバックの動作と関係なく許容することができるので、荷室ボードを一旦上方に移動させ、これに連動してシートバックを折畳んだ後の荷室の拡大操作(荷室ボードの下方移動)が可能となり、荷物の追加積載時等の操作性が向上し、かつ一旦折畳んだシートバックを使用状態に復帰させて、追加乗員の着座をも可能とすることができる。
この発明の一実施態様においては、上記許容機構は、シートバックが折畳み状態にある時、荷室ボードの下方向への移動動作をシートバックの動作と関係なく許容するものである。
上記構成によれば、シートバックが折畳み状態にある時、荷室ボードを単独で下方向に移動させることができるので、底の深い荷室を確保して、荷室スペースの拡大を図ることができる。
この発明の一実施態様においては、上記許容機構は乗員の所定動作時に荷室ボード単独の動作を許容する操作部を備えたものである。
上記構成によれば、荷室ボード単独の動作を許容する操作部を設けたので、乗員のニーズに応じて操作部を操作することで、容易に荷室ボード単独の動作態様を確保することができる。
この発明によれば、シート後方の荷室に設けられた荷室ボードの上方向への移動とシートバックの折畳み動作とを連動させる連動機構を設け、この連動機構が、荷室ボードの動作に対してシートバックの動作を連動させる一方、所定動作時に荷室ボード単独の動作を許容する許容機構を備えたので、荷室ボードの上方向への移動に連動して、シートバックを折畳むことができ、段差のない広い荷室を確保することができ、また荷室ボード側からのシート連動操作が可能となって、荷物の積載時の操作性が向上し、さらに、許容機構により荷室ボード単独の動作が許容されるので、シートバックの起伏の状態の如何にかかわらず、荷室ボードを単独で上下方向に移動させることができる効果がある。
荷室ボードの上方向への移動に連動して、シートバックを折畳むことができ、しかも荷室ボードを単独で上下方向に移動させることができるという目的を、車体のフロアパネル上にシートクッションとシートバックとを備えたシートを配設し、上記シートの後方に荷室が形成された車両において、上記シートはシートバックがシートクッション上に倒伏動作を行ない折畳み状態を形成可能に構成され、上記荷室には少なくとも上下方向に移動可能に支持された荷室ボードを設け、該荷室ボードの上方向への移動とシートバックの折畳み動作とを連動させる連動機構を設け、上記連動機構が、荷室ボードの動作に対してシートバックの動作を連動させる一方、所定動作時に荷室ボード単独の動作を許容する許容機構を備えるという構成にて実現した。
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
(実施例1)
図面は車両の後部荷室構造を示すが、まず図1を参照して車体構造について説明する。
図1において、車室1の床面(底部)を形成するフロアパネル2を設け、このフロアパネル2の後部にはキックアップ部3を連設している。
このキックアップ部3はフロアパネル2から上方に立上がる縦壁部3aと、この縦壁部3aから後方に延びるキックアップフロア部3bとを備えている。
このキックアップフロア部3bのさらに後方には、後方に向けて水平に延びる荷室フロア4を形成し、この荷室フロア4の上方に後部荷室5を形成する一方、上述の荷室フロア4の中央部または中間部には、凹状のスペアタイヤパン6を段下げ形成して、このスペアタイヤパン6にスペアタイヤを格納すべく構成している。
また、上述のスペアタイヤパン6の後端開放側には車幅方向に延びるリヤエンドパネル7を取付け、このリヤエンドパネル7のリヤ側の面には車幅方向に延びるリヤエンドメンバ8を接合固定して、このリヤエンドメンバ8と上述のリヤエンドパネル7との間には車幅方向に延びるリヤエンド閉断面8aを形成して、後部車体剛性を確保すべく構成すると共に、リヤエンドメンバ8のさらに後方にはリヤバンパ9を配設している。
さらに、後部荷室5の後方には後部荷室開口10を形成し、この後部荷室開口10をリヤゲート11によって開閉可能に覆うように形成して、ハッチバック型の車両を構成している。
ここで、上述のリヤゲート11は、リヤゲートインナパネル12と、リヤゲートアウタパネル13と、リヤウインド14とを備え、後部荷室5と対向する車室側の所定部が内装材としてのリヤゲートトリム15で覆われている。
一方、ルーフパネル16の後端部には車幅方向に延びるリヤヘッダ17(車体剛性部材)を接合固定し、ルーフパネル16の後端部とリヤヘッダ17との間には車幅方向に延びるヘッダ閉断面17aを形成して、後部車体剛性を確保すべく構成すると共に、このヘッダ閉断面17aの直後に設けられたヒンジ部材(図示せず)を介して、上述のリヤゲート11を開閉可能に支持している。
同様に、ルーフパネル16の前端部には車幅方向に延びるフロントヘッダ18(車体剛性部材)を接合固定し、ルーフパネル16の前端部とフロントヘッダ18との間には車幅方向に延びるヘッダ閉断面18aを形成して、前部車体剛性を確保すべく構成している。
そして、上述のフロントヘッダ18、ルーフパネル16およびリヤヘッダ17の車室1側を図1に示すように、内装材としてのトップシーリング19で一体的に覆っている。
また、上述のルーフパネル16の前後方向中間部には、車幅方向に延びるルーフレインフォースメント20(車体剛性部材)を接合固定し、このルーフレインフォースメント20とルーフパネル16との間には車幅方向に延びる閉断面20aを形成して、ルーフ部の剛性を確保すべく構成している。
さらに、上述のフロアパネル2には、ダッシュロアパネル(ダッシュパネル)とキックアップ部3の縦壁部3aとの間において車両の前後方向に延び、かつ車室1の内側へ突出したトンネル部21を設けている。
このトンネル部21はフロア剛性の中心となるもので、該トンネル部21の左右の側壁部と、車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面をもった左右のサイドシル(詳しくは、サイドシルインナ)との間には、車幅方向に延び、かつ前後方向に離間した複数のフロアクロスメンバ22,23(車体剛性部材)を接合固定し、これら各フロアクロスメンバ22,23と上述のフロアパネル2との間には、車幅方向に延びる閉断面22a,23aを形成して、下部車体剛性を確保すべく構成している。
また、上述のキックアップフロア部3bの後部下面と、荷室フロア4(後部荷室5の底面)の前端部下面とに跨がって、リヤクロスメンバ24(車体剛性部材)を接合固定し、これら両者3b,24間には車幅方向に延びる閉断面24aを形成して、下部車体剛性を確保すべく構成している。
なお、図中、25はフロントウインド、26はフロントドア、27はリヤドア、28は車体剛性部材としてのセンタピラー、29はキックアップ部3の車外側下部に設けられた大型車両補機としての燃料タンクである。
ところで、図1、図2に示すように、上述のフロアパネル2上にはシートクッション30C、シートバック30B、ヘッドレスト30Hを備えた運転席シート30と、シートクッション31C、シートバック31B、ヘッドレスト31Hを備えた助手席シート31とを配設している。
また、キックアップフロア部3b上には、シートクッション33Cと、シートバック33Bと、複数のヘッドレスト33H,33Hとを備えたベンチ型のリヤシート33を配設し、このリヤシート33の後方に上述の後部荷室5を形成している。
ここで、上述のリヤシート33は、そのシートバック33Bがシートクッション33C上に倒伏動作を行ない折畳み状態を形成可能に構成したものである。
次に、車両の後部荷室構造について詳述する。
図3は図2の要部拡大側面図、図4は図3のA−A線矢視断面図であって、上述のシートクッション33Cはブラケット34,35を介してキックアップフロア部3bに支持されている。一方、荷室フロア4上には、少なくとも上下方向に移動可能に支持された荷室ボード36が設けられ、その上部に荷物を搭載することができるよう、該荷室ボード36は所定剛性を有するように構成されている。
また、上述の荷室ボード36は、図2、図3に示すように、前側に位置するメインボード36mと、後側に位置するサブボード36sとに分割されており、これら両ボード36m,36sはヒンジピン37を含むヒンジ部38により屈曲可能に連結されると共に、サブボード36sの基部に設けられたピン39は荷室フロア4に枢支されている。
図4に示すように、シートクッション33Cの下部に位置するブラケット34からシートクッション33Cの側面を介してシートバック33Bの側面下部まで上方に延びる支持板40を設け、この支持板40上部の軸受部40aにて回転軸41を軸支している。
この回転軸41はシートバックフレーム42に固定され、該シートバックフレーム42から車幅方向外方に突出されたもので、シートバック33Bはこの回転軸41を中心として起伏動(倒伏および起立動作)すると共に、シートバック33Bの起伏動により該回転軸41が回動するように構成されると共に、回転軸41の回転によりシートバックフレーム42、シートバック33Bが一体的に起伏動するように構成されている。
そして、この回転軸41には、凹部43a,43bを有する円板43を図示しないキー等を用いてタイト嵌合すると共に、凹部44(図5、図6参照)を有するギヤG1を遊嵌している。
また円板43の上部において、シートバックフレーム42にはブラケット45および支軸46を介してロックレバー47を取付ける一方、円板43の下部において、支持板40および軸受部材48には別のロックレバー49を枢支している。
一方、シートバック33Bの上側肩部にはレバー50,51を設け、一方のレバー50と下側のロックレバー49とをワイヤW1で連結し、他方のレバー51と上側のロックレバー47とをワイヤW2で連結している。
一方のレバー50を引き操作すると、ワイヤW1を介して下側のロックレバー49が円板43の凹部43bから外れて、シートバック33Bを単独で操作可能なモードとなり、使用状態下のシートバック33Bを単独で前倒しすることができる。
他方のレバー51を引き操作すると、ワイヤW2を介して上側のロックレバー47が円板43の凹部43aとギヤG1の凹部44とに同時係入し、図5に示すアンロック状態(許容モード)から図6に示すロック状態(連動モード)となって、シートバック33Bの起伏動に連動してギヤG1が回転する。
上述のギヤG1は図5、図6に示すようにシートバック33Bの起伏動の回転範囲に対応する必要範囲にのみ歯部が形成されたもので、このギヤG1のリヤ側には図2、図3に示すように、アイドル用のギヤG2を介して連動用のギヤG3を噛合配置している。
なお、上述のギヤG2,G3はサイドボディ(車体側面部)に対して回転可能に支持されたものである。
上述のギヤG3には、図3に示すように、リンク52が一体形成されており、このリンク52の遊端部にはピン53を介して荷室ボード36のメインボード36mが連結されている。
そして、上述の各要素G1,G2,G3,52により連動機構54を構成し、荷室ボード36の上下方向への移動動作と、シートバック33Bの折畳み及び復帰動作とを荷室ボード側およびシートバック側の何れかの側からでも連動させるように構成している。
また、図4に示す各要素47,W2,51により、連動機構54による荷室ボード36の動作と、シートバック33Bの動作とを連動させる一方、所定動作時に荷室ボード36単独の動作を許容する第1の許容機構55を構成している。
図5に示すように、上述のレバー51によりロックレバー47がギヤG1の凹部44から離間したアンロック状態下においては、荷室ボード36を単独で上下操作可能なモード(許容モード)が確保される。
上述の連動機構54は図2に示すように、シートバック33B、荷室ボード36間において左右一対設けられている。また、図4で示すようにギヤG1等の駆動部はカバー部材56で囲繞されている。
なお、図中、矢印Fは車両の前方を示し、矢印INは車両の内方を示し、矢印OUTは車両の外方を示す。
ところで、図7(但し、図7の左部は図4と同様の断面図、図7の右部は図2の要部平面図であり、図7はこれらを組合わせた系統図)に示すように、荷室ボード36におけるメインボード36mには乗員の手が挿入可能な開口部57を形成し、この開口部57とメインボード36mの一部とで、取手部59を形成して、該取手部59には、シートバック33Bの上側肩部に設けられた2つのレバー50,51と同等の役割を果す単一のレバー51Aを枢着し、このレバー51Aの一端と各ロックレバー47,49とをワイヤW3にて連結する一方、上述の取手部59にはレバー51Aの他端を操作するスライダ58を設け、このスライダ58を開口部57から手動操作し得るように構成している。
つまり、図7に示す各要素47,49,W3,51A,58により、連動機構54による荷室ボード36の動作と、シートバック33Bの動作とを連動させる一方、所定動作時に荷室ボード36単独の動作を許容する第2の許容機構55Aを構成している。
この第2の許容機構55Aは、乗員の所定動作時に荷室ボード36単独の動作を許容する操作部としてのスライダ58を備えている。
図3に示すように、シートバック33Bが使用状態で、かつ荷室ボード36が下方(荷室フロア4の上面)に位置する状態下において、荷室ボード36の上方向への移動と、シートバック33Bの折畳み動作とを連動させる場合、荷室5側から取手部59を把持する時、スライダ58を図7に矢印で示すように、押圧操作すると、レバー51Aが同図の実線位置から仮想線位置へ回動して、ワイヤW3を引っ張る。
ワイヤW3が引っ張られると、ロックレバー47が支軸46を中心に回動して、このロックレバー47がギヤG1の凹部44と、円板43の凹部43aとに同時係入すると共に、ロックレバー49が円板43の凹部43bから外れる(連動モード)。
このため、取手部59を持って、荷室ボード36を上方へ移動させると、この移動によって各要素52,G3,G2,G1が図3の矢印方向に駆動され、ロックレバー47でギヤG1と一体化された円板43が該ギヤG1と同一方向の回動するので、回転軸41、シートバックフレーム42、シートバック33Bが一体的に回動し、図8、図9に示すように、荷室ボード36の上方移動に連動して、シートバック33Bがシートクッション33C上に倒伏して折畳まれ、折畳み状態のシートバック33B裏面と、上方に移動した荷室ボード36、特にメインボード36mの上面とが前後方向に連続した荷室面を形成する。
一方、図3に示すように、シートバック33Bが使用状態で、かつ荷室ボード36が下方に位置する状態下において、荷室ボード36を単独で上方向へ移動させ、シートバック33Bは使用状態に保持したままと成す場合、図7に示すスライダ58をノーマル位置にし、ロックレバー47を図6のロック状態から図5に示すアンロック状態(許容モード)と成すと、取手部59を持って、荷室ボード36を上方へ移動させる時、各要素52,G3,G2,G1は図3の矢印方向に駆動されるものの、この駆動力が円板43に伝達されることがないので、図10に示すように、荷室ボード36のみを単独で上方向に移動させることができる。
また、図8に示す状態、つまりシートバック33Bがシートクッション33C上に折畳まれた状態で、かつ荷室ボード36が上方に移動した状態から、該荷室ボード36のみをシートバック33Bと関係なく下方向へ移動させる時、図7に示すスライダ58をノーマル位置にし、ロックレバー47を図5に示すアンロック状態(許容モード)と成すと、取手部59を持って、荷室ボード36を下方へ押下げ移動する時、各要素52,G3,G2,G1は駆動されるものの、この駆動力が円板43に伝達されることがないので、図11に示すように、荷室ボード36のみを単独で下方向に移動させることができる。このため、荷室5は図8の状態から図11に示すように拡大されて、段差はあるものの、底の深い荷室スペースが形成される。
同様に、図10に示す状態、つまりシートバック33Bが使用状態で、かつ荷室ボード36が上方に移動した状態から、該荷室ボード36のみをシートバック33Bと関係なく下方向に移動させる時、図7に示すスライダ58をノーマル位置にし、ロックレバー47を図5に示すアンロック状態(許容モード)と成すと、取手部59を持って、荷室ボード36を下方へ押下げ移動する時、各要素52,G3,G2,G1は駆動されるものの、この駆動力が円板43に伝達されることがないので、図3に示すように、荷室ボード36のみを単独で下方向に移動させることができる。
なお、この実施例においては、シートバック33Bの上側肩部に設けた2つのレバー50,51を同時に引き操作すると、ワイヤW1を介して下側のロックレバー49が円板43の凹部43bから外れると共に、ワイヤW2を介して上側のロックレバー47が各凹部43a,44に同時係入して、図6に示すロック状態(連動モード)となるので、シートバック33B側から該シートバック33Bを前倒し操作する動作と連動して、荷室ボード36を下方位置から上方位置へ移動させることもできる。
このように、図1〜図11で示した実施例の車両の後部荷室構造は、車体のフロアパネル(キックアップフロア部3b参照)上にシートクッション33Cとシートバック33Bとを備えたリヤシート33を配設し、上記リヤシート33の後方に荷室5が形成された車両の後部荷室構造であって、上記リヤシート33はシートバック33Bがシートクッション33C上に倒伏動作を行ない折畳み状態を形成可能に構成され、上記荷室5には少なくとも上下方向に移動可能に支持された荷室ボード36が設けられると共に、上記荷室ボード36の上方向への移動とシートバック33の折畳み動作とを連動させる連動機構54を設け、上記連動機構54は、荷室ボード36の動作に対してシートバック33の動作を連動させる一方、所定動作時に荷室ボード36単独の動作を許容する許容機構55Aを備えたものである。
この構成によれば、上述の連動機構54を設けたので、荷室ボード36の上方向への移動に連動して、シートバック33Bをシートクッション33C上に折畳むことができ、段差のない広い荷室を確保することができる。また、荷室ボード36側からのシート連動操作が可能となって、荷物の積載時の操作性が向上し、特に、大型荷物積載時に有効となる。
さらに、上述の許容機構55Aにより、荷室ボード36の単独の動作が許容されるので、シートバック33Bの起伏の状態の如何にかかわらず、荷室ボード36を単独で上下方向に移動させることができ、荷室の使い勝手が向上する。
また、折畳み状態の上記シートバック33B裏面と、上方に移動した荷室ボード36上面(メインボード36mの上面参照)とが連続した荷室面を形成可能に構成されたものである(図8、図9参照)。
この構成によれば、折畳まれたシートバック33B裏面と、上方に移動した荷室ボード36の上面とが連続するので、前後方向に連続したフラットな荷室面が形成でき、段差の解消と、荷室の使い勝手との両立を図ることができる。
さらに、上記許容機構55Aは、荷室ボード36の上方向への移動に対してシートバック33Bの折畳み方向への動作を許容すると共に、荷室ボード36の下方向への移動動作をシートバック33Bの動作と関係なく許容するものである。
この構成によれば、荷室ボード36の下方向への移動動作をシートバック33Bの動作と関係なく許容することができるので、荷室ボード36を一旦上方に移動させ、これに連動してシートバック33Bを折畳んだ後(図8参照)の荷室5の拡大操作(図11に示す荷室ボード36の下方移動)が可能となり、荷物の追加積載時等の操作性が向上し、かつ一旦折畳んだシートバック33Bを使用状態に復帰させて、追加乗員の着座をも可能とすることができる。
加えて、上記許容機構55Aは、シートバック33Bが図8に示すように折畳み状態にある時、荷室ボード36の下方向への移動動作をシートバック33Bの動作と関係なく許容するものである。
この構成によれば、シートバック33Bが折畳み状態にある時(図8参照)、荷室ボード36を単独で下方向に移動させることができるので、底の深い荷室を確保して、荷室スペースの拡大を図ることができる。
また、上記許容機構55Aは乗員の所定動作時に荷室ボード36単独の動作を許容する操作部(スライダ58参照)を備えたものである。
この構成によれば、荷室ボード36単独の動作を許容する操作部(スライダ58参照)を設けたので、乗員のニーズに応じて操作部(スライダ58参照)を操作することで、容易に荷室ボード36単独の動作態様を確保することができる。
(実施例2)
図12〜図16は車両の後部荷室構造のさらに他の実施例を示すものである。
先の実施例においてはギヤ連結構造の連動機構54を用いたが、図12〜図16に示すこの実施例ではプーリP1,P2とワイヤW4とによる連動機構54を用いるものである。
すなわち、図14に示す回転軸41にはプーリP1を遊嵌し、このプーリP1には図14、図15に示すように、凹部44を凹設形成すると共に、該プーリP1にはリンク部60を一体形成している。
図12に示すように上述のプーリP1はシートバック33Bの下部側面に左右一対設けられ、これら各プーリP1,P1のリンク部60,60間には、車幅方向に延びる前部ボード36fを取付けている。
つまり、荷室ボード36は、前部ボード36fと、メインボード36mと、サブボード36sとに3分割(複数分割)されたもので、前部ボード36fの遊端部とメインボード36mの前端部とは、ヒンジピン61(図13参照)を含むヒンジ部62により屈曲可能に連結されている。
なお、メインボード36mの後端部とサブボード36sの遊端部とは、ヒンジピン37を含むヒンジ部38で屈曲可能に連結されていることは先の実施例と同様である。
上述のサブボード36sの基端部両サイドにはプーリP2,P2を設け、これら各プーリP2,P2のプーリ軸63,63を荷室フロア4等のボディ側に軸支している。
そして、シートバック33B側のプーリP1と、荷室フロア4側のプーリP2との間には、連動動作補助用のワイヤW4を張架している。
要するに、この実施例2においては、左右一対の各プーリP1,P2と、リンク部60と、ワイヤW4とで連動機構54を構成すると共に、図14に示すロックレバー47,49と、ワイヤW3と、レバー51A(図7参照)と、スライダ58(図12参照)とで第2の許容機構55Aを構成したものである。
図13に実線で示すように、シートバック33Bが使用状態で、かつ荷室ボード36が下方(荷室フロア4の上面)に位置する状態下において、荷室ボード36の上方向への移動と、シートバック33Bの折畳み動作とを連動させる場合、荷室5側から取手部59を把持する時、スライダ58を押圧操作すると、レバー51A(図7参照)が回動して、ワイヤW3を引っ張る。
ワイヤW3が引っ張られると、図15に示すロックレバー47が支軸46を中心に回動して、このロックレバー47がプーリP1の凹部44と、円板43の凹部43aとに同時係入すると共に、ロックレバー49が円板43の凹部43bから外れる(連動モード)。
このため、取手部59を持って、荷室ボード36を上方へ移動させると、この移動によって各要素P2,60,P1,W4が図13の矢印方向に駆動され、ロックレバー47でプーリP1と一体化された円板43が該プーリP1と同一方向の回動するので、回転軸41、シートバックフレーム42、シートバック33Bが一体的に回動し、図13に仮想線で、また図16に実線でそれぞれ示すように、荷室ボード36の上方移動に連動して、シートバック33Bがシートクッション33C上に倒伏して折畳まれ、折畳み状態のシートバック33B裏面と、上方に移動した荷室ボード36、特にメインボード36mの上面とが前後方向に連続した荷室面を形成する。
一方、図13に実線で示すように、シートバック33Bが使用状態で、かつ荷室ボード36が下方に位置する状態下において、荷室ボード36を単独で上方向へ移動させ、シートバック33Bは使用状態に保持したままと成す場合、図12に示すスライダ58をノーマル位置にし、ロックレバー47を図15に仮想線で示すロック状態から同図に実線でに示すアンロック状態(許容モード)と成すと、取手部59を持って、荷室ボード36を上方へ移動させる時、各要素P2,60,P1,W4は図13の矢印方向に駆動されるものの、この駆動力が円板43に伝達されることがないので、図13に仮想線で示すように、荷室ボード36のみを単独で上方向に移動させることができる。
また、図13に仮想線で示すように、シートバック33Bがシートクッション33C上に折畳まれた状態で、かつ荷室ボード36が上方に移動した状態(図16参照)から、該荷室ボード36のみをシートバック33Bと関係なく下方向へ移動させる時、図16に示すスライダ58をノーマル位置にし、ロックレバー47を図15に実線で示すアンロック状態(許容モード)と成すと、取手部59を持って、荷室ボード36を下方へ押下げ移動する時、各要素P2,60,P1,W4は駆動されるものの、この駆動力が円板に伝達されることがないので、図13に実線で示すように、荷室ボード36のみを単独で下方向に移動させることができる。このため、荷室5が拡大されて、段差はあるものの、底の深い荷室スペースが形成される。
同様に、シートバック33Bが使用状態で、かつ荷室ボード36が上方に移動した状態から、該荷室ボード36のみをシートバック33Bと関係なく下方向へ移動させる時、スライダ58をノーマル位置にし、ロックレバー47を図15に実線で示すアンロック状態(許容モード)と成すと、取手部59を持って、荷室ボード36を下方へ押下げ移動する時、各要素P2,60,P1,W4は駆動されるものの、この駆動力が円板43に伝達されることがないので、図13に実線で示すように、荷室ボード36のみを単独で下方向に移動させることができる。
なお、この実施例においても、シートバック33Bの上側肩部に設けた2つのレバー50,51を同時に引き操作すると、ワイヤW1を介して下側のロックレバー49が円板43の凹部43bから外れると共に、ワイヤW2を介して上側のロックレバー47が各凹部43a,44に同時係入して、図15に仮想線で示すロック状態(連動モード)となるので、シートバック33B側から該シートバック33Bを前倒し操作する動作と連動して、荷室ボード36を下方位置から上方位置へ移動させることができる。
このように、連動機構54を実施例1で示したギヤ連結構造に代えて、図12〜図16で示すプーリP1,P2とワイヤW4とによる連動機構と成しても、実施例1と同様の作用、効果を奏するものであるから、図12〜図16において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
ここで、図13に示す構造に代えて、図17に示す構造を採用してもよい。すなわち、プーリP2の配設部位における荷室フロア4には、ワイヤW4と干渉しない範囲の凹部4aを形成し、この凹部4aに対応してプーリP2を配設することで、下方移動位置のメインボード36mおよびサブボード36sの下面が荷室フロア4上面に当接する構造を採用してもよい。
このように構成すると、下方移動位置の荷室ボード36上面に荷物を上載する場合、荷室ボード36に付勢される荷重(荷物の重量)を荷室フロア4で受け止めることができるので、荷室ボード36の耐久性向上を図ることができる。
(実施例3)
図18〜図25は車両の後部荷室構造のさらに他の実施例を示すものである。
なお、図18〜図25においてはその図示を省略しているが、円板43、ワイヤW1、ロックレバー49(図4参照)については実施例1のものを、そのまま用いる。また、荷室ボード36についてはメインボード36mとサブボード36sとに2分割(複数分割)されたものを用いている。
図18、図19に示すように、メインボード36mの前端部左右両サイドには車幅方向外方に突出するピン64,64を設ける一方、サブボード36sのヒンジ部38側の左右両サイドにも車幅方向外方に突出するピン65,65を設けている。
一方、荷室5の側壁に沿って設けられたトリム部材66には、上述の各ピン64,65を案内する円弧状の凹溝66a,66bを一体形成している。
また、図19に平面図で、図20に側面図(図19のC−C線矢視図)で示すように、上述のトリム部材66の内側において、その一端にサブボード36s側のピン65を枢着したリンク67を設け、このリンク67の他端にはヨーク68を固定している。
一方、荷室フロア4に取付けたブラケット69で案内されるロッド70を設け、このロッド70にはメールヒンジ71を固定すると共に、このメールヒンジ71と上述のヨーク68とをピン72(図20参照)でヒンジ連結している。
そして、上述のブラケット69とメールヒンジ71との間におけるロッド70の外周部にはコイルスプリング73を配設し、このスプリング73でサブボード36sを起立させる方向に常時バネ付勢する一方、メールヒンジ71とヨーク68との間には、スプリング73によるロッド70の移動を阻止するロック部材としてのロックピン74を設けている。
ところで、シートバック33Bの上側肩部には、上述のレバー50と並設されるように別のレバー75を設け、このレバー75に取付けたワイヤW5を、シートバック33B内においてその下端の回動中心部からトリム部材66内に延出し、このワイヤW5の先端を上述のロックピン74に連結している。
ここで、上述のワイヤW5はシートバック33Bの倒伏動作ではロックピン74が各要素71,68間から外れないように構成している。
メールヒンジ71とヨーク68との間にロックピン74が位置するロック時においては、スプリング73によるロッド70の移動が阻止されているので、リンク67は図20に示すように荷室フロア4と平行な下部位置にあって、荷室ボード36は図18に示すように下方移動位置に保持されている。
レバー75を引き操作すると、ワイヤW5を介してロックピン74が外れ、スプリング73のバネ力によりロッド70が車両後方に移動するので、リンク67は図20の状態から図21の状態を介して図22で示すように後方移動し、凹溝66a,66bに沿って移動するピン64,65の移動と相まって荷室ボード36が上方に移動されるように構成したものである。
図23は図19の部分拡大平面図で、メインボード36mには、2つの開口部57,76を離間形成し、これらの各開口部57,76間に形成された取手部59には、上述のレバー75と同等の役割を果すレバー75A,75Bを枢着し、これら各レバー75A,75Bの一端とロックピン74とをワイヤW6にて連結する一方、上述の取手部59にはレバー75A,75Bの他端を同時操作するスライダ77を設け、このスライダ77を開口部57から操作し得るように構成している。
つまり、スライダ77を図23の状態から図24に示すように押圧操作すると、レバー75A,75Bが図24の矢印方向に同時回動し、各ワイヤW6,W6をアンロック方向に引っ張るので、ロックピン74がメールヒンジ71とヨーク68との間から外れ、図20の状態下のロッド70が図21の状態を介して図22に示すように後方移動し、リンク67を介して荷室ボード36を上方に移動させることができる。
このように構成した車両の後部荷室構造においては、図19に示すシートバック33Bの上側肩部の2つのレバー50,75のうち、一方のレバー50のみを引き操作すると、ワイヤW1(図4参照)を介して下側のロックレバー49がアンロック操作され、このロックレバー49が円板43の凹部43bから外れるので、シートバック33Bを単独でシートクッション33C上に倒伏させることができる。
また、シートバック33Bの上側肩部の2つのレバー50,75の双方を同時に引き操作すると、下側のロックレバー49が外れると共に、図19に示すワイヤW5を介してロックピン74が外れるので、シートバック33Bをシートクッション33C上に倒伏させることができると共に、荷室ボード36は図20の下方位置から図21の中間位置を介して図22、図25に示すように上方に移動し、図25に示す如く、倒伏させたシートバック33Bの裏面と、上方に移動したメインボード36mの上面とが前後方向にフラットに連続した広い荷室空間を確保することができる。
さらに、レバー75またはスライダ77を単独で操作すると、ワイヤW5またはワイヤW6を介してロックピン74が各要素68,71間から外れるので、シートバック33Bを使用状態に保持した状態のままで、荷室ボード36のみを下方位置から上方位置へ移動させることができる。
図18〜図25において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
なお、上述のサブボード36sの基端側(リンク67に連結されていない側)は荷室フロア4等に枢支してもよく、あるいは、フリー状態と成してもよい。
(実施例4)
図26〜図34は車両の後部荷室構造のさらに他の実施例を示すものである。
この実施例においてはリヤシート33として車幅方向に複数のシートが左右に併設して設けられたセパレートシートを用い、これら左右の各リヤシート33,33のシートクッション33Cとシートバック33Bとをそれぞれシートナックル80,80で連結している。また、荷室ボード36はメインボード36mとサブボード36sとに2分割されたものを用い、少なくともメインボード36mに荷物の上載を可能と成している。
図27に示すように、メインボード36mの前部左右には車幅方向外方に突出するピン81,81を設け、車体側壁もその基端が枢着されたアーム82の遊端に、これらのピン81,81を枢支している。
また、図26、図27に示すように、メインボード36mの後部左右には車幅方向外方に突出するピン83,83を設け、これらのピン83,83を、トリム部材66の円弧状の凹溝66b(案内手段)にて案内すべく構成している。
さらに、サブボード36sの基端部に設けられたピン39,39は荷室フロア4に枢支されている。
図28はシートナックル80が設けられた部位の拡大側面図、図29は図28のD−D線矢視断面図である。なお、図28、図29においてはリヤシート33の左側のみを示すが、リヤシート33の右側は左側と左右対称に構成されている。
上述のシートナックル80はシートクッション33Cに固定されたナックルケース84と、シートバックフレーム42に固定されたブラケット85に対して該ブラケット85と一体的に回動可能に設けられた円板状のロックプレート86と、ナックルケース84とロックプレート86との間に設けられた渦巻き状のスプリング87と、ナックルケース84に枢支され、ロックプレート86の凹部86aにアンロック可能に係入されたロック部材88とを備えている。
図28、図29に示すように、渦巻き状のスプリング87の内端87aはナックルケース84に係止され、外端87bはロックプレート86の外周部に係止されており、シートバック33Bを常時前倒し方向にバネ付勢している。
また、図28に示すように上述のロック部材88にはワイヤW7が連結されている。通常時においてはロックプレート86の凹部86aにロック部材88が係入されて、シートバック33Bを起立した使用状態に保持している。一方、上述のワイヤW7を後方に引っ張ると、ロック部材88がロックプレート86の凹部86aから外れ、該ロックプレート86にはスプリング87のバネ力が付勢されて、シートバック回転中心軸89を中心に、ロックプレート86、ブラケット85、シートバックフレーム42、シートバック33Bが一体的に前方へ回転して、該シートバック33Bがシートクッション33C上に倒伏動作を行なって折畳み状態を形成するように構成されている。
図27、図30に示すように、メインボード36mには、2つの開口部57,76を離間形成し、これらの各開口部57,76間には、荷室ボード36の上下移動を操作する取手部59が設けられ、この取手部59には、車幅方向に離間して設けられた、支軸90,90を介して左右のレバー91,91を枢着し、これらの各レバー91,91の一端と上述のロック部材88,88とを左側用および右側用のワイヤW7,W7でそれぞれ連結する一方、上述の取手部59には各レバー91,91の他端を操作するスライダ92,92を離間配置して、これらスライダ92,92を開口部57から手動操作し得るように構成している。
これらの各スライダ92,92はシートバック33Bの折畳み動作を操作可能な操作部である。
ここで、上述のスライダ92,92は取手部59において乗員の片方の手により一方のスライダ92または両方のスライダ92,92の操作が可能な範囲に離間して複数設けられている。
つまり、2つのスライダ92,92を乗員が手動にて同時に押圧操作すると、各レバー91,91の回動によりワイヤW7,W7がそれぞれアンロック方向に引っ張られ、左側シート用および右側シート用の各ロック部材88がロックプレート86の凹部86aから同時に外れるので、左右のシートバック33B,33Bは同時にシートクッション33C(シートクッション33Cはセパレート型、ベンチ型の何れでもよい)上に倒伏する。また左右何れか一方のスライダ92のみを押圧操作すると、対応する側のレバー91の回動により何れか一方のワイヤW7がアンロック方向に引っ張られ、対応側のロック部材88がロックプレート86の凹部86aから外れるので、左右何れか一方のシートバック33Bのみがシートクッション33C上に倒伏するものである。
要するに、操作部としてのスライダ92,92は、左右のリヤシート33,33のシートバック33B,33Bを選択的に折畳み操作可能な選択操作機構93,93を具備するものであって、この実施例においては、上述の選択操作機構93はレバー91と、ワイヤW7と、ロック部材88とによって構成されている。
このように構成した車両の後部荷室構造の作用を、以下に説明する。
図26に示す左右のシートバック33B,33Bの使用状態で、かつ荷室ボード36の下方移動状態から、取手部59を把持して荷室ボード36を手動で持ち上げながら、両方のスライダ92,92を介してレバー91,91を回動操作すると、ワイヤW7,W7を介して左側シート用および右側シート用の各ロック部材88,88が外れるので、左右のシートバック33B,33Bはスプリング87,87の付勢によりシートクッション33C上に倒伏して、図31に示す状態となる。
この場合、荷室ボード36のメインボード36mは、その両サイドのピン81,83がアーム82と凹溝66bとによって案内され、倒伏したシートバック33Bの裏面と、上方に移動したメインボード36mの上面とが前後方向に連続したフラットな荷室面を形成する。
また、図26に示す左右のシートバック33B,33Bの使用状態で、かつ荷室ボード36の下方移動状態から、取手部59を把持して荷室ボード36を手動で持ち上げながら、左側のスライダ92を介して同側のレバー91を回動操作すると、左側のワイヤW7を介して左側シート用のロック部材88が外れるので、左側のシートバック33Bはスプリング87の付勢力によりシートクッション33C上に倒伏する一方、右側のシートバック33Bは起立した使用状態下に保持されたままとなって、図32に示す状態となる。
さらに、図26に示す左右のシートバック33B,33Bの使用状態で、かつ荷室ボード36の下方移動状態から、取手部59を把持して荷室ボード36を手動で持ち上げながら、右側のスライダ92を介して同側のレバー91を回動操作すると、右側のワイヤW7を介して右側シート用のロック部材88が外れるので、右側のシートバック33Bはスプリング87の付勢力によりシートクッション33C上に倒伏する一方、左側のシートバック33Bは起立した使用状態下に保持されたままとなって、図33に示す状態となる。図32、図33に示すように一方のシートバック33Bのみを倒伏させると、後席乗員の着座と、広い荷室スペースの確保との両立を図ることができる。
一方、図26に示す状態から、取手部59を把持して荷室ボード36を手動で持ち上げる時、左右何れのスライダ92も操作しない場合には、図34に示すように各シートバック33B,33Bを起立した使用状態に保持させたままで、荷室ボード36のみを上方位置に移動させることができる。
なお、図30で示した構成に代えて、図35の構成を採用してもよい。すなわち、図35に示す構造は取手部59を乗員の左手用と右手用とに車幅方向に分離形成したもので、これら左右の取手部59,59の中央に操作部としてのスライダ92,92をそれぞれ設け、これら各スライダ92,92に左右の選択操作機構93,93をそれぞれ連係させたものである。
このように構成すると、荷室ボード36を両手で持ち上げることができるので、比較的重い荷物を荷室ボード36に上載したままで、荷室ボード36を上方移動させる際に有効となる。また、スライダ92を開口部57の中央に対応すべく上述の取手部59に設けたので、乗員の把持力が効果的にスライダ92に伝達される。
なお、図26〜図35において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略する。
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のシートは、実施例のリヤシート33に対応し、
以下同様に、
シートを配設する車体のフロアパネルは、キックアップフロア部3bに対応し、
許容機構は、第2の許容機構55Aに対応し、
操作部は、スライダ58に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
なお、実施例1、2が各請求項に対応し、実施例3、4は実施例開示構造である。
車両の後部荷室構造を備えた車両の概略側面図 車両の後部荷室構造を示す斜視図 図2の要部拡大側面図 図3のA−A線矢視断面図 ロックレバーのアンロック状態を示す図3の部分拡大側面図 ロックレバーのロック状態を示す部分拡大側面図 荷室ボードとシートバックとの連動構造を示す系統図 荷室ボード上動とシートバック倒伏の連動を示す側面図 図8の斜視図 荷室ボード単独の上動を示す側面図 荷室拡大時の側面図 車両の後部荷室構造の他の実施例を示す斜視図 図12の要部拡大側面図 図13のB−B線矢視断面図 図13の部分拡大図 荷室ボード上動とシートバック倒伏の連動を示す斜視図 プーリ配設構造の他の実施例を示す側面図 車両の後部荷室構造のさらに他の実施例を示す斜視図 図18の要部拡大平面図 図19のC−C線矢視断面図 荷室ボードの上方移動中途状態を示す側面図 荷室ボードの上方移動を示す側面図 図19の要部拡大平面図 スライダ操作時の平面図 シートバック倒伏と荷室ボード上方移動を示す斜視図 車両の後部荷室構造のさらに他の実施例を示す斜視図 図26の要部拡大平面図 シートナックル配設部分の拡大側面図 図28のD−D線矢視断面図 車両の後部荷室構造を示す系統図 シートバック倒伏と荷室ボード上方移動を示す斜視図 左側シートバックの倒伏と荷室ボード上方移動を示す斜視図 右側シートバックの倒伏と荷室ボード上方移動を示す斜視図 荷室ボードのみの上方移動を示す斜視図 取手部の他の実施例を示す平面図
符号の説明
3b…キックアップフロア部(フロアパネル)
5…荷室
33…リヤシート(シート)
33B…シートバック
33C…シートクッション
36…荷室ボード
54…連動機構
55A…許容機構
58…スライダ(操作部)

Claims (5)

  1. 車体のフロアパネル上にシートクッションとシートバックとを備えたシートを配設し、
    上記シートの後方に荷室が形成された車両の後部荷室構造であって、
    上記シートはシートバックがシートクッション上に倒伏動作を行ない折畳み状態を形成可能に構成され、
    上記荷室には少なくとも上下方向に移動可能に支持された荷室ボードが設けられると共に、
    上記荷室ボードの上方向への移動とシートバックの折畳み動作とを連動させる連動機構を設け、
    上記連動機構は、荷室ボードの動作に対してシートバックの動作を連動させる一方、所定動作時に荷室ボード単独の動作を許容する許容機構を備えた
    車両の後部荷室構造。
  2. 折畳み状態の上記シートバック裏面と、上方に移動した荷室ボード上面とが連続した荷室面を形成可能に構成された
    請求項1記載の車両の後部荷室構造。
  3. 上記許容機構は、荷室ボードの上方向への移動に対してシートバックの折畳み方向への動作を許容すると共に、荷室ボードの下方向への移動動作をシートバックの動作と関係なく許容する
    請求項1または2記載の車両の後部荷室構造。
  4. 上記許容機構は、シートバックが折畳み状態にある時、荷室ボードの下方向への移動動作をシートバックの動作と関係なく許容する
    請求項3記載の車両の後部荷室構造。
  5. 上記許容機構は乗員の所定動作時に荷室ボード単独の動作を許容する操作部を備えた
    請求項1〜4の車両の後部荷室構造。
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