JP5704108B2 - 電池システムおよび推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電池ユニットの開放電圧を精度良く取得することができる電池システムおよび推定方法に関する。
二次電池の電圧は、電圧センサを用いて取得することができる。ここで、二次電池の充放電を行っている間や、二次電池の充放電を停止した直後では、二次電池の分極が発生しており、電圧センサを用いて取得された電圧には、分極に伴う電圧変動量が含まれてしまう。
特開2008−243373号公報
二次電池の分極は、二次電池を充放電せずに放置することによって解消することができる。このため、分極が解消していることを確認した後に、電圧センサを用いて二次電池の電圧を取得すれば、分極の影響を排除した電圧(いわゆる開放電圧)を取得することができる。ここで、分極が解消する時間として、固定値を用いると、分極が解消されるまでの時間を過度に見積もってしまうことがある。これにより、分極が解消されていると判別できる機会が減ってしまう。
本願第1の発明である電池システムは、充放電を行う電池ユニットと、電池ユニットの電圧を検出する電圧センサと、電池ユニットの状態を推定するコントローラと、を有する。コントローラは、拡散方程式を用いることにより、電池ユニットの活物質内の濃度分布を算出するとともに、電池ユニットの充放電が行われていないと仮定したときに、濃度分布が許容範囲内に収まるまでの分極解消時間を算出する。また、コントローラは、電池ユニットの充放電を行っていない間の時間が分極解消時間以上であるとき、電圧センサを用いて、電池ユニットの開放電圧を取得する。
本願第1の発明では、拡散方程式(後述する電池モデル式)を用いて、活物質内の濃度分布を算出しており、電池ユニットの現在の濃度分布を取得することができる。現在の濃度分布を取得できれば、拡散方程式に基づいて、濃度分布が許容範囲内に収まるまでの時間、言い換えれば、分極が解消されるまでの時間を算出することができる。このように分極解消時間を算出することにより、現在の電池ユニットの状態(濃度分布)を反映した分極解消時間を取得することができ、分極が解消されるまでの時間を適切に見積もることができる。そして、分極の解消時間を適切に見積もることにより、分極が解消されていると判別する機会を増やすことができる。
また、電池ユニットの充放電を行っていない間の時間が分極解消時間以上であるとき、言い換えれば、分極が解消されていると判別したとき、電池ユニットの電圧を取得すれば、分極に伴う電圧変化量が含まれていない電圧を取得することができる。これにより、電池ユニットの開放電圧を精度良く取得することができる。
例えば、電池ユニットがリチウムイオン二次電池であるとき、濃度分布は、リチウム濃度分布となる。濃度分布は、活物質の中心および界面における濃度を境界条件として設定することにより算出することができる。また、分極解消時間を設定するときには、濃度分布から算出される分極解消時間に対して、補正時間を加算した値を用いることができる。濃度分布を算出したり、濃度分布から分極解消時間を算出したりするときには、算出誤差が発生するおそれがある。そこで、算出誤差を考慮した補正時間を用いることにより、分極が解消されていると判別するときの精度を向上させることができる。
電池ユニットの充放電を行っている間、濃度分布を算出するとともに、電池ユニットの充電状態(SOC:State of Charge)を算出することができる。具体的には、濃度分布の平均値および充電状態の対応関係を予め求めておき、この対応関係を用いて、濃度分布の平均値から充電状態を推定することができる。なお、濃度分布を算出すれば、この濃度分布から平均値を算出することができる。
一方、電池ユニットの充電状態に基づいて、電池ユニットの満充電容量を推定することができる。具体的には、電池ユニットを充電(又は放電)するとき、充電(又は放電)を開始するときの充電状態と、充電(又は放電)を終了したときの充電状態と、電池ユニットを充電(又は放電)している間の電流積算値とから、満充電容量を算出することができる。
ここで、電池ユニットの充電状態は、開放電圧および充電状態の対応関係を用いて算出することができる。電池ユニットの開放電圧は、上述したように分極が解消されているときに取得されるため、開放電圧の推定精度を向上させることができる。この開放電圧に基づいて充電状態を算出しているため、充電状態の精度も向上させることができる。充電状態の精度を向上させれば、充電状態から算出される満充電容量の精度も向上させることができる。
一方、複数の電池ユニットが直列に接続されているときには、均等化回路を用いて、複数の電池ユニットにおける電圧を均等化させることができる。本発明では、各電池ユニットの開放電圧を精度良く取得することができるため、均等化の処理を精度良く行うことができる。
ここで、濃度分布の平均値から電池ユニットの開放電圧を推定することもできる。しかし、この場合には、推定した開放電圧に誤差が含まれていることがあり、推定した開放電圧が真の開放電圧に対して、どちらの側(高い側又は低い側)にずれているのかを把握することができない。このような状態では、複数の電池ユニットにおける電圧を均等化させるときに、均等化の処理を行い難くなる。
すなわち、推定した開放電圧が真の開放電圧に対して、どちらの側にずれているかを把握できなければ、電圧のバラツキを増加させる方向に、均等化処理を誤って行ってしまうおそれもある。そこで、開放電圧の推定精度を向上させることができる本発明を用いることにより、均等化の処理を行いやすくなり、均等化を精度良く行うことができる。
電池ユニットは、単電池で構成したり、電気的に接続された複数の単電池で構成したりすることができる。また、電池ユニットは車両に搭載することができ、電池ユニットから出力された電気エネルギを、車両を走行させる運動エネルギに変換することができる。
本願第2の発明は、充放電を行う電池ユニットの状態を推定する推定方法であって、拡散方程式を用いることにより、電池ユニットの活物質内の濃度分布を算出するとともに、電池ユニットの充放電が行われていないと仮定したときに、濃度分布が許容範囲内に収まるまでの分極解消時間を算出する。そして、電池ユニットの充放電を行っていない間の時間が分極解消時間以上であるとき、電池ユニットの電圧を検出する電圧センサを用いて、電池ユニットの開放電圧を取得する。本願第2の発明においても、本願第1の発明と同様の効果を得ることができる。
電池システムの構成を示す図である。 電池システムの一部の構成を示す図である。 均等化回路の構成を示す図である。 二次電池の構成を示す概略図である。 電池モデル式で用いられる変数等の一覧を示す図である。 電池モデルを説明する概念図である。 極座標で示された活物質モデルを示す概念図である。 二次電池の端子電圧と各種平均電位との関係を示す図である。 拡散係数の温度依存性を説明する図である。 開放電圧(正極)および局所SOCの関係を示す図である。 開放電圧(負極)および局所SOCの関係を示す図である。 コントローラの内部に設けられた電池状態推定部の構成を示す概略図である。 電池状態推定部の処理を示すフローチャートである。 リチウム平均濃度およびSOCの関係を示す図である。 活物質モデルにおいて、分極が解消された状態のリチウム濃度分布を示す図である。 均等化処理を示すフローチャートである。 分極解消までの残り時間と補正係数との関係を示す図である。 満充電容量の算出処理を示すフローチャートである。 満充電容量の算出処理を示すフローチャートである。 満充電容量の算出処理を示すフローチャートである。 分極解消までの残り時間と補正係数との関係を示す図である。
以下、本発明の実施例について説明する。
図1は、本実施例の電池システムの構成を示す図である。図1に示す電池システムは、車両に搭載することができる。車両としては、HV(Hybrid Vehicle)、PHV(Plug-in Hybrid Vehicle)およびEV(Electric Vehicle)がある。
HVは、車両を走行させるための動力源として、後述する組電池に加えて、内燃機関又は燃料電池といった他の動力源を備えている。PHVでは、HVにおいて、外部電源からの電力を用いて組電池を充電できる。EVは、車両の動力源として、組電池だけを備えており、外部電源からの電力供給を受けて、組電池を充電することができる。外部電源とは、車両の外部において、車両とは別に設けられた電源(例えば、商用電源)である。
組電池100は、直列に接続された複数の二次電池(単電池又は電池ユニットに相当する)1を有する。二次電池1としては、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池といった二次電池を用いることができる。また、二次電池の代わりに、電気二重層キャパシタ(コンデンサ)を用いることができる。
二次電池1の数は、組電池100の要求出力などに基づいて、適宜設定することができる。組電池100には、並列に接続された複数の二次電池1を含めることもできる。監視ユニット(電圧センサに相当する)201は、組電池100の端子間電圧を検出したり、各二次電池1の電圧Vbを検出したりする。監視ユニット201は、検出結果をコントローラ300に出力する。
電流センサ202は、組電池100に流れる電流Ibを検出し、検出結果をコントローラ300に出力する。ここで、放電電流Ibを正の値とし、充電電流Ibを負の値としている。温度センサ203は、組電池100の温度Tbを検出し、検出結果をコントローラ300に出力する。複数の温度センサ203を用いることにより、互いに異なる位置に配置された二次電池1の温度Tbを検出することができる。
コントローラ300は、メモリ300aを有しており、メモリ300aは、コントローラ300が所定処理(例えば、本実施例で説明する処理)を行うための各種の情報を記憶している。本実施例では、メモリ300aが、コントローラ300に内蔵されているが、コントローラ300の外部にメモリ300aを設けることもできる。
組電池100の正極端子には、システムメインリレーSMR−Bが接続されている。システムメインリレーSMR−Bは、コントローラ300からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。組電池100の負極端子には、システムメインリレーSMR−Gが接続されている。システムメインリレーSMR−Gは、コントローラ300からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。
システムメインリレーSMR−Gには、システムメインリレーSMR−Pおよび電流制限抵抗204が並列に接続されている。システムメインリレーSMR−Pおよび電流制限抵抗204は、直列に接続されている。システムメインリレーSMR−Pは、コントローラ300からの制御信号を受けることにより、オンおよびオフの間で切り替わる。電流制限抵抗204は、組電池100を負荷(具体的には、インバータ205)と接続するときに、突入電流が流れるのを抑制するために用いられる。
組電池100をインバータ205と接続するとき、コントローラ300は、まず、システムメインリレーSMR−Bをオフからオンに切り替えるとともに、システムメインリレーSMR−Pをオフからオンに切り替える。これにより、電流制限抵抗204に電流が流れることになる。
次に、コントローラ300は、システムメインリレーSMR−Gをオフからオンに切り替えた後に、システムメインリレーSMR−Pをオンからオフに切り替える。これにより、組電池100およびインバータ205の接続が完了し、電池システムは、起動状態(Ready-On)となる。コントローラ300には、車両のイグニッションスイッチのオン/オフに関する情報が入力され、コントローラ300は、イグニッションスイッチがオフからオンに切り替わることに応じて、電池システムを起動する。
一方、イグニッションスイッチがオンからオフに切り替わったとき、コントローラ300は、システムメインリレーSMR−B,SMR−Gをオンからオフに切り替える。これにより、組電池100およびインバータ205の接続が遮断され、電池システムは、停止状態(Ready-Off)となる。
インバータ205は、組電池100からの直流電力を交流電力に変換し、交流電力をモータ・ジェネレータ206に出力する。モータ・ジェネレータ206としては、例えば、三相交流モータを用いることができる。モータ・ジェネレータ206は、インバータ205からの交流電力を受けて、車両を走行させるための運動エネルギを生成する。モータ・ジェネレータ206によって生成された運動エネルギは、車輪に伝達され、車両を走行させることができる。
車両を減速させたり、停止させたりするとき、モータ・ジェネレータ206は、車両の制動時に発生する運動エネルギを電気エネルギ(交流電力)に変換する。インバータ205は、モータ・ジェネレータ206が生成した交流電力を直流電力に変換し、直流電力を組電池100に出力する。これにより、組電池100は、回生電力を蓄えることができる。
本実施例では、組電池100をインバータ205に接続しているが、これに限るものではない。具体的には、組電池100を昇圧回路に接続し、昇圧回路をインバータ205に接続することができる。昇圧回路を用いることにより、組電池100の出力電圧を昇圧することができる。また、昇圧回路は、インバータ205から組電池100への出力電圧を降圧することができる。
図2に示すように、監視ユニット201は、組電池100を構成する二次電池1の数だけ、電圧監視IC(Integrated Circuit、監視ユニットに相当する)201aを有しており、各電圧監視IC201aは、各二次電池1に並列に接続されている。電圧監視IC201aは、二次電池1の電圧を検出し、検出結果をコントローラ300に出力する。
また、各二次電池1には、均等化回路207が並列に接続されており、均等化回路207は、複数の二次電池1における電圧(又はSOC)を均等化させるために用いられる。均等化回路207の動作は、コントローラ300によって制御される。
例えば、コントローラ300は、電圧監視IC207の出力に基づいて、特定の二次電池1の電圧が他の二次電池1の電圧よりも高いと判別したとき、特定の二次電池1に対応した均等化回路207だけを動作させることにより、特定の二次電池1だけを放電させる。これにより、特定の二次電池1の電圧が低下し、他の二次電池1の電圧に揃えることができる。
均等化回路207の具体的な構成(一例)について、図3を用いて説明する。図3は、二次電池1および均等化回路207の構成を示す回路図である。
均等化回路207は、抵抗207aおよびスイッチ素子207bを有する。スイッチ素子207bは、コントローラ300からの制御信号を受けて、オンおよびオフの間で切り替わる。スイッチ素子207bがオフからオンに切り替われば、二次電池1から抵抗207aに電流が流れることになり、二次電池1を放電させることができる。これにより、各二次電池1の電圧を調整して、複数の二次電池1における電圧を均等化させることができる。
本実施例では、各二次電池1に対して均等化回路207や電圧監視IC201aを設けているが、これに限るものではない。例えば、組電池100を構成する複数の二次電池1を、複数の電池ブロック(電池ユニットに相当する)に分けることができる。各電池ブロックは、直列に接続された複数の二次電池1によって構成されており、複数の電池ブロックは、直列に接続される。この場合には、各電池ブロックに対して、均等化回路207や電圧監視IC201aを設けることができる。電圧監視IC201aは、対応する電池ブロックの電圧を検出し、均等化回路207は、対応する電池ブロックを放電させる。なお、各電池ブロックには、並列に接続された複数の二次電池1を含めることもできる。
均等化処理を精度良く行うためには、二次電池1のOCV(Open Circuit Voltage)に基づいて行うことが好ましい。組電池100を構成する複数の二次電池1においては、SOC(State of Charge)にバラツキが発生することがある。SOCとは、満充電容量に対する、現在の充電容量の割合である。ここで、満充電容量は、二次電池1の劣化が進行することに応じて低下することがある。例えば、二次電池1の充電容量は、自己放電などによって低下することがあるが、充電容量の低下量は、複数の二次電池1において互いに異なることがある。この結果、複数の二次電池1において、SOCのバラツキが発生してしまう。
SOCのバラツキが発生したときには、複数の二次電池1を同等の状態で使用し続けるために、SOCのバラツキを低減させることが好ましい。複数の二次電池1を互いに異なる状態で使用し続けると、特定の二次電池1だけが劣化しやすくなってしまうことがある。ここで、二次電池1のSOCは、二次電池1のOCVと対応関係があるため、SOCのバラツキを低減させるためには、OCVのバラツキを低減させればよい。このため、複数の二次電池1におけるOCVを取得し、これらのOCVに基づいて、均等化処理を行えば、SOCのバラツキを低減させることができる。
二次電池1の充放電を行うと、分極が発生するが、この分極が解消された状態であれば、二次電池1のOCVを取得することができる。二次電池1の充放電を行っている間や、二次電池1の充放電を停止した直後において、監視ユニット201によって検出される二次電池1の電圧(CCV:Closed Circuit Voltage)には、分極による電圧変化量も含まれているため、この状態では、二次電池1のOCVを取得することができない。一方、分極が解消された状態において、二次電池1の電圧を検出すれば、検出電圧には、分極による電圧変化量が含まれないことになる。
分極は、二次電池1を充放電せずに、放置することによって解消することができる。すなわち、二次電池1を十分な時間だけ放置すれば、分極を解消させることができる。ここで、放置とは、二次電池1を充放電させないで放置することをいう。予め実験などを行っておけば、分極を解消させる時間を設定することができる。これにより、二次電池1を放置している時間が分極の解消時間を超えたときに、分極が解消されていると判別することができる。
分極の解消時間を設定するときには、分極が解消しにくい条件(例えば、低温)を考慮することがある。このように設定された解消時間は、解消時間として許容される範囲の最大値となるため、分極が解消されたと判別するまでに、時間がかかってしまう。例えば、組電池100が搭載された車両をタクシーとして用いるときには、組電池100を放置する時間をとりにくくなり、分極が解消されたと判別できる機会が得にくい。
本実施例では、分極の解消時間を予め設定しておくのではなく、以下に説明する電池モデルを用いることにより、現在の二次電池1の使用状態を考慮して、分極が解消されるまでの時間を推定するようにしている。
まず、電池モデルについて説明する。図4は、二次電池1の構成を示す概略図である。ここでは、二次電池1の一例として、リチウムイオン二次電池を用いている。図4に示す座標軸xは、電極の厚み方向における位置を示す。
二次電池1は、正極141と、負極142と、セパレータ143とを有する。セパレータ143は、正極141および負極142の間に位置しており、電解液を含んでいる。正極141は、アルミニウムなどで構成された集電板141aを有しており、集電板141aは、二次電池1の正極端子11と電気的に接続されている。負極142は、銅などで構成された集電板142aを有しており、集電板142aは、二次電池1の負極端子12と電気的に接続されている。
負極142および正極141のそれぞれは、球状の活物質142b,141bの集合体で構成されている。二次電池1を放電するとき、負極142の活物質142bの界面上では、リチウムイオンLi+および電子e-を放出する化学反応が行われる。また、正極141の活物質141bの界面上では、リチウムイオンLi+および電子e-を吸収する化学反応が行われる。負極142および正極141の間でのリチウムイオンLi+の授受によって、二次電池1の充放電が行われ、充電電流Ib(<0)または放電電流Ib(>0)が生じる。
本実施例に用いられる基礎的な電池モデル式は、以下の式(1)〜(11)からなる基礎方程式で表される。図5は、電池モデル式で用いられる変数および定数の一覧表を示す。
以下に説明するモデル式中の変数および定数に関して、添字eは電解液中の値であることを示し、sは活物質中の値であることを示す。添字jは、正極および負極を区別するものであり、jが1であるときには正極における値を示し、jが2であるときには負極における値を示す。正極および負極における変数又は定数を包括的に表記する場合には、添字jを省略する。また、時間の関数であることを示す(t)の表記、電池温度の依存性を示す(T)の表記、あるいは、局所SOCθの依存性を示す(θ)等について、明細書中では表記を省略することもある。変数又は定数に付された記号♯は、平均値を表わす。
上記式(1),(2)は、電極(活物質)における電気化学反応を示す式であり、バトラー・ボルマーの式と呼ばれる。
電解液中のリチウムイオン濃度保存則に関する式として、下記式(3)が成立する。活物質内のリチウム濃度保存則に関する式として、下記式(4)の拡散方程式と、下記式(5),(6)に示す境界条件式が適用される。下記式(5)は、活物質の中心部における境界条件を示し、下記式(6)は、活物質の電解液との界面(以下、単に「界面」ともいう)における境界条件を示す。
活物質の界面における局所的なリチウム濃度分布(濃度分布)である局所SOCθjは、下記式(7)で定義される。下記式(7)中のcsejは、下記式(8)に示されるように、正極および負極の活物質界面におけるリチウム濃度を示している。csj,maxは、活物質内での限界リチウム濃度を示している。
電解液中の電荷保存則に関する式として、下記式(9)が成立し、活物質中の電荷保存則に関する式として、下記式(10)が成立する。活物質界面での電気化学反応式として、電流密度I(t)と、反応電流密度jj Liとの関係を示す下記式(11)が成立する。
上記式(1)〜(11)の基礎方程式で表される電池モデル式は、以下に説明するように、簡易化することができる。電池モデル式の簡易化により、演算負荷を低減したり、演算時間を短縮したりすることができる。
負極142および正極141のそれぞれにおける電気化学反応を一様なものと仮定する。すなわち、各電極142,141において、x方向における反応が均一に生じるものと仮定する。また、各電極142,141に含まれる複数の活物質142b,141bでの反応が均一と仮定するので、各電極142,141の活物質142b,141bを、1個の活物質モデルとして取り扱う。これにより、図4に示す二次電池1の構造は、図6に示す構造にモデリングすることができる。
図6に示す電池モデルでは、活物質モデル141b(j=1)および活物質モデル142b(j=2)の表面における電極反応をモデリングすることができる。また、図6に示す電池モデルでは、活物質モデル141b,142bの内部におけるリチウムの拡散(径方向)と、電解液中のリチウムイオンの拡散(濃度分布)とをモデリングすることができる。さらに、図6に示す電池モデルの各部位において、電位分布や温度分布をモデリングすることができる。
図7に示すように、各活物質モデル141b,142bの内部におけるリチウム濃度csは、活物質モデル141b,142bの半径方向の座標r(r:各点の中心からの距離、rs:活物質の半径)上での関数として表すことができる。ここで、活物質モデル141b,142bの周方向における位置依存性は、無いものと仮定している。図7に示す活物質モデル141b,142bは、界面での電気化学反応に伴う、活物質の内部におけるリチウム拡散現象を推定するために用いられる。活物質モデル141b,142bの径方向にN分割(N:2以上の自然数)された各領域(k=1〜N)について、リチウム濃度cs,k(t)が、後述する拡散方程式に従って推定される。
図6に示す電池モデルによれば、基礎方程式(1)〜(6),(8)は、下記式(1’)〜(6’),(8’)で表すことができる。
上記式(3’)では、電解液の濃度を時間に対して不変と仮定することによって、cej(t)が一定値であると仮定する。また、活物質モデル141b,142bに対しては、拡散方程式(4)〜(6)が極座標方向の分布のみを考慮して、拡散方程式(4’)〜(6’)に変形される。上記式(8’)において、活物質の界面におけるリチウム濃度csejは、図7に示したN分割領域のうちの最外周の領域におけるリチウム濃度csi(t)に対応する。
電界液中の電荷保存則に関する上記式(9)は、上記式(3’)を用いて、下記式(12)に簡易化される。すなわち、電解液の電位φejは、xの二次関数として近似される。過電圧ηj♯の算出に用いる電解液中の平均電位φej♯は、下記式(12)を電極厚さLjで積分した下記式(13)によって求められる。
負極142については、下記式(12)に基づいて、下記式(14)が成立する。このため、電解液平均電位φe2♯と、負極142およびセパレータ143の境界における電解液電位との電位差は、下記式(15)で表される。正極141については、電解液平均電位φe1♯と、正極141およびセパレータ143の境界における電解液電位との電位差は、下記式(16)で表される。
活物質中の電荷保存則に関する上記式(10)についても、下記式(17)に簡易化することができる。すなわち、活物質の電位φsjについても、xの二次関数として近似される。過電圧ηj♯の算出に用いる活物質中の平均電位φsj♯は、下記式(17)を電極厚さLjで積分した下記式(18)によって求められる。このため、正極141に関して、活物質平均電位φs1♯と、活物質モデル141bおよび集電板141aの境界における活物質電位との電位差は、下記式(19)で示される。同様に、負極142については、下記式(20)が成立する。
図8は、二次電池1の端子電圧V(t)と、上述したように求めた各平均電位との関係を示す。図8において、セパレータ143では、反応電流密度jj Liが0であるため、セパレータ143での電圧降下は、電流密度I(t)に比例し、Ls/κs eff・I(t)となる。
また、各電極中における電気化学反応を一様と仮定したことにより、極板の単位面積当たりの電流密度I(t)と反応電流密度(リチウム生成量)jj Liとの間には、下記式(21)が成立する。
図8に示す電位関係および上記式(21)に基づいて、電池電圧V(t)については、下記式(22)が成立する。下記式(22)は、図8に示す式(23)の電位関係式を前提とする。
次に、平均過電圧η♯(t)を算出する。jj Liを一定にするとともに、バトラー・ボルマーの関係式において、充放電効率を同一として、αajおよびαcjを0.5とすると、下記式(24)が成立する。下記式(24)を逆変換することにより、平均過電圧η♯(t)は、下記式(25)により求められる。
図8を用いて平均電位φs1、φs2を求め、求めた値を上記式(22)に代入する。また、上記式(25)から求めた平均過電圧η1♯(t)、η2♯(t)を上記式(23)に代入する。この結果、上記式(1’),(21)および上記式(2’)に基づいて、電気化学反応モデル式に従った電圧−電流関係モデル式(M1a)が導出される。
リチウム濃度保存則(拡散方程式)である上記式(4’)および境界条件式(5’),(6’)によって、活物質モデル141b,142bについての活物質拡散モデル式(M2a)が求められる。
モデル式(M1a)の右辺第1項は、活物質表面での反応物質(リチウム)濃度により決定される開放電圧(OCV)を示し、右辺第2項は、過電圧(η1♯−η2♯)を示し、右辺第3項は、二次電池に電流が流れることによる電圧降下を示す。すなわち、二次電池10の直流純抵抗が,式(M2a)中のRd(T)で表わされる。
式(M2a)において、反応物質であるリチウムの拡散速度を規定するパラメータとして用いられる拡散係数Ds1、Ds2は温度依存性を有する。したがって、拡散係数Ds1、Ds2は、例えば、図9に示すマップを用いて設定することができる。図9に示すマップは、予め取得しておくことができる。図9において、横軸の電池温度Tは、温度センサ203を用いて取得された温度である。図9に示すように、拡散係数Ds1、Ds2は、電池温度の低下に応じて低下する。言い換えれば、拡散係数Ds1、Ds2は、電池温度の上昇に応じて上昇する。
拡散係数Ds1、Ds2について、温度の依存性だけでなく、局所SOCθの依存性を考慮してもよい。この場合、電池温度T、局所SOCθおよび拡散係数Ds1、Ds2の関係を示すマップを予め用意しておけばよい。
式(M1a)に含まれる開放電圧U1は、図10Aに示すように、局所SOCθの上昇に応じて低下する。また、開放電圧U2は、図10Bに示すように、局所SOCθの上昇に応じて上昇する。図10Aおよび図10Bに示すマップを予め用意しておけば、局所SOCθに対応した開放電圧U1,U2を特定することができる。
式(M1a)に含まれる交換電流密度i01、i02は、局所SOCθおよび電池温度Tの依存性を有する。したがって、交換電流密度i01、i02、局所SOCθおよび電池温度Tの関係を示すマップを予め用意しておけば、局所SOCθおよび電池温度Tから、交換電流密度i01、i02を特定することができる。
直流純抵抗Rdは、温度の依存性を有する。したがって、直流純抵抗Rdおよび電池温度Tの関係を示すマップを予め用意しておけば、電池温度Tから直流純抵抗Rdを特定することができる。なお、上述したマップについては、二次電池1に関する周知の交流インピーダンス測定等の実験結果に基づいて作成することができる。
図6に示す電池モデルは、さらに簡略化することができる。具体的には、電極142,141の活物質として、共通の活物質モデルを用いることができる。図6に示す活物質モデル141b,142bを、1つの活物質モデルとして扱うことにより、下記式(26)に示すような式の置き換えができる。下記式(26)では、正極141および負極142の区別を示す添字jが省略される。
モデル式(M1a),(M2a)は、下記式(M1b),(M2b)で表すことができる。また、1つの活物質モデルを用いた電池モデルでは、電流密度I(t)および反応電流密度jj Liの関係式として、上記式(21)の代わりに、下記式(21’)が適用される。
上記式(M1a)中のarcsinh項を一次近似(線形近似)することにより、下記式(M1c)が得られる。このように線形近似することにより、演算負荷を低減したり、演算時間を短縮したりすることができる。
上記式(M1c)では、線形近似の結果、右辺第2項も、電流密度I(t)および反応抵抗Rrの積で示される。反応抵抗Rrは、上記式(27)に示されるように、局所SOCθおよび電池温度Tに依存する交換電流密度i01,i02から算出される。したがって、上記式(M1c)を用いるときには、局所SOCθ、電池温度Tおよび交換電流密度i01,i02の関係を示すマップを予め用意しておけばよい。上記式(M1c)および上記式(27)によれば、上記式(28)が得られる。
上記式(M1b)における右辺第2項のarcsinh項を線形近似すれば、下記式(M1d)が得られる。
上記式(M1b)は、下記式(M1e)として表すことができる。
上記式(M1e)は、一次近似(線形近似)することにより、下記式(M1f)で表される。
次に、上述した電池モデル式を用いて二次電池の状態を推定する構成について説明する。図11は、コントローラ300の内部構成を示す概略図である。電池状態推定部310は、拡散推定部311と、開放電圧推定部312と、電流推定部313と、パラメータ設定部314と、境界条件設定部315とを有する。図11に示す構成において、電池状態推定部310は、上記式(M1f)および上記式(M2b)を用いることにより、電流密度I(t)を算出する。
本実施例では、上記式(M1f)を用いて電流密度I(t)を算出しているが、これに限るものではない。具体的には、上記式(M1a)〜上記式(M1e)のいずれかと、上記式(M2a)又は上記式(M2b)との任意の組み合わせに基づいて、電流密度I(t)を算出することができる。
拡散推定部311は、上記式(M2b)を用い、境界条件設定部315で設定された境界条件に基づいて、活物質内部でのリチウム濃度分布を算出する。境界条件は、上記式(5’)又は上記式(6’)に基づいて設定される。拡散推定部311は、上記式(7)を用い、算出したリチウム濃度分布に基づいて局所SOCθを算出する。拡散推定部311は、局所SOCθに関する情報を開放電圧推定部312に出力する。
開放電圧推定部312は、拡散推定部311が算出した局所SOCθに基づいて、各電極142,141の開放電圧U1,U2を特定する。具体的には、開放電圧推定部312は、図10Aおよび図10Bに示すマップを用いることにより、開放電圧U1,U2を特定することができる。開放電圧推定部312は、開放電圧U1,U2に基づいて、二次電池1の開放電圧を算出することができる。二次電池1の開放電圧は、開放電圧U1から開放電圧U2を減算することによって得られる。
パラメータ設定部314は、電池温度Tbおよび局所SOCθに応じて、電池モデル式で用いられるパラメータを設定する。電池温度Tbとしては、温度センサ203による検出温度Tbを用いる。局所SOCθは、拡散推定部311から取得される。パラメータ設定部314で設定されるパラメータとしては、上記式(M2b)中の拡散定数Ds、上記式(M1f)中の電流密度i0および直流抵抗Rdがある。
電流推定部313は、下記式(M3a)を用いて、電流密度I(t)を算出(推定)する。下記式(M3a)は、上記式(M1f)を変形した式である。下記式(M3a)において、開放電圧U(θ,t)は、開放電圧推定部312で推定された開放電圧U(θ)である。電圧V(t)は、監視ユニット201を用いて取得した電池電圧Vbである。Rd(t)およびi(θ,T,t)は、パラメータ設定部314で設定された値である。
なお、上記式(M1a)〜上記式(M1e)のいずれかの式を用いる場合であっても、上述した式(M3a)と同様の方法によって、電流密度I(t)を算出することができる。
境界条件設定部315は、上記式(21)又は上記式(21’)を用いて、電流推定部313によって算出された電流密度I(t)から反応電流密度(リチウム生成量)jj Liを算出する。そして、境界条件設定部315は、上記式(6’)を用いて、上記式(M2b)における境界条件を更新する。
次に、電池状態推定部310の処理について、図12に示すフローチャートを用いて説明する。図12に示す処理は、所定の周期で実行される。
電池状態量推定部310は、ステップS101において、監視ユニット201の出力に基づいて、二次電池1の電圧(電池電圧)Vbを取得する。また、電池状態量推定部310は、ステップS102において、温度センサ203の出力に基づいて、二次電池1の温度(電池温度)Tbを取得する。
ステップS103において、電池状態推定部310(拡散推定部311)は、上記式(M2b)を用いた前回の演算時におけるリチウム濃度分布に基づき、局所SOCθを算出する。ステップS104において、電池状態推定部310(開放電圧推定部312)は、ステップS103で得られた局所SOCθから、開放電圧U(θ)を算出する。
ステップS105において、電池状態推定部310(電流推定部313)は、上記式(M1f)を用いて、電流密度Im(t)を算出(推定)する。推定電流密度Im(t)は、電池電圧Vbと、ステップS103で得られた開放電圧U(θ)と、パラメータ設定部314で設定されたパラメータ値とを、上記式(M3a)に代入することによって得られる。
ステップS106において、電池状態推定部310(境界条件設定部315)は、ステップS105で得られた推定電流密度I(t)から反応電流密度(リチウム生成量)jj Liを算出する。また、電池状態推定部310(境界条件設定部315)は、算出した反応電流密度を用いて、上記式(M2b)の活物質界面における境界条件(活物質界面)を設定する。
ステップS107において、電池状態推定部310(拡散推定部311)は、上記式(M2b)を用いて、活物質モデルの内部におけるリチウム濃度分布を算出し、各領域におけるリチウム濃度の推定値を更新する。ここで、最外周の分割領域におけるリチウム濃度(更新値)は、図12に示す処理を次回行うときに、ステップS103における局所SOCθの算出に用いられる。
リチウム濃度分布を算出することにより、二次電池1のSOCを推定することができる。具体的には、下記式(29)を用いることにより、リチウム濃度分布に基づいて、リチウム平均濃度csaveを算出する。また、下記式(30)を用いることにより、リチウム平均濃度csaveに基づいて、二次電池1のSOCを算出することができる。
上記式(29)に示すリチウム濃度cs1,k(t)(k=1〜N)は、図7に示したように、活物質モデル141b,142bを径方向にN分割した各領域のリチウム濃度であり、拡散モデル式(M2a),(M2b)により推定される。また、ΔVkは、各分割領域の体積を示し、Vは活物質全体の体積を示す。また、正極および負極における活物質モデルを共通化した場合には、共通化された活物質モデル内の各領域のリチウム濃度cs,k(t)(k=1〜N)の平均値を、上記式(29)と同様に求めることによって、リチウム平均濃度csave(t)を求めることができる。
図13には、一例として、正極141の活物質内のリチウム平均濃度csaveと、SOCの推定値SOCeとの関係を示す。図13に示すように、正極141の活物質内のリチウム平均濃度csaveが上昇することに応じて、推定値SOCeは低下する。このため、まず、満充電時(SOC=100%)におけるリチウム平均濃度Cfと、完全に放電した場合(SOC=0%)におけるリチウム平均濃度COとを予め求めておく。そして、SOCが100%のときのリチウム平均濃度Cfと、SOCが0%のときのリチウム平均濃度COとの間を線形補間することにより、上記式(30)を用いてSOCを推定できる。すなわち、上述したようにリチウム平均濃度csave(t)を求めれば、図13に示す関係を用いて、リチウム平均濃度csave(t)に対応したSOCを特定することができる。
図12に示す処理では、リチウム濃度分布を算出することができるが、このリチウム濃度分布は、分極の状態を表している。このため、リチウム濃度分布が均一化されれば、分極が解消されていることになる。図7は、分極が発生しているときの状態を示しているが、分極が解消されると、リチウム濃度分布は、図14に示す状態となる。
上述した電池モデルによれば、上記式(M1a)および(M2a)又は、上記式(M1b)および(M2b)に基づいて、リチウム濃度分布が解消されるまでの時間(解消時間)を算出することができる。ここで、上記式(M1a)および(M2a)又は、上記式(M1b)および(M2b)を用いることにより、活物質内のリチウム濃度cs,k(t+Δt)を算出することができる。Δtは、リチウム濃度分布や推定値SOCeを演算するときの演算周期である。分極は、二次電池1を放置することによって低下するため、二次電池1の電流がゼロであると仮定した上で、周期Δtの回数を増やしていけば、上記式(M1a)および(M2a)又は、上記式(M1b)および(M2b)に基づいて、リチウム濃度分布の変化を推定することができる。
ここで、周期Δtの回数が増えるほど、リチウム濃度分布は、解消方向に変化するため、リチウム濃度分布が許容範囲内に収まるまでの周期Δtの回数をカウントする。許容範囲とは、分極(リチウム濃度分布)が解消されていると判別できる範囲であり、適宜設定することができる。分極が完全に解消されれば、活物質内の位置にかかわらず、リチウム濃度は一定となる。しかし、リチウム濃度分布を演算するときの誤差などによって、リチウム濃度分布が発生することがあるため、この点を考慮して、許容範囲を適宜設定することができる。周期Δtのカウント数に周期Δtを乗算した値、言い換えれば、カウント数に応じた周期Δtの累積値は、リチウム濃度分布が許容範囲内に収まるまでの時間(解消時間)となる。
なお、本実施例では、電解液中の濃度分布を不変と仮定しているが、電解液中の濃度分布も考慮したほうが良いときには、電解液中のリチウム濃度分布に基づいた分極解消時間を、活物質内のリチウム濃度分布に基づいた分極解消時間とともに計算するほうが好ましい。
本実施例によれば、上述したように、電池モデル式を用いて、二次電池1のSOCを推定するときに、リチウム濃度分布が算出されるため、このリチウム濃度分布に基づいて、分極(リチウム濃度分布)が解消されるまでの時間を算出することができる。すなわち、二次電池1のSOCを推定しながら、分極の解消時間を推定することができる。二次電池1のSOCは、所定周期で推定されるため、分極の解消時間も所定周期で推定することができる。
電池モデル式を用いて、リチウム濃度分布や分極の解消時間を算出するときには、算出値に誤差が含まれるおそれがある。そこで、推定した分極の解消時間に、誤差を考慮した補正時間を加算した時間を、分極の解消時間とすることもできる。補正時間としては、リチウム濃度分布の算出誤差および解消時間の算出誤差のうち、少なくとも一方を考慮して設定することができる。
例えば、電池モデル式から推定される分極の解消時間と、実験などから得られる分極の解消時間とを比較し、この比較結果に基づいて、予め決定することができる。一方、特定の条件において、リチウム濃度分布や分極の解消時間の算出値に誤差が発生しやすいときには、特定の条件を満足しているときだけ、推定した分極の解消時間に補正時間を加算することができる。
また、組電池100を構成する複数の二次電池1では、劣化や温度のバラツキが発生することがある。この場合には、複数の二次電池1において、分極の解消時間にバラツキが発生してしまうことがある。そこで、組電池100の全体において、分極が解消していることを判別するときには、リチウム濃度分布が最も大きい二次電池1、言い換えれば、分極の解消時間が最も長い二次電池1を基準として判別することができる。
具体的には、複数の二次電池1におけるリチウム濃度分布をそれぞれ算出したときに、最も大きいリチウム濃度分布を特定し、このリチウム濃度分布に基づいて、分極の解消時間を算出することができる。一方、各二次電池1に関して、リチウム濃度分布から分極の解消時間を算出し、複数の二次電池1における分極の解消時間のうち、最も長い解消時間を、組電池100における分極の解消時間とすることができる。
なお、上述したように、二次電池1の電圧ではなく、電池ブロックの電圧を検出する構成では、各電池ブロックのSOCを推定したり、各電池ブロックにおける分極の解消時間を推定したりすることができる。また、組電池100が複数の電池ブロックで構成されているときには、リチウム濃度分布が最も大きい電池ブロック、言い換えれば、分極の解消時間が最も長い電池ブロックを基準として、組電池100の全体において、分極が解消されているか否かを判別することができる。
上述したように、分極の解消時間を算出すれば、二次電池1の放置が開始されてからの時間を計測し、計測時間が分極の解消時間を超えているときに、分極が解消されていると判別することができる。分極が解消されていることを確認した後は、監視ユニット201によって、分極の影響を受けていない二次電池1の電圧を検出することができる。ここで、二次電池1の電圧を検出するときには、二次電池1の内部抵抗に起因した電圧変化量を無視できる程度の電流を二次電池1に流すことが好ましい。これにより、監視ユニット201によって検出された二次電池1の電圧を、二次電池1のOCVと見なすことができる。
複数の二次電池1において、OCVのバラツキが発生していれば、上述したように、均等化回路207(図2参照)を用いて、OCVのバラツキを低減させることができる。すなわち、OCVが高い側の二次電池1を放電させることにより、複数の二次電池1におけるOCVを均等化することができる。
次に、分極の解消時間を算出する処理および均等化処理について、図15に示すフローチャートを用いて説明する。図15に示す処理は、コントローラ300によって実行される。
ステップS201において、コントローラ300(電池状態推定部310)は、二次電池1のリチウム濃度分布を算出する。上述したように、コントローラ300(電池状態推定部310)は、上記式(M1a)および(M2a)又は、上記式(M1b)および(M2b)を用いることにより、活物質内部のリチウム濃度分布を算出することができる。ステップS202において、コントローラ300は、ステップS201の処理で算出されたリチウム濃度分布に基づいて、二次電池1を放置したと仮定したときのリチウム濃度分布の変化を算出する。二次電池1の放置によって二次電池1に電流が流れていないと仮定したとき、リチウム濃度分布は解消方向に変化する。
ステップS203において、コントローラ300は、ステップS202の処理で算出された変化後のリチウム濃度分布が、上述した許容範囲内であるか否かを判別する。ここで、リチウム濃度分布が許容範囲内に収まるまで、コントローラ300は、ステップS202,S203の処理を繰り返す。リチウム濃度分布が許容範囲内に収まっているとき、コントローラ300は、ステップS204において、分極の解消時間TimeVを算出する。ここで、リチウム濃度分布が許容範囲内に収まるまで、リチウム濃度分布の演算(ステップS202の処理)が行われ、この演算周期Δtの累積値が解消時間TimeVとなる。
ステップS205において、コントローラ300は、車両のイグニッションスイッチがオフであるか否かを判別する。イグニッションスイッチがオンであれば、ステップS201の処理に戻り、イグニッションスイッチがオンの間は、ステップS201〜ステップS205の処理が繰り返して行われる。これにより、イグニッションスイッチがオンの間は、所定の周期において、分極の解消時間TimeVが算出される。
一方、イグニッションスイッチがオフであるとき、コントローラ300は、ステップS206において、タイマの時間Timeとして、解消時間TimeVを設定する。ここでの解消時間TimeVとしては、イグニッションスイッチがオフとなる直前において、ステップS204の処理で算出された解消時間TimeVが用いられる。そして、ステップS207において、コントローラ300は、時間が経過すると、タイマの時間Time(TimeV)を減らす。
ステップS208において、コントローラ300は、タイマの時間Timeが0であるか否かを判別する。すなわち、コントローラ300は、イグニッションスイッチがオフになってからの時間が、解消時間TimeVに到達しているか否かを判別する。
タイマの時間Timeが0ではないとき、コントローラ300は、ステップS207の処理を行う。すなわち、タイマの時間Timeが0になるまで、コントローラ300は、時間が経過するたびに、タイマの時間Timeを減らしていく。タイマの時間Timeが0であるとき、言い換えれば、解消時間TimeVが経過したときに、コントローラ300は、ステップS209において、監視ユニット201の出力に基づいて、二次電池1の電圧を取得する。
ステップS209の処理を行うときには、解消時間TimeVが経過しているため、監視ユニット201によって検出された電圧には、分極に伴う電圧変化量が含まれていない。したがって、分極に伴う電圧変化量が含まれていない二次電池1の電圧、より具体的には、二次電池1のOCVを取得することができる。OCVの取得は、組電池100を構成する、すべての二次電池1に対して行われる。
ステップS210において、まず、コントローラ300は、複数の二次電池1におけるOCVのうち、最小値を示すOCVを特定する。そして、コントローラ300は、OCV(最小値)と、各二次電池1のOCVとの差ΔVが閾値ΔVth以上であるか否かを判別する。閾値ΔVthは、複数の二次電池1において、OCVのバラツキが発生しているか否かを判別するための基準となる。すなわち、OCVの差ΔVが閾値ΔVth以上であるときには、OCVのバラツキが発生していると判別する。また、OCVの差ΔVが閾値ΔVthよりも小さいときには、OCVのバラツキを許容できると判別する。閾値ΔVthは、予め定めておくことができ、閾値ΔVthに関する情報は、メモリ300aに記憶しておくことができる。
OCVの差ΔVが閾値ΔVth以上であるとき、コントローラ300は、ステップS211において、均等化処理を行う。すなわち、コントローラ300は、均等化回路207(図2参照)を動作させて、OCVが高い側の二次電池1を放電させることにより、OCVのバラツキを低減させることができる。このように均等化処理を行うことにより、複数の二次電池1におけるOCVを、OCV(最小値)に揃えることができる。
均等化処理の具体的な内容は、上述した方法に限るものではない。すなわち、複数の二次電池1において、OCVのバラツキを低減させることができればよく、この点に基づいて、均等化処理の内容を決めればよい。例えば、本実施例では、OCV(最小値)を基準として均等化処理を行っているが、均等化処理を行うときの基準となるOCVは、適宜選択することができる。
本実施例によれば、活物質内のリチウム濃度分布を推定し、推定したリチウム濃度分布から分極の解消時間TimeVを推定しているため、リチウム濃度分布の状態に応じて、分極の解消時間TimeVが変化する。分極の解消時間TimeVを、予め定めた固定値とすると、上述したように、分極が解消されたと判別するまでに時間がかかってしまう。
一方、本実施例では、現在のリチウム濃度分布に対応した分極の解消時間TimeVを取得できるため、分極の解消時間TimeVを適切に見積もることができる。また、電池モデル式を用いて、リチウム濃度分布を推定することにより、推定したリチウム濃度分布に、二次電池1の使用状態、劣化状態や使用環境(特に、温度)を反映させることができる。このため、二次電池1の使用状態、劣化状態や使用環境に応じた分極の解消時間TimeVを推定することができる。
さらに、本実施例では、分極の解消状態を判別するときに、必要以上に二次電池1を放置させる必要はなく、分極が解消されていると判別できる機会を増やすことができる。言い換えれば、複数の二次電池1におけるSOCにバラツキが発生しているときに、均等化処理を行う機会を増やすことができ、SOCのバラツキを効率良く低減させることができる。
一方、図13を用いて説明したように、リチウム平均濃度csave(t)から二次電池1のSOCを推定することができる。SOCおよびOCVは、対応関係があるため、リチウム平均濃度csave(t)から二次電池1のOCVを推定することができる。このため、推定したOCVに基づいて、均等化処理を行うことが考えられる。
しかし、推定したOCVは、誤差を含むことがあり、真のOCVに対して、高い側に位置しているのか、低い側に位置しているのかが不明である。このため、誤差を含んだOCV(推定値)に基づいて、均等化処理を行おうとすると、均等化処理を行うときの基準となるOCVを設定しにくくなる。すなわち、複数の二次電池1において、誤差を含んだOCV(推定値)を取得しても、いずれの二次電池1を放電させて良いのかを特定しにくい。このため、放電させる二次電池1によっては、OCVのバラツキが広がってしまうおそれもある。
本実施例では、リチウム濃度分布や分極の解消時間TimeVに誤差が含まれたとしても、上述したように、補正時間を加算するだけで、分極の解消状態を判別することができる。そして、分極が解消されていると判別した後に、監視ユニット201を用いて、二次電池1のOCV(実測値)を取得すれば、二次電池1のOCVに推定誤差が含まれることもなくなり、均等化処理を効率良く行うことができる。すなわち、本実施例では、OCVの精度を向上させることができ、いずれの二次電池1を放電させて良いのかを特定しやすくなる。そして、OCVのバラツキを広げることなく、均等化処理を行うことができる。
本発明の実施例2について説明する。本実施例において、実施例1で説明した内容については、説明を省略し、実施例1と異なる点について、主に説明する。
実施例1では、リチウム濃度分布に基づいて分極の解消時間を算出し、分極の解消時間が経過したときに、均等化処理を行うようにしている。一方、本実施例では、実施例1と同様に、分極の解消時間を算出し、分極の解消時間が経過した後に取得した二次電池1の電圧(OCV)に基づいて、二次電池1の満充電容量を算出(推定)する。
二次電池1の満充電容量を推定すれば、二次電池1の劣化状態を確認することができる。二次電池1の劣化が進行すると、二次電池1の満充電容量が低下してしまうため、満充電容量の低下に応じて、二次電池1の劣化状態を特定することができる。
PHVおよびEVでは、実施例1で説明したように、外部電源からの電力を組電池100に供給することにより、組電池100を充電することができる。この充電を外部充電とよぶ。外部充電を行うとき、外部充電を開始するときの二次電池1のSOC_sと、外部充電を終了するときの二次電池1のSOC_eとを取得するとともに、外部充電を行っている間の電流積算値を取得すれば、二次電池1の満充電容量を推定することができる。
具体的には、二次電池1の満充電容量CAPnは、下記式(31)を用いて算出することができる。満充電容量CAPnは、外部充電を行うたびに算出することができる。
上記式(31)において、ΣIは、外部充電を行っている間の電流積算値であり、外部充電を行っている間、電流センサ202によって検出された電流値を積算することによって得られる。SOC_sは、外部充電を開始したときの二次電池1のSOCであり、外部充電を開始したときの二次電池1のOCVに基づいて推定することができる。SOC_eは、外部充電を終了したときの二次電池1のSOCであり、外部充電を終了したときの二次電池1のOCVに基づいて推定することができる。
外部充電を行うことにより、SOC_eは、SOC_sよりも高くなる。二次電池1のSOC_s,SOC_eを推定するときには、実施例1でも説明したように、分極が解消された後の二次電池1のOCVを測定することによって、SOC_s,SOC_eを推定することができる。
ここで、二次電池1を放置する時間が、分極の解消時間に到達しないときには、二次電池1の電圧を測定しても、この測定電圧は、分極による電圧変化量を含んでおり、二次電池1のOCVからずれてしまうことがある。したがって、分極が解消されていない状態において、満充電容量を算出したときには、この満充電容量は、実際の満充電容量からずれてしまい、精度が低下してしまうおそれがある。そこで、以下に説明するように、補正係数を用いることにより、満充電容量のずれを補正することができる。
まず、満充電容量は、下記式(32)に基づいて補正することができる。
上記式(32)において、CAPは、補正後の満充電容量であり、CAPn−1は、前回(直近)に算出された満充電容量であり、CAPnは、今回算出された満充電容量である。満充電容量CAPn−1,CAPnは、上記式(31)に基づいて算出された値である。満充電容量CAPnを初回に算出するとき、満充電容量CAPn−1としては、実験などによって予め求められた初期値が用いられる。初期値としての満充電容量は、メモリ300aに記憶しておくことができる。
上記式(32)に示すkは、補正係数である。補正係数kは、0〜1の範囲内の値である。補正係数kは、二次電池1を放置した時間、言い換えれば、分極が解消されるまでの残り時間に基づいて決定することができる。分極が解消されるまでの残り時間は、実施例1で説明したタイマの時間Timeに相当する。
上記式(32)によれば、補正後の満充電容量CAPを算出するときに、満充電容量CAPn−1,CAPnを考慮し、補正係数kを用いて、これらの満充電容量CAPn−1,CAPnに重み付けを行っている。ここで、補正係数kが1であるときには、今回算出された満充電容量CAPnだけが用いられ、補正係数kが0であるときには、前回算出された満充電容量CAPn−1だけが用いられる。
例えば、図16に示すマップを予め用意しておけば、分極が解消されるまでの残り時間から、補正係数kを特定することができる。図16に示すマップでは、残り時間が長くなるほど、補正係数kを小さくしている。ここで、残り時間が0であるときには、補正係数kは、1である。また、残り時間が閾値tr_thよりも長いときには、補正係数kを0としている。
閾値tr_thは、分極の状態、言い換えれば、分極が解消されるまでの残り時間を考慮して、適宜設定することができる。残り時間が長いほど、分極が解消されていないことになり、このような状態で算出された満充電容量CAPnは、実際の満充電容量からずれてしまう。したがって、残り時間が長いほど、今回算出された満充電容量CAPnを考慮しないほうが好ましい。この点を考慮して、閾値tr_thを設定することができる。閾値tr_thに関する情報は、メモリ300aに記憶しておくことができる。
なお、上記式(32)では、二次電池1の満充電容量を補正しているが、これに限るものではない。例えば、満充電容量を補正するときと同様の方法(補正係数kを用いた補正方法)によって、満充電容量を算出するときのSOC_s,SOC_eを補正したり、SOC_s,SOC_eを特定するためのOCVを補正したりすることもできる。そして、補正されたSOC_s,SOC_eから満充電容量を算出したり、補正されたOCVからSOC_s,SOC_eを特定して、このSOC_s,SOC_eから満充電容量を算出したりすることができる。
また、本実施例では、外部充電を行うときに、二次電池1の満充電容量を算出しているが、これに限るものではない。例えば、組電池100の電力を、車両の外部に配置された電子機器(家電製品など)に供給するときにも、二次電池1の満充電容量を算出することができる。ここで、組電池100の電力を電子機器に供給することを、外部放電という。
外部放電を開始するときの二次電池1のSOC_sと、外部放電を終了するときの二次電池1のSOC_eとを取得するとともに、外部放電を行っている間の電流積算値ΣIを取得すれば、二次電池1の満充電容量を推定することができる。二次電池1の満充電容量は、上記式(31)を用いて算出することができる。外部放電によって、SOC_eは、SOC_sよりも低くなるため、上記式(31)の絶対値が満充電容量となる。
次に、満充電容量を算出する処理について、図17A〜図17Cに示すフローチャートを用いて説明する。図17A〜図17Cに示す処理は、コントローラ300によって実行される。
ステップS301において、コントローラ300は、図1に示す電池システムが外部充電状態であるか否かを判別する。外部充電状態とは、外部充電が開始される状態であり、外部電源から組電池100には、未だ電力が供給されていない。例えば、有線を用いて、外部電源からの電力を組電池100に供給する場合には、ケーブルを介して外部電源と接続されたプラグが、電池システムと接続されたインレットに接続されているか否かを判別することにより、外部充電状態であるか否かを判別することができる。
外部充電状態であるか否かの判別は、外部電源の電力を組電池100に供給するシステムに応じて、適宜設定することができる。電池システムが外部充電状態であるときには、ステップS302の処理に進み、電池システムが外部充電状態ではないときには、ステップS312(図17B)の処理に進む。
ステップS302において、コントローラ300は、電池システムのモードとして、外部充電モードを設定する。ステップS303において、コントローラ300は、外部充電を開始するときの時間Time_sとして、現在の時間Timeを設定する。ここで、時間Timeは、分極が解消されるまでの残り時間である。後述するように、分極が解消されるまでの時間が算出(推定)されると、二次電池1を放置する時間が経過するたびに、分極の解消時間を減らしていく。例えば、分極の解消時間が0であれば、時間Time_sとして0が設定される。また、分極の解消時間が0よりも長ければ、この時間が時間Time_sとして設定される。
ステップS304において、コントローラ300は、監視ユニット201の出力に基づいて、外部充電を開始するときの二次電池1の電圧を取得する。ここで、時間Time_sが0であれば、実施例1で説明したように、二次電池1のOCVを取得することができる。一方、時間Time_sが0よりも長ければ、監視ユニット201によって検出される二次電池1の電圧には、分極に伴う電圧変化量が含まれることになる。
ステップS305において、コントローラ300は、電流積算値ΣIを0に設定する。ステップS305の処理は、外部電源の電力が組電池100に供給される前に行われる。外部充電を行う前に、電流積算値ΣIを0に設定しておくことにより、外部充電を行っている間の電流積算値ΣIを取得することができる。
ステップS306において、コントローラ300は、前回のモードとして、現在のモードを設定する。例えば、現在のモードが外部充電モードであれば、前回のモードとして、外部充電モードが設定される。また、後述するように、現在のモードが走行モードであるときには、前回のモードとして、走行モードが設定される。
ステップS307において、コントローラ300は、電流センサ202の出力に基づいて、組電池100(二次電池1)の電流を取得する。そして、コントローラ300は、前回算出された電流積算値ΣIに、今回取得した電流Iを加算した値を、電流積算値ΣIとして設定する。電流Iを初回に取得したときには、前回の電流積算値ΣIは、0となる。
ステップS308において、コントローラ300は、電池モデル式を用いて、活物質内のリチウム濃度分布を算出する。リチウム濃度分布の算出方法は、実施例1で説明した方法と同様であり、上記式(M2a)又は(M2b)を用いてリチウム濃度分布を算出することができる。ステップS309において、コントローラ300は、ステップS308で算出されたリチウム濃度分布に基づいて、リチウム濃度分布の変化を算出する。すなわち、実施例1で説明したように、周期Δtを演算上で経過させながら、周期Δtが経過した後のリチウム濃度分布を算出する。
ステップS310において、コントローラ300は、ステップS309の処理で算出したリチウム濃度分布の変化に基づいて、分極が解消されるまでの時間TimeVを算出する。すなわち、ステップS309の処理で算出されるリチウム濃度分布が許容範囲内に収まるまでの周期Δtの累積値に基づいて、解消時間TimeVを算出する。解消時間TimeVを算出する方法は、実施例1で説明した方法と同様である。
ステップS311において、コントローラ300は、外部充電が終了しているか否かを判別したり、イグニッションスイッチがオフであるか否かを判別したりする。例えば、外部電源と接続されたプラグを、電池システムと接続されたインレットから外せば、外部充電が終了することになる。一方、車両の走行を終了したときには、運転者からの指示を受けてイグニッションスイッチがオンからオフに切り替わることがある。イグニッションスイッチがオフになると、電池システムが起動停止状態となる。
外部充電を行う場合において、外部充電が終了していなければ、ステップS307〜ステップS311の処理を繰り返す。また、イグニッションスイッチがオンのままであれば、ステップS307〜ステップS311の処理を繰り返す。これにより、ステップS307の処理により、外部充電を行っている間の電流積算値ΣIを取得したり、ステップS308,S309の処理により、リチウム濃度分布を取得したりすることができる。また、ステップS310の処理により、現在のリチウム濃度分布に対応した分極の解消時間TimeVを算出することができる。一方、外部充電が終了していたり、イグニッションスイッチがオフであったりするときには、ステップS320(図17C)の処理に進む。
ステップS301の処理からステップS312の処理に進むときには、電池システムが外部充電状態ではないため、コントローラ300は、電池システムのモードとして、走行モードを設定する。ステップS313において、コントローラ300は、前回のモードが外部充電モードであるか否かを判別する。前回のモードとは、ステップS306の処理で設定されたモード(外部充電モード又は走行モード)である。前回のモードが外部充電モードであるときには、ステップS314の処理に進む。一方、前回のモードが走行モードであるときには、ステップS306(図17A)の処理に進む。
ステップS314において、コントローラ300は、タイマの時間Timeが0であるか否かを判別する。上述したように、時間Timeは、分極が解消されるまでの残り時間である。時間Timeが0であるとき、コントローラ300は、二次電池1の分極が解消されていると判別して、ステップS316の処理を行う。一方、時間Timeが0ではないとき、言い換えれば、二次電池1の分極が解消されていないとき、ステップS315の処理に進む。
ステップS315において、コントローラ300は、監視ユニット201の出力に基づいて、二次電池1の電圧を取得する。ステップS315の処理では、時間Timeが0ではないときにおいて、外部充電を終了した後の二次電池1の電圧を取得することができる。ステップS316において、コントローラ300は、外部充電を終了したときの時間Time_eとして、現在の時間Timeを設定する。時間Timeは、分極が解消されるまでの残り時間である。例えば、分極の解消時間Timeが0であれば、時間Time_eとして0が設定される。また、分極の解消時間Timeが0よりも長ければ、この時間が時間Time_eとして設定される。
ステップS317において、コントローラ300は、上記式(31)を用いて、二次電池1の満充電容量CAPnを算出する。ここで、上記式(31)に示す電流積算値ΣIとして、ステップS307(図17A)の処理で算出された値が用いられる。
また、上記式(31)に示すSOC_sとしては、外部充電を開始したときの二次電池1の電圧に対応したSOCが用いられる。外部充電を開始したときの二次電池1の電圧は、ステップS304(図17A)の処理で得られる。二次電池1の電圧およびSOCの対応関係を予め求めておけば、二次電池1の電圧から二次電池1のSOCを特定することができる。上記式(31)に示すSOC_eとしては、外部充電を終了したときの二次電池1の電圧に対応したSOCが用いられる。外部充電を終了したときの二次電池1の電圧は、ステップS315の処理又は、後述するステップS324(図17C)の処理で得られる。
ステップS318において、コントローラ300は、補正係数kを算出する。本実施例では、図18に示すマップ(一例)を用いて、補正係数kが特定される。図18に示すマップは、時間Time_s,Time_eのそれぞれと、補正係数kとの関係を示す。図18に示すマップを用いれば、時間Time_s,Time_eを特定することにより、補正係数kを特定することができる。
時間Time_sおよび補正係数kの関係や、時間Time_eおよび補正係数kの関係は、図16に示す関係と同様である。すなわち、時間Time_sが長くなるほど、補正係数kは、小さくなる。また、時間Time_eが長くなるほど、補正係数kは、小さくなる。図18に示すマップでは、時間Time_s,Time_eの少なくとも一方が異なっていても、補正係数kが同一となることもある。
ステップS319において、コントローラ300は、上記式(32)を用いて、二次電池1の満充電容量CAPを算出する。上記式(32)に示す満充電容量CAPn,CAPn−1としては、ステップS317の処理で算出された値が用いられる。ここで、CAPnは、今回の処理で算出された満充電容量であり、CAPn−1は、前回の処理で算出された満充電容量である。また、上記式(32)に示す補正係数kとしては、ステップS318の処理で算出された値が用いられる。
例えば、補正係数kが1であるとき、今回算出される満充電容量CAPnは、上記式(32)から算出される満充電容量CAPと等しくなる。また、補正係数kが1以外であるときには、満充電容量CAPn,CAPn−1の重み付けによって、満充電容量CAPが算出される。
ステップS319の処理が終了した後は、ステップS306(図17A)の処理に進む。一方、ステップS311(図17A)の処理からステップS320(図17C)の処理に進んだとき、コントローラ300は、タイマの時間Timeとして、ステップS310の処理で算出された分極の解消時間TimeVを設定する。
ステップS321において、コントローラ300は、時間が経過すると、タイマの時間Time(TimeV)を減らす。ステップS322において、コントローラ300は、タイマの時間Timeが0であるか否かを判別する。すなわち、コントローラ300は、解消時間TimeVが経過したか否かを判別する。
タイマの時間Timeが0ではないとき、コントローラ300は、ステップS321の処理を行う。すなわち、タイマの時間Timeが0になるまで、コントローラ300は、時間が経過するたびに、タイマの時間Timeを減らしていく。タイマの時間Timeが0であるとき、言い換えれば、解消時間TimeVが経過したときに、コントローラ300は、ステップS323において、前回のモードが外部充電モードであるか否かを判別する。前回のモードとは、ステップS306(図17A)の処理で設定されたモードである。
なお、タイマの時間Timeが0に到達すれば、時間Timeとして、0が設定される。一方、タイマの時間Timeが0になる前に、組電池100(二次電池1)の充放電が開始されると、このときの時間Timeが保持される。時間Timeは、ステップS303,ステップS314,ステップS316の処理で用いられる。
前回のモードが外部充電モードであるときには、ステップS324の処理に進み、前回のモードが外部充電モードではないとき、言い換えれば、前回のモードが走行モードであるときには、本処理を終了する。ステップS324において、コントローラ300は、監視ユニット201の出力に基づいて、二次電池1の電圧を取得する。ここでは、解消時間TimeVが経過しているため、監視ユニット201によって検出された電圧には、分極に伴う電圧変化量が含まれていない。したがって、外部充電を終了した後において、各二次電池1のOCVを取得することができる。
本実施例によれば、二次電池1の分極が解消されたことを確認した上で、外部充電の開始および終了における二次電池1の電圧を取得することができる。この二次電池1の電圧には、分極による電圧変化量が含まれていないため、二次電池1のOCVを取得することができる。二次電池1のOCVが得られれば、二次電池1のSOCを特定することができるため、外部充電の開始および終了における二次電池1のSOCに基づいて、二次電池1の満充電容量CAPを算出することができる。分極の影響を排除した状態で、二次電池1のSOCを算出できるため、二次電池1の満充電容量CAPを推定する精度を向上させることができる。
本実施例においても、実施例1と同様に、分極の解消時間として、活物質内のリチウム濃度分布に応じた適切な時間が特定されるため、分極が解消されていると判別する機会を増やすことができる。これに伴い、精度の高い満充電容量CAPを算出する機会を増やすことができる。
また、本実施例では、二次電池1の分極が解消されていなくても、補正係数kを用いることにより、二次電池1の満充電容量CAPを算出することができる。これにより、分極が解消されていない状態において、外部充電の開始や終了における二次電池1の電圧を取得しても、これらの電圧に基づいて、二次電池1の満充電容量CAPを推定することができる。
1:二次電池、100:組電池、201:監視ユニット、201a:電圧監視IC、
202:電流センサ、203:温度センサ、204:電流制限抵抗、
205:インバータ、206:モータ・ジェネレータ、207:均等化回路、
207a:抵抗、207b:スイッチ素子、300:コントローラ、300a:メモリ、
141:正極、141a:集電板、141b:活物質、142:負極、
142a:集電板、142b:活物質、143:セパレータ、11:正極端子、
12:負極端子310:電池状態推定部、311:拡散推定部、
312:開放電圧推定部、313:電流推定部、314:パラメータ設定部、
315:境界条件設定部

Claims (10)

  1. 充放電を行う電池ユニットと、
    前記電池ユニットの電圧を検出する電圧センサと、
    前記電池ユニットの状態を推定するコントローラと、を有し、
    前記コントローラは、
    拡散方程式を用いることにより、前記電池ユニットの活物質内の濃度分布を算出するとともに、前記電池ユニットの充放電が行われていないと仮定したときに、前記濃度分布が許容範囲内に収まるまでの分極解消時間を算出し、
    前記電池ユニットの充放電を行っていない間の時間が前記分極解消時間以上であるとき、前記電圧センサを用いて、前記電池ユニットの開放電圧を取得する、
    ことを特徴とする電池システム。
  2. 前記コントローラは、前記活物質の中心および界面における濃度を境界条件として設定し、前記拡散方程式を用いて前記濃度分布を算出することを特徴とする請求項1に記載の電池システム。
  3. 前記コントローラは、前記分極解消時間に対して、前記濃度分布および前記分極解消時間の少なくとも一方における算出誤差に応じて予め定められた補正時間を加算することを特徴とする請求項1又は2に記載の電池システム。
  4. 前記コントローラは、前記電池ユニットの充放電を行っている間、前記濃度分布を算出するとともに、前記濃度分布の平均値および充電状態の対応関係を用いて、前記電池ユニットの充電状態を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の電池システム。
  5. 前記コントローラは、
    開放電圧および充電状態の対応関係を用いて、取得した前記開放電圧に対応した充電状態を算出し、
    前記電池ユニットの充電又は放電を開始したときの前記充電状態と、前記電池ユニットの充電又は放電を終了したときの前記充電状態と、前記電池ユニットの充電又は放電を行っている間の電流積算値とを用いて、前記電池ユニットの満充電容量を算出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の電池システム。
  6. 直列に接続された複数の前記電池ユニットと、
    前記各電池ユニットを放電させて、前記複数の電池ユニットにおける電圧を均等化させる均等化回路と、を有しており、
    前記コントローラは、前記複数の電池ユニットにおける開放電圧の差が閾値以上であるとき、前記均等化回路を動作させることを特徴とする請求項1から5のいずれか1つに記載の電池システム。
  7. 前記電池ユニットは、単電池であることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の電池システム。
  8. 前記電池ユニットは、電気的に接続された複数の単電池を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載の電池システム。
  9. 前記電池ユニットは、車両を走行させる運動エネルギに変換される電気エネルギを出力することを特徴とする請求項1から8のいずれか1つに記載の電池システム。
  10. 充放電を行う電池ユニットの状態を推定する推定方法であって、
    拡散方程式を用いることにより、前記電池ユニットの活物質内の濃度分布を算出するとともに、前記電池ユニットの充放電が行われていないと仮定したときに、前記濃度分布が許容範囲内に収まるまでの分極解消時間を算出し、
    前記電池ユニットの充放電を行っていない間の時間が前記分極解消時間以上であるとき、前記電池ユニットの電圧を検出する電圧センサを用いて、前記電池ユニットの開放電圧を取得する、
    ことを特徴とする推定方法。
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