JP5678820B2 - 多官能(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 - Google Patents

多官能(メタ)アクリル酸エステルの製造方法 Download PDF

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本発明は、多官能(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。好ましくは、塗料、接着剤、粘着剤、インキ用レジン、レジスト組成物、成型材料、光学材料等に用いる樹脂の製造に有用なアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルの製造方法に関する。
近年、ArFエキシマレーザーリソグラフィーにおいて使用されるレジスト樹脂として、波長193nmの光に対して透明なアクリル系樹脂が注目されている。このようなアクリル系樹脂としては、例えば、側鎖が分解してアルカリ可溶性を示すアセタール構造を有する構成単位を含有する重合体が開示されている(特許文献1、非特許文献1参照)。
特許文献1や非特許文献1に記載されているアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法として、従来から様々な方法が提案されてきた。特許文献1や非特許文献1によれば、末端にビニルエーテル基を含有するメタクリル酸誘導体にカルボン酸を付加することによって製造する方法が提案されている。
特開2007−45924号公報
Russ.J.Org.Chem.,vol.40,No.3,2004,307−310.
このように従来のアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルに関する製造方法は比較的容易な製造方法ではあるが、原料の末端にビニルエーテル基を含有する(メタ)アリル酸誘導体を工業的に入手することが困難となる場合がある。
このビニルエーテル基を含有する(メタ)アクリル酸誘導体を実験室で合成する場合、一般的にエステル化法、(メタ)アクリル酸塩化物を用いる方法、又はエステル交換法で合成できる。しかし、エステル化では、強酸性触媒を用いるため、このような条件下ではビニルエーテルの着色や重合が生じやすくなる場合がある。また、(メタ)アクリル酸塩化物は塩化物が高価である傾向がある。また、(メタ)アクリル酸塩化物を用いる方法では、反応を促進させるために量論以上の塩基を添加する必要があることに加え、これに伴う塩基の塩酸塩が多量に副生する場合がある。また、エステル交換法では原料アルコールに対して(メタ)アクリル酸エステルを過剰に使用することになるため、効率的な製造方法とは言えない。
また、いずれの方法も、一旦、末端にビニルエーテル基を含有するメタクリル酸誘導体を製造した後にカルボン酸を付加する二段階の製造工程となるため、さらに精製等を考慮すると長い製造時間を要することになる。したがって、より効率的な製造方法が求められている。
そこで、本発明は、従来の製造方法の少なくとも1の課題を解決するものであり、アセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルを温和な反応条件にて製造することができる方法を提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表されるビニルエーテルと、下記式(2)で表される酸無水物と、を反応させ、下記式(3)で表されるアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法である。
Figure 0005678820
(式(1)中、Aは置換基を有してもよいオキシアルキレン基、置換基を有してもよいオキシシクロアルキレン基、置換基を有してもよいオキシアリーレン基、または置換基を有してもよいポリオキシアルキレン基を表し、A中の酸素原子が末端の水素原子と結合する。)。
Figure 0005678820
(式(2)中、R1及びR2はそれぞれ独立して水素原子又はメチル基を表す。)。
Figure 0005678820
(式(3)中、R1、R2及びAは、前記式(1)、(2)と同義であるが、A中の酸素原子は式(3)中の炭素原子と結合する。)。
ここで「R1(R2)」はR1またはR2を、「R2(R1)」はR2またはR1を意味する。
本発明の製造方法によれば、温和な反応条件において容易にアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルを製造することができる。
以下、本発明について説明する。文中「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸および/またはメタクリル酸を表す。
本発明に係る製造方法は、前記式(1)で表されるビニルエーテルと、前記式(2)で表される酸無水物とを反応させて、前記式(3)で表される多官能(メタ)アクリル酸エステルを製造することを特徴とする。
この反応メカニズムは下記の通りであるため、Aの部分が置換基を有してもよいオキシアルキレン基、置換基を有してもよいオキシシクロアルキレン基、置換基を有してもよいオキシアリーレン基、または置換基を有してもよいポリオキシアルキレン基のいずれであっても反応が進行する。
Figure 0005678820
式(1)で表されるビニルエーテルについて説明する。
Figure 0005678820
式(1)中のAは置換基を有してもよいオキシアルキレン基、置換基を有してもよいオキシシクロアルキレン基、置換基を有してもよいオキシアリーレン基、または置換基を有してもよいポリオキシアルキレン基を表す。
ここで、置換基とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、又はハロゲン原子である。
また、式(1)において、A中の酸素原子が末端の水素原子と結合する。
Aの例としては、例えば、下記を挙げることができる。
Figure 0005678820
これらの化学式中のn1、n2、n3、n4、n5、n6、n7、及びn8はそれぞれ1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10の整数から選ばれる。これらの化学式中のn1、n2、n3、n4、n5、n6、n7、及びn8は例えば1である。
また、Aは以下のように表すことも可能である。
Figure 0005678820
式(A1)中、Raは、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいシクロアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。また、式(A1)中の酸素原子が式(1)末端の水素原子と結合する。mは1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10の整数から選ばれる。mが2以上の場合、Raはそれぞれ独立している。
式(A1)において、アルキレン基の総炭素数は、1〜20であることが好ましい。また、シクロアルキレン基の総炭素数は、5〜10であることが好ましく、5〜8であることがより好ましく、5〜6であることがさらに好ましい。また、アリーレン基の総炭素数は、6〜14であることが好ましく、6〜12であることがより好ましく、6〜10であることがさらに好ましい。
式(A1)において、置換基としては、アルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、又はハロゲン原子である。
式(A1)において、mが1であることが好ましい。
式(A1)において、mが2以上の場合、Raがそれぞれ同じアルキレン基であることが好ましい。
また、Aは以下のように表すことも可能である。
Figure 0005678820
式(A2)中、Rb及びRcは、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいシクロアルキレン基、置換基を有してもよいアリーレン基を表す。また、式(A2)中のRcに結合する酸素原子が式(1)末端の水素原子と結合する。p及びqは、それぞれ独立に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10の整数から選ばれる。pが2以上の場合、Rbはそれぞれ独立している。qが2以上の場合、Rcはそれぞれ独立している。
式(A2)において、アルキレン基の総炭素数は、1〜20であることが好ましい。また、シクロアルキレン基の総炭素数は、5〜10であることが好ましく、5〜8であることがより好ましく、5〜6であることがさらに好ましい。また、アリーレン基の総炭素数は、6〜14であることが好ましく、6〜12であることがより好ましく、6〜10であることがさらに好ましい。
式(A2)において、置換基としては、アルキル基、ヒドロキシル基、シアノ基、又はハロゲン原子である。
式(A2)において、p及びqが1であることが好ましい。
式(A2)において、pが2以上の場合、Rbがそれぞれ同じアルキレン基であることが好ましい。qが2以上の場合、Rcがそれぞれ同じアルキレン基であることが好ましい。
式(1)で表されるビニルエーテルは、例えば、市販されているものを用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。式(1)で表されるビニルエーテルとしては、例えば下記を挙げることができる。
Figure 0005678820
これらの化学式中のn1、n2、n3、n4、n5、n6、n7、及びn8はそれぞれ1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10の整数から選ばれる。
次に、式(2)で表される酸無水物について説明する。
Figure 0005678820
(式(2)中、R1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。)。
式(2)で表される酸無水物は、アクリル酸無水物、又はメタクリル酸無水物である。酸無水物は、1種で構成されていてもよく、2種以上で構成されていてもよい。また、アクリル酸無水物とメタクリル酸無水物で構成されていてもよい。式(2)で表される酸無水物は、例えば、市販されているものを用いてもよいし、公知の方法により製造したものを用いてもよい。
次に、式(3)で表されるアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルについて説明する。
Figure 0005678820
前記式(3)中のR1及びR2は、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。
式(3)中、Aは前記と同義である。式(3)において、A中の酸素原子は式(3)中の炭素原子と結合している。
式(3)で表されるアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば下記のものを挙げることができる。
Figure 0005678820
これらの化学式中のn1、n2、n3、n4、n5、n6、n7、及びn8はそれぞれ1、2、3、4、5、6、7、8、9、及び10の整数から選ばれる。
式(3)で表される多官能(メタ)アクリル酸エステルは、一分子中に一つのアセタール構造を含む。分子中にアセタール構造を含む多官能(メタ)アクリル酸エステル単位を含む重合体は、露光時にアセタール構造が酸で分解することによって樹脂の分子量が低下するため、現像液への溶解性に優れ、ディフェクト及びラインエッジラフネスが小さいレジスト材料として用いることができる。露光には、例えば、ArFエキシマレーザーを用いることができる。
一分子中にアセタール構造を一つ含む多官能(メタ)アクリル酸エステルは、一分子中にアセタール構造を二つ以上含む多官能(メタ)アクリル酸エステルよりも、貯蔵安定性や熱安定性等の安定性において格段に優れる。
上述したように、式(3)中に表されているアセタール構造は酸または熱の作用により分解する。以下に、アセタール構造の分解例を示す。
ビニルアルコールと酸無水物の添加量は、特に制限されないが、未反応原料の影響やコスト等を考慮して、任意の量を用いることができる。例えば残存する酸無水物の影響を避ける観点や過剰なビニルアルコールが生成物中へ混入することを防止する観点から、ビニルアルコールの添加量は、酸無水物1molに対して0.5mol以上5.0mol以下が好ましく、0.8mol以上2.0mol以下がより好ましい。
反応温度は、特に制限されないが、−10℃以上180℃以下の範囲で行なうことが好ましい。反応温度が低いと反応時間が長くなる等の問題が生じる可能性があるため、反応を円滑に進行させる点から、反応温度は0℃以上がより好ましく、10℃以上がさらに好ましい。一方、反応温度が高いと重合や副反応等の問題が生じる可能性があるため、反応温度は150℃以下がより好ましく、120℃以下がさらに好ましい。
本発明における反応は、酸性条件下で反応液が着色しやすい傾向があるため、ビニルアルコールに対して酸無水物を滴下して反応させることが好ましい。滴下速度は、特に制限されないが、10〜1000ml/分の範囲が好ましい。
本発明においては、有機溶媒中で反応を実施しても良いし、溶媒が存在しない系で行ってもよい。反応に有機溶媒を用いる場合は、例えば、クロロホルム、ジクロロメタンなどのハロゲン系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのニトリル系溶媒;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル系溶媒;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの極性溶媒が挙げられる。これらの溶媒は一種を単一で用いても二種以上を混合して用いても良い。
反応系内に触媒を添加してもよい。また、反応速度が速い場合は触媒を特に添加しなくてもよい。触媒としては、金属化合物、酸触媒、塩基触媒、不均一系触媒などが挙げられる。
ビニルアルコールと酸無水物とが反応する際、ビニルエーテル部位とアルコール部位のそれぞれに活性を示す場合がある。あるいはどちらか一方は無触媒でも反応が進む場合や、どちらか一方に活性を示す場合がある。
前記金属化合物としては、例えば、金属の酸化物、水酸化物、塩化物、炭酸水素塩;炭酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸などの無機酸との金属塩;酢酸や(メタ)アクリル酸、スルホン酸などの有機酸との金属塩;アセチルアセトナート、シクロペンタジエニルなどの金属錯体などが挙げられる。
前記酸触媒としては、例えば、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸、塩酸若しくはヘテロポリ酸などの無機酸;メタクリル酸、アクリル酸などの有機酸などが挙げられる。これらのうち(メタ)アクリル酸を触媒に用いることが好ましい。
前記塩基触媒としては、例えば、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、トリエチルアミンなどの有機塩基などが挙げられる。
前記不均一系触媒としては、塩基性イオン交換樹脂及び酸性イオン交換樹脂などのイオン交換樹脂、活性成分をシリカやアルミナ、チタニアなどの担体に固定した触媒が使用可能である。
これらの触媒は、単独で用いてもよいし2種以上を併用してもよい。
反応圧力は、特に制限されるものではなく、減圧、常圧、加圧いずれの圧力下においても実施できる。
反応方式としては、例えば、単一の反応器内に全ての原料を仕込んで反応を完結させる回分式、反応器内に原料を連続的に供給して連続的に反応させる連続式、反応器と配合タンクとを備え、反応器と配合タンクとの間で原料を循環させながら反応器で反応させる循環式などが挙げられる。
反応時間は、反応温度、原料の種類、触媒の種類及び反応液濃度によって異なるため適宜決めればよいが、通常0.1〜20時間程度とすることができる。
本発明におけるアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルの製造方法において、反応時あるいは精製時に重合禁止剤を存在させてもよい。重合禁止剤としては、例えば、ハイドロキノンモノメチルエーテル(MQ)、ハイドロキノン(HQ)、ベンゾキノン等のキノン系重合防止剤;2、6−ジ−tert−ブチルフェノール、2、4−ジ−tert−ブチルフェノール、2−tert−ブチル−4、6−ジメチルフェノール、2、6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、2、4、6−トリ−tert−ブチルフェノール等のアルキルフェノール系重合防止剤;アルキル化ジフェニルアミン、N、N’−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、フェノチアジン等のアミン系重合防止剤;4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−N−オキシル(HO−TEMPO)、4−ベンゾイルオキシ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルや4−アセトアミノ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン−N−オキシルなどのヒンダートアミン系重合防止剤;金属銅、硫酸銅、ジメチルジチオカルバミン酸銅、ジエチルジチオカルバミン酸銅、ジブチルジチオカルバミン酸銅等の銅系重合防止剤などを反応系に添加して使用することも可能である。これらは1種を用いても2種以上を併用してもよい。重合防止剤の添加量は、その種類や条件により影響されるが、反応液重量に対して0.01〜10000ppmの範囲が好ましい。また、反応液に酸素を含む気体をバブリングさせることにより、重合防止効果が向上する場合がある。
精製方法については、生成物の物性、原料の種類及び量、溶剤の種類等を考慮して、水洗、アルカリ水洗、酸水洗、蒸留、薄膜蒸留、晶析、濾過等の公知の精製方法を用いることができ、適宜組み合わせて用いてもよい。この際、精製は(メタ)アクリル酸無水物や(メタ)アクリル酸を除去してから行なうのが好ましい。(メタ)アクリル酸無水物や(メタ)アクリル酸の除去方法は、特に限定されないが、減圧除去してもよいし、炭酸カリウム水溶液、炭酸水素カリウム水溶液、炭酸リチウム水溶液、炭酸水素リチウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸水素ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液または水酸化リチウム等のアルカリ溶液で洗浄してもよい。
本発明によれば、温和な反応条件において様々なカルボン酸モノマーを容易かつ高選択的に得ることができる。
本発明の製造方法により得られるアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルは、高純度である。
(実施例)
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例において、分析及び同定は日本分光製の日本電子株式会社製、JNGX−270型FT−NMR(商品名)を用いて行った。NMR測定では重水素化クロロホルム溶媒を用い、共鳴周波数シフト値を算出する基準物質にはテトラトリメチルシランを使用した。
(実施例1)
20mlのフラスコ中に4−ビニルオキシブタン−1−オール2.00g(17.2mmol)、無水メタクリル酸2.39g(15.5mmol)を仕込み、85℃で6時間攪拌した。室温まで冷却し、トルエン10mlを加えた後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液水5mlで2回洗浄し、引き続き飽和食塩水5mlで1回洗浄した。有機層を濃縮して下記式(3−4)で表される多官能メタクリル酸エステルを3.50g(収率84%)得た。
Figure 0005678820
(実施例2)
20mlのフラスコ中に4−ビニルオキシブタン−1−オール1.00g(8.6mmol)、無水メタクリル酸1.33g(8.6mmol)、炭酸リチウム60mg(0.86mmol)を仕込み、50℃で6時間攪拌した。85質量%リン酸0.1g(86mmol)を添加して6時間攪拌した。トルエン10mlを加えた後、飽和重曹水5mlで2回洗浄し、引き続き飽和食塩水5mlで1回洗浄した。有機層を濃縮して式(3−4)で表される多官能メタクリル酸エステルを1.81g(収率78%)得た。
(実施例3)
20mlのフラスコ中に4−ビニルオキシブタン−1−オール1.00g(8.6mmol)、無水メタクリル酸1.33g(8.6mmol)、85質量%リン酸0.1g(86mmol)を仕込み、50℃で8時間攪拌した。トルエン10mlを加えた後、飽和重曹水5mlで2回洗浄し、引き続き飽和食塩水5mlで1回洗浄した。有機層を濃縮して式(3−4)で表される多官能メタクリル酸エステルを1.69g(収率73%)得た。
(実施例4)
20mlのフラスコ中に4−ビニルオキシブタン−1−オール70.0g(0.603mol)、無水メタクリル酸92.9g(0.603mol)、炭酸リチウム4.45g(603mmol)を仕込み、50℃で6時間攪拌した。引き続き、メタクリル酸15.6g(0.181mol)を添加して50℃で6時間攪拌した。トルエン100mlを加えた後、飽和炭酸リチウム水溶液水20mlで5回洗浄し、引き続き飽和食塩水10mlで1回洗浄した。有機層を濃縮して式(3−4)で表される多官能メタクリル酸エステルを151g(収率93%)得た。
実施例1で得られた生成物のスペクトルデータは以下のとおりである。
1H NMR (CDCl3、 270MHz) δ 1.44 (d、 J=5.1Hz、 2H)、 1.68-1.79 (m、 4H)、 1.93 (s、 3H)、 1.94 (s、 3H)、 3.51-3.58 (m、 1H)、 3.69-3.74 (m、 1H)、 4.14-4.19 (m、 2H)、 5.54-5.56 (m、 1H)、 5.59-5.61 (m、 1H)、 5.98 (q、 J=5.4Hz、 1H)、 6.10 (s、 1H)、 6.15 (s、 1H)

Claims (2)

  1. 下記式(1)で表されるビニルエーテルと、下記式(2)で表される酸無水物と、を反応させ、下記式(3)で表されるアセタール構造を有する多官能(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法;
    Figure 0005678820
    (式(1)中、Aは置換基を有してもよいオキシアルキレン基、置換基を有してもよいオキシシクロアルキレン基、置換基を有してもよいオキシアリーレン基、または置換基を有してもよいポリオキシアルキレン基を表し、A中の酸素原子が末端の水素原子と結合する。)
    Figure 0005678820
    (式(2)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又はメチル基を表す。)
    Figure 0005678820
    (式(3)中、R、R及びAは、前記式(1)、(2)と同義であるが、A中の酸素原子は式(3)中の炭素原子と結合する。)。
  2. (メタ)アクリル酸を触媒に用いて反応させる請求項1に記載の多官能(メタ)アクリル酸エステルを製造する方法。
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