JP2002256076A - ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法 - Google Patents

ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法

Info

Publication number
JP2002256076A
JP2002256076A JP2001059510A JP2001059510A JP2002256076A JP 2002256076 A JP2002256076 A JP 2002256076A JP 2001059510 A JP2001059510 A JP 2001059510A JP 2001059510 A JP2001059510 A JP 2001059510A JP 2002256076 A JP2002256076 A JP 2002256076A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
meth
group
acrylate
vinyl ether
reaction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001059510A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroko Yamaguchi
博子 山口
Keiji Yurugi
啓嗣 万木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP2001059510A priority Critical patent/JP2002256076A/ja
Publication of JP2002256076A publication Critical patent/JP2002256076A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Other Resins Obtained By Reactions Not Involving Carbon-To-Carbon Unsaturated Bonds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)ア
クリル酸エステル類を収率よく製造する方法、および側
鎖のビニルエーテル基の重合性を充分に発揮できる方法
を提供する。 【解決手段】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Zは−
OH基、ハロゲン原子、−OR基(Rは有機残基を
表す)、−OM基(Mはアルカリ(土類)金属を表す)
またはCH=CRCOO−基を表す。)で表される
構造単位を有する(メタ)アクリル系重合体と、下記一
般式(2): R−CH=CH−(OA)n−X (式中、Rは水素原子または有機残基を表し、Aは−
CHR4CHR5−基(R およびRはそれぞれ独立し
て水素原子または有機残基を表す)を表し、複数個のA
は同一でも異なっていてもよく、複数個のオキシアルキ
レン基(OA)が2種以上のオキシアルキレン基で構成
される場合の結合形式はブロックまたはランダムのいず
れでもよい。nは2以上の正数を表し、Xは−OH基ま
たはハロゲン原子を表す。)で表されるビニルエーテル
類とを反応させることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビニルエーテル基
を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の
製造方法に関するものである。さらに詳しくは、(メタ)
アクリル系重合体とオリゴアルキレングリコールをスペ
ーサーに有するビニルエーテル類とを反応させることを
特徴とするビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)ア
クリル酸エステル系重合体の製造方法に関するものであ
る。
【0002】ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)
アクリル酸エステル系重合体は、医農薬原料、合成中間
体、架橋剤、粉体塗料用樹脂、さらに重合性材料として
接着剤、粘着剤、生体材料、歯科材料、光学部材、情報
記録材料、光ファイバー用材料、レジスト材料、絶縁
体、封止材、印刷インキ、塗料、注型材料、化粧板、W
PC、被覆材、ライニング材、土木建築材料、パテ、補
修材、床材、舗装材ゲルコート、オーバーコート、ハン
ドレイアップ・スプレーアップ・引抜成形・フィラメン
トワインディング・SMC・BMC等の成形材料、シー
ト等の用途に広範囲に用いられる有用な化合物である。
【0003】
【従来の技術】ビニルエーテル基を側鎖に有する(メ
タ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法としては、
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の
(メタ)アクリレート側のビニル基を選択的にラジカル
またはアニオン重合する方法が知られている。
【0004】また、(メタ)アクリル酸アルキルエステ
ル系重合体と、水酸基含有アルキルビニルエーテルとの
エステル交換反応による方法が、特許公報第28676
44号に記載されている。
【0005】しかしながら、上記従来の製造方法では、
ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の
ラジカル重合の場合、(メタ)アクリレート側のビニル
基のみならずビニルエーテル側のビニル基までも重合
し、架橋した不溶の重合体が生成する可能性がある。ま
た、アニオン重合は工業的に有利でない。
【0006】(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重
合体と水酸基含有アルキルビニルエーテルとのエステル
交換反応による方法では、得られた重合体の主鎖とビニ
ルエーテル基との距離が近く、ビニルエーテル基の重合
性を充分に発揮しにくいものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のごとき
状況に鑑みてなされたものであり、ビニルエーテル基を
側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を収
率良く提供すること、また、側鎖のビニルエーテル基の
重合性を充分に発揮することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明者らは、ビニル
エーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル
系重合体を収率良く製造する方法および側鎖のビニルエ
ーテル基の重合性を充分に発揮する方法を提供するた
め、鋭意検討を重ねた結果、(メタ)アクリル系重合体
とオリゴアルキレングリコールをスペーサーに有するビ
ニルエーテル類とを反応させることによって、ビニルエ
ーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系
重合体を収率良く製造できること、また、主鎖とビニル
エーテル基との間にオリゴアルキレングリコールを導入
することによって、主鎖とビニルエーテル基の距離が十
分にあること、およびカチオン重合開始剤との親和性が
向上することにより、側鎖のビニルエーテル基のカチオ
ン重合性が充分に発揮できることを見い出し、本発明を
完成させるに至った。
【0009】即ち、本発明は、下記一般式(1):
【0010】
【化3】
【0011】(式中、Rは水素原子またはメチル基を
表し、Zは−OH基、ハロゲン原子、−OR基(R
は有機残基を表す)、−OM基(Mはアルカリ(土類)
金属を表す)またはCH=CRCOO−基を表
す。)で表される構造単位を有する(メタ)アクリル系
重合体と、下記一般式(2): R−CH=CH−(OA)n−X (式中、 Rは水素原子または有機残基を表し、Aは
−CHR4CHR5−基(RおよびRはそれぞれ独立
して水素原子または有機残基を表す)を表し、複数個の
Aは同一でも異なっていてもよく、複数個のオキシアル
キレン基(OA)が2種以上のオキシアルキレン基で構
成される場合の結合形式はブロックまたはランダムのい
ずれでもよい。nは2以上の正数を表し、Xは−OH基
またはハロゲン原子を表す。)で表されるビニルエーテ
ル類とを反応させることを特徴とする下記一般式(3)
【0012】
【化4】
【0013】(式中、Rは水素原子またはメチル基を
表し、Rは水素原子または有機残基を表し、Aは−C
HR4CHR5−基(RおよびRはそれぞれ独立して
水素原子または有機残基を表す)を表し、複数個のAは
同一でも異なっていてもよく、複数個のオキシアルキレ
ン基(OA)が2種以上のオキシアルキレン基で構成さ
れる場合の結合形式はブロックまたはランダムのいずれ
でもよい。nは2以上の正数を表す。)で表される構造
単位を有するビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)
アクリル酸エステル系重合体の製造方法に関する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の原料の一つである(メ
タ)アクリル系重合体は、前記一般式(1)で表される
構造単位を有する重合体であれば、単独重合体でも共重
合体でも特に限定されるものではない。一般式(1)中
のRは水素原子またはメチル基であり、Zは−OH
基、ハロゲン原子、−OR基(Rは有機残基を表
す)、−OM基(Mはアルカリ(土類)金属を表す)ま
たはCH=CRCOO−基である。ここで、R
示される有機残基は炭素数1〜4の直鎖状、分枝状のア
ルキル基である。
【0015】前記一般式(1)で表わされる構造単位を
必須に含む(メタ)アクリル酸エステル系重合体の重合
度の範囲は、数平均分子量の下限が、好ましくは1,0
00、より好ましくは2000、特に好ましくは300
0であり、数平均分子量の上限が、好ましくは20,0
00,000、より好ましくは10,000,000、
特に好ましくは5,000,000である。
【0016】前記一般式(1)で表される構造単位の代
表例としては、特に限定されるわけではないが、具体的
には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸クロラ
イド、(メタ)アクリル酸ブロマイド、(メタ)アクリ
ル酸無水物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ナトリウム、
(メタ)アクリル酸カリウム、(メタ)アクリル酸マグ
ネシウム、(メタ)アクリル酸カルシウム等の単量体に
由来する構造単位が挙げられる。
【0017】これらの内、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸クロライド、(メタ)アクリル酸無水
物、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸ナトリウム、(メタ)アクリ
ル酸カリウムの単量体に由来する構造単位が好適に用い
られる。
【0018】本発明にかかる(メタ)アクリル酸エステ
ル系重合体を構成する前記一般式(1)で表される構造
単位以外の構造単位は、特に限定されるものではない
が、具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル
(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチ
ル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アク
リレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプ
ロピル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アク
リレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
イソデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)
アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、
n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メ
タ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレー
ト、ベンジル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニ
ル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アク
リレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、イソ
ボルニル(メタ)アクリレート、2−(アセトアセトキ
シ)エチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類;2
−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロ
キシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)
アクリレート、メチル(α−ヒドロキシメチル)アクリ
レート、エチル(α−ヒドロキシメチル)アクリレー
ト、カプロラクトン変性ヒドロキシアクリレート(商品
名プラクセルFシリーズ、ダイセル化学工業(株)
製)、カプロラクトン変性ヒドロキシメタクリレート
(商品名プラクセルFMシリーズ、ダイセル化学工業
(株)製)、4−ヒドロキシメチルシクロヘキシルメチ
ル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリ
レート類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フ
マル酸、クロトン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、カ
ルボキシル基末端カプロラクトン変性アクリレート(商
品名プラクセルFAシリーズ、ダイセル化学工業(株)
製)、カルボキシル基末端カプロラクトン変性メタクリ
レート(商品名プラクセルFMAシリーズ、ダイセル化
学工業(株)製)、スルホエチル(メタ)アクリレー
ト、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホ
スフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピル
アシッドホスフェート等の酸性官能基含有(メタ)アク
リレート類;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルト
ルエン、ジビニルベンゼン、酢酸ビニル、塩化ビニル、
塩化ビニリデン等のビニル化合物類;ビニルトリクロル
シラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラ
ン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、トリメチルシロキシエチルメタクリレート等の珪素
含有重合性単量体類;トリフルオロエチル(メタ)アク
リレート、テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレー
ト、オクタフルオロペンチル(メタ)アクリレート、ヘ
プタドデカフルオロデシルアクリレート、β−(パーフ
ロロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、ヘキサフ
ルオロプロピルメタクリレート、パーフロロオクチルエ
チル(メタ)アクリレート等のハロゲン含有重合性単量
体類;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミ
ノプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルアクリル
アミド、t−ブチルアクリルアミド、メチレンビス(メ
タ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミ
ド、N−エトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシ
メチルアクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリ
ルアミド、N,N’−ジメチルアミノエチル(メタ)ア
クリレート、 N,N’−ジエチルアミノエチル(メ
タ)アクリレート、 N−メチル−N−ビニルホルムア
ミド、ジメチルアミノエチルメタクリレート硫酸塩、N
−ビニルピリジン、N−ビニルイミダゾール、N−ビニ
ルピロール、N−ビニルピロリドン、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、、ジエチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジアセトンアクリルアミド、N
−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミ
ド、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン等の窒素原
子含有重合性単量体類;エチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、トリエチレングリコールジアクリレート、ポリ
エチレングリコール#200ジ(メタ)アクリレート、
ポリエチレングリコール#400ジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコール#600ジ(メタ)アクリ
レート、ポリエチレングリコール#1000ジアクリレ
ート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、
1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,
6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9
−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコー
ル#400ジ(メタ)アクリレート、EO変性トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアク
リレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、
グリセリンジメタクリレート、2−ヒドロキシ−1,3
−ジメタクリロキシプロパンジアクリレート、2,2−
ビス[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロ
パンジアクリレート、2,2−ビス[4−(メタクリロ
キシジエトキシ)フェニル]プロパンジアクリレート等
の多官能性重合性単量体類;ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、ビニルイソプロピルエーテル、ビ
ニル−n−プロピルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ル、ビニル−n−ブチルエーテル、ビニル−n−アミル
エーテル、ビニルイソアミルエーテル、ビニル−2−エ
チルヘキシルエーテル、ビニル−n−オクタデシルエー
テル、シアノメチルビニルエーテル、2,2−ジメチル
アミノエチルビニルエーテル、2−クロルエチルビニル
エーテル、β―ジフルオロメチルビニルエーテル、ベン
ジルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル、ジビニ
ルエーテル等のビニルエーテル類;グリシジル(メタ)
アクリレート、α−メチルグリシジルアクリレート、
3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート
(商品名CYCLOMERA200、ダイセル化学工業
(株)製)、α−メチルグリシジルメタクリレート(商
品名M-GMA、ダイセル化学工業(株)製)、3,4
−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート(商品
名CYCLOMER M100、ダイセル化学工業
(株)製)等のエポキシ基含有重合性単量体類;2−メ
タクロイルオキシエチルイソシアネート(商品名カレン
ズMOI、昭和電工(株))、メタクロイルイソシアネ
ート(商品名MAI、日本ペイント(株))、m−イソ
プロペニル−α、αジメチルベンジルイソシアネート
(商品名m−TMI、武田薬品工業(株))等のイソシ
アネート基含有重合性単量体類; 4−(メタ)アクリ
ロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−(メタ)アクリロイルオキシ− 1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリ
ロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジ
ン、4−(メタ)アクリロイルアミノ−1,2,2,
6,6−ペンタメチルピペリジン、4−シアノ−4−
(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラ
メチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルア
ミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−
(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミ
ノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−
(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アク
リロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の紫外線安
定性重合性単量体類;等の単量体に由来する構造単位が
挙げられる。これらの構造単位は、単独でも2種類以上
を組み合わせてもよい。
【0019】前記(メタ)アクリル酸エステル系重合体
中の前記一般式(1)で表わされる構造単位は、重合体
中に1〜100重量%の割合、より好ましくは3〜10
0重量%の割合、さらに好ましくは10〜100重量%
の割合で含有されていればよい。前記含有割合が、反応
効率の面、物性の面で好ましい。
【0020】本発明の原料のひとつであるビニルエーテ
ル類とは、前記一般式(2)で表される化合物であれば
特に限定されず、式中の Rは水素原子または有機残
基であり、 Aは−CHR4CHR5−基を表し、R
よびRはそれぞれ独立して水素原子または有機残基で
あり、nは2以上の正数であり、Xは−OH基またはハ
ロゲン原子である。ただし、前記一般式(1)で表され
る構造単位中のZがハロゲン原子の場合、Xはハロゲン
原子ではない。
【0021】前記一般式(2)中のRで表される有機
残基とは、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分枝状また
は環状のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化(例え
ば塩素化、臭素化またはフッ素化)アルキル基、炭素数
6〜11の芳香族基等が挙げられる。
【0022】これらのうち、炭素数1〜2のアルキル基
が好適に用いられる。
【0023】前記一般式(2)中のAで表される基に含
まれるRおよびRで表される有機残基とは、例えば
炭素数1〜10の直鎖状、分枝状または環状のアルキル
基、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜
5のハロゲン化(例えば塩素化、臭素化またはフッ素
化)アルキル基、炭素数6〜11の芳香族基等が挙げら
れる。
【0024】これらのうち、炭素数1〜2のアルキル
基、炭素数1〜2のハロゲン化アルキル基、炭素数6〜
8の芳香族基が好適に用いられる。
【0025】前記一般式(2)で表されるオリゴアルキ
レングリコールをスペーサーに有するビニルエーテル類
の代表例としては、特に限定されるわけではないが、具
体的には、2−(ビニロキシエトキシ)エタノール、2
−(ビニロキシイソプロポキシ)エタノール、2−(ビ
ニロキシエトキシ)プロパノール、2−(ビニロキシイ
ソプロポキシ)プロパノール、2−(ビニロキシエトキ
シ)イソプロパノール、2−(ビニロキシイソプロポキ
シ)イソプロパノール、2−(ビニロキシエトキシエト
キシ)エタノール、2−(ビニロキシエトキシイソプロ
ポキシ)エタノール、2−(ビニロキシイソプロポキシ
エトキシ)エタノール、2−(ビニロキシエトキシエト
キシ)プロパノール、2−(ビニロキシエトキシイソプ
ロポキシ)プロパノール、2−(ビニロキシイソプロポ
キシエトキシ)プロパノール、2−(ビニロキシエトキ
シエトキシ)イソプロパノール、2−(ビニロキシエト
キシイソプロポキシ)イソプロパノール、2−(ビニロ
キシイソプロポキシエトキシ)イソプロパノール、2−
(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エタノール、
2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)
エタノール、2−(イソプロペノキシエトキシ)エタノ
ール、2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エタ
ノール、2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエト
キシ)エタノール、2−(イソプロペノキシエトキシエ
トキシエトキシエトキシ)エタノール、ポリエチレング
リコールモノビニルエーテル、ポリプロピレングリコー
ルモノビニルエーテル等の水酸基含有ビニルエーテル
類;1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシ)エタン、
1−クロロ−2−(ビニロキシイソプロポキシ)エタ
ン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシ)プロパ
ン、1−クロロ−2−(ビニロキシイソプロポキシ)プ
ロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシ)イソ
プロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシイソプロポキ
シ)イソプロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシエト
キシエトキシ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシ
エトキシイソプロポキシ)エタン、1−クロロ−2−
(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)エタン、1−ク
ロロ−2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキ
シ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシエ
トキシ)プロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシエト
キシイソプロポキシ)プロパン、1−クロロ−2−(ビ
ニロキシイソプロポキシエトキシ)プロパン、1−クロ
ロ−2−(ビニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)
プロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシエト
キシ)イソプロパン、1−クロロ−2−(ビニロキシエ
トキシイソプロポキシイソ)プロパン、1−クロロ−2
−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)イソプロパ
ン、1−クロロ−2−(ビニロキシイソプロポキシイソ
プロポキシ)イソプロパン、1−クロロ−2−(ビニロ
キシエトキシエトキシエトキシ)エタン、1−クロロ−
2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシエトキシ)
エタン、1−クロロ−2−(イソプロペノキシエトキ
シ)エタン、1−クロロ−2−(イソプロペノキシエト
キシエトキシ)エタン、1−クロロ−2−(イソプロペ
ノキシエトキシエトキシエトキシ)エタン、1−クロロ
−2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシエ
トキシ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシポリエ
トキシ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシポリイ
ソプロポキシ)エタン、1−ブロモ−2−(ビニロキシ
エトキシ)エタン、1−ブロモ−2−(ビニロキシイソ
プロポキシ)エタン、1−ブロモ−2−(ビニロキシエ
トキシ)プロパン、1−ブロモ−2−(ビニロキシイソ
プロポキシ)プロパン、1−ブロモ−2−(ビニロキシ
エトキシ)イソプロパン、1−ブロモ−2−(ビニロキ
シイソプロポキシ)イソプロパン、1−ブロモ−2−
(ビニロキシエトキシエトキシ)エタン、1−ブロモ−
2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)エタン、1
−ブロモ−2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)
エタン、1−ブロモ−2−(ビニロキシイソプロポキシ
イソプロポキシ)エタン、1−ブロモ−2−(ビニロキ
シエトキシエトキシ)プロパン、1−ブロモ−2−(ビ
ニロキシエトキシイソプロポキシ)プロパン、1−ブロ
モ−2−(ビニロキシイソプロポキシエトキシ)プロパ
ン、1−ブロモ−2−(ビニロキシイソプロポキシイソ
プロポキシ)プロパン、1−ブロモ−2−(ビニロキシ
エトキシエトキシ)イソプロパン、1−ブロモ−2−
(ビニロキシエトキシイソプロポキシイソ)プロパン、
1−ブロモ−2−(ビニロキシイソプロポキシエトキ
シ)イソプロパン、1−ブロモ−2−(ビニロキシイソ
プロポキシイソプロポキシ)イソプロパン、1−ブロモ
−2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)エタ
ン、1−ブロモ−2−(ビニロキシエトキシエトキシエ
トキシエトキシ)エタン、1−ブロモ−2−(イソプロ
ペノキシエトキシ)エタン、1−ブロモ−2−(イソプ
ロペノキシエトキシエトキシ)エタン、1−ブロモ−2
−(イソプロペノキシエトキシエトキシエトキシ)エタ
ン、1−ブロモ−2−(イソプロペノキシエトキシエト
キシエトキシエトキシ)エタン、1−ブロモ−2−(ビ
ニロキシポリエトキシ)エタン、1−ブロモ−2−(ビ
ニロキシポリイソプロポキシ)エタン、1−ヨウド−2
−(ビニロキシエトキシ)エタン、1−ヨウド−2−
(ビニロキシイソプロポキシ)エタン、1−ヨウド−2
−(ビニロキシエトキシ)プロパン、1−ヨウド−2−
(ビニロキシイソプロポキシ)プロパン、1−ヨウド−
2−(ビニロキシエトキシ)イソプロパン、1−ヨウド
−2−(ビニロキシイソプロポキシ)イソプロパン、1
−ヨウド−2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エタ
ン、1−ヨウド−2−(ビニロキシエトキシイソプロポ
キシ)エタン、1−ヨウド−2−(ビニロキシイソプロ
ポキシエトキシ)エタン、1−ヨウド−2−(ビニロキ
シイソプロポキシイソプロポキシ)エタン、1−ヨウド
−2−(ビニロキシエトキシエトキシ)プロパン、1−
ヨウド−2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシ)プ
ロパン、1−ヨウド−2−(ビニロキシイソプロポキシ
エトキシ)プロパン、1−ヨウド−2−(ビニロキシイ
ソプロポキシイソプロポキシ)プロパン、1−ヨウド−
2−(ビニロキシエトキシエトキシ)イソプロパン、1
−ヨウド−2−(ビニロキシエトキシイソプロポキシイ
ソ)プロパン、1−ヨウド−2−(ビニロキシイソプロ
ポキシエトキシ)イソプロパン、1−ヨウド−2−(ビ
ニロキシイソプロポキシイソプロポキシ)イソプロパ
ン、1−ヨウド−2−(ビニロキシエトキシエトキシエ
トキシ)エタン、1−ヨウド−2−(ビニロキシエトキ
シエトキシエトキシエトキシ)エタン、1−ヨウド−2
−(イソプロペノキシエトキシ)エタン、1−ヨウド−
2−(イソプロペノキシエトキシエトキシ)エタン、1
−ヨウド−2−(イソプロペノキシエトキシエトキシエ
トキシ)エタン、1−ヨウド−2−(イソプロペノキシ
エトキシエトキシエトキシエトキシ)エタン、1−ヨウ
ド−2−(ビニロキシポリエトキシ)エタン、1−ヨウ
ド−2−(ビニロキシポリイソプロポキシ)エタン等の
ハロゲン含有ビニルエーテル類等が挙げられる。
【0026】これらの内、2−(ビニロキシエトキシ)
エタノール、2−(ビニロキシエトキシエトキシ)エタ
ノール、2−(ビニロキシエトキシエトキシエトキシ)
エタノール、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシ)
エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシエトキ
シ)エタン、1−クロロ−2−(ビニロキシエトキシエ
トキシエトキシ)エタンが好適に用いられる。
【0027】ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)
アクリル酸エステル系重合体の製造方法は、原料および
反応方法により、例えば、 (メタ)アクリル酸系重合体と水酸基含有ビニルエ
ーテル類による方法(製法I); (メタ)アクリル酸ハロゲン化物系重合体と水酸基
含有ビニルエーテル類による方法(製法II); (メタ)アクリル酸無水物系重合体と水酸基含有ビ
ニルエーテル類による方法(製法III); (メタ)アクリル酸アルキルエステル系重合体と水
酸基含有ビニルエーテル類による方法(製法IV); (メタ)アクリル酸系重合体とハロゲン含有ビニル
エーテル類による方法(製法V); (メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩系重合
体とハロゲン含有ビニルエーテル類による方法(製法V
I); に分けられる。以下、各製法に付いて説明する。
【0028】(製法I)(メタ)アクリル酸系重合体と
水酸基含有ビニルエーテル類による製造方法では、酸触
媒の存在下に反応を行うことが好ましい。また、反応に
より生成する水を反応系外へ除去することが好ましい。
【0029】(メタ)アクリル酸系重合体と水酸基含有
ビニルエーテル類の反応初期における比は、特に限定さ
れるものではないが、具体的には、(メタ)アクリル酸
系重合体に含まれる一般式(1)で表される構造単位中
の水酸基1つに対して、水酸基含有ビニルエーテル類が
0.1〜20分子の範囲が好ましく、0.5〜10分子
の範囲がより好ましく、0.8〜6分子の範囲がさらに
好ましい。前記比の範囲が、収率の点および経済性の点
で好ましい。
【0030】上記酸触媒としては、特に限定されるわけ
ではないが、具体的には、硫酸、塩酸、硝酸、リン酸、
ホウ酸等の鉱酸およびその部分中和塩;タングステン
酸、モリブデン酸、タングストケイ酸、モリブドケイ
酸、タングストリン酸、モリブドリン酸等のヘテロポリ
酸およびその部分中和塩;メタンスルホン酸、パラトル
エンスルホン酸等の有機スルホン酸;フッ化ホウ素、塩
化ホウ素、塩化アルミニウム、二塩化スズ、四塩化スズ
等のルイス酸;スルホン酸基およびアルキルスルホン酸
基の少なくとも一種のイオン交換機を有する酸性イオン
交換樹脂;モルデナイト型、X型、Y型、β型、ZSM
−5型等の酸性ゼオライト;等が挙げられる。これらの
酸触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。
【0031】上記酸触媒の使用量は、特に限定されるも
のではないが、具体的には、水酸基含有ビニルエーテル
類に対して、0.001〜30重量%、好ましくは0.
005〜20重量%、さらに好ましくは0.01〜15
重量%、特に好ましくは0.02〜10重量%の範囲内
となるように使用すればよい。前記触媒使用量の範囲
が、収率の点、経済性の点で好ましい。
【0032】上記生成水の除去方法としては、例えば、
減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を用いて反応を行う
方法、乾燥剤の存在下で反応を行う方法等が挙げられ
る。これらの内、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を
用いて反応を行う方法が好ましい。
【0033】上記共沸溶媒については、反応を阻害しな
いものであれば特に制限はなく、具体的には、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロロホルム、塩化メ
チレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等を
挙げることができる。これらの共沸溶媒は、単独でも2
種類以上を併用してもよい。
【0034】上記共沸溶媒の使用量は、特に限定される
ものではなく、具体的には、(メタ)アクリル酸系重合
体と水酸基含有ビニルエーテル類の合計重量の0〜30
0重量%、好ましくは0〜200重量%、さらに好まし
くは0〜150重量%、特に好ましくは0〜100重量
%の範囲内となるように使用すればよい。前記有機溶剤
使用量の範囲が、収率の点および経済性の点で好まし
い。
【0035】上記反応の反応温度は、特に限定されるも
のではないが、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、2
0℃〜130℃の範囲内がさらに好ましく、40℃〜1
20℃の範囲内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定
されるものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであ
ってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するよ
うに、適宜設定すればよい。
【0036】(製法II)(メタ)アクリル酸ハロゲン
化物系重合体と水酸基含有ビニルエーテル類による製造
方法では、塩基触媒の存在下に反応を行うことが好まし
い。
【0037】(メタ)アクリル酸ハロゲン化物系重合体
と水酸基含有ビニルエーテル類の反応初期における比
は、特に限定されるものではないが、具体的には、(メ
タ)アクリル酸ハロゲン化物系重合体に含まれる一般式
(1)で表される構造単位中のハロゲン原子1つに対し
て、水酸基含有ビニルエーテル類が0.1〜20分子の
範囲が好ましく、0.5〜10分子の範囲がより好まし
く、0.8〜6分子の範囲がさらに好ましい。前記比の
範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0038】上記塩基触媒としては、特に限定されるわ
けではないが、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、トルブチルアミン、ピリジ
ン等が挙げられる。これらの塩基触媒は、単独でも2種
類以上を併用してもよい。
【0039】上記塩基触媒の使用量は、特に限定される
ものではないが、具体的には、水酸基含有ビニルエーテ
ル類1モルに対して0.5〜3モル、好ましくは0.6
〜2モル、さらに好ましくは0.7〜1.5モル、特に
好ましくは0.8〜1.3モルの範囲内となるように使
用すればよい。前記触媒使用量の範囲が、収率の点、経
済性の点で好ましい。
【0040】また、該反応は、反応熱が大きいため、反
応の暴走を防ぐ必要がある。反応の防止方法としては、
除熱装置を用いて反応する、原料の一方を連続的あるい
は断続的に添加しながら反応する等の方法がある。これ
らの方法は、単独でも併用してもよい。
【0041】本反応では、溶媒を使用する必要はない
が、反応を阻害しないものであれば使用してもよい。該
溶媒としては特に制限はなく、具体的には、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロ
ロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、ク
ロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メ
チルエチルケトン、アセトニトリル等を挙げることがで
きる。これらの溶媒は、単独でも2種類以上を併用して
もよい。
【0042】上記溶媒の使用量は特に限定されるもので
はなく、具体的には、(メタ)アクリル酸ハロゲン化物
系重合体と水酸基含有ビニルエーテル類の合計重量の0
〜300重量%、好ましくは0〜200重量%、さらに
好ましくは0〜150重量%、特に好ましくは0〜10
0重量%の範囲内となるように使用すればよい。前記有
機溶剤使用量の範囲が、収率の点および経済性の点で好
ましい。
【0043】上記反応の反応温度は、特に限定されるも
のではないが、0℃〜100℃の範囲内が好ましく、1
0℃〜80℃の範囲内がさらに好ましく、15℃〜60
℃の範囲内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定され
るものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであって
もよい。また、反応時間は、上記反応が完結するよう
に、適宜設定すればよい。
【0044】(製法III)(メタ)アクリル酸無水物
系重合体と水酸基含有ビニルエーテル類による製造方法
では、無触媒あるいは塩基触媒の存在下に反応を行うこ
とが好ましい。
【0045】(メタ)アクリル酸無水物系重合体と水酸
基含有ビニルエーテル類の反応初期における比は、特に
限定されるものではないが、具体的には(メタ)アクリ
ル酸無水物系重合体に含まれる一般式(1)で表される
構造単位中の(メタ)アクリル酸無水物1つに対して、
水酸基含有ビニルエーテル類が0.1〜20分子の範囲
が好ましく、0.5〜10分子の範囲がより好ましく、
0.8〜6分子の範囲がさらに好ましい。前記比の範囲
が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0046】上記塩基触媒としては、特に限定されるわ
けではないが、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナトリ
ウム、酢酸カリウム、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、トルブチルアミン、ピリジン等が挙げられる。こ
れらの塩基触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよ
い。
【0047】上記塩基触媒の使用量は、特に限定される
ものではないが、具体的には、水酸基含有ビニルエーテ
ル類1モルに対して0〜1モル、好ましくは0.005
〜0.5モル、さらに好ましくは0.01〜0.3モ
ル、特に好ましくは0.05〜0.2モルの範囲内とな
るように使用すればよい。前記触媒使用量の範囲が、収
率の点、経済性の点で好ましい。
【0048】本反応では、溶媒を使用する必要はない
が、反応を阻害しないものであれば使用してもよい。該
溶媒としては特に制限はなく、具体的には、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロ
ロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、ク
ロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メ
チルエチルケトン、アセトニトリル等を挙げることがで
きる。これらの溶媒は、単独でも2種類以上を併用して
もよい。
【0049】上記溶媒の使用量は特に限定されるもので
はなく、具体的には、(メタ)アクリル酸無水物系重合
体と水酸基含有ビニルエーテル類の合計重量の0〜30
0重量%、好ましくは0〜200重量%、さらに好まし
くは0〜150重量%、特に好ましくは0〜100重量
%の範囲内となるように使用すればよい。前記有機溶剤
使用量の範囲が、収率の点および経済性の点で好まし
い。
【0050】上記反応の反応温度は、特に限定されるも
のではないが、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、2
0℃〜130℃の範囲内がさらに好ましく、40℃〜1
20℃の範囲内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定
されるものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであ
ってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するよ
うに、適宜設定すればよい。
【0051】(製法IV)(メタ)アクリル酸アルキル
エステル系重合体と水酸基含有ビニルエーテル類による
製造方法では、エステル交換触媒の存在下に反応を行う
ことが好ましい。また、反応により生成するアルキルア
ルコールを反応系外へ除去することが好ましい。
【0052】(メタ)アクリル酸アルキルエステル系重
合体と水酸基含有ビニルエーテル類の反応初期における
比は、特に限定されるものではないが、具体的には(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル系重合体に含まれる一
般式(1)で表される構造単位中の(メタ)アクリル酸
アルキルエステル1つに対して、水酸基含有ビニルエー
テル類比が0.1〜20分子の範囲が好ましく、0.5
〜10分子の範囲がより好ましく、0.8〜6分子の範
囲がさらに好ましい。前記比の範囲が、収率の点および
経済性の点で好ましい。
【0053】上記エステル交換触媒としては、特に限定
されるわけではないが、具体的には、酸化カルシウム、
酸化バリウム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム等
の酸化物;水酸化カルシウム、水酸化タリウム、水酸化
スズ、水酸化鉛、水酸化ニッケル等の水酸化物;塩化リ
チウム、塩化カルシウム、塩化スズ、塩化鉛、塩化ジル
コニウム、塩化ニッケル等のハロゲン化物;炭酸カリウ
ム、炭酸ルビジウム、炭酸セシウム、炭酸鉛、炭酸亜
鉛、炭酸ニッケル等の炭酸塩;炭酸水素カリウム、炭酸
水素ルビジウム、炭酸水素セシウム等の炭酸水素塩;リ
ン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸ルビジウム、
リン酸鉛、リン酸亜鉛、リン酸ニッケル等のリン酸塩;
硝酸鉛、硝酸亜鉛、硝酸ニッケル等の硝酸塩;酢酸鉛、
酢酸亜鉛、酢酸ニッケル等のカルボン酸塩;ナトリウム
メトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシ
ド、カリウムエトキシド、カルシウムメトキシド、カル
シウムエトキシド、バリウムメトキシド、バリウムエト
キシド、テトラエトキシチタン等のアルコキシ化合物;
リチウムアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナ
ート、ジルコニアアセチルアセトナート等のアセチルア
セトナート錯体;ジブチルスズオキサイド、ジオクチル
スズオキサイド等が挙げられる。これらのエステル交換
触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよい。
【0054】前記エステル交換触媒の使用量は、特に限
定されるものではないが、具体的には、水酸基含有ビニ
ルエーテル類の0.001〜30重量%、好ましくは
0.005〜20重量%、さらに好ましくは0.01〜
15重量%、特に好ましくは0.02〜10重量%の範
囲内となるように使用すればよい。前記触媒使用量の範
囲が、収率の点、経済性の点で好ましい。
【0055】前記生成アルキルアルコールの除去方法と
しては、例えば、減圧下で反応を行う方法、共沸溶媒を
用いて反応を行う方法、吸着剤の存在下で反応を行う方
法等が挙げられる。これらの内、減圧下で反応を行う方
法、共沸溶媒を用いて反応を行う方法が好ましい。
【0056】前記共沸溶媒については、反応を阻害しな
いものであれば特に制限はなく、具体的には、ジエチル
エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテ
ル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロロホルム、塩化メ
チレン、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン等を
挙げることができる。これらの共沸溶媒は、単独でも2
種類以上を併用して用いてもよい。
【0057】前記共沸溶媒の使用量は特に限定されるも
のではなく、具体的には、(メタ)アクリル酸アルキル
エステル系重合体と水酸基含有ビニルエーテル類の合計
重量の0〜300重量%、好ましくは0〜200重量
%、さらに好ましくは0〜150重量%、特に好ましく
は0〜100重量%の範囲内となるように使用すればよ
い。前記有機溶剤使用量の範囲が、収率の点および経済
性の点で好ましい。
【0058】前記反応の反応温度は、特に限定されるも
のではないが、生成するアルキルアルコールの温度ある
いは共沸温度以上であることが好ましく、具体的には、
40℃〜180℃の範囲内が好ましく、50℃〜170
℃の範囲内がさらに好ましく、60℃〜160℃の範囲
内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定されるもので
はなく、常圧、加圧および減圧の何れであってもよい。
また、反応時間は、上記反応が完結するように、適宜設
定すればよい。
【0059】(製法V)(メタ)アクリル酸系重合体と
ハロゲン含有ビニルエーテル類による製造方法では、塩
基触媒の存在下に反応を行うことが好ましい。
【0060】(メタ)アクリル酸系重合体とハロゲン含
有ビニルエーテル類の反応初期における比は、特に限定
されるものではないが、具体的には(メタ)アクリル酸
系重合体に含まれる一般式(1)で表される構造単位中
の(メタ)アクリル酸1つに対して、ハロゲン含有ビニ
ルエーテル類が0.1〜20の範囲が好ましく、0.5
〜10の範囲がより好ましく、0.8〜6の範囲がさら
に好ましい。前記比の範囲が、収率の点および経済性の
点で好ましい。
【0061】上記塩基触媒としては、特に限定されるわ
けではないが、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、トリメチル
アミン、トリエチルアミン、トルブチルアミン、ピリジ
ン、ピコリン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、コ
リジン、強塩基性イオン交換樹脂等が挙げられる。これ
らの塩基触媒は、単独でも2種類以上を併用してもよ
い。
【0062】上記塩基触媒の使用量は、特に限定される
ものではないが、具体的には、ハロゲン含有ビニルエー
テル類1モルに対して0.5〜6モル、好ましくは0.
6〜5モル、さらに好ましくは0.7〜4モル、特に好
ましくは1〜3モルの範囲内となるように使用すればよ
い。前記触媒使用量の範囲が、収率の点、経済性の点で
好ましい。
【0063】本反応では、溶媒を使用する必要はない
が、反応を阻害しないものであれば使用してもよい。該
溶媒としては特に制限はなく、具体的には、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロ
ロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、ク
ロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メ
チルエチルケトン、アセトニトリル等を挙げることがで
きる。また、触媒としても使用されるピリジン、ピコリ
ン、ルチジン、キノリン、イソキノリン、コリジン等を
溶媒として使用することもできる。これらの溶媒は、単
独でも2種類以上を併用してもよい。
【0064】上記溶媒の使用量は特に限定されるもので
はなく、具体的には、(メタ)アクリル酸系重合体とハ
ロゲン含有ビニルエーテル類の合計重量の0〜300重
量%、好ましくは0〜200重量%、さらに好ましくは
0〜150重量%、特に好ましくは0〜100重量%の
範囲内となるように使用すればよい。前記有機溶剤使用
量の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0065】上記反応の反応温度は、特に限定されるも
のではないが、0℃〜100℃の範囲内が好ましく、1
0℃〜80℃の範囲内がさらに好ましく、15℃〜60
℃の範囲内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定され
るものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであって
もよい。また、反応時間は、上記反応が完結するよう
に、適宜設定すればよい。
【0066】(製法VI)(メタ)アクリル酸アルカリ
(土類)金属塩系重合体とハロゲン含有ビニルエーテル
類による製造方法では、相間移動触媒の存在下に反応を
行うことが好ましい。
【0067】(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属
塩系重合体とハロゲン含有ビニルエーテル類の反応初期
における比は、特に限定されるものではないが、具体的
には(メタ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩系重合
体に含まれる一般式(1)で表される構造単位中の(メ
タ)アクリル酸アルカリ(土類)金属塩1つに対して、
ハロゲン含有ビニルエーテル類が0.1〜30分子の範
囲が好ましく、0.5〜20分子の範囲がより好まし
く、0.8〜10の範囲がさらに好ましい。前記モル比
の範囲が、収率の点および経済性の点で好ましい。
【0068】上記相間移動触媒としては、特に限定され
るわけではないが、具体的には、テトラメチルアンモニ
ウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイ
ド、テトラメチルアンモニウムアイオダイド、テトラエ
チルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウ
ムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイ
ド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチ
ルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウム
アイオダイド、トリメチルエチルアンモニウムクロライ
ド、トリメチルエチルアンモニウムブロマイド、トリメ
チルエチルアンモニウムアイオダイド、トリエチルメチ
ルアンモニウムクロライド、トリエチルメチルアンモニ
ウムブロマイド、トリエチルメチルアンモニウムアイオ
ダイド等の四級アンモニウム塩ハロゲン化物が挙げられ
る。これらの相間移動触媒は、単独でも2種類以上を併
用してもよい。
【0069】上記相間移動触媒の使用量は、特に限定さ
れるものではないが、具体的には、ハロゲン含有ビニル
エーテル類1モルに対して0.0001〜0.5モル、
好ましくは0.0005〜0.1モル、さらに好ましく
は0.001〜0.05モル、特に好ましくは0.00
1〜0.01モルの範囲内となるように使用すればよ
い。前記触媒使用量の範囲が、収率の点、経済性の点で
好ましい。
【0070】本反応では、溶媒を使用する必要はない
が、反応を阻害しないものであれば使用してもよい。該
溶媒としては特に制限はなく、具体的には、ジエチルエ
ーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレン、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、クロ
ロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、ク
ロロベンゼン、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセトン、メ
チルエチルケトン、アセトニトリル等を挙げることがで
きる。また、反応基質であるハロゲン含有ビニルエーテ
ル類を過剰に用いて溶媒として使用することもできる。
これらの溶媒は、単独でも2種類以上を併用してもよ
い。
【0071】上記溶媒の使用量は特に限定されるもので
はなく、具体的には、(メタ)アクリル酸アルカリ(土
類)金属塩系重合体とハロゲン含有ビニルエーテル類の
合計重量の0〜300重量%、好ましくは0〜200重
量%、さらに好ましくは0〜150重量%、特に好まし
くは0〜100重量%の範囲内となるように使用すれば
よい。前記有機溶剤使用量の範囲が、収率の点および経
済性の点で好ましい。
【0072】上記反応の反応温度は、特に限定されるも
のではないが、0℃〜150℃の範囲内が好ましく、1
0℃〜120℃の範囲内がさらに好ましく、20℃〜1
00℃の範囲内が特に好ましい。反応圧力は、特に限定
されるものではなく、常圧、加圧および減圧の何れであ
ってもよい。また、反応時間は、上記反応が完結するよ
うに、適宜設定すればよい。
【0073】前期製法I〜VIのうち、製法IIおよび
VIがビニルエーテル基の導入率の点で好ましく、製法
IおよびIVが経済的な製造の点で好ましい。
【0074】本発明により製造されるビニルエーテル基
を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体
は、前記一般式(3)で表され、式中のR、R、お
よびAは、各々前記一般式(1)、一般式(2)の定義
と同様である。
【0075】本発明にしたがって製造されたビニルエー
テル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重
合体は、反応溶液を精製することによって得ることがで
きる。上記精製手段は特に限定されるものではないが、
製造された(メタ)アクリル酸エステル系重合体の貧溶
媒に再沈殿させる方法、未反応のビニルエーテル類や溶
媒を蒸発させる方法およびGPC分取による方法等によ
って分離・精製することができる。これらの方法は組み
合わせて実施してもよい。
【0076】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに具体的
に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるも
のではない。なお、ビニルエーテル基導入率とは、(メ
タ)アクリル系重合体中の前記一般式(1)で表される
構造単位がビニルエーテル基に転化した割合を表す。ビ
ニルエーテル基導入率の算出にはH−NMRを用い
た。
【0077】参考例1 (アクリル酸/アクリル酸ブチ
ル共重合体の製造) 攪拌装置、温度計、冷却装置、滴下装置および窒素ガス
導入管を取付けた四つ口フラスコにアクリル酸 72.
1g、アクリル酸ブチル 384.5g、AIBN 4.
6g、ベンゼン 1Lを仕込み、窒素ガス気流下55℃
に昇温し、さらに同温度で6時間保持し、重合体を得
た。
【0078】溶媒のベンゼンを減圧下留去し、それをヘ
キサン1Lを用いて再沈殿することにより精製した。重
合体の精製収率は88モル%であった。
【0079】また、HLC−8020型ゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(東ソー(株)製;以下「G
PC」と呼ぶ)により測定した重合体の数平均分子量
(ポリスチレン換算)は9800であった。
【0080】参考例2 (アクリル酸クロライド/アク
リル酸エチル共重合体の製造) 参考例1と同様の装置にアクリル酸クロライド 90.
5g、アクリル酸エチル 300.4g、AIBN 3.
9g、ベンゼン 1Lを仕込み、窒素ガス気流下55℃
に昇温し、さらに同温度で6時間保持し、重合体を得
た。
【0081】溶媒のベンゼンを減圧下留去し、それをヘ
キサン1Lを用いて再沈殿することにより精製した。重
合体の精製収率は83モル%であり、GPCにより測定
した重合体の数平均分子量(ポリスチレン換算)は89
00であった。
【0082】参考例3 (メタクリル酸無水物/メタク
リル酸メチル共重合体の製造) 参考例1と同様の装置にメタクリル酸無水物 77.1
g、メタクリル酸メチル250.3g、AIBN 3.
3g、ベンゼン 2Lを仕込み、窒素ガス気流下55℃
に昇温し、さらに同温度で6時間保持し、重合体を得
た。
【0083】溶媒のベンゼンを減圧下留去し、それをヘ
キサン2Lを用いて再沈殿することにより精製した。重
合体の精製収率は72モル%であり、GPCにより測定
した重合体の数平均分子量(ポリスチレン換算)は91
00であった。
【0084】実施例1 (製法Iによる一般式(3)で
表される構造単位を有する重合体の製造) 攪拌装置、温度計およびDean−Starkトラップ
を取付けた500ml四つ口フラスコに、2−(ビニロ
キシエトキシ)エタノール 66.1g、参考例1で製
造したアクリル酸/アクリル酸ブチル共重合体(共重合
モル比;アクリル酸/アクリル酸ブチル=1/3)11
4.1g、パラトルエンスルホン酸一水和物 0.33
gおよび共沸溶媒としてのトルエン100mlを添加
し、攪拌混合しながら還流条件まで昇温した。該反応溶
液を還流条件下で5時間攪拌を続けた。溶媒のトルエン
を減圧下留去し、それをヘキサン 500mlを用いて
再沈殿することにより精製した。ビニルエーテル基導入
率は5モル%であった。
【0085】実施例2 (製法IIによる一般式(3)
で表される構造単位を有する重合体の製造) 攪拌装置、冷却装置、温度計および滴下装置を取付けた
500ml四つ口フラスコに、参考例2で製造したアク
リル酸クロライド/アクリル酸エチル共重合体(共重合
モル比;アクリル酸クロライド/アクリル酸エチル=1
/3)97.7g 、トリエチルアミン 50.6gおよ
び溶媒としての塩化メチレン70mlを添加し、室温で
攪拌混合した。該反応溶液中に2−(ビニロキシエトキ
シ)エタノール 66.1gの塩化メチレン溶液30m
lを室温で1時間かけて滴下した後、さらに2時間攪拌
を続けた。溶媒の塩化メチレンを減圧下留去し、それを
ヘキサン 500mlを用いて再沈殿することにより精
製した。ビニルエーテル基導入率は26モル%であっ
た。
【0086】実施例3 (製法IIIによる一般式
(3)の構造単位を有する重合体の製造) 攪拌装置、冷却装置、温度計および滴下装置を取付けた
500ml四つ口フラスコに、参考例3で製造したメタ
クリル酸無水物/メタクリル酸メチル共重合体(共重合
モル比;メタクリル酸無水物/メタクリル酸メチル=1
/5)163.7gおよび溶媒としてトルエン150m
lを添加し、攪拌下70℃に昇温した。該溶液中に2−
(ビニロキシエトキシ)エタノール 66.1gを2時
間かけて滴下した。該反応溶液を95℃まで昇温し、該
温度で2時間攪拌を続けた。溶媒のトルエンを減圧下留
去し、それをヘキサン500mlを用いて再沈殿するこ
とにより精製した。ビニルエーテル基導入率は13モル
%であった。
【0087】実施例4 (製法IVによる一般式(3)
で表される構造式を有する重合体の製造) 実施例1と同様の装置に、2−(ビニロキシエトキシ)
エタノール 132.2g、数平均分子量10300の
ポリアクリル酸エチル50.2g、ジブチルスズオキサ
イド 1.32gおよび溶媒としてトルエン100ml
を添加し、攪拌混合しながら還流条件まで昇温した。該
反応溶液を還流条件下で6時間攪拌を続けた。溶媒のト
ルエンを減圧下留去し、それをヘキサン500mlを用
いて再沈殿することにより精製した。ビニルエーテル基
導入率は17モル%であった。
【0088】実施例5 (製法IVによる一般式(3)
で表される構造単位を有する重合体の製造) ポリアクリル酸エチルを数平均分子量9900のポリメ
タクリル酸メチル50.2gとした以外は実施例4と同
様の操作を行った。ビニルエーテル基導入率は19モル
%であった。
【0089】実施例6 (製法Vによる一般式(3)で
表される構造単位を有する重合体の製造) 攪拌装置、冷却装置、温度計および滴下装置を取付けた
500ml四つ口フラスコに、参考例1で製造したアク
リル酸/アクリル酸ブチル共重合体(共重合モル比;ア
クリル酸/アクリル酸ブチル=1/3)114.1g、
γ−コリジン121.1gを添加し、室温で攪拌混合し
た。該反応溶液に1−クロロ−2−(ビニロキシエトキ
シ)エタン 75.3gを室温で1時間かけて滴下した
後、さらに6時間攪拌を続けた。反応溶液をヘキサン2
Lを用いて再沈殿することにより精製した。ビニルエー
テル基導入率は15モル%であった。
【0090】実施例7 (製法VIによる一般式(3)
の構造単位を有する重合体の製造) 攪拌装置、冷却装置、温度計および滴下装置を取付けた
300ml四つ口フラスコに、1−クロロ−2−(ビニ
ロキシエトキシ)エタン 225.9g、数平均分子量
8500のポリアクリル酸ナトリウム 47.0g、テ
トラブチルアンモニウムクロライド 0.42gを添加
し、攪拌混合しながら還流条件まで昇温した。該反応溶
液を還流条件下で6時間攪拌を続けた。反応溶液をヘキ
サン2Lを用いて再沈殿することにより精製した。ビニ
ルエーテル基導入率は22モル%であった。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、ビニルエーテル基を側
鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体を収率
良く製造することができ、また、側鎖のビニルエーテル
基の重合性を充分に発揮できる。
【0092】本発明により得られるビニルエーテル基を
側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体は、
医農薬原料、合成中間体、架橋剤、粉体塗料用樹脂、さ
らに重合性材料として接着剤、粘着剤、生体材料、歯科
材料、光学部材、情報記録材料、光ファイバー用材料、
レジスト材料、絶縁体、封止材、印刷インキ、塗料、注
型材料、化粧板、WPC、被覆材、ライニング材、土木
建築材料、パテ、補修材、床材、舗装材ゲルコート、オ
ーバーコート、ハンドレイアップ・スプレーアップ・引
抜成形・フィラメントワインディング・SMC・BMC
等の成形材料、シート等の用途に広範囲に用いられる有
用な化合物である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J031 AA19 AA53 AC03 AC04 AC05 AE11 AF03 AF10 AF12 AF13 AF17 AF28 4J100 AE09Q AE10Q AJ02P AK13P AK31P AK38P AL03P BA03Q BA04Q BA06Q BA08Q BA15H BB01Q BB03Q BB05Q CA04 CA31 HA11 HA61 HA62 HC13 JA01 JA03 JA32 JA51 JA67

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1): 【化1】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Zは−
    OH基、ハロゲン原子、−OR基(Rは有機残基を
    表す)、−OM基(Mはアルカリ(土類)金属を表す)
    またはCH=CRCOO−基を表す)で表される構
    造単位を有する(メタ)アクリル系重合体と、下記一般
    式(2): R−CH=CH−(OA)n−X (式中、Rは水素原子または有機残基を表し、Aは−
    CHR4CHR5−基(R およびRはそれぞれ独立し
    て水素原子または有機残基を表す)を表し、複数個のA
    は同一でも異なっていてもよく、複数個のオキシアルキ
    レン基(OA)が2種以上のオキシアルキレン基で構成
    される場合の結合形式はブロックまたはランダムのいず
    れでもよい。nは2以上の正数を表し、Xは−OH基ま
    たはハロゲン原子を表す。)で表されるビニルエーテル
    類とを反応させることを特徴とする下記一般式(3): 【化2】 (式中、Rは水素原子またはメチル基を表し、R
    水素原子または有機残基を表し、Aは−CHR4CHR5
    −基(RおよびRはそれぞれ独立して水素原子また
    は有機残基を表す)を表し、複数個のAは同一でも異な
    っていてもよく、複数個のオキシアルキレン基(OA)
    が2種以上のオキシアルキレン基で構成される場合の結
    合形式はブロックまたはランダムのいずれでもよい。n
    は2以上の正数を表す。)で表される構造単位を有する
    ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エ
    ステル系重合体の製造方法。
JP2001059510A 2001-03-05 2001-03-05 ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法 Pending JP2002256076A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001059510A JP2002256076A (ja) 2001-03-05 2001-03-05 ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001059510A JP2002256076A (ja) 2001-03-05 2001-03-05 ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002256076A true JP2002256076A (ja) 2002-09-11

Family

ID=18919063

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001059510A Pending JP2002256076A (ja) 2001-03-05 2001-03-05 ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002256076A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007142279A1 (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Tohcello Co., Ltd. 不飽和カルボン酸変性ビニルアルコール系重合体の製造方法及びこれを用いたガスバリア性膜若しくはガスバリア性積層体
JP2013010726A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd 多官能(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
WO2016063719A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 Dic株式会社 含フッ素熱分解性樹脂、レジスト組成物、カラーフィルター保護膜用組成物、レジスト膜及びカラーフィルター保護膜
CN106748749A (zh) * 2016-11-10 2017-05-31 万华化学集团股份有限公司 一种分离丙烯酸叔丁酯反应液中三异丁烯的方法

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007142279A1 (ja) * 2006-06-02 2007-12-13 Tohcello Co., Ltd. 不飽和カルボン酸変性ビニルアルコール系重合体の製造方法及びこれを用いたガスバリア性膜若しくはガスバリア性積層体
US8809490B2 (en) 2006-06-02 2014-08-19 Tohcello Co., Ltd. Method for producing unsaturated carboxylic acid-modified vinyl alcohol polymer, and gas barrier film or gas barrier laminate using the same
JP2013010726A (ja) * 2011-06-30 2013-01-17 Mitsubishi Rayon Co Ltd 多官能(メタ)アクリル酸エステルの製造方法
WO2016063719A1 (ja) * 2014-10-24 2016-04-28 Dic株式会社 含フッ素熱分解性樹脂、レジスト組成物、カラーフィルター保護膜用組成物、レジスト膜及びカラーフィルター保護膜
JP6025008B2 (ja) * 2014-10-24 2016-11-16 Dic株式会社 含フッ素熱分解性樹脂、レジスト組成物、カラーフィルター保護膜用組成物、レジスト膜及びカラーフィルター保護膜
JPWO2016063719A1 (ja) * 2014-10-24 2017-04-27 Dic株式会社 含フッ素熱分解性樹脂、レジスト組成物、カラーフィルター保護膜用組成物、レジスト膜及びカラーフィルター保護膜
KR20170072185A (ko) * 2014-10-24 2017-06-26 디아이씨 가부시끼가이샤 함불소 열분해성 수지, 레지스트 조성물, 컬러 필터 보호막용 조성물, 레지스트막 및 컬러 필터 보호막
KR102338701B1 (ko) 2014-10-24 2021-12-14 디아이씨 가부시끼가이샤 레지스트 조성물, 컬러 필터 보호막용 조성물, 레지스트막 및 컬러 필터 보호막
CN106748749A (zh) * 2016-11-10 2017-05-31 万华化学集团股份有限公司 一种分离丙烯酸叔丁酯反应液中三异丁烯的方法
CN106748749B (zh) * 2016-11-10 2019-06-18 万华化学集团股份有限公司 一种分离丙烯酸叔丁酯反应液中三异丁烯的方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3544658B2 (ja) 反応性希釈剤組成物及び硬化性樹脂組成物
US6767980B2 (en) Reactive diluent and curable resin composition
JP3801888B2 (ja) ビニルエーテル基含有(メタ)アクリル酸エステル類の製造方法並びにビニルエーテル基ペンダントラジカル重合体および架橋体
JP2006151953A (ja) ウレタン結合含有ジオール(メタ)アクリレート化合物、その製造方法、及びその重合体
JP4803331B2 (ja) (メタ)アクリレート樹脂、その製造方法、硬化性樹脂組成物、その硬化物、及びプラスチックレンズ
JP2009040811A (ja) 重合性組成物及びその重合物
JP2002256076A (ja) ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法
JP5496534B2 (ja) α−(不飽和アルコキシアルキル)アクリレートの製造方法
JP3631460B2 (ja) 新規なジ(メタ)アクリル酸エステルおよびその(共)重合体
JP2019119715A (ja) 多官能(メタ)アクリレート及びネットワークポリマーの製造方法。
WO1998036000A1 (fr) Copolymere modifie, procede d'elaboration et composition de resine durcissable
JP4597145B2 (ja) 活性エネルギー線重合開始剤、それを含有する重合性組成物及びその硬化物
JP2002256022A (ja) (メタ)アクリロイル基を側鎖に有するビニルエーテル系重合体の製造方法
JP3315562B2 (ja) 硬化性樹脂組成物
JPH1072404A (ja) ソルビトールの(メタ)アクリル酸エステル及びその製法
JP2002256020A (ja) ビニルエーテル基を側鎖に有する(メタ)アクリル酸エステル系重合体の製造方法
JP2514455B2 (ja) 分子内に二重結合と三重結合を含有するカ―ボネ―ト化合物
JP2004231704A (ja) 硬化型組成物
JP2011178863A (ja) 活性エネルギー線硬化性組成物、硬化性樹脂組成物及び硬化物
JP2008308420A (ja) 脂環式エポキシ基とビニルエーテル基を有するカルボン酸エステル化合物及び該エステル化合物の製造方法
JP3654993B2 (ja) アクリル酸系誘導体およびその製造方法並びにアクリル酸系重合体
JP2001288223A (ja) (メタ)アクリル酸エステル類およびその製造方法並びに(メタ)アクリル酸エステル系重合体
JP2004143109A (ja) (メタ)アクリル酸エステルおよびそのポリマー
JP3831822B2 (ja) プロペニル基含有アクリル又はメタクリル化合物
JP3312806B2 (ja) (メタ)アクリル酸テトラヒドロベンジルの製造方法