JP5403484B2 - アントラセン二量体骨格を有する新規なエポキシアクリレート化合物及びその製造法 - Google Patents

アントラセン二量体骨格を有する新規なエポキシアクリレート化合物及びその製造法 Download PDF

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Description

本発明は、高屈折を有する高分子材料用のモノマーとして有用な、アントラセン二量体骨格を有する新規なエポキシアクリレート化合物及びその製造法に関する。
本発明のアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物は、その基本骨格としてアントラセンが9,10の位置で二量化した構造を持つ。アントラセンは光照射によりπ−π*励起し、この励起したシングレット状態のアントラセンと基底状態のアントラセンとが中央のベンゼン環部において付加環状二量化して、トリシクロ環を形成することが知られている(非特許文献1など)。
また、アントラセンの種々の置換体についてもその二量化反応又はその二量体が知られている。アントラセンの1位にメチル基、クロル原子、カルボキシ基が置換したもの、2位にメチル基、カルボキシ基が置換したもの、1位と4位にクロル原子とメチル基が置換したもの、1位と9位にクロル原子とブロム原子が置換したもの、9位にブロム原子、カルボキシ基、メチル基、エチル基、ホルミル基、カルボメトキシ基が置換したものが知られている(非特許文献2など)。しかし、本発明の化合物について合成された例は無い。
本発明のアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物は、高屈折性を有する芳香族多環化合物であり、かつラジカル重合性基を持つ重合可能な化合物である。そして、この化合物の重合物もまた同様に高屈折率を有し、特に光学分野で有用な化合物として期待される。
最近光学分野においてガラス代替材料としてプラスチックが盛んに用いられている。たとえば、ポリカーボネートやポリメチルメタクリレートなどがよく知られている。これらプラスチック材料は、軽量性、安全性、意匠性を有している反面、屈折率の面では無機ガラスより低く、分厚くなりやすいという欠点がある。そこで、近年、高屈折率材料に対する要望が高くなってきている。特に、高屈折率プラスチック材料の光学用物品への進出は著しく、液晶ディスプレイ用パネル、カラーフィルター、眼鏡レンズ、フレネルレンズ、レンチキュラーレンズ、TFT用のプリズムレンズシート、非球面レンズ、光ディスク、ホログラム、光ファイバー、光道波路等への検討が盛んに行われている。
プラスチックの屈折率とその原料となるモノマーの屈折率とは正の相関関係にあり、高屈折率のプラスチックを得るためには高分子を構成するモノマー部分が高屈折率を有するものであることが必要である。
モノマーとしての有機化合物の屈折率を高くする方法としては、分子構造中にハロゲン原子(フッ素を除く)や硫黄原子さらには芳香環を導入することが有用であることは既に良く知られている。
たとえば、ハロゲン原子の有する高い固有屈折率を利用し、ビフェニル骨格にハロゲン原子を導入した高屈折率重合体が報告されている(特許文献1)。しかし、ハロゲン化によって、耐光性が著しく劣化し、また、高比重であるという欠点があった。また、ハロゲン以外に高い固有屈折率を有する硫黄原子を有する単量体組成物も報告されている(特許文献2)。しかし、これらは高い屈折率、優れた耐衝撃性を有するものの、得られたポリマーの耐光性が著しく劣り、硫黄特有の不快臭が問題となる欠点があった。また、これらを用いたプラスチックが廃棄物として処理されるとき、有害なガスや化合物を生じることが懸念される。
一方、芳香環の導入に関してはこれまで、ベンゼン環、ビフェニル環を有する高屈折率材料が知られており、これらは、軽く透明性にすぐれ、バランスの良い高屈折率材料となる(特許文献3など)。しかし、これらベンゼン環、ビフェニル環を用いた場合、モノマーの屈折率として1.6を超えるものを得ることは困難であった。また、さらに高い屈折率を得るため、芳香族を含む多環化合物であるアントラセン骨格、フルオレン骨格の導入も検討されている(特許文献4)。また、アントラセン基やフルオレン基など芳香族を含む多環化合物基を高分子反応によりポリマーに導入する試みもなされている(特許文献5)。
しかしながら、アントラセン基やフルオレン基の導入により比較的高い屈折率をもつポリマーが得られるが、フルオレン基を導入した場合は、紫外領域に吸収があり、光照射により着色しやすくなり、耐光性に問題が出てくる。またアントラセン基を導入した場合はアントラセン基が蛍光を発するため、光学材料分野での適用は困難である等の問題がある。
よって、高屈折率を有する芳香族多環化合物であり、アントラセン基やフルオレン基にみられるような紫外域の吸収や蛍光の問題が無い透明性にすぐれた化合物基を持つ重合可能なモノマーの開発が望まれている。
特開平05−170702号公報 特開2002−20433号公報 特開2003−064296号公報 特開2004−083855号公報 特開2006−312709号公報
「有機光化学反応」、Robert O.Kan著、中田 尚男翻訳、出版社丸善、1968年、p161〜164 「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサエティー(J.Am.Chem.Soc.)、(米国)、1955年、77巻、p.3853
本発明者らは、かかる状況に鑑み、これらの欠点を排除した技術を提供すべく鋭意検討した結果、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明の目的は、高い屈折率を有し、かつ紫外域の吸収や蛍光の問題が無い透明性に優れ、かつ重合可能である新規なエポキシアクリレート化合物及びその製造方法を提供することである。
本発明者らが上記目的を達成するために提供する第一の発明は、下記の一般式(1)で示されるアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物を骨子とするものである。
一般式(1)において、R及びRは水素原子又はメチル基のいずれかを示し、X、X、Y及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。
また、第二の発明は、一般式(2)に示される9−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]アントラセン化合物を光二量化することを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物の製造法を骨子とするものである。
一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。
また、第三の発明は、下記の一般式(3)に示されるアントラセン二量体骨格を有するジグリシジルオキシ化合物をアクリル酸又はメタクリル酸と反応させることを特徴とする、アントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物の製造法を骨子とするものである。
一般式(3)において、X、X、Y及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。
本発明の記述において、(メタ)アクリロイルとは、アクリロイル又はメタクリロイルを表し、(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを表す。また、アントラセン二量体骨格とは、下記構造式(4)の骨格を表す。また、エポキシアクリレート化合物とは、エポキシ基を有する化合物と(メタ)アクリル酸の反応により生成するアクリレート化合物を表す。
本発明は、以下に詳細に記述するとおりであり、次のような特別に有利な効果を奏し、その産業上の利用価値は極めて大である。本発明におけるアントラセン二量体骨格を有する新規なエポキシアクリレート化合物は、高屈折率を有し、かつ300nmから700nmまでの紫外吸収が無く、透明性に優れた化合物である。そして、当該アントラセン二量体骨格を有する新規なエポキシアクリレート化合物は重合可能であり、その重合物は、高屈折率で透明性が高く光学材料として有用である。
図1は、本発明のアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物のUVスペクトルである。300nmから700nmまでの紫外域に吸収が無いことが示されている。 図2は、アントラセン骨格を有するエポキシアクリレート化合物のUVスペクトルである。360nmから410nmまでの紫外域にアントラセン骨格特有の吸収を持っていることが示されている。
以下、本発明を詳細に記述する。本発明のアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物は、下記一般式(1)に示す構造を有する。
一般式(1)において、R及びRは水素原子又はメチル基のいずれかを示し、X、X、Y及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。
一般式(1)において、X、X、Y及びYで示されるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、アミル基、2−エチルヘキシル等が挙げられ、ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子,臭素原子、ヨウ素原子が挙げられ、アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基,n―プロポキシ基,n−ブトキシ基、n−ヘキシルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基等が挙げられ、アリールオキシ基としては、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、o−メチルフェノキシ基、p−クロロフェノキシ基、o−クロロフェノキシ基等が挙げられ、アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチリチオ基等が挙げられ、アリールチオ基としては、フェニルチオ基、トリルチオ基、ナフチルチオ基等が挙げられる。
一般式(1)で示される化合物としては、例えば、次のものが挙げられる。すなわち、下記構造式(1−1)の化合物である9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン及び構造式(1−2)の化合物である9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセンが挙げられる。

また、アントラセン二量体骨格にアルキル基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジメチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジメチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジエチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジエチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,3,18,19−テトラメチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,3,18,19−テトラメチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,3,18,19−テトラエチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,3,18,19−テトラエチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
そして、アントラセン二量体骨格にアリール基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジフェニル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジフェニル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジナフチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジナフチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
そしてまた、アントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジクロロ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジクロロ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジブロモ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジブロモ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、アントラセン二量体骨格にアルコキシ基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジメトキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジメトキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジエトキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジエトキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、アントラセン二量体骨格にアリールオキシ基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジフェノキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジフェノキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジナヒチルオキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジナフチルオキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、アントラセン二量体骨格にアルキルチオ基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジメチルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジメチルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジエチルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジエチルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
また、アントラセン二量体骨格にアリールチオ基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジフェニルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジフェニルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジナフチルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−2,18−ジナフチルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
これらのアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物は高い屈折率を有することが特徴である。芳香環を含むアクリレートモノマーでも屈折率が1.62を超えることは一般的に極めて困難である。たとえば、ビフェニル骨格を有する化合物の場合、1.57程度であり、フルオレン骨格を有する化合物も1.61程度である。本発明の化合物は硫黄原子や、ハロゲン原子を導入することなく、1.62以上の屈折率を達成しうるものであり、炭素、酸素、水素等の環境に優しい原子のみで構成されている点も注目されるものである。
また、これらアントラセン二量体構造を有するエポキシアクリレート化合物は、その二量体形成の前駆体であるアントラセン化合物が360nmから410nmにUV吸収を示すのに対し、300nmから長波長側には全くUV吸収が認められない。これは、光二量化反応におけるアントラセン骨格の消失とベンゼン骨格の出現により、前駆体である単量体のアントラセン骨格に起因する360nmから410nmの間の三つの吸収及び260nmの吸収が消失し、ベンゼン骨格に起因する200nm付近の吸収のみ現れるからである。
よって、当該アントラセン二量体構造を有するエポキシアクリレート化合物を重合したポリマーは、アントラセン骨格やフルオレン骨格を含むポリマーで問題となる紫外域の吸収や蛍光の問題が無く、透明性に優れた光学材料として有望なポリマー材料となりうることが期待される。
さらに、本願出願のアントラセン二量体構造を有するエポキシアクリレート化合物は水酸基を有する化合物であり、水酸基に特有の性質である、フィルム化した際の基材への密着性向上や、レジスト材料に使用した場合、アルカリによって容易に可溶化することが期待される。
(製造方法)
一般式(1)で表わされる、本発明のアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物は、一般式(2)に示す9−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]アントラセン化合物を光二量化することにより得ることが出来る。
一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。
一般式(2)で示される9−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]アントラセン化合物としては,例えば,次の化合物が挙げられる。すなわち、9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン及び9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンが挙げられる。
さらには、アントラセン骨格にアルキル基が置換した、2−メチル−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−エチル−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−エチル−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−(t−ブチル)−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−(t−ブチル)−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン骨格にアリール基が置換した、2−フェニル−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−フェニル−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−ナフチル−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−ナフチル−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン骨格にハロゲン原子が置換した、2−クロロ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−クロロ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−ブロモ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−ブロモ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン骨格にアルコキシ基が置換した、2−メトキシ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−メトキシ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−エトキシ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−エトキシ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン骨格にアリールオキシ基が置換した、2−フェノキシ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−フェノキシ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−ナフトキシ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−ナフトキシ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン骨格にアルキルチオ基が置換した、2−メチルチオ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−メチルチオ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−エチルチオ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−エチルチオ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン骨格にアリールチオ基が置換した、2−フェニルチオ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−フェニルチオ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−ナフチルチオ−9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン、2−ナフチルチオ−9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン等である。
これらの9−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]アントラセン化合物の光二量化は、一分子のアントラセン化合物が光によりπ−π*励起され、その励起分子が基底状態のもう一分子のアントラセン化合物と反応することにより起こる。このときアントラセン化合物の中央の環のジエン部分同士がその末端で両方同時に結合を生じ、環状付加体を形成する。いわゆる[4+4]の環状付加反応を起こす。この反応は、熱では禁制であり、光によって許容される反応である。当該反応により、ベンゼン環が四つ付いたトリシクロ化合物が生じる。このときアントラセン骨格の9の位置に置換基があると、両方のアントラセン環の近づく面の組み合わせによって、置換基が同方向に向く「syn型」と別方向に向く「anti型」が生成する可能性がある。置換基の種類によって、選択性は異なる。二量体を生ずるときの遷移状態での電子的な効果あるいは立体的な効果によって決定される。一般的には、「anti型」が主に生成するといわれている。
この9,10位以外の位置に置換基を有するアントラセンの場合、二量体を形成するときのその置換基の二分子間の立体的な関係により、その置換基が生成した二量体において同方向に向いている「Head−to−Head型」になるか、反対方向を向く「Head−to−Tail型」になるかの選択性が出ると考えられる。本発明の場合、X,Yの置換基の種類によりその選択性は異なり、混合物となる可能性が高いと推測される。
第一反応の光二量化に使用される光源としては、350〜420nmの波長領域の光を照射できる光源であれば良く、特に種類は問わない。使用できる光源としては,高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、紫外線LED、青色LD(レーザーダイオード)、フュージョン社製のH−バルブ、D−バルブ、V―バルブが挙げられる。また、太陽光の使用も可能である。
反応温度は、−20℃から80℃で行うことが好ましい。さらに好ましくは、0℃から20℃である。この範囲より低温になると反応速度が遅く実用的ではなく、高温になると逆反応が進行したり、または重合物の生成が起こる可能性があり好ましくない。反応時間は、照射強度、反応物の濃度、反応温度等にもよるが5分〜50時間である。反応は、バッチ式で行うことが出来、流通式で行うことも出来る。
光二量化反応は、光が透過しうる状態であれば可能であって、溶融状態でもまた溶媒中で実施してもよい。一般的には溶媒中で実施される。溶媒としては、照射光の光吸収を妨げなければ特に種類を選ばない。例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール等のアルコール系の溶媒、テトラヒドロフラン、1,4ージオキサン等のエーテル系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香属系溶媒、酢酸、プロピオン酸、酪酸等の有機酸系溶媒が好適に使用できる。
溶媒を使用する際のアントラセン化合物の濃度は、化合物の溶解度によるができる限り高いほうが望ましい。通常は1wt%から50wt%程度の濃度で反応させるのが良い。望ましくは5wt%から20wt%である。反応濃度が1wt%未満では、反応速度が遅く、二量化に時間がかかりすぎ、また、50wt%を超えると未溶解の原料が生成物の二量化物に混じるので、生成物の純度が低下し何れも好ましくない。
当該光二量化反応において、アクリル基の重合反応を防止するために重合禁止剤を存在させてもよい。重合禁止剤としては、ハイドロキノン、4−メトキシフェノール、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルなどが用いられる。重合禁止剤の添加量としては、アントラセン化合物に対して0.01〜1重量%添加するのが好ましい。
光照射後,反応液中の溶媒を減圧留去し、得られた固体を溶媒から再結晶することによりアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物を単離することができる。
さらに、光二量化反応の原料となる、一般式(2)によって表わされる9−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]アントラセン化合物の製造法について述べる。
一般式(2)に示す9−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]アントラセン化合物は、通常、対応するアントロン化合物を出発原料として、まず第二反応でエピクロロヒドリン又はエピブロモヒドリン等のエピハロヒドリン化合物と反応させ一般式(5)の9−グリシジルオキシアントラセン化合物とし、次いで第三反応でアクリル酸もしくはメタクリル酸と反応させることにより得ることができる。
第二反応は、塩基存在下、アントロン化合物とエピハロヒドリンを有機溶媒中加熱することにより行う。第二反応で用いられるエピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンが挙げられる。このうち好ましくは、入手の容易さ、価格の安価さからエピクロロヒドリンが用いられる。
第二反応で用いられる塩基としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物、ピリジン、ピペリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルアミン、アンモニア水等アミン系化合物が挙げられるが、このうちでより好ましいものは水酸化ナトリウムである。
溶媒としては特に限定されないが、反応原料であるアントロン化合物や塩基を一定量溶かすものであればよい。代表的溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒、メタノール、エタノール、エチレングリコール等のアルコール系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、アセトニトリル、プロピルニトリル等のニトリル系溶媒が挙げられる。中でも、塩基がかせいそーだ水酸化ナトリウムの場合はメタノールが溶媒として好適に用いられる。
反応温度は、0℃以上、120℃以下が好ましく、より好ましくは50℃以上80℃以下の範囲である。0℃より低い温度では反応が遅く、反応の終了に時間がかかりすぎ、120℃より高い温度では生成物中に不純物が多くなりいずれも好ましくない。
エピハロヒドリンとの反応において、エピハロヒドリンはアントロン化合物に対して1モルから2モル倍使用する。1モル倍未満では、アントロン化合物が未反応で残り、2モル倍を超えると、エピハロヒドリン由来の副反応物が増えて生成物の純度が低下し好ましくない。通常は、1.1モル倍から1.5モル倍使用する。
上記に示した第二反応で得られる一般式(5)の9−グリシジルオキシアントラセン化合物の代表的な例としては、たとえば、9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−メチル−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−エチル−9−(2−グリシジルオキシ)シアントラセン、2−(t−ブチル)−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−アミル−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−クロル−9−(2−グリシジルキシ)アントラセン、2−ブロモ−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−メトキシ−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−エトキシ−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−フェノキシ−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−ナフトキシ−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−メチルチオ−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−エチルチオ−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン、2−フェニルチオ−9−(2−グリシジルオキシ)アントラセン等が挙げられる。
次いで、第二反応で得られた一般式(5)の9−グリシジルオキシアントラセン化合物をアクリル酸もしくはメタクリル酸と反応させる第三反応により、一般式(2)に示す9−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]アントラセン化合物を合成することができる。
一般式(5)の9−グリシジルオキシアントラセン化合物に対する、アクリル酸又はメタクリル酸の付加反応において用いられる触媒としては、例えば、トリエチルアミン、ジブチルアミンなどの有機塩基を用いることができる。また特開昭59−70642によれば、4級アンモニウム塩が触媒効果を持つことが示されている。
本反応に用いられる9−グリシジルオキシアントラセン化合物のアクリル酸またはメタクリル酸による付加反応におけるこれら触媒の効果について鋭意検討した結果、活性および選択性の両面から、4級アンモニウム塩および4級ホスオニウム塩が本反応に適していることを見いだした。4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロマイド等が挙げられ、4級ホスホニウム塩としては、トリブチルメチルホスホニウムアイオダイド、トリブチルオクチルホスホニウムブロマイド、トリブチルヘキサデイシルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。
用いられるオニウム塩の量は、9−グリシジルオキシアントラセン化合物に対して0.3モル%以上、30モル%以下が好ましい。より好ましくは1モル%以上、10モル%以下である。0.3モル未満であれば、反応速度が遅く反応時間がかかりすぎ、30モル%を越えると生成物の純度が低くなり、いずれも好ましくない。
9−グリシジルオキシアントラセン化合物に対するアクリル酸又はメタクリル酸の付加反応において用いられる溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等などのケトン系溶媒、トルエン、キシレン、クロルベンゼン等の芳香族系溶媒、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒など各種の溶媒が用いられる。
9−グリシジルオキシアントラセン化合物に対するアクリル酸又はメタクリル酸の添加量は1モル倍以上5モル倍以下が好ましい。より好ましくは1.2モル倍以上2モル倍以下である。1モル倍未満であれば、未反応のジグリシジルエーテル化合物が残り、また、5モル倍を超えると副生物が生成しやすくなり、いずれも好ましくない。
反応温度は50℃から150℃の間で行うのが好ましい。より好ましくは70℃から120℃の範囲である。50℃未満では反応時間がかかりすぎ、また、150℃を超えるとアクリル酸またはメタクリル酸の重合が進み、いずれも好ましくない。
反応は、窒素雰囲気下で実施することが好ましい。空気雰囲気下では、反応液が着色しやすく、生成物の色調が悪化するので好ましくない。
また、一般式(1)に示すアントラセン骨格を有するエポキシアクリレート化合物を合成するための別法として、第二反応の生成物である一般式(5)で示される9−グリシジルオキシアントラセン化合物を、まず光二量化して一般式(6)で示されるアントラセン骨格を有するジグリシジルオキシ化合物を合成(第四反応)した後、アクリル基又はメタクリル基を導入(第五反応)し、一般式(1)で表わされるアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物を得ることもできる。
一般式(5)で示される9−グリシジルオキシアントラセン化合物の光二量化反応は、一般式(2)で示される9−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]アントラセン化合物の光二量条件と同様の条件で行うことができる。
一般式(5)で示される9−グリシジルオキシアントラセン化合物の光二量化反応で得られた一般式(6)で示されるアントラセン二量体骨格を有するジグリシジルオキシ化合物としては、たとえば次のものが挙げられる。
すなわち、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、また、アントラセン二量体骨格にアルキル基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジメチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジエチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジ(t−ブチル)−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジアミル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン二量体骨格にアリール基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジフェニル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジナフチル−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン二量体骨格にハロゲン原子が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジクロロ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジブロモ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン二量体骨格にアルコキシ基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジメトキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジエトキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン二量体骨格にアリールオキシ基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジフェノキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジナフトキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン二量体骨格にアルキルチオ基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジメチルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジエチルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等が挙げられる。
さらには、アントラセン二量体骨格にアリールチオ基が置換した、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジフェニルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン、9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−2,18−ジナフチルチオ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン等である。
そして、生成した一般式(6)で示されるアントラセン二量体骨格を有するジグリシジルオキシ化合物の(メタ)アクリル化反応も、一般式(5)に示す9−グリシジルオキシアントラセン化合物の(メタ)アクリル化反応と同様の条件で行うことができる。
以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の記載例に限定されるものではない。
(化合物の同定)
得られた化合物の同定は、以下の分析方法で実施した。
(1)融点:ゲレンキャンプ社製の融点測定装置、型式MFB−595(JIS K0064に準拠)
(2)屈折率:アッベ屈折率計、エルマー社製、形式ER−7MW−H
(3)赤外線(IR)分光光度計:日本分光社製、型式IR−810
(4)核磁気共鳴装置(NMR):日本電子社製、型式GSX FT NMR Spectorometer
(5)紫外(UV)分光光度計:島津製作所製 形式UV2200,UV Spectrometer
<9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンの光二量化による9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセンの合成(第一反応の手法)>
50mlガラス製サンプル瓶に9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン2.0g(6.2ミリモル)、重合禁止剤として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(以下、TEMPOと略す)3mgのアセトニトリル15ml溶液を仕込み、氷水で冷却しながら、Phoseon Thechnology 社製の紫外線LEDランプ(ランプの中心波長395nm,照射強度 1.5w/cm)を用いて90分照射した。その後、反応液にメタノール40mlを加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、薄黄色の粉末性結晶1.05g(1.63ミリモル)を得た。IR,H−NMR分析の結果、このものは9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセンであることが明らかとなった。原料9−(2−ヒドロキシ−3−アクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンに対する単離収率は53モル%であった。
(1) 融点: 146−147℃
(2) 屈折率: n=1.629
(3)IR(KBr、cm−1):3450,3075,3040,2955,2900,1724,1680,1472,1458,1410,1292,1200,1066,981,782,697.
(4)H−NMR(CDCl,270MHz):δ=2.71(d,J=5Hz,2H),3.70(d,J=5Hz,4H),4.28−4.42(m,2H),4.60(d,J=12Hz,4H),5.89(d,J=8Hz,2H),6.18(dd、J=17Hz,J=8Hz,2H),6.46(d,J=17Hz,2H),6.79−6.93(m,8H),6.93−7.09(m,8H).
<9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンの光二量化による9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセンの合成(第一反応の手法)>
50mlガラスサンプル管に9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセン3.0g(8.9ミリモル)、重合禁止剤としてTEMPO15mgのアセトニトリル15ml溶液を仕込み、氷水で冷却しながら、Phoseon Thechnology 社製の紫外線LEDランプ(ランプの中心波長395nm,照射強度 1.5w/cm)を用いて90分照射した。その後、反応液にメタノール50mlを加え、濃縮した。析出した結晶を吸引濾過・乾燥し、薄黄色の粉末性結晶1.7g(2.53ミリモル)を得た。IR,H−NMR分析の結果, このものは9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセンであることが明らかとなった。原料9−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)アントラセンに対する単離収率は57モル%であった。
(1)融点: 152−154℃
(2)屈折率: 1,636
(3)IR(KBr、cm−1):3445,3075,3045,2960,2910,1730,1640,1476,1458,1300,1164,1042,1002,950,784,700.
(4)H−NMR(CDCl,270MHz):δ=1.96(s,6H),2.82(d,J=5Hz,2H),3.69(d,J=5Hz,4H),4.30−4.41(m,2H),4.50(d,J=14Hz,4H),5.60(s,2H),6.14(S,2H),6.78−6.92(m,8H),6.92−7.06(m,8H).
<9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセンのメタクリル化による9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセンの合成(第五反応の手法)>
窒素気流下、温度計、冷却器付きの300ml三口フラスコに9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセン 0.6g(12ミリモル)、メタクリル酸5.25g(61.1ミリモル)、触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイド、60mg、重合禁止剤としてTEMPO8mgに、溶媒としてメチルイソブチルケトン40mlを加えた。この原料組成物を反応温度、110℃に保って3.0時間反応を行った。反応液の一部をサンプリングし、液体クロマトグラフィーで分析し、原料の9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−9,10(9’,10’)-アントラセノアントラセンが完全に消費されていることを確認し、反応を終了させた。反応液を室温まで冷却し、酢酸エチルを30ml加え抽出し、ついでこの有機層を飽和重曹水で洗浄し、過剰のアクリル酸を除いた。酢酸エチル層を減圧溜去して濃縮すると、薄黄色の結晶が析出したので、吸引ろ過・メタノール洗い・乾燥し、白色の粉末、0.33g(4.9ミリモル)が得られた。IR、H−NMRで分析したところ、このものは実施例2で合成した9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジ(2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)−9,10(9’,10’)-アントラセノアントラセンであった。原料9,10,11,16−テトラヒドロ−9,16−ジグリシジルオキシ−9,10(9’,10’)−アントラセノアントラセンに対する単離収率は41モル%であった。
上記実施例の結果から明らかなように、本発明のアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物は、1.62以上の高屈折率を示す化合物であることがわかる。また、図1及び図2の比較により、二量化することにより300nm以上の領域の吸収と260nmの吸収が消失し、200nm付近の吸収のみになっていることがわかる。これらの結果より、アントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物は高い屈折率を有し、かつ紫外域の吸収や蛍光の問題が無い透明性に優れた化合物であるといえる。

Claims (3)

  1. 下記の一般式(1)で示されるアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物。

    (一般式(1)において、R及びRは水素原子又はメチル基のいずれかを示し、X、X、Y及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。)
  2. 下記の一般式(2)に示される9−[2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ]アントラセン化合物を光二量化することを特徴とする、請求項1に記載のアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物の製造法。

    (一般式(2)において、Rは水素原子又はメチル基のいずれかを示し、X及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。)
  3. 下記の一般式(3)に示されるエポキシアントラセン二量体骨格を有するジグリシジルオキシ化合物をアクリル酸またはメタクリル酸と反応させることを特徴とする、請求項1に記載のアントラセン二量体骨格を有するエポキシアクリレート化合物の製造法。

    (一般式(3)において、X、X、Y及びYは同一であっても異なっていてもよく、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基のいずれかを示す。)
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