JP5658530B2 - エンジン試験装置 - Google Patents

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Description

本発明はエンジン試験装置に係り、特に応答性とロバスト性の両立に優れた制御を行うことのできるエンジン試験装置に関する。
エンジンの性能を試験する装置として、エンジンベンチが知られている。エンジンベンチは、開発・製造された供試エンジンが所定の性能を備えているかを評価する試験装置であり、試験対象であるエンジンは、台上試験機(エンジンベンチ)に取り付けられる。エンジンの出力軸はトルク計や回転数計を介してダイナモメータに接続され、このダイナモメータによってエンジンの出力軸の回転力が吸収される。これにより、台上試験が行われ、エンジンの性能が測定・評価される。
ところで、エンジンベンチでは通常、目標値としてエンジンの回転数やトルクが制御部に設定されており、制御部はこの回転数やトルクに応じたスロットル開度やダイナモメータの電流値などの指令値を出力し、この指令値に応じてエンジンやダイナモメータが制御される。エンジンやダイナモメータ等の実機部には各種センサが取り付けられており、たとえばエンジンの回転数やトルク等が検出される。この検出信号は制御部にフィードバックされ、制御部はこの検出信号に基づいてPID制御(またはPI制御)を行っている。
しかし、PID制御だけでは、応答性とロバスト性の両立が難しいという問題がある。そこで特許文献1では、エンジンの回転数毎にトルク−スロットル開度のマップを予め作成し、このマップを用いてスロットル開度を予測し、制御を行っている。さらに特許文献1では、ファジイ推論を用いて補正を行っている。
特許第3028433号
しかしながら、特許文献1は、エンジン毎にマップを予め作成しなければならず、非常に時間がかかるという問題や、マップで作成したスロットル開度だけしか予測できず、複数のパラメータを同時に予測することはできないという問題があった。さらに特許文献1はファジイ推論を用いているので、精度には限界があり、高い精度で試験を行うことができないという問題があった。
また、特許文献1をはじめとする従来のエンジン試験装置は、エンジン側の制御系統(以下、En制御系という)とダイナモメータ側の制御系統(以下、Dy制御系という)にそれぞれ、通信手段等を原因とする無駄時間が発生するが、この無駄時間が両方の制御系で異なるため、誤差が生じたり、予測制御が難しくなるという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みて成されたものであり、応答性とロバスト性の両立に優れた制御を行うことのできるエンジン試験装置を提供することを目的とする。
請求項1の発明は前記目的を達成するために、試験対象であるエンジンに負荷を与えるダイナモメータと、前記エンジンと前記ダイナモメータに制御指令値を出力する制御器と、を備えたエンジン試験装置において、前記エンジンと前記ダイナモメータを含む実機部をモデル化したベンチモデルに前記制御指令値を入力することによってシミュレーションを実行するシミュレーション部を備え、前記制御器は、前記シミュレーションの結果を入力して制御指令値を決定し、該決定した制御指令値を前記シミュレーション部と前記実機部に出力することを特徴とするエンジン試験装置を提供する。
本発明によれば、エンジンとダイナモメータを含む試験装置そのものをモデル化したベンチモデルを用いてシミュレーションを行い、そのシミュレーション結果を制御器に入力している。これにより、理想的かつ無駄時間なく制御可能となり、安定に制御できる制御指令値を作成することができるので、それを実機部に入力することによって予測制御が可能となり、フィードフォワード制御することができる。その結果、エンジンへの制御指令値と、ダイナモメータへの制御指令値を同時に最適化することができる。すなわち、従来のようにエンジンのモデルのみでシミュレーションを行っていた場合には、エンジン側の制御指令値とダイナモメータ側の制御指令値を同時に最適化することが難しいという問題があったが、本発明では、試験対象であるエンジンベンチだけでなく、ダイナモメータを含めた試験装置全体のモデルを用いてシミュレーションを行い、その結果に基づいて制御を行うので、エンジン側の制御指令値とダイナモメータ側の制御指令値を同時に最適化することができる。
請求項2の発明は請求項1において、前記エンジン及び/又は前記ダイナモメータに出力する前記制御指令値の無駄時間を補正する補正部を備えることを特徴とする。補正機能としては、たとえば、制御装置からダイナモメータへ通信等で発生する無駄時間をΔt1とし、制御装置からエンジンへ通信等で発生する無駄時間をΔt2とした際、エンジン側の制御指令値に対してΔt1の遅れを与えるとともに、ダイナモメータ側の制御指令値に対してΔt2の遅れを与える。これにより、エンジン側とダイナモメータ側とで制御されるタイミングが一緒になり、見かけ上、無駄時間のない制御を行うことができる。したがって、ベンチモデルとして無駄時間のない理想モデルを作成し、これに基づいて制御を行うと、実機部でそれが精度良く再現される。従来の場合には、理想的なモデルを作成しても、現実の結果と異なるという問題があったが、本発明の場合には無駄時間を補正する機能があるので、理想的なモデルと同じ状況を作ることができ、測定精度を向上させることができる。
請求項3の発明は請求項1または2において、前記エンジンへの制御指令値はスロットル開度であり、前記ダイナモメータへの制御指令値は電流値であることを特徴とする。
本発明によれば、エンジンとダイナモメータを含む試験装置そのものをモデル化したベンチモデルを用いてシミュレーションを行っているので、エンジンへの制御指令値だけでなく、ダイナモメータへの制御指令値を同時に最適化することができる。
本発明を適用したエンジン試験装置の概略構成を示す図 本実施の形態のエンジン試験装置の制御ブロック図 ベンチモデルの一例を示す図 無駄時間の説明図 従来の制御ブロック図 本実施の形態の作用を示す説明図
以下、添付図面に従って、本発明に係るエンジン試験装置の好ましい実施形態について説明する。図1は、本発明が適用されたエンジン試験装置10の主に実機部分の概略構成を示している。

同図に示すエンジン試験装置10は、試験対象であるエンジン12の性能を測定・評価する装置であり、主としてエンジン12、ダイナモメータ14、シャフト部材32等から成る実機部分と、ダイナモ制御部16、エンジン制御部18、制御装置20等から成る制御部分とで構成される。なお、本実施の形態では、ダイナモ制御部16とエンジン制御部18を制御部分として説明するが、実機部分としてもよい。
エンジン12は、架台22に固定されており、その内部には燃焼室(不図示)が設けられる。燃焼室には空気吸引用の吸引管24が接続されており、その吸気管24には流入量調節用のスロットル26が設けられる。また、燃焼室には排気管28が接続されており、この排気管28には排ガス浄化用の触媒装着部30が設けられる。
エンジン12は、その出力軸がシャフト部材32を介してダイナモメータ14に接続されている。シャフト部材32は、メインシャフトなどの複数の軸部材が連結されることによって構成されており、その連結部分にはユニバーサルジョイント34が介在される。また、シャフト部材32にはトルクメータ36が取り付けられ、このトルクメータ36によってトルクが計測される。なお、本実施の形態は、トルクメータ36によってトルクを計測するようにしたが、これに限定するものではなく、たとえばダイナモメータ14の出力値からトルクを検出してもよい。また、トルクメータ36の他に、クラッチ、変速機、各種の連結手段等を目的に応じて挿入してもよい。さらに、トルク以外のエンジン12の状態(たとえば排ガスの温度など)を計測する手段を挿入してもよい。
ダイナモメータ14は、エンジン12に所定の負荷トルクを与える装置であり、電流・電圧を可変させることで負荷トルクを設定できるようになっている。ダイナモメータ14としては、低慣性ダイナモメータを用いることが好ましく、低慣性ダイナモメータを用いることによって、低速回転から高速回転までの急激な回転数の変化に応じた安定した出力が得られる。
ダイナモメータ14にはダイナモ制御部16が接続されている。ダイナモ制御部16は、ダイナモメータ14に印加する電流・電圧を可変制御する手段であり、このダイナモ制御部16で電流・電圧を可変制御することによって、ダイナモメータ14に接続されたエンジン12の負荷トルクが制御される。
一方、エンジン12は、エンジン制御部18に接続される。エンジン制御部18は、スロットル開度や点火進角等の制御信号をエンジン12に与えることによって、エンジン12を駆動制御する手段であり、通常はECU、もしくはECUにバイパス回路を付加したエンジン制御回路で実現される。ECUの代わりに仮想ECUと称されるDSP(Digital Signal Processor)で実現してもよい。このエンジン制御部18によってエンジン12に制御信号(たとえば所定のスロットル開度)が与えられる。これにより、エンジン12が回転し、その回転がシャフト32を介してダイナモメータ14に伝達される。なお、エンジン制御部18から与えられる制御信号としては、回転数、スロットル開度の他、燃料注入量、空気注入量、燃料と空気の混合比、点火時間(ガソリンエンジンの場合)、燃料噴射制御方法(ジーゼルエンジンの場合)など様々な制御信号がある。
上述したダイナモメータ14、ダイナモ制御部16、エンジン制御部18、トルクメータ36は、制御装置20に接続されている。制御装置20は、ダイナモ制御部16とエンジン制御部18を介してダイナモメータ14とエンジン12をフィードフォワード制御する機能を備えており、図2に示すように制御器40、シミュレーション部42、補正部44、補助制御器46を備えている。
制御器40は、PID制御を行う部分であり、En制御系用のPID制御器とDy制御系用のPID制御器を備えている。なお、Dy制御系においてトルク制御する場合は、さらにFF制御器を備えるようにしてもよい。この制御器40には、エンジン12のスロットル開度目標値とダイナモメータ14のトルク目標値が設定(入力)されるとともに、後述のシミュレーション部42からシミュレーション結果が入力されるようになっている。制御器40は、シミュレーション結果がスロットル開度目標値、トルク目標値となるようなスロットル開度制御指令値(以下、Th指令値)とダイナモメータ14へのトルク制御指令値(以下、Dy指令値)とを決定し、これをシミュレーション部42と(補正部44を介して)実機部にそれぞれ出力する。これにより、同じ制御指令値によって、シミュレーション部42ではフィードバック制御が行われ、実機部ではフィードフォワード制御が行われる。なお、本実施の形態では、目標値や制御指令値として、エンジン12のスロットル開度、ダイナモメータ14のトルクを用いたが、これに限定されるものではなく、エンジン12の回転数など、他の値を用いるようにしてもよい。
シミュレーション部42は、上述の実機部をモデル化したベンチモデルを備えており、このベンチモデルを用いてシミュレーションを行うようになっている。ベンチモデルは、たとえば、エンジン12とダイナモメータ14を接続した理想的な2マス系モデルとして図3の如く作成される。
図3はベンチモデルの一例を示すブロック図である。同図において、Jはエンジン12の慣性値であり、Jはダイナモメータ14の慣性値であり、Kは軸ねじりバネ定数であり、Cは軸ダンパ係数である。また、Nはエンジン12の回転数であり、Nはダイナモメータ14の回転数であり、Tはエンジン12のトルクであり、Tはダイナモメータ14のトルクであり、Tはシャフト50のトルクである。
図3に示すように、エンジンモデルはエンジンマップを有しており、このエンジンマップはTh指令値とエンジン回転数Nを入力値として、駆動トルクTを出力するようになっている。そして、出力した駆動トルクTとシャフトモデルからの負荷トルクTとの差を積分し、エンジン12の慣性値Jで割ることで、回転数Nが求まる。
ダイナモモデルはダイナモマップを有しており、このダイナモマップはDy指令値(トルク指定値)とダイナモ回転数Nを入力として、駆動トルクTを出力するようになっている。そして、出力した駆動トルクTとシャフトモデルからの負荷トルクTとの差を積分し、ダイナモメータ14の慣性値Jで割ることで、回転数Nが求まる。
シャフトモデルは、エンジンとダイナモを接続するシャフトをモデル化したものであり、エンジンとダイナモの回転数の差によってねじれて、バネ・ダンパの役割をする。バネ・ダンパによる力は負荷トルクTとしてエンジンモデルとダイナモモデルに出力される。
上記の如く構成されたベンチモデルは、物理演算で演算可能なモデルであり、無駄時間、がた、ノイズ等を考慮せず、理想状態をモデル化したものである。このように作成したベンチモデルは、実機部と同様に、Dy指令値とTh指令値を入力することによって、回転数とトルク値をシミュレーション結果として出力する。シミュレーション結果はシミュレーション部42から制御器40に出力され、制御器40はこの出力を受けて、シミュレーション結果がスロットル開度目標値とトルク目標値になるような最適なTh指令値とDy指令値とを決定し、これを補正部44に出力する。
補正部44は、制御器40からエンジン制御部18に出力されるTh指令値や、制御器40からダイナモ制御部16に出力されるDy指令値に対して、その出力のタイミングを補正し、En制御系とDy制御系とで無駄時間の差がなくなるような補正処理を行っている。具体的には、Dy制御系における無駄時間Δt1と、En制御系における無駄時間Δt2を計測等によって予め求め、補正部44に入力しておく。ここで、無駄時間Δt1とは、Dy制御系において通信手段などを主な原因として発生する遅れ時間であり、たとえば図4(a)に示すように、Th指令値をステップ状に変化させ、その際にトルク計測値が実際に立ち上がり始めるまでの時間を計測することによって求められる。同様に、無駄時間Δt2とは、En制御系において通信手段などを主な原因として発生する遅れ時間であり、たとえば図4(b)に示すように、Th指令値をステップ状に変化させ、その際にトルク計測値が立ち上がり始めるまでの時間を計測することによって求められる。これらの無駄時間Δt1、Δt2は通信手段などを原因として個々に発生するので、それぞれが独立した値となり、非線形要素となる。
そこで、補正部44は、無駄時間Δt1とΔt2との差が見かけ上なくなるような補正処理を行う。たとえば、En制御系であるTh指令値を、Dy制御系の無駄時間Δt1だけ遅らせるとともに、Dy制御系であるDy指令値をEn制御系の無駄時間Δt2だけ遅らせる。これにより、両方の制御系において、Δt1+Δt2の時間遅れが発生するので、両方の制御系統において制御が同時に行われる。すなわち、無駄時間のない理想的な状況を実機部において再現することができる。これは上述のベンチモデルと同じ状態なので、実機部の挙動とベンチモデルのシミュレーション結果が精度良く一致することになる。
なお、補正部44での補正方法は上記のものに限定されるものではなく、En制御系とDy制御系とで無駄時間Δt1、Δt2の差がなくなるような補正処理であれば良い。たとえば、Δt1とΔt2のうち大きい方を基準とし、もう一方の制御系にΔt1とΔt2との差の分だけ遅らせる補正処理を行ってもよい。具体的には、Δt1>Δt2の場合、Dy制御系であるDy指令値は補正処理を行わず、En制御系であるTh指令値に(Δt1−Δt2)だけ遅らせる補正処理を行う。これにより両方の制御系でΔt1の遅れが生じるので、無駄時間のずれを見かけ上無くすことができる。
補正部44から出力されたTh指令値とDy指令値にはそれぞれ、補助制御器46からの制御指令値が加算される。補助制御器46には、上述したTh目標値とDy目標値が入力されるとともに、実機部からのフィードバック信号(トルク計測値と回転数計測値)が入力される。この補助制御器46は、En制御系用のI(積分)制御器とDy制御系のI(積分)制御器を備えており、I制御を行うようになっている。これにより、実機部の計測値が目標値から大きくずれることを防止できる。すなわち、本実施の形態では、制御器40がシミュレーション部42のシミュレーション結果に基づいてフィードフォワード制御を行い、実機部の計測値を用いることなく制御が行われるので、大きな誤差が生じるおそれがあるが、補助制御器46を設けて補正を行うことによって、これを防止することができる。なお、I制御が利き過ぎるとかえって不安定になるので、一定値によって制御量を制限するとよい。また、シミュレーションの精度が向上すれば、補助制御器46のない態様も可能である。
次に上記の如く構成されたエンジン試験装置10の作用について説明する。図5は従来のエンジン試験装置の構成を示すブロック図である。同図に示す従来のエンジン試験装置は、本実施の形態のエンジン試験装置10と同様に、フィードバック制御を行う制御器40を備えている。制御器40には、En制御系用のPID制御器とDy制御系用のPID制御器とが設けられており、必要に応じてFF制御器が設けられている。ただし、従来のエンジン試験装置の場合には、実機部で計測したトルク計測値と回転計測値がフィードバック信号として入力されるようになっている。すなわち、従来のエンジン試験装置は、実機部での計測値に基づいてフィードバック制御が行われる。
このように構成された従来のエンジン試験装置では、En制御系の無駄時間Δt2とDy制御系の無駄時間Δt1との間に差が生じると、二つの制御系の無駄時間の違いで制御タイミングがずれるという問題が生じる。これは非線形要素となるため、従来のエンジン試験装置では予測制御が困難であり、理想的な制御ができず、応答性を向上させることができないという問題を生じる。また、応答性とロバスト性の間にはトレードオフの関係があるため、従来装置の場合は、応答性を無理に向上させると、ロバスト性が低下するという問題が発生する。
これに対して本実施の形態のエンジン試験装置10は、実機部の理想状態をモデル化したベンチモデルを用いてシミュレーションを行い、その結果を制御器40に入力し、制御器40が最適な制御指令値を決定し、シミュレーション部42と(補正部44を介して)実機部に出力している。したがって、シミュレーション部42では制御指令値を用いたフィードバック制御が行われ、実機部では同じ制御指令値を用いたフィードフォワード制御が行われる。これにより、非線形要素のない物理演算によって制御が行われるので、予測制御を行うことができ、応答性とロバスト性を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、補正部44によって無駄時間Δt1、Δt2のずれを補正しているので、2つの制御系における制御タイミングのずれを無くすことができ、ベンチモデルと同じ理想状態、すなわち無駄時間Δt1、Δt2の差の影響がない理想状態を実機部で再現することができる。したがって、理想状態をモデル化したベンチモデルによるシミュレーション結果と、補正処理後の実機部の挙動とが等しくなり、理想状態の制御を行うことができる。これにより、En制御系とDy制御系の両方の応答性を同時にあげることができ、ロバスト性に優れた性能を発揮することができる。
図6は本実施例と従来例との対比試験の結果を示している。この試験では、両者のトルク応答性を同等にし、スロットル開度目標値を一定、トルク目標値をステップ状に変化させており、その際のトルクの経時変化を図6(a)、回転数の経時変化を図6(b)に示している。
これらの図に示すように、従来例はトルクが上昇すると回転数が下がってしまい、ロバスト性が悪くなっている。これは無駄時間により制御性が悪化しているためと考えられる。これに対して、本実施例はトルクが上昇しても回転数は下がらず、ロバスト性が優れている。
なお、上述した実施の形態は、2つの制御系(En制御系とDy制御系)を有するエンジン試験装置に本発明を適用した例で説明したが、3つ以上の制御系の場合にも適用することができる。たとえば、3つの制御系の場合において、それぞれの無駄時間がΔt1、Δt2、Δt3であった場合、補正部44において、他の2つの制御系の無駄時間を加算した分だけ遅らせて制御指令値を出力する。すなわち、Δt1側の制御系統ではΔt2+Δt3の時間遅れを与え、Δt2側の制御系統ではΔt1+Δt3の時間遅れを与え、Δt3側の制御系統ではΔt1+Δt2の時間遅れを与える。これにより、3つの制御系統でΔt1+Δt2+Δt3の時間遅れとなり、3つの制御系統で時間のずれのない理想状態を再現することができる。なお、この場合にも、最も大きい無駄時間に合わせて制御を行ってもよい。
10…エンジン試験装置、12…エンジン、14…ダイナモメータ、16…ダイナモ制御部、18…エンジン制御部、20…制御装置、22…架台、24…吸引管、26…スロット、28…排気管、30…触媒装着部、32…シャフト部材、34…ユニバーサルジョイント、36…トルクメータ、40…制御器、42…シミュレーション部、44…補正部、46…補助制御器

Claims (3)

  1. 試験対象であるエンジンに負荷を与えるダイナモメータと、前記エンジンと前記ダイナモメータに制御指令値を出力する制御器と、を備えたエンジン試験装置において、
    前記エンジンと前記ダイナモメータを含む実機部をモデル化したベンチモデルに前記制御指令値を入力することによってシミュレーションを実行するシミュレーション部を備え、
    前記制御器は、前記シミュレーションの結果を入力して制御指令値を決定し、該決定した制御指令値を前記シミュレーション部と前記実機部に出力することを特徴とするエンジン試験装置。
  2. 前記エンジン及び/又は前記ダイナモメータに出力する前記制御指令値の無駄時間を補正する補正部を備えることを特徴とする請求項1に記載のエンジン試験装置。
  3. 前記エンジンへの制御指令値はスロットル開度であり、前記ダイナモメータへの制御指令値は電流値であることを特徴とする請求項1または2に記載のエンジン試験装置
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