JP4020513B2 - 原動機の試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、車両の駆動源として用いられるエンジンや電動モータといった原動機に対して負荷トルクを付与することにより、同原動機を擬似的に車両に搭載された状態にして試験を行うようにした原動機の試験装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
車両用エンジンの出力特性や燃費特性、或いは排出ガス特性についての各種試験は、同エンジンを実際に車両に搭載した状態で行うのが一般的である。しかしながら、このようにして得られる試験結果は、あくまでもそのエンジンと同エンジンが搭載された車両との組み合わせにのみ対応するものであり、例えば車両の重量や駆動系の仕様が変更された場合には、変更後の車両にエンジンを再度搭載し直して試験を行う必要がある。更に、こうした試験方法では、車両のためのスペースを確保する必要があり、その試験設備の大型化も避けられない。
【0003】
そこで、エンジンを実際に車両に搭載するのではなく、エンジンに動力計を連結し、その動力計からエンジンに対し負荷トルクを付与することにより、同エンジンが車両に搭載された状態を擬似的に作り出すようにした試験装置が従来より提案されている。
【0004】
こうした試験装置によれば、車両の仕様が変更された場合でも、動力計の負荷トルクをその仕様変更に応じて変更するだけでよく、また、車両を配置するためのスペースを確保する必要もない。従って、エンジンの各種試験を僅かなスペース内で極めて効率的に行うことができるようになり、汎用性及び経済性に優れた試験システムを構築することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の試験装置では、車両質量及び車両加速度から慣性抵抗を算出するとともに、この慣性抵抗に基づいて算出される負荷トルクをエンジンに付与するようにしており、車両が一定の加速度で走行する定常的な走行状態にあるときのエンジン特性に関しては、比較的信頼性の高い試験結果を得ることができるものとなっている。
【0006】
しかしながら、実際に走行している車両では、上記のように定常的な走行状態となる時間は比較的短く、その走行状態の大部分は運転者の加減速要求に応じて車両加速度が頻繁に変化する過渡的な走行状態となっている。このように車両が過渡的な走行状態になると、エンジンの負荷トルクが変動し、その変動によってトランスミッションやドライブシャフトといった車両の駆動系に捩り振動が発生するようになるため、負荷トルクの大きさは駆動系の振動状態によって異なるようになる。
【0007】
そこで、車両に関して更に精密な動特性モデルを構築し、その動特性モデルに基づいて負荷トルクを算出するといった手法が考えられる。即ち、車両慣性等に加えて車両の等価ダンピング定数や等価バネ定数をモデル定数として導入した動特性モデルに基づいて負荷トルクを算出するようにすれば、こうした車両の過渡的な状態をも反映した負荷トルクをエンジンに対して付与することができるようになる。
【0008】
ところで、自動変速機を搭載する車両を想定した試験では、同自動変速機の減速比を上記のような動特性モデルのモデル定数の一つとして導入するとともに、この動特性モデルに基づき求められた仮想的な車速等に応じて自動変速機の変速時期を設定し、この変速時期には自動変速機の減速比を切り換えて負荷トルクを算出する必要がある。
【0009】
しかしながら、こうした試験において、変速時期に減速比を変速前の値から変速後の値へと瞬時に切り換えるようにすると、その切り換え時において実際にはエンジンに作用し得ない負荷トルクが算出され、同エンジンに付与されてしまうおそれがある。即ち、実際の車両においては自動変速機に対して変速指令が入力されたとしても、その変速指令の入力と同時に減速比が切り替わることはなく、自動変速機の応答遅れに起因して減速比の切り換えが遅れるためである。従って、こうした変速時期における自動変速機の過渡的な挙動を考慮したうえで負荷トルクを算出するようにしなければ、自動変速機の変速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行状態に即した試験結果を得ることができなくなる。
【0010】
また、こうした自動変速機の過渡的な挙動を負荷トルクの算出に反映させるために、例えば自動変速機における機械系及び油圧系を精密にモデル化したうえで車両の動特性モデルを構築することも考えられる。ところが、このように自動変速機を精密にモデル化しようとすると、モデルの複雑化に伴って多大な時間をモデル化に際して要するようになり、またモデルが複雑になるほど汎用性が失われて自動変速機の機種変更に柔軟に対応することが困難になる。
【0011】
本発明はこうした従来の実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、自動変速機の変速動作に係る過渡的な挙動を試験結果に簡便に反映させて、同変速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行状態に即した試験結果を得ることのできる原動機の試験装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載した発明は、車両駆動系の一部を構成する自動変速機に連結される車両用原動機の駆動軸に対し負荷トルクを付与する負荷トルク付与手段と、車両駆動系を少なくとも、自動変速機の入力軸側に駆動連結される構成体と同自動変速機の出力軸側に駆動連結される構成体とに分割し、各構成体の等価慣性及び等価ダンピング定数及び等価バネ定数並びに自動変速機の減速比をモデル定数として導入した動特性モデルに基づいて駆動軸に付与する負荷トルクを演算する演算手段とを備え、演算される負荷トルクを負荷トルク付与手段から駆動軸に付与することにより原動機を車両に搭載することなく擬似的に車両に搭載された状態にして試験を行う原動機の試験装置であって、演算手段は減速比の切換時における負荷トルクを演算する際に減速比を切換前の値から切換後の値へと予め設定された所定時間を要して徐変操作するものであるとしている。
【0013】
こうした構成によれば、自動変速機の変速時期における減速比の過渡的な変化を考慮したうえで原動機に付与すべき負荷トルクを算出することができるようになる。
【0014】
また、請求項2に記載した発明のように、このように減速比を徐変操作するうえで、
・演算手段は減速比の変化率が徐々に変化するように同減速比を徐変操作するものである、
或いは請求項3に記載した発明のように、上記構成に加えて、
・演算手段は減速比の変化態様を同減速比の切換開始時からの経過時間を変数とする正弦関数に基づいて設定するものである、
といった構成を採用するようにすれば、減速比の変化をより滑らかなものとすることができ、例えば実稼動状態では発生し得ない過大な負荷トルクが原動機に対して作用するのを抑制することができるようになる。
【0015】
請求項4に記載した発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載した原動機の試験装置において、演算手段は減速比を減少させるシフトアップ時に入力軸に入力される入力トルク及び減速比に基づいて算出される出力軸の出力トルクに関する上限値を設定し、所定時間が経過するまで出力トルクを当該上限値以下に制限するものであるとしている。
【0016】
また、請求項5に記載した発明では、請求項1乃至3のいずれかに記載した原動機の試験装置において、演算手段は減速比を増大させるシフトダウン時に入力軸に入力される入力トルク及び減速比に基づいて算出される出力軸の出力トルクに関する下限値を設定し、所定時間が経過するまで出力トルクを当該下限値以上に制限するものであるとしている。
【0017】
請求項4又は請求項5に記載した発明によれば、自動変速機における過渡的なトルク伝達特性を負荷トルクの算出に簡易的に反映させることができる。
請求項6に記載した発明では、請求項4又は5に記載した原動機の試験装置において、演算手段は上限値或いは下限値を減速比の切換開始時からの経過時間についての関数として設定するものとしている。
【0018】
こうした構成によれば、モデル上における自動変速機における過渡的なトルク伝達特性を実際の自動変速機の特性に即した正確な形で再現することができるようになり、自動変速機の過渡的なトルク伝達特性を負荷トルクの算出により正確に反映させることができるようになる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を自動変速機(トランスミッション)を備えた車両に搭載されるガソリンエンジンの試験装置に適用するようにした一実施形態について図1〜13を参照して説明する。
【0020】
図1は本実施形態における試験装置を示す概略構成図である。
この試験装置は車両用ガソリンエンジン(以下、単に「エンジン」という)10に対してダイナモメータ20に発生するトルクをシャフト30を介して伝達することにより、同エンジン10を擬似的に車両に搭載した負荷状態にして各種試験を行うものである。
【0021】
エンジン10及びダイナモメータ20は、クランクシャフト11と入力軸21とが同軸上に位置するように隣接してベンチ(図示略)上にそれぞれ固定されている。これらクランクシャフト11及び入力軸21の端部はそれぞれカップリング31,32を介してそれぞれシャフト30の端部に連結されている。
【0022】
試験装置はエンジン10の出力を制御するためのエンジン制御部50と、ダイナモメータ20に発生させるトルクを制御するためのダイナモメータ制御部60とを有した制御装置70を備えている。
【0023】
エンジン制御部50はダイナモメータ制御部60において算出される車両の仮想的な速度(車速SPD)が予め定められた所定の車速パターンに従って変化するように同エンジン10の出力を調節する。こうした出力の調節はエンジン10の吸気通路12に設けられたスロットルバルブ14の開度(スロットル開度TA)をスロットルモータ15によって調節することにより行われる。
【0024】
即ち、エンジン制御部50は車速SPDが所定の目標車速よりも低い場合にはスロットル開度TAを増大させてエンジン10の燃焼室(図示略)に供給される吸入空気の量を増大させ、逆に車速SPDが所定の目標車速よりも高い場合にはスロットル開度TAの開度を減少させて吸入空気量を減少させる。
【0025】
ダイナモメータ制御部60にはエンジン10の運転状態を検出する各種センサから検出信号が入力される。クランクシャフト11にはダイナモメータ20からエンジン10に実際に伝達されているトルク(実トルクTACT)を検出するトルクセンサ40が設けられている。クランクシャフト11の近傍には同クランクシャフト11の回転速度、即ちエンジン10の回転速度θ'e を検出する回転速度センサ42が設けられている。また、スロットルバルブ14の近傍にはスロットル開度TAを検出するためのスロットルセンサ44が設けられている。
【0026】
ダイナモメータ制御部60は、これら各センサ42,44から入力される各検出信号と、エンジン10が搭載される車両の動特性モデルとに基づいてダイナモメータ20に発生させる負荷トルク(指示トルクTTRG)を算出する。そして、ダイナモメータ制御部60はその算出された指示トルクTTRGとトルクセンサ40により検出される実トルクTACTとが一致するようにダイナモメータ20をフィードバック制御する。
【0027】
図2はこの車両の動特性モデルを示す概念図である。
同図に示すように、本実施形態では、車両を、トルクコンバータ及びトランスミッション(以下、「第1構成体M1」という)、同じくトランスミッション及びディファレンシャルギヤ(以下、「第2構成体M2」という)、ホイール、タイヤ、及びボディ(以下、「第3構成体M3」という)といった複数の構成体M1〜M3に区分することにより、3自由度の捩り振動系としてモデル化するようにしている。
【0028】
ダイナモメータ制御部60はこうした動特性モデルに基づく連立運動方程式にエンジン10の回転速度θ'e を入力し、各運動方程式を所定の演算周期で解くことによって指示トルクTTRGを算出する。因みに、こうした動特性モデルに基づく運動方程式の構築及びその演算処理は、例えば制御シミュレーションソフトを用いて容易に行うことができる。
【0029】
また、同図において、「Je」はエンジンの等価慣性、「J1」〜「J3」は上記各構成体M1〜M3の等価慣性、「K1」,「K2」は第1構成体M1及び第2構成体M2の等価バネ定数、「C1」,「C2」は第1構成体M1及び第2構成体M2の等価ダンピング定数であり、これらは実験や設計値等に基づいて同定されるモデル定数である。
【0030】
また、「t」はトルクコンバータのトルク比、「nt」はトランスミッションの減速比であり、「nd」はディファレンシャルギヤの減速比であって予め設定された一定値である。これら各パラメータt,nt,ndは上記動特性モデル上において順に、エンジンから第1構成体M1へ伝達される伝達トルク、第1構成体M1から第2構成体M2へ伝達される伝達トルク、及び第2構成体M2から第3構成体M3へ伝達される伝達トルクをそれぞれ設定するためのモデル定数である。
【0031】
更に、「k」は上記動特性モデル上では第1構成体M1から第2構成体M2へ伝達される伝達トルクの比(以下、トルクコンバータのトルク比tと区別するために「過渡トルク比」とする)、実際の車両においてはトランスミッションの入出力トルクの比に対応するものであり、同トランスミッションの変速時期における過渡的なトルク伝達特性を評価するためのモデル定数である。
【0032】
前述したトルクコンバータのトルク比t、トランスミッションの減速比nt、及び上記トランスミッションの過渡特性を評価する過渡トルク比kといったモデル定数はいずれも、指示トルクTTRGを算出する演算周期毎にダイナモメータ制御部60により算出されている。以下、こうした各モデル定数の算出手順について、ダイナモメータ制御部60の詳細な構成を示す図3、並びに図4〜9の関数データ、フローチャート等を併せ参照して説明する。
【0033】
図3に示すように、ダイナモメータ制御部60は上記各モデル定数を設定するモデル定数設定部61、上記各運動方程式に基づき指示トルクTTRGを算出する指示トルク演算部62、車速SPDを算出する車速演算部63、指示トルクTTRGと実トルクTACTとのトルク偏差uを算出する比較部64、及びこのトルク偏差uに基づきダイナモメータ20の駆動電流をフィードバック制御する駆動部65等を備えて構成されている。
【0034】
車速演算部63は指示トルク演算部62により算出される第3構成体M3の回転速度θ'3 、即ちタイヤの回転速度と次式(1)とに基づいて車速SPDを算出する。
SPD=k1・r・θ'3 ・・・(1)
k1:定数
r:タイヤの半径
車速演算部63はこうして算出された車速SPDの大きさに応じた信号をモデル定数設定部61及び指示トルク演算部62にそれぞれ出力する。
【0035】
モデル定数設定部61は上記各モデル定数(Je,J1〜J3,K1,K2,C1,C2,nd)が記憶されたメモリ(図示略)を備えており、これら各モデル定数を指示トルク演算部62に出力する。更に、モデル定数設定部61はトルクコンバータのトルク比t、トランスミッションの減速比ntを算出するとともに、算出された各モデル定数t,ntをそれぞれ指示トルク演算部62に出力する。
【0036】
以下、トルクコンバータのトルク比t及びトランスミッションの減速比ntの算出手順について説明する。
[トルク比tの算出]
モデル定数設定部61は所定の演算周期で上記動特性モデルに基づく運動方程式から得られる第1構成体M1の回転速度θ'1 と回転速度センサ42により検出されるエンジン10の回転速度θ'e との速度比(θ'1 /θ'e )を算出する。モデル定数設定部61のメモリには、この速度比(θ'1 /θ'e )とトルク比tとの関係を定義する関数データが記憶されており、モデル定数設定部61はこの関数データを参照して速度比(θ'1 /θ'e )に対応したトルク比t(=t(θ'1 /θ'e ))を算出する。そして、モデル定数設定部61は、このようにして算出されたトルク比tを次回の演算周期におけるトルク比tとして設定するために指示トルク演算部62に出力する。
【0037】
[減速比ntの算出]
次にトランスミッションの減速比ntの算出手順について図5に示すフローチャートを参照して説明する。モデル定数設定部61はこのフローチャートに示す各処理に従って減速比ntを算出するとともに、これら各処理を繰り返し実行することにより同減速比ntを所定の演算周期で更新している。
【0038】
まず、図5に示すステップ100において、モデル定数設定部61はスロットルセンサ44により検出されるスロットル開度TAと、車速演算部63により算出された車速SPDとに基づいてトランスミッションのシフト位置G(1st,2nd,3rd,4th)を算出する。モデル定数設定部61のメモリ(図示略)には、図4に示すような車速SPD及びスロットル開度TAとシフト位置Gとの関係を定義する関数データがシフトアップ時及びシフトダウン時の各場合についてそれぞれ記憶されており、モデル定数設定部61はこの関数データを参照して同シフト位置Gを決定する。
【0039】
そして、モデル定数設定部61はメモリに記憶されている各シフト位置Gに対応した減速比ntを同メモリから読み込む。更に、モデル定数設定部61は、このようにして読み込まれた減速比ntを次回の演算周期における減速比ntとして一旦設定する。
【0040】
次に、ステップ102において、モデル定数設定部61はステップ100で設定された減速比ntが前回の演算周期における値から変更されたか否か、換言すればトランスミッションのシフト位置Gを変更すべき運転状態となったか否かを判断する。このステップ102において減速比ntが変更されていないと判断された場合、モデル定数設定部61はステップ108以降の処理を実行する。
【0041】
一方、ステップ102において減速比ntが変更されたと判断された場合、モデル定数設定部61はステップ104において指示トルク演算部62に対し変速指令Sを出力する。そして、続くステップ106において、モデル定数設定部61は前回の演算周期における減速比ntを旧減速比ntold、今回の演算周期における減速比ntを新減速比ntnewとしてそれぞれ設定する。
【0042】
次に、ステップ108において、モデル定数設定部61は変速指令Sが出力された後、換言すれば減速比ntが変更された後、所定時間TSINTが経過したか否かを判断する。この所定時間TSINTは減速比ntの変更に伴ってトランスミッションが過渡的な挙動を示すと想定される時間であり、個々のトランスミッションに対応して実験等に基づき設定される時間である。
【0043】
このステップ108において、変速指令Sが出力されてから所定時間TSINTが経過していないと判断された場合、モデル定数設定部61はステップ110において過渡減速比nttransを算出する。この過渡減速比nttransは減速比ntの変更後におけるトランスミッションの過渡的なトルク伝達特性を上記各運動方程式を解く過程に導入するためのものである。モデル定数設定部61はこの過渡減速比nttransを次の各式(2)〜(6)に基づいて算出する。
nttrans=a+b・sin(c・TS+d) ・・・(2)
TS:変速指令Sを出力した後の経過時間
a〜d:次式(3)〜(6)により定義される定数
a=(ntold+ntnew)/2 ・・・(3)
b=(ntold−ntnew)/2 ・・・(4)
c=−π/TSINT ・・・(5)
d=π/2 ・・・(6)
図6(a),(b)は過渡減速比nttransの変化態様を減速比ntが減少するシフトアップ時及び同減速比ntが増大するシフトダウン時についてそれぞれ示している。これら各図に示すように、過渡減速比nttransは上記経過時間TSの増大に伴って旧減速比ntoldから新減速比ntnewへと徐々に変化している。また、これら各図の他、上式(2)からも明らかなように、シフトアップ時及びシフトダウン時のいずれの場合であっても、過渡減速比nttransはその変化率(同図(a),(b)におけるグラフの傾き)が経過時間TSの増大に伴って徐々に変化するようになっている。
【0044】
上記のようにして過渡減速比nttransを算出した後、ステップ112において、モデル定数設定部61はこの過渡減速比nttransを減速比ntとして再設定する。
【0045】
これに対して、前述したステップ108において、変速指令Sが出力されてから所定時間TSINTが経過していると判断された場合、即ちトランスミッションが定常状態にあると判断された場合、モデル定数設定部61は上記各ステップ110,112の処理をスキップする。即ち、この場合には減速比ntの再設定は行われない。
【0046】
このように減速比ntは、変速指令Sが出力されてから所定時間TSINTが経過するまでは、過渡減速比nttrans、即ちトランスミッションの過渡的な状態に対応した値に設定され、同所定時間TSINTの経過後は、スロットル開度TA及び車速SPDに基づく値、即ちトランスミッションの定常状態に対応する値に設定されることとなる。
【0047】
上記ステップ108において肯定判定された場合、或いはステップ112の処理を実行した後、モデル定数設定部61は処理をステップ114に移行して減速比ntを次回の演算周期における値として指示トルク演算部62に出力する。このステップ114の処理を実行した後、モデル定数設定部61は本処理ルーチンを一旦終了する。
【0048】
次に、指示トルク演算部62による指示トルクTTRGの算出手順について説明する。指示トルク演算部62はモデル定数設定部61によって設定されるモデル定数(Je,J1〜J3,K1,K2,C1,C2,nd,t,nt)及び回転速度センサ42から入力される回転速度θ'e を前述したエンジン及び各構成体M1〜M3についての各運動方程式に代入するとともに、これら運動方程式を所定の演算周期で解くことにより、モデル化された車両の走行状態に応じた指示トルクTTRGを算出する。
【0049】
ここで、指示トルク演算部62は第1構成体M1から第2構成体M2へと伝達されるトルク(以下、「伝達トルクTX」という)を算出した後、前述した過渡トルク比kに基づいてこの伝達トルクTXを補正することにより、変速時期におけるトランスミッションの過渡的なトルク伝達特性を指示トルクTTRGの算出に反映させるようにしている。以下、こうした伝達トルクTXの補正手順について図7に示すフローチャートを参照して説明する。指示トルク演算部62はこのフローチャートに示す各処理を繰り返し実行することにより伝達トルクTXを所定の演算周期で補正するようにしている。
【0050】
まず、ステップ200において、指示トルク演算部62はモデル定数設定部61から変速指令Sが入力されたか否か、換言すれば今回の演算周期がトランスミッションの変速開始時期であるか否かを判断する。ここで今回の演算周期がトランスミッションの変速開始時期であると判断された場合、ステップ202において、指示トルク演算部62は現在の伝達トルクTXを変速開始時伝達トルクTXINIとして設定した後、処理をステップ204に移行する。
【0051】
一方、ステップ200において、今回の演算周期がトランスミッションの変速開始時期ではないと判断された場合、指示トルク演算部62はステップ202をスキップして処理をステップ204に移行する。
【0052】
ステップ204において指示トルク演算部62は変速指令Sが入力されてから所定時間TSINTが経過したか否か、即ち(TS>TSINT)の関係が満たされているか否かを判断する。ここで所定時間TSINTが経過したと判断された場合、指示トルク演算部62はトランスミッションのトルク伝達特性が定常的な状態になっているものとして本処理ルーチンを一旦終了する。即ち、この場合には、トランスミッションの変速開始から十分に時間が経過しており、トランスミッションの過渡的なトルク伝達特性を指示トルクTTRGを算出するうえで考慮する必要がないため、伝達トルクTXの補正は実行されない。
【0053】
一方、ステップ204において、変速指令Sが入力されてから所定時間TSINTが未だ経過していないと判断された場合、指示トルク演算部62は上記伝達トルクTXを補正すべくステップ206以降の処理を順次実行する。
【0054】
まず、ステップ206において、指示トルク演算部62は今回のトランスミッションの変速動作がシフトアップであるか否かを判断する。ここで肯定判断された場合、ステップ210において、指示トルク演算部62は変速開始からの経過時間TS及び変速後のシフト位置Gに基づいて過渡トルク比kを設定する。
【0055】
指示トルク演算部62のメモリ(図示略)には図8に示すようなシフトアップ時における経過時間TS及び変速後のシフト位置Gと過渡トルク比kとの関係を示す関数データが記憶されており、指示トルク演算部62は同過渡トルク比kを設定する際にこの関数データを参照する。
【0056】
例えば、シフト位置Gが「2nd」である場合には、過渡トルク比kは経過時間TSの増大に伴い同図に示す実線に沿って変化し、また、シフト位置Gが「3rd」、「4th」である場合には、過渡トルク比kは経過時間TSの増大に伴いそれぞれ同図に示す一点鎖線、二点鎖線に沿って変化することとなる。因みに、こうした関数データは個々のトランスミッションに対応して実験等に基づき求められる。
【0057】
次に、ステップ212において、指示トルク演算部62は過渡トルク比k及び変速開始時伝達トルクTXINIの乗算値(k・TXINI)と伝達トルクTXとを比較する。ここで伝達トルクTXが上記乗算値(k・TXINI)以下であると判断された場合、指示トルク演算部62は本処理ルーチンを一旦終了する。従ってこの場合には、伝達トルクTXの補正は行われない。
【0058】
一方、ステップ212において伝達トルクTXが上記乗算値(k・TXINI)より大きいと判断された場合、ステップ214において、指示トルク演算部62は上記乗算値(k・TXINI)を新たな伝達トルクTXとして設定する。即ち、ステップ212及びステップ214の各処理が実行されることにより、伝達トルクTXは上記乗算値(k・TXINI)以下となるように補正(制限)されることとなる。
【0059】
これに対して、上記ステップ206において、今回のトランスミッションの変速動作がシフトダウンであると判断された場合、指示トルク演算部62は処理をステップ220に移行する。そして、ステップ220において、指示トルク演算部62は変速開始からの経過時間TS及び変速後のシフト位置Gに基づいて過渡トルク比kを設定する。
【0060】
指示トルク演算部62のメモリ(図示略)には図9に示すようなシフトダウン時における経過時間TS及び変速後のシフト位置Gと過渡トルク比kとの関係を示す関数データが記憶されており、指示トルク演算部62は同過渡トルク比kを設定する際にこの関数データを参照する。
【0061】
例えば、シフト位置Gが「1st」である場合には、過渡トルク比kは経過時間TSの増大に伴い同図に示す実線に沿って変化し、また、シフト位置Gが「2nd」、「3rd」である場合には、過渡トルク比kは経過時間TSの増大に伴いそれぞれ同図に示す一点鎖線、二点鎖線に沿って変化することとなる。こうした関数データは図8に示す関数データと同様、個々のトランスミッションに対応して実験等に基づき求められている。
【0062】
次に、ステップ222において、指示トルク演算部62は過渡トルク比k及び変速開始時伝達トルクTXINIの乗算値(k・TXINI)と伝達トルクTXとを比較する。ここで伝達トルクTXが上記乗算値(k・TXINI)以上であると判断された場合、指示トルク演算部62は本処理ルーチンを一旦終了する。従ってこの場合には、伝達トルクTXの補正は行われない。
【0063】
一方、ステップ222において、伝達トルクTXが上記乗算値(k・TXINI)より小さいと判断された場合、ステップ224において、指示トルク演算部62は上記乗算値(k・TXINI)を新たな伝達トルクTXとして設定する。即ち、ステップ222及びステップ224の処理が実行されることにより、伝達トルクTXは上記乗算値(k・TXINI)以上となるように補正(制限)されることとなる。
【0064】
上記ステップ214,224の各処理を実行した後、指示トルク演算部62は本ルーチンの処理を一旦終了する。
図10はシフトアップ時における減速比nt、過渡トルク比k及び伝達トルクTXの変化、図11はシフトダウン時における減速比nt、過渡トルク比k及び伝達トルクTXの変化態様の一例をそれぞれ示すタイミングチャートである。
【0065】
これら図10及び図11に示すように、本実施形態においては、トランスミッションの変速開始から所定時間TSINTが経過するまでの過渡応答期間(図10,11のタイミングt1〜t6の期間)において減速比ntを変速前の値から変速後の値にまで徐々に変更される。従って、トランスミッションの減速比ntにおける過渡的な変化を考慮したうえでエンジン10に付与すべき負荷トルク、即ち指示トルクTTRGを算出することができるようになる。
【0066】
・その結果、本実施形態によれば、トランスミッションの減速比ntを変速前の値から変速後の値へと瞬時に変更して指示トルクTTRGを算出するようにした試験装置とは異なり、トランスミッションの変速動作に係る過渡的な挙動を試験結果に簡便に反映させることができ、こうした変速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行状態に即した試験結果を得ることができるようになる。
【0067】
特に、本実施形態にあっては、上式(2)に示すように、上記経過時間TSを変数とする正弦関数に基づいて減速比ntを算出することにより、その減速比ntの変化率をトランスミッションの過渡応答期間において徐々に変化させるようにしている。
【0068】
・従って、本実施形態によれば、減速比ntの変化をより滑らかなものとすることができ、例えば実稼動状態では発生し得ない過大な負荷トルクがダイナモメータ20からエンジン10に対して作用するのを確実に抑制することができるようになる。
【0069】
ところで、実際のトランスミッションにおいて、その出力軸から出力される出力トルクは同トランスミッションの過渡応答期間において一般に以下のような変化態様を示すことが知られている。
【0070】
即ち、シフトアップ時にあっては、図12に示すように、出力トルクは変速開始時(タイミングt1)から一旦上昇した後(タイミングt2)、変速前の値よりも小さな値にまで減少する(タイミングt3)。そして、出力トルクは再度大きく上昇した後(タイミングt4)、徐々に減少して変速後の値に収束する(タイミングt5)。
【0071】
一方、シフトダウン時にあっては、図13に示すように、出力トルクは変速開始時(タイミングt1)から大きく減少した後(タイミングt2)、変速後の値よりも大きな値にまで一旦上昇する(タイミングt3)。そして、出力トルクは再度変速後の値よりも小さな値にまで減少した後(タイミングt4)、徐々に上昇して変速後の値に収束する(タイミングt5)。
【0072】
ここで、特に、シフトアップ時のタイミングt1〜t3の期間における出力トルクの変化態様は「トルク相」と、また、シフトアップ時のタイミングt3〜t5の期間における変化態様は「イナーシャ相」と一般に称されている
こうしたトランスミッションの出力トルクの変化は、トランスミッションに内蔵されるギヤやクラッチの係合及びその解除に伴って発生するトルク伝達特性の過渡的な変化であり、変速時期におけるトランスミッションの過渡的な挙動をより正確に把握したうえで指示トルクTTRGを算出するためには、モデル上における伝達トルクTXの変化態様においても、こうした過渡的な変化を再現するのが望ましい。
【0073】
この点、本実施形態では、シフトアップ時には過渡トルク比kと変速開始時伝達トルクTXINIとの乗算値(k・TXINI)を上記伝達トルクTXに関する上限値として設定し、変速開始時から所定時間TSINTが経過するまでは伝達トルクTXをこの上限値以下に補正するようにしている。
【0074】
また、シフトダウン時には上記乗算値(k・TXINI)を伝達トルクTXに関する下限値として設定し、変速開始時から所定時間TSINTが経過するまでは伝達トルクTXをこの下限値以上に制限するようにしている。
【0075】
仮に、こうした伝達トルクTXの補正を行わない場合(この場合の伝達トルクTXの変化態様を図10,11に二点鎖線にて示す)とは異なり、図10,11に示すタイミングt2〜t3の期間やタイミングt4〜t5の期間においては伝達トルクTXが上記乗算値(k・TXINI)と等しくなるように制限されるようになる。
【0076】
・従って、本実施形態によれば、伝達トルクTXの変化態様においてこうした「トルク相」及び「イナーシャ相」を含む過渡的な変化を簡易的に再現することができ、トランスミッションの過渡的なトルク伝達特性を指示トルクTTRGの算出に簡易的に反映させることができるようになる。その結果、トランスミッションの変速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行状態を正確に再現した試験結果を得ることができるようになる。
【0077】
特に、本実施形態では、伝達トルクTXの上限値或いは下限値を設定する際に必要となる過渡トルク比kを変速開始からの経過時間TSとシフト位置Gとに基づいて設定するようにしている。
【0078】
・従って、本実施形態によれば、伝達トルクTXの過渡的な変化態様を実際のトランスミッションの特性に即したより正確な形で再現することができるようになるため、同トランスミッションの過渡的なトルク伝達特性を指示トルクTTRGの算出に対して更に正確に反映させることができるようになる。
【0079】
更に、本実施形態では、伝達トルクTXの上下限値を設定するうえで、変速開始時における伝達トルクTXの大きさを基準とし、この伝達トルクTXの大きさに対する比(過渡トルク比k)を用いてこれら上下限値を設定するようにしている。
【0080】
・従って、本実施形態によれば、これら上下限値を例えばエンジン10の回転速度θ'e や第1構成体M1の回転速度θ'1 についての関数データを用いて設定するようにした場合とは異なり、モデル定数設定部61のメモリに記憶されるデータ量を減少させることができ、同メモリの記憶容量の節約を図ることができる。
【0081】
以上説明した本実施形態は以下のように構成を変更して実施することもできる。
・上記実施形態では、車両を複数の構成体M1〜M3に区分してモデル化するようにしたが、この区分の方法及びその数は上記実施形態と同じである必要はなく任意に設定することができる。
【0082】
・上記実施形態では、減速比ntを経過時間TSを変数とする正弦関数に基づいて設定するようにしたが、上記トランスミッションの過渡応答時間において減速比ntの変化率を徐々に変化させることができるものであればこうした正弦関数に限定されることはない。また、この減速比ntを変速開始から経過時間TSの増大に応じて比例的に変化させるようにしてもよい。
【0083】
・上記実施形態では、経過時間TSと過渡トルク比kとの関係を定義する関数データを各シフト位置G毎に用意するようにしたが、このシフト位置Gに関しては共通の過渡トルク比kを用いてより簡易的な形で上記「トルク相」及び「イナーシャ相」を含む過渡的なトルク変化を再現するようにし、メモリの記憶容量の節約及び演算負荷の軽減を図るようにしてもよい。
【0084】
・上記実施形態では、伝達トルクTXの上限値或いは下限値を経過時間TS及びシフト位置Gに基づいて変化させるようにしたが、これら上下限値を一定値として設定することもできる。
【0085】
・上記実施形態では、本発明をガソリンエンジンの試験装置として具体化するようにしたが、例えばディーゼルエンジンの試験装置として、或いは交流モータや直流モータ等の電動機の試験装置として具体化することもできる。
【0086】
【発明の効果】
請求項1乃至6に記載した発明によれば、自動変速機の変速時期における減速比の過渡的な変化を考慮したうえで原動機に付与すべき負荷トルクを算出することができるようになる。従って、自動変速機の変速動作に係る過渡的な挙動を試験結果に簡便に反映させて、同変速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行状態に即した試験結果を得ることができるようになる。
【0087】
また、請求項4乃至6に記載した発明によれば、自動変速機における過渡的なトルク伝達特性を負荷トルクの算出に簡易的に反映させることができる。その結果、自動変速機の変速動作が頻繁に行われる車両の過渡的な走行状態を更に正確に再現した試験結果を得ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの試験装置を示す概略構成図。
【図2】車両の動特性モデルを示す模式図。
【図3】ダイナモメータ制御部の構成を示すブロック図。
【図4】スロットル開度及び車速とシフト位置との関係を示すグラフ。
【図5】減速比の算出手順を示すフローチャート。
【図6】過渡減速比の変化態様を示すタイミングチャート。
【図7】伝達トルクの補正手順を示すタイミングチャート。
【図8】シフトアップ時における過渡トルク比を設定するためのマップ。
【図9】シフトダウン時における過渡トルク比を設定するためのマップ。
【図10】シフトアップ時における減速比、過渡トルク比、及び伝達トルクの変化態様を示すタイミングチャート。
【図11】シフトダウン時における減速比、過渡トルク比、及び伝達トルクの変化態様を示すタイミングチャート。
【図12】シフトアップ時におけるトランスミッションの出力トルクの変化態様を示すタイミングチャート。
【図13】シフトダウン時におけるトランスミッションの出力トルクの変化態様を示すタイミングチャート。
【符号の説明】
10…エンジン、11…クランクシャフト、12…吸気通路、14…スロットルバルブ、15…スロットルモータ、20…ダイナモメータ、21…入力軸、30…シャフト、31,32…カップリング、40…トルクセンサ、42…回転速度センサ、44…スロットルセンサ、50…エンジン制御部、60…ダイナモメータ制御部、61…モデル定数設定部、62…指示トルク演算部、63…車速演算部、64…比較部、65…駆動部、70…制御装置、M1…第1構成体、M2…第2構成体、M3…第3構成体。

Claims (6)

  1. 車両駆動系の一部を構成する自動変速機に連結される車両用原動機の駆動軸に対し負荷トルクを付与する負荷トルク付与手段と、前記車両駆動系を少なくとも、前記自動変速機の入力軸側に駆動連結される構成体と同自動変速機の出力軸側に駆動連結される構成体とに分割し、各構成体の等価慣性及び等価ダンピング定数及び等価バネ定数並びに前記自動変速機の減速比をモデル定数として導入した動特性モデルに基づいて前記駆動軸に付与する負荷トルクを演算する演算手段とを備え、前記演算される負荷トルクを前記負荷トルク付与手段から前記駆動軸に付与することにより前記原動機を前記車両に搭載することなく擬似的に前記車両に搭載された状態にして試験を行う原動機の試験装置であって、
    前記演算手段は前記減速比の切換時における前記負荷トルクを演算する際に前記減速比を切換前の値から切換後の値へと予め設定された所定時間を要して徐変操作するものである
    ことを特徴とする原動機の試験装置。
  2. 請求項1に記載した原動機の試験装置において、
    前記演算手段は前記減速比の変化率が徐々に変化するように同減速比を徐変操作するものである
    ことを特徴とする原動機の試験装置。
  3. 請求項2に記載した原動機の試験装置において、
    前記演算手段は前記減速比の変化態様を同減速比の切換開始時からの経過時間を変数とする正弦関数に基づいて設定するものである
    ことを特徴とする原動機の試験装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載した原動機の試験装置において、
    前記演算手段は前記減速比を減少させるシフトアップ時に前記入力軸に入力される入力トルク及び前記減速比に基づいて算出される前記出力軸の出力トルクに関する上限値を設定し、前記所定時間が経過するまで前記出力トルクを当該上限値以下に制限するものである
    ことを特徴とする原動機の試験装置。
  5. 請求項1乃至3のいずれかに記載した原動機の試験装置において、
    前記演算手段は前記減速比を増大させるシフトダウン時に前記入力軸に入力される入力トルク及び前記減速比に基づいて算出される前記出力軸の出力トルクに関する下限値を設定し、前記所定時間が経過するまで前記出力トルクを当該下限値以上に制限するものである
    ことを特徴とする原動機の試験装置。
  6. 請求項4又は5に記載した原動機の試験装置において、
    前記演算手段は前記上限値或いは前記下限値を前記減速比の切換開始時からの経過時間についての関数として設定するものである
    ことを特徴とする原動機の試験装置。
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