[第一実施形態]
以下、本発明に係る画像読取装置及び画像形成装置の実施形態について図面を参照して説明する。尚、以下の実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態として、コピー、スキャナ、ファクシミリ、プリンタ等の機能を備えた複合機に集約した形態を例に説明する。
図1は、本実施形態に係る複合機1の内部構成を模式的に示した縦断面図である。図1に示す複合機1は、画像読取装置2と装置本体3とを備えている。
画像読取装置2は、原稿給紙部21とスキャナ部22とを備えている。
原稿給紙部21は、ADFを実現するものであり、原稿トレイ231、給紙ローラ232、搬送ドラム233、排紙ローラ対234及び排紙トレイ235を備えている。
原稿トレイ231は、原稿が載置される場所であり、原稿トレイ231に載置された原稿は1枚ずつ給紙ローラ232によって取り込まれて搬送ドラム233へ搬送される。搬送ドラム233を経由した原稿は排紙ローラ234によって排紙トレイ235へ排出される。
スキャナ部22は、原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するものである。スキャナ部22は、コンタクトガラス221、光源222、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227、結像レンズ228、及びラインセンサであるCCD(Charge Coupled Device)229を備えている。
コンタクトガラス221は、本発明に係る透明部材の一例を構成するものであり、原稿を載置する面を構成する。光源222及び第1ミラー223は、第1キャリッジ226によって支持されており、第2ミラー224及び第3ミラー225は、第2キャリッジ227によって支持されている。光源222には、例えば白色LED等の白色蛍光ランプが用いられ、光源222からコンタクトガラス221を介して原稿に向けて光が照射されると、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225、第1キャリッジ226、第2キャリッジ227及び結像レンズ228により、原稿から反射された反射光がCCD229に導かれる。
CCD229は、本発明に係る画像読取部の一例を構成するものであり、物理的に独立した1チップで構成された所謂一次元のイメージセンサである。CCD229は、主走査方向のライン状に配列された複数の受光素子(本発明に係る画素検出部の一例)からなる受光面を有し、当該受光面に集光された原稿の主走査方向1ライン分の反射光を当該複数の受光素子で光電変換することにより、主走査方向1ライン分の画像データを出力する。つまり、主走査方向1ライン分の画像データは、当該複数の受光素子(画素検出部)のそれぞれに対応する反射光の明るさを示す値(画素値)によって構成されている。
画像読取装置2における原稿読取方法としては、コンタクトガラス221上に載置された原稿を読み取るフラットベッド読取モードと、原稿をADFによって取り込み、その搬送途中で原稿を読み取るADF読取モードがある。
フラットベッド読取モードでは、光源222がコンタクトガラス221を介して原稿を照射し、一次元のイメージセンサであるCCD229の各画素が並ぶ主走査方向1ライン分の反射光が、第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。
このような動作が、主走査方向と直交する方向(副走査方向、矢印Y方向)への第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227の移動と並行して1ラインずつ実施される。CCD229は、主走査方向1ライン分の原稿の画像データを同時に処理し、画像データを1ライン単位で後述のA/D変換部216(図4参照)に出力する。
ADF読取モードでは、原稿トレイ231に載置された原稿が給紙ローラ232によって原稿搬送経路に1枚ずつ取り込まれ、搬送ドラム233から排紙トレイ235への搬送経路に設けられた画像読取位置PS上を原稿が通過するとき、光源222が原稿を照射し、主走査1ライン分の反射光が第1ミラー223、第2ミラー224、第3ミラー225の順に反射して、結像レンズ228に入射する。結像レンズ228に入射した光はCCD229の受光面で結像される。
このような動作が、搬送ドラム233による原稿の搬送と並行して1ラインずつ実施される。CCD229は、主走査方向1ライン分の原稿の画像データを同時に処理し、画像データを1ライン単位で後述のA/D変換部216(図4参照)に出力する。
更に、原稿給紙部21は、切換ガイド236、反転ローラ237及び反転搬送路238からなる原稿反転機構を備えている。
切換ガイド236は、片面読み取り時及び両面読み取り時において裏面の読み取り後、上側に切り替えられ、搬送ドラム233を経た原稿は排紙ローラ234によって排紙トレイ235に排紙される。切換ガイド236は、両面読み取り時における表面読み取り後、下側に切り替えられ、搬送ドラム233を経た原稿は反転ローラ237のニップ部へ搬送される。その後、切換ガイド236は上側へ切り替えられ、反転ローラ237が逆回転することにより、原稿は、反転搬送路238を介して搬送ドラム233へ再搬送される。
つまり、1回目の読み取りによって表面が読み取られた原稿を、切換ガイド236、反転ローラ237及び反転搬送路238からなる原稿反転機構を用いて反転させて再搬送することによって、再度CCD229によって裏面の読み取りを行わせることができる。
装置本体3は、用紙(記録媒体)を収容する複数の給紙カセット461と、給紙カセット461から搬送されてきた用紙に画像を形成する記録部40と、給紙カセット461から用紙を1枚ずつ繰り出して記録部40へ搬送する給紙ローラ462と、左方に配設されたスタックトレイ6と、記録部40を通過した用紙をスタックトレイ6又は排出トレイ48まで搬送する搬送ローラ463及び464と、を備えている。
装置本体3は、更に、手差しトレイ471を備え、この手差しトレイ471からは何れの給紙カセットにも収納されていないサイズの用紙や、既に一方の面に画像形成がなされている用紙(裏紙)、OHPシートのような任意の記録媒体が載置可能であり、給紙ローラ472によって1枚ずつ装置本体3内に給紙される。
記録部40は、本発明に係る画像形成部の一例を構成するものであり、スキャナ部22で生成された画像データに基づいてレーザ光を出力して感光体ドラム43を露光し、感光体ドラム43の表面に静電潜像を形成する露光装置42と、上記静電潜像に基づいて感光体ドラム43上にトナー像を形成する現像装置44と、感光体ドラム43に形成されたトナー像を用紙に転写させる転写装置41と、トナー像が転写された用紙を加熱してトナー像を用紙に定着させる定着装置45とを備えている。
また、装置本体3の前方には、操作部5が備えられている。操作部5は、タッチパネル51、テンキー53、及びスタートキー55等を備えている。タッチパネル51は、種々の操作画面を表示するとともに、ユーザが種々の操作指令を入力するための種々の操作ボタン等を表示する。テンキー53は、画像形成する記録紙の枚数(印刷部数)等の実行条件を入力するために用いられ、スタートキー55は、記録部40による画像形成処理の実行開始指示等を入力するために用いられる。
図2は、原稿給紙部21及びスキャナ部22の内部拡大図である。図3は、コンタクトガラス221の平面図(コンタクトガラス221を下から上へ見上げた図)である。図2及び図3に示すように、コンタクトガラス221には、図3の破線矩形領域が示す、読み取り対象の原稿が載置される領域(原稿読取領域)外であって、原稿の読取開始位置である画像読取位置PSよりも、原稿の読み取りが進められる方向、つまり、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227の移動方向(図中の+Y方向)とは逆方向(図中の−Y方向)に、白色基準板10と、本発明に係る結露判定部材の一例としての黒色基準板11と、が取り付けられている。
白色基準板10は、主走査方向(図2において紙面に直交する方向、図3においてX方向)に延びるように、コンタクトガラス221に取り付けられた白色の帯板状部材であり、黒色基準板11は、主走査方向に延びるように、コンタクトガラス221に取り付けられた黒色の帯板状部材である。尚、ここにいう黒色とは、光の反射率が30%以下の色を示すものとする。
次に、複合機1の電気的な構成を説明する。図4は、複合機1の電気的な構成を示すブロック図である。図4に示すように、複合機1は、CPU211と、RAM212と、ROM213と、読取制御部214と、ASIC215と、A/D変換部216と、シェーディング補正部217と、画像処理部218と、を備え、これらの各部と上記のスキャナ部22と操作部5とが、互いに通信可能なようにデータバスBUSによって接続されている。
CPU211は、複合機1の全体的な動作制御を司るものであり、ROM213や図略のHDDに記憶されているプログラムに従って複合機1における各部の動作を制御する。本実施形態では、CPU211は、特に、結露判定データ取得部12と、黒色基準データ取得部13と、黒色基準画素値算出部14として機能する。尚、結露判定データ取得部12と、黒色基準データ取得部13と、黒色基準画素値算出部14の詳細については、後述する。
RAM212は、CPU211による上記プログラムに従った複合機1及び画像読取装置2の動作制御時の作業領域として用いられるメモリである。ROM213は、上記プログラムや各種設定値等を記憶するメモリである。
読取制御部214は、CCD229を原稿に対して相対的に副走査方向に移動させながら、当該原稿の画像を主走査方向1ライン分ずつ読み取らせる制御を行う。具体的には、読取制御部214は、光源222による照明動作、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227の副走査方向の移動動作、原稿給紙部21による原稿の副走査方向の搬送動作、及びCCD229の受光動作を制御して、スキャナ部22に原稿の画像を読み取らせる。
ASIC(Application Specific Integrated Circuits)215は、コンタクトガラス221の結露の発生を判定する処理を専用ハードウェアで高速実行可能に構成されている。具体的には、ASIC215には、本発明に係る結露判定補正値生成部としての結露判定補正値生成回路15と、本発明に係る結露判定部としての結露判定回路16と、本発明に係る記憶部としてのレジスタ17が組み込まれている。尚、結露判定補正値生成回路15と、結露判定回路16と、レジスタ17の詳細については、後述する。
A/D変換部216は、スキャナ部22から出力されるアナログの電気信号からなる主走査方向1ライン分の原稿の画像データを、所定ビット数からなるデジタルの画像データに変換するA/D変換処理を行う。
A/D変換部216は、A/D変換処理後の画像データをシェーディング補正部217、結露判定データ取得部12、及び黒色基準データ取得部13等に出力する。
シェーディング補正部217は、例えば、ASIC等の専用ハードウェアで高速処理可能に構成され、スキャナ部22及びA/D変換部216を介して出力された画像データに対してシェーディング補正を行う。
例えば、シェーディング補正部217は、白色基準板10の主走査方向1ライン分の画像を複数の画素としてCCD229に読み取らせた白色基準データと、光源222による光の照射を行わずにCCD229から出力させたアナログの電気信号をA/D変換部216によってA/D変換処理させることによって、光源222による光の照射を行わずに主走査方向1ライン分の画像を複数の画素として読み取らせた黒色基準データとの間で、対応し合う画素同士の画素値の差分を算出する。そして、当該算出した差分によって、原稿の主走査方向1ライン分の画像を読み取った原稿画像データと黒色基準データとの間で対応し合う画素同士の画素値の差分を除算した結果に対して、画素値の最大値を乗算することによって、シェーディング補正を行う。
これによって、画像形成しようとしている原稿画像データにシェーディング補正が施され、光源222による照明の配光ムラやCCD229の各画素間の感度差が補正される。尚、シェーディング補正部217は、これに限らず、その他の方法でシェーディング補正を行うように構成されていてもよい。また、シェーディング補正部217で行われるシェーディング補正の処理は、CPU211によって実行されるプログラムとして実装されていてもよい。
画像処理部218は、例えば、ASIC等の専用ハードウェアで高速処理可能に構成され、A/D変換部216から出力された画像データ又はシェーディング補正部217から出力されたシェーディング補正処理後の画像データに対して、各種画像処理を行うものである。例えば、画像処理部218は、当該画像データに対して、レベル補正、ガンマ補正等の補正処理、画像データの圧縮又は伸長処理、拡大又は縮小処理などの画像加工処理を行う。尚、画像処理部218で行われる各種画像処理は、CPU211によって実行されるプログラムとして実装されていてもよい。
以下では、結露判定データ取得部12、黒色基準データ取得部13、黒色基準画素値算出部14、結露判定補正値生成回路15、及び結露判定回路16で行われる各種処理と、レジスタ17に記憶されるデータについて詳述する。
黒色基準データ取得部13は、図5(a)に示すように、光源222による光の照射を行わずに、CCD229から出力させたアナログの電気信号をA/D変換部216によってA/D変換処理させることによって、光源222による光の照射を行わずに主走査方向1ライン分の画像を複数の画素1,2,・・・,n−1,nとして読み取らせ、これによって、各画素の画素値B(1),B(2),・・・,B(n−1),B(n)を取得し、当該取得した画素値B(1)〜B(n)をRAM212に記憶する。
画素値B(1)〜B(n)は、それぞれ、画素1〜nの明るさを、8ビット(0〜255)の256段階で表している。画素値は、例えば、0で最も暗く、255で最も明るいことを示している。この画素値B(1)〜B(n)によって、主走査方向1ライン分の黒色基準データBが構成されている。以下では、画素値に付された括弧内の数字は、対応する画素の番号(CCD29が備える受光素子の番号)を示すものとする。
尚、黒色基準データ取得部13は、RAM212に既に黒色基準画像データBが記憶されている場合には、新たに黒色基準画像データBを取得しないように構成されていてもよい。
黒色基準画素値算出部14は、図5(a)に示すように、黒色基準データ取得部13によって取得された黒色基準データBを構成する複数の画素値B(1)〜B(n)の平均値を算出し、当該算出した平均値を黒色基準画素値Bd(Bd=(B(1)+B(2)+・・・+B(n−1)+B(n))/n)とする。
そして、黒色基準画素値算出部14は、当該算出した黒色基準画素値BdをASIC215に対して出力する。これに合わせて、ASIC215は、黒色基準画素値算出部14から入力された当該黒色基準画素値Bdをレジスタ17に記憶するように構成されている。
結露判定データ取得部12は、図5(a)に示すように、CCD229によって、黒色基準板11の主走査方向1ライン分の画像を複数の画素1,2,・・・,n−1,nとして読み取らせることによって、各画素の画素値C(1),C(2),・・・,C(n−1),C(n)を取得する。この画素値C(1)〜C(n)によって、主走査方向1ライン分の結露判定データCが構成されている。
そして、結露判定データ取得部12は、当該主走査方向1ライン分の結露判定データCをASIC215に対して出力する。これに合わせて、ASIC215は、結露判定データ取得部12から入力された主走査方向1ライン分の結露判定データCを結露判定補正値生成回路15に入力するように構成されている。
結露判定補正値生成回路15は、図5(a)に示すように、複数の画素1〜nの画素毎に、結露判定データ取得部12から入力された結露判定データCにおける画素値C(1)〜C(n)と、レジスタ17に記憶された黒色基準画素値Bdとの差を、結露判定補正値C’(1),C’(2),・・・,C’(n−1),C’(n)としてそれぞれ算出する(例えば、画素nの場合、C’(n)=C(n)−Bd)。この結露判定補正値C’(1)〜C’(n)によって、主走査方向1ライン分の結露判定補正データC’が構成されている。尚、結露判定補正値生成回路15は、当該算出した主走査方向1ライン分の結露判定補正データC’を結露判定回路16に対して出力するように構成されている。
結露判定回路16は、結露判定補正値生成回路15から入力された結露判定補正データC’とレジスタ17に予め記憶された結露判定閾値との比較結果に基づいて、コンタクトガラス221に結露が発生しているか否かを示す制御信号を出力する。尚、結露判定閾値は、コンタクトガラス221に結露を生じさせて試験運転を行う等の実験値に基づいて予め定められ、レジスタ17に記憶されている。
具体的には、結露判定回路16は、結露判定補正値生成回路15から入力された主走査方向1ライン分の結露判定補正データC’のうちの何れか1つの結露判定補正値C’(1)〜C’(n)が結露判定閾値よりも大きいと判定したときは、コンタクトガラス221に結露が発生していることを示す制御信号を出力する。一方、結露判定回路16は、結露判定補正データC’のうちの全ての結露判定補正値C’(1)〜C’(n)が結露判定閾値よりも大きくないと判定したときは、コンタクトガラス221に結露が発生していないことを示す制御信号を出力する。
つまり、本発明に係る画像読取装置の一例が、上記の画像読取装置2と、結露判定データ取得部12と、黒色基準データ取得部13と、黒色基準画素値算出部14と、結露判定補正値生成回路15と、結露判定回路16と、レジスタ17と、を備えて構成されている。
結露が発生しているコンタクトガラス221に光源222からの光を照射すると、結露が発生している部分で光が乱反射して反射率が増大する。この状態で読み取られた画像は結露が発生していないときよりも明るくなる。一方、光を照射しないで読み取られた画像は、結露が発生しているか否かにかかわらず、明るさが変化しない。したがって、光を照射しないで読み取られた画像の明るさと、光を照射して読み取られた画像の明るさの差は、コンタクトガラス221に結露が発生しているときのほうが大きくなる。つまり、光を照射しないで読み取られた画像の明るさと光を照射して読み取られた画像の明るさの差の大小に基づいて、コンタクトガラス221に結露が発生しているか否かを判定することができる。
上記第一実施形態の構成によれば、光源222による光の照射を行わせずにCCD229によって画像を読み取らせることにより、CCD229の複数の受光素子によって読み取られた複数の画素値B(1)〜B(n)が黒色基準データBとして取得される。そして、当該取得された複数の画素値B(1)〜B(n)の平均値が黒色基準画素値Bdとして算出され、レジスタ17に記憶される。
また、結露判定データCにより示される各画素値C(1)〜C(n)とレジスタ17に記憶された黒色基準画素値Bdとの差が結露判定補正値C’(1)〜C’(n)として算出され、当該結露判定補正値C’(1)〜C’(n)と結露判定閾値との比較結果に基づいて、コンタクトガラス221に結露が発生しているか否かが判定される。
ここで、当該CCD229の複数の受光素子によって読み取られた複数の画素値B(1)〜B(n)は、CCD229が物理的に独立した1チップで構成されているため、画素間でバラツキが生じにくく、当該算出した黒色基準画素値Bdとほぼ等しい値を示すものと考えられる。つまり、レジスタ17に記憶された黒色基準画素値Bdは、光源222による光の照射を行わせずにCCD229の複数の受光素子によって読み取られる複数の画素値を示すものとみなすことができる。これによって、光源222による光の照射を行わせずにCCD229の複数の受光素子によって読み取られる複数の画素値B(1)〜B(n)を全てレジスタ17に記憶することに代えて、レジスタ17に記憶すべきデータを黒色基準画素値Bdだけに制限することができる。
以下では、図6を参照して、読取制御部214による原稿の読み取り制御について詳述する。
ユーザによる操作部5の操作等によって、読取制御部214に対する原稿の読み取り指示が入力され、CPU211によって当該指示が受け付けられると(S1)、読取制御部214は、黒色基準データ取得部13に黒色基準データBを取得させた後(S2)、黒色基準画素値算出部14に黒色基準画素値Bdを算出させ、当該算出された黒色基準画素値Bdをレジスタ17に記憶させる(S3)。次に、読取制御部214は、結露判定データ取得部12に結露判定データCを取得するデータ取得処理を実行させ、当該取得した結露判定データCを結露判定補正値生成回路15に対して出力させる(S4)。
そして、結露判定補正値生成回路15では、結露判定データ取得部12から入力された結露判定データCとレジスタ17に記憶された黒色基準画素値Bdとを用いて、結露判定補正値C’(1)〜C’(n)からなる結露判定補正データC’が生成され、当該生成された結露判定補正データC’が結露判定回路16に対して出力される(S5)。
次に、結露判定回路16では、結露判定補正値生成回路15から入力された結露判定補正データC’のうち、何れか1つの結露判定補正値C’(1)〜C’(n)がレジスタ17に予め記憶された結露判定閾値よりも大きいと判定したときは、コンタクトガラス221に結露が発生していることを示す制御信号が出力され(S6;YES)、全ての結露判定補正値C’(1)〜C’(n)が結露判定閾値よりも大きくないと判定したときに、コンタクトガラス221に結露が発生していないことを示す制御信号が出力される(S6;NO)。
結露判定回路16からコンタクトガラス221に結露が発生していないことを示す制御信号が出力されると(S6;NO)、読取制御部214は、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227を白色基準板10まで移動させた後、CCD229によって白色基準板10の画像を主走査方向1ライン分読み取らせ、当該読み取らせた白色基準データをRAM212に記憶する(S7)。
そして、読取制御部214は、第1キャリッジ226及び第2キャリッジ227を原稿の読み取り開始位置PSまで移動させた後、原稿の主走査方向全ライン分の読み取りが完了するまでの間(S10;NO)、CCD229によって原稿の画像を主走査方向1ライン分ずつ読み取らせる(S8)。
尚、当該読み取られた主走査方向1ライン分の原稿画像データは、ステップS2で取得された黒色基準データBと、ステップS7でRAM212に記憶された白色基準データと、を用いて、シェーディング補正部217によってシェーディング補正される(S9)。このようにして、ステップS1〜S10によってシェーディング補正が施された主走査方向全ライン分の原稿画像データが画像形成に用いられる。
一方、結露判定回路16からコンタクトガラス221に結露が発生していることを示す制御信号が出力されると(S6;YES)、読取制御部214は、CCD229によって原稿を読み取らせることなく、例えば、操作部5のタッチパネル51にコンタクトガラス221に結露が発生している旨の警告メッセージを表示する(S11)。
このように、CCD229によって原稿の画像が読み取られる前に結露の判定が行われるため、コンタクトガラス221に結露が発生している状態で、不必要にCCD229によって原稿の画像を読み取らせることを回避することができる。
[第二実施形態]
以下の第二実施形態の説明では、第一実施形態とは異なる部分についてのみ詳述し、第一実施形態と同じ部分については説明を省略する。
第二実施形態の構成では、黒色基準データ取得部13は、ステップS2(図6)において、図5(b)に示すように、黒色基準データBを予め定められた複数(m回)生成させる。以下では、i回目に生成された黒色基準データを黒基準データBiと示すものとし、総称する場合は、黒色基準データBと示すものとする。また、i回目に生成された黒基準データBiにおけるj番目の画素に対応する画素値をBi(j)と示すものとする。
これに合わせて、黒色基準画素値算出部14は、ステップS3(図6)において、図5(b)に示すように、複数の画素1〜nの画素毎に、当該複数回(m回)分の黒色基準データB1,B2,・・・,Bmにおける画素値(例えば、画素nの場合、B1(n),B2(n),・・・,Bm(n))の平均値を、黒色平均画素値Bav(1),Bav(2),・・・,Bav(n−1),Bav(n)としてそれぞれ算出する(例えば、画素nの場合、Bav(n)=(B1(n)+B2(n)+・・・+Bm(n))/m)。この黒色平均画素値Bav(1)〜Bav(n)によって、主走査方向1ライン分の平均黒色基準データBavが構成されている。尚、画素1〜nは、CCD229が備える受光素子に対応している。
そして、黒色基準画素値算出部14は、当該算出した複数の画素1〜n分の黒色平均画素値Bav(1)〜Bav(n)の総和Bav(1)+Bav(2)+・・・+Bav(n−1)+Bav(n)を複数の画素数nで除算して、当該除算結果を黒色基準画素値Bd(Bd=(Bav(1)+Bav(2)+・・・+Bav(n−1)+Bav(n))/n)とする。
第二実施形態の構成によれば、黒色基準画素値Bdが黒色基準データBに含まれる複数回(m回)分の複数の画素値の平均値として算出されるため、黒色基準データBに含まれるCCD229の読み取り誤差が低減され、精度の良い黒色基準画素値Bdが算出されるようになる。
[第三実施形態]
以下の第三実施形態の説明では、第一実施形態又は第二実施形態とは異なる部分についてのみ詳述し、第一実施形態又は第二実施形態と同じ部分については説明を省略する。
第三実施形態の構成では、結露判定データ取得部12は、ステップS4(図6)において、図5(c)に示すように、結露判定データCを予め定められた複数(k回)生成させる。尚、以下では、i回目に生成された結露判定データを結露判定データCiと示すものとし、総称する場合は、結露判定データCと示すものとする。また、i回目に生成された結露判定データCiにおけるj番目の画素に対応する画素値をCi(j)と示すものとする。
そして、結露判定データ取得部12は、複数の画素1〜nの画素毎に、当該複数k回分の結露判定データC1,C2,・・・,Ckにおける画素値(例えば、画素nの場合、C1(n),C2(n),・・・,Ck(n))の平均値を、結露判定平均画素値Cav(1),Cav(2),・・・,Cav(n−1),Cav(n)としてそれぞれ算出する(例えば、画素nの場合、Cav(n)=(C1(n)+C2(n)+・・・+Ck(n))/k)。この結露判定平均画素値Cav(1)〜Cav(n)によって、主走査方向1ライン分の平均結露判定データCavが構成されている。
そして、結露判定データ取得部12は、当該算出した結露判定平均画素値Cav(1),Cav(2),・・・,Cav(n−1),Cav(n)からなる平均結露判定データCavを、新たな結露判定データとして、結露判定補正値生成回路15に対して出力する。
これに合わせて、結露判定補正値生成回路15では、ステップS5(図6)において、結露判定データ取得部12から入力された当該新たな結露判定データとしての平均結露判定データCavとレジスタ17に記憶された黒色基準画素値Bdとを用いて、結露判定補正値C’(1)〜C’(n)からなる結露判定補正データC’が生成され、当該生成された結露判定補正データC’が結露判定回路16に対して出力される。
第三実施形態の構成によれば、結露判定データCとして用いられることになる、新たな結露判定データを構成する新たな複数の画素値Cav(1)〜Cav(n)が、複数の結露判定データC1〜Ck間で同一の画素に対応する画素値同士の平均値として算出される。このため、結露判定データCに含まれるCCD229の読み取り誤差が低減され、精度の良い画素値からなる結露判定データCが生成されるようになる。
[第四実施形態]
以下の第四実施形態の説明では、第一実施形態、第二実施形態、又は第三実施形態とは異なる部分についてのみ詳述し、第一実施形態、第二実施形態、又は第三実施形態と同じ部分については説明を省略する。
第四実施形態の構成では、図7に示すように、スキャナ部22aは、上記ミラー群223,224,225,結像レンズ228,及びCCD229に代えて、光源222aと一体的に移動可能に構成された、CIS(Contact Image Sensor)24を備えて構成されている。
CIS24は、図8に示すように、それぞれ複数個(q個)の受光素子(本発明に係る画素検出部の別の一例)R1〜Rqを備えた物理的に独立したチップ(本発明に係る画像読取部の別の一例)が、主走査方向(図中X方向)に複数個(h個)並べて配置されて構成されている。
つまり、当該CIS24によって読み取った主走査方向1ライン分の画像データは、複数個(h個)のチップP1〜Phに備えられた受光素子(画素検出部)の総数(q×h個)と同数の画素の画素値によって構成されることとなる。ただし、各チップに備えられる受光素子の数や、CIS24に備えられるチップの数を上記に限定する趣旨ではない。
これに合わせて、ASIC215には、各チップP1〜Phのそれぞれに対応付けられたレジスタ17が設けられている。尚、当該レジスタ17は、1つの物理的に独立したレジスタで構成され、各チップP1〜Phのそれぞれに対応付けられた記憶領域が設けられていてもよいし、各チップP1〜Phのそれぞれに対応付けて物理的に独立したレジスタが複数個設けられて構成されていてもよい。
黒色基準データ取得部13は、ステップS2(図6)において、図9に示すように、光源222aによる光の照射を行わずに、各チップP1〜Phにそれぞれ備えられたq個の受光素子R1〜Rqから出力させたアナログの電気信号をA/D変換部216によってA/D変換処理させることによって、光源222aによる光の照射を行わずに主走査方向1ライン分の画像を読み取らせる。これによって、各チップP1〜Phにそれぞれ備えられたq個の受光素子R1〜Rqに対応する画素1〜qの画素値(例えば、t番目のチップPtの場合、B(t,1)〜B(t,q))を取得する。
当該取得した各チップP1〜Phのq個の画素値によって、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する黒色基準データBp1〜Bphが構成されている(例えば、t番目のチップPtの場合、黒色基準データBptは、B(t,1)〜B(t,q)によって構成されている)。
これに合わせて、黒色基準画素値算出部14は、ステップS3(図6)において、図9に示すように、黒色基準データ取得部13によって取得された、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する黒色基準データBp1〜Bphを構成する複数の画素値(例えば、チップPtの場合、B(t,1)〜B(t,q))の平均値をそれぞれ算出し、当該算出した平均値のそれぞれを、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する黒色基準画素値Bd(v)(ここで括弧内のvは、チップ番号を示す。例えば、t番目のチップPtの場合、Bd(t)=(B(t,1)+B(t,2)+・・・+B(t,q))/q)とする。
そして、黒色基準画素値算出部14は、当該算出した各チップP1〜Phのそれぞれに対応する黒色基準画素値Bd(1)〜Bd(h)をASIC215に対して出力する。これに合わせて、ASIC215は、黒色基準画素値算出部14から入力された黒色基準画素値Bd(1)〜Bd(h)を、当該黒色基準画素値Bd(1)〜Bd(h)のそれぞれに対応する各チップP1〜Phに対応付けられたレジスタ17に記憶するように構成されている(例えば、黒色基準画素値Bd(t)は、チップPtに対応付けられたレジスタ17に記憶される)。
また、第四実施形態の構成では、結露判定データ取得部12は、ステップS4(図6)において、図9に示すように、スキャナ部22aによって、黒色基準板11の主走査方向1ライン分の画像を読み取らせることによって、各チップP1〜Phにそれぞれ備えられたq個の受光素子R1〜Rqに対応する画素1〜qの画素値(例えば、t番目のチップPtの場合、C(t,1)〜C(t,q))を取得する。
当該取得した各チップP1〜Phのq個の画素値によって、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する結露判定データCp1〜Cphが構成されている(例えば、t番目のチップPtの場合、結露判定データCptは、C(t,1)〜C(t,q)によって構成されている)。
そして、結露判定データ取得部12は、当該取得した各チップP1〜Phのそれぞれに対応する結露判定データCp1〜CphをASIC215に対して出力する。これに合わせて、ASIC215は、結露判定データ取得部12から入力された当該取得した各チップP1〜Phのそれぞれに対応する結露判定データCp1〜Cphを結露判定補正値生成回路15に入力するように構成されている。
これに合わせて、結露判定補正値生成回路15は、ステップS5(図6)において、図9に示すように、結露判定データ取得部12から入力された結露判定データCp1〜Cphにおける複数の画素1〜qの画素毎に、当該結露判定データCp1〜Cphにおける画素値と、レジスタ17に記憶された各チップP1〜Phのそれぞれに対応する黒色基準画素値との差を、当該画素に対応する結露判定補正値としてそれぞれ算出する。
例えば、t番目のチップPtに対応する結露判定データCptにおけるi番目の画素に対応する結露判定補正値C’(t,i)は、C(t,i)−Bd(t)として算出される。
尚、当該算出した各チップP1〜Phのそれぞれに対応するq個の結露判定補正値によって、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する結露判定補正データC’p1〜C’phが構成されている(例えば、t番目のチップPtに対応する結露判定補正データC’ptは、C’(t,1)〜C’(t,q)によって構成されている)。
そして、結露判定補正値生成回路15は、当該算出した各チップP1〜Phのそれぞれに対応する結露判定補正データC’p1〜C’phを結露判定回路16に対して出力するように構成されている。
これに合わせて、結露判定回路16は、ステップS6(図6)において、結露判定補正値生成回路15から入力された各チップP1〜Phのそれぞれに対応する結露判定補正データC’p1〜C’phと、各チップP1〜Phに対応付けられたレジスタ17に記憶された、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する黒色基準画素値Bd(1)〜Bd(h)との比較結果に基づいて、コンタクトガラス221における各チップP1〜Phのそれぞれで読み取り可能な位置に結露が発生しているか否かを示す制御信号を出力する。
具体的には、結露判定回路16は、チップP1〜Ph毎に、結露判定補正値生成回路15から入力された当該チップに対応する結露判定補正データのうちの何れか1つの結露判定補正値が結露判定閾値よりも大きいと判定したときは、コンタクトガラス221における当該チップによって読み取り可能な主走査方向の位置に結露が発生していることを示す制御信号を出力する。
一方、結露判定回路16は、チップP1〜Ph毎に、当該チップに対応する結露判定補正データのうちの全ての結露判定補正値が結露判定閾値よりも大きくないと判定したときは、コンタクトガラス221における当該チップによって読み取り可能な主走査方向の位置に結露が発生していないことを示す制御信号を出力する。
第四実施形態の構成によれば、物理的に独立したチップP1〜Ph毎に、光源222aによる光の照射を行わせずに複数の受光素子R1〜Rqによって読み取られる画素値の平均値が異なる場合であっても、各チップP1〜Phにそれぞれ対応する黒色基準データBp1〜Bphを取得して、各チップP1〜Phにそれぞれ対応する黒色基準画素値Bd(1)〜Bd(h)を算出し、各チップP1〜Phにそれぞれ対応して設けられたレジスタ17に記憶することができる。
物理的に異なるチップP1〜Ph相互間では、読み取られる画素値のバラツキが、同一チップ内での画素値のバラツキよりも大きい。そこで、物理的に独立したチップP1〜Ph毎に、それぞれ対応する結露判定データCp1〜Cphを取得して、当該チップに対応する結露判定データと、レジスタ17に記憶された当該チップに対応する黒色基準画素値とに基づいて、当該チップの各受光素子R1〜Rqに対応する画素分の結露判定補正値を算出する。そして、当該算出した結露判定補正値を用いて、チップP1〜Ph毎に、コンタクトガラス221における当該チップで読取可能な位置で結露が発生しているか否かを判定することによって、チップ間の特性のバラツキの影響を低減することができる。その結果、結露発生の判定精度が向上する。
尚、光源222aによる光の照射を行わずに主走査方向1ライン分の画像における、一部の複数の画素を読み取った画素値によって黒色基準データを構成してもよい。例えば、当該構成は、主走査方向に並べて配置された複数のチップP1〜Phのうちの一部のチップのみを制限して用いることによって実現することができる。そして、これに合わせて、黒色基準板11の主走査方向1ライン分の画像における当該一部の複数の画素を読み取った画素値によって結露判定データを構成してもよい。そして、これに合わせて、当該黒色基準データから算出した黒色基準画素値と当該結露判定データとを用いて生成した、当該一部の複数の画素分の結露判定補正値を用いて、透明部材における当該一部の複数の画素に対応する位置に結露が発生しているか否かを判定するように構成してもよい。
また、第四実施形態の構成においても、第二実施形態と同様にして、黒色基準データ取得部13が、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する黒色基準データBp1〜Bphをそれぞれ複数回取得し、黒色基準画素値算出部14が、当該複数回取得された各チップP1〜Phのそれぞれに対応する黒色基準データBp1〜Bphに含まれる、複数回分の複数の画素値の平均値を、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する黒色基準画素値Bd(1)〜Bd(h)として算出するように構成してもよい。
また、第四実施形態の構成においても、第三実施形態と同様にして、結露判定データ取得部12が、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する結露判定データCp1〜Cphをそれぞれ複数回取得し、当該複数回取得された各チップP1〜Phのそれぞれに対応する結露判定データCp1〜Cphに含まれる複数の画素1〜qの画素毎に、当該複数回分の画素値の平均値を算出し、当該算出した複数の画素1〜qの画素に対応する平均値からなる、各チップP1〜Phのそれぞれに対応する新たな結露判定データCp1〜Cphを算出するように構成してもよい。
また、上記第一実施形態から第四実施形態の何れの構成においても、結露判定回路16は、結露判定補正値生成回路15から入力された各チップ(第一実施形態から第三実施形態の構成の場合は、CCD229を構成する1チップ)の各受光素子(各画素)に対応する結露判定補正値のうちの、予め定められた基準個数以上の結露判定補正値が予め定められた結露判定閾値よりも大きいときに、コンタクトガラス221における当該各チップで読み取り可能な位置に結露が発生していることを示す制御信号を出力するように構成してもよい。
この場合、各チップの各受光素子に対応する結露判定補正値のうち、結露判定閾値よりも大きい結露判定補正値の数が予め定められた基準個数以上存在するときに、コンタクトガラス221における当該各チップで読み取り可能な位置に結露が発生していると判定される。このため、各チップの各受光素子に対応する結露判定補正値のうち、結露判定閾値よりも大きい結露判定補正値の数が一つでも存在するときにコンタクトガラス221における当該各チップで読み取り可能な位置に結露が発生していると判定する場合に比して、当該判定が誤判定される虞を軽減することができる。
尚、上記実施形態において、本発明に係る画像形成装置の一例として、モノクロの複合機を例に説明したが、これに限定する趣旨ではなく、本発明に係る画像形成装置は、カラー複合機、本発明に係る画像読取装置を備えたプリンタ、コピー機、スキャナ、又はFAX(それぞれ、モノクロ及びカラーの何れでもよい)等の画像形成装置であってもよい。
例えば、第一実施形態の構成において、複合機1は、シェーディング補正部217を備えないように簡素化して、これに合わせて、図6におけるステップS7及びステップS9の処理を行わないように簡素化して構成してもよい。
また、黒色基準板11は黒色とは異なる色であってもよい。ただし、黒色基準板11が黒色である場合は、結露による光の乱反射の影響が大きくなり、つまり、結露が発生しているときの結露判定データと結露が発生していないときの結露判定データとの間で対応し合う各画素値の差分が大きくなる。つまり、結露が発生しているときの結露判定補正値と結露が発生していないときの結露判定補正値との差分が大きくなるため、黒色基準板11が黒色ではない場合に比して、結露判定閾値を微調整することが容易となり、結露の発生の判定の精度を向上することができる。
また、本発明は、上記実施形態の構成に限られず種々の変形が可能である。図1乃至図9に示した構成及び処理は、本発明に係る実施形態の例示に過ぎず、本発明を上記実施形態に限定する趣旨ではない。