JP2004056710A - カラー画像処理装置、カラー画像処理方法、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】反復処理の不可に拘らず、広い裏写りを不自然に処理することなく、細い裏写りを適正に補正することが可能なカラー画像処理装置を提供する。
【解決手段】ターゲット画素が前景画素以外である場合、ターゲット画素周辺に予め定められた大きさで参照範囲を設定し(ステップS14)、その参照範囲内の各画素値を、特定の色空間内でクラスタリングし、代表色を算出する(ステップS15)。代表色の画素とターゲット画素との、画素値の差異B及び位置の差異Dを計算する(ステップS16,S17)。裏写りの大きさの情報としての位置の差異Dに基づいて、ターゲット画素の置換色(画素値)Xを算出する(ステップS18,S19)。ターゲット画素を置換画素で置換し、ラスタスキャンで次の画素をターゲット画素に設定する(ステップS20)。この処理を全画素を対象に行う(ステップS21)。
【選択図】 図6
【解決手段】ターゲット画素が前景画素以外である場合、ターゲット画素周辺に予め定められた大きさで参照範囲を設定し(ステップS14)、その参照範囲内の各画素値を、特定の色空間内でクラスタリングし、代表色を算出する(ステップS15)。代表色の画素とターゲット画素との、画素値の差異B及び位置の差異Dを計算する(ステップS16,S17)。裏写りの大きさの情報としての位置の差異Dに基づいて、ターゲット画素の置換色(画素値)Xを算出する(ステップS18,S19)。ターゲット画素を置換画素で置換し、ラスタスキャンで次の画素をターゲット画素に設定する(ステップS20)。この処理を全画素を対象に行う(ステップS21)。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像処理装置、カラー画像処理方法、プログラム、及び記録媒体に関し、より詳細には、デジタルカラー画像処理に際し裏写りや敷き写りを軽減することが可能な、カラー画像処理装置、カラー画像処理方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の裏写り軽減技術の多くは、印刷物の両面をスキャナ等でデジタルデータとして取り込み、表裏両面のマッチングを採ることで裏写り成分を特定して補正しようとするものである。これはブックスキャナと呼ばれ、両面の画像を読み込むために一般に装置が大型化し、且つ専用のハードウェアを必要とする。また表裏の画像のマッチングにおいては、非線型の位置ずれや紙の透過率の計算などの問題がある。
【0003】
この方式を採用した従来技術としては、例えば、特開平5−22572号公報,特開平9−312770号公報,特開2000−188668号公報(以上、本出願人によるもの),特開平6−62216号公報,特開平8−265563号公報,特開平9−233319号公報,特開平10−262147号公報,特開平11−41466号公報,特開2000−22946号公報,特開2000−59569号公報,特開2000−92324号公報,特開2000−134419号公報等が挙げられる。
【0004】
片面の画像から裏写り成分を軽減する方式としては、圧板の反射率を低く押さえる方式がある。この方式としては、例えば特開平11−298694号公報や特開平11−331561号公報が挙げられるが、原稿部以外の領域が出力で暗く出てしまう欠点がある。
【0005】
その他にも片面の画像から裏写りを軽減する方式として、特開2000−137355号公報のように、透過率測定装置を別個に設けて、その測定結果により原稿の露光を調節する方式があるが、透過率測定装置が必要になることに加え、露光の調整で画像を補正する方式であるため、デジタルデータに直接適用することができず、汎用性が低い。デジタルデータに直接適用することができない点は、特開平11−298694号公報や特開平11−331561号公報も同様であり、ネットワーク環境が普及しつつある今日では問題となる。
【0006】
圧板等の機械的な工夫無しに片面の画像から裏写り成分を検出・軽減することを目的とした方式としては、特開平7−30757号公報が挙げられる。この方式は、原稿の輝度のヒストグラムの分布からノイズ除去の閾値を決定することにより、通常の画像のみならず汚れの多い画像にも対応することをねらっているが、画像全体のヒストグラムが予め必要となることに加え、ノイズを除去する閾値を適応的に変化させるだけであるので、例えば中間調領域に生じた裏写りに対しては、中間調ごと除去するか、そのまま裏写りが残るか、どちらかになってしまう。
【0007】
上述の欠点と同じ欠点を持つ方式としては、例えば、特開平10−65921号公報,特開平10−257325号公報(以上、本出願人によるもの),特開平11−187266号公報等が挙げられる。ここで挙げた方式は、いずれも画像の濃度ヒストグラムを予め用意した評価関数の値により、画像濃度分布を適応的に変化させるものである。
【0008】
1枚の画像のみを入力画像とし、画像全体に対するヒストグラムを用いない裏写り補正のための画像処理として、例えば、本出願人による特開2002−077607号公報や特開2001−169080号公報が挙げられる。
【0009】
特開2002−077607号公報に記載の発明は、局所的な紙面色を推定することで裏写り成分を抑制する技術であるが、網点面積率が高い場合には正確な計算が不可能である。また網点領域に特化した技術であるため、新聞紙などの原稿紙が色をもつ場合には適用不可能である。
【0010】
特開2001−169080号公報に記載の発明では、主に入力画像から抽出されたエッジ情報により裏写りと前景画像を分離し、裏写り領域を選択的に補正する。より詳しくは、裏写りのある画素をターゲット画素とし、ターゲット画素周辺にランを構成し、ラン内部の画像特徴量によりターゲット画素を置換することで、裏写りを補正する。この方式では、ランを超える大きさの裏写りを補正することはできない。また、極端な場合、原稿の裏面を塗りつぶすような広い裏写りも考えられることと、前面印刷内容の均一領域の広さが裏写りを超えることが保証されないことから、上述のランの大きさには制限が掛けられる。そのため広い裏写りの一部のみが補正されることは不可避であり、その場合、部分的に裏写りが補正されることによる不自然さが生じることがあった。図10に、裏写り画像の例とそれが部分的に補正された裏写り補正画像の例を模式図で示している。図10(A)は裏写り画像の例を示しており、前面(表面)印刷の文字「GABA」「NH3」の裏に青い裏写りが生じている画像の模式図である。図10(B)は、その画像の広い裏写りが部分的に(裏写りの領域の右部分のみ)補正された例を示す模式図である。
【0011】
反復処理により上述のごとき部分的な補正を検出し、修正を施すことも可能である。しかし、裏写りを補正することが求められる、光学式読み取り装置と画像生成装置により構成されるコピア(登録商標)などの機器での利用を考えると、画像全体を保持しないオンライン処理では上述のごとき反復処理ができない。この場合には反復処理以外の方法で、上述の部分補正の検出と修正を行う必要があるが、良い方法が存在しない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、光学式読み取り装置と画像生成装置により構成されるコピア(登録商標)などの機器において、両面印刷された原稿の裏面の画像が前景画像を乱す、いわゆる裏写りが問題となっている。これまでに、両面の画像をスキャナなどで読み取ることで裏写りを補正する方法が検討されてきたが、この方法は特別な機器や操作が必要であり、汎用性が低かった。また、片面の情報から裏写りを補正する方法は基本的には画像濃度の変調であり、前景中間調部分の再現と裏写り補正が両立しなかった。この問題を陽に扱った従来技術もあるが、裏写りの大きさへの依存性が大きく、広い裏写りの一部を補正することによる不自然さが生じることがあった。また、この不自然さを解消するためには画像全体に対する反復処理が必要であった。
【0013】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、反復処理が不可能なオンライン処理による実装においても、反復処理が可能な処理による実装においても、広い裏写りを不自然に処理することなく、細い裏写りを適正に補正することが可能な、カラー画像処理装置、カラー画像処理方法、その装置としてコンピュータを機能させるための或いはその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することをその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、紙面にカラー印刷された原稿をデジタル入力して得られるデジタルカラー原画像に対して、裏写りを検出し補正することで該裏写りを選択的に軽減する画像処理を行うカラー画像処理装置であって、裏写りの大きさを特徴として検出し、該裏写りの大きさに依存した画像処理を施すことを特徴としたものである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、裏写りが生じている領域にのみ、選択的に特定の画像処理を施すことを特徴としたものである。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、裏写りを持つ領域に対して施す特定の画像処理が、該裏写りの周辺画素のいずれかによる置換処理、又は該周辺画素から得られる統計量による置換処理であることを特徴としたものである。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、裏写りを持つ領域に対して施す特定の画像処理が、ガンマ補正であることを特徴としたものである。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、画像全体に対して特定の画像処理を施すことを特徴としたものである。
【0019】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、画像全体に対して施す特定の画像処理が、ガンマ補正であることを特徴としたものである。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、裏写りを持つ領域に対しては、該裏写りの周辺画素のいずれかによる置換処理、又は該周辺画素から得られる統計量による置換処理を施し、裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、画像全体に対してはガンマ補正処理を施すことを特徴としたものである。
【0021】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1記載のカラー画像処理装置における処理の一部又は全てを含んでなるカラー画像処理方法である。
【0022】
請求項9の発明は、請求項1乃至7のいずれか1記載のカラー画像処理装置の一部又は全てとして、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0023】
請求項10の発明は、請求項9記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明に係るカラー画像処理装置は、紙面にカラー印刷された原稿をデジタル入力して得られるデジタルカラー原画像に対して、裏写りを検出し補正することでその裏写りを選択的に軽減する画像処理を行う装置であって、(イ)前面からスキャンした一枚の画像のみを用いることと、(ロ)前面画像の高い再現性と裏写り補正との両立が可能であること、を前提とし、オンライン処理による実装でも、反復処理が可能な処理による実装においても、広い裏写りを不自然に処理することなく、細い裏写りを適正に補正する。なお、本発明で説明する「裏写り」とは、紙面の裏面に印刷された原稿が前面に写る裏写りだけでなく、その裏面が接する反射版や他の原稿などが原稿の前面に写る「敷き写り」も含むものとする。
【0025】
I.オンライン処理などで、画像全体への反復処理が不可能である場合:
ここではオンライン処理を前提として処理の概要を説明する。前述したように、画像全体を保持しないオンライン処理での実装を考えた場合、裏写りの大きさを正確に把握することは困難である。そこで本発明では、裏写りの大きさを特徴として検出し、その裏写りの大きさに依存した画像処理を施すようにする。実際には、例えば、ターゲット画素とターゲット画素を置換するべき画素との位置関係を、裏写りの大きさとして利用し、それらの位置関係に基づいて補正の強度を変更することで、広い裏写りを処理した際の不自然さを解消するようにしている。以下にこのような処理方法を、従来の処理方法との対比も含め説明する。
【0026】
第一に、入力画像は適当な色空間変換や解像度変換などを経ているものとする。これらは原稿に網点などの微細構造がある場合に必要となる。また、これらの処理は局所的な参照範囲内で処理可能であり、上述のオンライン処理と矛盾しない。
【0027】
第二に、入力画像のエッジ強度などを用いて、明らかな前面印刷内容を識別する。このエッジ抽出処理も局所的処理である。ここで前面印刷内容と判断された領域は、以下の裏写り検出及び補正処理の対象から外れる。
【0028】
第三に、前面印刷領域以外の領域に対して、裏写りを検出し補正を施す。この裏写り検出及び補正方法は、上述した前提(イ),(ロ)を満たすものであれば良いが、ここでは例として画素値の置き換えによる補正方法について述べる。
【0029】
まず、裏写り検出及び補正処理の対象となるターゲット画素の周辺に実用的な大きさの参照範囲を設定する。設定した参照範囲の内部の画素情報のみを用いるので、この処理も上述したオンライン処理と整合する。設定した参照範囲内の前面印刷内容ではない画素を、特定の色空間(例えばRGB色空間)でクラスタリングし、各クラスタから代表色を抽出する。このクラスタリングの方法についても、速度と精度のバランスの取れるものであれば、どの方法でも良く、例えば線形判別関数を用いることができる。また各クラスタから代表色を抽出する手段についても同様で、最も単純にはクラスタに属する画素の各画素値の平均でも良いし、その他の統計量でも良い。画像内に実在する画素値を使う必要があるならば、この平均値に最も近い画素値を用いることで代用できる。以下では、その画素の色を置換色、その画素を置換画素と呼ぶことにする。
【0030】
上述のクラスタがどのように分かれるかで補正方法を切り替える。クラスタリングに何らかの閾値が必要な場合には、この閾値は予め与えておくものとする。まず、参照範囲内の画素が単一のクラスタを成している場合、参照範囲の中には裏写りが含まれないか、若しくは参照範囲が裏写りの中に完全に包含されている状態であり、これらと同時に参照範囲は前景印刷内容の均一領域内であることも判る。いずれの場合でも、参照範囲内の情報のみから裏写りを正確に補正することはできないので、この場合には補正を加えず、入力画像をそのまま出力画像とする。
【0031】
上述のクラスタが2つのクラスタからなる場合、可能性として以下の2つの場合が考えられる。まず、この2つのクラスタが、裏写りと前面印刷内容の背景色部分とをそれぞれ表している場合であり、他方は前面印刷内容の2色の領域が参照範囲内に含まれている場合である。本来、後者の場合には補正を行わないことが望ましいが、このクラスタリングの処理だけでは両者を区別することができないため、両者について次の裏写り補正処理を施すこととする。通常、裏写りが生じている画素は、裏写りが無かった場合に比べ輝度が低下する傾向がある。そのため、この2つのクラスタから得られる代表色同士の輝度を比べることで、どちらが裏写りであるかを推測することができる。高輝度の代表色でターゲット画素を置換することで、ターゲット画素の裏写り成分を補正することができる。
【0032】
上述のクラスタリングの結果が3つ以上のクラスタを示した場合、前面印刷内容、裏写りを含めて様々な場合分けが必要となる。しかし3つ以上のクラスタが分かれる場合でも2つのクラスタ分けを組み合わせて表すことができるため、参照範囲を適当に設定しなおすことで対応する。
【0033】
ここまでの処理では、裏写り補正の対象となる、裏写りの大きさについての制限が無いため、広い裏写りが図10(B)のように部分的に補正される現象が起こり得る。これは上述した単一クラスタの場合では裏写りがあったとしても補正できないことに起因する。また、画像全体に対する反復処理が不可能である場合、上述の広い裏写りの部分的な補正を完全に防ぐことは困難である。これはオンラインの処理では裏写りの大きさや形状について充分な情報が得られないことが原因である。
【0034】
そこで、以下に示す本発明に係る裏写り補正処理により、オンライン処理でも広い裏写りを不自然なく目立たなくする。ここで示す裏写り補正処理で必要となる、各ターゲット画素を置換するべき置換画素の位置と画素値は、上述の裏写り検出及び補正処理と同様に求めるとよい。ターゲット画素と置換画素との画素値における差異は、ターゲット画素における裏写り成分を表し、両者の位置関係は、ターゲット画素が含まれる裏写り領域の形状と大きさについての情報となる。
【0035】
まず、この裏写り成分を閾値処理し、ターゲット画素に裏写りが生じているか否かを調べ、裏写りを検出する。この閾値は予め与えるが、紙質やスキャナの特性に依存するため、予め充分な数のサンプル画像を処理することで、統計的に有意な値を設定することも有効である。
【0036】
図1に、裏写りの補正のための参照範囲の例を示す。ターゲット画素に裏写りが生じていると判断される場合、そのターゲット画素2の置換画素との位置関係(以下、距離Dで表す)を計算する。文字や罫線などの細線の裏写りの場合、一般にこの距離Dは小さな値をとる。それに対して広い裏写りの場合は、周辺部分から中心部分に向かうに従い、距離Dは大きくなっていき、参照範囲1内の画素とターゲット画素2との最大距離Dmax(図1参照)が上界となる。
【0037】
ターゲット画素と置換画素の距離がDmaxを超える場合は、単一クラスタの場合に説明したようになり、ターゲット画素において裏写り成分は発生しないことになる。
【0038】
例えば、ターゲット画素と置換画素との距離Dがある閾値以上の場合には、画素値の単純な置き換えではなく、距離に依存した割合でのターゲット画素と置換画素との線形結合として処理すること(下式(1)を参照)で、距離Dmax周辺での裏写り補正の不自然さを解消することができる。
Xi=αYi+(1−α)Zi (1)
【0039】
上式(1)において、iは色平面を表し、例えばR,G,Bそれぞれに対してi=1,2,3を割り当てるなどの方法がある。Xは補正画像の画素値であり、Yはターゲット画素の画素値、Zは置換画素の画素値である。αはターゲット画素と置換画素の割合をコントロールするパラメタであり、0<α<1である。このαをターゲット画素と置換画素との距離Dの関数とする(α=func(D);0≦α≦1)ことで、これまで述べたような特性を実現できる。αの例としては、例えば下式(2)の関数を用いることができる。なお、図2にこの距離Dとαの関数の例をグラフ化したものを示す。
【0040】
【数1】
【0041】
ここでsは完全に補正するべき裏写りの大きさを表す指標であり、このsよりも距離Dが小さい場合にはターゲット画素は完全に置換画素で置き換えられる。逆に指標eよりも距離Dが大きい場合には、ターゲット画素は全く補正されない。このsとeを変化させて裏写り補正処理を施し、広い裏写りが連続的に補正された例(広い裏写りを連続的に薄くしていくように補正された例)を、図3(A),(B)に模式的に示す。
【0042】
このように、本発明によれば、前面印刷の高い再現性と裏写りの選択的な補正とを両立させる方式を、オンライン処理で実現する場合に、細線の裏写りの補正能力を高く保ったまま、広い裏写りを自然に補正することができる。
【0043】
II.画像全体への反復処理が可能である場合:
ここまではオンラインの処理で裏写りを補正することを考えてきたが、画像全体への反復処理が可能な場合についても本発明は適用可能であり、以下にその説明を行う。
【0044】
前述したように置換処理で裏写りを補正する場合、前景印刷内容の均一領域を覆うような広い裏写りを補正することは困難であり、反復処理を用いても広い裏写りを完全には補正できない場合がある。そのため、上述の特開2001−169080号公報では、参照範囲を超える広い裏写りは補正しないように修正処理が組まれている。しかしながら、図3(A),(B)で例示したように、完全に補正できない広い裏写りの周辺部分を軽減することで、その広い裏写りを目立たなくすることも考えられ、それにより画像全体の裏写りが目立たなくなる場合もある。ここではこの考えに基づき、広い裏写りの周辺部分を選択的に補正し、その広い裏写りを目立たなくする方法を述べる。
【0045】
画像全体に対する反復処理が可能である場合、一旦裏写り補正処理した内容を検証することができるため、初回の裏写り補正処理でどの画素に補正が加わっているのか、その結果として見えが不自然になっている画素はどれか、を検出することができる。具体的には、入力画像と初回の裏写り補正画像との差分を取り、前面印刷領域以外で、その差分値が不連続になっている画素を検出する。その不連続画素の周辺画素に限り、式(1)のように補正内容を変更することで、広い裏写りの周辺部分を連続的に補正することができる。
【0046】
このように、本発明によれば、画像全体に対する反復処理が可能である場合、広い裏写りの周辺部分を軽減することで、その裏写りを目立たなくすることができることに加え、入力画像中に存在する裏写りの割合などに基づいて適切なガンマ補正などを施すことで、強力な裏写り補正能力を得ることができ、広い裏写りを含めて裏写りを軽減することが可能となる。
【0047】
(実施例)
以下、上述のごとき処理を実際の画像処理として実現する形態を説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置のモジュール構成例を示す図である。
本実施形態において、スキャナ,デジタルカメラ等の画像入力機器11から入力されたカラー画像は、RAM16に蓄積される。また後述する一連の処理はROM17に蓄積されたプログラムをCPU15が読み出すことによって実行される。また処理の途中経過や途中結果はCRT,LCD等の表示装置12を通じてユーザに提示され、必要な場合にはマウスやキーボード13からユーザが処理に必要なパラメタを入力指定する。後述する処理の実行中に作られる中間データはRAM16に蓄積され、必要に応じてCPU15によって読み出し、修正・書き込みが行われる。一連の処理の結果として生成された画像は、その後の画像処理に使用されるか、もしくはRAM16から読み出されて、プリンタ等の画像印刷機器14や通信ポート(図示せず)を介して他の機器に出力される。なお、画像入力機器11,表示装置12,キーボード13,画像印刷機器14,CPU15,RAM16,ROM17は、データバス18により接続されるか、各要素の一部がLAN等のネットワークを介して接続されていればよい。
【0048】
(実施例1)
図5は、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置における処理手順の一実施例を説明するためのフロー図で、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理方法の一実施例を説明するフロー図でもある。図5に基づき本発明の実施例を実施例1として説明する。実施例1は、図4で示すようなモジュール構成(又はその代替構成)を含む、主にカラーデジタル複写機の中での画像処理に相当するものとして説明する。また、図6は、図5の処理における裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図で、広い裏写りを自然に補正する処理として、ターゲット画素との距離に依存した裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図である。
【0049】
まず、スキャナによってカラー画像が入力されると(ステップS1)、平滑化等の前処理が行われる(ステップS2)。図5で述べたように本発明は主に裏写りの軽減処理として考えているため、スキャナによる読み込みとスキャナガンマ補正などの処理を施した後のデジタルデータを入力画像とする。このような入力画像に対して平滑化や色空間の変換などの操作を行い、後段で色特徴量の抽出がし易いようにする。入力画像の種類によってはこの処理を省いても良い。平滑化には、例えば平滑化参照範囲内の画素値の平均を用いても良いし、適当な間引きを行っても良い。また、色空間変換とは、RGB色空間からLab色空間などへの変換を指す。
【0050】
ステップS2の後、本発明に係る裏写り補正等のコピアの画像処理が行われる(ステップS3)。図6を参照して、ステップS3の一例としての、裏写り検出と補正、そしてターゲット画素と置換画素との位置関係による処理の流れについて説明する。
【0051】
まず、ターゲット画素周辺の画像を入力する(ステップS11)。ここでは、入力画像のターゲット画素の位置を(i,j)とし、そのターゲット画素に対し、以下のステップS12〜S21(又はステップS14〜S21)の処理を実行すればよい。この位置は一般的なラスタスキャンの順であるとする。ターゲット画素が前面印刷のうち、エッジなどで検出される前景画素であった場合には、ラスタスキャンで次の画素にターゲットを更新する。参照範囲内に、ある割合以上前景画素が含まれる場合には、ターゲット画素の補正を行わないようにすることで、前面印刷保護をより徹底できる。なお、このパスは、図面を簡明にするため図6には記載されていない。
【0052】
上述の前面印刷に関し、補足的に説明する。前面印刷内容は、その特徴として例えば文字などは強いエッジ強度を示すので、エッジを抽出し(ステップS12)、エッジ強度(エッジ量)に対する閾値処理(ステップS13)により、前面印刷か否かを判断しても良い。このような方法により、平滑化等の処理を施された入力画像から文字や写真などの「原稿の前面に印刷されている内容」を抽出し、その部分を後段の補正処理の対象から外すことで保護する。また、スキャナの特性などがわかっている場合には、その情報を元に、画素値そのものや、輝度値に対する閾値処理を施すことでも前景画素を判別・保護することができる。この処理の実装例を図7に示す。図7は、エッジ検出オペレータの例を示す図で、図7(A)はラプラシアンオペレータ、図7(B)はソーベルエッジ抽出器(ソーベルオペレータ)をそれぞれ示している。これらのエッジ検出オペレータを入力画像に用いた場合に、もし入力画像の均一領域であればオペレータの出力は小さいが、入力画像にある非均一部分ではオペレータの出力は大きくなる。ここで前景と判断された画素を以下では前景画素と呼ぶ。
【0053】
ターゲットが前景画素以外である場合、ターゲット画素周辺に予め定められた大きさで参照範囲を設定し(ステップS14)、その参照範囲内の各画素値を、特定の色空間内でクラスタリングし、代表色を算出する(ステップS15)。この代表色算出は最も単純にはこの参照範囲内の最も明るい色(以下最明色と呼ぶ)を算出すれば良く、その最明色によりターゲットを置換することで、ある程度の裏写り補正性能が得られる。より正確を期すためには線形判別関数などの統計的手法を用いると良い。
【0054】
算出された代表色のうち、明るい方の代表色である画素(上で述べた最も単純な方法の場合は最も明るい画素)とターゲット画素との、画素値の差異Bと、位置の差異Dを計算する(ステップS16,S17)。画素値の差異Bは入力画像と同じ色空間の次元(例えばRGB)を持つ。位置の差異Dは二次元の情報を持つ。
【0055】
次に、位置の差異Dを式(2)及び図2に示した関数func()に掛け、変数αを算出する(ステップS18)。なお、変数αと位置の差異Dの関係を定義する関数はこれ以外のものでも良い。算出された変数αと、ターゲット画素及び置換画素の画素値を式(1)に代入し、ターゲット画素を置換する置換色(画素値)Xを得る(ステップS19)。最後にターゲット画素を置換画素で置換し、ラスタスキャンで次の画素をターゲット画素に設定する(ステップS20)。
【0056】
以上の操作を入力画像の全ての画素に対して実行することで(ステップS21でYES)、細線の裏写りを補正しながら、同時に広い裏写りも不自然にならずに補正できる。裏写りの補正具合は、上述のごとき距離Dと変数αとの関数により簡明に記述される。
【0057】
図6を参照しながら説明した本発明の特徴的な処理(ステップS3)の後には、色補正等の通常の複写機における後処理が行われ(ステップS4)、プリンタにより画像が出力されることとなる(ステップS5)。
【0058】
(実施例2)
図8は、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置における処理手順の他の実施例を説明するためのフロー図で、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理方法の他の実施例を説明するフロー図でもある。図8に基づき本発明の実施例を実施例2として説明する。実施例2は、図4で示すようなモジュール構成(又はその代替構成)を含む、主にパーソナルコンピュータやワークステーションなどの計算機中の画像処理に相当するものとして説明する。また、図9は、図8の処理における裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図で、裏写りを自然に補正する裏写り補正処理として、画像全体に対するガンマ補正を施す処理を説明するためのフロー図である。
【0059】
まず、スキャナによってカラー画像が入力されると(ステップS31)、平滑化等の前処理が行われる(ステップS32)。図5で述べたように本発明は主に裏写りの軽減処理として考えているため、スキャナによる読み込みとスキャナガンマ補正などの処理を施した後のデジタルデータを入力画像とする。このような入力画像に対して平滑化や色空間の変換などの操作を行い、後段で色特徴量の抽出がし易いようにする。入力画像の種類によってはこの処理を省いても良い。平滑化には、例えば平滑化参照範囲内の画素値の平均を用いても良いし、適当な間引きを行っても良い。また、色空間変換とは、RGB色空間からLab色空間などへの変換を指す。
【0060】
ステップS32の後、本発明に係る裏写り補正処理が行われる(ステップS33)。図9を参照して、ステップS33の一例としての、裏写り検出と補正の処理の流れについて説明する。
【0061】
まず、ターゲット画素周辺の画像を入力する(ステップS41)。ここでは、入力画像のターゲット画素の位置を(i,j)とし、まず、そのターゲット画素に対し、以下のステップS42〜S48(又はステップS44〜S48)の処理を実行すればよい。この位置は一般的なラスタスキャンの順であるとする。ターゲット画素が前面印刷のうち、エッジなどで検出される前景画素であった場合には、ラスタスキャンで次の画素にターゲットを更新する。参照範囲内にある割合以上前景画素が含まれる場合にはターゲット画素の検出を行わないようにすることで、前面印刷保護をより徹底できる。なお、このパスは、図面を簡明にするため図9には記載されていない。
【0062】
上述の前面印刷に関し、補足的に説明する。前面印刷内容は、その特徴として例えば文字などは強いエッジ強度を示すので、エッジを抽出し(ステップS42)、エッジ強度に対する閾値処理(ステップS43)により、前面印刷か否かを判断しても良い。このような方法により、平滑化等の処理を施された入力画像から文字や写真などの「原稿の前面に印刷されている内容」を抽出し、その部分を後段の補正処理の対象から外すことで保護する。また、スキャナの特性などがわかっている場合には、その情報を元に、画素値そのものや、輝度値に対する閾値処理を施すことでも前景画素を判別・保護することができる。この処理の実装例を図7に示しているが、これらのエッジ検出オペレータを入力画像に用いた場合に、もし入力画像の均一領域であればオペレータの出力は小さいが、入力画像にある非均一部分ではオペレータの出力は大きくなる。ここで前景と判断された画素を以下では前景画素と呼ぶ。
【0063】
ターゲットが前景画素以外である場合、ターゲット画素周辺に予め定められた大きさで参照範囲を設定し(ステップS44)、その参照範囲内の各画素値を、特定の色空間内でクラスタリングし、代表色を算出する(ステップS45)。この代表色算出は最も単純にはこの参照範囲内の最も明るい色(以下最明色と呼ぶ)を算出すれば良く、その最明色によりターゲットを置換することで、ある程度の裏写り補正性能が得られる。より正確を期すためには線形判別関数などの統計的手法を用いると良い。
【0064】
算出された代表色のうち、明るい方の代表色である画素(上で述べた最も単純な方法の場合は最も明るい画素)とターゲット画素との、画素値の差異B裏写り成分に相当する)と、位置の差異Dを計算する(ステップS46,S47)。画素値の差異Bは入力画像と同じ色空間の次元(例えばRGB)を持つ。位置の差異Dは二次元の情報を持つ。
【0065】
以上の操作を入力画像の全ての画素に対して実行することで(ステップS48でYES)、入力画像の各画素について裏写り成分を算出する。各画素について裏写り成分が算出されるため、この裏写り成分を画像として構成することも可能である。この裏写り成分による画像を以下では推定裏面画像(若しくは推定裏写り画像)と呼ぶ。
【0066】
次に、画像全体から後述する指標R又はR′又はDavgを算出し(ステップS49)、この指標に基づいてガンマ補正の強度を決定する(ステップS50)。ステップS49,S50の処理を入力画像の各画素に対して施して処理を終了する(ステップS51)。
【0067】
(ケース1)
推定裏写り画像のうち、予め定めた閾値THa以上の大きさの成分を持つ画素の数Cを算出する。THaの値はユーザに決定させても良い。そして、入力画像中の全画素数CaとCとの比R(裏写り領域が画像中に占める面積の割合)を下式(3)のように計算し、Rの値を元に、入力画像に施す画像処理のパラメタを決定する。ここでは画像処理の例としてガンマ補正を取り上げる。
R=C/Ca (3)
【0068】
ここで、Rの値が小さい場合には、入力画像中には裏写りは全くないか、若しくは非常に少ないと推定される。そのため入力画像へのガンマ補正は全く行わないか、若しくは非常に弱い強度で行う。一方、Rの値がある程度大きい場合には、入力画像中に裏写りがある程度含まれると考えられるため、ガンマ補正を中程度の強度で施す。
【0069】
(ケース2)
ここで例えば評価関数Rの算出に際して、例えば下式(4)で示す指標R′を取り入れても良い。前景画素以外の画素について、推定裏面画像からエッジを抽出し、予め与えられた閾値THbよりも大きいものの数Cbを算出する。THbはユーザに決定させることもできる。Cbは推定裏面画像中の不連続の面積割合といえる。指標R′を下記のように定義する。
R′=Cb/Ca (4)
【0070】
ここで、入力画像中に広い裏写りが多数ある場合には、指標R′が高い値を示すことが期待されるため、この指標を用いて、入力画像全体に施すガンマ補正の強度を決定することで、画像全体の見えを適正に補正できる。
【0071】
(ケース3)
上述のケース2と類似するが、ガンマ補正の強度を決める指標として、以前に算出した裏写りを持つ画素の、置換画素との距離Dの平均値Davgを用いても良い。
【0072】
上述のケース1からケース3のいずれの場合でも、ガンマ補正は入力画像に直截施しても良いし、より強力な裏写り補正能力が求められるときには、上で作成した裏写り補正画像に対してガンマ補正を施しても良い。
【0073】
図9を参照しながら説明した本発明の特徴的な処理(ステップS33)の後には、出力デバイスに依存した色補正等の処理、例えばプリントアウトのための各種色処理やディスプレイへの表示のための各種フィルタ処理が行われ(ステップS34)、プリンタやディスプレイなどの出力デバイスにより画像が出力されることとなる(ステップS35)。
【0074】
以上、本発明のカラー画像処理装置を中心に各実施形態を説明してきたが、本発明は、上述した各実施形態においてフロー図を参照して処理手順を説明したように、それら装置における処理の一部又は全部を含んでなるカラー画像処理方法としての形態も採り得る。また、本発明は、上述した各実施形態におけるモジュール構成例で説明したように、コンピュータをそれら装置の一部又は全部として機能させるための、或いはコンピュータにそれら装置の処理手順(又はカラー画像処理方法)を実行させるためのプログラムとしても、或いは、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も採り得る。
【0075】
本発明によるカラー画像処理の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、メモリスティック、及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明の各実施形態の装置の機能をコンピュータに実行させ、カラー画像処理の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当機能の実現を容易にする。そしてコンピュータ等の情報処理装置に上述のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記録媒体に当プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に係わるカラー画像処理の機能を実行することができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、前面印刷の高い再現性と、裏写りの選択的な補正を両立させる方式を、オンライン処理で実現する場合に、細線の裏写りの補正能力を高く保ったまま、広い裏写りを自然に補正することができる。
【0077】
また、本発明によれば、画像全体に対する反復処理が可能である場合、広い裏写りの周辺部分を軽減することで、その裏写りを目立たなくすることができることに加え、入力画像中に存在する裏写りの割合などに基づいてガンマ補正などを施すことで、強力な裏写り補正能力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】裏写りの補正のための参照範囲の例を示す図である。
【図2】距離Dとαの関数の例を示す図である。
【図3】式(2)でsとeを変化させて裏写り補正処理を施し広い裏写りが連続的に補正された例を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置のモジュール構成例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置における処理手順の一実施例を説明するためのフロー図である。
【図6】図5の処理における裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図である。
【図7】エッジ検出オペレータの例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置における処理手順の他の実施例を説明するためのフロー図である。
【図9】図8の処理における裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図である。
【図10】裏写り画像の例とそれが部分的に補正された裏写り補正画像の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…参照範囲、2…ターゲット画素、11…画像入力機器、12…表示装置、13…キーボード、14…画像印刷機器、15…CPU、16…RAM、17…ROM、18…データバス。
【発明の属する技術分野】
本発明は、カラー画像処理装置、カラー画像処理方法、プログラム、及び記録媒体に関し、より詳細には、デジタルカラー画像処理に際し裏写りや敷き写りを軽減することが可能な、カラー画像処理装置、カラー画像処理方法、プログラム、及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の裏写り軽減技術の多くは、印刷物の両面をスキャナ等でデジタルデータとして取り込み、表裏両面のマッチングを採ることで裏写り成分を特定して補正しようとするものである。これはブックスキャナと呼ばれ、両面の画像を読み込むために一般に装置が大型化し、且つ専用のハードウェアを必要とする。また表裏の画像のマッチングにおいては、非線型の位置ずれや紙の透過率の計算などの問題がある。
【0003】
この方式を採用した従来技術としては、例えば、特開平5−22572号公報,特開平9−312770号公報,特開2000−188668号公報(以上、本出願人によるもの),特開平6−62216号公報,特開平8−265563号公報,特開平9−233319号公報,特開平10−262147号公報,特開平11−41466号公報,特開2000−22946号公報,特開2000−59569号公報,特開2000−92324号公報,特開2000−134419号公報等が挙げられる。
【0004】
片面の画像から裏写り成分を軽減する方式としては、圧板の反射率を低く押さえる方式がある。この方式としては、例えば特開平11−298694号公報や特開平11−331561号公報が挙げられるが、原稿部以外の領域が出力で暗く出てしまう欠点がある。
【0005】
その他にも片面の画像から裏写りを軽減する方式として、特開2000−137355号公報のように、透過率測定装置を別個に設けて、その測定結果により原稿の露光を調節する方式があるが、透過率測定装置が必要になることに加え、露光の調整で画像を補正する方式であるため、デジタルデータに直接適用することができず、汎用性が低い。デジタルデータに直接適用することができない点は、特開平11−298694号公報や特開平11−331561号公報も同様であり、ネットワーク環境が普及しつつある今日では問題となる。
【0006】
圧板等の機械的な工夫無しに片面の画像から裏写り成分を検出・軽減することを目的とした方式としては、特開平7−30757号公報が挙げられる。この方式は、原稿の輝度のヒストグラムの分布からノイズ除去の閾値を決定することにより、通常の画像のみならず汚れの多い画像にも対応することをねらっているが、画像全体のヒストグラムが予め必要となることに加え、ノイズを除去する閾値を適応的に変化させるだけであるので、例えば中間調領域に生じた裏写りに対しては、中間調ごと除去するか、そのまま裏写りが残るか、どちらかになってしまう。
【0007】
上述の欠点と同じ欠点を持つ方式としては、例えば、特開平10−65921号公報,特開平10−257325号公報(以上、本出願人によるもの),特開平11−187266号公報等が挙げられる。ここで挙げた方式は、いずれも画像の濃度ヒストグラムを予め用意した評価関数の値により、画像濃度分布を適応的に変化させるものである。
【0008】
1枚の画像のみを入力画像とし、画像全体に対するヒストグラムを用いない裏写り補正のための画像処理として、例えば、本出願人による特開2002−077607号公報や特開2001−169080号公報が挙げられる。
【0009】
特開2002−077607号公報に記載の発明は、局所的な紙面色を推定することで裏写り成分を抑制する技術であるが、網点面積率が高い場合には正確な計算が不可能である。また網点領域に特化した技術であるため、新聞紙などの原稿紙が色をもつ場合には適用不可能である。
【0010】
特開2001−169080号公報に記載の発明では、主に入力画像から抽出されたエッジ情報により裏写りと前景画像を分離し、裏写り領域を選択的に補正する。より詳しくは、裏写りのある画素をターゲット画素とし、ターゲット画素周辺にランを構成し、ラン内部の画像特徴量によりターゲット画素を置換することで、裏写りを補正する。この方式では、ランを超える大きさの裏写りを補正することはできない。また、極端な場合、原稿の裏面を塗りつぶすような広い裏写りも考えられることと、前面印刷内容の均一領域の広さが裏写りを超えることが保証されないことから、上述のランの大きさには制限が掛けられる。そのため広い裏写りの一部のみが補正されることは不可避であり、その場合、部分的に裏写りが補正されることによる不自然さが生じることがあった。図10に、裏写り画像の例とそれが部分的に補正された裏写り補正画像の例を模式図で示している。図10(A)は裏写り画像の例を示しており、前面(表面)印刷の文字「GABA」「NH3」の裏に青い裏写りが生じている画像の模式図である。図10(B)は、その画像の広い裏写りが部分的に(裏写りの領域の右部分のみ)補正された例を示す模式図である。
【0011】
反復処理により上述のごとき部分的な補正を検出し、修正を施すことも可能である。しかし、裏写りを補正することが求められる、光学式読み取り装置と画像生成装置により構成されるコピア(登録商標)などの機器での利用を考えると、画像全体を保持しないオンライン処理では上述のごとき反復処理ができない。この場合には反復処理以外の方法で、上述の部分補正の検出と修正を行う必要があるが、良い方法が存在しない。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上述のごとく、光学式読み取り装置と画像生成装置により構成されるコピア(登録商標)などの機器において、両面印刷された原稿の裏面の画像が前景画像を乱す、いわゆる裏写りが問題となっている。これまでに、両面の画像をスキャナなどで読み取ることで裏写りを補正する方法が検討されてきたが、この方法は特別な機器や操作が必要であり、汎用性が低かった。また、片面の情報から裏写りを補正する方法は基本的には画像濃度の変調であり、前景中間調部分の再現と裏写り補正が両立しなかった。この問題を陽に扱った従来技術もあるが、裏写りの大きさへの依存性が大きく、広い裏写りの一部を補正することによる不自然さが生じることがあった。また、この不自然さを解消するためには画像全体に対する反復処理が必要であった。
【0013】
本発明は、上述のごとき実情に鑑みてなされたものであり、反復処理が不可能なオンライン処理による実装においても、反復処理が可能な処理による実装においても、広い裏写りを不自然に処理することなく、細い裏写りを適正に補正することが可能な、カラー画像処理装置、カラー画像処理方法、その装置としてコンピュータを機能させるための或いはその方法をコンピュータに実行させるためのプログラム、及びそのプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体を提供することをその目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、紙面にカラー印刷された原稿をデジタル入力して得られるデジタルカラー原画像に対して、裏写りを検出し補正することで該裏写りを選択的に軽減する画像処理を行うカラー画像処理装置であって、裏写りの大きさを特徴として検出し、該裏写りの大きさに依存した画像処理を施すことを特徴としたものである。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、裏写りが生じている領域にのみ、選択的に特定の画像処理を施すことを特徴としたものである。
【0016】
請求項3の発明は、請求項2の発明において、裏写りを持つ領域に対して施す特定の画像処理が、該裏写りの周辺画素のいずれかによる置換処理、又は該周辺画素から得られる統計量による置換処理であることを特徴としたものである。
【0017】
請求項4の発明は、請求項2の発明において、裏写りを持つ領域に対して施す特定の画像処理が、ガンマ補正であることを特徴としたものである。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1の発明において、裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、画像全体に対して特定の画像処理を施すことを特徴としたものである。
【0019】
請求項6の発明は、請求項5の発明において、画像全体に対して施す特定の画像処理が、ガンマ補正であることを特徴としたものである。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1の発明において、裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、裏写りを持つ領域に対しては、該裏写りの周辺画素のいずれかによる置換処理、又は該周辺画素から得られる統計量による置換処理を施し、裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、画像全体に対してはガンマ補正処理を施すことを特徴としたものである。
【0021】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれか1記載のカラー画像処理装置における処理の一部又は全てを含んでなるカラー画像処理方法である。
【0022】
請求項9の発明は、請求項1乃至7のいずれか1記載のカラー画像処理装置の一部又は全てとして、コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0023】
請求項10の発明は、請求項9記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体である。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明に係るカラー画像処理装置は、紙面にカラー印刷された原稿をデジタル入力して得られるデジタルカラー原画像に対して、裏写りを検出し補正することでその裏写りを選択的に軽減する画像処理を行う装置であって、(イ)前面からスキャンした一枚の画像のみを用いることと、(ロ)前面画像の高い再現性と裏写り補正との両立が可能であること、を前提とし、オンライン処理による実装でも、反復処理が可能な処理による実装においても、広い裏写りを不自然に処理することなく、細い裏写りを適正に補正する。なお、本発明で説明する「裏写り」とは、紙面の裏面に印刷された原稿が前面に写る裏写りだけでなく、その裏面が接する反射版や他の原稿などが原稿の前面に写る「敷き写り」も含むものとする。
【0025】
I.オンライン処理などで、画像全体への反復処理が不可能である場合:
ここではオンライン処理を前提として処理の概要を説明する。前述したように、画像全体を保持しないオンライン処理での実装を考えた場合、裏写りの大きさを正確に把握することは困難である。そこで本発明では、裏写りの大きさを特徴として検出し、その裏写りの大きさに依存した画像処理を施すようにする。実際には、例えば、ターゲット画素とターゲット画素を置換するべき画素との位置関係を、裏写りの大きさとして利用し、それらの位置関係に基づいて補正の強度を変更することで、広い裏写りを処理した際の不自然さを解消するようにしている。以下にこのような処理方法を、従来の処理方法との対比も含め説明する。
【0026】
第一に、入力画像は適当な色空間変換や解像度変換などを経ているものとする。これらは原稿に網点などの微細構造がある場合に必要となる。また、これらの処理は局所的な参照範囲内で処理可能であり、上述のオンライン処理と矛盾しない。
【0027】
第二に、入力画像のエッジ強度などを用いて、明らかな前面印刷内容を識別する。このエッジ抽出処理も局所的処理である。ここで前面印刷内容と判断された領域は、以下の裏写り検出及び補正処理の対象から外れる。
【0028】
第三に、前面印刷領域以外の領域に対して、裏写りを検出し補正を施す。この裏写り検出及び補正方法は、上述した前提(イ),(ロ)を満たすものであれば良いが、ここでは例として画素値の置き換えによる補正方法について述べる。
【0029】
まず、裏写り検出及び補正処理の対象となるターゲット画素の周辺に実用的な大きさの参照範囲を設定する。設定した参照範囲の内部の画素情報のみを用いるので、この処理も上述したオンライン処理と整合する。設定した参照範囲内の前面印刷内容ではない画素を、特定の色空間(例えばRGB色空間)でクラスタリングし、各クラスタから代表色を抽出する。このクラスタリングの方法についても、速度と精度のバランスの取れるものであれば、どの方法でも良く、例えば線形判別関数を用いることができる。また各クラスタから代表色を抽出する手段についても同様で、最も単純にはクラスタに属する画素の各画素値の平均でも良いし、その他の統計量でも良い。画像内に実在する画素値を使う必要があるならば、この平均値に最も近い画素値を用いることで代用できる。以下では、その画素の色を置換色、その画素を置換画素と呼ぶことにする。
【0030】
上述のクラスタがどのように分かれるかで補正方法を切り替える。クラスタリングに何らかの閾値が必要な場合には、この閾値は予め与えておくものとする。まず、参照範囲内の画素が単一のクラスタを成している場合、参照範囲の中には裏写りが含まれないか、若しくは参照範囲が裏写りの中に完全に包含されている状態であり、これらと同時に参照範囲は前景印刷内容の均一領域内であることも判る。いずれの場合でも、参照範囲内の情報のみから裏写りを正確に補正することはできないので、この場合には補正を加えず、入力画像をそのまま出力画像とする。
【0031】
上述のクラスタが2つのクラスタからなる場合、可能性として以下の2つの場合が考えられる。まず、この2つのクラスタが、裏写りと前面印刷内容の背景色部分とをそれぞれ表している場合であり、他方は前面印刷内容の2色の領域が参照範囲内に含まれている場合である。本来、後者の場合には補正を行わないことが望ましいが、このクラスタリングの処理だけでは両者を区別することができないため、両者について次の裏写り補正処理を施すこととする。通常、裏写りが生じている画素は、裏写りが無かった場合に比べ輝度が低下する傾向がある。そのため、この2つのクラスタから得られる代表色同士の輝度を比べることで、どちらが裏写りであるかを推測することができる。高輝度の代表色でターゲット画素を置換することで、ターゲット画素の裏写り成分を補正することができる。
【0032】
上述のクラスタリングの結果が3つ以上のクラスタを示した場合、前面印刷内容、裏写りを含めて様々な場合分けが必要となる。しかし3つ以上のクラスタが分かれる場合でも2つのクラスタ分けを組み合わせて表すことができるため、参照範囲を適当に設定しなおすことで対応する。
【0033】
ここまでの処理では、裏写り補正の対象となる、裏写りの大きさについての制限が無いため、広い裏写りが図10(B)のように部分的に補正される現象が起こり得る。これは上述した単一クラスタの場合では裏写りがあったとしても補正できないことに起因する。また、画像全体に対する反復処理が不可能である場合、上述の広い裏写りの部分的な補正を完全に防ぐことは困難である。これはオンラインの処理では裏写りの大きさや形状について充分な情報が得られないことが原因である。
【0034】
そこで、以下に示す本発明に係る裏写り補正処理により、オンライン処理でも広い裏写りを不自然なく目立たなくする。ここで示す裏写り補正処理で必要となる、各ターゲット画素を置換するべき置換画素の位置と画素値は、上述の裏写り検出及び補正処理と同様に求めるとよい。ターゲット画素と置換画素との画素値における差異は、ターゲット画素における裏写り成分を表し、両者の位置関係は、ターゲット画素が含まれる裏写り領域の形状と大きさについての情報となる。
【0035】
まず、この裏写り成分を閾値処理し、ターゲット画素に裏写りが生じているか否かを調べ、裏写りを検出する。この閾値は予め与えるが、紙質やスキャナの特性に依存するため、予め充分な数のサンプル画像を処理することで、統計的に有意な値を設定することも有効である。
【0036】
図1に、裏写りの補正のための参照範囲の例を示す。ターゲット画素に裏写りが生じていると判断される場合、そのターゲット画素2の置換画素との位置関係(以下、距離Dで表す)を計算する。文字や罫線などの細線の裏写りの場合、一般にこの距離Dは小さな値をとる。それに対して広い裏写りの場合は、周辺部分から中心部分に向かうに従い、距離Dは大きくなっていき、参照範囲1内の画素とターゲット画素2との最大距離Dmax(図1参照)が上界となる。
【0037】
ターゲット画素と置換画素の距離がDmaxを超える場合は、単一クラスタの場合に説明したようになり、ターゲット画素において裏写り成分は発生しないことになる。
【0038】
例えば、ターゲット画素と置換画素との距離Dがある閾値以上の場合には、画素値の単純な置き換えではなく、距離に依存した割合でのターゲット画素と置換画素との線形結合として処理すること(下式(1)を参照)で、距離Dmax周辺での裏写り補正の不自然さを解消することができる。
Xi=αYi+(1−α)Zi (1)
【0039】
上式(1)において、iは色平面を表し、例えばR,G,Bそれぞれに対してi=1,2,3を割り当てるなどの方法がある。Xは補正画像の画素値であり、Yはターゲット画素の画素値、Zは置換画素の画素値である。αはターゲット画素と置換画素の割合をコントロールするパラメタであり、0<α<1である。このαをターゲット画素と置換画素との距離Dの関数とする(α=func(D);0≦α≦1)ことで、これまで述べたような特性を実現できる。αの例としては、例えば下式(2)の関数を用いることができる。なお、図2にこの距離Dとαの関数の例をグラフ化したものを示す。
【0040】
【数1】
【0041】
ここでsは完全に補正するべき裏写りの大きさを表す指標であり、このsよりも距離Dが小さい場合にはターゲット画素は完全に置換画素で置き換えられる。逆に指標eよりも距離Dが大きい場合には、ターゲット画素は全く補正されない。このsとeを変化させて裏写り補正処理を施し、広い裏写りが連続的に補正された例(広い裏写りを連続的に薄くしていくように補正された例)を、図3(A),(B)に模式的に示す。
【0042】
このように、本発明によれば、前面印刷の高い再現性と裏写りの選択的な補正とを両立させる方式を、オンライン処理で実現する場合に、細線の裏写りの補正能力を高く保ったまま、広い裏写りを自然に補正することができる。
【0043】
II.画像全体への反復処理が可能である場合:
ここまではオンラインの処理で裏写りを補正することを考えてきたが、画像全体への反復処理が可能な場合についても本発明は適用可能であり、以下にその説明を行う。
【0044】
前述したように置換処理で裏写りを補正する場合、前景印刷内容の均一領域を覆うような広い裏写りを補正することは困難であり、反復処理を用いても広い裏写りを完全には補正できない場合がある。そのため、上述の特開2001−169080号公報では、参照範囲を超える広い裏写りは補正しないように修正処理が組まれている。しかしながら、図3(A),(B)で例示したように、完全に補正できない広い裏写りの周辺部分を軽減することで、その広い裏写りを目立たなくすることも考えられ、それにより画像全体の裏写りが目立たなくなる場合もある。ここではこの考えに基づき、広い裏写りの周辺部分を選択的に補正し、その広い裏写りを目立たなくする方法を述べる。
【0045】
画像全体に対する反復処理が可能である場合、一旦裏写り補正処理した内容を検証することができるため、初回の裏写り補正処理でどの画素に補正が加わっているのか、その結果として見えが不自然になっている画素はどれか、を検出することができる。具体的には、入力画像と初回の裏写り補正画像との差分を取り、前面印刷領域以外で、その差分値が不連続になっている画素を検出する。その不連続画素の周辺画素に限り、式(1)のように補正内容を変更することで、広い裏写りの周辺部分を連続的に補正することができる。
【0046】
このように、本発明によれば、画像全体に対する反復処理が可能である場合、広い裏写りの周辺部分を軽減することで、その裏写りを目立たなくすることができることに加え、入力画像中に存在する裏写りの割合などに基づいて適切なガンマ補正などを施すことで、強力な裏写り補正能力を得ることができ、広い裏写りを含めて裏写りを軽減することが可能となる。
【0047】
(実施例)
以下、上述のごとき処理を実際の画像処理として実現する形態を説明する。
図4は、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置のモジュール構成例を示す図である。
本実施形態において、スキャナ,デジタルカメラ等の画像入力機器11から入力されたカラー画像は、RAM16に蓄積される。また後述する一連の処理はROM17に蓄積されたプログラムをCPU15が読み出すことによって実行される。また処理の途中経過や途中結果はCRT,LCD等の表示装置12を通じてユーザに提示され、必要な場合にはマウスやキーボード13からユーザが処理に必要なパラメタを入力指定する。後述する処理の実行中に作られる中間データはRAM16に蓄積され、必要に応じてCPU15によって読み出し、修正・書き込みが行われる。一連の処理の結果として生成された画像は、その後の画像処理に使用されるか、もしくはRAM16から読み出されて、プリンタ等の画像印刷機器14や通信ポート(図示せず)を介して他の機器に出力される。なお、画像入力機器11,表示装置12,キーボード13,画像印刷機器14,CPU15,RAM16,ROM17は、データバス18により接続されるか、各要素の一部がLAN等のネットワークを介して接続されていればよい。
【0048】
(実施例1)
図5は、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置における処理手順の一実施例を説明するためのフロー図で、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理方法の一実施例を説明するフロー図でもある。図5に基づき本発明の実施例を実施例1として説明する。実施例1は、図4で示すようなモジュール構成(又はその代替構成)を含む、主にカラーデジタル複写機の中での画像処理に相当するものとして説明する。また、図6は、図5の処理における裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図で、広い裏写りを自然に補正する処理として、ターゲット画素との距離に依存した裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図である。
【0049】
まず、スキャナによってカラー画像が入力されると(ステップS1)、平滑化等の前処理が行われる(ステップS2)。図5で述べたように本発明は主に裏写りの軽減処理として考えているため、スキャナによる読み込みとスキャナガンマ補正などの処理を施した後のデジタルデータを入力画像とする。このような入力画像に対して平滑化や色空間の変換などの操作を行い、後段で色特徴量の抽出がし易いようにする。入力画像の種類によってはこの処理を省いても良い。平滑化には、例えば平滑化参照範囲内の画素値の平均を用いても良いし、適当な間引きを行っても良い。また、色空間変換とは、RGB色空間からLab色空間などへの変換を指す。
【0050】
ステップS2の後、本発明に係る裏写り補正等のコピアの画像処理が行われる(ステップS3)。図6を参照して、ステップS3の一例としての、裏写り検出と補正、そしてターゲット画素と置換画素との位置関係による処理の流れについて説明する。
【0051】
まず、ターゲット画素周辺の画像を入力する(ステップS11)。ここでは、入力画像のターゲット画素の位置を(i,j)とし、そのターゲット画素に対し、以下のステップS12〜S21(又はステップS14〜S21)の処理を実行すればよい。この位置は一般的なラスタスキャンの順であるとする。ターゲット画素が前面印刷のうち、エッジなどで検出される前景画素であった場合には、ラスタスキャンで次の画素にターゲットを更新する。参照範囲内に、ある割合以上前景画素が含まれる場合には、ターゲット画素の補正を行わないようにすることで、前面印刷保護をより徹底できる。なお、このパスは、図面を簡明にするため図6には記載されていない。
【0052】
上述の前面印刷に関し、補足的に説明する。前面印刷内容は、その特徴として例えば文字などは強いエッジ強度を示すので、エッジを抽出し(ステップS12)、エッジ強度(エッジ量)に対する閾値処理(ステップS13)により、前面印刷か否かを判断しても良い。このような方法により、平滑化等の処理を施された入力画像から文字や写真などの「原稿の前面に印刷されている内容」を抽出し、その部分を後段の補正処理の対象から外すことで保護する。また、スキャナの特性などがわかっている場合には、その情報を元に、画素値そのものや、輝度値に対する閾値処理を施すことでも前景画素を判別・保護することができる。この処理の実装例を図7に示す。図7は、エッジ検出オペレータの例を示す図で、図7(A)はラプラシアンオペレータ、図7(B)はソーベルエッジ抽出器(ソーベルオペレータ)をそれぞれ示している。これらのエッジ検出オペレータを入力画像に用いた場合に、もし入力画像の均一領域であればオペレータの出力は小さいが、入力画像にある非均一部分ではオペレータの出力は大きくなる。ここで前景と判断された画素を以下では前景画素と呼ぶ。
【0053】
ターゲットが前景画素以外である場合、ターゲット画素周辺に予め定められた大きさで参照範囲を設定し(ステップS14)、その参照範囲内の各画素値を、特定の色空間内でクラスタリングし、代表色を算出する(ステップS15)。この代表色算出は最も単純にはこの参照範囲内の最も明るい色(以下最明色と呼ぶ)を算出すれば良く、その最明色によりターゲットを置換することで、ある程度の裏写り補正性能が得られる。より正確を期すためには線形判別関数などの統計的手法を用いると良い。
【0054】
算出された代表色のうち、明るい方の代表色である画素(上で述べた最も単純な方法の場合は最も明るい画素)とターゲット画素との、画素値の差異Bと、位置の差異Dを計算する(ステップS16,S17)。画素値の差異Bは入力画像と同じ色空間の次元(例えばRGB)を持つ。位置の差異Dは二次元の情報を持つ。
【0055】
次に、位置の差異Dを式(2)及び図2に示した関数func()に掛け、変数αを算出する(ステップS18)。なお、変数αと位置の差異Dの関係を定義する関数はこれ以外のものでも良い。算出された変数αと、ターゲット画素及び置換画素の画素値を式(1)に代入し、ターゲット画素を置換する置換色(画素値)Xを得る(ステップS19)。最後にターゲット画素を置換画素で置換し、ラスタスキャンで次の画素をターゲット画素に設定する(ステップS20)。
【0056】
以上の操作を入力画像の全ての画素に対して実行することで(ステップS21でYES)、細線の裏写りを補正しながら、同時に広い裏写りも不自然にならずに補正できる。裏写りの補正具合は、上述のごとき距離Dと変数αとの関数により簡明に記述される。
【0057】
図6を参照しながら説明した本発明の特徴的な処理(ステップS3)の後には、色補正等の通常の複写機における後処理が行われ(ステップS4)、プリンタにより画像が出力されることとなる(ステップS5)。
【0058】
(実施例2)
図8は、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置における処理手順の他の実施例を説明するためのフロー図で、本発明の一実施形態に係るカラー画像処理方法の他の実施例を説明するフロー図でもある。図8に基づき本発明の実施例を実施例2として説明する。実施例2は、図4で示すようなモジュール構成(又はその代替構成)を含む、主にパーソナルコンピュータやワークステーションなどの計算機中の画像処理に相当するものとして説明する。また、図9は、図8の処理における裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図で、裏写りを自然に補正する裏写り補正処理として、画像全体に対するガンマ補正を施す処理を説明するためのフロー図である。
【0059】
まず、スキャナによってカラー画像が入力されると(ステップS31)、平滑化等の前処理が行われる(ステップS32)。図5で述べたように本発明は主に裏写りの軽減処理として考えているため、スキャナによる読み込みとスキャナガンマ補正などの処理を施した後のデジタルデータを入力画像とする。このような入力画像に対して平滑化や色空間の変換などの操作を行い、後段で色特徴量の抽出がし易いようにする。入力画像の種類によってはこの処理を省いても良い。平滑化には、例えば平滑化参照範囲内の画素値の平均を用いても良いし、適当な間引きを行っても良い。また、色空間変換とは、RGB色空間からLab色空間などへの変換を指す。
【0060】
ステップS32の後、本発明に係る裏写り補正処理が行われる(ステップS33)。図9を参照して、ステップS33の一例としての、裏写り検出と補正の処理の流れについて説明する。
【0061】
まず、ターゲット画素周辺の画像を入力する(ステップS41)。ここでは、入力画像のターゲット画素の位置を(i,j)とし、まず、そのターゲット画素に対し、以下のステップS42〜S48(又はステップS44〜S48)の処理を実行すればよい。この位置は一般的なラスタスキャンの順であるとする。ターゲット画素が前面印刷のうち、エッジなどで検出される前景画素であった場合には、ラスタスキャンで次の画素にターゲットを更新する。参照範囲内にある割合以上前景画素が含まれる場合にはターゲット画素の検出を行わないようにすることで、前面印刷保護をより徹底できる。なお、このパスは、図面を簡明にするため図9には記載されていない。
【0062】
上述の前面印刷に関し、補足的に説明する。前面印刷内容は、その特徴として例えば文字などは強いエッジ強度を示すので、エッジを抽出し(ステップS42)、エッジ強度に対する閾値処理(ステップS43)により、前面印刷か否かを判断しても良い。このような方法により、平滑化等の処理を施された入力画像から文字や写真などの「原稿の前面に印刷されている内容」を抽出し、その部分を後段の補正処理の対象から外すことで保護する。また、スキャナの特性などがわかっている場合には、その情報を元に、画素値そのものや、輝度値に対する閾値処理を施すことでも前景画素を判別・保護することができる。この処理の実装例を図7に示しているが、これらのエッジ検出オペレータを入力画像に用いた場合に、もし入力画像の均一領域であればオペレータの出力は小さいが、入力画像にある非均一部分ではオペレータの出力は大きくなる。ここで前景と判断された画素を以下では前景画素と呼ぶ。
【0063】
ターゲットが前景画素以外である場合、ターゲット画素周辺に予め定められた大きさで参照範囲を設定し(ステップS44)、その参照範囲内の各画素値を、特定の色空間内でクラスタリングし、代表色を算出する(ステップS45)。この代表色算出は最も単純にはこの参照範囲内の最も明るい色(以下最明色と呼ぶ)を算出すれば良く、その最明色によりターゲットを置換することで、ある程度の裏写り補正性能が得られる。より正確を期すためには線形判別関数などの統計的手法を用いると良い。
【0064】
算出された代表色のうち、明るい方の代表色である画素(上で述べた最も単純な方法の場合は最も明るい画素)とターゲット画素との、画素値の差異B裏写り成分に相当する)と、位置の差異Dを計算する(ステップS46,S47)。画素値の差異Bは入力画像と同じ色空間の次元(例えばRGB)を持つ。位置の差異Dは二次元の情報を持つ。
【0065】
以上の操作を入力画像の全ての画素に対して実行することで(ステップS48でYES)、入力画像の各画素について裏写り成分を算出する。各画素について裏写り成分が算出されるため、この裏写り成分を画像として構成することも可能である。この裏写り成分による画像を以下では推定裏面画像(若しくは推定裏写り画像)と呼ぶ。
【0066】
次に、画像全体から後述する指標R又はR′又はDavgを算出し(ステップS49)、この指標に基づいてガンマ補正の強度を決定する(ステップS50)。ステップS49,S50の処理を入力画像の各画素に対して施して処理を終了する(ステップS51)。
【0067】
(ケース1)
推定裏写り画像のうち、予め定めた閾値THa以上の大きさの成分を持つ画素の数Cを算出する。THaの値はユーザに決定させても良い。そして、入力画像中の全画素数CaとCとの比R(裏写り領域が画像中に占める面積の割合)を下式(3)のように計算し、Rの値を元に、入力画像に施す画像処理のパラメタを決定する。ここでは画像処理の例としてガンマ補正を取り上げる。
R=C/Ca (3)
【0068】
ここで、Rの値が小さい場合には、入力画像中には裏写りは全くないか、若しくは非常に少ないと推定される。そのため入力画像へのガンマ補正は全く行わないか、若しくは非常に弱い強度で行う。一方、Rの値がある程度大きい場合には、入力画像中に裏写りがある程度含まれると考えられるため、ガンマ補正を中程度の強度で施す。
【0069】
(ケース2)
ここで例えば評価関数Rの算出に際して、例えば下式(4)で示す指標R′を取り入れても良い。前景画素以外の画素について、推定裏面画像からエッジを抽出し、予め与えられた閾値THbよりも大きいものの数Cbを算出する。THbはユーザに決定させることもできる。Cbは推定裏面画像中の不連続の面積割合といえる。指標R′を下記のように定義する。
R′=Cb/Ca (4)
【0070】
ここで、入力画像中に広い裏写りが多数ある場合には、指標R′が高い値を示すことが期待されるため、この指標を用いて、入力画像全体に施すガンマ補正の強度を決定することで、画像全体の見えを適正に補正できる。
【0071】
(ケース3)
上述のケース2と類似するが、ガンマ補正の強度を決める指標として、以前に算出した裏写りを持つ画素の、置換画素との距離Dの平均値Davgを用いても良い。
【0072】
上述のケース1からケース3のいずれの場合でも、ガンマ補正は入力画像に直截施しても良いし、より強力な裏写り補正能力が求められるときには、上で作成した裏写り補正画像に対してガンマ補正を施しても良い。
【0073】
図9を参照しながら説明した本発明の特徴的な処理(ステップS33)の後には、出力デバイスに依存した色補正等の処理、例えばプリントアウトのための各種色処理やディスプレイへの表示のための各種フィルタ処理が行われ(ステップS34)、プリンタやディスプレイなどの出力デバイスにより画像が出力されることとなる(ステップS35)。
【0074】
以上、本発明のカラー画像処理装置を中心に各実施形態を説明してきたが、本発明は、上述した各実施形態においてフロー図を参照して処理手順を説明したように、それら装置における処理の一部又は全部を含んでなるカラー画像処理方法としての形態も採り得る。また、本発明は、上述した各実施形態におけるモジュール構成例で説明したように、コンピュータをそれら装置の一部又は全部として機能させるための、或いはコンピュータにそれら装置の処理手順(又はカラー画像処理方法)を実行させるためのプログラムとしても、或いは、そのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としての形態も採り得る。
【0075】
本発明によるカラー画像処理の機能を実現するためのプログラムやデータを記憶した記録媒体の実施形態を説明する。記録媒体としては、具体的には、CD−ROM、光磁気ディスク、DVD−ROM、FD、フラッシュメモリ、メモリスティック、及びその他各種ROMやRAM等が想定でき、これら記録媒体に上述した本発明の各実施形態の装置の機能をコンピュータに実行させ、カラー画像処理の機能を実現するためのプログラムを記録して流通させることにより、当機能の実現を容易にする。そしてコンピュータ等の情報処理装置に上述のごとくの記録媒体を装着して情報処理装置によりプログラムを読み出すか、若しくは情報処理装置が備えている記録媒体に当プログラムを記憶させておき、必要に応じて読み出すことにより、本発明に係わるカラー画像処理の機能を実行することができる。
【0076】
【発明の効果】
本発明によれば、前面印刷の高い再現性と、裏写りの選択的な補正を両立させる方式を、オンライン処理で実現する場合に、細線の裏写りの補正能力を高く保ったまま、広い裏写りを自然に補正することができる。
【0077】
また、本発明によれば、画像全体に対する反復処理が可能である場合、広い裏写りの周辺部分を軽減することで、その裏写りを目立たなくすることができることに加え、入力画像中に存在する裏写りの割合などに基づいてガンマ補正などを施すことで、強力な裏写り補正能力を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】裏写りの補正のための参照範囲の例を示す図である。
【図2】距離Dとαの関数の例を示す図である。
【図3】式(2)でsとeを変化させて裏写り補正処理を施し広い裏写りが連続的に補正された例を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置のモジュール構成例を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置における処理手順の一実施例を説明するためのフロー図である。
【図6】図5の処理における裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図である。
【図7】エッジ検出オペレータの例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態に係るカラー画像処理装置における処理手順の他の実施例を説明するためのフロー図である。
【図9】図8の処理における裏写り補正処理を詳細に説明するためのフロー図である。
【図10】裏写り画像の例とそれが部分的に補正された裏写り補正画像の例を示す模式図である。
【符号の説明】
1…参照範囲、2…ターゲット画素、11…画像入力機器、12…表示装置、13…キーボード、14…画像印刷機器、15…CPU、16…RAM、17…ROM、18…データバス。
Claims (10)
- 紙面にカラー印刷された原稿をデジタル入力して得られるデジタルカラー原画像に対して、裏写りを検出し補正することで該裏写りを選択的に軽減する画像処理を行うカラー画像処理装置であって、裏写りの大きさを特徴として検出し、該裏写りの大きさに依存した画像処理を施すことを特徴とするカラー画像処理装置。
- 裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、裏写りが生じている領域にのみ、選択的に特定の画像処理を施すことを特徴とする請求項1記載のカラー画像処理装置。
- 裏写りを持つ領域に対して施す特定の画像処理が、該裏写りの周辺画素のいずれかによる置換処理、又は該周辺画素から得られる統計量による置換処理であることを特徴とする請求項2記載のカラー画像処理装置。
- 裏写りを持つ領域に対して施す特定の画像処理が、ガンマ補正であることを特徴とする請求項2記載のカラー画像処理装置。
- 裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、画像全体に対して特定の画像処理を施すことを特徴とする請求項1記載のカラー画像処理装置。
- 画像全体に対して施す特定の画像処理が、ガンマ補正であることを特徴とする請求項5記載のカラー画像処理装置。
- 裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、裏写りを持つ領域に対しては、該裏写りの周辺画素のいずれかによる置換処理、又は該周辺画素から得られる統計量による置換処理を施し、裏写りの大きさ、又は裏写り領域が画像中に占める面積割合、又はこれらの組み合わせに依存して、画像全体に対してはガンマ補正処理を施すことを特徴とする請求項1記載のカラー画像処理装置。
- 請求項1乃至7のいずれか1記載のカラー画像処理装置における処理の一部又は全てを含んでなるカラー画像処理方法。
- 請求項1乃至7のいずれか1記載のカラー画像処理装置の一部又は全てとして、コンピュータを機能させるためのプログラム。
- 請求項9記載のプログラムを記録したコンピュータ読取可能な記録媒体。
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-
2002
- 2002-07-24 JP JP2002215018A patent/JP2004056710A/ja active Pending
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JP2012160883A (ja) * | 2011-01-31 | 2012-08-23 | Kyocera Document Solutions Inc | 画像処理装置及びこれを備えた画像形成装置 |
JP2017135690A (ja) * | 2016-01-26 | 2017-08-03 | 株式会社リコー | 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム |
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