JP5645635B2 - 車速信号改竄検知装置、車速抑制装置、車速信号改竄検知方法及び車速抑制方法 - Google Patents
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Description
そこで、本発明は従来の問題点に鑑み、車速信号が改竄されたか否かを検知する車速信号改竄検知装置及び車速信号改竄検知方法を提供することを目的とする。また、本発明は従来の問題点に鑑み、車速信号が改竄されたことが検知されたときに、車速を抑制する車速抑制装置及び車速抑制方法を提供することを目的とする。
また、コンピュータを内蔵した第1のコントロールユニットが、駆動輪の回転速度に比例したパルス信号に応じた第1の車速を算出すると共に、車両位置の変化又はGPSレシーバの出力信号から第2の車速を算出する。そして、第1のコントロールユニットが、第1の車速と第2の車速との比較に基づいて車速信号が改竄されていると判定したときに、コンピュータを内蔵した第2のコントロールユニットに対して改竄検知信号を出力する。一方、第2のコントロールユニットが、第1のコントロールユニットからの改竄検知信号を受信したときに、エンジン出力を抑制する。
図1は、車速信号改竄検知装置及び車速抑制装置を搭載した車両の概要を示す。
車両10において、変速機の出力軸から駆動輪12までの駆動力伝達系には、駆動輪12の回転速度に比例したパルス信号(正弦波又は矩形波)を出力する車速センサ14が取り付けられる。また、車両10の所定部位には、現在の車両位置(緯度,経度及び高度)を測位するGPS(Global Positioning System)レシーバ16が搭載される。なお、GPSレシーバ16としては、ナビゲーションシステムを構成するGPSレシーバを流用してもよい。
改竄検知ユニット18は、ROM(Read Only Memory)などに記憶された制御プログラムを実行することで、図2に示すように、第1の車速算出部18A,第2の車速算出部18B,改竄判定部18C,データ記録部18D,警告表示部18E及び改竄検知信号出力部18Fを夫々具現化する。
ステップ1(図では「S1」と略記する。以下同様。)では、第1の車速算出部18Aが、車速センサ14から車速パルス信号を読み込む。
ステップ2では、第1の車速算出部18Aが、車速パルス信号に応じた第1の車速V1を算出する。具体的には、第1の車速算出部18Aは、連続した2つの車速パルス信号の周期を計測し、その周期から周波数を算出する。そして、第1の車速算出部18Aは、車速パルス信号の周波数から第1の車速V1を算出する。なお、第1の車速V1は、任意の時点で参照可能とすべく、例えば、コンピュータの揮発性メモリに書き込んでおく(第2の車速V2も同様)。
ステップ11では、第2の車速算出部18Bが、GPSレシーバ16から車両位置を読み込む。
ステップ12では、第2の車速算出部18Bが、GPSレシーバ16の出力信号に車速が含まれているか否かを判定する。即ち、GPSレシーバ16の種類によっては、その出力信号に車両位置のみならず車速が含まれているものがあるため、これを直接利用できるか否かを判定している。そして、第2の車速算出部18Bは、GPSレシーバ16の出力信号に車速が含まれていると判定すれば処理をステップ13へと進める一方(Yes)、GPSレシーバ16の出力信号に車速が含まれていないと判定すれば処理をステップ14へと進める(No)。
ステップ14では、第2の車速算出部18Bが、車両位置の変化から第2の車速V2を算出する。具体的には、第2の車速算出部18Bは、車両位置の変化から移動した距離Lを算出し、この距離Lを第1の所定時間で除算することで第2の車速V2を算出する。
ステップ21では、改竄判定部18Cが、第1の車速算出部18Aにより第1の車速V1が算出できたか否か、即ち、車速信号を改竄することを目的として車速センサ14が取り外されているか否かを判定する。そして、改竄判定部18Cは、第1の車速V1が算出できたと判定すれば処理をステップ22へと進める一方(Yes)、第1の車速V1が算出できないと判定すれば処理をステップ24へと進める(No)。ここで、改竄判定部18Cは、第1の車速V1が0(ゼロ)のときには、第1の車速V1が算出できたと判定する(以下同様)。
ステップ25では、改竄検知信号出力部18Fが、エンジン制御ユニット20に対して改竄検知信号を出力する。
ステップ26では、データ記録部18Dが、改竄検知継続中であるか否かを判定する。そして、データ記録部18Dは、改竄検知継続中であると判定すれば処理を終了させる一方(Yes)、改竄検知継続中でないと判定すれば処理をステップ27へと進める(No)。
ステップ28では、データ記録部18Dが、第2の車速V2を算出できなくなる直前、即ち、GPSレシーバ16がGPS衛星からの電波を受信できなくなる直前のGPSデータ及び第2の車速V2を記憶装置18Gに保存する。
ステップ30では、データ記録部18Dが、第2の車速算出部18Bにより第2の車速V2が算出できるようになったか否かを判定する。そして、改竄判定部18Cは、第2の車速V2が算出できるようになったと判定すれば処理をステップ31へと進める一方(Yes)、第2の車速V2が相変わらず算出できないと判定すれば処理をステップ29へと戻す(No)。
かかる改竄検知ユニット18によれば、車速センサ14から出力される車速パルス信号に応じた第1の車速V1が算出されると共に、GPSレシーバ16により測位された車両位置の変化又はGPSレシーバ16の出力信号から第2の車速V2が算出される。そして、第1の車速V1と第2の車速V2との比較に基づいて、車速信号が改竄されているか否かが判定される。車速信号が改竄されていると判定されれば、その旨を車両運転者などに警告すべく、警告表示装置22の警告灯が点灯される。また、車速信号が改竄されていると判定されれば、燃料噴射量の制限などによりエンジン出力を抑制すべく、エンジン制御ユニット20に対して改竄検知信号が出力される。さらに、車速信号が改竄されていると判定されれば、車速改竄を検知した時点を含む前後所定時間のGPSデータ,第1の車速V1及び第2の車速V2が記憶装置18Gに保存される。ここで、車速改竄を検知した時点を含む前後所定時間のGPSデータなどは、車速改竄検知継続中には保存されないため、記憶装置18Gの記憶領域を徒に消費することを抑制できる。
車速信号が改竄されていないときには、第1の車速V1と第2の車速V2とは略同一の速度を示す。しかし、スピードリミッタ解除のために車速信号が改竄されると、第1の車速V1と第2の車速V2との間に乖離が生じる。このため、第1の車速V1と第2の車速V2との差が所定値Vtより大きくなったときに、車速信号が改竄されていると検知することができる。なお、車速信号の改竄においては、第1の車速V1を実際の車速よりも小さく改竄することが常であるため、第1の車速V1と第2の車速V2との差の絶対値を考慮する必要はない。
エンジン出力抑制部20Aは、改竄検知ユニット18からの改竄検知信号を受信したとき、又は、改竄検知ユニット18との通信が正常でないとき、エンジン出力を抑制する。警告表示部20Bは、エンジン出力抑制部20Aによりエンジン出力が抑制されているときに、警告表示装置22の表示灯を点灯させる。なお、エンジン出力抑制部20Aは、車速センサ14から出力された車速パルス信号に基づくスピードリミット処理を併せて実行する。
ステップ41では、エンジン出力抑制部20Aが、改竄検知信号を受信したか否かを判定する。そして、エンジン出力抑制部20Aは、改竄検知信号を受信したと判定すれば処理をステップ43へと進める一方(Yes)、改竄検知信号を受信していないと判定すれば処理をステップ42へと進める(No)。
ステップ44では、警告表示部20Bが、警告表示装置22の表示灯を点灯させる。
かかるエンジン制御ユニット20によれば、改竄検知ユニット18からの改竄検知信号を受信したときには、エンジン出力が抑制される。このとき、車速信号異常によりエンジン出力が抑制中であることを表示すべく、警告表示装置22の表示灯が点灯される。また、改竄検知ユニット18から改竄検知信号が出力されないようにこれを取り外すと、改竄検知ユニット18との通信が正常でなくなるため、エンジン出力が抑制される。このときも、車速信号異常によりエンジン出力が抑制中であることを表示すべく、警告表示装置22の表示灯が点灯される。
なお、改竄検知ユニット18及びエンジン制御ユニット20は、一体型であってもよい。但し、改竄検知ユニット18とエンジン制御ユニット20を別体型とすれば、エンジン制御ユニット20の制御プログラムを多少変更することで、既存の車両に本発明を容易に適用することができる。
12 駆動輪
14 車速センサ
16 GPSレシーバ
18 改竄検知ユニット
18A 第1の車速算出部
18B 第2の車速算出部
18C 改竄判定部
18D データ記録部
18E 警告表示部
18F 改竄検知信号出力部
18G 記憶装置
20 エンジン制御ユニット
20A エンジン出力抑制部
20B 警告表示部
22 警告表示装置
Claims (15)
- 駆動輪の回転速度に比例したパルス信号を出力する車速センサと、
車両位置を測位するGPSレシーバと、
コンピュータを内蔵したコントロールユニットと、
を含んで構成され、
前記コントロールユニットは、前記車速センサから出力されたパルス信号に応じた第1の車速を算出すると共に、前記GPSレシーバにより測位された車両位置の変化又は前記GPSレシーバの出力信号から第2の車速を算出し、前記第1の車速と前記第2の車速との比較に基づいて車速信号が改竄されているか否かを判定し、車速信号が改竄されていると判定したときに、エンジンを電子制御するエンジン制御ユニットに対して改竄検知信号を出力することを特徴とする車速信号改竄検知装置。 - 前記コントロールユニットは、前記第1の車速と前記第2の車速との差が所定値より大きくなったときに、車速信号が改竄されていると判定することを特徴とする請求項1記載の車速信号改竄検知装置。
- 車速信号が改竄されていることを警告する警告灯を更に備え、
前記コントロールユニットは、車速信号が改竄されていると判定したときに、前記警告灯を点灯させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の車速信号改竄検知装置。 - 前記コントロールユニットは、前記第1の車速が算出できないときに、前記警告灯を点灯させることを特徴とする請求項3記載の車速信号改竄検知装置。
- 前記コントロールユニットは、車速信号が改竄されていると判定したときに、その判定時点を含む前後所定時間の車両位置,時刻,第1の車速及び第2の車速を保存することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1つに記載の車速信号改竄検知装置。
- 前記コントロールユニットは、前記GPSレシーバによる車両位置の測位ができなくなったときに、車両位置の測位ができなくなる直前の車両位置及び第2の車速を保存すると共に、車両位置の測位ができないときの第1の車速及びその最高速度を保存することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つに記載の車速信号改竄検知装置。
- 駆動輪の回転速度に比例したパルス信号を出力する車速センサと、
車両位置を測位するGPSレシーバと、
コンピュータを内蔵した第1のコントロールユニットと、
コンピュータを内蔵した第2のコントロールユニットと、
を含んで構成され、
前記第1のコントロールユニットは、前記車速センサから出力されたパルス信号に応じた第1の車速を算出すると共に、前記GPSレシーバにより測位された車両位置の変化又は前記GPSレシーバの出力信号から第2の車速を算出し、前記第1の車速と前記第2の車速との比較に基づいて車速信号が改竄されていると判定したときに、前記第2のコントロールユニットに対して改竄検知信号を出力する一方、
前記第2のコントロールユニットは、前記第1のコントロールユニットからの改竄検知信号を受信したときに、エンジン出力を抑制すること
を特徴とする車速抑制装置。 - 前記第1のコントロールユニットは、前記第1の車速と前記第2の車速との差が所定値より大きくなったときに、車速信号が改竄されていると判定することを特徴とする請求項7記載の車速抑制装置。
- 車速信号が改竄されていることを警告する警告灯を更に備え、
前記第1のコントロールユニットは、車速信号が改竄されていると判定したときに、前記警告灯を点灯させることを特徴とする請求項7又は請求項8に記載の車速抑制装置。 - 前記第1のコントロールユニットは、前記第1の車速が算出できないときに、前記警告灯を点灯させることを特徴とする請求項9記載の車速抑制装置。
- 前記第1のコントロールユニットは、前記第1の車速が算出できないときに、前記第2のコントロールユニットに対して改竄検知信号を出力することを特徴とする請求項7〜請求項10のいずれか1つに記載の車速抑制装置。
- 前記第2のコントロールユニットは、前記第1のコントロールユニットとの通信が正常でないときに、エンジン出力を抑制することを特徴とする請求項7〜請求項11のいずれか1つに記載の車速抑制装置。
- エンジン出力が抑制されていることを表示する表示灯を更に備え、
前記第2のコントロールユニットは、前記エンジン出力を抑制したときに、前記表示灯を点灯させることを特徴とする請求項7〜請求項12のいずれか1つに記載の車速抑制装置。 - コンピュータを内蔵したコントロールユニットが、駆動輪の回転速度に比例したパルス信号に応じた第1の車速を算出すると共に、車両位置の変化又はGPSレシーバの出力信号から第2の車速を算出し、前記第1の車速と前記第2の車速との比較に基づいて車速信号が改竄されているか否かを判定し、車速信号が改竄されていると判定したときに、エンジンを電子制御するエンジン制御ユニットに対して改竄検知信号を出力することを特徴とする車速信号改竄検知方法。
- コンピュータを内蔵した第1のコントロールユニットが、駆動輪の回転速度に比例したパルス信号に応じた第1の車速を算出すると共に、車両位置の変化又はGPSレシーバの出力信号から第2の車速を算出し、前記第1の車速と前記第2の車速との比較に基づいて車速信号が改竄されていると判定したときに、コンピュータを内蔵した第2のコントロールユニットに対して改竄検知信号を出力する一方、
前記第2のコントロールユニットが、前記第1のコントロールユニットからの改竄検知信号を受信したときに、エンジン出力を抑制すること
を特徴とする車速抑制方法。
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