JP5611561B2 - 毛髪処理剤および毛髪変形処理方法 - Google Patents
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さらに、毛髪処理剤に、還元剤の効力を阻害することのない毛髪の損傷を抑制する成分を添加することは、十分に検討されていなかった。
[1]システアミン濃度が3.5〜15重量%であり(毛髪処理剤全体を100重量%とする)、pHが7.0〜9.5であることを特徴とする毛髪処理剤。
[2]前記システアミン濃度が5〜12重量%である(毛髪処理剤全体を100重量%とする)ことを特徴とする[1]に記載の毛髪処理剤。
[3]pHが8.5〜9.2であることを特徴とする[1]または[2]に記載の毛髪処理剤。
[4]さらにフコイダンを0.0001〜1重量%の範囲で含有することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の毛髪処理剤。
[5][1]〜[4]のいずれかに記載の毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程と、
該毛髪処理剤を塗布した毛髪を、20〜60℃で放置する工程とを含むことを特徴とする毛髪変形処理方法。
[6]該毛髪処理剤を毛髪に塗布する前に、
毛髪を直径20〜70mmのロッドで巻く工程を、
さらに含むことを特徴とする[5]に記載の毛髪変形処理方法。
[7]毛髪をウェーブ、カール、またはストレートにデザインするために用いられることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の毛髪処理剤。
本発明の毛髪処理剤は、システアミン濃度が3.5〜15重量%であり(毛髪処理剤全体を100重量%とする)、pHが7.0〜9.5であることを特徴とする。
以下、各成分の毛髪処理剤中の濃度は、通常の2剤形式のパーマ処理剤の場合は、第1剤中の濃度である。
本発明の毛髪処理剤は、システアミンおよびその塩類から選ばれる少なくとも1種(以下システアミン類ともいう)を含む。
HS−CH2−CH2−NH2 (1)
で表わされる化合物であり、毛髪処理剤中では、塩酸塩、クエン酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩等の塩類で存在していることもある。
本発明の毛髪処理剤のpHは、7.0〜9.5、好ましくは8.5〜9.2である。
毛髪処理剤のpHが前記範囲内にあると、毛髪の損傷を抑えつつ、強いカールやウェーブデザイン、大きいカールやウェーブおよび良好なストレートデザインの形成が可能である。また、形成したカールやウェーブ、およびストレートの持続性に優れる。
本発明の毛髪処理剤は、上記のようなpH範囲において、システアミン類を上記の範囲の量で用いることにより、毛髪の損傷を抑えながら、毛髪にしっかりとしたカール、ウェーブおよびストレートデザインを形成することができる。
本発明の毛髪処理剤は、さらにフコイダンを0.0001〜1重量%、好ましくは0.01〜1重量%含んでいることが好ましい。
フコイダンは、コンブ、モズクなどの褐藻類の海藻に存在する硫酸化フコース含有多糖類の総称である。全ての褐藻類は複数種のフコイダンを含有している。フコイダンの構成糖はフコース、ガラクトース、マンノース、キシロース、及びグルクロン酸などである。
本発明の毛髪処理剤は、上記成分の他に、その他の還元剤、添加剤および溶剤を含んでいてもよい。
添加剤としては、たとえばコラーゲンやケラチンなどの加水分解物およびその誘導体、アミノ酸、ピロリドンカルボン酸誘導体、セラミドおよびその類似物質、植物抽出液などの毛髪保護剤;
カチオン化セルロース、カチオン化グァガム、カチオン化ポリマー、カチオン化樹脂、天然水溶性高分子類などのコンディショニング剤;
炭酸アルキレン、パラフィン、流動パラフィン、ミツロウ、スクワラン、ホホバ油、オリーブ油、エステル油、トリグリセリド、ワセリン、ラノリンなどの油剤;
グリセリン、ジグリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ソルビトールなどの保湿剤;
カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤および非イオン性界面活性剤などの界面活性剤;
ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノ変性シリコンオイルなどのシリコン誘導体;
エデト酸四ナトリウム四水塩、ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウムなどの金属封鎖剤;
カルボキシエチルセルロース、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、エチレン/アクリル酸共重合体などの増粘剤、オイルゲル化剤あるいはオイル増粘剤などの増粘剤;
アスコルビン酸、エリソルビン酸、エデト酸塩、エチドロン酸塩、フェナセチン、サリチル酸などの安定化剤;
パラベン、安息香酸ナトリウムなどの防腐剤;
サトウキビエキス、チャエキス等植物抽出液、カテキン、タンニン、シクロデキストリン、酵素などの消臭剤;
養毛剤、紫外線吸収剤、色素、パール剤、香料などが挙げられる。
なお、本発明の毛髪処理剤と併用される第2剤およびその他の補助剤については、特に制限はなく、通常パーマ処理に用いられる剤をそのまま適用することができる。
第2剤は、通常たとえば臭素酸塩、過酸化水素水などの酸化剤を含む。
本発明の毛髪処理剤は、上述した成分を、公知の方法で適宜、攪拌、混合、加熱、冷却、溶解、分散(乳化)等することによって製造できる。
なお、本発明の毛髪処理剤の剤型は特に制限されないが、たとえば、液状、ローション状、クリーム状、エアゾールなどの剤型が挙げられる。
本発明の毛髪処理剤は、毛髪のカール、ウェーブおよびストレートのデザイン形成のための毛髪変形処理における毛髪のシスチン結合を切断する工程に用いられる。通常、2剤式のカール、ウェーブ、ストレートなどのデザインを形成するための毛髪変形処理剤の第1剤として用いられる。
毛髪を20〜70mmのロッド、好ましくは30〜70mmのロッドに毛髪を巻きつける工程と、
本発明の毛髪処理剤を該毛髪に塗布する工程と、
該毛髪処理剤を塗布した毛髪を、20〜60℃、好ましくは20〜40℃で放置する工程とを含む。
本発明の毛髪処理剤を用いると、毛髪に熱をかけることなく、または低い温度で加温することにより、太めのロッドを用いたカールおよびウェーブなどのデザイン形成のための毛髪変形を行うことが可能であるため、毛髪の損傷を抑えてくっきりとしたカールやウェーブを形成することが可能である。
本発明の毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程と、
該毛髪処理剤を塗布した毛髪をコームで伸ばす工程と、
該コームで伸ばした毛髪を20〜60℃、好ましくは20〜40℃で放置する工程とを含む。
第1剤の成分および配合割合は、表2〜5に示す通りである。表に記載された成分の単位は重量%であり、毛髪処理剤である第1剤を100重量%として表す。
キルビーの方法に従ってウェーブ効率を測定した。具体的には以下のプロセスで行った。
ウェーブ効率は次式によって算出した。
ウェーブ効率 (%)=100-100×(B-A)/(C-A) (2)
A:器具の棒の第1番目から第5番目までの距離(mm)
B:形成されたウェーブの連続した5つの山における1つめの山の頂点(b1)と5つめの山の頂点(b2)との間の距離(mm)
C:Bのウェーブをまっすぐに伸ばした時のb1とb2との間の距離(mm)
◎◎:ウェーブ効率80%以上
◎:ウェーブ効率50%以上80%未満
○:ウェーブ効率30%以上50%未満
×:ウェーブ効率30%未満
約20cmの未処理人毛(くせ毛)を約2gずつの束にし、表2〜4に示す配合の第1剤5gを該毛束に均一に塗布し、コーミングして毛束を伸ばし、室温にて15分放置した。その後、毛束を流水で30秒洗った。次いで、毛束を乾燥することなく第2剤5gを均一に塗布し、コーミングして毛束を伸ばし、室温で15分放置した。その後、毛束を流水で30秒洗い、風乾後、試料とした。
◎◎:くせが非常にしっかり伸びている
◎:くせがしっかり伸びている
○:くせが伸びている
×:ほとんどくせが伸びていない
約20cmの未処理人毛を約2gずつの束にし、この毛束を直径15mmのパーマ用ロッドに巻きつけ、表に示す配合の第1剤5gを該毛束に均一に塗布し、室温にて15分放置した。その後、毛束をロッドに巻きつけたまま、流水で30秒洗った。次いで、毛束を乾燥することなく第2剤5gを毛束に均一に塗布し、室温で7分放置後、再度毛束に第2剤5gを塗布し、室温で7分放置した。その後、毛束をロッドに巻きつけたまま流水で30秒洗い、毛束をロッドから取り外し、風乾後、試料とした。
試料の毛髪の手触り(滑らかさ)を施術前の毛髪の手触りと比較した。
◎◎:施術前と変わらず手触りが非常に良い
◎:施術前とあまり変わらず手触りが良い
○:施術前よりは劣るが、手触りが良い
△:手触りが悪い
×:ごわつき、ちりつきがあり、手触りが非常に悪い
試料の毛髪の艶を施術前の毛髪の艶と比較した。
◎◎:施術前と変わらず非常に艶がある
◎:施術前とあまり変わらず艶がある
○:施術前よりは劣るが、艶がある
△:艶があまりない
×:艶がなく、ぱさつき、ちりつきがある
上記ウェーブ形成力の評価のために作成した試料を20%ラウリル硫酸ナトリウム液に浸し、60度の恒温水浴中で1時間放置した(***試験)。これを取り出し、軽く水洗した後、ウェーブ効率を測定した。
ウェーブ保持率=
***試験後のウェーブ効率/***試験前のウェーブ効率×100 (3)
◎◎:ウェーブ保持率90%以上
◎:ウェーブ保持率70%以上90%未満
○:ウェーブ保持率50%以上70%未満
×:ウェーブ保持率50%未満
上記くせの伸びの評価のために作成した試料を30回シャンプーして水洗することにより洗浄し、風乾後のくせの伸びを、施術後一度も洗浄していない試料のくせの伸びと比較した。
◎◎:くせの伸びが洗浄前と変わらない
◎:くせの伸びが洗浄前とあまり変わらない
○:くせが多少戻っている
×:くせがほとんど戻っている
試料のカールまたはウェーブの強さを目視で比較し、以下の基準で判断した。
○:カールまたはウェーブが形成されている
△:若干のカールまたはウェーブしか形成されない
×:ほとんどカールまたはウェーブが形成されない
試料を30回シャンプーして水洗することにより洗浄し、風乾後のカールまたはウェーブの状態を、施術後一度も洗浄していない試料のウェーブの状態と比較した。
○:カールまたはウェーブが洗浄前と変わらない
△:カールまたはウェーブが洗浄前に較べ、かなり落ちている
×:カールまたはウェーブが洗浄前に較べ、ほとんど落ちている
実施例1と同様の基準で評価し、判断した。
そして、太いロッドを用いた場合でも、しっかりとしたウェーブおよびカールを形成し、持続することができる。
Claims (6)
- システアミン濃度が3.5〜15重量%であり、pHが7.0〜9.5である毛髪処理剤であって、
さらにフコイダンを0.0001〜1重量%の範囲で含有することを特徴とする毛髪処理剤(毛髪処理剤全体を100重量%とする)。 - 前記システアミン濃度が5〜12重量%である(毛髪処理剤全体を100重量%とする
)ことを特徴とする請求項1に記載の毛髪処理剤。 - pHが8.5〜9.2であることを特徴とする請求項1または2に記載の毛髪処理剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪処理剤を毛髪に塗布する工程と、
該毛髪処理剤を塗布した毛髪を、20〜60℃で放置する工程と
を含むことを特徴とする毛髪変形処理方法。 - 該毛髪処理剤を毛髪に塗布する前に、
毛髪を直径20〜70mmのロッドで巻く工程を、
さらに含むことを特徴とする請求項4に記載の毛髪変形処理方法。 - 毛髪をウェーブ、カール、またはストレートにデザインするために用いられることを特
徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の毛髪処理剤。
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