JP6052863B2 - 毛髪処理剤組成物 - Google Patents
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Description
具体的には、例えば、ケラチン加水分解ポリペプタイド、L−プロリン、アミノ酸を組み合わせることで、毛髪にハリ・コシを与え、毛髪の感触を改善することができる毛髪化粧料が提案されている(特許文献1参照)。
また、塩化メタクリル酸コリンエステル共重合体、アミノ酸、カチオン化ケラトースを組み合わせることで、毛髪損傷の予防、修繕効果を得ることができる毛髪化粧料が提案されている(特許文献2参照)。
更に、シスチン等の化合物を有効成分とし、毛髪関連遺伝子の発現を促進することで、毛髪のハリ・コシを改善することができる改善剤が提案されている(特許文献3参照)。
しかしながら、上述の特許文献1〜3等の従来の毛髪処理剤を用いた場合には、毛髪のハリ・コシを改善することはできるかもしれないが、毛髪の損傷を修復する効果が得られるものではない。
[1]2剤式の毛髪処理剤組成物であって、
第1剤は、
(A)シスチンと、
(B)アルカリ剤と、を含有しており、
第2剤は、
(C)有機酸を含有しており、
第1剤全体を100質量%とした場合に、前記(A)シスチンの含有割合は0.5〜4質量%であり、
前記第1剤のpHは8.5〜11であり、
前記第2剤のpHは3〜5であり、
前記第1剤を毛髪へ適用した後に、前記第2剤を適用することを特徴とする毛髪処理剤組成物。
前記(C)有機酸が、酒石酸、レブリン酸、乳酸、グリコール酸及び酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である前記[1]に記載の毛髪処理剤組成物。
(D)ミツロウと、
(E)フェニル変性シリコーン及び(F)アミノ変性シリコーンからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含有しており、
第1剤全体を100質量%とした場合に、
前記(D)ミツロウの含有割合は0.01〜5質量%であり、
前記(E)フェニル変性シリコーンの含有割合は0.1〜5質量%であり、
前記(F)アミノ変性シリコーンの含有割合は0.01〜3質量%である前記[1]又は[2]に記載の毛髪処理剤組成物。
また、第1剤において特定のアルカリ剤を用い、且つ、第2剤において特定の有機酸を用いる場合(即ち、上記[2]の構成の毛髪処理剤組成物である場合)には、内部損傷の度合いを更に均一化することができる。
更に、第1剤が、ミツロウと、フェニル変性シリコーン及びアミノ変性シリコーンからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含有しており、且つ、各成分が特定量である場合(即ち、上記[3]の構成の毛髪処理剤組成物である場合)には、内部損傷の度合いを均一化し、毛髪により均一な感触を付与することができる。
また、毛髪処理剤組成物を酸化染毛剤の前処理剤又は後処理剤として使用する場合(即ち、上記[4]の構成の毛髪処理剤組成物である場合)には、内部損傷の度合いを均一化し、毛髪に均一な感触を付与することができると共に、酸化染毛剤による染毛のムラ(かぶり)を抑制し、均染性を得ることができる。
本発明の毛髪処理剤組成物は、2剤式の毛髪処理剤組成物である。そして、この毛髪処理剤組成物は、(A)シスチン及び(B)アルカリ剤を含有する第1剤と、(C)有機酸を含有する第2剤とからなる。
<成分(A)>
上記第1剤は、成分(A)として、シスチンを含有する。
シスチンの配合割合は、第1剤全体を100質量%とした場合に、0.5〜4質量%であり、より好ましくは0.5〜2質量%である。
この配合割合が、0.5質量%未満である場合、内部損傷の度合いを均一化する効果が低いという問題がある。一方、4質量%を超える場合、シスチンを溶解させるアルカリ剤の配合割合が増加し、毛髪が損傷して切れ毛が発生するおそれがある。
上記第1剤は、成分(B)として、アルカリ剤を更に含有する。
このアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アンモニア等が挙げられる。これらのなかでも、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、モノエタノールアミン等が好ましい。
尚、これらのアルカリ剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
この配合割合が、上述の範囲内である場合、毛髪内部を損傷させることなく、シスチンを溶解させて内部損傷の度合いを均一化することができる。
尚、この配合割合が、0.2質量%未満である場合、第1剤中のシスチンを十分に溶解させることができず、内部損傷の度合いを均一化する効果が低くなるおそれがある。一方、8質量%を超える場合、アルカリ剤によって毛髪内部が損傷して切れ毛が発生するおそれがある。
上記第1剤には、成分(D)として、ミツロウが含有されていてもよい。
ミツロウの配合割合は、第1剤全体を100質量%とした場合に、0.01〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5質量%である。
この配合割合が、上述の範囲内である場合、毛先のぱさつきを改善することができる。
尚、この配合割合が、0.01質量%未満である場合、上述の効果が十分に得られないおそれがある。一方、5質量%を超える場合、毛髪の硬さ等において不具合の生じるおそれがある。
上記第1剤には、成分(E)として、フェニル変性シリコーンが含有されていてもよい。
このフェニル変性シリコーンとしては、例えば、ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン、フェニルトリメチコン等が挙げられる。
尚、これらのフェニル変性シリコーンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
この配合割合が、上述の範囲内である場合、損傷度の異なる毛髪へより均一な感触を付与することができる。
尚、この配合割合が、0.1質量%未満である場合、上述の効果が十分に得られないおそれがある。一方、5質量%を超える場合、毛髪のベタつきやきしみ感等において不具合の生じるおそれがある。
上記第1剤には、成分(F)として、アミノ変性シリコーンが含有されていてもよい。
このアミノ変性シリコーンとしては、例えば、アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:アミノプロピルジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:アモジメチコン)、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(INCI名:トリメチルシリルアモジメチコン)、(ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマー等が挙げられる。これらのなかでも、アモジメチコン、アミノプロピルジメチコン、(ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマー等が好ましい。
尚、これらのアミノ変性シリコーンは、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
この配合割合が、上述の範囲内である場合、毛先のぱさつきを改善することができる。
尚、この配合割合が、0.01質量%未満である場合、上述の効果が十分に得られないおそれがある。一方、3質量%を超える場合、毛髪のゴワツキ等において不具合の生じるおそれがある。
第1剤が、上記の構成である場合、異なる内部損傷を有する毛髪に対して用いることで、内部損傷の度合いを均一化し、毛髪により均一な感触を付与することができる。
このpHが8.5未満である場合、シスチンを十分に溶解させることができないという問題がある。一方、pHが11を超える場合、毛髪が損傷して切れ毛が発生するおそれがある。
<成分(C)>
上記第2剤は、成分(C)として、有機酸を含有する。
この有機酸としては、例えば、酒石酸、レブリン酸、乳酸、グリコール酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、アスコルビン酸等が挙げられる。これらのなかでも、酒石酸、レブリン酸、乳酸、グリコール酸、酢酸等が好ましい。
尚、これらの有機酸は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
この配合割合が、上述の範囲内である場合、毛髪を引き締めて第1剤の効果を高めることができる。
尚、この配合割合が、0.5質量%未満である場合、毛髪から第1剤の成分が流出して内部損傷の度合いを均一化する効果が低くなるおそれがある。一方、1.5質量%を超える場合、毛髪が引き締まりすぎてきしみを感じるおそれがある。
このpHが3未満である場合、毛髪が引き締まりすぎてきしみを感じるおそれがある。一方、pHが5を超える場合、毛髪の引き締め効果が弱く、内部損傷の度合いを均一化する効果が低くなるおそれがある。
本発明の毛髪処理剤組成物における第1剤又は第2剤には、上述の各成分以外にも、必要に応じて、他の成分が配合されていてもよい。
上記他の成分としては、例えば、精製水等の水、油性成分、溶剤、界面活性剤、高分子化合物、酸性染料、染毛色材、糖、防腐剤、キレート化剤、安定剤、pH調整剤、植物抽出物、生薬抽出物、ビタミン、香料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、及び無機塩等を挙げることができる。
尚、これらの他の成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、油脂の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.2〜5質量%である。
また、炭化水素の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
また、高級脂肪酸の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
また、アルキルグリセリルエーテルの配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
また、エステルの配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.2〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
また、シリコーンの配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜7質量%である。
有機溶媒としては、例えば、エタノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール、ベンジルオキシエタノール、グリコール、及びグリセリン等が挙げられる。
グリコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、及び1,3−ブチレングリコール等が挙げられる。
グリセリンとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、及びポリグリセリン等が挙げられる。
尚、これらの溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、溶剤の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜7質量%である。
界面活性剤としては、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤が挙げられる。
アルキレン・ポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレン(以下、「POE」ともいう)セチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテル、POEノニルフェニルエーテル、及びPOEオクチルフェニルエーテル等が挙げられる。
また、アルキルグルコシドとしては、例えば、アルキル(C8〜16)グルコシド、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、及びポリオキシエチレンジオレイン酸メチルグルコシド等が挙げられる。
尚、これらのノニオン性界面活性剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、カチオン性界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜7質量%である。
また、アニオン性界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
また、両性界面活性剤の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。
また、ノニオン性高分子の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.01〜3質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%である。
また、アニオン性高分子の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.01〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01〜0.5質量%である。
尚、これらのカチオン性高分子は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、両性高分子の配合割合は特に限定されないが、第1剤全体(又は第2剤全体)を100質量%とした場合に、0.01〜1質量%であることが好ましく、より好ましくは0.1〜1質量%である。
また、pHの調整には、上述の第1剤における(B)アルカリ剤や、第2剤における(C)有機酸を用いることもできる。
本発明の毛髪処理剤組成物の剤型は特に限定されない。具体的には、例えば、第1剤及び第2剤において、それぞれ、水溶液、クリーム状、乳液等の適宜な剤型にして用いることができる。また、エアゾール、ノンエアゾール等とすることもできる。
本発明の毛髪処理剤組成物においては、上述の第1剤を毛髪へ適用した後に、上述の第2剤が適用される。
第2剤を適用する時期は、毛髪に第1剤が十分に浸透した後であれば特に限定されない。具体的には、例えば、第1剤を毛髪に適用してから、30分以内(特に20分以内、更には10分以内)とすることができる。
具体的には、例えば、第2剤の使用量は、第1剤全体を100質量%とした場合に、80〜120質量%(特に90〜110質量%)とすることができる。
この場合、毛髪における内部損傷の度合いを均一化し、毛髪に均一な感触を付与することができると共に、酸化染毛剤による染毛のムラ(かぶり)を抑制し、均染性を得ることができる。
毛束サンプル(同一人毛、毛径;75〜95マイクロメートル)を用いて、「プロマスターEX LT」(ホーユー株式会社製、ブリーチ剤)で30℃、30分処理した後、水洗し、シャンプーを行いドライヤーにて乾かした(ブリーチ処理)。次いで、コスメカールH(株式会社アリミノ製、ヘアカーリングローション)を30℃、15分処理した後、中間水洗をし、コスメカールアフターローション(株式会社アリミノ製、ヘアコンディショナー)を30℃、15分処理した。その後、水洗し、シャンプーを行いドライヤーにて乾かした(パーマ処理)。
このように、上記ブリーチ処理を行い、続いて上記パーマ処理の連続工程を1回処理した毛束(評価用毛髪サンプルA)と、この連続工程を3回処理した毛束(評価用毛髪サンプルB)を作成した。
表1〜表4に示すように、各成分を含む実施例1〜20、比較例1〜12の各毛髪処理剤組成物を常法に従って調製した。
尚、表中における各成分の数値は、第1剤(又は第2剤)全体を100質量%とした場合における含有割合(質量%)である。また、表に示していないが、第1剤(又は第2剤)における残量は、精製水、及びpHの調整に用いたpH調整剤である。
(3−1)破断強度
上述のように準備した各化学処理毛髪サンプル(評価用毛髪サンプルA、B)2gに、実施例1〜10、比較例1〜12の毛髪処理剤組成物における第1剤4gをサンプル全体に均等に塗布し、30℃、3分処理した。その後、実施例1〜10、比較例1〜12の毛髪処理剤組成物における第2剤4gをサンプル全体に均等に塗布し、40℃、5分処理した後、水洗した。そして、タオルドライ後、ドライヤーで乾かし、破断強度について評価を行った。
そして、評価用毛髪サンプルA(ブリーチ処理後、パーマ処理の連続工程を1回処理したサンプル)の破断強度(A1)と、評価用毛髪サンプルB(ブリーチ処理後、パーマ処理の連続工程を3回処理したサンプル)の破断強度(A2)との差(A1−A2)が、18未満のものを評価「5」、18以上23未満のものを評価「4」、23以上28未満のものを評価「3」、28以上33未満のものを評価「2」、33以上のものを評価「1」とした。尚、この測定においては、破断強度の差(A1−A2)が小さいほど好ましい。
上記測定結果及び評価結果を表1及び表4の「評価」の欄における「破断強度」及び「破断強度差」の項に示す。
上述のように準備した化学処理毛髪サンプル(評価用毛髪サンプルB)10gに、実施例11〜16の毛髪処理剤組成物における第1剤20gをサンプル全体に均等に塗布し、30℃、3分処理した。その後、実施例11〜16の毛髪処理剤組成物における第2剤20gをサンプル全体に均等に塗布し、40℃、5分処理した後、水洗した。そして、タオルドライ後、ドライヤーで乾かし、毛髪の手触りについて評価を行った。
この評価項目に関しては、上述のように処理した評価用毛髪サンプルBに対して、20名のパネラーに「良い」、「良いとは言えない」の二者択一で評価させ、20名中、「良い」と回答したパネラーが17〜20名である場合が評価点5、13〜16名である場合が評価点4、9〜12名である場合が評価点3、5〜8名である場合が評価点2、4名以下である場合が評価点1とした。
その評価結果を表2の「評価」の欄における「中間から毛先にかけての均一な手触り」の項に示す。
ここで言う「毛先のぱさつき」とは、毛髪の適度な水分が足らずドライな質感であり、硬さを感じ、広がってしまって髪のまとまりが悪い状態のことである。
この評価項目に関しては、上記(3−2)の「手触り」の評価に用いたものと同様の評価用毛髪サンプルBに対して、20名のパネラーに「良い」、「良いとは言えない」の二者択一で評価させ、20名中、「良い」と回答したパネラーが17〜20名である場合が評価点5、13〜16名である場合が評価点4、9〜12名である場合が評価点3、5〜8名である場合が評価点2、4名以下である場合が評価点1とした。
その評価結果を表2の「評価」の欄における「毛先のぱさつき改善効果」の項に示す。
<後処理剤として使用>
上述のように準備した各化学処理毛髪サンプル(評価用毛髪サンプルA、B)に、「プロマスターEX A−8/7」(ホーユー株式会社製、酸化染毛剤)で30℃、30分処理した。その後、水洗し、シャンプーを行った。
続いて、各化学処理毛髪サンプル(評価用毛髪サンプルA、B)1gに、実施例17〜19、比較例1〜12の毛髪処理剤組成物における第1剤2gをサンプル全体に均等に塗布し、30℃、3分処理した。その後、実施例17〜19、比較例1〜12の毛髪処理剤組成物における第2剤2gをサンプル全体に均等に塗布し、40℃、5分処理した。次いで、水洗し、タオルドライした後、ドライヤーで乾かし、下記の明度測定を行うことにより、毛髪処理剤組成物を酸化染毛剤の後処理剤として使用した場合における均染性を評価した。
上述のように準備した各化学処理毛髪サンプル(評価用毛髪サンプルA、B)1gに、実施例20の毛髪処理剤組成物における第1剤2gをサンプル全体に均等に塗布し、30℃、3分処理した。その後、実施例20の毛髪処理剤組成物における第2剤2gをサンプル全体に均等に塗布し、40℃、5分処理した。次いで、水洗し、タオルドライした後、ドライヤーで乾かした。
続いて、上記手順にて実施例20の毛髪処理剤組成物で処理された各評価用毛髪サンプルに、「プロマスターEX A−8/7」(ホーユー株式会社製、酸化染毛剤)で30℃、30分処理した。その後、水洗し、シャンプーを行い、ドライヤーにて乾かし、下記の明度測定を行うことにより、毛髪処理剤組成物を酸化染毛剤の前処理剤として使用した場合における均染性を評価した。
上述のように毛髪処理剤組成物を酸化染毛剤の前処理剤又は後処理剤として用いた評価用毛髪サンプルA及びBについて、測色計(ミノルタ株式会社製、CM−508D型)を用いて明度の測定を行った。
そして、評価用毛髪サンプルA(ブリーチ処理後、パーマ処理の連続工程を1回処理したサンプル)の明度(L1値)と、評価用毛髪サンプルB(ブリーチ処理後、パーマ処理の連続工程を3回処理したサンプル)の明度(L2値)との差(L1−L2)が、0.6未満のものを評価「5」、0.6以上1.0未満のものを評価「4」、1.0以上1.4未満のものを評価「3」、1.4以上1.8未満のものを評価「2」、1.8以上のものを評価「1」とした。尚、この測定においては、明度の差(L1−L2)が小さいほど、均染性に優れている。
上記測定結果及び評価結果を表3及び表4の「評価」の欄における「明度」及び「均染性」の項に示す。
表1及び表4に示すように、比較例1〜12の毛髪処理剤組成物における「破断強度差」の評価結果は1又は2であった。これに対して、実施例1〜10の毛髪処理剤組成物における「破断強度差」の評価結果は3〜5であり、実施例群は比較例群よりも破断強度差(A1−A2)が小さく、優れた結果であった。
また、表2に示すように、実施例11〜16の毛髪処理剤組成物における「中間から毛先にかけての均一な手触り」の評価結果は3〜5であり、優れた結果であった。
更に、表2に示すように、実施例11〜16の毛髪処理剤組成物における「毛先のぱさつき改善効果」の評価結果は3〜5であり、優れた結果であった。
また、表3及び表4によれば、比較例1〜12の毛髪処理剤組成物における「均染性」の評価結果は1〜3であった。これに対して、実施例17〜20の毛髪処理剤組成物における「均染性」の評価結果は4又は5であり、実施例群は比較例群よりも明度差(L1−L2)が小さく、均染性に優れていた。
以上のことから、本実施例における毛髪処理剤組成物は、異なる内部損傷を有する毛髪に対して使用した際に、毛髪における損傷度合いの大きな部位ほど修復される度合いが大きく、内部損傷の度合いを均一化し、毛髪に均一な感触を付与することができることが確認できた。更には、毛髪処理剤組成物を酸化染毛剤の前処理剤又は後処理剤として使用した際に、内部損傷の度合いを均一化し、毛髪に均一な感触を付与することができると共に、酸化染毛剤による染毛のムラを抑制し、優れた均染性を得ることができることが確認できた。
Claims (4)
- 2剤式の毛髪処理剤組成物であって、
第1剤は、
(A)シスチンと、
(B)アルカリ剤と、を含有しており、
第2剤は、
(C)有機酸を含有しており、
第1剤全体を100質量%とした場合に、前記(A)シスチンの含有割合は0.5〜4質量%であり、
前記第1剤のpHは8.5〜11であり、
前記第2剤のpHは3〜5であり、
前記第1剤を毛髪へ適用した後に、前記第2剤を適用することを特徴とする毛髪処理剤組成物。 - 前記(B)アルカリ剤が、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及びモノエタノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種であり、
前記(C)有機酸が、酒石酸、レブリン酸、乳酸、グリコール酸及び酢酸からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1に記載の毛髪処理剤組成物。 - 前記第1剤が、更に、
(D)ミツロウと、
(E)フェニル変性シリコーン及び(F)アミノ変性シリコーンからなる群より選ばれる少なくとも1種と、を含有しており、
第1剤全体を100質量%とした場合に、
前記(D)ミツロウの含有割合は0.01〜5質量%であり、
前記(E)フェニル変性シリコーンの含有割合は0.1〜5質量%であり、
前記(F)アミノ変性シリコーンの含有割合は0.01〜3質量%である請求項1又は2に記載の毛髪処理剤組成物。 - 酸化染毛剤の前処理剤又は後処理剤として使用される請求項1乃至3のうちのいずれか一項に記載の毛髪処理剤組成物。
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