JP5605265B2 - 半導体製造装置用ヒータユニット - Google Patents

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Description

本発明は、半導体製造装置に使用されるウェハ載置面を備えたヒータユニットに関し、特にヒータユニット自体の温度変化に対してウェハ載置面の平面度を保つように工夫された半導体製造装置用ヒータユニットに関する。
半導体デバイスの製造工程における前工程や検査工程では、被処理物である半導体基板(ウェハ)を所定の温度に加熱しながら種々の処理を施す加熱処理が行われている。例えば前工程では、コータデベロッパーでのフォトリソグラフィーにおける感光性樹脂の加熱硬化、Low−k膜のような低誘電率の絶縁膜の加熱焼成、配線や絶縁層形成におけるCVD膜形成、エッチャー等の工程を加熱処理の例として挙げることができる。
従来、これらの加熱処理におけるウェハの加熱は、発熱体を備えたAl製またはセラミックス製のヒータが用いられてきた。すなわち、ヒータのウェハ載置面上にウエハを載置して加熱制御しながら、上記した感光性樹脂の加熱硬化やLow−k膜の加熱焼成、あるいはCVD膜の形成やエッチングなどの処理が行われてきた。近年はスループット向上の要求がますます高まっており、上記前工程では膜質や膜厚分布を制御することがより一層重要になっている。このため、ウェハの均熱性(すなわち、ウェハ面内での温度分布を均一にすること)を高くするのはもちろんのこと、ウエハ載置面の平面度を例えば10μm以下にすることが必要となっている。
一方、検査工程では、出荷後の不良品の発生を予防するため、不良になる可能性の高い半導体チップを加熱して取り除くバーンインが行われている。具体的には、半導体回路が形成されたウェハを、個々のチップに切り分ける前に通常の使用温度よりも高温に加熱して不良になる可能性の高い半導体チップを加速的に不良化させた後、各チップの電気的な性能を測定して不良品を取り除くことが行われている。
このバーンイン工程でもウェハを保持して加熱するためのヒータが用いられているが、バーンイン工程に使用するヒータは、ウェハの裏面の全面をグランド電極に接触させる必要がある。このため、バーンイン工程に使用するヒータには金属製の平板ヒータが用いられてきた。すなわち、バーンイン工程では金属製の平板ヒータの上に回路が形成されたウェハを載置し、ウェハを高温に加熱すると共に通電用の電極ピン(プローブピン)を多数備えたプローブカードと呼ばれる測定子を数10kgfから数百kgfの力で当該ウェハに押しつけることが行われている。
従って、ヒータが薄いと電極ピンを押しつけた時に変形し、ウェハと電極ピンとの間に接触不良が発生することがあった。この問題を防ぐため、従来はヒータに厚さ15mm以上の厚い金属板を用いて剛性を確保しており、これにより熱容量が大きくなって、ヒータ自体の昇降温に長時間を要していた。このように、スループット向上のためにプロセス時間の短縮が強く求められているにもかかわらず、ヒータの構造がバーンイン工程におけるスループット向上の大きな障害となっていた。
このような状況のもと、特許文献1には高剛性のセラミックス板と、その表面部に設けられた導体層とからなるチャックトップをウェハ載置台として使用する技術が提案されている。また、特許文献2にはスループットを向上させるため、当接位置と離間位置との間で往復動自在な冷却機構をチャックトップの下部に設ける技術が開示されている。また、特許文献3にはウェハ載置面での位置精度や均熱性を向上させるため、ウェハ載置台とこれを支持する部材の熱伝導率やヤング率を調整する技術が開示されている。さらに特許文献4には、均熱性向上のため、ヒータ基板よりも熱伝導率の高い均熱板をヒータ基板の背面に取り付ける構造が提案されている。
特開2001−033484号公報 特開2006−253630号公報 特開2007−149727号公報 特開2008−118080号公報
前述したように、近年はウェハ面内での高い均熱性だけでなくミクロンレベルのより高い平面度が市場から要求されている。例えばバーンイン工程では、300mmウェハの全面に450kgの荷重をかけた時のたわみ量を10μm以下、より好ましくは5μm以下にすることが望まれている。また、前工程では、300mmウェハ内で温度レンジを±0.8℃以下、より好ましくは±0.5℃以下にし、平面度を20μm以下、より好ましくは10μm以下にすることが望まれている。しかしながら、従来のヒータではこれらの要求を満たすことが困難であった。
そこで本発明の発明者は、高剛性を損なわずに高均熱性を達成し、かつ温度変化に対する平面度の変化を小さくできるヒータの構造について鋭意研究を行った。その結果、高剛性のセラミックス製支持板の上下にそれぞれ金属製の載置台および金属製の保持部材を配置し、さらに当該セラミックス製支持板をその下側から複数の支持部材で支持することにより、450kgの全面荷重に対してたわみ量を10μm以下に抑えうることと、室温から200℃までの温度変化に対して平面度変化を20μm以内に、温度レンジを±0.8℃以下に抑えうることとを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の半導体製造装置用ヒータユニットは、ウエハを載置するための載置面を有する金属製の載置台、該載置台を支持するセラミックス製の支持板、該支持板の下面側に設けた金属製の保持部材からなる一体化した構造体と、該支持板下側に当接することで該構造体を支持する複数の支持部材とから構成されることを特徴としている。
本発明によれば、ヒータユニット自体の温度が広範囲に亘って変化しても、ウェハ載置面に載置されたウェハに対して高い均熱性とフラットな平面度を維持することができる上、断熱構造に優れ、かつウェハ載置面に荷重がかかっても高い剛性を示すことができる。
本発明のヒータユニットの一具体例を模式的に示す縦断面図である。 図1のヒータユニットの部材同士の結合方法を模式的に示す縦断面図である。 本発明のヒータユニットが備える載置台のウェハ載置面側に設けられた吸着溝の一具体例を示す平面図である。 本発明のヒータユニットが備える発熱モジュールの一具体例を示す側面図である。 発熱モジュールを備えた本発明のヒータユニットの具体例を模式的に示す縦断面図である。 発熱モジュールおよび箔材を備えた本発明のヒータユニットの一具体例を模式的に示す縦断面図である。 冷却モジュールを備えた本発明のヒータユニットの具体例を模式的に示す縦断面図である。 本発明のヒータユニットが備える複数の支持部材の設置位置の例を示す平面図である。 本発明のヒータユニットに好適に使用される結合部材の設置位置の例を示す平面図である。
以下、本発明の半導体製造装置用ヒータユニットの実施の形態を、図面を参照しながら説明する。図1には、本発明のヒータユニットの一具体例の縦断面図が示されている。このヒータユニットは、ウエハを載置するための載置面1aを有する載置台1と、載置台1を下側から支持する支持板2と、支持板2の下面に沿って設けられた保持部材3と、支持板2を下側から支持する複数の支持部材4とから構成される。
これら載置台1、支持板2および保持部材3は、全て略同径の円板形状を有しており、互いに平行な位置関係にある載置台1および保持部材3によって支持板2を上下から挟み込む構造になっている。載置台1の上面側はウェハ載置面1aになっており、ここに載置されたウェハが、後述する発熱モジュールによって加熱される。ウェハ載置面1aには、載置されたウェハを吸着するための吸着孔や吸着溝を設けてもよい。
ウェハ面内の均熱性を向上させるため、ヒータユニットの載置台1は高い熱伝導率を有しているのが望ましく、さらにヒータユニットを例えばウエハプローバのような検査装置に使用する場合は、ヒータユニット全体の剛性も要求される。かかる要件を満たすため、本発明のヒータユニットは、載置台1を金属で形成し、載置台1よりもヤング率の高いセラミックスからなる支持板2で載置台1を支持している。さらに、このセラミックス製の支持板2よりも熱伝導率の高い金属からなる保持部材3を、支持板2の下側に設けている。これによりウェハ面内の均熱性をさらに向上させることができる。
載置台1および保持部材3の材質は金属であれば特にその種類を問わないが、100W/mK以上の熱伝導率を持つ金属であることがより好ましい。例えばヒータユニットを、優れた昇温特性が必要とされる半導体製造装置のコータデベロッパに使用する場合は、載置台1および保持部材3の材質に、熱容量が比較的小さく、かつ軽量で安価なアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用することが好ましい。
一方、ヒータユニットを、ウエハ載置面1aに荷重がかかってもたわまないことが必要とされるバーンイン工程用の検査装置に使用する場合は、載置台1および保持部材3の材質に高いヤング率と高い熱伝導率とを兼ね備えた銅または銅合金を使用するのが好ましい。このように、載置台1および保持部材3を銅または銅合金製にすることによって、室温から200℃までの温度変化に対して、平面度変化を20μm以内に、温度レンジを±0.5℃以下に抑えることができる。
特に、200℃以上の使用温度における剛性を重視する場合は、軟化温度が200℃程度の無酸素銅ではなく、使用温度よりも高い軟化温度を有しうる銅合金が好ましい。そのような銅合金の例としては、C1220(リン脱酸銅、軟化温度320℃)、C14410(CuSn合金、軟化温度350℃)、C10400(CuAg合金、軟化温度350℃)、C1862(CuCo系合金、軟化温度500℃)、C18200(CuCr合金、軟化温度450℃)、C18150(CuCrZr合金、軟化温度450℃)、(BeCu合金、軟化温度500℃)などを挙げることができる。
支持板2の材質は、セラミックスであれば特に制約はないが、高い剛性を備えるためにはヤング率が高ければ高いほど好ましい。具体的には、炭化ケイ素やアルミナ、窒化アルミニウム、窒化ケイ素などが好ましい。あるいは、炭化ケイ素や窒化アルミニウムなどのセラミックと、アルミニウムやシリコンとの複合体であってもよい。これらの中では、ヤング率が高く、加工性に優れ、比較的安価なアルミナが最も好ましい。
これら載置台1、支持板2および保持部材3は互いに結合されているのが好ましい。結合方法には特に制約がなく、例えばネジ等の結合部材による機械的結合、接着剤等による接着、真空吸引による真空吸着などの方法がある。図2(a)には機械的結合の一例として、載置台1と支持板2とが複数の結合部材5で結合され、支持板2と保持部材3とが複数の結合部材6で結合された構造が模式的に示されている。
また、図2(b)には、支持板2と保持部材3とが複数の結合部材6で結合され、載置台1と支持板2とが真空吸着で結合された構造が模式的に示されている。載置台1と支持板2とを真空吸着させる方法としては、例えば載置台1におけるウエハ載置面1aと反対の面、つまり載置台1において支持板2に対向する側の面に、図3に示すような同心円状の複数の吸着溝1b(図3には4つの円形の溝と、これらに流通する直線状の溝が例示されている)を形成し、この吸着溝1b内の空気を吸引することによって載置台1と支持板2とを密着させることができる。
上記した2種類の結合方法は、載置台1、支持板2および保持部材3のそれぞれの大きさや厚み、熱膨張率とヤング率の組み合わせによっては、温度変化が生じた時に、載置台1と支持板2との熱膨張差や、保持部材3と支持板2との熱膨張差でウエハ載置面1aに反りが発生することがある。
これが問題になる場合は、部材同士に熱膨張差が生じても反らないような対策を講じる必要がある。その方法としては、例えば図2(c)に示すように、支持板2にその厚み方向に貫通する複数の貫通孔2aを設け、貫通孔2aの内径より小さな外径を有する結合部材7を各貫通孔2aに挿通し、これら複数の結合部材7で支持板2を上下から挟み込むようにして載置台1と保持部材3とを結合する方法を挙げることができる。この結合方法により、室温から200℃までの温度変化に対してウエハ載置面1aでの平面度変化を5μm以内に抑えることができる。
上記結合部材5、結合部材6および結合部材7には、特に限定するものではないが、一般的なネジを用いることができる。ネジを用いて結合する場合は、例えば載置台1に有底のネジ穴をウェハ載置面1aとは反対側の面に設け、支持板2および保持部材3には、載置台1に設けた該ネジ穴に対応する位置に貫通孔を設ける。そして、この貫通孔に結合部材5、6または7としてのネジを挿入してネジ締めすることによって、載置台1、支持板2および保持材3を結合させることができる。
上記結合部材5、結合部材6および結合部材7の材質は特に制約がなく、銅、コバール、ステンレス、チタン、タングステン等の金属を使用することができる。特に結合部材7の場合は、その熱膨張量が支持板2および後述する発熱モジュール8の熱膨張量とほぼ一致していることが好ましい。これにより、温度変化が生じた時に載置台1や保持部材3に結合部材7から過大な軸力がかかることを避けることができ、ウエハ載置面1aの凹みや膨らみを抑えることができる。
特に、温度変化が生じてもウエハ載置面1aの平面度をフラットなまま維持するには、支持板2の温度による反りを抑えることが必要であり、このため、支持板2の下面に設ける保持部材3は、載置台1と略同材質、略同径、および略同厚みであることが好ましい。このような条件の保持部材3を使用することによって、載置台1と保持部材3の間の熱膨張差をほとんどなくすことができる。よって、支持板2を挟んで載置台1と保持部材3とを互いに機械的に結合しても温度変化の際に反りが発生しにくくなり、ウエハ載置面1aの平面度を常にフラットにしておくことが可能になる。
複数の支持部材4は、支持板2の下面に当接して設けられており、結果的に、結合により一体化している載置台1、支持板2および保持部材3を下側から支持することになる。支持部材4の形状には特に制約がなく、円柱であってもよいし多角柱でもよく、これらは中実でも中空(すなわち筒状)でもよい。支持部材4の数には特に制約はないが、支持板2の中心点に関して回転対称となるように配置されているのが好ましい。なお、支持板2の下側に設けられる保持部材3は、同様に支持板2の下側に設けられている支持部材4に接触しないように、支持部材4に対応する位置に貫通孔3aが設けられている。
支持部材4の材料には金属やセラミックスを使用することができる。この中では、優れた断熱性と高い剛性を有するものがより好ましい。例えば金属の場合は、熱伝導率が低く且つヤング率の高い材料であるステンレスやコバールなどが好ましく、セラミックスの場合はアルミナやムライトアルミナ、窒化ケイ素などが好ましい。このように、断熱性に優れた材料で支持部材4を形成することによって、ヒータユニットを断熱構造に優れたものにすることができる。
本発明の実施形態のヒータユニットは、さらに載置したウェハを加熱するための発熱モジュールを有している。この発熱モジュールは、図4に示すような、例えば金属箔からなる抵抗発熱体8aをマイカなどの絶縁体8bで挟み込んだ構造が簡便であるので好ましい。抵抗発熱体8aの材料には、例えばニッケル、ステンレス、銀、タングステン、モリブデン、クロムなどの金属やそれらの合金を使用することができる。
これら金属材料の中では、ステンレスまたはニクロムが特に好ましい。ステンレスあるいはニクロムは、発熱体の形状に加工する時、エッチングなどの手法により、抵抗発熱体回路パターンを比較的に精度良く形成することができるからである。また、安価な上、耐酸化性を有するので使用温度が高温であっても長期間の使用に耐えることができるからである。
抵抗発熱体8aを挟み込む絶縁体8bは、耐熱性を有する絶縁体であれば特に制約はない。例えば上記したマイカのほか、ポリイミド、シリコン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。また、絶縁性の樹脂で抵抗発熱体8aを挟み込む場合、抵抗発熱体8aで発生した熱をよりスムースに支持板2に伝えるために、樹脂中にフィラーを分散させてもよい。このような熱伝導を高める役割を担うフィラーには、樹脂との反応性が無ければ種々のものを使用してよい。例えば、窒化硼素、窒化アルミニウム、アルミナ、シリカなどの物質を使用することができる。
図5(a)〜(c)に、発熱モジュール8の設置例が示されている。これらの図には示されていないが、ヒータユニットはさらに1または複数の熱電対などの温度センサを有しており、この温度センサと発熱モジュール8とによって構成される制御系によって、ウェハ載置面1aの温度を所定の温度に制御することが可能となる。
ウェハ載置面1aにウエハが載置された時に、上記制御系が優れた応答性を示すことを望む場合は、図5(a)に示すように、載置台1と支持板2の間に発熱モジュール8を挟持する構造が好ましい。ただし、発熱モジュール8を載置台1と支持板2との対向面の間に単に挟み込むだけでは、剛性が損なわれるおそれがある。なぜなら、発熱モジュール8は前述したように比較的軟らかい材料で形成されているので、ウェハ載置面1aに荷重がかかった時、発熱モジュール8が圧迫されて変形する可能性が高いからである。
これを防ぐため、発熱モジュール8を載置台1と支持板2との間に設置する場合は、支持板2の上面に発熱モジュール8を嵌め込むことが可能な凹部を形成し、この凹部の中に発熱モジュールを納めるのが好ましい。あるいは、発熱モジュール8を支持板2の内部に埋設してもよい。
一方、上記した制御系の応答性よりも剛性をより重視する場合は、図5(b)に示すように、支持板2と保持部材3との間に発熱モジュール8を設ける構造が好ましい。この構造の場合は、発熱モジュール8が変形しても載置台1の剛性にはほとんど影響を及ぼさない。
また、昇温中に反りが生じにくい構造であることをより重視する場合は、図5(c)に示すように、2つの発熱モジュール8をそれぞれ支持板2の上面と下面に沿って配置するのが特に望ましい。このように2つの発熱モジュール8を設けることにより、昇温中の支持板2の上下の温度差をほとんど無くすことができるので、支持板2自体の反りを無くすことができる。
前述した図2(c)の構造は、載置台1と支持板2との対向面同士、および支持板2と保持部材3との対向面同士は摺動可能になっている。これら対向面同士のすべりをより一層よくするため、載置台1と支持板2との間、および/または支持板2と保持部材3との間に、ポリイミドフィルムやステンレスなどからなる箔材を介在させても良い。その際、載置台1における剛性を重視する場合には、支持板2と保持部材3との間のみに箔材を介在させるのが望ましい。
図6には、図5(c)のヒータユニットに箔材を設けた場合の一具体例が示されている。この図6に示すように、箔材にステンレスを使用する場合は、箔材9を支持板2−箔材9−発熱モジュール8−保持部材3の順に設置するのが好ましい。これにより、発熱モジュール8の抵抗発熱体8aから発生する電磁波などを箔材9でシールドすることができる。すなわち、箔材9にすべりを良くする役割とシールド層としての役割とを兼用させることができる。
以上説明したように、本発明のヒータユニットは、高い熱伝導率と高い剛性とを備えているため、変形や反りの心配がなく、被処理物の面内の均熱性に優れている。さらに、ヒータユニット自体に温度変化が生じても、載置面での平面度変化が少ない。よって、ウェハ等の被処理物を加熱処理する半導体製造装置に好適に用いることができる。
例えば、上記ヒータユニットをウェハプローバ、ハンドラ装置またはテスター装置などの検査装置やフォトリソグラフィーにおける感光性樹脂の加熱硬化を行うコータデベロッパー装置に適用すれば、ヒータユニットが有する高剛性および高熱伝導率という特性を特に有効に活かすことができ、成膜時の膜厚のばらつきや検査工程での接触不良などの問題を防ぐことができる。
本発明のヒータユニットをコータデベロッパー装置に使用する場合は、冷却機構が必要になる場合がある。その場合は、図7(a)に示すように、保持部材3の下面に当接するように冷却モジュール13を設置すればよい。あるいは、図7(b)に示すように、昇降式の冷却モジュール14を保持部材3の下部に設け、冷却時のみ冷却モジュール14を保持部材3の下面に当接すればよい。冷却モジュール14を昇降させる機構には、例えばエアシリンダーなどの昇降手段を使用することができる。このように冷却モジュール13、14を用いることで、ヒータユニットの冷却速度を大幅に向上させ、スループットを向上させることができる。
冷却モジュール13、14の材質としては、特に制約はないが、アルミニウムや銅、あるいはそれらの合金が、熱伝導率が比較的高いため特に好ましく用いられる。また、ステンレス、マグネシウム合金、ニッケルなどの金属材料を使用してもよい。さらに、冷却モジュール13、14に耐酸化性を付与するため、耐酸化性を有するニッケル、金、または銀などからなる金属膜をメッキや溶射などの手法を用いて冷却モジュール13、14の表面に形成してもよい。これらの中では、アルミニウムにニッケルメッキを施したものや、銅にニッケルメッキを施したものが耐酸化性に優れ、熱伝導率が高く、また比較的安価であるため特に好ましい。
また、冷却モジュール13、14の材質としてセラミックスを使用することもできる。この場合のセラミックスとしては、特に制約はないが、窒化アルミニウムや炭化ケイ素にすれば、熱伝導率が比較的高く、素早く熱を奪うことができるので好ましい。あるいは、機械的強度が高く、耐久性に優れた材料である窒化ケイ素や酸窒化アルミニウムでもよいし、比較的安価なアルミナ、コージェライト、ステアタイトなどの酸化物セラミックスでもよい。このように、冷却モジュールの材質は、用途に応じて適宜選択することができる。
上記冷却モジュール13、14の内部には、冷媒を流すことも可能である。冷媒を流すことによって、ヒータユニットから冷却モジュールに伝達された熱を素早く取り除くことができるため、ヒータユニットの冷却速度をより一層向上させることができる。冷却モジュール内に流す冷媒としては、水のほか、フロリナートなどの液体、窒素や大気などの気体などが選択でき、特に制約はないが、比熱の大きさ、価格などを考慮すると水が最も好ましい。
なお、冷媒用の流路を備えた冷却モジュール13をヒータユニットに固定する場合は、該流路に冷却時に流す冷媒を、昇温の際には流さないのが好ましい。これにより、発熱モジュール8で発生した熱が冷媒を介して系外に無駄に排出されることがなくなり、より効率よく昇温させることができる。
冷媒用の流路を備えた冷却モジュールは、例えば2枚のアルミニウム板の内の一方に冷媒を流す流路を機械加工等によって形成した後、他方のアルミニウム板に張り合わせることによって好適に作製することができる。その際、耐食性および耐酸化性を向上させるために、アルミニウム板の全面にニッケルメッキを施すことが好ましい。また、水などの冷媒が漏れないように、2枚のアルミニウム板を張り合わせる際は、例えばO−リング等を流路の周囲に設けた凹部に挿入したうえで、ネジ止めや溶接によって固定するのが好ましい。
あるいは、別の好適な製造方法としては、2枚の銅(無酸素銅)板を用意し、その片方の銅板に流路を機械加工等によって形成した後、この銅板と他方の銅板を、冷媒の出入口として使用するステンレス製のパイプと共に、同時にロウ付け接合する方法を挙げることができる。この方法で作製した冷却モジュールにも、耐食性および耐酸化性を向上させるため、ニッケルメッキを全面に施すことが好ましい。
さらに別の好適な製造方法としては、アルミニウム板もしくは銅板等の金属板の片面に冷媒を流すパイプを取り付けることで冷却モジュールとすることもできる。この場合、パイプの取付位置に当該パイプの断面形状に近い形状のザグリ溝を形成し、この溝内にパイプを嵌めこんで密着させることで冷却効率を上げることができる。また、冷却パイプと金属板の密着性を向上させるため、両者の間に高い熱伝導率を有する樹脂やセラミックス等を介在させてもよい。
以上、本発明の半導体製造装置用ヒータユニットを、具体例に基づいて説明したが、本発明はかかる具体例に限定されるものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲内で種々の代替例や変形例を考えることができる。すなわち、本発明の技術的範囲は、特許請求の範囲およびその均等物に及ぶものである。
[実施例1]
図2(a)に示す構造で部材同士を結合したヒータユニットを作製し、これを半導体検査工程のウエハプローバ用のウエハ保持体として使用して性能を評価した。具体的に説明すると、先ず、載置台1として直径310mm、厚み5.0mmのモリブデン板(熱膨張率5.1×10−6/K、熱伝導率140W/mK、ヤング率330GPa)と、保持部材3として直径310mm、厚み5.0mmのチタン板(熱膨張率8.9×10−6/K、熱伝導率17W/mK、ヤング率106GPa)とを用意した。
ウエハ載置面1aとなるモリブデン板の上面側に、ウェハを真空チャックするための同心円状の溝を形成し、ニッケルメッキを施した。また、モリブデン板の下面側には、結合のため12箇所に有底のネジ穴を加工した。さらにモリブデン板の上下面を研磨加工し、平面度および平行度を5μmとし、表面粗さをRaで0.02μmに仕上げた。一方、保持部材3となるチタン板には、結合のため上記したモリブデン板のネジ穴に対応する位置に貫通孔を加工し、平面度および平行度を20μmに加工した後、ニッケルメッキを施した。
次に、セラミックス製の支持板2として純度99.5%、直径310mm、厚み10mmのアルミナ基板(熱膨張率7.2×10−6/K、熱伝導率21W/mK、ヤング率390GPa)を用意した。このアルミナ基板には上記したモリブデン板のネジ穴に対応する位置に貫通孔を加工した。また、アルミナ基板の上下面の平面度および平行度を5μmとなるように加工した。さらに、支持部材4として外径14mm、内径6mm、高さ14mmの円筒状のムライト−アルミナ複合体(熱膨張率5.0×10−6/K、熱伝導率8W/mK、ヤング率210GPa)を13個準備した。
発熱モジュール8は、ステンレス箔をエッチング加工することによって所定のパターンを有する抵抗発熱体8aを形成し、これをマイカシートで圧着して挟み込むことによって作製した。この抵抗発熱体8aには給電のための配線を接続した。結合部材5および6には、それぞれ12本のステンレスネジを使用し、アルミナ基板を上下から挟み込みながらステンレスネジでモリブデン板およびチタン板をそれぞれアルミナ基板に結合した。なお、発熱モジュール8は、支持板2と保持部材3の間に挟みこんだ。
このようにして得た載置台1、支持板2および保持部材3の結合体に対して、支持板2の下面に前述した13個の支持部材4を取り付けた。これら13個の支持部材4は、図8(a)に示すように、支持板2の下面の中央部に1個配置し、残りの12個は支持板2の下面のP.C.D.250の周上に等間隔に配置した。なお、保持部材3において、これら13個の支持部材4が配置される位置に対応する部分には予め支持部材4の外径より僅かに大きな内径の貫通孔を穿孔しておいた。このようにして、試料aのヒータユニットを作製した。
また、載置台1、支持板2および保持部材3を図2(b)のようにして結合した以外は上記試料aと同様にして試料bのヒータユニットを作製した。すなわち、載置台1としてのモリブデン板のウエハ載置面1aとは反対の面に、図3に示すような4つの同心円状の吸着溝bとこれらに流通する半径方向に延在する直線状の溝とを形成し、この直線状の溝の開口部から空気を吸引することによって、載置台1と支持板2とを真空吸着させた。
さらに、載置台1、支持板2および保持部材3を図2(c)のようにして結合した以外は上記試料aと同様にして試料cのヒータユニットを作製した。すなわち、支持板2としてのアルミナ基板に対して、その厚み方向に図9に示すような15個の貫通孔2aを設けると共に、載置台1および保持部材3において当該貫通孔2aに対応する位置にそれぞれ有底ネジ穴および貫通孔を15個ずつ加工した。そして、結合部材7としての15本のステンレスねじを保持部材3の貫通孔から挿入してネジ締めし、載置台1と保持部材3とを結合した。
このようにして得た試料a〜cのヒータユニットに対して、それぞれウェハ載置面1aに外径300mmのウェハを載置してから発熱モジュール8に給電配線を介して通電を行い、ウェハを200℃に加熱した。そして、ウェハが200℃で安定した時のウェハ面内の温度レンジ、ウエハの全面に450kgの荷重を印加した時のたわみ量、および200℃までの温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化量を測定した。その測定結果を下記表1に示す。
[表1]
Figure 0005605265
上記表1の結果から分かるように、試料a〜cのヒータユニットは、いずれも温度レンジ、たわみ量、および平面度変化量の全ての点において良好な結果が得られた。
[実施例2]
載置台1の材料をモリブデンに代えて銅にした以外は上記実施例1の試料a〜cと同様にしてそれぞれ試料1a〜1cのヒータユニットを、載置台1の材料をモリブデンに代えてアルミニウムにした以外は上記実施例1の試料a〜cと同様にしてそれぞれ試料2a〜2cのヒータユニットを作製した。また、保持部材3の材料をチタンに代えて銅にした以外は上記実施例1の試料a〜cと同様にしてそれぞれ試料3a〜3cのヒータユニットを、保持部材3の材料をチタンに代えてアルミニウムにした以外は上記実施例1の試料a〜cと同様にしてそれぞれ試料4a〜4cのヒータユニットを作製した。さらに、載置台1の材料を銅にし、保持部材3の材料をステンレスにした以外は上記実施例1の試料a〜cと同様にして試料5a〜5cのヒータユニットを作製した。
これらの試料の内、試料1a〜1cおよび試料5a〜5cの載置台1、ならびに試料3a〜3cの保持部材3は銅で形成したのでニッケルメッキを施した。このようにして得た各試料のヒータユニットに対して、実施例1と同様にして温度レンジ、たわみ量、および温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表2に示す。
[表2]
Figure 0005605265
上記表2の結果から分かるように、載置台1を銅またはアルミニウムにすることによって、実施例1の対応する試料に比べて平面度変化がやや大きくなったが、試料5a〜5bの結果から分かるように、載置台1を銅にすると共に保持部材3をステンレスにすることによって平面度変化が著しく小さくなった。
[実施例3]
熱伝導率の違いによる均熱性への影響を確認するため、載置台1および保持部材3の材料を両方とも銅(熱伝導率400W/mK)で形成した以外は上記実施例1の試料cと同様にして試料6のヒータユニットを作製した。同様にして、両方ともCuCo合金(同300W/mK)の試料7、両方ともBeCu10(同216W/mK)の試料8、両方ともアルミニウム(同140W/mK)の試料9、両方ともBeCu25(同110W/mK)の試料10、両方とも高力黄銅(同99W/mK)の試料11、および両方ともアルミニウム合金(同95W/mK)の試料12のヒータユニットをそれぞれ作製した。
なお、銅または銅合金を用いた材質にはニッケルメッキを施した。得られた試料6〜12のヒータユニットに対して、実施例1と同様にして温度レンジ、たわみ量、および温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表3に示す。
[表3]
Figure 0005605265
上記表3の結果から分かるように、いずれの試料のヒータユニットも450kg荷重に対するたわみ量は、実施例1の試料cとほぼ同程度の良好な結果が得られた。温度レンジは、熱伝導率が低くなる順である試料6〜12の順に徐々に大きくなり、特に、部材の熱伝導率が100W/mK未満の試料11および12では温度レンジが±0.8を超えており、試料cに比べて均熱性が悪くなることが分かった。平面度変化量は、いずれのヒータユニットも6μm以下となり、実施例1の試料cに比べて極めて良好な結果が得られた。
[実施例4]
載置台1と保持部材3の厚みの違いによる平面度への影響を確認するため、保持部材3の厚みを5.0mmに代えて4.0mmにした以外は上記実施例3の試料6と同様にして試料13のヒータユニットを作製した。同様にして、保持部材3の厚みを4.5mmにした試料14、保持部材3の厚みを5.5mmにした試料15、保持部材3の厚みを6.0mmにした試料16、保持部材3の厚みを7.0mmにした試料17、および保持部材3の厚みを10.0mmにした試料18のヒータユニットをそれぞれ作製した。
また、保持部材3の厚みを5.0mmに代えて4.0mmにした以外は上記実施例3の試料9と同様にして試料19のヒータユニットを作製した。同様にして、保持部材3の厚みを4.5mmにした試料20、保持部材3の厚みを5.5mmにした試料21、保持部材3の厚みを6.0mmにした試料22、保持部材3の厚みを7.0mmにした試料23、および保持部材3の厚みを10.0mmにした試料24のヒータユニットをそれぞれ作製した。
得られた試料13〜24のヒータユニットに対して、それぞれ実施例1と同様にして温度レンジ、たわみ量、および温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表4に示す。
[表4]
Figure 0005605265
上記表4の結果を上記表3の試料6または9の結果と比較して分かるように、保持部材3の厚みが載置台1の厚みの90%から110%の範囲内であれば、平面度変化量を5〜6μm以下にすることができ、実施例3と同程度の良好な結果が得られることが分かった。
[実施例5]
支持部材2の材料の違いによる影響を調べるため、支持部材2の材料をアルミナに代えて炭化ケイ素(熱伝導率200W/mK、ヤング率280GPa)またはムライトアルミナで形成した以外は上記実施例3の試料6と同様にして試料25および試料26のヒータユニットをそれぞれ作製した。同様にして、支持部材2の材料を炭化ケイ素またはムライトアルミナで形成した以外は上記実施例3の試料9と同様にして試料27および試料28のヒータユニットをそれぞれ作製した。
得られた試料25〜28のヒータユニットに対して、実施例1と同様にして温度レンジ、たわみ量、および温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表5に示す。
[表5]
Figure 0005605265
上記表5の結果を上記表3の試料6または9の結果と比較して分かるように、支持部材2のヤング率が210GPa以下になれば450kgの全面荷重に対するたわみ量が10μmを超えてしまうことが分かった。
[実施例6]
載置台1と保持部材3の外径の違いによる均熱性および平面度への影響を確認するため、保持部材3の外径を310mmに代えて330mmとした以外は上記実施例3の試料6と同様にして試料29のヒータユニットを作製した。同様にして、保持部材3の外径を325mmにした試料30、保持部材3の外径を295mmにした試料31、および保持部材3の外径を290mmにした試料32のヒータユニットをそれぞれ作製した。
また、保持部材3の外径を330mmとした以外は上記実施例3の試料9と同様にして試料33のヒータユニットを作製した。同様にして、保持部材3の外径を325mmにした試料34、保持部材3の外径を295mmにした試料35、および保持部材3の外径を290mmにした試料36のヒータユニットをそれぞれ作製した。
得られた試料29〜36のヒータユニットに対して、実施例1と同様にして温度レンジ、たわみ量、および温度変化に対するウェハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表6に示す。
[表6]
Figure 0005605265
上記表6の結果を上記表3の試料6または9の結果と比較して分かるように、保持部材3の外径が載置台1の外径の95%以上105%以内であれば、温度レンジおよび平面度変化量に関して実施例3の場合と同程度の良好な結果が得られることが分かった。
[実施例7]
図2(a)に示す構造で部材同士を結合したヒータユニットを作製し、これに図7(b)に示すような昇降式の冷却モジュール14を取り付け、フォトリソグラフィー工程で使用されるコータデベロッパ用ウエハ保持体として使用して性能を評価した。
載置台1、支持板2および保持部材3は、全て直径320mm、厚み3.0mmにした以外は実施例1と同様にした。一方、支持部材4には、外径12mm、内径6mm、高さ20mmの円筒状のムライト−アルミナ複合体を3個準備した。これら載置台1、支持板2、保持部材3、および実施例1と同様にして作製した発熱モジュール8を、実施例1の試料aと同様にして結合した。支持板2の下面には、前述した3個の支持部材4を、図8(b)に示すように、支持部材2の下面のP.C.D.250の周上に等間隔に配置した。
冷却モジュール14は、直径320mm、厚み5mmの2枚の銅製の円板を用い、このうちの一方に流路を形成してもう一方にロウ付けにより張り合わせた後、ニッケルメッキして作製した。冷却モジュール14の昇降にはエアシリンダーを使用した。このエアシリンダーを調整して、昇温時は冷却モジュール14がヒータユニットから離間し、冷却時は冷却モジュール14がヒータユニットの保持部材3に接触するようにした。このようにして試料dのヒータユニットを作製した。
また、載置台1、支持板2および保持部材3を図2(b)のようにして結合した以外は上記試料dと同様にして試料eのヒータユニットを作製した。載置台1と支持板2との具体的な真空吸着方法は実施例1の試料bと同様にした。
さらに、載置台1、支持板2および保持部材3を図2(c)のようにして結合した以外は上記試料dと同様にして試料fのヒータユニットを作製した。具体的な結合方法は、実施例1の試料cと同様にした。
このようにして得た試料d〜fのヒータユニットに対して、それぞれウェハ載置面1aに外径300mmのウェハを載置してから発熱モジュール8に通電を行い、ウェハを200℃に加熱した。その際、ウェハが室温から200℃までに達するまでの時間(以下、昇温時間と称する)と、ウェハ内の温度レンジおよびこの温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化量を測定した。その測定結果を下記表7に示す。
[表7]
Figure 0005605265
上記表7の結果から分かるように、試料d〜fのヒータユニットはいずれも良好な結果が得られた。特に、試料fの昇温時間が試料dおよびeに比べて短いことから分かるように、載置台1と保持部材3を直接結合する方法が、他の結合方法に比べてより昇温速度を速くできることが分かった。
[実施例8]
載置台1の材料をモリブデンに代えて銅にした以外は上記実施例7の試料d〜fと同様にしてそれぞれ試料37d〜37fのヒータユニットを、載置台1の材料をモリブデンに代えてアルミニウムにした以外は上記実施例7の試料d〜fと同様にしてそれぞれ試料38d〜38fのヒータユニットを作製した。同様に、保持部材3の材料をチタンに代えて銅にした以外は上記実施例7の試料d〜fと同様にしてそれぞれ試料39d〜39fのヒータユニットを、保持部材3の材料をチタンに代えてアルミニウムにした以外は上記実施例7の試料d〜fと同様にして試料それぞれ40d〜40fのヒータユニットを作製した。
さらに、載置台1の材料を銅にし、保持部材3の材料をステンレスにした以外は上記実施例7の試料d〜fと同様にしてそれぞれ試料41d〜41fのヒータユニットを作製した。また、載置台1の材料をモリブデンに代えてアルミニウム合金にした以外は上記実施例7の試料fと同様にして試料42fのヒータユニットを、保持部材3の材料をチタンに代えてアルミニウム合金にした以外は上記実施例7の試料fと同様にして試料43fのヒータユニットを作製した。
なお、銅で形成した載置台1または保持部材3にはニッケルメッキを施した。得られたヒータユニットの試料に対して、実施例7と同様にして昇温時間、温度レンジ、および温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表8に示す。
[表8]
Figure 0005605265
上記表8の結果から分かるように、熱容量の小さいアルミニウムを使用した試料38d〜38f、試料40d〜40f、試料42f、および試料43fのヒータユニットは、対応する実施例7の試料に対して、昇温時間が約2割程度短くなった。この結果から、昇温速度を重視する場合は、載置台1または保持部材3の材質にアルミニウムまたはアルミニウム合金を使用することが好適であることが分かった。
[実施例9]
熱伝導率の違いによる均熱性への影響を確認するため、載置台1および保持部材3の材料を両方とも銅で形成した以外は上記実施例7の試料fと同様にして試料44のヒータユニットを作製した。同様にして、両方ともCuCo合金の試料45、両方ともBeCu10の試料46、両方ともアルミニウムの試料47、両方ともBeCu25の試料48、両方とも高力黄銅の試料49、および両方ともアルミニウム合金の試料50のヒータユニットをそれぞれ作製した。
なお、銅または銅合金を用いた材質にはニッケルメッキを施した。得られたヒータユニットの試料に対して、実施例7と同様にして昇温時間、温度レンジ、および温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表9に示す。
[表9]
Figure 0005605265
上記表9の結果から分かるように、温度レンジは、熱伝導率が低くなる順である試料44〜50の順に徐々に大きくなり、特に、部材の熱伝導率が100W/mK未満の試料49および50は実施例7の試料fに比べて温度レンジが大きく、すなわち、均熱性が悪くなることが分かった。
[実施例10]
載置台と保持部材の厚みの違いによる平面度への影響を確認するため、保持部材3の厚みを3.0mmに代えて2.5mmにした以外は上記実施例9の試料44と同様にして試料51のヒータユニットを作製した。同様にして、保持部材3の厚みを2.7mmにした試料52、保持部材3の厚みを3.3mmにした試料53、保持部材3の厚みを3.5mmにした試料54、保持部材3の厚みを4.0mmにした試料55、および保持部材3の厚みを5.0mmにした試料56のヒータユニットをそれぞれ作製した。
また、保持部材3の厚みを3.0mmに代えて2.5mmにした以外は上記実施例9の試料47と同様にして試料57のヒータユニットを作製した。同様にして、保持部材3の厚みを2.7mmにした試料58、保持部材3の厚みを3.3mmにした試料59、保持部材3の厚みを3.5mmにした試料60、保持部材3の厚みを4.0mmにした試料61、および保持部材3の厚みを5.0mmにした試料62のヒータユニットをそれぞれ作製した。
得られたヒータユニットの各試料に対して、実施例7と同様にして昇温時間、温度レンジ、および温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表10に示す。
[表10]
Figure 0005605265
上記表10の結果を上記表9の試料44または47の結果と比較して分かるように、保持部材3の厚みが載置台1の厚みの90%から110%の範囲内であれば、平面度変化量を6〜8μm以下にすることができ、実施例9と同程度の良好な結果が得られることが分かった。
[実施例11]
支持部材2の材料による違いを見るため、支持部材2の材料をアルミナに代えて炭化ケイ素で形成した以外は上記実施例9の試料44〜50と同様にして試料63〜69のヒータユニットをそれぞれ作製した。同様にして、支持部材2の材料をアルミナに代えて窒化アルミニウム(熱伝導率125W/mK、ヤング率340GPa)で形成した以外は上記実施例9の試料44〜50と同様にして試料70〜76のヒータユニットをそれぞれ作製した。
得られたヒータユニットの各試料に対して、実施例7と同様にして昇温時間、温度レンジ、および温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表11に示す。
[表11]
Figure 0005605265
上記表11の結果を上記表9の結果と比較して分かるように、支持部材2の熱伝導率が小さい方が温度レンジが大きくなることが分かった。
[実施例12]
載置台1と保持部材3の外径の違いによる均熱性および平面度への影響を確認するため、保持部材3の外径を320mmに代えて340mmとした以外は上記実施例9の試料44と同様にして試料77のヒータユニットを作製した。同様にして、保持部材3の外径を336mmにした試料78、保持部材3の外径を304mmにした試料79、および保持部材3の外径を300mmとした試料80のヒータユニットをそれぞれ作製した。
また、保持部材3の外径を340mmとした以外は上記実施例9の試料47と同様にして試料81のヒータユニットを作製した。同様にして、保持部材3の外径を336mmにした試料82、保持部材3の外径を304mmにした試料83、および保持部材3の外径を300mmにした試料84のヒータユニットをそれぞれ作製した。
得られたヒータユニットの各試料に対して、実施例7と同様にして昇温時間、温度レンジ、および温度変化に対するウエハ載置面1aの平面度変化を測定した。その測定結果を下記表12に示す。
[表12]
Figure 0005605265
上記表12の結果を上記表9の試料44または47の結果と比較して分かるように、保持部材3の外径が載置台1の外径の95%以上105%以内であれば、温度レンジおよび平面度変化量に関して実施例9の場合と同程度の良好な結果が得られることが分かった。なお、上記実施例1〜12に使用した材料の特性をまとめて下記の表13に示す。
[表13]
Figure 0005605265
1 載置台
2 支持板
3 保持部材
4 支持部材
5、6、7 結合部材
8 発熱モジュール
9 箔材
13 冷却モジュール
14 昇降式冷却モジュール

Claims (4)

  1. ウエハを載置するための載置面を有する金属製の載置台、載置台を支持するセラミックス製の支持板、及び支持板の下面側に設けられた金属製の保持部材からなる一体化した構造体と、
    前記支持板下側に当接することで前記構造体を支持する複数の支持部材とから構成されることを特徴とする半導体製造装置用のヒータユニット。
  2. 前記支持板はその厚み方向に貫通する複数の貫通孔を有しており、前記載置台と前記保持部材とが前記複数の貫通孔にそれぞれ挿通された複数の結合部材で結合されていることを特徴とする、請求項1に記載の半導体製造装置用のヒータユニット。
  3. 前記載置台または保持部材のいずれか一方だけが、銅、銅合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体製造装置用のヒータユニット。
  4. 前記載置台および保持部材の両方が、銅、銅合金、アルミニウム、またはアルミニウム合金からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の半導体製造装置用のヒータユニット。
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