JP5601950B2 - リポソーム含有組成物、並びに、該組成物を配合してなる皮膚用水溶性化粧料 - Google Patents

リポソーム含有組成物、並びに、該組成物を配合してなる皮膚用水溶性化粧料 Download PDF

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Description

本発明は、リポソーム含有組成物、並びに、該組成物を配合してなる皮膚用水溶性化粧料に関する。
リポソームとは、生体膜の主要構成成分であるリン脂質からなる脂質二重膜で構成された閉鎖小胞体である。従来から、皮膚バリア機能を改善する水溶性の生理活性物質などをリポソームに内包させて皮膚用化粧料に配合し、皮膚への経皮吸収性を高める試みがなされている(例えば、特許文献1〜3を参照)。
しかしながら、化粧水、エッセンス、ジェル製剤、水中油型乳化製剤などの連続相が水相である皮膚用水溶性化粧料に、水溶性の生理活性物質を内包させたリポソームを配合すると、リポソーム内から水溶性の生理活性物質が漏れ出し易く、本来のリポソームの機能を十分に発揮することができないといった問題がある。
従来より、リポソーム内からの生理活性物質の漏れ出しを抑制する成分として、コレステロールなどのステロール類が知られ、これら成分を用いてリポソーム自体の安定性を高める試みもなされている。例えば、リン脂質、ステロール、特定のHLBのポリオキシエチレンステロールエーテル、多価アルコールおよび水を含有するリポソーム(例えば、特許文献4を参照)、リン脂質、コレステロールおよび/又はフィトステロール、白金族金属コロイドおよび水を含有するリポソーム組成物(例えば、特許文献5を参照)などが提案されている。
これらステロール類の添加効果は、相転移温度以下で膜を柔らかくし、相転移温度以上で硬くさせることで、ゲル−液晶相転移を消失させ膜の相転移時における内包物の漏れ出しを抑制することにある。しかしながら、相転移温度以下においては、膜が柔らかくなることから、水溶性の生理活性物質の漏れ出しを逆に促してしまうといった課題がある。従って、皮膚用水溶性化粧料の製剤中における漏出抑制効果を十分に期待できないのが現状である。このように、ステロール類を用いることでは、相転移温度以上での水溶性の生理活性物質の漏れ出しを抑制することにおいては効果的な手段であるが、商品流通上想定される温度範囲においては、水溶性の生理活性物質の漏れ出しを抑制することは困難であり、最善の試みではない。
特開2006−328026号公報 特開2008−94809号公報 特開2009−102257号公報 特開2007−291035号公報 特開2008−266324号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、リポソームに内包させた水溶性の生理活性物質の漏れ出しを抑制することのできるリポソームを容易に調製し、皮膚用水溶性化粧料に安定に配合することのできるリポソーム含有組成物、並びに、該組成物を配合してなる皮膚用水溶性化粧料を提供することを課題とする。
即ち、本発明は、
〔1〕皮膚用水溶性化粧料に配合される組成物であって、(A)リン脂質、(B)水溶性の生理活性物質、並びに(C)1,2−アルカンジールからなり、(C)成分が、炭素数8〜12の1,2−アルカンジオールであるリポソームを含有してなる組成物、
〔2〕(A)成分が、水素添加リン脂質である前記〔1〕に記載の組成物、
〔3〕(A)成分、および(C)成分の含有量は、下記含有質量比を満たす前記〔1〕又は〔2〕に記載の組成物、
(C)成分/(A)成分=0.01〜1
〔4〕(A)成分、(B)成分および(C)成分の含有量は、下記含有質量比を満たす前記〔1〕〜〔3〕の何れか1項に記載の組成物、
(C)成分/((A)成分+(B)成分)=0.01〜0.7、並びに
〕前記〔1〕〜〔〕の何れかに記載の組成物を配合してなる皮膚用水溶性化粧料
に関する。
本発明のリポソームが含有される組成物は、調製が容易であり、内包した水溶性の生理活性物質のリポソームからの漏れ出しを抑制するという効果を奏する。また、漏れ出し抑制効果に優れていることから、皮膚用水溶性化粧料にリポソームを安定に配合することができるという効果を奏する。
本発明の皮膚用水溶性化粧料に配合される組成物は、(A)リン脂質、(B)水溶性の生理活性物質、並びに(C)1,2−アルカンジールからなるリポソームを含有してなるものである。
(A)成分のリン脂質とは、リン酸残基を含む複合脂質であって、本発明においてはリポソームを形成する成分である。用いられる(A)成分としては、天然リン脂質、合成リン脂質、天然由来のリン脂質の不飽和炭素鎖を水素により飽和とした水素添加リン脂質などが挙げられる。具体的には、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリン、卵黄レシチン、大豆レシチンなどの天然リン脂質;ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、パルミトイル・オレオイルホスファチジルコリンなどの合成リン脂質;水素添加大豆レシチン、水素添加卵黄レシチン、水素添加ホスファチジルコリン、水素添加ホスファチジルセリンなどの水素添加リン脂質などを例示することができる。これら(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。好適な(A)成分としては、保存安定性に優れる観点から、水素添加リン脂質を用いることが好ましく、中でも、水素添加大豆レシチンを用いることがより好ましい。
尚、(A)成分は、市販品をそのまま用いることもできる。水素添加大豆レシチンの市販品としては、例えば、COATSOME NC−21,NC−61(商品名,何れも日油社製);NIKKOL レシノールS−10EX,レシノールS−10E,レシノールS−10M(商品名,何れも日光ケミカルズ社製);ベイシス LS−60HR(商品名,日清オイリオグループ社製)などを例示することができる。
(A)成分の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、リポソームを形成する観点から、組成物中、0.1質量%以上が好ましく、より好ましくは0.5質量%以上である。また、保存安定性の観点から、10質量%以下が好ましく、より好ましくは3質量%以下である。これらの観点から、(A)成分の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜3質量%である。
(B)成分の水溶性の生理活性物質は、上記(A)成分により形成されるリポソームに内包される成分であり、皮膚および人体に対して安全なものであれば特に限定されないが、保湿剤、抗炎症剤、美白剤、細胞賦活剤の群から選ばれる少なくとも1種の水溶性の生理活性物質を用いることが好ましい。
具体的な水溶性の生理活性物質としては、例えば、アルテア根エキス、ウイキョウエキス、海藻エキス(褐藻、紅藻、緑藻)、キュウリエキス、キウイエキス、ジオウエキス、シラカバ樹皮エキス、ゼニアオイエキス、タイソウエキス、トウヒエキス、マロニエエキス、メリッサエキス、ユキノシタエキス、加水分解シルクエキス、牛乳糖タンパク、ヒアルロン酸又はヒアルロン酸誘導体、ローヤルゼリーエキスなどの保湿剤;ビルベリー葉エキス、キダチアロエエキス、ウコンエキス、オレンジエキス、グリチルリチン酸ジカリウムおよびその誘導体、カノコソウエキス、カモミラエキス、カワラヨモギエキス、クチナシエキス、コメヌカエキス、サボンソウエキス、シコンエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズタエキス、センキュウエキス、クワエキス、タイムエキス、トウガラシエキス、トウニンエキス、ブドウ葉エキス、ベニバナエキス、セイヨウハッカエキス、マツエキス、モモ葉エキス、ユーカリエキス、リンゴエキス、ローマカミツレエキスなどの抗炎症剤;アスコルビン酸グルコシドなどのビタミンC誘導体、アルブチンなどの美白剤;アミノカプロン酸、パンテノールなどの細胞賦活剤などを例示することができる。これら(B)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
(B)成分の含有量は、リポソームに内包されて、水溶性の生理活性物質の効果が十分に発揮される量であれば特に限定されないが、(A)成分との質量含有比が、(B)成分/(A)成分=0.01〜1の範囲となるように含有させることが好ましく、より好ましくは0.02〜0.5である。質量含有比が0.01未満の場合、水溶性の生理活性物質の効果が十分に発揮されないために好ましくない。また、質量含有比が1よりも多い場合、リポソームの凝集、沈殿が生じるために好ましくない。
本発明においては、後述する(C)成分の1,2−アルカンジオールを配合することで、リポソームからの水溶性の生理活性物質の漏れ出しを抑制することができる。用いられる1,2−アルカンジオールは、所望の効果は十分に発揮されるのであれば特に限定されないが、例えば、炭素数5〜12の1,2−アルカンジオールが挙げられる。具体的には、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ヘプタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ノナンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオールなどを例示することができる。これら(C)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。好適な(C)成分としては、漏れ出しを抑制する観点から、炭素数8〜12の1,2−アルカンジオールを用いることが好ましく、中でも、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、1,2−ドデカンジオールを用いることがより好ましい。
(C)成分の含有量は、リポソームに内包されている水溶性の生理活性物質の漏れ出しを抑制することができる量であれば特に限定されないが、(A)成分との質量含有比が、(C)成分/(A)成分=0.01〜1の範囲となるように含有させることが好ましく、より好ましくは0.05〜0.5である。質量含有比が0.01未満の場合、水溶性の生理活性物質の漏れ出し抑制効果を十分に発揮できないために好ましくない。また、質量含有比が1よりも多い場合、リポソームの形態を維持できないために好ましくない。
上記した(A)〜(C)成分により形成されるリポソームの平均粒子径は、特に限定されないが、内包した水溶性の生理活性物質の漏れ出しを抑制すると共に、製剤中での凝集、沈殿を抑制して安定性を付与する観点から、20〜300nmの範囲内とすることが好ましく、より好ましくは30〜200nmである。尚、本発明のリポソームの平均粒子径とは、ELS−8000(大塚電子社製)を用いて、積算回数100回で測定したときの値であるが、これら測定条件のみに限定されるものでない。
また、上記した(A)成分、(B)成分および(C)成分の含有量は、リポソームの保存安定性を高める観点から、下記含有質量比、
(C)成分/((A)成分+(B)成分)=0.01〜0.7
の範囲を満たすことが好ましく、0.02〜0.5の範囲を満たすことがより好ましい。含有質量比が0.01未満の場合、水溶性の生理活性物質の効果が十分に発揮されないために好ましくない。また、0.7よりも大きい場合、リポソームの凝集、沈殿が生じるために好ましくない。
本発明のリポソームを含有する組成物を調製するためには、溶剤として上記(C)成分以外の多価アルコールが用いられる。具体的には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、グリセリン、濃グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどを例示することができる。これら成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
溶剤の含有量は、所望の効果が充分に付与されるのであれば特に限定されないが、通常、リポソーム調製時の溶解性の観点から、組成物中、1質量%以上が好ましく、より好ましくは2質量%以上である。また、保存安定性の観点から、50質量%以下が好ましく、より好ましくは30質量%以下である。これらの観点から、溶剤の含有量は、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは2〜30質量%である。
リポソームを含有する組成物の製造方法は、公知の方法を用いて製造することができれば特に限定されないが、好ましくは、以下の製造方法を例示することができる。
始めに、溶剤に(A)成分および(C)成分を加え、70〜90℃の温度範囲で均一溶解して混合物(1)を得る。次いで、溶剤に(B)成分を加え、70〜95℃の温度範囲で均一溶解した混合物(2)を、先に調製した混合物(1)に80℃以上で加え混合する。均一に混合後、80℃以上に加温した精製水を加え、ホモミキサー(T.K.ロボミックス,特殊機化工業社製)を用いて、6000rpm、5分間攪拌する。このような製造工程により、本発明のリポソームを含有する組成物を調製することができる。
また、本発明においては、より微細なリポソームとするために、高圧ホモジナイザー(マイクロフルイダイザーM−110−E/H,マイクロフルイディックス社製)又は精密乳化分散機(クレアミックス,エム・テクニック社製)を用いて微細化を施しても良い。
次に、本発明のリポソームを含有する組成物が配合される皮膚用水溶性化粧料について説明する。本発明の皮膚用水溶性化粧料とは、化粧水、エッセンス、ジェル製剤、水中油型乳化製剤などの連続相が水相である皮膚用の化粧料のことを言う。
本発明の皮膚用水溶性化粧料を調製する場合、リポソームの保存安定性を損なわない範囲であれば、通常化粧品に用いられる成分、例えば、高級アルコール、脂肪酸、油脂、エステル油、シリコーン油などの油剤;非イオン性界面活性剤、低級アルコール、保湿剤、金属封鎖剤、防腐剤、香料、pH調整剤、精製水などを目的に応じて適宜配合することができる。
用いられる油剤の具体例としては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイルアルコール、ラノリンアルコール、ベヘニルアルコール、セトステアリルアルコールなどの高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ウンデシレン酸、ラノリン酸、イソステアリン酸などの脂肪酸;ヤシ油、パーム油、水素添加パーム油、アボカド油、ゴマ油、オリーブ油、ククイナッツ油、ブドウ粒子油、サフラワー油、アーモンド油、トウモロコシ油、綿実油、ヒマワリ種子油、ブドウ種子油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、メドウフォーム油、ローズヒップ油などの油脂;オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシルなどのエステル油;メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、メチルシクロポリシロキサン、アルコール変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、エポキシ変性シリコーンなどのシリコーン油などを例示することができる。これら油剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
用いられる非イオン性界面活性剤としては、例えば、グリセリン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物などの脂肪酸エステル型非イオン性界面活性剤の他、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンラノリンなどが挙げられる。これら非イオン性界面活性剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を適宜組み合わせて用いることもできる。
グリセリン肪酸エステルとしては、本発明においては、グリセリン脂肪酸エステルおよびポリグリセリン脂肪酸エステルのいずれをも意味し、具体的には、モノカプリル酸グリセリル、モノカプリン酸グリセリル、モノラウリン酸グリセリル、モノミリスチン酸グリセリル、モノパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、モノイソステアリン酸グリセリル、モノベヘン酸グリセリル、モノオレイン酸グリセリル、モノエルカ酸グリセリル、セスキオレイン酸グリセリル、ジステアリン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、ジアラキン酸グリセリルなどのグリセリン脂肪酸エステル;モノカプリル酸ジグリセリル、モノカプリル酸デカグリセリル、モノカプリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸テトラグリセリル、モノラウリン酸ヘキサグリセリル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノラウリン酸ポリ(4〜10)グリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノイソステアリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、モノオレイン酸ジグリセリル、モノオレイン酸ヘキサグリセリル、セスキオレイン酸ジグリセリル、ジイソステアリン酸ポリ(2〜10)グリセリル、ジステアリン酸ポリ(6〜10)グリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリステアリン酸ポリ(10)グリセリルなどの上記したグリセリン脂肪酸エステルの重合度2〜10のポリグリセリン脂肪酸エステルを例示することができる。また、グリセリン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物としては、モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル、モノオレイン酸ポリオキシエチレングリセリルなどを例示することができる。
ポリアルキレングリコール脂肪酸エステルとしては、例えば、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノイソステアリン酸ポリエチレングリコール、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、ジラウリン酸ポリエチレングリコール、ジステアリン酸ポリエチレングリコール、ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール、ジオレイン酸ポリエチレングリコールなどのポリエチレングリコール脂肪酸エステル;モノステアリン酸プロピレングリコール、モノラウリン酸プロピレングリコール、モノオレイン酸プロピレングリコールなどのプロピレングリコール脂肪酸エステルなどを例示することができる。
ソルビタン脂肪酸エステルとしては、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノイソステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、トリステアリン酸ソルビタン、セスキステアリン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、セスキイソステアリン酸ソルビタン、ヤシ油脂肪酸ソルビタンなどのソルビタン脂肪酸エステルを例示することができる。また、ソルビタン脂肪酸エステルの酸化エチレン縮合物としては、モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノイソステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、モノヤシ油脂肪酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタン、トリオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンなどを例示することができる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンラウリルエーテル、ポリオキシプロピレンセチルエーテル、ポリオキシプロピレンイソセチルエーテル、ポリオキシプロピレンステアリルエーテル、ポリオキシプロピレンオレイルエーテルなどを例示することができる。
本発明の皮膚用水溶性化粧料の形態は、リポソームが安定に配合されるのであれば特に限定されず、液状、ジェル状、乳液状、クリーム状などの種々の形態をとり得ることができる。中でも、本発明のリポソームを含有する組成物は、リポソームに内包される水溶性の生理活性物質の漏れ出しを抑制することから、通常、水溶性の生理活性物質を内包するリポソームの配合が困難とされる、化粧水、エッセンス、ジェル製剤、水中油型乳化製剤などの連続相が水相である製剤であっても安定に配合することができるものである。
以下、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。尚、配合量は、特記しない限り「質量%」を表す。また、評価はすべて、23℃、湿度60%の恒温恒湿の一定条件下で実施した。
(試料の調製1)
表1および表2に記した組成に従い、処方例1〜8の各リポソームを薄膜法にて調製し、下記試験に供した。結果を表1および表2に併記する。
薄膜法とは、リポソーム膜構成成分である(A)成分および(C)成分を(但し、(C)成分を含まない場合は(A)成分のみを、また、(C)成分以外のステロール類を含む場合は(A)成分とそれら成分を)クロロホルムに溶解後、ロータリーエバポレーターにて溶媒を留去し、脂質のフィルムを得る。そこへ、下記調製物1を加え、相転移温度(約80℃)以上に加温後、振とうしてフィルムを剥がし、試料を調製する方法のことである。
尚、漏れ出し試験を行うにあたり、(B)成分である水溶性の生理活性物質の代替として、リポソームに内包される内包物には、水溶性の蛍光薬剤である5,6−カルボキシフルオレセインを用いた。より具体的には、5,6−カルボキシフルオレセイン 37.8gを20mmol/L Tris−HClバッファー(2.42gを精製水1Lに溶解後、HClにてpH7.5に調製したもの)に溶解し、NaOHにてpH7.5に調製したものを調製物1として用いた。また、漏れ出し試験には、内包されなかった調製物1をゲル濾過クロマトグラフィー(Sephadex G−50)にて除去したものを用いた。
(試験例1:漏れ出し試験)
処方例1〜8で調製した各リポソームを、40℃の恒温槽に1時間保管(インキュベート)後、分光蛍光光度計(励起波長:490nm、蛍光波長:530nm)を用いて、内包物(5,6−カルボキシフルオレセイン)の漏れ出しを測定した蛍光強度の値から漏出率(%)を算出し、下記基準に従って評価した。
漏出率(%)=〔(F−F)/(F−F)〕×100
:インキュベート前の蛍光強度
:40℃にてインキュベート後の蛍光強度
:Triton−X100を加え、加熱処理した後の蛍光強度(100%漏出)
<漏れ出し試験の評価基準>
○:漏出率(%)が、0%以上20%未満
△:漏出率(%)が、20%以上30%未満
×:漏出率(%)が、30%以上
Figure 0005601950
Figure 0005601950
表1および表2に示す通り、処方例1〜4のリポソームは、水溶性内包物である5,6−カルボキシフルオレセインの漏れ出しが極めて小さく、漏れ出し抑制効果に優れた効果を奏していることが分かる。一方、処方例5〜8のリポソームは、5、6−カルボキシフルオレセインの漏れ出しが著しく促進され、安定性が極めて低く、漏れ出し抑制効果がないことが分かる。
(試料の調製2)
表3に記した組成に従い、実施例1〜4の漏れ出し抑制効果に優れるリポソーム含有組成物を常法に準じて調製した。
Figure 0005601950
(試料の調製3)
表4に記した組成に従い、実施例1〜4の各リポソーム含有組成物を配合した実施例5〜8の皮膚用水溶性化粧料を常法に準じて調製し、下記評価に供した。尚、実施例5は液状の皮膚用水溶性化粧料、実施例6はジェル状の皮膚用水溶性化粧料、実施例7は乳液状の皮膚用水溶性化粧料、実施例8はクリーム状の皮膚用水溶性化粧料として調製した。
(試験例2:保存安定性の評価)
実施例5〜8で得られた試料の製造直後のリポソームの形態を透過型電子顕微鏡により観察した。次いで、各試料を50mL容の透明ガラス容器にそれぞれ封入し、40℃の恒温槽に夫々6週間保存した後のリポソームの形態を透過型電子顕微鏡により再度観察し、以下の評価基準に従って評価した。
尚、透過型電子顕微鏡での観察は、ネガティブ染色法で行った。
<保存安定性の評価基準>
○:製造直後と全く変化が認められない(リポソームの形態が崩壊していない)
△:リポソームの形態が一部崩壊している
×:リポソームの形態が全崩壊している
Figure 0005601950
表4に示された結果から、本願発明のリポソーム含有組成物は、リポソームに内包した水溶性の生理活性物質の漏れ出しがなく、安定に配合することができることから、種々の剤型の皮膚用水溶性化粧料に配合したとしても、リポソームの長期保存安定性に格段に優れた効果を奏するものであることが分かる。

Claims (5)

  1. 皮膚用水溶性化粧料に配合される組成物であって、(A)リン脂質、(B)水溶性の生理活性物質、並びに(C)1,2−アルカンジールからなるリポソームを含有してなり、
    (C)成分が、炭素数8〜12の1,2−アルカンジオールである組成物。
  2. (A)成分が、水素添加リン脂質である請求項1に記載の組成物。
  3. (A)成分、および(C)成分の含有量は、下記含有質量比を満たす請求項1又は2に記載の組成物。
    (C)成分/(A)成分=0.01〜1
  4. (A)成分、(B)成分および(C)成分の含有量は、下記含有質量比を満たす請求項1〜3の何れか1項に記載の組成物。
    (C)成分/((A)成分+(B)成分)=0.01〜0.7
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の組成物を配合してなる皮膚用水溶性化粧料。
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