JP5591023B2 - 電子写真画像形成装置、現像剤担持体および現像剤担持体の製造方法 - Google Patents
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(1)ウレタン樹脂原料の層を形成する工程と、
(2)前記パーフルオロアルキル基を分子内に有する塩を溶解した液体を含浸したウレタン樹脂粒子を、該ウレタン樹脂原料の層の表面に付着させた後に、該ウレタン樹脂原料の層を硬化させて前記表面層を形成する工程とを有することを特徴とする現像剤担持体の製造方法である。
本発明に係る現像剤担持体は、マトリックス樹脂としてウレタン樹脂を含有する表面層を有している。そして、表面層は、一部が表面層から露出した状態で表面層に固定されているウレタン樹脂粒子を有している。そして、ウレタン樹脂粒子は、パーフルオロアルキル基を分子内に有する塩を含有し、ウレタン樹脂粒子のうちの表面層から露出している部分の表面にはパーフルオロアルキル基に由来するフッ素原子が偏在している。
本発明に係る現像剤担持体は、図1に示されるような導電性の軸芯体1の外周に弾性層2を有し、その外周に表面層3を有する多層構成のローラ形状を有することができる。
表面層3はウレタン樹脂をマトリックス樹脂として含んでいる。また、表面層3には、一部が表面層3から露出した状態でウレタン樹脂粒子が固定されている。そして、ウレタン樹脂粒子は、パーフルオロアルキル基を分子内に有する塩を含有しており、かつ、表面層から露出し、現像剤担持体の表面の凸部をなしている部分の表面に、パーフルオロアルキル基に由来するフッ素原子が偏在している。これにより、現像剤担持体表面は、フッ素原子を表面に有する凸領域がマトリックス樹脂中に点在している構成を有する。
マトリックス樹脂としては、負帯電性現像剤への優れた電荷付与性を有するウレタン樹脂を用いる。ウレタン樹脂は正帯電性に富み、マトリックス樹脂に用いることにより負帯電性の現像剤をより良く帯電させ、十分な画像濃度の電子写真画像を得るためである。一方、現像剤の搬送を目的とした現像剤担持体表面の凸領域は以下のような構成を有する。
ウレタン樹脂粒子32の体積平均粒径の目安としては、現像剤の搬送を目的とした凸形状を現像剤担持体表面に形成するために、5μm以上20μm以下である。ここで、体積平均粒径は、レーザー回折式粒度分布測定装置(例えば島津製作所製 SALD−3100(商品名))等を用いて測定することができる。また、微小圧縮硬度が1[mN/μm]以下の柔軟ウレタン樹脂粒子が、現像剤融着がより発生し難いことから好ましい。
荷重レンジA、試験荷重:1[mN]、分割数:1000、ステップインターバル:10[msec.]、
圧子種:直径20μmの平面板。
得られた変位−荷重線図から最大変位[μm]を読み取り、下記式により微小圧縮硬度を算出する。
微小圧縮硬度=試験荷重1[mN]/最大変位[μm]。
パーフルオロアルキル基を分子内に有する塩としては、パーフルオロアルキルスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩、パーフルオロアルキルカルボン酸の金属塩やアンモニウム塩等が挙げられる。ここで、ウレタン樹脂粒子露出部(凸領域)表面への偏在性、溶剤への溶解性、環境への影響の観点から、下記構造式で表されるアニオンを有するパーフルオロアルキル基部分の炭素数が3以上6以下のパーフルオロアルキルスルホン酸塩が好ましい。
CnF2n+1SO3 -・・・(1)
(nは3以上6以下の整数を表す。)
本発明に係る現像剤担持体は、凸領域の表面にパーフルオロアルキル基に由来するフッ素原子が偏在しており、現像剤担持体表面は、凸領域がマトリックス樹脂中に点在している。以下に、前記偏在および点在について説明する。
[測定装置]
走査電子顕微鏡S−4800(商品名、日立ハイテクノロジー社製)およびエネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)Genesis400(商品名、EDAX社製)、
[測定条件]
加速電圧20KV。
軸芯体1としてはアルミニウムや鉄、ステンレス鋼(SUS)などの金属製の円柱体を用いることができる。
弾性層2は、ゴムやエラストマーと、弾性層を導電化するための導電性の材料とを含むことができる。ゴム及びエラストマーの具体例を以下に挙げる。ポリウレタン、天然ゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブタジエンゴム、シリコーンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、エチレン−プロピレン−ジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム及びこれらの混合物等。中でも、低硬度でかつ高反発弾性という特性を有するシリコーンゴムが好ましく用いられる。
本発明に係る現像剤担持体は、軸芯体の外周に公知の方法を用いて弾性層を形成しその外周に表面層を公知の方法により形成することにより得ることができる。ここで、弾性層の形成方法としては特に限定されるものではないが、高い寸法精度で弾性層を形成できることから型内に弾性材料を注入することにより弾性層を形成する方法が好ましい。
本発明において弾性層2および表面層3には、それぞれ電気抵抗調整剤として電子導電性の物質(カーボンブラック、金属や金属酸化物)、イオン導電性の物質(過塩素酸ナトリウム、変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート等)を添加してもよい。本発明において、弾性層2を形成する材料中への前記抵抗調整剤等の添加剤の分散方法としては特に制限されるものではなく、ロール、バンバリーミキサー、加圧ニーダー等の公知の装置を用いて分散することができる。
本発明に係る電子写真装置は、負帯電性現像剤と、その現像剤を現像領域に搬送する現像剤担持体とを具備しており、現像剤担持体として上述の現像剤担持体を有している。このような構成により、連続して多くの電子写真画像を形成した場合にも電子写真画像へのカブリが生じにくく、十分な濃度の画像を安定して得られる。
[弾性層の形成]
軸芯体1として外径6mmの芯金(SUM22製)にニッケルメッキを施し、さらにプライマーDY35−051(商品名、東レダウコーニングシリコーン社製)を塗布、焼付けしたものを用いた。ついで、軸芯体1を内径11.5mmの円筒状金型に同心となるように配置し、表1に記載の配合の付加型シリコーンゴム組成物を、金型内に形成されたキャビティに注入した。続いて、金型を加熱して付加型シリコーンゴム組成物を150℃、15分間加硫硬化し、脱型した。その後、さらに200℃、2時間加熱し硬化反応を完結させ、厚み2.75mmの弾性層1を軸芯体1の外周に設けた。
ポリテトラメチレングリコールPTG1000SN(商品名、保土谷化学社製)100質量部に、イソシアネート化合物((商品名:ミリオネートMT日本ポリウレタン工業社製)20質量部をMEK溶媒中で段階的に混合した。混合溶液を、窒素雰囲気下80℃にて7時間反応させて、水酸基価が20[mgKOH/g]のポリエーテルポリオール1を作製した。
窒素雰囲気下、数平均分子量400のポリプロピレングリコール(商品名:エクセノール、旭硝子社製)100質量部に対し、粗製MDI(商品名:コスモネートM−200、三井化学ポリウレタン社製)57質量部を90℃で2時間加熱反応した。その後、ブチルセロソルブを固形分濃度70質量%になるように加え、単位固形分当たりに含有されるNCO基の質量比率が5.0質量%のイソシアネート化合物を得た。その後、反応物温度50℃の条件下、MEKオキシムを22質量部滴下し、ブロックポリイソシアネート1を得た。
上記のようにして作製したポリオール1に対し、ブロックポリイソシアネート1をNCO/OH基比が1.4になるように混合した。この混合物の固形分100質量部に対し、カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学社製、pH=3.5)20質量部を混合し、総固形分濃度が35質量%になるようにMEKに溶解、混合した。この混合液を、1.5mmの粒径のガラスビースを用いてサンドミルを用いて4時間分散して表面層塗料1を作製した。
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム(一般式C4F9SO3K、商品名KFBS、ジェムコ社製)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解し、塩濃度が2質量%の塩溶液1を調製した。密閉容器内でウレタン樹脂粒子(商品名:アートパールC600、体積平均粒径10μm、根上工業社製)100質量部に、上記塩溶液1を100質量部全て含浸させた。これをウレタン樹脂粒子1と称する。
100質量部のウレタン樹脂粒子1を、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムの貧溶媒であるエタノールの900質量部に投入し、超音波分散して、ウレタン樹脂粒子1の分散液を調製した。これを樹脂粒子分散液1と称する。
上記表面層形成用塗料1を図5に示すオーバーフロー方式の浸漬塗工装置を用いて前記弾性層1上に浸漬塗工してウレタン樹脂層1を形成した直後、上記樹脂粒子分散液1を図6に示すスプレー塗布装置を用いてウレタン樹脂層1にスプレー塗布した。室温で30分風乾後、140℃の熱風循環オーブンにて2時間加熱処理することで、弾性層表面に表面層1を有する実施例1の現像剤担持体を得た。
鋭利なかみそり刃を用いて、現像剤担持体の表面層を弾性層ごとかまぼこ形状に切り出して観察用サンプルを得た。得られた観察用サンプルを、ビデオマイクロスコープを用いて任意の倍率(例えば500倍以上2000倍以下)で観察し、粒子の存在状態を確認した。その結果、一部分がマトリックス樹脂から露出した状態で表面層に固定されているウレタン樹脂粒子の存在を確認した。
上記観察用サンプルにおいて、凸領域の表面側領域Aのフッ素原子割合Xa[at%]、マトリックス樹脂との界面領域Bのフッ素原子割合Xb[at%]、および前記現像剤担持体表面の100μm四方の領域Cのフッ素原子割合Xc[at%]を測定した。また、凸領域以外の表面層の領域Dのフッ素原子割合Xd[at%]に関しても同様に測定した。測定結果を表2に示す。
レーザプリンター(商品名:LBP5050、キヤノン製)のマゼンタカートリッジ2本から現像剤を抜き出した。このカートリッジに、特開2006−106198号公報の実施例49に記載された重合方法により製造した平均粒径6.6μmのマゼンタの負帯電性現像剤を充填し画像出力試験用カートリッジを2本準備した。まず、そのうちの1本のカートリッジに実施例1の現像剤担持体を装着し、上記レーザプリンターにそのカートリッジを装填した。そして、一般的に最も現像剤融着が発生し易い、温度15℃、相対湿度10%Rhの環境において画像出力試験を行った。画像出力試験にはカラーレーザーコピアペーパーA4(商品名、キヤノン製)を使用した。最初にベタ黒画像を1枚出力した。これを初期画像とした。
引き続き、印字率1%の画像を連続して出力し、3000枚の画像出力を行った。その後、3000枚耐久済みカートリッジから現像剤担持体を取り出し、もう1本の画像出力試験用カートリッジに組替え、温度15℃、相対湿度10%Rhの環境において同様に3000枚の画像出力を行なった。すなわち、現像剤担持体としては最終的に6000枚相当の画像出力を行ない、最後にベタ白画像をグロス紙(商品名:イメージコートグロス158、キヤノン製)に出力し、ベタ黒画像をカラーレーザーコピアペーパーA4(商品名、キヤノン製)に出力した。これを耐久後の画像とした。出力された画像および画像出力試験後の現像剤担持体に関し、以下の測定および観察を行った。
出力した初期および耐久後の全面ベタ黒画像の紙面上9ヶ所でそれぞれカラー反射濃度計(商品名:X−RITE 404A:X−Rite Co.製)により濃度を測定した。この時の9点の濃度の平均値を画像濃度とした。画像濃度は1.30を超えると極めて良好な画像と判断できる。画像濃度が1.20以上1.30以下であると十分に濃度が高い良好な画像である。1.20未満であると、濃度が低い画像である。
グロス紙(商品名イメージコートグロス158、キヤノン製)に出力した耐久後のベタ白画像の、ベタ白画像部の反射濃度を10点測定し、その平均値をDs(%)とした。一方、プリント前のグロス紙の反射濃度を10点測定し、その平均値をDr(%)としたときの計算式:Ds−Dr(%)により算出した値をかぶり量とした。反射濃度は反射式濃度計(商品名:「REFLECTOMETER MODEL TC−6DS/A」、TOKYO DENSHOKU CO.LTD社製)を用いて測定した。かぶり量は0.6%未満であると極めて良好な画像と判断できる。かぶり量が0.6%以上2.0%以下であると実質的にかぶりの無い良好な画像である。2.0%を超えると、かぶりの目立つ不鮮明な画像である。
6000枚相当の画像出力試験後の現像剤担持体を画像出力試験用カートリッジから取り出し、表面に付着している現像剤をエアーブローにより除去し、現像剤担持体表面を観察し、表面層の樹脂粒子の脱落の有無を確認した。観察にはレーザー顕微鏡(商品名:VK−8700、キーエンス社製)を用いた。
実施例1の塩溶液1の調製に用いたパーフルオロブタンスルホン酸カリウムを、以下のようにして調製したパーフルオロヘキサスルホン酸ナトリウムに変更した以外は、実施例1と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
撹拌装置、コンデンサ−、温度計を備えたガラスフラスコにパーフルオロヘキサンスルホン酸100質量部、イオン交換水100質量部、イソプロピルアルコール200質量部を仕込んだ。その後、攪拌しながら、水酸化ナトリウム10質量部をイオン交換水100質量部に溶解した溶液を室温にて30分かけて添加した。80℃まで昇温し、2時間攪拌を続けた。その後、同温度で減圧によりイオン交換水およびイソプロパノールを除去することにより得られた湿潤パウダーを、80℃で20時間熱風することによりパーフルオロヘキサンスルホン酸ナトリウム(一般式C6F13SO3Na)を得た。
実施例1のウレタン樹脂粒子1の調製に用いた塩溶液1の塩濃度を2.0質量%から1.5質量%に変更した以外は、実施例1と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例1のウレタン樹脂粒子1の調製に用いた塩溶液1の塩濃度を2.0質量%から3.0質量%に変更した以外は、実施例1と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例2のウレタン樹脂粒子2の調製に用いた塩溶液2の塩濃度を2.0質量%から2.5質量%に変更した以外は、実施例2と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例3の塩溶液3の調製に用いたパーフルオロブタンスルホン酸カリウムを、パーフルオロプロパンスルホン酸リチウム(一般式C3F7SO3Li、商品名EF−35、ジェムコ社製)に変更した。また、樹脂粒子分散液に用いるエタノール量を900質量部から300質量部に変更した。それ以外は、実施例3と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例1の塩溶液1の調製に用いたパーフルオロブタンスルホン酸カリウムを、パーフルオロプロパンスルホン酸リチウム(一般式C3F7SO3Li、商品名EF−35、ジェムコ社製)に変更した。また、パーフルオロプロパンスルホン酸リチウムをMEKに溶解した塩溶液7の塩濃度は1.0質量%とした。それ以外は、実施例1と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例3の塩溶液3の調製に用いたパーフルオロブタンスルホン酸カリウムを、パーフルオロエタンスルホン酸リチウム(一般式C2F5SO3Li、商品名EF−25、ジェムコ社製)に変更した。それ以外は、実施例3と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例2のウレタン樹脂粒子2の調製に用いた塩溶液2の塩濃度を2.0質量%から3.0質量%に変更した以外は、実施例2と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例3の塩溶液3の調製に用いたパーフルオロブタンスルホン酸カリウムを、トリフルオロメタンスルホン酸ナトリウム(一般式CF3SO3Na、商品名EF−13、ジェムコ社製)に変更した。それ以外は、実施例3と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例9の樹脂粒子分散液9に用いるエタノール量を900質量部から600質量部に変更した以外は、実施例9と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例1のウレタン樹脂粒子1の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC300(商品名、体積平均粒径20μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例2のウレタン樹脂粒子2の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC300(商品名、体積平均粒径20μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例2と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例7のウレタン樹脂粒子7の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC300(商品名、体積平均粒径20μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例7と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例8のウレタン樹脂粒子8の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC300(商品名、体積平均粒径20μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例8と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例10のウレタン樹脂粒子10の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC300(商品名、体積平均粒径20μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例10と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例1のウレタン樹脂粒子1の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC800(商品名、体積平均粒径6μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例1と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例2のウレタン樹脂粒子2の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC800(商品名、体積平均粒径6μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例2と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例7のウレタン樹脂粒子7の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC800(商品名、体積平均粒径6μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例7と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例8のウレタン樹脂粒子8の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC800(商品名、体積平均粒径6μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例8と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
実施例10のウレタン樹脂粒子10の調製に用いたウレタン樹脂粒子を同質量部数のアートパールC800(商品名、体積平均粒径6μm、根上工業社製)に変更した以外は、実施例10と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。
上記実施例1〜21の評価結果を表2〜3に示す。
実施例1において表面層塗料1を、以下のようにして調製した表面層塗料22に変更した。また、弾性層上に表面層塗料22を浸漬塗工した直後の樹脂粒子分散液1のスプレー塗布は行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして弾性層表面に表面層を有する現像剤担持体を得た。得られた現像剤担持体を実施例1と同様に評価した。その結果、比較例1の現像剤担持体の表面層は、全ウレタン樹脂粒子のうちの少なくとも一部の粒子について、各粒子の一部分がマトリックス樹脂から露出していなかった。また、現像剤担持表面にフッ素原子が存在しないことから、カブリが目立つ結果であった。
まず、ウレタン樹脂粒子であるアートパールC600(商品名、体積平均粒径10μm、根上工業社製)24質量部をMEK60質量部に中に超音波分散した分散液22を調製した。得られた分散液22を実施例1の表面層塗料1に追加して、サンドミルを用いてさらに30分間分散して表面層塗料22を調製した。
実施例1において、樹脂粒子分散液1の代わりに、以下のフッ素樹脂粒子分散液23を用いた以外は、実施例1と同様に現像剤担持体を作製し、評価した。その結果、表2〜3に示したように、比較例2の現像剤担持体表面は、フッ素原子を表面に有する凸領域がマトリックス樹脂中に点在している構成を有していたが、Xcが非常に大きく、初期から画像濃度が低かった。また、樹脂粒子のマトリックス樹脂から露出している部分にフッ素原子が偏在していなかったことから、画像出力試験後の現像剤担持体表面を観察したところ、フッ素樹脂粒子はほとんど脱落していた。そのことにより、現像剤担持体表面の凸領域が、画像出力枚数が進むにつれて脱落して画像濃度が低下する方向であるが、Xcは小さくなり画像濃度は向上する方向であることから、画像濃度は初期から画像出力枚数によらず低い結果であった。
ポリテトラフロオロエチレン樹脂分散液KD−200AF(商品名、喜多村社製、ポリテトラフルオロエチレン粒子の粒径:約3.5μm)100gをキシレン200gで希釈し、フッ素樹脂分散液23とした。
実施例1において、表面層塗料1を以下のようにして調製した表面層塗料24に変更した。また、弾性層上に表面層塗料24を浸漬塗工した直後のウレタン樹脂粒子分散液1のスプレー塗布は行わなかった。それ以外は、実施例1と同様にして弾性層表面に表面層を有する現像剤担持体を得た。得られた現像剤担持体を実施例1と同様に評価した。その結果、表2〜3に示したように、比較例3の現像剤担持体の表面層は、全ウレタン樹脂粒子のうちの少なくとも一部の粒子について、各粒子の一部分がマトリックス樹脂から露出していなかった。また、凸領域以外の領域にもフッ素原子が存在していることから、初期から画像濃度が低い結果であった。
実施例1のようにして作製したポリオール1に対し、ブロックポリイソシアネート1をNCO/OH基比が1.4になるように混合した。その後、樹脂固形分100質量部に対し、カーボンブラック(商品名:MA100、三菱化学社製、Ph=3.5)20質量部を混合し、総固形分比が35質量%になるようにMEKに溶解、混合した。更にパーフルオロブタンスルホン酸カリウム(一般式C4F9SO3K、商品名KFBS、ジェムコ社製)を2質量部混合し、1.5mmの粒径のガラスビースを用いてサンドミルを用いて4時間分散し、分散液24−1を調製した。一方、ウレタン樹脂粒子であるアートパールC600(商品名、体積平均粒径10μm、根上工業社製)24質量部をMEK60質量部中に超音波分散した分散液24−2を調製した。得られた分散液24−2を分散液24−1に追加して、サンドミルを用いてさらに30分間分散して表面層塗料24を調製した。
2 弾性層
3 表面層
Claims (4)
- 負帯電性現像剤と、該現像剤を現像領域に搬送する現像剤担持体とを具備している電子写真画像形成装置であって、
該現像剤担持体は、ウレタン樹脂をマトリックス樹脂として含む表面層を有し、
該表面層は、一部が該表面層から露出した状態で該表面層に固定されているウレタン樹脂粒子を有しており、
該ウレタン樹脂粒子は、パーフルオロアルキル基を分子内に有する塩を含有し、且つ、該表面層から露出している部分の表面に該パーフルオロアルキル基に由来するフッ素原子が偏在しており、それによって、該現像剤担持体表面は、フッ素原子を表面に有する凸領域がマトリックス樹脂中に点在している構成を有することを特徴とする電子写真画像形成装置。 - 前記パーフルオロアルキル基を分子内に有する塩が、下記構造式(1)で表わされるアニオンを有する請求項1に記載の電子写真画像形成装置:
構造式(1)
CnF2n+1SO3 -
(上記構造式(1)中、nは3以上6以下の整数を表す)。 - マトリックス樹脂としてウレタン樹脂を含有する表面層を有する現像剤担持体であり、
該表面層は、一部が該表面層から露出した状態で該表面層に固定されているウレタン樹脂粒子を有しており、
該ウレタン樹脂粒子は、パーフルオロアルキル基を分子内に有する塩を含有し、且つ、該表面層から露出している部分の表面に該パーフルオロアルキル基に由来するフッ素原子が偏在しており、それによって、該現像剤担持体表面は、フッ素原子を表面に有する凸領域がマトリックス樹脂中に点在している構成を有することを特徴とする現像剤担持体。 - 請求項3に記載の現像剤担持体の製造方法であって、
(1)ウレタン樹脂原料の層を形成する工程と、
(2)前記パーフルオロアルキル基を分子内に有する塩を溶解した液体を含浸したウレタン樹脂粒子を、該ウレタン樹脂原料の層の表面に付着させた後に、該ウレタン樹脂原料の層を硬化させて前記表面層を形成する工程と
を有することを特徴とする現像剤担持体の製造方法。
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