JP5701101B2 - 現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ、電子写真装置 - Google Patents

現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ、電子写真装置 Download PDF

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Description

本発明は、現像ローラ、電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
電子写真装置において、現像ローラは、トナーに均一な摩擦電荷を付与し、かつ、所定量のトナーを現像領域に安定して搬送する機能を有する。その為、現像ローラの表面層には、微小な樹脂粒子を含有させることより、表面に当該樹脂粒子に起因する微小な凹凸を設けることが行われている。しかし、近年の電子写真装置の高速化、長寿命化、高画質化への対応の過程で、これらの現像ローラを用いて、画像出力を行なうと、耐久寿命後半で画像の白地部に現像剤が現像されてしまう画像不良(以下、「かぶり」とも称する)が発生する場合があった。
本発明者らはその原因を以下のように推測した。すなわち、電子写真装置のプロセススピードの高速化等により、現像ローラへのストレスは増加する傾向にある。特に樹脂粒子由来の凸部にはストレスが集中し、長期の使用によって、当該凸部を被覆している表面の樹脂が削られ、樹脂粒子が露出することがある。その結果、露出した樹脂粒子には外添剤が付着しにくいため、トナーの流動性が低下し、特に高温高湿下において帯電付与性が低下し、かぶりの原因となる。
そこで、本発明者らは、現像ローラの凸部を形成する樹脂粒子のトナーへの帯電付与性をコントロールすることにより、かぶりを解決することを試みた。特許文献1の構成においては、ナイロン微粒子を荷電制御粒子として用いている。しかし、ナイロン微粒子は現像ローラ表面の凹凸を形成することが出来ても、粒子が露出した場合においては、トナー帯電不足が生じることがあった。
また、荷電制御粒子を含有した現像ローラは、低温低湿下で過剰に帯電し(いわゆるチャージアップ現象)、ハーフトーン画像がガサつく場合があった。
また、荷電制御粒子と表面層のバインダー樹脂との密着性が充分でなく、表面層が削れると荷電制御粒子がすぐに表面層から脱落しい、当該脱落部分におけるトナーの帯電付与能が不十分となり、高温高湿下でかぶりの原因となる場合があった。
更に近年、高画質化対応の為、トナーが小粒径化し、以前には問題にならなかった現像ローラ表面の微小な問題が画像不良として発生しやすくなる傾向にある。
よって、非磁性一成分現像法を用いた電子写真装置においては高速化、長寿命化、高画質化を達成する為に、それらは解決しなければならない課題の一つである。
特開平10−186836号公報
本発明の課題は、大量枚数の画像出力後においても、高温高湿下でのかぶり及び低温低湿下でのガサツキ画像の発生を抑制することのできる現像ローラを提供することにある。また、本発明の課題は、このような現像ローラを用いた電子写真プロセスカートリッジ、及び電子写真装置を提供することにある。
本発明者らは、少なくとも軸芯体と表面層とを有する現像ローラにおいて、表面層がポリウレタン樹脂を含有し、ポリウレタン樹脂中に特定の構成単位を有する共重合体を含有する樹脂粒子を含有させることにより、以下の効果が得られることを見出した。すなわち、大量枚数の画像出力後においても、高温高湿下でのかぶり及び低温低湿下でのガサツキ画像の発生を抑制することができることを見出した。かかる知見に基づき、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、軸芯体と表面層とを有する現像ローラであって、該表面層はポリウレタン樹脂及び該ポリウレタン樹脂中に分散している樹脂粒子を含有し、該表面層は表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有し、該樹脂粒子は、下記構造式(1)および下記構造式(2)で示される構成単位から選ばれるいずれか一方または両方と下記構造式(3)で示される構成単位とを有する共重合体を含有することを特徴とする現像ローラに関する。
Figure 0005701101
[Rは炭素数1以上13以下のアルキル基を、X はハロゲンイオンまたはパラトルエンスルホン酸イオンを表す。]
Figure 0005701101
[Rは炭素数1以上13以下のアルキル基を、X はハロゲンイオンまたはパラトルエンスルホン酸イオンを表す。]
Figure 0005701101
[Rは水素原子もしくはメチル基、Rは炭素数2以上4以下のアルキレン基、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1または2のアルキル基を表す。]
また、本発明は、電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジであって、上記の現像ローラを有していることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジに関する。
また、本発明は、上記の現像ローラを有していることを特徴とする電子写真装置に関する。
本発明によれば、大量枚数の画像出力後においても、高温高湿下でのかぶり及び低温低湿下でのガサツキ画像の発生を抑制することのできる現像ローラを提供できる。また、高品位な画像を提供することのできる電子写真プロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することができる。
本発明の現像ローラの一例を示す概略側面図である。 本発明の現像ローラの製造装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の電子写真プロセスカートリッジの一例を示す概略構成図である。 現像ローラ表面に外添剤が付着堆積した様子を表すイメージ図を示す。 現像ローラ表面において、樹脂粒子によって形成された凸部周辺のポリウレタン樹脂が削れた様子を表すイメージ図を示す。 現像ローラ表面において、樹脂粒子によって形成された凸部周辺のポリウレタン樹脂が削れ、更に樹脂粒子が脱落した様子を表すイメージ図を示す。
(現像ローラ)
本発明の現像ローラは、図1に示すように、円柱状または中空円筒状の軸芯体2、及び表面層4を有している。また、軸芯体2が円柱状の場合には、図1に示すように軸芯体2と表面層4の間に弾性層3を有する。特に非磁性一成分接触現像系プロセスでは、弾性層3を有する現像ローラが好適に用いられる。
(軸芯体)
軸芯体2は、現像剤ローラ1の電極および支持部材として機能するもので、アルミニウム、銅合金、ステンレス鋼の如き金属または合金、クロム又はニッケルで鍍金処理を施した鉄の如き導電性の材質で構成される。
(弾性層)
弾性層3は、感光体の表面に形成された静電潜像にトナーを過不足なく供給することができるように、適切なニップ幅とニップ圧をもって感光体に押圧可能な硬度や弾性を現像ローラ1に付与するために設けられる。弾性層3は種々のゴム材を用いることができる。ゴム材に使用するゴムとしては、以下のものが挙げられる。エチレン−プロピレン−ジエン共重合ゴム(EPDM)、アクリルニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、フッ素ゴム、シリコーンゴム、エピクロロヒドリンゴム、NBRの水素化物、ウレタンゴム。これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。この中でも、押圧による圧縮応力歪みの小さいシリコーンゴムが好ましい。シリコーンゴムとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルトリフルオロプロピルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサン、ポリフェニルビニルシロキサン、これらのシロキサンの共重合体が挙げられる。
弾性層3の中には、電子導電性物質やイオン導電性物質のような導電性付与剤を配合することで、その導電性を適宜調整することができる。電子導電性物質としては、以下のものが挙げられる。ケッチェンブラックEC,アセチレンブラックの如き導電性カーボン;SAF,ISAF,HAF,FEF,GPF,SRF,FT,MTの如きゴム用カーボン;酸化処理を施したカラー(インク)用カーボン;銅、銀、ゲルマニウムの如き金属及び金属酸化物。この中でも、少量で導電性を制御しやすいことからカーボンブラック〔導電性カーボン、ゴム用カーボン、カラー(インク)用カーボン〕が好ましい。また、イオン導電性物質としては以下のものが挙がられる。過塩素酸ナトリウム、過塩素酸リチウム、過塩素酸カルシウム、塩化リチウムの如き無機イオン導電性物質;変性脂肪族ジメチルアンモニウムエトサルフェート、ステアリルアンモニウムアセテートの如き有機イオン導電性物質。
(表面層)
表面層4にバインダー樹脂としてポリウレタン樹脂を含有している。
ポリオール成分としては特に限定されるものではないが。ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリイソプレンポリオール、アクリルポリオールを用いることができる。また、これらのポリオール成分と反応させるイソシアネート化合物としては、特に限定されるものではないが、エチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)の如き脂肪族ポリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサン1,3−ジイソシアネート、シクロヘキサン1,4−ジイソシアネートの如き脂環式ポリイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の如き芳香族イソシアネート及びこれらの共重合物や、そのブロック体を用いることができる。
(樹脂粒子)
表面層中の、ポリウレタン樹脂に分散されている樹脂粒子は、表面層に凸部を形成するためのものである。そして、当該樹脂粒子は、下記構造式(1)および下記構造式(2)で示される構成単位から選ばれるいずれか一方または両方と下記構造式(3)で示される構成単位とを有する共重合体を含有する。
Figure 0005701101
[Rは炭素数1以上13以下のアルキル基を、X はハロゲンイオンまたはパラトルエンスルホン酸イオンを表す。]
Figure 0005701101
[Rは炭素数1以上13以下のアルキル基を、X はハロゲンイオンまたはパラトルエンスルホン酸イオンを表す。]
Figure 0005701101
[Rは水素原子もしくはメチル基、Rは炭素数2以上4以下のアルキレン基、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1または2のアルキル基を表す。]
樹脂粒子に上記の共重合体を含有させることで、大量枚数の画像出力においても、高温高湿下でのかぶり及び低温低湿下でのガサツキ画像の発生を抑制することのできる理由は以下のように考察している。すなわち、本発明者らは、これらの画像弊害の原因について、従来の樹脂粒子を用いて、かぶりやガサツキ画像が現像ローラのどの部分で発生しているのか検討を行った。
その結果、これらの画像弊害は、前述のように図6に示すような樹脂粒子31の近傍の表面層4が削れ、樹脂粒子31が露出した部分や、図7に示すような樹脂粒子31の脱落が生じた部分33で集中して発生していることが分かった。
更に、これらの部分を電子顕微鏡を用いて詳細に観察すると、画像弊害は外添剤32の付着蓄積が少ない部分で発生し、樹脂粒子31の露出・脱落後に再び外添剤32が付着蓄積された部分では発生していないことが分かった。
一方で、図5のように耐久寿命後半に表面に外添剤32が付着堆積した現像ローラと、未使用の現像ローラとを用いて比較検討を行うと、表面に外添剤32が付着堆積した現像ローラの帯電付与性が向上していることも確認されている。つまり、正常な部分は耐久寿命後半にかけて外添剤32が付着蓄積することにより、現像ローラ表面上のトナーの流動性が増し帯電付与性が向上している。これに対し、樹脂粒子31の露出・脱落が生じた部分は表面の外添剤32の付着が無くなり正常な部分と比較すると帯電付与性が低くなっている。また、耐久寿命後半はトナーが劣化し、帯電しにくくなる。よって、これらの部分で帯電不良が生じ、かぶりが発生するものと考えている。また、樹脂粒子31の露出・脱落が生じた部分は外添剤32が少なく、現像剤量規制部材に印加されるバイアスの影響をより受けやすくなる。その結果、チャージアップが生じやすく、ガサツキ画像の原因となると考えている。
上記の問題に対して、本発明に係る樹脂粒子を含有する表面層を備えた現像ローラは、表面層が削れても、高温高湿下で高い帯電付与性を持つ。また、低温低湿下で樹脂粒子部分がチャージアップし画像弊害を発生することもないことが確認された。
これらの作用に関して、樹脂粒子中の共重合体が大きく作用していると考えている。この共重合体が帯電付与性とチャージアップ抑制に寄与するメカニズムは定かではないが、以下のように考えている。
一般的に電子写真装置に用いられる帯電付与剤は、その構造内に窒素を有するものが多い。本発明で用いる樹脂粒子は前記共重合体中に、前記構造式(1)および前記構造式(2)で示されるピリジニウム基または、前記構造式(3)で示される3級アミノ基という形で分子構造内に窒素を有している。これらの構造が帯電付与効果をもたらしているものと考えられる。更に、本発明においては前記構造式(1)および前記構造式(2)で示されるピリジニウム基が特に帯電付与に寄与していると考えられる。これはピリジニウム基の共役π電子と、置換基のアルキル基の電子供与性によるものと考えられる。また、ピリジニウム基を有することで、共重合体自体が過剰に帯電する前に電荷を逃がす作用を有する為、チャージアップ抑制効果をもたらしているものと考えられる。
また、耐久後半に表面層が削れても樹脂粒子が図7のように脱落しにくいことも確認された。その理由としては以下のように考えられる。現像剤ローラの表面層はバインダーとしてポリウレタン樹脂を含有している。ポリウレタン樹脂に含まれるウレタン基のN−H結合において、電気陰性度の高い窒素原子と結合している水素原子は弱い正電荷を帯びている。また、樹脂粒子の共重合体中に含まれる前記構造式(3)で示される3級アミノ基は非共有電子対を有している。このため、ウレタン基の水素原子と3級アミノ基の間で水素結合が形成されると考えられる。このように水素結合が形成されることで、樹脂粒子が表面層から脱落が抑制されるものと考えられる。
本発明で用いられる樹脂粒子に含有される共重合体中のピリジニウム基は前記構造式(1)または(2)に示す構造を有する。前記構造式(1)及び(2)において、R及びRには炭素数1以上13以下のアルキル基から自由に選択することができる。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基などのアルキル基が挙げられる。また、X 及びX にはハロゲンイオン、パラトルエンスルホン酸イオンから自由に選択することができる。ハロゲンイオンは塩化物イオン、臭化物イオン、フッ化物イオン、ヨウ化物イオンから自由に選択することができる。その中でも、イオン半径の小さい塩素イオン、フッ素イオンが樹脂粒子のチャージアップを効果的に抑制でき、好ましい。このような構造を形成する具体的なモノマーとしては1−メチル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−エチル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−プロピル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−ブチル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−ペンチル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−ヘキシル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−ヘプチル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−オクチル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−ノニル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−デシル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−ドデシル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−トリデシル−2−ビニルピリジニウムハロイド、1−メチル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−エチル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−プロピル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−ブチル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−ペンチル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−ヘキシル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−ヘプチル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−オクチル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−ノニル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−デシル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−ドデシル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、1−トリデシル−2−ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩、が挙げられる。
本発明で用いられる樹脂粒子に含有される共重合体中の3級アミノ基は前記構造式(3)に示す構造を有する。前記構造式(3)において、Rには水素原子またはメチル基を、Rにはエチレン基またはプロピレン基またはブチレン基を、R及びRにはメチル基またはエチル基を自由に選択することができる。
このような構造を形成する具体的なモノマーとしてはN,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートまたはアクリレートを意味する(以下、同様)。
本発明で用いられる樹脂粒子に含有される共重合体が樹脂粒子のメインバインダーとして用いられる場合、前記のピリジニウム基含有モノマー及び3級アミノ基含有モノマーに加え、さらにビニル基を有する他のモノマーと共重合されていると好ましい。具体的なモノマーとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、n−アミル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、iso−オクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸アルキルエステルの如きメタクリル酸アルキルエステルが挙げられる。これらのモノマーは共重合体の極性を調整するために適宜用いることができ、共重合体を樹脂粒子のメインバインダーとして用いた場合は樹脂粒子の表面自由エネルギーを調整できる。
また、本発明で用いられる樹脂粒子に含有される共重合体が樹脂粒子のメインバインダーとして用いられる場合、更に二官能性モノマーと共重合されていると好ましい。二官能性モノマーとは、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート等が挙げられる。
前記構造式(1)または(2)に示す構造を形成するモノマー(ピリジニウム基含有モノマー)と前記構造式(3)に示す構造を形成するモノマー(3級アミノ基含有モノマー)の共重合比は特に限定されるものではなく、必要に応じて設定することができる。即ち、帯電付与性及びチャージアップ抑制をより向上させる必要があれば、ピリジニウム基含有モノマーの比率を増大させれば良い。また、樹脂粒子の脱落をより抑制する必要があれば、3級アミノ基含有モノマーの比率を増大させれば良い。好ましくは、ピリジニウム基含有モノマーと3級アミノ基含有モノマーの総量に対するピリジニウム基含有モノマーの重合比は20mol%以上80mol%以下、3級アミノ基含有モノマーの重合比は20mol%以下である。ピリジニウム基含有モノマーの重合比が20mol%以上の場合、帯電付与性及びチャージアップ抑制の向上が見られ、80mol%以下の場合、樹脂粒子脱落抑制の向上が見られる。
本発明で用いられる樹脂粒子に含有される共重合体を得るための重合法としては、ラジカル重合法やイオン重合法等の公知の重合方法が使用される。この中でも、ラジカル重合法がより好ましい。
ラジカル重合法の開始剤としては、一般にラジカル重合法に使用される従来公知の化合物が用いられ、具体的には、2,2´−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾビス系化合物、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、tert−ブチルパーオキシベンゾエート、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物等を例示できる。このラジカル開始剤は、1種を単独で使用してもよく、また2種類以上を混合して使用してもよい。ラジカル開始剤の使用量は、重合する化合物の合計を100質量部とした時、0.1から5質量部の範囲であることが好ましい。
ラジカル重合は、溶媒中で、前記構造式(1)または(2)に示す構造を形成するモノマーと前記構造式(3)に示す構造を形成するモノマーとを前記ラジカル開始剤の存在下、50から150℃の温度条件下で反応させることにより行われる。
このとき用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類、ヘキサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類等を例示できる。その中でも、本発明においては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等のアルコール類を用いるとよい。
本発明で用いられる樹脂粒子に含有される共重合体の重量平均分子量(Mw)は10,000以上100,000以下が好ましい。Mwが10,000以上であると、樹脂粒子の機械強度に優れる。また、100,000以下であると、添加剤として使用した場合は樹脂粒子のバインダー樹脂との相溶性に優れる。
本発明で用いられる樹脂粒子の作成方法としては、公知の重合体樹脂粒子の作成方法を用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、前記共重合体を樹脂粒子のメインバインダーとして用いる場合は以下のような作成方法がある;乳化重合、懸濁重合により共重合体の重合時に樹脂粒子を作成する方法、共重合体の重合後に重合体溶液をフラッシュ蒸発して樹脂粒子を作成する方法、共重合体を溶融して樹脂粒子を作成する方法、共重合体を機械的に粉砕して樹脂粒子を作成する方法。また、共重合体を粉砕する際、冷凍粉砕することにより樹脂粒子を作成する方法もある。また、前記共重合体を樹脂粒子の添加剤として用いる場合は以下のような作成方法がある;共重合体を作成後、樹脂粒子のメインバインダーと共に溶融混練してペレットを作成した後、得られたペレットを機械的に粉砕して樹脂粒子を作成する方法。
また、本発明における樹脂粒子中に含有される共重合体の構成単位の構造は、樹脂粒子を採取し熱分解GC/MS装置「Voyager」(商品名、サーモエレクトロン社製)で分析して求めることができる。その際の条件としては、熱分解温度:600℃、カラム:HP−1(15m×0.25mm×0.25μm)、Inlet:300℃、Split:20.0、注入量:1.2ml/分、昇温:50℃(4分)−300℃(20℃/分)で行うことができる。
樹脂粒子の平均粒子径は、1〜30μmに制御するが、好ましくは、3〜15μmである。本発明の樹脂粒子の平均粒子径が1μm以上であると、現像ローラの表面に適度に凹凸が形成され、適正な濃度の画像を形成することができる。また、樹脂粒子の平均粒子径が30μm以下であると画像の均一性が良好になる。
ここで、本発明における樹脂粒子の粒子径測定の具体例を示す。先ず、樹脂粒子を粉体のまま測る場合は、コールターカウンターマルチサイザー等を用いて測定することができる。例えば、電解質溶液100〜150mlに界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml添加し、これに測定試料(樹脂粒子)を2〜20mg添加する。試料を懸濁した電解質液を超音波分散器で1〜3分間分散処理して、コールターカウンターマルチサイザーにより17μm又は100μm等の樹脂粒子サイズに適宜合わせたアパチャーを用いて体積を基準として0.3〜64μmの粒度分布等を測定するものとする。この条件で測定した質量平均粒子径をコンピュータ処理により求める。
また、表面層中に含有されている樹脂粒子の平均粒子径は、層の断面を顕微鏡等で観察することにより簡易的に求めることもできる。例えば、導電性ローラの表面層を断面が観察できるように剃刀等で薄くスライスする。薄くスライスした断面を電子顕微鏡にて観察撮影し、任意の樹脂粒子100個について粒子径を測定し、その平均値を求める。
本発明の樹脂粒子について、その添加量は塗工後の表面層中の質量割合として、1〜80質量%が好ましい。この範囲にすることで、画像濃度と画像均一性を両立することができる。
表面層4の形成方法としては特に限定されるものではないが、例えば、表面層4の各成分を溶剤中に分散混合して塗料化し、軸芯体2、又は弾性層3の上に塗工し、乾燥固化または硬化することにより形成することが可能である。分散混合には、サンドミル、ペイントシェーカー、ダイノミル、パールミルの如きビーズを利用した公知の分散装置が好適に利用可能である。また、得られた塗料の軸芯体2、又は弾性層3への塗工方法としては、ディッピング法、スプレー法、ロールコート法の如き公知の方法が適用可能である。
(電子写真装置)
本発明の電子写真装置の一例を図3に示す。図3において、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーの各色トナー毎に設けられる画像形成ユニットa〜dが設けられる。各画像形成ユニットa〜dには、それぞれ矢印方向に回転する静電潜像担持体としての感光体5が設けられる。各感光体5の周囲には、感光体5を一様に帯電するための帯電装置11、一様に帯電処理した感光体5にレーザー光10を照射して静電潜像を形成する不図示の露光手段、静電潜像を形成した感光体5にトナーを供給し静電潜像を現像する現像装置9が設けられる。
一方、給紙ローラ23により供給される紙等の記録材22を搬送する転写搬送ベルト20が駆動ローラ16、従動ローラ21、テンションローラ19に懸架されて設けられる。転写搬送ベルト20には吸着ローラ24を介して吸着バイアス電源25の電荷が印加され、記録材22を転写搬送ベルト20の表面に静電気的に付着させて搬送するようになっている。
各画像形成ユニットa〜dの感光体5の上のトナー像を、転写搬送ベルト20によって搬送される記録材22に転写するための電荷を印加する転写バイアス電源18が設けられる。転写バイアスは転写搬送ベルト20の裏面に配置される転写ローラ17を介して印加される。各画像形成ユニットa〜dにおいて形成される各色のトナー像は、各画像形成ユニットa〜dに同期して可動される転写搬送ベルト20によって搬送される記録材22の上に、順次重畳して転写されるようになっている。
更に、カラー電子写真装置には、記録材22の上に重畳転写したトナー像を加熱などにより定着する定着装置15、画像形成された記録材22を装置外に排出する搬送装置(不図示)が設けられる。
一方、各画像形成ユニットには記録材22に転写されずに各感光体5の上に残存する転写残トナーを除去し表面をクリーニングするクリーニングブレードを有するクリーニング装置12が設けられる。クリーニングされた感光体5は画像形成可能状態とされて待機するようになっている。
現像装置9には、一成分現像剤として非磁性現像剤を収容した現像剤容器7と、現像剤容器7の開口を閉塞するように設置され、現像剤容器から露出した部分で感光体と対向するように現像ローラ1が設けられる。
現像剤容器7の中には、現像剤供給ローラ6と、現像剤量規制部材8とが設けられている。これらはそれぞれ現像ローラ1に当接配置されている。現像剤供給ローラ6は、現像ローラ1にトナーを供給すると同時に、現像後現像ローラ1の上に使用されずに残留するトナーを掻き取る。現像剤量規制部材8は、現像ローラ1の上のトナーを薄膜状に形成すると共に、摩擦帯電する。現像剤量規制部材8には現像剤量規制部材バイアス電源13が接続され、現像ローラ1には現像ローラバイアス電源14が接続され、画像形成時において、現像剤量制部材8と現像ローラ1にはそれぞれ電荷が印加される。現像剤量規制部材バイアス電源13から出力される電圧は現像ローラバイアス電源14から出力される電圧より50V乃至400V低い電圧が出力される
(電子写真プロセスカートリッジ)
また、本発明の電子写真プロセスカートリッジの一例を図4に示す。図4に示す電子写真プロセスカートリッジは、現像装置9と、感光体5、クリーニング装置12を有し、これらが一体化されて電子写真装置本体に着脱自在に設けられる。現像装置9としては電子写真装置で説明したものと同様のものを挙げることができる。本発明の電子写真プロセスカートリッジは、上記の他、感光体5の上のトナー像を記録材22に転写する転写部材などを上記の部材と共に一体的に設けたものであってもよい。
本発明の共重合体の合成には公知の重合方法を用いることができる。以下に参考として共重合体及び現像ローラの製造例を示すが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
樹脂粒子の製造例
(樹脂粒子1の製造例)
撹拌機、冷却器、温度計、窒素導入管を付した4つ口セパラブルフラスコ内で表1に示す材料を混合し、系が均一になるまで撹拌した。
Figure 0005701101
撹拌を続けながら、反応系内の温度が80℃になるまで昇温し、窒素導入還流状態で12時間反応させた。この溶液をエタノールで希釈した後、n−ヘキサンで再沈殿させ、沈殿物を減圧乾燥し、共重合体を得た。得られた共重合体を、2軸押出機にてペレタイズしてペレットを得た。得られた共重合体の重量平均分子量は18200であった。
得られたペレットをアトマイザー粉砕機で、液体窒素を用いてペレット状樹脂の脆化温度以下(−150℃)に冷却して粉砕した。その後分級を行って、平均粒子径10.1μmの樹脂粒子を得た。これを樹脂粒子1とする。
(樹脂粒子2〜20の製造例)
使用する重合成分の種類と重量(質量部)を表2のとおりに変更した以外は、樹脂粒子1の製造例と同様にして、共重合体を作成し、樹脂粒子2〜20を得た。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)、樹脂粒子の平均粒子径を表2に示す。
Figure 0005701101
M2VPCl :1−メチル−2−ビニルピリジニウムクロライド
H2VPCl :1−n−ヘキシル−2‐ビニルピリジニウムクロライド
Td2VPCl :1−n−トリデシル−2−ビニルピリジニウムクロライド
M4VPCl :1−メチル−4−ビニルピリジニウムクロライド
H4VPCl :1−n−ヘキシル−4‐ビニルピリジニウムクロライド
H4VPF :1−n−ヘキシル−4‐ビニルピリジニウムフロライド
H4VPBr :1−n−ヘキシル−4‐ビニルピリジニウムブロマイド
H4VPPTSA :1−n−ヘキシル−4‐ビニルピリジニウムパラトルエンスルホン酸塩
Td4VPCl :1−n−トリデシル−4−ビニルピリジニウムクロライド
4VP :4−ビニルピリジン
DMAEMA :ジメチルアミノエチルメタクリレート
DEAEMA :ジエチルアミノエチルメタクリレート
DMABMA :ジメチルアミノブチルメタクリレート
DMAEA :ジメチルアミノエチルアクリレート
BMA :n−ブチルメタクリレート
現像ローラの製造例
(実施例1)
<軸芯体2の製造>
軸芯体2として、外径8mm、長さ280mmのSUS304製の軸芯体にプライマ−(商品名:DY35−051;東レダウコーニング社製)を塗布、焼付けしたものを用意した。
<弾性層3の製造>
ついで、軸芯体2を金型に配置し、表3に示す材料を混合した付加型シリコーンゴム組成物を金型内に形成されたキャビティに注入した。
Figure 0005701101
続いて、金型を加熱してシリコーンゴムを150℃、15分間加硫硬化し、脱型した後、さらに180℃、1時間加熱し硬化反応を完結させ、軸芯体2の外周に厚さ4mmの弾性層3を設けた。
<表面層4の製造>
表面層4の材料として、表4に示す材料を撹拌混合した。その後、総固形分比30質量%になるようにメチルエチルケトンに溶解、混合の後、サンドミルにて均一に分散した。
Figure 0005701101
上記原料混合液に樹脂粒子1を20.0質量部加え、さらにボールミルで撹拌分散して表面層形成用塗料を得た。更に、この表面層形成用塗料を粘度10〜13cpsになるようメチルエチルケトンで希釈後、前記弾性層上に塗工した。塗工には図2に示す液循環型浸漬塗工装置を用いた。図2に示す円筒形の浸漬槽26は、現像ローラの外径よりわずかに大きな内径を有し現像ローラの軸方向の長さより大きな深さを有している。浸漬槽26の上縁外周には環状の液受け部30が設けられており、撹拌タンク28と接続されている。また浸漬槽26の底部は撹拌タンク28と接続されている。撹拌タンク28の塗料は、液送ポンプ27によって浸漬槽26の底部に送り込まれる。浸漬槽26の上端部からは、塗料がオーバーフローしており、浸漬槽26の上縁外周の液受け部30を介して撹拌タンク28に戻る。弾性層3を設けた軸芯体2は昇降装置29に垂直に固定され、浸漬槽26の中に浸漬し、引き上げることで弾性層3の上に塗料が塗工される。塗工した塗料を乾燥させた後、温度150℃にて1時間加熱処理することで弾性層3の外周に膜厚約20μmの表面層4を設け、実施例1の現像ローラを得た。
(実施例2〜15)
樹脂粒子1を表9のとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例2〜15の現像ローラを得た。
(実施例16〜18)
実施例1と同様の手順で軸芯体2を準備し、さらに弾性層3を設けた。次に、表面層4の材料として、表5に示す材料を撹拌混合した。その後、総固形分比30質量%になるようにメチルエチルケトンに溶解、混合の後、サンドミルにて均一に分散した。その後、樹脂粒子1を表9のとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例16〜18の現像ローラを得た。
Figure 0005701101
(実施例19〜21)
実施例1と同様の手順で軸芯体2を準備し、さらに弾性層3を設けた。次に、表面層4の材料として、表6に示す材料を撹拌混合した。その後、総固形分比30質量%になるようにメチルエチルケトンに溶解、混合の後、サンドミルにて均一に分散した。その後、樹脂粒子1を表9のとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例19〜21の現像ローラを得た。
Figure 0005701101
(実施例22〜24)
実施例1と同様の手順で軸芯体2を準備し、さらに弾性層3を設けた。次に、表面層4の材料として、表7に示す材料を撹拌混合した。その後、総固形分比30質量%になるようにメチルエチルケトンに溶解、混合の後、サンドミルにて均一に分散した。その後、樹脂粒子1を表9のとおりに変更した以外は、実施例1と同様の方法で実施例22〜24の現像ローラを得た。
Figure 0005701101
(比較例1)
実施例1と同様の手順で軸芯体2を準備し、さらに弾性層3を設けた。次に、表面層4の材料として、表8に示す材料を撹拌混合し、総固形分比30質量%になるようにトルエンに溶解、混合の後、サンドミルにて均一に分散した。
上記原料混合液に樹脂粒子2を20.0質量部加え、さらにボールミルで撹拌分散して表面層形成用塗料を得た。その後、実施例1と同様の方法で比較例1の現像ローラを得た。
Figure 0005701101
(比較例2、3)
樹脂粒子2を表9のとおりに変更した以外は比較例1と同様の方法で比較例2、3の現像ローラを得た。
(比較例4〜8)
樹脂粒子1を表9のとおりに変更した以外は実施例1と同様の方法で比較例4〜7の現像ローラを得た。
(比較例9)
樹脂粒子1をナイロン樹脂粒子(商品名:VESTOSINT 2159、ダイセル・エボニック株式会社)に変更した以外は実施例1と同様の方法で比較例8の現像ローラを得た。
[分子量測定]
本実施例中における重量平均分子量(Mw)の測定に用いた装置、並びに条件は以下のとおりである。
測定機器:HLC−8120GPC(東ソー社製)
カラム:TSKgel SuperHM−M(東ソー社製)×2本
溶媒:THF(20mM トリエチルアミン添加)
温度:40℃
THFの流速:0.6ml/分
なお測定サンプルは、樹脂粒子をTHFに溶解させ0.1質量%のTHF溶液とした。更に検出器としてはRI(屈折率)検出器を用いて測定を行った。検量線作成用の標準試料として、TSK標準ポリスチレンA−1000、A−2500、A−5000、F−1、F−2、F−4、F−10、F−20、F−40、F−80、F−128(東ソー社製)を用いて検量線の作成を行い、これをもとに得られた測定サンプルの保持時間から重量平均分子量を求めた。
[評価]
評価には図3に示す電子写真装置の構成を有する日本ヒューレット・パッカード社製レーザービームプリンタ「CLJ4700dn(商品名)」を用いた。なお、予め、プロセススピードを1.5倍にすることにより、プリント速度を30枚/分から45枚/分に改造した(以下、改造機という)。また、カートリッジ内の現像剤量規制部材を厚さ80μmのSUS304製に変更した(以下、改造カートリッジという)。トナーは個数平均粒径7.0μmのマゼンタトナーを使用した。
(高温高湿かぶり評価)
現像ローラを改造カートリッジに装填後、環境温度35℃湿度90%RHの高温高湿環境に移動し、24時間放置した。また、現像材料規制部材の現像ローラへの押圧は30gf/cmとした。その後、同環境下、改造カートリッジを改造機に装填し、45枚/分の速度で印字率0.5%にてLETTERサイズ紙(商品名:「Business Multipurpose 4200」、XEROX社製)を30000枚出力した。その際、1枚出力するごとに1度停止する間欠モード(10秒/枚の出力間隔)とした。更に、同環境下で72時間放置した。その後、9枚/分の速度で白ベタ画像出力中にプリンタを停止し、かぶり評価を行った。かぶりの評価基準は以下のようである。感光体の上に付着したトナーを透明のテープ(商品名:「ポリエステルテープNo.550」、ニチバン(株)社製)で剥がしとった。次に、このテープを白色の紙(商品名:「Business Multipurpose 4200」、XEROX社製)に貼り付けて、反射濃度計(商品名:「TC−6DS/A」、東京電色社製)にて反射濃度を測定した。その際、フィルターにグリーンフィルターを使用した。透明テープのみを白色の紙に貼り付けて基準とし、基準に対する反射率の低下量(%)をかぶり値(%)とし、以下の基準によりかぶり評価を行った。
A:0.5%未満であり良好な性能である。
B:0.5%以上1.0%未満であり、ほぼ問題ないレベルである。
C:1.0%以上2.5%未満であり、ややかぶりが目視できるが、実用上問題ないレベルである。
D:2.5%以上5.0%未満であり、かぶりが目視できるが、実用上問題ないレベルである。
E:5%以上であり実用上問題があるレベルである。
(低温低湿ガサツキ評価)
更に、前記の改造機を環境温度15℃湿度10%RHの低温低湿環境に移動し、24時間放置した。その後、印字濃度25%のハーフトーン画像を出力し、この画像を目視にて観察し、チャージアップ要因のガサツキ画像を以下の基準により評価した。
A:全くガサツキを感じなく、なめらかな画像である。
B:ガサツキをあまり感じない。
C:ややガサツキ感はあるが、ほぼ実用上問題ないレベルである。
D:ガサツキ感があるが、実用上問題ないレベルである。
E:非常にガサツキ感があり実用上問題があるレベルである。
[現像ローラ表面の観察]
更に、前記の画像評価後の現像ローラを改造カートリッジから取り出し、表面に付着しているトナーをエアーブローにより除去した。
次に、現像ローラの表面を観察し、樹脂粒子の露出・脱落状況の確認を行った。観察にはレーザー顕微鏡(商品名:VK−8700、キーエンス社製)を用いた。また、樹脂粒子の脱落・露出部分と前記画像評価時の画像弊害部分を照らし合わせた。その結果、樹脂粒子の脱落・露出が生じた部分を中心に画像弊害が生じていることが確認された。また、観察結果を以下の基準により評価した。
A:樹脂粒子の露出が認められるが、脱落は認められない。
B:樹脂粒子の露出、脱落が認められ、脱落は全樹脂粒子の10%未満である。
C:樹脂粒子の露出、脱落が認められ、脱落は全樹脂粒子の10%以上である。
次に、現像ローラ表面を走査電子顕微鏡(商品名:S−4800、日立ハイテク社製)を用いて観察した。その結果、樹脂粒子の露出や脱落が認められた部分は外添剤の付着量が少なくなっていることが確認された。
画像評価結果及び現像ローラ表面観察結果を表9に示す。
Figure 0005701101
表9の結果より、実施例1〜24の現像ローラは、いずれも高温高湿下でのかぶりと低温低湿下でのガサツキが良好であり、樹脂粒子の脱落が生じにくいものであった。
比較例1〜3の現像ローラは、いずれも高温高湿下でのかぶりと低温低湿下でのガサツキが悪く、樹脂粒子の脱落が生じやすいものであった。
比較例4および5の現像剤ローラでは、表面層が含有している樹脂粒子16および17は、共重合体中に前記構造式(3)で示される構成単位を有していない。その為、これらの現像ローラは、いずれも高温高湿下でのかぶりが悪く、樹脂粒子の脱落が生じやすいものであった。
比較例6の現像剤ローラでは、表面層が含有している樹脂粒子18は、共重合体中に前記構造式(1)または前記構造式(2)で示される構成単位のいずれも有していない。その為、この現像ローラは、高温高湿下でのかぶりに問題があった。
比較例7の現像剤ローラでは、表面層が含有している樹脂粒子19は、共重合体中に前記構造式(1)または前記構造式(2)で示される構成単位のいずれも有していない。具体的には、ピリジニウム基は有するが、ハロゲンイオンまたはパラトルエンスルホン酸を有しない。その為、この現像ローラは、低温低湿下でのガサツキに問題があった。
比較例8の現像剤ローラでは、表面層が含有している樹脂粒子20は、共重合体中に前記構造式(1)または前記構造式(2)または前記構造式(3)で示される構成単位、のいずれも有していない。ただし、n−ブチルメタクリレートを有する。その為、この現像ローラは、高温高湿下でのかぶりが悪く、樹脂粒子の脱落が生じやすいものであった。
比較例9の現像剤ローラでは、表面層はナイロン粒子を含有し、共重合体中に前記構造式(1)または前記構造式(2)または前記構造式(3)で示される構成単位、のいずれも有していない。その為、この現像ローラは、高温高湿下でのかぶり、低温低湿下でのガサツキ、樹脂粒子の脱落に問題があるものであった。
1‥‥現像ローラ
2‥‥軸芯体
3‥‥弾性層
4‥‥表面層
5‥‥感光体
6‥‥現像剤供給ローラ
7‥‥現像剤容器
8‥‥現像剤量規制部材
9‥‥現像装置
10‥‥レーザー光
11‥‥帯電装置
12‥‥クリーニング装置
13‥‥ブレードバイアス電源
14‥‥現像ローラバイアス電源
15‥‥定着装置
16‥‥駆動ローラ
17‥‥転写ローラ
18‥‥転写バイアス電源
19‥‥テンションローラ
20‥‥転写搬送ベルト
21‥‥従動ローラ
22‥‥記録材
23‥‥給紙ローラ
24‥‥吸着ローラ
25‥‥吸着バイアス電源
26‥‥浸漬槽
27‥‥液送ポンプ
28‥‥攪拌タンク
29‥‥昇降装置

Claims (4)

  1. 軸芯体と表面層とを有する現像ローラであって、
    該表面層は、ポリウレタン樹脂及び該ポリウレタン樹脂中に分散している樹脂粒子を含有し、かつ表面に該樹脂粒子に由来する凸部を有し、
    該樹脂粒子は、下記構造式(1)および下記構造式(2)で示される構成単位から選ばれるいずれか一方または両方と、下記構造式(3)で示される構成単位とを有する共重合体を含有することを特徴とする現像ローラ:
    Figure 0005701101
    [Rは炭素数1以上13以下のアルキル基を、X はハロゲンイオンまたはパラトルエンスルホン酸イオンを表す。]
    Figure 0005701101
    [Rは炭素数1以上13以下のアルキル基を、X はハロゲンイオンまたはパラトルエンスルホン酸イオンを表す。]
    Figure 0005701101
    [Rは水素原子もしくはメチル基、Rは炭素数2以上4以下のアルキレン基、R及びRはそれぞれ独立して炭素数1または2のアルキル基を表す。]。
  2. 前記構造式(1)、(2)のX 、X がフッ素イオン、塩素イオンであることを特徴とする請求項1に記載の現像ローラ。
  3. 電子写真装置の本体に着脱可能に構成されている電子写真プロセスカートリッジであって、請求項1または2に記載の現像ローラを有していることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  4. 請求項1または2に記載の現像ローラを有していることを特徴とする電子写真装置。
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